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特許7504586粘着シート、繰り返し屈曲積層部材および繰り返し屈曲デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】粘着シート、繰り返し屈曲積層部材および繰り返し屈曲デバイス
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/38 20180101AFI20240617BHJP
   C09J 133/04 20060101ALI20240617BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20240617BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240617BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
C09J7/38
C09J133/04
B32B27/00 M
G09F9/30 308Z
G09F9/00 302
G09F9/00 313
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019234352
(22)【出願日】2019-12-25
(65)【公開番号】P2021102708
(43)【公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-09-26
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】小鯖 翔
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 洋一
(72)【発明者】
【氏名】七島 祐
【審査官】澤村 茂実
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-108498(JP,A)
【文献】特開2018-027996(JP,A)
【文献】特開2017-095653(JP,A)
【文献】特開2017-160454(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00-201/10
B32B 27/00
G09F 9/00,9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
繰り返し屈曲されるデバイスを構成する一の屈曲性部材と他の屈曲性部材とを貼合するための粘着剤層を有する粘着シートであって、
前記粘着剤層について、ナノインデンテーション法により負荷速度0.014mN/秒、最大荷重0.2mNにて測定した、押し込み弾性率が4.5MPa以上であり、押し込み深さが9μm以上であり、
ソーダライムガラスに対する粘着力が、12N/25mm以上、50N/25mm以下であり、
前記粘着剤層を構成する粘着剤が、(メタ)アクリル酸エステル重合体を含むアクリル系粘着剤であり、
前記(メタ)アクリル酸エステル重合体が、当該重合体を構成するモノマー単位として、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、反応性官能基含有モノマー、芳香環含有モノマー、および窒素原子含有モノマーを含有する
ことを特徴とする粘着シート。
【請求項2】
前記粘着剤層を構成する粘着剤の23℃、測定波長400nmにおける光弾性係数の絶対値が、10.0×10-10/N以下であることを特徴とする請求項1に記載の粘着シート。
【請求項3】
前記粘着剤層を構成する粘着剤の85℃における貯蔵弾性率G’(85)が、0.0001MPa以上、1MPa以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の粘着シート。
【請求項4】
前記粘着剤層を構成する粘着剤の23℃における貯蔵弾性率G’(23)が、0.001MPa以上、5MPa以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の粘着シート。
【請求項5】
前記粘着剤層を構成する粘着剤のゲル分率が、30%以上、99%以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の粘着シート。
【請求項6】
前記粘着シートが、2枚の剥離シートを備えており、
前記粘着剤層が、前記2枚の剥離シートの剥離面と接するように前記剥離シートに挟持されている
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の粘着シート。
【請求項7】
繰り返し屈曲されるデバイスを構成する一の屈曲性部材および他の屈曲性部材と、
前記一の屈曲性部材と前記他の屈曲性部材とを互いに貼合する粘着剤層と
を備えた繰り返し屈曲積層部材であって、
前記粘着剤層が、請求項1~6のいずれか一項に記載の粘着シートの粘着剤層からなる
ことを特徴とする繰り返し屈曲積層部材。
【請求項8】
請求項7に記載の繰り返し屈曲積層部材を備えたことを特徴とする繰り返し屈曲デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繰り返し屈曲されるデバイス用の粘着シート、ならびに繰り返し屈曲積層部材および繰り返し屈曲デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デバイスの一種である、電子機器の表示体(ディスプレイ)として、屈曲可能な屈曲性ディスプレイが提案されている。屈曲性ディスプレイとしては、1回だけ曲面成形するものの他に、繰り返し屈曲させる(折り曲げる)用途の繰り返し屈曲ディスプレイが提案されている。
【0003】
上記のような繰り返し屈曲ディスプレイにおいては、当該屈曲性ディスプレイを構成する一の屈曲可能な部材(屈曲性部材)と、他の屈曲性部材とを粘着シートの粘着剤層によって貼合することが考えられる。しかしながら、繰り返し屈曲ディスプレイに従来の粘着シートを使用すると、繰り返しの屈曲により、屈曲部における粘着剤層と被着体との界面に剥がれが発生するなど、耐久性に問題が生じる。
【0004】
特許文献1及び2は、繰り返し屈曲時における剥がれの発生を抑制すること等を目的とした粘着剤を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-89975号公報
【文献】特開2019-108498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような実状に鑑みてなされたものであり、屈曲に対する耐久性に優れた粘着シート、繰り返し屈曲積層部材および繰り返し屈曲デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1に本発明は、繰り返し屈曲されるデバイスを構成する一の屈曲性部材と他の屈曲性部材とを貼合するための粘着剤層を有する粘着シートであって、前記粘着剤層について、ナノインデンテーション法により負荷速度0.014mN/秒、最大荷重0.2mNにて測定した、押し込み弾性率が4.5MPa以上であり、押し込み深さが9μm以上であることを特徴とする粘着シートを提供する(発明1)。
【0008】
上記発明(発明1)においては、上記粘着剤層によって一の屈曲性部材と他の屈曲性部材とを貼合してなる積層体を繰り返し屈曲させたときや、長期間屈曲状態に置いた場合に、屈曲部における粘着剤層と被着体との界面に剥がれが発生し難く、また、光漏れが抑制される。さらに、上記粘着剤層は、被着体の凹凸に対する追従性に優れる。また、上記粘着シートは、裁断加工時等に刃に粘着成分が付着したり、保管時等に粘着成分が染み出したりすることが抑制され、良好な加工性を有する。
【0009】
上記発明(発明1)においては、前記粘着剤層を構成する粘着剤の23℃、測定波長400nmにおける光弾性係数の絶対値が、10.0×10-10/N以下であることが好ましい(発明2)。
【0010】
上記発明(発明1,2)においては、前記粘着剤層を構成する粘着剤の85℃における貯蔵弾性率G’(85)が、0.0001MPa以上、1MPa以下であることが好ましい(発明3)。
【0011】
上記発明(発明1~3)においては、前記粘着剤層を構成する粘着剤の23℃における貯蔵弾性率G’(23)が、0.001MPa以上、5MPa以下であることが好ましい(発明4)。
【0012】
上記発明(発明1~4)においては、前記粘着剤層を構成する粘着剤のゲル分率が、30%以上、99%以下であることが好ましい(発明5)。
【0013】
上記発明(発明1~5)においては、前記粘着剤層を構成する粘着剤が、アクリル系粘着剤であることが好ましい(発明6)。
【0014】
上記発明(発明1~6)においては、前記粘着シートが、2枚の剥離シートを備えており、前記粘着剤層が、前記2枚の剥離シートの剥離面と接するように前記剥離シートに挟持されていることが好ましい(発明7)。
【0015】
第2に本発明は、繰り返し屈曲されるデバイスを構成する一の屈曲性部材および他の屈曲性部材と、前記一の屈曲性部材と前記他の屈曲性部材とを互いに貼合する粘着剤層とを備えた繰り返し屈曲積層部材であって、前記粘着剤層が、前記粘着シート(発明1~7)の粘着剤層からなることを特徴とする繰り返し屈曲積層部材を提供する(発明8)。
【0016】
第3に本発明は、前記繰り返し屈曲積層部材(発明8)を備えたことを特徴とする繰り返し屈曲デバイスを提供する(発明9)。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る粘着シート、繰り返し屈曲積層部材および繰り返し屈曲デバイスは、屈曲に対する耐久性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る粘着シートの断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る繰り返し屈曲積層部材の断面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る繰り返し屈曲デバイスの断面図である。
図4】静的屈曲試験を説明する説明図(側面図)である。
図5】動的屈曲試験を説明する説明図(側面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について説明する。
〔粘着シート〕
本発明の一実施形態に係る粘着シートは、繰り返し屈曲デバイスを構成する一の屈曲性部材と他の屈曲性部材とを貼合するための粘着剤層を有しており、好ましくは、当該粘着剤層の片面または両面に剥離シートを積層してなる。繰り返し屈曲デバイスおよび屈曲性部材については、後述する。
【0020】
上記粘着剤層について、ナノインデンテーション法により負荷速度0.014mN/秒、最大荷重0.2mNにて測定した、押し込み弾性率は4.5MPa以上であり、押し込み深さは9μm以上である。なお、本明細書における押し込み弾性率および押し込み深さの測定方法の詳細は、後述する試験例に示す通りである。
【0021】
本実施形態における粘着剤層が上記の物性を有することにより、屈曲に対する耐久性(以下、単に「耐久性」という場合がある。)に優れたものとなる。具体的には、当該粘着剤層によって一の屈曲性部材と他の屈曲性部材とを貼合してなる積層体を繰り返し屈曲させたとき(以下、「動的な耐久性」または「動的耐久性」という場合がある。)や、長期間屈曲状態に置いた場合(以下、「静的な耐久性」または「静的耐久性」という場合がある。)に、屈曲部における粘着剤層と被着体との界面に剥がれが発生し難く、また、光漏れが抑制される。さらに、本実施形態における粘着剤層は、被着体の凹凸に対する追従性に優れる。また、本実施形態に係る粘着シートは、裁断加工時等に刃に粘着成分が付着したり、保管時等に粘着成分が染み出したりすることが抑制され、良好な加工性を有する。
【0022】
上記の耐久性の観点から、上記押し込み弾性率は、4.5MPa以上であることを要し、5.0MPa以上であることが好ましく、5.4MPa以上であることがより好ましく、静的な耐久性をより優れたものとする観点から、特に5.6MPa以上であることが好ましく、さらには5.9MPa以上であることが好ましい。これにより、加工性も優れたものとなる。一方、上記の耐久性の観点から、上記押し込み弾性率は50MPa以下であることが好ましく、30MPa以下であることがより好ましく、特に10MPa以下であることが好ましく、さらには8MPa以下であることが好ましい。
【0023】
また、上記の耐久性の観点から、上記押し込み深さは、9μm以上であることを要し、10μm以上であることが好ましく、さらに耐光漏れ性もより優れたものとしやすい観点から、11μm以上であることがより好ましい。これにより、凹凸追従性も優れたものとなる。一方、上記押し込み弾性率を低下させすぎず、優れた加工性を得る観点から、上記押し込み深さは、30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましく、特に15μm以下であることが好ましく、さらには12μm以下であることが好ましい。
【0024】
本実施形態に係る粘着シートの粘着剤層を構成する粘着剤の23℃、測定波長400nmにおける光弾性係数の絶対値は、10.0×10-10/N以下であることが好ましく、8.0×10-10/N以下であることがより好ましく、特に6.0×10-10/N以下であることが好ましく、さらには4.7×10-10/N以下であることが好ましい。これにより、屈曲に伴う残存応力による複屈折の発生を抑えることができ、屈曲による光漏れがより効果的に抑制される。なお、本明細書における光弾性係数の測定方法は、後述する試験例に示す通りである。
【0025】
上記光弾性係数の絶対値の下限値は、特に制限されず、0m/Nであってもよい。ただし、上記押し込み弾性率が前述した値を満たす粘着剤を得やすい観点から、上記光弾性係数の絶対値は、0.01×10-10/N以上であることが好ましく、0.1×10-10/N以上であることがより好ましく、特に1.0×10-10/N以上であることが好ましく、さらには2.0×10-10/N以上であることが好ましい。
【0026】
本実施形態に係る粘着シートの粘着剤層を構成する粘着剤の85℃における貯蔵弾性率G’(85)は、0.0001MPa以上であることが好ましく、0.001MPa以上であることがより好ましく、特に0.01MPa以上であることが好ましく、さらには0.02MPa以上であることが好ましい。これにより、粘着シートとしての加工性を満たしやすくなる。また、当該貯蔵弾性率G’(85)は、1MPa以下であることが好ましく、0.1MPa以下であることがより好ましく、特に0.08MPa以下であることが好ましく、さらには0.03MPa以下であることが好ましい。これにより、凹凸追従性に優れた粘着剤層を得やすくなる。なお、本明細書における貯蔵弾性率の測定方法は、後述する試験例に示す通りである。
【0027】
また、本実施形態に係る粘着シートの粘着剤層を構成する粘着剤の23℃における貯蔵弾性率G’(23)は、0.001MPa以上であることが好ましく、0.01MPa以上であることがより好ましく、特に0.02MPa以上であることが好ましく、さらには0.06MPa以上であることが好ましい。これにより、粘着シートとしての加工性を満たしやすくなる。また、当該貯蔵弾性率G’(23)は、5MPa以下であることが好ましく、1MPa以下であることがより好ましく、特に0.12MPa以下であることが好ましく、さらには0.07MPa以下であることが好ましい。これにより、凹凸追従性に優れた粘着剤層を得やすくなる。
【0028】
上記粘着剤層を構成する粘着剤のゲル分率は、30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましく、特に50%以上であることが好ましく、さらには60%以上であることが好ましい。これにより、粘着剤は、繰り返し屈曲に耐え得ることのできる好適な凝集力を発揮する。その結果、耐久性がより優れたものとなる。一方、本実施形態における粘着剤のゲル分率は、99%以下であることが好ましく、90%以下であることがより好ましく、特に80%以下であることが好ましく、さらには70%以下であることが好ましく、68%以下であることが最も好ましい。これにより、屈曲による粘着剤中における残留応力が低減されるものと推定され、耐久性がより優れたものとなる。なお、本明細書におけるゲル分率の測定方法は、後述する試験例に示す通りである。
【0029】
本実施形態に係る粘着シートの一例としての具体的構成を図1に示す。
図1に示すように、一実施形態に係る粘着シート1は、2枚の剥離シート12a,12bと、それら2枚の剥離シート12a,12bの剥離面と接するように当該2枚の剥離シート12a,12bに挟持された粘着剤層11とから構成される。なお、本明細書における剥離シートの剥離面とは、剥離シートにおいて剥離性を有する面をいい、剥離処理を施した面および剥離処理を施さなくても剥離性を示す面のいずれをも含むものである。
【0030】
1.構成要素
1-1.粘着剤層
粘着剤層11は、前述した物性を有する粘着剤からなるものである。粘着剤層11を構成する粘着剤の種類は、上記の物性(特に押し込み弾性率および押し込み深さ)が満たされれば特に限定されず、例えば、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等のいずれであってもよい。また、当該粘着剤は、エマルション型、溶剤型または無溶剤型のいずれでもよく、架橋タイプまたは非架橋タイプのいずれであってもよい。それらの中でも、前述した物性を満たし易く、粘着物性、光学特性等にも優れるアクリル系粘着剤が好ましく、特に、溶剤型のアクリル系粘着剤が好ましい。
【0031】
本実施形態における粘着剤は、具体的には、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)と、架橋剤(B)とを含有する粘着性組成物(以下「粘着性組成物P」という場合がある。)を架橋してなる粘着剤であることが好ましい。かかる粘着剤であれば、前述した物性を満たすことができ、また、良好な粘着力が得られ易い。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及びメタクリル酸の両方を意味する。他の類似用語も同様である。また、「重合体」には「共重合体」の概念も含まれるものとする。
【0032】
(1)粘着性組成物Pの成分
(1-1)(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、良好な粘着性を発現するための(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、架橋点となる反応性官能基を有するモノマー(反応性官能基含有モノマー)とを含有することが好ましい。また、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、芳香環含有モノマーを含有することが好ましく、特に芳香環含有モノマーおよび窒素原子含有モノマーを含有することが好ましい。当該モノマーを構成モノマー単位とすることで、前述した押し込み弾性率、押し込み深さ、および光弾性係数が満たされ易くなる。したがって、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、芳香環含有モノマーと、反応性官能基含有モノマーとを含有することがより好ましく、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、芳香環含有モノマーと、窒素原子含有モノマーと、反応性官能基含有モノマーとを含有することが特に好ましい。
【0033】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が1~20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むことが好ましい。アルキル基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。
【0034】
アルキル基の炭素数が1~20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸n-ペンチル、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n-デシル、(メタ)アクリル酸n-ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。中でも、前述した押し込み弾性率および押し込み深さの観点から、アルキル基の炭素数が3~10の(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、アルキル基の炭素数が4~8の(メタ)アクリル酸エステルがより好ましい。なお、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0035】
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、アルキル基の炭素数が1~20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを50質量%以上含有することが好ましく、60質量%以上含有することがより好ましく、特に70質量%以上含有することが好ましく、さらには80質量%以上含有することが好ましい。また、当該(メタ)アクリル酸アルキルエステルを98質量%以下含有することが好ましく、96質量%以下含有することがより好ましく、特に94質量%以下含有することが好ましく、さらには90質量%以下含有することが好ましい。アルキル基の炭素数が1~20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを上記の量で含有すると、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)に好適な粘着性を付与させることができるとともに、前述した押し込み弾性率および押し込み深さが満たされ易くなる。
【0036】
芳香環含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2-フェニルエチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸2-フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシブチル、エトキシ化o-フェニルフェノールアクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ビフェニルジ(メタ)アクリレート、ペンタフルオロベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0037】
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、芳香環含有モノマーを0.1質量%以上含有することが好ましく、1質量%以上含有することがより好ましく、特に2質量%以上含有することが好ましく、さらには4質量以上%含有することが好ましい。また、芳香環含有モノマーを30質量%以下含有することが好ましく、20質量%以下含有することがより好ましく、特に10質量%以下含有することが好ましく、さらには8質量%以下含有することが好ましい。芳香環含有モノマーの含有量が上記の範囲にあることにより、前述した押し込み弾性率、押し込み深さ、および光弾性係数が満たされ易くなる。また、粘着性も良好に維持される。
【0038】
窒素原子含有モノマーとしては、アミノ基を有するモノマー、アミド基を有するモノマー、窒素含有複素環を有するモノマーなどが挙げられ、中でも、アミド基を有するモノマーおよび窒素含有複素環を有するモノマーが好ましい。また、構成される粘着剤の高次構造中で上記窒素原子含有モノマー由来部分の自由度を高める観点から、当該窒素原子含有モノマーは、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を形成するための重合に使用される1つの重合性基以外に反応性不飽和二重結合基を含有しないことが好ましい。窒素原子含有モノマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0039】
アミノ基を有するモノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等が挙げられる。
【0040】
アミド基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-tert-ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-フェニル(メタ)アクリルアミド、N-(n-ブトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N-ビニルカプロラクタムが挙げられる。
【0041】
窒素含有複素環を有するモノマーとしては、例えば、N-(メタ)アクリロイルモルホリン、N-ビニル-2-ピロリドン、N-(メタ)アクリロイルピロリドン、N-(メタ)アクリロイルピペリジン、N-(メタ)アクリロイルピロリジン、N-(メタ)アクリロイルアジリジン、アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、2-ビニルピラジン、1-ビニルイミダゾール、N-ビニルカルバゾール、N-ビニルフタルイミド等が挙げられる。
【0042】
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、窒素原子含有モノマーを0.1質量%以上含有することが好ましく、1質量%以上含有することがより好ましく、特に2質量%以上含有することが好ましく、さらには4質量以上%含有することが好ましい。また、窒素原子含有モノマーを30質量%以下含有することが好ましく、20質量%以下含有することがより好ましく、特に10質量%以下含有することが好ましく、さらには8質量%以下含有することが好ましい。窒素原子含有モノマーの含有量が上記の範囲にあることにより、前述した押し込み弾性率および押し込み深さが満たされ易くなる。また、粘着性もより良好なものとなる。
【0043】
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として反応性官能基含有モノマーを含有することで、当該反応性官能基含有モノマー由来の反応性官能基を介して、後述する架橋剤(B)と反応し、架橋構造(三次元網目構造)が形成される。これにより、所望の凝集力を有し、前述した物性を満たし易い粘着剤が得られる。
【0044】
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)が、当該重合体を構成するモノマー単位として含有する反応性官能基含有モノマーとしては、分子内に水酸基を有するモノマー(水酸基含有モノマー)、分子内にカルボキシ基を有するモノマー(カルボキシ基含有モノマー)、分子内にアミノ基を有するモノマー(アミノ基含有モノマー)などが好ましく挙げられる。これらの反応性官能基含有モノマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0045】
上記反応性官能基含有モノマーの中でも、水酸基含有モノマーまたはカルボキシ基含有モノマーが好ましく、特に、水酸基含有モノマーが好ましい。水酸基含有モノマーは、前述した物性を満たし易い。
【0046】
水酸基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等が挙げられる。上記の中でも、前述した物性の満たし易さの観点から、炭素数が1~4のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0047】
カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸が挙げられる。中でも、得られる(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の粘着力の点からアクリル酸が好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0048】
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、反応性官能基含有モノマーを、0.1質量%以上含有することが好ましく、特に0.4質量%以上含有することが好ましく、さらには0.8質量%以上含有することが好ましい。また、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、反応性官能基含有モノマーを、18質量%以下含有することが好ましく、特に9質量%以下含有することが好ましく、さらには3質量%以下含有することが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)がモノマー単位として上記の量で反応性官能基含有モノマーを含有すると、架橋剤(B)との架橋反応により、得られる粘着剤の凝集力が適度なものとなり、前述した物性を満たし易いものとなる。
【0049】
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、カルボキシ基含有モノマーを含まないことも好ましい。カルボキシ基は酸成分であるため、カルボキシ基含有モノマーを含有しないことにより、粘着剤の貼付対象に、酸により不具合が生じるもの、例えばスズドープ酸化インジウム(ITO)等の透明導電膜や、金属膜、金属メッシュなどが存在する場合にも、酸によるそれらの不具合(腐食、抵抗値変化等)を抑制することができる。
【0050】
ここで、「カルボキシ基含有モノマーを含まない」とは、カルボキシ基含有モノマーを実質的に含有しないことを意味し、カルボキシ基含有モノマーを全く含有しない他、カルボキシル基による透明導電膜や金属配線等の腐食が生じない程度にカルボキシ基含有モノマーを含有することを許容するものである。具体的には、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)中に、モノマー単位として、カルボキシ基含有モノマーを0.1質量%以下、好ましくは0.01質量%以下、さらに好ましくは0.001質量%以下の量で含有することを許容するものである。
【0051】
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、所望により、当該重合体を構成するモノマー単位として、他のモノマーを含有してもよい。他のモノマーとしては、反応性官能基含有モノマーの前述した作用を阻害しないためにも、反応性官能基を含有しないモノマーが好ましい。かかるモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、酢酸ビニル、スチレンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0052】
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重合態様は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。
【0053】
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重量平均分子量は、10万以上であることが好ましく、30万以上であることがより好ましく、特に50万以上であることが好ましく、さらには70万以上であることが好ましい。また、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重量平均分子量は、300万以下であることが好ましく、200万以下であることがより好ましく、特に140万以下であることが好ましく、さらには90万以下であることが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重量平均分子量が上記の範囲内にあると、前述した物性を満たし易いものとなる。なお、本明細書における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した標準ポリスチレン換算の値である。
【0054】
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は、-90℃以上であることが好ましく、-80℃以上であることがより好ましく、特に-60℃以上であることが好ましく、さらには-48℃以上であることが好ましい。また、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は、-10℃以下であることが好ましく、0℃以下であることがより好ましく、特に-30℃以下であることが好ましく、さらには-40℃以下であることが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)のガラス転移温度(Tg)が上記の範囲であると、前述した押し込み弾性率および押し込み深さが満たされ易くなる。なお、本明細書における(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は、当該(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を構成する各モノマーのホモポリマーとしてのガラス転移温度(Tg)に基づき、FOXの式により算出したものとする。
【0055】
粘着性組成物Pにおいて、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0056】
(1-2)架橋剤(B)
架橋剤(B)は、当該架橋剤(B)を含有する粘着性組成物Pの加熱等をトリガーとして、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を架橋し、三次元網目構造を形成する。これにより、得られる粘着剤の凝集力が向上し、前述した物性が満たされ易くなる。
【0057】
上記架橋剤(B)としては、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)が有する反応性基と反応するものであればよく、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アミン系架橋剤、メラミン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、ヒドラジン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、アンモニウム塩系架橋剤等が挙げられる。上記の中でも、反応性官能基含有モノマーとの反応性に優れたイソシアネート系架橋剤を使用することが好ましい。なお、架橋剤(B)は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0058】
イソシアネート系架橋剤は、少なくともポリイソシアネート化合物を含むものである。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネートなど、及びそれらのビウレット体、イソシアヌレート体、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体などが挙げられる。
【0059】
粘着性組成物P中における架橋剤(B)の含有量は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部に対して、0.001質量部以上であることが好ましく、特に0.01質量部以上であることが好ましく、さらには0.10質量部以上であることが好ましい。また、当該含有量は、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、特に1質量部以下であることが好ましく、さらには0.5質量部以下であることが好ましい。架橋剤(B)の含有量が上記の範囲内にあると、前述した物性が満たされ易くなる。
【0060】
(1-3)各種添加剤
粘着性組成物Pには、所望により、アクリル系粘着剤に通常使用されている各種添加剤、例えば、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、粘着付与剤、酸化防止剤、光安定剤、軟化剤、充填剤、屈折率調整剤などを添加することができる。なお、後述の重合溶媒や希釈溶媒は、粘着性組成物Pを構成する添加剤に含まれないものとする。
【0061】
粘着性組成物Pは、上記のシランカップリング剤を含有することが好ましい。これにより、得られる粘着剤層において、被着体である屈曲性部材との密着性が向上し、粘着力がより好ましいものとなる。
【0062】
シランカップリング剤としては、分子内にアルコキシシリル基を少なくとも1個有する有機ケイ素化合物であって、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)との相溶性がよく、光透過性を有するものが好ましい。
【0063】
かかるシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の重合性不飽和基含有ケイ素化合物、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ構造を有するケイ素化合物、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン等のメルカプト基含有ケイ素化合物、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基含有ケイ素化合物、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、あるいはこれらの少なくとも1つと、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等のアルキル基含有ケイ素化合物との縮合物などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0064】
粘着性組成物P中におけるシランカップリング剤の含有量は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、特に0.05質量部以上であることが好ましく、さらには0.1質量部以上であることが好ましい。また、当該含有量は、1質量部以下であることが好ましく、特に0.5質量部以下であることが好ましく、さらには0.3質量部以下であることが好ましい。シランカップリング剤の含有量が上記の範囲にあることで、得られる粘着剤層は、被着体である屈曲性部材との密着性が向上し、粘着力がより大きいものとなる。
【0065】
(2)粘着性組成物Pの製造
粘着性組成物Pは、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を製造し、得られた(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)と、架橋剤(B)とを混合するとともに、所望により添加剤を加えることで製造することができる。
【0066】
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、重合体を構成するモノマーの混合物を通常のラジカル重合法で重合することにより製造することができる。(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重合は、所望により重合開始剤を使用して、溶液重合法により行うことが好ましい。溶液重合法によって(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を重合することにより、得られる重合体の高分子量化と、分子量分布の調整とが容易となり、さらに低分子量体の生成を低減することが可能となる。このため、ゲル分率を比較的小さくして架橋の程度を緩めた場合であっても、繰り返し屈曲に伴う粘着剤の偏りが生じ難く、耐久性に優れた粘着剤が得られ易い。
【0067】
溶液重合法で使用する重合溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン等が挙げられ、2種類以上を併用してもよい。
【0068】
重合開始剤としては、アゾ系化合物、有機過酸化物等が挙げられ、2種類以上を併用してもよい。アゾ系化合物としては、例えば、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1'-アゾビス(シクロヘキサン1-カルボニトリル)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチル-4-メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、4,4'-アゾビス(4-シアノバレリック酸)、2,2'-アゾビス(2-ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2'-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]等が挙げられる。
【0069】
有機過酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、t-ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2-エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシド等が挙げられる。
【0070】
なお、上記重合工程において、2-メルカプトエタノール等の連鎖移動剤を配合することにより、得られる重合体の重量平均分子量を調節することができる。
【0071】
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)が得られたら、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の溶液に、架橋剤(B)、ならびに所望により添加剤および希釈溶剤を添加し、十分に混合することにより、溶剤で希釈された粘着性組成物P(塗布溶液)を得る。
【0072】
なお、上記各成分のいずれかにおいて、固体状のものを用いる場合、あるいは、希釈されていない状態で他の成分と混合した際に析出を生じる場合には、その成分を単独で予め希釈溶媒に溶解もしくは希釈してから、その他の成分と混合してもよい。
【0073】
上記希釈溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、1-メトキシ-2-プロパノール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、2-ペンタノン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶剤などが用いられる。
【0074】
このようにして調製された塗布溶液の濃度・粘度としては、コーティング可能な範囲であればよく、特に制限されず、状況に応じて適宜選定することができる。例えば、粘着性組成物Pの濃度が10~60質量%となるように希釈する。なお、塗布溶液を得るに際して、希釈溶剤等の添加は必要条件ではなく、粘着性組成物Pがコーティング可能な粘度等であれば、希釈溶剤を添加しなくてもよい。この場合、粘着性組成物Pは、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重合溶媒をそのまま希釈溶剤とする塗布溶液となる。
【0075】
(3)粘着剤の製造
本実施形態における粘着剤層11を構成する粘着剤は、好ましくは粘着性組成物Pを架橋してなるものである。粘着性組成物Pの架橋は、通常は加熱処理により行うことができる。なお、この加熱処理は、所望の対象物に塗布した粘着性組成物Pの塗膜から希釈溶剤等を揮発させる際の乾燥処理で兼ねることもできる。
【0076】
加熱処理の加熱温度は、50~150℃であることが好ましく、特に70~120℃であることが好ましい。また、加熱時間は、10秒~10分であることが好ましく、特に50秒~2分であることが好ましい。
【0077】
加熱処理後、必要に応じて、常温(例えば、23℃、50%RH)で1~2週間程度の養生期間を設けてもよい。この養生期間が必要な場合は、養生期間経過後、養生期間が不要な場合には、加熱処理終了後、粘着剤が形成される。
【0078】
上記の加熱処理(及び養生)により、架橋剤(B)を介して(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)が十分に架橋されて架橋構造が形成され、粘着剤が得られる。
【0079】
(4)粘着剤層の厚さ
本実施形態に係る粘着シート1における粘着剤層11の厚さ(JIS K7130に準じて測定した値)は、下限値として1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、特に10μm以上であることが好ましく、さらには15μm以上であることが好ましい。粘着剤層11の厚さの下限値が上記であると、所望の粘着力を発揮し易く、耐久性がより優れたものとなる。
【0080】
また、粘着剤層11の厚さは、上限値として300μm以下であることが好ましく、150μm以下であることがより好ましく、特に90μm以下であることが好ましく、より薄い繰り返し屈曲デバイスを得ることができる観点から、さらには40μm以下であることが好ましい。粘着剤層11の厚さの上限値が上記であると、繰り返し屈曲により粘着剤層に発生する応力が大きくなり過ぎることを抑制し、耐久性をより優れたものにすることができる。なお、粘着剤層11は単層で形成してもよいし、複数層を積層して形成することもできる。
【0081】
1-2.剥離シート
剥離シート12a,12bは、粘着シート1の使用時まで粘着剤層11を保護するものであり、粘着シート1(粘着剤層11)を使用するときに剥離される。本実施形態に係る粘着シート1において、剥離シート12a,12bの一方または両方は必ずしも必要なものではない。
【0082】
剥離シート12a,12bとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニルフィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム等が用いられる。また、これらの架橋フィルムも用いられる。さらに、これらの積層フィルムであってもよい。
【0083】
上記剥離シート12a,12bの剥離面(特に粘着剤層11と接する面)には、剥離処理が施されていることが好ましい。剥離処理に使用される剥離剤としては、例えば、アルキッド系、シリコーン系、フッ素系、不飽和ポリエステル系、ポリオレフィン系、ワックス系の剥離剤が挙げられる。なお、剥離シート12a,12bのうち、一方の剥離シートを剥離力の大きい重剥離型剥離シートとし、他方の剥離シートを剥離力の小さい軽剥離型剥離シートとすることが好ましい。
【0084】
剥離シート12a,12bの厚さについては特に制限はないが、通常20~150μm程度である。
【0085】
2.物性
(1)粘着力
本実施形態に係る粘着シート1のソーダライムガラスに対する粘着力は、下限値として1N/25mm以上であることが好ましく、10N/25mm以上であることがより好ましく、特に12N/25mm以上であることが好ましく、さらには15N/25mm以上であることが好ましい。粘着シート1のソーダライムガラスに対する粘着力の下限値が上記であると、耐久性がより優れたものとなる。一方、上記粘着力の上限値については、特に制限されないが、リワーク性が必要な場合がある。このような観点から、上記粘着力は、50N/25mm以下であることが好ましく、40N/25mm以下であることがより好ましく、30N/25mm以下であることが特に好ましい。なお、本明細書における粘着力は、基本的にはJIS Z0237:2009に準じた180度引き剥がし法により測定した粘着力をいい、具体的な試験方法は、後述する試験例に示す通りである。
【0086】
(2)ヘイズ値
本実施形態に係る粘着シート1の粘着剤層11のヘイズ値は、90%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましく、特に10%以下であることが好ましく、さらには1%以下であることが好ましい。粘着剤層11のヘイズ値が上記であることにより、光透過性に優れ、繰り返し屈曲ディスプレイ用として好適なものとなる。上記ヘイズ値の下限値は、特に限定されず、0%以上であることが好ましく、0.1%以上であることがより好ましい。
【0087】
なお、上記ヘイズ値は粘着剤層の厚さも含めた特性値であり、粘着剤層の厚さにかかわらず、上記ヘイズ値を満たすことが好ましい。ここで、本明細書におけるヘイズ値は、JIS K7136:2000に準じて測定した値とする。
【0088】
(3)全光線透過率
本実施形態に係る粘着シート1の粘着剤層11の全光線透過率は、画像・映像の視認性の観点から、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、特に90%以上であることが好ましく、さらには95%以上であることが好ましい。全光線透過率の上限値は、通常、100%である。なお、本明細書における全光線透過率は、JIS K7361-1:1997に準拠して測定した値である。
【0089】
(4)CIE1976L*a*b*表色系
本実施形態に係る粘着シート1の粘着剤層11は、CIE1976L*a*b*表色系により規定される明度L*が、60以上であることが好ましく、70以上であることがより好ましく、特に80以上であることが好ましく、さらには90以上であることが好ましい。また、当該明度L*は、100以下であることが好ましく、99以下であることがより好ましく、特に98以下であることが好ましい。粘着剤層11の色度a*の絶対値は、0以上であることが好ましく、特に0.1以上であることが好ましく、さらには0.2以上であることが好ましい。また、当該色度a*の絶対値は、0.8以下であることが好ましく、特に0.6以下であることが好ましく、さらには0.4以下であることが好ましい。粘着剤層11の色度b*の絶対値は、0以上であることが好ましく、特に0.1以上であることが好ましく、さらには0.2以上であることが好ましい。また、当該色度b*の絶対値は、0.8以下であることが好ましく、特に0.6以下であることが好ましく、さらには0.4以下であることが好ましい。上記により、粘着剤層11は、繰り返し屈曲ディスプレイ用として好適な色味を有するものとなる。なお、本明細書における明度L*、色度a*およびb*の測定方法は、後述する試験例に示す通りである。
【0090】
3.粘着シートの製造
粘着シート1の一製造例として、上記粘着性組成物Pを使用した場合について説明する。一方の剥離シート12a(または12b)の剥離面に、粘着性組成物Pの塗布液を塗布し、加熱処理を行って粘着性組成物Pを熱架橋し、塗布層を形成した後、その塗布層に他方の剥離シート12b(または12a)の剥離面を重ね合わせる。養生期間が必要な場合は養生期間をおくことにより、養生期間が不要な場合はそのまま、上記塗布層が粘着剤層11となる。これにより、上記粘着シート1が得られる。加熱処理および養生の条件については、前述した通りである。
【0091】
粘着シート1の他の製造例としては、一方の剥離シート12aの剥離面に、粘着性組成物Pの塗布液を塗布し、加熱処理を行って粘着性組成物Pを熱架橋し、塗布層を形成して、塗布層付きの剥離シート12aを得る。また、他方の剥離シート12bの剥離面に、上記粘着性組成物Pの塗布液を塗布し、加熱処理を行って粘着性組成物Pを熱架橋し、塗布層を形成して、塗布層付きの剥離シート12bを得る。そして、塗布層付きの剥離シート12aと塗布層付きの剥離シート12bとを、両塗布層が互いに接触するように貼り合わせる。養生期間が必要な場合は養生期間をおくことにより、養生期間が不要な場合はそのまま、上記の積層された塗布層が粘着剤層11となる。これにより、上記粘着シート1が得られる。この製造例によれば、粘着剤層11が比較的厚い場合であっても、安定して製造することが可能となる。
【0092】
上記粘着性組成物Pの塗布液を塗布する方法としては、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等を利用することができる。
【0093】
〔繰り返し屈曲積層部材〕
図2に示すように、本実施形態に係る繰り返し屈曲積層部材2は、第1の屈曲性部材21(一の屈曲性部材)と、第2の屈曲性部材22(他の屈曲性部材)と、それらの間に位置し、第1の屈曲性部材21および第2の屈曲性部材22を互いに貼合する粘着剤層11とを備えて構成される。
【0094】
上記繰り返し屈曲積層部材2における粘着剤層11は、前述した粘着シート1の粘着剤層11である。
【0095】
繰り返し屈曲積層部材2は、繰り返し屈曲デバイス自体であるか、または繰り返し屈曲デバイスの一部を構成する部材である。繰り返し屈曲デバイスは、繰り返しの屈曲(折り曲げを含む)が可能なディスプレイ(繰り返し屈曲ディスプレイ)であることが好ましいが、これに限定されるものではない。かかる繰り返し屈曲デバイスとしては、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)ディスプレイ、電気泳動方式のディスプレイ(電子ペーパー)、基板としてプラスチック基板(フィルム)を用いた液晶ディスプレイ、フォルダブルディスプレイ等が挙げられ、タッチパネルであってもよい。
【0096】
第1の屈曲性部材21および第2の屈曲性部材22は、繰り返しの屈曲(折り曲げを含む)が可能な部材であり、例えば、カバーフィルム、ガスバリアフィルム、ハードコートフィルム、偏光フィルム(偏光板)、偏光子、位相差フィルム(位相差板)、視野角補償フィルム、輝度向上フィルム、コントラスト向上フィルム、拡散フィルム、半透過反射フィルム、電極フィルム、透明導電性フィルム、金属メッシュフィルム、フレキシブルガラス、フィルムセンサー(タッチセンサーフィルム)、液晶ポリマーフィルム、発光ポリマーフィルム、フィルム状液晶モジュール、有機ELモジュール(有機ELフィルム,有機EL素子)、電子ペーパーモジュール(フィルム状電子ペーパー)、TFT(Thin Film Transistor)基板等が挙げられる。
【0097】
第1の屈曲性部材21および第2の屈曲性部材22の少なくとも一方は、ポリイミドフィルム、または粘着剤層11側にポリイミドフィルムを備えた積層体であってもよい。ポリイミドフィルムは、一般的に粘着剤層との密着性が低いが、本実施形態における粘着剤層11によれば、ポリイミドフィルムが被着体であっても、優れた耐久性が得られる。
【0098】
第1の屈曲性部材21および第2の屈曲性部材22のヤング率は、それぞれ0.1~10GPaであることが好ましく、特に0.5~7GPaであることが好ましく、さらには1.0~5GPaであることが好ましい。第1の屈曲性部材21および第2の屈曲性部材22のヤング率がかかる範囲にあることで、各屈曲性部材について繰り返し屈曲させることが容易になる。
【0099】
また、第1の屈曲性部材21および第2の屈曲性部材22のそれぞれは、その中心線で折り曲げた際に、ひび割れや不可逆的な変形なく折り曲げられる角度(屈曲性部材面で形成される鋭角側の折り曲げ角度)が、150°以下であることが好ましく、90°以下であることがより好ましく、60°以下であることが特に好ましく、30°以下であることがさらに好ましく、10°以下であることが最も好ましい。これにより、後述の繰り返し屈曲デバイスを容易に得ることができる。
【0100】
第1の屈曲性部材21および第2の屈曲性部材22の厚さは、それぞれ10~3000μmであることが好ましく、特に25~1000μmであることが好ましく、さらには50~500μmであることが好ましい。第1の屈曲性部材21および第2の屈曲性部材22の厚さがかかる範囲にあることで、各屈曲性部材について繰り返し屈曲させることが容易になる。
【0101】
上記繰り返し屈曲積層部材2を製造するには、一例として、粘着シート1の一方の剥離シート12aを剥離して、粘着シート1の露出した粘着剤層11を、第1の屈曲性部材21の一方の面に貼合する。
【0102】
その後、粘着シート1の粘着剤層11から他方の剥離シート12bを剥離して、粘着シート1の露出した粘着剤層11と第2の屈曲性部材22とを貼合し、繰り返し屈曲積層部材2を得る。また、他の例として、第1の屈曲性部材21および第2の屈曲性部材22の貼合順序を入れ替えてもよい。
【0103】
〔繰り返し屈曲デバイス〕
本実施形態に係る繰り返し屈曲デバイスは、上記の繰り返し屈曲積層部材2を備えたものであり、繰り返し屈曲積層部材2のみからなってもよいし、一または複数の繰り返し屈曲積層部材2と、他の屈曲性部材とを備えて構成されてもよい。一の繰り返し屈曲積層部材2と他の繰り返し屈曲積層部材2とを積層するとき、または繰り返し屈曲積層部材2と他の屈曲性部材とを積層するときには、前述した粘着シート1の粘着剤層11を介して積層することが好ましい。
【0104】
本実施形態に係る繰り返し屈曲デバイスは、粘着剤層が前述した粘着剤からなるため、繰り返し屈曲させたときや、長期間屈曲状態に置いた場合にも、屈曲部における粘着剤層と被着体との界面に剥がれが発生し難く、かつ、屈曲による光漏れおよび視認性低下が抑制される。
【0105】
本実施形態における一例としての繰り返し屈曲デバイスを図3に示す。なお、本発明に係る繰り返し屈曲デバイスは、当該繰り返し屈曲デバイスに限定されるものではない。
【0106】
図3に示すように、本実施形態に係る繰り返し屈曲デバイス3は、上から順に、カバーフィルム31と、第1の粘着剤層32と、偏光フィルム33と、第2の粘着剤層34と、タッチセンサーフィルム35と、第3の粘着剤層36と、有機EL素子37と、第4の粘着剤層38と、TFT基板39とを積層して構成される。上記のカバーフィルム31、偏光フィルム33、タッチセンサーフィルム35、有機EL素子37およびTFT基板39は、屈曲性部材に該当する。
【0107】
第1の粘着剤層32、第2の粘着剤層34、第3の粘着剤層36および第4の粘着剤層38の少なくともいずれか1層は、前述した粘着シート1の粘着剤層11である。第1の粘着剤層32、第2の粘着剤層34、第3の粘着剤層36および第4の粘着剤層38のいずれか2層以上が前述した粘着シート1の粘着剤層11であることが好ましく、全ての粘着剤層32,34,36,38が粘着シート1の粘着剤層11であることが最も好ましい。
【0108】
ここで、例えば、TFT基板39がポリイミドフィルムを含む場合、特に、第4の粘着剤層38側にポリイミドフィルムを備えている場合は、少なくとも第4の粘着剤層38は、前述した粘着シート1の粘着剤層11であることが好ましい。
【0109】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0110】
例えば、粘着シート1における剥離シート12a,12bのいずれか一方または両方は省略されてもよく、また、剥離シート12aおよび/または12bの替わりに所望の屈曲性部材が積層されてもよい。
【実施例
【0111】
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
【0112】
〔実施例1〕
1.(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の調製
アクリル酸n-ブチル89質量部、アクリル酸2-フェノキシエチル5質量部、N-アクリロイルモルホリン5質量部およびアクリル酸4-ヒドロキシブチル1質量部を溶液重合法により共重合させて、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を調製した。この(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の分子量を後述する方法で測定したところ、重量平均分子量(Mw)80万であった。また、FOXの式により算出された(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は、-46℃であった。
【0113】
2.粘着性組成物の調製
上記工程1で得られた(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部(固形分換算値;以下同じ)と、架橋剤(B)としてのトリメチロールプロパン変性キシリレンジイソシアネート(綜研化学社製,製品名「TD-75」)0.15質量部と、シランカップリング剤としての3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.2質量部とを混合し、十分に撹拌して、メチルエチルケトンで希釈することにより、粘着性組成物の塗布溶液を得た。
【0114】
3.粘着シートの製造
得られた粘着性組成物の塗布溶液を、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面をシリコーン系剥離剤で剥離処理した重剥離型剥離シート(リンテック社製,製品名「SP-PET752150」)の剥離処理面に、ナイフコーターで塗布した。そして、塗布層に対し、90℃で1分間加熱処理して塗布層を形成した。
【0115】
次いで、上記で得られた重剥離型剥離シート上の塗布層と、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面をシリコーン系剥離剤で剥離処理した軽剥離型剥離シート(リンテック社製,製品名「SP-PET381130」)とを、当該軽剥離型剥離シートの剥離処理面が塗布層に接触するように貼合し、23℃、50%RHの条件下で7日間養生することにより、厚さ25μmの粘着剤層を有する粘着シート、すなわち、重剥離型剥離シート/粘着剤層(厚さ:25μm)/軽剥離型剥離シートの構成からなる粘着シートを作製した。なお、粘着剤層の厚さは、JIS K7130に準拠し、定圧厚さ測定器(テクロック社製,製品名「PG-02」)を使用して測定した値である。
【0116】
ここで、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を100質量部(固形分換算値)とした場合の粘着性組成物の各配合(固形分換算値)を表1に示す。なお、表1に記載の略号等の詳細は以下の通りである。
[(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)]
BA:アクリル酸n-ブチル
PhEA:アクリル酸2-フェノキシエチル
ACMO:N-アクリロイルモルホリン
BMAA:N-(n-ブトキシメチル)アクリルアミド
4HBA:アクリル酸4-ヒドロキシブチル
【0117】
〔実施例2~6,比較例1~5〕
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を構成する各モノマーの種類および割合、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重量平均分子量(Mw)、ならびに架橋剤(B)の配合量を表1に示すように変更する以外、実施例1と同様にして粘着シートを製造した。各例における(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)のFOXの式により算出されたガラス転移温度(Tg)を表1に記載した。
【0118】
前述した重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定(GPC測定)したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
<測定条件>
・GPC測定装置:東ソー社製,HLC-8020
・GPCカラム(以下の順に通過):東ソー社製
TSK guard column HXL-H
TSK gel GMHXL(×2)
TSK gel G2000HXL
・測定溶媒:テトラヒドロフラン
・測定温度:40℃
【0119】
〔試験例1〕(ナノインデンテーション法測定)
実施例および比較例で作製した粘着シートの粘着剤層について、超微小硬度計(島津製作所社製,製品名「島津ダイナミック超微小硬度計 DUH-W201S」)を使用して、ナノインデンテーション法により、以下の条件の下、押し込み弾性率(MPa)および押し込み深さ(μm)を測定した。結果を表2に示す。
圧子:ベルコビッチタイプ,先端曲率半径:100nm,稜間角:115°
測定モード:負荷-除荷試験
最大荷重:0.2mN
最大荷重に達した時の保持時間:5秒
負荷速度:0.014mN/sec
【0120】
〔試験例2〕(ゲル分率の測定)
実施例および比較例で作製した粘着シートを80mm×80mmのサイズに裁断して、その粘着剤層をポリエステル製メッシュ(品名:テトロンメッシュ #200)に包み、その質量を精密天秤にて秤量し、上記メッシュ単独の質量を差し引くことにより、粘着剤のみの質量を算出した。このときの質量をM1とする。
【0121】
次に、上記ポリエステル製メッシュに包まれた粘着剤を、室温下(23℃)で酢酸エチルに24時間浸漬させた。その後粘着剤を取り出し、温度23℃、相対湿度50%の環境下で、24時間風乾させ、さらに80℃のオーブン中にて12時間乾燥させた。乾燥後、その質量を精密天秤にて秤量し、上記メッシュ単独の質量を差し引くことにより、粘着剤のみの質量を算出した。このときの質量をM2とする。ゲル分率(%)は、(M2/M1)×100で表される。結果を表2に示す。
【0122】
〔試験例3〕(貯蔵弾性率G’の測定)
実施例および比較例で作製した粘着シートの粘着剤層を複数層積層し、厚さ3mmの積層体とした。得られた粘着剤層の積層体から、直径8mmの円柱体(高さ3mm)を打ち抜き、これをサンプルとした。
【0123】
上記サンプルについて、JIS K7244-1に準拠し、粘弾性測定装置(Anton paar社製,製品名「MCR302」)を用いてねじりせん断法により、以下の条件で貯蔵弾性率G’を測定し、23℃における貯蔵弾性率G’(23)および85℃における貯蔵弾性率G’(85)(MPa)を取得した。結果を表2に示す。
測定周波数:1Hz
測定温度:-20℃~150℃
【0124】
〔試験例4〕(光弾性係数の測定)
実施例および比較例で作製した粘着シートの粘着剤層を複数層積層し、厚さ0.2mmの積層体とした。得られた粘着剤層の積層体を2cm×4.5cmに裁断し、光弾性係数測定装置(JASCO社製,製品名「M-220」)にセットした。そして、下記条件の下、引張り荷重を段階的に大きくしながら、各引張り荷重における位相差を測定した。当該測定結果に基づいて、400nmにおける位相差の値を抽出してプロットし、その傾きから各波長における光弾性係数(m/N)を算出した。結果を表2に示す。
・光源ランプ:Xe
・測定波長:300nm~800nm
・スリット幅:1nm
【0125】
〔試験例5〕(ヘイズ値の測定)
実施例および比較例で作製した粘着シートの粘着剤層をガラスに貼合して、これを測定用サンプルとした。ガラスでバックグラウンド測定を行った上で、上記測定用サンプルについて、JIS K7136:2000に準じて、ヘイズメーター(日本電色工業社製,製品名「NDH-5000」)を用いてヘイズ値(全光線ヘイズ値;%)を測定した。結果を表2に示す。
【0126】
〔試験例6〕(全光線透過率の測定)
実施例および比較例で作製した粘着シートの粘着剤層をガラスに貼合して、これを測定用サンプルとした。ガラスでバックグラウンド測定を行った上で、上記測定用サンプルについて、JIS K7361-1:1997に準じて、ヘイズメーター(日本電色工業社製,製品名「SH-7000」)を用いて全光線透過率(%)を測定した。結果を表2に示す。
【0127】
〔試験例7〕(L*a*b*の測定)
実施例および比較例で作製した粘着シートの粘着剤層について、同時測光分光式色度計(日本電色工業社製,製品名「SQ2000」)を使用し、CIE1976L*a*b*表色系により規定される明度L*、色度a*および色度b*を測定した。結果を表2に示す。
【0128】
〔試験例8〕(粘着力の測定)
実施例および比較例で作製した粘着シートから軽剥離型剥離シートを剥離し、露出した粘着剤層を、易接着層を有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製,製品名「PET A4300」,厚さ:100μm)の易接着層に貼合し、重剥離型剥離シート/粘着剤層/PETフィルムの積層体を得た。得られた積層体を25mm幅、110mm長に裁断した。
【0129】
23℃、50%RHの環境下にて、上記積層体から重剥離型剥離シートを剥離し、露出した粘着剤層をソーダライムガラス板(日本板硝子社製,製品名「ソーダライムガラス」,厚さ:1.1mm)に貼付し、栗原製作所社製オートクレーブにて0.5MPa、50℃で、20分加圧した。その後、23℃、50%RHの条件下で24時間放置してから、引張試験機(オリエンテック社製,テンシロン)を用い、剥離速度300mm/min、剥離角度180度の条件で、PETフィルムと粘着剤層との積層体を被着体から剥離したときの粘着力(N/25mm)を測定した。ここに記載した以外の条件はJIS Z0237:2009に準拠して、測定を行った。結果を表2に示す。
【0130】
〔試験例9〕(静的耐久性の評価)
23℃、50%RHの環境下にて、実施例および比較例で作製した粘着シートから軽剥離型剥離シートを剥離し、露出した粘着剤層を、ポリイミド(PI)フィルム(東レ・デュポン社製,製品名「カプトン 100PI」,厚さ:25μm,ヤング率:3.4GPa)の一方の面に貼合した。次いで、重剥離型剥離シートを剥離し、露出した粘着剤層を、同PIフィルムに貼合した。そして、栗原製作所社製オートクレーブにて0.5MPa、50℃で、20分加圧した後、23℃、50%RHの条件下で24時間放置した。このようにして得たPIフィルム/粘着剤層/PIフィルムからなる積層体を、50mm幅、200mm長に裁断し、これをサンプルとした。
【0131】
得られたサンプルを、85℃の環境下、図4に示すように、立設した2枚のガラス板からなる保持プレート(相互間距離:3mm)の間に、屈曲させた状態で24時間保持した。この静的屈曲試験を行った後、試験片の屈曲部における粘着剤層と被着体との界面に剥離がないか否か、目視により確認した。なお、各例ごと10サンプルについて評価を行った。結果を表3に示す。
◎:10サンプル全て剥離なし
〇:9~5サンプルにおいて剥離なし
△:4~2サンプルにおいて剥離なし
×:9サンプル以上で剥離あり
【0132】
〔試験例10〕(動的耐久性の評価)
試験例9と同様にして得たPIフィルム/粘着剤層/PIフィルムからなる積層体を、150mm×50mmに裁断し、これを試験片とした。得られた試験片の両端部を、図5に示すように、面状態無負荷U字伸縮試験機(ユアサシステム機器社製,製品名「DLDMLH-FS」)の2つの保持プレートに固定した。そして、85℃、50%RHの環境下、屈曲径3mmφ、ストローク80mm、屈曲速度30rpmにて、試験片を3万回屈曲させた。
【0133】
上記の動的屈曲試験を行った後、試験片の屈曲部における粘着剤層と被着体との界面に剥離がないか否か、目視により確認した。なお、各例ごと10サンプルについて評価を行った。結果を表3に示す。
〇:10~8サンプルにおいて剥離なし
△:7~4サンプルにおいて剥離なし
×:7サンプル以上で剥離あり
【0134】
〔試験例11〕(耐光漏れ性の評価)
トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(厚さ25μm)、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム偏光子(厚さ12μm)、およびシクロオレフィンポリマー(COP)フィルム(厚さ23μm)がその順に積層されてなるCOP偏光板(厚さ60μm)を複数枚用意した。
【0135】
実施例および比較例で作製した粘着シートから軽剥離型剥離シートを剥離し、露出した粘着剤層を、一のCOP偏光板のTACフィルム側に貼付した。次いで、重剥離型剥離シートを剥離し、露出した粘着剤層を、別のCOP偏光板のCOPフィルム側に、クロスニコル状態になるように貼り合わせた。そして、栗原製作所社製オートクレーブにて0.5MPa、50℃で、20分加圧した後、23℃、50%RHの条件下で24時間放置した。このようにして得たCOP偏光板/粘着剤層/COP偏光板からなる積層体を、50mm幅、200mm長に裁断し、これをサンプルとした。
【0136】
得られたサンプルを、耐久試験機(ユアサシステム機器社製,製品名「面状体無負荷U字伸縮試験機 形式:CL09-typeD01-FSC90」)を用いて、以下の条件で繰り返し屈曲させた。その後、23℃、50%RHの環境下にて屈曲状態を解放して24時間放置した。そして、暗室にて蛍光灯の透過光により、光漏れを目視により確認し、以下の基準により耐光漏れ性を評価した。結果を表3に示す。
【0137】
<試験条件>
屈曲方向:一方のCOP偏光板のTACフィルムが外側、他方のCOP偏光板のCOPフィルムが内側になるよう屈曲
最小屈曲径:3mmφ
屈曲回数:100,000回
試験温度:23℃
<耐光漏れ性の評価基準>
◎…屈曲部に光漏れが確認されなかった。
〇…屈曲部に極わずかに光漏れが生じたが、実用上問題のないレベルであった。
×…屈曲部に明確な光漏れが確認された。
【0138】
〔試験例12〕(加工性の評価)
実施例および比較例で得られた粘着シート(粘着剤層の厚さ:25μm)の粘着剤層を複数層積層し、合計厚さ1mmの積層体を得た。その積層体を裁断装置(荻野製作所社製,製品名「スーパーカッター PN1-600」)によって裁断した。裁断後における粘着剤層の裁断面(長さ:100mm)を目視にて確認し、以下の基準により加工性を評価した。結果を表3に示す。
◎:裁断面に粘着剤層の欠けなし
〇:裁断面に若干の粘着剤層の欠けあり(裁断面の10%未満)
×:裁断面に粘着剤層の欠けあり(裁断面の10%以上)
【0139】
〔試験例13〕(凹凸追従性の評価)
ガラス板(NSGプレシジョン社製,製品名「コーニングガラス イーグルXG」,縦90mm×横50mm×厚み0.5mm)の表面に、紫外線硬化型インク(帝国インキ社製,製品名「POS-911墨」)を塗布厚が5μmまたは10μmとなるように額縁状(外形:縦90mm×横50mm,幅5mm)にスクリーン印刷した。次いで、紫外線を照射(80W/cm,メタルハライドランプ2灯,ランプ高さ15cm,ベルトスピード10~15m/分)して、印刷した上記紫外線硬化型インクを硬化させ、印刷による段差(段差の高さ:5μmまたは10μm)を有する段差付ガラス板を作製した。
【0140】
実施例および比較例で得られた粘着シートから軽剥離型剥離シートを剥がし、露出した粘着剤層を、易接着層を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製,製品名「PET A4300」,厚さ:100μm)の易接着層に貼合した。次いで、重剥離型剥離シートを剥がして粘着剤層を表出させ、ラミネーター(フジプラ社製,製品名「LPD3214」)を用いて、粘着剤層が額縁状の印刷全面を覆うように各段差付ガラス板にラミネートした。その後、50℃、0.5MPaの条件下で30分間オートクレーブ処理し、常圧、23℃、50%RHにて24時間放置した。
【0141】
次いで、85℃、85%RHの高温高湿条件下にて72時間保管し(耐久試験)、その後、以下の基準に基づいて凹凸追従性を評価した。凹凸追従性は、粘着剤層により印刷段差が完全に埋められているか否かで判断し、印刷段差と粘着剤層との界面で気泡、浮き、剥がれなどが観察された場合は、印刷段差に追従できなかったと判断される。結果を表3に示す。
◎:印刷段差10μmで良好
○:印刷段差5μmで良好
×:印刷段差5μmで浮き剥がれ有り
【0142】
【表1】
【0143】
【表2】
【0144】
【表3】
【0145】
表3から分かるように、実施例の粘着シートの粘着剤層は、2つの屈曲性部材を貼合して長時間屈曲状態に置いたとき、および繰り返し屈曲させたときに、粘着剤層と屈曲性部材との界面に剥離が発生せず、耐久性に優れるものであった。また、実施例の粘着シートの粘着剤層は、屈曲後における耐光漏れ性、加工性、および凹凸追従性に優れるものであった。
【産業上の利用可能性】
【0146】
本発明は、繰り返し屈曲デバイスを構成する一の屈曲性部材と他の屈曲性部材とを貼合するのに好適である。
【符号の説明】
【0147】
1…粘着シート
11…粘着剤層
12a,12b…剥離シート
2…繰り返し屈曲積層部材
21…第1の屈曲性部材
22…第2の屈曲性部材
3…繰り返し屈曲デバイス
31…カバーフィルム
32…第1の粘着剤層
33…偏光フィルム
34…第2の粘着剤層
35…タッチセンサーフィルム
36…第3の粘着剤層
37…有機EL素子
38…第4の粘着剤層
39…TFT基板
S…試験片
P…保持プレート
図1
図2
図3
図4
図5