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特許7504489深紫外線レーザによる病原微生物殺滅濾過装置
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  • 特許-深紫外線レーザによる病原微生物殺滅濾過装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】深紫外線レーザによる病原微生物殺滅濾過装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/20 20060101AFI20240617BHJP
【FI】
A61L9/20
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022134389
(22)【出願日】2022-08-25
(65)【公開番号】P2023179342
(43)【公開日】2023-12-19
【審査請求日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】202210636259.X
(32)【優先日】2022-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522339916
【氏名又は名称】広東国志激光技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】Guangdong Guozhi Photonics Technology Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】No.1, Keji 9th Road, Songshanhu Park, Dongguan City, Guangdong Province, 523808, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】鐘 晨
(72)【発明者】
【氏名】周 邵巍
【審査官】宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-034539(JP,A)
【文献】国際公開第2017/119152(WO,A1)
【文献】特開2003-260329(JP,A)
【文献】特開2014-004507(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/20
B01J 19/12
F24F 8/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
病原微生物を有するガスを収容するための本体と、
本体に接続され、深紫外線レーザを複数回全反射して前記本体内に深紫外線レーザネットワークを形成するように構成される深紫外線レーザモジュールであって、前記本体に接続された深紫外線レーザ装置と、前記深紫外線レーザ装置の光出力側に設置され、前記深紫外線レーザネットワークの疎密程度を調整するように構成される反射調整コンポーネントとを含む前記深紫外線レーザモジュールと、を含み、
前記反射調整コンポーネントは第1反射鏡、第2反射鏡群、調整部材及びマウントを含み、
前記調整部材は前記マウントに回転可能に接続され、前記第1反射鏡の角度を調整するように構成され、
前記第1反射鏡は前記調整部材に取り付けられ、且つ前記深紫外線レーザ装置の光出力側の深紫外線レーザを本体内部に反射するように構成され、
前記第2反射鏡群は前記本体内部に設置され、前記第1反射鏡で本体に反射された深紫外線レーザを複数回全反射して深紫外線レーザネットワークを形成するように構成される、ことを特徴とする深紫外線レーザによる病原微生物殺滅濾過装置。
【請求項2】
前記本体の内面はトポロジー形状である、ことを特徴とする請求項1に記載の深紫外線レーザによる病原微生物殺滅濾過装置。
【請求項3】
前記深紫外線レーザ装置の波長は200ナノメートルから400ナノメートルの範囲にある、ことを特徴とする請求項1に記載の深紫外線レーザによる病原微生物殺滅濾過装置。
【請求項4】
前記第1反射鏡の角度は40度から50度の任意の角度を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の深紫外線レーザによる病原微生物殺滅濾過装置。
【請求項5】
前記第2反射鏡群は本体の内面に設置された複数の反射鏡を含み、前記複数の反射鏡の数は奇数又は偶数であり、
前記複数の反射鏡の数は奇数である場合、前記複数の反射鏡は、所望の深紫外線レーザネットワークの疎密程度に基づいて本体の内面の異なる位置に分布しており、
前記複数の反射鏡の数は偶数である場合、前記複数の反射鏡は、2つずつ互いに対応して本体の内面に均一に分布している、ことを特徴とする請求項1に記載の深紫外線レーザによる病原微生物殺滅濾過装置。
【請求項6】
前記第2反射鏡群は本体の内面を完全に覆う反射鏡を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の深紫外線レーザによる病原微生物殺滅濾過装置。
【請求項7】
前記第2反射鏡群のレンズに反射膜を有している、ことを特徴とする請求項1に記載の深紫外線レーザによる病原微生物殺滅濾過装置。
【請求項8】
前記本体にはレーザを前記本体内に伝送するための光導入孔が設けられている、ことを特徴とする請求項7に記載の深紫外線レーザによる病原微生物殺滅濾過装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は浄化技術分野に関し、特に深紫外線レーザによる病原微生物殺滅濾過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
新型コロナウイルスなどの病原微生物は、飛沫伝播及び接触伝播という2種類の経路以外に、さらに空気によって伝播することができるので、特に車室、大型スーパーマーケット、オフィスや娯楽場など、人流が密集する閉鎖環境で、空気に対してウイルス殺滅を行うことは既に迫っている。閉鎖環境の空気清浄に対し、無人の場合、従来の方法は一般的に紫外消毒ランプを採用し又は消毒液を散布することである。しかし、新型コロナウイルス肺炎などの流行に伴い、さらに環境に対してリアルタイム殺菌・消毒を行う必要があり、従来の空気清浄機などの装置は病原微生物を吸着するだけでそれを効果的に殺滅することができない。また、大型場所に高出力の空気浄化設備を取り付けることは、建設コストを大幅に増加させるとともに、深刻な電力資源の浪費を引き起こすおそれがある。
【0003】
近年、レーザ技術の急速な発展に伴い、レーザ技術の応用分野もますます広くなり、なかでもレーザ技術をウイルス殺滅に応用する研究も広く注目されている。現在、レーザを利用してガス中の病原微生物を殺滅する技術は、依然として一連の問題が存在し、例えばレーザの漏れが発生しやすく、人体への傷害を引き起こし、また例えば空気中で使用されるレーザのエネルギーが高くなく、消毒・殺菌の効果が低く、また例えばレーザ設備のコストが高く、装置が複雑であり、交換できず、全天候の使用要求を満たすことができず、また例えば二次汚染物が発生しやすいなどの問題がある。
【0004】
そのため、どのようにレーザによる空気中の消毒・殺菌効率を向上させ、消毒・殺菌の効果を向上させ、レーザ設備のコストを低減させて、より多くの使用要求を満たし、且つ二次汚染物を発生させにくくするかは、該分野の早急に解決しようとする課題になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題を解決するために、深紫外線レーザによる病原微生物殺滅濾過装置を提供することを目的とする。該装置は、レーザによる空気中の消毒・殺菌効率を大幅に向上させ、消毒・殺菌の効果を大幅に向上させるだけでなく、エアコン又はファンフィルターに取り付けられるといった異なる使用要求を満たして、装置のコストを大幅に低減させることができる。装置は簡単で使用しやすく、交換しやすい。また、深紫外線レーザで病原微生物を殺滅することにより、二次汚染物が発生せず、全天候の使用要求を満たすことができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本発明は、
病原微生物を有するガスを収容するための本体と、
本体に接続され、深紫外線レーザを複数回全反射して前記本体内に深紫外線レーザネットワークを形成するように構成される深紫外線レーザモジュールであって、本体に接続された深紫外線レーザ装置と、前記深紫外線レーザ装置の光出力側に設置され、前記深紫外線レーザネットワークの疎密程度を調整するように構成される反射調整コンポーネントとを含む深紫外線レーザモジュールと、を含む深紫外線レーザによる病原微生物殺滅濾過装置を提供する。
【0007】
一実施例において、前記本体の内面はトポロジー形状である。
【0008】
一実施例において、前記深紫外線レーザ装置の波長は200ナノメートルから400ナノメートルの範囲にある。
【0009】
一実施例において、前記反射調整コンポーネントは第1反射鏡、第2反射鏡群、調整部材及びマウントを含み、前記調整部材は前記マウントに回転可能に接続され、前記第1反射鏡は前記調整部材に取り付けられ、且つ前記深紫外線レーザ装置の光出力側の深紫外線レーザを本体内部に反射するように構成され、前記第2反射鏡群は前記本体内部に設置され、前記第1反射鏡で本体に反射された深紫外線レーザを複数回全反射して深紫外線レーザネットワークを形成するように構成される。
【0010】
一実施例において、前記調整部材は前記第1反射鏡の角度を調整するように構成され、前記第1反射鏡の角度は40度から50度の任意の角度を含む。
【0011】
一実施例において、前記第2反射鏡群は本体の内面に設置された複数の反射鏡を含み、前記複数の反射鏡の数は奇数又は偶数であり、前記複数の反射鏡の数は奇数である場合、前記複数の反射鏡は、所望の深紫外線レーザネットワークの疎密程度に基づいて本体の内面の異なる位置に分布しており、前記複数の反射鏡の数は偶数である場合、前記複数の反射鏡は、2つずつ互いに対応して本体の内面に均一に分布している。
【0012】
一実施例において、前記第2反射鏡群は本体の内面を完全に覆う反射鏡を含む。
【0013】
一実施例において、前記第2反射鏡群のレンズに反射膜を有している。
【0014】
一実施例において、前記本体にはレーザを前記本体内に伝送するための光導入孔が設けられている。
【0015】
一実施例において、前記光導入孔は環状の閉孔又は多角形の閉孔を含む。
【0016】
上記の深紫外線レーザによる病原微生物殺滅濾過装置によれば、深紫外線レーザモジュールによって深紫外線レーザを複数回全反射して緻密で規則的な深紫外線レーザネットワークを形成し、病原微生物を有するガスを緻密で規則的な深紫外線レーザネットワークに濾過させて、ガス中の病原微生物を殺滅する。前記濾過装置で形成された緻密で規則的な深紫外線レーザネットワークは、比較的に高いレーザエネルギーを有し、空気中の病原微生物を迅速に殺滅することができ、且つ病原微生物をより徹底的に、より完全に殺滅することができ、消毒・殺菌の効率を大幅に向上させるだけでなく、消毒・殺菌の効果を大幅に向上させることができる。また、本発明の装置は簡単で、安全で高効率で、使用しやすく、交換しやすく、製造コストが低く、且つ二次汚染物が発生しない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施例における深紫外線レーザによる病原微生物殺滅濾過装置の模式図である。
図2】本発明の他の実施例における深紫外線レーザによる病原微生物殺滅濾過装置の模式図である。
図3】本発明の図1の実施例において深紫外線レーザで深紫外線レーザネットワークを形成する経路の模式図である。
図4】本発明の図1のAにおける部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより分かりやすくするために、以下は図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。本発明を十分に理解するために、以下は多くの具体的な詳細を説明する。しかし、本発明は本明細書の記載以外の多くの態様で実施することができ、当業者は本発明の主旨から逸脱しない限り、類似改良を行うことができる。したがって、本発明は以下に開示された具体的な実施例に限定されるものではない。
【0019】
本発明の説明において、理解すべきものとして、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などが指示する方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本発明を説明しやすく且つ説明を簡略化するためのものだけであり、言及される装置又は素子は特定の方位を有し、特定の方位で構造及び操作しなければならないことを意味又は示唆するものではなく、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【0020】
また、用語「第1」、「第2」は目的を説明するためのものだけであり、相対的な重要性を意味又は示唆し、又は説明された技術的特徴の数を示唆すると理解されるものではない。これにより、「第1」、「第2」で限定された特徴は、少なくとも一つの該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、特に明示的かつ具体的に制限されていない限り、「複数」の意味は少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどである。
【0021】
本発明において、特に明確的な規定及び限定がない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよく、着脱可能な接続であってもよく、一体になってもよく、機械的接続であってもよく、電気的接続であってもよく、直接接続されてもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよく、2つの素子内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に基づいて上記用語の本発明における具体的な意味を理解することができる。
【0022】
本発明において、特に明確的な規定及び限定がない限り、第1特徴は第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴が直接接触してもよく、又は第1特徴と第2特徴が中間媒体を介して間接的に接触してもよい。また、第1特徴は、第2特徴の「上」や「上方」にあることは、第1特徴は、第2特徴の真上または斜め上方にあってもよいし、第1特徴の水平高さが第2特徴より高いことのみを示してもよい。第1特徴は第2特徴の「下」や「下方」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下又は斜め下方にあってもよいし、第1特徴の水平高さが第2特徴より小さいことのみを示してもよい。
【0023】
なお、素子は、他の素子に「固定される」又は「設置される」と呼ばれる場合、他の素子に直接存在してもよく、または介在する要素が存在してもよい。一つの素子は、他の素子に「接続される」と考えられる場合、他の素子に直接接続されてもよく、または介在する要素が存在してもよい。本明細書で使用される用語「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「左」、「右」及び類似の表現は説明の目的だけであり、唯一の実施形態を示すものではない。
【0024】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明らかに分かりやすくするために、以下は図面及び具体的な実施形態を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
【0025】
図1図4に示されるように、本実施例は、本体1及び深紫外線レーザモジュールを含む深紫外線レーザによる病原微生物殺滅濾過装置を提供する。
【0026】
一実施例において、本体1は病原微生物を有するガスを収容するように構成される。一実施例において、本体1の内面はトポロジー形状である。トポロジー形状とは、形状の長さ、大きさ、面積や、体積などのメトリック性質を考慮しない形状であり、即ち、任意の形状と理解されてもよい。例えば、トポロジー形状は四角形、五角形、正方形、長方形、円形、六角形、十角形などを含むが、これらに限定されない。即ち、本体1の内面の形状は、例えば、円形、長方形、正方形などであってもよいが、これらに限定されない。
【0027】
一実施例において、深紫外線レーザモジュールは本体1に接続され、深紫外線レーザ3を複数回全反射して緻密で規則的な深紫外線レーザネットワーク8を形成し、ガスを緻密で規則的な深紫外線レーザネットワーク8に濾過させて、ガス中の病原微生物の殺滅を実現するように構成される。ここで、深紫外線レーザネットワーク8とは、複数回全反射されて形成された網状レーザビームである。全反射とは、屈折率が大きい媒質から小さい媒質に光が入射したときに、全て反射して元媒質に戻る現象である。一実施例において、全反射を利用して深紫外線レーザ3の伝播方向を制御することができ、深紫外線レーザ3を本体1内に均一に分布させると同時に比較的高い深紫外線レーザエネルギーを保留することができる。一実施例において、緻密で規則的な深紫外線レーザネットワーク8とは、全反射の作用により、深紫外線レーザ3が規則的な反射経路に沿って形成する緻密で規則的な深紫外線レーザネットワーク8である。
【0028】
一実施例において、深紫外線レーザモジュールは、本体1に接続された深紫外線レーザ装置2と、深紫外線レーザネットワーク8の疎密程度を調整するように構成される反射調整コンポーネントとを含む。
【0029】
一実施例において、反射調整コンポーネントは第1反射鏡6、第2反射鏡群7、調整部材4及びマウント5を含み、調整部材4はマウント5に回転可能に接続され、第1反射鏡6は調整部材4に取り付けられ、且つ深紫外線レーザ3を本体1の内部に反射するように構成され、第2反射鏡群7は本体1の内部に設置され、反射された深紫外線レーザ3を複数回全反射して緻密で規則的な網状深紫外線レーザビームを形成するように構成される。
【0030】
一実施例において、第2反射鏡群7は本体1の内面に設置された複数の反射鏡を含み、複数の反射鏡の数は奇数である場合、複数の反射鏡は、所望の深紫外線レーザネットワーク8の疎密程度に基づいて本体1の内面の異なる位置に分布しており、複数の反射鏡の数は偶数である場合、複数の反射鏡は、2つずつ互いに対応して本体1の内面に均一に分布しており、第2反射鏡群7は本体1の内面を完全に覆う反射鏡をさらに含む。一実施例において、第2反射鏡群7は位置が対向する2つの反射鏡であり、位置が対向する2つの反射鏡は本体1の内面に設置され、例えば、一実施例において、一方の反射鏡は本体1の内面の光導入孔に対応する一側に設置され、他方の反射鏡は本体1の内面の対向する他側に設置される。一実施例において、第2反射鏡群7は本体1の内面を完全に覆う反射鏡である。一実施例において、第2反射鏡群7が本体1の内面を完全に覆う反射鏡である場合、形成された深紫外線レーザネットワーク8は内面の中心から内面の四周に発散する網状構造のレーザビームとなり、形成された網状深紫外線レーザビームをより緻密かつ規則的にさせ、消毒・殺菌の効果をさらに向上させる。
【0031】
一実施例において、第2反射鏡群7のレンズに反射膜を有し、即ち、第2反射鏡群7の全てのレンズにいずれも反射膜がめっきされる。反射膜は特に制限されず、本分野で一般的に使用される反射膜であってもよい。
【0032】
一実施例において、本体1にはレーザを本体1内に伝送するための光導入孔が設けられている。
【0033】
一実施例において、光導入孔は環状の閉孔又は多角形の閉孔を含む。例えば、一実施例において、光導入孔は環状の閉孔であってもよく、また例えば、六角形の閉孔などであってもよい。
【0034】
一実施例において、深紫外線レーザ装置2の波長は200ナノメートルから400ナノメートルの範囲にある。一実施例において、深紫外線レーザの単位面積あたりのエネルギーが高く、深紫外線レーザ装置2の波長は、例えば257ナノメートルであってもよいし、266ナノメートルなどであってもよいが、それに限定されない。一実施例において、深紫外線レーザネットワーク8は本体1の内部に完全に充填されている。
【0035】
一実施例において、深紫外線レーザ装置2は深紫外線レーザ3を出力し、調整部材4は第1反射鏡6を回転させて調整し、出力された深紫外線レーザ3を第1反射鏡6で反射された後に、光導入孔を通過して本体1内に入り、次に本体1内の第2反射鏡群7による複数回の交差全反射を経て、緻密で規則的な深紫外線レーザネットワーク8を形成する。
【0036】
一実施例において、第1反射鏡6の角度及び第2反射鏡群7が本体1の内面を覆う面積を調整することで深紫外線レーザネットワーク8の疎密程度を制御する。一般的には、第2反射鏡群7が本体1の内面を覆う面積が大きいほど、深紫外線レーザネットワーク8が緻密で規則的であり、消毒・殺菌の効果が強い。例えば、一実施例において、調整部材4を調整することにより、第1反射鏡6の角度を調整してさらにレーザが本体1の内部に入る入射角度を調整することで深紫外線レーザネットワーク8の疎密程度を制御する。第1反射鏡6の角度とは、マウント5と反射鏡との間の挟角であり、調整部材4を回転させて第1反射鏡6の角度を調整する。一実施例において、第1反射鏡6の角度は40度から50度の任意の角度を含む。第1反射鏡6の角度は40度から50度の範囲内にある場合、形成された深紫外線レーザネットワーク8はより緻密であり、消毒・殺菌の効果を大幅に向上させることができる。
【0037】
一実施例において、深紫外線レーザ装置2は深紫外線レーザ3を出力し、深紫外線レーザ3の波長は257ナノメートルであり、調整部材4を回転させて第1反射鏡6の角度を40度から50度にし、出力された深紫外線レーザ3は第1反射鏡6で反射された後に、光導入孔を通過して本体1内に入る。第2反射鏡群7は本体1の内面に設置された位置が対向する2つの反射鏡であり、一方の反射鏡は本体1の内面の光導入孔に対応する一側に設置され、他方の反射鏡は本体1の内面の一面に対応して設置される。次に、入力されたレーザは位置が対向する2つの反射鏡による複数回の交差全反射を経て、緻密で規則的な深紫外線レーザネットワーク8を形成し、病原微生物を有するガスを緻密で規則的な深紫外線レーザネットワーク8に濾過させて、ガス中の病原微生物を殺滅する。それにより、消毒・殺菌の効率を大幅に向上させ、消毒・殺菌の効果を向上させることができる。また、装置が簡単で、使用しやすく、交換しやすく、製造コストが低く、二次汚染物が発生しない。
【0038】
一実施例において、深紫外線レーザ装置2は深紫外線レーザ3を出力し、深紫外線レーザ3の波長は257ナノメートルであり、調整部材4を回転させて第1反射鏡6の角度を40度から50度までにし、出力された深紫外線レーザ3は第1反射鏡6で反射された後に、光導入孔を通過して本体1内に入る。第2反射鏡群7は本体1の内面を完全に覆う反射鏡群であり、即ち本体1の内面に一層の反射鏡群が設けられている。次に、入力されたレーザは位置が対向する2つの反射鏡による複数回の交差全反射を経て、緻密で規則的な深紫外線レーザネットワーク8を形成し、病原微生物を有するガスを緻密で規則的な深紫外線レーザネットワーク中8に濾過させて、ガス中の病原微生物を殺滅する。それにより、消毒・殺菌の効率を大幅に向上させ、消毒・殺菌の効果をさらに向上させることができ、消毒・殺菌効果が極めて高効率となる。また、装置は簡単で、安全で高効率であり、使用しやすく、交換しやすく、製造コストが低く、二次汚染物が発生しない。
【0039】
上記の実施例の各技術的特徴は任意に組み合わせることができ、説明を簡潔にするために、上記実施例における各技術的特徴の全ての可能な組み合わせについて説明しない。しかし、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾が存在しない限り、本明細書に記載の範囲であると考えられるべきである。本発明の技術的解決手段の応用分野は特に規定されず、例えば従来のエアコン又はエアフィルターに配置することができる。
【0040】
なお、当業者であれば、本発明が上記例示的な実施例の詳細に限定されないことは明らかであり、且つ本発明の精神又は基本的な特徴から逸脱しない限り、他の具体的な形態で本発明を実現することができる。したがって、いかなる点から見ても、実施例を例示的且つ非限定的なものと見なすべきであり、本発明の範囲は上記説明ではなく添付の特許請求の範囲によって限定される。したがって、特許請求の範囲の均等要素の意味及び範囲内にある全ての変化が本発明に含まれることを意図し、特許請求の範囲に付された符号は係る特許請求の範囲を限定するものと見なすべきではない。
【0041】
本発明では、具体的な個別例で本発明の原理及び実施形態を説明し、以上の実施例の説明は本発明の方法及びその核心思想を理解することに役立つものだけである。当業者であれば、本発明の思想に基づいて、具体的な実施形態及び応用範囲において変更することができる。よって、本明細書の内容は本発明を限定するものと解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0042】
1 本体
2 深紫外線レーザ装置
3 深紫外線レーザ
4 調整部材
5 マウント
6 第1反射鏡
7 第2反射鏡群
8 深紫外線レーザネットワーク。
図1
図2
図3
図4