特許 7504651 画像形成装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-06-14

(45)【発行日】2024-06-24

(54)【発明の名称】画像形成装置

(51)【国際特許分類】

   G03G 21/16 20060101AFI20240617BHJP

【ＦＩ】

G03G21/16 104

【請求項の数】 8

(21)【出願番号】P 2020074731

(22)【出願日】2020-04-20

(65)【公開番号】P2021173782

(43)【公開日】2021-11-01

【審査請求日】2023-04-18

(73)【特許権者】

【識別番号】000001007

【氏名又は名称】キヤノン株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100094112

【弁理士】

【氏名又は名称】岡部 讓

(74)【代理人】

【識別番号】100101498

【弁理士】

【氏名又は名称】越智 隆夫

(74)【代理人】

【識別番号】100106183

【弁理士】

【氏名又は名称】吉澤 弘司

(74)【代理人】

【識別番号】100136799

【弁理士】

【氏名又は名称】本田 亜希

(72)【発明者】

【氏名】横堀 祐也

【審査官】中澤 俊彦

(56)【参考文献】

【文献】特開平０７－０６１６１４（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１３－１８６３８０（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１１－２３３８０３（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｇ０３Ｇ ２１／１６

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

枠体と、
電装ユニットと、
前記電装ユニットを前記枠体に固定するための固定部材と、
を備える画像形成装置であって、
前記電装ユニットは、前記枠体に係合する係合部を有し、
前記枠体は、前記画像形成装置の前奥方向の奥から前に前記係合部が挿通される被係合部を有し、
前記電装ユニットが前記固定部材によって固定されている状態において、前記枠体において前記係合部が係合した前記被係合部よりも前記前奥方向において前に前記電装ユニットの重心の位置は位置し、
前記係合部は、前記枠体の内側面に当接する爪部が設けられていないことを特徴とする画像形成装置。

【請求項2】

前記係合部が前記被係合部に係合したままで、前記電装ユニットを、前記枠体に固定された第１の状態から、前記枠体に固定されていない第２の状態にしたとき、前記電装ユニットは前記枠体に吊り下がった状態になることを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。

【請求項3】

前記係合部は、凸形状を有し、
前記被係合部は、穴または凹形状を有することを特徴とする請求項１又は２に記載の画像形成装置。

【請求項4】

前記電装ユニットは、支持板を有し、
前記係合部は、前記支持板から前記前奥方向において前に向かって折り曲げられて形成された突起部であることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【請求項5】

前記係合部は、前記枠体に引っ掛けるための形状を有することを特徴とする請求項１乃至４のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【請求項6】

前記固定部材が外された場合、前記電装ユニットは、前記被係合部を中心に前記前奥方向において奥へ向かって旋回することを特徴とする請求項１乃至５のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【請求項7】

前記固定部材は、前記被係合部よりも下に位置していることを特徴とする請求項１乃至６のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【請求項8】

前記固定部材は、ネジであることを特徴とする請求項１乃至７のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、電装ユニットが固定された枠体を有する画像形成装置に関する。

【背景技術】

【0002】

画像形成装置は、アクチュエータやセンサへ電力を供給したり、各種信号を処理したりするためのプリント基板を搭載している。電磁ノイズ遮蔽、プリント基板の保護及びエアフロー形成のために、プリント基板は、電装ユニットの支持部材に固定され、電装ユニットが画像形成装置の支持枠体に固定される。電装ユニットは、支持枠体の底板に固定されることもあるが、通常、支持枠体の鉛直方向に伸びた支柱や側板に固定されることが多い。

【0003】

しかし、電装ユニットを支持枠体の鉛直方向に伸びた支柱や側板に固定する場合、電装ユニットは常に重力を受けているので、特に大型で重量の大きい電装ユニットは取り付けるのが容易ではない。作業者は、固定位置で電装ユニットを両手で支えながらネジで固定する必要がある。作業者は、更に、ドライバーにネジをセットし、ドライバーを回す必要があるが、電装ユニットを両手で支えている場合、ドライバーを使用することができない。そこで、電装ユニットに設けられた突起部を支持枠体に設けられた穴に挿入して電装ユニットを支持枠体に吊り下げる。これによって、作業者は、ドライバーを使用してネジによって電装ユニットを支持枠体に固定することができる。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

しかし、電装ユニットの突起部が係合される穴を枠体に設けることによって、穴が設けられた部分の枠体の強度が低下する。したがって、穴の大きさは可能な限り小さくしたい。しかし、電装ユニットの重量が大きいほど強度の十分な引っ掛け形状が必要であり、それに伴い枠体に設ける穴の大きさも大きくなってしまう。

【0005】

本発明は、電装ユニットの係合部が枠体から外れづらい画像形成装置を提供する。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本発明の一実施例による画像形成装置は、
枠体と、
電装ユニットと、
前記電装ユニットを前記枠体に固定するための固定部材と、
を備える画像形成装置であって、
前記電装ユニットは、前記枠体に係合する係合部を有し、
前記枠体は、前記画像形成装置の前奥方向の奥から前に前記係合部が挿通される被係合部を有し、
前記電装ユニットが前記固定部材によって固定されている状態において、前記枠体において前記係合部が係合した前記被係合部よりも前記前奥方向において前に前記電装ユニットの重心位置は位置し、
前記係合部は、前記枠体の内側面に当接する爪部が設けられていないことを特徴とする。

【発明の効果】

【0007】

本発明によれば、電装ユニットの係合部が枠体から外れづらくなる。

【図面の簡単な説明】

【0008】

【図1】画像形成装置の断面図。

【図2】画像形成装置の枠体に固定された電装ユニットの説明図。

【図3】画像形成装置の枠体に引っ掛けられた電装ユニットの説明図。

【図4】爪部が設けられた突起部の第一の比較例を示す図。

【図5】爪部が設けられた突起部の第二の比較例を示す図。

【発明を実施するための形態】

【0009】

＜画像形成装置＞
図１は、画像形成装置１００の断面図である。本実施例の画像形成装置１００は、複写機である。しかし、画像形成装置１００は、これに限らず、例えば、プリンタ、ファクシミリ又は複合機であってもよい。以下の説明において、画像形成装置１００の正面（前面、手前側）は、図１の紙面の手前側である。画像形成装置１００の背面（後面、奥側）は、正面の反対側である。画像形成装置１００の左右は、画像形成装置１００を正面から見て左と右である。画像形成装置１００の上下は、重力方向において上と下である。上流側と下流側は、シート搬送方向において上流側と下流側である。画像形成装置１００は、背面に電装ユニット３００が装着される装着部が設けられている。装着部は、図２及び図３を用いて後述する支持枠体（以下、枠体という）２００に設けられている。電装ユニット３００は、枠体２００の鉛直方向に伸びた支柱又は側板に固定される。

【0010】

画像形成装置１００は、原稿の画像を読み取る画像読取装置４００及びコントローラ（不図示）が設けられている。画像読取装置４００は、原稿の画像を読み取って画像情報をコントローラ（不図示）へ送信する。また、外部接続ケーブル（不図示）を介して入力される画像情報もコントローラ（不図示）へ送信される。コントローラ（不図示）は、画像情報を処理して画像信号をレーザスキャナユニット１５２へ送信する。

【0011】

画像形成装置１００は、イエロー画像形成部１５０Ｙ、マゼンタ画像形成部１５０Ｍ、シアン画像形成部１５０Ｃ及びブラック画像形成部１５０Ｂｋが設けられている。イエロー画像形成部１５０Ｙは、イエローのトナー像を形成する。マゼンタ画像形成部１５０Ｍは、マゼンタのトナー像を形成する。シアン画像形成部１５０Ｃは、シアンのトナー像を形成する。ブラック画像形成部１５０Ｂｋは、ブラックのトナー像を形成する。イエロー画像形成部１５０Ｙ、マゼンタ画像形成部１５０Ｍ、シアン画像形成部１５０Ｃ及びブラック画像形成部１５０Ｂｋは、トナーの色を除き同様の構造を有する。以下、イエロー画像形成部１５０Ｙについて説明する。

【0012】

イエロー画像形成部１５０Ｙは、感光体ドラム１５１を有する。感光体ドラム１５１の周りには、帯電器１５６、現像器１５３及び一次転写装置１５４が設けられている。また、感光体ドラム１５１の下方には、レーザスキャナユニット１５２が設けられている。帯電器１５６は、感光体ドラム１５１の表面を均一に帯電する。レーザスキャナユニット１５２は、画像信号に従ってレーザ光を出射し、均一に帯電された感光体ドラム１５１の表面上に静電潜像を形成する。現像器１５３は、感光体ドラム１５１の表面上に形成された静電潜像をイエロートナーによって現像し、感光体ドラム１５１の表面上にイエローのトナー像を形成する。同様に、マゼンタ画像形成部１５０Ｍ、シアン画像形成部１５０Ｃ及びブラック画像形成部１５０Ｂｋのそれぞれの感光体ドラム１５１の表面上に、マゼンタのトナー像、シアンのトナー像及びブラックのトナー像が形成される。

【0013】

感光体ドラム１５１の上方には、中間転写ベルト１５５が設けられている。中間転写ベルト１５５は、図１の矢印Ａで示す方向に回転される。一次転写装置１５４は、所定の加圧力で中間転写ベルト１５５に当接し、静電的負荷バイアスが与えられる。一次転写装置１５４は、感光体ドラム１５１上に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのトナー像を順次に中間転写ベルト１５５上に重ね合わせて転写する。その結果、フルカラーのトナー像が中間転写ベルト１５５上に形成され、二次転写部１４０へ搬送される。

【0014】

一方、カセット１１１に積載されたシートＳは、給送部１１０によって一枚ずつ分離されて給送される。給送されたシートＳは、シート搬送方向下流側に配置された搬送ローラ対１２０へ搬送される。シートＳは、搬送ローラ対１２０によって、レジストレーションローラ対１３１を有するシート斜行補正装置１３０へ搬送される。シート斜行補正装置１３０は、シートＳの斜行を補正する。斜行が補正されたシートＳは、レジストレーションローラ対１３１によって二次転写部１４０へ搬送される。

【0015】

中間転写ベルト１５５上に形成されたフルカラーのトナー像は、二次転写部１４０によってシートＳ上に転写される。トナー像が転写されたシートＳは、定着器１６０へ搬送される。定着器１６０は、対向するローラ又はベルト及びヒータ等の熱源を有する。対向するローラ又はベルトの間にシートＳを挟んで搬送しながら、シートＳに所定の加圧力と加熱を与えてトナーを溶融し、シートＳにトナー像を定着させる。トナー像が定着されたシートＳは、定着後搬送部１７０を通過し、排出ローラ対１７１によって画像形成装置１００の胴内に設置されている排出トレイ１８０上に排出される。

【0016】

両面印刷の場合、一面に画像が形成されたシートＳは、切換フラッパ１７２によって搬送方向が切り換えられてローラ対１７３へ搬送される。ローラ対１７３は、シートＳの先端部を排出トレイ１８０の上方に出すが、シートＳの後端部が所定の位置へ到達すると反転してシートＳを反転搬送装置１９０へ搬送する。シートＳは、搬送ローラ対１２０によってレジストレーションローラ対１３１へ搬送される。レジストレーションローラ対１３１は、シートＳを所定のタイミングで二次転写部１４０へ搬送する。これによって、シートＳの一面と反対の他面にトナー像が転写される。その後、シートＳは、定着器１６０を通り、排出トレイ１８０へ排出される。

【0017】

＜電装ユニットの装着＞
次に、図２及び図３を用いて、画像形成装置１００の枠体２００への電装ユニット３００の装着を説明する。図２は、画像形成装置１００の枠体２００に固定された電装ユニット３００の説明図である。図２（ａ）は、電装ユニット３００が固定された枠体２００を画像形成装置１００の背面側から見た斜視図である。図２（ｂ）は、電装ユニット３００と枠体２００の引っ掛け部１０の拡大図である。図２（ｃ）は、電装ユニット３００と枠体２００の引っ掛け部１０及び電装ユニット３００の重心Ｇの位置を示す断面図である。図２（ｄ）は、図２（ｃ）の四角の太線で囲まれた部分ＩＩＤの拡大図である。電装ユニット３００は、枠体２００の外側に支持される。

【0018】

図３は、画像形成装置１００の枠体２００に引っ掛けられた電装ユニット３００の説明図である。図３は、画像形成装置１００の枠体２００に電装ユニット３００を装着するときに、作業者が電装ユニット３００の突起部（係合部）３０を枠体２００の穴（被係合部）２０に引っ掛け、作業者の手などによる支持力を除去した様子を示している。図３（ａ）は、電装ユニット３００が引っ掛けられた枠体２００を画像形成装置１００の背面側から見た斜視図である。図３（ｂ）は、電装ユニット３００と枠体２００の引っ掛け部１０の拡大図である。図３（ｃ）は、電装ユニット３００と枠体２００の引っ掛け部１０及び電装ユニット３００の重心Ｇの位置を示す断面図である。図３（ｄ）は、図３（ｃ）の四角の太線で囲まれた部分ＩＩＩＤの拡大図である。

【0019】

図２（ａ）、図２（ｂ）及び図２（ｃ）は、画像形成装置１００の枠体２００の背面側に電装ユニット３００がネジ（固定部材）４０によって固定されている状態を示している。図３（ａ）、図３（ｂ）及び図３（ｃ）は、画像形成装置１００の枠体２００の背面側に電装ユニット３００がネジ４０によって固定される前の状態を示す。電装ユニット３００の突起部３０が枠体２００の穴２０に引っ掛けられ、電装ユニット３００が枠体２００にぶら下がっている。突起部３０は、電装ユニット３００の上部の左右両側に設けられている。本実施例において、突起部３０は二つ設けられているが、突起部３０の数はこれに限定されない。突起部３０は、一つであってもよいし、三つ以上設けられていてもよい。

【0020】

電装ユニット３００は、ネジ４０を通すネジ穴３５が設けられた支持板３６が設けられている。突起部３０は、支持板３６から前側（枠体２００の内側）に向かって延在してる。突起部３０は、凸形状を有する。突起部３０は、支持板３６に対して略垂直な方向に延在している。図２（ｄ）に示すように、突起部３０の長さＬは、枠体２００を形成する板金の厚さＴＨより大きい。突起部３０は、支持板３６の一端部に一体的に形成された延在部を折り曲げて形成されている。なお、突起部３０は、支持板３６と別体で形成され、支持板３６に固定部材によって固定されていてもよい。突起部３０は、枠体２００の前側面（内側面）２００ａに当接（係止）する爪部（係止部）が設けられていない。突起部３０は、支持板３６からほぼ同じ幅Ｗで前側に延在してる。突起部３０は、前側へ向かって先細り形状であってもよい。枠体２００の穴２０は、水平方向に長い矩形の貫通穴であるが、穴２０は、開口部または凹形状を有する部分であってもよい。

【0021】

図２（ｃ）に示すように電装ユニット３００がネジ４０によって枠体２００に固定されている状態で、電装ユニット３００の重心Ｇは、前奥方向において引っ掛け部１０より前側にある。すなわち、電装ユニット３００の重心Ｇは、枠体２００に設けられた穴２０の位置よりも枠体２００の内側に位置する。したがって、図３（ｃ）に示すように枠体２００の穴２０に電装ユニット３００の突起部３０が引っ掛けられた状態で作業者が手を離すと、電装ユニット３００の重心Ｇは、前奥方向における引っ掛け部１０の位置と一致した位置で重量的に釣り合う。すなわち、電装ユニット３００の重心Ｇは、引っ掛け部１０の真下に位置する。電装ユニット３００の突起部３０は、支持板３６に対して略垂直な方向に前側へ延在しているので、突起部３０は、電装ユニット３００の自重によって、枠体２００の穴２０に前側すなわちより挿し込む側へ向かう。電装ユニット３００がバランスを崩して前奥方向において奥側へ移動しても、突起部３０が穴２０から外れて電装ユニット３００が下方へ落下することはない。

【0022】

作業者は、電装ユニット３００を枠体２００の内側へ向かって押して電装ユニット３００を引っ掛け部１０を中心に枠体２００の内側へ向かって旋回させる。その後、ネジ４０によって電装ユニット３００を枠体２００に固定することができる。

【0023】

一方、本実施例とは異なり、仮に、電装ユニット３００がネジ４０によって枠体２００に固定されている状態で電装ユニット３００の重心Ｇが前奥方向において引っ掛け部１０より奥側にあるとする。その場合、ネジ４０によって電装ユニット３００を枠体２００に固定する前に穴２０に突起部３０が引っ掛けられた状態で作業者が手を離すと、突起部３０は、電装ユニット３００の自重によって、穴２０から奥側すなわち抜ける側へ向かう。突起部３０は、枠体２００の前側面２００ａに当接する爪部が設けられていないので、電装ユニット３００がバランスを崩して前奥方向において前側へ移動して突起部３０が穴２０から外れて電装ユニット３００が下方へ落下するおそれがある。そこで、本実施例においては、前述したように、電装ユニット３００がネジ４０によって枠体２００に固定されている状態で電装ユニット３００の重心Ｇが前奥方向において引っ掛け部１０より前側にあるように構成されている。

【0024】

ところで、電装ユニット３００がバランスを崩して前奥方向において奥側へ移動して突起部３０が穴２０から外れないように、枠体２００の前側面２００ａに当接する爪部を突起部３０に設けることが考えられる。図４は、爪部３１ａ及び３１ｂが設けられた突起部３１の第一の比較例を示す図である。第一の比較例の突起部３１は、突起部３１の先端部に水平方向に左右に延在する爪部３１ａ及び３１ｂが設けられている。枠体２００は、第一の比較例の突起部３１に係合する被係合部としての穴２１が設けられている。穴２１は、丁字形状を有する。図４（ａ）は、穴２１に係合する突起部３１の斜視図である。図４（ｂ）は、穴２１の水平断面図である。水平方向に延在する爪部３１ａ及び３１ｂが設けられた突起部３１を穴２１へ挿入することができるように、穴２１は、水平方向に幅広の部分を有する。図４（ｂ）に示すように、突起部３１に設けられた爪部３１ａ及び３１ｂは、突起部３１が穴２１に挿入されたときに枠体２００の前側面２００ａに当接可能である。これによって、電装ユニット３００がバランスを崩して前奥方向において奥側へ移動しても、爪部３１ａ及び３１ｂが枠体２００の前側面２００ａに当接するので突起部３１が穴２１から外れない。

【0025】

図５は、爪部３２ａが設けられた突起部３２の第二の比較例を示す図である。第二の比較例の突起部３２は、突起部３２の先端部に下方へ延在する爪部３２ａが設けられている。枠体２００は、第二の比較例の突起部３２に係合する被係合部としての穴２２が設けられている。穴２２は、鉛直方法に細長い矩形状を有する。図５（ａ）は、穴２２に係合する突起部３２の斜視図である。図５（ｂ）は、穴２２の水平断面図である。図５（ａ）に示すように、下方に延在する爪部３２ａが設けられた突起部３２を穴２２へ挿入することができるように、穴２２は、鉛直方向に細長い形状を有する。突起部３２に設けられた爪部３２ａは、突起部３２が穴２２に挿入されたときに枠体２００の前側面２００ａに当接可能である。これによって、電装ユニット３００がバランスを崩して前奥方向において奥側へ移動しても、爪部３２ａが枠体２００の前側面２００ａに当接するので突起部３２が穴２２から外れない。

【0026】

しかし、第一の比較例の穴２１は、爪部３１ａ及び３１ｂが設けられた突起部３１を穴２１へ挿入することができるように、水平方向に幅広の部分を有する。第二の比較例の穴２２は、爪部３２ａが設けられた突起部３２を穴２２へ挿入することができるように、鉛直方向に長い部分を有する。このため、第一の比較例及び第二の比較例では、大きな寸法の穴２１及び２２が設けられた枠体２００の強度が低下する。第一の比較例及び第二の比較例では、枠体２００の強度を維持するために枠体２００を更に大きくする必要がある。

【0027】

これに対して、本実施例の突起部３０は、爪部が設けられていないので、枠体２００に設けられる穴２０の形状をシンプルにし、且つ穴２０の開口面積を小さくすることができる。よって、本実施例によれば、第一の比較例及び第二の比較例に比べて、枠体２００の強度をより強くすることができる。本実施例によれば、枠体２００を更に大きくする必要がない。

【0028】

本実施例によれば、電装ユニット３００が枠体２００に固定されたときに電装ユニット３００の重心Ｇが引っ掛け部１０より前側に位置する。したがって、枠体２００に電装ユニット３００を固定する前に枠体２００の穴２０に電装ユニット３００の突起部３０を引っ掛けた状態で作業者が手を離しても、電装ユニット３００が引っ掛け部１０を中心に奥側（枠体２００の外側）へ旋回する。電装ユニット３００の重心Ｇが前奥方向において引っ掛け部１０の位置に一致した位置で重量的に釣り合い、電装ユニット３００の自重によって、突起部３０が穴２０により差し込む側に向かう。よって、枠体２００の穴２０に電装ユニット３００の突起部３０を引っ掛けた状態で作業者が手を離しても、電装ユニット３００が下方へ落下することはない。また、電装ユニット３００の突起部３０の形状はシンプルかつ小型化が可能であり、枠体２００の穴２０も大きくする必要がなく、その分、枠体２００の強度を得ることが可能であり、枠体２００の強度を得るための枠体２００の大型化が不要となる。

【0029】

本実施例によれば、枠体２００に設けられる穴２０の大きさを小さくすることができる。

【符号の説明】

【0030】

２０・・・穴
３０・・・突起部
４０・・・ネジ
１００・・・画像形成装置
２００・・・枠体
３００・・・電装ユニット
Ｇ・・・重心

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】