(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】エアロゾル源部材用導電性エアロゾル生成複合基材
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20240617BHJP
A24D 1/02 20060101ALI20240617BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20240617BHJP
A24F 40/70 20200101ALI20240617BHJP
【FI】
A24D1/20
A24D1/02
A24F40/42
A24F40/70
(21)【出願番号】P 2021527915
(86)(22)【出願日】2019-11-19
(86)【国際出願番号】 IB2019059947
(87)【国際公開番号】W WO2020104950
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2022-10-18
(32)【優先日】2018-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594112886
【氏名又は名称】アール・ジエイ・レイノルズ・タバコ・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セバスティアン,アンドリーズ・ディー
(72)【発明者】
【氏名】シアーズ,スティーブン・ビー
(72)【発明者】
【氏名】コナー,ビリー・ティー
(72)【発明者】
【氏名】ゲージ,ジャスティン・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】モンサルード,ルイス
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0279673(US,A1)
【文献】特表2013-524850(JP,A)
【文献】特表2014-525237(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/20
A24D 1/02
A24F 40/42
A24F 40/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル源部材に使用するための基材部分であって、
複合基材シートのギャザードウェブ
を含み、前記複合基材シートが、
再生セルロース繊維から少なくとも部分的に形成された不織ウェブ;
前記不織ウェブに一体化された複数の導電糸;及び
繊維材料及びエアロゾル前駆体組成物を含むコーティング
を含
み、
前記複数の導電糸が、直線状及び平行なパターンで配置され、
前記複数の導電糸のパターンが前記不織ウェブの長手方向と整列し、
前記ギャザードウェブが前記複合基材シートの一連の重なり合う層である、基材部分。
【請求項2】
結合剤材料、エアロゾル前駆体組成物、及び燃焼遅延材料をさらに含む、請求項1に記載の基材部分。
【請求項3】
前記再生セルロース繊維が多葉断面を有する、請求項1に記載の基材部
分。
【請求項4】
前記繊維材料が粉砕されたタバコ材料を含む、請求項1に記載の基材部
分。
【請求項5】
前記コーティングが、結合剤材料、難燃材料、及び香味料のうちの1つ又は複数をさらに含む、請求項1に記載の基材部
分。
【請求項6】
前記不織ウェブが、40%を超える充填量で
前記エアロゾル前駆体組成物を含有するように構成される、請求項1に記載の基材部
分。
【請求項7】
前記不織ウェブが
、10%~50%
の充填量で
前記エアロゾル前駆体組成物を含有するように構成される、請求項1に記載の基材部
分。
【請求項8】
前記複数の導電糸が、アルミニウム材料、ステンレス鋼材料、銅材料、炭素材料、及びグラファイト材料のうちの1つ又は複数から構成される、請求項1に記載の基材部
分。
【請求項9】
前記複数の導電糸がステッチを介して
前記不織ウェブに一体化されている、請求項1に記載の基材部
分。
【請求項10】
前記複数の導電糸が調整された繊維配置(TFP)を介して
前記不織ウェブに一体化されている、請求項1に記載の基材部
分。
【請求項11】
前記複数の導電糸がステッチボンディングを介して
前記不織ウェブに一体化されている、請求項1に記載の基材部
分。
【請求項12】
前記複合基材シートが、互いにステッチボンドされた2つ以上の層を含む、請求項1に記載の基材部
分。
【請求項13】
前記複合基材シートの
前記ギャザードウェブをその外面の周りに
第1のカバー層で包むことをさらに含む、請求項1に記載の基材部
分。
【請求項14】
前記第1のカバー層がキャストシートを含む、請求項
13に記載の基材部
分。
【請求項15】
前記第1のカバー層が、再生セルロース繊維から少なくとも部分的に形成された不織ウェブを含む、請求項
13に記載の基材部
分。
【請求項16】
前記複合基材シート
の前記ギャザードウェブ及び
前記第1のカバー
層をその外面の周りに、金属箔を含む第2のカバー層で包むことをさらに含む、請求項
13に記載の基材部
分。
【請求項17】
前記複合基材シート
の前記ギャザードウェブ、
前記第1のカバー層、及び
前記第2のカバー
層をその外面の周りに、紙材料を含む第3のカバー層で包むことをさらに含む、請求項
16に記載の基材部
分。
【請求項18】
エアロゾル源部材であって、
基材部分を含み、前記基材部分が
複合基材シートのギャザードウェブを含み、前記複合基材シートが、
再生セルロース繊維から少なくとも部分的に形成された不織ウェブ、
前記不織ウェブに一体化された複数の導電糸、及び
繊維材料及びエアロゾル前駆体組成物を含むコーティング
を含み、
前記基材部分は、略円柱状に形成され、
前記基材部分の外側面に近接して第1のカバー層が配置され、
前記複数の導電糸が、直線状及び平行なパターンで配置され、
前記複数の導電糸のパターンが前記不織ウェブの長手方向と整列し
前記ギャザードウェブが前記複合基材シートの一連の重なり合う層である、
エアロゾル源部材。
【請求項19】
前記再生セルロース繊維が多葉断面を有する、請求項18に記載のエアロゾル源部材。
【請求項20】
前記繊維材料が粉砕されたタバコ材料を含む、請求項18に記載のエアロゾル源部材。
【請求項21】
前記コーティングが、結合剤材料、難燃材料、及び香味料のうちの1つ又は複数をさらに含む、請求項18に記載のエアロゾル源部材。
【請求項22】
前記不織ウェブが、40%を超える充填量で前記エアロゾル前駆体組成物を含有するように構成される、請求項18に記載のエアロゾル源部材。
【請求項23】
前記不織ウェブが、10%~50%の充填量で前記エアロゾル前駆体組成物を含有するように構成される、請求項18に記載のエアロゾル源部材。
【請求項24】
前記複数の導電糸が、アルミニウム材料、ステンレス鋼材料、銅材料、炭素材料、及びグラファイト材料のうちの1つ又は複数から構成される、請求項18に記載のエアロゾル源部材。
【請求項25】
前記複数の導電糸がステッチを介して前記不織ウェブに一体化されている、請求項18に記載のエアロゾル源部材。
【請求項26】
前記複数の導電糸が調整された繊維配置(TFP)を介して前記不織ウェブに一体化されている、請求項18に記載のエアロゾル源部材。
【請求項27】
前記複数の導電糸がステッチボンディングを介して前記不織ウェブに一体化されている、請求項18に記載のエアロゾル源部材。
【請求項28】
前記複合基材シートが、互いにステッチボンドされた2つ以上の層を含む、請求項18に記載のエアロゾル源部材。
【請求項29】
前記第1のカバー層がキャストシートを含む、請求項18に記載のエアロゾル源部材。
【請求項30】
前記第1のカバー層が、再生セルロース繊維から少なくとも部分的に形成された不織ウェブを含む、請求項18に記載のエアロゾル源部材。
【請求項31】
前記複合基材シートの前記ギャザードウェブ及び前記第1のカバー層をその外面の周りに、金属箔を含む第2のカバー層で包むことをさらに含む、請求項18に記載のエアロゾル源部材。
【請求項32】
前記複合基材シートの前記ギャザードウェブ、前記第1のカバー層、及び前記第2のカバー層をその外面の周りに、紙材料を含む第3のカバー層で包むことをさらに含む、請求項31に記載のエアロゾル源部材。
【請求項33】
エアロゾル源部材に使用するための基材部分を作成する方法であって、
複合基材シートを、
再生セルロース繊維を使用して不織ウェブを形成すること、
複数の導電糸を前記不織ウェブに一体化させること、及び
繊維材料及びエアロゾル前駆体組成物を含むコーティングで前記不織ウェブ及び一体型導電糸をコーティングすること
によって作成すること、及び
続いて、前記複合基材シートの複数の層を重ね合わせて、前記複合基材シートのギャザードウェブを作成すること
を含み、
前記複数の導電糸を前記不織ウェブに一体化させるステップは、前記複数の導電糸が直線状及び平行なパターンで配置されるように前記複数の導電糸を一体化させることを含み、
前記複数の導電糸のパターンが前記不織ウェブの長手方向と整列している、方法。
【請求項34】
前記再生セルロース繊維が多葉断面を有する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記繊維材料が粉砕されたタバコ材料を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記コーティングが、結合剤材料、難燃材料、及び香味料のうちの1つ又は複数をさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記不織ウェブが、40%を超える充填量で前記エアロゾル前駆体組成物を含有するように構成される、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記不織ウェブが、10%~50%の充填量で前記エアロゾル前駆体組成物を含有するように構成される、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記複数の導電糸が、アルミニウム材料、ステンレス鋼材料、銅材料、炭素材料、及びグラファイト材料のうちの1つ又は複数から構成される、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
前記複数の導電糸がステッチを介して前記不織ウェブに一体化されている、請求項33に記載の方法。
【請求項41】
前記複数の導電糸が調整された繊維配置(TFP)を介して前記不織ウェブに一体化されている、請求項33に記載の方法。
【請求項42】
前記複数の導電糸がステッチボンディングを介して前記不織ウェブに一体化されている、請求項33に記載の方法。
【請求項43】
前記複合基材シートが、互いにステッチボンドされた2つ以上の層を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項44】
前記複合基材シートの前記ギャザードウェブをその外面の周りに第1のカバー層で包むことをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項45】
前記第1のカバー層がキャストシートを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記第1のカバー層が、再生セルロース繊維から少なくとも部分的に形成された不織ウェブを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記複合基材シートの前記ギャザードウェブ及び前記第1のカバー層をその外面の周りに、金属箔を含む第2のカバー層で包むことをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記複合基材シートの前記ギャザードウェブ、前記第1のカバー層、及び前記第2のカバー層をその外面の周りに、紙材料を含む第3のカバー層で包むことをさらに含む、請求項47に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2018年11月20日に出願された「Conductive Aerosol Generating Composite Substrate for Aerosol Source Member」と題する米国特許出願公開第16/196,958号明細書の優先権及び利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、タバコ成分又は他の材料を吸入可能な形態で得るためのエアロゾル源部材及びその使用に関する。より詳細には、本開示は、人間が消費するためのエアロゾルの形態の吸入可能な物質を提供するために、電気的に生成された熱又は可燃性の炭素系発火源を利用してタバコ又は非タバコ材料を、好ましくは顕著な燃焼を伴わずに加熱する、喫煙品などのエアロゾル送達装置及びシステムのための基材物質を含む、基材物質及びエアロゾル源部材に関する。
【背景技術】
【0003】
タバコを燃焼させることに基づく喫煙製品の改良又は代替として、多くの喫煙品が長年にわたって提案されてきた。一部の例示的な代替策には、固体又は液体燃料を燃焼させて熱をタバコに伝達する装置、又は化学反応がそのような熱源を供給するために利用される装置が含まれている。さらなる例示的な代替策では、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWormらの米国特許第9,078,473号明細書に記載されているように、タバコ及び/又は他のエアロゾル生成基材物質を加熱するために電気エネルギーを使用している。
【0004】
喫煙品の改善又は代替のポイントは、通常、かなりの量の不完全燃焼及び熱分解生成物を送達することなく、シガレット、葉巻、又はパイプの喫煙に関連する感覚をもたらすことであった。この目的のために、揮発性物質を気化又は加熱するために電気エネルギーを利用するか、タバコをあまり燃焼させずに紙巻きタバコ、葉巻又はパイプでの喫煙の感覚を与えることを試みる多数の喫煙製品、風味発生剤及び医薬品吸入器が提案されてきた。例えば、参照により本明細書にそれらの全体が組み込まれる、Robinsonらに対する米国特許第7,726,320号明細書;及びGriffith.Jr.らに対する米国特許出願公開第2013/0255702号明細書;及びSearsらに対する米国特許出願公開第2014/0096781号明細書に記載されている背景技術に記載されている様々な代替喫煙品、エアロゾル送達装置及び熱発生源を参照されたい。また、例えば、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、Blessらに対する米国特許出願公開第2015/0220232号明細書における商標名及び商業的供給源によって参照される様々な種類の喫煙品、エアロゾル送達装置及び電動発熱源も参照されたい。参照により同様に全体が本明細書に組み込まれる、DePianoらに対する米国特許出願公開第2015/0245659号明細書における商標名及び商業的供給源によって参照される、さらなる種類の喫煙品、エアロゾル送達装置及び電動発熱源が、列挙されている。記載されて、場合によっては市販されている他の代表的なシガレット又は喫煙品は、Gerthらに対する米国特許第4,735,217号明細書;Brooksらに対する米国特許第4,922,901号明細書、第4,947,874号明細書及び第4,947,875号明細書;Countsらに対する米国特許第5,060,671号明細書;Morganらに対する米国特許第5,249,586号明細書;Countsらに対する米国特許第5,388,594号明細書;Higginsらに対する米国特許第5,666,977号明細書;Adamsらに対する米国特許第6,053,176号明細書;Whiteに対する第6,164,287号明細書;Vogesに対する米国特許第6,196,218号明細書;Felterらに対する米国特許第6,810,883号明細書;Nicholsに対する米国特許第6,854,461号明細書;Honに対する米国特許第7,832,410号明細書;Kobayashiに対する米国特許第7,513,253号明細書;Robinsonらに対する米国特許第7,726,320号明細書;Hamanoに対する米国特許第7,896,006号明細書;Shayanに対する米国特許第6,772,756号明細書;Honに対する米国特許出願公開第2009/0095311号明細書;Honに対する米国特許出願公開第2006/0196518号明細書、第2009/0126745号明細書及び第2009/0188490号明細書;Thorensらに対する米国特許出願公開第2009/0272379号明細書;Monseesらに対する米国特許出願公開第2009/0260641号明細書及び第2009/0260642号明細書;Oglesbyらに対する米国特許出願公開第2008/0149118号明細書及び第2010/0024834号明細書;Wangに対する米国特許出願公開第2010/0307518号明細書;Honに対するWO2010/091593に記載されているものを含み、これらの文献はそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0005】
従来型のシガレット、葉巻、又はパイプの属性の多くに似ている代表的な製品は、Philip Morris IncorporatedによるACCORD(R);InnoVapor LLCによるALPHA(商標)、JOYE 510(商標)、及びM4(商標);White Cloud CigarettesによるCIRRUS(商標)とFLING(商標);Fontem Ventures B.V.によるBLU(商標);EPUFFER(R)International Inc.によるCOHITA(商標)、COLIBRI(商標)、ELITE CLASSIC(商標)、MAGNUM(商標)、PHANTOM(商標)、及びSENSE(商標);Electronic Cigarettes,Inc.によるDUOPRO(商標)、STORM(商標)、及びVAPORKING(R);Egar AustraliaによるEGAR(商標);JoyetechによるeGo-C(商標)及びeGo-T(商標);Elusion UK LtdによるELUSION(商標);Eonsmoke LLCによるEONSMOKE(R);FIN Branding Group,LLCによるFIN(商標);Green Smoke Inc.USAによるSMOKE(R);Greenarette LLCによるGREENARETTE(商標);SMOKE STIK(R)によるHALLIGAN(商標)、HENDU(商標)、JET(商標)、MAXXQ(商標)、PINK(商標)及びPITBULL(商標);Philip Morris International,Inc.によるHEATBAR(商標);Crown7から得るHYDRO IMPERIAL(商標)及びLXE(商標);LOGIC TechnologyによるLOGIC(商標)及びTHE CUBAN(商標);Luciano Smokes Inc.によるLUCI(R);Nicotek,LLCによるMETRO(R);Sottera,Inc.によるNJOY(R)及びONEJOY(商標);SS Choice LLCによるNO.7(商標);PremiumEstore LLCによるPREMIUM ELECTRONIC CIGARETTE(商標);Ruyan America,Inc.によるRAPP E-MYSTICK(商標);Red Dragon Products,LLCによるRED DRAGON(商標);Ruyan Group(Holdings)Ltd.によるRUYAN(R);Smoker Friendly International,LLCによるSF(R);The Smart Smoking Electronic Cigarette Company LtdによるGREEN SMART SMOKER(R);Coastline Products LLCによるSMOKE ASSIST(R);Smoking Everywhere,Inc.によるSMOKING EVERYWHERE(R);VMR Products LLCによるV2CIGS(商標);VaporNine LLCによるVAPOR NINE(商標);Vapor 4 Life,Inc.によるVAPOR4LIFE(R);E-CigaretteDirect,LLCによるVEPPO(商標);R.J.Reynolds Vapor CompanyによるVUSE(R);Mistic EcigsによるMistic Menthol製品;及びCN Creative Ltd.のVype製品;Philip Morris InternationalによるIQOS(商標);及びBritish American TobaccoによるGLO(商標)として販売されてきた。さらに他の電動エアロゾル送達装置、特にいわゆる電子タバコとして特徴付けられてきたそれらの装置は、COOLER VISIONS(商標);DIRECT E-CIG(商標);DRAGONFLY(商標);EMIST(商標);EVERSMOKE(商標);GAMUCCI(R);HYBRID FLAME(商標);KNIGHT STICKS(商標);ROYAL BLUES(商標);SMOKETIP(R);及びSOUTH BEACH SMOKE(商標)の商品名で販売されている。
【0006】
タバコ、タバコ由来材料、又は他の植物由来材料を電気的に加熱することによって喫煙の味及び感覚を生み出す物品は、一貫性のない性能上の特性が黙認されている。例えば、一部の物品は、香味又は他の吸入可能材料の一貫性のない放出が黙認されている。したがって、基材物質を燃焼させることなく、有利な性能上の特性により、タバコ、葉巻、又はパイプ喫煙の感覚を与えることができる喫煙品を提供することが望ましい可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第9078473号明細書
【文献】米国特許第7726320号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0220232号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0245659号明細書
【文献】米国特許第4735217号明細書
【文献】米国特許第4922901号明細書
【文献】米国特許第4947874号明細書
【文献】米国特許第4947875号明細書
【文献】米国特許第5060671号明細書
【文献】米国特許第5249586号明細書
【文献】米国特許第5388594号明細書
【文献】米国特許第5666977号明細書
【文献】米国特許第6053176号明細書
【文献】米国特許第6164287号明細書
【文献】米国特許第6196218号明細書
【文献】米国特許第6810883号明細書
【文献】米国特許第6854461号明細書
【文献】米国特許第7832410号明細書
【文献】米国特許第7513253号明細書
【文献】米国特許第7726320号明細書
【文献】米国特許第7896006号明細書
【文献】米国特許第6772756号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0095311号明細書
【文献】米国特許出願公開第2006/0196518号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0126745号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0188490号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0272379号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0260641号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0260642号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0149118号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0024834号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0307518号明細書
【文献】国際公開第2010/091593号
【発明の概要】
【0008】
様々な実装態様で、本開示は、エアロゾル源部材に使用するための基材部分、エアロゾル源部材、及びエアロゾル源部材用の基材部分を作成する方法を提供する。
【0009】
例示的な実装態様1:エアロゾル源部材に使用するための基材部分であって、複合基材シートの一連の重なり合う層であって、複合基材シートが、再生セルロース繊維から少なくとも部分的に形成された不織ウェブ、不織ウェブに一体化された複数の導電糸、及び繊維材料及びエアロゾル前駆体組成物を含むコーティングを含む一連の重なり合う層を含む、基材部分。
【0010】
例示的な実装態様2:再生セルロース繊維が多葉断面を有する、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの基材部分。
【0011】
例示的な実装態様3:繊維材料が粉砕されたタバコ材料を含む、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの基材部分。
【0012】
例示的な実装態様4:コーティングが、結合剤材料、難燃材料、及び香味料のうちの1つ又は複数をさらに含む、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの基材部分。
【0013】
例示的な実装態様5:不織ウェブが、40%を超える充填量でエアロゾル前駆体組成物を収容するように構成される、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの基材部分。
【0014】
例示的な実装態様6:不織ウェブが、少なくとも10%から50%超の充填量でエアロゾル前駆体組成物を収容するように構成される、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの基材部分。
【0015】
例示的な実装態様7:複数の導電糸が実質的に直線状及び平行なパターンで配置されている、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの基材部分。
【0016】
例示的な実装態様8:複数の導電糸が実質的にランダムな配置を有する、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの基材部分。
【0017】
例示的な実装態様9:複数の導電糸が、アルミニウム材料、ステンレス鋼材料、銅材料、炭素材料、及びグラファイト材料のうちの1つ又は複数から構成される、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの基材部分。
【0018】
例示的な実装態様10:複数の導電糸がステッチを介して不織ウェブに一体化されている、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの基材部分。
【0019】
例示的な実装態様11:複数の導電糸が、調整された繊維配置(TFP)を介して不織ウェブに一体化されている、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの基材部分。
【0020】
例示的な実装態様12:複数の導電糸がステッチボンディングを介して不織ウェブに一体化されている、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの基材部分。
【0021】
例示的な実装態様13:複合基材シートが互いにステッチボンドされた2つ以上の層を含む、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの基材部分。
【0022】
例示的な実装態様14:複合基材シートの一連の重なり合う層は、その外側がカバー層で覆われている、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの基材部分。
【0023】
例示的な実装態様15:カバー層がキャストシートを含む、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの基材部分。
【0024】
例示的な実装態様16:カバー層が、再生セルロース繊維から少なくとも部分的に形成された不織ウェブを含む、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの基材部分。
【0025】
例示的な実装態様17:複合基材シートとカバー層との一連の重なり合う層は、金属箔を含む第2のカバー層でその外側が包まれている、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの基材部分。
【0026】
例示的な実装態様18:複合基材シートとカバー層と第2のカバー層との一連の重なり合う層は、紙材料を含む第3のカバー層でその外側が包まれている、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの基材部分。
【0027】
例示的な実装態様19:結合剤材料、エアロゾル前駆体組成物、及び燃焼遅延材料をさらに含む、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの基材部分。
【0028】
例示的な実装態様20:エアロゾル源部材であって、基材部分であって、複合基材シートの一連の重なり合う層であって、複合基材シートが、再生セルロース繊維から少なくとも部分的に形成された不織ウェブ、不織ウェブに一体化された複数の導電糸、及び繊維材料及びエアロゾル前駆体組成物を含むコーティングを含む重なり合う層、を含む基材部分を含み、基材部分は、略円柱状に形成され、また基材部分の外側面に近接してカバー層が配置されている、エアロゾル源部材。
【0029】
例示的な実装態様21:基材部分の再生セルロース繊維が多葉断面を有する、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせのエアロゾル源部材。
【0030】
例示的な実装態様22:基材部分の繊維材料は、粉砕タバコ材料を含む、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせのエアロゾル源部材。
【0031】
例示的な実装態様23:基材部分のコーティングが、結合剤材料、難燃材料、及び香味料のうちの1つ又は複数をさらに含む、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせのエアロゾル源部材。
【0032】
例示的な実装態様24:カバー層がキャストシートを含む、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせのエアロゾル源部材。
【0033】
例示的な実装態様25:カバー層が、再生セルロース繊維から少なくとも部分的に形成された不織ウェブを含む、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせのエアロゾル源部材。
【0034】
例示的な実装態様26:カバー層の外面に近接して配置された第2のカバー層をさらに含み、第2のカバー層が金属箔を含む、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせのエアロゾル源部材。
【0035】
例示的な実装態様27:第2のカバー層の外面に近接して配置された第3のカバー層をさらに含み、第3のカバー層が紙材料を含む、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせのエアロゾル源部材。
【0036】
例示的な実装態様28:基材部分の不織ウェブが、40%を超える充填量でエアロゾル前駆体組成物を収容するように構成される、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせのエアロゾル源部材。
【0037】
例示的な実装態様29:基材部分の不織ウェブが、少なくとも10%から50%を超える充填量でエアロゾル前駆体組成物を収容するように構成される、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせのエアロゾル源部材。
【0038】
例示的な実装態様30:基材部分の複数の導電糸が、実質的に直線状の平行なパターンで配置されている、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせのエアロゾル源部材。
【0039】
例示的な実装態様31:複数の導電糸が実質的にランダムな配置を有する、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせのエアロゾル源部材。
【0040】
例示的な実装態様32:基材部分の複数の導電糸が、アルミニウム材料、ステンレス鋼材料、銅材料、炭素材料、及びグラファイト材料のうちの1つ又は複数で構成されている、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせのエアロゾル源部材。
【0041】
例示的な実装態様33:基材部分の複数の導電糸がステッチを介して不織ウェブに一体化されている、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせのエアロゾル源部材。
【0042】
例示的な実装態様34:基材部分の複数の導電糸が、調整された繊維配置(TFP)を介して不織ウェブに一体化されている、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせのエアロゾル源部材。
【0043】
例示的な実装態様35:複数の導電糸がステッチボンディングによって不織ウェブに一体化されている、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせのエアロゾル源部材。
【0044】
例示的な実装態様36:複合基材シートが、互いにステッチボンドされた2つ以上の層を含む、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせのエアロゾル源部材。
【0045】
例示的な実装態様37:エアロゾル源部材に使用するための基材部分を作成する方法であって、複合基材シートを、再生セルロース繊維を使用して不織ウェブを形成すること、複数の導電糸を不織ウェブに一体化させること、及び繊維材料及びエアロゾル前駆体組成物を含むコーティングで不織ウェブ及び一体型導電糸をコーティングすることによって作成すること、及び複合基材シートの複数の層を重ね合わせて、複合基材シートの一連の重なり合う層を作成することを含む、方法。
【0046】
例示的な実装態様38:再生セルロース繊維が多葉断面を有する、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの方法。
【0047】
例示的な実装態様39:繊維材料が粉砕されたタバコ材料を含む、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの方法。
【0048】
例示的な実装態様40:コーティングが、結合剤材料、難燃材料、及び香味料のうちの1つ又は複数をさらに含む、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの方法。
【0049】
例示的な実装態様41:不織ウェブが、40%を超える充填量でエアロゾル前駆体組成物を収容するように構成される、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの方法。
【0050】
例示的な実装態様42:不織ウェブが、少なくとも10%から50%超の充填量でエアロゾル前駆体組成物を収容するように構成される、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの方法。
【0051】
例示的な実装態様43:複数の導電糸を不織ウェブに一体化させるステップは、複数の導電糸が実質的に直線状及び平行なパターンで配置されるように複数の導電糸を一体化させることを含む、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの方法。
【0052】
例示的な実装態様44:複数の導電糸が実質的にランダムな配置を有する、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの方法。
【0053】
例示的な実装態様45:複数の導電糸が、アルミニウム材料、ステンレス鋼材料、銅材料、炭素材料、及びグラファイト材料のうちの1つ又は複数から構成される、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの方法。
【0054】
例示的な実装態様46:複数の導電糸を不織ウェブに一体化させるステップは、複数の導電糸を不織ウェブにステッチすることを含む、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの方法。
【0055】
例示的な実装態様47:複数の導電糸を不織ウェブに一体化させるステップは、調整された繊維配置(TFP)を含む、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの方法。
【0056】
例示的な実装態様48:複数の導電糸がステッチボンディングを介して不織ウェブに一体化されている、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの方法。
【0057】
例示的な実装態様49:複合基材シートが互いにステッチボンドされた2つ以上の層を含む、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの方法。
【0058】
例示的な実装態様50:複合基材シートの一連の重なり合う層をその外面の周りにカバー層で包むことをさらに含む、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの方法。
【0059】
例示的な実装態様51:カバー層がキャストシートを含む、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの方法。
【0060】
例示的な実装態様52:カバー層が、再生セルロース繊維から少なくとも部分的に形成された不織ウェブを含む、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの方法。
【0061】
例示的な実装態様53:複合基材シートとカバー層との一連の重なり合う層を、その外面の周りに、金属箔を含む第2のカバー層で包むことをさらに含む、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの方法。
【0062】
例示的な実装態様54:複合基材シート、カバー層、及び第2のカバー層の一連の重なり合う層を、その外面の周りに、紙材料を含む第3のカバー層で包むことをさらに含む、前述のいずれかの例示的な実装態様、又は前述のいずれかの例示的な実装態様の任意の組み合わせの方法。
【0063】
本開示のこれら及び他の特徴、態様及び利点は、以下に簡潔に説明される添付の図面と共に以下の詳細な説明を読むことから明白になるであろう。本発明は、上述の実施形態のうちの2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の任意の組み合わせ、さらに本開示に記載のいずれか2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の特徴又は要素の組み合わせを、そのような特徴又は要素が本明細書の特定の実施形態の説明において明示的に組み合わされているか否かにかかわらず、含んでいる。本開示は、その様々な態様及び実施形態のいずれかにおいて、開示された発明の任意の分離可能な特徴又は要素が、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、組み合わせ可能であることが意図されているとみなされるべきであるように、全体的に読まれることが意図されている。
【0064】
先行の一般的な条件で本開示の態様をこのように説明してきたが、これより必ずしも一定の縮尺で描かれていない添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【
図1】本開示の例示的な実装態様による、制御本体及びエアロゾル源部材を含むエアロゾル送達装置の斜視図を示し、エアロゾル源部材及び制御本体は互いに結合されている。
【
図2】本開示の例示的な実装態様による、エアロゾル源部材と制御本体とが互いから係合解除されている、
図1のエアロゾル送達装置の斜視図を示す。
【
図3】本開示の例示的な実装態様による、複合機材シート繊維の概略的な断面図を示す。
【
図4】本開示の例示的な実装態様による、導電糸が一体化された不織ウェブの概略図である。
【
図5】本開示の例示的な実装態様による、エアロゾル源部材の斜視概略図を示す。
【
図6】本開示の例示的な実装態様による、エアロゾル源部材の基材部分の概略的な断面図を示す。
【
図7】本開示の例示的な実装態様による、エアロゾル源部材の斜視図を示す。
【
図8】本開示の一実装態様による、外側ラップが除去された
図7のエアロゾル源部材の斜視図を示す。
【
図9】本開示の例示的な実装態様による、複合機材シート繊維の概略的な断面図を示す。
【
図10】本開示の例示的な実装態様による、導電糸が一体化された不織ウェブの概略図である。
【
図11】本開示の例示的な実装態様による、エアロゾル送達装置の基材部分の斜視概略図を示す。
【
図12】本開示の例示的な実装態様による、エアロゾル送達装置の基材部分の概略的な断面図を示す。
【
図13】本開示の例示的な実装態様による、エアロゾル送達装置と共に使用するための基材部分を製造する方法における様々な動作を示す。
【発明を実施するための形態】
【0066】
本開示は、これより、その例示的実装態様を参照しながら、以下でさらに十分に説明される。本開示が徹底的及び完全であり、また本開示の範囲を当業者に十分に伝えるように、これらの例示的実装態様を説明する。実際、本開示は多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実装態様に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実装態様は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」、「the」などは、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。また、本明細書では定量的な尺度、値、幾何学的関係などを参照することができるが、特に明記しない限り、これらのすべてではないにしても任意の1つ又は複数は、技術的な公差などに起因するものなど、発生し得る許容可能な変動を説明するために絶対的又は近似的であり得る。
【0067】
以下に説明するように、本開示の例示的な実装態様は、エアロゾル源部材に使用するためのエアロゾル生成基材及びエアロゾル送達装置と共に使用するためのエアロゾル源部材に関する。本開示によるエアロゾル源部材のいくつかの実装態様は、電気エネルギーを使用して材料を加熱し、吸入可能な物質(例えば、電気加熱タバコ製品)を形成する。本開示によるエアロゾル源部材の他の実装態様は、吸入可能な物質(例えば、炭素加熱タバコ製品)を形成するために、(好ましくは材料をいずれかの顕著な程度まで燃焼させることなく)材料を加熱するために着火性熱源を使用する。好ましくは、材料は、材料をいずれかの顕著な程度まで燃焼させることなく加熱される。そのようなシステムの構成要素は、ハンドヘルド装置とみなすのに十分にコンパクトな物品の形態を有する。すなわち、好ましいエアロゾル送達装置の構成要素の使用は、エアロゾルが主にタバコの燃焼又は熱分解の副生成物から生じるという意味で煙の発生をもたらさないが、むしろそれらの好ましいシステムの使用は、その中に組み込まれている特定の構成要素の揮発又は気化から生じる蒸気の発生をもたらす。いくつかの例示的実装態様では、エアロゾル送達装置の構成要素は電子タバコとして特徴付けることができ、これらの電子タバコは、最も好ましくはタバコ及び/又はタバコ由来の構成要素を組み込んでおり、したがってタバコ由来の構成要素をエアロゾルの形態で送達する。
【0068】
特定の好ましいエアロゾル送達装置及び/又はエアロゾル源部材のエアロゾル生成構成要素は、そのいずれかの構成要素のいかなる実質的な程度の燃焼もなしに、タバコを照らして火をつける(したがって、タバコの煙を吸う)ことによって使用される紙巻きタバコ、葉巻、又はパイプを吸う感覚の多く(例えば、吸入と呼息の慣習的行為、数種類の味又は風味、感覚的効果、身体的な感覚、慣習的使用行為、可視のエアロゾルにより得られるものなどの視覚的手がかりなど)をもたらすことができる。例えば、本開示のいくつかの例示的な実装態様によるエアロゾル送達装置の使用者は、喫煙者が伝統的なタイプの喫煙品を使用するのに非常に類似してその構成要素を保持して使用し、その部品によって生成されたエアロゾルを吸入するためにその部品の一端を吸い、選択された時間間隔で吸煙する、といったことができる。
【0069】
本明細書では、システムは一般に、いわゆる「電子タバコ」又は「タバコ加熱製品」などのエアロゾル送達装置及び/又はエアロゾル源部材に関連する実装態様に関して説明されるが、機構、構成要素、特徴及び方法は、多くの異なる形式で具体化でき、様々な物品に関連付けられ得ることを理解されたい。例えば、本明細書で提供される説明は、本明細書で開示される製品のいずれかについて、従来の喫煙品(例えば、シガレット、葉巻、パイプなど)、加熱式シガレット、及び関連するパッケージの実装態様と組み合わせて採用され得る。したがって、本明細書で開示される機構、構成要素、特徴及び方法の説明は、例としてのみエアロゾル送達装置に関連する実装態様に関して説明され、他の様々な製品及び方法で具現化及び使用できることを理解されたい。
【0070】
本開示のエアロゾル送達装置及び/又はエアロゾル源部材はまた、蒸気生成物品又は薬剤送達物品であるとして特徴付けられてもよい。したがって、そのような物品又は装置は、吸入可能な形態又は状態の1つ又は複数の物質(例えば、風味料及び/又は医薬活性成分)を提供するように、適合させることができる。例えば、吸入可能な物質は実質的に蒸気の形態(すなわち、臨界点より低い温度で気相にある物質)であってよい。別法として、吸入可能な物質はエアロゾルの形態(すなわち、気体の微細な固体粒子又は液滴の懸濁液)であってよい。簡潔にする目的で、本明細書で使用される「エアロゾル」という用語は、人間の吸入に適した形態又は種類の、可視か否かにかかわらず、また煙に類似していると考えられる形か否かにかかわらず、蒸気、ガス及びエアロゾルを含むことを意味する。吸入可能な物質の物理的形態は、必ずしも本発明の装置の性質によって限定されるものではなく、蒸気の状態又はエアロゾルの状態のいずれで存在するかに関しては、媒体の性質及び吸入可能な物質自体次第であり得る。いくつかの実装態様では、「蒸気」及び「エアロゾル」という用語は交換可能であり得る。したがって、簡潔にするために、本開示の態様を説明するために使用される「蒸気」及び「エアロゾル」という用語は、特に明記しない限り交換可能であると理解される。
【0071】
いくつかの実装態様では、本開示のエアロゾル送達装置は、電源(例えば、電力供給源)、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、電源から物品の他の構成要素、例えば個々に、又はマイクロコントローラの一部として、マイクロプロセッサへの電流の流れを制御することなどによって、発熱のための電力を作動させ、制御し、調整し、停止させるための手段)、加熱部材(例えば、電気抵抗加熱要素若しくは他の構成要素及び/又は誘導コイル若しくは他の関連構成要素及び/又は1つ若しくは複数の放射加熱要素)、及び十分に熱を加えた時にエアロゾルを生成することができる基材部分を含むエアロゾル源部材のいくつかの組み合わせを含んでもよい。様々な実装態様では、いくつかの実装態様ではハウジングと呼ばれることがある外側本体又はシェルの内部に、いくつかのこれらの構成要素を設けることができる。外側本体又はシェルの全体設計は様々であり得、エアロゾル送達装置の全体の大きさ及び形状を確立し得る外側本体のフォーマット又は構成は様々であり得る。他の構成も可能であるが、いくつかの実装態様では、紙巻きタバコ又は葉巻の形状に似た細長い本体は、単一の一体型ハウジングから形成されてもよく、又は細長いハウジングは、2つ以上の分離可能な本体から形成されてもよい。例えば、エアロゾル送達装置は、実質的に管状の形状であり得、したがって、従来の紙巻きタバコ又は葉巻の形状に類似し得る細長いシェル又は本体を含んでいてよい。一例では、エアロゾル送達装置の全構成要素が1つのハウジング又は本体の内部に収容されている。他の実装態様では、エアロゾル送達装置は、接合され分離可能な2つ以上のハウジングを含んでもよい。例えば、エアロゾル送達装置は、一端に1つ又は複数の再使用可能な構成要素(例えば、充電式電池及び/又は充電式スーパーキャパシタなどのアキュムレータ、及びその物品の動作を制御するための様々な電子機器)を収容するハウジングを備える制御本体を、他端にまたそれと取り外し可能に連結させて、使い捨ての部分を収容する外側本体又はシェル(例えば、使い捨てフレーバー含有エアロゾル源部材)を有することができる。
【0072】
他の実装態様では、本開示のエアロゾル源部材は、一般に、基材物質を加熱するように構成された着火可能な熱源を含んでもよい。基材物質及び/又は熱源の少なくとも一部は、外側ラップ、又は包装、ケーシング、構成要素、モジュール、部材などで覆われてもよい。エンクロージャの全体的な設計は可変であり、エアロゾル源部材の全体的なサイズと形状を画定するエンクロージャの形式又は構成も可変である。他の構成も可能であるが、いくつかの態様では、これらの実装態様の全体的な設計、サイズ、及び/又は形状は、従来の紙巻きタバコ又は葉巻のものに似ていることが望ましい場合がある。様々な態様では、熱源は、例えば、エアロゾル前駆体組成物に関連する基材物質、押出構造及び/又は基材、タバコ及び/又はタバコ関連材料、例えば、タバコから直接単離された、又は合成的に調製された、固体又は液体の形態(例えば、ビーズ、シート、細片、ラップ)などである、タバコに自然に見られる材料を含む基材物質をエアロゾル化するために熱を発生させることを可能にし得る。
【0073】
本開示のエアロゾル送達装置内の様々な基材物質、エアロゾル源部材、及び構成要素のより具体的なフォーマット、構成及び配置は、以下に提供されるさらなる開示に照らして明らかになるであろう。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置のことを考慮すると、様々なエアロゾル送達装置の構成要素の選択物が理解され得る。さらに、エアロゾル送達装置内の構成要素の配置はまた、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮すると、理解することができる。
【0074】
これに関して、
図1は、本開示の例示的な実装態様によるエアロゾル送達装置100を示す。エアロゾル送達装置100は、制御本体102及びエアロゾル源部材104を含んでもよい。様々な実装態様では、エアロゾル源部材104及び制御本体102は、機能的な関係で恒久的に又は取り外し可能に整列させてもよい。これに関して、
図1は、連結された構成のエアロゾル送達装置100を示し、一方で
図2は、分離された構成のエアロゾル送達装置100を示す。様々な機構がエアロゾル源部材104を制御本体102に接続して、ねじでの係合、圧入係合、締まり嵌め、摺動式嵌合、磁気係合などをもたらし得る。
【0075】
様々な実装態様で、本開示によるエアロゾル送達装置100は、限定はしないが、実質的に棒状、又は実質的に管状又は実質的に円筒状であると定義され得る全体の形状を含む、様々な全体の形状を有してもよい。
図1~
図2の実装態様では、装置100は、実質的に円形の断面を有する。しかしながら、他の断面の形状(例えば、楕円形、正方形、三角形などである)も本開示に包含される。例えば、いくつかの実装態様では、制御本体102又はエアロゾル源部材104(及び/又は任意の副次的構成要素)の一方又は両方は、実質的に直方体の形状(例えば、USBフラッシュドライブと類似)などの、実質的に長方形の形状を有してもよい。他の実装態様では、制御本体102又はエアロゾル源部材104(及び/又は任意の副次的構成要素)の一方又は両方は、他のハンドヘルド形状を有してもよい。例えば、いくつかの実装態様では、制御本体102は、小さい箱形状、様々なポッドモッド形状、又はフォブ形状を有することができる。したがって、物品の物理的形状を説明するそのような文言は、制御本体102及びエアロゾル源部材104を含む、その個々の構成要素にも適用され得る。
【0076】
本開示のエアロゾル送達装置内の構成要素の整列は、様々な実装態様にわたって変化し得る。いくつかの実装態様では、基材部分は、使用者へのエアロゾル送達を最大にするように、加熱部材に近接して配置させてもよい。しかしながら、他の構成は除外されない。一般に、加熱部材は、加熱部材からの熱が基材部分(同様にまた、いくつかの実装態様では、使用者への送達のために同様に提供され得る1つ又は複数の香味料、薬剤など)を揮発させ、使用者に送達するためのエアロゾルを形成することができるように、基材部分の十分に近くに配置させ得る。加熱部材が基材部分を加熱すると、エアロゾルが消費者による吸入に適した物理的形態で形成され、放出され、又は生成される。前述の用語は交換可能であることを意味し、そのため、放出する(release、releasing、releases)、放出したということへの言及は、形成する又は生成する(form又はgenerate、forming又はgenerating、forms又はgenerates)、形成した又は生成したということが含まれることに留意されたい。具体的には、吸入可能な物質は、蒸気又はエアロゾル又はそれらの混合物の形態で放出され、そのような用語はまた、特に指定されない限り、本明細書では交換可能に使用される。
【0077】
上述したように、様々な実装態様のエアロゾル送達装置100は、加熱部材の電力供給、制御システムの電力供給、インジケータの電力供給などの様々な機能をエアロゾル送達装置に設けるのに十分な電流を供給するために、電池及び/又は他の電源を組み込むことができる。以下でより詳細に説明するように、電源は様々な実装態様をとることができる。好ましくは、電源は、所望の持続時間にわたって使用することを通して、十分な電力を送達して、加熱部材を急速に作動させてエアロゾルの形成をもたらし、エアロゾル送達装置に電力を供給するのにすることができてもよい。いくつかの実装態様では、電源は、エアロゾル送達装置を容易に取り扱うことができるように、エアロゾル送達装置内に好適に収まるような大きさである。有用な電源の例には、好ましくは再充電可能なリチウムイオン電池(例えば、充電式リチウム-二酸化マンガン電池)が含まれる。特に、リチウムポリマー電池は、このような電池が安全性を高めることができるので、使用することができる。他の種類の電池、例えば、N50-AAA CADNICAニッケル-カドミウム電池も使用することができる。さらに、好ましい電源は、望ましい喫煙経験を損なわないように、十分に軽量である。可能な電源のいくつかの例は、Peckerarらの米国特許第9,484,155号明細書、及び2015年10月21日に出願されたSurらの米国特許出願公開第2017/0112191号明細書に記載されており、その開示は、各々の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0078】
特定の実装態様で、制御本体102及びエアロゾル源部材104の一方又は両方は、使い捨て可能である、又は再使用可能であると言及されることがある。例えば、制御本体102は、交換可能な電池又は充電式電池、固体電池、薄膜固体電池、充電式スーパーキャパシタなどを有してもよく、したがって、壁面充電器への接続、自動車の充電器(すなわち、シガーソケット)への接続、及びユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブル若しくはコネクタ(例えば、USB2.0、3.0、3.1、USB Type-C)などを介したコンピュータへの接続、光電池(太陽電池と呼ばれることもある)若しくは太陽電池のソーラーパネルへの接続、誘導無線充電(例えば、Wireless Power Consortium(WPC)からのQi無線充電規格による無線充電を含む)を使用する充電器などの無線充電器、又は無線周波数(RF)ベースの充電器を含む、任意の種類の充電技術と組み合わされてもよい。誘導無線充電システムの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Surらによる米国特許出願公開第2017/0112196号明細書に記載されている。さらに、いくつかの実装態様では、エアロゾル源部材104は、使い捨ての装置を含んでもよい。制御本体と共に使用するための使い捨ての構成要素は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Changらによる米国特許第8,910,639号明細書に開示されている。
【0079】
さらなる実装態様では、電源はまたコンデンサを備えてもよい。コンデンサは、電池よりも迅速に放電することができ、吸煙の間に充電することができ、電池を加熱部材に直接電力を供給するために使用する場合よりも低い速度でコンデンサに放電することを可能にする。例えば、スーパーキャパシタ、例えば電気二重層コンデンサ(EDLC)を、電池とは別個に、又は電池と組み合わせて使用することができる。単独で使用される場合、スーパーキャパシタは、物品の各々の使用前に再充電させてもよい。したがって、装置はまた、スーパーキャパシタを補充するために非使用時に喫煙品に取り付けることができる充電器構成要素を含むことができる。
【0080】
本開示のエアロゾル送達装置には、さらなる構成要素が利用されてもよい。例えば、エアロゾル送達装置は、消費者が物品(例えば、吸煙作動スイッチ)を吸引する際の圧力変化又は空気の流れの変化のいずれかに高感度な流量センサを含んでもよい。他の可能な電流作動/非作動の機構は、温度作動オン/オフスイッチ又はリップ圧力作動スイッチを含んでもよい。そのような吸煙作動能力を設けることができる例示的な機構は、イリノイ州フリーポートのHoneywell,Inc.のMicroSwitch部門によって製造されたモデル163PC01D36シリコンセンサを含む。エアロゾル送達装置用の様々なマイクロコントローラ、センサ、及びスイッチを含む代表的な流量センサ、電流調整構成要素及び他の電流制御構成要素は、Gerthらの米国特許第4,735,217号明細書、すべてがBrooksらの、米国特許第4,922,901号明細書、同第4,947,874号明細書及び同第4,947,875号明細書、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書、Nguyenらの米国特許第7,040,314号明細書及びPanの米国特許第8,205,622号明細書に記載されている。これらすべては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Ampoliniらの米国特許第9,423,152号明細書に記載されている制御スキームも参照される。
【0081】
別の例では、エアロゾル送達装置は、装置を保持する使用者の第1の身体部分に接触するように構成された第1の導電性表面と、第1の導電性表面から導電的に絶縁され、使用者の第2の身体部分に接触するように構成された第2の導電性表面とを含んでもよい。したがって、エアロゾル送達装置が第1の導電性表面と第2の導電性表面との間の導電性の変化を検出すると、気化装置が作動して物質を気化させ、その結果、蒸気が使用者保持ユニットによって吸入され得る。第1の本体部分及び第2の本体部分は、口唇又は手の一部であってもよい。2つの導電性表面はまた、パーソナル気化装置ユニットに含まれるバッテリを充電するために使用されてもよい。2つの導電性表面はまた、メモリに記憶されたデータを出力するために使用され得るコネクタを形成してもよく、又はその一部であってもよい。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Terryらによる米国特許第9,861,773号明細書について言及している。
【0082】
さらに、Sprinkelらの米国特許第5,154,192号明細書は、喫煙品のインジケータを開示している。Sprinkel.Jr.の米国特許第5,261,424号明細書は、装置の口端部に関連付けて、吸引に関連する使用者の唇の動きを検出し、次に加熱装置の加熱をトリガーすることができる圧電センサを開示している。McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書は、マウスピースを通る圧力降下に応答して加熱負荷アレイへのエネルギーの流れを制御するための吸煙センサを開示している。Harrisらの米国特許第5,967,148号明細書は、挿入された構成要素の赤外線透過率の不均一性を検出する識別子と、構成要素がレセプタクルに挿入されたら検出ルーチンを実行するコントローラとを含む喫煙装置のレセプタクルを開示している。Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書は、複数の差動フェーズの定義済みの実行可能パワーサイクルについて記載している。Watkinsらの米国特許第5,934,289号明細書は、フォトニックオプトロニックの構成要素を開示している。Countsらの米国特許第5,954,979号明細書は、喫煙装置を介して吸引抵抗を変更するための手段を開示している。Blakeらの米国特許第6,803,545号明細書は、喫煙装置で使用するための特定の電池構成を開示している。Griffenらの米国特許第7,293,565号明細書は、喫煙装置で使用するための様々な充電システムを開示している。Fernandoらの米国特許第8,402,976号明細書は、充電を容易にし、装置のコンピュータ制御を可能にするための喫煙装置のためのコンピュータインターフェース手段を開示している。Fernandoらの米国特許第8,689,804号明細書は、喫煙装置の識別システムを開示している。FlickによるWO2010/003480は、エアロゾル生成システムの吸煙を示す流体フロー検知システムを開示している。前述の開示のすべては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0083】
本装置で使用することができる電子エアロゾル送達物品及び開示材料又は構成要素に関連する構成要素のさらなる例は、Gerthらに対する米国特許第4,735,217号明細書;Morganらに対する米国特許第5,249,586号明細書;Higginsらに対する米国特許第5,666,977号明細書;Adamsらに対する米国特許第6,053,176号明細書;Whiteに対する第6,164,287号明細書;Vogesに対する米国特許第6,196,218号明細書;Felterらに対する米国特許第6,810,883号明細書;Nicholsに対する米国特許第6,854,461号明細書;Honに対する米国特許第7,832,410号明細書;Kobayashiに対する米国特許第7,513,253号明細書;Hamanoに対する米国特許第7,896,006号明細書;Shayanに対する米国特許第6,772,756号明細書;Honに対する米国特許第8,156,944号明細書及び8,375,957号明細書;Thorensらに対する米国特許第8,794,231号明細書;Oglesbyらに対する米国特許第8,851,083号明細書;Monseesらに対する第8,915,254号明細書及び 8,925,555;DePianoらに対する第9,220,302号明細書;Honに対する米国特許出願公開第2006/0196518号明細書及び第2009/0188490号明細書;Oglesbyらに対する米国特許出願公開第2010/0024834号明細書;Wangに対する米国特許出願公開第2010/0307518号明細書;Honに対するWO2010/091593;FooのWO2013/089551を含み、これらの各々は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。さらに、2015年10月13日に出願されたWormらの米国特許出願公開第2017/0099877号明細書は、エアロゾル送達装置及びエアロゾル送達装置用のフォブ形状構成に含まれ得るカプセルを開示しており、その全体が、参照により本明細書に組み込まれる。前述の文献によって開示された様々な材料は、様々な実装態様で本装置に組み込まれてもよく、前述の開示のすべては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0084】
図2を参照すると、図示の実装態様では、エアロゾル源部材104は、制御本体102に挿入されるように構成された加熱端部106と、使用者が吸引してエアロゾルを生成する口端部108とを含む。加熱端部106の少なくとも一部は、基材部分110を含むことができる。以下でより詳細に説明するように、様々な実装態様では、基材部分110は、再生セルロース繊維から少なくとも部分的に形成された不織ウェブを含む複合基材シートの一連の重なり合う層を含むことができる。様々な実装態様では、エアロゾル源部材104又はその一部は、外側オーバーラップ材料112に包まれてもよい。様々な実装態様では、エアロゾル源部材104の口端部108は、例えば、酢酸セルロース又はポリプロピレン材料で作製することができるフィルタ114を含むことができる。フィルタ114は、追加的又は代替的に、参照により全体が本明細書に組み込まれる、Rakerらに対する米国特許第5,025,814号明細書に記載されているようなタバコ含有材料のストランドを含有していてもよい。様々な実装態様では、フィルタ114は、エアロゾル源部材の口端部の構造的完全性を高め、及び/又は必要に応じて濾過能力を備え、及び/又は吸引抵抗を備えることができる。いくつかの実装態様では、フィルタは個別のセグメントを含むことができる。例えば、いくつかの実装態様は、濾過をもたらすセグメント、引き込み抵抗をもたらすセグメント、エアロゾルが冷却するための空間をもたらす中空セグメント、構造的完全性の向上をもたらすセグメント、他のフィルタセグメント、及び上記の任意の1つ又は任意の組み合わせを含むことができる。
【0085】
いくつかの実装態様では、外側オーバーラップ112の材料は、熱の伝達に抵抗する材料を含むことができ、それは紙又はセルロース材料などの他の繊維材料を含むことができる。外側オーバーラップ材料はまた、繊維材料の中に埋め込まれた又は分散された少なくとも1つの充填材料を含むことができる。様々な実装態様において、フィラー材料は、水不溶性粒子の形態を有してもよい。さらに、フィラー材料は、無機成分を組み込むことができる。様々な実装態様では、外側オーバーラップは、シガレットの典型的な包装紙などの、下にあるバルク層及び上にある層などの複数の層から形成されてもよい。そのような材料は、例えば、亜麻、麻、サイザル麻、稲わら、及び/又はエスパルトなどの軽量の「ラグ繊維」を含むことができる。外側オーバーラップはまた、酢酸セルロースなどの従来のシガレットのフィルタ要素に通常使用されている材料を含むことができる。さらに、エアロゾル源部材の口端部108での外側オーバーラップの過剰な長さは、以下に説明するように、基材部分110を消費者の口から単に分離するか、又はフィルタ材料を配置するための空間をもたらすか、物品への吸い込みに影響を与えるか、吸い込み中に装置を出る蒸気又はエアロゾルの流れの特性に影響を与えるように機能し得る。本開示と共に使用することができる外側オーバーラップ材料のための構成に関するさらなる議論は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Wormらの米国特許第9,078,473号明細書に見出すことができる。
【0086】
様々な実装態様では、基材部分110とエアロゾル源部材104の口端部108との間に他の構成要素が存在してもよい。例えば、いくつかの実装態様では、基材部分110とエアロゾル源部材104の口端部108との間に以下のうちの1つ又は任意の組み合わせが配置されてもよい:エアギャップ;中空管構造;冷却空気用相変化材料;香味放出媒体;選択的化学吸着が可能なイオン交換繊維;濾過材としてのエアロゲル粒子;及び他の適切な材料である。可能な相変化材料のいくつかの例には、AgNO 3、AlCl3、TaCl3、InCl3、SnCl2、AlI3、及びTiI4などの塩;セレン、スズ、インジウム、スズ-亜鉛、インジウム-亜鉛、インジウム-ビスマスなどの金属又は金属合金;D-マンニトール、コハク酸、p-ニトロ安息香酸、ハイドロキノン、アジピン酸などの有機化合物が含まれるが、これらに限定されない。他の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Potterらの米国特許第8,430,106号明細書に記載されている。
【0087】
以下でより詳細に説明するように、本開示は、エアロゾルを形成するために基材物質を加熱するために導電性及び/又は誘導性熱源と共に使用するように構成される。様々な実装態様では、導電性熱源は、抵抗加熱部材を含む加熱アセンブリを含むことができる。抵抗加熱部材は、電流が通電されると熱を発生するように構成されてもよい。抵抗加熱部材として有用な導電性材料は、低質量、低密度、及び中程度の抵抗率を有し、使用中に経験する温度で熱的に安定なものであり得る。有用な加熱部材は急速に加熱及び冷却され、したがってエネルギーの効率的な使用を提供する。部材の急速な加熱は、それに近接したエアロゾル前駆体材料のほぼ即時の揮発をもたらすために有益であり得る。急速な冷却は、エアロゾル形成が望ましくない期間中のエアロゾル前駆体材料の実質的な揮発(したがって廃棄)を防ぐ。そのような加熱部材はまた、特に時間ベースの電流制御が使用される場合、エアロゾル前駆体材料が受ける温度範囲の比較的正確な制御を可能にし得る。有用な導電性材料は、生成されるエアロゾル又は蒸気の風味又は含有量に悪影響を及ぼさないように、好ましくは、加熱される材料(例えば、エアロゾル前駆体材料及び他の吸入可能な物質材料)と化学的に非反応性である。導電性材料として使用され得るいくつかの例の非限定的な材料には、炭素、グラファイト、炭素/グラファイト複合材料、金属、金属及び非金属炭化物などのセラミック、窒化物、酸化物、ケイ化物、金属間化合物、サーメット、金属合金、及び金属箔が含まれる。特に、耐熱材料が有用であり得る。抵抗率、質量、及び熱伝導率の所望の特性を達成するために、様々な異なる材料を混合することができる。特定の実装態様では、利用することができる金属は、例えば、ニッケル、クロム、ニッケルとクロムの合金(例えば、ニクロム)、及び鋼を含む。抵抗加熱をもたらすのに有用であり得る材料は、Countsらの米国特許第5,060,671号明細書;Deeviらの第5,093,894号明細書;Deeviらの第5,224,498号明細書;Sprinkel Jr.らの第5,228,460号;Deeviらの第5,322,075号明細書;Deeviらの米国特許第5,353,813号明細書;Deeviらの米国特許第5,468,936号明細書;Dasの米国特許第5,498,850号;Dasの米国特許第5,659,656号明細書;Deeviらの米国特許第5,498,855号明細書;Hajaligolの米国特許第5,530,225号明細書;Hajaligolの米国特許第5,665,262号明細書;Dasらの米国特許第5,573,692号明細書;及びFleischhauerらの米国特許第5,591,368号明細書に記載されている。その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0088】
様々な実装態様では、加熱部材は、箔、発泡体、メッシュ、中空ボール、ハーフボール、ディスク、スパイラル、繊維、ワイヤ、フィルム、糸、ストリップ、リボン、又はシリンダの形態などの様々な形態で提供されてもよい。そのような加熱部材は、多くの場合、金属材料を含み、電流の通過に関連する電気抵抗の結果として熱を生成するように構成される。そのような抵抗加熱部材は、基材部分に近接して、及び/又は直接接触して配置されてもよい。例えば、一実装態様では、加熱部材は、制御本体102内に配置されたシリンダ又は他の加熱装置を含むことができ、シリンダは、銅、アルミニウム、白金、金、銀、鉄、鋼、真鍮、青銅、炭素(例えば、グラファイト)、又はそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない1つ又は複数の導電性材料で構成される。様々な実装態様では、加熱部材はまた、これら又は他の導電性材料のいずれかでコーティングされてもよい。加熱部材は、制御本体102の係合する端部に近接して配置されてもよく、基材部分110を含むエアロゾル源部材104の加熱端部106の一部を実質的に取り囲むように構成されてもよい。このようにして、加熱部材は、エアロゾル源部材が制御本体102に挿入されたときに、エアロゾル源部材104の基材部分110に近接して配置されてもよい。他の例では、加熱部材の少なくとも一部は、エアロゾル源部材が制御本体に挿入されたときに、エアロゾル源部材の少なくとも一部(例えば、エアロゾル源部材を貫通する1つ以上のプロング及び/又はスパイクなど)を貫通してもよい。
【0089】
以下でより詳細に説明するように、様々な実装態様では、複数の熱伝導性及び/又は導電糸を基材シートに一体化して、複合基材シートを作成することができる。様々な実装態様では、複合基材シートを使用して、エアロゾル源部材の基材部分を作成することができる。したがって、様々な実装態様では、加熱部材が加熱されると、熱伝導性及び導電性の糸は、基材部分内の熱伝導を増加させることができる。いくつかの実装態様では、加熱部材はシリンダを含むことができるが、他の実装態様では、加熱部材は様々な形態をとることができ、いくつかの実装態様では、基材部分と直接接触及び/又は貫通することができることに留意されたい。本開示に適用可能であり得る加熱部材のいくつかの例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月9日に出願された「Electronically Heated Heat-Not-Burn Smoking Article」と題する米国特許出願公開第15/916,834号明細書に見出せる。
【0090】
上述したように、本開示はまた、導電性熱源と共に使用するように構成されることに加えて、エアロゾルを形成するために基材部分を加熱するために誘導熱源と共に使用するように構成されてもよい。様々な実装態様では、誘導熱源は、共振送信機及び共振受信機(例えば、サセプター)を備えることができる共振トランスフォーマを備えることができる。いくつかの実装態様では、共振送信機及び共振受信機は、制御本体102に配置されてもよい。他の実装態様では、共振受信機又はその一部は、エアロゾル源部材104に配置されてもよい。例えば、いくつかの実装態様では、制御本体102は、例えば、箔材料、コイル、シリンダ、又は振動磁場を生成するように構成された他の構造を含むことができる共振送信機と、基材部分内に延びるか、又は基材部分によって囲まれた1つ又は複数のプロングを含むことができる共振受信機とを含むことができる。
【0091】
他の実装態様では、共振送信機は、エアロゾル源部材、特にエアロゾル源部材の基材部分が収容されるキャビティを囲むように構成されたらせんコイルを備えてもよい。いくつかの実装態様では、らせんコイルは、装置の外壁と収容キャビティとの間に配置されてもよい。一実装態様では、コイルの巻線は、円形断面形状を有することができる。しかしながら、他の実装態様では、コイルの巻線は、楕円形、長方形、L字形、T字形、三角形、及びそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない様々な他の断面形状を有することができる。別の実装態様では、ピンは、収容キャビティの一部の中に延在してもよく、ピンは、ピンの周り又は中にコイル構造を含めることなどによって、共振送信機を備えてもよい。様々な実装態様では、エアロゾル源部材は、収容キャビティ内に収容されてもよく、エアロゾル源部材の1つ又は複数の構成要素が共振受信機として機能し得る。共振送信機及び共振受信機を含む他の可能な共振トランスフォーマ構成要素は、2017年10月31日に出願された、「Induction Heated Aerosol Delivery Device」と題された米国特許出願公開第15/799,365号明細書に記載されている。その全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0092】
上述のように、様々な実装態様では、基材部分110は、再生セルロース繊維から少なくとも部分的に形成された不織ウェブを含む複合基材シートの一連の重なり合う層を含むことができる。非限定的な例として、適切な再生セルロース繊維は、木材(例えば、ユーカリの木)、草(例えば、竹)、綿、及び他の植物系材料などの任意の様々なセルロース含有材料から調製されたビスコース繊維であり得る。繊維を形成するために使用される材料の種類に加えて、本明細書に開示される基材シートは、繊維の物理的構造に少なくとも部分的に起因して望ましい特性を示し得る。繊維(特に押出繊維)が中実であり、実質的に円形の断面を有することが一般的である。このような構造の繊維はまた、本発明の基材シートに含まれ得るが(例えば、ブレンドとして)、基材シートが多葉断面を有する繊維を含むことは特に有用であり得る。例えば、本基材シートは、基材中に存在する繊維の総重量に基づいて、約25%以上、約50%以上、約60%以上、約75%以上、約90%以上、又は約99%以上の量の多葉繊維を含み得る。いくつかの実装態様では、不織ウェブは、限定はしないが、麻繊維及び/又は他の植物繊維、例えば亜麻、サイザル麻、稲わら、及び/又はエスパルト繊維を含むことができる。
【0093】
前述の値は、例えば、基材シートを形成するのに使用されるすべての繊維が多葉繊維である、100%重量の固有の最大値を有することを理解されたい。いくつかの実装態様では、多葉繊維は、基材シートに存在する繊維の総重量に基づいて、基材シートの重量の約25%~約100%、約50%~約100%、又は約90%~約100%を構成し得る。「多葉繊維」及び「多葉断面を有する繊維」という用語は、交換可能であることを意図していることを理解されたい。いくつかの実装態様では、多葉繊維は、断面において、共通の基部又はハブ(通常、繊維の断面のほぼ中央部分にある)を含み、そこから少なくとも3つの葉又はスポークが延在する繊維であり得る。多葉繊維は、少なくとも一組の隣接する延長部が180度未満の角度を形成し、それによって繊維に沿って長手方向に延びる1つ又は複数のチャネルを画定するように、3つ以上の延長部を有する繊維としてさらに定義することができる。多葉繊維の非限定的な例を
図3に示す。
【0094】
図3に見られるように、多葉繊維200は、中央ハブ204から延びる複数の葉202を含み、隣接する葉は、隣接する葉の間にチャネル206を形成するように180度未満の角度αを有する。多葉繊維の葉は、様々な形状を有することができる。例えば、いくつかの実装態様では、複数の葉は、隣接する葉の間に複数のチャネルを依然として形成しながら、実質的に丸みを帯びていてもよい。別の実装態様では、多葉繊維は、より多くの葉、したがって隣接する葉の間により多くのチャネルがあることを可能にするように実質的に細長い断面を有することができる。葉の数は様々であり得、例えば、3~30、3~20、又は3~10であり得る。同様に、同じ繊維内の葉間の間隔及び葉のサイズは変化し得る。多葉繊維は、好ましくは、その液体処理特性をさらに改善することができる表面特徴を含むことができる。
図3に見られるように、複数の葉202は、繊維の液体保持及び/又は液体移送能力をさらに高めることができるマイクロチャネル又はナノチャネルを形成する複数の条痕210を有する外面208を含む。同様にストリップされ、本開示に従って特に有用であり得る多葉繊維の具体例は、Kelheim FibresからGALAXY(R)の商標名で販売されている繊維である。
【0095】
本開示による基材シートは、不織繊維の単層から形成することができる。繊維の層は、湿式法及び乾式法(例えば、カーディング法又はエアレイド法)などの任意の適切な方法によって形成することができる。好ましくは、基材の形成に利用される繊維はステープル繊維である。必要に応じて、典型的にセルロースエステルと共に使用され得る結合剤などの結合剤が使用され得る。結合剤は、開示されたリザーバの形成に使用される繊維に凝集効果を付与する材料であると理解される。例えば、結合剤は、繊維が互いに、又は不織布リザーバに含まれるさらなる繊維材料に結合するように、繊維を部分的に可溶化する材料であり得る。使用することができるいくつかの例示的な結合剤には、ポリ酢酸ビニル(PVA)結合剤、デンプン、及びトリアセチンが含まれる。いくつかの実装態様では、ニードルパンチ又は繊維を絡み合わせるための他の機械的工程(例えば、水流交絡)などの代替手段によって凝集性を提供することができる。したがって、基材シートは、ニードルパンチ工程を行う前には存在しないように繊維が絡み合っているという点で、ニードルパンチされた基材である実際の物理的構造によって定義することができる。したがって、「ニードルパンチされた」という用語は、工程ではなく基材の物理的状態を指すと理解される。同様に、「水流交絡」という用語は、工程ではなく基材の物理的状態を指すと理解される。言い換えれば、水流交絡は、基材が改質され得る工程であるが、水流交絡された基材は、水流交絡工程を行う前には存在しない繊維の絡み合いによって少なくとも部分的に画定される材料である。1つ又は複数の実装態様では、本明細書に記載の基材は、複数の層を含むことができる。例えば、同じ組成を有する2つ以上の層を組み合わせることができる。別法として、異なる組成の2つ以上の層を組み合わせてもよい。いくつかの実装態様では、基材シートは、不織繊維の1つ又は複数の層を含むことができることに留意されたい。さらに他の実装態様では、基材シートは、織布及び/又は織布と不織布との組み合わせを含むことができる。
【0096】
様々な実装態様では、複数の導電糸が不織ウェブに一体化されて複合基材シートを作成する。いくつかの実装態様では、糸は、限定はしないが、アルミニウム、鋼(例えば、ステンレス鋼)、白金、金、銀、鉄、真鍮、青銅、銅、炭素、グラファイト、又はそれらの任意の組み合わせを含む熱伝導性及び/又は導電性材料で構築することができる。様々な実装態様では、導電糸は、様々な異なる方法を使用して不織ウェブに一体化されてもよい。例えば、一実装態様では、複数の導電糸は、ステッチの技術を使用して不織ウェブに一体化されてもよい。他の実装態様では、導電糸は、調整された繊維配置(TFP)技術を使用して不織ウェブに一体化されてもよい。例えば、ドイツのWinterlingenのFilacon Technologies及びミシガン州HighlandのLayStitch Technologiesから入手可能な調整された繊維配置技術プラットフォームを参照されたい。また、Gesslerらの米国特許第7,942,993号明細書及びJoernらの米国特許出願公開第2010/0126652号明細書を参照されたい。これらの各々は、参照によりその全体が組み込まれる。他の実装態様では、複数の導電糸は、ステッチボンディング法を使用して不織ウェブに一体化されてもよい。ステッチ、レイステッチング、及び/又はステッチボンディングの方法が利用される様々な実装態様では、多層の複合織布を得るために1つ又は複数の追加の層を含めることができることに留意されたい。例えば、一実装態様では、不織布、織布又はこれら2つの混合物は、特定の香味を有するものなどの再構成シートと組み合わせることができ、別の種類の香味を含むコーティングスラリーを塗布する前に、金属糸/繊維と組み合わせることができる。
【0097】
上述したように、いくつかの実装態様では、複合基材シートは、例えば繊維産業でも使用される、慣習的なCNC制御の自動縫製及び刺繍機での調整された繊維配置工程に従って、製造することができる。例えば、調整された繊維配置工程中に、1つ又は複数の導電糸が、針及び糸によってベース材料(例えば、不織ウェブ)に縫い付けられてもよく、これはフレームに保持されてもよく、各導電糸(又は複数の糸)は、この縫製技術を使用して不織布に縫い付けられる。様々な実装態様では、導電糸は、様々な方向及び幾何学的設計で配置されてもよい。本発明の生成物の形成に適合することができるいくつかの例示的な機械は、LayStitch Technologiesから市販されている。様々な調整された繊維配置(TFP)技術に関するさらなる議論は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Sebastianらの米国特許第9,386,800号明細書にて見出すことができる。
【0098】
導電糸が不織ウェブに一体化される方法とは無関係に様々な実装態様では、導電糸のパターン及び/又は配向は変化し得る。
図4は、本開示の例示的な実装態様による、導電糸が一体化された不織ウェブの概略図である。特に、
図4は、不織ウェブ122と、それと一体化された複数の導電糸124とを含む複合基材シート120を示す。上述したように、様々な実装態様では、糸は様々な異なる構成を有することができ、図示の実装態様では、導電糸124は実質的に直線状及び平行なパターンで配置される。さらに、図示の実装態様の導電糸124は
、不織ウェブ122
の長手方向と実質的に整列しているが、他の実装態様では他の向きも可能である。
【0099】
様々な実装態様では、不織ウェブ及び一体型導電糸は、コーティングでコーティングされてもよい。いくつかの実装態様では、コーティングは、以下の成分:タバコ又は非タバコ材料を含む繊維材料、結合剤材料、燃焼遅延剤、エアロゾル前駆体組成物、及び香味料のうちの1つ又は複数を含み得る。様々な実装態様では、様々な成分のそれぞれの量は変化してもよいが、一実装態様では、コーティングは、10%未満の結合剤材料、5%未満の難燃材料、及び少なくとも10%~50%超のエアロゾル前駆体組成物を含んでもよい。そのような実装態様では、繊維材料の量及び香味料の量は、特定の用途に基づいて調整することができる。
【0100】
いくつかの実装態様において、エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル前駆体組成物(例えば、プロピレングリコール、グリセリンなどの保湿剤)及び/又は少なくとも1つの風味剤、さらに熱源によるエアロゾル送達構成要素の点火、熱分解、燃焼及び/又は焦げを防止するのを促すように構成された難燃剤(例えば、リン酸二アンモニウム及び/又は別の塩)を組み込むために処理、製造、生産及び/又は加工されたタバコ、タバコの構成要素及び/又はタバコ由来材料を含み得る。タバコを喫煙品に組み込むための様々な方式及び方法、特にそれらの喫煙品内部の実質的にすべてのタバコを意図的に燃焼させないように設計された喫煙品は、Brooksらに対する米国特許第4,947,874号明細書;Cantrellらに対する米国特許第7,647,932号明細書;Robinsonらに対する米国特許第8,079,371号明細書;Banerjeeらに対する米国特許第7,290,549号明細書;及びCrooksらに対する米国特許出願公開第2007/0215167号明細書に記載されている;これらの開示は、全体が参照により、本明細書に組み込まれる。
【0101】
いくつかの実装態様では、エアロゾル生成構成要素に含めることができるその他の難燃剤及び添加剤は、有機リン化合物、ホウ砂、水和アルミナ、グラファイト、トリポリリン酸カリウム、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール及びポリオールを含み得る。窒素含有ホスホン酸、リン酸モノアンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、臭化アンモニウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸エタノールアンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、ハロゲン化有機化合物、チオ尿素及び酸化アンチモンなどの他のものがまた使用できる。エアロゾル生成構成要素及び/又は他の構成要素(単独で又は互いに及び/又は他の材料と組み合わせて)に使用される難燃剤及び/又は焦げ抑制性材料の各態様において、望ましい特性は、好ましくは、望ましくないオフガス又は化学反応型、又は溶融タイプの動作なしに、設けられる。追加の香味剤、香味剤、添加剤、及び他の可能な増強成分は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Phillipsらの米国特許出願公開第15/707,461号明細書に記載されている。
【0102】
様々な実装態様において、繊維材料は、粉砕させたタバコ材料を含んでもよい。本開示において有用であり得るタバコ材料は様々であり得、例えば、熱気送管乾燥黄色種のタバコ、バーレー種タバコ、オリエンタルタバコ又はメリーランドタバコ、ダークタバコ、暗色火干タバコ、及びルスティカタバコなどのタバコ、他の希少な、又は特別なタバコ、又はそれらのブレンドを含むことができる。タバコ材料はまた、加工されたタバコの茎(例えば、切断して巻かれた又は切断して膨化された茎)、体積膨張タバコ(例えば、好ましくはカットフィラーの形態のドライアイス発泡タバコ(DIET)などの吸煙タバコ)、再構成タバコ(例えば、製紙型又はキャストシート型方法を使用して製造された再構成タバコ)などの、いわゆる「ブレンドされた」形態及び加工した形態を含むことができる。様々な代表的なタバコの種類、加工された種類のタバコ、及びタバコのブレンドの種類は、Lawsonらへの米国特許4,836,224号明細書;Perfettiらに対する第4,924,888号明細書;Brownらに対する第5,056,537号明細書;Brinkleyらに対する第5,159,942号明細書;Gentryらに対する第5,220,930号明細書;Blakleyらに対する第5,360,023号明細書;Shaferらに対する第6,701,936号明細書;Liらに対する第7,011,096号明細書;及びLiらに対する第7,017,585号明細書;Lawsonらに対する第7,025,066号明細書;Perfettiらに対する米国特許出願公開第2004/0255965号明細書;Beremanに対するWO02/37990;及びBombickら、Fund.Appl.Toxicol.,39,p.11-17(1997)に記載されている;これらは、全体が参照により本明細書に組み込まれる。有用であり得るタバコ組成物のさらなる例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Robinsonらの米国特許第7,726,320号明細書に開示されている。いくつかの実装態様では、粉砕タバコ材料は、風味豊かで芳香性のタバコのブレンドを含んでもよい。別の実装態様では、タバコの材料は、Pryorらに対する米国特許第4,807,809号明細書、Pryorらに対する米国特許第4,889,143号明細書及びRakerに対する米国特許第5,025,814号明細書に記載されているような、再構成されたタバコの材料を含み得る。これらの開示は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。さらに、再構成されたタバコの材料には、Chemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco,R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)に記載されている種類のタバコ用の再構成されたタバコ用の紙が含まれ得る。その内容は、全体を参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0103】
いくつかの実装態様では、繊維材料は、麻、亜麻、サイザル麻、稲わら、エスパルト、及び/又はセルロースパルプ材料を含むがこれらに限定されない植物由来の非タバコ材料を含み得る。様々な他の実装態様では、繊維材料は、それ自体で又は他の繊維材料と組み合わせて、再構成タバコを含むことができる。キャスティング及び製紙技術を含む、いくつかの例示的な再構成されたタバコシートを提供するための方式及び方法は、Keritsisらの米国特許第4,674,519号明細書;Clappらの米国特許第4,941,484号明細書;Youngらの米国特許第4,987,906号明細書;Kiernanらの米国特許第4,972,854号明細書;Youngらの米国特許第5,099,864号明細書;Sohnらの米国特許第5,143,097号明細書;Brinkleyらの米国特許第5,159,942号明細書;Brinkleyらの米国特許第5,322,076号明細書;Youngらの米国特許第5,339,838号明細書;Litzingerらの米国特許第5,377,698号明細書;Youngらの米国特許第5,501,237号明細書;及びKumarの米国特許第6,216,707号明細書に記載されている。その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。場合によっては、特定の種類の再構成タバコなどの加工タバコを、長手方向に延びるストランドとして使用することができる。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Rakerによる米国特許第5,025,814号明細書に記載されている構成の種類を参照されたい。さらに、特定の種類の再構成タバコシートを、所望の構成に形成、圧延、又は収集することができる。さらに他の実装態様では、繊維材料は、様々なタイプの無機繊維(例えば、繊維ガラス、金属ワイヤ/スクリーンなど)及び/又は(有機)合成ポリマーを含んでもよい。様々な実装態様では、これらの「繊維状」材料は、構造化されていない(例えば、タバコキャストシート中のセルロース繊維のようにランダムに分布している)又は構造化されている(例えば、ワイヤメッシュ)可能性がある。
【0104】
上述したように、様々な実装態様では、コーティングは、不織布に含まれる任意の結合剤材料に加えて、又はその代わりとすることができる結合剤材料を含むことができる。好ましい結合剤材料は、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸カリウム及びアルギン酸ナトリウムなどのアルジネートを含み得る。アルジネート、特に高粘度アルジネートは、制御されたレベルの遊離カルシウムイオンと組み合わせて使用することができる。他の適切な結合剤材料には、Aqualon Co.のKlucel Hなどのヒドロキシプロピルセルロース;The Dow Chemical Co.のMethocel K4MSなどのヒドロキシプロピルメチルセルロース;Aqualon Co.のNatrosol 250MRCSなどのヒドロキシエチルセルロース;FMCのAvicelなどの微結晶セルロース;The Dow Chemical Co.のMethocel A4Mなどのメチルセルロース;Hercules Inc.のCMC 7HF及びCMC 7H4Fなどのカルボキシメチルセルロースナトリウムが含まれる。さらに他の可能なバインダー材料には、デンプン(例えば、コーンスターチ)、グアーガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、ペクチン及びキサンタンガムが含まれる。いくつかの実装態様では、2つ以上の結合剤材料の組み合わせ又はブレンドを使用することができる。結合剤材料の他の例は、例えば、Jakobらに対する米国特許第5,101,839号明細書;及びRakerらに対する米国特許第4,924,887号明細書において記載されており、これらの文献のそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。いくつかの実装態様では、エアロゾル形成材料は、結合剤材料(例えば、アルギン酸プロピレングリコール)の一部として設けられてもよい。さらに、いくつかの実装態様では、結合剤材料は、タバコ又は他のバイオマスに由来するナノセルロースを含み得る。いくつかの他の実装態様では、結合剤はシクロデキストリンを含み得る。
【0105】
上述したように、コーティングはまた、難燃材料を含んでもよい。そのような材料の一例は、リン酸アンモニウムである。いくつかの実装態様では、他の難燃剤物質及び添加剤は、基材シートの中に含まれてもよく、有機リン化合物、ホウ砂、水和アルミナ、グラファイト、トリポリリン酸カリウム、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール及びポリオールに含めることができる。窒素含有ホスホン酸、リン酸モノアンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、臭化アンモニウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸エタノールアンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、ハロゲン化有機化合物、チオ尿素及び酸化アンチモンなどの他のものがまた使用できる。基材物質及び/又は他の構成要素(単独で又は互いに及び/又は他の材料と組み合わせて)に使用される難燃剤及び/又は焦げ抑制性材料の各態様において、望ましい特性は、好ましくは、望ましくないオフガス又は溶融タイプの動作なしに設けられる。タバコを喫煙品に組み込むための様々な方式及び方法、特にそれらの喫煙品内部の実質的にすべてのタバコを意図的に燃焼させないように設計された喫煙品は、Brooksらに対する米国特許第4,947,874号明細書;Cantrellらに対する米国特許第7,647,932号明細書;Robinsonらに対する米国特許第8,079,371号明細書;Banerjeeらに対する米国特許第7,290,549号明細書;及びCrooksらに対する米国特許出願公開第2007/0215167号明細書に記載されている;これらの開示は、全体が参照により、本明細書に組み込まれる。追加の添加剤、及び他の可能な増強成分は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Phillipsらの米国特許出願公開第15/707,461号明細書に記載されている。
【0106】
上述のように、コーティングはまた、エアロゾル前駆体組成物を含んでもよい。いくつかの実装態様では、エアロゾル前駆体組成物は、グリセリン又はプロピレングリコールを含んでもよい。好ましいエアロゾル形成材料には、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、及びトリエチレングリコール)及び/又は水、また目に見えるエアロゾルを生じる任意の他の材料、さらにそれらの任意の組み合わせが含まれる。エアロゾル形成材料の代表的なタイプは、Sensabaugh,Jr.らに対する米国特許第4,793,365号明細書;Jakobらに対する米国特許第5,101,839号明細書;Biggsらに対するWO98/57556;及びChemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco,R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)に記載されている;これらは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。他の代表的な種類のエアロゾル前駆体構成要素及び配合物もまた、Robinsonらに対する米国特許第7,726,320号明細書、及びCollettらに対する第8,881,737号明細書、Chongらに対する第9,254,002号明細書及びZhengらに対する米国特許出願公開第2013/0008457号明細書、Lipowiczらに対する第2015/0020823号明細書;及びKollerに対する第2015/0020830号明細書、さらにBowenらに対するWO2014/182736に記載及び特徴付けられており、これらの開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。使用され得る他のエアロゾル前駆体としては、R.J.Reynolds Vapor CompanyによるVUSE(R)の製品、Fontem Ventures B.V.によるBLU(商標)の製品、Mistic EcigsによるMISTIC MENTHOLの製品、Nu Mark LLCによるMARK TENの製品、Juul Labs,Inc.によるJUULの製品、及びBritish American TobaccoによるVYPEの製品に組み込まれているエアロゾル前駆体が挙げられる。Johnson Creek Enterprises LLCから入手可能な電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース」も所望である。さらに別の例のエアロゾル前駆体組成物は、BLACK NOTE、COSMIC FOG、THE MILKMAN E-LIQUID、FIVE PAWNS、THE VAPOR CHEF、VAPE WILD、BOOSTED、THE STEAM FACTORY、MECH SAUCE、CASEY JONES MAINLINE RESERVE、MITTEN VAPORS、DR.CRIMMY’S V-LIQUID、SMILEY E LIQUID、BEANTOWN VAPOR、CUTTWOOD、CYCLOPS VAPOR、SICBOY、GOOD LIFE VAPOR、TELEOS、PINUP VAPORS、SPACE JAM、MT.BAKER VAPOR、及びJIMMY THE JUICE MANという商品名で販売されている。発泡性材料の実装態様は、エアロゾル前駆体組成物と共に使用することができ、例として、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Huntらの米国特許出願公開第2012/0055494号明細書に記載されている。さらに、発泡性材料を使用することは、例えば、Niaziらの米国特許第4,639,368号明細書;Wehlingらの米国特許第5,178,878号明細書;Wehlingらの米国特許第5,223,264号明細書;Patherらの米国特許第6,974,590号明細書;Bergquistらの米国特許第7,381,667号明細書;CrawfordらNo.8,424,541号明細書;Stricklandらの米国特許第8,627,828号明細書;及びSunらの米国特許第9,307,787号明細書;また、Brinkleyらの米国特許出願公開第2010/0018539号明細書及びJohnsonらのPCT WO97/06786に記載されている。これらのすべては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。タバコ又はその中に含まれるタバコに由来する成分の説明を含む、エアロゾル前駆体組成物の実装態様に関するさらなる説明は、それぞれ2016年7月21日に出願された、それぞれDavisらに対するものである米国特許出願公開第15/216,582号明細書及び第15/216,590号に規定されており、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0107】
上述のように、コーティングはまた、香味料を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「香味料」への言及は、エアロゾル化して使用者に送達することができ、味及び/又は香りに関して感覚的体験を与える化合物又は構成要素を指す。香味料のいくつかの例には、バニリン、エチルバニリン、クリーム、茶、コーヒー、果実(例えば、リンゴ、サクランボ、イチゴ、モモ及びライム及びレモンを含む柑橘類フレーバー)、メープル、メントール、ミント、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、ナツメグ、クローブ、ラベンダー、カルダモン、ショウガ、蜂蜜、アニス、セージ、ローズマリー、ハイビスカス、ローズヒップ、イェルバ・マテ、グアユーサ、ハニーブッシュ、ルイボス、イェルバ・サンタ、バコパ・モンニエラ(bacopa monniera)、イチョウ、ウィナニア・ソムニフェラ(withania somnifera)、シナモン、サンダルウッド、ジャスミン、カスカリラ、ココア、甘草、さらに紙巻きタバコ、葉巻、及びパイプタバコの香味料に従来使用されている種類及び特徴の香味料及び香味パッケージが含まれるが、これらに限定されない。高フルクトースコーンシロップなどのシロップも使用することができる。適切であり得る植物由来の組成物のいくつかの例は、いずれもDubeらに対するものである、米国特許第9,107,453号明細書及び米国特許出願公開第2012/0152265号明細書に開示されており、これらの開示は、全体が参照により本明細書に組み込まれている。そのようなさらなる構成要素の選択は、喫煙品に望まれる感覚特性などの要因に基づいて可変であり、本開示は、タバコ及びタバコ関連又はタバコ由来の製品の当業者に容易に明らかである任意のそのようなさらなる構成要素を包含することが意図される。例えば、Gutcho,Tobacco Flavoring Substances and Methods,Noyes Data Corp.(1972)及びLeffingwell et al.,Tobacco Flavoring for Smoking Products(1972)を参照されたい。その開示は、全体が参照により本明細書に組み込まれている。香味料への言及は、上記のような単一の香味料に限定されるべきではなく、実際には、1つ又は複数の香味料の組み合わせを表すことができることに留意されたい。
【0108】
したがって、様々な実装態様では、複数の導電糸が一体化されたコーティングされた不織ウェブを含むコーティングされた複合基材シートを作成することができる。様々な実装態様では、エアロゾル源部材の一部であり得る基材部分として、1つ以上の複合基材シートを使用することができる。
図5は、本開示の例示的な実装態様による、エアロゾル源部材の斜視概略図を示す。特に、
図5は、複合基材シート120の一連の重なり合う層130を含む基材部分110を有するエアロゾル源部材104を示す。上記の説明を参照すると、図示の実装態様では、複合基材シート120は、多葉断面を有する再生セルロース繊維から少なくとも部分的に形成された不織ウェブと、不織ウェブに組み込まれた複数の導電糸とを含む。様々な実装態様では、重なり合う層はまた、「ギャザードウェブ」と考えることができる。図示の実装態様は層の比較的整然とした配置を示しているが、様々な実装態様では、「重なり合う層」及び「ギャザードウェブ」という用語はまた、個々の層が明らかではない場合がある、束ねられた、しわのついた、及び/又は他の様式で集められた層を含むことができることに留意されたい。
【0109】
図示の実装態様では、一連の重なり合う層130内の複数の導電糸124は、それらが基材部分110の長手方向軸と実質的に整列するように配向される。しかしながら、他の実装態様では、複数の導電糸は、任意の向きを有してもよい。例えば、いくつかの実装態様では、一連の重なり合う層の複数の導電糸は、基材部分110の長手方向軸に対して実質的に垂直な向きを有することができる。他の実装態様では、一連の重なり合う層内の複数の導電糸は、基材部分110の長手方向軸に対して任意の角度で実質的に横方向である配向を有することができる。例えば、いくつかの実装態様では、一連の重なり合う層の複数の導電糸は、基材部分110の長手方向軸に対して約45°の角度、又は約135°の角度、又は約45°未満の任意の角度、又は約45°~約135°の任意の角度、又は約135°を超える任意の角度で実質的に横断してもよい。他の実装態様では、複数の導電糸はパターンを含むことができる。例えば、いくつかの実装態様では、複数の導電糸は、導電糸の交差するパターン(例えば、実質的に垂直に交差するパターン又は実質的に菱形の交差するパターン)を含むことができる。そのような実装態様では、導電糸の交差するパターンは、上述したのと同様に、基材部分110の長手方向軸に対する配向を有することができる。
【0110】
いくつかの実装態様では、基材部分は、単に複合基材シートの重なり合う層を含んでもよいが、他の実装態様では、重なり合う層の少なくとも一部は、1つ以上のカバー層で覆われてもよい。例えば、
図6は、本開示の例示的な実装態様による、エアロゾル源部材の基材部分の概略断面図を示す。特に、
図6は、複合基材シート120の一連の重なり合う層130を含む基材部分110を示す。図示の実装態様では、重なり合う層130の少なくとも一部は、第1のカバー層132でその外面の周りに実質的に囲まれている。様々な実装態様では、第1のカバー層132の組成は変化してもよいが、図示の実装態様では、第1のカバー層132は、繊維材料、エアロゾル前駆体組成物、及び結合剤材料の組み合わせを含む。可能な繊維材料、エアロゾル前駆体組成物、及び結合剤材料に関する上記の考察を参照する。
【0111】
様々な実装態様では、第1のカバー層132は、その開示が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Seymourらの米国特許第5,697,385号明細書に記載されているようなキャスティング工程によって構築する。例えば、いくつかの実装態様では、繊維材料、エアロゾル前駆体組成物及び結合剤を一緒にブレンドしてスラリーを形成してもよく、これを表面(例えば、移動ベルトなど)にキャストしてもよい。次いで、キャストスラリーは、結果が比較的一貫した厚さのキャストシートとなるように、1つ又は複数の乾燥及び/又はドクターステップを経ることができる。キャスティング及び製紙技術の他の例は、Keritsisらの米国特許第4,674,519号明細書;Clappらの米国特許第4,941,484号明細書;Youngらの米国特許第4,987,906号明細書;Kiernanらの米国特許第4,972,854号明細書;Youngらの米国特許第5,099,864号明細書;Sohnらの米国特許第5,143,097号明細書;Brinkleyらの米国特許第5,159,942号明細書;Brinkleyらの米国特許第5,322,076号明細書;Youngらの米国特許第5,339,838号明細書;Litzingerらの米国特許第5,377,698号明細書;Youngらの米国特許第5,501,237号明細書;及びKumarの米国特許第6,216,706号明細書に記載されている。その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0112】
図示の実装態様では、重なり合う層130の少なくとも一部及び第1のカバー層132は、第2のカバー層134で外面の周りに実質的に囲まれている。第2のカバー層134の組成は変化し得るが、図示の実装態様では、第2のカバー層134は、アルミニウム箔材料などの金属箔材料を含む。他の実装態様では、第2のカバー層は、銅材料、スズ材料、金材料、グラフェン材料、グラファイト材料若しくは他の熱伝導性炭素系材料、及び/又はそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない他の材料を含むことができる。図示の実装態様は、その外面の周りで重なり合う層130、第1のカバー層132、及び第2のカバー層134を実質的に取り囲む第3のカバー層136をさらに含む。図示の実装態様では、第3のカバー層136は、従来のシガレット包装紙などの紙材料を含む。様々な実装態様では、紙材料は、木でない植物の繊維といったラグ繊維を含むことができ、亜麻、麻、サイザル麻、稲わら、及び/又はエスパルト繊維を含むことができる。
【0113】
いくつかの実装態様では、エアロゾル源部材及び制御本体は、一般に完全な喫煙品又は医薬送達品として一緒に提供され得るが、構成要素は別々に提供されてもよい。例えば、本開示はまた、再使用可能な喫煙品又は再使用可能な医薬送達品と共に使用するための使い捨てユニットを包含する。特定の実装態様では、そのような使い捨てユニット(添付の図に示すようなエアロゾル源部材であってもよい)は、再利用可能な喫煙品又は医薬送達品と係合するように構成された加熱端部と、吸入可能物質の消費者への通過を可能にするように構成された対向する口端部と、外面及び内部空間を画定する内面を備える壁とを有する、実質的に管状の形状体を含むことができる。エアロゾル源部材(又はカートリッジ)の様々な実装態様は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Wormらの米国特許第9,078,473号明細書に記載されている。
【0114】
本明細書に記載のいくつかの図は、作動関係にある制御本体及びエアロゾル源部材を示しているが、制御本体及びエアロゾル源部材は、個々の装置として存在してもよいことが理解される。したがって、組み合わせた構成要素に関連して本明細書で別途提供されるいずれかの説明はまた、個別の別個の構成要素として制御本体及びエアロゾル源部材に適用されるものとして理解されるべきである。
【0115】
別の態様では、本開示は、本明細書に記載の様々な構成要素を提供するキットを対象とし得る。例えば、キットは、1つ以上のエアロゾル源部材を有する制御本体を含んでもよい。キットは、1つ以上の充電構成要素を有する制御本体をさらに含んでもよい。キットは、1つ以上のバッテリを有する制御本体をさらに備えてもよい。キットは、1つ以上のエアロゾル源部材と、1つ以上の充電構成要素及び/又は1つ以上の電池とを有する制御本体をさらに備えてもよい。さらなる実装態様では、キットは、複数のエアロゾル源部材を含んでもよい。キットは、複数のエアロゾル源部材と、1つ以上の電池及び/又は1つ以上の充電構成要素とをさらに含んでもよい。上記の実装態様では、エアロゾル源部材又は制御本体には、それを含む加熱部材が設けられてもよい。本発明のキットは、1つ以上のさらなるキット構成要素を収容するケース(又は他の包装、運搬、若しくは保管構成要素)をさらに含み得る。ケースは、再使用可能な硬質又は軟質の容器であり得る。さらに、ケースは、単に箱又は他の包装構造であってもよい。
【0116】
図7は、本開示の別の例示的な実装態様によるエアロゾル源部材の斜視図を示し、
図8は、外側ラップが取り外された
図7のエアロゾル源部材の斜視図を示す。特に、
図7は、外側ラップ302を含むエアロゾル源部材300を示し、
図8は、外側ラップ302が除去されてエアロゾル源部材300の他の構成要素を剥き出しにしているエアロゾル源部材300を示す。図示の実装態様では、図示の実装態様のエアロゾル源部材300は、熱源304、基材部分310、中間構成要素308、及びフィルタ312を含む。図示の実装態様では、中間構成要素308及びフィルタ312は一緒にマウスピース314を構成する。以下でより詳細に説明するように、様々な実装態様では、基材部分310は、再生セルロース繊維から少なくとも部分的に形成された不織ウェブを含む複合基材シートの一連の重なり合う層を含むことができる。
【0117】
本開示によるエアロゾル送達装置及び/又はエアロゾル源部材は、以下に詳細に説明するように、様々な実装態様をとることができるが、消費者によるエアロゾル送達装置及び/又はエアロゾル源部材を使用する範囲は、類似している。エアロゾル送達装置及び/又はエアロゾル源部材を使用することの前述の説明は、わずかな修正を通して説明される様々な実装態様に適用することができる。実装態様は、本明細書で提供されるさらなる開示に照らして当業者に明らかである。しかしながら、上記の使用説明は、本開示の物品の使用を限定することを意図するものではなく、本明細書が開示しているすべての必要な要件を満たすために提示されている。
【0118】
様々な実装態様では、熱源304は、その点火時に熱を生成するように構成され得る。図示の実装態様では、熱源304は、略円筒形状を有し、可燃性炭素質材料を組み込んだ可燃性燃料要素を含む。他の実装態様では、熱源304は、異なる形状、例えば、立方体又は六角形の断面を有するプリズム形状を有することができる。炭素質材料は一般に炭素含有量が多い。好ましい炭素質材料は、主に炭素から構成され得て、及び/又は典型的には、乾燥重量ベースで、約60パーセントを超える、一般に約70パーセントを超える、しばしば約80パーセントを超える、多くの場合約90パーセントを超える炭素含有量を有することができる。
【0119】
場合によっては、熱源304は、可燃性炭素質材料以外の要素(例えば、粉末タバコ又はタバコ抽出物などのタバコの構成要素;風味剤;塩化ナトリウム、塩化カリウム及び炭酸ナトリウムなどの塩;熱安定性グラファイト繊維;酸化鉄粉末;ガラスフィラメント;粉末炭酸カルシウム;アルミナ顆粒;アンモニア塩などのアンモニア源;及び/又はグアーガム、アルギン酸アンモニウム及びアルギン酸ナトリウムなどの結合剤)を組み込んでもよい。適用可能な熱源の特定の寸法は異なり得るが、図示の実装態様では、熱源304は、約7mm~約20mmの包括的な範囲の長さを有し、いくつかの実装態様では、約17mmであり得、全直径約3mm~約8mmの包括的な範囲で、一部の実装態様では約4.8mm(一部の実装態様では約7mm)になる場合がある。他の実装態様では、熱源は様々な方法で構築することができるが、図示の実装態様では、熱源304は、粉砕又は粉末化した炭素質材料を使用して押出又は配合され、乾燥時の重量ベースで、約0.5g/cm3を超え、しばしば約0.7g/cm3を超え、多くの場合約1g/cm3を超える密度を有する。例えば、Riggsらに対する米国特許第5,551,451号明細書及びBorschkeらに対する米国特許第7,836,897号明細書に記載されている、燃料源構成要素、配合及び設計のタイプを参照されたい。それらの文献は、全体が本明細書に参照により組み込まれる。様々な実装態様において、熱源は、例えば、実質的に中実の円筒形状又は中空円筒(例えば、管)の形状を含む、様々な形態を有し得るが、図示の実装態様の熱源304は、押出されたモノリシック炭素質材料を含む。これは、略円筒形であるが、押出されたモノリシック炭素質材料の第1の端から押出されたモノリシック炭素質材料の反対側の第2の端まで長手方向に延びる複数の溝316を有する。いくつかの実装態様では、エアロゾル送達装置、特に熱源は、熱伝達構成要素を含んでもよい。様々な実装態様では、熱伝達構成要素は熱源に近接していてもよく、いくつかの実装態様では、熱伝達構成要素は熱源内又は熱源内部に配置されてもよい。熱伝達構成要素のいくつかの例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月16日に出願され、「Smoking Article with Heat Transfer Component」と題する米国特許出願公開第15/923,735号明細書に記載されている。
【0120】
図示の実装態様では、熱源304の溝316は、幅と深さが実質的に等しく、熱源304の円周の周りに実質的に等しく分布しているが、他の実装態様はわずか2つの溝を含み得、さらに他の実装態様は、単一の溝を含み得る。さらに他の実装態様は、溝をまったく含まなくてもよい。追加の実装態様は複数の溝を含んでもよく、この溝は幅及び/又は深さが等しくなくてもよく、熱源の周囲に不等の間隔で配置されてもよい。さらに他の実装態様では、熱源は、押出されたモノリシック炭素質材料の第1の端から反対側の第2の端まで長手方向に延びるフルート及び/又はスリットを含むことができる。いくつかの実装態様では、熱源は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Lobovskyに対する米国特許第7,615,184号明細書に開示されているタイプの発泡工程で形成された発泡カーボンモノリスを含むことができる。したがって、いくつかの実装態様は、熱源を点火するのにかかる時間の短縮に関して利点をもたらす可能性がある。他のいくつかの実装態様では、熱源は、断熱材の層(図示せず)と共押出しすることができ、それにより、製造時間及び費用を削減させる。燃料要素の他の実装態様には、Brooksらに対する米国特許第4,922,901号明細書に記載されているタイプの炭素繊維を含み、又はTakeuchiらに対する米国特許出願公開第2009/0044818号明細書に開示されているような他の熱源実装態様を含み、これらの各々は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0121】
一般に、熱源は、1つ又は複数のエアロゾル化可能構成要素を含むエアロゾル送達構成要素(例えば、基材部分)の十分近くに配置され、そのため、熱源からエアロゾル化可能構成要素(及び、使用者への送達のために同様に供給される任意の香味料、薬剤など)からの熱の適用によって形成/揮発したエアロゾルは、マウスピースを介して使用者に送達可能である。すなわち、熱源が基材部分を加熱すると、エアロゾルが消費者による吸入に適した物理的形態で形成され、放出され、又は生成される。前述の用語は交換可能であることを意味し、そのため、放出する(release、releasing、releases)、放出したということへの言及は、形成する又は生成する(form又はgenerate、forming又はgenerating、forms又はgenerates)、形成した又は生成したということが含まれることに留意されたい。具体的には、吸入可能な物質は、蒸気又はエアロゾル又はそれらの混合物の形で放出される。さらに、様々なエアロゾル送達装置要素の選択は、本開示の背景技術のセクションに記載されている代表的な製品などの市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して評価される。
【0122】
図7及び
図8に戻って参照すると、外側ラップ302は、熱源304の少なくとも一部を基材部分310及びマウスピース314の少なくとも一部に係合するか、そうでなければ共に加わるために設けられ得る。様々な実装態様では、外側ラップ302は、外側ラップ302が巻き位置に留まることを可能にするために、接着剤又はファスナーなどを含む任意の方法で巻き位置に保持されるように構成される。そうでなければ、いくつかの他の態様では、外側ラップ302は、所望であれば取り外し可能であるように構成されてもよい。例えば、外側ラップ302を巻き付け位置に保持すると、外側ラップ302を熱源304、基材部分310、及び/又はマウスピース314から取り外すことができる。
【0123】
いくつかの実装態様では、外側ラップ302に加えて、エアロゾル送達装置はまた、基材部分310及び熱源304の少なくとも一部に外接するように構成されたライナを含んでもよい。他の実装態様では、ライナは基材部分310の長さの一部のみに外接することができるが、いくつかの実装態様では、ライナは基材部分310の実質的に全長に外接することができる。いくつかの実装態様では、外側ラップ材料302は、ライナを含み得る。したがって、いくつかの実装態様では、外側ラップ材料302及びライナは、共に設けられる(例えば、結合、融合、又は他の方法でラミネートとして一緒に接合される)別個の材料であり得る。他の実装態様では、外側ラップ302及びライナは、同じ材料であってよい。いずれにしても、ライナは、点火された熱源304によって生成された熱の伝導をライナの半径方向外側に熱で調整するように構成され得る。したがって、いくつかの実装態様では、ライナは、金属箔材料、グラフェン材料、グラファイト材料又は他の熱伝導性炭素系材料及び/又はアルミニウム材料で構成でき、いくつかの実装態様では、ラミネートを含み得る。いくつかの実装態様では、外側ラップ302及び/又はライナの材料に応じて、薄い断熱材の層をライナの半径方向外側に設けることができる。したがって、ライナは、いくつかの態様では、エアロゾル源部材300の2つ以上の別個の構成要素(例えば、熱源304、基材部分310及び/又はマウスピース314の一部など)を係合する方法を有利に提供することができるが、一方でそれに沿って軸方向に熱伝達を促進しながらも半径方向外側の熱伝導を制限する方法も提供する。
【0124】
図7に示すように、外側ラップ302(及び必要に応じてライナ及び基材部分310)はまた、マウスピース314を吸引すると空気が入れるように形成された1つ又は複数の開口部を含むことができる。様々な実装態様において、これらの開口部のサイズ及び数は、特定の設計要件に基づいて変化し得る。図示の実装態様では、複数の開口部320が、熱源304に最も近い基材部分310の端部に近接して配置され、複数の別個の冷却開口部321が、マウスピース314のフィルタ312に近接する領域内の外側ラップ302(いくつかの実装態様では、ライナも)に形成される。他の実装態様は異なっていてもよいが、図示の実装態様では、開口部320は、エアロゾル源部材300の外面の周りに実質的に均等に間隔を置いて配置された複数の開口部を含み、開口部321はまた、エアロゾル源部材300の外面の周りに実質的に均等に間隔を置いて配置された複数の開口部を含む。様々な実装態様において、複数の開口部は、様々な方法で外側ラップ302(いくつかの実装態様ではライナも)を貫通して形成されてもよいが、図示の実装態様において、複数の開口部320及び複数の別個の冷却開口部321は、レーザ穿孔によって形成される。
【0125】
図示の実装態様では、エアロゾル源部材300は、対向する第1及び第2の端を有する基材部分310を含み、第1の端は熱源304に近接して配置される。図示の実装態様は、一方の基材部分のみを含むが、他の実装態様は、基材部分310の第2の端に近接して配置された第2の基材部分などの別個の基材部分を含んでもよい。他の実装態様では、追加の基材部分を含めることができる。以下により詳細に説明するように、様々な実装態様において、基材部分310は、複合基材シートの一連の重なり合う層を含むことができる。
【0126】
上述のように、様々な実装態様では、基材部分310は、再生セルロース繊維から少なくとも部分的に形成された不織ウェブを含む複合基材シートの一連の重なり合う層を含むことができる。非限定的な例として、適切な再生セルロース繊維は、木材(例えば、ユーカリの木)、草(例えば、竹)、綿、及び他の植物系材料などの任意の様々なセルロース含有材料から調製されたビスコース繊維であり得る。繊維を形成するために使用される材料の種類に加えて、本明細書に開示される基材シートは、繊維の物理的構造に少なくとも部分的に起因して望ましい特性を示し得る。繊維(特に押出繊維)が中実であり、実質的に円形の断面を有することが一般的である。このような構造の繊維はまた、本発明の基材シートに含まれ得るが(例えば、ブレンドとして)、基材シートが多葉断面を有する繊維を含むことは特に有用であり得る。例えば、本基材シートは、基材中に存在する繊維の総重量に基づいて、約25%以上、約50%以上、約60%以上、約75%以上、約90%以上、又は約99%以上の量の多葉繊維を含み得る。いくつかの実装態様では、不織ウェブは、限定はしないが、麻繊維及び/又は他の植物繊維、例えば亜麻、サイザル麻、稲わら、及び/又はエスパルト繊維を含むことができる。
【0127】
前述の値は、例えば、基材シートを形成するのに使用されるすべての繊維が多葉繊維である、100%重量の固有の最大値を有することを理解されたい。いくつかの実装態様では、多葉繊維は、基材シートに存在する繊維の総重量に基づいて、基材シートの重量の約25%~約100%、約50%~約100%、又は約90%~約100%を構成し得る。「多葉繊維」及び「多葉断面を有する繊維」という用語は、交換可能であることを意図していることを理解されたい。いくつかの実装態様では、多葉繊維は、断面において、共通の基部又はハブ(通常、繊維の断面のほぼ中央部分にある)を含み、そこから少なくとも3つの葉又はスポークが延在する繊維であり得る。多葉繊維は、少なくとも一組の隣接する延長部が180度未満の角度を形成し、それによって繊維に沿って長手方向に延びる1つ又は複数のチャネルを画定するように、3つ以上の延長部を有する繊維としてさらに定義することができる。多葉繊維の非限定的な例を
図9に示す。
【0128】
図9に見られるように、多葉繊維400は、中央ハブ404から延びる複数の葉402を含み、隣接する葉は、隣接する葉の間にチャネル406を形成するように180度未満の角度βを有する。多葉繊維の葉は、様々な形状を有することができる。例えば、いくつかの実装態様では、複数の葉は、隣接する葉の間に複数のチャネルを依然として形成しながら、実質的に丸みを帯びていてもよい。別の実装態様では、多葉繊維は、より多くの葉、したがって隣接する葉の間により多くのチャネルがあることを可能にするように実質的に細長い断面を有することができる。葉の数は様々であり得、例えば、3~30、3~20、又は3~10であり得る。同様に、同じ繊維内の葉間の間隔及び葉のサイズは変化し得る。多葉繊維は、好ましくは、その液体処理特性をさらに改善することができる表面特徴を含むことができる。
図9に見られるように、複数の葉402は、繊維の液体保持及び/又は液体移送能力をさらに高めることができるマイクロチャネル又はナノチャネルを形成する複数の条痕410を有する外面408を含む。同様にストリップされ、本開示に従って特に有用であり得る多葉繊維の具体例は、Kelheim FibresからGALAXY(R)の商標名で販売されている繊維である。
【0129】
本開示による基材シートは、不織繊維の単層から形成することができる。繊維の層は、湿式法及び乾式法(例えば、カーディング法又はエアレイド法)などの任意の適切な方法によって形成することができる。好ましくは、基材の形成に利用される繊維はステープル繊維である。必要に応じて、典型的にセルロースエステルと共に使用され得る結合剤などの結合剤が使用され得る。結合剤は、開示されたリザーバの形成に使用される繊維に凝集効果を付与する材料であると理解される。例えば、結合剤は、繊維が互いに、又は不織布リザーバに含まれるさらなる繊維材料に結合するように、繊維を部分的に可溶化する材料であり得る。使用することができるいくつかの結合剤の例には、ポリ酢酸ビニル(PVA)結合剤、デンプン、及びトリアセチンが含まれる。いくつかの実装態様では、ニードルパンチ又は繊維を絡み合わせるための他の機械的工程(例えば、水流交絡)などの代替手段によって凝集性を提供することができる。したがって、基材シートは、ニードルパンチ工程を行う前には存在しないように繊維が絡み合っているという点で、ニードルパンチされた基材である実際の物理的構造によって定義することができる。したがって、「ニードルパンチされた」という用語は、工程ではなく基材の物理的状態を指すと理解される。同様に、「水流交絡」という用語は、工程ではなく基材の物理的状態を指すと理解される。言い換えれば、水流交絡は、基材が改質され得る工程であるが、水流交絡された基材は、水流交絡工程を行う前には存在しない繊維の絡み合いによって少なくとも部分的に画定される材料である。1つ又は複数の実装態様では、本明細書に記載の基材は、複数の層を含むことができる。例えば、同じ組成を有する2つ以上の層を組み合わせることができる。別法として、異なる組成の2つ以上の層を組み合わせてもよい。いくつかの実装態様では、基材シートは、不織繊維の1つ又は複数の層を含むことができることに留意されたい。さらに他の実装態様では、基材シートは、織布及び/又は織布と不織布との組み合わせを含むことができる。
【0130】
様々な実装態様では、複数の導電糸が不織ウェブに一体化されて複合基材シートを作成する。いくつかの実装態様では、糸は、限定はしないが、アルミニウム、鋼(例えば、ステンレス鋼)、白金、金、銀、鉄、真鍮、青銅、銅、炭素、グラファイト、又はそれらの任意の組み合わせを含む熱伝導性及び/又は導電性材料で構築することができる。様々な実装態様では、導電糸は、様々な異なる方法を使用して不織ウェブに一体化されてもよい。例えば、一実装態様では、複数の導電糸は、ステッチの技術を使用して不織ウェブに一体化されてもよい。他の実装態様では、導電糸は、調整された繊維配置(TFP)技術を使用して不織ウェブに一体化されてもよい。例えば、ドイツのWinterlingenのFilacon Technologies及びミシガン州HighlandのLayStitch Technologiesから入手可能な調整された繊維配置技術プラットフォームを参照されたい。また、Gesslerらの米国特許第7,942,993号明細書及びJoernらの米国特許出願公開第2010/0126652号明細書を参照されたい。これらの各々は、参照により、その全体が組み込まれる。他の実装態様では、複数の導電糸は、ステッチボンディング法を使用して不織ウェブに一体化されてもよい。
【0131】
上述したように、いくつかの実装態様では、複合基材シートは、例えば繊維産業でも使用される、慣習的なCNC制御の自動縫製及び刺繍機での調整された繊維配置工程に従って、製造することができる。例えば、調整された繊維配置工程中に、1つ又は複数の導電糸が、針及び糸によってベース材料(例えば、不織ウェブ)に縫い付けられてもよく、これはフレームに保持されてもよく、各導電糸(又は複数の糸)は、この縫製技術を使用して不織布に縫い付けられる。様々な実装態様では、導電糸は、様々な方向及び幾何学的設計で配置されてもよい。本発明の生成物の形成に適合することができるいくつかの機械の例は、LayStitch Technologiesから市販されている。様々な調整された繊維配置(TFP)技術に関するさらなる議論は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Sebastianらの米国特許第9,386,800号明細書にて見出すことができる。
【0132】
導電糸が不織ウェブに一体化される方法とは無関係に様々な実装態様では、導電糸のパターン及び/又は配向は変化し得る。
図10は、本開示の例示的な実装態様による、導電糸が一体化された不織ウェブの概略図である。特に、
図10は、不織ウェブ322と、それと一体化された複数の導電糸324とを含む複合基材シート320を示す。上述したように、様々な実装態様では、糸は様々な異なる構成を有することができ、図示の実装態様では、導電糸324は実質的に直線状及び平行なパターンで配置される。さらに、図示の実装態様の導電糸324は
、不織ウェブ322
の長手方向と実質的に整列しているが、他の実装態様では他の向きも可能である。
【0133】
様々な実装態様では、不織ウェブ及び一体型導電糸は、コーティングでコーティングされてもよい。いくつかの実装態様では、コーティングは、以下の成分:タバコ又は非タバコ材料を含む繊維材料、結合剤材料、燃焼遅延剤、エアロゾル前駆体組成物、及び香味料のうちの1つ又は複数を含み得る。様々な実装態様では、様々な成分のそれぞれの量は変化してもよいが、一実装態様では、コーティングは、10%未満の結合剤材料、5%未満の難燃材料、及び少なくとも10%~50%超のエアロゾル前駆体組成物を含んでもよい。そのような実装態様では、繊維材料の量及び香味料の量は、特定の用途に基づいて調整することができる。
【0134】
いくつかの実装態様において、エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル前駆体組成物(例えば、プロピレングリコール、グリセリンなどの保湿剤)及び/又は少なくとも1つの風味剤、さらに熱源によるエアロゾル送達構成要素の点火、熱分解、燃焼及び/又は焦げを防止するのを促すように構成された難燃剤(例えば、リン酸二アンモニウム及び/又は別の塩)を組み込むために処理、製造、生産及び/又は加工されたタバコ、タバコの構成要素及び/又はタバコ由来材料を含み得る。タバコを喫煙品に組み込むための様々な方式及び方法、特にそれらの喫煙品内部の実質的にすべてのタバコを意図的に燃焼させないように設計された喫煙品は、Brooksらに対する米国特許第4,947,874号明細書;Cantrellらに対する米国特許第7,647,932号明細書;Robinsonらに対する米国特許第8,079,371号明細書;Banerjeeらに対する米国特許第7,290,549号明細書;及びCrooksらに対する米国特許出願公開第2007/0215167号明細書に記載されている;これらの開示は、全体が参照により、本明細書に組み込まれる。
【0135】
いくつかの実装態様では、エアロゾル生成構成要素に含めることができるその他の難燃剤及び添加剤は、有機リン化合物、ホウ砂、水和アルミナ、グラファイト、トリポリリン酸カリウム、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール及びポリオールを含み得る。窒素含有ホスホン酸、リン酸モノアンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、臭化アンモニウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸エタノールアンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、ハロゲン化有機化合物、チオ尿素及び酸化アンチモンなどの他のものがまた使用できる。エアロゾル生成構成要素及び/又は他の構成要素(単独で又は互いに及び/又は他の材料と組み合わせて)に使用される難燃剤及び/又は焦げ抑制性材料の各態様において、望ましい特性は、好ましくは、望ましくないオフガス又は化学反応型、又は溶融タイプの動作なしに、設けられる。追加の香味剤、香味剤、添加剤、及び他の可能な増強成分は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Phillipsらの米国特許出願公開第15/707,461号明細書に記載されている。
【0136】
様々な実装態様において、繊維材料は、粉砕させたタバコ材料を含んでもよい。本開示において有用であり得るタバコ材料は様々であり得、例えば、熱気送管乾燥黄色種のタバコ、バーレー種タバコ、オリエンタルタバコ又はメリーランドタバコ、ダークタバコ、暗色火干タバコ、及びルスティカタバコなどのタバコ、他の希少な、又は特別なタバコ、又はそれらのブレンドを含むことができる。タバコ材料はまた、加工されたタバコの茎(例えば、切断して巻かれた又は切断して膨化された茎)、体積膨張タバコ(例えば、好ましくはカットフィラーの形態のドライアイス発泡タバコ(DIET)などの吸煙タバコ)、再構成タバコ(例えば、製紙型又はキャストシート型方法を使用して製造された再構成タバコ)などの、いわゆる「ブレンドされた」形態及び加工した形態を含むことができる。様々な代表的なタバコの種類、加工された種類のタバコ、及びタバコのブレンドの種類は、Lawsonらへの米国特許4,836,224号明細書;Perfettiらに対する第4,924,888号明細書;Brownらに対する第5,056,537号明細書;Brinkleyらに対する第5,159,942号明細書;Gentryらに対する第5,220,930号明細書;Blakleyらに対する第5,360,023号明細書;Shaferらに対する第6,701,936号明細書;Liらに対する第7,011,096号明細書;及びLiらに対する第7,017,585号明細書;Lawsonらに対する第7,025,066号明細書;Perfettiらに対する米国特許出願公開第2004/0255965号明細書;Beremanに対するWO02/37990;及びBombickら、Fund.Appl.Toxicol.,39,p.11-17(1997)に記載されている;これらは、全体が参照により本明細書に組み込まれる。有用であり得るタバコ組成物のさらなる例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Robinsonらの米国特許第7,726,320号明細書に開示されている。いくつかの実装態様では、粉砕タバコ材料は、風味豊かで芳香性のタバコのブレンドを含んでもよい。別の実装態様では、タバコの材料は、Pryorらに対する米国特許第4,807,809号明細書、Pryorらに対する米国特許第4,889,143号明細書及びRakerに対する米国特許第5,025,814号明細書に記載されているような、再構成されたタバコの材料を含み得る。これらの開示は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。さらに、再構成されたタバコの材料には、Chemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco,R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)に記載されている種類のタバコ用の再構成されたタバコ用の紙が含まれ得る。その内容は、全体を参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0137】
いくつかの実装態様では、繊維材料は、麻、亜麻、サイザル麻、稲わら、エスパルト、及び/又はセルロースパルプ材料を含むがこれらに限定されない植物由来の非タバコ材料を含み得る。様々な他の実装態様では、繊維材料は、それ自体で又は他の繊維材料と組み合わせて、再構成タバコを含むことができる。キャスティング及び製紙技術を含む、再構成されたタバコシートを提供するための方式及び方法のいくつかの例は、Keritsisらの米国特許第4,674,519号明細書;Clappらの米国特許第4,941,484号明細書;Youngらの米国特許第4,987,906号明細書;Kiernanらの米国特許第4,972,854号明細書;Youngらの米国特許第5,099,864号明細書;Sohnらの米国特許第5,143,097号明細書;Brinkleyらの米国特許第5,159,942号明細書;Brinkleyらの米国特許第5,322,076号明細書;Youngらの米国特許第5,339,838号明細書;Litzingerらの米国特許第5,377,698号明細書;Youngらの米国特許第5,501,237号明細書;及びKumarの米国特許第6,216,707号明細書に記載されている。その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。場合によっては、特定の種類の再構成タバコなどの加工タバコを、長手方向に延びるストランドとして使用することができる。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Rakerによる米国特許第5,025,814号明細書に記載されている構成の種類を参照されたい。さらに、特定の種類の再構成タバコシートを、所望の構成に形成、圧延、又は収集することができる。さらに他の実装態様では、繊維材料は、様々なタイプの無機繊維(例えば、繊維ガラス、金属ワイヤ/スクリーンなど)及び/又は(有機)合成ポリマーを含んでもよい。様々な実装態様では、これらの「繊維状」材料は、構造化されていない(例えば、タバコキャストシート中のセルロース繊維のようにランダムに分布している)又は構造化されている(例えば、ワイヤメッシュ)可能性がある。
【0138】
上述したように、様々な実装態様では、コーティングは、不織布に含まれる任意の結合剤材料に加えて、又はその代わりとすることができる結合剤材料を含むことができる。好ましい結合剤材料は、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸カリウム及びアルギン酸ナトリウムなどのアルジネートを含み得る。アルジネート、特に高粘度アルジネートは、制御されたレベルの遊離カルシウムイオンと組み合わせて使用することができる。他の適切な結合剤材料には、Aqualon Co.のKlucel Hなどのヒドロキシプロピルセルロース;The Dow Chemical Co.のMethocel K4MSなどのヒドロキシプロピルメチルセルロース;Aqualon Co.のNatrosol 250MRCSなどのヒドロキシエチルセルロース;FMCのAvicelなどの微結晶セルロース;The Dow Chemical Co.のMethocel A4Mなどのメチルセルロース;Hercules Inc.のCMC 7HF及びCMC 7H4Fなどのカルボキシメチルセルロースナトリウムが含まれる。さらに他の可能なバインダー材料には、デンプン(例えば、コーンスターチ)、グアーガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、ペクチン及びキサンタンガムが含まれる。いくつかの実装態様では、2つ以上の結合剤材料の組み合わせ又はブレンドを使用することができる。結合剤材料の他の例は、例えば、Jakobらに対する米国特許第5,101,839号明細書;及びRakerらに対する米国特許第4,924,887号明細書において記載されており、これらの文献のそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。いくつかの実装態様では、エアロゾル形成材料は、結合剤材料(例えば、アルギン酸プロピレングリコール)の一部として設けられてもよい。さらに、いくつかの実装態様では、結合剤材料は、タバコ又は他のバイオマスに由来するナノセルロースを含み得る。いくつかの他の実装態様では、結合剤はシクロデキストリンを含み得る。
【0139】
上述したように、コーティングはまた、難燃材料を含んでもよい。そのような材料の一例は、リン酸アンモニウムである。いくつかの実装態様では、他の難燃剤物質及び添加剤は、基材シートの中に含まれてもよく、有機リン化合物、ホウ砂、水和アルミナ、グラファイト、トリポリリン酸カリウム、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール及びポリオールに含めることができる。窒素含有ホスホン酸、リン酸モノアンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、臭化アンモニウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸エタノールアンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、ハロゲン化有機化合物、チオ尿素及び酸化アンチモンなどの他のものがまた使用できる。基材物質及び/又は他の構成要素(単独で又は互いに及び/又は他の材料と組み合わせて)に使用される難燃剤及び/又は焦げ抑制性材料の各態様において、望ましい特性は、好ましくは、望ましくないオフガス又は溶融タイプの動作なしに設けられる。タバコを喫煙品に組み込むための様々な方式及び方法、特にそれらの喫煙品内部の実質的にすべてのタバコを意図的に燃焼させないように設計された喫煙品は、Brooksらに対する米国特許第4,947,874号明細書;Cantrellらに対する米国特許第7,647,932号明細書;Robinsonらに対する米国特許第8,079,371号明細書;Banerjeeらに対する米国特許第7,290,549号明細書;及びCrooksらに対する米国特許出願公開第2007/0215167号明細書に記載されている;これらの開示は、全体が参照により、本明細書に組み込まれる。追加の添加剤、及び他の可能な増強成分は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Phillipsらの米国特許出願公開第15/707,461号明細書に記載されている。
【0140】
上述のように、コーティングはまた、エアロゾル前駆体組成物を含んでもよい。いくつかの実装態様では、エアロゾル前駆体組成物は、グリセリン又はプロピレングリコールを含んでもよい。好ましいエアロゾル形成材料には、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、及びトリエチレングリコール)及び/又は水、また目に見えるエアロゾルを生じる任意の他の材料、さらにそれらの任意の組み合わせが含まれる。エアロゾル形成材料の代表的なタイプは、Sensabaugh,Jr.らに対する米国特許第4,793,365号明細書;Jakobらに対する米国特許第5,101,839号明細書;Biggsらに対するPCT特許公開WO98/57556;及びChemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco,R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)に記載されている;これらは、参照によりその全体が、本明細書に組み込まれる。他の代表的な種類のエアロゾル前駆体成分及び配合物もまた、Robinsonらに対する米国特許第7,726,320号明細書、Collettらの第8,881,737号明細書;及びChongらの第9,254,002号明細書;及びZhengらの米国特許出願公開第2013/0008457号明細書;Lipowiczらの第2015/0020823号明細書;及びKollerの第2015/0020830号明細書、さらにBowenらWO2014/182736に記載及び特徴付けられており、これらの開示は参照により本明細書に組み入れられる。使用され得る他のエアロゾル前駆体としては、R.J.Reynolds Vapor CompanyによるVUSE(R)の製品、Fontem Ventures B.V.によるBLU(商標)の製品、Mistic EcigsによるMISTIC MENTHOLの製品、Nu Mark LLCによるMARK TENの製品、Juul Labs,Inc.によるJUULの製品、及びBritish American TobaccoによるVYPEの製品に組み込まれているエアロゾル前駆体が挙げられる。Johnson Creek Enterprises LLCから入手可能な電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース」も所望である。さらに別の例のエアロゾル前駆体組成物は、BLACK NOTE、COSMIC FOG、THE MILKMAN E-LIQUID、FIVE PAWNS、THE VAPOR CHEF、VAPE WILD、BOOSTED、THE STEAM FACTORY、MECH SAUCE、CASEY JONES MAINLINE RESERVE、MITTEN VAPORS、DR.CRIMMY’S V-LIQUID、SMILEY E LIQUID、BEANTOWN VAPOR、CUTTWOOD、CYCLOPS VAPOR、SICBOY、GOOD LIFE VAPOR、TELEOS、PINUP VAPORS、SPACE JAM、MT.BAKER VAPOR、及びJIMMY THE JUICE MANという商品名で販売されている。発泡性材料の実装態様は、エアロゾル前駆体組成物と共に使用することができ、例としてその全体が参照により本明細書に組み込まれる、Huntらの米国特許出願公開第2012/0055494号明細書に記載されている。さらに、発泡性材料を使用することは、例えば、Niaziらの米国特許第4,639,368号明細書;Wehlingらの米国特許第5,178,878号明細書;Wehlingらの米国特許第5,223,264号明細書;Patherらの米国特許第6,974,590号明細書;Bergquistらの米国特許第7,381,667号明細書;CrawfordらNo.8,424,541号明細書;Stricklandらの米国特許第8,627,828号明細書;及びSunらの米国特許第9,307,787号明細書;また、Brinkleyらの米国特許出願公開第2010/0018539号明細書及びJohnsonらのPCT WO97/06786に記載されている。これらのすべては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。タバコ又はその中に含まれるタバコに由来する成分の説明を含む、エアロゾル前駆体組成物の実装態様に関するさらなる説明は、それぞれ2016年7月21日に出願された、それぞれDavisらに対するものである米国特許出願公開第15/216,582号明細書及び第15/216,590号に規定されており、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0141】
上述のように、コーティングはまた、香味料を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「香味料」への言及は、エアロゾル化して使用者に送達することができ、味及び/又は香りに関して感覚的体験を与える化合物又は構成要素を指す。香味料のいくつかの例には、バニリン、エチルバニリン、クリーム、茶、コーヒー、果実(例えば、リンゴ、サクランボ、イチゴ、モモ及びライム及びレモンを含む柑橘類フレーバー)、メープル、メントール、ミント、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、ナツメグ、クローブ、ラベンダー、カルダモン、ショウガ、蜂蜜、アニス、セージ、ローズマリー、ハイビスカス、ローズヒップ、イェルバ・マテ、グアユーサ、ハニーブッシュ、ルイボス、イェルバ・サンタ、バコパ・モンニエラ(bacopa monniera)、イチョウ、ウィナニア・ソムニフェラ(withania somnifera)、シナモン、サンダルウッド、ジャスミン、カスカリラ、ココア、甘草、さらに紙巻きタバコ、葉巻、及びパイプタバコの香味料に従来使用されている種類及び特徴の香味料及び香味パッケージが含まれるが、これらに限定されない。高フルクトースコーンシロップなどのシロップも使用することができる。適切であり得る植物由来の組成物のいくつかの例は、いずれもDubeらに対するものである、米国特許第9,107,453号明細書及び米国特許出願公開第2012/0152265号明細書に開示されており、これらの開示は、全体が参照により本明細書に組み込まれている。そのようなさらなる構成要素の選択は、喫煙品に望まれる感覚特性などの要因に基づいて可変であり、本開示は、タバコ及びタバコ関連又はタバコ由来の製品の当業者に容易に明らかである任意のそのようなさらなる構成要素を包含することが意図される。例えば、Gutcho,Tobacco Flavoring Substances and Methods,Noyes Data Corp.(1972)及びLeffingwell et al.,Tobacco Flavoring for Smoking Products(1972)を参照されたい。その開示は、全体が参照により本明細書に組み込まれている。香味料への言及は、上記のような単一の香味料に限定されるべきではなく、実際には、1つ又は複数の香味料の組み合わせを表すことができることに留意されたい。
【0142】
図8に戻って参照すると、図示の実装態様のエアロゾル源部材300はまた、中間構成要素308及び少なくとも1つのフィルタ312を含む。様々な実装態様では、中間構成要素308又はフィルタ312は、個別に又は一緒に、エアロゾル源部材300のマウスピース314とみなされてもよいことに留意されたい。様々な実装態様では、中間構成要素もフィルタも含まれる必要がないが、図示の実装態様では、中間構成要素308は、長手方向軸に沿って実質的に非可撓性である実質的に剛性の部材を含む。図示の実装態様では、中間構成要素308は、中空管構造を備え、エアロゾル源部材300に構造的な一体性を追加し、生成されたエアロゾルを冷却するために含まれる。いくつかの実装態様では、中間構成要素308は、エアロゾルを収集するための容器として使用され得る。様々な実装態様において、そのような構成要素は、様々な材料のいずれかから構築されてもよく、1つ以上の接着剤を含んでもよい。材料の例には、紙、紙の層、板紙、プラスチック、段ボール及び/又は複合材料が含まれるが、これらに限定されない。図示の実装態様では、中間構成要素308は、紙又はプラスチック材料(例えば、エチルビニルアセテート(EVA)、又は他のポリマー材料、例えばポリエチレン、ポリエステル、シリコーンなど、又はセラミック(例えば、炭化ケイ素、アルミナなど)、又は他のアセテート繊維)で構成される中空円筒形要素を含み、フィルタは、気体透過性材料(例えば、酢酸セルロース又は繊維、例えば紙又はレーヨン、又はポリエステル繊維)で構成された充填ロッド又は円筒ディスクを含む。
【0143】
述べたように、いくつかの実装態様では、マウスピース314は、マウスピース314に加えられた引き込みに応答してエアロゾルを受け入れるように構成されたフィルタ312を備え得る。様々な実装態様では、フィルタ312は、いくつかの態様で、中間構成要素308の第2の端に近接して半径方向及び/又は長手方向に配置される円形ディスクとして設けられる。このようにして、マウスピース314を引き込むと、フィルタ312は、エアロゾル源部材300の中間構成要素310を通って流れるエアロゾルを受け入れる。いくつかの実装態様では、フィルタ312は個別のセグメントを含むことができる。例えば、いくつかの実装態様は、濾過をもたらすセグメント、引き込み抵抗をもたらすセグメント、エアロゾルが冷却するための空間をもたらす中空セグメント、構造的完全性の向上をもたらすセグメント、他のフィルタセグメント、及び上記の任意の1つ又は任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実装態様で、フィルタ312は、追加的又は代替的に、参照により全体が本明細書に組み込まれる、Rakerらに対する米国特許第5,025,814号明細書に記載されているようなタバコ含有材料のストランドを含有していてもよい。
【0144】
様々な実装態様において、中間構成要素308及び/又はフィルタ312のサイズ及び形状は変動し得、例えば、中間構成要素310の長さは、約10mm~約30mmの包括的範囲であり得、中間構成要310の直径は、約3mm~約8mmの包括的範囲であり得、フィルタ312の長さは、約10mm~約20mmの包括的範囲であり得、フィルタ312の直径は、約3mm~約8mmの包括的範囲であり得る。図示の実装態様では、中間構成要素310は、約20mmの長さ及び約4.8mmの直径(及びいくつかの実装態様では約7mm)を有し、フィルタ312は、約15mmの長さ及び約4.8mmの直径(又は一部の実装態様では約7mm)を有する。
【0145】
(上述したように)基材部分310の下流にエアギャップ、中空管構造、及び/又はフィルタを設けることに加えて、又はその代わりに、他の構成要素が存在してもよい。例えば、いくつかの実装態様では、基材部分310の下流に以下のうちの1つ又は任意の組み合わせが配置されてもよい:冷却空気用相変化材料;香味放出媒体;選択的化学吸着が可能なイオン交換繊維;濾過材としてのエアロゲル粒子;及び他の適切な材料である。可能な相変化材料のいくつかの例には、AgNO3、AlCl3、TaCl3、InCl3、SnCl2、AlI3、及びTiI4などの塩;セレン、スズ、インジウム、スズ-亜鉛、インジウム-亜鉛、インジウム-ビスマスなどの金属又は金属合金;D-マンニトール、コハク酸、p-ニトロ安息香酸、ハイドロキノン、アジピン酸などの有機化合物が含まれるが、これらに限定されない。他の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Potterらの米国特許第8,430,106号明細書に記載されている。
【0146】
様々な実装態様において、熱源304の点火は、基材部分310に関連するエアロゾル前駆体組成物のエアロゾル化をもたらす。好ましくは、基材部分310の要素は、いずれかのかなりの程度まで熱分解(例えば、炭化、焦げ、又は燃焼)を経ず、エアロゾル化した成分は、フィルタ312を含むエアロゾル源部材300を通して引き込まれる空気に伴い、使用者の口内に入る。様々な実装態様では、マウスピース314(例えば、中間構成要素308及び/又はフィルタ312)は、使用者によってマウスピース314に加えられた引き込みに応じて、生成されたエアロゾルを受け入れるように構成される。いくつかの実装態様では、マウスピース314は、基材部分310に固定的に係合してもよい。例えば、接着剤、ボンド、溶接などが、マウスピース314を基材物質310に固定するように係合するのに適している場合がある。一例では、マウスピース314は、超音波溶接され、基材部分310の端部に封止される。
【0147】
様々な実装態様では、複数の導電糸が一体化されたコーティングされた不織ウェブを含むコーティングされた複合基材シートを作成することができる。様々な実装態様では、エアロゾル源部材の一部であり得る基材部分として、1つ以上の複合基材シートを使用することができる。
図11は、本開示の例示的な実装態様による、エアロゾル送達装置の基材部分の斜視概略図を示す。特に、
図11は、複合基材シート320の一連の重なり合う層330を含む基材部分310を示す。上記の説明を参照すると、図示の実装態様では、複合基材シート320は、多葉断面を有する再生セルロース繊維から少なくとも部分的に形成された不織ウェブと、不織ウェブに組み込まれた複数の導電糸とを含む。様々な実装態様では、重なり合う層はまた、「ギャザードウェブ」と考えることができる。図示の実装態様は層の比較的整然とした配置を示しているが、様々な実装態様では、「重なり合う層」及び「ギャザードウェブ」という用語はまた、個々の層が明らかではない場合がある、束ねられた、しわのついた、及び/又は他の様式で集められた層を含むことができることに留意されたい。
【0148】
図示の実装態様では、一連の重なり合う層330内の複数の導電糸324は、それらが基材部分310の長手方向軸と実質的に整列するように配向される。しかしながら、他の実装態様では、複数の導電糸は、任意の向きを有してもよい。例えば、いくつかの実装態様では、一連の重なり合う層の複数の導電糸は、基材部分310の長手方向軸に対して実質的に垂直な向きを有することができる。他の実装態様では、一連の重なり合う層内の複数の導電糸は、基材部分310の長手方向軸に対して任意の角度で実質的に横方向である配向を有することができる。例えば、いくつかの実装態様では、一連の重なり合う層の複数の導電糸は、基材部分310の長手方向軸に対して約45°の角度、又は約135°の角度、又は約45°未満の任意の角度、又は約45°~約135°の任意の角度、又は約135°を超える任意の角度で実質的に横断してもよい。他の実装態様では、複数の導電糸はパターンを含むことができる。例えば、いくつかの実装態様では、複数の導電糸は、導電糸の交差するパターン(例えば、実質的に垂直に交差するパターン又は実質的に菱形の交差するパターン)を含むことができる。そのような実装態様では、導電糸の交差するパターンは、上述したのと同様に、基材部分310の長手方向軸に対する配向を有することができる。
【0149】
いくつかの実装態様では、基材部分は、単に複合基材シートの重なり合う層を含んでもよいが、他の実装態様では、重なり合う層の少なくとも一部は、1つ以上のカバー層で覆われてもよい。例えば、
図12は、本開示の例示的な実装態様による、エアロゾル送達装置の基材部分の概略的な断面図を示す。特に、
図12は、複合基材シート320の一連の重なり合う層330を含む基材部分310を示す。図示の実装態様では、重なり合う層330の少なくとも一部は、第1のカバー層332でその外面の周りに実質的に囲まれている。様々な実装態様では、第1のカバー層332の組成は変化してもよいが、図示の実装態様では、第1のカバー層332は、繊維材料、エアロゾル前駆体組成物、及び結合剤材料の組み合わせを含む。可能な繊維材料、エアロゾル前駆体組成物、及び結合剤材料に関する上記の考察を参照する。
【0150】
様々な実装態様では、第1のカバー層332は、その開示が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Seymourらの米国特許第5,697,385号明細書に記載されているようなキャスティング工程によって構築する。例えば、いくつかの実装態様では、繊維材料、エアロゾル前駆体組成物及び結合剤を一緒にブレンドしてスラリーを形成してもよく、これを表面(例えば、移動ベルトなど)にキャストしてもよい。次いで、キャストスラリーは、1つ又は複数の乾燥及び/又はドクターステップを経て、結果が比較的一貫した厚さのキャストシートとなることができる。キャスティング及び製紙技術の他の例は、Keritsisらの米国特許第4,674,519号明細書;Clappらの米国特許第4,941,484号明細書;Youngらの米国特許第4,987,906号明細書;Kiernanらの米国特許第4,972,854号明細書;Youngらの米国特許第5,099,864号明細書;Sohnらの米国特許第5,143,097号明細書;Brinkleyらの米国特許第5,159,942号明細書;Brinkleyらの米国特許第5,322,076号明細書;Youngらの米国特許第5,339,838号明細書;Litzingerらの米国特許第5,377,698号明細書;Youngらの米国特許第5,501,237号明細書;及びKumarの米国特許第6,216,706号明細書に記載されている。その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0151】
図示の実装態様では、重なり合う層330の少なくとも一部及び第1のカバー層332は、第2のカバー層334で外面の周りに実質的に囲まれている。第2のカバー層334の組成は変化し得るが、図示の実装態様では、第2のカバー層334は、アルミニウム箔材料などの金属箔材料を含む。他の実装態様では、第2のカバー層は、銅材料、スズ材料、金材料、グラフェン材料、グラファイト材料若しくは他の熱伝導性炭素系材料、及び/又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない他の材料を含むことができる。図示の実装態様は、その外面の周りで重なり合う層330、第1のカバー層332、及び第2のカバー層334を実質的に取り囲む第3のカバー層336をさらに含む。図示の実装態様では、第3のカバー336層は、従来のシガレット包装紙などの紙材料を含む。様々な実装態様では、紙材料は、木でない植物の繊維といったラグ繊維を含むことができ、亜麻、麻、サイザル麻、稲わら、及び/又はエスパルト繊維を含むことができる。
【0152】
図13は、エアロゾル送達装置で使用するための基材部分を作成する方法500における様々な動作を示す。様々な実装態様では、方法500は、操作502で再生セルロース繊維を使用して不織ウェブを形成することによって複合基材シートを作成することを含むことができる。一実装態様では、これは、操作504で再生セルロース繊維を使用して不織ウェブを形成し、操作506で複数の導電糸を不織ウェブに一体化し、操作508で不織ウェブ及び一体化された導電糸を、繊維材料及びエアロゾル前駆体組成物を含むコーティングでコーティングすることによって達成され得る。方法500は、操作510において、複合基材シートの複数の層を重ね合わせて、複合基材シートの一連の重なり合う層を作成することをさらに含むことができる。様々な実装態様で、
図1~
図12に関して上述した複合基材シート、再生セルロース繊維、導電糸、コーティング、及び関連する方法がさらに参照される。
【0153】
本開示の多くの修正及び他の実施形態は、前述の説明及び関連する図面に提示された教示の恩恵を受けて、本開示が関係する当業者に思い浮かであろう。したがって、本開示は本明細書に開示された特定の実施形態に限定されるべきではなく、修正形態及び他の実施形態が添付の特許請求の範囲に含まれることが意図されていることを理解されたい。本明細書では特定の用語が使用されているが、それらは一般的及び説明的な意味でのみ使用されており、限定の目的では使用されていない。