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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】共用部管理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20240617BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
G06Q10/10
G09B29/00 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020093979
(22)【出願日】2020-05-29
(65)【公開番号】P2021189716
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100172502
【弁理士】
【氏名又は名称】黒瀧 眞輔
(74)【代理人】
【識別番号】100092679
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 盛之助
(72)【発明者】
【氏名】川村 正太郎
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-086887(JP,A)
【文献】特開2018-181225(JP,A)
【文献】特開2016-224518(JP,A)
【文献】特開2019-169053(JP,A)
【文献】特開2011-170725(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数人で共用される什器または部屋である共用部が配された場所の地図を表示する地図表示部と、
一の前記共用部と1対1で紐付けられ前記一の共用部の空き状況を特定するための信号を送信する送信装置、の一覧を表示する送信装置一覧表示部と、
前記送信装置を前記一覧から前記地図上の任意の前記共用部にドラッグアンドドロップする操作を受け付けると、前記送信装置と前記任意の前記共用部を1対1に紐付けて記録する送信装置紐付部と、
を備える、共用部管理装置。
【請求項2】
前記送信装置一覧表示部が、前記一覧に表示される送信装置の各々について、前記共用部と紐付けられているか否かを示す情報を表示する、請求項1記載の共用部管理装置。
【請求項3】
前記共用部管理装置が、さらに、
前記一又は二以上の送信装置の各々から前記共用部の前記空き状況を特定するための信号を受信する空き状況受信部と、
前記空き状況情報に基づいて前記一又は二以上の共用部の空き状況を前記地図に重畳表示する空き状況表示部と、
を備える、
請求項1又は2に記載の共用部管理装置。
【請求項4】
前記空き状況表示部は、前記一又は二以上の共用部の各々について、前記地図上の対応する位置において前記共用部の空き状況を重畳表示する、
請求項3に記載の共用部管理装置。
【請求項5】
前記共用部管理装置が、さらに、
前記送信装置から送信される信号を中継する一又は二以上の中継装置を一覧表示する中継装置一覧表示部と、
前記中継装置の各々について、前記中継する前記信号を送信する前記送信装置とのペアリングを行うペアリング部と、
を備え、
前記送信装置一覧表示部は、管理者が指定した前記中継装置と前記ペアリングされた前記送信装置を一覧表示する、
請求項1~のいずれかに記載の共用部管理装置。
【請求項6】
前記送信装置紐付部が、前記ドラッグアンドドロップ操作が所定の入力操作を伴う場合に、前記地図上に設けた所定のグリッドにおける交点のうち前記ドラッグアンドドロップ操作により指定された位置と最も近い交点に位置する前記共用部を前記送信装置と紐付ける、請求項1~5のいずれかに記載の共用部管理装置。
【請求項7】
前記共用部管理装置が、さらに、任意の一又は二以上の前記送信装置を任意のグループとして設定するグループ設定部を備える、請求項1~6のいずれかに記載の共用部管理装置。
【請求項8】
コンピュータを請求項1~7のいずれかに記載の共用部管理装置として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は共用部管理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数人で共用されるスペースや部屋その他の共用部の利用状況を管理する情報システムとして、例えば特許文献1の在席管理システムが知られている。この在籍管理システムは、管理対象となる座席に備えたクレードルに利用者が自身の携帯電話機を置くと、当該クレードルから端末特定情報を読み取って管理装置に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-79654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、従来の技術では、例えば特許文献1におけるクレードルのような共用部の空き状況について信号を送信する装置の各々が、どの共用部に対応するかという情報を事前に設定登録する作業が不可欠である。管理対象となる共用部が多い場合には、上記設定登録する作業の労力は大きくなっていた。
【0005】
本発明は前述の問題を解決することを、その目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る共用部管理装置は、複数人で共用される什器または部屋である共用部が配された場所の地図を表示する地図表示部と、「一の前記共用部と1対1で紐付けられ前記一の共用部の空き状況を特定するための信号を送信する送信装置」の一覧を表示する送信装置一覧表示部と、前記送信装置を前記一覧から前記地図上の任意の前記共用部にドラッグアンドドロップする操作を受け付けると前記送信装置と前記任意の前記共用部を1対1に紐付けて記録する送信装置紐付部と、を備えることを特徴としている。
【0007】
ここでの「共用部」は、例えば、オフィス、学校、教育施設、または公共施設等であり、特定多数あるいは不特定多数の人で共用される什器または部屋である。ここでの「什器」には、例えば、椅子、ソファ、机、作業台、ベッド、棚、ロッカー等が含まれる。また、ここでの「部屋」には、例えば、会議室、教室、個室、間仕切りで仕切られたブース、等の空間や空間を形成するための部材が含まれる。また、ここでの「送信装置」は、一の共用部と1対1で紐付けられ一の共用部の空き状況を特定するための信号を送信する信号を送信する装置であれば特に限定されないが、例えば、共用部の利用者の操作に応じて信号を送信する端末や、供用者の存在を検知して信号を送信する機器が「送信装置」に含まれる。
【0008】
本発明に係る共用部管理装置は、前記送信装置一覧表示部が、前記一覧に表示される送信装置の各々について、前記共用部と紐付けられているか否かを示す情報を表示するようにしてもよい。
【0009】
本発明に係る共用部管理装置は、前記共用部管理装置が、さらに、前記一又は二以上の送信装置の各々から前記共用部の前記空き状況を特定するための信号を受信する空き状況受信部と、前記空き状況情報に基づいて前記一又は二以上の共用部の空き状況を前記地図に重畳表示する空き状況表示部と、を備えるようにしてもよい。
【0010】
本発明に係る共用部管理装置は、前記空き状況表示部は、前記一又は二以上の共用部の各々について、前記地図上の対応する位置において前記共用部の空き状況を重畳表示するようにしてもよい。
【0011】
本発明に係る共用部管理装置は、さらに、前記送信装置から送信される信号を中継する一又は二以上の中継装置を一覧表示する中継装置一覧表示部と、前記中継装置の各々について、前記中継する前記信号を送信する前記送信装置とのペアリングを行うペアリング部と、を備え、前記送信装置一覧表示部は、管理者が指定した前記中継装置と前記ペアリングされた前記送信装置を一覧表示するようにしてもよい。
【0012】
本発明に係る共用部管理装置は、前記送信装置紐付部が、前記ドラッグアンドドロップ操作が所定の入力操作を伴う場合に、前記地図上に設けた所定のグリッドにおける交点のうち前記ドラッグアンドドロップ操作により指定された位置と最も近い交点に位置する前記共用部を前記送信装置と紐付けるようにしてもよい。
【0013】
本発明に係る共用部管理装置は、さらに、任意の一又は二以上の前記送信装置を任意のグループとして設定するグループ設定部を備えるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、地図表示部が表示する地図上の任意の場所に、送信装置一覧表示部が表示する送信装置の一覧から送信装置をドラッグアンドドロップする操作を送信装置紐付部が受け付けることにより、当該ドラッグアンドドロップされた地図上の場所に配された共用部と送信装置を紐付ける構成である。この構成により、共用部の空き状況を管理する装置の導入を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態の一例における、共用部管理装置の全体的な構成を示す模式図である。
図2】同実施形態の一例における、送信装置の外観を示す正面斜視図である。
図3】同実施形態の一例における、送信装置の状態を示す正面図であり、(a)は使用中の状態を示す図であり、(b)は空きの状態を示す図である。
図4】同実施形態の一例における、送信装置紐付画面の構成を模式的に示す図である。
図5】同実施形態の一例における、空き状況表示画面の構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態の一例について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態における共用部管理装置100の全体的な構成を示す模式図である。本実施形態における共用部管理装置100は、複数人で共用される什器601又は部屋602である共用部600の空き状況、すなわち、任意の時点において当該共用部600が何人かに使用されているか否かの状況を送信装置500を用いて収集して表示するとともに、オフィス等の施設における送信装置500の導入を支援する装置である。すなわち、共用部管理装置100は、共用部の空き状況を検出する装置の導入を支援するための装置である。
昨今のオフィス環境では、作業者一人一人に固定した作業場所を割り当てずに、共用の作業机その他の什器を複数の作業者が共用するオープンスペースとして構築されることが増えている。この様なオフィス環境では、或る什器或いは部屋等の共用部の空き状況を容易に把握することが円滑な業務の遂行にとって望ましい。一方で、従来の技術では、共用部の空き状況について信号を送信する装置の各々が、どの共用部に対応するかという情報を事前に設定登録する作業が不可欠である。管理対象となる共用部が多い場合には、上記設定登録する作業の労力は大きくなっていた。共用部管理装置100では、この問題を解決可能である。
図1に示すように、共用部管理装置100は、地図表示部101と、送信装置一覧表示部102と、送信装置紐付部103と、空き状況受信部104と、空き状況表示部105、中継装置一覧表示部106と、ペアリング部107と、グループ設定部108を備えている。
【0017】
本実施形態における共用部管理装置100は、周知のサーバ用コンピュータを用いて構成されている。コンピュータのHDD(ハードディスクドライブ)等二次記憶装置に予め記憶されたプログラムを一次記憶領域であるメモリに読出し、CPU(中央演算装置)がこれを実行することでコンピュータを共用部管理装置100として機能させる。
【0018】
なお、本実施形態における前述の地図表示部101、送信装置一覧表示部102、送信装置紐付部103、空き状況表示部104、中継装置一覧表示部105、ペアリング部106、グループ設定部107は、何れもソフトウェアとして提供される機能であり、当該機能を発揮させるプログラムが共用部管理装置100を構成するサーバ用コンピュータのHDD等二次記憶装置に予め記憶されているが、共用部管理装置100の構成は任意に変更してよく、例えば上記のいずれかの機能をハードウェアとして専用のデバイスその他の構成としてもよいし、また、共用部管理装置100を二台以上のコンピュータにより構成するようにしてもよい。共用部管理装置100として用いるコンピュータも、サーバ用途のものに限られず、処理速度や耐久性等、共用部管理装置100に求められる性能を満たすものであれば一般的なパーソナルコンピュータ等を用いてもよい。
【0019】
地図表示部101は、共用部管理装置100による送信装置500の導入支援に際し、後述する管理者端末302のディスプレイ装置の所定の領域に後述する共用部600が配された場所、例えばオフィス等の施設の地図を表示する。
【0020】
送信装置一覧表示部102は、共用部管理装置100による送信装置500の導入支援に際し、後述する管理者端末302のディスプレイ装置の所定の領域に送信装置500の一覧を表示する。なお、後述するように、本実施形態では共用部管理装置100と送信装置500の通信を中継装置400が中継するように構成されており、送信装置一覧表示部102は、管理者が指定した一の中継装置400とペアリングされた送信装置500の一覧を表示する。
【0021】
送信装置紐付部103は、送信装置500の導入に際して、送信装置500と後述する共用部600の紐付けを行う。具体的には、管理者が管理者端末302を操作して、前述の送信装置一覧表示部102が表示した送信装置500の一覧から、任意の送信装置500を前述の地図表示部101が表示した地図上の共用部600にドラッグアンドドロップする操作を行うと、送信装置紐付部103が当該操作を受け付けて、ドラッグアンドドロップされた送信装置500と共用部600を1対1で紐付ける情報を生成し、共用部管理装置100に記憶する。
【0022】
空き状況受信部104は、共用部600の空き状況を特定するための信号を中継部400から受信する。後述するように、本実施形態では共用部管理装置100と送信装置500は直接通信せず、中継装置400が当該通信の中継を行うように構成されている。中継装置400は、当該中継装置400とペアリングされた送信装置500が送信する、空き状況を特定するための信号を受信すると、これを後述する通信ネットワーク200を介して共用部管理装置100に送信する。空き状況受信部104は、当該中継装置400が送信した信号を受信する。受信した信号は、後述する空き状況表示部105により使用される。なお、後述するように中継装置400を用いるか否かは任意に選択してよく、中継装置400を用いずに共用部管理装置100と送信装置500が直接通信する場合には、空き状況受信部104が送信装置500が送信した信号を受信するようにしてよい。
【0023】
空き状況表示部105は、前述の空き状況受信部104が受信した信号に基づいて、前述の地図を表示するとともに、当該地図上における共用部600の位置、すなわち、送信装置紐部103により送信装置500と紐付けられた共用部600の位置に、当該共用部600の空き状況を表示する。
【0024】
中継装置一覧表示部106は、共用部管理装置100と通信する、後述する中継装置400の一覧を表示する。前述の送信装置一覧表示部102は、中継装置一覧表示部106が表示する中継装置400から任意の中継装置400を選択すると、当該中継装置400とペアリングされた表示装置500の一覧を表示する。
【0025】
ペアリング部107は、中継装置400と送信装置500のペアリングを行う。本実施形態では、共用部管理装置100は後述する中継装置400を介して送信装置500が送信する信号を受信する。ペアリング部107は、送信装置500の導入に際して中継装置400と送信装置500のペアリング、すなわち、対になる中継装置400と送信装置500が相互に登録、認証等を行い、通信が可能な状態にするための事前の設定その他の処理を支援する。ペアリングの具体的な内容は中継装置400及び送信装置500の仕様に準じたものを任意に選択してよく、仕様に応じて、例えば通信相手となる装置を互いに登録するのみであってもよいし、相互に認証する処理が含まれていてもよい。
【0026】
グループ設定部108は、一又は二以上の送信装置500を任意のグループとして設定する。後述するように、本実施形態では、共用部600の空き状況を空き状況表示部105により表示する際に、共用部600が配された地図を縮小して表示する機能を備えている。当該機能を使用するに際して、送信装置500がいずれかのグループに属している場合には、当該送信装置500に紐付く共用部600の各々について空き状況を表示する構成に代えて、複数の共用部600を任意のグループとして集約し、当該グループ単位で空き状況を表示する。
【0027】
本実施形態における共用部管理装置100は、通信ネットワーク200を介して利用者端末301、管理者端末302、及び中継装置400と通信可能に接続されている。
【0028】
利用者端末301は、後述する共用部200の利用者が使用する端末であり、周知のパーソナルコンピュータ、或いは、タブレットコンピュータやスマートフォン、その他の通信機能を備えたコンピュータである。前述の空き状況表示部105は利用者端末301のディスプレイ装置上に共用部600の空き状況を表示する。
【0029】
前述の通り、本実施形態における共用部管理装置100はサーバ用コンピュータを用いて構成されているが、当該共用部管理装置100を遠隔地から操作するための端末が管理者端末302である。管理者端末302は前述の利用者端末301と同様に周知のパーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォンその他の通信機能を備えたコンピュータを用いてよい。
【0030】
本実施形態では、前述の通り、共用部管理装置100を操作し、または、共用部管理装置100が提供する機能を利用するために利用者端末301及び管理者端末302を備えており、当該利用者端末301及び管理者端末302はいわゆるクライアント端末として機能する構成としている。なお、クライアント端末を用いるか、及び、クライアント端末を用途又は利用者の種類に応じて別個の装置とするかは自由に選択してよく、例えば共用部管理装置100が後述する共用部600と同一又は近傍の場所に配置されている場合には、利用者端末301や管理者端末302を備えず、利用者及び管理者が直接共用部管理装置100を操作して、各機能の提供を受けるように構成してもよい。
【0031】
中継装置400は、共用部管理装置100と通信ネットワーク200を介して接続されるとともに、後述する送信装置500とペアリングされ、当該ペアリングされた送信装置500が送信する信号を受信して共用部管理装置100に中継する装置である。中継装置400を用いるか、或いは、中継装置400を用いずに共用部管理装置100が直接に送信装置500から信号を受信するようにするかは任意に選択してよいが、本実施形態では後述するように送信装置500が近距離無線通信により前述の信号を送信する装置であることから、送信装置500が送信する信号を受信可能な場所には中継装置400を配置し、当該中継装置400と共用部管理装置100は通信ネットワーク200を介して接続する構成としている。当該構成により共用部管理装置100は例えばデータセンタ等の遠隔地に配置することができる。なお、通信ネットワーク200は周知のネットワークを任意に選択してよく、例えば共用部管理装置100が遠隔地に配置される場合にはインターネット等の広域ネットワークを用いてよく、或いは、共用部管理装置100、利用者端末301、管理者端末302、及び中継装置400のすべてがオフィス等の同一施設内に配置される場合にはLAN(ローカルエリアネットワーク)であってもよい。
【0032】
送信装置500は、後述する共用部600と1対1で紐付けられ、当該紐付けられた共用部600の空き状況、すなわち、何人かが共用部600を使用中であるか否かについて特定するための信号を送信する装置である。図2は送信装置500の外観を示す正面斜視図であり、図2で示すように、送信装置500は外観上、開口部501aを備える筐体部501と、開口部501aに備えられた可動スイッチ部502及び標識部503から構成されている。
【0033】
図3は送信装置500の状態を示す正面図であり、(a)は使用中、(b)は空きの状態を示す図である。図2及び図3で示すように、可動スイッチ部502は開口部501a内を正面視左右方向にスライド可能に筐体部501に設置されており、可動スイッチ502を正面視左側にスライドさせると標識部503の正面視右側が露出し、送信装置500と紐付けられた共用部600が使用中であることを示す状態となる。一方で、可動スイッチ502を正面視右側にスライドさせると標識部503の正面視左側が露出し、送信装置500と紐付けられた共用部600は使用されていない、すなわち空いていることを示す状態となる。
【0034】
本実施形態における送信装置500では、可動スイッチ部502を正面視左右方向のいずれか一方にスライドすると、当該スライドした方向を示す情報が近距離無線通信により送信される。前述のように、本実施形態では送信装置500の可動スイッチ部502が正面視左側にスライドした状態が使用中を示し、正面視右側にスライドした状態が空きを示す構成であり、スライドした方向を示す情報は、送信装置500紐付けられた共用部600の空き状況を特定する情報として扱われる。なお、送信装置500が用いる近距離無線通信の具体的な内容、及び、信号の送信に必要な電力の確保は、周知の技術を適宜選択してよく、例えば、筐体501内部に蓄電池を設けてもよいし、或いは、可動スイッチ部502の移動により必要な電力を発電するようにしてもよい。
【0035】
共用部600は、作業机やプリンタその他の什器601、又は、ミーティングその他の用途に使用される部屋602であり、複数の利用者によって共用される対象である。本実施形態では、共用部管理装置100により共用部600と送信装置500が1対1の関係で紐付けられることにより、利用者が共用部600を使用する際、又は使用を終了する際に当該共用部600と紐付けられた送信装置500の可動スイッチ部502をスライドさせると、送信装置500が空き状況を特定するための信号を送信し、当該送信された信号を中継装置400が中継して共用部管理装置100の空き状況受信部104が受信する。受信した信号は、空き状況表示部105により使用される。
【0036】
以上が、本実施形態における共用部管理装置100の全体的な構成である。次いで、共用部管理装置100が提供する画面について説明する。
【0037】
図4は、共用部管理装置100の送信装置紐付画面W100の構成を模式的に示す図である。本実施形態の送信装置紐付画面W100は、共用部管理装置100により管理者端末302のディスプレイ装置に表示される画面であり、管理者により送信装置500と共用部600の紐付けを行う画面である。図4で示すように、送信装置紐付画面W100は、中継装置一覧領域W110と、送信装置一覧領域W120と、地図領域W130から構成されている。
【0038】
中継装置一覧領域W110は、前述の中継装置一覧表示部106により、中継装置400の一覧を表示する領域であり、中継装置名W111、中継装置製品ID W112、登録日W113、配置状態W114の各項目が中継装置400ごとに表示される。管理者が管理者端末302を操作して、中継装置一覧領域W110に表示された一覧から一の中継装置400を選択すると、当該選択した中継装置400とペアリングされた送信装置500の一覧が後述する送信装置一覧領域W120に表示される。
【0039】
送信装置一覧表示領域W120は、前述の送信装置一覧表示部102により、任意の中継装置400とペアリングされた送信装置500の一覧を表示する領域であり、送信装置500ごとに、送信装置名W121、送信装置製品ID W122、配置状態W123が表示される。
【0040】
地図領域W130は、前述の地図表示部101により、共用部600が配された場所の地図が表示される領域である。地図表示領域W130の送信装置紐付部103により紐付けが行われた共用部600の場所には、送信装置名W121をラベルとして有するアイコンW131が表示される。
【0041】
本実施形態における送信装置紐付画面W100において、管理者が管理者端末302を操作して、送信装置一覧表示領域W120に表示された送信装置500を地図領域W130に表示された地図上の共用部600にドラッグアンドドロップする操作を行うと、当該操作を共用部管理装置100の送信装置紐付部103が受け付ける。例えば管理者端末302がポインティングデバイスとしてマウスを用いる場合には、管理者が当該マウスを操作して、送信装置一覧表示領域W120に表示された表示装置500の一覧から任意の表示装置500にマウスカーソルを合わせてマウスの所定のボタンを押下し、当該ボタンを押下したままマウスカーソルを地図領域W130に表示された地図上の共用部600に移動してボタンを離すことにより、当該共用部600の位置に表示装置500をドラッグアンドドロップしたものとして扱われる。
【0042】
表示装置紐付部103は、上記のドラッグアンドドロップ操作を受け付けると、当該ドラッグアンドドロップ操作に基づいて送信装置500と共用部600を紐付ける処理を実行する。本実施形態では、ドラッグアンドドロップ操作された送信装置500及び地図上の共用部600を1対1の関係で紐付ける情報が生成され、共用部管理装置100内に記録される。
【0043】
また、本実施形態では、送信装置一覧表示領域W120において、送信装置500ごとに配置状態W123が表示される。当該配置状態W123では、一覧表示される送信装置500のそれぞれについて、前述の共用部600との紐付けが行われたか否かを示す情報が表示される。表示の具体的な内容については任意に選択してよいが、本実施形態では、既に紐付けが行われている送信装置500については「済」、未だ紐付けが行われていない送信装置500については「未」が表示される。
【0044】
なお、本実施形態では前述の通り、送信装置500と共用部600が1対1の関係で紐付けられるが、前述のドラッグアンドドロップ操作により指定される地図上の位置は共用部600の位置を示すものであり、表示装置500の位置か否かは問わない。前述の通り、本実施形態における送信装置500は可動スイッチ部502と標識部503を備え、当該標識部503によって送信装置500自体が共用部600の空き状況を表示する機能を有する装置である。例えば、複数の部屋602について、当該複数の部屋602の空き状況を一括して把握できるようにするために、これと対応する表示装置500は一ヵ所にまとめて設置したいという要望が生じた場合には、表示装置500が配される位置と、当該表示装置500に対応する共用部600が配される位置は一致しない。本実施形態ではこのような状況に対応できることを想定しており、前述の表示装置紐付部103は、表示装置500と、当該表示装置500によって空き状況を把握したい共用部600の位置を紐付けるものである。
【0045】
また、本実施形態では、前述のドラッグアンドドロップ操作が所定の入力操作を伴う場合には、地図領域W130に表示される地図上に設けた所定のグリッドにおける交点(図示しない)のうち、ドラッグアンドドロップ操作により指定された位置と最も近い交点に位置する共用部600を送信装置500と紐付ける。所定の入力操作は任意に選択してよいが、本実施形態では管理者端末302が備えるキーボードのSHIFTキーを押下する操作を所定の入力操作としている。また、グリッドの列数や行数、間隔等は任意に設定してよい。
【0046】
送信装置紐付部103による紐付処理が行われた共用部600については、共用部600の各々と1対1の関係で紐付く各送信装置500が送信する信号を中継装置400を介して空き状況受信部104が受信することにより、共用部管理装置100に空き状況が収集される。当該収集された空き状況は、空き状況表示部105により利用者端末のディスプレイ装置に表示される空き状況表示画面により閲覧することができる。図5は、空き状況表示画面W200の模式的な構成を示す図である。
【0047】
図5で示すように、空き状況表示画面W200には、共用部600が配された場所の地図W201が表示されると共に、当該地図上における共用部600が配された位置に、当該共用部600の空き状況として、使用中を示すアイコンW202及び/又は空きを示すアイコンW203が重畳表示される。
【0048】
空き状況を示すアイコンW202、W203は、前述の空き状況受信部104が受信した信号、すなわち、送信装置500が送信した共用部600の空き状況を特定するための信号に基づいて、使用中を示すアイコンW202又は空きを示すアイコンW203のいずれかが表示される。
【0049】
また、本実施形態の空き状況表示部105は、共用部600が配された地図を縮小して表示する機能を有する。縮小して地図を表示する場合には、アイコンW202、W203に替えて、前述のグループ設定部108で設定したグループごとに空き状況を示すアイコン(図示しない)が表示される。グループ単位でのアイコンの表示は任意に選択してよく、例えば、グループに属する共用部600の数を母数、当該グループ内において使用中の共用部600の数を分子とする分数形式で空き状況を表示するアイコンとしてよい。
【0050】
本発明実施形態の説明は以上である。なお、本発明の実施の形態は前述の形態に限られない。例えば、本実施形態では送信装置500が送信する信号は、中継装置400により中継されて共用部管理装置100の空き状況受信部104で受信する構成であるが、中継装置400を用いるか否かは任意に選択してよい。また、共用部管理装置100を何台のコンピュータにより構成するかについても任意に選択してよく、利用者端末301及び管理者端末302の機能も含めて一台のコンピュータにより構成してもよい。また、共用部管理装置100のユーザを利用者と管理者に分けるか否かも任意に選択してよい。
【0051】
その他の構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0052】
100 共用部管理装置
101 地図表示部
102 送信装置一覧表示部
103 送信装置紐付部
104 空き状況受信部
105 空き状況表示部
106 中継装置一覧表示部
107 ペアリング部
108 グループ設定部
200 通信ネットワーク
301 利用者端末
302 管理者端末
400 中継装置
500 送信装置
600 共用部
601 什器
602 部屋

図1
図2
図3
図4
図5