(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】ボウルフィーダ
(51)【国際特許分類】
B65G 47/14 20060101AFI20240617BHJP
【FI】
B65G47/14 101A
(21)【出願番号】P 2020139906
(22)【出願日】2020-08-21
【審査請求日】2023-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100162237
【氏名又は名称】深津 泰隆
(74)【代理人】
【識別番号】100191433
【氏名又は名称】片岡 友希
(72)【発明者】
【氏名】仙崎 真昭
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-148814(JP,A)
【文献】特開平06-219529(JP,A)
【文献】特開平02-106512(JP,A)
【文献】国際公開第2008/148866(WO,A2)
【文献】中国実用新案第206857622(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/00-47/20
B65G 27/00-27/34
H05K 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容した複数の部品を搬送するために振動するボウルと、
前記複数の部品をひとつずつ所定の姿勢で供給する供給部と、
概して棒形状をなし、連通した前記供給部に前記部品を搬送するために振動する第2搬送レーンと、
概して棒形状をなし、連通した前記第2搬送レーンに前記部品を搬送するために振動する第1搬送レーンと、
前記ボウルに収容された部品の有無を検出する第1検出センサと、
前記
第1搬送レーンおよび第2搬送レーンの各々に設けられ、前記部品の有無を検出する第2検出センサと、
前記第1搬送レーンに設けられた第2検出センサの検出結果に基づいて前記ボウルの作動を制御し、前記第2搬送レーンに設けられた第2検出センサの検出結果に基づいて前記第1搬送レーンの作動を制御し、前記第2搬送レーンを常時作動させて、前記ボウルと
前記第1搬送レーンの作動を
連動させずに個別に制御する制御装置と、
を備え
、
ボウルに収容された複数の部品を供給部においてひとつずつ所定の姿勢で供給するボウルフィーダ。
【請求項2】
前記ボウルフィーダは、
前記供給部の部品の有無を検出する第3検出センサを備え、
前記制御装置は、
前記第3検出センサの検出結果に
関わらず、前記
第2搬送レーンが常時作動するように制御する
請求項1に記載のボウルフィーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボウルに収容された複数の部品をひとつずつ所定の姿勢で供給するボウルフィーダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献には、ボウルに収容された複数の部品をひとつずつ所定の姿勢で供給するボウルフィーダに関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-182466号公報
【文献】特開2013-170011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、ボウルフィーダにより適切に部品を供給することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本明細書は、収容した複数の部品を搬送するために振動するボウルと、
前記複数の部品をひとつずつ所定の姿勢で供給する供給部と、概して棒形状をなし、連通した前記供給部に前記部品を搬送するために振動する第2搬送レーンと、概して棒形状をなし、連通した前記第2搬送レーンに前記部品を搬送するために振動する第1搬送レーンと、前記ボウルに収容された部品の有無を検出する第1検出センサと、前記第1搬送レーンおよび第2搬送レーンの各々に設けられ、前記部品の有無を検出する第2検出センサと、前記第1搬送レーンに設けられた第2検出センサの検出結果に基づいて前記ボウルの作動を制御し、前記第2搬送レーンに設けられた第2検出センサの検出結果に基づいて前記第1搬送レーンの作動を制御し、前記第2搬送レーンを常時作動させて、前記ボウルと前記第1搬送レーンの作動を連動させずに個別に制御する制御装置と、を備え、ボウルに収容された複数の部品を供給部においてひとつずつ所定の姿勢で供給するボウルフィーダを開示する。
【発明の効果】
【0006】
本開示では、ボウルフィーダに、ボウルに収容された部品の有無を検出する第1検出センサと、搬送部の部品の有無を検出する第2検出センサとが配設されており、ボウルと搬送部との作動が個別に制御される。これにより、ボウルフィーダにより適切に部品を供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図6】第1搬送レーンと第2搬送レーンを示す拡大図である。
【
図7】第1搬送レーンと第2搬送レーンと供給ブロックとを示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
【0009】
図1に、部品実装装置10を示す。部品実装装置10は、回路基材12に対する部品の実装作業を実行するための装置である。部品実装装置10は、装置本体20、基材搬送保
持装置22、部品装着装置24、撮像装置26,28、ばら部品供給装置30、部品供給装置32、制御装置(
図8参照)36を備えている。なお、回路基材12として、回路基板、三次元構造の基材等が挙げられ、回路基板として、プリント配線板、プリント回路板等が挙げられる。
【0010】
装置本体20は、フレーム40と、そのフレーム40に上架されたビーム42とによって構成されている。基材搬送保持装置22は、フレーム40の前後方向の中央に配設されており、搬送装置50とクランプ装置52とを有している。搬送装置50は、回路基材12を搬送する装置であり、クランプ装置52は、回路基材12を保持する装置である。これにより、基材搬送保持装置22は、回路基材12を搬送するとともに、所定に位置において、回路基材12を固定的に保持する。なお、以下の説明において、回路基材12の搬送方向をX方向と称し、その方向に直角な水平の方向をY方向と称し、鉛直方向をZ方向と称する。つまり、部品実装装置10の幅方向は、X方向であり、前後方向は、Y方向である。
【0011】
部品装着装置24は、ビーム42に配設されており、2台の作業ヘッド60,62と作業ヘッド移動装置64とを有している。各作業ヘッド60,62の下端面には、
図2に示すように、吸着ノズル66が着脱可能に設けられており、吸着ノズル66によって部品を保持する。また、作業ヘッド移動装置64は、X方向移動装置68とY方向移動装置70とZ方向移動装置72とを有している。そして、X方向移動装置68とY方向移動装置70とによって、2台の作業ヘッド60,62は、一体的にフレーム40上の任意の位置に移動させられる。また、各作業ヘッド60,62は、スライダ74,76に工具を用いることなくワンタッチで着脱可能に位置決めして装着されており、Z方向移動装置72は、スライダ74,76を個別に上下方向に移動させる。つまり、作業ヘッド60,62は、Z方向移動装置72によって、個別に上下方向に移動させられる。
【0012】
撮像装置26は、鉛直軸線上において下方を向いた状態でスライダ74に取り付けられており、作業ヘッド60とともに、X方向,Y方向およびZ方向に移動させられる。これにより、撮像装置26は、フレーム40上の任意の位置を撮像する。撮像装置28は、
図1に示すように、フレーム40上の基材搬送保持装置22と部品供給装置32との間に、鉛直軸線上において上方を向いた状態で配設されている。これにより、撮像装置28は、作業ヘッド60,62の吸着ノズル66に保持された部品を撮像する。なお、撮像装置26,28は、2次元カメラとされており、2次元画像を撮像する。
【0013】
ばら部品供給装置30は、フレーム40の前後方向での一方側の端部に配設されている。ばら部品供給装置30は、ばらばらに散在された状態の複数の部品を整列させて、整列させた状態で部品を供給する装置である。つまり、任意の姿勢の複数の部品を、所定の姿勢に整列させて、所定の姿勢の部品を供給する装置である。
【0014】
部品供給装置32は、フレーム40の前後方向での他方側の端部に配設されている。部品供給装置32は、トレイ型部品供給装置78とフィーダ型部品供給装置80とを有している。トレイ型部品供給装置78は、トレイ上に載置された状態の部品を供給する装置である。フィーダ型部品供給装置80は、ボウルフィーダ82によって部品を供給する装置,テープフィーダによって部品を供給する装置等である。以下に、ボウルフィーダ82の構造について説明する。
【0015】
ボウルフィーダ82は、フレーム40の他方側の端部に固定的に設けられたフィーダ保持台86が備える全スロットのうちの複数のスロットを利用して、工具を用いることなく着脱可能に位置決めして装着されている。ボウルフィーダ82は、お椀形状のボウルに収容された電子部品を1列に並んだ状態で供給位置まで搬送し、供給位置において1個ずつ
供給する供給装置である。
【0016】
ボウルフィーダ82は、
図3乃至
図5に示すように、フィーダ本体100と、部品ホッパ102と、ボウル104と、第1搬送レーン106と、第2搬送レーン108と、供給ブロック110とを備えている。なお、以下の説明において、部品ホッパ102から供給ブロック110に向う方向を前方と記載し、供給ブロック110から部品ホッパ102に向う方向を後方と記載する。また、
図3は、ボウルフィーダ82を斜め上方からの視点において示す斜視図であり、
図4は、ボウルフィーダ82を側方からの視点において示す側面図であり、
図5は、ボウルフィーダ82を上方からの視点において示す平面図である。
【0017】
ボウルフィーダ82は、フィーダ本体100においてフィーダ保持台86に装着されており、フィーダ本体100の上面に、部品ホッパ102,ボウル104,第1搬送レーン106,第2搬送レーン108,供給ブロック110が配設されている。部品ホッパ102は、概して円柱形状をなし、フィーダ本体100の上面の後方側の端部に配設されている。部品ホッパ102はお椀形状にへこんだ凹部とされており、その凹部が部品投入部112として機能する。また、部品ホッパ102の上縁の前端部には、前方に向って突出する突出部114が形成されている。そして、その突出部114の上面に、前後方向に延びるように、溝116が形成されており、その溝116は、前端において突出部114の前端に開口し、後端において部品投入部112に開口している。なお、溝116の幅寸法は、電子部品の幅寸法より僅かに大きくされている。
【0018】
また、部品投入部112の内壁面には、螺旋形状の搬送路118が形成されており、その搬送路118は、部品投入部112の底面から、部品投入部112の内壁面を周回しながら溝116の後端の開口に至っている。また、部品ホッパ102は、フィーダ本体100の上面において、前後方向及び左右方向に振動可能に保持されており、電磁モータ(
図8参照)120の作動により、前後方向及び左右方向に捩り振動する。なお、電磁モータ120の作動で、部品ホッパ102は非常に小さな振動幅で高周波に振動することで、部品投入部112に投入された部品が搬送路118に沿って上方に移動する。
【0019】
また、ボウル104も、概して円柱形状をなし、フィーダ本体100の上面において部品ホッパ102の前方側に配設されている。なお、ボウル104の高さ寸法は、部品ホッパ102の高さ寸法より小さくされており、ボウル104の上面が、部品ホッパ102の上端から前方に向って突出する突出部114の前端の下方に位置するように、ボウル104が部品ホッパ102の前方側に配設されている。また、ボウル104の上面も、お椀形状にへこんだ凹部とされており、その凹部が部品収容部122として機能する。
【0020】
その部品収容部122の内壁面にも、螺旋形状の搬送路124が形成されており、その搬送路124は、部品収容部122の底面から、部品収容部122の内壁面を周回しながら、ボウル104の上縁の側方側に開口している。また、ボウル104も、フィーダ本体100の上面において、前後方向及び左右方向に振動可能に保持されており、電磁モータ(
図8参照)128の作動により、前後方向及び左右方向に捩り振動する。なお同様に、電磁モータ128の作動で、ボウル104は非常に小さな振動幅で高周波に振動することで、部品収容部122に投入された部品が搬送路124に沿って上方に移動する。
【0021】
また、第1搬送レーン106は、概して棒形状をなし、フィーダ本体100の上面において前後方向に延びるように、支持脚130により支持されている。なお、第1搬送レーン106の後端は、ボウル104の上縁の側方部に開口する搬送路124に向って延び出している。また、第1搬送レーン106の上面には、前後方向に延びるように、搬送溝132が形成されており、搬送溝132は、前端において第1搬送レーン106の前端に開口し、後端において第1搬送レーン106の後端に開口している。そして、搬送溝132
の後端は、ボウル104の上縁の側方部に開口する搬送路124と僅かなクリアランスを経て対向している。つまり、搬送溝132の後端が開口する第1搬送レーン106の後端と、搬送路124が開口するボウル104の上縁の側方部とは、僅かなクリアランスを経て対向している。なお、搬送溝132の幅寸法は、電子部品の幅寸法より僅かに大きくされている。また、第1搬送レーン106は、支持脚130により前後方向に振動可能に保持されており、電磁モータ(
図8参照)136の作動により、前後方向に振動する。なお同様に、電磁モータ136の作動で、第1搬送レーン106は非常に小さな振動幅で高周波に振動することで、第1搬送レーン106の搬送溝132に並んだ部品が前方に向かって移動する。
【0022】
ちなみに、第1搬送レーン106の後端と、ボウル104の上縁の側方部とのクリアランスは、第1搬送レーン106の振動幅とボウル104の振動幅とを加算した幅より大きくされている。これにより、ボウル104及び第1搬送レーン106の振動時に、ボウル104と第1搬送レーン106とが当接しないようにされている。また、後に詳しく説明するが、ボウル104の搬送路124から、第1搬送レーン106の搬送溝132に、電子部品が搬送されるが、第1搬送レーン106の後端と、ボウル104の上縁の側方部とのクリアランスは、その電子部品の外寸より小さくされている。これにより、ボウル104の搬送路124から、第1搬送レーン106の搬送溝132に、電子部品が搬送される際に、電子部品の脱落が防止される。
【0023】
また、第2搬送レーン108も、概して棒形状をなし、フィーダ本体100の上面において前後方向に延びるように、支持脚140により支持されている。なお、第2搬送レーン108は、第1搬送レーン106の前端から前方に向って直線状に延び出すように配設されており、第1搬送レーン106と第2搬送レーン108とが1直線上に位置している。つまり、第2搬送レーン108は、後端において、第1搬送レーン106の前端と対向し、その第1搬送レーン106と1直線上に位置するように配設されている。ただし、第2搬送レーン108は、第1搬送レーン106より僅かに下方に位置している。
【0024】
また、第2搬送レーン108の上面にも、前後方向に延びるように、搬送溝144が形成されており、搬送溝144は、前端において第2搬送レーン108の前端に開口し、後端において第2搬送レーン108の後端に開口している。そして、
図6に示すように、搬送溝144の後端は、第1搬送レーン106の搬送溝132の前端と僅かなクリアランスを経て対向している。つまり、搬送溝144の後端が開口する第2搬送レーン108の後端と、搬送溝132の前端が開口する第1搬送レーン106の前端とは、僅かなクリアランスを経て対向している。なお、搬送溝144の幅寸法は、搬送溝132の幅寸法と略同じとされている。また、第2搬送レーン108は、支持脚140により前後方向に振動可能に保持されており、電磁モータ(
図8参照)146の作動により、前後方向に振動する。なお同様に、電磁モータ146の作動で、第2搬送レーン108は非常に小さな振動幅で高周波に振動することで、第2搬送レーン108の搬送溝144に並んだ部品が前方に向かって移動する。
【0025】
ちなみに、第2搬送レーン108の後端と、第1搬送レーン106の前端とのクリアランスは、第2搬送レーン108の振動幅と第1搬送レーン106の振動幅とを加算した幅より大きくされている。これにより、第1搬送レーン106及び第2搬送レーン108の振動時に、第1搬送レーン106と第2搬送レーン108とが当接しないようにされている。また、後に詳しく説明するが、第1搬送レーン106の搬送溝132から、第2搬送レーン108の搬送溝144に、電子部品が搬送されるが、第1搬送レーン106の前端と、第2搬送レーン108の後端とのクリアランスは、その電子部品の外寸より小さくされている。これにより、第1搬送レーン106の搬送溝132から、第2搬送レーン108の搬送溝144に、電子部品が搬送される際に、電子部品の脱落が防止される。
【0026】
また、供給ブロック110は、フィーダ本体100の上面において、第2搬送レーン108の前端と対向する位置で、支持脚150により支持されている。なお、供給ブロック110の上面は、第2搬送レーン108の上面と略同じ高さに位置している。そして、供給ブロック110の上面には、
図7に示すように、凹部152が形成されている。その凹部152の幅寸法は、電子部品の幅寸法より僅かに大きくされており、凹部152の長さ寸法は、電子部品の長さ寸法より僅かに大きくされている。これにより、凹部152に、1個の電子部品を位置決めして収容する。
【0027】
また、凹部152は、供給ブロック110の第2搬送レーン108と対向する後端面に開口しており、その凹部152の開口と、第2搬送レーン108の搬送溝144の前端の開口とが僅かなクリアランスを経て対向している。なお、供給ブロック110の後端面と、第2搬送レーン108の前端とのクリアランスは、第2搬送レーン108の振動幅より大きくされている。これにより、第2搬送レーン108の振動時に、供給ブロック110と第2搬送レーン108とが当接しないようにされている。また、後に詳しく説明するが、第2搬送レーン108の搬送溝144から、供給ブロック110の凹部152に、電子部品が搬送されるが、供給ブロック110の後端面と、第2搬送レーン108の前端とのクリアランスは、その電子部品の外寸より小さくされている。これにより、第2搬送レーン108の搬送溝144から、供給ブロック110の凹部152に、電子部品が搬送される際に、電子部品の脱落が防止される。
【0028】
また、ボウル104の上方には、
図3及び
図4に示すように、検出センサ160が配設されている。検出センサ160は、限定反射型のセンサであり、ボウル104の上方からボウル104の部品収容部122の底面に向って光が照射される。そして、検出センサ160から照射された光が、部品収容部122に収容された部品によって反射し、その反射した光を検出センサ160により受光することで、ボウル104内にある電子部品を検出する。一方で、ボウル104内に適正な数量の部品がない場合には、照射された光は電子部品によって反射することはない為に、検出センサ160反射光を受光することはない。つまり検出センサ160は、ボウル104の部品収容部122に収容されている電子部品が適正な数量あるのか否かを検出する。
【0029】
また、第1搬送レーン106には、
図7に示すように、円筒状の検出センサ170が配設されている。検出センサ170は、透過型のセンサであり、投光部172と受光部174とにより構成されている。投光部172と受光部174とは、搬送溝132を挟んだ状態で互いに対向して配設されている。投光部172と受光部174とは、第1搬送レーン106に埋設されており、投光部172から照射された光が、搬送溝132を介して、受光部174により受光される。このため、投光部172と受光部174との間の搬送溝132に電子部品が有る場合には、その電子部品に、投光部172から照射された光が遮られるため、受光部174は、投光部172により照射された光を受光しない。一方で、投光部172と受光部174との間の搬送溝132に電子部品が無い場合には、受光部174は、投光部172から照射された光を受光する。これにより、検出センサ170は、受光部174による受光の有無に基づいて、搬送溝132の検出センサが配置された位置における電子部品の有無を検出する。
【0030】
また、第2搬送レーン108にも、透過型の円筒状の検出センサ180が配設されており、その検出センサ180は、投光部182と受光部184とにより構成されている。投光部182と受光部184とは、搬送溝144を挟んだ状態で互いに対向して配設されている。投光部182と受光部184とは、第2搬送レーン108に埋設されており、投光部182から照射された光が、搬送溝144を介して、受光部184により受光される。このため、投光部182と受光部184との間の搬送溝144に電子部品が有る場合には
、その電子部品に、投光部182から照射された光が遮られるため、受光部184は、投光部182により照射された光を受光しない。一方で、投光部182と受光部184との間の搬送溝144に電子部品が無い場合には、受光部184は、投光部182から照射された光を受光する。これにより、検出センサ180は、受光部184による受光の有無に基づいて、搬送溝144の検出センサが配置された位置における電子部品の有無を検出する。
【0031】
また、供給ブロック110にも、透過型の円筒状の検出センサ190が配設されており、その検出センサ190は、投光部192と受光部194とにより構成されている。投光部192と受光部194とは、凹部152を挟んだ状態で互いに対向して配設されている。投光部192と受光部194とは、供給ブロック110に埋設されており、投光部192から照射された光が、凹部152を介して、受光部194により受光される。このため、投光部192と受光部194との間の凹部152に電子部品が有る場合には、その電子部品に、投光部192から照射された光が遮られるため、受光部194は、投光部192により照射された光を受光しない。一方で、投光部192と受光部194との間の凹部152に電子部品が無い場合には、受光部194は、投光部192から照射された光を受光する。これにより、検出センサ190は、受光部194による受光の有無に基づいて、凹部152の電子部品の有無を検出する。
【0032】
また、制御装置36は、
図8に示すように、コントローラ200、複数の駆動回路202、画像処理装置206を備えている。複数の駆動回路202は、上記搬送装置50、クランプ装置52、作業ヘッド60,62、X方向移動装置68、Y方向移動装置70、Z方向移動装置72、トレイ型部品供給装置78、電磁モータ120,128,136,146、ばら部品供給装置30に接続されている。コントローラ200は、CPU,ROM,RAM等を備え、コンピュータを主体とするものであり、複数の駆動回路202に接続されている。これにより、基材搬送保持装置22、部品装着装置24等の作動が、コントローラ200によって制御される。また、コントローラ200は、画像処理装置206にも接続されている。画像処理装置206は、撮像装置26,28によって得られた画像データを処理するものであり、コントローラ200は、画像データから各種情報を取得する。さらに、コントローラ200は、ボウルフィーダ82の検出センサ160,170,180,190にも接続されている。これにより、コントローラ200は、検出センサ160,170,180,190による検出結果を取得する。
【0033】
部品実装装置10は、上述した構成によって、基材搬送保持装置22に保持された回路基材12に対して部品の装着作業が行われる。具体的には、回路基材12が、作業位置まで搬送され、その位置において、クランプ装置52によって固定的に保持される。次に、撮像装置26が、回路基材12の上方に移動し、回路基材12を撮像する。これにより、回路基材12の保持位置の誤差に関する情報が得られる。また、ばら部品供給装置30若しくは、部品供給装置32は、所定の供給位置において、部品を供給する。なお、部品供給装置30のボウルフィーダ82による部品の供給に関しては、後で詳しく説明する。そして、作業ヘッド60,62の何れかが、部品の供給位置の上方に移動し、吸着ノズル66によって部品を保持する。続いて、部品を保持した作業ヘッド60,62が、撮像装置28の上方に移動し、撮像装置28によって、吸着ノズル66に保持された部品が撮像される。これにより、部品の保持位置の誤差に関する情報が得られる。そして、部品を保持した作業ヘッド60,62が、回路基材12の上方に移動し、保持している部品を、回路基材12の保持位置の誤差,部品の保持位置の誤差等を補正し、回路基材12上に装着する。
【0034】
なお、ボウルフィーダ82では、電子部品が、作業者によって部品ホッパ102の部品投入部112に投入され、その投入された電子部品が、部品ホッパ102,ボウル104
,第1搬送レーン106,第2搬送レーン108の反復振動により、供給ブロック110の凹部152まで搬送され、その凹部152において電子部品が供給される。
【0035】
詳しくは、作業者は、部品ホッパ102の部品投入部112に複数の電子部品を投入する。なお、部品投入部112に投入される電子部品は、例えば、規格としては0603と呼ばれる1辺が1mm未満の非常に小さな部品である。そして、部品投入部112に投入された電子部品は、限定反射型のセンサが部品収容部122に収容された部品を検知することができなくなったことをトリガーとして、部品ホッパ102の電磁モータ120の作動により、部品投入部112に形成された搬送路118に沿って部品投入部112の内壁面を螺旋状に上昇していく。
【0036】
詳しくは、電磁モータ120の作動により、部品ホッパ102は、上述したように、高周波で前後方向及び左右方向に捩り振動する。つまり、部品ホッパ102は、捩り方向に高周波で反復振動する。この際、部品投入部112に投入されている電子部品は、部品ホッパ102の捩り方向への反復振動に起因した遠心力により、部品投入部112の内壁面に向って付勢される。これにより、部品投入部112に投入されている電子部品は、搬送路118に沿って部品投入部112の内壁面を螺旋状に上昇していく。そして、搬送路118に沿って上昇した電子部品は、部品ホッパ102の突出部114に形成された溝116に至り、溝116の前端の開口から落下して限定反射型のセンサが部品を検知するまでボウルに電子部品が供給される。
【0037】
そして、部品ホッパ102の突出部114の前端の下方には、ボウル104の部品収容部122が位置しているため、溝116の前端から落下した電子部品は、ボウル104の部品収容部122に収容される。次に、ボウル104の部品収容部122に収容された電子部品は、ボウル104の電磁モータ128の作動により、部品収容部122に形成された搬送路124に沿って部品収容部122の内壁面を螺旋状に上昇していく。
【0038】
詳しくは、電磁モータ128の作動により、ボウル104は、上述したように、高周波で前後方向及び左右方向に捩り振動する。つまり、ボウル104は、捩り方向に高周波で反復振動する。この際、部品収容部122に収容されている電子部品は、ボウル104の捩り方向への反復振動に起因した遠心力により、部品収容部122の内壁面に向って付勢される。これにより、部品収容部122に収容されている電子部品は、搬送路124に沿って部品収容部122の内壁面を螺旋状に上昇していく。
【0039】
そして、搬送路124に沿って上昇した電子部品は、搬送路124の上端に至り、その搬送路124の上端と対向する第1搬送レーン106の搬送溝132に入り込む。つまり、搬送路124に沿って上昇した電子部品が、搬送路124の上端から第1搬送レーン106の搬送溝132に送り込まれる。なお、搬送溝132の幅寸法は、電子部品の幅寸法より僅かに大きくされているため、電子部品の幅方向と搬送溝132の幅方向とが一致する姿勢で、電子部品は搬送溝132に入り込む。つまり、電子部品は、電子部品の長さ方向を搬送溝132の延びる方向とし、電子部品の幅方向を搬送溝132の幅方向とする姿勢で、搬送溝132に入り込む。また、ボウル104の電磁モータ128の作動に伴って、ボウル104の搬送路124から第1搬送レーン106の搬送溝132に、順次、電子部品が入り込むため、搬送溝132において、複数の電子部品が、上述した所定の姿勢で1列に並んだ状態となる。この際、搬送溝132に入り込んだ電子部品が、ボウル104の搬送路124から第1搬送レーン106の搬送溝132に、新たに入り込む電子部品により押されることで、互いに隣り合う電子部品が隙間なく密着する。
【0040】
このように、所定の姿勢で1列に並んだ状態で搬送溝132に入り込んだ複数の電子部品は、第1搬送レーン106の電磁モータ136の作動により、第1搬送レーン106の
前端に向って搬送される。詳しくは、電磁モータ136の作動により、第1搬送レーン106は、上述したように、高周波で前後方向に反復振動する。この際、搬送溝132に入り込んでいる電子部品が斜め前方に向って浮き上がるように電磁モータ136の振動周波数が調整されている。このため、第1搬送レーン106が高周波で前後方向に反復振動することで、搬送溝132に入り込んでいる電子部品が小刻みに前方に向って進行する。これにより、第1搬送レーン106では、搬送溝132の内部において、複数の電子部品が1列に並んだ状態で後端から前端に向って搬送される。
【0041】
そして、第1搬送レーン106において搬送溝132の前端まで搬送された電子部品が、第2搬送レーン108の搬送溝144の後端に入り込む。つまり、搬送溝132の前端まで搬送された電子部品が、その搬送溝132の前端から第2搬送レーン108の搬送溝144の後端に送り込まれる。なお、搬送溝144の幅寸法は、電子部品の幅寸法より僅かに大きくされているため、電子部品の幅方向と搬送溝144の幅方向とが一致する姿勢で、電子部品は搬送溝144に入り込む。つまり、電子部品は、電子部品の長さ方向を搬送溝144の延びる方向とし、電子部品の幅方向を搬送溝144の幅方向とする姿勢で、搬送溝144に入り込む。また、第1搬送レーン106の電磁モータ136の作動に伴って、第1搬送レーン106の搬送溝132から第2搬送レーン108の搬送溝144に、順次、電子部品が入り込むため、搬送溝144において、複数の電子部品が、上述した所定の姿勢で1列に並んだ状態となる。この際、搬送溝144に入り込んだ電子部品が、第1搬送レーン106の搬送溝132から第2搬送レーン108の搬送溝144に、新たに入り込む電子部品により押されることで、互いに隣り合う電子部品が隙間なく密着する。
【0042】
このように、所定の姿勢で1列に並んだ状態で搬送溝144に入り込んだ複数の電子部品は、第2搬送レーン108の電磁モータ146の作動により、第2搬送レーン108の前端に向って搬送される。詳しくは、電磁モータ146の作動により、第2搬送レーン108は、上述したように、高周波で前後方向に反復振動する。この際、搬送溝144に入り込んでいる電子部品が斜め前方に向って浮き上がるように電磁モータ146の振動周波数が調整されている。このため、第2搬送レーン108が高周波で前後方向に反復振動することで、搬送溝144に入り込んでいる電子部品が小刻みに前方に向って進行する。これにより、第2搬送レーン108では、搬送溝144の内部において、複数の電子部品が1列に並んだ状態で後端から前端に向って搬送される。
【0043】
そして、第2搬送レーン108において搬送溝144の前端まで搬送された電子部品が、供給ブロック110の凹部152に入り込む。つまり、搬送溝144の前端まで搬送された電子部品が、その搬送溝144の前端から供給ブロック110の凹部152に送り込まれる。なお、凹部152の幅寸法は、電子部品の幅寸法より僅かに大きくされており、凹部152の長さ寸法は、電子部品の長さ寸法より僅かに大きくされている。このため、第2搬送レーン108の搬送溝144から凹部152に、1個の電子部品が所定の姿勢で入り込んだ状態で収容される。そして、凹部152に収容された1個の電子部品が供給される。つまり、ボウルフィーダ82では、凹部152が供給位置として機能しており、凹部152に収容された電子部品がひとつずつ所定の姿勢で供給される。
【0044】
なお、凹部152に電子部品が収容されると、上述したように、検出センサ190によって電子部品が検出される。これにより、コントローラ200は、作業ヘッド60,62及び作業ヘッド移動装置64に部品の保持指令を出力することで、凹部152に収容されている1個の電子部品が吸着ノズル66により保持される。つまり、ボウルフィーダ82では、検出センサ190により部品が検出されることを条件として、凹部152に収容されている1個の電子部品が吸着ノズル66により保持される。なお、検出センサ190による電子部品の検出は、ボウルフィーダ82の稼働時において常時、行われている。そして、凹部152から1個の電子部品が吸着ノズル66により保持されて取り出されると、
第2搬送レーン108の電磁モータ146の作動により、第2搬送レーン108の搬送溝144から、新たに1個の電子部品が凹部152に収容される。これにより、ボウルフィーダ82では、1個の電子部品が凹部152において順次、供給される。
【0045】
上述したように、ボウルフィーダ82では、電磁モータ120,128,136,146の作動により、部品ホッパ102の部品投入部112に投入された電子部品が、ボウル104,第1搬送レーン106,第2搬送レーン108を経由して、供給ブロック110の凹部152において供給される。この際、電磁モータ120,128,136の作動は、検出センサ160,170,180の検出結果に基づいて制御される。
【0046】
具体的には、部品ホッパ102の電磁モータ120の作動は、検出センサ160の検出結果に基づいて制御される。検出センサ160は、ボウル104の部品収容部122に収容されている電子部品の数量の過不足を検出するものであり、検出センサ160から照射された光が部品に反射することなく戻らないことにより部品収容部122に電子部品が十分に収容されていないことが検出されると、電磁モータ120が作動し、部品ホッパ102が反復振動する。これにより、部品ホッパ102からボウル104に電子部品が補給される。そして、検出センサ160により部品収容部122に不足なく電子部品が収容されていることが検出されると、電磁モータ120の作動が停止する。これにより、部品ホッパ102からボウル104への電子部品の補給が停止する。なお、検出センサ160による電子部品の検出は、ボウルフィーダ82の稼働時において常時、行われている。
【0047】
また、ボウル104の電磁モータ128の作動は、検出センサ170の検出結果に基づいて制御される。検出センサ170は、第1搬送レーン106の搬送溝132の電子部品の有無を検出するものであり、検出センサ170により搬送溝132に電子部品がないことが検出されると、電磁モータ128が作動し、ボウル104が反復振動する。これにより、ボウル104から第1搬送レーン106の搬送溝132に電子部品が送り込まれる。そして、検出センサ170により搬送溝132に電子部品があることが検出されると、電磁モータ128の作動が停止する。これにより、ボウル104から第1搬送レーン106の搬送溝132への電子部品の送り込みが停止する。なお、検出センサ170による電子部品の検出は、ボウルフィーダ82の稼働時において常時、行われている。
【0048】
また、第1搬送レーン106の電磁モータ136の作動は、検出センサ180の検出結果に基づいて制御される。検出センサ180は、第2搬送レーン108の搬送溝144に配設された位置における電子部品の有無を検出するものであり、検出センサ180により搬送溝144の所定の位置に電子部品がないことが検出されると、電磁モータ136が作動し、第1搬送レーン106が反復振動する。これにより、第1搬送レーン106の搬送溝132から第2搬送レーン108の搬送溝144に電子部品が送り込まれる。そして、検出センサ180により搬送溝144の所定の位置に電子部品があることが検出されると、電磁モータ136の作動が停止する。これにより、第1搬送レーン106の搬送溝132から第2搬送レーン108の搬送溝144への電子部品の送り込みが停止する。なお、検出センサ180による電子部品の検出は、ボウルフィーダ82の稼働時において常時、行われている。
【0049】
なお、第2搬送レーン108の電磁モータ146は、検出センサ190の検出結果に関わらず、常時作動する。つまり、検出センサ190は、供給ブロック110の凹部152の電子部品の有無を検出するものであるため、凹部152の電子部品の有無に関わらず、第2搬送レーン108の電磁モータ146は常時作動する。このため、第2搬送レーン108は、常時、反復振動しており、凹部152から電子部品が作業ヘッドの吸着ノズル66により保持されて取り出される毎に、第2搬送レーン108の搬送溝144から供給ブロック110の凹部152に電子部品が収容される。
【0050】
このように、ボウルフィーダ82では、ボウル104と第1搬送レーン106と第2搬送レーン108との各々に検出センサ160,170,180が設けられている。そして、それらの検出センサ160,170,180の検出結果に基づいて、部品ホッパ102とボウル104と第1搬送レーン106の各々の電磁モータの作動が個別に制御されることで、ボウルフィーダ82により適切に電子部品を供給することが可能となる。
【0051】
つまり、例えば、ボウル104の部品収容部122に収容されている電子部品の有無に関わらず、電磁モータ120が常時作動し、部品ホッパ102が反復振動すると、多くの電子部品が収容されている部品収容部122に、部品ホッパ102から更に電子部品が補給される場合がある。このような場合には、ボウル104が反復振動しても、部品収容部122において電子部品の数が多すぎるため、ボウル104に収容された電子部品を適切に分散させることができずに、部品収容部122の搬送路124において電子部品を搬送できない虞がある。一方、ボウルフィーダ82では、検出センサ160により部品収容部122に十分な数量の電子部品が収容されていないことが検出された場合に、電磁モータ120が作動し、部品ホッパ102が反復振動する。これにより、部品収容部122に収容される電子部品の数を適正にすることが可能となり、延いては、ボウル104の反復振動により適切に電子部品を搬送路124において搬送することが可能となる。
【0052】
また、例えば、第1搬送レーン106の搬送溝132の電子部品の数量の過不足を検出することなく、電磁モータ128を常時作動させてボウル104が反復振動するとすでに十分な数量の電子部品が入り込んでいる第1搬送レーン106の搬送溝132に、ボウル104から更に電子部品が供給され入り込む場合がある。このような場合には、搬送溝132の内部に供給された過剰な数量の複数の電子部品が密着し隙間の無い状態となることで、第1搬送レーン106が反復振動しても、電子部品が浮き上がることすらできずに、延いては、前方に向って進行しない虞がある。また、ボウル104と第1搬送レーン106との間には、上述したように、僅かなクリアランスがあるが、第1搬送レーン106の搬送溝132において電子部品が前方に向って進行できずに滞留すると、その僅かなクリアランスにおいて電子部品が詰まってしまう虞もある。一方、ボウルフィーダ82では、検出センサ170により搬送溝132の所定位置に電子部品がないことが検出された場合に、電磁モータ128が作動し、ボウル104が反復振動する。このため、第1搬送レーン106の搬送溝132に入り込む電子部品の数を制限することが可能となり、搬送溝132の内部での電子部品の滞留,ボウル104と第1搬送レーン106との間のクリアランスでの電子部品の詰まりを防止することが可能となる。これにより、第1搬送レーン106の反復振動により適切に電子部品を搬送溝132において搬送することが可能となる。
【0053】
また、例えば、第2搬送レーン108の搬送溝144の電子部品の数量の過不足を検出することなく、電磁モータ136が常時作動させて第1搬送レーン106が反復振動すると、すでに十分な数量の電子部品が入り込んでいる第2搬送レーン108の搬送溝144に、第1搬送レーン106から更に電子部品が供給され入り込む場合がある。このような場合には、搬送溝144の内部に供給された過剰な数量の複数の電子部品が密着し隙間の無い状態となり、第2搬送レーン108が反復振動しても、電子部品が浮き上がることすらできずに、延いては、前方に向って進行しない虞がある。また、第1搬送レーン106と第2搬送レーン108との間には、上述したように、僅かなクリアランスがあるが、第2搬送レーン108の搬送溝144において電子部品が前方に向って進行できずに滞留すると、その僅かなクリアランスにおいて電子部品が詰まってしまう虞もある。さらに言えば、搬送溝144の内部において、複数の電子部品が密着し隙間の無い状態となった際に、搬送溝144の先頭の電子部品が、供給ブロック110の凹部152に収容されている電子部品と密着する。このような場合には、搬送溝144の先頭の電子部品が、凹部15
2に収容されている電子部品を凹部152の内壁面に向って押し付けるため、凹部152に収容されている電子部品が吸着ノズル66により保持されても、作業ヘッドの上昇時に電子部品が吸着ノズル66では持ち上げることすら出来なかったり、仮に途中まで持ち上げることが出来たとしても脱落する虞がある。一方、ボウルフィーダ82では、検出センサ180により搬送溝144の所定位置に電子部品がないことが検出された場合に、電磁モータ136が作動し、第1搬送レーン106が反復振動する。このため、第2搬送レーン108の搬送溝144に入り込む電子部品を適正な数量にすることが可能となり、搬送溝144の内部での電子部品の滞留,凹部152に収容された電子部品の吸着ノズル66からの脱落,第1搬送レーン106と第2搬送レーン108との間のクリアランスでの電子部品の詰まりを防止することが可能となる。これにより、第2搬送レーン108の反復振動により適切に電子部品を搬送溝144において搬送するとともに、凹部152に収容された電子部品の吸着ノズル66による適切な保持を担保することが可能となる。
【0054】
このように、ボウルフィーダ82では、検出センサ160,170,180の検出結果に基づいて、部品ホッパ102とボウル104と第1搬送レーン106との各々の電磁モータの作動が個別に制御されることで、ボウルフィーダ82は供給位置において安定的に電子部品を供給することが可能となる。そして、安定的に電子部品が供給されることで、作業者はボウルフィーダ82の部品詰まりによる作動の停止や、停止に伴うメンテナンス頻度が少なくなり、作業者の負担を軽減することが可能となる。さらに言えば、作業者はボウルフィーダ82の作動を監視する時間が少なくなるため、その時間を利用して、他の作業を行うことが可能となり、生産効率が向上する。
【0055】
特に、従来のボウルフィーダでは、第2搬送レーン108に検出センサ180は設けられていたが、第1搬送レーン106に検出センサ170は設けられていなかった。このため、ボウル104の電磁モータ128と、第1搬送レーン106の電磁モータ136とは、個別に制御されず、連動して制御されていた。つまり、検出センサ180により第2搬送レーン108の搬送溝144の所定位置に電子部品が有ることが検出された場合に、ボウル104の電磁モータ128と、第1搬送レーン106の電磁モータ136とが作動していた。そして、検出センサ180により第2搬送レーン108の搬送溝144の所定位置に電子部品が無いことが検出された場合に、ボウル104の電磁モータ128と、第1搬送レーン106の電磁モータ136との作動が停止していた。
【0056】
このように、第2搬送レーン108に設けられた検出センサ180の検出結果に基づいて、ボウル104の電磁モータ128と、第1搬送レーン106の電磁モータ136とを連動して制御すると、第1搬送レーン106の搬送溝132の所定位置に電子部品が有るにも係わらず、ボウル104の電磁モータ128が作動する場合がある。つまり、検出センサ180により第2搬送レーン108の搬送溝144の所定位置に電子部品が無いと検出された場合であっても、第1搬送レーン106の搬送溝132の所定位置に電子部品が有る場合がある。このような場合であっても、第1搬送レーン106の電磁モータ136だけではなく、ボウル104の電磁モータ128も作動するために、上述したように、第1搬送レーンの搬送溝132の内部において電子部品の滞留が発生したり,ボウル104と第1搬送レーン106との間のクリアランスにおいて電子部品の詰まりが発生したりする虞がある。
【0057】
また、第2搬送レーン108に設けられた検出センサ180の検出結果に基づいて、ボウル104の電磁モータ128と、第1搬送レーン106の電磁モータ136とを連動して制御すると、第1搬送レーン106の搬送溝132の所定位置に電子部品が無いにも係わらず、ボウル104の電磁モータ128の作動が停止する場合がある。つまり、検出センサ180により第2搬送レーン108の搬送溝144の所定位置に電子部品が有ると検出された場合であっても、第1搬送レーン106の搬送溝132の所定位置に電子部品が
無い場合がある。このような場合であっても、第1搬送レーン106の電磁モータ136だけではなく、ボウル104の電磁モータ128の作動も停止するために、電子部品がない第1搬送レーン106の搬送溝132には、ボウル104から電子部品が供給されない。このため、ボウルフィーダ82の電子部品の搬送経路において電子部品が無い区間が生じることで電子部品の搬送が不安定になったり、ボウルフィーダ82から電子部品が供給されなくなる時間が生じる虞がある。
【0058】
一方で、ボウルフィーダ82では、第2搬送レーン108に検出センサ180が設けられるとともに、第1搬送レーン106にも検出センサ170が設けられている。そして、ボウル104の電磁モータ128と、第1搬送レーン106の電磁モータ136とは、検出センサ170,180の検出結果に基づいて個別に制御される。このため、例えば、第2搬送レーン108の搬送溝144の所定位置に電子部品が無く、第1搬送レーン106の搬送溝132の所定位置に電子部品が有る場合には、第1搬送レーン106の電磁モータ136が作動し、ボウル104の電磁モータ128の作動は停止する。このように各電磁モータを制御することで、第1搬送レーン106から第2搬送レーン108への電子部品の補給を行うことが出来るとともに、第1搬送レーン106の搬送溝132の内部において電子部品の滞留が発生したり,ボウル104と第1搬送レーン106との間のクリアランスにおいて電子部品の詰まりを防止することができる。また、例えば、第2搬送レーン108の搬送溝144の所定位置に電子部品が有ると検出され、第1搬送レーン106の搬送溝132の所定位置に電子部品が無いと検出された場合には、第1搬送レーン106の電磁モータ136の作動が停止し、ボウル104の電磁モータ128は作動する。このように各電磁モータを制御することで、第2搬送レーン108の搬送溝144の内部でおいて電子部品の滞留が発生したり,第1搬送レーン106と第2搬送レーン108との間のクリアランスにおいて電子部品の詰まりを防止するとともに、ボウル104から第1搬送レーン106への電子部品の補給を行うことができる。
【0059】
また、例えば、第2搬送レーン108の搬送溝144の所定位置に電子部品が有ることが検出され、第1搬送レーン106の搬送溝132の所定位置にも電子部品が有ると検出された場合には、第1搬送レーン106の電磁モータ136の作動が停止し、ボウル104の電磁モータ128の作動も停止する。これにより、第1搬送レーン106及び第2搬送レーン108での搬送溝132,144の内部において電子部品の滞留が発生したり,第1搬送レーン106と第2搬送レーン108との間のクリアランス及び、ボウル104と第1搬送レーン106との間のクリアランスにおいて電子部品の詰まりを防止することができる。また、例えば、第2搬送レーン108の搬送溝144の所定位置において電子部品が検出できず、第1搬送レーン106の搬送溝132の所定位置にも電子部品が無いと検出された場合には、第1搬送レーン106の電磁モータ136が作動するとともに、ボウル104の電磁モータ128も作動する。このように各電磁モータを制御することで、第1搬送レーン106から第2搬送レーン108へ電子部品の補給を行うことが出来るとともに、ボウル104から第1搬送レーン106への電子部品の補給も行うことができる。このように、ボウル104の電磁モータ128と、第1搬送レーン106の電磁モータ136とが個別に制御されることで、各搬送レーンは安定的に搬送可能な適正数の電子部品を備えることが出来、延いては、ボウルフィーダ82は供給位置において途切れることなく安定的に電子部品を供給することが出来る。
【0060】
なお、制御装置36は、制御装置の一例である。ボウルフィーダ82は、ボウルフィーダの一例である。ボウル104は、ボウルの一例である。第1搬送レーン106は、搬送部の一例である。第2搬送レーン108は、搬送部の一例である。供給ブロック110は、供給部の一例である。検出センサ160は、第1検出センサの一例である。検出センサ170は、第2検出センサの一例である。検出センサ180は、第2検出センサの一例である。検出センサ190は、第3検出センサの一例である。
【0061】
また、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。例えば、上記実施例では、第2搬送レーン108の電磁モータ146は常時作動しているが、検出センサ190の検出結果に基づいて制御されてもよい。つまり、第2搬送レーン108の電磁モータ146は、供給ブロック110の凹部152での電子部品の有無に基づいて制御されてもよい。具体的には、検出センサ190により凹部152に電子部品が無いと検出された場合に、電磁モータ146が作動し、第2搬送レーン108が反復振動することで、第2搬送レーン108から凹部152に電子部品が供給されてもよい。また、検出センサ190により凹部152に電子部品が有ると検出された場合に、電磁モータ146の作動が停止し、第2搬送レーン108の反復振動が停止することで、第2搬送レーン108から凹部152への電子部品の供給が停止するように制御されてもよい。
【0062】
また、上記実施例では、供給ブロック110の凹部152での電子部品の有無が検出センサ190により検出されているが、撮像装置26による撮像データに基づいて凹部152での電子部品の有無が判断されてもよい。つまり、作業ヘッド60,62により凹部152から電子部品が保持される前に、撮像装置26により凹部152が撮像される。そして、コントローラにおいて撮像データが分析されることで、凹部152に電子部品が有るか否かが判断されてもよい。
【0063】
また、上記実施例では、作業者が部品ホッパ102に電子部品を投入し、その部品ホッパ102から電子部品がボウル104に補給されているが、作業者がボウル104に電子部品を投入してもよい。つまり、部品ホッパ102のないボウルフィーダを採用することも可能である。
【0064】
また、上記実施例では、第1搬送レーン106と第2搬送レーン108との2本の搬送レーンにより、電子部品をボウル104から供給ブロック110まで搬送しているが、1本の搬送レーンにより、電子部品をボウル104から供給ブロック110まで搬送してもよい。つまり、第1搬送レーン106と第2搬送レーン108とを一体的な1本の搬送レーンとしてもよい。このような場合には、その1本の搬送レーンの所定位置に検出センサが配設され、その検出センサの検出結果に基づいてボウル104の作動が制御される。なお、その1本の搬送レーンには、通常、1つの検出センサが配設されるが、複数の検出センサを所定位置に配設して電子部品を検出してもよい。このように、搬送レーンに検出センサを配設することで、搬送レーンは適正数の電子部品を保有することが出来、延いては、ボウルフィーダは様々な種類の電子部品を供給位置において途切れることなく安定的に供給することが出来る。また、その1本の搬送レーンの作動は、凹部152での電子部品の有無、つまり、検出センサ190の検出結果に基づいて制御されても良いし、所定のタイミングで動作するように制御しても良い。
【0065】
また、上記実施例では、検出センサ160,170,180,190による電子部品の検出は、ボウルフィーダ82の稼働時において常時、検出されているが、任意のタイミングで検出するようにしてもよい。具体的には、例えば、所定の周期で検出センサ160,170,180,190による電子部品の検出が行われてもよい。また、例えば、検出センサ160,170,180,190が配設されている箇所で電子部品が移動するタイミングで検出センサ160,170,180,190による電子部品の検出が行われてもよい。つまり、検出センサ160が配設されているボウル104が反復振動したタイミングで検出センサ160による電子部品の検出が行われてもよく、検出センサ170が配設されている第1搬送レーン106が反復振動したタイミングで検出センサ170による電子部品の検出が行われてもよい。また各ボウルや搬送レーンを振動させるための駆動源として、電磁モータに代えてピエゾ素子や空圧・油圧式の各種アクチュエータを採用しても良
い。
【0066】
また、上記実施例では、電子部品を供給するボウルフィーダ82に本発明が適用されているが、電子部品に限定されず、種々の部品を供給するボウルフィーダに本発明が適用することができる。
【符号の説明】
【0067】
36:制御装置 82:ボウルフィーダ 104:ボウル 106:第1搬送レーン(搬送部) 108:第2搬送レーン(搬送部) 110:供給ブロック(供給部) 160:検出センサ(第1検出センサ) 170:検出センサ(第2検出センサ) 180:検出センサ(第2検出センサ) 190:検出センサ(第3検出センサ)