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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】液晶デバイス
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1345 20060101AFI20240617BHJP
   G02F 1/1347 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
G02F1/1345
G02F1/1347
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020172578
(22)【出願日】2020-10-13
(65)【公開番号】P2022064069
(43)【公開日】2022-04-25
【審査請求日】2023-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金坂 裕一
(72)【発明者】
【氏名】長尾 康一
(72)【発明者】
【氏名】大平 智秀
(72)【発明者】
【氏名】今井 貴之
【審査官】磯崎 忠昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-169173(JP,A)
【文献】特開昭53-080242(JP,A)
【文献】特開2008-065010(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110515246(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1345
G02F 1/1347
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1接続部を有する第1延出部を備えた第1液晶セルと、
第2接続部を有する第2延出部を備え、前記第1液晶セルに接着された第2液晶セルと、
第1端子を有し、前記第1液晶セルの前記第1接続部に接続された第1フレキシブル配線基板と、
第2端子を有し、前記第2液晶セルの前記第2接続部に接続された第2フレキシブル配線基板と、
前記第1端子と接続される第1コネクタ、及び、前記第2端子と接続される第2コネクタを備えた回路基板と、を備え、
平面視において、前記第1延出部は、前記第2延出部に重畳し、前記第1フレキシブル配線基板及び前記第2フレキシブル配線基板は、互いに重畳することなく並び、
前記回路基板のエッジから前記第1コネクタまでの第1距離、及び、前記エッジから前記第2コネクタまでの第2距離は、互いに異なる、液晶デバイス。
【請求項2】
前記第1フレキシブル配線基板の長さ、及び、前記第2フレキシブル配線基板の長さは、同等である、請求項1に記載の液晶デバイス。
【請求項3】
前記回路基板は、前記第2液晶セルと対向するように配置され、
前記第1距離は、前記第2距離より小さい、請求項2に記載の液晶デバイス。
【請求項4】
第1接続部を有する第1延出部を備えた第1液晶セルと、
第2接続部を有する第2延出部を備え、前記第1液晶セルに接着された第2液晶セルと、
第3接続部を有する第3延出部を備え、前記第2液晶セルに接着された第3液晶セルと、
第4接続部を有する第4延出部を備え、前記第3液晶セルに接着された第4液晶セルと、
第1端子を有し、前記第1液晶セルの前記第1接続部に接続された第1フレキシブル配線基板と、
第2端子を有し、前記第2液晶セルの前記第2接続部に接続された第2フレキシブル配線基板と、
第3端子を有し、前記第3液晶セルの前記第3接続部に接続された第3フレキシブル配線基板と、
第4端子を有し、前記第4液晶セルの前記第4接続部に接続された第4フレキシブル配線基板と、
前記第1端子と接続される第1コネクタ、前記第2端子と接続される第2コネクタ、前記第3端子と接続される第3コネクタ、及び、前記第4端子と接続される第4コネクタを備えた回路基板と、を備え、
平面視において、前記第1延出部、前記第2延出部、前記第3延出部、及び、前記第4延出部は、互いに重畳し、前記第1フレキシブル配線基板、前記第2フレキシブル配線基板、前記第3フレキシブル配線基板、及び、前記第4フレキシブル配線基板は、互いに重畳することなく、この順に並び、
前記回路基板のエッジから前記第1コネクタまでの第1距離、前記エッジから前記第2コネクタまでの第2距離、前記エッジから前記第3コネクタまでの第3距離、及び、前記エッジから前記第4コネクタまでの第4距離は、互いに異なる、液晶デバイス。
【請求項5】
前記第1フレキシブル配線基板の長さ、前記第2フレキシブル配線基板の長さ、前記第3フレキシブル配線基板の長さ、及び、前記第4フレキシブル配線基板の長さは、同等である、請求項4に記載の液晶デバイス。
【請求項6】
前記回路基板は、前記第4液晶セルと対向するように配置され、
前記第1距離は、前記第2距離より小さく、
前記第2距離は、前記第3距離より小さく、
前記第3距離は、前記第4距離より小さい、請求項5に記載の液晶デバイス。
【請求項7】
前記第1液晶セル、前記第2液晶セル、前記第3液晶セル、及び、前記第4液晶セルの各々は、
帯状に形成された複数の第1電極を備える第1基板と、
帯状に形成された複数の第2電極を備える第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に保持された液晶層と、を備え、
前記第1電極及び前記第2電極は、互いに交差している、請求項6に記載の液晶デバイス。
【請求項8】
前記第1液晶セル及び前記第4液晶セルの各々の前記第1電極は、互いに直交し、
前記第2液晶セル及び前記第3液晶セルの各々の前記第1電極は、互いに直交している、請求項7に記載の液晶デバイス。
【請求項9】
前記第1液晶セル、前記第2液晶セル、前記第3液晶セル、及び、前記第4液晶セルの各々において、前記第1基板は、それぞれ正方形状に形成され、同等のサイズを有している、請求項8に記載の液晶デバイス。
【請求項10】
前記複数の第1電極は、同一電圧が印加されるように構成された複数の第1帯電極と、前記第1帯電極とは異なる電圧が印加されるように構成された複数の第2帯電極と、を含み、前記第1帯電極と前記第2帯電極とが交互に並び、
前記複数の第2電極は、同一電圧が印加されるように構成された複数の第3帯電極と、
前記第3帯電極とは異なる電圧が印加されるように構成された複数の第4帯電極と、を含み、前記第3帯電極と前記第4帯電極とが交互に並んでいる、請求項9に記載の液晶デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、液晶デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶セルを用いた光制御装置が提案されている。このような光制御装置は、主として、一偏光成分を集束させたり発散させたりするものである。一例では、複数の輪帯電極を備えた液晶レンズが提案されている。また、他の例としては、扇状の複数の分割領域に配置された透明電極を備えた液晶レンズも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-76926号公報
【文献】特開2016-57541号公報
【文献】特表2013-515969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、信頼性を向上することが可能な液晶デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態の液晶デバイスは、
第1液晶セルと、前記第1液晶セルに接着された第2液晶セルと、第1端子を有し、前記第1液晶セルに接続された第1フレキシブル配線基板と、第2端子を有し、前記第2液晶セルに接続された第2フレキシブル配線基板と、前記第1端子と接続される第1コネクタ、及び、前記第2端子と接続される第2コネクタを備えた回路基板と、を備え、平面視において、前記第1フレキシブル配線基板及び前記第2フレキシブル配線基板は、互いに重畳することなく並び、前記回路基板のエッジから前記第1コネクタまでの第1距離、及び、前記エッジから前記第2コネクタまでの第2距離は、互いに異なる。
【0006】
本実施形態の液晶デバイスは、
第1液晶セルと、前記第1液晶セルに接着された第2液晶セルと、前記第2液晶セルに接着された第3液晶セルと、前記第3液晶セルに接着された第4液晶セルと、第1端子を有し、前記第1液晶セルに接続された第1フレキシブル配線基板と、第2端子を有し、前記第2液晶セルに接続された第2フレキシブル配線基板と、第3端子を有し、前記第3液晶セルに接続された第3フレキシブル配線基板と、第4端子を有し、前記第4液晶セルに接続された第4フレキシブル配線基板と、前記第1端子と接続される第1コネクタ、前記第2端子と接続される第2コネクタ、前記第3端子と接続される第3コネクタ、及び、前記第4端子と接続される第4コネクタを備えた回路基板と、を備え、平面視において、前記第1フレキシブル配線基板、前記第2フレキシブル配線基板、前記第3フレキシブル配線基板、及び、前記第4フレキシブル配線基板は、互いに重畳することなく、この順に並び、前記回路基板のエッジから前記第1コネクタまでの第1距離、前記エッジから前記第2コネクタまでの第2距離、前記エッジから前記第3コネクタまでの第3距離、及び、前記エッジから前記第4コネクタまでの第4距離は、互いに異なる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本実施形態に係る液晶デバイス1を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示した液晶デバイス1を示す分解斜視図である。
図3図3は、第1フレキシブル配線基板F1、第2フレキシブル配線基板F2、第3フレキシブル配線基板F3、及び、第4フレキシブル配線基板F4の各々と回路基板50とが接続される前の状態を示す図である。
図4図4は、第1フレキシブル配線基板F1、第2フレキシブル配線基板F2、第3フレキシブル配線基板F3、及び、第4フレキシブル配線基板F4の各々と回路基板50とが接続された状態を示す図である。
図5図5は、第1液晶セル10、第2液晶セル20、第3液晶セル30、及び、第4液晶セル40を示す斜視図である。
図6図6は、第1液晶セル10の一構成例を示す断面図である。
図7図7は、液晶層LC1に電界が形成されていないオフ状態(OFF)の第1液晶セル10を模式的に示す図である。
図8図8は、液晶層LC1に電界が形成されたオン状態(ON)の第1液晶セル10を模式的に示す図である。
図9図9は、本実施形態に係る他の液晶デバイス1を示す分解斜視図である。
図10図10は、本実施形態に係る他の液晶デバイス1を示す断面図である。
図11図11は、第1フレキシブル配線基板F1及び第2フレキシブル配線基板F2の各々と回路基板50とが接続される前の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
なお、図面には、必要に応じて理解を容易にするために、互いに直交するX軸、Y軸、及び、Z軸を記載する。X軸に沿った方向を第1方向Xと称し、Y軸に沿った方向を第2方向Yと称し、Z軸に沿った方向を第3方向Zと称する。X軸及びY軸によって規定される面をX-Y平面と称し、X-Y平面を見ることを平面視という。
【0010】
図1は、本実施形態に係る液晶デバイス1を示す斜視図である。
液晶デバイス1は、第1液晶セル10と、第2液晶セル20と、第3液晶セル30と、第4液晶セル40と、第1フレキシブル配線基板F1と、第2フレキシブル配線基板F2と、第3フレキシブル配線基板F3と、第4フレキシブル配線基板F4と、回路基板50と、を備えている。本実施形態に係る液晶デバイス1は、2つ以上の複数の液晶セルを備えるものであり、図1に示した例の如く、4つの液晶セルを備える構成に限定されるものではない。
【0011】
第3方向Zにおいて、第1液晶セル10、第2液晶セル20、第3液晶セル30、及び、第4液晶セル40は、順に積層されている。
第1フレキシブル配線基板F1は、第1液晶セル10と回路基板50とを電気的に接続している。第2フレキシブル配線基板F2は、第2液晶セル20と回路基板50とを電気的に接続している。第3フレキシブル配線基板F3は、第3液晶セル30と回路基板50とを電気的に接続している。第4フレキシブル配線基板F4は、第4液晶セル40と回路基板50とを電気的に接続している。
【0012】
第1フレキシブル配線基板F1、第2フレキシブル配線基板F2、第3フレキシブル配線基板F3、及び、第4フレキシブル配線基板F4は、それぞれ、第1液晶セル10、第2液晶セル20、第3液晶セル30、及び、第4液晶セル40のエッジに沿って折り曲げられ、さらに、回路基板50のエッジ50Eに沿って折り曲げられている。回路基板50は、第3方向Zにおいて、第4液晶セル40と対向するように配置されている。
【0013】
回路基板50と第4液晶セル40との間には、点線で示す光源部LSを配置するための領域が確保される。光源部LSは、少なくとも光源を備え、必要に応じて光源と第4液晶セル40との間にレンズ等の光学素子を備える。
光源部LSから出射される光は、例えば自然光である。光源部LSからの出射光は、第4液晶セル40、第3液晶セル30、第2液晶セル20、及び、第1液晶セル10を順に透過する。後述するように、第4液晶セル40、第3液晶セル30、第2液晶セル20、及び、第1液晶セル10は、入射光の一部の偏光成分を拡散するように構成されている。このように、液晶デバイス1と光源部LSとを組み合わせることで、光の拡散方向が可変の照明装置を提供することができる。
【0014】
図2は、図1に示した液晶デバイス1を示す分解斜視図である。なお、図2は、第1フレキシブル配線基板F1、第2フレキシブル配線基板F2、第3フレキシブル配線基板F3、及び、第4フレキシブル配線基板F4の各々が折り曲げられる前の状態を示している。また、回路基板50の図示を省略している。
【0015】
第1液晶セル10は、第1基板S11と、第2基板S21と、を備えている。第1基板S11は、第1方向Xに沿って第2基板S21よりも外側に延出した延出部EX1と、第2方向Yに沿って第2基板S21よりも外側に延出した延出部EY1と、を有している。延出部EY1は、第1フレキシブル配線基板F1と接続される接続部CY1を有している。
【0016】
第2液晶セル20は、第1基板S12と、第2基板S22と、を備えている。第1基板S12は、第1方向Xに沿って第2基板S22よりも外側に延出した延出部EX2と、第2方向Yに沿って第2基板S22よりも外側に延出した延出部EY2と、を有している。第3方向Zにおいて、延出部EX2は延出部EX1に重畳し、延出部EY2は延出部EY1に重畳している。延出部EY2は、第2フレキシブル配線基板F2と接続される接続部CY2を有している。
【0017】
第3液晶セル30は、第1基板S13と、第2基板S23と、を備えている。第1基板S13は、第1方向Xに沿って第2基板S23よりも外側に延出した延出部EX3と、第2方向Yに沿って第2基板S23よりも外側に延出した延出部EY3と、を有している。第3方向Zにおいて、延出部EY3は、延出部EY2に重畳している。延出部EX3は、延出部EX2とは重畳せず、延出部EX2の反対側に位置している。延出部EY3は、第3フレキシブル配線基板F3と接続される接続部CY3を有している。
【0018】
第4液晶セル40は、第1基板S14と、第2基板S24と、を備えている。第1基板S14は、第1方向Xに沿って第2基板S24よりも外側に延出した延出部EX4と、第2方向Yに沿って第2基板S24よりも外側に延出した延出部EY4と、を有している。第3方向Zにおいて、延出部EX4は延出部EX3に重畳し、延出部EY4は延出部EY3に重畳している。延出部EY4は、第4フレキシブル配線基板F4と接続される接続部CY4を有している。
【0019】
第1液晶セル10と第2液晶セル20との間には、透明接着層A12が配置されている。透明接着層A12は、第1液晶セル10の第1基板S11と第2液晶セル20の第2基板S22とを接着している。
【0020】
第2液晶セル20と第3液晶セル30との間には、透明接着層A23が配置されている。透明接着層A23は、第2液晶セル20の第1基板S12と第3液晶セル30の第2基板S23とを接着している。
【0021】
第3液晶セル30と第4液晶セル40との間には、透明接着層A34が配置されている。透明接着層A34は、第3液晶セル30の第1基板S13と第4液晶セル40の第2基板S24とを接着している。
【0022】
X-Y平面の平面視においては、接続部CY1、接続部CY2、接続部CY3、及び、接続部CY4は、互いに重畳することなく、第1方向Xに沿ってこの順に並んでいる。また、第1フレキシブル配線基板F1、第2フレキシブル配線基板F2、第3フレキシブル配線基板F3、及び、第4フレキシブル配線基板F4は、互いに重畳することなく、第1方向Xに沿ってこの順に並んでいる。
【0023】
第1フレキシブル配線基板F1、第2フレキシブル配線基板F2、第3フレキシブル配線基板F3、及び、第4フレキシブル配線基板F4は、同一の構成を有するものである。すなわち、第1フレキシブル配線基板F1の長さ、第2フレキシブル配線基板F2の長さ、第3フレキシブル配線基板F3の長さ、及び、第4フレキシブル配線基板F4の長さは、同等である。この点について、以下に詳述する。
【0024】
図3は、第1フレキシブル配線基板F1、第2フレキシブル配線基板F2、第3フレキシブル配線基板F3、及び、第4フレキシブル配線基板F4の各々と回路基板50とが接続される前の状態を示す図である。
【0025】
第1フレキシブル配線基板F1は、第1基板S11のエッジ11Eに沿って折り曲げられている。第2フレキシブル配線基板F2は、第1基板S12のエッジ12Eに沿って折り曲げられている。第3フレキシブル配線基板F3は、第1基板S13のエッジ13Eに沿って折り曲げられている。第4フレキシブル配線基板F4は、第1基板S14のエッジ14Eに沿って折り曲げられている。
【0026】
第1フレキシブル配線基板F1は、第1基板S11と接続される位置の反対側に第1端子T1を有している。第2フレキシブル配線基板F2は、第1基板S12と接続される位置の反対側に第2端子T2を有している。第3フレキシブル配線基板F3は、第1基板S13と接続される位置の反対側に第3端子T3を有している。第4フレキシブル配線基板F4は、第1基板S14と接続される位置の反対側に第4端子T4を有している。
【0027】
第1フレキシブル配線基板F1は、エッジ11Eに沿って折り曲げられた位置から第1端子T1の先端までの長さL1を有している。第2フレキシブル配線基板F2は、エッジ12Eに沿って折り曲げられた位置から第2端子T2の先端までの長さL2を有している。第3フレキシブル配線基板F3は、エッジ13Eに沿って折り曲げられた位置から第3端子T3の先端までの長さL3を有している。第4フレキシブル配線基板F4は、エッジ14Eに沿って折り曲げられた位置から第4端子T4の先端までの長さL4を有している。長さL1、長さL2、長さL3、及び、長さL4は、同等である(L1=L2=L3=L4)。
【0028】
第1端子T1の先端の位置と第2端子T2の先端の位置とを比較すると、第2端子T2は、差分ΔL1だけ第1端子T1よりも下方に位置している。差分ΔL1は、概ね、第1基板S11、透明接着層A12、及び、第2基板S22の各々の厚さの和に相当する。
【0029】
第2端子T2の先端の位置と第3端子T3の先端の位置とを比較すると、第3端子T3は、差分ΔL2だけ第2端子T2よりも下方に位置している。差分ΔL2は、概ね、第1基板S12、透明接着層A23、及び、第2基板S23の各々の厚さの和に相当する。差分ΔL2は、差分ΔL1と同等である(ΔL2=ΔL1)。
【0030】
第3端子T3の先端の位置と第4端子T4の先端の位置とを比較すると、第4端子T4は、差分ΔL3だけ第3端子T3よりも下方に位置している。差分ΔL3は、概ね、第1基板S13、透明接着層A34、及び、第2基板S24の各々の厚さの和に相当する。差分ΔL3は、差分ΔL2と同等である(ΔL3=ΔL2)。
【0031】
回路基板50は、第1端子T1と接続される第1コネクタC1、第2端子T2と接続される第2コネクタC2、第3端子T3と接続される第3コネクタC3、及び、第4端子T4と接続される第4コネクタC4を備えている。
【0032】
回路基板50のエッジ50Eから第1コネクタC1までの第1距離D1、エッジ50Eから第2コネクタC2までの第2距離D2、エッジ50Eから第3コネクタC3までの第3距離D3、及び、エッジ50Eから第4コネクタC4までの第4距離D4は、互いに異なる(D1≠D2≠D3≠D4)。ここで基準としているエッジ50Eとは、図1を参照して説明したように、回路基板50のエッジのうち、第1フレキシブル配線基板F1、第2フレキシブル配線基板F2、第3フレキシブル配線基板F3、及び、第4フレキシブル配線基板F4の各々の折り曲げの起点となるエッジに相当する。
【0033】
図3に示す例では、第1距離D1は、第2距離D2より小さい(D1<D2)。第2距離D2は、第3距離D3より小さい(D2<D3)。第3距離D3は、第4距離D4より小さい(D3<D4)。例えば、第1コネクタC1、第2コネクタC2、第3コネクタC3、及び、第4コネクタC4が一定の間隔で並んでいる場合、第1コネクタC1、第2コネクタC2、第3コネクタC3、及び、第4コネクタC4は、一点鎖線で示すように、回路基板50のエッジ50Eに対して非平行な同一直線上に位置している。
【0034】
第1コネクタC1の位置と第2コネクタC2の位置とを比較すると、第2コネクタC2は、差分ΔD1だけ第1コネクタC1よりも下方に位置している。差分ΔD1は、差分ΔL1と同等である(ΔD1=ΔL1)。
【0035】
第2コネクタC2の位置と第3コネクタC3の位置とを比較すると、第3コネクタC3は、差分ΔD2だけ第2コネクタC2よりも下方に位置している。差分ΔD2は、差分ΔD1と同等である(ΔD2=ΔD1)。また、差分ΔD2は、差分ΔL2と同等である(ΔD2=ΔL2)。
【0036】
第3コネクタC3の位置と第4コネクタC4の位置とを比較すると、第4コネクタC4は、差分ΔD3だけ第3コネクタC3よりも下方に位置している。差分ΔD3は、差分ΔD3と同等である(ΔD3=ΔD2)。また、差分ΔD3は、差分ΔL3と同等である(ΔD3=ΔL3)。
【0037】
図4は、第1フレキシブル配線基板F1、第2フレキシブル配線基板F2、第3フレキシブル配線基板F3、及び、第4フレキシブル配線基板F4の各々と回路基板50とが接続された状態を示す図である。
【0038】
第1フレキシブル配線基板F1、第2フレキシブル配線基板F2、第3フレキシブル配線基板F3、及び、第4フレキシブル配線基板F4の各々は、回路基板50のエッジ50Eに沿って折り曲げられている。
【0039】
第1端子T1は、第1コネクタC1に接続されている。第2端子T2は、第2コネクタC2に接続されている。第3端子T3は、第3コネクタC3に接続されている。第4端子T4は、第4コネクタC4に接続されている。
【0040】
このような本実施形態の液晶デバイスによれば、回路基板50に関して、第1コネクタC1、第2コネクタC2、第3コネクタC3、及び、第4コネクタC4がエッジ50Eから等距離に配置された場合と比較して、第1フレキシブル配線基板F1、第2フレキシブル配線基板F2、第3フレキシブル配線基板F3、及び、第4フレキシブル配線基板F4の各々の弛みが抑制される。このため、各フレキシブル配線基板から液晶セルの接続部に加わるストレスが緩和され、信頼性を向上することができる。
【0041】
また、仕様(特に長さ)の異なる複数種類のフレキシブル配線基板を用意する場合と比較して、コストを削減することができるとともに、フレキシブル配線基板と液晶セルとの接続間違いを防止することができる。
【0042】
次に、第1液晶セル10、第2液晶セル20、第3液晶セル30、及び、第4液晶セル40について説明する。
【0043】
図5は、第1液晶セル10、第2液晶セル20、第3液晶セル30、及び、第4液晶セル40を示す斜視図である。
【0044】
第1液晶セル10は、第1基板S11と、第2基板S21と、液晶層LC1と、を備えている。液晶層LC1は、第1基板S11と第2基板S21との間に保持されている。第1基板S11は、帯状に形成された複数の第1電極E11を備えている。複数の第1電極E11は、第1方向Xに沿って延出し、第2方向Yに沿って間隔をおいて並んでいる。第2基板S21は、帯状に形成された複数の第2電極E21を備えている。複数の第2電極E21は、第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに沿って間隔をおいて並んでいる。つまり、複数の第1電極E11、及び、複数の第2電極E21は、互いに交差している。平面視において、第1電極E11と第2電極E21との交差角は、90°以下である。
【0045】
第2液晶セル20は、複数の第1電極E12を備えた第1基板S12と、複数の第2電極E22を備えた第2基板S22と、液晶層LC2と、を備えている。液晶層LC2は、第1基板S12と第2基板S22との間に保持されている。複数の第1電極E12は、第1方向Xに沿って延出し、第2方向Yに沿って間隔をおいて並んでいる。複数の第2電極E22は、第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに沿って間隔をおいて並んでいる。
【0046】
第3液晶セル30は、複数の第1電極E13を備えた第1基板S13と、複数の第2電極E23を備えた第2基板S23と、液晶層LC3と、を備えている。液晶層LC3は、第1基板S13と第2基板S23との間に保持されている。複数の第1電極E13は、第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに沿って間隔をおいて並んでいる。複数の第2電極E23は、第1方向Xに沿って延出し、第2方向Yに沿って間隔をおいて並んでいる。
【0047】
第4液晶セル40は、複数の第1電極E14を備えた第1基板S14と、複数の第2電極E24を備えた第2基板S24と、液晶層LC4と、を備えている。液晶層LC4は、第1基板S14と第2基板S24との間に保持されている。複数の第1電極E14は、第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに沿って間隔をおいて並んでいる。複数の第2電極E24は、第1方向Xに沿って延出し、第2方向Yに沿って間隔をおいて並んでいる。
【0048】
第1液晶セル10の第1電極E11及び第4液晶セル40の第1電極E14は、平面視において、互いに直交している。第2液晶セル20の第1電極E12及び第3液晶セル30の第1電極E13は、平面視において、互いに直交している。第1液晶セル10の第1電極E11及び第2液晶セル20の第1電極E12は、平面視において、ほぼ平行である。第3液晶セル30の第1電極E13及び第4液晶セル40の第1電極E14は、平面視において、ほぼ平行である。
【0049】
第1液晶セル10の第1基板S11、第2液晶セル20の第1基板S12、第3液晶セル30の第1基板S13、及び、第4液晶セル40の第1基板S14は、それぞれ正方形状に形成され、同等のサイズを有している。つまり、第1基板S11乃至S14の各々は、第1方向Xに沿って同等の長さLXを有し、且つ、第2方向Yに沿って同等の長さLYを有している。また、長さLXは、長さLYと同等である(LX=LY)。
【0050】
このため、第1液晶セル10、第2液晶セル20、第3液晶セル30、及び、第4液晶セル40が互いに接着された際には、図1に示したように、第1方向Xに沿ったエッジが重畳し、しかも、第2方向Yに沿ったエッジも重畳している。
【0051】
第1液晶セル10、第2液晶セル20、第3液晶セル30、及び、第4液晶セル40は、実質的に同様の構成を有しているが、以下、代表して第1液晶セル10についてより具体的に説明する。
【0052】
複数の第1電極E11は、複数の第1帯電極E11Aと、複数の第2帯電極E11Bと、を含んでいる。複数の第1帯電極E11Aは、互いに電気的に接続され、同一電圧が印加されるように構成されている。複数の第2帯電極E11Bは、互いに電気的に接続され、同一電圧が印加されるように構成されている。但し、第2帯電極E11Bに印加される電圧は、第1帯電極E11Aに印加される電圧とは異なるように制御される。これらの第1帯電極E11Aと第2帯電極E11Bとは、第2方向Yに沿って、交互に並んでいる。
【0053】
複数の第2電極E21は、複数の第3帯電極E21Aと、複数の第4帯電極E21Bと、を含んでいる。複数の第3帯電極E21Aは、互いに電気的に接続され、同一電圧が印加されるように構成されている。複数の第4帯電極E21Bは、互いに電気的に接続され、同一電圧が印加されるように構成されている。但し、第4帯電極E21Bに印加される電圧は、第3帯電極E21Aに印加される電圧とは異なるように制御される。これらの第3帯電極E21Aと第4帯電極E21Bとは、第1方向Xに沿って、交互に並んでいる。
【0054】
図6は、第1液晶セル10の一構成例を示す断面図である。ここでは、第1液晶セル10について説明するが、第2液晶セル20、第3液晶セル30、及び、第4液晶セル40も第1液晶セル10と同様の断面構造を有しており、それらの説明については省略する。
【0055】
第1液晶セル10は、入射光を散乱することが可能な有効領域AAを有している。第1基板S11及び第2基板S21は、有効領域AAの外側において、シールSEによって接着されている。液晶層LC1は、シールSEによって封止されている。
【0056】
第1基板S11は、絶縁基板11と、第1帯電極E11A及び第2帯電極E11Bを含む複数の第1電極E11と、複数の給電線PL11乃至PL14と、配向膜AL1と、を備えている。複数の第1電極E11、及び、給電線PL11乃至PL14は、絶縁基板11の上に配置され、配向膜AL1によって覆われている。
【0057】
第1帯電極E11Aは、給電線PL12と電気的に接続されている。第2帯電極E11Bは、給電線PL13と電気的に接続されている。給電線PL11は、シールSEよりも外側に引き出された給電端子PT11を有している。給電線PL14は、シールSEよりも外側に引き出された給電端子PT14を有している。給電端子PT11及びPT14は、配向膜AL1から露出している。
【0058】
第2基板S21は、絶縁基板21と、第2電極E21と、複数の給電線PL21及びPL24と、配向膜AL2と、を備えている。第2電極E21、及び、給電線PL21及びPL24は、絶縁基板21の上に配置され、配向膜AL2によって覆われている。なお、ここでは、複数の第1電極E11と直交する第2電極E21の一つのみが図示されているが、図5を参照して説明した通り、第2基板S21は、絶縁基板21と配向膜AL2との間に、第3帯電極E21A及び第4帯電極E21Bを含む複数の第2電極E21を備えている。
【0059】
第2電極E21のうち、第3帯電極E21Aは、給電線PL21と電気的に接続されている。なお、第2電極E21のうち、図示しない第4帯電極E21Bは、給電線PL24と電気的に接続されている。給電線PL21は、シールSEよりも外側に引き出された給電端子PT21を有している。給電端子PT21は、給電端子PT11の直上に位置している。給電線PL24は、シールSEよりも外側に引き出された給電端子PT24を有している。給電端子PT24は、給電端子PT14の直上に位置している。給電端子PT21及びPT24は、配向膜AL2から露出している。
【0060】
導電材CD1は、給電端子PT11と給電端子PT21との間に配置され、両者を電気的に接続している。導電材CD2は、給電端子PT14と給電端子PT24との間に配置され、両者を電気的に接続している。
【0061】
絶縁基板11及び21は、例えばガラス基板や樹脂基板などの透明基板である。第1電極E11及び第2電極E21は、インジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料によって形成された透明電極である。給電線PL11乃至PL14、及び、給電線PL21及びPL24は、アルミニウム、チタン、モリブデン、タングステンなどの金属材料によって形成されている。なお、給電線PL11乃至PL14、及び、給電線PL21及びPL24は、透明電極と同一材料によって形成されてもよい。配向膜AL1及びAL2は、X-Y平面に略平行な配向規制力を有する水平配向膜である。
【0062】
次に、図7及び図8を参照しながら、第1液晶セル10における光学作用について説明する。なお、図7及び図8においては、説明に必要な構成のみを図示している。
【0063】
図7は、液晶層LC1に電界が形成されていないオフ状態(OFF)の第1液晶セル10を模式的に示す図である。
オフ状態の液晶層LC1においては、液晶分子LM1は、初期配向している。このようなオフ状態では、液晶層LC1は、ほぼ均一な屈折率分布を有している。このため、第1液晶セル10への入射光である第1偏光成分POL1は、ほとんど屈折(あるいは散乱)されることなく液晶層LC1を透過する。なお、ここでの第1偏光成分POL1とは、自然光のうち、例えばP偏光に相当する。本明細書においては、P偏光に直交するS偏光を第2偏光成分POL2と称する場合がある。
【0064】
図8は、液晶層LC1に電界が形成されたオン状態(ON)の第1液晶セル10を模式的に示す図である。
例えば、液晶層LC1が正の誘電率異方性を有している場合、液晶層LC1に電界が形成されたオン状態では、液晶分子LM1は、その長軸が電界に沿うように配向する。このため、図8に示すように、液晶層LC1においては、液晶分子LM1が初期配向状態に維持される領域、液晶分子LM1が基板に対してほぼ垂直に立ち上がった領域、液晶分子LM1が基板に対して斜め方向に立ち上がった領域などが形成される。
【0065】
液晶分子LM1は、屈折率異方性Δnを有している。このため、オン状態の液晶層LC1は、液晶分子LM1の配向状態に応じた屈折率分布、あるいは、リタデーション分布を有する。ここでのリタデーションとは、液晶層LC1の厚さをdとしたとき、Δn・dで表されるものである。
このようなオン状態では、第1偏光成分POL1は、液晶層LC1を透過する際に、液晶層LC1の屈折率分布の影響を受けて散乱される。
【0066】
第1液晶セル10、第2液晶セル20、第3液晶セル30、及び、第4液晶セル40が積層された構成において、例えば、第1液晶セル10及び第4液晶セル40は、自然光のうち、主として第1偏光成分(P偏光)POL1を散乱し、第2液晶セル20及び第3液晶セル30は、主として第2偏光成分(S偏光)POL2を散乱する。
【0067】
ところで、屈折率分布が形成された液晶層に白色光が入射する場合、波長毎に散乱の度合いが異なる。このため、散乱された白色光の一部が色付くおそれがある。
【0068】
そこで、本実施形態においては、第1液晶セル10の液晶層LC1に形成される屈折率分布、及び、第4液晶セル40の液晶層LC4に形成される屈折率分布は、互いに異なるように構成されている。これにより、第1液晶セル10における第1偏光成分POL1の散乱度合と、第4液晶セル40における第1偏光成分POL1の散乱度合とが異なり、第1偏光成分POL1の色付きが抑制される。
【0069】
同様に、第2液晶セル20の液晶層LC2に形成される屈折率分布、及び、第3液晶セル30の液晶層LC3に形成される屈折率分布は、互いに異なるように構成されている。これにより、第2液晶セル20における第2偏光成分POL2の散乱度合と、第3液晶セル30における第2偏光成分POL2の散乱度合とが異なり、第2偏光成分POL2の色付きが抑制される。
【0070】
次に、本実施形態に係る他の液晶デバイス1について説明する。
【0071】
図9は、本実施形態に係る他の液晶デバイス1を示す分解斜視図である。なお、図9は、第1フレキシブル配線基板F1及び第2フレキシブル配線基板F2の各々が折り曲げられる前の状態を示している。
【0072】
液晶デバイス1は、第1液晶セル10と、第2液晶セル20と、第1フレキシブル配線基板F1と、第2フレキシブル配線基板F2と、照明装置ILと、回路基板50と、を備えている。
【0073】
第3方向Zにおいて、第1液晶セル10、第2液晶セル20、及び、照明装置ILは、順に積層されている。第1フレキシブル配線基板F1は、第1液晶セル10と回路基板50とを電気的に接続している。第2フレキシブル配線基板F2は、第2液晶セル20と回路基板50とを電気的に接続している。
【0074】
第1液晶セル10は、第1基板S11と、第2基板S21と、を備えている。第1基板S11は、第2方向Yに沿って第2基板S21よりも外側に延出した延出部EY1を有している。第1フレキシブル配線基板F1は、延出部EY1に接続されている。偏光板PL1は第1基板S11に接着され、偏光板PL2は第2基板S21に接着されている。
【0075】
第2液晶セル20は、第1基板S12と、第2基板S22と、を備えている。第1基板S12は、第2方向Yに沿って第2基板S22よりも外側に延出した延出部EY2を有している。第3方向Zにおいて、延出部EY2は、延出部EY1に重畳している。第2フレキシブル配線基板F2は、延出部EY2に接続されている。偏光板PL3は第1基板S12に接着され、偏光板PL4は第2基板S22に接着されている。
【0076】
第1液晶セル10と第2液晶セル20との間には、透明接着層A12が配置されている。透明接着層A12は、偏光板PL1と偏光板PL4とを接着している。
【0077】
X-Y平面の平面視においては、第1フレキシブル配線基板F1及び第2フレキシブル配線基板F2は、互いに重畳することなく、第1方向Xに沿って並んでいる。第1フレキシブル配線基板F1の長さ、及び、第2フレキシブル配線基板F2の長さは、同等であるが、この点については後述する。
【0078】
ここで、第1液晶セル10は画像表示用のカラー液晶パネルであり、第2液晶セル20は調光用のモノクロ液晶パネルである。つまり、第1液晶セル10はカラーフィルタを備える一方で、第2液晶セル20はカラーフィルタを備えていない。この点を除けば、第1液晶セル10及び第2液晶セル20は、実質的に同様の構成を有している。
【0079】
第1液晶セル10は、画像を表示する表示領域DAを有している。表示領域DAは、例えば、第1方向X及び第2方向Yに沿ってマトリクス状に配置された複数の画素PXを備えている。図9において拡大して示すように、各画素PXは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC1等を備えている。
【0080】
スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線G及び信号線Sと電気的に接続されている。走査線Gは、第1方向Xに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。信号線Sは、第2方向Yに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。
【0081】
画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEの各々は、共通電極CEと対向し、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって液晶層LC1を駆動している。容量CSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極、及び、画素電極PEと同電位の電極の間に形成される。
【0082】
このような液晶デバイス1によれば、照明装置ILからの光を第2液晶セル20によって画素PX毎に制御して、第1液晶セル10に照明することにより、第1液晶セル10に表示される画像のコントラストを向上させることができる。
【0083】
図10は、本実施形態に係る他の液晶デバイス1を示す断面図である。
【0084】
第1液晶セル10において、第1基板S11は、絶縁基板11及び配向膜AL11を備えている。なお、図10においては図示を省略するが、絶縁基板11と配向膜AL11との間には、図9に示した走査線G、信号線S、スイッチング素子SW、画素電極PE及び共通電極CE等が更に設けられている。
【0085】
第2基板S21は、絶縁基板21、遮光膜BM1、カラーフィルタ層CF、オーバーコート層OC、及び、配向膜AL21を備えている。遮光膜BM1及びカラーフィルタ層CFは、絶縁基板21に設けられている。遮光膜BM1は、上記した走査線G及び信号線Sの直上に位置し、各画素PXを区画している。カラーフィルタ層CFは、赤カラーフィルタCFR、緑カラーフィルタCFG、及び、青カラーフィルタCFBを含んでいる。オーバーコート層OCは、カラーフィルタ層CFを覆っている。配向膜AL21は、オーバーコート層OCを覆っている。
【0086】
液晶層LC1は、第1基板S11と第2基板S21との間に配置され、配向膜AL11及び配向膜AL21に接している。
【0087】
第2液晶セル20において、第1基板S12は、絶縁基板12及び配向膜AL12を備えている。なお、図10においては図示を省略するが、絶縁基板12と配向膜AL12との間には、図9に示した走査線G、信号線S、スイッチング素子SW、画素電極PE及び共通電極CE等が更に設けられている。
【0088】
第2基板S22は、絶縁基板22、遮光膜BM2、及び、配向膜AL22を備えている。第2液晶セル20は、調光パネルであるため、画像表示用の第1液晶セル10とは異なり、明るさ(つまり、照明装置ILからの光の透過率)を制御することが目的であり、カラー画像を形成する必要がない。このため、第2基板S22には、カラーフィルタ層CFが設けられていない。
【0089】
遮光膜BM2は、絶縁基板22に設けられている。遮光膜BM2は、上記した走査線G及び信号線Sの直上に位置し、各画素PXを区画している。なお、遮光膜BM2は、平面視において、遮光膜BM1に重畳するように配置される。配向膜AL22は、遮光膜BM2を覆っている。
【0090】
液晶層LC2は、第1基板S12と第2基板S22との間に配置され、配向膜AL12及び配向膜AL22に接している。
【0091】
図11は、第1フレキシブル配線基板F1及び第2フレキシブル配線基板F2の各々と回路基板50とが接続される前の状態を示す図である。
【0092】
第1フレキシブル配線基板F1は、第1基板S11のエッジ11Eに沿って折り曲げられている。第2フレキシブル配線基板F2は、第1基板S12のエッジ12Eに沿って折り曲げられている。
【0093】
第1フレキシブル配線基板F1は、第1基板S11と接続される位置の反対側に第1端子T1を有している。第2フレキシブル配線基板F2は、第1基板S12と接続される位置の反対側に第2端子T2を有している。
【0094】
第1フレキシブル配線基板F1は、エッジ11Eに沿って折り曲げられた位置から第1端子T1の先端までの長さL1を有している。第2フレキシブル配線基板F2は、エッジ12Eに沿って折り曲げられた位置から第2端子T2の先端までの長さL2を有している。長さL1及び長さL2は、同等である(L1=L2)。
【0095】
第1端子T1の先端の位置と第2端子T2の先端の位置とを比較すると、第2端子T2は、差分ΔL1だけ第1端子T1よりも下方に位置している。差分ΔL1は、概ね、第1基板S11、偏光板PL1、透明接着層A12、偏光板PL4、及び、第2基板S22の各々の厚さの和に相当する。
【0096】
回路基板50は、第1端子T1と接続される第1コネクタC1、及び、第2端子T2と接続される第2コネクタC2を備えている。
回路基板50のエッジ50Eから第1コネクタC1までの第1距離D1、及び、エッジ50Eから第2コネクタC2までの第2距離D2は、互いに異なる(D1≠D2)。第1距離D1は、第2距離D2より小さい(D1<D2)。
【0097】
第1コネクタC1の位置と第2コネクタC2の位置とを比較すると、第2コネクタC2は、差分ΔD1だけ第1コネクタC1よりも下方に位置している。差分ΔD1は、差分ΔL1と同等である(ΔD1=ΔL1)。
【0098】
これらの第1フレキシブル配線基板F1及び第2フレキシブル配線基板F2の各々は、回路基板50のエッジ50Eに沿って折り曲げられる。第1端子T1は第1コネクタC1に接続され、第2端子T2は第2コネクタC2に接続される。
【0099】
このような本実施形態の液晶デバイスにおいても、上記したのと同様の効果が得られる。
【0100】
以上説明したように、本実施形態によれば、信頼性を向上することが可能な液晶デバイスを提供することができる。
【0101】
なお、この発明は、上記実施形態そのものに限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0102】
1…液晶デバイス LS…光源
10…第1液晶セル S11…第1基板 E11…第1電極(E11A…第1帯電極、E11B…第2帯電極) S21…第2基板 E21…第2電極(E21A…第3帯電極、E21B…第4帯電極) LC1…第1液晶層
20…第2液晶セル 30…第3液晶セル 40…第4液晶セル
F1…第1フレキシブル配線基板 T1…第1端子
F2…第2フレキシブル配線基板 T2…第2端子
F3…第3フレキシブル配線基板 T3…第3端子
F4…第4フレキシブル配線基板 T4…第4端子
50…回路基板 C1…第1コネクタ C2…第2コネクタ C3…第3コネクタ C4…第4コネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11