(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】画像処理装置および画像処理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04812 20220101AFI20240617BHJP
【FI】
G06F3/04812
(21)【出願番号】P 2020011904
(22)【出願日】2020-01-28
【審査請求日】2022-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】310021766
【氏名又は名称】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【氏名又は名称】三木 友由
(74)【代理人】
【識別番号】100134256
【氏名又は名称】青木 武司
(72)【発明者】
【氏名】須木 康之
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-073995(JP,A)
【文献】特開平10-040018(JP,A)
【文献】特開2001-155188(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/04812
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表示要素および第2表示要素を含む複数の表示要素を所定のレイアウトにしたがって配置する配置部と、
方向を指定するアナログスティックまたは方向キーである方向操作子の操作を、前記表示要素を選択する操作として受け付ける受付部と、
選択された状態にある前記表示要素
の周囲に、選択されていることを示す
フォーカス枠を配置する表示処理部と、を備え、
複数の前記表示要素の表示位置は固定されており、
前記第1表示要素が選択された状態にあ
って前記第1表示要素の周囲に前記フォーカス枠が配置されているとき、前記受付部が、前記第2表示要素を選択する操作を受け付けると、前記表示処理部は、前記第1表示要素を動かすことなく、
前記第1表示要素の表示位置と前記第2表示要素の表示位置の間で演出要素を移動させて、前記第1表示要素が選択された状態が、前記第2表示要素が選択される状態に変更されることを示す演出表示を行った後、前記第2表示要素
の周囲に前記フォーカス枠を配置し、
前記表示処理部は、前記演出表示を行っている間、前記フォーカス枠を非表示とする、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記表示要素の表示位置には、前記方向操作子を操作されたときの前記フォーカス枠の移動先が定義されている、
ことを特徴とする請求項
1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記表示要素は、機能を対応付けられたGUI要素である、
ことを特徴とする請求項1
または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記表示処理部は、前記第1表示要素から前記第2表示要素に向かう方向に関する演出表示を、前記第1表示要素および前記第2表示要素の間で行った後に、前記第2表示要素
の周囲に前記フォーカス枠を配置する、
ことを特徴とする請求項1から
3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記表示処理部は、前記第1表示要素および前記第2表示要素の少なくとも一方が、前記方向に応じて変形するように見える演出表示を行う、
ことを特徴とする請求項
4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記表示処理部は、前記演出要素の形状を、前記第1表示要素の形状から前記第2表示要素の形状に変化させる、
ことを特徴とする請求項
1から5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記表示処理部は、前記第1表示要素の表示位置と前記第2表示要素の表示位置の間の距離に応じて、前記演出要素の移動速度を決定する、
ことを特徴とする請求項
1から6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
第1表示要素および第2表示要素を含む複数の表示要素を所定のレイアウトにしたがって配置
して、複数の前記表示要素の表示位置を固定するステップと、
前記第1表示要素が選択された状態にあるとき、
前記第1表示要素の周囲に、選択されていることを示すフォーカス枠を配置するステップと、
方向を指定するアナログスティックまたは方向キーである方向操作子の操作を、前記第2表示要素を選択する操作として受け付けるステップと、
前記第1表示要素を動かすことなく、
前記フォーカス枠を非表示として、前記第1表示要素の表示位置と前記第2表示要素の表示位置の間で演出要素を移動させて、前記第1表示要素が選択された状態が、前記第2表示要素が選択される状態に変更されることを示す演出表示を行うステップと、
選択された状態にある前記第2表示要素
の周囲に前記フォーカス枠を配置するステップと、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
第1表示要素および第2表示要素を含む複数の表示要素を所定のレイアウトにしたがって配置
して、複数の前記表示要素の表示位置を固定する機能と、
前記第1表示要素が選択された状態にあるとき、
前記第1表示要素の周囲に、選択されていることを示すフォーカス枠を配置する機能と、
方向を指定するアナログスティックまたは方向キーである方向操作子の操作を、前記第2表示要素を選択する操作として受け付ける機能と、
前記第1表示要素を動かすことなく、
前記フォーカス枠を非表示として、前記第1表示要素の表示位置と前記第2表示要素の表示位置の間で演出要素を移動させて、前記第1表示要素が選択された状態が、前記第2表示要素が選択される状態に変更されることを示す演出表示を行う機能と、
選択された状態にある前記第2表示要素
の周囲に前記フォーカス枠を配置する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の表示要素を画面に表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
オペレーティングシステム(OS)は、ユーザに情報を提示するために、アイコンベースのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を使用する。ユーザが、複数のアイコンが配置されたメニュー画像から所望のアイコンを選択すると、選択したアイコンは、たとえばフォーカス枠で囲まれるなどして、他のアイコンとは異なる態様で表示される。ユーザが、選択したアイコンに対して決定操作を行うと、オペレーティングシステムは、アイコンに対応付けられた機能を実行する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ユーザがアイコンを方向キーの操作によって選択する場合、複数のアイコンが縦横規則的に配置されていなければ、ユーザは、フォーカス枠がどのアイコンの位置に移動するか予想しづらく、フォーカス枠を見失う状況が生じうる。そこでユーザが、自身が選択したアイコンを容易に認識できるようにする技術の開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の画像処理装置は、第1表示要素および第2表示要素を含む複数の表示要素を配置する配置部と、表示要素を選択する操作を受け付ける受付部と、選択された状態にある表示要素を、選択されていることを示す所定の態様で表示する表示処理部とを備える。第1表示要素が選択された状態にあるとき、受付部が、第2表示要素を選択する操作を受け付けると、表示処理部は、第1表示要素が選択された状態が、第2表示要素が選択される状態に変更されることを示す演出表示を行った後、第2表示要素を所定の態様で表示する。
【0005】
本発明の別の態様の画像処理方法は、第1表示要素および第2表示要素を含む複数の表示要素を配置するステップと、第1表示要素が選択された状態にあるとき、第2表示要素を選択する操作を受け付けるステップと、第1表示要素が選択された状態が、第2表示要素が選択される状態に変更されることを示す演出表示を行うステップと、選択された状態にある第2表示要素を所定の態様で表示するステップと、を含む。
【0006】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施例にかかる情報処理システムを示す図である。
【
図2】情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】情報処理装置の機能ブロックを示す図である。
【
図5】フォーカス枠が移動したメニュー画像の例を示す図である。
【
図6】選択された状態にあるアイコンが変更される際の演出表示の例を示す図である。
【
図8】第1サムネイル画像の表示例を示す図である。
【
図9】変形例における第1サムネイル画像の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の実施例にかかる情報処理システム1を示す。情報処理システム1は、補助記憶装置2、出力装置4、入力装置6、カメラ7および情報処理装置10を備える。情報処理装置10は、アクセスポイント(AP)8を介して、外部ネットワークに接続してよい。外部ネットワークには、ゲームソフトウェアなどのコンテンツを配信するコンテンツサーバが接続されており、情報処理装置10は、AP8を介して、コンテンツサーバからコンテンツをダウンロードできる。実施例の情報処理装置10は、アイコンなどの複数の表示要素を出力装置4に表示させる画像処理装置として動作する。
【0009】
入力装置6は、情報処理装置10と無線または有線で接続し、ユーザから操作入力を受け付けて、操作情報を情報処理装置10に供給する。実施例の情報処理装置10はゲームプログラムを実行するゲーム装置であり、入力装置6はゲームコントローラなど、ユーザの操作情報を情報処理装置10に供給する機器であってよい。情報処理装置10は、入力装置6から受け付けた操作情報をOSやゲームプログラムの処理に反映し、出力装置4から処理結果を出力させる。なお情報処理装置10は、ゲーム以外のアプリケーションを実行する機能を有してよく、たとえばムービーなどの動画を再生する機能を有してよい。
【0010】
実施例の入力装置6は、複数のプッシュ式の操作ボタンや、方向を指定する方向操作子等を含む入力部を備える。実施例において方向操作子は、メニュー画像において、アイコンを取り囲むフォーカス枠を移動するために用いられる。方向操作子は、複数の方向キーおよび様々な方向に傾動可能なアナログスティックを含み、複数の方向キーは、上方向キー、下方向キー、右方向キー、左方向キーを含んでよい。
【0011】
補助記憶装置2は、HDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)などのストレージであり、内蔵型記憶装置であってよく、またはUSB(Universal Serial Bus)などによって情報処理装置10と接続する外部記憶装置であってもよい。出力装置4は、画像を出力するディスプレイおよび音声を出力するスピーカを有するテレビであってよく、またヘッドマウントディスプレイであってもよい。カメラ7はユーザが存在する空間を撮影する。
【0012】
図2は、情報処理装置10のハードウェア構成を示す。情報処理装置10は、メイン電源ボタン20、電源ON用LED21、スタンバイ用LED22、システムコントローラ24、クロック26、デバイスコントローラ30、メディアドライブ32、USBモジュール34、フラッシュメモリ36、無線通信モジュール38、有線通信モジュール40、サブシステム50およびメインシステム60を有して構成される。
【0013】
メインシステム60は、メインCPU(Central Processing Unit)、主記憶装置であるメモリおよびメモリコントローラ、GPU(Graphics Processing Unit)などを備える。GPUはゲームプログラムの演算処理に主として利用される。これらの機能はシステムオンチップとして構成されて、1つのチップ上に形成されてよい。メインCPUは補助記憶装置2またはROM媒体44に記録されたゲームプログラムを実行する機能をもつ。
【0014】
サブシステム50は、サブCPU、主記憶装置であるメモリおよびメモリコントローラなどを備え、GPUを備えず、ゲームプログラムを実行する機能をもたない。サブCPUの回路ゲート数は、メインCPUの回路ゲート数よりも少なく、サブCPUの動作消費電力は、メインCPUの動作消費電力よりも少ない。サブCPUは、メインCPUがスタンバイ状態にある間においても動作し、消費電力を低く抑えるべく、その処理機能を制限されている。
【0015】
メイン電源ボタン20は、ユーザからの操作入力が行われる入力部であって、情報処理装置10の筐体の前面に設けられ、情報処理装置10のメインシステム60への電源供給をオンまたはオフするために操作される。電源ON用LED21は、メイン電源ボタン20がオンされたときに点灯し、スタンバイ用LED22は、メイン電源ボタン20がオフされたときに点灯する。
【0016】
システムコントローラ24は、ユーザによるメイン電源ボタン20の押下を検出する。メイン電源がオフ状態にあるときにメイン電源ボタン20が押下されると、システムコントローラ24は、その押下操作を「オン指示」として取得し、一方で、メイン電源がオン状態にあるときにメイン電源ボタン20が押下されると、システムコントローラ24は、その押下操作を「オフ指示」として取得する。
【0017】
クロック26はリアルタイムクロックであって、現在の日時情報を生成し、システムコントローラ24やサブシステム50およびメインシステム60に供給する。デバイスコントローラ30は、サウスブリッジのようにデバイス間の情報の受け渡しを実行するLSI(Large-Scale Integrated Circuit)として構成される。図示のように、デバイスコントローラ30には、システムコントローラ24、メディアドライブ32、USBモジュール34、フラッシュメモリ36、無線通信モジュール38、有線通信モジュール40、サブシステム50およびメインシステム60などのデバイスが接続される。デバイスコントローラ30は、それぞれのデバイスの電気特性の違いやデータ転送速度の差を吸収し、データ転送のタイミングを制御する。
【0018】
メディアドライブ32は、ゲームなどのアプリケーションソフトウェア、およびライセンス情報を記録したROM媒体44を装着して駆動し、ROM媒体44からプログラムやデータなどを読み出すドライブ装置である。ROM媒体44は、光ディスクや光磁気ディスク、ブルーレイディスクなどの読出専用の記録メディアであってよい。
【0019】
USBモジュール34は、外部機器とUSBケーブルで接続するモジュールである。USBモジュール34は補助記憶装置2およびカメラ7とUSBケーブルで接続してもよい。フラッシュメモリ36は、内部ストレージを構成する補助記憶装置である。無線通信モジュール38は、Bluetooth(登録商標)プロトコルやIEEE802.11プロトコルなどの通信プロトコルで、たとえば入力装置6と無線通信する。有線通信モジュール40は、外部機器と有線通信し、AP8を介して外部のネットワークに接続する。
【0020】
図3は、情報処理装置10の機能ブロックを示す。情報処理装置10は、処理部100および通信部102を備え、処理部100は、受付部110、システム画像生成部120、取得部130、実行部140および表示制御部150を備える。
【0021】
図3において、さまざまな処理を行う機能ブロックとして記載される各要素は、ハードウェア的には、回路ブロック、メモリ、その他のLSIで構成することができ、ソフトウェア的には、システムソフトウェアや、メモリにロードされたゲームプログラムなどによって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
【0022】
通信部102は、
図2に示す無線通信モジュール38および有線通信モジュール40の機能を併せ持つ構成として表現される。通信部102は、入力装置6の入力部をユーザが操作した操作情報を受信し、受付部110は、通信部102が受信した操作情報を受け付ける。
【0023】
システム画像生成部120は、複数の表示要素を含むメニュー画像を生成する機能をもつ。実施例において、メニュー画像に含まれる表示要素は、ゲームのアイコンや、ゲーム以外のアプリケーションのアイコンなどのGUI要素であってよい。ユーザがメニュー画像に含まれる表示要素を選択し、選択した表示要素に対して決定操作を行うと、実行部140が、選択されたアイコンに対応付けられた機能を実行する。たとえばゲームのアイコンが選択されて、決定操作が行われると、実行部140は、選択されたアイコンに対応付けられたゲームプログラムを実行して、ゲーム画像およびゲーム音声を生成する。このとき表示制御部150は、実行部140により生成されるゲーム画像を出力装置4から表示させる。
【0024】
システム画像生成部120は、配置部122、表示処理部124および特定部126を備える。配置部122は、画面を構成する2次元座標上に複数のアイコンを配置して、メニュー画像を生成する。配置部122は、様々なユーザ操作を契機としてメニュー画像を生成するが、たとえばメイン電源ボタン20がオン操作されて、情報処理装置10が起動されるときに、配置部122がメニュー画像を生成し、表示制御部150が、メニュー画像を出力装置4に表示してよい。
【0025】
図4は、メニュー画像の例を示す。
図4に示されるメニュー画像は、情報処理装置10が起動されたときに出力装置4に表示される初期画像であってよい。配置部122は、複数のアイコン200a、200b、200c、200d、200e、200f、200g、200h、200i(以下、特に区別しない場合には「アイコン200」と呼ぶ)を配置したメニュー画像を生成する。配置部122は、所定のレイアウト(フォーマット)にしたがって複数のアイコン200を配置してよい。実施例では配置部122が、機能を対応付けられたGUI要素であるアイコン200を配置するが、他の種類の表示要素を配置してもよい。
【0026】
表示処理部124は、選択された状態にあるアイコン200を、選択されていることを示す所定の態様で表示する。
図4に示す初期画像では、画面の左上隅に配置されたアイコン200aが選択された状態にあり、表示処理部124は、選択されていることを示すフォーカス枠202をアイコン200aの周囲に配置する。ユーザは、フォーカス枠202で囲まれたアイコンを確認することで、アイコン200aが選択されていることを認識できる。なおフォーカス枠202を使用する以外に、表示処理部124は、選択された状態にあるアイコン200aを、標準のサイズよりも大きく表示したり、またアイコン200a自体を点滅させるなどして、アイコン200aが選択されている状態にあることをユーザが認識できるようにしてもよい。
【0027】
ユーザが操作する入力装置6には、方向キーおよび/またはアナログスティックなどの方向操作子が備えられている。実施例でユーザは、フォーカス枠202を移動させてアイコン200を選択する際、入力装置6の方向操作子を操作する。方向操作子は、上下左右の4方向をユーザが指定できる4つの方向キーで構成されてよい。
【0028】
メニュー画像が出力装置4に表示された状態で、ユーザが入力装置6の方向操作子を操作すると、受付部110が、方向操作子の操作を、アイコン200を選択する操作として受け付ける。特定部126は、ユーザにより操作された方向キーにもとづいて、フォーカス枠202の移動先、つまり選択されるアイコン200を特定する。
【0029】
図5は、フォーカス枠202が移動したメニュー画像の例を示す。
図5に示されるメニュー画像では、フォーカス枠202が、アイコン200gの周囲に配置されている。
図4に示すメニュー画像において、受付部110が右方向キーの操作を受け付けると、特定部126は、右方向キーの操作により選択されるアイコン200gを特定する。
【0030】
複数のアイコン200は、配置部122により所定のレイアウトにしたがって配置されており、アイコン200が配置される各位置には、方向キーを操作されたときのフォーカス枠202の移動先が定義されている。たとえばアイコン200aが配置されている左上隅の位置には、右方向キーの操作によりフォーカス枠202がアイコン200gの位置に移動すること、下方向キーの操作によりフォーカス枠202がアイコン200bの位置に移動することが定義されている。なおアイコン200aが配置された左上隅の位置には、左方向キーおよび上方向キーが操作されても、フォーカス枠202が移動しないことも定義されている。
【0031】
以上は、方向操作子が上下左右の方向キーであるときの移動先の定義情報の説明であるが、方向操作子がアナログスティックである場合、フォーカス枠202の移動先は、アナログスティックを傾ける方向の角度範囲で定義されてよい。
【0032】
特定部126は、移動先の定義情報にしたがって、フォーカス枠202の移動先となる位置を特定する。
図4に示されるメニュー画像において、受付部110が右方向キーの操作を受け付けると、特定部126は、右方向キーの操作により選択されることになるアイコン200gを特定し、表示処理部124は、フォーカス枠202をアイコン200gの周囲に配置する。
【0033】
複数のアイコン200が縦横規則的に配置されている場合、ユーザは、方向キーの操作によるフォーカス枠202の移動先を予想しやすい。たとえばユーザが右方向キーを操作すると、フォーカス枠202は、右隣に配置されたアイコンの位置に移動し、下方向キーを操作すると、フォーカス枠202は、真下に配置されたアイコンの位置に移動する。
【0034】
一方で、
図4および
図5に示すように、複数のアイコン200が、ある程度不規則に配置されている場合、ユーザは、方向キーの操作によるフォーカス枠202の移動先を予想しにくくなる。実施例では、アイコン200aの位置にあるフォーカス枠202が、入力装置6の右方向キーが操作されることで、アイコン200gの位置に移動される。しかしながらユーザが、フォーカス枠202がアイコン200dの位置に移動することを予想していると、右方向キーの操作後、アイコン200dを注視していることで、フォーカス枠202を見失うこともある。
【0035】
そこで実施例の表示処理部124は、アイコン200gの周囲にフォーカス枠202を表示する前に、アイコン200aが選択された状態が、アイコン200gが選択された状態に変更されることを示す演出表示を行う。つまり表示処理部124は、
図4に示すメニュー画像の表示と、
図5に示すメニュー画像の表示の間に、選択されたアイコンが変更されることを示す演出を挿入する。以下、説明のために、フォーカス枠202の移動前に囲まれていたアイコン200aを「第1アイコン200a」、フォーカス枠202の移動後に囲まれるアイコン200gを「第2アイコン200g」と呼ぶ。
【0036】
第1アイコン200aが選択された状態にあるとき(
図4参照)、受付部110が、第2アイコン200gを選択する操作を受け付けると、特定部126が、フォーカス枠202の移動先が第2アイコン200gの位置であることを特定する。このとき表示処理部124は、第1アイコン200aが選択された状態が、第2アイコン200gが選択される状態に変更されることを示す演出表示を行う。演出表示中、表示処理部124は、フォーカス枠202を非表示とする。
【0037】
図6は、選択された状態にあるアイコン200が変更される際の演出表示の例を示す。
図6において移動方向204は、第1アイコン200aから第2アイコン200gに向かう方向を示す。
図6における移動方向204は、演出要素210の移動方向を図示する目的で描かれたものであって、演出表示の一環として表示されてユーザが視認するものではないが、移動先をより明確にするために演出表示の一環として表示されてもよい。
【0038】
表示処理部124は、第1アイコン200aの表示位置から第2アイコン200gの表示位置に向かう方向に関する演出表示を、第1アイコン200aの表示位置および第2アイコン200gの表示位置の間で実施する。具体的に表示処理部124は、第1アイコン200aの表示位置および第2アイコン200gの表示位置の間で、演出要素210を移動させる演出表示を行う。演出要素210は少なくとも高輝度な領域を有し、表示処理部124は演出要素210を、第1アイコン200aから飛び出して、第2アイコン200gに飛び込むように高速移動させる。
【0039】
図7は、演出要素210が第2アイコン200gに飛び込んでいく様子を示す。高輝度な領域をもつ演出要素210が第1アイコン200aから第2アイコン200gに向けて一直線に移動することで、ユーザは、第2アイコン200gの位置を認識できる。
【0040】
表示処理部124は、演出要素210の形状を、第1アイコン200aの形状から第2アイコン200gの形状に変化させる。演出要素210が第1アイコン200aを飛び出すとき、演出要素210の形状は、第1アイコン200aの形状と略同一であり、演出要素210が第2アイコン200gに飛び込むとき、演出要素210の形状は、第2アイコン200gの形状と略同一である。表示処理部124は、演出要素210が第1アイコン200aの表示位置から第2アイコン200gの表示位置に到着するまでの間に、演出要素210を徐々(連続的または段階的)に変形することが好ましい。
【0041】
図6および
図7に示すように、第2アイコン200gの縦幅は、第1アイコン200aの縦幅よりも長い。そのため表示処理部124は、演出要素210を第1アイコン200aの表示位置から第2アイコン200gの表示位置に移動させる際に、演出要素210の縦幅を徐々に長くして、第2アイコン200gに重なるときに演出要素210の縦幅を第2アイコン200gの縦幅に等しくする。表示処理部124は、高輝度領域をもつ演出要素210を第2アイコン200gに重ねた後、第2アイコン200gの周囲にフォーカス枠202を表示する。
【0042】
演出要素210が第1アイコン200aの表示位置から第2アイコン200gの表示位置に移動することで、フォーカス枠202が移動しているようにユーザに感じさせる視覚効果が生じる。このとき、移動中の演出要素210を、移動元の第1アイコン200aおよび移動先の第2アイコン200gの形状に応じて変形させることで、ユーザに、演出要素210とフォーカス枠202の一体性を強く感じさせることが可能となる。
【0043】
なお実施例では第1アイコン200aおよび第2アイコン200gが、矩形形状を有するが、一方ないしは双方が、矩形形状以外、たとえば丸形状や三角形状などを有してよい。その場合であっても表示処理部124は、移動中の演出要素210を、移動元の第1アイコン200aの形状から、移動先の第2アイコン200gの形状に変形させることで、フォーカス枠202の擬似的な移動をユーザに認識させることが可能となる。
【0044】
表示処理部124は、第1アイコン200aの表示位置と第2アイコン200gの表示位置の間の距離に応じて、演出要素210の移動速度を決定してよい。具体的に、表示処理部124は、第1アイコン200aと第2アイコン200gの間の距離に関わらず演出表示を同じ所定時間で完了させる。そのため距離が相対的に長ければ、移動速度は相対的に速くなり、距離が相対的に短ければ、移動速度は相対的に短くなる。なお演出表示の目的が、移動先となる第2アイコン200gをユーザに認識させることにある。そのため演出表示期間内の移動速度は、演出要素210が第1アイコン200aの表示位置から出るときの速度よりも、演出要素210が第2アイコン200gの表示位置に入るときの速度の方が遅くなるように設定されて、第2アイコン200gをユーザが認識しやすくすることが好ましい。
【0045】
表示処理部124は、第1アイコン200aおよび第2アイコン200gの少なくとも一方が、移動方向204に応じて変形するように見える演出表示を行う。
図7を参照して、第2アイコン200gに近い形状をもつ演出要素210が第2アイコン200gに重なると、第2アイコン200gが移動方向204に伸びて変形するような演出効果を奏する。このような演出効果により、ユーザは、第2アイコン200gが選択されたことを、容易に認識できるようになる。なお演出表示の後、表示処理部124は、
図5に示すように、第2アイコン200gの周囲にフォーカス枠202を配置する。
【0046】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0047】
以下、出力装置4に、サムネイルなどの画像を表示する方法について説明する。ユーザがコンテンツサーバからゲームなどのコンテンツを購入する際、情報処理装置10はAP8を介してコンテンツサーバにアクセスし、取得部130は、コンテンツサーバから、コンテンツのサムネイル画像を取得する。このとき表示制御部150が、コンテンツのサムネイル画像を速やかに出力装置4に表示できるように、実施例のコンテンツサーバは、最初に低解像度のサムネイル画像を送信してから、高解像度のサムネイル画像を送信する。以下、最初に送信される低解像度のサムネイル画像を「第1サムネイル画像」、続いて送信される高解像度のサムネイル画像を「第2サムネイル画像」と呼ぶ。なお第1サムネイル画像は、第2サムネイル画像の解像度を下げ、データサイズを落として生成された画像であってよい。
【0048】
取得部130が第1サムネイル画像を取得すると、配置部122は、画面を構成する2次元座標上の所定の位置に第1サムネイル画像を配置し、表示制御部150が、第1サムネイル画像を表示する。
【0049】
図8は、4つの第1サムネイル画像の表示例を示す。
図8に表示される第1サムネイル画像の解像度は低いため、ユーザは、表示された第1サムネイル画像を、粗い画像として認識する。この場合、速やかにサムネイル画像を表示する目的は達成されるが、粗い画像は安っぽい印象を与えるため、好ましくない。
【0050】
図9は、変形例における第1サムネイル画像の表示例を示す。表示処理部124は、第1サムネイル画像の一部を隠して表示する。
図9に示す例で表示処理部124は、第1サムネイル画像の上に、散在する複数の開口(穴)をもつマスクを重ねて、第1サムネイル画像が複数の開口を通じてのみ表示されるようにしている。たとえば1枚の第1サムネイル画像に、略均等の間隔で縦方向に20以上、横方向に20以上の開口をもつマスクを重ねることで、ユーザは、ぼんやりとしたサムネイルの概要を確認できる。このように変形例では、
図8に示すように粗い画像の全体を直接表示するのではなく、粗い画像の一部のみを表示することで、ユーザに画像の粗さを気付かせないようにする。
【0051】
表示制御部150が第1サムネイル画像の一部を隠して表示している間に、取得部130がコンテンツサーバから第2サムネイル画像を取得すると、配置部122は、画面を構成する2次元座標上に、第1サムネイル画像およびマスクの代わりに第2サムネイル画像を配置する。これにより表示制御部150が、一部を隠して表示されていた第1サムネイル画像の代わりに、第2サムネイル画像を表示する。以上の処理により、情報処理装置10は、低解像度の第1サムネイル画像の一部のみを速やかに表示した後、高解像度の第2サムネイル画像の全体を表示することが可能となる。
【0052】
以上の変形例の概要は、次の通りである。
変形例の画像表示方法は、
低解像度の第1画像を取得するステップと、
取得した第1画像の一部を隠して表示するステップと、
高解像度の第2画像を取得するステップと、
第1画像の代わりに第2画像を表示するステップと、
を備える。
【符号の説明】
【0053】
1・・・情報処理システム、10・・・情報処理装置、100・・・処理部、102・・・通信部、110・・・受付部、120・・・システム画像生成部、122・・・配置部、124・・・表示処理部、126・・・特定部、130・・・取得部、140・・・実行部、150・・・表示制御部。