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特許7504912軸上粒子検出及び/又は差分検出のための粒子検出システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】軸上粒子検出及び/又は差分検出のための粒子検出システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/1434 20240101AFI20240617BHJP
   G01N 15/1409 20240101ALI20240617BHJP
   G01N 15/1429 20240101ALI20240617BHJP
【FI】
G01N15/1434
G01N15/1409 100
G01N15/1429 200
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2021557970
(86)(22)【出願日】2020-04-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-20
(86)【国際出願番号】 US2020029765
(87)【国際公開番号】W WO2020219841
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2023-01-23
(31)【優先権主張番号】62/838,835
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506061299
【氏名又は名称】パーティクル・メージャーリング・システムズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ロディエ, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ランプキン, ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】セーラー, ドゥワイト
(72)【発明者】
【氏名】ノレンバーグ, ブライアン
【審査官】外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-050089(JP,A)
【文献】特開平06-043090(JP,A)
【文献】特表2015-500467(JP,A)
【文献】特表2005-533262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/1434
G01N 15/1409
G01N 15/1429
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体中の粒子を検出するためのシステムであって、前記システムは、
電磁放射のビームを通して流れ方向に沿って粒子を含む流体を流すためのフローセルと、
電磁放射の前記ビームを提供するための前記フローセルと光通信する光源と、
電磁放射の前記ビームを集束させて、前記フローセル内に高い放射密度の領域を生成するための、前記光源と光通信する集束システムと、
電磁放射の少なくとも一部を収集し、ピクセル化された光検出器に向けるための光学収集システムであって、前記ピクセル化された光検出器の複数のピクセルの少なくとも一部について、各ピクセルは、前記ビーム内の粒子ビーム相互作用信号の空間的範囲に対応する領域を有する、光学収集システムと、を備え、
前記ピクセル化された光検出器は、検出された前記粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成
電磁放射の前記ビームはガウスビーム、構造化ビーム、暗ビーム、又は、シルクハット構成のアナモルフィックビームである、システム。
【請求項2】
各ピクセルは、10~500ミクロンの範囲から独立して選択される幅を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ピクセル化された光検出器の前記複数のピクセルの前記少なくとも一部のぞれぞれは、前記ビーム内の前記粒子ビーム相互作用信号の空間的範囲の少なくとも75%に対応する領域をそれぞれ有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記光学収集システムが、
電磁放射の少なくとも一部を収集して光検出器に向け、軸上信号を生成するための軸上光学収集システムと、
軸外散乱光を受信し、側方散乱信号を生成するために、前記フローセルと光通信する側方散乱検出器と、
を備え、
前記側方散乱信号を前記軸上信号と比較すると、生物学的粒子と非生物学的粒子が区別される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ピクセル化された光検出器の各検出器要素は、検出された前記粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成し、前記光検出器は、検出器要素信号から生成された差分信号に基づいて前記粒子を特徴付け、
前記システムは、前記検出器要素信号を受信し、前記粒子が前記流体よりも低い又は高い屈折率を有するかどうかを特徴付けるように構成されたプロセッサを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記ビームを通る前記粒子の軌道中の時間の関数としての暗縞及び明縞のシーケンス、順序及び/又は位置を介して前記粒子、前記粒子の前記屈折率を特徴付けるように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記粒子の前記屈折率を介して前記粒子を金属又は非金属として特徴付けるように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記光検出器は、少なくとも2つの検出要素を備え、
前記システムは、前記光検出器又は前記集束システムに動作可能に接続された調整器であって、前記調整器は、前記光検出器を動かすか、又は前記集束システムを変更して、前記少なくとも2つの検出要素の差分検出のバランスをとる、調整器を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記調整器は、閉ループフィードバック制御を介して制御される、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記調整器は、前記光検出器に動作可能に接続され、前記光検出器を変換、移動、回転、又は傾斜させる、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記調整器は、前記集束システムに動作可能に接続されたステアリングミラー又はレンズであり、電磁放射の前記ビームの経路を調整する、請求項に記載のシステム。
【請求項12】
イメージャをさらに備え、電磁放射の前記ビームは、前記イメージャに向けることができ、前記イメージャは、最適な光ビーム出力密度、最適なビームスポットサイズ、前記フローセル内の高い放射密度の最適な領域、又はそれらの任意の組み合わせについて、閉ループで前記調整器にフィードバックを提供する、請求項に記載の光学収集システム。
【請求項13】
前記光検出器は、少なくとも2つの検出器要素を備え、前記粒子を示す各検出器要素からの個々の信号からの差分信号に基づいて前記粒子を特徴付ける、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記集束システムは、前記フローセルを介して電磁放射の前記ビームを少なくとも2回向け、前記フローセル内の前記粒子は、前記フローセルを通過する各個々の前記ビームの異なる部分と相互作用する、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記集束システムは、前記ビームの偏光状態を変更するための半波長板、4分の1波長板、又はその両方を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
高い放射密度の前記領域が前記フローセル内の位置を変化させるように、前記フローセルを前記集束システムに近づけたり遠ざけたりするように変換するために前記フローセルに動作可能に接続された変換器を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記変換器は発振器である、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記発振器は圧電発振器である、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記光検出器は、電磁放射の前記ビームに対して0度~1度以内の散乱角で設けられた光検出器アレイである、請求項に記載のシステム。
【請求項20】
流体中の粒子を検出するためのシステムであって、前記システムは、
電磁放射のビームを通して流れ方向に沿って粒子を含む流体を流すためのフローセルと、
電磁放射の前記ビームを提供するための前記フローセルと光通信する光源と、
電磁放射の前記ビームを集束させて、前記フローセル内に高い放射密度の領域を生成するための、前記光源と光通信する集束システムと、
電磁放射の少なくとも一部を収集し、ピクセル化された光検出器に向けるための光学収集システムであって、前記ピクセル化された光検出器の複数のピクセルの少なくとも一部について、各ピクセルは、前記ビーム内の粒子ビーム相互作用信号の空間的範囲に対応する領域を有する、光学収集システムと、を備え、
前記ピクセル化された光検出器は、検出された前記粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成し
前記ピクセル化された光検出器の各検出器要素は、検出された前記粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成し、前記光検出器は、検出器要素信号から生成された差分信号に基づいて前記粒子を特徴付け、
前記システムは、前記検出器要素信号を受信し、前記粒子が前記流体よりも低い又は高い屈折率を有するかどうかを特徴付けるように構成されたプロセッサを備える、システム。
【請求項21】
流体中の粒子を検出するためのシステムであって、前記システムは、
電磁放射のビームを通して流れ方向に沿って粒子を含む流体を流すためのフローセルと、
電磁放射の前記ビームを提供するための前記フローセルと光通信する光源と、
電磁放射の前記ビームを集束させて、前記フローセル内に高い放射密度の領域を生成するための、前記光源と光通信する集束システムと、
電磁放射の少なくとも一部を収集し、ピクセル化された光検出器に向けるための光学収集システムであって、前記ピクセル化された光検出器の複数のピクセルの少なくとも一部について、各ピクセルは、前記ビーム内の粒子ビーム相互作用信号の空間的範囲に対応する領域を有する、光学収集システムと、を備え、
前記ピクセル化された光検出器は、検出された前記粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成し
前記光検出器は、少なくとも2つの検出器要素を備え、前記粒子を示す各検出器要素からの個々の信号からの差分信号に基づいて前記粒子を特徴付ける、システム。
【請求項22】
流体中の粒子を検出するためのシステムであって、前記システムは、
電磁放射のビームを通して流れ方向に沿って粒子を含む流体を流すためのフローセルと、
電磁放射の前記ビームを提供するための前記フローセルと光通信する光源と、
電磁放射の前記ビームを集束させて、前記フローセル内に高い放射密度の領域を生成するための、前記光源と光通信する集束システムと、
電磁放射の少なくとも一部を収集し、ピクセル化された光検出器に向けるための光学収集システムであって、前記ピクセル化された光検出器の複数のピクセルの少なくとも一部について、各ピクセルは、前記ビーム内の粒子ビーム相互作用信号の空間的範囲に対応する領域を有する、光学収集システムと、を備え、
前記ピクセル化された光検出器は、検出された前記粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成し
前記集束システムは、前記フローセルを介して電磁放射の前記ビームを少なくとも2回向け、前記フローセル内の前記粒子は、前記フローセルを通過する各個々の前記ビームの異なる部分と相互作用する、システム。
【請求項23】
流体中の粒子を検出するためのシステムであって、前記システムは、
電磁放射のビームを通して流れ方向に沿って粒子を含む流体を流すためのフローセルと、
電磁放射の前記ビームを提供するための前記フローセルと光通信する光源と、
電磁放射の前記ビームを集束させて、前記フローセル内に高い放射密度の領域を生成するための、前記光源と光通信する集束システムと、
電磁放射の少なくとも一部を収集し、ピクセル化された光検出器に向けるための光学収集システムであって、前記ピクセル化された光検出器の複数のピクセルの少なくとも一部について、各ピクセルは、前記ビーム内の粒子ビーム相互作用信号の空間的範囲に対応する領域を有する、光学収集システムと、を備え、
前記ピクセル化された光検出器は、検出された前記粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成し
前記集束システムは、前記ビームの偏光状態を変更するための半波長板、4分の1波長板、又はその両方を備える、システム。
【請求項24】
流体中の粒子を検出するためのシステムであって、前記システムは、
電磁放射のビームを通して流れ方向に沿って粒子を含む流体を流すためのフローセルと、
電磁放射の前記ビームを提供するための前記フローセルと光通信する光源と、
電磁放射の前記ビームを集束させて、前記フローセル内に高い放射密度の領域を生成するための、前記光源と光通信する集束システムと、
電磁放射の少なくとも一部を収集し、ピクセル化された光検出器に向けるための光学収集システムであって、前記ピクセル化された光検出器の複数のピクセルの少なくとも一部について、各ピクセルは、前記ビーム内の粒子ビーム相互作用信号の空間的範囲に対応する領域を有する、光学収集システムと、
高い放射密度の前記領域が前記フローセル内の位置を変化させるように、前記フローセルを前記集束システムに近づけたり遠ざけたりするように変換するために前記フローセルに動作可能に接続された変換器と、を備え、
前記ピクセル化された光検出器は、検出された前記粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成する、システム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本出願は、2019年4月25日に出願された米国仮特許出願第62/838,835号の利益及び優先権を主張し、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002]クリーンルーム条件を必要とする技術の進歩は、ますます小さな粒子の検出及び特徴付けの必要性をもたらした。例えば、マイクロエレクトロニクスファウンドリは、サイズが20nm未満、場合によってはサイズが10nm未満の粒子の検出を追求する。これは、粒子がますます敏感になる製造プロセスや製品に影響を与える可能性があるためである。同様に、医薬品や生体材料を製造するための無菌加工条件の必要性は、健康と人間の安全に関連するコンプライアンス基準に対処するために、生存可能な粒子と生存不可能な粒子の正確な特徴付けを必要とする。
【0003】
[0003]通常、これらの産業は、小さな粒子の検出及び特徴付けのために光学粒子カウンタに依存している。より小さな粒子を検出する能力には、レーザー出力の増加、励起波長の短縮、凝縮核カウントなどのより複雑な技術を採用するシステムなど、光学粒子カウントの新しいアプローチが必要である。これにより、ナノメートルスケールの粒子の検出用装置のコストと全体的な複雑さが劇的に増加する可能性がある。これらの新しいアプローチでは、必要な信頼性と再現性を提供するために、より頻繁なキャリブレーションとメンテナンスが必要になる場合もある。
【0004】
[0004]様々な光学粒子カウンタが当技術分野で知られており、例えば、散乱光光学粒子カウンタは米国特許第7,916,293号で提供され、構造化ビーム及び/又は干渉分光法を利用するものを含む透過/消光粒子カウンタは米国特許第7,746,469号、9.983,113号、10,416,069号、米国特許出願公開第2019/0277745号及び米国特許出願公開第20170176312号、及びPCT国際公開第2019/082186号で提供される。これらの参考文献のそれぞれは、その全体が本明細書に組み込まれ、特に、小さな粒子の検出及び特徴付けに有用な粒子カウンタシステムの構成要素及び構成を説明するために組み込まれる。
【0005】
[0005]前述のことから、当技術分野では、小さなサイズの寸法を有する強化された光学感知粒子を提供するシステム及び方法が必要であることが分かる。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本明細書で提供されるのは、光学粒子カウンタ及び/又は分析器システム及び方法であり、光学粒子カウンタの感度、精度、及びスループットを向上させて、例えば、以下を使用して、大量のサンプリング流体にわたるより小さな粒子の検出及び特徴付けを可能にする。透過及び/又は前方散乱された光の軸上検出を使用し、任意選択で暗ビームなどの構造化ビームを含むプローブビームを使用し、任意選択で差分検出システムを使用する。いくつかの実施形態では、本システム及び方法は、光学形状、時間の関数として分析されるサンプル流体の量の向上、小さな粒子(例えば、10ミクロン以下、又は任意選択で1ミクロン以下、又は任意選択で500ナノメートル以下の有効な横方向の寸法(例えば、直径))の全体的な粒子検出感度の向上、及び/又は偽陽性表示の抑制を可能にする検出器構成及び信号分析技術を組み込んだ、暗ビームなどの構造化ビームを使用して、流体中の粒子の検出及び特徴付けを提供する。
【0007】
[0007]本システム及び方法は、透過及び前方散乱された光の検出及び/又は差分検出構成及び方法による軸上粒子測定を使用する粒子測定(例えば、検出及び/又はサイズ特徴付け)に特によく適している。本システム及び方法は非常に用途が広く、以下を含む一連の粒子測定技術を使用して実施することができ、(i)粒子の干渉検出を使用する粒子検出、(ii)構造化ビーム、暗ビームなどのガウス(Gaussian)ビーム及び非ガウスビームを使用した粒子検出、(iii)差分検出を使用した粒子検出、(iv)マルチパス技術(例えば、デュアルパス)を使用した粒子検出、及び/又は(v)偏光制御を使用した粒子検出である。
【0008】
[0008]いくつかの実施形態では、例えば、本発明のシステム及び方法は、例えば、暗ビームなどの構造化ビーム、及び任意選択で差分検出構成を使用して、透過及び前方散乱された光の検出による軸上粒子測定を、横方向(例えば、ビーム軸線に直交する軸線に沿って)及び/又はz軸線(例えば、光源と検出器の間のビーム軸線に沿った軸線に沿って)に沿ってフローセルの迅速な変換(例えば、ビームを通過するときの粒子の平均速度よりも速い)を実現し、変換を使用しないシステムと比較して、単位時間あたりの流体のより大きなサンプリング量を達成する光学及び/又はフローセル要素(例えば、変換器、発振器、圧電素子など)と組み合わせる。一実施形態では、例えば、レーザー源又はフローセルは、例えば、変換器又は発振器を介して、暗ビームなどの構造化ビームを使用する粒子検出を介して単位時間あたりに分析されるサンプル流体の量を増加させるように変換される。一実施形態では、例えば、フローセルは、ビームを通って移動するときの平均粒子速度よりも少なくとも2倍速い平均変換速度で変換され、任意選択で、一部の用途では、フローセルは、ビームを通って移動するときの平均粒子速度よりも5~100倍速い平均変換速度で変換される。いくつかの実施形態では、例えば、粒子を含む流体の流速は、5~300cm/秒の範囲にわたって選択される。いくつかの実施形態では、例えば、フローセルは、25cm/秒以上の平均変換速度で変換される。一実施形態では、変換器は、10~1000ミクロンの範囲から選択された距離に沿ったフローセルの変換を実現する。いくつかの実施形態では、変換器は、100kHz~100MHzの範囲から選択された周波数で周期的な変換を受ける。変換は、振動を含む一方向又は複数の方向への周期的な変換であり得、及び/又は線形変換又は非線形変換であり得る。いくつかの実施形態では、例えば、発振器は、粒子が高い放射密度の領域を通過するのに必要とされるよりも短い時間でフローセルがその変位を完了するように十分に高い周波数で振動する。いくつかの実施形態では、変換器は、100kHz~100MHzの範囲から選択された周波数で振動する発振器である。
【0009】
[0009]いくつかの実施形態では、例えば、本発明のシステム及び方法は、例えば、暗ビームなどの構造化ビーム、及び任意選択で差分検出構成を使用して、透過及び前方散乱された光の検出による軸上粒子測定を、ビーム内の粒子ビーム相互作用信号の空間的範囲に対応する(例えば、1.5倍以内及び任意選択で1.2倍以内の)ピクセル領域を有するピクセル化された光検出器(複数可)の使用と組み合わせて、より多くの粒子遷移の検出を強化し、単位時間あたりに分析されるサンプル量の改善につながる。いくつかの実施形態では、そのようなピクセル化された検出構成は、周囲の「より大きな」ビーム画像からの粒子信号画像の分割を可能にする。いくつかの実施形態では、システム及び方法は、少なくとも2つの要素間の効率的な差分検出を実現するために、要素の1つ又は複数の列を備えたピクセル化された光検出器を組み込む。10~500ミクロンの範囲からそれぞれ独立して選択されるピクセル幅は、特定の実施形態において有用であり、任意選択で、それぞれが50~100ミクロンの範囲から独立して選択される一部の用途にとって有用である。
【0010】
[0010]いくつかの実施形態では、本発明のシステム及び方法は、任意選択で差分検出構成を使用し、及び/又は暗ビームなどの構造化ビームを使用し、透過及び前方散乱された光の検出による軸上粒子測定を、生物学的粒子(例えば、微生物粒子)と非生物学的粒子を区別するための散乱光又は蛍光の追加の軸外検出と組み合わせる。微生物などの生物学的粒子は主に水で構成されているため、水との屈折率コントラストが非常に低いので、散乱がほとんどない。したがって、生物学的粒子は、小さな側方散乱信号を生成するか、又は側方散乱を使用して検出されない。生物学的粒子は、例えば構造ビーム及び/又は差分検出技術を使用して、透過及び前方散乱された光の軸上検出を使用する本方法及びシステムにおいて強い応答信号を生成する。本発明のいくつかの方法及びシステムでは、側方散乱信号と比較した大きな軸上信号の観察(又は比較)、又は側方散乱検出器での対応する信号のない軸上検出器での信号の観察は、粒子を微生物粒子などの生物学的粒子として特徴付けるために使用される。或いは、本発明のいくつかの方法及びシステムでは、同等の軸上信号と側方散乱信号の観察(又は比較)、又は軸上検出器と側方散乱検出器での両方の信号の観察を使用して、粒子を非生物学的粒子として特徴付ける。
【0011】
[0011]いくつかの実施形態では、本発明のシステム及び方法は、粒子の屈折率を特徴付けるために、暗ビームなどの構造化ビームを使用して透過及び前方散乱された光を検出することによる軸上粒子検出を使用し、例えば、粒子が存在する媒体の(例えば、より大きい又はより小さい)屈折率(例えば、流体の流れの組成)に対してである。この態様は、例えば、屈折率に基づいて金属粒子と非金属粒子を区別するための手段を提供するなど、粒子の組成の属性を決定することを可能にする。差分検出構成を組み込んだシステムでは、例えば、「古典的な」粒子信号の信頼性が高く再現性のある反転を使用して、金属粒子と非金属粒子を正確に区別することができる。いくつかの実施形態では、例えば、キャリア流体の屈折率に対する粒子の屈折率の差は、粒子の光学特性及び組成を特徴付けるために使用され得る信号をもたらす。
【0012】
[0012]分析された粒子が、例えば水媒体中のポリスチレンラテックス(PSL)粒子の場合のように、キャリア流体の屈折率よりも高い屈折率を有する場合、粒子がフローセル内のビームに入る条件では、ビームの上部に明縞が観察され、ビームの下部に暗縞が観察される。例えば、粒子が下からビームに入るときである。一方、水媒体中の金ナノ粒子の場合のように、分析された粒子がキャリア流体の屈折率よりも低い屈折率を有する場合、ビームの上部に暗縞が観察され、ビームの下部に明縞が観察されるように、粒子が下からビームに入るときなどのフローセルのビームに粒子が入る条件では、縞パターンが逆になる。したがって、粒子とビームとの相互作用中の明縞及び暗縞のシーケンス、順序及び/又は配置を観察及び特徴付けることにより、粒子のキャリア(例えば、より大きい又はより小さい)に対する屈折率は、特徴付けられ、したがって、粒子の組成に関連する情報も推測することができる。差分検出は、ビームを通る粒子の軌道中の時間の関数として、本システム及び技術における暗縞及び明縞のシーケンス、順序、及び/又は位置を特徴付ける効率的かつ正確な手段を提供し、例えば、(i)粒子が最初にビームに入るとき(例えば、下から)、(ii)粒子がビームウエストを通過するとき、及び(iii)粒子がビームを出るときである。
【0013】
[0013]いくつかの実施形態では、例えば、本発明のシステム及び方法は、任意選択で差分検出構成を使用して、及び/又は暗ビームなどの構造化ビームを使用して透過及び前方散乱された光の検出による軸上粒子測定を、例えば、ポジショナを使用して検出器を移動すること、及び/又は検出器がピクセルの上部ピクセル又は上部サブセットとピクセルの下部ピクセル又はサブセットに対応する第1及び第2の検出器領域の間の信号のバランスをとる前にミラーを作動させて、ビーム全体で、ピクセルの上部ピクセル又は上部サブセットとピクセルの下部ピクセル又はサブセットに対応する第1及び第2の検出器領域など、差分検出器のバランスをとるための調整器と組み合わせる。この差分検出態様の実施形態では、調整器を使用した検出器及び/又は検出器上のビーム位置の調整は、特にビームの位置が振動及び音響入力の影響を受けやすい状況に対して、強化されたノイズキャンセルを実現し、例えば、システムがそのような振動や音響入力の発生源から隔離されていない場合である。この差分検出態様の実施形態では、ビームの一部がイメージャ又は複数の検出器(例えば、クワッド検出器)に提供されて、ビーム出力密度、フローセル内のスポットサイズに対するフィードバックを提供する。いくつかの実施形態では、調整器は、粒子が存在せず、差分信号のノイズ振幅に関して、差分検出器の位置及び/又は差分検出器のビーム位置をアクティブに調整する場合、閉ループ制御を介して、例えば、差分信号のノイズ振幅を定期的に測定することによって動作される。
【0014】
[0014]いくつかの実施形態では、本システム及び方法は、例えば、ノイズを低減し、信号を増強するために、レーザービーム強度が差分検出器の上半分と下半分との間でバランスをとることを確実にするための1つ又は複数の調整器を含む。一実施形態では、例えば、粒子が存在しない場合に差分信号のノイズ振幅を決定及び分析する閉ループシステムが使用される。一実施形態では、ステアリングミラーを使用して、検出器上のビーム位置を調整して、差分信号のノイズレベルを最小限に抑える。この状態は、ビーム出力が上部要素と下部要素の間で均一に分割されている場合に発生する。例えば、均一から20%以内、任意選択で均一から10%以内などである。同様に、そのような制御は、検出器の位置を変換し、検出器を回転させてビームと検出器の軸線を整列させることによっても達成することができる。
【0015】
[0015]いくつかの実施形態では、例えば、本発明のシステム及び方法は、例えば、暗ビームなどの構造化ビームを使用して、改善された信号対雑音比のための冷却された検出器と連結して透過及び前方散乱された光を検出することによる軸上粒子測定を、ロックイン増幅器を備えた光変調器と組み合わせる。
【0016】
[0016]いくつかの実施形態では、本発明のシステム及び方法は、例えば、暗ビームなどの構造化ビーム、及び任意選択で差分検出構成を使用して、透過及び前方散乱された光の検出による軸上粒子測定を、光検出器へのビームのコリメート又は画像化と組み合わせる。
【0017】
[0017]いくつかの実施形態では、例えば、本発明のシステム及び方法は、例えば、暗ビームなどの構造化ビーム及び任意選択で差分検出構成を使用して、透過及び前方散乱された光の検出による軸上粒子測定を、ビームを別個の光検出器に分割するためのナイフエッジプリズムと組み合わせる。
【0018】
[0018]一態様では、粒子検出システムは、粒子を含む流体を流すためのフローセルと、電磁放射の1つ又は複数のコヒーレントビームを生成するための光源と、電磁放射の1つ又は複数のコヒーレントビームをフローセルに通し、粒子によって散乱された電磁放射を生成するためのビーム成形システムと、フローセルから電磁放射を受信するための少なくとも1つの光検出器アレイであって、光源、ビーム成形システム、及び光検出器アレイは、粒子の検出を可能にするように構成される、光検出器アレイと、を含む。一実施形態では、光源、ビーム成形システム、及び光検出器アレイは、粒子の干渉検出を実現するように構成される。一実施形態では、光源、ビーム成形システム、及び光検出器アレイは、コヒーレント電磁放射の構造化プローブビームをフローセルに通すことによって、粒子の構造化ビーム検出を実現するように構成される。一実施形態では、光源及び光検出器アレイは、強度の中心線減少などの減衰強度の領域を有する空間強度プロファイルによって特徴付けられる構造化暗ビームなどの、粒子の構造化暗ビーム検出を実現するように構成される。
【0019】
[0019]一実施形態では、光検出器アレイは、フローセルを透過した入射電磁放射及び粒子によって散乱された電磁放射を受信するためにフローセルと光通信するように配置され、例えば、粒子によって散乱された電磁放射は、前方散乱された電磁放射を含む。一実施形態では、フローセルを透過した入射電磁放射及び粒子によって散乱された電磁放射は、例えば、建設的及び/又は破壊的な光学干渉を受け、1つ又は複数の回折パターンを生成する。一実施形態では、光検出器アレイは、入射ビームの光軸線に対して0度~5度以内の散乱角で設けられ、任意選択で、一部の用途では、入射ビームの光軸線に対して0度~1度以内の散乱角、任意選択で、一部の用途では、入射ビームの光軸線に対して0度~0.5度以内の散乱角、任意選択で、一部の用途では、入射ビームの光軸線に対して0度~0.1度以内の散乱角である。一実施形態では、光検出器アレイは、粒子と粒子によって散乱された電磁放射と照明波面との相互作用を検出するために、フローセルとの光通信で提供される。
【0020】
[0020]一実施形態では、光源は、ガウス入射ビームなどのコヒーレント入射ビームをフローセルに提供する。本発明のシステム及び方法はまた、暗ビームなどの構造化ビームを使用する構造化ビーム検出によく適合している。一実施形態では、光源は、電磁放射の1つ又は複数のコヒーレントビームを生成するための1つ又は複数の成形及び/又は結合光学素子を含む。一実施形態では、1つ又は複数の成形及び/又は結合光学素子は、回折素子、偏光素子、強度変調素子、位相変調素子、又はこれらの任意の組み合わせである。一実施形態では、電磁放射の1つ又は複数のコヒーレントビームは、構造化された非ガウスビームを含む。一実施形態では、電磁放射の1つ又は複数のコヒーレントビームは、暗ビームを含む。一実施形態では、電磁放射の1つ又は複数のコヒーレントビームは、1つ又は複数の線特異点によって特徴付けられるビームを含む。一実施形態では、電磁放射の1つ又は複数のコヒーレントビームは、アナモルフィックビームを含む。一実施形態では、電磁放射の1つ又は複数のコヒーレントビームは、シルクハット構成のアナモルフィックビームを含む。
【0021】
[0021]システム及び方法は、広範囲の検出器及び検出器構成と互換性がある。一実施形態では、前方視軸上検出器対(複数可)が、例えば、入射ビームの光軸線に対して0度~20度以内である散乱角で、任意選択で、一部の用途では、入射ビームの光軸線に対して0度~5度以内の散乱角で、任意選択で、一部の用途では、入射ビームの光軸線に対して0度~1度以内の散乱角で、任意選択で、一部の用途では、入射ビームの光軸線に対して0度~0.5度以内の散乱角で、任意選択で、一部の用途では、入射ビームの光軸線に対して0度~0.1度以内の散乱角で設けられる。差分検出は、例えば、入射ビームの一部を受信するように整列された第1及び第2のアクティブ領域を備えた検出器構成を使用することによって、ノイズの大幅な低減を実現するために本システム及び方法で使用され得、任意選択で、ビーム出力は、第1のアクティブ領域と第2のアクティブ領域との間で均一に分割される。
【0022】
[0022]本発明のシステム及び方法は、流体の流れ中の単一粒子の検出、カウント、及びサイジングを含む、流れる流体中の粒子の検出を実現する。一実施形態では、流体は液体又は気体である。一実施形態では、システムは、液体化学物質中の粒子を検出するためのものである。一実施形態では、システムは、超純水中の粒子を検出するためのものである。一実施形態では、システムは、高圧ガス中の粒子を検出するためのものである。一実施形態では、システムは、空気中の粒子を検出するためのものである。一実施形態では、システムは、表面上の粒子を検出するためのものである。
【0023】
[0023]いくつかの実施形態では、本システム及び方法は、次の方法で単位時間あたりの大量のサンプルを分析するためのものであり、(i)電磁放射のビームの焦点深度を調整する、(ii)ビームの有効走査領域を増やす、及び/又は(iii)粒子カウンタの検出器要素によって生成される信号対雑音比を増やす。記載されたシステム及び方法は、例えば、従来の光学粒子カウンタよりも低いレーザー出力要件を使用して、ナノスケール粒子(例えば、50nm未満、任意選択で20nm未満、任意選択で10nm未満)の検出を可能にし得る。
【0024】
[0024]光学粒子カウンタのビーム又はレーザーの有効走査面積を増加させる1つの方法は、ビームが分析される流体のより大きな断面積又は体積を効果的に走査するように、標的フローセルを通してビームを迅速に変換させることである。ビームは、フローセル、光学集束システム、又は電磁源を振動することを含む様々な方法によって変換することができる。振動は、流体内の粒子の通過時間よりも高い周波数である可能性があり(フローセル内の流体の流量に基づく)、移動によって粒子がビームによって失われ得る可能性を低減又は排除する。振動は、x方向(z方向に伝搬するビームに関して横方向)、y方向(z方向に伝搬するビームに関して垂直方向)、及び/又はz方向(ビーム経路に沿って)にあり得る。発振器は、当技術分野で知られている様々な音響、電気、又は機械装置、例えば圧電装置であり得る。
【0025】
[0025]一態様では、流体中の粒子を検出するためのシステムが提供され、このシステムは、i)電磁放射のビームを通して流れ方向に沿って粒子を含む流体を流すためのフローセル、ii)電磁放射のビーム、任意選択で暗ビームなどの構造化ビームを提供するためのフローセルと光通信する光源、iii)電磁放射のビームを集束させて、フローセル内に集束ビーム領域などの高い放射密度の領域を生成するための、光源と光通信する集束システム、iv)高い放射密度の領域がフローセル内の位置を変化させるように、フローセルを集束システムに近づけたり遠ざけたりするように変換するために(すなわち、z方向に)フローセルに動作可能に接続される発振器などの変換器、及びv)電磁放射の少なくとも一部を収集して光検出器に向けるための光学収集システムを備え、任意選択で、光検出器は、フローセルを透過した入射電磁放射及び粒子によって前方散乱された電磁放射を受信するために、フローセルと光通信するように配置され、光検出器は、検出された粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成し、高い放射密度の領域の位置の変化は、フローセルのより大きな断面積及び/又は流体のより大きな体積の粒子の特徴付けを可能にする。いくつかの実施形態では、例えば、光検出器アレイは、入射ビームの光軸線に対して0度~5度以内の散乱角で設けられ、任意選択で、入射ビームの光軸線に対して0度~0.5度以内の散乱角で設けられる。
【0026】
[0026]一態様では、流体中の粒子を検出するためのシステムが提供され、このシステムは、i)電磁放射のビームを通して流れ方向に沿って粒子を含む流体を流すためのフローセル、ii)電磁放射のビーム、任意選択で暗ビームなどの構造化ビームを提供するためのフローセルと光通信する光源、iii)電磁放射のビームを集束させて、フローセル内に集束ビーム領域などの高い放射密度の領域を生成するための、光源と光通信する集束システム、iv)高い放射密度の領域がフローセル内の位置を変化させるように、電磁放射のビームを横切ってフローセルを横方向(例えば、プローブビーム軸線に直交する方向)に変換させるためにフローセルに動作可能に接続された発振器などの変換器、v)電磁放射の少なくとも一部を収集し、光検出器に向けるための光学収集システムを備え、任意選択で、光検出器は、フローセルを透過した入射電磁放射及び粒子によって前方散乱された電磁放射を受信するために、フローセルと光通信するように配置され、光検出器は、検出された粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成し、高い放射密度の領域の位置の変化は、フローセルのより大きな断面積及び/又は流体のより大きな体積の粒子の特徴付けを可能にする。いくつかの実施形態では、例えば、光検出器アレイは、入射ビームの光軸線に対して0度~5度以内である散乱角で設けられ、任意選択で、入射ビームの光軸線に対して0度~0.5度以内である散乱角で設けられ、任意選択で、一部の用途では、光検出器は、差分検出システムである。
【0027】
[0027]一態様では、流体中の粒子を検出するためのシステムが提供され、このシステムは、i)電磁放射のビームを通して流れ方向に沿って粒子を含む流体を流すためのフローセル、ii)電磁放射のビーム、任意選択で暗ビームなどの構造化ビームを提供するためのフローセルと光通信する光源、iii)電磁放射のビームを集束させて、フローセル内に集束ビーム領域などの高い放射密度の領域を生成するための、光源と光通信する集束システム、iv)高い放射密度の領域がフローセルの深度を変化させるように、フローセルを集束システムに近づけたり遠ざけたりするように変換するためにフローセルに動作可能に接続された発振器などの第1の変換器、v)高い放射密度の領域がフローセル内の横方向の位置を変化させるように、電磁放射のビームを横切ってフローセルを横方向に変換するためにフローセルに動作可能に接続された発振器などの第2の変換器、vi)電磁放射の少なくとも一部を収集し、光検出器に向けるための光学収集システムを含み、任意選択で、光検出器は、フローセルを透過した入射電磁放射及び粒子によって前方散乱された電磁放射を受信するために、フローセルと光通信するように配置され、光検出器は、検出された粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成し、第1の変換器及び第2の変換器は独立して動作し、高い放射密度の領域の深度及び横方向の位置の変化は、より大きな体積のフローセル内の粒子の特徴付けを可能にする。いくつかの実施形態では、例えば、光検出器アレイは、入射ビームの光軸線に対して0度~5度以内の散乱角で設けられ、任意選択で、入射ビームの光軸線に対して、0度~0.5度以内の散乱角で設けられる。任意選択で一部の用途では、光検出器は差分検出システムである。
【0028】
[0028]発振器などの変換器は、周期的な変位に沿ってフローセルを変換させるか、又は粒子が高い放射密度の領域を通過するのに必要な時間よりも高い周波数で振動することができる。
【0029】
[0029]ウエスト(伝搬ビームの最も狭い点、したがってエネルギー密度が最も高い点)でのビームのプロファイルを調整することも、分析されるフローセルの断面積を増加させるために使用され得る。例えば、ビームウエストを横方向(x)に拡大することにより、より高い断面積又は体積がウエストを通過し得、これは通常、流体中の粒子を検出するために必要なエネルギー密度を提供する。面積が大きくなるとエネルギー密度やレーザー出力は低下するが、ビームウエストを垂直方向(y)に小さくすることで、高いエネルギー密度を維持することができる。
【0030】
[0030]一態様では、流体中の粒子を検出するためのシステムが提供され、このシステムは、i)電磁放射のビームを通して流れ方向に沿って粒子を含む流体を流すためのフローセル、ii)電磁放射のビーム、任意選択で暗ビームなどの構造化ビームを提供するためのフローセルと光通信する光源、iii)電磁放射のビームをフローセルに集束させるための光源と光通信する集束システムであって、集束システムは、フローセル内の横断面上にx方向及びy方向の両方で電磁ビームの二重ウエストを生成し、二重ウエストは、y方向よりもx方向の方が長さが長い、集束システム、iv)電磁放射の少なくとも一部を収集して光検出器に向けるための光学収集システムを含み、任意選択で、光検出器は、フローセルを透過した入射電磁放射及び粒子によって前方散乱された電磁放射を受信するために、フローセルと光通信するように配置され、光検出器は、検出された粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成する。二重ウエストのx方向の長さは、y方向の長さの2倍、10倍、20倍、50倍、又は任意選択で100倍以上である。いくつかの実施形態では、例えば、光検出器アレイは、入射ビームの光軸線に対して0度~5度以内の散乱角で設けられ、任意選択で、入射ビームの光軸線に対して、0度~0.5度以内の散乱角で設けられる。任意選択で一部の用途では、光検出器は差分検出システムである。
【0031】
[0031]一態様では、流体中の粒子を検出するためのシステムが提供され、このシステムは、i)電磁放射のビームを通して流れ方向に沿って粒子を含む流体を流すためのフローセル、ii)電磁放射のビーム、任意選択で暗ビームなどの構造化ビームを提供するためのフローセルと光通信する光源、iii)電磁放射のビームを集束させて、フローセル内に集束ビーム領域などの高い放射密度の領域を生成するための、光源と光通信する集束システム、iv)電磁放射の少なくとも一部を収集し、ピクセル化された光検出器に向けるための光学収集システムを備え、任意選択で、ピクセル化された光検出器は、フローセルを透過した入射電磁放射及び粒子によって前方散乱された電磁放射を受信するために、フローセルと光通信するように配置され、ピクセル化された光検出器の各ピクセルは、ビーム内の粒子ビーム相互作用信号の空間的範囲に対応する領域を有し、ピクセル化された光検出器は、検出された粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成する。いくつかの実施形態では、ビーム内の粒子ビーム相互作用信号の空間的範囲に対応する領域は、粒子ビーム相互作用信号の空間的範囲に75%一致する領域を指し、任意選択で、一部の用途では、粒子ビーム相互作用信号の空間的範囲に90%一致する領域、及び任意選択で、一部の用途では、粒子ビーム相互作用信号の空間的範囲に95%一致する領域である。いくつかの実施形態では、例えば、光検出器アレイは、入射ビームの光軸線に対して0度~5度以内の散乱角で設けられ、任意選択で、入射ビームの光軸線に対して、0度~0.5度以内の散乱角で設けられる。任意選択で一部の用途では、光検出器は差分検出システムである。
【0032】
[0032]一態様では、流体中の粒子を検出するためのシステムが提供され、このシステムは、i)電磁放射のビームを通して流れ方向に沿って粒子を含む流体を流すためのフローセル、ii)電磁放射のビーム、任意選択で、暗ビームなどの構造化ビームを提供するためのフローセルと光通信する光源、iii)電磁放射のビームを集束させて、フローセル内に集束ビーム領域などの高い放射密度の領域を生成するための、光源と光通信する集束システム、iv)及び電磁放射の少なくとも一部を収集してピクセル化された光検出器に向けるための光学収集システムを含み、任意選択で、光検出器は、フローセルを透過した入射電磁放射及び粒子によって前方散乱された電磁放射を受信するために、フローセルと光通信するように配置され、光学収集システムは、電磁放射のビームを再コリメート又は集束させ、ピクセル化された光検出器の各ピクセルは、ビーム内の粒子ビーム相互作用信号の空間的範囲に対応する領域を有し、光検出器は、検出された粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成する。いくつかの実施形態では、例えば、光検出器アレイは、入射ビームの光軸線に対して0度~5度以内の散乱角で設けられ、任意選択で、入射ビームの光軸線に対して0度~0.5度以内の散乱角で設けられる。
【0033】
[0033]粒子ビーム相互作用信号の画像は、検出器でのビームの遅軸線(長軸)で重要である。ビーム内の信号の垂直範囲は、一部の方法や用途ではそれほど重要ではない。粒子がビームを通過すると、信号は上部と下部の検出器要素を横切って遷移する。信号対雑音比を最大化するために、遅軸線における粒子ビーム相互作用信号の空間的範囲は、主に単一対の検出器要素上に配置され得る。粒子ビーム相互作用信号を複数の検出器の対に分散させると、測定の信号対雑音比が低下する。
【0034】
[0034]いくつかの実施形態では、ピクセル化された光検出器は、ピクセルの1つ又は複数の水平列、例えば、100ピクセル、20ピクセル、10ピクセル、5ピクセル、3ピクセル、2ピクセル、又は任意選択で1ピクセルの高さを有する水平列に基づいて粒子を特徴付ける(例えば、実際の粒子とノイズを区別する)。差分検出の場合、2列以上の水平ピクセルを使用できる。
【0035】
[0035]本明細書に記載のシステム及び方法はまた、例えば、流体媒体の屈折率に対する粒子の屈折率を決定又は推定するために使用され得る。システムは、側方散乱検出器を使用して、細胞及び微生物粒子などの生物学的粒子を非生物学的粒子から区別することができる。細胞や細胞断片には水分が多く含まれているため、生物学的粒子の屈折率は分析される流体と比較的似ている傾向がある。したがって、側方散乱検出器を含めることにより、一次光検出器と側方散乱検出器の両方をトリガーする検出イベントは、放射線が屈折又は側方検出器に散乱されるため、非生物学的粒子に対応する。しかし、一次検出器をトリガーするが側方散乱をトリガーしない検出イベントは、放射線が側方検出器に向けるのに必要な程度まで屈折しないため、生物学的粒子に対応する。
【0036】
[0036]一態様では、流体中の粒子を検出するためのシステムが提供され、このシステムは、i)電磁放射のビームを通して流れ方向に沿って粒子を含む流体を流すためのフローセル、ii)電磁放射のビーム、任意選択で暗ビームなどの構造化ビームを提供するためのフローセルと光通信する光源、iii)電磁放射のビームをフローセルに集束させるための光源と光通信する集束システム、iii)電磁放射の少なくとも一部を収集して光検出器に向けるための光学収集システムであって、任意選択で、光検出器は、フローセルを透過した入射電磁放射及び粒子によって前方散乱された電磁放射を受信するために、フローセルと光通信するように配置される、光学収集システム、iv)フローセルと光通信する側方散乱検出器であって、光検出器は、検出された粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成し、側方散乱検出器は、流体と粒子の屈折率の違いにより、システムが粒子を生物学的又は非生物学的に特徴付けることを可能にする、側方散乱検出器を備える。いくつかの実施形態では、例えば、光検出器アレイは、入射ビームの光軸線に対して0度~5度以内の散乱角で設けられ、任意選択で、入射ビームの光軸線に対して0度~0.5度以内の散乱角で設けられる。
【0037】
[0037]本明細書に記載の差分検出を使用するシステムはまた、粒子の屈折率を、流体の屈折率よりも高い又は低いものとして特徴付けることができる。金属粒子は通常、一般的な流体よりも屈折率が低く、一方、非金属は流体よりも屈折率が高いため、これは重要である。ほとんどの金属は導電性であり、導電性材料は半導体製造プロセスの多くの段階でより有害であるため、金属を区別することでより危険な粒子を特定できる。
【0038】
[0038]一態様では、流体中の粒子を検出するためのシステムが提供され、このシステムは、i)電磁放射のビームを通して流れ方向に沿って粒子を含む液体を流すためのフローセル、ii)電磁放射のビーム、任意選択で暗ビームなどの構造化ビームを提供するためのフローセルと光通信する光源、iii)電磁放射のビームをフローセルに集束させるための光源と光通信する集束システム、iv)電磁放射の少なくとも一部を収集し、少なくとも2つの検出器要素を含む光検出器に向けるための光学収集システムを備え、任意選択で、光検出器は、フローセルを透過した入射電磁放射及び粒子によって前方散乱された電磁放射を受信するために、フローセルと光通信するように配置され、各検出器要素は、検出された粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成し、光検出器は、各検出器要素信号から生成された差分信号に基づいて粒子を特徴付け、検出器は、粒子を流体よりも低い又は高い屈折率を有するものとして特徴付ける。検出器は、粒子を金属又は非金属として特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、例えば、光検出器アレイは、入射ビームの光軸線に対して0度~5度以内の散乱角で設けられ、任意選択で、入射ビームの光軸線に対して0度~0.5度以内の散乱角で設けられる。
【0039】
[0039]一態様では、流体中の粒子を検出するためのシステムが提供され、このシステムは、i)電磁放射のビームを通して流れ方向に沿って粒子を含む流体を流すためのフローセル、ii)電磁放射のビーム、任意選択で暗ビームなどの構造化ビームを提供するためのフローセルと光通信する光源、iii)電磁放射のビームをフローセルに集束させるための光源と光通信する集束システム、iv)電磁放射の少なくとも一部を収集して光検出器に向けるための光学収集システムであって、光検出器は、少なくとも2つの検出要素を含み、任意選択で、光検出器は、フローセルを透過した入射電磁放射及び粒子によって前方散乱された電磁放射を受信するために、フローセルと光通信するように配置される、光学収集システム、v)光検出器又は集束システムに動作可能に接続された調整器であって、調整器は、光検出器を動かすか、又は集束システムを変更して、電磁ビームの強度が、光検出器の各検出要素にわたって一方向に均等に分配されるようにし、光検出器は、検出された粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成する、調整器を備える。ビームは、垂直、水平、又はその両方に分配することができる。いくつかの実施形態では、例えば、光検出器アレイは、入射ビームの光軸線に対して0度~5度以内である散乱角で設けられ、任意選択で、入射ビームの光軸線に対して0度~0.5度以内の散乱角で設けられる。
【0040】
[0040]一態様では、流体中の粒子を検出するためのシステムが提供され、このシステムは、(i)電磁放射のビームを通して流れ方向に沿って粒子を含む流体を流すためのフローセル、(ii)電磁放射のビームを提供するためのフローセルと光通信する光源、(iii)電磁放射のビームを集束させてフローセル内に高い放射密度の領域を生成するための、光源と光通信する集束システム、(iv)電磁放射の少なくとも一部を収集し、ピクセル化された光検出器に向けるための光学収集システムであって、ピクセル化された光検出器のピクセルの少なくとも一部について、各ピクセルは、粒子ビーム相互作用信号のエネルギーの大部分を収集するのに十分な領域を有する、光学収集システムを備え、(v)ピクセル化された光検出器は、検出された粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成する。
【0041】
[0041]一態様では、流体中の粒子を検出するためのシステムが提供され、このシステムは、(i)電磁放射のビームを通して流れ方向に沿って粒子を含む流体を流すためのフローチャンバー、(ii)電磁放射のビームを提供するためのフローチャンバーと光通信する光源、(iii)電磁放射のビームを集束させてフローチャンバー内に高い放射密度の領域を生成するための、光源と光通信する集束システム、(iv)電磁放射の少なくとも一部を収集し、ピクセル化された光検出器に向けるための光学収集システムであって、ピクセル化された光検出器のピクセルの少なくとも一部について、各ピクセルは、ビーム内の粒子ビーム相互作用信号の空間的範囲に対応する領域を有する、光学収集システムを備え、ピクセル化された光検出器は、検出された粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成する。
【0042】
[0042]一態様では、流体中の粒子を検出するためのシステムが提供され、このシステムは、(i)電磁放射のビームを通して流れ方向に沿って粒子を含む流体を流すためのフローセル、(ii)電磁放射のビームを提供するためのフローセルと光通信する光源、(iii)電磁放射のビームを集束させてフローセル内に高い放射密度の領域を生成するための、光源と光通信する集束システム、(iv)電磁放射の少なくとも一部を収集し、ピクセル化された光検出器に向けるための光学収集システムであって、光学収集システムは、電磁放射のビームを再コリメート又は集束させる、光学収集システムを備え、ピクセル化された光検出器のピクセルの少なくとも一部について、各ピクセルは、ビーム内の粒子ビーム相互作用信号の空間的範囲に対応する領域を有し、光検出器は、検出された粒子xxの数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成する。
【0043】
[0043]調整器は、光検出器に動作可能に接続され得、光検出器を変換、移動、回転、又は傾斜させる。調整器は、集束システムに動作可能に接続され、電磁放射のビームの経路を調整するミラー又はレンズであり得る。調整器はまた、フローセル又は光検出器に光ビーム出力密度を提供し、ビームスポットサイズを調整し、フローセル内の高い放射密度の領域又はそれらの任意の組み合わせを調整するように構成することができる。本明細書に記載のシステムはイメージャをさらに含み得、電磁放射のビームがイメージャに向けられ得、イメージャは、最適な光ビーム出力密度、最適なビームスポットサイズ、フローセル内の高い放射密度の最適領域、又はそれらの任意の組み合わせについて、閉ループで調整器にフィードバックを提供する。
【0044】
[0044]電磁放射のビームは、ガウスビーム、構造化された非ガウスビーム、構造化暗ビーム、又はシルクハット構成のアナモルフィックビームであり得る。
【0045】
[0045]本発明のシステムは、光学粒子カウンタ、光学粒子分析器、及び光学粒子サイズ分類器を含む。
【0046】
[0046]光検出器は、少なくとも2つの検出器要素を含み得、粒子を示す各検出器要素からの個々の信号からの差分信号に基づいて粒子を特徴付ける。記載されたシステムは、差分信号を生成及び/又は分析するための分析器を含み得る。集束システムは、電磁放射のビームをフローセルを通して少なくとも2回向けることができ、フローセル内の粒子は、フローセルを通過する各個々のビームの異なる部分と相互作用する。分析器は、時間領域で差分信号を分析し得る。集束システムは、ビームの偏光状態を変更するための半波長板、四分の一波長板、又はその両方を含み得る。
【0047】
[0047]記載されたシステムは、電磁放射のビームを変調するための光源と光通信する変調器、例えば、チョッパーなどの変調器をさらに含み得る。変調器は、50kHz、100kHz、200kHz、又は任意選択で500kHz以上の変調周波数を有し得る。光検出器は、暗電流を低減し、信号対雑音比を増加させるための冷却システムを有し得る。説明されたシステムは、ロックイン増幅器をさらに含み得、ロックイン増幅器は、変調器の周波数に帯域幅調整されている。
【0048】
[0048]集束システムは、1つ又は複数の回折光学素子を含み得る。回折光学素子は、電磁放射のビームの焦点深度を延長することができ、フローセル内により長いビームウエスト及び高い放射密度のより大きな領域を生成する。
【0049】
[0049]集束システムは、フローセル内の高い放射密度の焦点深度又は領域を変更するための可変焦点レンズ、例えば、超高速可変焦点レンズを含み得る。
【0050】
[0050]本明細書に記載の様々な態様はまた、互いに組み合わせて使用することができ、様々な可能な組み合わせが本明細書に具体的に開示されている。
【0051】
[0051]流体中の粒子を検出するための記載されたシステムの様々な使用方法もまた、本明細書に具体的に開示されている。
【0052】
[0052]本発明はまた、暗ビームを含む構造化ビームなどの電磁放射のプローブビームを使用して、流体中の粒子のサイズを検出、カウント、及び/又は特徴付けるための方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、粒子を含む流体を有するフローセルからの透過及び前方散乱された光の検出を含む。いくつかの実施形態では、方法は、1つ又は複数のピクセル対を含むセグメント化検出器、及び/又は暗ビームなどの構造化ビームを使用する差分検出などの差分検出構成を使用する、フローセルからの透過及び前方散乱された光の検出を含む。いくつかの実施形態では、方法は、粒子を含む流体を有するフローセルからの透過及び前方散乱された光の検出を含み、任意選択で、例えば散乱光収集選択肢及び散乱光検出器を使用して、散乱光の追加の軸外検出を伴う。本発明はまた、透過及び前方散乱された光の検出によって流体中の粒子のサイズを検出、カウント、及び/又は特徴付けるための方法を提供し、任意選択的に、フローセルの横方向及び/又はz軸線に沿った(例えば、光源と検出器との間のビーム軸線に沿った)迅速な(例えば、ビームを通過するときの粒子の平均速度よりも速い)変換を実現して、変換を使用しないシステムと比較して、単位時間あたりの流体のより大きなサンプリング量を達成する。本発明はまた、ビーム内の粒子ビーム相互作用信号の空間的範囲(例えば、1.5倍以内、任意選択で1.2倍以内)に対応するピクセル領域を有するピクセル化された光検出器(複数可)を任意選択で使用して、透過及び前方散乱された光を検出することにより、流体中の粒子のサイズを検出、カウント、及び/又は特徴付けるための方法を提供し、より多くの粒子遷移の検出が強化され、単位時間あたりに分析されるサンプル量が向上する。本発明はまた、生物学的粒子と非生物学的粒子を区別するための散乱光又は蛍光の追加の軸外検出を任意選択で含む、透過及び前方散乱された光の検出によって流体中の粒子のサイズを検出、カウント、及び/又は特徴付けるための方法を提供し、例えば、散乱光収集選択肢と散乱光検出器を使用する。
【0053】
[0053]一実施形態では、流体中の粒子のサイズを検出、カウント、及び/又は特徴付けるための方法は、(i)例えばフローセル内に粒子を含む流体の流れを提供するステップと、(ii)光源、及び任意選択で、構造化ビーム又は暗ビームなどの1つ又は複数のビームステアリング及び/又は成形構成要素を使用して電磁放射のビームを生成するステップと、(iii)例えば、ビームステアリング及び/又は集束システムなどの成形光学システムを使用して、電磁放射のビームをフローセルに通すことにより、フローセルによって透過される電磁放射及びフローセル内の粒子(複数可)によって前方散乱された電磁放射を生成するステップと、(iv)フローセルによって透過された電磁放射及び粒子によって前方散乱された電磁放射の少なくとも一部を、フローセルから光検出器アレイ、例えば、1つ又は複数のピクセル対を含むセグメント化された光検出器アレイなどに向けるステップと、(v)フローセルによって透過された電磁放射と、粒子によって前方散乱された電磁放射の一部を検出し、1つ又は複数の信号を生成するステップと、(vi)例えば、差分信号を生成及び分析するなど、ハードウェア又はプロセッサを使用して1つ又は複数の信号を分析し、粒子を検出及び/又は分析するステップと、を含む。方法の一実施形態では、光検出器アレイは、フローセルを透過する入射電磁放射及び粒子によって散乱される電磁放射を受信するために、フローセルと光通信するように配置され、例えば、粒子によって散乱された電磁放射は、前方散乱された電磁放射を含む。方法の一実施形態では、フローセルを透過した入射電磁放射及び粒子によって散乱された電磁放射は、建設的及び/又は破壊的な光学干渉を受ける。方法の一実施形態では、光検出器アレイは、入射ビームの光軸線に対して0度~5度以内である散乱角で設けられ、任意選択で、一部の用途では、入射ビームの光軸線に対して0度~1度以内の散乱角、任意選択で、一部の用途では、入射ビームの光軸線に対して0度~0.5度以内の散乱角、及び任意選択で、一部の用途では、入射ビームの光軸線に対して0度~0.1度以内の散乱角である。方法の一実施形態では、光検出器アレイは、粒子と、粒子によって散乱された電磁放射と照明波面との相互作用を検出するために、フローセルと光通信するように設けられる。
【0054】
[0054]特定の理論に拘束されることを望まないが、本明細書に開示された装置及び方法に関連する基礎となる原理の信念又は理解についての説明が本明細書にあり得る。機構的説明又は仮説の最終的な正しさに関係なく、それにもかかわらず、本発明の実施形態は、機能的かつ有用であり得ることが認識される。
(項目1)
流体中の粒子を検出するためのシステムであって、前記システムは、
電磁放射のビームを通して流れ方向に沿って粒子を含む流体を流すためのフローセルと、
電磁放射の前記ビームを提供するための前記フローセルと光通信する光源と、
電磁放射の前記ビームを集束させて、前記フローセル内に高い放射密度の領域を生成するための、前記光源と光通信する集束システムと、
高い放射密度の前記領域が前記フローセル内の位置を変化させるように、前記フローセルを前記集束システムに近づけたり遠ざけたりするように変換するために前記フローセルに動作可能に接続された変換器と、
電磁放射の少なくとも一部を収集し、光検出器に向けるための光学収集システムと、を備え、
前記光検出器は、検出された前記粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成し、
高い放射密度の前記領域の位置の前記変化は、前記フローセルのより大きな断面積における前記粒子の特徴付けを可能にする、システム。
(項目2)
流体中の粒子を検出するためのシステムであって、前記システムは、
電磁放射のビームを通して流れ方向に沿って粒子を含む流体を流すためのフローセルと、
電磁放射の前記ビームを提供するための前記フローセルと光通信する光源と、
電磁放射の前記ビームを集束させて、前記フローセル内に高い放射密度の領域を生成するための、前記光源と光通信する集束システムと、
高い放射密度の前記領域が前記フローセル内の位置を変化させるように、前記フローセルを電磁放射の前記ビームを横切って横方向に変換させるために前記フローセルに動作可能に接続された変換器と、
電磁放射の少なくとも一部を収集し、光検出器に向けるための光学収集システムと、を備え、
前記光検出器は、検出された前記粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成し、
高い放射密度の前記領域の位置の前記変化は、前記フローセルのより大きな断面積における前記粒子の特徴付けを可能にする、システム。
(項目3)
流体中の粒子を検出するためのシステムであって、前記システムは、
電磁放射のビームを通して流れ方向に沿って粒子を含む流体を流すためのフローセルと、
電磁放射の前記ビームを提供するための前記フローセルと光通信する光源と、
電磁放射の前記ビームを集束させて、前記フローセル内に高い放射密度の領域を生成するための、前記光源と光通信する集束システムと、
高い放射密度の前記領域が前記フローセルの深度を変化させるように、前記フローセルを前記集束システムに近づけたり遠ざけたりするように変換するために、前記フローセルに動作可能に接続された第1の変換器と、
高い放射密度の前記領域が前記フローセル内の横方向の位置を変化させるように、前記フローセルを電磁放射の前記ビームを横切って横方向に変換させるために前記フローセルに動作可能に接続された第2の変換器と、
電磁放射の少なくとも一部を収集し、光検出器に向けるための光学収集システムと、を備え、
前記光検出器は、検出された前記粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成し、
前記第1の変換器及び前記第2の変換器は独立して動作し、高い放射密度の前記領域の深度及び横方向位置の前記変化は、前記フローセルのより大きな体積における前記粒子の特徴付けを可能にする、システム。
(項目4)
前記変換器は、前記ビームを通って移動するときの平均粒子速度よりも少なくとも2倍速い平均変換速度で前記フローセルの変換を実現する、項目1~3のいずれか一項に記載のシステム。
(項目5)
前記変換器は、前記ビームを通って移動するときの平均粒子速度よりも5~100倍速い平均変換速度で前記フローセルの変換を実現する、項目1~4のいずれか一項に記載のシステム。
(項目6)
前記変換器は、25cm/秒以上の平均変換速度で前記フローセルの変換を実現する、項目1~5のいずれか一項に記載のシステム。
(項目7)
前記変換器は、10~1000ミクロンの範囲から選択された距離に沿って前記フローセルの変換を実現する、項目1~6のいずれか一項に記載のシステム。
(項目8)
前記変換器は、100kHz~100MHzの範囲から選択された周波数で周期的な変換を受ける、項目1~7のいずれか一項に記載のシステム。
(項目9)
前記変換器は発振器である、項目1~8のいずれか一項に記載のシステム。
(項目10)
前記発振器は圧電発振器である、項目9に記載のシステム。
(項目11)
前記発振器は、前記フローセルが、前記粒子が高い放射密度の前記領域を通過するのに必要とされるよりも短い時間でその変位を完了するように十分に高い周波数で振動する、項目9又は10に記載のシステム。
(項目12)
流体中の粒子を検出するためのシステムであって、前記システムは、
電磁放射のビームを通して流れ方向に沿って粒子を含む流体を流すためのフローセルと、
電磁放射の前記ビームを提供するための前記フローセルと光通信する光源と、
電磁放射の前記ビームを集束させて、前記フローセル内に高い放射密度の領域を生成するための、前記光源と光通信する集束システムと、
電磁放射の少なくとも一部を収集し、ピクセル化された光検出器に向けるための光学収集システムであって、前記ピクセル化された光検出器のピクセルの少なくとも一部について、各ピクセルは、粒子ビーム相互作用信号のエネルギーの大部分を収集するのに十分な領域を有する、光学収集システムと、を備え、
前記ピクセル化された光検出器は、検出された前記粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成する、システム。
(項目13)
流体中の粒子を検出するためのシステムであって、前記システムは、
電磁放射のビームを通して流れ方向に沿って粒子を含む流体を流すためのフローチャンバーと、
電磁放射の前記ビームを提供するための前記フローチャンバーと光通信する光源と、
電磁放射の前記ビームを集束させて、前記フローチャンバー内に高い放射密度の領域を生成するための、前記光源と光通信する集束システムと、
電磁放射の少なくとも一部を収集し、ピクセル化された光検出器に向けるための光学収集システムであって、前記ピクセル化された光検出器のピクセルの少なくとも一部について、各ピクセルは、前記ビーム内の粒子ビーム相互作用信号の空間的範囲に対応する領域を有する、光学収集システムと、を備え、
前記ピクセル化された光検出器は、検出された前記粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成する、システム。
(項目14)
流体中の粒子を検出するためのシステムであって、前記システムは、
電磁放射のビームを通して流れ方向に沿って粒子を含む流体を流すためのフローセルと、
電磁放射の前記ビームを提供するための前記フローセルと光通信する光源と、
電磁放射の前記ビームを集束させて、前記フローセル内に高い放射密度の領域を生成するための、前記光源と光通信する集束システムと、
電磁放射の少なくとも一部を収集し、ピクセル化された光検出器に向けるための光学収集システムであって、前記光学収集システムは、電磁放射の前記ビームを再コリメート又は集束させる、光学収集システムと、を備え、
前記ピクセル化された光検出器のピクセルの少なくとも一部について、各ピクセルは、前記ビーム内の粒子ビーム相互作用信号の空間的範囲に対応する領域を有し、
前記光検出器は、検出された前記粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成する、システム。
(項目15)
各ピクセルは、前記粒子ビーム相互作用信号のエネルギーの大部分を収集するのに十分な幅を有する、項目12~14のいずれか一項に記載のシステム。
(項目16)
各ピクセルは、10~500ミクロンの範囲から独立して選択される幅を有する、項目12~15のいずれか一項に記載のシステム。
(項目17)
各ピクセルは、前記粒子ビーム相互作用信号のエネルギーの80%以上を収集するのに十分な幅を有する、項目12~16のいずれか一項に記載のシステム。
(項目18)
前記ピクセル化された光検出器の前記ピクセルの前記少なくとも一部は、前記ビーム内の前記粒子ビーム相互作用信号の空間的範囲の少なくとも75%に一致する領域をそれぞれ有する、項目12~17のいずれか一項に記載のシステム。
(項目19)
流体中の粒子を検出するためのシステムであって、前記システムは、
電磁放射のビームを通して流れ方向に沿って粒子を含む流体を流すためのフローセルと、
電磁放射の前記ビームを提供するための前記フローセルと光通信する光源と、
電磁放射の前記ビームを集束させて、前記フローセル内に高い放射密度の領域を生成するための、前記光源と光通信する集束システムと、
電磁放射の少なくとも一部を収集し、ピクセル化された光検出器に向けるための光学収集システムであって、前記光学収集システムは、電磁放射の前記ビームを再コリメート又は集束させる、光学収集システムと、を備え、
前記ピクセル化された光検出器は、少なくとも1つのピクセルの水平列を有し、ピクセルの前記列は、電磁放射の前記ビームに対して整列されて、前記水平列の少なくとも2つの要素の信号比較による差分検出を実現し、
前記光検出器は、検出された前記粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成する、システム。
(項目20)
電磁放射の前記ビームは構造化ビームであり、ピクセルの前記水平列は、前記構造化ビームの第1の部分を受信するように配置された第1の領域と、前記構造化ビームの第1の部分を受信するように配置された第2の部分とを提供する、項目19に記載のシステム。
(項目21)
電磁放射の前記ビームは暗ビームであり、ピクセルの前記水平列は、前記暗ビームの第1の部分を受信するように配置された第1の領域と、前記暗ビームの第1の部分を受信するように配置された第2の部分とを提供する、項目19又は20に記載のシステム。
(項目22)
ピクセルの前記列は、電磁放射の前記ビームに対して整列されて、チャネルピクセル対全体にわたる差分検出を実現する、項目19~21のいずれか一項に記載のシステム。
(項目23)
前記ピクセル化された光検出器は1次元又は2次元検出器アレイである、項目19~22のいずれか一項に記載のシステム。
(項目24)
流体中の粒子を検出するためのシステムであって、前記システムは、
電磁放射のビームを通して流れ方向に沿って粒子を含む流体を流すためのフローセルと、
電磁放射の前記ビームを提供するための前記フローセルと光通信する光源と、
電磁放射の前記ビームを前記フローセルに集束させるための、前記光源と光通信する集束システムと、
電磁放射の少なくとも一部を収集して光検出器に向け、軸上信号を生成するための軸上光学収集システムと、
軸外散乱光を受信し、側方散乱信号を生成するために、前記フローセル位置と光通信する側方散乱検出器と、備え、
前記光検出器は、検出された前記粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成し、
前記側方散乱信号を前記軸上信号と比較すると、生物学的粒子と非生物学的粒子が区別される、システム。
(項目25)
対応する側方散乱信号なしで軸上信号を観察することにより、粒子を生物学的粒子として特徴付けることができる、項目24に記載のシステム。
(項目26)
流体中の粒子を検出するためのシステムであって、前記システムは、
電磁放射のビームを通して流れ方向に沿って粒子を含む液体を流すためのフローセルと、
電磁放射の前記ビームを提供するための前記フローセルと光通信する光源と、
電磁放射の前記ビームを前記フローセルに集束させるための、前記光源と光通信する集束システムと、
電磁放射の少なくとも一部を収集し、少なくとも2つの検出器要素を備える差分検出システムに向けるための光学収集システムと、を備え、
各検出器要素は、検出された前記粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成し、前記光検出器は、検出器要素信号から生成された差分信号に基づいて前記粒子を特徴付け、
前記検出器要素信号を受信し、前記粒子が前記流体よりも低い又は高い屈折率を有するかどうかを特徴付けるプロセッサを備える、システム。
(項目27)
前記ビームを通る前記粒子の軌道中の時間の関数としての暗縞及び明縞のシーケンス、順序及び/又は位置は、前記粒子の前記屈折率を特徴付けるために使用される、項目26に記載のシステム。
(項目28)
前記検出器は、前記粒子を金属又は非金属として特徴付ける、項目27に記載のシステム。
(項目29)
流体中の粒子を検出するためのシステムであって、前記システムは、
電磁放射のビームを通して流れ方向に沿って粒子を含む流体を流すためのフローセルと、
電磁放射の前記ビームを提供するための前記フローセルと光通信する光源と、
電磁放射の前記ビームを前記フローセルに集束させるための、前記光源と光通信する集束システムと、
電磁放射の少なくとも一部を収集し、光検出器に向けるための光学収集システムであって、前記光検出器は、少なくとも2つの検出要素を備える、光学収集システムと、
前記光検出器又は前記集束システムに動作可能に接続された調整器であって、前記調整器は、前記光検出器を動かすか、又は前記集束システムを変更して、前記ビーム全体にわたって差分検出器のバランスをとる、調整器と、を備え、
前記光検出器は、検出された前記粒子の数及び/又はサイズに特徴的な電気信号を生成する、システム。
(項目30)
調整器は、前記光検出器を動かすか、又は前記集束システムを変更して、前記光検出器の第1及び第2のアクティブ検出器領域にわたってレーザービーム強度又は出力のバランスをとる、項目29に記載のシステム。
(項目31)
前記調整器は前記光検出器を移動させるか、又は前記集束システムを変更して、電磁ビームの強度が前記光検出器の前記検出要素のそれぞれにわたって一方向に均等に分配されるようにする、項目29又は30に記載のシステム。
(項目32)
前記調整器は、閉ループフィードバック制御を介して制御される、項目29~31のいずれか一項に記載のシステム。
(項目33)
前記調整器は、前記光検出器に動作可能に接続され、前記光検出器を変換、移動、回転、又は傾斜させる、項目29~32のいずれか一項に記載のシステム。
(項目34)
前記調整器は、前記集束システムに動作可能に接続されたステアリングミラー又はレンズであり、電磁放射の前記ビームの経路を調整する、項目33に記載のシステム。
(項目35)
前記調整器は、前記フローセル又は前記光検出器に光ビーム出力密度を提供し、ビームスポットサイズを調整し、前記フローセル内の高い放射密度の領域又はそれらの任意の組み合わせを調整するようにも構成される、項目29~34のいずれか一項に記載のシステム。
(項目36)
イメージャをさらに備え、電磁放射の前記ビームは、前記イメージャに向けることができ、前記イメージャは、最適な光ビーム出力密度、最適なビームスポットサイズ、前記フローセル内の高い放射密度の最適な領域、又はそれらの任意の組み合わせについて、閉ループで前記調整器にフィードバックを提供する、項目35に記載の光学収集システム。
(項目37)
電磁放射の前記ビームはガウスビームである、項目1~36のいずれか一項に記載のシステム。
(項目38)
電磁放射の前記ビームは構造化ビームである、項目1~36のいずれか一項に記載のシステム。
(項目39)
電磁放射の前記ビームは暗ビームである、項目1~36のいずれか一項に記載のシステム。
(項目40)
電磁放射の前記ビームは、シルクハット構成のアナモルフィックビームである、項目1~39のいずれか一項に記載のシステム。
(項目41)
前記光検出器は、少なくとも2つの検出器要素を備え、前記粒子を示す各検出器要素からの個々の信号からの差分信号に基づいて前記粒子を特徴付ける、項目1~40のいずれか一項に記載のシステム。
(項目42)
差分信号を生成及び/又は分析するための分析器又はプロセッサをさらに備える、項目1~41のいずれか一項に記載のシステム。
(項目43)
軸上光学形状を有する、項目1~42のいずれか一項に記載のシステム。
(項目44)
光検出器アレイは、前記フローセルを透過した入射電磁放射及び前記粒子によって前方散乱された電磁放射を受信するために、前記フローセルと光通信するように配置される、項目1~43のいずれか一項に記載のシステム。
(項目45)
前記光検出器アレイは、前記入射ビームの光軸線に対して0度~5度以内の散乱角で設けられる、項目1~44のいずれか一項に記載のシステム。
(項目46)
前記集束システムは、前記フローセルを介して電磁放射の前記ビームを少なくとも2回向け、前記フローセル内の前記粒子は、前記フローセルを通過する各個々の前記ビームの異なる部分と相互作用する、項目1~45のいずれか一項に記載のシステム。
(項目47)
前記分析器は、時間領域で前記差分信号を分析する、項目42に記載のシステム。
(項目48)
前記集束システムは、前記ビームの偏光状態を変更するための半波長板、4分の1波長板、又はその両方を備える、項目1~47のいずれか一項に記載のシステム。
(項目49)
電磁放射の前記ビームを変調するために、前記光源と光通信する変調器をさらに備える、項目1~48のいずれか一項に記載のシステム。
(項目50)
前記変調器はチョッパーである、項目49に記載のシステム。
(項目51)
前記変調器は100kHz以上の変調周波数を有する、項目49又は50に記載のシステム。
(項目52)
前記光検出器は、暗電流を低減し、信号対雑音比を増加させるための冷却システムを有する、項目1~51のいずれか一項に記載のシステム。
(項目53)
ロックイン増幅器をさらに備え、前記ロックイン増幅器は、前記変調器の前記周波数に帯域幅調整されている、項目49~51のいずれか一項に記載のシステム。
(項目54)
前記集束システムは、前記光源との光通信において1つ又は複数の回折光学素子をさらに備える、項目1~53のいずれか一項に記載のシステム。
(項目55)
前記光学収集システムは、電磁放射の前記ビームを前記光検出器に集束させ、前記ビームウエストの画像を前記光検出器に投影する、項目1~54のいずれか一項に記載のシステム。
(項目56)
前記光学収集システムは、電磁放射の前記ビームを再コリメートする、項目1~55のいずれか一項に記載のシステム。
(項目57)
前記流体は液体又は気体である、項目1~56のいずれか一項に記載のシステム。
(項目58)
光学粒子カウンタを備える、項目1~57のいずれか一項に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1A】例えば、暗ビームなどの構造化ビーム及び任意選択で差分検出構成を使用して、透過及び前方散乱された光を検出することにより、軸上粒子測定のためのシステム及び方法の概略図を提供する。図1Aはシングルパス光学形状を示す。
図1B】例えば、暗ビームなどの構造化ビーム及び任意選択で差分検出構成を使用して、透過及び前方散乱された光を検出することにより、軸上粒子測定のためのシステム及び方法の概略図を提供する。図1Bはデュアルパス光学形状を示す。
図2】粒子測定システムの構成要素の斜視図を示しており、対物レンズと光通信しているサンプルセルに動作可能に接続された振動トランスデューサを示す。
図3】ピクセル化された差分検出器構成の例を示す概略図を提供する。
図4】異なる粒子組成を区別するために「古典的な粒子信号の反転」を示す信号の例を含む、屈折率を測定するための光学形状及び検出器構成を示す概略図を提供する。
図5】差分検出器アライメントの閉ループフィードバック制御を提供するための光学形状及び検出器構成を示す概略図を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0056】
[0060]以下の説明では、本発明の正確な性質の完全な説明を提供するために、本発明の装置、装置構成要素、及び方法の多数の特定の詳細が示されている。しかしながら、本発明がこれらの特定の詳細なしで実施され得ることは当業者には明らかであろう。
【0057】
[0061]一般に、本明細書で使用される用語及び句は、当業者に知られている標準的なテキスト、定期刊行物参考文献、及び文脈を参照することによって見つけることができる、それらの技術的に認識された意味を有する。以下の定義は、本発明の文脈におけるそれらの特定の使用を明確にするために提供される。
【0058】
[0062]「粒子」は、しばしば汚染物質と見なされる小さな物体を指す。粒子は、例えば、2つの表面が機械的に接触し、機械的な動きがある場合、摩擦の作用によって作成された任意の材料である可能性がある。粒子は、ほこり、汚れ、煙、灰、水、すす、金属、酸化物、セラミック、ミネラル、又はこれらの任意の組み合わせ又は他の材料や汚染物質などの材料の集合体で構成できる。「粒子」はまた、生物学的粒子、例えば、ウイルス、胞子、及び細菌、真菌、古細菌、原生生物、他の単細胞微生物を含む微生物を指す場合がある。いくつかの実施形態では、例えば、生物学的粒子は、0.1~15μmの範囲のサイズ寸法(例えば、有効直径)によって特徴付けられ、任意選択で、一部の用途では、0.5~5μmの範囲である。粒子は、光を吸収、放出、又は散乱する小さな物体を指す場合があり、したがって、光学粒子カウンタによって検出可能である。本明細書で使用される場合、「粒子」は、キャリア流体の個々の原子又は分子、例えば、水、空気、プロセス液体化学物質、プロセス気体などを除外することを意図している。いくつかの実施形態では、粒子は、微細加工施設のツール表面などの表面に最初に存在し、表面から遊離され、その後、流体中で分析され得る。いくつかのシステム及び方法は、有効直径などのサイズ寸法を有する材料の集合体を含む粒子を検出し、そのサイズ寸法は、5nm、10nm、20nm、30nm、50nm、100nm、500nm超、1μm以上、又は10μm以上である。本発明のいくつかの実施形態は、10nm~150μmの範囲から選択される有効直径などのサイズ寸法を有する粒子を検出し、任意選択で一部の用途では10nm~10μm、任意選択で一部の用途では10nm~1μm、及び任意選択で、一部の用途では10nm~0.5μmである。
【0059】
[0063]「粒子を検出する」という表現は、広義には、有効直径などのサイズ寸法に関して粒子を特徴付けるなど、粒子の存在を感知、識別、粒子をカウント、及び/又は特徴付けることを指す。いくつかの実施形態では、粒子を検出することは、粒子をカウントすることを指す。いくつかの実施形態では、粒子を検出することは、有効直径、断面寸法、形状、サイズ、空気力学的サイズ、又はこれらの任意の組み合わせなどの粒子の物理的特性を特徴付け及び/又は測定することを指す。いくつかの実施形態では、粒子の検出は、0.05CFM~10CFMの範囲にわたって選択された体積流量を有する気体などの流動流体中で、任意選択で一部の用途では0.1CFM~5CFM、任意選択で一部の用途では0.5CFM~2CFMで実行される。いくつかの実施形態では、粒子の検出は、1~1000mL/分の範囲にわたって選択された体積流量を有する液体などの流動流体中で実行される。
【0060】
[0064]「光学粒子カウンタ」又は「粒子カウンタ」は交換可能に使用され、通常は流体の流れ中の粒子を分析することによって、粒子を検出するために光学検出を使用する粒子検出システムを指す。光学粒子カウンタには、例えば、流体の流れの中の個々の単一粒子を検出するためのシステムを含む、液体粒子カウンタ及びエアロゾル粒子カウンタが含まれる。光学粒子カウンタは、電磁放射(例えば、レーザー)のプローブビームを分析領域又は体積に提供し、そこでビームは任意の粒子と相互作用し、フローセルからの散乱(前方及び/又は側方散乱)、放出、及び/又は透過光に基づいて粒子を検出する。検出は、粒子(複数可)によって散乱、吸収、不明瞭化、及び/又は放出される電磁放射にフォーカスすることができる。光学粒子カウンタ用の様々な検出器は、例えば、単一の検出要素(例えば、フォトダイオード、光電子増倍管など)、セグメント化された検出器、カメラ、様々な検出器の向きなどを含む検出器アレイを含んで、当技術分野で知られている。光学粒子カウンタには、凝縮粒子カウンタ、凝縮核カウンタ、分割ビーム差分システムなどが含まれる。凝縮粒子カウンタの文脈で使用される場合、粒子カウンタ部分は、通常、検出システム又はその構成要素(例えば、電磁放射源、光学系、フィルタ、光学収集、検出器、プロセッサなど)を指す。一実施形態では、例えば、光学粒子カウンタは、電磁放射のビームを生成するための光源、流体サンプル、例えば、フローセルを流れる液体又は気体が流れている領域にビームを向けて集束させるためのビームステアリング及び/又は成形光学系を含む。典型的な光学粒子カウンタは、前記フローセルと光通信する光検出器アレイなどの光検出器、及びビームを通過する粒子によって散乱、透過、又は放出される電磁放射を収集及び画像化するための収集光学系からなる。粒子カウンタは、電流から電圧への変換器、波高分析器、及び信号フィルタリング及び/又は増幅電子機器を含む、光検出器によって生成される電気信号の読み出し、信号処理及び分析のための電子機器及び/又はプロセッサ構成要素をさらに含み得る。光学粒子カウンタはまた、ポンプ、ファン、又はブロワーなどの流体作動システムを備えて、粒子を含む流体サンプルをフローセルの検出領域を通して輸送するための流れを生成し、例えば、体積流量によって特徴付けられる流れを生成することができる。1つ又は複数の気体を含むサンプルの有用な流量には、0.05CFM~10CFMの範囲で選択された流量が含まれ、任意選択で一部の用途では0.1CFM~5CFM、任意選択で一部の用途では0.5CFM~2CFMである。1つ又は複数の液体を含むサンプルの有用な流量には、1~1000mL/分の範囲で選択された流量が含まれる。
【0061】
[0065]「粒子の干渉検出」という表現は、1つ又は複数の粒子を検出するために光学干渉を使用するシステム及び方法を指す。いくつかの実施形態では、電磁放射のコヒーレントビームが重ね合わされて、電磁放射の少なくとも一部と相互作用する粒子のサイズ特徴を感知、カウント、及び/又は決定するための光学干渉を引き起こす。
【0062】
[0066]「構造化ビーム検出」は、非ガウス強度分布を有する電磁放射の構造化ビームが粒子を含むフローセルを通過し、光検出器アレイを使用して検出され、粒子を感知、カウント、及び/又は特徴付けるシステム及び方法を指す。
【0063】
[0067]「暗ビーム検出」は、例えば、強度の中心線減少などの減衰強度の領域を有する空間強度プロファイルを有する電磁放射の暗ビームが、粒子を含むフローセルを通過し、粒子を感知、カウント、及び/又は特徴付けるために、光検出器アレイを使用して検出されるシステム及び方法を指す。
【0064】
[0068]統計的に有意なデータを提供する方法で、クリーン及びウルトラクリーン流体中の小さな粒子(例えば、有効直径が100nm未満)を検出及びカウントするには、高い信号対雑音比(S/N又はSNRと略記)が必要である。S/N比が高いため、ノイズフロアの上でナノ粒子を明確に検出できる。本明細書で使用される場合、「統計的に有意なデータ」は、流体中の汚染レベルを正確に評価することができるのに十分な単位時間あたりの粒子の検出を指す。いくつかの実施形態では、高いS/Nは、サイジング精度に直接関係しない。例えば、一部の光学粒子カウンタでは、ビームウエストがフローセルチャネルのごく一部を占めるため、このアプローチでは、粒子が放射照度が中心よりも小さいビームの縁を通過できるように、フロー全体のサブセットを監視する。50nmの粒子がビームの外縁を通過する場合、ビームの中心を通過する10nmの粒子と同様の信号を生成し得る。したがって、一部の光学粒子カウンタでは、S/Nが高く、2nmの粒子を検出できる可能性があるが、サイジングの精度はあまり高くない。現在の光学粒子カウンタ及び方法のいくつかでは、目標は、超高純度流体の汚染レベルの定量的で統計的に健全な評価を最短時間で実現するのに十分な粒子をカウントできるようにすることである。例えば、現在の最先端の粒子カウンタは、超純水システムの状態を監視するときに、統計的に適切な濃度(許容可能な相対標準偏差)測定を実現するのに十分な粒子をカウントするのに最大40分かかる場合がある。本システム及び方法を通じて高いS/Nを改善及び維持することにより、この統計的に許容可能な最小粒子数を測定するために必要な時間間隔を10分の1以上短縮することができる。これにより、ユーザーはプロセス管理限界からの逸脱をより迅速に識別できるため、価値が提供される。
【0065】
[0069]「高い信号対雑音比」という表現は、小さな物理的寸法によって特徴付けられる粒子を含む、流体の流れ中の粒子の正確かつ高感度の検出に十分な光学粒子検出システムの信号対雑音比を指す(例えば、200nm以下の有効直径、任意選択で、いくつかの実施形態では、100nm以下、及び任意選択で、いくつかの実施形態では、50nm以下)。一実施形態では、「高い信号対雑音比」は、20nmという小さい有効直径を有する粒子など、小さな物理的寸法によって特徴付けられる粒子を感知するのに十分に高い信号対雑音比を指し、任意選択で、一部の用途では10nmの小さい直径、任意選択で、一部の用途では1nmの小さい直径である。一実施形態では、「高い信号対雑音比」は、50カウント/L以下の誤検出率で粒子を正確に検出及びカウントするのに十分に高い信号対雑音比を指し、例えば、1~1000nmの範囲で選択された有効直径を有する粒子の検出である。一実施形態では、「高い信号対雑音比」は、従来の光学粒子カウンタよりも少なくとも10倍少ない時間枠で統計的に許容可能な最小粒子数を提供するのに十分に高い信号対雑音比を指す。
【0066】
[0070]「差分検出」という表現は、例えば、前方視軸上検出器対(複数可)からの差分信号を、入射ビームの光軸線に対して0度~0.5度以内である散乱角で使用する技術及びシステムを指し、任意選択で、一部の用途では、入射ビームの光軸線に対して0度~0.1度以内の散乱角であり、任意選択で0度又はその近くにある。最小2ピクセルを使用して、差分信号(例えば、1つの上部(又は頂部)及び1つの下部(又は底部))を生成することができ、差分検出のための単一のピクセル対を形成する。或いは、複数のピクセルは、差分検出器の各アクティブ検出器領域(例えば、上部アクティブ領域及び下部アクティブ領域)、例えば、1つ又は複数のピクセル対を含むセグメント化された差分検出器に使用され得、複数のピクセル対を使用する。例えば、各ピクセル対の1つのピクセルは、上部のアクティブ検出器領域に対応し、各ピクセル対の他のピクセルは、下部のアクティブ領域に対応する。ピクセル対の数は、例えば、1~500ピクセルの範囲であり得、任意選択で、一部の用途では50~100ピクセルの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、差分信号は、上半分及び下半分など、セグメント化された検出器アレイの異なるアクティブ領域に対応するピクセル対からの信号を差分的に追加することによって生成される。差分検出を本システム及び方法で使用して、ノイズを低減し、したがって信号対ノイズ比を向上させることができる。いくつかの実施形態では、例えば、差分検出は、前記フローセルを透過する入射電磁放射と、フローセル内の流体の流れ中の1つ又は複数の粒子(複数可)によって前方散乱された電磁放射との組み合わせの検出に使用される。いくつかの実施形態では、例えば、入射光の分布は、例えば、第1及び第2のアクティブ検出領域が、10%以内、任意選択で、一部の用途では5%、任意選択で、一部の用途では1%以内の入射放射出力によって特徴付けられるように、差分検出器の第1と第2のアクティブ検出領域(例えば、上半分及び下半分)の間でバランスがとられる出力分布を有する。差分検出には、例えば、粒子が存在しないとき(すなわち、粒子からの散乱がないとき)の差分信号のノイズ振幅の評価に基づく、閉ループ制御を有する技術及びシステムが含まれる。いくつかの実施形態では、ステアリングミラーを使用して、検出器の入射ビーム位置を調整して、差分信号のノイズレベルを低減又は最小化し、これはビーム出力が第1と第2のアクティブ検出器要素(例えば、検出器の上部要素と下部要素)の間で均一に分割されるときに発生する可能性がある。閉ループ制御は、検出器の位置を変換し、検出器を回転させてビーム軸線と検出器軸線を整列し、差分信号のノイズレベルを低減又は最小化することによっても実現できる。
【0067】
[0071]「構造化ビーム」は、非ガウス空間強度分布を有する電磁放射(例えば、レーザー)のコヒーレントビームを指す。構造化ビームには、暗ビームなどの減衰領域を特徴とするビーム、暗線特異点を備えた線焦点を備えたビーム、2つ以上の離散強度ローブを特徴とするビームなどが含まれる。一実施形態では、構造化ビームは、TEM01などの横モードに対応する。構造化ビームには、集束、合成、レーザービームが含まれる。構造化ビーム及び暗ビームは、光学マスクの使用、レーザーキャビティの修正、複数のビームの組み合わせ、空間及び/又は偏光フィルタ、並びに干渉又は偏光修正スキームなどの他の操作を含む、当技術分野で知られている技術によって生成することができる。
【0068】
[0072]「ビーム伝搬軸」は、電磁放射のビームの進行方向に平行な軸線を指す。
【0069】
[0073]「光通信」は、光が構成要素間を移動することを可能にするように配置された構成要素を指す。光通信には、2つの要素が直接光通信し、光が要素間を直接移動する構成と、2つの要素が間接的に光通信し、光がレンズ、ミラー、ウィンドウ、フィルタなどの1つ又は複数の追加の光学素子を介して要素間を移動する構成が含まれる。
【0070】
[0074]「光軸線」は、電磁放射がシステムを通って伝搬する方向を指す。
【0071】
[0075]「光検出器アレイ」は、検出器のアクティブ領域全体にわたって2次元で入力信号(例えば、電磁放射)を空間的に分解するための光検出器を指す。光検出器アレイは、画像、例えば、検出器のアクティブ領域上の強度パターンに対応する画像を生成することができる。一実施形態では、光検出器アレイは、本明細書ではピクセルとも呼ばれる個々の検出器要素のアレイを含み、例えば、光検出器の2次元アレイ、電荷結合装置(CCD)検出器、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)検出器、金属酸化膜半導体(MOS)検出器、アクティブピクセルセンサー、マイクロチャネルプレート検出器、又はフォトダイオードの2次元アレイである。
【0072】
[0076]「光源」は、電磁放射をサンプルに送達するための装置又は装置構成要素を指す。この用語は、可視光線などによる可視放射に限定されず、広義には、可視放射、紫外線放射、及び/又は赤外線放射も含む任意の電磁放射を含んで使用される。光源は、いくつかの例を挙げると、ダイオードレーザー、ダイオードレーザーアレイ、ダイオードレーザー励起固体レーザー、LED、LEDアレイ、気相レーザー、固体レーザーなどのレーザー又はレーザーアレイとして具体化することができる。いくつかの実施形態では、光源は、例えば、光粒子カウンタでプローブビームを生成するために、電磁放射の1つ又は複数のコヒーレントビームを生成するためのものである。一実施形態では、光源は、ビーム成形システム、位相マスク、ビームコンバイナ、偏光コントローラ、波長板、又は暗ビームなどの構造化ビームを生成するための他の構成要素などの1つ又は複数の構成要素を含むことができ、光学粒子カウンタにプローブビームを供給する。
【0073】
[0077]「電磁放射」及び「光」という用語は、本説明において同義的に使用され、電界及び磁界の波を指す。本発明の方法に有用な電磁放射には、紫外線、可視光、赤外線、又は約100ナノメートル~約15ミクロンの間の波長を有するこれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0074】
[0078]「高アスペクト比」ビームは、10:1~200:1の範囲から選択されるアスペクト比を有する、構造化ビーム又は暗ビームを含むレーザービームなどの光ビームを指す。
【0075】
[0079]本システム及び方法は、例えば、暗ビームなどの構造化ビーム、及び任意選択で差分検出構成を使用して、透過及び前方散乱された光の検出によって光学粒子検出軸上粒子測定を強化するためのアクティブ及び/又はパッシブ構成要素を統合し、以下を含む重要な性能上の利点を提供し、(i)小さな粒子(例えば、10ミクロン以下、又は任意選択で1ミクロン以下又は任意選択で500ナノメートル以下の有効な横方向の寸法(例えば、直径))の検出及びサイズ特徴付けのための高い信号対雑音比及び増加した感度を実現する、(ii)時間の関数として分析されるサンプル流体の量を増やす、及び/又は(iii)偽陽性表示を抑制する。
【0076】
[0080]図1は、例えば、暗ビームなどの構造化ビーム及び差分検出構成を使用して、透過及び前方散乱された光の検出による軸上粒子測定を介して粒子を検出するためのシステムの概略図を提供する。図1に示すように、粒子検出システム(200)は、粒子を有する気体又は液体の流れなど、フローセル(210)内に円として概略的に描かれる粒子を含む流体(150)の流れを輸送するためのフローセル(210)を含む。レーザー源などの光源(220)は、プローブビーム(222)、例えば、フローセル(210)に提供される、暗ビームを含む構造化ビームなどを生成するためにビームステアリング及び成形システム(221)に提供される電磁放射を生成する。プローブビームはフローセル(210)を通過し、1つ又は複数のピクセル対を含むセグメント化された1D(1次元)又は2D(2次元)光検出器(240A及び240B)などの軸上光検出器アレイ(240)を介して検出され、これはプロセッサ(101)に出力信号(複数可)を提供するためにプロセッサ(101)と動作通信している。光検出器アレイ(240)及び/又はプロセッサ(101)は、例えば、個々のセグメント化された検出器領域がそれぞれ、暗ビームなどの構造化ビームの異なる強度ローブ上に配置される構成において、差分検出を提供し得る。
【0077】
[0081]プロセッサ(101)は、例えば、セグメント化された1D又は2D光検出器(240A及び240B)からの信号を組み合わせた(例えば、差分加算、減算など)差分信号の生成及び分析を介して、光検出器アレイ(240)からの出力信号を受信及び分析し、カウント及び/又はサイズ特徴付けなどによる粒子の検出を実現する。いくつかの実施形態では、発振器、ディスプレーサ、圧電素子などのような1つ又は複数の変換器(205)が、フローセル(210)に動作可能に結合されて、フローセルの横方向(例えば、入射プローブビームの軸線に直交する方向)及び/又はz軸線(例えば、光源と検出器の間のビーム軸線に沿って、及び/又は入射プローブビームの軸線に沿って)での迅速な(例えば、ビームを通過する粒子の平均速度より少なくとも2倍速い平均変換速度で)変換を実現し、単位時間あたりの流体のより大きなサンプリング量を達成する。いくつかの実施形態では、例えば、前記光検出器アレイ(240)は、入射ビームの光軸線に対して0度~5度以内の散乱角で設けられ、任意選択で、入射ビームの光軸線に対して0度~0.5度以内の散乱角で設けられ、任意選択で、入射ビームの光軸線に対して0度~0.1度以内である散乱角で設けられる。
【0078】
[0082]また、図1Aには、プローブビーム(222)のビーム伝搬軸線及び光検出器アレイ(240)の検出器軸線に対して軸外に配置された任意選択の光学側方散乱光検出器(268)及び側方散乱収集光学系(267)が示されている。1つ又は複数のレンズ及び/又はミラーなどの側方散乱収集光学系(267)は、フローセル(210)内の粒子及びプローブビームとの相互作用から生じる軸外散乱光を受信するように配置される。側方散乱収集光学系(267)は、収集された散乱光の少なくとも一部を、分析のためにプロセッサ(101)に出力信号(複数可)を提供するために動作通信している側方散乱光検出器(268)に向け、任意選択で画像化し、粒子(複数可)を検出及び/又は特徴付けする。軸上差分検出と軸外側方散乱検出の組み合わせを組み込んだ実施形態は、粒子を生物学的又は非生物学的粒子として特徴付けるのに特に有用である。いくつかの実施形態では、例えば、プロセッサ(101)は、粒子が生物学的粒子であるか非生物学的粒子であるかを決定するために、軸上光検出器アレイ(240)及び側方散乱光検出器(268)からの信号を比較する。いくつかの実施形態では、例えば、軸上光検出器アレイ(240)からの測定可能な信号を伴う、側方散乱光検出器(268)からの小さな出力信号又は側方散乱光検出器(268)からの測定可能な信号の欠如は、微生物粒子などの生物学的粒子を示す。
【0079】
[0083]図1Bは、例えば、暗ビームなどの構造化ビーム、及び差分検出構成を使用して、透過及び前方散乱された光を検出することにより、軸上粒子測定の粒子を検出するための代替システムの概略図を提供し、光学形状は、デュアルパス光学形状を提供するように設定されている。図1Bに示されるように、システム(200)は、光源(220)、ビームステアリング及び成形システム(221)、フローセル(210)、対の検出器アレイ及び変換器(205)を含む光検出器アレイ(240)を含む。さらに、ビームスプリッター(265)とミラー(275)が含まれており、デュアルパス光学形状を提供する。任意選択で、ビームステアリング及び成形システム(221)は、フローセル(210)に提供される、10:1~200:1の範囲から選択されるアスペクト比によって特徴付けられるビームなどの高アスペクト比ビームを実現する。光検出器アレイ(240)は、対の検出器アレイ(240A及び240B、検出器(240)内のそれらの位置から拡張され、粒子検出イベントに対応する例示的な信号の隣の粒子検出概略図の下に別個に明確にするために概略的に示されている)を含む対の検出器アレイとして構成される。光検出器アレイ(240)は、差分検出を実現するように構成され得る。任意選択で、対の検出器アレイ(240A及び240B)が、暗ビームなどの構造化ビームの強度ローブ上に配置される。いくつかの実施形態では、発振器、ディスプレーサ、圧電素子などのような1つ又は複数の変換器(205)が、フローセル(210)に動作可能に結合されて、フローセルの横方向及び/又はz軸線(例えば、光源と検出器との間のビーム軸線に沿って、及び/又は入射プローブビームの軸線に沿って)での迅速な(例えば、ビームを通過する粒子の平均速度より2倍速い平均変換速度で)変換を実現し、単位時間あたりの流体のより大きなサンプリング量を達成する。いくつかの実施形態では、例えば、前記光検出器アレイは、入射ビームの光軸線に対して0度~5度以内である散乱角で設けられる。任意選択で、入射ビームの光軸線に対して0度~0.5度以内の散乱角で設けられる。
【0080】
[0084]図1Bはまた、フローセル内のビームを通過する粒子の関数時間(又はビームを通る粒子の軌道)として、個々の対の検出器アレイ(240A及び240B)からの信号を示す光検出器アレイ(240)の代表的な信号を示し、実線は検出器アレイ240Aからの信号であり、点線は検出器アレイ240Bからの信号である。図1Bに示されるように、個々の対の検出器アレイ(240A及び240B)からの信号は、それぞれ、最小値及び最大値によって特徴付けられ、互いに対して反転される。個々の対の検出器アレイ(240A及び240B)からの信号は、例えば、差分加算、減算、乗算などを介して組み合わされて、差分信号などの信号を提供することができ、これを分析して、粒子のサイズ、光学特性(例えば、屈折率)、及び組成に関する正確な情報を提供できる。
【0081】
[0085]描かれた光学形状は、例えば、フローセルから透過された光とフローセル内の粒子から散乱された前方光との組み合わせを含む、感度を助けるビームの建設的及び破壊的な干渉を可能にする。デュアルパス光学形状及び差分検出を使用すると、小さな粒子を検出するための感度と精度が向上する(例えば、有効寸法が100nm未満、任意選択で50nm未満、任意選択で20nm未満)。高アスペクト比のビームを使用すると、粒子を検出できるサンプルの量が増え、単位時間あたりに監視できるサンプルの量が増える。
【0082】
[0086]図2は、対物レンズと光通信するサンプルセルに動作可能に接続された振動トランスデューサを含む粒子測定システムの構成要素の斜視図を示す。図2に示すように、対物レンズ(300)は、構造化ビームなどの光ビーム(320)を、光源(220)からフローセル(210)に向けて集束させ、これは、横方向(330)に沿ってフローセル(210)を変換させるための振動トランスデューサ(310)を備える変換器に動作可能に結合されている。横方向(330)は、入射ビームの伝搬軸線に対応するz軸線(331)に任意選択で直交し、その結果、高い放射密度の領域がフローセル内の位置を変化させ、単位時間あたりの分析された流体の量の増加を可能にする。いくつかの実施形態では、トランスデューサ(310)は、z軸線(331)に沿ったフローセル(210)の変換を実現し、その結果、高い放射密度の領域はフローセル内の位置を変更し、単位時間あたりの分析された流体の量の増加を可能にする。フローセルによって透過された電磁放射及びフローセル内の粒子によって前方散乱された電磁放射は、例えば、軸上差分検出システムを使用して、セグメント化された1D又は2D光検出器(240A及び240B)などの光検出器アレイ(240)によって検出される。
【0083】
[0087]図3は、ピクセル化された差分検出器構成を使用する例示的な画像化検出器を示す概略図を提供する。図3のセクション1は、ビームのエネルギーが上部と下部の検出器の半分の間で±1%~5%以内に均一に分布(それぞれ50%)されている、上部アクティブ領域(「上半分」)及び下部アクティブ領域(「下半分」)を有するピクセル化された検出器上に画像化されたビームの概略図を提供する。ビームエネルギーは2つのアクティブ領域間でバランスがとれているため、相関レーザーノイズは差分検出を使用して少なくとも部分的にキャンセルされる。さらに、信号に対するピクセルのサイジングマッチング(すなわち、信号の空間的範囲)は、例えば、高い信号対雑音比を実現するために、信号対雑音比を最適化する。
【0084】
[0088]図3のセクション2は、粒子がフローセル内のビームに入る、例えば、下からビームに入る条件に対応する、ピクセル化された検出器上に画像化されたビームの概略図を提供する。図3のセクション2に示すように、ピクセル化された検出器の上半分では明縞がピクセルの1つ又はサブセットで観察され、ピクセル化された検出器の下半分では暗縞がピクセルの1つ又はサブセットで観察される。図3のセクション3は、粒子がフローセル内のビームウエストの上部を通って変換している条件に対応する、ピクセル化された検出器上で画像化されたビームの概略図を提供する。図3のセクション3に示すように、ピクセル化された検出器の上半分ではピクセルの1つ又はサブセットで暗縞が観察され、ピクセル化された検出器の下半分ではピクセルの1つ又はサブセットで明縞が観察される。この構成では、差分信号は検出器での出力のわずかな変動によって駆動される。ピクセルサイズが大きくなると、粒子がビームと交差するときのわずかな変動が減少する。ピクセルが小さくなりすぎると、わずかな変動が同じであっても、検出器の出力が低下し、信号の振幅が低下する。したがって、このトレードオフを反映して、中間に最適値がある。
【0085】
[0089]図4は、差分信号(500)、差分検出器の上半分からのピクセル又はピクセルのサブセットからの上部信号(510)、及び差分検出器の下半分からのピクセル又はピクセルのサブセットからの下部信号(520)を含む粒子の差分検出を使用して達成された時間の関数としての例示的な信号を示す概略図を提供する。図4に示すように、差分信号(500)は、下部信号(520)と上部信号(510)を差分的に加算することによって生成される。このように上部信号(510)と下部信号(520)から差分信号(500)を導出することにより、相関差分ノイズキャンセルによりノイズの同時低減が実現され、全体的な信号対ノイズ比が向上する。
【0086】
[0090]差分信号(500)を分析して、粒子の有効サイズ寸法(複数可)及び光学特性(例えば、屈折率)に関する情報を提供し、屈折率などの異なる粒子光学特性を区別し、したがって、粒子組成についての情報を提供することができる。この概念を説明するために、異なる屈折率と組成を有する粒子の検出を比較する、(i)ポリスチレンラテックス(PSL)と(ii)金ナノ粒子である。PSL粒子の屈折率は1.59で、水の屈折率1.33よりも大きくなっている。したがって、ビームに入ると(例えば、図4のセクション2に対応する状況)、差分検出器の上半分に明縞が観察され、差分検出器の下半分に暗縞が観察される。そして、ビームウエストを介して変換すると(例えば、図4のセクション3に対応する状況)、差分検出器の上半分に暗縞が観察され、差分検出器の下半分に明縞が観察される。他方、プローブビームの波長で屈折率が水よりも小さい金ナノ粒子が、本発明の差分検出方法のいくつかの実施形態を使用して分析される場合、PSL粒子に対して反転した信号が観察され、ビームに入ると(例えば、図4のセクション2に対応する状況)、差分検出器の上半分に暗縞が観察され、差分検出器の下半分に明縞が観察される。そして、ビームウエストを介して変換すると(例えば、図4のセクション3に対応する状況)、差分検出器の上半分に明縞が観察され、差分検出器の下半分に暗縞が観察される。このようにして、差分信号で観察されるような明縞と暗縞のシーケンスと位置を使用して、本方法によって分析される粒子の屈折率(及び組成)を特徴付けることができる。
【0087】
[0091]セグメント化された検出器を含む1D及び2D検出器は、特定の実施形態における差分検出に有用である。1Dセグメント化検出器では、2つの選択肢が一部の用途に役立つ。(i)2つの隣り合うピクセルを上下のピクセルの単一の対として使用できるように、検出器セグメントをビームを通過する粒子に垂直又は平行に向ける。又は、2つの1D検出器をビームに対して90度で取り付け、ナイフエッジプリズムを使用して、ビームの上半分を1つの1D検出器に送信し、ビームの下半分を第2の1D検出器に送信する。ピクセル対の数は、例えば、1~500ピクセルの範囲であり得、任意選択で、一部の用途では50~100ピクセルの範囲であり得る。10~500ミクロンの範囲から選択されるピクセル幅は、特定の実施形態において、そして任意選択で、50~100ミクロンの範囲から選択される一部の用途にとって有用である。
【0088】
[0092]図5は、例えば、検出器の2つのアクティブ領域(例えば、上半分及び下半分)にわたってビームエネルギーのバランスをとるために、差分検出器アライメントの閉ループフィードバック制御を提供するための光学形状及び検出器構成を示す概略図を提供する。したがって、レーザーノイズは、差分検出を使用して少なくとも部分的にキャンセルされる。特定の実施形態における閉ループフィードバック制御の使用は、アライメントドリフトを修正するため、及び/又は外部の音響又は振動干渉に対処するために有用である。図5に示されるように、レーザーなどの光源(600)は、光ビーム(605a)、例えば、ステアリング及び/又は集束光学系(610a)を介してフローセル(620)を通過する構造化ビームを提供する。光ビーム(605a)は、フローセル(620)を通って流れる流体中の粒子と相互作用し、透過電磁放射及び前方散乱された電磁放射(一緒に605b)を生成し、これは収集光学系(610b)を介して収集される。透過電磁放射及び前方散乱された電磁放射(605b)は、ミラー(630)、任意選択でステアリングミラーに向けられ、これは、透過電磁放射及び前方散乱された電磁放射(605b)の少なくとも一部を差分検出器(640)に向け、例えば、第1のアクティブ領域及び第2のアクティブ領域(例えば、上半分及び下半分)を有するセグメント化された検出器である。ポジショナ(650)は、検出器を横方向及び/又は垂直方向に移動させるか、又は検出器を回転させるなど、差分検出器(640)の位置を調整するために、差分検出器(640)に動作可能に結合される。一実施形態では、プロセッサ(660)は、ミラー(630)及び/又はポジショナ(650)と動作可能に通信して、差分検出器(640)の上半分及び下半分などの差分検出器(640)の第1及び第2のアクティブ領域上の透過電磁放射及び前方散乱された電磁放射(605b)の相対的アライメントを制御する。一実施形態では、プロセッサ(660)は、第1のアクティブ領域及び第2のアクティブ領域(例えば、上半分及び下半分)に対応する信号を受信及び分析し、差分信号を決定する。
【0089】
[0093]ノイズを最小化し、信号を最大化するために、出力透過電磁放射及び前方散乱された電磁放射(605b)は、差分検出器(640)の第1のアクティブ領域と第2のアクティブ領域(例えば、上半分及び下半分)との間でバランスをとることができる。いくつかの実施形態では、これは、粒子が存在しないときにプロセッサが差分信号を分析し、ポジショナ(650)及びミラー(630)の制御を介して差分信号のノイズ振幅を最小化する閉ループシステムで達成される。いくつかの実施形態では、例えば、ミラー(630)を使用して、検出器(640)上のビーム位置を調整して、差分信号のノイズレベルを最小化する。この条件は、ビーム出力が差分検出器の上部要素と下部要素の間で最も均一に分割されている場合に発生する。差分信号のノイズレベルを最小化することも、例えば、検出器の位置を変換し、検出器(640)を回転させて、ポジショナ(650)を使用してビーム及び検出器の軸線を整列させることによって達成することができる。
【0090】
[0094]本発明は、以下の非限定的な例によってさらに理解することができる。
【0091】
[0095]実施例1-構造化ビーム及び/又は差分検出を使用する粒子測定
[0096]この実施例は、本発明のある特定の特徴を例示することを目的とする特定の実施形態に対応する粒子検出及びサイズ特徴付けの強化を可能にする光学形状、検出器構成及び信号分析技術を説明する。
【0092】
[0097]走査変調焦点:いくつかの実施形態では、例えば、システムは、測定点で高いレーザービーム光出力密度の領域を作成するように設計されている。従来のシステムでは、この照明領域は通常、対物レンズの焦点角によって制約され、最小の粒子を識別して特徴付けできるサンプルセル内の断面積を制限する。圧電又は同様の装置などの高速機械発振器を使用して、サンプルセルを対物レンズに近づけたり遠ざけたりするように物理的に移動又は変換することができる。この機械的な変換により、サンプルセル内の最高の光学密度の点が移動する。十分に高い周波数で行われ、レーザービームの粒子通過時間よりも速い場合、サンプルセルのより大きな断面積を粒子について特徴付けることができる。このアプローチにより、レーザー出力の増加を必要とせずに、単位時間あたりの流体のサンプル量の増加がもたらされる。
【0093】
[0098]走査変調交差軸線:いくつかの実施形態では、例えば、システムは、測定点で高いレーザービーム光出力密度の領域を作成するように設計されている。従来のシステムでは、この領域は通常、対物レンズの焦点角によって制約され、最小の粒子を識別して特徴付けできるサンプルセル内の断面積を制限する。圧電又は同様の装置などの高速機械発振器を使用して、レーザービーム全体でサンプルを物理的に移動又は変換することができる。この機械的な変換により、サンプルセル内で最高の光学密度の点が横方向に移動する。十分に高い周波数で行われ、レーザービームの粒子通過時間よりも速い場合、サンプルセルのより大きな断面積を粒子について特徴付けることができる。これは本質的に、レーザー出力の増加を必要とせずに、単位時間あたりの流体のサンプル量の増加をもたらす。
【0094】
[0099]2次元走査変調:いくつかの実施形態では、例えば、走査変調焦点及び走査変調交差軸線は、累積効果を増大させるために、個別に又は組み合わせて使用することができる。
【0095】
[0100]検出器上のサンプル量の画像化:いくつかの実施形態において、例えば、この特徴は、光検出器のピクセルの少なくとも一部がそれぞれ、粒子ビーム相互作用信号のエネルギーの大部分を収集するのに十分な幅を有している場合、信号対雑音比(SNR又はS/R)が最大化されるという関係に由来する。粒子ビーム相互作用信号の画像は、検出器でのビームの遅軸線(長軸線)で重要である。ビーム内の信号の垂直範囲はそれほど重要ではない。粒子がビームを通過すると、信号は上部と下部の検出器要素を横切って遷移する。信号対雑音比を最大化するために、遅軸線における粒子ビーム相互作用信号の空間的範囲は、主に単一対の検出器要素上に配置され得る。粒子ビーム相互作用信号を複数の検出器の対に分散させると、測定の信号対雑音比が低下する。サンプル量が高アスペクト比のビームで照らされる可能性があることを考慮すると(サンプル量の位置に直交するビームウエストで)、ビーム軸線に沿って作成されたこの位置の画像は同様の形状になり、適切な数のピクセル検出器要素にわたる画像を分散するのに十分な倍率を有する必要がある。
【0096】
[0101]代替の検出器形状は、以下の特徴を含み得る。集束ビームがサンプル量を通過した後、水平及び垂直ビームウエストはサンプル量内の同じ横断面にあり、ビームは下流の光学系によって収集され、再コリメートされる。ビームのこの領域では、ビームウエスト又はその近くで発生する粒子イベントの信号が、コリメートされたビームの横方向のスパン全体に分散される。信号対雑音比を最適化するために、ビームはピクセル化された検出器に集束する。ここで、ピクセルサイズは集束光学系のRMSスポットサイズと同じかそれよりも小さくなる。このようにして、サンプル量全体の粒子イベントの空間的識別が実現される。最小の検出器領域(ピクセルの領域)は、粒子イベントをキャプチャするために使用される。
【0097】
[0102]部分減衰画像化:いくつかの実施形態では、例えば、サンプル量を通過した後にビームをピクセル化された検出器に集束させることによって作成される、サンプル量ビーム断面の広い(水平)及び狭い(垂直)画像は、本システム及び方法で役割を果たす。検出器でのこの画像は、サンプル量でのビームプロファイルの拡大再現であり得る。粒子がウエスト又はその近くでビームを通過すると、検出器でのその画像は、画像フットプリントを横切る垂直軌道になる。上記のように信号対雑音比を最大化するために、画像フットプリントの水平スライス(おそらく垂直方向に単一ピクセル幅)は、最適な信号対雑音比を達成するための手段であり得る。
【0098】
[0103]高アスペクト比のビーム:いくつかの実施形態では、例えば、ビームがサンプル流体の流れに提示されると、適切な光学素子によって成形及び集束される。それは、流体の流れの方向にしっかり集束する。流体がy軸線に沿って流れる場合、ビームはy方向にしっかりと集束される。最もタイトな焦点の点は、y軸線ビームウエストの位置を識別する。z軸線がビームの軸線に沿っている場合、x軸線に沿って、ビームはy方向よりもはるかに広くなるが、ビームはまたy軸線のウエストと同じ横方向のxy平面で最小のx軸線幅である必要がある。ビーム成形光学系は、x軸線とy軸線のウエストの位置が同じxy平面で発生するように配置される。この場合、x軸線とy軸線の両方のビームプロファイルは、同じxy平面内のそれぞれのウエストに収束し、そこから伝搬方向に発散する。これは、高アスペクト比のビームを構成する。同じxy平面内のウエストのコロケーションは、ダウンストリーム画像化の考慮事項に必要である。
【0099】
[0104]差分信号:いくつかの実施形態では、例えば、前方視の軸上検出器対(複数可)からの差分信号を0度の散乱角で使用することは、有意なノイズ低減をもたらす。
【0100】
[0105]微生物検出:いくつかの実施形態において、例えば、軸上差分検出を伴う構造化ビーム又は暗ビームの使用は、それらが非常に小さい屈折率コントラストを有するとしても、水中の微生物を検出するのに非常に効果的である。微生物は、屈折率コントラストが低いため(ほとんどが水を含む)、従来の光散乱粒子カウンタでは通常観察されないことがよくある。いくつかの実施形態の粒子カウンタは、側方散乱検出と組み合わせた軸上差分検出を備えた暗ビームを使用する。両方の検出器が適切なサイズの信号を生成する場合、粒子は微生物ではない。軸上差分検出器が大きな信号を提供し、側方散乱が応答を提供しない場合、それは微生物である。
【0101】
[0106]粒子と媒体との間のRIの違い:いくつかの実施形態では、例えば、時間に対する差分信号の形状は、媒体に対する粒子の屈折率に依存する。差分検出信号は、ゼロを超える増加信号とそれに続くゼロ未満の減少信号(バンプとそれに続くディップ)、又はその逆のゼロを下回る信号とそれに続くゼロを超える増加信号(ディップとそれに続くバンプ)のいずれかである。この信号は、流れの方向と、上部の検出器が下部から差し引かれているか、又はその逆であるかに基づいて変化する。例として:与えられた構成では、粒子の屈折率が媒体の屈折率よりも大きい場合、検出信号はバンプとそれに続くディップになるが、粒子の屈折率が媒体よりも小さい場合、信号はディップとそれに続くバンプになる。水や流体化学物質よりも屈折率が低い材料の種類は、気体と多くの金属である。屈折率がガスよりも小さい材料には、特定の金属が含まれる(スペクトルの可視部分)。
【0102】
[0107]閉ループ焦点システム:いくつかの実施形態では、例えば、3つの軸線すべての光学素子を調整することは、有用な及び/又は最適なビーム出力密度及び/又はビームサイズを実現する。光検出器に向かうビームのごく一部をイメージャに迂回させ、サイズ、形状、及び/又は出力密度を使用して、有用及び/又は最適な粒子検出の条件を実現する。レーザーノイズが差分信号で相殺されるように、レーザービームは差分検出器の上部要素と下部要素の間で正確に均等に/等しくバランスをとることができる。言い換えれば、検出された出力は、有益に及び/又は最適には、上部及び下部の検出器について同じであり得る。これは、いくつかの実施形態では、検出器を垂直に変換することによって(また、高アスペクト比のビームと整列するための2Dアレイの傾斜機能)、又はノイズキャンセルを最大化するためにミラー又はレンズでレーザービームをステアリングすることによって達成することができる。いくつかの実施形態では、閉ループシステムが実装され、検出器及びレーザーは、差分検出器要素全体のレーザー出力の「バランス」を最適化することによってバックグラウンドノイズを最小化する配置で自動的に整列される。さらに、閉ループ焦点システムを使用して、5軸線光学変換ステージを調整し、最適なビーム出力密度及び/又はビームスポットサイズを実現することができる。例えば、ビームのごく一部をイメージャにリダイレクトし、取得した画像を使用して、最適なビームサイズ、形状、及び出力密度を取得するために必要な調整を決定できる。
【0103】
[0108]検出器の動作温度が低下すると、検出器の暗電流が低下する。この暗電流の低下は、検出器のSNR(信号対雑音比)を改善し、検出器のNEP(ノイズ等価出力)を低下させて、より低い入射光レベルに対してより敏感にする。熱変化におけるこの応答には理論上の限界があり、必要な安定性を備えた必要なレベルまで冷却するように熱システムを設計することが採用され得る。
【0104】
[0109]チョッパーの使用:いくつかの実施形態では、例えば、ノイズフロアに埋め込まれた低レベルの光信号の抽出におけるさらなる改善は、DC技術に固有の問題及びAC法と変調光、又はチョッパーアプローチを使用することによってどのように低減できるかを考慮することによって実現することができる。いくつかの実施形態では、チョッパーを使用して、検出器の入射光をオン及びオフにし、それをDC照明からAC照明に、典型的にはKHzの範囲で変更する。いくつかの実施形態では、ロックイン増幅器を使用して、チョッパー周波数に調整された狭い帯域幅が同期信号検出を作成する。粒子検出に関連する電子光学検出及び増幅を含むほとんどの物理システムでは、周波数がDCに近づくにつれてノイズが増加している。例えば、粒子検出で使用される一般的なオペアンプは1/fノイズを有する。検出測定を低周波数又はDCノイズ源からACチョッパー周波数での測定に移すことにより、より高い信号対雑音比と、通常はより小さな粒子に関連するはるかに弱い信号の検出を実現できる。
【0105】
[0110]粒子信号検出における信号処理技術:いくつかの実施形態では、異なるサイズ及び材料の種類の様々な粒子が時間領域で衝突光源を通過する経路及び速度は、本システム及び方法における設計及び信号分析にとって有用な考慮事項である。例えば、これらの離散的で複雑な時間領域信号のサンプリングは、フーリエ(Fourier)変換又はFFT(高速フーリエ変換)によって周波数領域に変換できる。粒子の複雑な周期信号トレースの分解により、様々な振幅、周波数、及び位相を有する一連の正弦波で構成される周波数領域信号の方程式が得られる。いくつかの実施形態では、開発中に収集された分解粒子信号の収集又は方程式のライブラリは、システムの固有ノイズの大きさが目撃されている粒子の大きさに非常に近い場合、又は信号対ノイズ比が低い条件でカタログ化及び使用することができる。いくつかの実施形態では、収集された粒子信号は、本発明の設計に独特な固有の構造を有し、信号処理技術を使用して、汚染システムノイズを表す識別できない無秩序信号から予想される信号を明らかにすることができる。
【0106】
[0111]いくつかの実施形態では、方程式モデル、又はフィルタは、対象となる可能性のある信号の構造であると考えられているものである。いくつかの実施形態では、入力信号の構造を識別しようとするとき、数学的フィルタが使用され、到着信号に課される。いくつかの実施形態では、到着変換信号をフィルタのカタログと畳み込むことを含む、信号処理の様々な技術を使用することができる(到着信号及びモデル化された信号が線形時不変であると仮定する)。いくつかの実施形態では、到着信号とフィルタのカタログとの間の相関関係を使用することができる。畳み込みスパースモデル化手法の最近の開発は、閾値処理、緩和、又は近似と一緒に使用できる。いくつかの実施形態では、相互コヒーレンスを使用して、到着信号を可変遅延(位相)及び幅(周波数)のより小さなパッチに分割し、到着信号が区分的に一定の信号であると仮定して、モデルのカタログに対してテストすることができる。
【0107】
参照による組み込みに関する声明及び変形
[0112]本出願全体のすべての参照、例えば、発行済み又は付与済みの特許又は同等物を含む特許文書、特許出願の出版物、及び非特許文献文書又はその他のソース資料は、各参照が本出願の開示と少なくとも部分的に矛盾しない範囲で、参照により個別に組み込まれるかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる(例えば、部分的に一貫性のない参照は、参照の部分的に一貫性のない部分を除いて、参照によって組み込まれる)。
【0108】
[0113]以下の特許及び特許出願は、構造化ビームを使用する干渉粒子検出に関連し、それらの全体が参照により組み込まれる。米国特許第7,746,469号;米国特許出願公開第20170176312号;及びPCT国際公開第2019/082186号。
【0109】
[0114]本明細書で使用された用語及び表現は、説明の用語として使用され、限定ではなく、示され、説明された特徴又はその一部の同等物を除外するそのような用語及び表現の使用を意図するものではない。しかし、特許請求される本発明の範囲内で様々な修正が可能であることが認識されている。したがって、本発明は好ましい実施形態、例示的な実施形態及び任意選択的な特徴によって具体的に開示されているが、本明細書に開示される概念の修正及び変形は、当業者によって訴えることができ、そのような修正及び変形は、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、本発明の範囲内であると見なされることを理解されたい。本明細書で提供される特定の実施形態は、本発明の有用な実施形態の例であり、当業者には、本発明が、本説明に記載された装置、装置構成要素、方法ステップの多数の変形を使用して実行され得ることが明らかである。当業者には明らかであるように、本発明の方法に有用な方法及び装置は、多数の任意選択の組成物及び処理要素及びステップを含むことができる。
【0110】
[0115]本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数形の参照を含む。したがって、例えば、「細胞」への言及は、当業者に知られている複数のそのような細胞及びそれらの同等物を含む。同様に、「a」(又は「an」)、「1つ又は複数」及び「少なくとも1つ」という用語は、本明細書では交換可能に使用することができる。「含む(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」という用語は、交換可能に使用できることにも留意されたい。「請求項XX~YYのいずれかの」という表現(ここで、XX及びYYは請求項番号を指す)は、代替形式で複数の従属請求項を提供することを意図しており、いくつかの実施形態では、「請求項XX~YYのいずれか1つと同様に」という表現と交換可能である。
【0111】
[0116]置換成分の群が本明細書に開示される場合、その群のすべての個々の要素及びすべての下位群が別々に開示されることが理解される。マルクーシュ群又は他の群が本明細書で使用される場合、群のすべての個々の要素、及び群の可能なすべての組み合わせ及び下位組み合わせは、個別に開示に含まれることが意図されている。
【0112】
[0117]本明細書に記載又は例示されるすべての装置、システム、製剤、成分の組み合わせ、又は方法は、特に明記しない限り、本発明を実施するために使用することができる。
【0113】
[0118]範囲、例えば、温度範囲、時間範囲、又は組成物又は濃度範囲が本明細書に与えられるときはいつでも、すべての中間範囲及び部分的な範囲、並びに与えられた範囲に含まれるすべての個々の値は、開示に含まれることが意図されている。本明細書の説明に含まれる範囲又は部分的な範囲内の任意の部分的な範囲又は個々の値は、本明細書の特許請求の範囲から除外され得ることが理解されよう。
【0114】
[0119]本明細書に記載されているすべての特許及び公開は、本発明が関係する当業者の技術レベルを示す。本明細書で引用される参考文献は、それらの公開日又は出願日現在の先行技術を示すために、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、この情報は、必要に応じて、先行技術にある特定の実施形態を除外するために本明細書で使用できることが意図される。例えば、物質の組成物が特許請求されている場合、本明細書で引用された参考文献に有効な開示が提供されている化合物を含む、出願人の発明の前に当技術分野で知られ利用可能な化合物は、本明細書の物質の特許請求の組成物に含まれることを意図していないことを理解されたい。
【0115】
[0120]本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」は、「含む(including)」、「含む(containing)」、又は「によって特徴付けられる(characterized by)」と同義であり、包括的又は自由形式であり、追加の、引用されていない要素又は方法ステップを除外しない。本明細書で使用される場合、「からなる」は、請求項要素で指定されていない任意の要素、ステップ、又は成分を除外する。本明細書で使用される場合、「本質的になる」は、特許請求の範囲の基本的かつ新規の特徴に実質的に影響を及ぼさない材料又はステップを除外するものではない。本明細書の各場合において、「含む(comprising)」、「本質的になる」及び「からなる」という用語のいずれかを、他の2つの用語のいずれかと置き換えることができる。本明細書に例示的に記載されている本発明は、本明細書に具体的に開示されていない1つ又は複数の要素、1つ又は複数の限定がない状態で好適に実施することができる。
【0116】
[0121]当業者は、出発物質、生物学的材料、試薬、合成法、精製法、分析法、アッセイ法、及び具体的に例示されたもの以外の生物学的方法を過度の実験に頼ることなく本発明の実施に使用できることを理解するであろう。そのような材料及び方法のすべての当技術分野で知られている機能的同等物は、本発明に含まれることが意図されている。使用された用語及び表現は、説明の用語として使用され、限定ではなく、そのような用語及び表現の使用において、示され、説明された特徴又はその一部の同等物を除外する意図はないが、特許請求された発明の範囲内で様々な変更が可能であることが認識される。したがって、本発明は、好ましい実施形態及び任意選択的な特徴によって具体的に開示されているが、本明細書に開示される概念の修正及び変形は、当業者によって訴えることができ、そのような修正及び変形は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内にあると考えられることを理解されたい。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5