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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】移動予測装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 17/58 20060101AFI20240617BHJP
   G01S 7/484 20060101ALI20240617BHJP
   G01S 7/4865 20200101ALI20240617BHJP
   G01S 17/86 20200101ALI20240617BHJP
   B64C 27/04 20060101ALI20240617BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20240617BHJP
   B64F 1/36 20240101ALI20240617BHJP
【FI】
G01S17/58
G01S7/484
G01S7/4865
G01S17/86
B64C27/04
B64C39/02
B64F1/36
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021012619
(22)【出願日】2021-01-29
(65)【公開番号】P2022116452
(43)【公開日】2022-08-10
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】落合 敦司
(72)【発明者】
【氏名】神谷 吉範
【審査官】藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-2155284(KR,B1)
【文献】米国特許第9739870(US,B1)
【文献】特開2018-169265(JP,A)
【文献】特開2013-178169(JP,A)
【文献】特開2019-184391(JP,A)
【文献】特開2018-179634(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00- 7/51
G01S 13/00-13/95
G01S 17/00-17/95
G01C 3/00- 3/32
B64C 27/04
B64C 39/02
B64F 1/36
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コム間隔が第1間隔である第1光コムのスペクトル成分を有する出力光を出力する第1光出力装置と、
コム間隔が前記第1間隔と異なる第2間隔である第2光コムのスペクトル成分を有する参照光を出力する第2光出力装置と、
前記出力光と、複数の回転翼を有する飛行体の第1回転翼により前記出力光が反射された反射光と、前記参照光とを合成した第1合成光を受光して、前記第1合成光に基づき前記第1回転翼までの第1距離を測定する受光装置と、
測定された前記第1距離の変化に基づき前記第1回転翼の回転速度を表す第1回転量を算出し、算出した前記第1回転量の変化に基づき前記飛行体の移動を予測する演算装置と、
を備える移動予測装置。
【請求項2】
前記演算装置は、前記第1距離が変化する周期に基づき、前記第1回転量を算出する
請求項1に記載の移動予測装置。
【請求項3】
前記演算装置は、前記第1距離の平均値から変化する距離が閾値を超えた回数が、所定の回数に達するまでに要する時間に基づき、前記第1回転量を算出する
請求項1または2に記載の移動予測装置。
【請求項4】
前記閾値は、前記第1距離の前記平均値と、前記平均値から最も離れた距離との差に基づき決定される
請求項3に記載の移動予測装置。
【請求項5】
前記演算装置は、前記第1距離の変化に基づき、前記第1回転翼の回転方向を判定する
請求項1から4のいずれか1項に記載の移動予測装置。
【請求項6】
前記演算装置は、前記出力光が照射される前記第1回転翼の位置と、前記第1距離の変化とに基づき、前記第1回転翼の回転方向を判定する
請求項1から5のいずれか1項に記載の移動予測装置。
【請求項7】
前記演算装置は、前記出力光が照射される位置が前記第1回転翼の左右のいずれにあるか、および、周期的に測定される前記第1距離の増加と減少とでいずれが相対的に急激に変化するかに基づき、前記第1回転翼の回転方向を判定する
請求項1から6のいずれか1項に記載の移動予測装置。
【請求項8】
前記受光装置は、前記出力光と、前記飛行体の第2回転翼により前記出力光が反射された反射光と、前記参照光とを合成した第2合成光を受光して、前記第2合成光に基づき前記第2回転翼までの第2距離を測定し、
前記演算装置は、
測定された前記第2距離の変化に基づき前記第2回転翼の回転速度を表す第2回転量を算出し、
前記第2回転量の変化に基づき、前記第2回転翼の回転方向を判定し、
前記第1回転翼の回転方向と、前記第1回転量の変化と、前記第2回転翼の回転方向と、前記第2回転量の変化とに基づき、前記飛行体の移動を予測する
請求項7に記載の移動予測装置。
【請求項9】
前記飛行体を撮像する撮像装置をさらに備え、
前記演算装置は、
撮像された前記飛行体の画像に基づき、前記飛行体の移動を判定し、
前記画像から判定された前記飛行体の移動と、前記第1回転量から予測された前記飛行体の移動とに基づき、前記第1回転量の変化と、予測される前記飛行体の移動が変化する割合との関係を更新する
請求項1から8のいずれか1項に記載の移動予測装置。
【請求項10】
レーザ光を照射するレーザ発振器をさらに備え、
前記演算装置は、予測される前記飛行体の移動に基づき、照射される前記レーザ光の照射位置を制御する
請求項1から9のいずれか1項に記載の移動予測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動予測装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、移動体、特に飛行体、例えば、小型のUAV(Unmanned Aerial Vehicle)の移動を予測する技術が研究されている。
【0003】
特許文献1には、移動体を一定周期で撮像して、撮像された画像に基づき、移動体の移動を予測する画像データ処理装置が開示されている。
【0004】
また、移動体の位置を遠隔から測定する方法として、特許文献2、非特許文献1には、2つの光コムを利用する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-171369号公報
【文献】米国特許出願公開第2011/0285980号明細書
【非特許文献】
【0006】
【文献】Zebin Zhu、外1名、”Dual-Comb Ranging”、(online)、2018年10月、Elsevier、[令和2年10月21日検索]、インターネット(URL: https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2095809918303783)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の状況に鑑み、飛行体の移動を高精度に予測できる移動予測装置を提供することを目的の1つとする。他の目的については、以下の記載及び実施の形態の説明から理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0009】
上記目的を達成するための一実施の形態による移動予測装置(100)は、第1光出力装置(220)と、第2光出力装置(230)と、受光装置(270)と、演算装置(114)とを備える。第1光出力装置(220)は、コム間隔(f)が第1間隔である第1光コムのスペクトル成分を有する出力光(310)を出力する。第2光出力装置(230)は、コム間隔(f)が第1間隔と異なる第2間隔である第2光コムのスペクトル成分を有する参照光(340)を出力する。受光装置(270)は、出力光と、複数の回転翼(11)を有する飛行体(10)の第1回転翼により出力光が反射された反射光(320)と、参照光とを合成した第1合成光を受光して、第1合成光に基づき第1回転翼までの第1距離を測定する。演算装置(114)は、測定された第1距離の変化に基づき第1回転翼の回転速度を表す第1回転量を算出し、算出した第1回転量の変化に基づき飛行体の移動を予測する。
【発明の効果】
【0010】
上記の形態によれば、移動予測装置は、飛行体の移動を精度よく予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施の形態における移動予測装置の構成図である。
図2A】一実施の形態において、第1光出力装置が出力する出力光を説明するための図である。
図2B】一実施の形態において、第1光出力装置が出力する出力光を説明するための図である。
図3】一実施の形態において、受光装置が受光する合成光を説明するための図である。
図4】一実施の形態における制御装置の構成図である。
図5】一実施の形態における移動予測プログラムの構成図である。
図6】一実施の形態における移動予測装置の動作を表すフローチャートである。
図7A】一実施の形態において、測定される測距装置から回転翼までの距離と、回転翼の回転量との関係を説明するための図である。
図7B】一実施の形態において、測定される測距装置から回転翼までの距離と、回転翼の回転量との関係を説明するための図である。
図7C】一実施の形態において、測定される測距装置から回転翼までの距離と、回転翼の回転量との関係を説明するための図である。
図7D】一実施の形態において、測定される測距装置から回転翼までの距離と、回転翼の回転量との関係を説明するための図である。
図7E】一実施の形態において、測定される測距装置から回転翼までの距離と、回転翼の回転量との関係を説明するための図である。
図8】一実施の形態において、測定される測距装置から回転翼までの距離と、回転翼の回転量との関係を説明するための図である。
図9】一実施の形態における移動予測装置の構成図である。
図10】一実施の形態における移動予測装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態1)
図1に示すように、一実施の形態における移動予測装置100は、飛行体10に出力光310を出力し、その反射光320を受光することで、飛行体10の移動、例えば上昇、下降、旋回、加速、減速、姿勢の変更などを予測する。飛行体10は、複数の回転翼11を有し、例えば回転翼11の回転数を変化させることで、移動を制御する。例えば、飛行体10は、小型のUAV(Unmanned Aerial Vehicle)、マルチコプターである。移動予測装置100は、飛行体10の回転翼11に設けられた翼までの距離を測定して、距離の変化を取得する。移動予測装置100から翼までの距離は、回転翼11の回転速度に応じて、周期的に変化する。移動予測装置100は、この距離の変化に基づき、回転翼11の回転速度を表す回転量を算出し、回転翼11の回転速度の変化を算出する。飛行体10が回転翼11の回転速度を変化させることで移動するため、移動予測装置100は、回転翼11の回転速度の変化に基づき、飛行体10の移動を予測する。
【0013】
(移動予測装置の構成)
移動予測装置100は、観測装置20と通信可能に接続されている。観測装置20は、周囲の飛行体10を検知し、検知した飛行体10の情報、例えば位置情報を移動予測装置100に送信する。観測装置20は、例えば、レーダ装置、撮像装置などを含む。
【0014】
移動予測装置100は、観測装置20から検知された飛行体10の情報に基づき、飛行体10に出力光310を出力する。移動予測装置100は、制御装置110と、1以上の測距装置200とを備える。測距装置200は、出力光310を出力し、飛行体10の回転翼11からの反射光320を受光して、移動予測装置100から回転翼11までの距離を測定する。制御装置110は、移動予測装置100から回転翼11までの距離に基づき、飛行体10の移動を予測する。また、制御装置110は、予測した飛行体10の移動に基づき、測距装置200を制御する。
【0015】
測距装置200は、光発振器210と、第1光出力装置220と、第2光出力装置230と、受光装置270と、複数の光学系装置、例えば第1ビームスプリッタ240と、鏡250と、第2ビームスプリッタ260とを備える。光発振器210は、種光300を出力して、第1光出力装置220と第2光出力装置230とに種光300を照射するように構成されている。
【0016】
第1光出力装置220は、種光300を受光して、出力光310を出力するように構成されている。出力光310は、光コムまたは光周波数コムと呼ばれ、図2Aに示すように、周波数領域において所定の周波数間隔f(以下、この周波数間隔をコム間隔と呼ぶ。)で並べられた複数の周波数を有し、櫛(comb)形状のスペクトル成分を有する。出力光310の有する周波数fは、f=Nf+fで表し得る。また、図2Aに示すようなスペクトル成分を有する出力光310は、図2Bに示す曲線900のように、時間の経過に応じて、連続的に光強度が変化する。時間に応じて変化する光強度の極大値を示す位置又は極小値を示す位置を結ぶ曲線910は、周期Tのパルス波に類似する。周期Trは、コム間隔fを用いた数式T=1/fにより算出される。
【0017】
第2光出力装置230は、種光300を受光して、参照光340を出力するように構成されている。参照光340は、出力光310と同様に、光コムと呼ばれ、櫛形状のスペクトル成分を有する。ここで、参照光340のコム間隔fは、出力光310のコム間隔fと異なる。このため、参照光340の周期Tも、出力光310の周期Tと異なる。例えば、参照光340のコム間隔fは、出力光310のコム間隔fに近似し、参照光340と出力光310とを合成すると光ビートを生じさせるように設定される。
【0018】
第1ビームスプリッタ240は、出力光310を2つに分割し、一方を透過させ、他方を反射するように構成されている。第1ビームスプリッタ240を透過した出力光310は、飛行体10に照射される。飛行体10に照射された出力光310は、反射光320として、飛行体10に向けて反射される。飛行体10に反射された反射光320は、第1ビームスプリッタ240に入射する。第1ビームスプリッタ240は、入射された反射光320を第2ビームスプリッタ260に向けて反射するように構成されている。第2ビームスプリッタ260は、第1ビームスプリッタ240に反射された反射光320を受光装置270に向けて反射するように構成されている。
【0019】
また、第1ビームスプリッタ240は、出力光310の一部を基準光330として鏡250に向けて反射するように構成されている。第1ビームスプリッタ240に反射された基準光330は、鏡250に向けて反射され、第2ビームスプリッタ260に入射する。第2ビームスプリッタ260は、入射された基準光330を受光装置270に向けて反射する。
【0020】
第2ビームスプリッタ260は、参照光340を透過する。透過した参照光340は、受光装置270に入射する。
【0021】
このように、第1ビームスプリッタ240と、第2ビームスプリッタ260とは、第1光出力装置220が出力する出力光310を飛行体10に照射して、飛行体10から反射された反射光320を受光装置270に照射するように構成されている。また、第1ビームスプリッタ240と、鏡250と、第2ビームスプリッタ260とは、第1光出力装置220が出力する出力光310を基準光330として受光装置270に照射するように構成されている。さらに、第2ビームスプリッタ260は、第2光出力装置230が出力する参照光340を受光装置270に照射するように構成されている。
【0022】
受光装置270は、飛行体10からの反射光320と、第1光出力装置220から出力される基準光330と、第2光出力装置230から出力される参照光340とを合成した合成光を受光する。受光装置270は、受光した合成光に基づき、測距装置200から飛行体10までの距離を測定する。
【0023】
より具体的には、受光装置270は、飛行体10の回転翼11までの距離を測定する。ここで、時間の経過に対する光強度の変化を参照すると、図3に示すように、基準光330は周期Tr1のパルス光に類似し、参照光340は周期Tr2のパルス光に類似する。また、参照光340の周期Tr2は、参照光340と基準光330とを合成すると光ビートを生じさせるように、基準光330の周期Tr1に近似する。
【0024】
このため、反射光320と、基準光330と、参照光340とを合成した合成光の光強度は、相対的に高い状態と、相対的に低い状態とを繰り返す。例えば、図3の第1状態800において、参照光340と基準光330とが合成された合成光の光強度は相対的に高くなる。しかし、参照光340の周期Tr2が基準光330の周期Tr1と異なるため、時間が経過すると、参照光340の波形は基準光330の波形とずれていき、合成光の光強度は相対的に低くなる。さらに時間が経過すると、第2状態810において、参照光340の波形と反射光320の波形とが重なり、合成光の光強度は相対的に高くなる。さらに、時間が経過すると、参照光340の波形は反射光320の波形とずれていき、合成光の光強度は相対的に低くなる。さらに時間が経過すると、第3状態820のように、参照光340の波形と基準光330の波形とが重なり、合成光の光強度は相対的に高くなる。
【0025】
受光装置270は、反射光320の波形と参照光340の波形とが重なる時刻から、基準光330の波形と参照光340の波形とが重なる時刻までの時間に基づき、測距装置200から飛行体10までの距離を測定する。例えば、受光装置270は、反射光320と基準光330と参照光340とを合成した合成光の光強度が相対的に高くなる図3に示す第1状態800の時刻から、次に光強度が相対的に高くなる第2常置810の時刻までの時間を算出する。受光装置270は、算出された時間に基づき距離を測定する。算出された時間は、反射光320と基準光330との時間差を拡大した時間を表す。このため、受光装置270は、出力光310が出力された時刻から反射光320を受光する時刻までの時間に基づき距離を測定するよりも、高い精度で距離を測定することができる。
【0026】
制御装置110は、図4に示すように、入出力装置111と、通信装置112と、記憶装置113と、演算装置114とを備える。例えば、制御装置110は、コンピュータである。入出力装置111には、演算装置114が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置111は、演算装置114が処理を実行した結果を出力する。入出力装置111は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。入出力装置111は省略されてもよい。
【0027】
通信装置112は、他の装置、例えば観測装置20、測距装置200などとの通信を行う。通信装置112は、観測装置20と、測距装置200とから受け取る情報を演算装置114に転送する。また、演算装置114が生成した制御信号を測距装置200に転送する。通信装置112は、例えば、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0028】
記憶装置113は、飛行体10の移動を予測するための様々なデータ、例えば、移動予測プログラム400を格納する。記憶装置113は、移動予測プログラム400を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。移動予測プログラム400は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体1に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0029】
演算装置114は、飛行体10の移動を予測するための様々なデータ処理を行う。演算装置114は、移動予測プログラム400を記憶装置113から読み出し実行して、測距装置200を制御するための制御信号を生成する。例えば、演算装置114は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)などを含む。
【0030】
演算装置114は、移動予測プログラム400を実行することで、図5に示すように、回転翼検出部410と、回転測定部420と、移動予測部430とを実現する。回転翼検出部410は、飛行体10の回転翼11が存在する位置を検出する。回転測定部420は、検出した回転翼11の位置に出力光310を出力し、飛行体10の回転翼11の回転速度を表す回転量を測定する。移動予測部430は、測定された回転量に基づき、飛行体10の移動を予測する。
【0031】
(移動予測装置の動作)
飛行体10が移動予測装置100に近づくと、観測装置20は、飛行体10を検知する。観測装置20は、検知した飛行体10の位置情報を移動予測装置100の演算装置114に送信する。演算装置114は、飛行体10の位置情報を受信すると、移動予測プログラム400を実行することで、図6に示す移動予測方法の処理を実行する。
【0032】
演算装置114により実現される回転翼検出部410は、ステップS110において、飛行体10の回転翼11の位置を検索する。具体的には、回転翼検出部410は、種光300を出力するための制御信号を光発振器210に送信する。光発振器210は、回転翼検出部410からの制御信号に基づき、種光300を出力する。また、回転翼検出部410は、出力光310を出力するための第1光出力信号と、参照光340を出力するための第2光出力信号とを生成する。第1光出力装置220は、第1光出力信号に基づき、出力光310を出力する。また、第2光出力装置230は、第2光出力信号に基づき、参照光340を出力する。
【0033】
回転翼検出部410は、飛行体10の位置情報に基づき、飛行体10が存在する位置を検索するように、出力光310を出力して、飛行体10の回転翼11の位置を検索する。具体的には、回転翼検出部410は、測距装置200を用いて、出力光310を出力する方向にある物体、例えば飛行体10の所定の位置までの距離を測定する。回転翼検出部410は、受光装置270が測定する距離が高速で連続的に、かつ、周期的に変化する位置を回転翼11の位置として検出する。
【0034】
測距装置200から飛行体10の回転翼11までの距離は、時間の経過に応じて、高速で連続的に、かつ、周期的に変化する。例えば、図7Aに示すように、測距装置200は、出力光310が照射される回転翼11の第1翼12-1までの距離を測定する。回転翼11は、例えば、反時計回りの矢印15に示す方向に回転する。回転翼11が回転すると、図7Bに示すように、出力光310は、出力光310の照射線上から第1翼12-1が外れて、第2翼12-2に照射される。このため、図7Bの状態において、測距装置200が測定する距離は、図7Aの状態よりも長くなる。さらに回転翼11が回転すると、図7Cに示すように、第2翼12-2は測距装置200に近づく。これにより、測距装置200が測定する距離は短くなる。さらに回転翼11が回転すると、図7Dに示すように、第2翼12-2が測距装置200に近づき、測距装置200が測定する距離は短くなる。図7Eに示すように、回転翼11が所定の位置まで回転すると、出力光310は第2翼12-2の先端に照射される。回転翼11がさらに回転すると、第2翼12-2は出力光310の照射線上から外れる。このため、出力光310は、第3翼12-3に照射される。このように、出力光310が回転翼11に照射されると、測距装置200が測定する距離は周期的に変化する。
【0035】
ステップS120において、回転翼検出部410は、所定の数以上の回転翼11を検出したかを判定する。例えば、回転翼検出部410は、3つ以上の回転翼11を検出したかを判定する。回転翼検出部410が所定の数、例えば3つ以上の回転翼11を検出したとき、飛行体10の移動を予測するために、ステップS130の処理が実行される。回転翼検出部410が所定の数以上の回転翼11を検出しないとき、飛行体10が回転翼11により上昇、下降、旋回などの細かな移動を制御していないとして、ステップS170の処理が実行される。
【0036】
ステップS130において、回転測定部420は、出力光310を照射する照射位置を決定する。具体的には、回転測定部420は、検出された複数の回転翼11の領域の各領域内の所定の位置を照射位置として決定する。例えば、検出された回転翼11の領域のうち、中心から所定の距離だけ離れた位置が照射位置として決定される。所定の距離は、例えば、回転翼11の領域における最長となる幅の長さを基準に決定されてもよい。例えば、所定の距離は、回転翼11の領域における最長となる幅の長さの3割であってもよい。なお、回転翼11の領域の幅の長さは、例えば領域の2つの端を結ぶ線分の長さを表す。
【0037】
ステップS140において、回転測定部420は、決定された各照射位置に出力光310を照射して、測定される距離の変化に基づき、各回転翼11の回転速度を表す回転量の測定を開始する。回転翼11の領域において、測距装置200が測定する距離は、図8の曲線315ように、所定の範囲で周期的に変化する。図8に示す第1状態は、図7Aの状態を表し、第1翼12-1が出力光310の照射線上から外れる直前の状態を表す。出力光310が第1翼12-1に照射されているときに、測定される距離は下限値を示し、出力光310が第1翼12-1から外れた瞬間、測定される距離は急激に増加する。図8に示す第2状態は、図7Bの状態を表し、出力光310が照射される第2翼12-2が測距装置200に近づくため、測定される距離は短くなる。図8に示す第3状態は図7Cの状態を表し、図8に示す第4状態は図7Dの状態を表す。図8に示す第5状態は、図7Eの状態を表し、出力光310が第2翼12-2に照射されているときに、測定される距離は下限値を示す。出力光310が第1翼12-1から外れた瞬間、測定される距離は急激に増加する。このように、出力光310が照射される翼が、第1翼12-1、第2翼12-2、第3翼12-3、第4翼12-4と順番に変化する。この変化に応じて、測定される距離は周期的に変化する。
【0038】
回転測定部420は、測定される距離の変化に基づき、回転量を測定する。例えば、回転翼11が4つの翼を有しているとき、回転翼11が1回転する間に出力光310が第1翼12-1から第4翼12-4の各々に照射されるため、測定される距離は、4回、周期的に変化する。回転翼11の回転速度が速くなると、測定される距離の変化が4回繰り返される間の時間が短くなる。このように、回転測定部420は、測定される距離の変化が所定の回数だけ繰り返されるのに要する時間に基づき、回転量を測定する。なお、測定される距離の変化が繰り返される回数は、回転翼11の有する翼の数に依存しない。例えば、回転翼11が5つの翼をもっていたとしても、測定される距離の変化が4回繰り返されるのに要する時間に基づき、回転量を測定してもよい。
【0039】
例えば、回転測定部420は、測定される距離が閾値より小さくなる回数が所定の回数に達するために要する時間に基づき、回転量を測定する。この閾値は、図8に示すように、測定された距離の下限値と平均値との差に基づき決定される。例えば、閾値は、測定された距離の下限値と平均値との差の80%だけ、平均値から減算した値である。回転測定部420は、測定される距離が閾値より小さくなる回数を数え、数えた回数が所定の値、例えば4になるまでの時間を計測する。回転測定部420は、計測した時間の逆数を回転量として算出する。なお、推定された距離の平均値は、所定の期間において測定された距離の平均値を表し、下限値は、所定の期間において測定された最も短い距離を表す。
【0040】
また、回転測定部420は、測定される距離の変化に基づき、回転翼11の回転方向を判定する。具体的には、回転測定部420は、回転翼11の領域における出力光310の照射位置と、測定される距離の変化とに基づき、回転翼11の回転方向を判定する。図7Aに示すように、照射位置が回転翼11の領域において左側にあり、かつ、上方から見て回転翼11が反時計周りに回転しているとき、図8に示すように、測定される距離は、急激に増加する第1状態と、次第に減少する第2状態から第4状態までとを繰り返す。一方、回転翼11が時計回りに回転しているとき、測定される距離は、急激に減少する状態と、次第に増加する状態とを繰り返す。また、照射位置が回転翼11の領域において右側にあり、かつ、上方から見て回転翼11が反時計周りに回転しているとき、測定される距離は、急激に減少する状態と、次第に増加する状態とを繰り返す。回転翼11が時計周りに回転しているとき、測定される距離は、急激に増加する状態と、次第に減少する状態とを繰り返す。このように、回転測定部420は、回転翼11の領域において出力光310の照射位置が左右のいずれにあるか、および、周期的に測定される距離の増加と減少とでいずれが相対的に急激に変化するかを判定することで、回転翼11の回転方向を判定する。
【0041】
ステップS150において、移動予測部430は、測定された各回転翼11の回転量に基づき、飛行体10の移動を予測する。移動予測部430は、回転量の変化に基づき、対応する回転翼11の位置において、回転量の変化に応じた力が働いていると判定する。例えば、回転量が増加しているとき、移動予測部430は、対応する回転翼11の位置において、上方に向かう力が増加していると判定する。また、回転量が減少しているとき、移動予測部430は、対応する回転翼11の位置において、下方に向かう力が増加していると判定する。
【0042】
移動予測部430は、各回転翼11が配置された位置において、発生する力を判定し、飛行体10の移動を予測する。例えば、複数の回転翼11のうち、相対的に右方向にある回転翼11の回転量が、相対的に左方向にある回転翼11の回転量より増加しているとき、移動予測部430は、飛行体10が左方向に移動すると予測する。また、すべての回転翼11の回転量が増加しているとき、移動予測部430は、飛行体10が上昇すると予測する。さらに、上方から見て反時計回りに回転している回転翼11の回転数が、時計周りに回転している回転翼11の回転数より増加しているとき、移動予測部430は、飛行体10が反時計周りに旋回すると予測する。上方から見て時計回りに回転している回転翼11の回転数が、反時計周りに回転している回転翼11の回転数より増加しているとき、移動予測部430は、飛行体10が時計周りに旋回すると予測する。
【0043】
移動予測部430は、測距装置200が測定した回転翼11の位置に基づき、飛行体10の姿勢を判定してもよい。移動予測部430は、測距装置200から出力光310を照射した方向で、かつ、測定した距離だけ離れた位置を、各回転翼11の位置として判定する。移動予測部430は、各回転翼11の位置に基づき、飛行体10の姿勢、例えば傾きを判定する。例えば、複数の回転翼11のうち、相対的に右方向にある回転翼11の位置が、相対的に左方向にある回転翼11の位置より下方にあるとき、移動予測部430は、飛行体10が左側より右側が下方になるように傾いていると判定する。移動予測部430は、判定した飛行体10の姿勢と、各回転翼11の回転量とに基づき、飛行体10の移動を予測してもよい。
【0044】
ステップS160において、移動予測部430は、飛行体10を検知しているかを判定する。移動予測部430が飛行体10を検知しているとき、ステップS150の処理が実行されて、処理が繰り返される。このとき、回転測定部420は、移動予測部430が予測した飛行体10の移動に応じて、出力光310を照射する位置を変更する。例えば、飛行体10が左に移動すると予測されたとき、回転測定部420は、出力光310を照射する位置を左に移動する。このように、回転測定部420は、飛行体10の移動に合わせて、出力光310を照射する位置を移動し、各回転翼11の回転量を測定し続ける。
【0045】
移動予測部430が飛行体10を検知していないとき、観測装置20で検知された飛行体10の移動を予測する処理は終了する。回転測定部420は、処理の終了に合わせて、出力光310の出力を停止する。
【0046】
ステップS120において、回転翼検出部410が所定の数以上の回転翼11を検出しないとき、演算装置114はステップS170を実行する。ステップS170において、演算装置114は、測距装置200から飛行体10までの距離を測定し続ける。測距装置200を用いて、飛行体10までの距離を測定することで、演算装置114は、飛行体10の位置を精度高く測定することができる。
【0047】
ステップS180において、演算装置114は、飛行体10を検知しているかを判定する。演算装置114が飛行体10を検知しているとき、ステップS170の処理が実行されて、処理が繰り返される。演算装置114が飛行体10を検知していないとき、観測装置20で検知された飛行体10の移動を予測する処理は終了する。処理の終了に合わせて、演算装置114は、出力光310の出力を停止する。
【0048】
以上のように、移動予測装置100は、飛行体10の回転翼11が発生する力に基づき、飛行体10の移動を予測する。これにより、移動予測装置100は、飛行体10の移動を高精度で予測する。
【0049】
(実施の形態2)
図9に示すように、移動予測装置100は、高出力のレーザ光121を飛行体10に照射するレーザ発振器120を備えてもよい。レーザ発振器120は、移動予測装置100が予測した飛行体10の移動に応じて、飛行体10の特定の位置にレーザ光121を照射して、飛行体10に対処する。
【0050】
制御装置110は、レーザ発振器120を制御する。例えば、制御装置110は、レーザ発振器120が照射するレーザ光121の照射位置、例えばレーザ光121の照射方向、焦点距離などを指定する信号を生成する。レーザ発振器120は、生成された信号に基づき、レーザ光121を照射する。その他の移動予測装置100の構成、動作は、実施の形態1と同様のため、説明を省略する。
【0051】
(実施の形態3)
図10に示すように、移動予測装置100は、飛行体10を撮像する撮像装置130を備えてもよい。移動予測部430は、測距装置200により測定された回転翼11の回転量に基づき、飛行体10の移動を予測する。また、移動予測部430は、撮像装置130が撮像した飛行体10の画像に基づき、飛行体10の移動、例えば移動経路、姿勢変化などを判定する。画像から判定した飛行体10の移動と、回転翼11の回転量から予測した飛行体10の移動との差とに基づき、移動予測部430は、各回転翼11の回転量の変化と予測される飛行体10の移動が変化する割合、例えば速度、加速度、角速度などが変化する割合との関係を更新する。
【0052】
具体的には、移動予測部430は、飛行体10の移動を予測する前後において、飛行体10を撮像した画像を取得して、取得した画像において、飛行体10が移動した距離を算出する。移動予測部430は、算出した飛行体10の移動距離と、予測した飛行体10の移動距離との差に基づき、回転翼11の回転量の変化と予測される飛行体10の移動が変化する割合との関係を更新する。
【0053】
例えば、飛行体10が上昇移動したとする。このとき、移動予測部430は、飛行体10が上昇移動した距離を、飛行体10の移動を予測する前後に撮像された画像から算出する。移動予測部430は、撮像された画像から算出された飛行体10が上昇移動した距離と、回転翼11の回転量から予測した飛行体10が上昇移動する距離とを比較する。撮像された画像から算出された距離が回転翼11の回転量から予測した距離より小さいとき、移動予測部430は、回転翼11の回転量から予測される飛行体10が上昇移動する距離が小さくなるように更新する。
【0054】
これにより、移動予測部430は、検知した飛行体10に合わせて、移動を予測する精度を向上することができる。その他の移動予測装置100の構成、動作は、実施の形態1と同様のため、説明を省略する。
【0055】
(変形例)
各実施の形態において、回転測定部420は、検出された各回転翼11の回転量を測定する例を示したが、これに限定されず、検出された回転翼11のうち2つ以上の回転翼11の回転量を測定してもよい。移動予測部430は、測定した回転翼11の位置と、回転量とに基づき、飛行体10の移動を予測する。
【0056】
回転測定部420は、測距装置200から回転翼11までの距離の変化に基づき、回転翼11の回転量を測定できれば、任意の方法を選択することができる。例えば、回転測定部420は、測定される距離の平均値から変化する距離が閾値を超えた回数が、所定の回数に達するまでに要する時間に基づき、算出してもよい。閾値は、測定された距離の平均値を表す距離と、平均値から最も離れた距離との差に基づき決定されてもよい。また、回転測定部420は、測定される距離の周期を任意の方法で算出し、算出された周期から回転量を算出してもよい。
【0057】
撮像装置130は、飛行体10の映像を撮像してもよい。この場合、移動予測部430は、撮像された映像の各フレームを画像として抽出し、抽出した画像に基づき、飛行体10の移動を判定する。
【0058】
以上において説明した実施の形態および変形例は一例であり、機能を阻害しない範囲で変更してもよい。また、各実施の形態および変形例で説明した構成は、機能を阻害しない範囲で、任意に変更してもよく、または/および、任意に組み合わせてもよい。
【0059】
例えば、移動予測装置100は、レーザ発振器120と、撮像装置130とを備えてもよい。また、受光装置270が基準光330と反射光320と参照光340とを受光できれば、第1ビームスプリッタ240、鏡250などの光学系は任意の構成を選択してもよい。また、1つの受光装置270が複数の合成光を受光して、各々の合成光に基づき距離を測定できれば、複数の測距装置200に共通する1つの受光装置270を有してもよい。移動予測装置100は、複数の測距装置200に共通する1つの第1光出力装置220を備え、1つの第1光出力装置220が出力する出力光310を分割して、分割した出力光310を飛行体10の各回転翼11に照射してもよい。複数の測距装置200に共通する1つの第2光出力装置230が設けられてもよい。
【0060】
各実施の形態に記載の移動予測装置は、例えば以下のように把握される。
【0061】
第1の態様に係る移動予測装置は、第1光出力装置(220)と、第2光出力装置(230)と、受光装置(270)と、演算装置(114)とを備える。第1光出力装置(220)は、飛行体(10)の第1回転翼(11)に光コムのスペトル成分を有する出力光(310)を照射する。受光装置(270)は、飛行体の第1回転翼からの反射光(320)を利用して、第1回転翼までの第1距離を測定する。演算装置(114)は、受光装置が測定して第1距離の変化に基づき、第1回転翼の回転速度を表す第1回転量を算出し、算出した第1回転量の変化に基づき、飛行体の移動を予測する。
【0062】
移動予測装置は、回転翼の回転量を用いることで、飛行体の移動を高い精度で予測することができる。
【0063】
第2の態様に係る移動予測装置は、第1の態様に係る移動予測装置であって、演算装置(114)が、測定された第1距離が変化する周期に基づき、第1回転量を算出するように、構成されている。
【0064】
これにより、移動予測装置は、回転翼の回転数に対応する第1回転量を算出することで、回転翼の実際の回転数を取得することなく、飛行体の移動を予測することができる。
【0065】
第3の態様に係る移動予測装置は、第1の態様に係る移動予測装置であって、測定された第1距離の平均値から変化する距離が閾値を超えた回数が、所定の回数に達するまでに要する時間に基づき、演算装置(114)が第1回転量を算出するように構成されている。
【0066】
第4の態様に係る移動予測装置は、第3の態様に係る移動予測装置であって、閾値が第1距離の平均値と、平均値から最も離れた距離との差に基づき決定されるように構成されている。
【0067】
これにより、移動予測装置は、回転翼の回転量を容易に算出することができる。
【0068】
第5の態様に係る移動予測装置は、第1の態様に係る移動予測装置であって、演算装置(114)が、第1距離の変化に基づき、第1回転翼の回転方向を判定するように構成されている。
【0069】
第6の態様に係る移動予測装置は、第1の態様に係る移動予測装置であって、演算装置(114)が、出力光(310)が照射される第1回転翼の位置と、第1距離の変化とに基づき、第1回転翼の回転方向を判定するように構成されている。
【0070】
第7の態様に係る移動予測装置は、第1の態様に係る移動予測装置であって、演算装置(114)が、出力光が照射される位置が第1回転翼の左右のいずれにあるか、および、周期的に測定される第1距離の増加と減少とでいずれが相対的に急激に変化するかに基づき、第1回転翼の回転方向を判定するように構成されている。
【0071】
これにより、移動予測装置は、回転翼の回転方向を判定することができる。
【0072】
第8の態様に係る移動予測装置は、第7の態様に係る移動予測装置であって、演算装置(114)が飛行体の第2回転翼の回転方向と、回転量の変化とを算出し、飛行体の移動を予測するように構成されている。
【0073】
これにより、移動予測装置は、回転翼の回転方向を用いることで、より高い精度で飛行体の移動を予測することができる。
【0074】
第9の態様に係る移動予測装置は、第1の態様に係る移動予測装置であって、飛行体を撮像する撮像装置(130)を備える。さらに演算装置(114)は、撮像される飛行体の移動を判定し、回転量の変化と、回転量から予測される飛行体の移動が変化する割合との関係を更新する。
【0075】
第10の態様に係る移動予測装置は、第1の態様に係る移動予測装置であって、レーザ発振器(120)をさらに備えるように構成されている。
【0076】
これにより、移動予測装置は、接近する飛行体に対処することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 :記憶媒体
10 :飛行体
11 :回転翼
12-1 :第1翼
12-2 :第2翼
12-3 :第2翼
12-4 :第2翼
20 :観測装置
100 :移動予測装置
110 :制御装置
111 :入出力装置
112 :通信装置
113 :記憶装置
114 :演算装置
120 :レーザ発振器
121 :レーザ光
130 :撮像装置
200 :測距装置
210 :光発振器
220 :第1光出力装置
230 :第2光出力装置
240 :第1ビームスプリッタ
250 :鏡
260 :第2ビームスプリッタ
270 :受光装置
300 :種光
310 :出力光
315 :曲線
320 :反射光
330 :基準光
340 :参照光
400 :移動予測プログラム
410 :回転翼検出部
420 :回転測定部
430 :移動予測部
800 :第1状態
810 :第2状態
820 :第3状態
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8
図9
図10