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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】リピータ装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/15 20060101AFI20240617BHJP
【FI】
H04B7/15
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020136140
(22)【出願日】2020-08-12
(65)【公開番号】P2022032406
(43)【公開日】2022-02-25
【審査請求日】2023-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】来島 徹
【審査官】前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-134143(JP,A)
【文献】特開2002-111571(JP,A)
【文献】特開2016-019033(JP,A)
【文献】特表2007-532038(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1周波数の第1信号を送受信する第1送受共用器と、
前記第1周波数と異なる第2周波数の第2信号を送受信する第2送受共用器と、
前記第1送受共用器からの前記第1信号が入力される第1入力ポートと、前記第2送受共用器からの前記第2信号が入力される第2入力ポートと、前記第1送受共用器への前記第1信号が出力される第1出力ポートと、前記第2送受共用器への前記第2信号が出力される第2出力ポートと、を含み、前記第1入力ポートを介して前記第1信号が入力された場合は前記第2出力ポートを介して前記第2信号を出力し、前記第2入力ポートを介して前記第2信号が入力された場合は前記第1出力ポートを介して前記第1信号を出力するように、前記第1信号および前記第2信号に対する周波数変換を実行する周波数変換器と、
前記第1入力ポートと前記第2入力ポートとの両方に接続され、前記第1信号の増幅と前記第2信号の増幅との両方を単体で実行する共通入力増幅器、及び前記共通入力増幅器の出力を前記第1入力ポートに接続するか前記第2入力ポートに接続するかを切り替える第1出力スイッチと、前記第1出力ポートと前記第2出力ポートとの両方に接続され、前記第1信号の増幅と前記第2信号の増幅との両方を単体で実行する共通出力増幅器、及び前記共通出力増幅器の入力を前記第1出力ポートに接続するか前記第2出力ポートに接続するかを切り替える第1入力スイッチと、のうち少なくとも一方と、
を備える、リピータ装置。
【請求項2】
前記共通入力増幅器と前記共通出力増幅器との両方を備える、
請求項1に記載のリピータ装置。
【請求項3】
前記第1送受共用器を前記共通入力増幅器の入力に接続するか前記共通出力増幅器の出力に接続するかを切り替える第1送受信スイッチと、
前記第2送受共用器を前記共通入力増幅器の入力に接続するか前記共通出力増幅器の出力に接続するかを切り替える第2送受信スイッチと、
前記共通入力増幅器の入力を前記第1送受信スイッチに接続するか前記第2送受信スイッチに接続するかを切り替える第2入力スイッチと、
前記共通出力増幅器の出力を前記第1送受信スイッチに接続するか前記第2送受信スイッチに接続するかを切り替える第2出力スイッチと、
をさらに備える、請求項に記載のリピータ装置。
【請求項4】
前記第1送受共用器を前記共通入力増幅器の入力に接続するか前記共通出力増幅器の出力に接続するかと、前記第2送受共用器を前記共通入力増幅器の入力に接続するか前記共通出力増幅器の出力に接続するかと、を単体で切り替える第3送受信スイッチ
をさらに備える、請求項に記載のリピータ装置。
【請求項5】
前記共通出力増幅器のみを備え、
前記リピータ装置は、前記第1入力ポートに接続され、前記第1信号の増幅を実行する第1入力増幅器と、前記第2入力ポートに接続され、前記第2信号の増幅を実行する第2入力増幅器と、を別個に備える、
請求項1に記載のリピータ装置。
【請求項6】
前記共通入力増幅器のみを備え、
前記リピータ装置は、前記第1出力ポートに接続され、前記第1信号の増幅を実行する第1出力増幅器と、前記第2出力ポートに接続され、前記第2信号の増幅を実行する第2出力増幅器と、を別個に備える、
請求項1に記載のリピータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、リピータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基地局と端末との間の無線通信を中継する中継装置としてのレピータ装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-19033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなレピータ装置において、第1周波数の第1信号の入力に応じて第2周波数の第2信号の出力を実行するとともに第2周波数の第2信号の入力に応じて第1周波数の第1信号の出力を実行する構成が採用される場合がある。この場合、第1信号および第2信号に対する周波数変換に加えて、第1信号および第2信号に対する増幅も実行されることがある。
【0005】
ここで、周波数変換および増幅を実行する上記のような構成において、第1信号の入力を増幅する増幅器と、第2信号の入力を増幅する増幅器と、第1信号の出力を増幅する増幅器と、第2信号の出力を増幅する増幅器と、がそれぞれ別々に設けられていると、リピータ装置が大型化または重量化する。しかしながら、レピータ装置の小型化または軽量化の要求は高まってきている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態にかかるリピータ装置は、第1送受共用器と、第2送受共用器と、周波数変換器と、共通入力増幅器と共通出力増幅器とのうち少なくとも一方と、を備える。第1送受共用器は、第1周波数の第1信号を送受信する。第2送受共用器は、第1周波数と異なる第2周波数の第2信号を送受信する。周波数変換器は、第1送受共用器からの第1信号が入力される第1入力ポートと、第2送受共用器からの第2信号が入力される第2入力ポートと、第1送受共用器への第1信号が出力される第1出力ポートと、第2送受共用器への第2信号が出力される第2出力ポートと、を含む。周波数変換器は、第1入力ポートを介して第1信号が入力された場合は第2出力ポートを介して第2信号を出力し、第2入力ポートを介して第2信号が入力された場合は第1出力ポートを介して第1信号を出力するように、第1信号および第2信号に対する周波数変換を実行する。共通入力増幅器は、第1入力ポートと第2入力ポートとの両方に接続され、第1信号の増幅と第2信号の増幅との両方を単体で実行する。共通出力増幅器は、第1出力ポートと第2出力ポートとの両方に接続され、第1信号の増幅と第2信号の増幅との両方を単体で実行する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態にかかるリピータ装置の使用態様を示した例示的かつ模式的な図である。
図2図2は、第1実施形態にかかるリピータ装置のハードウェア構成を示した例示的かつ模式的な図である。
図3図3は、第2実施形態にかかるリピータ装置のハードウェア構成を示した例示的かつ模式的な図である。
図4図4は、第3実施形態にかかるリピータ装置のハードウェア構成を示した例示的かつ模式的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示のいくつかの実施形態を図面に基づいて説明する。以下に記載する各実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および効果は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。
【0009】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態にかかるリピータ装置100の使用態様を示した例示的かつ模式的な図である。
【0010】
図1に示されるように、第1実施形態にかかるリピータ装置100は、基地局BSと端末Tとの間の無線通信を中継するTDD(時分割複信)方式の中継装置として、基地局BSと端末Tとの間に少なくとも2つ設けられる。各リピータ装置100は、無線信号を送受信するための第1アンテナ11および第2アンテナ21を備えている。第1アンテナ11および第2アンテナ21は、対応周波数が互いに異なる。
【0011】
また、詳細は後述するが、各リピータ装置100は、無線信号の周波数変換および増幅を実行するように構成されている。これにより、各リピータ装置100は、第1アンテナ11から入力された第1周波数の第1信号に周波数変換および増幅を施すことで第2アンテナ21から出力すべき第2周波数の第2信号を生成することと、第2アンテナ21から入力された第2周波数の第2信号に周波数変換および増幅を施すことで第1アンテナ11から出力すべき第1周波数の第1信号を生成することと、を実行するように構成されている。
【0012】
なお、第1実施形態において、第1アンテナ11と第2アンテナ21とで対応周波数を異ならせているのは、第2アンテナ21からの入力に基づく第1アンテナ11からの出力が再び第2アンテナ21に漏れ込むこと、または、第1アンテナ11からの入力に基づく第2アンテナ21からの出力が再び第1アンテナ11に漏れ込むこと、を回避するためである。
【0013】
ところで、上述したようなリピータ装置100のような、周波数が互いに異なる第1信号および第2信号に対する周波数変換および増幅を実行する中継装置においては、第1信号の入力を増幅する増幅器と、第2信号の入力を増幅する増幅器と、第1信号の出力を増幅する増幅器と、第2信号の出力を増幅する増幅器と、がそれぞれ別々に設けられていると、中継装置が大型化または重量化する。しかしながら、中継装置の小型化または軽量化の要求は高まってきている。
【0014】
そこで、第1実施形態は、リピータ装置100を次の図2に示されるようなハードウェア構成を有するように構成することで、リピータ装置100の小型化または軽量化を図る。
【0015】
図2は、第1実施形態にかかるリピータ装置100のハードウェア構成を示した例示的かつ模式的な図である。
【0016】
図2に示されるように、リピータ装置100は、第1送受共用器10と、第2送受共用器20と、を備えている。
【0017】
第1送受共用器10は、第1アンテナ11と、第1バンドパスフィルタ(第1BPF)12と、を含んでおり、第2送受共用器20は、第2アンテナ21と、第2バンドパスフィルタ(第2BPF)22と、を含んでいる。
【0018】
第1アンテナ11は、前述した通り、第1周波数に対応したアンテナである。また、第1バンドパスフィルタ12は、当該第1バンドパスフィルタ12を通過する信号から第1周波数に対応した成分を抽出するフィルタである。これらの構成に基づき、第1送受共用器10は、第1周波数の第1信号を送受信する。
【0019】
また、第2アンテナ21は、前述した通り、第2周波数に対応したアンテナである。また、第2バンドパスフィルタ22は、当該第2バンドパスフィルタ22を通過する信号から第2周波数に対応した成分を抽出するフィルタである。これらの構成に基づき、第2送受共用器20は、第2周波数の第2信号を送受信する。
【0020】
また、リピータ装置100は、周波数変換器30を備えている。周波数変換器30は、第1入力ポート31と、第2入力ポート32と、第1出力ポート33と、第2出力ポート34と、を含んでいる。
【0021】
第1入力ポート31には、第1送受共用器10からの第1信号が入力される。また、第2入力ポート32には、第2送受共用器20からの第2信号が入力される。また、第1出力ポート33からは、第1送受共用器10への第1信号が出力される。また、第2出力ポート34からは、第2送受共用器20への第2信号が出力される。これらの構成に基づき、周波数変換器30は、第1入力ポート31を介して第1信号が入力された場合は第2出力ポート34を介して第2信号を出力し、第2入力ポート32を介して第2信号が入力された場合は第1出力ポート33を介して第1信号を出力するように、第1信号および第2信号に対する周波数変換を実行する。
【0022】
ここで、第1実施形態では、リピータ装置100の小型化または軽量化のため、第1信号の入力を増幅する増幅器と第2信号の入力を増幅する増幅器とが共用されているとともに、第1信号の出力を増幅する増幅器と第2信号の出力を増幅する増幅器とが共用されている。
【0023】
すなわち、第1実施形態において、リピータ装置100は、第1信号の入力を増幅する増幅器としても第2信号の入力を増幅する増幅器としても機能する共通入力増幅器40と、第1信号の出力を増幅する増幅器としても第2信号の出力を増幅する増幅器としても機能する共通出力増幅器50と、を備えている。共通入力増幅器40は、第1入力ポート31と第2入力ポート32との両方に接続され、第1信号の増幅と第2信号の増幅との両方を単体で実行し、共通出力増幅器50は、第1出力ポート33と第2出力ポート34との両方に接続され、第1信号の増幅と第2信号の増幅との両方を単体で実行する。
【0024】
さらに、第1実施形態において、リピータ装置100は、当該リピータ装置100内における第1信号および第2信号の伝達経路を適切に制御する回路としての複数のスイッチ(SW)61~66を備えている。
【0025】
スイッチ61は、共通入力増幅器40の出力を第1入力ポート31に接続するか第2入力ポート32に接続するかを切り替える第1出力スイッチとして構成される。また、スイッチ62は、共通出力増幅器50の入力を第1出力ポート33に接続するか第2出力ポート34に接続するかを切り替える第1入力スイッチとして構成される。
【0026】
また、スイッチ63は、第1送受共用器10を共通入力増幅器40の入力に接続するか共通出力増幅器50の出力に接続するかを切り替えるSPDT型(シングルポール・ダブルスルー型)の第1送受信スイッチとして構成される。また、スイッチ64は、第2送受共用器20を共通入力増幅器40の入力に接続するか共通出力増幅器50の出力に接続するかを切り替えるSPDT型の第2送受信スイッチとして構成される。
【0027】
また、スイッチ65は、共通入力増幅器40の入力を第1送受信スイッチとしてのスイッチ61に接続するか第2送受信スイッチとしてのスイッチ62に接続するかを切り替える第2入力スイッチとして構成される。また、スイッチ66は、共通出力増幅器50の出力を第1送受信スイッチとしてのスイッチ61に接続するか第2送受信スイッチとしてのスイッチ62に接続するかを切り替える第2出力スイッチとして構成される。
【0028】
以上の構成に基づき、第1実施形態にかかるリピータ装置100は、以下に説明するような流れで動作する。
【0029】
まず、第1アンテナ11が無線信号を受信した場合におけるリピータ装置100の動作について説明する。この場合、第1アンテナ11による無線信号の受信に応じて第1バンドパスフィルタ12から出力される第1信号が共通入力増幅器40経由で周波数変換器30の第1入力ポート31に入力されるように、スイッチ61、63、および65が切り替わる。そして、第1入力ポート31に入力された第1信号は、周波数変換器30による周波数変換を経て、第2出力ポート34から第2信号として出力される。そして、第2出力ポート34から出力された第2信号が共通出力増幅器50経由で第2バンドパスフィルタ22に入力されるように、スイッチ62、64、および66が切り替わる。そして、第2アンテナ21は、第2バンドパスフィルタ22から出力される第2信号に対応した無線信号を送信する。
【0030】
次に、第2アンテナ21が無線信号を受信した場合におけるリピータ装置100の動作について説明する。この場合、第2アンテナ21による無線信号の受信に応じて第2バンドパスフィルタ22から出力される第2信号が共通入力増幅器40経由で周波数変換器30の第2入力ポート32に入力されるように、スイッチ61、64、および65が切り替わる。そして、第2入力ポート32に入力された第2信号は、周波数変換器30による周波数変換を経て、第1出力ポート33から第1信号として出力される。そして、第1出力ポート33から出力された第1信号が共通出力増幅器50経由で第1バンドパスフィルタ12に入力されるように、スイッチ62、63、および66が切り替わる。そして、第1アンテナ11は、第1バンドパスフィルタ12から出力される第1信号に対応した無線信号を送信する。
【0031】
このようにして、第1実施形態にかかるリピータ装置100は、周波数が互いに異なる第1信号および第2信号に対する周波数変換および増幅を状況に応じて適切に実行する。
【0032】
以上説明したように、第1実施形態にかかるリピータ装置100は、第1送受共用器10と、第2送受共用器20と、周波数変換器30と、共通入力増幅器40と、共通出力増幅器50と、を備えている。第1送受共用器10は、第1周波数の第1信号を送受信する。第2送受共用器20は、第1周波数と異なる第2周波数の第2信号を送受信する。
【0033】
周波数変換器30は、第1送受共用器10からの第1信号が入力される第1入力ポート31と、第2送受共用器20からの第2信号が入力される第2入力ポート32と、第1送受共用器10への第1信号が出力される第1出力ポート33と、第2送受共用器20への第2信号が出力される第2出力ポート34と、を含んでいる。そして、周波数変換器30は、第1入力ポート31を介して第1信号が入力された場合は第2出力ポート34を介して第2信号を出力し、第2入力ポート32を介して第2信号が入力された場合は第1出力ポート33を介して第1信号を出力するように、第1信号および第2信号に対する周波数変換を実行する。
【0034】
ここで、共通入力増幅器40は、第1入力ポート31と第2入力ポート32との両方に接続され、第1信号の増幅と第2信号の増幅との両方を単体で実行する。また、共通出力増幅器50は、第1出力ポート33と第2出力ポート34との両方に接続され、第1信号の増幅と第2信号の増幅との両方を単体で実行する。
【0035】
上記のような構成によれば、第1信号の入力の増幅と、第2信号の入力の増幅と、第1信号の出力の増幅と、第2信号の出力の増幅と、がそれぞれ別々の増幅器により実行される場合と異なり、それらの増幅を2つの増幅器(共通入力増幅器40および共通出力増幅器50)により実行することができる。したがって、リピータ装置100に設けることが必要な増幅器の個数が減るので、リピータ装置100の小型化または軽量化を図ることができる。
【0036】
<第2実施形態>
上述した第1実施形態では、第1送受共用器と第2送受共用器とにそれぞれ1つずつSPDT型のスイッチが対応付けられた構成が例示されている。しかしながら、次の図3に示されるように、第2実施形態として、2つのSPDT型のスイッチを1つのDPDT型(ダブルポール・ダブルスルー型)のスイッチに置き換える構成も考えられる。
【0037】
図3は、第2実施形態にかかるリピータ装置200のハードウェア構成を示した例示的かつ模式的な図である。なお、以下では、第2実施形態と第1実施形態とで共通するハードウェア構成については同一の符号により適宜説明を省略する。
【0038】
図3に示されるように、第2実施形態にかかるリピータ装置200は、上述した第1実施形態にかかるスイッチ63~66に代えて、スイッチ67を備えている。スイッチ67は、第1送受共用器10を共通入力増幅器40の入力に接続するか共通出力増幅器50の出力に接続するかと、第2送受共用器20を共通入力増幅器40の入力に接続するか共通出力増幅器50の出力に接続するかと、を単体で切り替えるDPDT型の第3送受信スイッチとして構成される。
【0039】
第2実施形態にかかるリピータ装置200は、以下に説明するような流れで動作する。
【0040】
まず、第1アンテナ11が無線信号を受信した場合におけるリピータ装置200の動作について説明する。この場合、第1アンテナ11による無線信号の受信に応じて第1バンドパスフィルタ12から出力される第1信号が共通入力増幅器40経由で周波数変換器30の第1入力ポート31に入力されるように、スイッチ61および67が切り替わる。そして、第1入力ポート31に入力された第1信号は、周波数変換器30による周波数変換を経て、第2出力ポート34から第2信号として出力される。そして、第2出力ポート34から出力された第2信号が共通出力増幅器50経由で第2バンドパスフィルタ22に入力されるように、スイッチ62および67が切り替わる。そして、第2アンテナ21は、第2バンドパスフィルタ22から出力される第2信号に対応した無線信号を送信する。
【0041】
次に、第2アンテナ21が無線信号を受信した場合におけるリピータ装置200の動作について説明する。この場合、第2アンテナ21による無線信号の受信に応じて第2バンドパスフィルタ22から出力される第2信号が共通入力増幅器40経由で周波数変換器30の第2入力ポート32に入力されるように、スイッチ61および67が切り替わる。そして、第2入力ポート32に入力された第2信号は、周波数変換器30による周波数変換を経て、第1出力ポート33から第1信号として出力される。そして、第1出力ポート33から出力された第1信号が共通出力増幅器50経由で第1バンドパスフィルタ12に入力されるように、スイッチ62および67が切り替わる。そして、第1アンテナ11は、第1バンドパスフィルタ12から出力される第1信号に対応した無線信号を送信する。
【0042】
このようにして、第2実施形態にかかるリピータ装置200も、上述した第1実施形態にかかるリピータ装置100と同様に、周波数が互いに異なる第1信号および第2信号に対する周波数変換および増幅を状況に応じて適切に実行する。
【0043】
以上説明したように、第2実施形態にかかるリピータ装置200は、第1送受共用器10を共通入力増幅器40の入力に接続するか共通出力増幅器50の出力に接続するかと、第2送受共用器20を共通入力増幅器40の入力に接続するか共通出力増幅器50の出力に接続するかと、を単体で切り替える第3送受信スイッチとしてのスイッチ67を備えている。このような構成によれば、第1送受共用器10の接続先の切り替えと第2送受共用器20の接続先の切り替えとを1つのスイッチ67という簡単な構成で実行することができる。
【0044】
<第3実施形態>
上述した第1実施形態では、第1信号の入力を増幅する増幅器と第2信号の入力を増幅する増幅器とが共用されているとともに、第1信号の出力を増幅する増幅器と第2信号の出力を増幅する増幅器とが共用されている構成が例示されている。しかしながら、次の図4に示されるように、第3実施形態として、第1信号の出力を増幅する増幅器と第2信号の出力を増幅する増幅器とは共用されているが、第1信号の入力を増幅する増幅器と第2信号の入力を増幅する増幅器とは共用されていない構成も考えられる。
【0045】
図4は、第3実施形態にかかるリピータ装置300のハードウェア構成を示した例示的かつ模式的な図である。なお、以下では、第3実施形態と第1実施形態とで共通する構成については同一の符号により適宜説明を省略する。
【0046】
図4に示されるように、第3実施形態にかかるリピータ装置300は、上述した第1実施形態にかかる共通入力増幅器40、および当該共通入力増幅器40の接続先を切り替えるスイッチ61および65に代えて、第1入力増幅器41と、第2入力増幅器42と、を別個に備えている。第1入力増幅器41は、第1入力ポート31に接続され、第1信号の増幅を実行し、第2入力増幅器42は、第2入力ポート32に接続され、第2信号の増幅を実行する。
【0047】
第3実施形態にかかるリピータ装置300は、以下に説明するような流れで動作する。
【0048】
まず、第1アンテナ11が無線信号を受信した場合におけるリピータ装置300の動作について説明する。この場合、第1アンテナ11による無線信号の受信に応じて第1バンドパスフィルタ12から出力される第1信号が第1入力増幅器41経由で周波数変換器30の第1入力ポート31に入力されるように、スイッチ63が切り替わる。そして、第1入力ポート31に入力された第1信号は、周波数変換器30による周波数変換を経て、第2出力ポート34から第2信号として出力される。そして、第2出力ポート34から出力された第2信号が共通出力増幅器50経由で第2バンドパスフィルタ22に入力されるように、スイッチ62、64、および66が切り替わる。そして、第2アンテナ21は、第2バンドパスフィルタ22から出力される第2信号に対応した無線信号を送信する。
【0049】
次に、第2アンテナ21が無線信号を受信した場合におけるリピータ装置300の動作について説明する。この場合、第2アンテナ21による無線信号の受信に応じて第2バンドパスフィルタ22から出力される第2信号が第2入力増幅器42経由で周波数変換器30の第2入力ポート32に入力されるように、スイッチ64が切り替わる。そして、第2入力ポート32に入力された第2信号は、周波数変換器30による周波数変換を経て、第1出力ポート33から第1信号として出力される。そして、第1出力ポート33から出力された第1信号が共通出力増幅器50経由で第1バンドパスフィルタ12に入力されるように、スイッチ62、63、および66が切り替わる。そして、第1アンテナ11は、第1バンドパスフィルタ12から出力される第1信号に対応した無線信号を送信する。
【0050】
このようにして、第3実施形態にかかるリピータ装置300も、上述した第1実施形態にかかるリピータ装置100と同様に、周波数が互いに異なる第1信号および第2信号に対する周波数変換および増幅を状況に応じて適切に実行する。
【0051】
以上説明したように、第2実施形態にかかるリピータ装置200は、第1入力増幅器41と、第2入力増幅器42と、を別個に備えている。第1入力増幅器41は、第1入力ポート31に接続され、第1信号の増幅を実行し、第2入力増幅器42は、第2入力ポート32に接続され、第2信号の増幅を実行する。このような構成によれば、第1信号の増幅と第2信号の増幅とを別個に設けられた第1入力増幅器41および第2入力増幅器42により容易に実行することができる。
【0052】
なお、第3実施形態の変形例として、第1信号の入力の増幅と第2信号の入力の増幅とを共通の増幅器により実行し、第1信号の出力の増幅と第2信号の出力の増幅とを別個の増幅器により実行する構成も考えられる。つまり、第3実施形態の変形例として、共通入力増幅器と、第1出力ポートに接続され、第1信号の増幅を実行する第1出力増幅器と、第2出力ポートに接続され、第2信号の増幅を実行する第2出力増幅器と、を別個に備えた構成も考えられる。
【0053】
以上、本発明の実施形態および変形例を説明したが、上述した実施形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述した新規な実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上述した実施形態および変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0054】
10 第1送受共用器
20 第2送受共用器
30 周波数変換器
31 第1入力ポート
32 第2入力ポート
33 第1出力ポート
34 第2出力ポート
40 共通入力増幅器
41 第1入力増幅器
42 第2入力増幅器
50 共通出力増幅器
61 スイッチ(第1出力スイッチ)
62 スイッチ(第1入力スイッチ)
63 スイッチ(第1送受信スイッチ)
64 スイッチ(第2送受信スイッチ)
65 スイッチ(第2入力スイッチ)
66 スイッチ(第2出力スイッチ)
67 スイッチ(第3送受信スイッチ)
100、200、300 リピータ装置
図1
図2
図3
図4