(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】画像処理装置及び画像処理方法
(51)【国際特許分類】
H04N 5/21 20060101AFI20240617BHJP
【FI】
H04N5/21
(21)【出願番号】P 2020559109
(86)(22)【出願日】2019-11-27
(86)【国際出願番号】 JP2019046463
(87)【国際公開番号】W WO2020116292
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-10-21
(31)【優先権主張番号】P 2018229946
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 泰史
【審査官】鈴木 圭一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-034342(JP,A)
【文献】特開2016-146162(JP,A)
【文献】特開2010-011072(JP,A)
【文献】特開2016-213714(JP,A)
【文献】特開2010-147985(JP,A)
【文献】特開2016-001372(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/21
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像画像に付与されるデータに基づいて該撮像画像における所定の領域を1以上検出する領域検出部と、
前記領域検出部が検出した前記所定の領域の画像に対してノイズ低減処理を実行する画像処理部と、
を備え
、
前記画像処理部は、
過去の前記撮像画像から検出した前記所定の領域の画像に対して前記ノイズ低減処理を実行した第1の画像を変形させて、現在の前記撮像画像から検出した前記所定の領域の第2の画像とサイズを一致させ、
変形後の前記第1の画像と前記第2の画像との差分に基づき前記ノイズ低減処理を実行する、
画像処理装置。
【請求項2】
前記画像処理部は、
前記過去の前記撮像画像から検出した前記所定の領域と、前記現在の前記撮像画像から検出した前記所定の領域
とが一致しているかどうかを、前記データを参照して判断する、請求項
1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記領域検出部が検出した前記所定の領域の画像を前記撮像画像から抽出する領域抽出部をさらに備え、前記画像処理部は、前記領域抽出部が抽出した前記所定の領域の画像に対してノイズ低減処理を実行する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画像処理部は、前記第
2の画像と、
前記第1の画像とを用いて、前記
第1の画像を変形するためのパラメータを算出するパラメータ算出部を備える、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像処理部は、さらに、前記パラメータ算出部が算出した前記パラメータに基づいて前記
第1の画像の変形を行う変形部を備える、請求項
4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記画像処理部は、前記変形部による前記
第1の画像に対する変形の前に、前記データに含まれる現
在のフレームの前記
所定の領域に関する情報を用いて前記
第1の画像に対する変形処理を行うプリ変形部をさらに備える、請求項
5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記画像処理部は、前記撮像画像の全ての領域に対するノイズ低減処理をさらに実行し、前記全ての領域に対するノイズ低減処理の結果と、前記所定の領域の画像に対するノイズ低減処理の結果とを所定の比率で合成する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記画像処理部は、前記所定の比率を算出する係数算出部を備える、請求項
7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記係数算出部は、前記所定の領域におけるノイズ低減処理の結果の差分に基づいて前記所定の比率を算出する、請求項
8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記画像処理部は、前記撮像画像の全ての領域に対するノイズ低減処理を実行する際に手振れを考慮したノイズ低減処理を実行する、請求項
7に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記領域検出
部と、前記画像処理部とは、同一のチップに設けられる、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記領域検出
部と、前記画像処理部とは、異なるチップに設けられる、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項13】
撮像画像に付与されるデータに基づいて該撮像画像における所定の領域を1以上検出することと、
検出された前記領域に対してノイズ低減処理を実行することと、
を含
み、
前記ノイズ低減処理を実行することは、
過去の前記撮像画像から検出した前記所定の領域に対して前記ノイズ低減処理を実行した第1の画像を変形させて、現在の前記撮像画像から検出した前記所定の領域の第2の画像とサイズを一致させ、
変形後の前記第1の画像と前記第2の画像との差分に基づき前記ノイズ低減処理を実行する、
画像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像処理装置及び画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像のノイズ低減処理(NR:Noise Reduction)として、連続撮影された複数枚の画像を利用した合成処理が有効であることが知られている。具体的には、連続撮影された複数の画像から同一被写体の撮影画素領域である対応画素を検出し、これら複数の対応画素の画素値を加算平均するなどの合成処理を行なうことで、ノイズを低減した画素値を算出する。
【0003】
このような連続撮影画像を適用してノイズ低減を行なう手法は、1つの画像の2次元領域のみだけではなく異なる撮影時間の複数画像、すなわち時間軸方向も加えた3次元(3Dimensions)データを利用した処理であることから、3Dノイズ低減処理、すなわち3DNR(3Dimensional Noise Reduction)と呼ばれる。3DNRについては、例えば特許文献1等に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、既存の3DNRはNR処理の対象が限定されていないため、演算量が多く、かつ多くのメモリを必要としていた。また既存の3DNRは、動体が含まれている場合に、ブラーとのトレードオフでSN比が低下していた。
【0006】
そこで、本開示では、画像に対して設定される領域を利用することで少ない演算で高精度かつ高画質のノイズ低減処理を実現することが可能な、新規かつ改良された画像処理装置及び画像処理方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、撮像画像に付与されるデータに基づいて該撮像画像における所定の領域を1以上検出する領域検出部と、前記領域検出部が検出した前記所定の領域の画像に対してノイズ低減処理を実行する画像処理部と、を備え、前記画像処理部は、過去の前記撮像画像から検出した前記所定の領域の画像に対して前記ノイズ低減処理を実行した第1の画像を変形させて、現在の前記撮像画像から検出した前記所定の領域の第2の画像とサイズを一致させ、変形後の前記第1の画像と前記第2の画像との差分に基づき前記ノイズ低減処理を実行する、画像処理装置が提供される。
【0008】
また本開示によれば、撮像画像に付与されるデータに基づいて該撮像画像における所定の領域を1以上検出することと、検出された前記領域に対してノイズ低減処理を実行することと、を含み、前記ノイズ低減処理を実行することは、過去の前記撮像画像から検出した前記所定の領域に対して前記ノイズ低減処理を実行した第1の画像を変形させて、現在の前記撮像画像から検出した前記所定の領域の第2の画像とサイズを一致させ、変形後の前記第1の画像と前記第2の画像との差分に基づき前記ノイズ低減処理を実行する、画像処理方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る通信システム1000の構成の一例を示す説明図である。
【
図2】MIPI CSI-2規格において定められるパケットのフォーマットを示す説明図である。
【
図3】MIPI CSI-2規格において定められるパケットのフォーマットを示す説明図である。
【
図4】MIPI CSI-2規格におけるパケットの送信に係る信号波形の一例を示す説明図である。
【
図5】本開示の実施の形態に係る通信システムの機能構成例を示す説明図である。
【
図7】ROI領域のデータフォーマットを示す説明図である。
【
図8】本開示の実施の形態に係る通信システム1の機能構成例を示す説明図である。
【
図9】本開示の実施の形態に係る通信システム1の機能構成例を示す説明図である。
【
図10】本開示の実施の形態に係る通信システム1の機能構成例を示す説明図である。
【
図11】本開示の実施の形態に係る通信システム1の機能構成例を示す説明図である。
【
図12】本開示の実施の形態に係る通信システム1の機能構成例を示す説明図である。
【
図13】本開示の実施の形態に係る通信システム1の機能構成例を示す説明図である。
【
図14】3DNRを実現する撮像装置の構成例を示す説明図である。
【
図15】差分絶対値と、乗算器1045の係数Kとの関係の一例を示す説明図である。
【
図16】同実施形態に係る通信システムにおいて画像のデータの送信に利用されるパケットの構造の一例について説明するための説明図である。
【
図17】パケットのヘッダに設けられる拡張領域について説明するための説明図である。
【
図18】パケットのヘッダに設けられる拡張領域について説明するための説明図である。
【
図19】送信されるデータのフォーマットについて説明するための説明図である。
【
図20】パケットヘッダの構成の一例について説明するための説明図である。
【
図21】本実施形態に係る画像センサ100の構成の一例を示すハードウェアブロック図である。
【
図22】本実施形態に係るプロセッサ200の構成の一例を表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0011】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示の実施の形態
1.1.経緯
1.2.構成例
2.まとめ
【0012】
<1.本開示の実施の形態>
[1.1.経緯]
まず、本開示の実施の形態について詳細に説明する前に、本開示の実施の形態に至った経緯について説明する。
【0013】
上述したように、画像のノイズ低減処理として、連続撮影された複数枚の画像を利用した合成処理が有効であることが知られている。具体的には、連続撮影された複数の画像から同一被写体の撮影画素領域である対応画素を検出し、これら複数の対応画素の画素値を加算平均するなどの合成処理を行なうことで、ノイズを低減した画素値を算出する。
【0014】
このような連続撮影画像を適用してノイズ低減を行なう手法は、1つの画像の2次元領域のみだけではなく異なる撮影時間の複数画像、すなわち時間軸方向も加えた3次元データを利用した処理であることから、3Dノイズ低減処理、すなわち3DNRと呼ばれる。
【0015】
一般的な3DNRは、時間軸方向にIIR(Infinite Impulse Response)フィルタを掛けることでSN比の改善を目指している。画像中に動体が存在するとブラーが発生するため、フレーム間の差分絶対値から動体を検出し、動体部分のIIRフィルタの帰還率を下げることで動体のブラーを抑制する技術がある。
図14は、3DNRを実現する撮像装置の構成例を示す説明図である。
図14に示した撮像装置1000は、レンズユニット1010、IRカットフィルタ1020、撮像素子1030、IIRフィルタ1040を含んで構成される。IIRフィルタ1040は、差分絶対値計算部1042、フレームメモリ1044、乗算器1045、1046及び加算器1048を含んで構成される。
【0016】
レンズ1010を通って集光され、IRカットフィルタ1020で赤外光がカットされた光は、撮像素子1030で電気信号に変換される。撮像素子1030から出力される電気信号はIIRフィルタ1040を通る。IIRフィルタ1040は、撮像素子1030から出力される電気信号と、メモリ1044に蓄えられた、1フレーム前で処理された画像に相当する電気信号とを、加算器1048で加算する。IIRフィルタ1040は、2つの信号を加算器1048で加算する際に、乗算器1045、1046で設定される所定の比率で加算する。この比率は差分絶対値計算部1042において決定される。
図15は、差分絶対値と、乗算器1045の係数Kとの関係の一例を示す説明図である。
図15に示したように、差分絶対値が大きくなるほど係数Kが小さくなるように設定される。すなわち、IIRフィルタ1040は、差分絶対値が大きくなるほど現フレームの画像に対応する電気信号の比率が大きくなるように2つの電気信号を加算する。
【0017】
この方式では、画像中の一部の領域にのみ動体が存在した場合であっても、画像の全ての領域をフレームメモリ1044で記憶する必要がある。すなわち、フレームメモリ1044の容量を大きくする必要がある。また、画像の全ての領域について差分絶対値を計算する必要があるため、演算量が多くなってしまう。また動きが激しい動体が存在した場合は差分絶対値が大きくなるために係数Kが小さくなり、SN比が低下することとなる。
【0018】
そこで本件開示者は、少ない演算で高精度かつ高画質の3DNRを実現することが可能な技術について鋭意検討を行った。その結果、本件開示者は、以下で説明するように、対象領域を限定することで少ない演算で高精度かつ高画質の3DNRを実現することが可能な技術を考案するに至った。
【0019】
以上、本開示の実施の形態に至った経緯について説明した。続いて、本開示の実施の形態について詳細に説明する。
【0020】
[1.2.構成例]
(1)本実施形態に係る送信方法を適用することが可能な通信システムの構成
まず、本実施形態に係る送信方法を適用することが可能な通信システムの構成の一例を説明する。
【0021】
以下では、本実施形態に係る通信システムを構成する装置間の通信方式が、MIPI(Mobile Industry Processor Interface) CSI-2(Camera Serial Interface 2)規格に則った通信方式である場合を例に挙げる。なお、本実施形態に係る通信システムを構成する装置間の通信方式は、MIPI CSI-2規格に則った通信方式に限られない。例えば、本実施形態に係る通信システムを構成する装置間の通信は、MIPI CSI-3規格に則った通信方式や、MIPI DSI(Display Serial Interface)に則った通信方式など、MIPIアライアンスにおいて策定された他の規格であってもよい。また、本実施形態に係る送信方法が適用可能な通信方式が、MIPIアライアンスにおいて策定された規格に係る通信方式に限られないことは、言うまでもない。
【0022】
図1は、本実施形態に係る通信システム1の構成の一例を示す説明図である。通信システム1としては、例えば、スマートフォンなどの通信装置や、ドローン(遠隔操作による動作、または、自律的な動作が可能な機器)、自動車などの移動体などが挙げられる。なお、通信システム1の適用例は、上記に示す例に限られない。通信システム1の他の適用例については、後述する。
【0023】
通信システム1は、例えば、画像センサ100と、プロセッサ200と、メモリ300と、表示デバイス400とを有する。
【0024】
画像センサ1は、撮像機能と送信機能とを有し、撮像により生成した画像を示すデータを送信する。プロセッサ200は、画像センサ100から送信されたデータを受信し、受信されたデータを処理する。つまり、通信システム1において、画像センサ100は送信装置の役目を果たし、プロセッサ200は受信装置の役目を果たす。
【0025】
なお、
図1では、1つの画像センサ100を有する通信システム1を示しているが、本実施形態に係る通信システムが有する画像センサ100の数は、
図1に示す例に限られない。例えば、本実施形態に係る通信システムは、2つ以上の画像センサ100を有していてもよい。
【0026】
また、
図1では、1つのプロセッサ200を有する通信システム1を示しているが、本実施形態に係る通信システムが有するプロセッサ200の数は、
図1に示す例に限られない。例えば、本実施形態に係る通信システムは、2つ以上のプロセッサ200を有していてもよい。
【0027】
画像センサ100およびプロセッサ200それぞれを複数有する通信システムでは、画像センサ100とプロセッサ200とが一対一に対応していてもよいし、1つのプロセッサ200に複数の画像センサ100が対応していてもよい。また、画像センサ100およびプロセッサ200それぞれを複数有する通信システムでは、1つの画像センサ100に複数のプロセッサ200が対応していてもよい。
【0028】
画像センサ100およびプロセッサ200それぞれを複数有する通信システムにおいても、
図1に示す通信システム1と同様に、画像センサ100とプロセッサ200との間で通信が行われる。
【0029】
画像センサ100とプロセッサ200とは、データバスB1により電気的に接続される。データバスB1は、画像センサ100とプロセッサ200とを接続する、一の信号の伝送路である。例えば、画像センサ100から送信される画像を示すデータ(以下、「画像データ」と示す場合がある。)は、画像センサ100からプロセッサ200へとデータバスB1を介して伝送される。
【0030】
通信システム1においてデータバスB1により伝送される信号は、例えば、MIPI CSI-2規格などの所定の規格に則った通信方式で伝送される。
【0031】
図2、
図3は、MIPI CSI-2規格において定められるパケットのフォーマットを示す説明図である。
図2は、MIPI CSI-2規格において定められているショートパケット(Short Packet)のフォーマットを示しており、
図3は、MIPI CSI-2規格において定められているロングパケット(Long Packet)のフォーマットを示している。
【0032】
ロングパケットは、パケットヘッダ(
図3に示す“PH”)、ペイロード(
図3に示す“Payload Data”)、およびパケットフッタ(
図3に示す“PF”)からなるデータである。ショートパケットは、
図2に示すようにパケットヘッダ(
図3に示す“PH”)と同様の構造を有するデータである。
【0033】
ショートパケットとロングパケットとには、いずれもヘッダ部分にVC(Virtual Channel)番号(
図2、
図3に示す“VC”。VC値)が記録され、パケットごとに任意のVC番号が付与されうる。同一のVC番号が付与されたパケットは、同じ画像データに属するパケットとして扱われる。
【0034】
また、ショートパケットとロングパケットとには、いずれもヘッダ部分にDT(Data Type)値(
図2、
図3に示す“Data Type”)が記録される。そのため、VC番号と同様に、同一のDT値が付与されたパケットを、同じ画像データに属するパケットとして取り扱うことも可能である。
【0035】
ロングパケットのヘッダ部分のWord Countには、パケットの終わりがワード数で記録される。ショートパケットとロングパケットとのヘッダ部分のECCには、誤り訂正符号(Error Correcting Code)が記録される。
【0036】
MIPI CSI-2規格では、データ信号を伝送する期間では高速差動信号が用いられ、また、データ信号のブランキング期間では低電力信号が用いられる。また、高速差動信号が用いられる期間は、HPS(High Speed State)の期間と呼ばれ、低電力信号が用いられる期間は、LPS(Low Power State)の期間と呼ばれる。
【0037】
図4は、MIPI CSI-2規格におけるパケットの送信に係る信号波形の一例を示す説明図である。
図4のAは、パケットの伝送の一例を示しており、
図4のBは、パケットの伝送の他の例を示している。
図4に示す“ST”、“ET”、“PH”、“PF”、“SP”、“PS”は、それぞれ下記を意味する。
・ST:Start of Transmission
・ET:End of Transmission
・PH:Packet Header
・PF:Packet Footer
・SP:Short Packet
・PS:Packet Spacing
【0038】
図4に示すように、LPSの期間における差動信号(
図4に示す“LPS”)と、HPSの期間における差動信号(
図4に示す“LPS”以外)とでは、差動信号の振幅が異なることが分かる。そのため、伝送効率を向上させる観点からは、できる限りLPSの期間が入らないことが望ましい。
【0039】
画像センサ100とプロセッサ200とは、例えば、データバスB1とは異なる制御バスB2により電気的に接続される。制御バスB2は、画像センサ100とプロセッサ200とを接続する、他の信号の伝送路である。例えば、プロセッサ200から出力される制御情報が、プロセッサ200から画像センサ100へと制御バスB2を介して伝送される。
【0040】
制御情報には、例えば、制御のための情報と処理命令とが含まれる。制御のための情報としては、例えば、画像サイズを示すデータ、フレームレートを示すデータ、画像の出力命令が受信されてから画像を出力するまでの出力遅延量を示すデータのうちの1または2以上など、画像センサ100における機能を制御するためのデータが、挙げられる。また、制御情報には、画像センサ100を示す識別情報が含まれていてもよい。識別情報としては、例えば、画像センサ100に設定されているIDなどの、画像センサ100を特定することが可能な任意のデータが挙げられる。
【0041】
なお、制御バスB2を介してプロセッサ200から画像センサ100へと伝送される情報は、上記に示す例に限られない。例えば、プロセッサ200は、画像における領域を指定する領域指定情報を、制御バスB2を介して伝送してもよい。領域指定情報としては、領域に含まれる画素の位置を示すデータ(例えば、領域に含まれる画素の位置が座標で表される座標データなど)など、領域を特定することが可能な任意の形式のデータが、挙げられる。
【0042】
図1では、画像センサ100とプロセッサ200とが制御バスB2により電気的に接続されている例を示しているが、画像センサ100とプロセッサ200とは、制御バスB2で接続されていなくてもよい。例えば、画像センサ100とプロセッサ200とは、任意の通信方式の無線通信によって、制御情報などを送受信してもよい。
【0043】
以下、
図1に示す通信システム1を構成する各装置について、説明する。
【0044】
(1-1)メモリ300
メモリ300は、通信システム1が有する記録媒体である。メモリ300としては、例えば、RAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリや、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどが挙げられる。メモリ300は、バッテリなどの通信システム1を構成する内部電源(図示せず)から供給される電力、または、通信システム1の外部電源から供給される電力によって、動作する。
【0045】
メモリ300には、例えば、画像センサ100から出力された画像が記憶される。メモリ300への画像の記録は、例えばプロセッサ200により制御される。
【0046】
(1-2)表示デバイス400
表示デバイス400は、通信システム1が有する表示デバイスである。表示デバイス400としては、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescence Display。または、OLEDディスプレイ(Organic Light Emitting Diode Display)ともよばれる。)などが挙げられる。表示デバイス400は、バッテリなどの通信システム1を構成する内部電源(図示せず)から供給される電力、または、通信システム1の外部電源から供給される電力によって、動作する。
【0047】
表示デバイス400の表示画面には、例えば、画像センサ100から出力された画像や、プロセッサ200において実行されるアプリケーションに係る画面、UI(User Interface)に係る画面など、様々な画像や画面が表示される。表示デバイス400の表示画面への画像などの表示は、例えばプロセッサ200により制御される。
【0048】
(1-3)プロセッサ200(受信装置)
プロセッサ200は、画像センサ100から送信されたデータを受信し、受信されたデータを処理する。上述したように、プロセッサ200は、通信システム1において受信装置の役目を果たす。画像センサ100から送信されたデータの処理に係る構成(受信装置の役目を果たすための構成)の一例については、後述する。
【0049】
プロセッサ200は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)などの演算回路で構成される、1または2以上のプロセッサや、各種処理回路などで構成される。プロセッサ200は、バッテリなどの通信システム1を構成する内部電源(図示せず)から供給される電力、または、通信システム1の外部電源から供給される電力によって、動作する。
【0050】
プロセッサ200は、例えば、メモリ300などの記録媒体への画像データの記録制御に係る処理、表示デバイス400の表示画面への画像の表示制御に係る処理、任意のアプリケーションソフトウェアを実行する処理など、様々な処理を行う。記録制御に係る処理としては、例えば“記録命令を含む制御データと記録媒体に記録させるデータとを、メモリ300などの記録媒体に伝達する処理”が、挙げられる。また、表示制御に係る処理としては、例えば“表示命令を含む制御データと表示画面に表示させるデータとを、表示デバイス400などの表示デバイスに伝達する処理”が、挙げられる。
【0051】
また、プロセッサ200は、例えば、画像センサ100に対して制御情報を送信することによって、画像センサ100における機能を制御してもよい。プロセッサ200は、例えば、画像センサ100に対して領域指定情報を送信することによって、画像センサ100から送信されるデータを制御することも可能である。
【0052】
(1-4)画像センサ100(送信装置)
画像センサ100は、撮像機能と送信機能とを有し、撮像により生成した画像を示すデータを送信する。上述したように、画像センサ100は、通信システム1において送信装置の役目を果たす。
【0053】
画像センサ100は、例えば、“デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ、ステレオカメラなどの撮像デバイス”や、“赤外線センサ”、“距離画像センサ”などの、画像を生成することが可能な任意の方式の画像センサデバイスを含み、生成された画像を送信する機能を有する。画像センサ100において生成される画像は、画像センサ100におけるセンシング結果を示すデータに該当する。画像センサ100の構成の一例については、後述する。
【0054】
画像センサ100は、後述する本実施形態に係る送信方法により、画像に対して設定される領域に対応するデータ(以下、「領域データ」と示す。)を送信する。領域データの送信に係る制御は、例えば、画像センサ100における画像処理部として機能する構成要素(後述する)により行われる。画像に対して設定される領域は、ROI(Region Of Interest)と呼ばれる場合がある。以下では、画像に対して設定される領域を「ROI」と示す場合がある。
【0055】
画像に対する領域の設定に係る処理としては、例えば、“画像から物体を検出し、検出された物体を含む領域を設定する処理”、“任意の操作デバイスに対する操作などにより指定された領域を設定する処理”など、画像における一部の領域を特定することが可能な任意の処理(または、画像から一部の領域を切り出すことが可能な任意の処理)が、挙げられる。
【0056】
画像に対する領域の設定に係る処理は、画像センサ100が行ってもよいし、プロセッサ200などの外部装置において行われてもよい。画像センサ100が画像に対する領域の設定に係る処理を行う場合、画像センサ100は、画像に対する領域の設定に係る処理の結果に従って領域を特定する。また、例えば、画像に対する領域の設定に係る処理が外部装置において行われる場合、画像センサ100は、外部装置から取得される領域指定情報に基づいて、領域を特定する。
【0057】
画像センサ100が、領域データを送信すること、すなわち、画像の一部のデータを送信することによって、画像全体を伝送するよりも伝送に係るデータ量が小さくなる。よって、画像センサ100が、領域データを送信することによって、例えば、伝送時間が短縮される、通信システム1における伝送に係る負荷が低減されるなど、データ量が低減されることにより奏される様々な効果が、奏される。
【0058】
なお、画像センサ100は、画像全体を示すデータを送信することも可能である。
【0059】
画像センサ100が、領域データを送信する機能、および画像全体を示すデータを送信する機能を有している場合、画像センサ100は、領域データを送信することと、画像全体を示すデータを送信することとを、選択的に切り替えて行うことが可能である。
【0060】
画像センサ100は、例えば、設定されている動作モードによって、領域データを送信し、または、画像全体を示すデータを送信する。動作モードの設定は、例えば、任意の操作デバイスに対する操作などにより行われる。
【0061】
また、画像センサ100は、外部装置から取得される領域指定情報に基づいて、領域データを送信することと、画像全体を示すデータを送信することとを、選択的に切り替えてもよい。画像センサ100は、例えば、外部装置から領域指定情報が取得されたときに、当該領域指定情報に対応する領域の領域データを送信し、外部装置から領域指定情報が取得されないときに、画像全体を示すデータを送信する。
【0062】
通信システム1は、例えば
図1に示す構成を有する。なお、本実施形態に係る通信システムの構成は、
図1に示す例に限られない。
【0063】
例えば、
図1では、送信装置の役目を果たす装置として画像センサ100を例に挙げたが、送信装置の役目を果たす装置は、画像センサ100に限られない。例えば、本実施形態に係る通信システムが、撮像デバイスなどの画像センサデバイスと、画像センサデバイスと電気的に接続されている送信器とを有する構成である場合、当該送信器が送信装置の役目を果たしていてもよい。
【0064】
また、
図1では、受信装置の役目を果たす装置として、プロセッサ200を例に挙げたが、受信装置の役目を果たす装置は、プロセッサ200に限られない。例えば、本実施形態に係る通信システムでは、データを受信する機能を有する任意のデバイスが、受信装置の役目を果たすことが可能である。
【0065】
また、通信システムの外部の記録媒体に画像センサ100から送信される画像が記憶される場合、画像センサ100から送信される画像が、プロセッサ200に備えられるメモリに記憶される場合、あるいは、画像センサ100から送信される画像が記録されない場合などには、本実施形態に係る通信システムは、メモリ300を有していなくてもよい。
【0066】
また、本実施形態に係る通信システムは、
図1に示す表示デバイス400を有さない構成をとることが可能である。
【0067】
さらに、本実施形態に係る通信システムは、後述する本実施形態に係る通信システムが適用される電子機器が有する機能に応じた、任意の構成を有していてもよい。
【0068】
以上、本実施形態として、通信システムを挙げて説明したが、本実施形態は、かかる形態に限られない。本実施形態は、例えば、スマートフォンなどの通信装置や、ドローン(遠隔操作による動作、または、自律的な動作が可能な機器)、自動車などの移動体、PC(Personal Computer)などのコンピュータ、タブレット型の装置、ゲーム機、監視カメラなど、様々な電子機器に適用することができる。
【0069】
このような通信システムにおいて、対象領域を限定することで少ない演算で高精度かつ高画質の3DNRを実現するための構成及び動作の概要を説明する。
【0070】
図5は、本開示の実施の形態に係る通信システムの機能構成例を示す説明図である。
図5に示したように、本開示の実施の形態に係る通信システム1は、レンズユニット110、IRカットフィルタ120、撮像素子130、IIRフィルタ140を含んで構成される。そしてIIRフィルタ140は、ROI領域検出部141、ROI抽出部142、パラメータ算出部143、ROIメモリ144、ROI変形部145、差分絶対値計算部146、乗算器147、148、及び加算器149を含んで構成される。
【0071】
レンズユニット110は、1つ以上のレンズで構成される光学系のユニットであり、被写体からの光を集光する。IRカットフィルタ120は、レンズユニット110で集められた光から赤外光をカットする。撮像素子130は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)などで構成されるセンサであり、IRカットフィルタ120を通過した光から電気信号を生成する。
【0072】
IIRフィルタ140は、撮像素子130から出力される電気信号と、1フレーム前の画像に相当する電気信号とを加算して出力する。本開示の実施の形態では、IIRフィルタ140は、画像中の動体の位置をROI領域として検出し、そのROI領域に対するフィルタ処理を実行する。これにより、本開示の実施の形態に係る通信システム1は、少ない演算で高精度かつ高画質の3DNRを実現することが可能となる。
【0073】
ROI領域検出部141は、撮像素子130から出力される電気信号で得られる画像の中からROI領域を検出する。ROI領域検出部141は、ROI領域を検出すると、そのROI領域に関する情報をROI抽出部142に送る。ROI領域に関する情報としては、例えばROI領域を識別するID、ROI領域を特定するための情報(例えば座標情報)、ROI領域のサイズ等が含まれうる。すなわち、ROI領域検出部141が検出するROI領域の数は1つに限定されるものではない。
【0074】
ROI領域は、IIRフィルタ140の外部から指定されても良いし、ROI領域検出部141が所定のルールに基づいて検出しても良い。
【0075】
ROI抽出部142は、撮像素子130から出力される電気信号で得られる画像の中から、ROI領域検出部141で検出されたROI領域の画像を抽出する。ROI抽出部142はROI領域の画像の抽出に際し、ROI領域検出部141から送られるROI領域に関する情報を用いる。
【0076】
ROI抽出部142は、ROIメモリ144に記憶されている、現在のROI領域のIDを検出する。ROI抽出部142は、ROIメモリ144に記憶されている過去のROI領域の内容を参照し、「座標が近いもの」「大きさが近いもの」「形状や色が近いもの」等を確認しID番号を検出する。
【0077】
パラメータ算出部143は、ROI抽出部142から出力されるROI画像と、ROIメモリ144に記憶されている画像とを、アフィン変換等により一致させるための変形パラメータを算出する。ROI抽出部142が抽出したROI領域が複数存在する場合は、パラメータ算出部143はID番号が一致するROI領域毎にパラメータを算出する。
【0078】
ROI変形部145は、パラメータ算出部143が算出した変形パラメータに基づいて、ROIメモリ144に記憶されているROI領域の画像を変形する。ROI抽出部142が抽出したROI領域が複数存在する場合は、ROI変形部145は、ROI領域毎に変形を行う。ここで、ROI変形部145は以下の変換式に基づいて変形を行う。
【0079】
【0080】
数式(1)において、x、yは変換前のROI領域の画像の横方向及び縦方向の長さ(すなわち、変換前の幅及び高さ)を示し、x’、y’は変換後のROI領域の画像の横方向及び縦方向の長さ(すなわち、変換後の幅及び高さ)を示す。そして、数式(1)において、a、b、c、d、tx、tyは、アフィン変換のための変形パラメータであり、これらのパラメータはパラメータ算出部143で算出される。
【0081】
差分絶対値計算部146は、ROI抽出部142から出力されるROI画像と、ROI変形部145から出力される、変換後のROI画像とを比較し、差分絶対値を計算する。差分絶対値計算部146は、2つのROI画像の差分絶対値に基づいて、乗算器147、148で用いる係数Kiを決定する。差分絶対値と、係数Kiとの関係は、例えば
図15で示したものと同じであっても良いが、異なるものであっても良い。しかし、差分絶対値と、係数Kiとの関係は、差分絶対値が大きくなるほど係数Kiが小さくなるような関係であるものとする。すなわち、過去フレームと現在フレームとの差分が大きい場所は、局所的な変化が発生した部分なので現在画像の適用を高めるよう、差分絶対値と、係数Kiとの関係を定めるものとする。
【0082】
例えば、ROI領域を何らかの物体が横切る等の場合は、そのまま3DNRを実行するとノイズ低減処理がうまく行かないエラーが発生する。本実施形態では、そのような場合は差分絶対値計算部146が計算する差分絶対値が大きくなる。この場合は係数Kiが小さくなることにより、本実施形態に係る通信システム1は、3DNRの際のエラーに対する耐性を高めることができる。
【0083】
乗算器147は、ROI抽出部142から出力されるROI画像に係数(1-Ki)を乗じて出力する。乗算器148は、ROI変形部145から出力されるROI画像に係数Kiを乗じて出力する。そして加算器149は、乗算器147の出力と、乗算器148の出力とを加算する。すなわち、乗算器147、148及び加算器149は、ROI抽出部142から出力されるROI画像と、ROI抽出部142から出力されるROI画像とを、(1-Ki):Kiの比率でブレンドする。加算器149から出力される画像は、後段のブロックに出力されると共に、ROIメモリ144に送られて、それまでROIメモリ144に記憶されていたROI画像と置き換えられる。
【0084】
ここで、ROI領域のデータフォーマットの一例を説明する。
図6はROI領域の例を示す説明図である。例えば、
図6のようにA~Dの4つのROI領域がROI領域検出部141で検出されたとする。
図7は、ROI領域のデータフォーマットの一例を示す説明図である。
【0085】
“PH”はパケットヘッダを示す。“Embedded Data”は伝送されるパケットに埋め込むことの可能なデータである。“Embedded Data”には、少なくとも、ROI領域を識別するID、ROI領域の左上の座標の位置情報、ROI領域の高さ及び幅が含まれうる。
図7に示したフォーマットの3行目からは、実際のROI領域のデータが格納される。ここで、
図6の領域Aと領域BのようにROI領域が重なっている場合、重なっている領域は一度だけ格納される。
【0086】
図7に示したROI領域のデータフォーマットの“Embedded Data”は、ROIメモリ144にも格納される。
【0087】
本開示の実施の形態に係る通信システム1は、
図5に示したような構成を有することで、ROI領域のみに対する3DNRを実行することができる。本開示の実施の形態に係る通信システム1は、ROI領域のみに対する3DNRを実行することで、少ない演算で高精度かつ高画質の3DNRを実現することが可能となる。また本開示の実施の形態に係る通信システム1は、少ない演算で3DNRを実行することで、画像の全てに対して3DNRを実行する場合と比較して消費電力を低減させることが可能となる。
【0088】
なお
図6の領域Aと領域BのようにROI領域が重なっている場合、IIRフィルタ140は、過去のROI領域の画像をホールドしたり、過去のROI領域の画像の適用比率が高くなるような係数Kiを設定したりしてもよい。
【0089】
本開示の実施の形態に係る通信システム1の別の機能構成例を示す。
図8は、本開示の実施の形態に係る通信システム1の機能構成例を示す説明図である。
図8に示した通信システム1は、
図5に示したものから、IIRフィルタ140にプリ変形部151が追加されている。プリ変形部151は、ROIメモリ144に記憶されている過去のROI領域の画像に対し、過去及び現在のIDが同一のROI領域間で、“Embedded Data”に記憶されているサイズ情報を使いプリ変形する。
図8に示した例の場合、ROI抽出部142から出力される、IDが1のROI画像の幅と高さが、過去のROI領域から2倍に変化している。従って、プリ変形部151は、ROIメモリ144に記憶されている、IDが1の過去のROI領域の幅と高さを2倍する。プリ変形部151がプリ変形を行うことで、本開示の実施の形態に係る通信システム1は、ROI領域の大きさの変化に対応することが可能となる。
【0090】
ここでIIRフィルタ140の機能を通信システム1にどのように配置するかについて説明する。IIRフィルタ140の機能は、通信システム1の画像センサ100に全て搭載されていても良い。またIIRフィルタ140の機能のうち、ROI領域検出部141、ROI抽出部142のみが通信システム1の画像センサ100に搭載され、残りの機能は別のチップ(例えばプロセッサ200)に搭載されていても良い。また、IIRフィルタ140の機能は、通信システム1の画像センサ100とは異なるチップ(例えばプロセッサ200)に全て搭載されていても良い。
【0091】
図9は、本開示の実施の形態に係る通信システム1の機能構成例を示す説明図である。
図9に示したのは、IIRフィルタ140の機能が全て画像センサ100に搭載されている場合の例である。
【0092】
図10は、本開示の実施の形態に係る通信システム1の機能構成例を示す説明図である。
図10に示したのは、IIRフィルタ140の機能のうち、ROI領域検出部141、ROI抽出部142のみが通信システム1の画像センサ100に搭載され、残りの機能がプロセッサ200に搭載されている場合の例である。
【0093】
図11は、本開示の実施の形態に係る通信システム1の機能構成例を示す説明図である。
図11に示したのは、IIRフィルタ140の機能が全てプロセッサ200に搭載されている場合の例である。
【0094】
もちろん
図9~11に示したのはIIRフィルタ140の機能の配置の一例に過ぎないことは言うまでも無く、
図9~11に示した配置以外にも様々な配置を取りうるものである。
【0095】
本開示の実施の形態に係る通信システム1は、ROI領域のみに対する3DNR機能に、画像全体に対する3DNR機能を組み合わせてもよい。
【0096】
図12は、本開示の実施の形態に係る通信システム1の機能構成例を示す説明図である。
図12に示した通信システム1は、ROI領域に対する3DNRを実行するIIRフィルタ140に加え、画像全体に対する3DNRを実行するIIRフィルタ240を含んで構成される。IIRフィルタ240は、差分絶対値計算部242、フレームメモリ244、乗算器245、246及び加算器248を含んで構成される。また、
図12に示した通信システム1は、αブレンド係数算出部252及び合成部254を含んで構成される。
【0097】
撮像素子130から出力される電気信号は、IIRフィルタ140とIIRフィルタ240の両方に送られる。IIRフィルタ140では、上述したようなROI領域に対する3DNRが実行される。一方、IIRフィルタ240では、撮像素子130から出力される電気信号からなる画像データ全体に対する3DNRが実行される。IIRフィルタ240は、撮像素子130から出力される電気信号と、フレームメモリ244に蓄えられた、1フレーム前で処理された画像に相当する電気信号とを、加算器248で加算する。IIRフィルタ240は、2つの信号を加算器248で加算する際に、乗算器245、246で設定される所定の比率で加算する。この比率は差分絶対値計算部242において決定される。
【0098】
そして、
図12に示した通信システム1は、IIRフィルタ140の出力と、IIRフィルタ240の出力とを、所定の比率で合成する。その際の合成比率はαブレンド係数算出部252が算出する。αブレンド係数算出部252は、例えば、ROI領域検出部141から送られるROI領域の情報(位置、幅、高さなどの情報)を取得し、その領域における2つの画像の差分絶対値を算出し、その差分絶対値に応じて合成比率を算出しても良い。この場合αブレンド係数算出部252は、ROI領域外はIIRフィルタ240から出力し、ROI領域内は、2つの画像の差分絶対値が大きいほど、IIRフィルタ140が出力する画像の比率が高くなるように、合成比率を算出しても良い。
【0099】
本開示の実施の形態に係る通信システム1は、撮像素子130から出力される電気信号に手振れが含まれている場合は、その手振れを考慮した3DNRを実行しても良い。
【0100】
図13は、本開示の実施の形態に係る通信システム1の機能構成例を示す説明図である。
図13に示した通信システム1は、ROI領域に対する3DNRを実行するIIRフィルタ140に加え、画像全体に対する3DNRを実行するIIRフィルタ240を含んで構成される。IIRフィルタ240は、
図12に示した構成に加え、グローバルモーション計算部241及び動き補正部243を含んで構成される。
【0101】
グローバルモーション計算部241は、撮像素子130から出力される電気信号と、フレームメモリ244に蓄えられた、1フレーム前で処理された画像に相当する電気信号とを比較して、画像全体の動き(グローバルモーション)の量を計算する。動き補正部243は、グローバルモーション計算部241が計算した画像全体の量に基づいて、フレームメモリ244に蓄えられた画像の位置を合わせる補正処理を行う。差分絶対値計算部242は、撮像素子130から出力される電気信号に対応する画像と、動き補正部243が補正した、フレームメモリ244に蓄えられた画像との間で差分絶対値を計算する。
【0102】
このように、
図13に示した通信システム1は、手振れが発生していた場合には、その手振れを考慮した3DNRを実行することができる。
【0103】
続いて、本実施形態に係る通信システムにおいて、画像センサ100(送信装置)からプロセッサ200(受信装置)への画像の送信に利用されるパケットの構造の他の例について説明する。本実施形態に係る通信システムでは、画像センサ100により撮像された画像が行単位の部分画像に分割され、行ごとの当該部分画像のデータが1以上のパケットを利用して送信される。これは、画像に対して設定される領域の領域データ(即ち、ROIが設定された部分の画像のデータ)についても同様である。
【0104】
例えば、
図16は、本実施形態に係る通信システムにおいて画像のデータの送信に利用されるパケットの構造の一例について説明するための説明図である。
図16に示すように、画像の送信に利用されるパケット(Packet)は、データストリーム中において、スタートコード(Start Code)で開始され、エンドコード(End Code)で終了する一連のデータとして規定される。また、当該パケットには、ヘッダ(Header)と、ペイロードデータ(Payload Data)とがこの順に配列されて含まれる。また、ペイロードデータの後ろに、フッタ(Footer)が付加されてもよい。ペイロードデータ(以下、単に「ペイロード」とも称する)は、行単位の部分画像のピクセルデータが含まれる。ヘッダには、ペイロードに含まれる部分画像に対応する行に関する各種情報が含まれる。フッタには、付加的な情報(オプション)が含まれる。
【0105】
ここで、ヘッダに含まれる情報について説明する。
図16に示すように、ヘッダには、「Frame Start」、「Frame End」、「Line Valid」、「Line Number」、「EBD Line」、「Data ID」、「Reserved」、及び「Header ECC」がこの順に含まれる。
【0106】
Frame Startは、フレームの先頭を示す1ビットの情報である。例えば、送信対象となる画像のデータのうち1行目の画素データの伝送に用いられるパケットのヘッダのFrame Startには1の値が設定され、他の行の画素データの伝送に用いられるパケットのヘッダのFrame Startには0の値が設定される。なお、Frame Startが、「フレームの開始を示す情報」の一例に相当する。
【0107】
Frame Endは、フレームの終端を示す1ビットの情報である。例えば、送信対象となる画像のデータのうち有効画素領域の終端ラインの画素データをペイロードに含むパケットのヘッダのFrame Endには1の値が設定され、他のラインの画素データの伝送に用いられるパケットのヘッダのFrame Endには0の値が設定される。なお、Frame Endが、「フレームの終了を示す情報」の一例に相当する。
【0108】
Frame StartとFrame Endとが、フレームに関する情報であるフレーム情報(Frame Information)の一例に相当する。
【0109】
Line Validは、ペイロードに格納されている画素データのラインが有効画素のラインであるのか否かを表す1ビットの情報である。有効画素領域内の行の画素データの伝送に用いられるパケットのヘッダのLine Validには1の値が設定され、他のラインの画素データの伝送に用いられるパケットのヘッダのLine Validには0の値が設定される。なお、Line Validが、「対応する行が有効か否かを示す情報」の一例に相当する。
【0110】
Line Numberは、ペイロードに格納されている画素データにより構成される行の行番号を表す13ビットの情報である。
【0111】
EBD Lineは、埋め込まれたデータを有する行か否かを表す1ビットの情報である。即ち、EBD Lineが、「埋め込まれたデータを有する行か否かを示す情報」の一例に相当する。
【0112】
Data IDは、複数ストリームに分けてデータを転送する場合に、各データ(即ち、ペイロードに含まれるデータ)を識別するための4ビットの情報である。なお、Data IDが、「ペイロードに含まれるデータの識別情報」の一例に相当する。
【0113】
Line Valid、Line Number、EBD Line、及びData IDが、行に関する情報である行情報(Line Information)となる。
【0114】
Reservedは拡張用の27ビットの領域である。なお、以降では、Reservedとして示された当該領域を「拡張領域」とも称する。また、ヘッダ情報全体のデータ量は6バイトになる。
【0115】
図16に示すように、ヘッダ情報に続けて配置されるHeader ECCには、6バイトのヘッダ情報に基づいて計算された2バイトの誤り検出符号であるCRC(Cyclic Redundancy Check)符号が含まれる。即ち、Header ECCが、「ヘッダに含まれる情報の誤り訂正符号」の一例に相当する。また、Header ECCには、CRC符号に続けて、ヘッダ情報とCRC符号の組である8バイトの情報と同じ情報が2つ含まれる。
【0116】
すなわち、1つのパケットのヘッダには、同じヘッダ情報とCRC符号の組が3つ含まれる。ヘッダ全体のデータ量は、1組目のヘッダ情報とCRC符号の組の8バイトと、2組目のヘッダ情報とCRC符号の組の8バイトと、3組目のヘッダ情報とCRC符号の組の8バイトとの、あわせて24バイトになる。
【0117】
ここで、
図17及び
図18を参照して、パケットのヘッダに設けられる拡張領域(Reserved)について説明する。
図17及び
図18は、パケットのヘッダに設けられる拡張領域について説明するための説明図である。
【0118】
図17に示すように、拡張領域は、先頭の3ビットに対して、ヘッダ情報の種別(Header Info Type)として、パケットで送信される情報に応じた種別を示す情報が設定される。このヘッダ情報の種別に応じて、拡張領域のうち、当該ヘッダ情報の種別が指定される3ビットを除いた残り24ビットの領域に設定される情報のフォーマット(即ち、情報の種別や当該情報が設定される位置)が決定される。これにより、受信側は、ヘッダ情報の種別を確認することで、拡張領域のうち当該ヘッダ情報の種別が指定された領域以外の他の領域の、どの位置にどのような情報が設定されているかを認識し、当該情報を読み出すことが可能となる。
【0119】
例えば、
図18は、ヘッダ情報の種別の設定と、当該設定に応じた拡張領域の使用方法の一例として、パケットのペイロード長(換言すると、行の長さ)を可変とする場合の設定の一例について示している。具体的には、
図18に示す例では、ヘッダ情報の種別に対して、ペイロード長が可変とする場合の種別に応じた値が設定される。より具体的には、
図18に示す例では、ヘッダ情報の種別に対して、
図17に示す例において当該ヘッダ情報の種別設定された「000」とは異なる値として、「001」が設定されている。即ち、この場合には、ヘッダ情報の種別のうち「001」に対応する種別は、ペイロード長が可変とする場合の種別を意味していることとなる。また、
図18に示す例では、拡張領域中の14ビットが、「Line Length」に割り当てられている。「Line Length」は、ペイロード長を通知するための情報である。このような構成により、受信側は、ヘッダ情報の種別として設定された値に基づき、ペイロード長が可変であることを認識するとともに、拡張領域に「Line Length」として設定された値を読み出すことで、ペイロード長を認識することが可能となる。
【0120】
以上、
図16~
図18を参照して、本実施形態に係る通信システムにおいて、画像センサ100(送信装置)からプロセッサ200(受信装置)への画像の送信に利用されるパケットの構造の一例について説明した。
【0121】
続いて、本開示に係る通信システムの技術的特徴として、画像に対して設定される領域(ROI)の領域データを送信するための送信方式の一例について説明する。
【0122】
画像センサ100は、画像に設定される領域の領域データを、パケットのペイロードに格納して行ごとに送信させる。そこで、以降の説明では、画像に設定される領域のうち、各行に相当する部分を便宜上「部分領域」とも称する。
【0123】
(データのフォーマット)
まず、
図19は、送信されるデータのフォーマットについて説明するための説明図である。
図19において、参照符号A1で示した一連のパケットは、画像に設定される領域の領域データが送信されるパケット(換言すると、有効画素領域のデータが送信されるパケット)を模式的に示している。また、参照符号A2及びA3で示した一連のパケットは、領域データを送信するためのパケットとは異なるパケットに相当する。なお、以降の説明では、参照符号A1、A2、及びA3で示した各パケットを区別する場合には、便宜上、それぞれ「パケットA1」、「パケットA2」、及び「パケットA3」とも称する。即ち、1フレーム分のデータが送信される期間において、一連のパケットA1が送信される前に、一連のパケットA2が送信される。また、一連のパケットが送信された後に、一連のパケットA3が送信されてもよい。なお、パケットA2及びA3の少なくともいずれかが、「第1のパケット」の一例に相当する。また、パケットA1が、「第2のパケット」の一例に相当する。
【0124】
図19に示す例では、一連のパケットA2のうち少なくとも一部が、Embedded Dataの送信に利用される。例えば、Embedded Dataは、パケットA2のペイロードに格納して送信されてもよい。また、他の一例として、Embedded Dataは、パケットA2のうちペイロードとは別の領域に格納して送信されてもよい。
【0125】
Embedded Dataは、画像センサ100が付加的に送信される付加情報(換言すると、画像センサ100により埋め込まれた情報)に相当し、例えば、画像の撮像条件に関する情報や、領域データが送信される領域(ROI)に関する情報等が挙げられる。
【0126】
なお、
図19に示す例では、パケットA2のうち少なくとも一部がEmbedded Dataの送信に利用されているが、当該パケットA2に替えて、パケットA3の少なくとも一部がEmbedded Dataの送信に利用されてもよい。また、以降の説明では、Embedded Dataを「EBD」とも称する。
【0127】
図19において、「SC」は、「Start Code」を示しており、パケットの開始を示すシンボル群である。Start Codeは、パケットの前に付加される。Start Codeは、例えば、3種類のK Characterの組み合わせであるK28.5、K27.7、K28.2、及びK27.7の4シンボルで表される。
【0128】
「EC」は、「End Code」を示しており、パケットの終了を示すシンボル群である。End Codeは、パケットの後ろに付加される。End Codeは、例えば、3種類のK Characterの組み合わせであるK28.5、K27.7、K30.7、及びK27.7の4シンボルで表される。
【0129】
「PH」は、「パケットヘッダ(Packet Header)」を示しており、例えば、
図2を参照して説明したヘッダが該当する。「FS」は、FS(Frame Start)パケットを示している。「FE」は、FE(Frame End)パケットを示している。
【0130】
「DC」は、「Deskew Code」を示しており、レーン間のData Skew、即ち、受信側の各レーンで受信されるデータの受信タイミングのずれの補正に用いられるシンボル群である。Deskew Codeは、例えば、K28.5及びAny**の4シンボルで表される。
【0131】
「IC」は、「Idle Code」を示しており、パケットデータの伝送時以外の期間に繰り返し送信されるシンボル群である。Idle Codeは、例えば、8B10B CodeであるD CharacterのD00.0(00000000)で表される。
【0132】
「DATA」は、ペイロードに格納された領域データ(即ち、画像中に設定された領域に対応する部分のピクセルデータ)を示している。
【0133】
「XY」は、ペイロードに格納された領域データに対応する部分領域の左端の位置(画像中の位置)を、X座標及びY座標として示した情報に相当する。なお、以降では、「XY」で示された、部分領域の左端の位置を示すX座標及びY座標を、単に「部分領域のXY座標」とも称する。
【0134】
部分領域のXY座標は、パケットA1のペイロードの先頭に格納される。また、部分領域のXY座標は、連続して送信されるパケットA1間において、それぞれに対応する部分領域のX座標に変更が無く、かつY座標が+1だけされる場合には、後から送信されるパケットA1において省略されてもよい。なお、本制御については、具体的な例を挙げて別途後述する。
【0135】
また、この送信方式では、水平方向に互いに離間した複数の領域が設定された行について、当該複数の領域それぞれに対応する部分領域の領域データを送信する場合には、当該複数の領域それぞれについてのパケットA1が個別に生成されて送信される。即ち、水平方向に互いに離間した2つの領域が設定された行については、2つのパケットA1が生成及び送信されることとなる。
【0136】
続いて、
図20を参照して、画像に設定された領域(ROI)の領域データを送信するパケットA1のパケットヘッダの構成の一例について、特に、拡張領域の構成に着目して説明する。
図20は、パケットヘッダの構成の一例について説明するための説明図である。
【0137】
図20に示すように、この送信方式では、画像に設定された領域(ROI)の領域データを送信する場合には、当該領域データの送信に利用するパケットA1のパケットヘッダにおいて、ヘッダ情報の種別として、領域の情報を送信することを示す情報(即ち、領域の情報の送信を想定した種別に対応する情報)が設定される。また、拡張領域の少なくとも一部に対して、ペイロードを利用して領域のデータ(即ち、部分領域の領域データ)を送信することを示す情報が設定される。また、ペイロードを利用して領域の座標(即ち、部分領域のXY座標)が送信される場合には、拡張領域の少なくとも一部に対して、当該領域の座標を送信することを示す情報が設定される。なお、画像に設定された領域(ROI)の領域データを送信する場合には、当該領域の水平方向の幅に応じて、パケットA1のペイロードの長さが変化し得る。そのため、拡張領域の一部には、
図18を参照して説明した例と同様に、ペイロード長を示す情報が設定されてもよい。
【0138】
(画像センサ100)
続いて、本実施形態に係る画像センサ100の構成例について説明する。
図21は、本実施形態に係る画像センサ100の構成の一例を示すハードウェアブロック図である。画像センサ100は、例えば、画像センサデバイス102と、ICチップ104とを備える。
図21に示す画像センサ100は、バッテリなどの通信システム1000を構成する内部電源(図示せず)から供給される電力、または、通信システム1000の外部電源から供給される電力によって、動作する。
【0139】
画像センサデバイス102は、例えば、“デジタルスチルカメラなどの撮像デバイス”や、“赤外線センサ”、“距離画像センサ”などの、画像を生成することが可能な任意の方式の画像センサデバイスである。
【0140】
一例を挙げると、画像センサデバイス102として機能する撮像デバイスは、レンズ/撮像素子と信号処理回路とを含んで構成される。
【0141】
レンズ/撮像素子は、例えば、光学系のレンズと、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子を複数用いたイメージセンサとで構成される。
【0142】
信号処理回路は、例えば、AGC(Automatic Gain Control)回路やADC(Analog to Digital Converter)を備え、撮像素子により生成されたアナログ信号をデジタル信号(画像データ)に変換する。また、信号処理回路は、例えばRAW現像に係る各種処理を行う。さらに、信号処理回路は、例えば、White Balance補正処理や、色調補正処理、ガンマ補正処理、YCbCr変換処理、エッジ強調処理など各種信号処理を行ってもよい。
【0143】
また、信号処理回路は、画像に対する領域の設定に係る処理を行い、領域指定情報をICチップ104へ伝達してもよい。さらに、信号処理回路は、露光情報やゲイン情報などの様々なデータを、ICチップ104へ伝達してもよい。
【0144】
画像センサデバイス102により生成された画像を示す信号は、ICチップ104へ伝達される。なお、画像センサデバイス102からICチップ104へ伝達される画像を示す信号がアナログ信号である場合、ICチップ104は、例えば、備えているADCにてアナログ信号をデジタル信号に変換し、変換により得られた画像データを処理する。以下では、画像センサデバイス102からICチップ104へ画像データが伝達される場合を例に挙げる。
【0145】
ICチップ104は、データの送信機能に係る回路が集積されたIC(Integrated Circuit)がチップ状に形成されたものであり、画像センサデバイス102から伝達される画像データを処理し、生成された画像に対応するデータを送信する。画像に対応するデータとは、画像センサデバイス102から伝達される画像データ(すなわち、画像全体を示すデータ)、または、領域情報および領域データである。なお、データの送信機能に係る回路は、1つのICチップの形態で実現されることに限られず、複数のICチップで形成されていてもよい。
【0146】
ICチップ104は、例えば、画像処理回路106と、LINK制御回路108と、ECC生成回路110と、PH生成回路112と、EBD用バッファ114と、画像データバッファ116と、合成回路118と、送信回路120とを備える。
【0147】
画像処理回路106は、本実施形態に係る送信方法に係る処理を行う機能を有する一の回路である。本実施形態に係る送信方法に係る処理を行う場合、画像処理回路106は、領域情報を画像における行ごとに設定し、設定された領域情報と領域に対応する領域データとを、LINK制御回路108、ECC生成回路110、PH生成回路112、EBD用バッファ114、画像データバッファ116、合成回路118、送信回路120により、行ごとに送信させる。また、画像処理回路106は、画像センサデバイス102から伝達される画像データ(すなわち、画像全体を示すデータ)を、行ごとに送信させることも可能である。
【0148】
画像処理回路106としては、例えばMPUなどのプロセッサが、挙げられる。
【0149】
画像処理回路106が有する機能を、機能ブロックに分けて説明する。
図21に示すように、画像処理回路106は、例えば、領域切り出し部122と、画像処理制御部124と、エンコード部126とを有する。
【0150】
領域切り出し部122は、画像に対する領域の設定に係る処理を行う役目を果たし、画像センサデバイス102から伝達される画像データが示す画像に対して、領域(ROI)を設定する。領域切り出し部122は、例えば、設定されている動作モードに応じて、画像に対する領域の設定に係る処理を行う。例えば、領域切り出し部122は、動作モードが領域データを送信する動作モードである場合に、画像に対する領域の設定に係る処理を行う。また、領域切り出し部122は、動作モードが画像全体を示すデータを送信する動作モードである場合には、画像に対する領域の設定に係る処理を行わない。
【0151】
領域切り出し部122は、例えば、画像に対して任意の物体検出処理を行って物体を検出し、検出された物体ごとに、検出された物体を含む領域を設定する。また、領域切り出し部122は、任意の操作デバイスに対する操作などにより指定された領域を、設定してもよい。
【0152】
領域が設定された場合、領域切り出し部122は、例えば、設定された領域を示す領域指定情報を、画像処理制御部124へ伝達する。また、領域が設定されない場合、領域切り出し部122は、領域指定情報を画像処理制御部124へ伝達しない。
【0153】
また、領域切り出し部122は、画像センサデバイス102から伝達される画像データを、エンコード部126へ伝達する。
【0154】
画像処理制御部124は、本実施形態に係る送信方法に係る処理を行う役目を果たし、領域情報を画像における行ごとに設定し、設定された領域情報を、エンコード部126とPH生成回路112とへ伝達する。
【0155】
画像処理制御部124は、例えば、領域切り出し部122から取得される領域指定情報、または、外部装置から取得される領域指定情報(図示せず)に基づいて、画像における各行に含まれる領域を特定する。そして、画像処理制御部124は、特定された領域に基づいて、行ごとに領域情報を設定する。このとき、画像処理制御部124は、上述した例外処理に示すように、1つ前に送信させる行の領域情報に含まれる情報から変化しない情報は、領域情報に設定しなくてよい。
【0156】
また、領域指定情報が取得されない場合、画像処理制御部124は、領域情報を設定しない。
【0157】
なお、画像処理制御部124における処理は、上記に示す例に限られない。
【0158】
例えば、画像処理制御部124は、例えば、フレーム情報を生成し、生成したフレーム情報をLINK制御回路108へ伝達してもよい。フレーム情報としては、例えば、フレームごとに付与されるVCの番号が挙げられる。また、フレーム情報には、YUVデータ、RGBデータまたはRAWデータなどのデータタイプを示すデータが含まれていてもよい。
【0159】
また、例えば、画像処理制御部124は、付加情報を設定する処理を行い、設定された付加情報をEBD用バッファ114へ伝達してもよい。
【0160】
付加情報を設定する処理としては、例えば付加情報を生成する処理が挙げられる。付加情報を生成する処理としては、例えば、領域のデータ量を示す情報を生成する処理、領域の大きさを示す情報を生成する処理、および領域の優先度を示す情報を生成する処理のうちの1または2以上が、挙げられる。
【0161】
なお、付加情報を設定する処理は、付加情報を生成する処理に限られない。例えば、画像処理制御部124は、露光情報やゲイン情報などの画像センサデバイス102から取得された情報を、付加情報として設定してもよい。また、画像処理制御部124は、例えば、物理領域長さを示すデータ、出力領域長さを示すデータ、画像フォーマットを示すデータ、データ総量を示すデータなどの、様々な領域に関するデータを、付加情報として設定してもよい。物理領域長さとしては、例えば画像センサデバイス102の画素数が挙げられる。出力領域長さとしては、例えば画像センサデバイス102から出力される画像の画素数(画像上の長さ)が挙げられる。
【0162】
エンコード部126は、例えば、画像センサデバイス102から伝達される画像データを、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)規格に対応する方式などの所定の方式でエンコードする。
【0163】
画像処理制御部124から領域情報が取得されない場合、エンコード部126は、エンコードされた画像データを、画像データバッファ116へ伝達する。以下では、エンコードされた画像データ、すなわち、エンコードされた画像全体を示すデータを「通常データ」と示す場合がある。
【0164】
また、画像処理制御部124から領域情報が取得される場合、エンコード部126は、取得された領域情報と、領域に対応するエンコードされた領域データとを、画像データバッファ116へ伝達する。
【0165】
画像処理回路106は、例えば、領域切り出し部122、画像処理制御部124、およびエンコード部126を有することによって、本実施形態に係る送信方法に係る処理を行う。なお、
図21に示す画像処理回路106の機能ブロックは、画像処理回路106が有する機能を便宜上切り分けたものであり、画像処理回路106における機能の切り分け方は、
図21に示す例に限られない。
【0166】
LINK制御回路108は、例えば、フレーム情報を、行ごとにECC生成回路110、PH生成回路112、および合成回路118に伝達する。
【0167】
ECC生成回路110は、行ごとに誤り訂正符号を設定する。ECC生成回路110は、例えば、フレーム情報における1行のデータ(例えば、VCの番号、データタイプなど)に基づいて、その行の誤り訂正符号を生成する。ECC生成回路110は、例えば、生成した誤り訂正符号をPH生成回路112と合成回路118とに伝達する。また、ECC生成回路110は、PH生成回路112と連携して誤り訂正符号を生成してもよい。
【0168】
PH生成回路112は、フレーム情報を用いて、行ごとにパケットヘッダを生成する。
【0169】
PH生成回路112は、画像処理回路106(
図21の例では、画像処理制御部124)から伝達される領域情報に基づいて、パケットヘッダを生成してもよい。具体的には、PH生成回路112は、領域情報に基づいて、上述したような“領域情報に含まれる情報が1つ前に送信させるパケットに含まれる領域情報から変化しているか否かを示すデータ”(変化情報)を、パケットヘッダに設定する。
【0170】
EBD用バッファ114は、画像処理回路106(
図21の例では、画像処理制御部124)から伝達される付加情報を一時的に保持するバッファである。EBD用バッファ114は、所定のタイミングで付加情報を“EmbeddedData”として合成回路118に出力する。なお、EBD用バッファ114から出力される“EmbeddedData”は、後述する画像データバッファ116を経由して合成回路118に伝達されてもよい。また、受信装置であるプロセッサ200が送信される付加情報(ROI情報)を把握している場合においては、レジスタ設定等によって、後述する送信回路120から前記付加情報に相当するEBDデータを送信することを省略してもよい。
【0171】
画像データバッファ116は、画像処理回路106(
図21の例では、エンコード部126)から伝達されるデータ(通常データ、または、領域情報および領域データ)を一時的に保持するバッファである。画像データバッファ116は、保持していているデータを、所定のタイミングで行ごとに合成回路118に出力する。
【0172】
合成回路118は、例えば、ECC生成回路110、PH生成回路112、EBD用バッファ114、および画像データバッファ116それぞれから取得されるデータに基づいて、伝送するパケットを生成する。
【0173】
送信回路120は、合成回路118から伝達されるパケットを、行ごとにデータバスB1(信号の伝送路の一例。以下、同様とする。)を介して、伝送データ147Aとして送信する。例えば送信回路120は、
図4に示すような高速差動信号によりパケットを送信する。
【0174】
(プロセッサ200)
次に、プロセッサ200について説明する。
図22は、本実施形態に係るプロセッサ200の構成の一例を表したものである。プロセッサ200は、画像センサ100と共通の規格(例えば、MIPI CSI-2規格、MIPI CSI-3規格、もしくは、MIPI DSI規格)で信号を受信する装置である。プロセッサ200は、例えば、受信部210および情報処理部220を有している。受信部210は、画像センサ100から出力された伝送データ147Aを、データレーンDLを介して受信し、受信した伝送データ147Aに対して所定の処理を行うことにより、種々のデータ(214A,215A,215B)を生成し、情報処理部220に出力する回路である。情報処理部220は、受信部210から受信した種々のデータ(214A,215A)に基づいて、ROI画像223Aを生成したり、受信部210から受信したデータ(215B)に基づいて、通常画像224Aを生成したりする回路である。
【0175】
受信部210は、例えば、ヘッダ分離部211、ヘッダ解釈部212、Payload分離部213、EBD解釈部214およびROIデータ分離部215を有している。
【0176】
ヘッダ分離部211は、伝送データ147Aを、データレーンDLを介して画像センサ100から受信する。つまり、ヘッダ分離部211は、画像センサ100で撮像された画像において設定された領域ROIについてのROI情報を含むとともに、各領域ROIの画像データをLongPacketのPayload Dataに含む伝送データ147Aを受信する。ヘッダ分離部211は、受信した伝送データ147Aをフレームヘッダ領域とパケット領域とに分離する。ヘッダ解釈部212は、フレームヘッダ領域に含まれるデータ(具体的にはEmbeddedData)に基づいて、パケット領域に含まれるLongPacketのPayloadDataの位置を特定する。Payload分離部213は、ヘッダ解釈部212によって特定されたLongPacketのPayloadDataの位置に基づいて、パケット領域に含まれるLongPacketのPayloadDataを、パケット領域から分離する。また、EBDデータ、LongPacket等に含まれる付加情報(ROI情報)をプロセッサが把握している場合においては、当該ROI情報の一部または全部の送信を省略することも可能である。具体的には、プロセッサはEBDデータに相当する情報をヘッダ解釈部212に保持しておくことによって、当該情報に基づいてパケット領域に含まれるLongPacketのPayloadDataの位置を特定する。
【0177】
EBD解釈部214は、EmbeddedDataをEBDデータ214Aとして、情報処理部220に出力する。EBD解釈部214は、さらに、EmbeddedDataに含まれるデータタイプから、LongPacketのPayloadDataに含まれる画像データがROIの画像データの圧縮像データであるか、または、通常画像データの圧縮像データであるか判別する。EBD解釈部214は、判別結果をROIデータ分離部215に出力する。
【0178】
LongPacketのPayloadDataに含まれる画像データがROIの画像データの圧縮像データである場合、ROIデータ分離部215は、LongPacketのPayloadDataをPayloadData215Aとして、情報処理部220(具体的にはROIデコード部222)に出力する。PayloadDataに含まれる画像データが通常画像データの圧縮像データである場合、ROIデータ分離部215は、LongPacketのPayloadDataをPayloadData215Bとして、情報処理部220(具体的には通常画像デコード部224)に出力する。LongPacketのPayloadDataにROI情報が含まれている場合には、PayloadData215Aは、ROI情報と、圧縮像データのうち1ライン分のピクセルデータとを含んでいる。
【0179】
情報処理部220は、EBDデータ214Aに含まれるEmbeddedDataから、ROI情報を抽出する。情報処理部220は、情報抽出部221で抽出したROI情報に基づいて、受信部210で受信した伝送データに含まれるLongPacketのPayloadDataから、撮像画像における各注目領域ROIの画像を抽出する。情報処理部220は、例えば、情報抽出部221、ROIデコード部222、ROI画像生成部223、通常画像デコード部224及びメモリ225を有している。
【0180】
通常画像デコード部224は、PayloadData215Bをデコードし、通常画像224Aを生成する。ROIデコード部222は、PayloadData215Aに含まれる圧縮像データ147Bをデコードし、画像データ222Aを生成する。この画像データ222Aは、1または複数の伝送画像によって構成されている。
【0181】
情報抽出部221は、EBDデータ214Aに含まれるEmbeddedDataから、ROI情報を抽出する。情報抽出部221は、例えば、EBDデータ214Aに含まれるEmbeddedDataから、例えば、撮像画像に含まれる注目領域ROIの数、各注目領域ROIの領域番号、各注目領域ROIのデータ長、および各注目領域ROIの画像フォーマットを抽出する。
【0182】
ROI画像生成部223は、情報抽出部221で得られたROI情報に基づいて、撮像画像における各注目領域ROIの画像を生成する。ROI画像生成部223は、生成した画像をROI画像223Aとして出力する。
【0183】
メモリ225は、ROI画像生成部223が生成したROI画像を一時的に記憶する。ROI画像生成部223は、ROI画像の生成の際に、メモリ225に蓄えたROI画像を用いて画像を合成する処理を行う。これにより、ROI画像生成部223は、動きボケを抑えたROI画像を生成することが出来る。
【0184】
図22に示したプロセッサ200の構成は、
図11に示した構成を有する場合、ROI領域検出部141及びROI抽出部142の機能を含みうる。
【0185】
<2.まとめ>
以上説明したように本開示の実施の形態によれば、ROI領域を3DNRに利用することで、メモリ容量を削減し、メモリへの、及びメモリからのトラフィックを低減し、演算量を低減した3DNRを実行出来る通信システム1が提供される。本開示の実施の形態に係る通信システム1は、ROI領域が時間と共に移動したり、変形したりした場合であっても、そのROI領域の変化に追従することでSN比の低下を抑えた、ROI領域に対する3DNRを実行することが出来る。
【0186】
各装置に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上述した各装置の構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供されることが可能である。また、機能ブロック図で示したそれぞれの機能ブロックをハードウェアで構成することで、一連の処理をハードウェアで実現することもできる。
【0187】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0188】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0189】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
撮像画像に付与されるデータに基づいて該撮像画像における所定の領域を1以上検出する領域検出部と、
前記領域検出部が検出した前記所定の領域の画像に対してノイズ低減処理を実行する画像処理部と、
を備える、画像処理装置。
(2)
前記画像処理部は、前記領域検出部が検出した領域が前記ノイズ低減処理を実行した領域と一致している場合に該ノイズ低減処理を実行する、前記(1)に記載の画像処理装置。
(3)
前記画像処理部は、領域が一致しているかどうかを、前記データを参照して判断する、前記(2)に記載の画像処理装置。
(4)
前記領域検出部が検出した前記所定の領域の画像を前記撮像画像から抽出する領域抽出部をさらに備え、前記画像処理部は、前記領域抽出部が抽出した前記所定の領域の画像に対してノイズ低減処理を実行する、前記(1)~(3)のいずれかに記載の画像処理装置。
(5)
前記画像処理部は、前記領域の画像と、直前のフレームで前記ノイズ低減処理が施された処理画像とを用いて、前記処理画像を変形するためのパラメータを算出するパラメータ算出部を備える、前記(1)~(4)のいずれかに記載の画像処理装置。
(6)
前記画像処理部は、さらに、前記パラメータ算出部が算出した前記パラメータに基づいて前記処理画像の変形を行う変形部を備える、前記(5)に記載の画像処理装置。
(7)
前記画像処理部は、前記変形部による前記処理画像変形の前に、現フレームの前記領域に関する情報を用いて前記処理画像に対する変形処理を行うプリ変形部をさらに備える、前記(3)に記載の画像処理装置。
(8)
前記画像処理部は、前記撮像画像の全ての領域に対するノイズ低減処理をさらに実行し、前記全ての領域に対するノイズ低減処理の結果と、前記所定の領域の画像に対する3次元ノイズ低減処理の結果とを所定の比率で合成する、前記(1)~(7)のいずれかに記載の画像処理装置。
(9)
前記画像処理部は、前記所定の比率を算出する係数算出部を備える、前記(8)に記載の画像処理装置。
(10)
前記係数算出部は、前記所定の領域におけるノイズ低減処理の結果の差分に基づいて前記所定の比率を算出する、前記(7)に記載の画像処理装置。
(11)
前記画像処理部は、前記撮像画像の全ての領域に対するノイズ低減処理を実行する際に手振れを考慮した3次元ノイズ低減処理を実行する、前記(8)に記載の画像処理装置。
(12)
前記領域検出部及び前記領域抽出部と、前記画像処理部とは、同一のチップに設けられる、前記(1)~(11)のいずれかに記載の画像処理装置。
(13)
前記領域検出部及び前記領域抽出部と、前記画像処理部とは、異なるチップに設けられる、前記(1)~(11)のいずれかに記載の画像処理装置。
(14)
撮像画像における所定の領域を1以上検出することと、
検出された前記領域を前記撮像画像から抽出することと、
抽出された前記領域に対して3次元ノイズ低減処理を実行することと、
を含む、画像処理方法。
【符号の説明】
【0190】
1 通信システム
100 画像センサ
200 プロセッサ