(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】プログラム、方法及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/795 20140101AFI20240617BHJP
A63F 13/60 20140101ALI20240617BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20240617BHJP
【FI】
A63F13/795
A63F13/60
A63F13/69
(21)【出願番号】P 2019236261
(22)【出願日】2019-12-26
【審査請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100154759
【氏名又は名称】高木 貴子
(72)【発明者】
【氏名】猪俣 篤
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-92610(JP,A)
【文献】特開2019-71960(JP,A)
【文献】特開2018-15502(JP,A)
【文献】特開2009-233268(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24,13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
複数のユーザがプレイするマルチプレイゲームを含むゲームを進行させるステップと、
前記ゲームにおいて動画を提供するステップと、
前記動画の視聴条件を含むマッチング条件に基づいて、前記マルチプレイゲームをプレイするユーザを編成するステップと、を実行させ、
前記動画を提供するステップは、前記ユーザを編成する各プレイヤキャラクタに応じた動画を提供する、
プログラム。
【請求項2】
前記動画を提供するステップは、前記ユーザの編成前に、前記マルチプレイゲームへの参加が受け付けられたユーザに前記動画を提供し、
前記編成するステップは、ユーザが前記動画を視聴したか否かを含む視聴条件に基づいて、前記ユーザを編成する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記編成するステップは、前記マルチプレイゲームへの参加が受け付けられたユーザの前記動画を視聴するか否かの選択を含む視聴条件に基づいて、前記ユーザを編成し、
前記動画を提供するステップは、前記ユーザの編成後に、前記動画を視聴する選択をしたユーザに前記動画を提供する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記動画を視聴するか否かの選択と、前記動画を視聴したのは全部か一部かを含む視聴履歴をユーザに関連付けるステップをさらに実行させ、
前記編成するステップは、前記動画を視聴する選択を受け付けたユーザであっても、前記ユーザに関連付けられた前記視聴履歴が、前記動画の全部を視聴したものではないことを含む場合、当該ユーザを、前記動画を視聴しない選択を受け付けたユーザと編成させる、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記マルチプレイゲームをプレイしたユーザに、前記動画の視聴に関連付けられた報酬を付与するステップをさらに実行させ、
前記報酬を付与するステップは、前記動画の視聴条件に基づいて付与する前記報酬の価値を異ならせることを含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記報酬を付与するステップは、編成された全てのユーザが前記動画の全部を視聴した場合には当該ユーザに第1報酬を付与し、
編成された全てのユーザが前記動画の全部を視聴していない場合には前記全てのユーザのうち、前記動画の全部を視聴した一部のユーザには前記第1報酬よりも価値の低い第2報酬を付与し、前記動画の全部を視聴しなかった残りのユーザには前記第2報酬よりも前記価値の低い第3報酬を付与するか、又は報酬を付与しないことを含む、
請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記ゲームの進行状況に基づいて増減する評価値をユーザに付与するステップをさらに実行させ、
前記編成するステップは、前記動画の視聴条件と前記評価値の条件を含む前記マッチング条件に基づいて、前記ユーザを編成する、
請求項1~6のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
コンピュータにより実行される方法であって、
複数のユーザがプレイするマルチプレイゲームを含むゲームを進行させるステップと、
前記ゲームにおいて動画を提供するステップと、
前記動画の視聴条件を含むマッチング条件に基づいて、前記マルチプレイゲームをプレイするユーザを編成するステップと、を含み、
前記動画を提供するステップは、前記ユーザを編成する各プレイヤキャラクタに応じた動画を提供する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数ユーザが同時にゲームに参加してプレイするマルチプレイが知られている。特許文献1には、マルチプレイ中に広告が表示され、この広告の表示頻度をユーザによって変えることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゲームによっては広告の視聴によって報酬を得られることもあり、マルチプレイゲームへのユーザの積極性を高めるうえで広告の提供方法については改善の余地があった。
【0005】
本開示は、ユーザのゲームへの積極性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るプログラムは、コンピュータにより実行されるプログラムであって、前記コンピュータに、複数のユーザがプレイするマルチプレイゲームを含むゲームを進行させるステップと、前記ゲームにおいて動画を提供するステップと、前記複数のユーザの前記動画の視聴条件を含むマッチング条件に基づいて、前記マルチプレイゲームをプレイするユーザ同士を組み合わせてマルチプレイヤを編成するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ユーザのゲームへの積極性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】ゲームシステムのハードウェア構成を示す図である。
【
図2】ユーザ端末及びサーバの機能的構成を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態においてマルチプレイゲームを進行するときの処理を示すフローチャートである。
【
図4】第2実施形態においてマルチプレイゲームを進行するときの処理を示すフローチャートである。
【
図5】マルチプレイゲームの参加を受け付ける画面例を示す図である。
【
図6】動画を視聴するか否かの選択を受け付ける画面例を示す図である。
【
図8】報酬の付与を通知する画面例を示す図である。
【
図9】プレイヤキャラクタと動画の分類が関連付けられたテーブル例を示す図である。
【0009】
〔実施形態1〕
本開示に係るゲームシステムは、複数のユーザにゲームを提供するためのシステムである。以下、ゲームシステムについて図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が本発明に含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を繰り返さない。
【0010】
<ゲームシステム1のハードウェア構成>
図1は、ゲームシステム1のハードウェア構成を示す図である。ゲームシステム1は図示の通り、複数のユーザ端末100と、サーバ200とを含む。各ユーザ端末100は、サーバ200とネットワーク2を介して接続する。ネットワーク2は、インターネット及び図示しない無線基地局によって構築される各種移動通信システム等で構成される。この移動通信システムとしては、例えば、所謂3G、4G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、及び所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が挙げられる。
【0011】
サーバ200(コンピュータ、情報処理装置)は、ワークステーション又はパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータであってよい。サーバ200は、プロセッサ20と、メモリ21と、ストレージ22と、通信インターフェース(IF)23と、入出力IF24とを備える。サーバ200が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに電気的に接続される。
【0012】
ユーザ端末100(コンピュータ、情報処理装置)は、スマートフォン、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、又はタブレット型コンピュータ等の携帯端末であってよい。ユーザ端末100は、ゲームプレイに適したゲーム装置であってもよい。ユーザ端末100は図示の通り、プロセッサ10と、メモリ11と、ストレージ12と、通信IF13と、入出力IF14と、タッチスクリーン15(表示部)と、カメラ17と、測距センサ18とを備える。ユーザ端末100が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに電気的に接続される。また、
図1に示すように、ユーザ端末100は、1つ以上のコントローラ1020と通信可能に構成されることとしてもよい。コントローラ1020は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の通信規格に従って、ユーザ端末100と通信を確立する。コントローラ1020は、1つ以上のボタン等を有していてもよく、該ボタン等に対するユーザの入力操作に基づく出力値をユーザ端末100へ送信する。また、コントローラ1020は、加速度センサ、及び、角速度センサ等の各種センサを有していてもよく、該各種センサの出力値をユーザ端末100へ送信する。
【0013】
なお、ユーザ端末100がカメラ17及び測距センサ18を備えることに代えて、又は、加えて、コントローラ1020がカメラ17及び測距センサ18を有していてもよい。
【0014】
ユーザ端末100は、例えばゲーム開始時に、コントローラ1020を使用するユーザに、該ユーザの名前又はログインID等のユーザ識別情報を、該コントローラ1020を介して入力させることが望ましい。これにより、ユーザ端末100は、コントローラ1020とユーザとを紐付けることが可能となり、受信した出力値の送信元(コントローラ1020)に基づいて、該出力値がどのユーザのものであるかを特定することができる。
【0015】
ユーザ端末100が複数のコントローラ1020と通信する場合、各コントローラ1020を各ユーザが把持することで、ネットワーク2を介してサーバ200などの他の装置と通信せずに、該1台のユーザ端末100でマルチプレイを実現することができる。また、各ユーザ端末100が無線LAN(Local Area Network)規格等の無線規格により互いに通信接続する(サーバ200を介さずに通信接続する)ことで、複数台のユーザ端末100によりローカルでマルチプレイを実現することもできる。1台のユーザ端末100によりローカルで上述のマルチプレイを実現する場合、ユーザ端末100は、さらに、サーバ200が備える後述する種々の機能の少なくとも一部を備えていてもよい。また、複数のユーザ端末100によりローカルで上述のマルチプレイを実現する場合、複数のユーザ端末100は、サーバ200が備える後述する種々の機能を分散して備えていてもよい。
【0016】
なお、ローカルで上述のマルチプレイを実現する場合であっても、ユーザ端末100はサーバ200と通信を行ってもよい。例えば、あるゲームにおける成績又は勝敗等のプレイ結果を示す情報と、ユーザ識別情報とを対応付けてサーバ200に送信してもよい。
【0017】
また、コントローラ1020は、ユーザ端末100に着脱可能な構成であるとしてもよい。この場合、ユーザ端末100の筐体における少なくともいずれかの面に、コントローラ1020との結合部が設けられていてもよい。該結合部を介して有線によりユーザ端末100とコントローラ1020とが結合している場合は、ユーザ端末100とコントローラ1020とは、有線を介して信号を送受信する。
【0018】
図1に示すように、ユーザ端末100は、外部のメモリカード等の記憶媒体1030の装着を、入出力IF14を介して受け付けてもよい。これにより、ユーザ端末100は、記憶媒体1030に記録されるプログラム及びデータを読み込むことができる。記憶媒体1030に記録されるプログラムは、例えばゲームプログラムである。
【0019】
ユーザ端末100は、サーバ200等の外部の装置と通信することにより取得したゲームプログラムをユーザ端末100のメモリ11に記憶してもよいし、記憶媒体1030から読み込むことにより取得したゲームプログラムをメモリ11に記憶してもよい。
【0020】
以上で説明したとおり、ユーザ端末100は、該ユーザ端末100に対して情報を入力する機構の一例として、通信IF13、入出力IF14、タッチスクリーン15、カメラ17、及び、測距センサ18を備える。入力する機構としての上述の各部は、ユーザの入力操作を受け付けるように構成された操作部と捉えることができる。
【0021】
例えば、操作部が、カメラ17及び測距センサ18の少なくともいずれか一方で構成される場合、該操作部が、ユーザ端末100の近傍の物体1010を検出し、当該物体の検出結果から入力操作を特定する。一例として、物体1010としてのユーザの手、予め定められた形状のマーカーなどが検出され、検出結果として得られた物体1010の色、形状、動き、又は、種類などに基づいて入力操作が特定される。より具体的には、ユーザ端末100は、カメラ17の撮影画像からユーザの手が検出された場合、該撮影画像に基づき検出されるジェスチャ(ユーザの手の一連の動き)を、ユーザの入力操作として特定し、受け付ける。なお、撮影画像は静止画であっても動画であってもよい。
【0022】
あるいは、操作部がタッチスクリーン15で構成される場合、ユーザ端末100は、タッチスクリーン15の入力部151に対して実施されたユーザの操作をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。あるいは、操作部が通信IF13で構成される場合、ユーザ端末100は、コントローラ1020から送信される信号(例えば、出力値)をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。あるいは、操作部が入出力IF14で構成される場合、該入出力IF14と接続されるコントローラ1020とは異なる入力装置(図示せず)から出力される信号をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。
【0023】
<ゲーム概要>
ゲームシステム1は、ゲームプログラムに基づいて、各ユーザが操作する各ユーザ端末100(クライアント)が通信してマルチプレイゲームを進行するためのシステムである。ゲームシステム1が実行するマルチプレイゲームは、複数のユーザが互いにバトルする対戦ゲーム、及び、複数のユーザがパーティを編成して他のパーティとバトルする協力プレイゲームなどであってもよい。以下では、ゲームシステム1が実行するマルチプレイゲームが対戦ゲームである場合を例に説明する。また、ゲームシステム1は、特定のプレイ形態に限らず、あらゆるプレイ形態のゲームを実行するためのシステムであってもよい。例えば、単一のユーザによるシングルプレイゲームを含むものであってもよい。
【0024】
ゲームシステム1は、特定のジャンルに限らず、あらゆるジャンルのゲームを実行するためのシステムであってもよい。例えば、テニス、卓球、ドッジボール、野球、サッカーおよびホッケーなどのスポーツを題材としたゲーム、パズルゲーム、クイズゲーム、RPG、アドベンチャーゲーム、シューティングゲーム、シミュレーションゲーム、育成ゲーム、ならびに、アクションゲームなどであってもよい。
【0025】
ゲームシステム1が進行するマルチプレイゲームでは、サーバ200(情報処理装置)を介して通信する第1のユーザ端末100と第2のユーザ端末100とによって、それぞれバトルに投入される1のオブジェクトまたは複数のオブジェクトからなるパーティが操作される。パーティは、1または複数のオブジェクトを、ユーザがデッキに組み入れることにより生成される。パーティは、ゲームにおいて、対戦の進行に何らかの作用を及ぼすデジタルコンテンツであり、1以上のオブジェクトによって編成された各ユーザのパーティの強さが、少なくとも、対戦の進行に作用する。オブジェクトは、例えば、ユーザが操作するキャラクタである。
【0026】
マルチプレイゲームにおいて、ユーザによって他のユーザとの対戦がプレイされることにより、プレイ内容に対する評価結果、例えば勝敗、与えたダメージの値などの対戦成績が出力される。また、ゲームにおいては、ユーザがマルチプレイゲームをプレイしたことに対して報酬が付与される。この報酬は、例えば、上述のオブジェクトを1以上取得できる権利をユーザに与えるものでもよい。また、報酬内容は、ゲームに関連して利用可能であればゲーム内容に応じて適宜設定可能である。例えば、
1)プレイヤキャラクタが使用することができるアイテム(アイテムの内容は問わない)、
2)ステージやフィールド、ダンジョンの解放権、
3)無料抽選権、
4)キャラクタの装備品の装備枠の増加権、
5)パーティ編成枠の増加権、
6)オンラインショッピングのクーポン、
7)プレイ対価の割引券、
8)イベント参加権、
9)対戦やり直し権、
10)ゲーム内通貨、
11)経験値、
12)スキル、
13)プレイヤの称号、
14)プレイヤキャラクタなどのカラー設定やデコレーション要素、
15)プレイヤキャラクタとすることのできる新しいキャラクタ、
などを設定することができる。
【0027】
ユーザは、マルチプレイをプレイするほどに多くの報酬を入手する。そして報酬として、より強いキャラクタを入手する機会が増え、より強いキャラクタをパーティに組み入れることによりパーティ全体を強化して、対戦を有利に進めることが可能となる。
【0028】
マルチプレイゲームにおいて、ユーザは、自身でキャラクタを制御することを希望しない場合に、ユーザ端末100を操作して、サーバ200に対してその旨を通知することができる。サーバ200は、このような通知をユーザ端末100から受信すると、ゲームプログラムにしたがって、進行している対戦に関わる各種情報に基づいて、該キャラクタの動作結果を決定する。そして、決定した動作結果を対戦相手のユーザ端末100に送信する。すなわち、サーバ200は、ユーザ端末100に代わり、該キャラクタを制御する。このようにゲームシステム1はユーザが操作しないで進行するオートプレイを提供することができる。マルチプレイにおいて、ユーザがオートプレイを選択した場合には、マルチプレイ後にユーザに付与される報酬を減らしてもよい。
【0029】
<各装置のハードウェア構成要素>
プロセッサ10は、ユーザ端末100全体の動作を制御する。プロセッサ20は、サーバ200全体の動作を制御する。プロセッサ10及び20は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、及びGPU(Graphics Processing Unit)を含む。
【0030】
プロセッサ10は後述するストレージ12からプログラムを読み出し、後述するメモリ11に展開する。プロセッサ20は後述するストレージ22からプログラムを読み出し、後述するメモリ21に展開する。プロセッサ10及びプロセッサ20は展開したプログラムを実行する。
【0031】
メモリ11及び21は主記憶装置である。メモリ11及び21は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の記憶装置で構成される。メモリ11は、プロセッサ10が後述するストレージ12から読み出したプログラム及び各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ10に作業領域を提供する。メモリ11は、プロセッサ10がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。メモリ21は、プロセッサ20が後述するストレージ22から読み出した各種プログラム及びデータを一時的に記憶することにより、プロセッサ20に作業領域を提供する。メモリ21は、プロセッサ20がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0032】
本実施形態においてプログラムとは、ゲームをユーザ端末100により実現するためのゲームプログラムであってもよい。あるいは、該プログラムは、該ゲームをユーザ端末100とサーバ200との協働により実現するためのゲームプログラムであってもよい。あるいは、該プログラムは、該ゲームを複数のユーザ端末100の協働により実現するためのゲームプログラムであってもよい。また、各種データとはユーザ情報、ゲーム情報等、ゲームに関するデータ、ならびにユーザ端末100とサーバ200との間又は複数のユーザ端末100間で送受信する指示や通知を含んでいる。
【0033】
ストレージ12及び22は補助記憶装置である。ストレージ12及び22は、フラッシュメモリ又はHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置で構成される。ストレージ12及びストレージ22には、ゲームに関する各種データが格納される。
【0034】
通信IF13は、ユーザ端末100における各種データの送受信を制御する。通信IF23は、サーバ200における各種データの送受信を制御する。通信IF13及び23は例えば、無線LAN(Local Area Network)を介する通信、有線LAN、無線LAN、又は携帯電話回線網を介したインターネット通信、ならびに近距離無線通信等を用いた通信を制御する。
【0035】
入出力IF14は、ユーザ端末100がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであり、またユーザ端末100がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF14は、USB(Universal Serial Bus)等を介してデータの入出力を行ってもよい。入出力IF14は、例えば、ユーザ端末100の物理ボタン、カメラ、マイク、又は、スピーカ等を含み得る。サーバ200の入出力IF24は、サーバ200がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであり、またサーバ200がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF24は、例えば、マウス又はキーボード等の情報入力機器である入力部と、画像を表示出力する機器である表示部とを含み得る。
【0036】
ユーザ端末100のタッチスクリーン15は、入力部151と表示部152とを組み合わせた電子部品である。入力部151は、例えばタッチセンシティブなデバイスであり、例えばタッチパッドによって構成される。表示部152は、例えば液晶ディスプレイ、又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって構成される。
【0037】
入力部151は、入力面に対しユーザの操作(主にタッチ操作、スライド操作、スワイプ操作、及びタップ操作等の物理的接触操作)が入力された位置を検知して、位置を示す情報を入力信号として送信する機能を備える。入力部151は、図示しないタッチセンシング部を備えていればよい。タッチセンシング部は、静電容量方式又は抵抗膜方式等のどのような方式を採用したものであってもよい。
【0038】
図示していないが、ユーザ端末100は、該ユーザ端末100の保持姿勢を特定するための1以上のセンサを備えていてもよい。このセンサは、例えば、加速度センサ、又は、角速度センサ等であってもよい。ユーザ端末100がセンサを備えている場合、プロセッサ10は、センサの出力からユーザ端末100の保持姿勢を特定して、保持姿勢に応じた処理を行うことも可能になる。例えば、プロセッサ10は、ユーザ端末100が縦向きに保持されているときには、縦長の画像を表示部152に表示させる縦画面表示としてもよい。一方、ユーザ端末100が横向きに保持されているときには、横長の画像を表示部に表示させる横画面表示としてもよい。このように、プロセッサ10は、ユーザ端末100の保持姿勢に応じて縦画面表示と横画面表示とを切り替え可能であってもよい。
【0039】
カメラ17は、イメージセンサ等を含み、レンズから入射する入射光を電気信号に変換することで撮影画像を生成する。
【0040】
測距センサ18は、測定対象物までの距離を測定するセンサである。測距センサ18は、例えば、パルス変換した光を発する光源と、光を受ける受光素子とを含む。測距センサ18は、光源からの発光タイミングと、該光源から発せられた光が測定対象物にあたって反射されて生じる反射光の受光タイミングとにより、測定対象物までの距離を測定する。測距センサ18は、指向性を有する光を発する光源を有することとしてもよい。
【0041】
ここで、ユーザ端末100が、カメラ17と測距センサ18とを用いて、ユーザ端末100の近傍の物体1010を検出した検出結果を、ユーザの入力操作として受け付ける例をさらに説明する。カメラ17及び測距センサ18は、例えば、ユーザ端末100の筐体の側面に設けられてもよい。カメラ17の近傍に測距センサ18が設けられてもよい。カメラ17としては、例えば赤外線カメラを用いることができる。この場合、赤外線を照射する照明装置及び可視光を遮断するフィルタ等が、カメラ17に設けられてもよい。これにより、屋外か屋内かにかかわらず、カメラ17の撮影画像に基づく物体の検出精度をいっそう向上させることができる。
【0042】
プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対して、例えば以下の(1)~(5)に示す処理のうち1つ以上の処理を行ってもよい。(1)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対し画像認識処理を行うことで、該撮影画像にユーザの手が含まれているか否かを特定する。プロセッサ10は、上述の画像認識処理において採用する解析技術として、例えばパターンマッチング等の技術を用いてよい。(2)また、プロセッサ10は、ユーザの手の形状から、ユーザのジェスチャを検出する。プロセッサ10は、例えば、撮影画像から検出されるユーザの手の形状から、ユーザの指の本数(伸びている指の本数)を特定する。プロセッサ10はさらに、特定した指の本数から、ユーザが行ったジェスチャを特定する。例えば、プロセッサ10は、指の本数が5本である場合、ユーザが「パー」のジェスチャを行ったと判定する。また、プロセッサ10は、指の本数が0本である(指が検出されなかった)場合、ユーザが「グー」のジェスチャを行ったと判定する。また、プロセッサ10は、指の本数が2本である場合、ユーザが「チョキ」のジェスチャを行ったと判定する。(3)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対し、画像認識処理を行うことにより、ユーザの指が人差し指のみ立てた状態であるか、ユーザの指がはじくような動きをしたかを検出する。(4)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像の画像認識結果、及び、測距センサ18の出力値等の少なくともいずれか1つに基づいて、ユーザ端末100の近傍の物体1010(ユーザの手など)とユーザ端末100との距離を検出する。例えば、プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像から特定されるユーザの手の形状の大小により、ユーザの手がユーザ端末100の近傍(例えば所定値未満の距離)にあるのか、遠く(例えば所定値以上の距離)にあるのかを検出する。なお、撮影画像が動画の場合、プロセッサ10は、ユーザの手がユーザ端末100に接近しているのか遠ざかっているのかを検出してもよい。(5)カメラ17の撮影画像の画像認識結果等に基づいて、ユーザの手が検出されている状態で、ユーザ端末100とユーザの手との距離が変化していることが判明した場合、プロセッサ10は、ユーザが手をカメラ17の撮影方向において振っていると認識する。カメラ17の撮影範囲よりも指向性が強い測距センサ18において、物体が検出されたりされなかったりする場合に、プロセッサ10は、ユーザが手をカメラの撮影方向に直交する方向に振っていると認識する。
【0043】
このように、プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対する画像認識により、ユーザが手を握りこんでいるか否か(「グー」のジェスチャであるか、それ以外のジェスチャ(例えば「パー」)であるか)を検出する。また、プロセッサ10は、ユーザの手の形状とともに、ユーザがこの手をどのように移動させているかを検出する。また、プロセッサ10は、ユーザがこの手をユーザ端末100に対して接近させているのか遠ざけているのかを検出する。このような操作は、例えば、マウス又はタッチパネルなどのポインティングデバイスを用いた操作に対応させることができる。ユーザ端末100は、例えば、ユーザの手の移動に応じて、タッチスクリーン15においてポインタを移動させ、ユーザのジェスチャ「グー」を検出する。この場合、ユーザ端末100は、ユーザが選択操作を継続中であると認識する。選択操作の継続とは、例えば、マウスがクリックされて押し込まれた状態が維持されること、又は、タッチパネルに対してタッチダウン操作がなされた後タッチされた状態が維持されることに対応する。また、ユーザ端末100は、ユーザのジェスチャ「グー」が検出されている状態で、さらにユーザが手を移動させると、このような一連のジェスチャを、スワイプ操作(又はドラッグ操作)に対応する操作として認識することもできる。また、ユーザ端末100は、カメラ17の撮影画像によるユーザの手の検出結果に基づいて、ユーザが指をはじくようなジェスチャを検出した場合に、当該ジェスチャを、マウスのクリック又はタッチパネルへのタップ操作に対応する操作として認識してもよい。
【0044】
<ゲームシステム1の機能的構成>
図2は、ゲームシステム1に含まれるサーバ200及びユーザ端末100の機能的構成を示すブロック図である。サーバ200及びユーザ端末100のそれぞれが備えている、一般的なコンピュータとして機能する場合に必要な機能的構成、及び、ゲームにおける公知の機能を実現するために必要な機能的構成については、適宜省略している。
【0045】
ユーザ端末100は、ユーザの入力操作を受け付ける入力装置としての機能と、ゲームの画像や音声を出力する出力装置としての機能を有する。ユーザ端末100は、プロセッサ10、メモリ11、ストレージ12、通信IF13、及び入出力IF14等の協働によって、制御部110及び記憶部130として機能する。
【0046】
サーバ200は、各ユーザ端末100と通信して、ユーザ端末100がゲームを進行させるのを支援する機能を有する。例えば、有価データの販売、サービスの提供などを実行する。ゲームがマルチプレイゲームである場合には、サーバ200は、ゲームに参加する各ユーザ端末100と通信して、ユーザ端末100同士のやりとりを仲介する機能を有する。サーバ200は、プロセッサ20、メモリ21、ストレージ22、通信IF23、及び入出力IF24等の協働によって、制御部210及び記憶部230として機能する。
【0047】
記憶部130及び記憶部230は、ゲームプログラム131、ゲーム情報132及びユーザ情報133を格納する。ゲームプログラム131は、ユーザ端末100及びサーバ200で実行するゲームプログラムである。また、記憶部130及び記憶部230は、ユーザに視聴させる動画を記憶する。
【0048】
ゲーム情報132は、制御部110及び制御部210がゲームプログラム131を実行する際に参照するデータである。ゲーム情報132は、複数のユーザに共通する情報、例えば、(1)ゲームのプレイにおいて利用可能なオブジェクトに関する基本的なパラメータ、(2)ゲーム媒体の種類に関する情報、(3)ゲーム媒体に関する情報等を含んでいてもよい。
【0049】
ユーザ情報133は、ユーザのアカウントに関するデータである。例えば、ユーザ情報133は、ユーザのアカウントの識別子に関連付けて、(1)当該アカウントのユーザを示す情報、(2)当該アカウントが保有する各種チケットに関する情報、(3)当該アカウントが保有するコインに関する情報、(4)当該アカウントが取得済みのオブジェクトのパラメータ、(5)当該アカウントのゲームの進行度合いを表す情報、(6)当該アカウントが保有する資産に関する情報等を含んでいてもよい。アカウントの資産としては、例えば、ゲーム内のゲーム媒体の種類及び量などが挙げられる。その他、ユーザ情報133は、アカウントごとに管理される各種の情報を含んでいてもよい。
【0050】
ユーザ情報133は、ゲームシステム1のゲームを始めてプレイするユーザのユーザ端末100から、ゲーム開始要求が送信された場合に、サーバ200のマルチプレイ支援部211によって生成され、各ユーザに関連付けられる。あるいは、ユーザ情報133は、ユーザ端末100によって生成されて、サーバ200に提供されてもよい。マルチプレイ支援部211は、各ユーザの各ユーザ情報133を参照することにより、マルチプレイゲームにおいて同時にプレイするユーザ同士の組み合わせ、例えば対戦相手の組み合わせを決定し、マルチプレイヤを編成することにより、合理的なマッチングを実現することができる。
【0051】
本実施形態では、ユーザ情報133は、一例として、ユーザID、プロフィール、プレイ履歴及び動画の視聴履歴を含む。ユーザIDは、ゲームシステム1においてユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報である。プロフィールは、ユーザに関する各種の基本情報である。プレイ履歴は、ユーザがゲームシステム1のゲームをプレイした履歴を示す情報である。視聴履歴は、プレイ時に視聴した広告動画、チュートリアル動画等の各種動画の視聴をすべて視聴したか否か、すべて視聴していない場合は視聴した時間等を含む。
【0052】
プロフィールは、一例として、ユーザ名、ユーザレベル、および、レーティングの各項目で構成される。ユーザ名は、ゲームシステム1のゲームをプレイするユーザ本人を指す名称である。ユーザ名は、例えば、ユーザ本人および他のユーザが、該ユーザ本人を識別するために用いられる。ユーザレベルは、ユーザがゲームシステム1のゲームをプレイしたことに応じて獲得された経験値に基づいて算出される値である。例えば、ゲームシステム1のゲームのプレイ回数が多いほど、あるいは、クリアされたクエストまたはミッションなどの難易度が高いほど、多くの経験値がユーザに付与され、ユーザレベルは上昇する。レーティングは、対戦におけるユーザの強さを表す指標である。レーティングは、所定の演算式に基づき、ユーザ同士の対戦の結果(例えば、勝敗)と、各ユーザの対戦前のレーティングの差分とに基づいて更新される。具体的には、対戦に勝利したユーザのレーティングは増加され、敗北したユーザのレーティングは、減じられる。したがって、レーティングが高いほどそのユーザが対戦に強いという推測が成り立つ。
【0053】
プレイ履歴は、一例として、プレイ開始日、総プレイ時間、ログイン日数、プレイ回数、および、クリア済ミッションの各項目で構成される。プレイ開始日は、ユーザ端末100からゲーム開始要求が送信されサーバ200宛てに送信され、サーバ200が該要求を受け付けた日を示す。総プレイ時間は、ユーザ端末100が、ゲームシステム1のゲームプログラム131を起動し、サーバ200とオンライン接続されている時間の総計を示す。総プレイ時間は、プレイ開始日から計測される。ログイン日数は、プレイ開始日から計測して、ユーザ端末100がサーバ200とオンライン接続された日が何日あるのかを示す。プレイ回数は、ゲームシステム1のゲームの対戦が何回プレイされたかを示す。クリア済ミッションは、ゲームシステム1で提供されるミッションのうち、ユーザがクリアしたミッションを示す。この他にも、直近1か月のログイン日数、最後のログイン時点からの経過時間、などが、プレイ履歴の項目として含まれていてもよい。
【0054】
なお、記憶部230において、ユーザ情報133は、ユーザ端末100ごとに格納されている。
【0055】
動画情報134は、ユーザ端末100において再生される動画データである。動画の種類は限定されず、動画は、例えば広告動画、チュートリアル動画等であってもよい。動画は、実写動画でもよいし、アニメーションでもよい。制御部210が分類ごとに動画データを読み出せるように、動画データには動画の分類が関連付けられてもよい。動画情報134は、サーバ200から動画が提供されるタイミングで記憶部130に記憶されてもよいし、サーバ200からユーザ端末100へのゲームプログラム131のダウンロード時に、ゲームプログラム131とともにダウンロードされて記憶部130に記憶されてもよい。記憶部130に記憶される動画情報134は、サーバ200との通信により更新されてもよい。
【0056】
(サーバ200の機能的構成)
制御部210は、記憶部230に格納されたゲームプログラム131を実行することにより、サーバ200を統括的に制御する。例えば、制御部210は、ユーザ端末100に各種データ及びプログラム等を送信する。制御部210は、ゲーム情報もしくはユーザ情報の一部又は全部をユーザ端末100から受信する。ゲームがマルチプレイゲームである場合には、制御部210は、ユーザ端末100からマルチプレイの同期の要求を受信して、同期のためのデータをユーザ端末100に送信してもよい。
【0057】
制御部210は、ゲームプログラム131の記述に応じて、マルチプレイ支援部211およびゲーム進行部212として機能する。制御部210は、実行するゲームの性質に応じて、ユーザ端末100におけるゲームの進行を支援するために、図示しないその他の機能ブロックとしても機能することができる。
【0058】
マルチプレイ支援部211は、各ユーザ端末100を支援して、複数のユーザがプレイするマルチプレイゲームを進行させる。具体的には、マルチプレイ支援部211は、対戦する各ユーザ端末100と通信して、ユーザ端末100同士のやりとりを仲介する。さらに、マルチプレイ支援部211は、対戦相手のマッチング、対戦の進行状況の同期をとるための同期制御などを実行する。
【0059】
マルチプレイ支援部211は、マルチプレイゲームをプレイする複数のユーザを、マッチング条件に基づいて組み合わせて、一定数のプレイヤからなるマルチプレイヤを編成する。マルチプレイ支援部211は、動画の視聴条件を含むマッチング条件によりマルチプレイヤを編成する。
【0060】
マルチプレイ支援部211は、動画の視聴条件だけでなく、ゲーム進行部212によりユーザに付与されたレーティングに基づいて、マルチプレイヤの編成を行うことができる。例えば、マルチプレイ支援部211は、レーティングが近いユーザ同士をマッチングする。レーティングは、対戦結果に応じて更新される値である。したがって、レーティングを参照することにより、マルチプレイ支援部211は、基本的には、実力が拮抗するユーザ同士をマッチングすることができる。なお、マルチプレイ支援部211は、場合によって、レーティングに加えて、さらに別のユーザ情報133に基づいて、マッチングを実行する構成であってもよい。該構成については、後に詳述する。マルチプレイ支援部211は、一例として、対戦の勝敗に応じて、以下のようにレーティングを増減させる。
【0061】
ゲーム進行部212は、ゲームの進行状況に基づいてレーティングと呼ばれる評価値をユーザに付与する。ゲーム進行部212は、例えばバトルゲームでの勝敗、攻撃内容、防御内容、クエストの遂行等により、付与するレーティングを増減させる。
【0062】
レーティングの算出および更新の処理は、ユーザ端末100(クライアント、コンピュータ)のマルチプレイ進行部115が実行してもよい。いずれにしても、ユーザに付与されている最新のレーティングは、サーバ200とユーザ端末100との間で共有されている。以下では、一例として、ユーザに付与されているレーティングの更新は、サーバ200によって行われるものとして説明する。
【0063】
ゲーム進行部212は、対戦相手をマッチングするために参照するレーティングをユーザごとに管理する。ゲーム進行部212は、例えば、マッチングにより対戦をプレイしたユーザ同士について、対戦前の各ユーザのレーティングの差分値と、対戦の勝敗とに基づいて、対戦後の各ユーザのレーティングを更新する。
【0064】
ゲーム進行部212は、例えば、初期値としてレーティング値「1500」を各ユーザに設定する。ユーザXとユーザYとが対戦し、ユーザXが勝利し、ユーザYが敗北した場合に、以下の式1および式2に従って、対戦後のレーティングが更新される。
【0065】
〔式1〕 対戦後の勝利側のユーザ(ユーザX)のレーティング = 勝利側のユーザ(ユーザX)の対戦前のレーティング + 32 + (敗北した側(ユーザY)のレーティング - 勝利した側(ユーザX)のレーティング)×0.04
〔式2〕 対戦後の敗北側のユーザ(ユーザY)のレーティング = 敗北側のユーザ(ユーザY)の対戦前のレーティング - 32 + (敗北した側(ユーザY)のレーティング - 勝利した側(ユーザX)のレーティング)×0.04
【0066】
対戦前後において変動するレーティングに幅(上限値および下限値)を設けてもよい。例えば、変動するレーティングの幅として、最大値「64」、最小値「4」などと設定してもよい。対戦するユーザ間のレーティングの差が過度に大きい場合、式1または式2に従ってレーティングを計算すると、レーティングが高い方のユーザが、勝利したにもかかわらずレーティングが減少し、勝利したユーザが納得できないという事態が生じ得る。そこで、対戦前のレーティングから変動する幅に最大値および最小値を設定することで、そのような事態を回避し、ユーザの納得感を向上させることができる。
【0067】
動画提供部213は、ユーザ端末100に対して、ゲーム中に動画を提供する。動画提供部213は、動画情報134から動画データを読み出してユーザ端末100に送信する。動画提供部213は、動画が広告動画である場合、アドサーバー等の外部装置から動画データを取得してもよい。
【0068】
(ユーザ端末100の機能的構成)
制御部110は、記憶部130に格納されたゲームプログラム131を実行することにより、ユーザ端末100を統括的に制御する。例えば、制御部110は、ゲームプログラム131及びユーザの操作にしたがって、ゲームを進行させる。また、制御部110は、ゲームを進行させている間、必要に応じて、サーバ200と通信して、情報の送受信を行う。
【0069】
制御部110は、ゲームプログラム131の記述に応じて、操作受付部111、表示制御部112、ユーザインターフェース(以下、UI)制御部113、アニメーション生成部114、マルチプレイ進行部115、及び動画再生部116として機能する。制御部110は、実行するゲームの性質に応じて、ゲームを進行させるために、図示しないその他の機能ブロックとしても機能することができる。
【0070】
操作受付部111は、入力部151に対するユーザの入力操作を検知し受け付ける。例えば、操作受付部111は、マルチプレイへ参加する選択入力、動画を視聴するか否かの選択入力、マルチプレイでの攻撃等の操作入力等を受け付ける。操作受付部111は、タッチスクリーン15及びその他の入出力IF14を介したコンソールに対してユーザが及ぼした作用から、いかなる入力操作がなされたかを判別し、その結果を制御部110の各要素に出力する。
【0071】
例えば、操作受付部111は、入力部151に対する入力操作を受け付け、該入力操作の入力位置の座標を検出し、該入力操作の種類を特定する。操作受付部111は、入力操作の種類として、例えばタッチ操作、スライド操作、スワイプ操作、及びタップ操作等を特定する。また、操作受付部111は、連続して検知されていた入力が途切れると、タッチスクリーン15から接触入力が解除されたことを検知する。
【0072】
UI制御部113は、UIを構築するために表示部152に表示させるUIオブジェクトを制御する。UIオブジェクトは、ユーザが、ゲームの進行上必要な入力をユーザ端末100に対して行うためのツール、又は、ゲームの進行中に出力される情報をユーザ端末100から得るためのツールである。UIオブジェクトは、これには限定されないが、例えば、アイコン、ボタン、リスト、メニュー画面などである。
【0073】
アニメーション生成部114は、ゲームにおける各種ゲームオブジェクトの制御態様に基づいて、各種ゲームオブジェクトのモーションを示すアニメーションを生成する。例えば、アニメーション生成部114は、マルチプレイの対戦におけるキャラクタの攻撃動作のアニメーション、防御動作のアニメーション等を生成してもよい。
【0074】
表示制御部112は、タッチスクリーン15の表示部152に対して、上述の各要素によって実行された処理結果が反映されたゲーム画面を出力する。表示制御部112は、アニメーション生成部114によって生成されたアニメーションを含むゲーム画面を表示部152に表示してもよい。また、表示制御部112は、上述のUIオブジェクトを、該ゲーム画面に重畳して描画してもよい。
【0075】
マルチプレイ進行部115は、サーバ200との間でデータの送受信を行って、マルチプレイにおける相手ユーザとの対戦を進行させる。また、マルチプレイ進行部115は、UI制御部113、アニメーション生成部114および表示制御部112を制御して、ユーザがマルチプレイゲームをプレイするために必要な上述のUIをユーザに提供する。マルチプレイ進行部115は、UI制御部113またはアニメーション生成部114に、UI部品を含むゲーム画面を生成させる。マルチプレイ進行部115は、表示制御部112に、生成された該ゲーム画面を表示部152に表示させる。これにより、ユーザがマルチプレイゲームをプレイするためのUIが実現される。
【0076】
動画再生部116は、サーバ200との間でデータの送受信を行って、受信した動画データを再生し、表示部152に表示する。動画再生部116は、動画情報134の動画データを再生するものであってもよい。動画再生部116は、動画の再生時間から、動画の全部を再生したこと、またユーザにより途中でスキップされる等して動画の全部が再生されなかったことを検出する。
【0077】
なお、
図2に示すサーバ200及びユーザ端末100の機能は一例にすぎない。サーバ200は、ユーザ端末100が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。また、ユーザ端末100は、サーバ200が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。さらに、ユーザ端末100及びサーバ200以外の他の装置をゲームシステム1の構成要素とし、該他の装置にゲームシステム1における処理の一部を実行させてもよい。すなわち、本実施形態においてゲームプログラムを実行するコンピュータは、ユーザ端末100、サーバ200、及び他の装置の何れであってもよいし、これらの複数の装置の組み合わせにより実現されてもよい。
【0078】
<ゲームシステム1の処理>
図3及び
図4は、各実施形態に係るゲームシステム1に含まれる各コンピュータによって実行される処理の流れを示すフローチャートである。
図5~
図8は、サーバ200からユーザ端末100へ提供され、ユーザ端末100において表示される画面例を示す。
図9は、処理に使用されるテーブル例を示す。なお、各実施形態において、一連の処理ステップは、すべてのステップをサーバ200が実行しているが、図示した分担形態に限られない。例えば、すべてのステップをユーザ端末100が実行してもよいし、ユーザ端末100及びサーバ200において分担して実行されてもよい。
【0079】
<第1実施形態>
第1実施形態において、サーバ200の制御部210は、動画の視聴後に動画の視聴条件によってマルチプレイヤを編成し、マルチプレイゲームを進行する。以下の説明では、マルチプレイゲームが対戦プレイゲームである例を説明する。
【0080】
図3に示すように、ステップS301において、制御部210は、ユーザ端末100からマルチプレイに参加する入力を受け付けたかを判定する。例えば、制御部210は、マルチプレイゲームへの参加を受け付ける画面をユーザ端末100に提供する。この画面において参加の入力を受け付けると、制御部210は、マルチプレイゲームへの参加の入力を受け付けたと判定する。
【0081】
図5は、マルチプレイゲームへの参加の入力を受け付ける画面例を示す。
図5に示すように、画面には、複数のユーザが互いにバトルするマルチバトルへの参加の入力を行うための「エントリー」のボタン501が含まれる。ユーザは、ユーザ端末100において「エントリー」のボタン501の操作を行うことにより、マルチプレイゲームへの参加の入力を行うことができる。
【0082】
参加の入力が受け付けてられていない場合(S301:NO)、制御部210は、本処理を終了する。一方、参加する入力が受け付けられた場合(S301:YES)、ステップS302において、制御部210は、ユーザの選択が動画を視聴する選択と視聴しない選択のいずれであるかを判定する。例えば、制御部210は、動画を視聴するか否かを確認する画面をユーザ端末100に提供する。制御部210は、この画面において動画を視聴するか否かの選択入力を受け付け、受け付けた選択入力によってユーザが動画を視聴する選択と視聴しない選択のいずれであるかを判定する。
【0083】
図6は、動画の視聴の有無を選択できる画面例を示す。
図6に示すように、画面には、動画を視聴することを選択する「はい」のボタン601と、動画を視聴しないことを選択する「いいえ」のボタン602が含まれる。画面には、動画の視聴によって報酬が付与されることの通知が含まれてもよい。ユーザは、ユーザ端末100においていずれかのボタンを操作することにより、動画を視聴するか否かを選択できる。
【0084】
ユーザが動画の視聴を選択した場合(S302:YES)、ステップS303において、制御部210はユーザ端末100に動画を提供する。制御部210は、マルチプレイヤとして編成された各ユーザに対し、同じ動画を提供してもよいし、異なる動画を提供してもよい。
【0085】
ある局面において、制御部210は、マルチプレイヤを編成する各プレイヤキャラクタに応じた動画を提供する。具体的には、制御部210は、プレイヤキャラクタの属性と動画の分類とが関連付けられたテーブルを記憶部230に保存し、このテーブルからプレイヤキャラクタの属性に対応する分類の動画を取得して提供すればよい。
図9は、テーブルの一例を示す。
図9に示すように、テーブル900には、キャラクタとその属性に動画の分類が関連付けられている。
【0086】
例えば、ユーザのプレイヤキャラクタがキャラクタAである場合、
図9に示すテーブル900に基づいて、制御部210は、キャラクタAの属性である「かわいい」に関連付けられた「ファンシー」または「ファミリー」の広告動画を提供できる。ユーザの嗜好が反映されることがあるプレイヤキャラクタの属性によって動画を提供することにより、提供する動画がユーザの関心が高い動画となる確率を高めることができ、動画の視聴率を高めることができる。
【0087】
また、ある局面において、制御部210は、マルチプレイヤである各プレイヤキャラクタに共通の属性に対応する動画を提供する。例えば、すべてのプレイヤキャラクタの属性に共通する分類が「ファミリー」である場合、制御部210は、
図9に示すテーブル900から「ファミリー」の分類の動画を提供できる。制御部210は、すべてのプレイヤキャラクタの属性に共通する分類がない場合は最も多く共通する属性に対応する動画を提供してもよい。制御部210は、このように、マルチプレイヤとして編成された各ユーザに共通する属性に対応する動画を提供することにより、マルチプレイヤ全員の関心が高い動画を共通して提供でき、動画の視聴率が向上する。
【0088】
ユーザ端末100は、制御部210により提供された動画を再生する。ユーザ端末100は、動画の再生についてのユーザの操作は受け付けずに強制的に動画の全部を再生するようにしてもよいが、スキップ等のユーザの操作を受け付けて再生を中止できるようにしてもよい。ユーザ端末100は、動画の全部の再生が完了した場合は動画の視聴完了を視聴履歴としてサーバ200へ送信する。途中で再生の中止を受け付けた場合、ユーザ端末100はサーバ200へ視聴の未完了と再生した分の視聴時間を視聴履歴として送信する。
【0089】
ステップS304において、制御部210は、ユーザ端末100から送信される視聴履歴によって、ユーザが動画の全部を視聴したか否かを判定する。ユーザが動画の全部を視聴した場合(S304:YES)、ステップS305において、制御部210は、動画を視聴したことをマッチング条件の1つとしてマルチプレイへの参加を受け付けたユーザ同士を組み合わせてマルチプレイヤを編成する。制御部210は、動画の視聴条件だけでなく、さらに各ユーザのレーティング、プレイヤキャラクタの属性等の他の条件に基づいてマルチプレイヤを編成してもよい。
【0090】
例えば、制御部210は、先に参加を受け付けた1人のユーザが動画の全部を視聴した場合、参加を受け付けた他のユーザのなかから、動画の全部を視聴し、先に参加を受け付けたユーザとのレーティングの差が一定範囲内にあり、かつプレイヤキャラクタの属性が異なるもう1人のユーザを選択する。制御部210はこの選択を繰り返し、4人のマルチプレイヤを編成する。これにより、動画の全部を視聴したユーザ同士のマルチプレイヤが編成される。
【0091】
図7は、マルチプレイヤが編成されるときの画面例を示す。
図7に示すように、画面は、動画の表示領域701と、マルチプレイヤを編成する各プレイヤの参加状況の表示領域702~705を含む。動画の全部を視聴したユーザ同士がマルチプレイヤとして編成されるため、動画を視聴中のプレイヤの参加状況の表示領域704には準備中と表示され、動画の全部の視聴を完了したプレイヤの参加状況の表示領域702および705にはそのプレイヤの名称が表示される。また、マルチプレイヤのプレイヤ数が一定数に達していない場合は、残りのプレイヤの参加状況の表示領域705に募集中と表示される。
【0092】
一方、マルチプレイゲームへの参加を受け付けたときにユーザが動画を視聴しないことを選択した場合(S302:NO)、又は動画を視聴することを選択したが、ユーザが動画の全部を視聴しなかった場合(S304;NO)、ステップS309において、制御部210は、動画を視聴しないことをマッチング条件の1つとしてマルチプレイへの参加を受け付けたユーザ同士を組み合わせてマルチプレイヤを編成する。具体的には、制御部210は、動画を視聴しないことを選択したユーザを、同じ視聴条件の他のユーザと組み合わせてマルチプレイヤを編成する。制御部210は、動画を視聴することを選択したが、動画の全部を視聴しなかったユーザも、動画を視聴しないことを選択したユーザと組み合わせる。制御部210は、動画の視聴条件だけでなく、さらに各ユーザのレーティング、プレイヤキャラクタの属性等の他の条件に基づいてマルチプレイヤを編成してもよい。これにより、動画の全部を視聴していないユーザ同士のマルチプレイヤが編成される。
【0093】
マルチプレイヤが編成されると、ステップS306において、制御部210は、マルチプレイゲームを進行する。例えば、制御部210は、マルチプレイヤ同士のバトルゲームを進行する。
【0094】
マルチプレイゲームの終了後、ステップS307において、制御部210は、マルチプレイゲームをプレイした各ユーザに報酬を付与する。ある局面において、制御部210は、マルチプレイに関連付けられた報酬を付与し、さらに動画の視聴に関連付けられた報酬も付与する。制御部210は、動画の視聴に関連付けられた報酬の価値を、動画の視聴条件によって異ならせる。具体的には、制御部210は動画を視聴したユーザと動画を視聴しなかったユーザに付与する報酬の価値を異ならせる。
【0095】
例えば、制御部210は、動画の全部の視聴を完了したユーザ同士で編成されたマルチプレイヤの各ユーザに対しては、第1報酬を付与する。また、制御部210は、動画の全部を視聴していないユーザ同士で編成されたマルチプレイヤの各ユーザに対しては、第1報酬よりゲーム上の価値が低い第2報酬を付与する。報酬の価値は報酬の性質又は量で変わり、価値が高いほどゲームを有利に進行できる。
【0096】
一例として、第2報酬はコインであり、第1報酬はコインに交換できる他、クエストの参加権と引き換えできるダイヤであってもよい。また、第1報酬及び第2報酬ともにダイヤであるが、第2報酬の方が第1報酬よりもレア度の低いダイヤであってもよい。また、第2報酬はコインであり、マルチプレイに関連付けられた報酬がプレイヤキャラクタであり、第1報酬は当該プレイヤキャラクタを進化させるアイテムであってもよい。
【0097】
制御部210は、動画の視聴に関連付けられた報酬を、動画の視聴条件だけでなく、マルチプレイでのプレイ履歴に基づいて決定してもよい。例えば、制御部210は、動画の全部の視聴を完了したユーザに報酬としてダイヤを付与し、さらに当該ユーザのプレイ履歴に他のユーザとの連携プレイが含まれる場合には、報酬として同じダイヤをもう1つ付与して、付与するダイヤの数を増やす。
【0098】
図8は、報酬が付与されるときの画面例を示す。
図8に示すように、画面には、バトル時のプレイ履歴801と、バトルに参加したことに対する報酬として、バトルの結果に応じて付与されるコイン8021とダイヤ8022が表示されている。また、動画を視聴したことに対する特別報酬として付与された、レア度の高いダイヤ803が表示されている。
【0099】
ステップS308において、制御部210は、ステップS302における動画を視聴するか否かの選択、ステップS304においてユーザ端末200から送信された視聴履歴、すなわち動画の全部の視聴を完了したか否か、動画の視聴時間等を含む視聴履歴を、ユーザに関連付けて記憶部230に保存する。
【0100】
以上のように、動画を視聴することを選択し、かつ動画の全部を視聴したユーザ同士を組み合わせてマルチプレイヤを編成することにより、マルチプレイヤのユーザ全員で動画を視聴する確率を高めることができる。したがって、マルチプレイヤのユーザ全員で動画を視聴することにより報酬が得られる場合に、報酬が得られやすくなり、ユーザのゲームへの積極性を高めることができる。また、マルチプレイヤ全員が動画を視聴する確率が高まるため、動画の視聴の機会を増やすことができる。
【0101】
<第2実施形態>
第2実施形態において、制御部210は、動画の視聴前に動画の視聴条件によってマルチプレイヤを編成し、マルチプレイゲームを進行する。
図4は、動画の視聴前に動画の視聴条件によってマルチプレイヤを編成する場合の処理を示す。
【0102】
図4に示すように、ステップS401において、制御部210は、ユーザ端末100からマルチプレイに参加する入力を受け付けたかを判定する。ステップS401の処理内容は、
図3に示すステップS301と同じであるので詳細な説明を省略する。参加する入力が受け付けられていない場合(S401:NO)、制御部210は本処理を終了する。
【0103】
参加する入力が受け付けられた場合(S401:YES)、ステップS402において、制御部210は、ユーザの選択が動画を視聴する選択と視聴しない選択のいずれであるかを判定する。ステップS402の処理内容は、
図3に示すステップS302と同じであるので詳細な説明を省略する。
【0104】
ユーザが動画の視聴を選択した場合(S402:YES)、ステップS403において、制御部210は、動画を視聴する選択をマッチング条件の1つとしてマルチプレイへの参加を受け付けたユーザ同士を組み合わせてマルチプレイヤを編成する。例えば、制御部210は、動画の視聴を選択したユーザを、同じく動画の視聴を選択した他のユーザと組み合わせてマルチプレイヤを編成する。これにより、動画の視聴を選択したユーザ同士のマルチプレイヤが編成される。制御部210は、第1実施形態と同様に、動画の視聴条件だけでなく、さらに各ユーザのレーティング、プレイヤキャラクタの属性等の他の条件に基づいてマルチプレイヤを編成してもよい。
【0105】
ある局面において、制御部210は、過去の視聴履歴を含むマッチング条件によってマルチプレイヤを編成してもよい。本実施形態では、動画を提供する前にマルチプレイヤを編成するため、動画を視聴することを選択したユーザ同士で編成されたマルチプレイヤのなかには、実際には動画の全部を視聴しないユーザが含まれることがある。制御部210は、動画を視聴することを選択したユーザであっても、当該ユーザに関連付けられた過去の視聴履歴に、動画を視聴する選択を受け付けたが動画の全部を視聴しなかった視聴履歴が含まれる場合、当該ユーザを、動画を視聴しない選択を受け付けたユーザと組み合わせてマルチプレイヤの編成を行う。これにより、報酬のために動画を視聴する選択をして実際には動画を視聴しないユーザを減らすことができる。
【0106】
マルチプレイヤの編成後、ステップS404において、制御部210は、ユーザ端末200に動画を提供する。動画を提供する処理は、
図3に示すステップS303と同じ処理内容であるので、詳細な説明を省略する。ユーザ端末200は、第1実施形態と同様に、ユーザの再生操作を受け付けずに動画を再生することもできるし、ユーザの再生操作を受け付けて動画の再生を中止することもできる。ユーザ端末200は、動画の全部の視聴を完了したか否か、動画の視聴時間等の視聴履歴をサーバ200へ送信する。
【0107】
ステップS405において、制御部210は、マルチプレイゲームを進行する。例えば、制御部210は、マルチプレイヤとして編成されたプレイヤ同士のバトルゲームを進行する。
【0108】
一方、ユーザが動画を視聴しないことを選択した場合(S402:NO)、ステップS408において、制御部210は、動画を視聴しない選択をマッチング条件の1つとしてマルチプレイへの参加を受け付けたユーザ同士を組み合わせてマルチプレイヤを編成する。具体的には、制御部210は、動画を視聴しないことを選択したユーザを、同じ選択をした他のユーザと組み合わせてマルチプレイヤを編成する。これにより、動画の視聴を選択していないユーザ同士のマルチプレイヤが編成される。制御部210は、第1実施形態と同様に、動画の視聴条件だけでなく、さらに各ユーザのレーティング、プレイヤキャラクタの属性等の他の条件に基づいてマルチプレイヤを編成してもよい。マルチプレイヤが編成されると、ステップS405において、制御部210は、マルチプレイゲームを進行する。
【0109】
マルチプレイゲームの終了後、ステップS406において、制御部210は、マルチプレイヤとして編成された各ユーザに報酬を付与する。ある局面において、制御部210は、マルチプレイに関連付けられた報酬を付与し、さらに動画の視聴に関連付けられた報酬も付与する。
【0110】
本実施形態では、動画を視聴することを選択した後、実際には動画を視聴しないこともある。ある局面において、制御部210は、マルチプレイヤを編成するユーザのすべてが動画の全部を視聴した場合には各ユーザに第1報酬を付与する。また、制御部210は、ユーザのすべてが動画の全部を視聴していない場合は、動画の全部を視聴した一部のユーザに第1報酬よりゲーム上の価値が低い第2報酬を付与し、残りのユーザに第2報酬よりゲーム上の価値が低い第3報酬を付与する。
【0111】
例えば、制御部210は、第1報酬をダイヤ、第2報酬を第1報酬よりレア度が高いダイヤ、第3報酬をコインとすることができる。より価値の高い報酬によってユーザが動画の全部を視聴するように促進することができる。動画を視聴しないユーザも報酬が得られるため、マルチプレイを優先したいユーザのゲームの意欲も高めることができる。
【0112】
ステップS407において、制御部210は、動画の視聴履歴を更新する。ステップS407は、
図3のステップS308と同じ処理であるので、詳細な説明を省略する。
【0113】
以上のように、動画を視聴することを選択したユーザ同士を組み合わせてマルチプレイヤを編成することにより、マルチプレイヤのユーザ全員で動画を視聴する確率を高めることができる。したがって、マルチプレイヤのユーザ全員で動画を視聴することにより報酬が得られる場合に報酬が得られやすくなり、ユーザのゲームへの積極性を高めることができる。また、マルチプレイヤ全員が動画を視聴する確率が高まるため、動画の視聴の機会を増やすことができる。
【0114】
上記第2実施形態において、制御部210が動画を提供して当該動画をユーザが視聴するタイミングは、マルチプレイゲームの開始前であったが、マルチプレイゲームの終了後であってもよい。例えば、マルチプレイゲームの終了後に、制御部210が動画を視聴する選択をしたユーザのユーザ端末100に動画を提供する。制御部210は、ユーザ端末100から送信された視聴履歴に基づき、各ユーザの動画の視聴条件、例えばマルチプレイヤのユーザ全員が動画の全部を視聴したか否か等に応じて、各ユーザに付与する報酬を決定する。例えば、マルチプレイヤのユーザ全員が動画を視聴することによって報酬の価値が高まるのであれば、報酬のためにマルチプレイゲームへのユーザの積極性も高まる。
【0115】
また、第1又は第2実施形態において、制御部210は、マルチプレイゲームの進行中に動画を提供してもよい。例えば、マルチプレイゲームの進行中にマルチプレイヤが全滅した場合、制御部210は、マルチプレイヤの各ユーザに動画を提供してもよい。制御部210は、各ユーザの動画の視聴条件が一定条件、例えばすべてのユーザが動画の全部を視聴したこと等の条件を満たす場合に、マルチプレイヤの回復を報酬として付与してもよい。
【0116】
〔ソフトウェアによる実現例〕
制御部210の制御ブロック(特に、オブジェクト提供部211)、ならびに、制御部110の制御ブロック(特に、操作受付部111、表示制御部112、UI制御部113、アニメーション生成部114、マルチプレイ進行部115、報酬決定部116、取得準備部117、取得実行部118、オブジェクト管理部119、プレイ権管理部120、及び動画再生部116)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0117】
後者の場合、制御部210又は制御部110、もしくはその両方を備えた情報処理装置は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラム及び各種データがコンピュータ(又はCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)又は記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(又はCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0118】
本発明は上述した本実施形態に限定されるものではなく、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0119】
(付記)
本発明の一側面に係る内容は、以下のとおりである。
(項目1)コンピュータにより実行されるプログラムであって、前記コンピュータに、複数のユーザがプレイするマルチプレイゲームを含むゲームを進行させるステップと、前記ゲームにおいて動画を提供するステップと、前記複数のユーザの前記動画の視聴条件を含むマッチング条件に基づいて、前記マルチプレイゲームをプレイするユーザ同士を組み合わせてマルチプレイヤを編成するステップと、を実行させるプログラム。
【0120】
(項目2)(項目1)において、前記動画を提供するステップは、前記マルチプレイヤの編成前に、前記マルチプレイゲームへの参加が受け付けられた各ユーザに前記動画を提供し、前記編成するステップは、前記各ユーザが前記動画を視聴したか否かを含む視聴条件に基づいて、前記ユーザ同士を組み合わせて前記マルチプレイヤを編成することができる。
【0121】
(項目3)(項目1)において、前記編成するステップは、前記マルチプレイゲームへの参加が受け付けられた各ユーザの前記動画を視聴するか否かの選択を含む視聴条件に基づいて、前記ユーザ同士を組み合わせ、前記動画を提供するステップは、前記マルチプレイヤの編成後に、前記動画を視聴する選択をした各ユーザに前記動画を提供することができる。
【0122】
(項目4)(項目3)において、前記動画を視聴するか否かの選択と、前記動画を視聴したのは全部か一部かを含む視聴履歴を前記各ユーザに関連付けるステップをさらに実行させ、前記編成するステップは、前記動画を視聴する選択を受け付けたユーザであっても、前記ユーザに関連付けられた前記視聴履歴が、前記動画を視聴する選択を受け付けたが、視聴したのは前記動画の全部ではないことを含む場合、前記ユーザを、前記動画を視聴しない選択を受け付けたユーザと組み合わせることができる。
【0123】
(項目5)(項目1)~(項目4)のいずれか一項において、前記マルチプレイゲームをプレイした各ユーザに、前記動画の視聴に関連付けられた報酬を付与するステップをさらに実行させ、前記報酬を付与するステップは、前記動画の視聴条件に基づいて付与する前記報酬の価値を異ならせることを含むことができる。
【0124】
(項目6)(項目5)において、前記報酬を付与するステップは、前記マルチプレイヤを編成するすべてのユーザが前記動画を視聴した場合には前記各ユーザに第1報酬を付与し、前記すべてのユーザのうち、前記動画を視聴した一部の各ユーザには前記ゲーム上での価値が前記第1報酬よりも低い第2報酬を付与し、前記動画を視聴しなかった残りの各ユーザには前記価値が前記第2報酬よりも低い第3報酬を付与するか、又は報酬を付与しないことを含むことができる。
【0125】
(項目7)(項目1)~(項目6)のいずれか一項において、前記ゲームの進行状況に基づいて増減する評価値を各ユーザに付与するステップをさらに実行させ、前記編成するステップは、前記動画の視聴条件と前記評価値の条件を含む前記マッチング条件に基づいて、前記ユーザ同士を組み合わせて前記マルチプレイヤを編成することができる。
【0126】
(項目8)(項目1)~(項目7)のいずれか一項において、前記動画を提供するステップは、前記マルチプレイヤを編成する各プレイヤキャラクタに応じた動画を提供することができる。
【0127】
(項目9)コンピュータにより実行される方法であって、複数のユーザがプレイするマルチプレイゲームを含むゲームを進行させるステップと、前記ゲームにおいて動画を提供するステップと、前記複数のユーザの前記動画の視聴条件を含むマッチング条件に基づいて、前記マルチプレイゲームをプレイするユーザ同士を組み合わせてマルチプレイヤを編成するステップと、を含む。
【0128】
(項目10)プログラムを記憶するメモリと、前記プログラムを実行するプロセッサと、を備え、前記プログラムは、前記プロセッサに、複数のユーザがプレイするマルチプレイゲームを含むゲームを進行させるステップと、前記ゲームにおいて動画を提供するステップと、前記複数のユーザの前記動画の視聴条件を含むマッチング条件に基づいて、前記マルチプレイゲームをプレイするユーザ同士を組み合わせてマルチプレイヤを編成するステップと、を実行させる、情報処理装置。
【0129】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0130】
1…ゲームシステム、2…ネットワーク、10,20…プロセッサ、11,21…メモリ、12,22…ストレージ、13,23…通信IF、14,24…入出力IF、15…タッチスクリーン、17…カメラ、18…測距センサ、100…ユーザ端末(情報処理装置、クライアントのコンピュータ)、110,210…制御部、111…操作受付部、112…表示制御部、113…UI制御部、114…アニメーション生成部、115…マルチプレイ進行部、116…動画再生部、130,230…記憶部、131…ゲームプログラム、132…ゲーム情報、133…ユーザ情報、134…動画情報、151…入力部、152…表示部、200…サーバ(情報処理装置、サーバのコンピュータ)、211…オブジェクト提供部、1010…物体、1020…コントローラ、1030…記憶媒体。