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特許7504827バッテリモジュール、車両用バッテリパック、及び電動車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】バッテリモジュール、車両用バッテリパック、及び電動車両
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/262 20210101AFI20240617BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20240617BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20240617BHJP
   H01M 50/264 20210101ALI20240617BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20240617BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20240617BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20240617BHJP
【FI】
H01M50/262 S
H01M50/209
H01M50/249
H01M50/264
H01M50/291
H01M50/293
B60K1/04 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021055308
(22)【出願日】2021-03-29
(65)【公開番号】P2022152512
(43)【公開日】2022-10-12
【審査請求日】2023-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】521537852
【氏名又は名称】ダイムラー トラック エージー
(74)【代理人】
【識別番号】100176946
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 智恵
(74)【代理人】
【識別番号】110003649
【氏名又は名称】弁理士法人真田特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【弁理士】
【氏名又は名称】真田 有
(72)【発明者】
【氏名】オバホッファ サイモン
(72)【発明者】
【氏名】ウー ジーチェン
(72)【発明者】
【氏名】リン シンショウン
(72)【発明者】
【氏名】リー シャオジー
【審査官】小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-197047(JP,A)
【文献】特開2018-156825(JP,A)
【文献】特開2019-117732(JP,A)
【文献】特開2013-222554(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0363321(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0411822(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
B60K 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリセルが所定の積層方向に積層されたセル積層体と、
前記セル積層体の前記積層方向の両端面に配置された一対のエンドプレートと、
前記セル積層体の前記積層方向の中間部に配置され、前記バッテリセルに対向する一対の主面と前記主面の外縁どうしを繋ぐ複数の側面と複数の前記側面の少なくとも一つにおいて前記積層方向と交差する交差方向に延びる凹部とを有する中間プレートと、
無端ベルト状に形成され、前記エンドプレートよりも前記積層方向の外側に配置される第一外帯部と前記凹部に配置される内帯部とを有し、前記エンドプレートと前記中間プレートとの間に積層された複数の前記バッテリセルを前記積層方向の両側から挟持する第一ベルトと、を含
ことを特徴とする、バッテリモジュール
【請求項2】
前記中間プレートの前記積層方向の両側にそれぞれ設けられた一対の前記第一ベルトと、
無端ベルト状に形成され、一対の前記エンドプレートよりも前記積層方向の外側にそれぞれ配置される一対の第二外帯部を有し、前記セル積層体を前記積層方向の両側から挟持する第二ベルトと、を含む
ことを特徴とする、請求項に記載のバッテリモジュール。
【請求項3】
前記中間プレートは、アルミの押出成形品であって、前記交差方向に延在する中空部を有する
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のバッテリモジュール。
【請求項4】
請求項1~のいずれか一項に記載のバッテリモジュールと、
前記バッテリモジュールが載置される底プレートと前記底プレートの外縁から立設されて前記バッテリモジュールを囲む筒状をなす枠体とを有し、前記バッテリモジュールを収容するハウジングと、
前記底プレート及び前記枠体の少なくとも一方に固定されるとともに前記中間プレートの前記凹部に収容される第一補強プレートと、を含む
ことを特徴とする、車両用バッテリパック。
【請求項5】
前記中間プレートと前記第一補強プレートとを互いに締結する締結構造を含む
ことを特徴とする、請求項に記載の車両用バッテリパック。
【請求項6】
前記積層方向が互いに平行となる姿勢で並列配置された複数の前記バッテリモジュールと、
隣接する前記バッテリモジュールどうしの間で前記積層方向に沿って延設され、前記底プレート上に配置された第二補強プレートと、を含み、
前記第一補強プレートは、前記交差方向に沿って延設され、前記底プレート上に配置されて前記第二補強プレートと交差する
ことを特徴とする、請求項又はに記載の車両用バッテリパック。
【請求項7】
請求項のいずれか一項に記載の車両用バッテリパックを備えた
ことを特徴とする、電動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、複数のバッテリセルが積層されたセル積層体を含むバッテリモジュール、このバッテリモジュールをハウジングに収容した車両用バッテリパック、及びこの車両用バッテリパックを備えた電動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境負荷を低減する観点から、乗用車だけでなくトラック等の商用車の分野においても、電動モータにより走行する電動車両(電気自動車、ハイブリッド自動車)の開発が行われている(特許文献1参照)。一般に、このような電動車両に搭載される駆動用のバッテリパックは、複数のバッテリセルが所定の積層方向に積層されたセル積層体を含むバッテリモジュールを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-113063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バッテリモジュールの出力を上げるために、セル積層体で積層するバッテリセルの個数(以下、「セル数」ともいう)を増加させる場合がある。しかしながら、セル積層体は、セル数が増加するほど、積層方向の寸法が長くなるため、積層方向に対する曲げ変形が生じやすくなるという課題がある。また、複数のバッテリセルには個体差が存在するため、セル数が増加するほど、個体差の累積によりセル積層体に歪みが生じやすくなるという課題もある。よって、バッテリモジュールにおいて、セル積層体の変形を抑制するために剛性を高めることが求められている。
【0005】
一方で、バッテリモジュールの剛性を高めるために補強部材を追加すれば、補強部材の分だけ体積及び重量が増加することでエネルギー密度(単位体積又は単位重量当たりのエネルギー量)の低下を招く虞がある。
本件は、上記のような課題に鑑み創案されたものであり、バッテリモジュールの剛性を高めつつ、エネルギー密度の低下を抑制することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本件は上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現できる。
(1)本適用例に係るバッテリモジュールは、複数のバッテリセルが所定の積層方向に積層されたセル積層体と、前記セル積層体の前記積層方向の両端面に配置された一対のエンドプレートと、前記セル積層体の前記積層方向の中間部に配置され、前記バッテリセルに対向する一対の主面と前記主面の外縁どうしを繋ぐ複数の側面とを有する中間プレートと、を含み、前記中間プレートは、複数の前記側面の少なくとも一つにおいて前記積層方向と交差する交差方向に延びる凹部を有することを特徴としている。
【0007】
このようなバッテリモジュールによれば、セル積層体の積層方向の両端面をエンドプレートで支持できるうえに、セル積層体の積層方向の中間部を中間プレートで支持できる。よって、バッテリモジュールの剛性を高められる。特に中間プレートによれば、セル積層体において曲げ変形が生じやすい積層方向の中間部の剛性を高められるため、セル積層体の変形を効果的に抑制できる。
また、中間プレートの側面の少なくとも一つに凹部が設けられるため、凹部を他部材の収容スペースとして利用できる。例えば、エンドプレートと中間プレートとの間に積層された複数のバッテリセルを積層方向の両側から挟持するベルト(後述の第一ベルト)の一部を凹部に配置すれば、エンドプレートと中間プレートとの間に積層されたバッテリセルを積層方向の両側からベルトで挟持できる。この場合には、バッテリモジュールの剛性を更に高められる。
【0008】
さらに、中間プレートの凹部を他部材の収容スペースとして利用することで、他部材を配置するためのスペースを別途確保する必要がなくなることから、省スペース化を実現できる。これにより、バッテリモジュールの大型化や高重量化を回避しつつ出力を高めることが可能となるため、エネルギー密度の低下を抑制できる。なお、中間プレートの凹部に収容される他部材の一例としては、バッテリモジュールを収容するハウジングを補強するための補強部材(後述の第一補強プレート)が挙げられる。
【0009】
(2)本適用例に係るバッテリモジュールは、無端ベルト状に形成され、前記エンドプレートよりも前記積層方向の外側に配置される第一外帯部と前記凹部に配置される内帯部とを有し、前記エンドプレートと前記中間プレートとの間に積層された複数の前記バッテリセルを前記積層方向の両側から挟持する第一ベルトを含んでもよい。
【0010】
このように、セル積層体で積層されるバッテリセルの全部ではなく一部を挟持する第一ベルトによれば、セル積層体の全体を挟持するベルト(後述の第二ベルト)と比べて、個々のバッテリセルを効果的に拘束できる。また、複数のバッテリセルを積層方向の両側から挟持することで、個々のバッテリセルの熱膨張による変形を吸収しやすくなるとともに振動を抑制できる。よって、バッテリモジュールの剛性を一層高められる。
さらに、第一ベルトの内帯部が中間プレートの凹部に配置されることで、第一ベルトの内帯部を配置するためのスペースを別途確保する必要がなくなるため、省スペース化を実現できる。よって、エネルギー密度の低下を更に抑制できる。
【0011】
(3)本適用例に係るバッテリモジュールは、前記中間プレートの前記積層方向の両側にそれぞれ設けられた一対の前記第一ベルトと、無端ベルト状に形成され、一対の前記エンドプレートよりも前記積層方向の外側にそれぞれ配置される一対の第二外帯部を有し、前記セル積層体を前記積層方向の両側から挟持する第二ベルトと、を含んでもよい。
【0012】
このように一対の第一ベルトが設けられれば、中間プレートの積層方向の両側において、セル積層体を一対の第一ベルトでそれぞれ拘束できる。これに加えて、上記の第二ベルトが設けられれば、セル積層体の全体を一つの第二ベルトで拘束できる。したがって、各第一ベルトで個々のバッテリセルを効果的に拘束しつつも、第二ベルトでセル積層体における積層方向の両側の相対的な位置ずれを抑制できる。したがって、バッテリモジュールの剛性を更に高められる。
【0013】
(4)本適用例に係るバッテリモジュールにおいて、前記中間プレートは、アルミの押出成形品であって、前記交差方向に延在する中空部を有してもよい。
この場合には、交差方向を押出方向として、中間プレートを押出成形により容易に製造できる。よって、中間プレートの製造容易性を高められるとともに、中空部により中間プレートの軽量化を図れる。
【0014】
(5)本適用例に係る車両用バッテリパックは、上記(1)~(4)のいずれか一つに記載のバッテリモジュールと、前記バッテリモジュールが載置される底プレートと前記底プレートの外縁から立設されて前記バッテリモジュールを囲む筒状をなす枠体とを有し、前記バッテリモジュールを収容するハウジングと、前記底プレート及び前記枠体の少なくとも一方に固定されるとともに前記中間プレートの前記凹部に収容される第一補強プレートと、を含むことを特徴としている。
【0015】
第一補強プレートが設けられることで、ハウジングの剛性を高められる。これにより、底プレートを薄肉化したり、他の補強部材(例えば後述の第二補強プレート)の大型化を回避したりできるため、車両用バッテリパックの大型化や高重量化を抑制できる。
また、第一補強プレートが中間プレートの凹部に収容されることで、第一補強プレートを配置するためのスペースをハウジング内に別途確保する必要がなくなることから、省スペース化を実現できる。したがって、ハウジングの剛性を高めつつも、車両用バッテリパックの大型化や高重量化を回避しながら出力を高めることが可能となるため、エネルギー密度の低下を抑制できる。
【0016】
(6)本適用例に係る車両用バッテリパックは、前記中間プレートと前記第一補強プレートとを互いに締結する締結構造を含んでもよい。
このような締結構造が設けられれば、第一補強プレートに対する中間プレートの変位を防止できる。このため、ハウジング内におけるバッテリモジュールの位置を安定化できるとともに、中間プレートの位置が安定化することでバッテリモジュール自体の変形を更に抑制できる。よって、車両用バッテリパックの信頼性を高められる。
また、中間プレートが第一補強プレートに締結されれば、中間プレートを底プレートに締結しなくても済むため、底プレートに締結代を設ける必要がなくなり、底プレートの薄肉化を実現できる。
【0017】
(7)本適用例に係る車両用バッテリパックは、前記積層方向が互いに平行となる姿勢で並列配置された複数の前記バッテリモジュールと、隣接する前記バッテリモジュールどうしの間で前記積層方向に沿って延設され、前記底プレート上に配置された第二補強プレートと、を含み、前記第一補強プレートは、前記交差方向に沿って延設され、前記底プレート上に配置されて前記第二補強プレートと交差してもよい。
【0018】
このようにバッテリモジュール間のデッドスペースを利用して第二補強プレートが配置されれば、ハウジングの剛性を更に高めつつも、車両用バッテリパックの大型化を回避しながら出力を高めることが可能となるため、エネルギー密度の低下を抑制できる。また、隣接するバッテリモジュールどうしの間に固定された第二補強プレートによれば、隣接するバッテリモジュールどうしの位置ずれを抑制できる。よって、車両用バッテリパックの信頼性を高められる。
【0019】
(8)本適用例に係る電動車両は、上記(5)~(7)のいずれか一つに記載の車両用バッテリパックを備えたことを特徴としている。
このような電動車両によれば、上記のとおり車両用バッテリパックにおいてハウジングの剛性が高められるとともにエネルギー密度の低下が抑制されることから、衝突時であっても車両用バッテリパックの保護性能を確保できるとともに、良好な航続距離を実現できる。
【発明の効果】
【0020】
本件によれば、バッテリモジュールの剛性を高めつつ、エネルギー密度の低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】電動車両の概略的な上面図である。
図2】バッテリモジュールの斜視図である。
図3】バッテリモジュールの分解斜視図である。
図4】中間プレートの斜視図である。
図5】バッテリパックの分解斜視図である。
図6】締結構造を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面を参照して、本件の実施形態について説明する。以下の実施形態はあくまでも例示に過ぎず、この実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。下記の実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。また、必要に応じて取捨選択でき、あるいは適宜組み合わせられる。
【0023】
[1.構成]
図1に示すように、本実施形態に係る電動車両20は、駆動用のバッテリパック(車両用バッテリパック)10を備え、バッテリパック10に蓄えられた電力で図示しない電動モータを駆動することにより走行する電気自動車又はハイブリッド自動車である。ここでは、電動車両20として、キャブ21及び荷箱22を備えたトラックを例示する。なお、図1では、キャブ21及び荷箱22を二点鎖線で示す。
【0024】
本実施形態のバッテリパック10は、外観形状が略直方体であって、上面視で略矩形状をなす。バッテリパック10は、車長方向(前後方向)D1に延在する一対のサイドレール23の下方に配置され、各サイドレール23に支持される。ただし、バッテリパック10の形状や配置や支持手法は、ここで例示するものに限定されない。また、ここでは一つのバッテリパック10が搭載された電動車両20を例示するが、電動車両20に搭載されるバッテリパック10の個数は二以上であってもよい。
【0025】
本実施形態のバッテリパック10は、複数のバッテリモジュール1と、バッテリモジュール1を収容するハウジング30とを含む。本実施形態では、車長方向D1に並ぶ四つのバッテリモジュール1が単一のハウジング30に収容されたバッテリパック10を例示する。
【0026】
各バッテリモジュール1は、互いに同様に構成される。図2及び図3に示すように、各バッテリモジュール1は、複数のバッテリセル2aが所定の積層方向Doに積層されたセル積層体2と、セル積層体2の積層方向Doの両端面に配置された一対のエンドプレート3と、セル積層体2の積層方向Doの中間部に配置された中間プレート4とを含む。また、本実施形態の各バッテリモジュール1は、複数のバッテリセル2aを束ねる第一ベルト5及び第二ベルト6を更に含む。
【0027】
本実施形態のバッテリモジュール1は、積層方向Doの寸法が、積層方向Doに直交する幅方向Dwの寸法と、積層方向Do及び幅方向Dwの双方に直交する高さ方向Dhの寸法とのいずれよりも長く、細長い直方体形状をなす。ただし、バッテリモジュール1の形状は、ここで例示する形状に限定されない。
【0028】
セル積層体2で積層される複数のバッテリセル2aは、互いに等しく構成される。本実施形態の各バッテリセル2aは、積層方向Doの寸法が幅方向Dw及び高さ方向Dhの各寸法よりも短く、薄い矩形板状をなす。セル積層体2において、複数のバッテリセル2aは直列に接続される。なお、セル積層体2の幅方向Dwの両側には、個々のバッテリセル2aを加温するための加温ホイル11が配置される。
【0029】
エンドプレート3及び中間プレート4は、セル積層体2の変形を抑制する(剛性を高める)ための補強部材である。各エンドプレート3は、バッテリセル2aと同様の薄い矩形板状をなす。一対のエンドプレート3は、セル積層体2を積層方向Doの両側から挟み込む。本実施形態の各エンドプレート3は、第一ベルト5及び第二ベンド6で締め付けられる締付代となる。
【0030】
一方、中間プレート4は、エンドプレート3よりもやや厚い矩形板の一部に窪み(後述の凹部4d)が設けられた形状をなす。中間プレート4は、セル積層体2の複数のバッテリセル2aを第一グループ2Bと第二グループ2Cとに二分し、第一グループ2B及び第二グループ2Cのそれぞれをエンドプレート3と共に積層方向Doの両側から挟み込む。
【0031】
本実施形態では、中間プレート4がセル積層体2を二等分する位置に設けられた(第一グループ2Bと第二グループ2Cとでバッテリセル2aの個数が互いに等しい)バッテリモジュール1を例示する。ただし、中間プレート4は、セル積層体2の積層方向Doの両端部を除く中間部に設けられればよく、中間プレート4で分けられる第一グループ2Bと第二グループ2Cとでバッテリセル2aの個数が互いに異なっていてもよい。
【0032】
図4に示すように、中間プレート4は、バッテリセル2aに対向する一対の主面4aと、主面4aの外縁どうしを繋ぐ複数の側面4b,4cと、側面4b,4cの少なくとも一つに設けられた凹部4dとを有する。本実施形態の中間プレート4は、矩形状の主面4aと、主面4aの外縁に対応する四辺どうしをそれぞれ繋ぐ四つの側面4b,4cと、側面4b,4cの一つにのみ設けられた凹部4dとを有する。
【0033】
一対の主面4aはいずれも、幅方向Dw及び高さ方向Dhに沿って延びる平面をなす。一方、四つの側面4bは、積層方向Do及び幅方向Dwに沿って延びる二つの横面4bと、積層方向Do及び高さ方向Dhに沿って延びる二つの縦面4cとに分けられる。
本実施形態の凹部4dは、一方(図4では下側)の横面4bにおいて幅方向Dw(積層方向Doと交差する交差方向)に延びている。凹部4dは、略直方体形状の空間をなし、各縦面4cにおいて略矩形状に開口する。
【0034】
中間プレート4の凹部4dは、他部材(例えば第一ベルト5及び後述の第一補強プレート7)を配置するための収容スペースとして機能する。また、本実施形態の中間プレート4において各主面4aと凹部4dとの間に形成される一対の脚部4fは、第一ベルト5で締め付けられる締付代となる。
【0035】
本実施形態の中間プレート4は、アルミの押出成形品であって、幅方向Dw(交差方向)に延在する中空部4eを有する。ここでは、各縦面4cにおいて略矩形状に開口する四つの中空部4eが設けられた中間プレート4を例示する。中間プレート4は、幅方向Dwを押出方向としてアルミを押出加工することにより製造される。
【0036】
図2及び図3に示すように、第一ベルト5及び第二ベルト6はいずれも、例えば金属により無端ベルト状に形成されている。第一ベルト5は、中間プレート4で分けられた第一グループ2B及び第二グループ2Cのそれぞれを一つに束ねるのに対し、第二ベルト6は、セル積層体2の全体を一つに束ねる。このように、第一ベルト5は、第二ベルト6で束ねられるバッテリセル2aよりも少ない個数のバッテリセル2aを束ねる。
【0037】
本実施形態のバッテリモジュール1は、中間プレート4の積層方向Doの両側にそれぞれ設けられた一対の第一ベルト5を含む。一方の第一ベルト5は、第一グループ2Bをなす複数のバッテリセル2aを一つに束ね、他方の第一ベルト5は、第二グループ2Cをなす複数のバッテリセル2aを一つに束ねる。
【0038】
第一ベルト5は、具体的には、エンドプレート3よりも積層方向Doの外側に配置される第一外帯部5aと、中間プレート4の凹部4dに配置される内帯部5bとを有する。本実施形態の第一外帯部5a及び内帯部5bはいずれも、幅方向Dwに延びている。第一外帯部5aはエンドプレート3に当接配置され、内帯部5bは中間プレート4の脚部4f(図4参照)に当接配置される。なお、第一ベルト5において、第一外帯部5a及び内帯部5bの両端部どうしを繋ぐ第一中間部5cはいずれも、積層方向Doに延びており、加温ホイル11の幅方向Dwの外側に配置される。
【0039】
第一ベルト5は、第一外帯部5a及び内帯部5bにより、エンドプレート3と中間プレート4の脚部4fとをそれぞれ締め付ける。これにより、第一ベルト5は、エンドプレート3と中間プレート4との間に積層された複数のバッテリセル2a(第一グループ2B及び第二グループ2Cのいずれか一方)を積層方向Doの両側から挟持する。
【0040】
本実施形態の第二ベルト6は、高さ方向Dhにおいて第一ベルト5と異なる位置に配置される。ここでは、第一ベルト5に対し、凹部4dの設けられていない他方の横面4b側(図2及び図3では上側)に配置された第二ベルト6を例示する。
第二ベルト6は、一対のエンドプレート3よりも積層方向Doの外側にそれぞれ配置される一対の第二外帯部6aを有する。本実施形態の第二外帯部6aはいずれも、幅方向Dwに延びている。一対の第二外帯部6aは、一対のエンドプレート3にそれぞれ当接配置される。なお、第二ベルト6において、一対の第二外帯部6aの両端部どうしを繋ぐ第二中間部6cはいずれも、積層方向Doに延びており、加温ホイル11の幅方向Dwの外側に配置される。
【0041】
第二ベルト6は、一対の第二外帯部6aにより、一対のエンドプレート3をそれぞれ締め付ける。これにより、第二ベルト6は、一対のエンドプレート3の間に配置されたセル積層体2(第一グループ2B及び第二グループ2Cの双方)を積層方向Doの両側から挟持する。
【0042】
図5に示すように、バッテリパック10において、複数のバッテリモジュール1は積層方向Doが互いに平行となる姿勢で並列配置される。本実施形態では、積層方向Doが車幅方向(左右方向)D2と一致し、高さ方向Dhが車高方向(上下方向)D3と一致するとともに凹部4dが下方(後述の底プレート31側)へ向く姿勢で各バッテリモジュール1が配置されたバッテリパック10を例示する。なお、図5では、各バッテリモジュール1を簡略化して示す。また、以下の説明では、バッテリモジュール1の中間プレート4に設けられた凹部4dを、「バッテリモジュール1の凹部4d」ともいう。
【0043】
本実施形態のバッテリパック10では、各バッテリモジュール1の凹部4dが車長方向D1に沿って延びている。また、四つのバッテリモジュール1に設けられる四つの凹部4dは、車長方向D1に沿って並んでいる。
ハウジング30は、バッテリモジュール1が載置される底プレート31と、底プレート31の外縁から立設されてバッテリモジュール1を囲む筒状をなす枠体32とを有する。ここでは、矩形状をなす底プレート31と、底プレート31の外縁に対応する四辺から立設されて四角筒状をなす枠体32とを例示する。底プレート31は、枠体32や後述の第一補強プレート7及び第二補強プレート8よりも薄く(厚みが小さく)形成されている。なお、ハウジング30には、底プレート31及び枠体32で囲まれる空間を上方から閉鎖する蓋プレート(図示略)が設けられる。
【0044】
本実施形態のバッテリパック10は、ハウジング30を補強する板状の第一補強プレート7及び第二補強プレート8を含む。第一補強プレート7及び第二補強プレート8は、底プレート31上に配置され、互いに交差する。ここでは、車長方向D1(すなわち交差方向)に沿って延設された第一補強プレート7と、車幅方向D2(すなわち積層方向Do)に沿って延設された二つの第二補強プレート8とを例示する。
【0045】
第一補強プレート7は、各バッテリモジュール1の凹部4dに収容される。換言すれば、第一補強プレート7は、四つのバッテリモジュール1の凹部4dを貫通するように、車長方向D1に沿って延設されている。
一方、二つの第二補強プレート8は、互いに車長方向D1に離隔して設けられ、隣接するバッテリモジュール1どうしの間に配置される。すなわち、各々の第二補強プレート8は、隣接するバッテリモジュール1どうしの間で車幅方向D2に沿って延設されている。
【0046】
第一補強プレート7及び第二補強プレート8は、底プレート31及び枠体32の少なくとも一方に固定される。本実施形態では、第一補強プレート7の車長方向D1の両端部と、第二補強プレート8の車幅方向D2の両端部とが、溶接により枠体32に固定されている。また、第一補強プレート7及び第二補強プレート8は、互いに交差する(重なる)部分が、溶接により互いに固定される。
【0047】
図6に示すように、本実施形態の第一補強プレート7の横断面(車長方向D1に直交する断面)は、中間プレート4の凹部4dに対応する矩形の閉断面をなす。ただし、第一補強プレート7と中間プレート4の脚部4fとの間には、第一補強プレート7に対する中間プレート4及び第一ベルト5の干渉を防止するための隙間Gが確保される。なお、図6では、バッテリセル2aの断面のハッチングを省略する。
【0048】
本実施形態の第一補強プレート7は、アルミの押出成形品であって、車長方向D1に延在する中空部7aを有する。ここでは、車高方向D3に並ぶ二つの中空部7aが設けられた第一補強プレート7を例示する。各中空部7aは、車長方向D1から視て矩形状をなす。
本実施形態では、第二補強プレート8も、アルミの押出成形品であって、車幅方向D2に延在する中空部(図示略)を有する。第二補強プレート8の各中空部は、車幅方向D2から視て、例えば第一補強プレート7の中空部7aと同様の矩形状をなす。なお、第二補強プレート8にも、車高方向D3に並ぶ複数の中空部が設けられてもよい。
【0049】
本実施形態のバッテリパック10は、中間プレート4と第一補強プレート7とを互いに締結する締結構造9を含む。締結構造9は、例えば、中間プレート4に形成された貫通孔9aと、貫通孔9aに連通するように第一補強プレート7に形成されたネジ穴9bと、貫通孔9aに挿通されてネジ穴9bに螺合するボルト9cとで構成される。
【0050】
貫通孔9aは、中間プレート4において中空部4eと異なる部位で車高方向D3(高さ方向Dh)に延在する。ネジ穴9bは、第一補強プレート7において中空部7aと異なる部位で車高方向D3に延在する。ボルト9cは、貫通孔9aに上方から挿通される。締結構造9では、貫通孔9aに挿通されたボルト9cの下部がネジ穴9bに螺合することで、中間プレート4と第一補強プレート7とが互いに締結される。
【0051】
[2.作用及び効果]
(1)バッテリモジュール1のセル積層体2に対し、一対のエンドプレート3に加えて中間プレート4が配置されるため、セル積層体2の積層方向Doの両端面をエンドプレート3で支持できるうえに、セル積層体2の積層方向Doの中間部を中間プレート4で支持できる。これにより、セル積層体2の積層方向Doの両端面だけでなく中間部においても剛性を高められる。よって、バッテリモジュール1の剛性を高められる。
【0052】
特に中間プレート4によれば、セル積層体2において曲げ変形が生じやすい積層方向Doの中間部の剛性を高められるため、セル積層体2の変形を効果的に抑制できる。したがって、セル積層体2で積層するバッテリセル2aの個数を増やしたとしても、セル積層体2の積層方向Doに対する曲げ変形を抑制できる。また、複数のバッテリセル2aが例えば熱膨張により個々に変形したとしても、セル積層体2の歪みを抑制できる。したがって、バッテリモジュール1の信頼性を高められる。
【0053】
中間プレート4の側面4b,4cの少なくとも一つに凹部4dが設けられるため、凹部4dを他部材(本実施形態では第一ベルト5及び第一補強プレート7)の収容スペースとして利用できる。本実施形態のように、第一ベルト5の内帯部5bを凹部4dに配置すれば、エンドプレート3と中間プレート4との間に積層された複数のバッテリセル2aを積層方向Doの両側から第一ベルト5で挟持できるため、バッテリモジュール1の剛性を更に高められる。
【0054】
また、凹部4dを他部材の収容スペースとして利用することで、他部材を配置するためのスペースを別途確保する必要がなくなることから、省スペース化を実現できる。これにより、バッテリモジュール1の大型化や高重量化を回避しつつ出力を高めることが可能となるため、エネルギー密度の低下を抑制できる。
【0055】
(2)エンドプレート3と中間プレート4との間に積層された複数のバッテリセル2aを積層方向Doの両側から挟持する無端ベルト状の第一ベルト5が設けられれば、複数のバッテリセル2aを第一ベルト5で拘束できる。特に第一ベルト5は、セル積層体2で積層されるバッテリセル2aの全部ではなく一部(第一グループ2B及び第二グループ2Cのいずれか一方)を挟持するため、セル積層体2の全体を挟持する第二ベルト6と比べて、個々のバッテリセル2aを効果的に拘束できる。
【0056】
また、第一ベルト5によれば、複数のバッテリセル2aを積層方向Doの両側から挟持するため、個々のバッテリセル2aの熱膨張による変形を吸収しやすくなるとともに、積層方向Doの振動を抑制できる。さらに、第一ベルト5において第一外帯部5a及び内帯部5bを繋ぐ第一中間部5cによれば、積層方向Doと直交する方向(本実施形態では幅方向Dw)の振動も抑制できる。よって、第一ベルト5が設けられれば、バッテリモジュール1の剛性を一層高められる。これにより、セル積層体2の変形が一層抑制されるため、バッテリモジュール1の信頼性をより高められる。
【0057】
第一ベルト5の内帯部5bが中間プレート4の凹部4dに配置されれば、第一ベルト5の内帯部5bを配置するためのスペースを別途確保する必要がなくなるため、省スペース化を実現できる。よって、エネルギー密度の低下を更に抑制できる。
【0058】
(3)一対の第一ベルト5が中間プレート4の積層方向Doの両側にそれぞれ設けられれば、中間プレート4の積層方向Doの両側において、セル積層体2の第一グループ2Bと第二グループ2Cとを一対の第一ベルト5でそれぞれ拘束できる。これに加えて、セル積層体2を積層方向Doの両側から挟持する無端ベルト状の第二ベルト6が設けられれば、セル積層体2の全体を一つの第二ベルト6で拘束できる。
【0059】
このように、一対の第一ベルト5と一つの第二ベルト6とを組み合わせることで、各第一ベルト5で個々のバッテリセル2aを効果的に拘束しつつも、第二ベルト6で第一グループ2Bと第二グループ2Cとの相対的な位置ずれを抑制できる。したがって、バッテリモジュール1の剛性を更に高められる。
【0060】
また、第二ベルト6によれば、第一ベルト5と同様に、複数のバッテリセル2aを積層方向Doの両側から挟持するため、個々のバッテリセル2aの熱膨張による変形を吸収しやすくなるとともに、積層方向Doの振動を抑制できる。さらに、第二ベルト6において第二外帯部6aどうしを繋ぐ第二中間部6cによれば、積層方向Doと直交する方向(本実施形態では幅方向Dw)の振動も抑制できる。よって、バッテリモジュール1の剛性を更に高められる。
【0061】
(4)中間プレート4が、アルミの押出成形品であって、凹部4dの延びる幅方向Dw(交差方向)に延在する中空部4eを有していれば、幅方向Dwを押出方向として中間プレート4を押出成形により容易に製造できる。よって、中間プレート4の製造容易性を高められるとともに、中空部4eにより中間プレート4の軽量化を図れる。
【0062】
(5)バッテリモジュール1を含むバッテリパック10には、ハウジング30の底プレート31及び枠体32の少なくとも一方に固定される第一補強プレート7が設けられるため、ハウジング30の剛性を高められる。これにより、ハウジング30に要求される剛性を確保しつつも、底プレート31を薄肉化したり、第二補強プレート8の大型化を回避したりできるため、バッテリパック10の大型化や高重量化を抑制できる。
【0063】
また、第一補強プレート7が中間プレート4の凹部4dに収容されることで、第一補強プレート7を配置するためのスペースをハウジング30内に別途確保する必要がなくなることから、省スペース化を実現できる。これによっても、バッテリパック10の大型化を抑制できる。したがって、第一補強プレート7によりハウジング30の剛性を高めつつも、第一補強プレート7を凹部4dに収容することでバッテリパック10の大型化や高重量化を回避しながら出力を高めることが可能となるため、エネルギー密度の低下を抑制できる。
【0064】
(6)中間プレート4と第一補強プレート7とを互いに締結する締結構造9が設けられれば、第一補強プレート7に対する中間プレート4の変位を防止できる。このため、ハウジング30内におけるバッテリモジュール1の位置を安定化できるとともに、中間プレート4の位置が安定化することでバッテリモジュール1自体の変形を更に抑制できる。よって、バッテリパック10の信頼性を高められる。
また、中間プレート4が第一補強プレート7に締結されることで、中間プレート4を底プレート31に締結しなくても済むため、底プレート31に締結代を設ける必要がなくなり、底プレート31の薄肉化を実現できる。
【0065】
(7)隣接するバッテリモジュール1どうしの間で第二補強プレート8が積層方向Doに沿って延設されれば、バッテリモジュール1間のデッドスペースを利用して第二補強プレート8を配置できる。これにより、第二補強プレート8によりハウジング30の剛性を更に高めつつも、バッテリパック10の大型化を回避しながら出力を高めることが可能となるため、エネルギー密度の低下を抑制できる。
【0066】
また、隣接するバッテリモジュール1どうしの間に固定された第二補強プレート8によれば、隣接するバッテリモジュール1どうしの位置ずれを抑制できる。よって、バッテリパック10の信頼性を高められる。
さらに、互いに交差する第一補強プレート7及び第二補強プレート8によれば、互いに異なる二方向においてハウジング30の剛性を高められる。このため、電動車両20の衝突時にも、ハウジング30の変形を効果的に抑制できる。よって、バッテリパック10の保護性能を確保できる。
【0067】
(8)バッテリパック10を備えた電動車両20によれば、上記のとおりハウジング30の剛性が高められるとともにエネルギー密度の低下が抑制されるため、衝突時にもバッテリパック10の保護性能を確保できるとともに、良好な航続距離を実現できる。
【0068】
[3.変形例]
中間プレート4の凹部4dは、積層方向Doと交差する交差方向に延びていればよく、例えば、幅方向Dwに対してやや傾斜する方向に延びていてもよい。また、凹部4dは、例えば上記の縦面4cに設けられる場合には、高さ方向Dhに延びていてもよい。
【0069】
凹部4dは、複数の側面4b,4cのうちの二つ以上に設けられてもよい。中間プレート4に複数の凹部4dが設けられる場合には、複数の凹部4dの各々を他部材の収容スペースとして利用できるため、更なる省スペース化を実現できる。また、複数の凹部4dが第一ベルト5の内帯部5bを配置するための収容スペースとして利用されれば、より多くの第一ベルト5を配置することが可能となるため、バッテリモジュール1の更なる剛性向上を図れる。
一方、上記の実施形態のように凹部4dが一つのみ設けられた中間プレート4によれば、複数の凹部4dが設けられる場合と比べて、剛性が確保されやすくなるため、セル積層体2の変形をより抑えられる。
【0070】
上記のエンドプレート3及び中間プレート4の形状は一例である。エンドプレート3及び中間プレート4の各形状は、バッテリセル2aの形状に応じて適宜設定してもよい。また、中間プレート4に設けられる凹部4dの形状は、凹部4dに収容される他部材の形状に応じて適宜設定してもよい。なお、中間プレート4の中空部4eの形状、個数及び配置は、上記の例示に限定されない。中間プレート4は、アルミの押出成形品でなくてもよいし、中空部4eが省略されてもよい。
【0071】
第一ベルト5は、複数のバッテリセル2aを積層方向Doの両側から挟持可能に配置されればよく、例えば、第一外帯部5a及び内帯部5bがいずれも高さ方向Dhに延び、第一中間部5cが積層方向Doに延びて複数のバッテリセル2aの高さ方向Dhの外側に配置されてもよい。同様に、第二ベルト6の配置も上記の例示に限定されない。なお、第一ベルト5及び第二ベルト6は、バッテリモジュール1から省略されてもよい。
【0072】
バッテリパック10に設けられるバッテリモジュール1の個数は一以上であればよい。また、バッテリパック10におけるバッテリモジュール1の姿勢は特に限定されない。例えば、バッテリモジュール1は、積層方向Doが車長方向D1と一致する姿勢でハウジング30に収容されてもよいし、凹部4dが側方(枠体32側)又は上方(蓋プレート側)に向く姿勢でハウジング30内に収容されてもよい。
【0073】
第一補強プレート7及び第二補強プレート8の延在方向、個数及び配置も上記の例示に限定されない。第一プレート7及び第二補強プレート8は、アルミの押出成形品でなくてもよいし、中空部が省略されてもよい。また、第一補強プレート7及び第二補強プレート8は、いずれか一方又は両方がバッテリパック10から省略されてもよい。
上記の締結構造9は一例である。締結構造9としては、中間プレート4と第一補強プレート7とを互いに締結する種々の構造を適用しうる。なお、締結構造9もバッテリパック10から省略可能である。
【0074】
バッテリモジュール1の適用対象は、上記のバッテリパック10に限定されない。また、バッテリパック10の適用対象も、上記の電動車両20に限定されない。バッテリモジュール1は、例えば、車両用以外のバッテリパックに適用されてもよいし、バッテリパック10は、例えば、トラック以外の電動車両に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1 バッテリモジュール
2 セル積層体
2a バッテリセル2B 第一グループ
2C 第二グループ
3 エンドプレート
4 中間プレート
4a 主面
4b 横面(側面)
4c 縦面(側面)
4d 凹部
4e 中空部
4f 脚部
5 第一ベルト
5a 第一外帯部
5b 内帯部
5c 第一中間部
6 第二ベルト
6a 第二外帯部
6c 第二中間部
7 第一補強プレート
7a 中空部
8 第二補強プレート
9 締結構造
9a 貫通孔
9b ネジ穴
9c ボルト
10 バッテリパック
11 加温ホイル
20 電動車両
21 キャブ
22 荷箱
23 サイドレール
30 ハウジング
31 底プレート
32 枠体
D1 車長方向
D2 車幅方向
D3 車高方向
Dh 高さ方向
Do 積層方向
Dw 幅方向(交差方向)
G 隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6