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特許7504577情報処理方法、プログラム、及び情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】情報処理方法、プログラム、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/08 20120101AFI20240617BHJP
【FI】
G06Q30/08
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019204632
(22)【出願日】2019-11-12
(65)【公開番号】P2021077200
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】514053169
【氏名又は名称】株式会社メルカリ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】胡 華
【審査官】鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-028544(JP,A)
【文献】特許第6589038(JP,B1)
【文献】特開2013-164794(JP,A)
【文献】特開2004-078298(JP,A)
【文献】特開2001-256377(JP,A)
【文献】特開2015-219809(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置に含まれる1又は複数のプロセッサが、
第1ユーザにより撮影された1つの未出品の商品を含む映像データを取得すること、
前記1つの未出品の商品を含む前記映像データを他のユーザが利用する情報処理装置に配信すること、
前記第1ユーザ又は前記他のユーザからの商品特定に関する所定方法に基づいて、前記1つの未出品の商品を特定すること、
特定された商品に対して、当該商品の商品情報を設定して出品処理を行うこと、
を実行する情報処理方法。
【請求項2】
前記第1ユーザが利用する情報処理装置から前記映像データを取得することと、前記他のユーザが利用する情報処理装置に前記映像データを配信することとは、リアルタイムに処理される、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記所定方法は、前記第1ユーザ又は前記他のユーザの音声又はジェスチャの認識結果、あるいは前記第1ユーザ又は前記他のユーザにより入力されたテキストに基づいて、前記1つの未出品の商品を特定する方法を含む、請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記出品処理を行うことは、
出品対象の商品に対して、前記他のユーザからの入力情報に基づいて商品情報を設定することを含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記1又は複数のプロセッサが、
撮影された商品ごとに前記映像データをメモリに記録すること、
前記撮影された商品が出品され、販売済みである場合に、当該商品の映像データを前記メモリから消去すること、をさらに実行する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記1又は複数のプロセッサが、
出品された商品の売買取引が成立した場合、当該商品に関連付けた前記第1ユーザの住所を含む第1ユーザ情報と、前記他のユーザの住所を含む第2ユーザ情報とを含む配送指示情報を、配送業者が管理する情報処理装置に送信すること、をさらに実行する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記1又は複数のプロセッサが、
所定期間内に出品された商品の売買取引が成立した場合、売買取引が成立した1又は複数の商品を特定する情報を含む集荷依頼情報を、所定の情報処理装置に送信すること、をさらに実行する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項8】
情報処理装置に含まれる1又は複数のプロセッサに、
第1ユーザにより撮影された1つの未出品の商品を含む映像データを取得すること、
前記1つの未出品の商品を含む前記映像データを他のユーザが利用する情報処理装置に配信すること、
前記第1ユーザ又は前記他のユーザからの商品特定に関する所定方法に基づいて、前記1つの未出品の商品を特定すること、
特定された商品に対して、当該商品の商品情報を設定して出品処理を行うこと、
を実行させるプログラム。
【請求項9】
1又は複数のプロセッサを含む情報処理装置であって、
前記1又は複数のプロセッサが、
第1ユーザにより撮影された1つの未出品の商品を含む映像データを取得すること、
前記1つの未出品の商品を含む前記映像データを他のユーザが利用する情報処理装置に配信すること、
前記第1ユーザ又は前記他のユーザからの商品特定に関する所定方法に基づいて、前記1つの未出品の商品を特定すること、
特定された商品に対して、当該商品の商品情報を設定して出品処理を行うこと、
を実行する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、プログラム、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ライブ映像を用いたEコマースが行われている。例えばライブのEコマース中に視聴者数を表示したり(例えば特許文献1参照)、ライブ映像に含まれる商品を購入したり(例えば特許文献2参照)することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6472505号
【文献】特開2018-136925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の電子商取引プラットフォームでは、映像を配信しながら、商品を購入したり、説明したりすることができるが、ユーザは、未出品の商品に対して、映像で商品を映しつつ購入予定者(閲覧者)の反応を見ながら、出品の適否を判断するようなことができなかった。
【0005】
本開示は、電子商取引プラットフォームにおいて、映像で配信する未出品の商品に対して、出品を可能にする仕組みを提供する情報処理方法、プログラム、及び情報処理装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、情報処理装置に含まれる1又は複数のプロセッサが、第1ユーザにより撮影された1又は複数の未出品の商品を含む映像データを取得すること、前記映像データを他のユーザが利用する情報処理装置に配信すること、前記1又は複数の未出品の商品の中から、前記第1ユーザ又は前記他のユーザからの商品特定に関する所定方法に基づき、少なくとも1つの商品を特定すること、特定された商品に対して出品処理を行うこと、を実行する。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、電子商取引プラットフォームにおいて、映像で配信する未出品の商品に対して、出品を可能にする仕組みを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態における情報処理システムの各構成例を示す図である。
図2】実施形態に係るユーザ端末の一例を示すブロック図である。
図3】実施形態に係るサーバの一例を示すブロック図である。
図4】実施形態に係るユーザデータの一例を示す図である。
図5】実施形態に係る取引データの一例を示す図である。
図6】実施形態に係る商品データの一例を示す図である。
図7】実施形態に係る商品特定の例1を示す図である。
図8】実施形態に係る商品特定の例2を示す図である。
図9】実施形態に係る出品後の画面の例1を示す図である。
図10】実施形態に係る出品後の画面の例2を示す図である。
図11】実施形態に係る出品オファーに関する画面遷移例を示す図である。
図12】実施形態に係る情報処理システムのサーバの処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
[実施形態]
実施形態では、第1ユーザ(出品予定者)が、未出品の商品を携帯端末等のカメラで撮影し、撮影された映像を配信することで、第2ユーザ(購入予定者又は閲覧者)がこの映像を視聴し、第1ユーザ又は第2ユーザからの音声やジェスチャなどで商品を特定し、特定された商品に対して出品処理を行う。これにより、電子商取引プラットフォームにおいて、映像で配信する未出品の商品に対して、出品を可能にする仕組みを提供することができる。また、第1ユーザは、購入予定者の反応を知ることができ、その反応に応じて出品するか否かを決めることができる。
【0011】
また、ライブ映像を配信する(ライブ中継をする)場合は、第1ユーザは、その場で第2ユーザと交渉し、交渉成立した内容で出品をすることができるため、商品情報等を入力したり、価格を変更したりする必要がない。その結果、電子商取引プラットフォームを管理するサーバ(情報処理装置)は、入力データの削減によりメモリ量を削減し、又は商品情報の変更回数の削減により処理負荷を削減することが可能になる。
【0012】
<システムの適用例>
図1は、実施形態における情報処理システム1の各構成例を示す図である。図1に示す例では、各ユーザが利用する各情報処理装置10A、10B、電子商取引プラットフォームを管理するサーバ20がネットワークNを介して接続される。なお、情報処理装置10A、10Bは、任意の数がネットワークNに接続される。
【0013】
情報処理装置10A、10Bは、例えば、スマートフォン、携帯電話(フィーチャーフォン)、コンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)などであり、内蔵又は外付けにより撮像装置を有する。情報処理装置10A、10Bは、特に区別しない場合は、情報処理装置10、又はユーザ端末10とも表記する。
【0014】
情報処理装置20は、例えばサーバであり、1又は複数の装置により構成されてもよい。また、情報処理装置20は、電子商取引プラットフォームを管理し、また、未出品の商品を含む映像を配信することが可能であり、売買取引をリアルタイムに行うことも可能である。以下、情報処理装置20は、サーバ20とも表記する。
【0015】
図1に示す例では、ユーザ端末10Aは、例えば第1ユーザUAが利用する端末であり、カメラ機能を起動し、出品予定(未出品)の商品Gを撮影し、撮影された映像データをサーバ20に送信する。撮影される商品の数は1つに限らず、複数の商品が一画面内に含まれるように撮影されてもよい。
【0016】
サーバ20は、受信した映像データを不特定多数の第2ユーザUBに配信する。サーバ20は、必要に応じて、映像データを商品ごとにメモリに記憶してもよく、メモリに記憶された映像データを配信してもよい。サーバ20は、商品ごとにメモリを記憶することについて、画像認識等により特定された商品が撮影されている間の映像を分割して個別ファイルとして記憶してもよいし、商品が含まれる映像データの時間を管理するようにしてもよい。
【0017】
ユーザ端末10Bは、例えば第2ユーザUBが利用する端末であり、配信される映像データを画面に表示し、第2ユーザUBの操作を受け付ける。例えば、ユーザ端末10Bは、第2ユーザUBから商品Gを特定する操作を受け付け、出品を申し出る操作を受け付けた場合、特定された商品G及び出品オファーをサーバ20に送信する。
【0018】
サーバ20は、特定された商品G及び出品オファーをユーザ端末10Bから受信すると、これらの内容を映像データの配信元であるユーザ端末10Aに送信する。サーバ20は、商品Gに対して出品を受け付ける通知をユーザ端末10Aから受信すると、例えば売買が成立したと判定して、商品Gに対して電子商取引プラットフォームにおける通常の処理に従って、その後の処理を実行する。また、サーバ20は、ユーザ端末10Aから出品処理を受け付けた場合に、一度、電子商取引プラットフォームにおける出品処理を実行し、電子商取引プラットフォーム上で、出品オファーをしたユーザに限らず、商品Gの購入を受け付けるようにしてもよい。
【0019】
<構成の一例>
図2は、実施形態に係るユーザ端末10の一例を示すブロック図である。ユーザ端末10は、1つ又は複数の処理装置(CPU)110、1つ又は複数のネットワーク又は他のネットワーク通信インタフェース120、メモリ130、ユーザインタフェース150、撮像装置160、及びこれらの構成要素を相互接続するための1つ又は複数の通信バス170を含む。
【0020】
ユーザインタフェース150は、例えば、ディスプレイ装置151及び入力装置(キーボード及び/又はマウス又は他の何らかのポインティングデバイス等)152を備えるユーザインタフェース150である。また、ユーザインタフェース150は、タッチパネルでもよい。
【0021】
メモリ130は、例えば、DRAM、SRAM、DDR RAM又は他のランダムアクセス固体記憶装置などの高速ランダムアクセスメモリであり、また、1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリでもよい。
【0022】
また、メモリ130の他の例として、CPU110から遠隔に設置される1つ又は複数の記憶装置でもよい。ある実施形態において、メモリ130は次のプログラム、モジュール及びデータ構造、又はそれらのサブセットを格納する。
【0023】
オペレーティングシステム131は、例えば、様々な基本的なシステムサービスを処理するとともにハードウェアを用いてタスクを実行するためのプロシージャを含む。
【0024】
ネットワーク通信モジュール132は、例えば、ユーザ端末10を他のコンピュータに、1つ又は複数のネットワーク通信インタフェース120及び、インターネット、他の広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、メトロポリタンエリアネットワークなどの1つ又は複数の通信ネットワークを介して接続するために使用され、送受信モジュールとしても使用されうる。
【0025】
アプリデータ133は、ユーザが電子商取引プラットフォームを利用する際に処理されるデータを含む。例えば、アプリデータ133は、ユーザ情報や、サーバ20から取得された情報を含む。一例として、視聴中の映像データに含まれる商品の商品情報などがアプリデータ133に含まれる。
【0026】
取引制御モジュール134は、サーバ20が提供する電子商取引プラットフォームにおける商品の売買などの取引を制御する。例えば、取引制御モジュール134は、映像データを用いての出品処理に関する撮影制御モジュール135、入力モジュール136、認識モジュール137、及び出品制御モジュール138を少なくとも有する。
【0027】
撮影制御モジュール135は、第1ユーザ等の操作に応じてカメラ機能を起動させ、撮像装置160により撮像された映像データを取得し、サーバ20に送信するよう制御する。映像データは、1又は複数の未出品商品が含まれる。
【0028】
入力モジュール136は、第1ユーザ又は第2ユーザからの入力を受け付ける。入力される対象は、映像又はセンサなどにより検出されるユーザの動作、マイクなどから入力される音声データ、入力装置152から入力されるテキストやボタン等の操作による指示などのデータである。入力されるデータは、認識モジュール137に出力される。
【0029】
認識モジュール137は、入力モジュール136により入力されたデータが、所定の条件を満たすか否かを判定する。所定の条件は、ジェスチャについては、商品特定を示す第1ジェスチャ、出品オファーを示す第2ジェスチャ、出品を行うための第3ジェスチャなどを含み、音声については、商品を特定するような用語(例えば、赤い服など)、「出品」という単語などを含み、テキストについては、商品を特定するような文字列(例えば、手に持っている靴など)、「出品」などを含む。認識モジュール137は、予め設定された用語等に一致する場合は、所定の条件を満たすと判定する。
【0030】
認識モジュール137は、認識結果に応じた処理を実行する。例えば、認識モジュール137は、商品を特定するためのジェスチャや、音声等が入力されると、これを認識し、商品を特定する処理を実行する。また、認識モジュール137は、出品を示す指示を認識すると、特定された商品に対して出品処理を実行するよう出品制御モジュール138に指示する。なお、認識モジュール137は、サーバ20に設けられてもよい。
【0031】
出品制御モジュール138は、認識モジュール137からの出品指示により、映像データ内の商品を認識し、認識した商品に対して出品制御処理を実行する。商品の認識については、認識モジュール137が認識している場合は認識された商品を取得する。出品制御モジュール138は、認識された商品に対して出品を行うようサーバ20に通知する。例えば、通知内容は、認識された商品を特定する情報と、出品リクエストとを含む。
【0032】
表示制御モジュール139は、撮影中の映像データを表示制御したり、サーバ20から配信される映像データを表示制御したりする。また、表示制御モジュール139は、サーバ20から送信される画面に関するデータ等(チャット形式のテキストデータなど)を表示制御する。
【0033】
なお、1つ又は複数の処理装置(CPU)110は、メモリ130から、必要に応じて各モジュールを読み出して実行する。例えば、1つ又は複数の処理装置(CPU)110は、メモリ130に格納されているネットワーク通信モジュール132を実行することで、通信部を構成してもよい。また、1つ又は複数の処理装置(CPU)110は、メモリ130に格納されている取引制御モジュール134、撮影制御モジュール135、入力モジュール136、認識モジュール137、出品制御モジュール138、及び表示制御モジュール139をそれぞれ実行することで、取引制御部、入力部、認識部、出品制御部、及び表示制御部を構成してもよい。
【0034】
他の実施形態において、取引制御モジュール134、撮影制御モジュール135、入力モジュール136、認識モジュール137、出品制御モジュール138、及び表示制御モジュール139は、ユーザ端末10のメモリ130に格納されるスタンドアロンアプリケーションであってもよい。スタンドアロンアプリケーションとしては、限定はされないが、取引制御アプリケーション、入力アプリケーション、認識アプリケーション、出品制御アプリケーション、表示制御アプリケーションが挙げられる。さらに他の実施形態において、取引制御モジュール134、撮影制御モジュール135、入力モジュール136、認識モジュール137、出品制御モジュール138、及び表示制御モジュール139は別のアプリケーションへのアドオン又はプラグインであってもよい。
【0035】
上記に示した要素の各々は、先述の記憶装置の1つ又は複数に格納され得る。上記に示したモジュールの各々は、上述される機能を実行するための命令のセットに対応する。上記に示したモジュール又はプログラム(すなわち、命令のセット)は別個のソフトウェアプログラム、プロシージャ又はモジュールとして実装される必要はないとともに、従ってこれらのモジュールの様々なサブセットは様々な実施形態で組み合わされるか、或いは再構成されてもよい。ある実施形態において、メモリ130は上記に示されるモジュール及びデータ構造のサブセットを格納し得る。さらには、メモリ130は上述されない追加的なモジュール及びデータ構造を格納し得る。
【0036】
図3は、実施形態に係るサーバ20の一例を示すブロック図である。サーバ20は、1つ又は複数の処理装置(CPU)210、1つ又は複数のネットワーク又は他のネットワーク通信インタフェース220、メモリ230、及びこれらの構成要素を相互接続するための1つ又は複数の通信バス270を含む。
【0037】
サーバ20は、場合によりユーザインタフェース250を含んでもよく、これとしては、ディスプレイ装置(図示せず)、及びキーボード及び/又はマウス(又は他の何らかのポインティングデバイス等の入力装置。図示せず)を挙げることができる。
【0038】
メモリ230は、例えば、DRAM、SRAM、DDR RAM又は他のランダムアクセス固体記憶装置などの高速ランダムアクセスメモリであり、また、1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリでもよい。
【0039】
また、メモリ230の他の例は、CPU210から遠隔に設置される1つ又は複数の記憶装置を挙げることができる。ある実施形態において、メモリ230は次のプログラム、モジュール及びデータ構造、又はそれらのサブセットを格納する。
【0040】
オペレーティングシステム231は、例えば、様々な基本的なシステムサービスを処理するとともにハードウェアを用いてタスクを実行するためのプロシージャを含む。
【0041】
ネットワーク通信モジュール232は、例えば、サーバ20を他のコンピュータに、1つ又は複数のネットワーク通信インタフェース220及びインターネット、他の広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、メトロポリタンエリアネットワークなどの1つ又は複数の通信ネットワークを介して接続するために使用され、送受信モジュールとしても使用されうる。
【0042】
ユーザデータ233は、電子商取引プラットフォームを利用するユーザの情報を含む。例えば、ユーザデータ233は、各ユーザIDに関連付けて、ユーザ名称、住所、電話番号、ニックネーム等を含む。ユーザデータ233は、図4を用いて後述する。
【0043】
取引データ234は、電子商取引プラットフォームにおける売買取引の情報を含む。例えば、取引データ234は、取引IDに関連付けて、商品ID、買い手のユーザID、売り手のユーザID、成約日時などを含む。取引データ234は、図5を用いて後述する。
【0044】
商品データ235は、電子商取引プラットフォームに登録された商品情報を含む。例えば、商品データ235は、出品された商品ごとに、商品ID、画像、価格、サイズ、オファーユーザ、出品期限などを含む。商品データ235は、図6を用いて後述する。
【0045】
取引管理モジュール236は、電子商取引プラットフォームにおける商品の売買処理を管理する。例えば、取引管理モジュール236は、ユーザが映像を用いて未出品の商品を出品することに関して、取得モジュール237、配信モジュール238、特定モジュール239、出品処理モジュール240、及びデータ管理モジュール241を有する。
【0046】
取得モジュール237は、第1ユーザ(出品予定者)により撮影された1又は複数の未出品の商品を含む映像データを、ユーザ端末10やメモリ230から取得する。例えば、取得モジュール237は、ユーザ端末10からリアルタイムに送信されてきた映像データを取得したり、取得モジュール237は、所定の指示に応じて、メモリ230に記憶されている、指定された映像データを取得したりする。
【0047】
配信モジュール238は、取得された映像データを他のユーザが利用する情報処理装置に配信する。例えば、ユーザ端末10Aから映像データを取得した場合に、リアルタイムにユーザ端末10B等に映像データを配信し、ライブ中継を行う。なお、映像データを視聴する側は、不特定多数であり、ユーザがライブ中継に参加した時点で、映像データの配信が開始される。
【0048】
特定モジュール239は、1又は複数の未出品の商品の中から、第1ユーザ又は他のユーザからの商品特定に関する所定方法に基づき、少なくとも1つの商品を特定する。例えば、上述したユーザ端末10の認識モジュール137の認識処理を特定モジュール239が実行し、映像データ内の所定の商品を認識して特定してもよい。一例として、所定方法は、第1ユーザ又は他のユーザ(第2ユーザ)の音声又はジェスチャの認識結果、あるいは第1ユーザ又は他のユーザにより入力されたテキストに基づいて、少なくとも1の商品を特定する方法を含んでもよい。
【0049】
例えば、特定モジュール239は、第1ユーザ又は他のユーザにより画面内の商品位置をタップされた場合、このタップされた指示位置を特定し、この指示位置に表示されていた商品画像から商品を特定する。また、特定モジュール239は、物体画像を含むDBを参照することで物体認識を行い、映像データ内の商品を特定するようにしてもよい。この場合、特定モジュール239は、映像データ内に1つ物体が認識されれば、その物体を商品として特定すればよい。
【0050】
また、特定モジュール239は、第1ユーザ又は他のユーザの音声データを取得し、音声認識を行うことで、映像データ内の商品の位置(例えば「手に持っている」、「画面の右」など)や、特徴(例えば色や大きさや商品名やカテゴリ等)を認識し、認識結果に基づいて映像データ内の商品を特定してもよい。
【0051】
また、特定モジュール239は、映像データを配信中に第1ユーザ又は他のユーザから入力されたテキストデータを取得し、このテキストデータから商品を特定するような文字列を抽出し、抽出された文字列に基づいて商品を特定してもよい。上述したとおり、特定モジュール239は、様々な方法により商品を特定することができるため、バリエーション豊富なインタフェースをユーザに対して提供することができる。
【0052】
出品処理モジュール240は、特定モジュール239により特定された商品に対して出品処理を行う。例えば、出品処理モジュール240は、特定された商品に対する所定の商品情報を設定し、電子商取引プラットフォームにおいて、その商品を購入可能な状態にする。所定の商品情報は、人工知能(AI)などを用いて、電子商取引プラットフォームにおける商品データ235から類似する商品を抽出し、類似商品の商品情報を取得することで、自動で設定されるようにしてもよい。
【0053】
これにより、第1ユーザ(出品予定者)は、映像を用いながら未出品の商品を紹介することで、購入予定者の反応に応じて、出品するか否かを決めることができる。これにより、出品されたが購入されない商品を減らすことが可能になり、サーバ側のメモリ削減、処理負荷の軽減に寄与することが可能になる。
【0054】
また、取引管理モジュール236は、取得モジュール237により、第1ユーザが利用するユーザ端末10Aから映像データを取得することと、配信モジュール238により、他のユーザが利用するユーザ端末10Bに映像データを配信することとを、リアルタイムに処理するよう制御してもよい。例えば、配信モジュール238は、取得された映像データをリアルタイムに処理して配信することで、ライブ中継を実現することが可能である。
【0055】
これにより、第1ユーザや、他のユーザは、ライブ中継を用いて、商品に対する価格交渉等を行うことができるようになり、交渉が成立した時点で出品を行うことができるようになる。また、第1ユーザである出品予定者は、売買取引が既に成立しているため、商品情報等を入力したり、価格を変更したりする必要がない。その結果、電子商取引プラットフォームを管理するサーバ(情報処理装置)は、入力データの削減によりメモリ量を削減し、又は設定されたデータの変更回数の削減により処理負荷を削減することが可能になる。
【0056】
また、出品処理モジュール240は、出品対象の商品に対して、他のユーザからの入力情報に基づいて商品情報を設定することを含んでもよい。上述したとおり、人工知能を用いて商品情報を入力する以外にも、出品処理モジュール240は、出品予定者と購入予定者とのインタラクティブなやりとり(チャット形式)の中で取得したデータを商品情報に設定することが可能である。
【0057】
これにより、通常、出品者が商品情報を入力するが、この場合、購入者側からの入力情報を用いて商品情報を設定することが可能である。なお、購入者側から入力された商品情報を用いる場合、出品処理モジュール240は、出品者に許可されてから設定するようにしてもよい。
【0058】
データ管理モジュール241は、撮影された商品ごとに映像データをメモリ230に記録してもよい。また、データ管理モジュール241は、撮影された商品が出品され、販売済みである場合に、この販売済みの商品の映像データをメモリ230から消去してもよい。
【0059】
これにより、サーバ20側で商品ごとの映像データを記憶することで、リアルタイムの配信を見逃したユーザに対して、記憶された映像データを配信することが可能である。また、映像データは、メモリ230の記憶容量の観点から、一時的に記憶されるのが好適であるが、既に売買が成立した商品の映像データが削除されることで、メモリ量の削減を図ることができる。
【0060】
また、取引管理モジュール236は、出品された商品の売買取引が成立した場合、この商品に関連付けた第1ユーザの住所を含む第1ユーザ情報と、他のユーザの住所を含む第2ユーザ情報とを含む配送指示情報を、配送業者が管理する情報処理装置に送信してもよい。例えば、取引管理モジュール236は、出品者及び購入者のユーザIDからそれぞれの住所を特定し、商品を特定する情報(商品名等)に対応付けて両者の住所を含む配送指示情報を、配送業者のサーバ等に送信する。なお、配送業者は、出品者の住所を利用して、特定された商品の集荷に行き、購入者の住所に届けるようにする。
【0061】
これにより、出品者及び購入者は、それぞれの情報を知ることなく発送処理を完了させることができ、セキュリティを向上させることができる。
【0062】
また、取引管理モジュール236は、所定期間内に出品された商品の売買取引が成立した場合、売買取引が成立した1又は複数の商品を特定する情報を含む集荷依頼情報を、所定の情報処理装置に送信してもよい。例えば、一つのセッション内で売買取引が成立した1又は複数の商品を特定する情報を含む集荷依頼情報を、配送業者や電子商取引プラットフォーム側が指定する者の情報処理装置に送信する。
【0063】
これにより、出品者は、所定期間内に売買取引が成立した商品を一括して集荷させることが可能になる。集荷先は、例えば、電子商取引プラットフォームの運営側とすることで、運営側は、売買取引の情報やユーザ情報を把握しているため、セキュリティ面での向上を図りつつ、商品ごとに適切な発送処理を行うことができる。
【0064】
なお、1つ又は複数の処理装置(CPU)210は、メモリ230から、必要に応じて各モジュールを読み出して実行する。例えば、1つ又は複数の処理装置(CPU)210は、メモリ230に格納されているネットワーク通信モジュール232を実行することで、通信部を構成してもよい。また、1つ又は複数の処理装置(CPU)210は、メモリ230に格納されている取引管理モジュール236、取得モジュール237、配信モジュール238、特定モジュール239、出品処理モジュール240、及びデータ管理モジュール241をそれぞれ実行することで、取引管理部、取得部、配信部、特定部、出品処理部、及びデータ管理部を構成してもよい。
【0065】
上記に示した要素の各々は先述される記憶装置の1つ又は複数に格納され得る。上記に示したモジュールの各々は、上述される機能を実行するための命令のセットに対応する。上記に示したモジュール又はプログラム(すなわち、命令のセット)は別個のソフトウェアプログラム、プロシージャ又はモジュールとして実装される必要はないとともに、従ってこれらのモジュールの様々なサブセットが様々な実施形態で組み合わされるか、或いは再構成され得る。ある実施形態において、メモリ230は上記に示されるモジュール及びデータ構造のサブセットを格納し得る。さらには、メモリ230は上述されない追加的なモジュール及びデータ構造を格納し得る。
【0066】
図3は「サーバ」を示すが、図3は、本明細書に記載される実施形態の構造的な概略としてよりも、サーバのセットに存在し得る様々な特徴についての説明が意図されている。実際には、当業者により認識されるとおり、別個に示される項目が組み合わされ得るであろうとともに、ある項目が別個にされ得るであろう。例えば、図3において別個に示される項目は単一サーバ上に実装され得るであろうとともに、単一の項目が1台又は複数のサーバにより実装され得るであろう。
【0067】
<データ構造の一例>
図4は、実施形態に係るユーザデータ233の一例を示す図である。ユーザデータ233には、電子商取引プラットフォームを運営、管理する者により作成された各会員ユーザに関する情報が管理される。「ユーザID」には、サーバ20がユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報(ユーザID:Identifier)が含められる。「ユーザ情報」には、ユーザのパーソナルな情報である「氏名」、「住所」、「電話番号」などが含められる。なお、ユーザIDは、ユーザ情報の一つに含められてもよい。
【0068】
図5は、実施形態に係る取引データ234の一例を示す図である。取引データ234の「取引ID」には、売買の取引開始に応じて付与される取引IDが含められる。「商品ID」には、出品された商品の識別情報が含められる。「買い手ユーザID」には、その商品の買い手であるユーザのユーザIDが含められる。「売り手ユーザID」には、その商品を出品したユーザのユーザIDが含められる。「成約日時」には、売買が成立した日時情報が含められる。なお、取引データ234は、その他のデータを含んでもよい。
【0069】
図6は、実施形態に係る商品データ235の一例を示す図である。「商品ID」には、出品された商品の識別情報が含められる。「画像」には、その商品の画像データが含まれる。「価格」には、その商品の価格が含められる。「サイズ」には、その商品のサイズ情報が含められる。オファーユーザは、商品のライブ中継中に出品をオファーしたユーザのユーザIDが含められる。「出品期限」には、出品された商品の購入依頼を受け付ける期限を示す情報が含められる。なお、商品データ235は、商品のカテゴリやブランド、商品名などを含んでもよい。
【0070】
上述したデータ構造は、あくまでも一例であって、この例に限られない。また、メモリ230には、商品ごとの映像データが記憶されてもよい。
【0071】
<表示画面の具体例>
図7~11は、実施形態に係る表示画面の具体例を説明するための図である。図7は、実施形態に係る商品特定の例1を示す図である。図7に示す例では、購入予定者が、ユーザ端末10を用いて映像を視聴中に、画面A1内の商品を選択(タップ等)する。次に、選択された商品に対して出品のオファーがなされ、出品予定者によりオファーが許可されると、画面A2に出品がされたことが通知される。この場合、例えば、特定モジュール239により物体検出された位置に四角枠が表示され、この四角枠内をユーザが選択することで、ユーザ端末10は、出品オファーを送信ことができる。
【0072】
また、図7に示す例において、出品予定者が、ユーザ端末10を用いて映像を撮影中に、撮影中の商品を画面A1内で選択(タップ等)する。次に、画面A2において、選択された商品の出品が完了したことが通知される。また、同様に、購入予定者が商品を特定するようにしてもよい。すなわち、出品予定者、又は購入予定者側からの指示により、サーバ20側で商品の出品処理を実行することができる。
【0073】
図8は、実施形態に係る商品特定の例2を示す図である。図8に示す例では、出品予定者が、未出品の商品を撮影し、その様子が画面A3に表示される。このとき、出品予定者が、商品を手に持ち、画面A4において、「これを2,500円で出品しまーす」と発話したとする。ユーザ端末10は、この音声データを取得し、サーバ20に映像データとともに送信する。サーバ20は、音声認識により「出品しまーす」を検出すると、映像データ内に含まれる物体を検出し、この物体を商品として特定して出品処理を実行する。すなわち、サーバ20は、Voice User Interface(VUI)の機能を実装している。
【0074】
図9は、実施形態に係る出品後の画面の例1を示す図である。図9に示す例では、図8に示す商品が出品されると、その映像データを視聴中のユーザには、出品された商品の画像と、価格とが、購入予定者側のユーザ端末10の画面B1に表示される。商品の画像について、出品処理モジュール240は、映像データの一部を抽出して表示することが可能である。商品の価格について、出品処理モジュール240は、音声認識された「2,500円」を自動的に設定して表示することが可能である。その他、商品情報について、出品処理モジュール240は、AI等を用いて取得して設定してもよいし、映像データの配信中にインタラクティブ通信により取得されたデータを取得して設定してもよい。
【0075】
図10は、実施形態に係る出品後の画面の例2を示す図である。図10に示す例では、映像配信中に出品された商品の一覧が画面B2に表示される。この場合、出品処理モジュール240は、映像配信中に出品された商品を商品データ235として管理する際に、映像配信中の出品であることを判別できる情報(判別情報)を付与しておく。これにより、出品処理モジュール240は、映像配信中に出品された商品を特定することができ、映像データに出品商品の一覧を重畳することができる。なお、映像が終了した場合には、この判別情報をクリアするとよい。
【0076】
図11は、実施形態に係る出品オファーに関する画面遷移例を示す図である。図11に示す例では、「A」の符号が付された画面は、出品予定者側の画面を示し、「B」の符号が付された画面は、購入予定者側の画面を示す。
【0077】
画面A11において、出品予定者は、自身のユーザ端末10を用いて商品を撮影し、ユーザ端末10は、商品を含む映像データをサーバ20に送信する。このとき、出品予定者は、商品の説明を音声等で行ってもよい。
【0078】
画面B11において、購入予定者は、自身のユーザ端末10を用いて、サーバ20から配信される映像データを視聴する。このとき、購入予定者が、欲しい商品に対して画面内で選択(例えばタップ)したとする。図11に示す例では、帽子が選択されたとする。ここで、ユーザ端末10は、選択された位置にある画像についてサーバ20に問い合わせ、サーバ20は、物体認識後に〇〇社の帽子であることを特定した場合、この「〇〇社の帽子」を示す情報をユーザ端末10に送信する。
【0079】
画面B12において、購入予定者は、選択した商品に対して希望金額を入力する。このとき、購入予定者は、金額について、テキスト入力したり音声入力したりすることが可能である。図11に示す例では、購入予定者は、「700円」を入力する。
【0080】
画面B13において、購入予定者は、入力された金額を確認し、画面内の「オファー」ボタンを押下したとする。このとき、商品「〇〇社の帽子」、希望金額「700円」を含む出品オファー情報が、サーバ20に送信される。
【0081】
画面A12において、出品予定者は、購入予定者から出品オファーが来たことを通知される。例えば、出品予定者のユーザ端末10は、サーバ20から出品オファー情報を受信し、出品オファー情報に含まれる商品情報と、金額情報とを画面に表示する。出品予定者は、出品オファーを許可すると、ユーザ端末10は、出品リクエストをサーバ20に通知することで、サーバ20は、出品処理を実行する。また、出品予定者は、出品オファーを拒否すると、ユーザ端末10は、拒否通知をサーバ20に送信し、サーバ20は、出品オファーが拒否されたことを、出品オファーを送信したユーザ端末10に通知する。
【0082】
これにより、映像配信中に、購入予定者側から出品をオファーすることが可能になり、出品予定者は、未出品の商品に対してどれくらい出品オファーがくるかを知ることができる。
【0083】
<動作説明>
次に、実施形態に係る情報処理システム1の動作について説明する。図12は、実施形態に係る情報処理システム1のサーバ20の処理の一例を示すフローチャートである。
【0084】
(ステップS102)
サーバ20の取得モジュール237は、ユーザ端末10又はメモリ230から、未出品の商品を含む映像データを取得したかを判定する。映像データが取得されれば(ステップS102-YES)、処理はステップS104に進み、映像データが取得されなければ(ステップS102-NO)、処理はステップS102に戻る。
【0085】
(ステップS104)
サーバ20の配信モジュール238は、取得された映像データを不特定多数の購入予定者が利用する各ユーザ端末10に送信する。映像データの視聴については、サーバ20にアクセスし、視聴処理を実行することで、誰でも視聴することが可能である。サーバ20は、基本的にリアルタイムに配信(ライブ中継)を行うが、所定のユーザに対しては、記憶された映像データを配信してもよい。
【0086】
(ステップS106)
サーバ20の特定モジュール239は、出品予定者又は購入予定者からの商品特定に関する所定方法を用いて、少なくとも1つの商品を特定する。所定方法は、ジェスチャ認識や音声認識やテキストデータの文字認識等のうち少なくとも1つが用いられればよい。
【0087】
(ステップS108)
サーバ20の出品処理モジュール240は、特定された商品に対して出品処理を行う。出品処理モジュール240は、電子商取引プラットフォームにおいて通常の出品処理を行い、購入依頼を受け付ける。
【0088】
(ステップS110)
サーバ20の取引管理モジュール236は、出品された商品について、売買取引が成立したか否かを判定する。売買取引が成立したら(ステップS110-YES)、処理はステップS112に進み、売買取引が成立しなければ(ステップS110-NO)、売買取引が成立するまで出品中のステータスが継続する。なお、商品に対して出品オファーがなされ、許可された場合は、取引管理モジュール236は、その出品オファーを出した購入予定者と出品者との間で売買取引が成立したとみなしてもよく、このとき、処理はステップS112に進む。
【0089】
(ステップS112)
サーバ20の取引管理モジュール236は、売買取引が成立した商品に対し、発送手続の処理を実行する。発送手続の処理について、取引管理モジュール236は、上述した配送指示情報、又は集荷依頼情報を所定の情報処理装置に送信する。
【0090】
以上の処理により、、電子商取引プラットフォームにおいて、映像で配信する未出品の商品に対して、出品を可能にする仕組みを提供することができる。
【0091】
なお、開示技術は、上述した実施形態に限定されるものではなく、開示技術の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【0092】
本開示の実施形態のプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。 記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムを記憶可能である。プログラムは、限定でなく例として、ソフトウェアプログラムやコンピュータプログラムを含む。
【0093】
[変形例]
また、上述した実施形態における変形例では、上記実施形態において、サーバ20は、商品ごとの映像データをメモリ230に記憶するが、出品済みの商品であり、未購入の商品に対しても、映像データを記憶するようにしてもよい。これにより、後から購入予定者が出品済みの商品の説明がなされた映像データを確認することができる。また、サーバ20は、出品予定者と購入予定者とで、金額について交渉するためのユーザインタフェースを提供し、合意が取れたときに出品をするようにしてもよい。また、合意が取れない場合は、サーバ20は、他の購入予定者からのオファーを受けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0094】
1 情報処理システム
10、10A、10B 情報処理装置(ユーザ端末)
20 情報処理装置(サーバ)
110、210 処理装置(CPU)
120、220 ネットワーク通信インタフェース
130、230 メモリ
131、231 オペレーティングシステム
132、232 ネットワーク通信モジュール
134 取引制御モジュール
135 撮影制御モジュール
136 入力モジュール
137 認識モジュール
138 出品制御モジュール
150 ユーザインタフェース
160 撮像装置
170、270 通信バス
236 取引管理モジュール
237 取得モジュール
238 配信モジュール
239 特定モジュール
240 出品処理モジュール
241 データ管理モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12