(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】インタラクティブなクロージャデバイス及び飲料容器
(51)【国際特許分類】
H04W 4/06 20090101AFI20240617BHJP
B65D 41/02 20060101ALI20240617BHJP
B65D 55/02 20060101ALI20240617BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20240617BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20240617BHJP
【FI】
H04W4/06
B65D41/02
B65D55/02
H04M1/00 U
H04W84/10 110
(21)【出願番号】P 2020500812
(86)(22)【出願日】2018-07-12
(86)【国際出願番号】 US2018041828
(87)【国際公開番号】W WO2019014450
(87)【国際公開日】2019-01-17
【審査請求日】2021-07-09
(32)【優先日】2017-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591235706
【氏名又は名称】ペプシコ・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】ライアン・キャンベル
(72)【発明者】
【氏名】ブルーノ・テレスカ
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-103067(JP,A)
【文献】特開2006-062716(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0165387(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0152829(US,A1)
【文献】特表2004-535336(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/06
B65D 41/02
B65D 55/02
H04M 1/00
H04W 84/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インタラクティブな飲料容器であって、
ボトルと、
前記ボトルの開口部を封止することによって前記飲料容器を閉鎖するためのキャップと、
前記キャップに取り付けられた回路であって、前記回路が、ブロードキャストエリアを介してデータを送信するように構成されている、回路と、を備え、
前記飲料容器が前記キャップによって閉鎖されているとき、前記回路の前記ブロードキャストエリアは前記ボトルの外側に延在せず、
前記飲料容器が開いているとき、前記ブロードキャストエリアは、前記キャップが前記ボトルに取り付けられていないときに、前記キャップの開放端の方向に延在し、前記データは、前記ブロードキャストエリア内のモバイルデバイスによって受信可能で、
遮蔽要素が前記キャップ内に埋め込まれ、
前記遮蔽要素は、前記キャップを貫通する前記データの送信を防止する、インタラクティブな飲料容器。
【請求項2】
前記データが無線周波数によって前記モバイルデバイスに転送される、請求項1に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項3】
前記回路が、前記キャップの裏面に取り付けられ、封止されている、請求項1に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項4】
前記回路が前記キャップ内に埋め込まれている、請求項1に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項5】
前記ブロードキャストエリアが、前記キャップの裏面に垂直な方向に延在する、請求項1に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項6】
前記ブロードキャストエリアが、前記飲料容器の高さよりも小さい距離に延在する、請求項5に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項7】
前記回路から転送された前記データは、前記モバイルデバイスがネットワークを介してオーディオ又はビデオコンテンツにアクセスすることを可能にする、請求項1に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項8】
前記回路から転送された前記データは、前記モバイルデバイスがネットワークを介してコンテンツにアクセスすることを可能にし、
前記コンテンツは、前記モバイルデバイスの地理的位置に依存する、請求項1に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項9】
前記回路から転送された前記データは、前記モバイルデバイスがネットワークを介してコンテンツにアクセスすることを可能にし、
前記コンテンツは、前記モバイルデバイスによる前記コンテンツへのアクセスの時間に依存する、請求項1に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項10】
前記回路がNFCタグである、請求項1に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項11】
飲料容器用のクロージャであって、前記クロージャが、
頂壁と、
前記頂壁から下方に延在する環状裾部と、
前記頂壁に結合され、無線信号を送信するように構成された回路と、を備え、
前記無線信号は、前記環状裾部を貫通せず、前記クロージャが飲料容器に取り付けられていないときにのみ、モバイルデバイスによって受信可能で、
遮蔽要素が前記頂壁と前記環状裾部内に埋め込まれている、クロージャ。
【請求項12】
前記回路が前記頂壁内に埋め込まれている、請求項11に記載のクロージャ。
【請求項13】
前記回路が、前記頂壁の裏面に取り付けられ、封止されている、請求項11に記載のクロージャ。
【請求項14】
前記回路は、前記クロージャが固定されている飲料容器に向かって及び前記飲料容器の内部で前記無線信号を送信するように構成されている、請求項11に記載のクロージャ。
【請求項15】
前記回路が、前記飲料容器の最大高さ以内に前記無線信号を送信するように構成されている、請求項14に記載のクロージャ。
【請求項16】
飲料容器からモバイルデバイスにデータを送信する方法であって、
前記データは第1のデータを含み、
前記方法は、
前記飲料容器のクロージャの通信チップにおいて電磁的に電力を受信して前記通信チップを起動することと、
前記クロージャが飲料容器に取り付けられていないときに、前記第1のデータを前記通信チップから前記クロージャの開放端の方向にのみ送信することであって、前記第1のデータがモバイルデバイスによって受信可能である、ことと、を含む、データを送信する方法。
【請求項17】
前記通信チップが、前記クロージャの裏面に垂直な方向に前記データを送信する、請求項16に記載のデータを送信する方法。
【請求項18】
前記クロージャが前記飲料容器に取り付けられているときに、前記通信チップから第2のデータを送信することを更に含み、
前記第2のデータが前記第1のデータとは異なる、請求項16に記載のデータを送信する方法。
【請求項19】
インタラクティブな飲料容器であって、
ボトルと、
前記ボトルを閉鎖するためのキャップと、
第1の方向にデータを送信するように構成された回路であって、前記回路は前記第1の方向とは180度反対の第2の方向にデータを送信しない、回路と、
前記第1の方向は、前記ボトルが前記キャップで閉鎖されている状態で、前記ボトルの内部に向かっている、インタラクティブな飲料容器。
【請求項20】
前記データが無線周波数によって送信される、請求項19に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項21】
前記キャップは前記回路を有し、
前記第1の方向は前記キャップの裏面に垂直である、請求項19に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項22】
前記回路は、前記ボトルが前記キャップで閉鎖されているとき、前記ボトルの外側にデータを送信しない、請求項19に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項23】
前記回路は、前記ボトルの高さよりも大きい距離にデータを送信しない、請求項19に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項24】
前記キャップは、データ信号遮蔽要素を有する、請求項19に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項25】
前記回路から送信された前記データは、前記ボトルが前記キャップで閉鎖されていないとき、前記データを受信するモバイルデバイスがネットワークを介してオーディオ又はビデオコンテンツにアクセスすることを可能にする、請求項19に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項26】
前記回路から送信された前記データは、前記ボトルが前記キャップで閉鎖されていないとき、前記データを受信するモバイルデバイスがネットワークを介してコンテンツにアクセスすることを可能にし、
前記コンテンツは、前記モバイルデバイスの地理的位置に依存する、請求項19に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項27】
前記回路から送信される前記データは、前記ボトルが前記キャップで閉鎖されていないとき、前記データを受信するモバイルデバイスがネットワークを介してコンテンツにアクセスすることを可能にし、
前記コンテンツは、前記モバイルデバイスによって前記コンテンツにアクセスする時間に依存する、請求項19に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項28】
前記回路がNFCタグである、請求項19に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項29】
飲料容器用のクロージャであって、
前記クロージャは、
頂壁と、
環状裾部と、
無線信号を送信するように構成された回路と、
前記頂壁と前記環状裾部の少なくとも一方に連結され、前記クロージャを介する前記無線信号の送信を防止する遮蔽要素とを有する、クロージャ。
【請求項30】
前記回路は、前記頂壁の裏面に取り付けられ、封止されている、請求項29に記載のクロージャ。
【請求項31】
前記遮蔽要素は、前記頂壁と前記環状裾部の少なくとも一方に埋め込まれている、請求項29に記載のクロージャ。
【請求項32】
ボトルであって、前記ボトルは請求項29のクロージャを有し、
前記クロージャが前記ボトルに固定されているとき、前記回路は前記ボトルに向けて前記ボトル内で前記無線信号を送信するように構成されている、ボトル。
【請求項33】
前記回路が、前記ボトルの最大高さ以内に前記無線信号を送信するように構成されている、請求項32に記載のボトル。
【請求項34】
飲料容器からモバイルデバイスにデータを送信する方法であって、
前記方法は、
前記飲料容器を封止するように構成された前記飲料容器のクロージャに結合された通信チップにおいて電磁的に電力を受信することと、
前記通信チップを起動することと、
前記クロージャが前記飲料容器に取り付けられていない場合のみ、前記クロージャの開放端の方向であって且つモバイルデバイスが前記データを受信可能な領域において、前記通信チップから前記データを送信することと、を含む、データを送信する方法。
【請求項35】
前記通信チップは、前記クロージャの裏面に垂直な方向に前記データを送信する、請求項34に記載のデータを送信する方法。
【請求項36】
前記クロージャが飲料容器に取り付けられているとき、モバイルデバイスが前記データを受信可能な領域において、前記通信チップから第2のデータを送信することを含む、請求項34に記載のデータを送信する方法。
【請求項37】
インタラクティブな飲料容器であって、
ボトルと、
前記ボトルの開口を封止することによって前記ボトルを閉鎖するためのキャップであって、通信チップを有するキャップとを有し、
前記通信チップは、前記通信チップを起動するために電磁気的に電力を受信するように構成されており、
前記通信チップは、第1の信号と第2の信号を送信するように構成されており、
前記第1の信号は、前記
キャップの開放端の方向にのみ送信され、前記キャップが前記ボトルから取り外されているときだけ、読み取り可能で、
前記第2の信号は、前記キャップが前記ボトルに結合されているときに読み取り可能である、インタラクティブな飲料容器。
【請求項38】
前記キャップを介して前記第1の信号の送信を防止する遮蔽要素を有する、請求項37に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項39】
前記第1の信号は前記第2の信号とは異なる、請求項37に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項40】
前記第1の信号は第1の方向に送信され、
前記第2の信号は、前記第1の方向とは異なる第2の方向に送信される、請求項37に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項41】
前記キャップは不正開封防止キャップである、請求項37に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項42】
前記キャップが環状裾部を有する、請求項41のインタラクティブな飲料容器。
【請求項43】
前記環状裾部は、前記ボトルのネック部の対応するねじ仕上げ部に係合するように構成されたねじ仕上げ部を有する、請求項42に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項44】
前記キャップは閉鎖状態と開放状態をとり、
前記キャップが前記閉鎖状態にあるとき、前記飲料容器がシールされている、請求項43に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項45】
前記通信チップがNFCタグである、請求項44に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項46】
前記通信チップが、前記キャップの頂壁に結合されている、請求項37に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項47】
前記キャップは環状裾部を有し、
前記環状裾部は、前記キャップが閉鎖状態にあるとき前記飲料容器のネック部で第2のねじ仕上げ部に係合するように構成された第1のねじ仕上げ部を有する、請求項37に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項48】
前記第1の信号は、報酬ポイント、栄養情報又はマーケティング資料の少なくとも一つを有する、請求項37に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項49】
インタラクティブな飲料容器であって、
クロージャであって、前記クロージャは第1のデータと第2のデータを送信するように構成された回路を有し、前記回路は前記クロージャの開放端の方向にのみ前記第1のデータを送信するように構成され、前記前記クロージャは閉鎖状態で前記飲料容器をシールするように構成されているクロージャを有し、前記クロージャは前記回路を起動するために電磁気的に電力を受信するように構成されており、
前記回路によって送信される前記第1のデータは、前記クロージャが開放状態にあるときのみ、モバイルデバイスによって受信可能であり、
前記回路によって送信される前記第2のデータは、前記クロージャが閉鎖状態にあるとき、モバイルデバイスによって受信可能であり、
前記第1のデータ又は前記第2のデータは、報酬ポイント、栄養情報、マーケティング資料又はリモートサーバに記憶された情報へのリンクの少なくとも一つを有する、インタラクティブな飲料容器。
【請求項50】
前記第1のデータ又は前記第2のデータは、報酬ポイントであり、
前記モバイルデバイスは、前記報酬ポイントを記憶し追跡するデータベースに対するアクセスを提供するように構成されている、請求項49に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項51】
前記第1のデータ又は前記第2のデータは、リモートサーバに記憶された情報へのリンクを有する、請求項49に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項52】
前記リモートサーバに記憶された前記情報は、マーケティング資料を有する、請求項51に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項53】
前記マーケティング資料は、クーポン、コマーシャル又は販売促進資料の少なくとも一つを有する、請求項52に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項54】
頂壁と、
前記飲料容器に係合するように構成された環状裾部とを有する、請求項49に記載のインタラクティブな飲料容器。
【請求項55】
前記回路は、前記モバイルデバイスから電力を受けるように構成されている、請求項49に記載のインタラクティブな飲料容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、飲料容器、及び飲料容器と顧客のモバイルデバイスとの間の通信に関する。
【発明の概要】
【0002】
本開示の態様は、インタラクティブな飲料容器を含む。飲料容器は、ボトルと、ボトルの開口部を封止するためのキャップと、キャップに取り付けられた回路と、を含む。回路は、ブロードキャストエリアを介してデータを送信するように構成されている。いくつかの実施形態では、飲料容器がキャップによって閉鎖されているとき、回路のブロードキャストエリアはボトルの外側にない。いくつかの実施形態では、飲料容器が開いているとき、ブロードキャストエリアはキャップから外に延在し、データは、ブロードキャストエリア内のモバイルデバイスによって受信され得る。
【0003】
本開示の他の態様では、飲料容器用のクロージャは、頂壁と、頂壁から下方に延在する環状裾部と、頂壁に結合され、無線信号をモバイルデバイスに送信するように構成された回路と、を含む。いくつかの実施形態では、無線信号は、環状壁を貫通せず、クロージャが飲料容器に取り付けられていないときにのみ、モバイルデバイスによって受信可能である。
【0004】
本開示の他の態様では、飲料容器からモバイルデバイスにデータを送信する方法は、飲料容器クロージャの通信チップにおいて電磁的に電力を受信して、通信チップを起動することと、クロージャが飲料容器に取り付けられていないときに、データを通信チップからクロージャの開放端の方向にのみ送信することであって、データがモバイルデバイスによって受信可能である、ことと、を含む。
【0005】
この概要は、本明細書に記載の新規な特徴の網羅的なリストではなく、特許請求の範囲を限定するものではない。これらの特徴及び他の特徴は、下記でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本明細書におけるいくつかの特徴は、添付図面において、限定としてではなく、例として例示されている。図面において、同様の数字は、図面間の類似した要素を参照する。
【0007】
【
図1】インタラクティブな飲料容器の斜視図を示す。
【0008】
【
図2】キャップがモバイル通信デバイスと一緒に取り外されている状態の
図1のインタラクティブな飲料容器、及びネットワークを示す。
【0009】
【0010】
【
図4】通信チップ及び封止部を有する、
図3の線4-4に沿ってとられた、
図2のキャップの一実施形態の断面図を示す。
【0011】
【
図5】キャップ内に埋め込まれた通信チップを有する、
図3の線4-4に沿ってとられた、
図2のキャップの一実施形態の断面図を示す。
【0012】
【
図6】通信チップが単一方向でブロードキャストしている状態のインタラクティブな飲料容器を示す。
【0013】
【
図7】通信チップが2方向でブロードキャストしている状態のインタラクティブな飲料容器を示す。
【0014】
【
図8】通信チップ、封止部、及び遮蔽要素を有する、
図3の線4-4に沿ってとられた、
図2のキャップの一実施形態の断面図を示す。
【0015】
【
図9】インタラクティブな飲料容器からのデータの送信のフローチャートを示す。
【0016】
【
図10】キャップ内の通信チップと顧客のモバイルデバイスとの間の通信のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
様々な例示的な実施形態に関する以下の説明では、添付図面を参照する。添付図面は、本明細書の一部分を構成し、添付図面において、実例として、本開示の態様を実施することができる様々な実施形態を示す。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、構造的変更及び機能的変更を行うことができることが理解されるべきである。
【0018】
飲料などの製品の売り手は、顧客が製品を購入又は楽しむときに、顧客のモバイルデバイス(例えば、スマートフォン又はタブレット)と通信することを望む場合がある。本開示は、顧客のモバイルデバイスにデータを送信することができる通信チップを含む飲料容器であって、チップが顧客のデバイスと通信することによって顧客が売り手からの情報を受け取ることができる、飲料容器を説明する。例えば、飲料容器が開封されると、チップは、飲料の栄養情報を顧客に通知する、又は飲料を選ぶ優れたセンスについて顧客を祝福するメッセージ(又はメッセージへのアクセス)を含むデータを顧客に送信し得る。通信チップは、オーディオ又はビデオなどのコンテンツ(又はコンテンツへのアクセス)を顧客に送信し得る。あるいは、チップは、お客様のモバイルデバイスに広告又は報酬ポイントなどのマーケティング資料を送信してもよい。
【0019】
図1は、本開示の態様によるインタラクティブな飲料容器100を示す。飲料容器100は、ボトル110のネック部112内に開口部240(
図2を参照)を有する容器又はボトル110を含み得る。ボトル110のサイズ及び幾何学形状は様々であり得る。ボトル110は、消費のための飲料(例えば、水、ジュース、ソフトドリンク、アイスティー、運動選手用の飲料、エネルギードリンクなど)を保持し得る。飲料容器100は、内部の飲料の完全性を維持するために、ボトル110のネック部112内の開口部240を封止するためのクロージャ120(例えば、ボトルキャップ)を更に含み得る。開口部240を封止するために、様々な異なる種類のクロージャデバイスが使用され得る。ボトル110のクロージャ120は、顧客のモバイルデバイスと通信するための通信チップ130を更に含み得る。
【0020】
図2は、ボトル110、クロージャ120、通信チップ130を含むインタラクティブな飲料容器100、及びモバイルデバイス200を示す。モバイルデバイス200は、ディスプレイスクリーン210及び対応する通信チップ220を含み得る。クロージャ120の通信チップ130は、モバイルデバイス200の対応する通信チップ220と通信するように構成されている。対応する通信チップ130及び220は、RFID(無線周波数識別)、NFC(近距離無線通信)、又は任意の他の好適な通信プロトコルを通じて互いに通信し得る。例えば、通信チップ130は、無線周波数(例えば、RFID及びNFC送信のための一般的な高周波規格である13.56MHz)を使用してモバイルデバイス200の対応する通信チップ220と通信するNFCタグであり得る。
【0021】
通信チップ130は、顧客に転送するデータを記憶するプリント電子回路などの回路であり得る。いくつかの実施形態では、モバイルデバイス200へのデータの転送は、モバイルデバイス200のネイティブな機能に依存しており、通信チップ130と通信チップ220との間の通信を開始するために、モバイルデバイス200上で特別なアプリケーションを必要としない。いくつかの実施形態では、モバイルデバイス200へのデータの転送は、モバイルデバイス200上に前もってインストールされたアプリケーションに依存する。チップ130と220との間で通信するには、単に互いに近接していればよい。例えば、チップ130及び220は、20cm未満で離れていてもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、通信チップ130は、データを記憶するためのメモリを含み得る。データは、特定の種類のコンテンツ、又はそのようなコンテンツにアクセスするための情報を含み得る。例えば、ウェブサイトのURLなどのリンクがメモリに記憶され得、このリンクは、モバイルデバイス200内の対応する通信チップ220に転送され得る。いくつかの実施形態では、通信チップ130は、モバイルデバイス200が特定のプログラム(例えば、ウェブブラウザ、特別なアプリケーションなど)を開いてリンクを実行するための追加の命令を転送し得る。モバイルデバイス200は、ネットワーク250(例えば、インターネット)を介してサーバ260上のリンクにアクセスして、顧客がコンテンツにアクセスすることを可能にし、モバイルデバイス200のディスプレイ210上にコンテンツを表示するか、又は別の方法でコンテンツを(例えば、オーディオ構成要素を有するコンテンツの場合にはモバイルデバイス200のスピーカを介して)提供し得る。モバイルデバイス200は、無線ネットワーク、セルラネットワーク、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、又は任意の他の同様の無線タイプの接続など、情報を転送するために当該技術分野において既知であり、かつ使用されている任意の手段によって、ネットワーク250を介してサーバ260にアクセスし得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、通信チップ130は受動的であり、それ自体の電源を有しなくてもよい。通信チップ130は、モバイルデバイス200内の対応する通信チップ220から電磁場を介して電力を引き出し、通信チップ130が電力を受信した後、対応する通信チップ220にデータを送信し得る。代替的に、通信チップ130は能動的であり、それ自体の電源を有し得、外部電力を引き出さずに、データを常時又は定期的に送信し得る。加えて、能動的な通信チップ130は、対応する通信チップ220とのピアツーピア通信に参加し得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、通信チップ130と220との間の通信は、顧客が、飲料容器100を購入し、クロージャ120を取り外すことによって開封した後にのみ発生する。慣習的に支払いは飲料が開封される前に行われるので、これは、顧客が製品の代金を支払うことなく通信チップ130上のデータ及び対応するコンテンツにアクセスすることを防止する。
【0025】
いくつかの実施形態では、飲料容器100内に収容された飲料を購入し、クロージャ120を開封した後、通信チップ130は、顧客の利益のために、コンテンツにアクセスするためのデータをモバイルデバイス200の通信チップ220に転送し得る。例えば、コンテンツは、栄養情報、マーケティング資料、ビデオ、ロイヤリティプログラムの報酬ポイント、ゲーム又はコンテストなどを含み得、したがって、購入後に飲料容器100が顧客と相互作用することを可能にする。
【0026】
例えば、顧客が飲料容器100を購入し、クロージャ120を取り外すことによってそれを開封した後、通信チップ130は、顧客のモバイルデバイス200に栄養情報(又は、以下でより詳細に記載されるように、例えば、情報がリモートサーバ上に記憶されている場合、栄養情報へのアクセス)を転送し得る。栄養情報としては、飲料の1食分量、容器当たりの1食分量数、カロリー、総脂質、ナトリウム、炭水化物、糖類、タンパク質、一日栄養所要量の割合、成分などが挙げられ得る。モバイルデバイス200は、顧客のモバイルデバイス上に特別なアプリケーションを必要としないので、通信チップ220が通信チップ130の所定の距離内に到来すると、栄養情報は、単に(任意追加的には、その出現を顧客がプロンプト又はモバイルデバイス200の他の認可機構を通じて許可した後に)、顧客のディスプレイスクリーン210上に現れる。
【0027】
別の例では、顧客が飲料容器100を購入し、クロージャ120を開封した後、通信チップ130は、マーケティング資料(又はマーケティング資料へのアクセス)を顧客のモバイルデバイス200に転送し得る。マーケティング資料としては、クーポン、コマーシャル、販売促進資料などが挙げられ得る。いくつかの実施形態では、マーケティング資料は、独占的なコンテンツであり、飲料を購入している顧客にのみ利用可能である。
【0028】
別の例では、顧客が飲料容器100を購入し、クロージャ120を開封した後、通信チップ130は、独占的なビデオ(又はビデオへのアクセス)を顧客のモバイルデバイス200に転送し得る。いくつかの実施形態では、ビデオは、飲料を購入した顧客に独占的であり、インターネット、ソーシャルメディア、又は他のリソースを介して自由に利用することはできない。ビデオは、飲料ブランドのためのミュージシャン、アスリート、アーティスト、モデル、及び他の様々な代弁者からのビデオを含み得る。
【0029】
別の例では、顧客が飲料容器100を購入し、クロージャ120を開封した後、通信チップ130は、顧客のロイヤリティポイントを転送及び追跡し得る。顧客のモバイルデバイス200は、顧客のロイヤリティカードとして機能し、顧客のロイヤリティポイントを記憶及び追跡するか、又はそれを行うデータベースへのアクセスを提供し得る。顧客は、ロイヤリティポイントを集め、ロイヤリティポイントを様々な景品又は販売促進商品に換えることができる。
【0030】
別の例では、顧客が飲料容器100を購入し、クロージャ120を開封した後、通信チップ130は、ゲーム(又はゲームへのアクセス)を転送するか、又は顧客をスウィープステークス若しくはコンテストに参加させ得る。例えば、顧客は、景品のための独占的なスウィープステークスに自動的に参加させられ得る。景品としては、販売促進品、無料の飲料、コンサート又は運動競技イベントへのチケット、全費用支払済みの旅行などが挙げられ得る。いくつかの実施形態では、顧客は、モバイルデバイス200のための独占的なゲームへのアクセス、又は公衆的に利用可能なゲームへの無料アクセスを獲得し得る。いくつかの実施形態では、顧客は、公衆的に利用可能であるゲームのためのものも含めて、ゲームのためのキャラクター、レベル、ゲーム内通貨、又はポイントなどのコンテンツへのアクセスを獲得し得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、通信チップ130から顧客のモバイルデバイス200へ転送されるデータは、通信チップ130又は通信チップ220の地理的位置によって調節され得る。例えば、モバイルデバイス200は、モバイルデバイス200が自身の地理的位置を追跡することを可能にするGPS(全地球測位システム)受信機を含み得る。クロージャ120の通信チップ130及びモバイルデバイスの通信チップ220が通信するとき、通信チップ130のメモリに記憶されているデータは、モバイルデバイス200の地理的位置に調整され得る。例えば、通信チップ130が通信チップ220によって読み取られると、通信チップ220は、チップ130から受信したデータ及びそれ自身の位置に関するデータの両方を、ネットワーク250を介してサーバ260に送信し得る。サーバ260は、チップ130からのデータを、コンテンツを返すための命令であると認識し得、モバイルデバイス200の位置に関連付けられているアクセス可能なコンテンツを認識し得る。サーバ260は、次いで、モバイルデバイス200が存在する領域に関連付けられたコンテンツをモバイルデバイス200に送信することができる。
【0032】
例えば、通信チップ130は、スポーツリーグ内の各チームのための販売促進資料へのアクセスを提供し得る。しかしながら、各チームのための販売促進資料は、モバイルデバイス200が、スポーツチームの特定の距離(例えば、半径200マイル)内にあるか、又はそのスポーツチームのホームスタジムに、リーグ内の他のどのスポーツチームのスタジアムに対してよりも近い場合にのみ、モバイルデバイス200に転送される。また、例えば、国は特定の地理的領域に分割され得、特定の地理的領域に関するコンテンツは、モバイルデバイス200がその特定の地理的領域内にある場合にのみ転送される。
【0033】
いくつかの実施形態では、通信チップ130は、クロージャ120の位置を追跡するGPS受信機を含み得る。通信チップ130のGPS受信機は、チップ220について上述したのと同じように、通信チップ130の地理的位置に基づいて転送されるデータを調節する。
【0034】
いくつかの実施形態では、通信チップ130は、顧客のモバイルデバイス200に転送されるコンテンツを時間及び位置に基づいて調整し得る。モバイルデバイス200は、GPS受信機、時計、及びカレンダーを含み得、これらは、モバイルデバイス200の位置、日付、及び時間を追跡する。モバイルデバイス200へのコンテンツの転送は、モバイルデバイス200が通信チップ130からデータを受信したときの位置、日付、時間に合わせて調整され得る。例えば、通信チップ130が通信チップ220によって読み取られると、通信チップ220は、チップ130から受信したデータ並びにモバイルデバイス200の位置、日付、及び時間に関するデータの両方を、ネットワーク250を介してサーバ260に送信し得る。サーバ260は、チップ130からのデータを、コンテンツを返すための命令であると認識し得、モバイルデバイス200の位置、日付、及び時間に関連付けられているアクセス可能なコンテンツを認識し得る。したがって、コンテンツは、販売促進イベント、スポーツイベント、又はコンサートなどの特定のローカルイベントにある又はそれに関連しているモバイルデバイス200にのみ、サーバ260から転送され得る。時間範囲は、例えば、数日から、数時間まで、更には数分まで、様々であり得る。
【0035】
別の実施形態では、販売促進イベントは、日付及び時間範囲に基づき得る。例えば、通信チップ130が通信チップ220によって読み取られると、通信チップは、チップ130から受信したデータ並びにモバイルデバイス200の日付及び時間に関するデータの両方を、ネットワーク250を介してサーバ260に送信し得る。顧客は、特定の販売促進イベント又は景品へのアクセスを販売促進イベントの特定の日付及び時間の範囲に基づいて獲得し得る。例えば、顧客は、1週間のみ実施される、1つ買うと1つ無料の販売促進イベントへのアクセスを獲得し得る。別の例では、顧客は、1日の特定の時間範囲(例えば、午前10時~午前11時)においてスウィープステークスに参加し得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、通信チップ130は、クロージャ120の位置、日付、及び時間を追跡するGPS受信機、時計、カレンダーを含み得る。通信チップ130のGPS受信機、時計、及びカレンダーは、チップ220について上述したのと同じように、通信チップ130の地理的位置並びに日付及び時間に基づいて転送されるデータを調節し得る。
【0037】
クロージャ120は、様々な異なる様式でボトル110に取り付けられ得る。例えば、
図2は、ボトル110のネック部112上のねじ仕上げ部230を示す。クロージャ120は、対応するねじ仕上げ部をクロージャ120内に有し得る。顧客は、ボトル110からクロージャ120を螺脱することによって、ボトル110からクロージャ120を取り外し得る。ボトル110に飲料を充填した後、クロージャ120は、ボトル110に取り付けられ、封止されて、飲料の完全性を封じ込め、維持し得る。更なる種類のクロージャとしては、クラウントップ、スナップオン、摩擦嵌合、不正開封防止などが挙げられ得る。
【0038】
図3A及び
図3Bは、いくつかの実施形態によるクロージャ120を示す。いくつかの実施形態では、クロージャ120は、頂壁310と、クロージャ120の側壁として機能する環状裾部又は外壁320と、を含み得る。環状裾部320は、ボトル110のネック部112に固定されるように適合されている。環状裾部320の内面は、ボトル110のねじ仕上げ部230に対応するねじ山410(
図4、
図5、及び
図8を参照)を含み得る。
【0039】
図4は、
図3Bの断面線4-4に沿ってとられた、一実施形態によるクロージャ120の断面図を示す。通信チップ130は、頂壁310の裏面400に固定され得る。通信チップ130は、ホットメルト接着剤、ラミネートフィルム、発泡体パウチなどによって裏面400に固定され得る。通信チップ130はまた、ヒートシール、RF(高周波)溶接、機械的な取り付けなどによって、クロージャ120の裏面400に取り付けられ得る。通信チップ130は、クロージャ120内のクロージャライナー420によってクロージャ120の裏面400に封止され得る。ライナー420は、飲料及びチップ130の完全性を維持するために、通信チップ130をクロージャの裏面400に封止して、通信チップ130がボトル110内の飲料と接触するのを防ぐように、ポリエチレンテレフタレート(PET)又は他の好適な材料から製造され得る。
【0040】
図5は、
図3Bの断面線4-4に沿ってとられた、一実施形態によるクロージャ120の断面図を示す。通信チップ130は、クロージャ120内に埋め込まれ得る。いくつかの実施形態では、通信チップ130は、クロージャ120の頂壁310内に埋め込まれ得る。いくつかの実施形態では、通信チップ130は、クロージャ120の成形プロセス中に埋め込まれ得る。いくつかの実施形態では、通信チップ130は、クロージャ120の環状裾部320内に埋め込まれ得る。通信チップ130がクロージャ120内に埋め込まれ、封止されているので、通信チップ130とボトル110内の飲料との間の接触は防止されている。
【0041】
いくつかの実施形態では、通信チップ130は、クロージャ120がボトル110から取り外された後にのみ、モバイルデバイス200の対応する通信チップ220と通信することができる。いくつかの実施形態では、通信チップ130は、単一方向のみに信号を送信する(例えば、通信チップは、それが送信する方向から180度の方向には送信せず、例えば、下方に送信するが上方には送信せず、逆もまた同様である)。例えば、通信チップ130は、単一方向のみに信号を送信するNFCタグであり得る。
図6は、信号600をクロージャ120の裏面400に対して垂直な単一方向に送信する通信チップ130を示す。信号600は、ボトル110内の飲料に向かって送信される。飲料を購入する前の信号600へのアクセスを最小限に抑えるために、信号600は、ボトル110の高さhよりも小さい、短い距離dだけ送信される。いくつかの実施形態では、距離dは20cm未満である。
【0042】
信号600へのアクセスを更に最小限に抑えるために、信号600の横方向の範囲は、ボトル110の側壁内に留まるように(例えば、以下でより詳細に記載されるように、信号600の送信角度を制約することによって、又は信号600の部分を遮断することによって)制約され得る。信号600が狭く、短い距離にわたってのみ伝わるので、クロージャ120がボトル110に取り付けられているとき、信号600のブロードキャストエリアはボトル110内にあるので、顧客のモバイルデバイス200は、信号600を受信することができない。
図2に示すように、顧客のモバイルデバイス200は、顧客がボトル110からクロージャ120を取り外し、裏面400をモバイルデバイス200の方向に向けた後にのみ、通信チップ130上のコンテンツにアクセスすることができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、通信チップ130は電源を有しておらず、信号600を送信するためにモバイルデバイス200からの電力を受信することに依存している。いくつかの実施形態では、通信チップ130は、モバイルデバイス200からの電力を任意の方向から受信することができるが、しかしながら、通信チップ130は、信号600を、クロージャ120の裏面400に対して垂直な単一方向にのみ送信する。いくつかの実施形態では、通信チップ130は、通信シップ220が信号600のブロードキャストエリア内にあるときのモバイルデバイス200から、又は単一の方向から(例えば、通信チップ130がクロージャ120から送出することができるのと同じ方向から)の電力のみを受信することができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、通信チップ130は、複数の(例えば、2つの)方向にデータを転送することができる。
図7は、信号600及び700を2つの別個の方向に送信する通信チップ130を示す。
図6と同様に、信号600は、クロージャ120の裏面400に垂直な方向に送信される。通信チップ130はまた、クロージャ120及びボトル110から離れる別個の方向に信号700を送信するようにも構成されている。これら2つの異なる信号は、異なる種類のデータを顧客に転送し得る。いくつかの実施形態では、信号600及び信号700のそれぞれは、別個の通信チップ130によって送信される。
【0045】
いくつかの実施形態では、信号700は、顧客が飲料を購入するか、又はクロージャ120を取り外す前に、コンテンツにアクセスする顧客にデータを転送する。このデータは、飲料の購入に限定されるものではなく、顧客が自身のモバイルデバイス200上で販売促進材料、コマーシャル、及び/又はクーポンなどのコンテンツにアクセスすることを可能にして、顧客に飲料の購入を促し得る。いくつかの実施形態では、通信チップ130は、ロイヤリティポイント数、顧客が飲料を購入すると受け取ることができるロイヤリティポイント数、及び特定の景品を受け取るのに足りないロイヤリティポイント数を顧客に通知し得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、
図7の信号600は、顧客が飲料を購入した後にのみ、顧客にデータを転送する。
図6の信号600と同様に、信号600によって転送されたデータは、飲料を購入した顧客のための、ネットワーク250を介した独占的なコンテンツへのアクセスを提供する。
【0047】
いくつかの実施形態では、通信チップ130からの信号600の方向は、他の方法で制限され得る。例えば、
図8は、
図3Bの断面線4-4に沿ってとられた、一実施形態によるクロージャ120の断面図を示す。
図4と同様に、クロージャ120は、クロージャ120の裏面400に固定された通信チップ130を含む。通信チップ130は、ライナー420によってクロージャ内で封止されている。いくつかの実施形態では、クロージャ120は、クロージャ120がボトル110に取り付けられているとき、クロージャ120の裏面400に垂直で、クロージャ120の開放端に向かい、ボトル110内へと入る方向以外の全ての方向で通信チップ130の信号610を遮断、吸収、又は屈折させる遮蔽要素800を更に含み得る。遮蔽要素800は、頂壁310及び環状裾部320内に埋め込まれ得、通信チップ130を周囲方向に取り囲み得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、遮蔽要素800は、通信チップ130が遮蔽要素800に取り付けられた状態でクロージャ120の内壁及び裏面400に取り付けられ得る。ライナー420は、通信チップ130を封止して、ボトル110内の飲料との遮蔽要素800の接触を防止し得る。いくつかの実施形態では、遮蔽要素800は、クロージャ120の外面を包囲し得る。いくつかの実施形態では、遮蔽要素800及び通信チップ130は、両方ともクロージャ120内に埋め込まれ得る。
【0049】
遮蔽要素800は、通信チップ130によって送信された信号610を反射、吸収、又は屈折させることができる、アルミニウム、銅などの導電性金属であり得る。
【0050】
図9は、モバイルデバイス200の対応する通信チップ220と通信するための通信チップ130からのデータの送信のフローチャートを示す。S910では、通信チップ130が製造される。通信チップ130は、プリント電子回路であり得、チップ、アンテナ、及びインレイを含み得る。通信チップ130のメモリは、64バイト~8キロバイトの範囲であり得る。通信チップ130は、製造時にデータを用いてプログラムされ得、又は通信チップ130は、製造後の任意の時間に書き換え可能かつ再プログラム可能であり得る。したがって、通信チップ130上のデータは、飲料容器100の調製中の任意の都合のよい時点で変更され得る。
【0051】
S920では、クロージャ120が製造され、クロージャ120は通信チップ130を含む。クロージャ120は、射出成形、圧縮成形などの様々な製造プロセスによって製造され得る。前述したように、通信チップ130は、クロージャ120内に埋め込まれ得、又はクロージャの裏面400に取り付けられ得る。
【0052】
S930では、ボトル110に飲料が充填された後、飲料ボトル110内の飲料の完全性を維持するために、クロージャ120がボトル110に取り付けられ、封止される。クロージャ120が封止されているか、又はボトル110に取り付けられたクロージャ120で構成される閉鎖状態にあるとき、通信チップ130は、モバイルデバイス200の対応する通信チップ220と通信しない。
【0053】
S940では、顧客が消費のために飲料を購入し得る。いくつかの実施形態では、飲料は、販売促進品として提供され、顧客に販売されなくてもよい。いずれの場合でも、ボトル110を開封するために、クロージャ120がボトル110から取り外され得る。
【0054】
S950では、ボトル110又は開封構成の飲料容器100からクロージャ120が取り外されると、通信チップ130は、モバイルデバイス200が、例えば、10cm又は20cmなどの所定の距離内にある場合、モバイルデバイス200の対応する通信チップ220にデータを送信し得る。前述したように、通信チップ130は、データを送信するか、又はネットワーク250を介してのサーバ260上のコンテンツへのアクセスをモバイルデバイス200に提供し得る。
【0055】
図10は、通信チップ130がモバイルデバイス200とどのように相互作用するかのフローチャートを示す。いくつかの実施形態では、通信チップ130は、受動チップであり、電磁場を介して電力を受信する。S1010では、通信チップ130に電力を供給するために電磁場を介して電力が送信される場合、通信チップ130は、モバイルデバイス200から電力を受信する。モバイルデバイス200が、例えば、10cm又は20cmなどの所定の距離内にある場合にのみ、電力は通信チップ130に送信され得る。
【0056】
S1020では、通信チップ130が電力を受信すると、通信チップ130は、対応する通信チップ220にデータを送信する。データは、例えば、13.56MHzなどの無線周波数を介して転送され得る。前述したように、データは、顧客がボトル110からクロージャ120を取り外した後に転送される。
【0057】
S1030では、モバイルデバイス200が、通信チップ130から受信したデータに基づいて、サーバ260からのコンテンツにネットワーク250を介してアクセスする。モバイルデバイス200は、データを、サーバ260からのコンテンツにネットワーク250を介してアクセスする命令として認識する。モバイルデバイスは、無線ネットワーク、セルラネットワーク、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、又は任意の他の同様の無線タイプの接続を介してネットワーク250にアクセスし得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、通信チップ130からモバイルデバイス200に転送されたデータは、モバイルデバイス200を通じて顧客に出力されることができるコンテンツそのものである。このような実施形態では、S1030は省略され得る。本明細書に記載される全ての実施形態は、コンテンツが、モバイルデバイス200によって、通信チップ130から直接アクセスされるか、又は通信チップ130から受信されたデータに基づいてネットワーク250を介してアクセスされるように、適合され得ることを理解されたい。どの選択肢を使用するかについての決定は、例えば、データのサイズ(例えば、大きすぎて通信チップ130のメモリでは経済的に見合わない場合)、無線ネットワークの利用可能性、又はコンテンツの売上若しくはアクセスを監視若しくは追跡するための所望の能力など、任意の関連する考慮事項に依存し得る。
【0059】
S1040では、モバイルデバイス200はコンテンツへのアクセスを有し、コンテンツは顧客に対して利用可能である。コンテンツは、モバイルデバイス200によって顧客(例えば、ディスプレイ210、スピーカなど)に出力され得る。
【0060】
「発明の概要」及び「要約書」のセクションではなく、「発明を実施するための形態」のセクションは、特許請求の範囲を解釈するために使用されることが意図されていることを理解されたい。「発明の概要」及び「要約書」のセクションは、本発明者(複数可)によって考えられるように、本発明の1つ以上だが全てではない例示的な実施形態を示し得るが、決して本発明及び添付の特許請求の範囲を限定するものではない。
【0061】
特定の実施形態の前述の説明は、当業者が知識を適用することにより、他の人にも可能である、そのような特定の実施形態を様々な用途に容易に変更及び/又は適合させ、過度の実験をすることなく、本発明の一般的な概念から逸脱することなく、本発明の一般的な性質を完全に明らかにするであろう。したがって、そのような適合及び修正は、本明細書で提示した教示や指導に基づいて、開示の実施形態の等価物の意味及び範囲内にあることが意図される。本明細書の表現法又は用語法は、説明を目的とするものであって、限定するものではないことを理解されたく、それ故、本明細書の用語法や表現法は、教示及び指導の観点から当業者によって解釈されるべきである。
【0062】
本発明の広がり及び範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれによっても制限されるべきではなく、特許請求の範囲及びそれらの等価物に従ってのみ定義されるべきである。