IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝ライフスタイル株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-通信システム、及び、家電 図1
  • 特許-通信システム、及び、家電 図2
  • 特許-通信システム、及び、家電 図3
  • 特許-通信システム、及び、家電 図4
  • 特許-通信システム、及び、家電 図5
  • 特許-通信システム、及び、家電 図6
  • 特許-通信システム、及び、家電 図7
  • 特許-通信システム、及び、家電 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】通信システム、及び、家電
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20240617BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
H04M11/00 301
H04Q9/00 301D
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020096435
(22)【出願日】2020-06-02
(65)【公開番号】P2021190926
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 達也
(72)【発明者】
【氏名】丸谷 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】瀧川 正史
(72)【発明者】
【氏名】金山 将也
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-537322(JP,A)
【文献】特開2020-067824(JP,A)
【文献】国際公開第2013/035213(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/168032(WO,A1)
【文献】特開2012-231260(JP,A)
【文献】特開2013-153322(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 11/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の接続方式に従った操作が端末装置と家電のそれぞれに行われる場合に、前記端末装置と前記家電の間に第1の無線接続を確立する第1の確立部と、
前記所定の接続方式に従った操作が前記家電とルータのそれぞれに行われる場合に、前記家電と前記ルータの間に第2の無線接続を確立する第2の確立部と、
を備え
前記家電は、前記第1の無線接続を利用して、前記端末装置から前記端末装置に記憶されている端末情報を受信し、
前記家電は、前記第2の無線接続を利用して、前記ルータを介して、前記端末装置から受信された前記端末情報と前記家電に記憶されている家電情報とをサーバに送信し、
記端末装置に記憶されている前記端末情報、前記家電に記憶されている前記家電情報と関連付けられる、通信システム。
【請求項2】
前記所定の接続方式は、前記端末装置と前記家電との間で前記第1の無線接続を確立するための所定の通信が実行されている間において、前記端末装置と前記家電のうちのいずれが他の無線接続を確立するための信号を受信する場合に、前記所定の通信を停止するように構成されている、請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記通信システムは、さらに、
前記家電情報が前記サーバに既に登録されている場合に、前記家電情報が前記サーバに既に登録されていることを報知する報知処理を実行する報知制御部を備える、請求項1又は2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記家電は、前記第1の無線接続を利用した通信が完了した後も、前記第1の無線接続を確立するための確立情報を保持し、
前記家電は、前記第1の無線接続を利用した通信が完了した後に、前記確立情報を利用して、前記端末装置との無線接続を確立可能である、請求項1からのいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項5】
前記家電は、前記第1の無線接続を利用した通信が完了した後に、前記第1の無線接続を確立するための確立情報を破棄する、請求項1からのいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項6】
前記家電は、
前記端末装置との前記第1の無線接続を確立する場合に、前記第1の無線接続を確立することを報知するための第1の報知動作を実行し、
前記ルータとの前記第2の無線接続を確立する場合に、前記第2の無線接続を確立することを報知するための第2の報知動作であって、前記第1の報知動作とは異なる前記第2の報知動作を実行する、請求項1から5のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項7】
前記第1の報知動作は、第1の音を出力することを含み、
前記第2の報知動作は、前記第1の音とは異なる第2の音を出力することを含む、請求項に記載の通信システム。
【請求項8】
前記第1の報知動作は、第1の態様でライトを点灯することを含み、
前記第2の報知動作は、前記第1の態様とは異なる第2の態様で前記ライトを点灯することを含む、請求項又はに記載の通信システム。
【請求項9】
家電であって、
操作部と、
所定の接続方式に従った操作が端末装置と前記操作部のそれぞれに行われる場合に、前記端末装置と前記家電の間に第1の無線接続を確立する第1の確立部と、
前記所定の接続方式に従った操作が前記操作部とルータのそれぞれに行われる場合に、前記家電と前記ルータの間に第2の無線接続を確立する第2の確立部と、
前記第1の無線接続を利用して、前記端末装置から前記端末装置に記憶されている端末情報を受信する受信部と、
前記第2の無線接続を利用して、前記ルータを介して、前記端末装置から受信された前記端末情報と前記家電に記憶されている家電情報とをサーバに送信する送信部と、
を備え、
前記端末装置に記憶されている前記端末情報、前記家電に記憶されている前記家電情報と関連付けられる、家電。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、家電とサーバの間の通信のための設定に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、家電製品の遠隔サービスの提供を受けるための設定方法が開示されている。当該設定方法では、ユーザは、ユーザサイトに接続して、サービスを受けようとする家電製品固有のデバイスIDを入力する。ユーザサイトは、ユーザIDとマッチングされたデバイスIDをサーバに送信する。これにより、デバイスIDがサーバに登録される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-050711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の設定方法では、ユーザは、デバイスIDを入力する。方法では、ユーザはデバイスIDを覚えなければならず、煩わしさを感じ得る。
【0005】
本明細書では、上記の設定方法とは異なる新規で簡単な設定方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する通信システムは、所定の接続方式に従った操作が端末装置と家電のそれぞれに行われる場合に、前記端末装置と前記家電の間に第1の無線接続を確立する第1の確立部を備え、前記第1の無線接続は、前記端末装置に記憶されている端末情報と、前記家電に記憶されている家電情報と、を関連付けるために利用される。
【0007】
本明細書が開示する家電は、操作部と、所定の接続方式に従った操作が端末装置と前記操作部のそれぞれに行われる場合に、前記端末装置と前記家電の間に第1の無線接続を確立する第1の確立部と、を備え、前記第1の無線接続は、前記端末装置に記憶されている端末情報と、前記家電に記憶されている家電情報と、を関連付けるために利用される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】通信システムの構成を示す。
図2】端末と家電のブロック図である。
図3】サーバのブロック図である。
図4】所定の接続方式の概要を示す。
図5】第1実施例に係る登録処理のシーケンス図である。
図6】第1従来例を示す。
図7】第2従来例を示す。
図8】第2実施例に係る登録処理及び中継処理のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(通信システム2の構成;図1
図1に示されるように、通信システム2は、端末装置10と、家電100と、ルータ300と、サーバ500と、を備える。サーバ500は、インターネット6に接続されており、家4外に設置されている。家電100と、ルータ300は、家4内に設置されている。端末装置10は、可搬型の端末装置である。
【0010】
サーバ500は、家電(例えば100)を遠隔操作するためのサービスを提供するサーバである。例えば、サーバ500は、端末装置(例えば10)から遠隔操作のための指示コマンドを受信すると、当該指示コマンドを家電に送信する。これにより、家電の遠隔操作が実現される。
【0011】
ルータ300は、家4内の機器(例えば10)とインターネット6上のサーバ(例えば500)との間の通信を中継する。ルータ300は、インターネット6に接続されており、家4内のLAN(ローカルエリアネットワーク)を形成している。LANは、Wi-Fiに従った無線LANである。なお、変形例では、LANは、有線LANでもよい。
【0012】
ルータ300は、ルータ300によって形成される無線LANを識別するためのSSID(Service Set Identifierの略)「ss300」と、ルータ300との接続を確立するための認証に利用されるパスワード「xxxx」と、を記憶する。
【0013】
端末装置10は、例えば、スマートフォン、ノートPC、タブレットPC等である。なお、変形例では、端末装置10は、デスクトップPC等の据置型の端末装置であってもよい。端末装置10は、ルータ300によって形成されるLANに接続されることによって、インターネット6を介して、サーバ(例えば500)と通信することができる。
【0014】
家電100は、例えば、冷蔵庫、エアコン、レンジオーブン、洗濯機、空気清浄機等の家4内に設置される機器である。家電100は、ルータ300によって形成されるLANに接続されることによって、インターネット6を介して、サーバ(例えば500)と通信することができる。
【0015】
(端末装置10の構成;図2
端末装置10は、無線LANインターフェース12と、移動体通信インターフェース13と、操作部14と、表示部16と、制御部30と、を備える。各部12~30は、バス線(符号省略)に接続されている。なお、以下では、インターフェースのことを「I/F」と記載する。
【0016】
無線LANI/F12は、ルータ(例えば300)によって形成される無線LANに接続して、当該無線LANを介した通信を実行するためのI/Fである。移動体通信I/F13は、移動体通信(例えば3G、4G、5G)の基地局によって形成されるネットワークに接続して、移動体通信に従った通信を実行するためのI/Fである。
【0017】
操作部14は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部14を操作することによって、様々な指示を端末装置10に入力することができる。表示部16は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部16は、ユーザの指示を受け付けるための操作部(いわゆるタッチパネル)としても機能してもよい。
【0018】
制御部30は、CPU32と、メモリ34と、を備える。CPU32は、メモリ34に記憶されているアプリケーションプログラム40(以下では、「アプリ40」と呼ぶ)に従って、様々な処理を実行する。アプリ40は、家電100のベンダによって提供され、例えば、ベンダによって提供されるインターネット上のサーバ(図示省略)から端末装置10にインストールされてもよいし、家電100と共に出荷されるメディアから端末装置10にインストールされてもよい。
【0019】
また、メモリ34は、さらに、サーバ500が提供するサービスを利用するユーザに関するユーザ情報UIを記憶する。ユーザ情報UIは、例えば、ユーザアカウント(即ちアカウント名とパスワード)である。例えば、端末装置10は、ユーザ情報UIをサーバ500に送信する。サーバ500は、ユーザ情報UIを利用して、端末装置10のユーザを認証する。即ち、端末装置10が、サーバ500にログインする。サーバ500は、当該ユーザの認証が成功する場合に、サービスを利用するためのウエブページを表示するためのデータを端末装置10に送信する。これにより、ユーザは、端末装置10を操作して、サーバ500が提供するサービスを利用することができる。
【0020】
(家電100の構成;図2
家電100は、無線LANI/F112と、操作部114と、ライト116と、制御部130と、を備える。各部112~130は、バス線(符号省略)に接続されている。無線LANI/F112は、端末装置10の無線LANI/F12と同様である。操作部114は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部114を操作することによって、様々な指示を家電100に入力することができる。ライト116は、例えば、LEDライトである。ライト116は、様々な色を発光可能である。
【0021】
制御部130は、CPU132と、メモリ134と、を備える。CPU132は、メモリ134に記憶されているプログラム140に従って、様々な処理を実行する。プログラム140は、例えば、ファームウエアである。
【0022】
また、メモリ134は、さらに、家電100を識別するためのIDである機器ID「ha01」を記憶する。
【0023】
(サーバ500の構成;図5
サーバ500は、ネットワークI/F512と、制御部530と、を備える。ネットワークI/F512は、インターネット6に接続して、インターネット6を介した通信を実行するためのI/Fである。
【0024】
制御部530は、CPU532と、メモリ534と、を備える。CPU532は、メモリ534に記憶されているプログラム540に従って、様々な処理を実行する。メモリ534は、さらに、登録テーブル542を記憶する。
【0025】
登録テーブル542は、家電(例えば100)を遠隔操作するための情報を登録するためのテーブルである。登録テーブル542は、複数のユーザのそれぞれについて、当該ユーザに関するユーザ情報と、当該ユーザが利用する家電の機器IDと、を関連付けて登録する(記憶する)。登録テーブル542内の情報は、後述する登録処理(図5参照)によって登録テーブル542に登録される。
【0026】
(所定の接続方式の概要;図4
図5の登録処理を説明する前に、図4を参照して、当該登録処理において利用される所定の接続方式について説明する。なお、本実施形態における所定の接続方式は、例えば、WPS(Wi-Fi Protected Setup(登録商標)の略)のプッシュボタン方式である。
【0027】
(正常なケースA1)
ケースA1は、所定の接続方式に従った操作が行われることに応じて、無線LAN接続が正常に確立されるケースである。
【0028】
S10では、ユーザは、ルータ300の接続ボタンを操作する。接続ボタンは、例えば、WPSのプッシュボタンに従った処理の実行を指示するためのボタンである。接続ボタンは、例えば、ルータ300の表面に設けられている。
【0029】
ルータ300は、S10において、接続ボタンの操作を受け付けると、S12において、所定の接続方式に従った接続モードを開始する。接続では、ルータ300は、無線接続を管理する管理装置(いわゆるRegistrar)としての動作を開始し、無線接続の確立を要求する要求装置(いわゆるEnrollee)として動作する他の機器(例えば端末装置10)から後述のプローブ要求の受信を待機する。
【0030】
続くS20では、ユーザは、端末装置10の方の接続ボタンを操作する。端末装置10の接続ボタンは、例えば、タッチパネルに表示される画面内のボタンである。
【0031】
端末装置10は、S20において、接続ボタンの操作を受け付けると、要求装置として動作を開始し、S22において、無線LANI/F12を介して、プローブ要求をブロードキャストで送信する。これにより、プローブ要求が、管理装置として動作しているルータ300によって受信される。プローブ要求には、自機すなわち端末装置10が所定の接続方式に従った接続モードであることを示す情報や、端末装置10の識別情報が含まれている。
【0032】
ルータ300は、S22において、接続モードの開始から所定の動作時間(例えば2分)が経過するまでの間にプローブ要求を受信すると、S24において、プローブ要求に対する応答(いわゆる「プローブ応答」)を端末装置10(即ち要求装置)に送信する。これにより、端末装置10とルータ300との双方において、接続ボタンが操作されたことが認証される。
【0033】
端末装置10(即ち要求装置)は、S24において、ルータ300からプローブ応答を受信すると、S30において、所定の接続方式に従った接続処理(いわゆるRegistration Protocol)をルータ300(即ち管理装置)と実行する。当該接続処理は、ルータ300のSSIDやパスワードを端末装置10に送信する処理を含む。これにより、端末装置10とルータ300との間に、無線LAN接続が確立される。別言すれば、ルータ300は親局として動作して無線LANを形成し、端末装置10は、当該無線LANの子局として動作する。S30が終了することにより、所定の接続方式に従った無線接続の確立が完了する。
【0034】
(正常でないケースA2)
ケースA2は、所定の接続方式に従った操作が行われることに応じて、無線LAN接続が正常に確立されないケースである。
【0035】
S40、S42は、S10、S12と同様である。本ケースでは、ユーザは、S50Aにおいて、端末装置10の接続ボタンを操作するだけでなく、S50Bにおいて、端末装置10とは異なる端末装置20の接続ボタンを操作する。これにより、ルータ300は、S52A及びS52Bにおいて、2個の端末装置10、20のそれぞれからプローブ要求を受信する。この場合には、ルータ300は、S54において、接続モードの開始から所定の動作時間(例えば2分)が経過する前にプローブ要求を受信する場合であっても、接続モードを終了する。即ち、ルータ300は、上記の接続処理の開始を受け付けず、無線接続を確立するための通信を停止する。この結果、端末装置10とルータ300との間に、無線LAN接続が確立されない。
【0036】
(正常でないケースA3)
ケースA3も、所定の接続方式に従った操作が行われることに応じて、無線LAN接続が正常に確立されないケースである。
【0037】
S60A、S62Aは、S10、S12と同様である。本ケースでは、ユーザは、S60Aにおいて、ルータ300の接続ボタンを操作するだけでなく、S60Bにおいて、ルータ300とは異なるルータ320の接続ボタンを操作する。即ち、2個のルータ300、320が、同時的に接続モードを開始する(S62A、S62B)。
【0038】
S70は、S20と同様である。本ケースでは、端末装置10が送信したプローブ要求は、2個のルータ300、320のそれぞれによって受信される(S72A、S72B)。この結果、端末装置10は、2個のルータ300、320のそれぞれから、プローブ応答を受信する(S74A、S74B)。この場合には、端末装置10(即ち要求装置)は、上記の接続処理の開始を受け付けず、無線接続を確立するための通信を停止する。この結果、端末装置10とルータ300との間に、無線LAN接続が確立されない。
【0039】
上記したように、所定の接続方式は、2個の装置の間に無線接続を確立する場合に、2個の装置のそれぞれの接続ボタンを操作する方式である。別言すれば、ルータ300のSSIDに対応するパスワードを端末装置10に入力しない方式である。このため、ユーザは、端末装置10とルータ300との間の無線LAN接続を簡単に設定することができる。なお、変形例では、「所定の接続方式」は、WPSのPINコード方式でもよい。PINコード方式でも、ユーザはキーよりも短いPINコードを端末装置10に入力するので、当該無線LAN接続を簡単に設定することができる。
【0040】
また、上記したように、所定の接続方式は、1個の端末装置10と1個のルータ300との間で正常に動作する方式であり、1個と複数との間では正常に動作しない方式である。すなわち、端末装置10とルータ300が、所定の接続方式に従った接続モードで動作している間において、端末装置10とルータ300とも異なる装置(例えば端末装置20)から端末装置10とルータ300のいずれかに信号が受信されない場合に、端末装置10とルータ300の無線接続が確立される。別言すれば、端末装置10とルータ300が、所定の接続方式に従った接続モードで動作している間において、当該異なる装置から端末装置10とルータ300のいずれかに信号が受信される場合に、端末装置10とルータ300の無線接続が確立されない。なお、WPSにおけるPINコード方式も同様である。これに対して、ルータ300のSSIDに対応するパスワードを端末装置10に入力して端末装置10とルータ300との間に無線LAN接続を確立する方式では、複数の端末が存在する場合であっても、複数のルータが存在する場合であっても、パスワードの認証が成功するときには、端末装置10とルータ300との間に無線LAN接続が確立される。
【0041】
(登録処理;図5
図5を参照して、ユーザ情報と機器IDを登録テーブル542に登録する登録処理について説明する。ユーザ情報と機器IDが登録テーブル542に登録されることによって、端末装置10を利用して、登録テーブル542内の機器IDによって識別される家電を遠隔操作することが可能となる。なお、家電100と端末装置10との間の通信は、無線LANI/F12及び112を介して実行される。また、家電100とルータ300との間の通信は、無線LANI/F112を介して実行される。また、サーバ500と家電100との間の通信は、ネットワークI/F512、インターネット6及びルータ300を介して実行される。以下では、理解の容易さの観点から、当該通信を説明する際に、「無線LANI/F12(又は112)を介して」、「ネットワークI/F512を介して」、「インターネット6を介して」、及び「ルータ300を介して」という説明を省略する場合がある。さらに、理解の容易さの観点から、機器のCPU(例えば、端末装置10のCPU32)がプログラム(例えば、アプリ40)に従って実行する処理を、CPUを主体として説明せず、機器を主体として説明する場合がある。
【0042】
ユーザは、S110において、家電100の操作部114内の接続ボタンを操作する。接続ボタンは、例えば、家電100の表面に設けられている。なお、変形例では、接続ボタンは、例えば、家電100のタッチパネル(図示省略)に表示される画面内のボタンであってもよい。
【0043】
家電100は、S110において接続ボタンの操作を受け付けると、S112において、所定の接続方式に従った接続モードを開始する。即ち、家電100は、所定の接続方式における管理装置としての動作を開始する。
【0044】
S114では、家電100は、ライト116を第1の態様(例えば赤色)で点灯させる。第1の態様は、端末装置10との第1の無線LAN接続(後述のS130参照)をこれから確立すること及び当該第1の無線LAN接続が現在確立されていることをユーザに報知するための態様である。ユーザは、第1の態様で点灯されているライト116を見ることによって、端末装置10との第1の無線LAN接続の処理中であることを知ることができる。
【0045】
また、ユーザは、S120において、端末装置10を操作して、アプリ40を起動する。これにより、接続ボタンを含む画面が端末装置10の表示部16に表示される。そして、ユーザは、表示部16の画面内の接続ボタンを操作する。これにより、端末装置10は、所定の接続方式における要求装置として動作を開始して、所定の接続方式に従った接続処理を家電100(即ち管理装置)と実行する。これにより、S130において、端末装置10と家電100との間に第1の無線LAN接続が確立される。別言すれば、家電100は親局として動作して無線LANを形成し、端末装置10は、当該無線LANの子局として動作する。なお、接続処理では、家電100は、端末装置10との無線LAN接続を確立するための確立情報をメモリ134に記憶する。確立情報は、例えば、端末装置10(即ち子局)に関する情報(例えばMACアドレス)を含む。
【0046】
続くS132では、端末装置10は、第1の無線LAN接続を利用して、端末装置10のメモリ34内のユーザ情報UIを家電100に送信する。
【0047】
家電100は、S132において、端末装置10からユーザ情報UIを受信すると、S134において、受信済みのユーザ情報UIをメモリ134内の機器ID「ha01」と関連付けてメモリ134に記憶する。
【0048】
S136では、家電100は、端末装置10との通信を終了して、端末装置10との第1の無線LAN接続を切断する。さらに、家電100は、接続モードで動作することを禁止する。別言すれば、家電100は、操作部114内の接続ボタンが操作される場合に、接続モードを開始せず、要求装置としての動作を開始する。
【0049】
また、本実施例では、家電100は、S136において、確立情報を破棄する。これにより、家電100は、第1の無線LAN接続が切断された後において、端末装置10との第1の無線LAN接続を再び確立することができない。例えば、図5の処理が終了した後も家電100が確立情報を保持して無線LANの親局として動作可能な比較例が想定される。この比較例では、図5の処理が終了した後に、端末装置10は、接続先の親局として、ルータ300だけでなく、家電100も選択可能である。このため、端末装置10において接続先を選択する処理が実行され、無線LAN接続を確立するまでの時間が比較的に長くなり得る。これに対して、本実施例では、家電100は確立情報を破棄し無線LANの親局として動作不可能であるので、端末装置10において接続先として家電100を選択することが抑制される。接続先として家電100を選択する処理が実行されないので、端末装置10において無線LAN接続を確立するまでの時間を比較的に短くすることができる。
【0050】
また、家電100が、例えば、家電100が洗濯機等である場合、家電100の電源は自動的にオフされ得る。上記の比較例において家電100が洗濯機等である場合には、端末装置10と家電100との間の無線LAN接続が、家電100の電源オフに起因して切断され得る。この場合、端末装置10は他の接続先(例えばルータ300)との無線LAN接続の確立を試行する。端末装置10が接続先を切り替えることとなるため、端末装置10の通信状況が不安定になり得る。これに対して、本実施例では、家電100は無線LANの親局として動作不可能であるので、上記のように家電100の電源オフに起因して端末装置10が接続先を切り替えることが抑制される。端末装置10の通信状況が不安定になることが抑制される。
【0051】
S138では、家電100は、ライト116を消灯する。これにより、ユーザは、第1の無線LAN接続を利用した通信、即ち、ユーザ情報UIと機器ID「ha01」とを関連付けるための通信が終了したことを知ることができる。
【0052】
次に、家電100とルータ300との間の第2の無線LAN接続を確立するための処理が実行される。まず、ユーザは、S160において、ルータ300の接続ボタンを操作する。これにより、ルータ300は、S162において、接続モードを開始する。
【0053】
続くS170では、ユーザは、家電100の接続ボタンを操作する。上記のS136において、接続モードで動作することが禁止されているので、家電100は、所定の接続方式における要求装置として動作を開始する。
【0054】
S174では、家電100は、ライト116を上記の第1の態様とは異なる第2の態様(例えば青色)で点灯させる。第2の態様は、端末装置10との第2の無線LAN接続(後述のS180参照)をこれから確立すること及び当該第2の無線LAN接続が現在確立されていることをユーザに報知するための態様である。ユーザは、第2の態様で点灯されているライト116を見ることによって、ルータ300との第2の無線LAN接続の処理中であることを知ることができる。
【0055】
S180では、家電100は、所定の接続方式に従った接続処理をルータ300(即ち管理装置)と実行する。そして、家電100とルータ300との間に第2の無線LAN接続が確立される。別言すれば、ルータ300は親局として動作して無線LANを形成し、家電100は、当該無線LANの子局として動作する。
【0056】
続くS182では、家電100は、第2の無線LAN接続を利用して、ルータ300及びインターネット6を介して、ユーザ情報UIと機器ID「ha01」の登録を要求する登録要求をサーバ500に送信する。登録要求は、S134でメモリ134に記憶された情報(即ちユーザ情報UIと機器ID「ha01」)を含む。
【0057】
サーバ500は、S182において、家電100から登録要求を受信すると、S184において、受信済みの登録要求内の機器ID「ha01」が登録テーブル542に既に登録されているのか否かを判断する。サーバ500は、受信済みの登録要求内の機器ID「ha01」が登録テーブル542に既に登録されていると判断する場合(S184でYES)に、S186において、報知処理を実行する。報知処理は、例えば、機器ID「ha01」が登録テーブル542に既に登録されていることを示す所定の信号を家電100に送信することを含む。家電100は、サーバ500から所定の信号を受信すると、ライト116を上記の第1及び第2の態様とは異なる第3の態様(例えば黄色)で点灯させる。ユーザは、第3の態様で点灯されているライト116を見ることによって、家電100の機器ID「ha01」が登録テーブル542に既に登録されていることを知ることができる。報知処理が実行される状況は、例えば、機器ID「ha01」がユーザ情報UIとは異なる他のユーザ情報と関連付けて登録されている状況である。例えば、ユーザは、サーバ500にログイン中の端末装置10を操作して、登録済みの他のユーザ情報を削除する。そして、図5の処理を再び実行することにより、機器ID「ha01」をユーザ情報UIに関連付けて登録することができる。なお、「報知処理」は、ライト116を第3の態様で点灯することに限らず、例えば、所定の画面を家電100のディスプレイ(図示省略)に表示すること、所定の音を家電100のスピーカ(図示省略)から出力することであってもよい。
【0058】
また、サーバ500は、受信済みの登録要求内の機器ID「ha01」が登録テーブル542に登録されていないと判断する場合(S184でNO)に、S188において、登録要求内の情報(即ちユーザ情報UIと機器ID「ha01」)を登録テーブル542に登録する。これにより、ユーザは、家電100を遠隔操作するためのサービスを利用することができる。具体的には、ユーザは、家4外において、サーバ500にログイン中の端末装置10を操作して、家電100の遠隔操作を指示する。これにより、端末装置10は、移動体通信I/F13を介して、S190において、当該指示を示す指示コマンドをサーバ500に送信する。そして、サーバ500は、S192において、インターネット6及びルータ300を介して、第2の無線LAN接続を利用して、端末装置10から受信した指示コマンドを家電100に送信する。これにより、家電100は、受信済みの指示コマンドに従った動作を実行する。
【0059】
(本実施例の効果)
本実施例の構成によれば、ユーザは、家電100と端末装置10のそれぞれの接続ボタンを操作する(図5のS110、S120)。これら操作をすることにより、第1の無線LAN接続が確立され、当該第1の無線LAN接続を利用して、端末装置10に記憶されているユーザ情報UIと、家電100に記憶されている機器ID「ha01」が関連付けられる(S134)。ユーザは、所定の接続方式に従った操作を各装置に実行するだけでよい。ユーザは、家電100を遠隔操作するためのサービスの提供を受けるための情報の関連付けを簡単に行うことができる。
【0060】
さらに、ユーザは、ルータ300と家電100のそれぞれの接続ボタンも操作する(S160、S170)。これら操作をすることにより、ユーザ情報UIと機器ID「ha01」のサーバ500への登録が完了する(S188)。ユーザは、サーバ500への登録についても所定の接続方式に従った操作を各装置に実行するだけでよい。ユーザは、家電100を遠隔操作するためのサービスの提供を受けるための設定を簡単に行うことができる。
【0061】
(第1従来例;図6
例えば、従来の登録処理として、図6に示す第1従来例が知られている。本従来例では、家電900は、接続モードで(即ち管理装置として)動作する機能を有しない。ユーザは、Y100において、ルータ300の接続ボタンを操作する。これにより、ルータ300は、Y102において、接続モードを開始する。さらに、ユーザは、Y110において、端末装置10の接続ボタンを操作する。これにより、Y130において、端末装置10とルータ300との間に第3の無線LAN接続が確立される。
【0062】
次いで、ユーザは、Y140において、ルータ300の接続ボタンを再び操作する。これにより、ルータ300は、Y142において、接続モードを再び開始する。さらに、ユーザは、Y150において、家電900の接続ボタンを操作する。これにより、Y160において、家電900とルータ300との間に第4の無線LAN接続が確立される。この結果、ルータ300が形成する無線LANに、端末装置10と家電900の双方が子局として参加する。
【0063】
次いで、ユーザは、Y162において、登録要求の送信の指示を端末装置10に入力する。これにより、端末装置10は、Y164A、Y164Bにおいて、第3及び第4の無線LAN接続を利用して、ルータ300を介して、無線LAN内の家電をサーチするためのサーチ信号をブロードキャストで送信する。そして、端末装置10は、Y166A、Y166Bにおいて、家電900から当該サーチ信号に対する応答を受信する。当該応答は、家電900の機器ID「ha09」を含む。
【0064】
端末装置10は、Y166Bにおいて、家電900から応答を受信すると、Y168において、受信済みの機器ID「ha09」をメモリ34内のユーザ情報UIと関連付けてメモリ34に記憶する。
【0065】
Y184A、Y184Bでは、端末装置10は、第3の無線LAN接続を利用して、ルータ300を介して、登録要求をサーバ500に送信する。当該登録要求は、Y168でメモリ34に記憶された情報(即ちユーザ情報UIと機器ID「ha09」)を含む。これにより、サーバ500は、登録要求内の情報(即ちユーザ情報UIと機器ID「ha09」)を登録テーブル542に登録する。
【0066】
第1従来例では、端末装置10は、無線LAN内の家電をサーチして、ユーザ情報UIと機器ID「ha01」とを関連付ける(図6のY164A~Y166B)。即ち、第1従来例では、端末装置10と家電900の双方が同じ無線LANに参加している必要がある。これに対して、第1実施例では、端末装置10と家電100との間で確立された第1の無線LAN接続を利用して、ユーザ情報UIと機器ID「ha01」とが関連付けられる(図5のS132)。即ち、端末装置10と家電100の双方が同じ無線LANに参加していなくてもよい。ユーザは、家電100の接続先として端末装置10の接続先と同じルータを選択する必要がない。ユーザの利便性が向上する。
【0067】
(第2従来例;図7
また、図7に示す第2従来例も知られている。本従来例でも、家電900は、接続モードで動作する機能を有しない。さらに、本従来例では、所定の接続方式が利用されない。本従来例では、家電900は、ルータモードで動作して、ルータとして動作することが可能である。
【0068】
Y202では、ルータ300は、接続モードで動作せずに、ビーコン信号をブロードキャストに送信する。ビーコン信号は、ルータ300のSSID「ss300」を含む。
【0069】
端末装置10は、Y202において、無線LANI/F12を介して、ルータ300からビーコン信号を受信すると、ビーコン信号内のSSID「ss300」を表示する。
【0070】
ユーザは、Y204において、端末装置10に表示されているSSID「ss300」を指定して、パスワード「xxxx」を端末装置10に入力する。これにより、パスワード「xxxx」を利用した認証が端末装置10とルータ300との間で実行されて、Y210において、端末装置10とルータ300との間に第5の無線LAN接続が確立される。第5の無線LAN接続では、ルータ300が親局として動作し、端末装置10が子局として動作する。
【0071】
次いで、ユーザは、Y220において、家電900を操作して、家電900をルータモードで動作させるための指示を入力する。これにより、家電900は、Y222において、ルータモードの動作を開始する。ルータモードでは、家電900は、SSID「ss900」によって識別される無線LANを形成可能である。ルータモードは、例えば、Wi-Fi Direct(登録商標)に従ったモード、Soft APに従ったモードである。
【0072】
Y224では、家電900は、SSID「ss900」を含むビーコン信号をブロードキャストで送信する。
【0073】
端末装置10は、Y224において、無線LANI/F12を介して、家電900からビーコン信号を受信すると、ビーコン信号内のSSID「ss900」を表示する。
【0074】
ユーザは、Y226において、端末装置10に表示されているSSID「ss900」を指定して、家電900との無線LAN接続を確立するための認証に利用されるパスワード「yyyy」を端末装置10に入力する。これにより、パスワード「yyyy」を利用した認証が端末装置10と家電900との間で実行されて、Y230において、端末装置10と家電900との間に第6の無線LAN接続が確立される。第6の無線LAN接続では、家電900が親局として動作し、端末装置10が子局として動作する。
【0075】
Y232では、端末装置10は、第6の無線LAN接続を利用して、Y202で受信済みのSSID「ss300」とY204で取得済みのパスワード「xxxx」とを家電900に送信する。
【0076】
家電900は、Y232において、端末装置10からSSID「ss300」とパスワード「xxxx」を受信すると、Y240において、パスワード「xxxx」を利用した認証をルータ300と実行して、ルータ300との第7の無線LAN接続を確立する。
【0077】
Y264A~Y266Bは、第5及び第7の無線LAN接続が利用される点を除いて、図6のY164A~Y166Bと同様である。Y268~Y286は、図6のY168~Y186と同様である。
【0078】
第2従来例でも、端末装置10と家電900の双方が同じ無線LANに参加している必要がある。これに対して、第1実施例では、端末装置10と家電100の双方が同じ無線LANに参加していなくてもよい。ユーザは、家電100の接続先として端末装置10の接続先と同じルータを選択する必要がない。ユーザの利便性が向上する。
【0079】
また、第2従来例では、ユーザは、家電900のパスワード「yyyy」を端末装置10に入力する。これに対して、第1実施例では、ユーザは、家電100の接続ボタンを操作するだけでよい。ユーザは、長い文字列を入力しなくてもよい。ユーザの利便性が向上する。
【0080】
(対応関係)
通信システム2、端末装置10、家電100、ルータ300、サーバ500が、それぞれ、「通信システム」、「端末装置」、「家電」、「ルータ」、「サーバ」の一例である。操作部114が、「操作部」の一例である。ユーザ情報UI、機器ID「ha01」が、それぞれ、「端末情報」、「家電情報」の一例である。接続ボタンの操作が、「所定の接続方式に従った操作」の一例である。図5のS130の第1の無線LAN接続、S180の第2の無線LAN接続が、それぞれ、「第1の無線接続」、「第2の無線接続」の一例である。S186の報知処理が、「報知処理」の一例である。ライト116、S114の動作、S174の動作が、それぞれ、「ライト」、「第1の報知動作」、「第2の報知動作」の一例である。
【0081】
(第2実施例)
第1実施例では、家電100は、端末装置10との無線LAN接続を確立するための確立情報を破棄する(図5のS136)。これに代えて、第2実施例では、家電100は、当該確立情報を保持する。これにより、サーバ500への登録の後に、家電100は家4内の第2のルータとして動作可能である。
【0082】
(登録処理及び中継処理;図8
図8を参照して、本実施例の登録処理とサーバ500への登録後の中継処理について説明する。
【0083】
S210~S234は、図5のS110~S134と同様である。S236では、家電100は、端末装置10との通信を終了して、接続モードで動作することを禁止する。ここで、本実施例では、家電100は、確立情報を破棄することなくメモリ134内に保持する。さらに、本実施例では、第1の無線LAN接続は切断されることなく維持されている。例えば、家電100が、2個の無線LANI/Fを備えている場合には、1個の無線LANI/Fを介して第1の無線LAN接続を確立及び維持し、もう1個の無線LANI/Fを介して第2の無線LAN接続を確立する。なお、変形例では、第1の無線LAN接続は切断されてもよい。そして、家電100は、登録要求をサーバ500に送信した後に、メモリ134内の確立情報を利用して、端末装置10との第1の無線LAN接続を再び確立してもよい。
【0084】
S260~S288は、図5のS160~S188と同様である。
【0085】
本実施例では、サーバ500への登録後に維持されている第1の無線LAN接続を利用した中継処理が実行される。具体的には、端末装置10は、S300A~S300Cにおいて、第1の無線LAN接続と第2の無線LAN接続を利用して、家電100(即ち第2のルータ)とルータ300を介して、ウエブページの表示を要求するHTTPコマンドをサーバ500に送信する。端末装置10は、S302A~S302Cにおいて、当該HTTPコマンドに対する応答としてウエブページデータを受信する。そして、端末装置10は、S304において、受信済みのウエブページデータによって表されるウエブページを表示する。
【0086】
このような構成によれば、端末装置10がルータ300の電波が到達する範囲外に居る場合であっても、端末装置10が家電100の電波が到達する範囲内に居る場合には、ルータ300と家電100を介して、インターネット6上のウエブサーバ(例えばサーバ500)との通信を実行することができる。特に、本実施例の技術は、例えば、電源が常時オンされている冷蔵庫等に採用するのがよい。
【0087】
上記の各実施例の変形例を以下に記載する。
【0088】
上記の各実施例では、家電100は、第1の無線LAN接続を利用して、端末装置10からユーザ情報UIを受信して、機器ID「ha01」とユーザ情報UIを関連付ける。これに代えて、家電100は、第1の無線LAN接続を利用して、機器ID「ha01」を端末装置10に送信してもよい。これにより、端末装置10は、メモリ34内のユーザ情報UIに関連付けて機器ID「ha01」をメモリ34に記憶してもよい。そして、端末装置10は、メモリ34に記憶された情報(即ちユーザ情報UIと機器ID「ha01」)を含む登録要求をサーバ500に送信してもよい。本変形例では、第1の無線LAN接続を利用して機器ID「ha01」を端末装置10に送信することが、「端末情報」と「家電情報」とを関連付けることの一例である。
【0089】
上記の各実施例では、登録処理において、ユーザは、接続ボタンを操作する(図5のS110、S120、S160、S170等)。これに代えて、ユーザは、WPSのPINコード方式に従った操作(即ち、PINコードを出力する操作とPINコードを入力する操作)を行ってもよい。本変形例では、PINコード方式に従った操作が、「所定の接続方式に従った操作」の一例である。
【0090】
図5のS186の処理は実行されなくてもよい。本変形例では、「報知制御部」を省略可能である。
【0091】
上記の各実施例では、家電100は、第1の無線LAN接続の処理中である場合に、ライト116を第1の態様で点灯させ(図5のS114)、第2の無線LAN接続の処理中である場合に、ライト116を第2の態様で点灯させる(S174)。これに代えて、家電100は、第1の無線LAN接続の処理中である場合に、家電100のスピーカ(図示省略)から第1の音声を出力し、第2の無線LAN接続の処理中である場合に、当該スピーカから第1の音声とは異なる第2の音声を出力してもよい。第1の音声は、例えば、第1のパターンを有するブザー音であり、第2の音声は、例えば、第1のパターンとは異なる第2のパターンを有するブザー音である。ユーザは、第1の音声と第2の音声を聞き分けて、第1の無線LAN接続の処理中又は第2の無線LAN接続の処理中であるのかを知ることができる。
【0092】
「第1の報知動作」及び「第2の報知動作」は、ライト116を点灯する動作に限らず、例えば、家電100の表示部(図示省略)に特定の画面を表示することでもよい。
【0093】
図5のS114、S174の処理は実行されなくてもよい。本変形例では、「第1の報知動作」及び「第2の報知動作」を省略可能である。
【0094】
図5のS160~S180の処理は実行されなくてもよい。本変形例では、「第2の確立部」を省略可能である。
【0095】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0096】
2 :通信システム
4 :家
6 :インターネット
10 :端末装置
12 :無線LANI/F
13 :移動体通信I/F
14 :操作部
16 :表示部
20 :端末
30 :制御部
32 :CPU
34 :メモリ
40 :アプリ
100 :家電
112 :無線LANI/F
114 :操作部
116 :ライト
130 :制御部
132 :CPU
134 :メモリ
140 :プログラム
300 :ルータ
320 :ルータ
500 :サーバ
512 :ネットワークI/F
530 :制御部
532 :CPU
534 :メモリ
540 :プログラム
542 :登録テーブル
900 :家電
UI :ユーザ情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8