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  • 特許-電流制御方式のバッテリ放電装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】電流制御方式のバッテリ放電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240617BHJP
【FI】
H02J7/00 302A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022565649
(86)(22)【出願日】2021-05-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-20
(86)【国際出願番号】 KR2021005610
(87)【国際公開番号】W WO2021225357
(87)【国際公開日】2021-11-11
【審査請求日】2022-10-25
(31)【優先権主張番号】10-2020-0055083
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520287367
【氏名又は名称】マルー オン インコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100187838
【弁理士】
【氏名又は名称】黒住 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100220892
【弁理士】
【氏名又は名称】舘 佳耶
(74)【代理人】
【識別番号】100205589
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 和将
(72)【発明者】
【氏名】ハン ヨンス
(72)【発明者】
【氏名】シン ウンソング
(72)【発明者】
【氏名】イェ ウィソク
(72)【発明者】
【氏名】ムン ミョンジ
(72)【発明者】
【氏名】ユ ホンギュン
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0162761(US,A1)
【文献】特開2009-117317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリの一方の端子に接続される複数の電力スイッチと、
前記複数の電力スイッチに少なくとも1つの制御信号を印加する少なくとも1つの電流フィードバック制御回路と、
前記複数の電力スイッチおよび前記バッテリの他方の端子に接続される少なくとも1つの電流測定抵抗と、
前記少なくとも1つの電流フィードバック制御回路に少なくとも1つの基準信号を供給するマイクロプロセッサとを含み、
前記複数の電力スイッチは、第1~第n電力スイッチを含み、
前記少なくとも1つの電流フィードバック制御回路は、前記第1~第n電力スイッチにそれぞれ接続される第1~第n電流フィードバック制御回路を含み、
前記少なくとも1つの電流測定抵抗は、前記第1~第n電力スイッチにそれぞれ接続される第1~第n電流測定抵抗を含む電流制御方式のバッテリ放電装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの電流フィードバック制御回路は、前記複数の電力スイッチの放電電流に対応する少なくとも1つの測定信号を、前記マイクロプロセッサに伝達し、
前記マイクロプロセッサは、前記少なくとも1つの測定信号に対応する前記少なくとも1つの基準信号を、前記少なくとも1つの電流フィードバック制御回路に伝達する、請求項1に記載の電流制御方式のバッテリ放電装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの電流フィードバック制御回路は、前記少なくとも1つの基準信号に対応する前記少なくとも1つの制御信号を利用し、前記複数の電力スイッチの前記放電電流を制御する、請求項2に記載の電流制御方式のバッテリ放電装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの制御信号は、前記第1~第n電力スイッチにそれぞれ印加される第1~第n制御信号を含み、
前記少なくとも1つの基準信号は、前記第1~第n電流フィードバック制御回路にそれぞれ伝達される第1~第n基準信号を含む、請求項に記載の電流制御方式のバッテリ放電装置。
【請求項5】
前記マイクロプロセッサと前記第1~第n電流フィードバック制御回路との間に接続される選択スイッチをさらに含む、請求項に記載の電流制御方式のバッテリ放電装置。
【請求項6】
前記第1~第n電流フィードバック制御回路は、前記第1~第n電力スイッチの放電電流に対応する第1~第n測定信号を、前記マイクロプロセッサに伝達し、
前記マイクロプロセッサは、前記第1~第n測定信号に対応する前記第1~第n基準信号と選択信号とを前記選択スイッチに伝達し、
前記選択スイッチは、前記選択信号により、前記第1~第n基準信号を前記第1~第n電流フィードバック制御回路にそれぞれ伝達する、請求項に記載の電流制御方式のバッテリ放電装置。
【請求項7】
前記第1~第n電流フィードバック制御回路は、前記第1~第n基準信号に対応する前記第1~第n制御信号を利用し、前記第1~第n電力スイッチの前記放電電流をそれぞれ制御する、請求項に記載の電流制御方式のバッテリ放電装置。
【請求項8】
前記第1~第n電流フィードバック制御回路は、
前記第1~第n電力スイッチと前記第1~第n電流測定抵抗との間の第1~第n接続ノードにそれぞれ接続されて、第1~第n接続ノードの電圧を測定し、
前記第1~第n接続ノードの電圧値及び前記第1~第n電流測定抵抗の抵抗値から、前記第1~第n電力スイッチを流れる第1~第n放電電流をそれぞれ算出する、請求項1に記載の電流制御方式のバッテリ放電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流制御方式のバッテリ放電装置に関するものであり、特に複数の電力スイッチと、複数の電流フィードバック制御回路を含む、独立した電流制御方式のバッテリ放電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ガソリンや重油を主燃料とする内燃エンジンを利用する自動車は、大気汚染など公害発生に深刻な影響を与えている。そのため、最近、公害発生を低減させるべく、電気自動車、またはハイブリッド自動車の開発に努力を重ねている。
【0003】
特に、電気自動車は、バッテリから出力される電気エネルギーにより動作するバッテリエンジンを利用する自動車であって、充電・放電が可能な複数のバッテリセルを1つのパックとして形成したバッテリを主動力源として採用するため、排気ガスが全く出ず、騒音が極めて小さいという長所がある。
【0004】
一方、バッテリの使用後、電気的安全性を確報するため、予め車両からバッテリを取り外し、その後、塩水に浸して放電させなければならないが、かかる塩水浸水による放電は、塩水の製造および管理が容易ではなく、放電時に大容量の水槽、ホイストクレーン、フォークリフトなど、さらなる装備が必要となるため、作業性が良好ではないという問題があった。
【0005】
また、放電中、有害ガスと廃水が発生し、塩水によりバッテリが腐食するため、放電後、バッテリのリサイクル価値が下がるという問題があり、電気分解を利用した放電方法であることから、バッテリ内に残存する電気エネルギーもリユースすることができないという問題があった。
【0006】
また、塩水浸水による放電中、バッテリの電圧などを計測することができないため、放電終了時点を把握することができず、確実な放電のためには長時間かかるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる問題を解決するためのものであって、複数の電力スイッチに複数の電流フィードバック制御回路をそれぞれ接続し、複数の電力スイッチを独立に制御することにより、安定性が向上し、寿命が延びる独立した電流制御方式のバッテリ放電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明は、バッテリの一方の端子に接続される複数の電力スイッチと、前記複数の電力スイッチに少なくとも1つの制御信号を印加する少なくとも1つの電流フィードバック制御回路と、前記複数の電力スイッチおよび前記バッテリの他方の端子に接続される少なくとも1つの電流測定抵抗と、前記少なくとも1つの電流フィードバック制御回路に少なくとも1つの基準信号を供給するマイクロプロセッサとを含む電流制御方式のバッテリ放電装置を提供する。
【0009】
また、前記少なくとも1つの電流フィードバック制御回路は、前記複数の電力スイッチの放電電流に対応する少なくとも1つの測定信号を、前記マイクロプロセッサに伝達し、前記マイクロプロセッサは、前記少なくとも1つの測定信号に対応する前記少なくとも1つの基準信号を、前記少なくとも1つの電流フィードバック制御回路に伝達することができる。
【0010】
また、前記少なくとも1つの電流フィードバック制御回路は、前記少なくとも1つの基準信号に対応する前記少なくとも1つの制御信号を利用し、前記複数の電力スイッチの前記放電電流を制御することができる。
【0011】
また、前記複数の電力スイッチは、第1~第n電力スイッチを含み、前記少なくとも1つの電流フィードバック制御回路は、前記第1~第n電力スイッチにそれぞれ接続される第1~第n電流フィードバック制御回路を含み、前記少なくとも1つの電流測定抵抗は、前記第1~第n電力スイッチにそれぞれ接続される第1~第n電流測定抵抗を含むことができる。
【0012】
また、前記少なくとも1つの制御信号は、前記第1~第n電力スイッチにそれぞれ印加される第1~第n制御信号を含み、前記少なくとも1つの基準信号は、前記第1~第n電流フィードバック制御回路にそれぞれ伝達される第1~第n基準信号を含むことができる。
【0013】
また、電流制御方式のバッテリ放電装置は、前記マイクロプロセッサと前記第1~第n電流フィードバック制御回路との間に接続される選択スイッチをさらに含むことができる。
【0014】
また、前記第1~第n電流フィードバック制御回路は、前記第1~第n電力スイッチの放電電流に対応する第1~第n測定信号を、前記マイクロプロセッサに伝達し、前記マイクロプロセッサは、前記第1~第n測定信号に対応する前記第1~第n基準信号と選択信号とを前記選択スイッチに伝達し、前記選択スイッチは、前記選択信号により、前記第1~第n基準信号を前記第1~第n電流フィードバック制御回路にそれぞれ伝達することができる。
【0015】
また、前記第1~第n電流フィードバック制御回路は、前記第1~第n基準信号に対応する前記第1~第n制御信号を利用し、前記第1~第n電力スイッチの前記放電電流をそれぞれ制御することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、複数の電力スイッチに複数の電流フィードバック制御回路をそれぞれ接続し、複数の電力スイッチを独立に制御することにより、安定性が向上し、寿命が延びるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施例に係る電流制御方式のバッテリ放電装置を示す図である。
図2】本発明の第2実施例に係る電流制御方式のバッテリ放電装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図を参照し、本発明を説明する。
【0019】
図1は、本発明の第1実施例に係る電流制御方式のバッテリ放電装置を示す図である。
【0020】
図1に示すように、本発明の第1実施例に係る電流制御方式のバッテリ放電装置110は、バッテリ120、複数の電力スイッチ130、電流測定抵抗140、電流フィードバック制御回路150、マイクロプロセッサ160を含む。
【0021】
具体的に、放電のため、使用後のバッテリ120の陽極および陰極は、それぞれ複数の電力スイッチ130と電流測定抵抗140に接続することができる。
【0022】
複数の電力スイッチ130は、バッテリ120と電流測定抵抗140との間において、並列に接続され、電流フィードバック制御回路150の制御信号CSによりスイッチング制御され、バッテリ120の陽極から陰極へ流れる放電電流の電流量を調節する。その結果、バッテリ120の残存電力を熱に変換し、放出することができる。
【0023】
例えば、複数の電力スイッチ130は、それぞれがトランジスタ(transistor:TR)、電界効果トランジスタ(field effect transistor:FET)、絶縁ゲート両極性トランジスタ(insulated gate bipolar transistor:IGBT)のうち、1つである第1~第n電力スイッチPS1~PSnを含むことができる。
【0024】
複数の電力スイッチ130のそれぞれは、ゲート電極、ドレイン電極、ソース電極を含む。ゲート電極は、電流フィードバック制御回路150に接続し、制御信号CSを受信し、ドレイン電極はバッテリ120の陽極に接続し、ソース電極は電流測定抵抗140の一端に接続することができる。
【0025】
電流測定抵抗140は、複数の電力スイッチ130とバッテリ120との間に接続され、バッテリ120の陽極と陰極との間において複数の電力スイッチ130を通じて流れる放電電流の電流量測定に利用されるが、電流測定抵抗140の一端は複数の電力スイッチ130に接続し、電流測定抵抗140の他端はバッテリ120の陰極に接続することができる。
【0026】
電流フィードバック制御回路150は、複数の電力スイッチ130のそれぞれの一電極に接続され、制御信号CSを印加し、複数の電力スイッチ130と電流測定抵抗140との間の接続ノードに接続されて電圧を測定し、接続ノードの電圧値および電流測定抵抗140の抵抗値から放電電流を算出し、放電電流に対応する測定信号MSをマイクロプロセッサ160に伝達する。
【0027】
例えば、電流フィードバック制御回路150は、複数の電力スイッチ130を流れる放電電流が、基準信号RSに対応する基準電流未満である場合、複数の電力スイッチ130のオンに対応する制御信号CSを利用して複数の電力スイッチ130を制御し、複数の電力スイッチ130を流れる放電電流が、基準信号RSに対応する基準電流以上である場合、複数の電力スイッチ130のオフに対応する制御信号CSを利用し、複数の電力スイッチ130を制御することができる。
【0028】
マイクロプロセッサ160は、電流フィードバック制御回路150から測定信号MSを受信し、測定信号MSを反映した基準信号RSを算出し、電流フィードバック制御回路150に伝達する。
【0029】
かかる第1実施例に係る電流制御方式のバッテリ放電装置110では、マイクロプロセッサ160が、放電電流に対応する測定信号MSを利用し、基準信号RSを算出し、電流フィードバック制御回路150が、マイクロプロセッサ160の基準信号RSを利用して制御信号CSを算出し、複数の電力スイッチ130が、電流フィードバック制御回路150の制御信号CSによりスイッチング制御され、放電電流が流れる。その結果、バッテリ120の残存電力が熱に変換され、放出される。
【0030】
一方、複数の電力スイッチ130は特性に差があり得るが、かかる複数の電力スイッチ130を、1つの電流フィードバック制御回路150の1つの制御信号CSにより制御する場合、複数の電力スイッチ130の特性差により、複数の電力スイッチ130に流れる放電電流が相違することになり、複数の電力スイッチ130の発熱量にばらつきが生じることがある。
【0031】
また、かかる発熱量のばらつきが増大すると、複数の電力スイッチ130が破損することがあるが、複数の電力スイッチ130のうち、一部が破損した場合、複数の電力スイッチ130が並列に接続されているため、破損した電力スイッチの確認が難しく、破損した電力スイッチが短絡した場合は、電流制御方式のバッテリ放電装置110の放電制御機能が失われることがある。
【0032】
他の実施例では、複数の電流フィードバック制御回路を利用し、複数の電力スイッチを独立に制御することができるが、図を参照し、これについて説明する。
【0033】
図2は、本発明の第2実施例に係る電流制御方式のバッテリ放電装置を示す図である。
【0034】
図2に示すように、本発明の第2実施例に係る電流制御方式のバッテリ放電装置210は、バッテリ220、複数の電力スイッチ230、複数の電流測定抵抗240、複数の電流フィードバック制御回路250、マイクロプロセッサ260、選択スイッチ270を含む。
【0035】
具体的に、放電のため、使用後のバッテリ220の陽極および陰極は、それぞれ複数の電力スイッチ230と複数の電流測定抵抗240に接続することができる。
【0036】
複数の電力スイッチ230は、それぞれバッテリ220と複数の電流測定抵抗240との間に接続され、複数の電流フィードバック制御回路250の複数の制御信号(第1~第n制御信号CS1~CSn)によりそれぞれスイッチング制御され、バッテリ220の陽極から陰極へ流れる放電電流の電流量を調節する。その結果、バッテリ220の残存電力を熱に変換し、放出することができる。
【0037】
例えば、複数の電力スイッチ230は、それぞれがトランジスタ(transistor:TR)、電界効果トランジスタ(field effect transistor:FET)、絶縁ゲート両極性トランジスタ(insulated gate bipolar transistor:IGBT)のうち、1つである第1~第n電力スイッチPS1~PSnを含むことができる。
【0038】
複数の電力スイッチ230は、それぞれゲート電極、ドレイン電極、ソース電極を含む。ゲート電極は、複数の電流フィードバック制御回路250にそれぞれ接続し、複数の制御信号CS1~CSnをそれぞれ受信し、ドレイン電極はバッテリ220の陽極にそれぞれ接続し、ソース電極は、複数の電流測定抵抗240の一端にそれぞれ接続することができる。
【0039】
複数の電流測定抵抗240は、複数の電力スイッチ230とバッテリ220との間に接続され、バッテリ220の陽極と陰極との間において複数の電力スイッチ230を通じて流れる放電電流の電流量測定に利用されるが、複数の電流測定抵抗240の一端は複数の電力スイッチ230にそれぞれ接続し、複数の電流測定抵抗240の他端はバッテリ220の陰極に接続することができる。
【0040】
例えば、複数の電流測定抵抗240は、第1~第n電力スイッチPS1~PSnにそれぞれ接続される第1~第n電流測定抵抗MR1~MRnを含むことができる。
【0041】
複数の電流フィードバック制御回路250は、複数の電力スイッチ230の一電極にそれぞれ接続され、複数の基準信号RS1~RSnが反映された複数の制御信号CS1~CSnを複数の電力スイッチ230にそれぞれ印加する。また、複数の電力スイッチ230と複数の電流測定抵抗240との間の接続ノードにそれぞれ接続されて電圧を測定し、接続ノードの電圧値および複数の電流測定抵抗240の抵抗値から複数の電力スイッチ230を流れる複数の放電電流を算出し、複数の放電電流に対応する複数の測定信号(第1~第n測定信号MS1~MSn)をマイクロプロセッサ260に伝達する。
【0042】
例えば、複数の電流フィードバック制御回路250は、複数の電力スイッチ230を流れる複数の放電電流が、それぞれ複数の基準信号RS1~RSnに対応する複数の基準電流未満である場合、複数の電力スイッチ230のオンにそれぞれ対応する複数の制御信号CS1~CSnを利用し、複数の電力スイッチ230をそれぞれ制御し、複数の電力スイッチ230を流れる複数の放電電流が、それぞれ複数の基準電流RS1~RSn以上である場合、複数の電力スイッチ230のオフにそれぞれ対応する複数の制御信号CS1~CSnを利用し、複数の電力スイッチ230をそれぞれ制御することができる。
【0043】
そのため、複数の電流フィードバック制御回路250は、第1~第n電力スイッチPS1~PSnにそれぞれ接続される第1~第n電流フィードバック制御回路FC1~FCnを含むことができる。
【0044】
マイクロプロセッサ260は、複数の電流フィードバック制御回路250から複数の測定信号MS1~MSnを受信し、複数の測定信号MS1~MSnをそれぞれ反映した複数の基準信号(第1~第n基準信号RS1~RSn)を算出し、選択信号SSと共に選択スイッチ270に伝達する。
【0045】
選択スイッチ270は、マイクロプロセッサ260から複数の基準信号RS1~RSnおよび選択信号SSを受信し、複数の電流フィードバック制御回路250に接続され、選択信号SSにより複数の基準信号RS1~RSnを複数の電流フィードバック制御回路250にそれぞれ伝達する。
【0046】
かかる第2実施例に係る電流制御方式のバッテリ放電装置210では、マイクロプロセッサ260が、複数の放電電流に対応する複数の測定信号MS1~MSnを利用し、複数の基準信号RS1~RSnを算出し、複数の電流フィードバック制御回路250が、マイクロプロセッサ260の複数の基準信号RS1~RSnを利用して複数の制御信号CS1~CSnを算出し、複数の電力スイッチ230が、複数の電流フィードバック制御回路250の複数の制御信号CS1~CSnにより独立にスイッチング制御され、複数の放電電流が独立に流れる。その結果、バッテリ220の残存電力が熱に変換され、放出される。
【0047】
また、複数の電力スイッチ230に特性差がある場合においても、複数の電力スイッチ230を、それぞれ複数の電流フィードバック制御回路250の複数の制御信号CS1~CSnにより独立に制御するため、複数の電力スイッチ230に流れる複数の放電電流を実質的に同一に維持することができ、複数の電力スイッチ230の発熱量におけるばらつきを防止し、均一な発熱量を維持することができる。
【0048】
また、発熱量のばらつきによる複数の電力スイッチ230の破損を最小限にすることができ、複数の電力スイッチ230のうち、一部が破損した場合には複数の測定信号MS1~MSnを利用し、破損した電力スイッチ230を確認することができ、選択スイッチ270により、破損していない電力スイッチ230を選択的に動作させることで、電流制御方式のバッテリ放電装置210の放電制御機能を維持することができる。その結果、安定性が向上し、寿命が延長する。
図1
図2