(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】ゲーム用具
(51)【国際特許分類】
A63F 3/00 20060101AFI20240617BHJP
【FI】
A63F3/00 501Z
A63F3/00 511E
A63F3/00 515C
(21)【出願番号】P 2024016224
(22)【出願日】2024-02-06
【審査請求日】2024-02-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507380621
【氏名又は名称】株式会社モントミ
(74)【代理人】
【識別番号】100189865
【氏名又は名称】下田 正寛
(74)【代理人】
【識別番号】100094215
【氏名又は名称】安倍 逸郎
(72)【発明者】
【氏名】門司 昭英
【審査官】酒井 保
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-195738(JP,A)
【文献】米国特許第4260385(US,A)
【文献】特開昭52-070635(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1から始まり
5以上の整数で終わる、昇順に連続した整数がそれぞれの駒表面に表示された複数の数字駒と、
この数字駒の駒数以上の複数の駒載置用の区画が、
環をなすようにのみその表面に配置されたゲーム盤とを備えた
ゲーム用具であって、
上記複数の数字駒を上記複数の駒載置用の区画のそれぞれにランダムに載置することにより、ランダムに配置された整数の環を形成し、
この
環をなすように配置された
複数の数字駒のみを使用し、これら数字駒の中で
任意の数字駒を起点としてその数字駒が表示する整数だけ時計回りまたは反時計回り
に進み、進んだ位置の数字駒に到達すると、その到達した数字駒の表示する整数だけこの到達した数字駒から上記時計回りまたは反時計回りとは逆回りに進み、この時計回り、反時計回りの交互の動きを繰り返すことにより、
環をなすように配置された数字駒の内の
最大数を表示する数字駒に到達することを目指す
ゲームに使用されるゲーム用具。
【請求項2】
上記ゲーム盤の表面に環をなすように配置された駒載置用の区画は、少なくとも内外の2条の独立した環を構成する請求項1に記載のゲーム用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はゲーム用具、詳しくはルーレット盤のように同心円形状の配列による複数の区画環に数字駒をランダムに配置した複数の整数環のそれぞれについて順逆2方向への指の動きでその最大数駒に到達できるか否かを考察するルーレット型ボードゲーム用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、数字駒を使用したボードゲーム用具としては、下記の文献に記載のものが知られている。特許文献1には、碁盤目状のボードにてそのマス目に数字駒を配置して魔法陣を完成させるゲームである。
特許文献2には、4×4のマス目の盤に3個の駒(数字)をいずれか一列に並べる対戦型のゲームである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-159971号公報
【文献】特開2005-103111号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来のゲーム用具では、駒数、ボード形状からして比較的簡単なゲームを行うことができる程度であって、プレーヤの好奇心、知的探求心を十分に満足させることができないという問題点があった。
【0005】
そこで、発明者は鋭意研究の結果、複数個の整数駒を円環形状に配置することにより、その配置された整数群において最大数を発見するための指の動きないし頭脳の働きによりその好奇心を満足させることが可能な新たなゲームを開発し、この発明を完成させた。
【0006】
すなわち、この発明は、老若男女を問わず、知的好奇心、探求心を簡易に満足させることが可能な新規ボードゲームとこれに使用するためのゲーム用具を提供することをその目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、1から始まり5以上の整数で終わる、昇順に連続した整数がそれぞれの駒表面に表示された複数の数字駒と、この数字駒の駒数以上の複数の駒載置用の区画が、環をなすようにのみその表面に配置されたゲーム盤とを備えたゲーム用具であって、上記複数の数字駒を上記複数の駒載置用の区画のそれぞれにランダムに載置することにより、ランダムに配置された整数の環を形成し、この環をなすように配置された複数の数字駒のみを使用し、これら数字駒の中で任意の数字駒を起点としてその数字駒が表示する整数だけ時計回りまたは反時計回りに進み、進んだ位置の数字駒に到達すると、その到達した数字駒の表示する整数だけこの到達した数字駒から上記時計回りまたは反時計回りとは逆回りに進み、この時計回り、反時計回りの交互の動きを繰り返すことにより、環をなすように配置された数字駒の内の最大数を表示する数字駒に到達することを目指すゲームに使用されるゲーム用具である。
ゲーム用具は、ゲーム盤と複数個の数字駒とで構成される。ゲーム盤の表面には複数の駒載置用の区画が環のみをなすように配置される(例えば陸上競技用トラックにて環状の1レーンに複数のマス目を周方向に並べて配した状態)。これら駒載置用の区画は平面視して例えば線図にて明確に区分できるタイプに限らず、凹凸形状により区別・視認できるものであってもよい。また、複数個の数字駒の例えば上面にはそれぞれ異なる整数が表示(印字、刻印など)されている。すなわち、1から始まり昇順に連続した整数(自然数)が表示されている。例えば1,2,3,・・・・・6,7,8等である。この場合、数字駒の駒数(8)は、上記駒載置用の区画の数(例えば10のマス目)より少ないものとする。同数(12区画に対して12駒)であってもよい。
【0008】
そして、このゲーム用具の使用(ゲームの遊び方)では、環をなすように配置される駒載置用の複数の区画のうちの各区画に対して、複数の数字駒のうちの1つを載置する。1区画に1数字駒を載置し、すべての数字駒を複数の区画に載置する。この数字駒の載置の順序はランダムに載置するものとする。この結果、すべてが異なる整数からなる1群の自然数が環(例えばトラックのレーン)を構成する。この場合、ランダム配置であることから例えば1~5の自然数群であれば、その組み合わせは時計回りに(12345)の他にも多数の組み合わせ(時計回りに53124等)が考えられる。数字駒が多くなればなるほど複雑な組み合わせの環(数字のサークル)が構成される。
【0009】
そして、この数字駒による環において、例えば任意の数字駒(例えば「2」)から始めて以下のルールにて、例えば指(眼)の動きで環(数字のサークル)中の最大数(特定数字駒)例えば「5」を目指すこととなる。これが到達できれば、この環で別の位置の数字駒(例えば「4」)から同様の動きで到達をめざす。
指の動きとは、時計回り→反時計回り→時計回り→反時計回り→・・・であり、スタートの駒の表示数が「3」であれば、時計回りに3駒分だけ進み、到達した数字駒が「2」であれば逆回りに2進む(2駒分だけ戻る)のである。この場合、最終的に特定の数字駒、例えば最大数「5」に到達できることがこのゲームでの1つの達成を示し、すべての数字駒位置から最大数に到達できて完成とされる。すなわち、この並びの数字群(数字環)はゲームとして完成形(解あり)である。
もちろん到達できずに「解なし」とされる並び環もある。
完成を目指すことにおいて、これは全数字駒の内の最大数が大きくなればなるほど困難を極める(駒数も増える)。
換言すると、環(円乃至多角形の閉鎖形配置)にて「解あり」、「解なし」を峻別することも、このゲームの一部を構成する。特定の環(1~6,1~12など、また、そのランダム配置にての環配置)で「解あり」を確認、検証することもゲームの一部である。
【0010】
ゲーム盤は、例えば1枚の矩形の板材(プラスチック素材など)であってその表面には複数の区画を円環状に並べて無端の環状区画(トラックレーン)が形成されている。この環状区画は同心円状に内外に複数列(例えば最外周のトラックレーンは24個の区画で形成し、中間の周(トラックレーン)は12個の区画で、最内周トラックレーンは6個の区画で形成する)にて構成することもできる。また、この場合の環をなす配置には、真円形、楕円形のほかにも変形した閉鎖型の図形、例えば角型、矩形などを含むものとする。いわゆる無端のループ(輪または環)であればその平面視での形態は問わないものとする。
なお、複数区画による全体の配置形状は上述のように矩形であってもよく、その場合はゲーム盤の形状もこれに対応した相似形(矩形)とすることが好ましい。
また、各区画(単位区分;マス目)はそれぞれどのような形状(円、矩形など)でもよいが、数字駒を載置できるサイズで、数字駒の平面形状も、区画に対応した形状(矩形区画に矩形駒)とすることもできる。なお、複数の駒、複数の載置区画とも全て等しくすることが好ましい。
数字駒の駒数と載置用の区画数とは一致させることが好ましいが、不一致(区画数が多い)の場合は、使用する数字駒の駒数に対応して載置用の区画を使用し、不使用(ブランク)の区画を設けることとなる。
数字駒は、例えば円柱体でその上面に数字を表示(印字、刻印)などしてある。数字駒は1から始まる連続する自然数が表示されている。すべての数字駒はそれぞれ異なる数が表示されている。
【0011】
例えば1~6の数字群では特定最大数は「6」とする。1~12では、最大数は「12」である。なお、最大数ではなく特定数字駒は例えば1~12において「10」とすることで、解ありか否かを判別することに困難性が伴う。
この場合、ゲーム盤には、複数の区画が環をなすように(ループ状に)配置されている。複数の数字駒には、1から始まり5以上の整数で終わる、昇順に連続した整数がその上面に視認可能にそれぞれ印字・表示されている。
上記複数の区画に複数の数字駒をランダムにそれぞれ載置して、これらの数字駒により1を含む連続した整数をランダムに配列した複数の整数の環を形成する。
この整数の環を構成する駒のうちの任意の第1の駒を起点とし、その起点駒が表示する整数だけ上記整数の環にて一方向に数えて第2の駒を指定し、この第2の駒の表示する整数だけ上記一方向とは逆方向に数えて別の第3の駒を指定し、これらの一方向、逆方向の動きで交互に駒を指定することを繰り返すことにより、上記整数の環での例えば最大数を表示する駒に到達するか否かを確認する。到達できる場合と到達できない場合が存在する。
【0012】
上記複数の数字駒(1から始まり5以上の整数で終わる、昇順に連続した整数群)は「0」が表示された数字駒をさらに含むことができる。例えば「0」,「1」,「2」,「3」,「4」,「5」などの数字駒で環を形成することとなる。この場合、「0」の数字駒からは動けない。
【0013】
換言すると、複数の駒載置用の区画が環をなすように配置されたゲーム盤と、0から連続して増加する整数がそれぞれ表面に表示された複数の数字駒とを備え、上記複数の数字駒が上記駒載置用の区画にランダムに載置されることにより、環状に配列された自然数の無端数列を構成し、この無端数列の中で任意の数字駒からその数字駒が表示する整数だけ時計回りまたは反時計回りに進んだ位置の数字駒に到達すると、その到達した数字駒の表示数だけこの到達した数字駒から逆方向回りに進み、この時計回り、反時計回りの動きを交互に繰り返すことにより、その無端数列の最小数である0に到達することを目指すゲームに使用するゲーム用具となる。
数字駒に表示されるのは整数であって、0を含みこれから連続して増加する整数とされる。そして、環状に配列された整数の環状列にて最小数である0への到達がこのゲームの解として求められる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、上記ゲーム盤の表面に環をなすように配置された駒載置用の区画は、少なくとも内外の2条の独立した環を構成する請求項1に記載のゲーム用具である。
さらに、環状配置の駒載置用の区画は、内周、外周の2条の環(トラックレーン)で構成する。内周が6コマ(区画;マス目)、外周が12コマなどである。外側の環の駒載置区画の数は、内側の環の駒載置区画の数の2倍または3倍とすることもできる。3条の周(トラックレーン)では5区画,10区画,15区画などである。2倍数(3倍数)としたのは同心円状に形成することで、ルーレットゲームを想起させるものである。この場合、内外の各トラックレーンを独立して回転させる構成としてもよい。
内外のトラックレーンのマス目の数を整数倍としたのは、マス目が増すほどゲームとして難しくするものであるが、初心者用のトラックレーン、中級者用のそれ、上級者用のそれとして、プレーヤにインセンティブを持たせるものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1~2に記載の発明によれば、複数の連続した自然数からなる環状数群について、任意の駒からその環状数群での最大数の駒に到達することができるか否かを確認、検証することが可能となる。その駒数が多くなればその検証が困難となるので、初心者から上級者まで、また、各数からの到達検証をエンドレスで楽しむことができる。もちろん、時間制限を設けてこのゲームを楽しむ方法もある。
上述したように、A)実際に配置された数字の環で最大数に到達できるかを検証することがプレイの狙いとなる。このプレイの結果、(1)数を指でまたは目で追うことで数の認識機能を養う。(2)必ず最大数にたどり着くことの達成感を実感する。なぜたどり着けるのか、その不思議感を体験する。(3)数字を一つ一つ確認してゆく地道な忍耐力を養う。(4)正確に数字を追うことができるかの注意力を養う。途中でカウントを誤ると、最大数に到達しない。
また、B)ルーレット(ゲーム)が成立(完成)するように「仕組み」を作る。後述するいくつかの方法に基づいて数字駒を配置する。その結果、(1)条件に応じて、問題を解決する能力を養う。(2)想像力を活かして、数字の移動を思考する。(3)最大数を替えることで、対応の変化、応用力を養う。
【0016】
特に、「0」を表示する駒を加えることで、その数字群の最小数「0」を求める(到達する)ことができる。すなわち、クロックワイズ、カウンタクロックワイズの指の動きを整数の円環(トラックレーン)上で行うことで最小数「0」に到達すると、ゲームを終了することとなる。もちろん解けない組合わせの数字群も存在する。これを発見することもプレーヤの興味の一つである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】この発明の一実施例に係るゲーム用具のゲーム盤を示す斜視図である。
【
図2】この発明の一実施例に係るゲーム盤を示す断面図である。
【
図3】この発明の一実施例に係るゲーム用具の数字駒を示す斜視図である。
【
図4】この発明の一実施例に係る数字駒を示す平面図である。
【
図5】この発明の一実施例に係るゲーム用具の使用方法の第1例を説明するための模式図である。
【
図6】この発明の一実施例に係るゲーム用具の使用方法の第2例を説明するための模式図である。
【
図7】この発明の一実施例に係るゲーム用具の使用方法の第3例を説明するための模式図である。
【
図8】この発明の一実施例に係るゲーム用具の使用方法の第4例を説明するための模式図である。
【
図9】この発明の一実施例に係るゲーム用具の使用方法の第5例を説明するための模式図である。
【
図10】この発明の一実施例に係るゲーム用具の使用方法の第6例を説明するための模式図である。
【
図11】この発明の一実施例に係るゲーム用具の使用方法の第7例を説明するための模式図である。
【
図12】この発明の一実施例に係るゲーム用具の使用方法の第8例を説明するための模式図である。
【
図13】この発明の一実施例に係るゲーム用具の使用方法の第9例を説明するための模式図である。
【
図14】この発明の一実施例に係るゲーム用具の使用方法の第10例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施例を、図面を参照して具体的に説明する。ここでは、ルーレット型(円盤型)に構成したゲームボードを使用したゲーム用具を例にとる。
【実施例】
【0019】
まず、ゲーム用具を説明する。ゲーム用具は、薄板形状のゲーム盤110と、ゲーム盤上(表面)に
環をなすように配置された複数の区画112と、各区画に載置される数字駒120とで構成されている。
図1,
図2は、ゲーム盤110を示す。公知のルーレット盤の形状を模したゲーム盤110にあっては、矩形平面の薄板材において3つの円周が同心円状に配置されている。各円周(環)にて最内周の環111は6個の区画112で、最外周の環111は24区画で、さらにこれらの中間の環111は12個の区画112で形成されている。
図3、
図4はこれらの区画112に載置可能な数字駒120を示す。数字駒120は自然数が1から連続して例えば24までの数を上面に表示するものとする。駒は円柱形とし、必要な場合は磁石などにより区画(ボード)に固定可能とする。また、0の表示の数字駒、∞の表示駒も使用することができる。∞駒は例えばジョーカーとして、すなわちユーティリティとして機能せることもできる。
このゲームは、まず、円環状のトラックレーン111に配置した載置用の区画112(例えば12区画)のそれぞれに対して数字駒120(1~12)をランダムにまたは規則的に搭載(載置)する。これは12個の数字駒を使用した場合である。
次に、この円環状に並んだ数字駒(自然数の駒)120について、任意の数字駒(第1駒)を指定し、この第1駒から表示数だけ時計回り方向に指で数えて第2駒に到達する。
そこで、第2駒が目標とする最大数の駒ではない場合は、第2駒の表示する数だけ、今度は反対方向(反時計回り方向)に指で移動し、第3駒に到達する。
最大数でなければ、第3駒の表示数により時計回り方向に移動し第4駒に到達する。最大数駒に未到達では、反時計回りに指を動かし第5駒に・・・・。これを繰り返して最大数を表示した駒に到達すると、この任意駒(第1駒)からの移動はOKとする。
最大数に到達した場合、次に、第1駒から、反時計回り方向への移動を行う、上記と同じように、到達駒が最大数駒でない場合は、反対方向に(時計回りに)、さらに、この交互の動きを繰り返すことで最大数への到達を試みる。
さらに、第1駒とは別の数字駒からも同様の操作を繰り返し、最大数の表示駒まで到達させる。これを繰り返して全ての駒から最大数に到達できたとき、この数字群による環状の配置による最大数到達へのパズルは解けたものとする。
【0020】
このゲームによれば、プレーヤが指で数字を追うことにより数字の認識力を高めるとともに、これによる一定条件下での問題の作成と、その解決方法を示すものである。
また、ゲームとして多数の問題をクリアすることで脳の思考力と運動機能の向上を目指すことができる。
図示のように3つのトラックレーンが同心円状に配置されたゲーム盤を準備する(トラックレーンは1でも2でもよい)。数字駒は1~24までの連続した自然数を表示するものとする(任意の数でもよい)。駒自体は円柱形状であって、その上面に数字1,2,3・・・24が表示されている。
そして、円盤状に構成された溝(または枠)112の中に、円形で数字を囲んだ数字駒120がランダムに(無作為に)、または意図した並びで配置される。この数字の環(サークル)で任意の表示駒から時計回り、反時計回りの移動を行うことで最大数表示駒に到達できるかを検証する。
なお、数字駒に0表示駒、無限大∞表示駒を含めることができる。0駒の加入で最小数である0への到達を検証する。∞駒は、例えばジョーカーとして使用し、盤上では、1~24駒に追加した∞駒を25として、または、任意の数(13等)として(13表示駒が環内に2つ存在する)使用することもできる。この∞表示駒に到達した段階で検証の失敗とするなどのルールを設けることで、プレーヤの興味をさらに高めることができる。
【0021】
いずれの態様のゲーム盤、表示駒を用いたとしても、実際に配置された数字駒のサークルにおいて上記時計回り、反時計回りを交互に繰り返して環(サークル)を移動することで、目標とした最大数駒または0表示駒などへの到達が可能かを検証する。サークル内のすべての表示駒から到達可能かを検証することとする。もちろん、到達不可能のサークル(数配置)も存在する。
【0022】
以下、任意の配列とした数配置(サークル配置)について、最大数まで到達可能か否かについての検証について説明する。
【0023】
図5は一実施例に係るゲーム用具の使用方法の第1例を説明するための模式図である。到達目標である最大数は5である。すなわち、1~5までの自然数を15324の時計回りに配列した環である。各数字のそれぞれを起点としてスタートが時計回りの検証、また、その反時計回りの検証でいずれも最大数5に到達することが確認できる。例えば(1)→(5)、(1)→(4)→(2)→(5)で両方向の回りの最大数への到達が検証される。同様に、(2)→(1)→(4)→(2)→(5)、(2)→(5)、これもOKとなる。さらに、(3)→(1)→(4)→(2)→(5)、(3)→(4)→(2)→(5)でも到達する。また、(4)→(2)→(5)、(4)→(1)→(5)となる。最後に、(5)は、当然にこのグループでの最大数である。
【0024】
図6は同じくゲーム用具の使用方法の第2例(632145の環)を説明するための模式図である。最大数6への到達を検証すると、1~5のすべてにおいて時計回り、反時計回りの2方向への動きでいずれも最大数に到達することが確認できた。すなわち、(1)→(4)→(6)および(1)→(2)→(4)→(6)である。(2)→(4)→(6)であり、(2)→(6)となる。(3)→(4)→(6)、(3)→(4)→(2)→(6)となる。(4)→(6)、(4)→(2)→(6)となる。さらに、(5)→(4)→(6)、(5)→(6)である。
【0025】
図7は、同じくゲーム用具の使用方法の第3例(14583672の環)を説明するための模式図である。最大数は8の場合である。検証は以下の通り。(1)→(4)→(6)→(8)また(1)→(2)→(4)→(6)→(8)である。(2)→(4)→(6)→(8)で、(2)→(6)→(8)となる。(3)→(2)→(6)→(8)、(3)→(4)→(6)→(2)→(4)→(6)→(8)とする。(4)→(6)→(2)→(4)→(6)→(8)と、(4)→(6)→(8)である。(5)→(2)→(6)→(8)であり、(5)→(6)→(8)である。(6)→(8)、(6)→(2)→(4)→(6)→(8)である。(7)→(6)→(2)→(4)→(6)→(8)、さらには(7)→(2)→(4)→(6)→(8)にて検証は完了する。
【0026】
図8はゲーム用具の使用方法の第4例を説明するための模式図である。この場合、数字駒1~7に数字駒0を加え、最小数0への到達を目指すものである(0数字駒からの移動量が0であるから)。環列は14503672である。時計回りの動き始めより、また反時計回りの始まりによりいずれも交互動作を繰り返し、数字駒0に到達することで、検証ができた。時計回りには(1)→(4)→(6)→(0)、反時計回りでは(1)→(2)→(4)→(6)→(0)である。(2)→(4)→(6)→(0)、(2)→(6)→(0)となる。(3)→(2)→(6)→(0)、(3)→(4)→(6)→(2)→(4)→(6)→(0)である。(4)→(6)→(2)→(4)→(6)→(0)また(4)→(6)→(0)となる。(5)→(2)→(6)→(0)、(5)→(6)→(0)とする。(6)→(0)であり、(6)→(2)→(4)→(6)→(0)である。最後に(7)→(6)→(2)→(4)→(6)→(0)、(7)→(2)→(4)→(6)→(0)で検証は完了した。
【0027】
図9は、ゲーム用具の使用方法の第5例を説明するための模式図である。最大数10への到達(起点駒から時計回りに始める場合の検証、反時計回りのそれ)を検証することができた。数字環は時計回りに71058341629である。検証の詳細は説明する。
図10では当該ゲーム用具の使用方法の第6例を説明するための模式図である。最大数は12である。この例の数字環(3,9,4,1,0,10,11,7,2,5,12,8)である。両方向への検証でいずれの方向でもいずれの開始数字でも到達した。
【0028】
図11は、ゲーム用具の使用方法の第7例を説明するための模式図である。最大数は12であるが、最大数への到達は不能であった。数字駒(8,3,6,7,2,10,1,11,5,9,4,12)の環配列となる。
図12は、この発明の一実施例に係るゲーム用具の使用方法の第8例を説明するための模式図である。環は時計回りに(1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14)の構成である。最大数は14である。なお、区画数は24マス目のものを使用した。到達した(検証具体例の記載省略)。
図13は一実施例に係るゲームのプレイ方法の第9例を説明するための模式図である。(22,13,4,3,8,5,12,19,16,11,20,1,18,17,14,9,10,15,6,21,2,7)の数字群の環である。その最大数は22とした。時計回り方向に開始しても、反時計回りに開始しても、すべての数で最大数22に到達した。この環での到達を検証した。
図14は同じく実施例に係るゲーム用具の使用方法の第10例を説明するための模式図である。時計回りで(18,13,22,3,8,5,20,9,12,23,6,15,24,7,2,19,4,1,16,11,14,21,10,17)に配置された環である。最大数は24である。この並びでの到達を検証した。
【0029】
上述のように、ゲーム盤は、例えば1枚の矩形の板材(プラスチック素材など)であってその表面には複数の区画を円環状に並べて無端の環状区画(トラックレーン)が形成されている。この環状区画は同心円状に内外に複数列(例えば最外周のトラックレーンは24個の区画で形成し、中間の周(トラックレーン)は12個の区画で、最内周トラックレーンは6個の区画で形成する)にて構成することもできる。最内周のレーンは初心者向けといえる。また、この場合の環をなす配置には、真円形、楕円形のほかにも変形した閉鎖型の図形、例えば角型、矩形などを含むものとする。いわゆる無端のループ(輪または環)であればその平面視での形態は問わないものとする。
なお、複数区画による全体の配置形状は上述のように矩形であってもよく、その場合はゲーム盤の形状もこれに対応した相似形(矩形)とすることが好ましい。
また、各区画(単位区分;マス目)はそれぞれどのような形状(円、矩形など)でもよいが、数字駒を載置できるサイズで、数字駒の平面形状も、区画に対応した形状(矩形区画に矩形駒)とすることもできる。なお、複数の駒、複数の載置区画とも全て等しくすることが好ましい。
数字駒の駒数と載置用の区画数とは一致させることが好ましいが、不一致(区画数が多い)の場合は、使用する数字駒の駒数に対応して載置用の区画を使用し、不使用(ブランク)の区画を設けることとなる。
数字駒は、例えば円柱体でその上面に数字を表示(印字、刻印)などしてある。数字駒は1から始まる連続する自然数が表示されている。すべての数字駒はそれぞれ異なる数が表示されている。
【0030】
ここで、改めてこのゲーム用具によるゲームのルールと用具の使い方を説明する。
1)検証する
イ 台座の溝の中に整数表示の数字コマを置き、連続整数をバラバラに並べた数字の環(ループ)を形成する。表示された数字を指で数えながら駒の数だけ進む。最初は時計回りでその数だけ進み、到達したら次に、その到達駒の表示数だけ反時計回りに進む。こうして往来を繰り返しながら最大数(ルーレと称する)にまでたどり着くか否かを確認し検証する。時計回りから始め、反時計回り、時計回りと交互に向きを変更して進む。
ロ 1回目は最大数(ルーレ)に到着したら、次に、反時計回りに1表示の表示駒から始める。表示した数字の数だけカウントして往来を繰り返す。最大数にたどり着くか否かを確認する(反時計回りで始める)。
ハ 両方(時計回り、反時計回り)での到達が確認できたら最大数(ルーレ)の駒の数字を1個ずつ増やす。
ニ 次に、順次最大数を増やしながら最大数にたどり着くように数字を再配置する。
2)仕組みを作る
数字駒によるルーレット形態の環配置でその使用駒が増加する場合、これについて最大数に到達する並びでの環配置を増加数ごとに完成してその仕組みを作ることができる。これもこのゲーム用具を使用した場合の興味の一つとなる。数字を環配置し、検証し、その最大数を増やす。
【0031】
ここで、数字駒の環状区画への配列方法、例えば最大数(ルーレ)に到達する数字駒の配列方法として以下が考えられる。
イ)逆算方法:最大数から逆算して(逆回りで)配列し導き出す。最大数12の場合、最大数に到達する直前の数字、その前の数字、・・・と逆算して、数字駒を載置して環状に配列する方法。
偶数方法:偶数を先に配置し、次に奇数を設置して最大数に導き出す。逆算法を用いて、偶数を先に設置する方法で、奇数は必ず偶数に行くので偶数を数えるだけでよい(初級者向け)。
奇数方法:奇数を先に、次に偶数を設置、配列して最大数に導き出す。奇数を先に設置する方法ですべての奇数を設置して、偶数を設置する。この場合でも奇数は必ず偶数に着くので、偶数の配置が大切になる(中級者向け)。
ニ)混合方法:偶数、奇数をそれぞれ考慮して配列し最大数に導き出す。逆算方法を用いて偶数、奇数にこだわらず配置していく方法で、かなり思考と手間がかかる(上級者向け)。
順番方法:設置配列を数字の順番通りにしていく方法で、必ず最大数に到達する一番わかりやすい方法で、ルーレット1回、または2回で最大数に到達する(幼児向け)。
【産業上の利用可能性】
【0032】
この発明は、複数の数字駒を用いた数字遊びゲームのゲーム用具での技術として有用である。
【符号の説明】
【0033】
110 ゲーム盤、
111 トラックレーン(環)、
112 載置用の区画、
120 数字駒。
【要約】 (修正有)
【課題】数字駒をゲーム盤に載置して行うゲームで初心者から上級者まで楽しめるものが望まれていた。
【解決手段】環状に配置した複数の整数の群についてその群のなかの最大数に到達するゲームとする。整数群は異なる複数の整数で連続数を用いる。ゲーム盤には環状のトラックレーンが配置される。トラックレーンには複数の区画を環状に配置してある。使用する数字駒には、1から連続増加する整数がその表面に表示されている。これらの数字駒を駒載置区画にランダムに載置することにより、環状に配置された整数の群を構成する。環配置の任意の数字駒からその数字駒が表示する整数だけ時計回りにまたは反時計回りに進んだ位置の数字駒に到達する。到達した数字駒の表示数だけこの到達した数字駒から逆方向回りに進み、この時計回り、反時計回りの動きを交互に繰り返すことにより、その環配置数群の最大数に到達することを目指す。
【選択図】
図1