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特許7504922容器、特にカートリッジに、製薬産業の液体製品を充填するための充填ユニット
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  • 特許-容器、特にカートリッジに、製薬産業の液体製品を充填するための充填ユニット 図1
  • 特許-容器、特にカートリッジに、製薬産業の液体製品を充填するための充填ユニット 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】容器、特にカートリッジに、製薬産業の液体製品を充填するための充填ユニット
(51)【国際特許分類】
   B65B 3/18 20060101AFI20240617BHJP
   B65B 3/22 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
B65B3/18
B65B3/22
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021569435
(86)(22)【出願日】2020-05-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-28
(86)【国際出願番号】 IB2020054878
(87)【国際公開番号】W WO2020234842
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】102019000007150
(32)【優先日】2019-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100126848
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】パオロ デグリエスポスティ
(72)【発明者】
【氏名】ルカ テストーニ
(72)【発明者】
【氏名】ミルコ レニャーニ
(72)【発明者】
【氏名】ルカ フェデリーチ
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2012-0131781(KR,A)
【文献】米国特許第02753098(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0175538(US,A1)
【文献】英国特許出願公告第01544761(GB,A)
【文献】特開2003-054694(JP,A)
【文献】特開2012-136284(JP,A)
【文献】中国実用新案第201543276(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 3/18
B65B 3/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ートリッジ(1)に製薬産業の液体製品(5)を充填するための充填ユニット(11)であって、前記充填ユニット(11)は、
充填ステーション(S1)内に配置され、前記カートリッジ(1)の開口した上端から前記カートリッジ(1)内に製品(5)の所定量を供給するように設計された投与ヘッド(12)と、
キャッピングステーション(S3)内に配置され、前記カートリッジ(1)の前記開口した上端から前記カートリッジ(1)内に閉鎖要素を挿入するように設計されたキャッピング装置(18)と、を備える充填ユニット(11)であって
第1吸引装置(15)が、前記充填ステーション(S1)と前記キャッピングステーション(S3)との間に位置する脱ガスステーション(S2)に配置され、前記カートリッジ(1)の開口した上端を密閉式で係合するように設計され、且つ、前記脱ガスステーション(S2)において、前記製品(5)で占有されていない上側の部分において、前記カートリッジ(1)の内部に1000~10,000パスカルの範囲の低圧を発生させるように設計されており、
前記第1吸引装置(15)が、空気のみを吸引することにより、前記カートリッジ(1)の内側に、前記製品(5)で占められていない上側の部分において、前記低圧を発生させるように設計されていることを特徴とする、充填ユニット(11)。
【請求項2】
前記第1吸引装置(15)が、前記カートリッジ(1)の内側に、前記製品(5)で占められていない上側の部分において、空気のみを吸引することにより、前記製品(5)のいずれの部分も、又は前記製品(5)の供給中に発生するいずれの泡も吸引することなく、前記低圧を生じさせるように設計されている、請求項に記載の充填ユニット(11)。
【請求項3】
前記第1吸引装置(15)は、空気の一部を吸引するのに十分であるが、前記製品(5)の一部、又は前記製品(5)の供給中に発生する任意の泡を吸引するには完全には十分ではない低圧を発生するように設計されている。請求項1又は記載の充填ユニット(11)。
【請求項4】
前記第1吸引装置(15)は、.4~3秒の範囲の時間の間、前記低圧を維持するように設計されている、請求項1~のうちいずれか1項に記載の充填ユニット(11)。
【請求項5】
前記第1吸引装置(15)は、前記カートリッジ(1)の開口した上端と係合するように設計された第1の弾性キャップ(16)を含む、請求項1からのうちいずれか1項に記載の充填ユニット(11)。
【請求項6】
前記キャッピングステーション(S3)に配置される第2吸引装置(20)を備え、前記第2吸引装置(20)は、前記カートリッジ(1)の開口した上端を密閉方式で係合するように設計され、且つ、閉鎖要素の挿入時に、前記キャッピングステーション(S3)において、前記製品(5)に占有されない上側の部分において、前記カートリッジ(1)内部に1000から10,000パスカルの範囲の低圧を発生させるように設計されている、請求項1乃至のいずれか1項に記載の充填ユニット(11)。
【請求項7】
前記第2吸引装置(20)が、空気のみを吸引することにより、前記カートリッジ(1)の内側に、前記製品(5)によって占有されていない上側の部分において、前記低圧を発生させるように設計されている、請求項に記載の充填ユニット(11)。
【請求項8】
前記第2吸引装置(20)が、空気のみを吸引することにより、前記製品(5)のいかなる部分も、又は前記製品(5)の供給中に発生するいかなる泡も吸わないように、前記カートリッジ(1)の内側に、前記製品(5)によって占有されていない上側の部分において、前記低圧を発生させるように設計されている、請求項に記載の充填ユニット(11)。
【請求項9】
前記第2吸引装置(20)は、空気の一部を吸引するのに十分であるが、前記製品(5)の任意の部分又は前記製品(5)の供給中に発生する任意の泡を吸引するには、完全には十分ではない低圧を発生するように設計されている、請求項又はに記載の充填ユニット(11)。
【請求項10】
前記第2吸引装置(20)が、その内側に前記低圧が生じ、それに沿って閉鎖要素を通過させるチャンバ(21)を含む、請求項からのうちいずれか1項に記載の充填ユニット(11)。
【請求項11】
前記第2吸引装置(20)が、.2から2秒の時間の範囲で前記低圧を維持するように設計されている、請求項から10のうちいずれか1項に記載の充填ユニット(11)。
【請求項12】
前記第2吸引装置(20)が、前記カートリッジ(1)の開口した上端と係合するように設計された第2の弾性キャップ(22)を含む、請求項から11のうちいずれか1項に記載の充填ユニット(11)。
【請求項13】
前記脱ガスステーション(S2)と前記キャッピングステーション(S3)との間に、前記カートリッジ(1)の先端が開放され、外部環境に通じている休止ステーション(S4)が設けられている、請求項から12のうちいずれか1項に記載の充填ユニット(11)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2019年5月23日付に出願された伊国特許出願第102019000007150号の優先権を主張するものであり、その開示の全体を参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、製薬産業の液体製品を容器に充填する充填ユニットに関する。
【0003】
本発明は、液体製品、例えば、薬包(カープル(carpule)(登録商標)、以下単純カートリッジ)、すなわち、滑りピストンを備えた管状容器に、当該容器の内側から液体製品を直接注入することを可能にする、容器の充填に有利な用途を与える。同じ有利な用途が、他の類似の容器、例えば「滅菌済の」注射器の使用で提供される。
【背景技術】
【0004】
通常、注射を行うために、空の注射器を用いて、最初に液状の医薬品をバイアルから吸引するが、この手順では、バイアルから注射器への医薬品の移動の間に、液状の医薬品が汚染のリスクにさらされる。この課題を解決するために、いわゆるカープル(登録商標)が1925年に導入された。すなわち、容器の内側から直接的に液状の医薬品を注入できるように滑りプランジャーを備えた容器である。つまり、滅菌済の円筒形のガラス容器(いわゆるカープル(登録商標))と専用の金属製シリンジにより、システムが形成されている。円筒形のガラス容器は、ゴム栓で両側が閉じられたガラス管で、シリンジに設けられたカートリッジの挿入口に挿入するだけでよい。すなわち、両頭注射針が前方のゴム栓を突き刺し、シリンジは使用できる状態である。注入中、カートリッジの後方ゴム栓がピストンとして作用し、シリンジのプランジャーにより前方に押し出される。このようにして、注射用の滅菌溶液が汚染されるリスクがなく、簡単な手順で注射液を調製することができる。代わりに、「滅菌済の」注射器を使用することもできる。
【0005】
容器(特に、カートリッジ又はシリンジ)に充填する充填ユニットは、アレイにまとめられた複数の容器を充填ステーションに送り込む輸送システムを有し、充填ステーションにおいて、最初に、それぞれの容器(既にそれぞれの密閉されたキャップを備え、「上下逆にして」配置されている)は、底部(一時的に上向き)から液体製品の所定量を受け取り、続いて、容器(すなわち、後方キャップとして作用する)をきっちり閉じる(すなわち、密封するピストンを底部において受け取る。
【0006】
既知の充填ユニットで起こる望ましくない問題は、容器の閉鎖に続いて、その中の液体が多数の気泡を含み、それが液体のその後の使用を困難にする可能性があることである。
【0007】
また、前述の充填ユニットの操業速度は最適ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、容器、特にカートリッジに製薬産業の液体製品を充填する充填ユニットを提供することであり、この充填ユニットは、容器を閉じる前に液体中に存在する気泡を除去することを可能にする。
【0009】
本発明のさらなる目的は、既知の技術分野に関して最適な操業速度を有する充填ユニットを提供することである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、容器、特にカートリッジを満たす充填ユニットには、添付の請求項に記載されている内容に従って、製薬産業の液体製品が提供される。
【0011】
請求項は、ここにおける説明の不可欠な部分を形成する本発明の実施形態を説明する。
【0012】
本発明は、ここで、実施形態の非限定的な例を例示する添付図を参照して説明される:
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、液体製品のための容器、特にカートリッジの斜視図であり;
図2図2は、図1のカートリッジの側面及び部分断面図であり;
図3図3は、図1のカートリッジの充填ユニットの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1及び図2において、番号1は、ディスポーザブル容器全体、具体的には、製薬産業のカートリッジ(カープル(登録商標))を示す。以下では、製薬産業の液体用の他の容器、例えばシリンジに好適に利用できるので、本発明の一般性を失うことなく、このタイプの容器について具体的に説明する。
【0015】
カートリッジ1は、中央に穴を開けることができる(すなわち、比較的に容易に針を通すことができる)密封キャップ3によって前方で閉じられた管状本体2を含み、後方キャップとして作用するピストン4によって後方で閉じられ、ピストン4は、使用時には管状本体2に沿って滑り、液体製品5を外側に押し出すように設計されている。
【0016】
図3において、番号6は、図1に示されるタイプのカートリッジ1を充填するための充填機の一部を示す。
充填機6は、一群のカートリッジ1を、各カートリッジ1の内部に液体製品5の所定量が供給される充填ステーションS1を通し、後続の脱ガスステーションS2を通し、最終的に、対応するピストン4(後部キャップとして作用する)が各カートリッジ1の内部に挿入されるキャッピングステーションS3を通って、供給するように設計された供給コンベア7を備える。
【0017】
可能な実施形態によれば、供給コンベア7は、複数のポケット9を有する搬送ベース8を(少なくとも)備え、その各ポケットは、対応するカートリッジ1を「上下逆さまに」配置(すなわち、底部が、まだ開いた状態で上を向き、キャップ3が下を向くように)されて収容するように設計されている。例えば、各搬送ベース8は、アレイを形成するように方向付けられた15~30のポケット9を有することができる(すなわち、複数の行及び複数の列上に)。さらに、供給コンベア7は、移動の工程の手順(すなわち、停止と移動の工程を周期的に交互に繰り返す移動の手順)によってステーションS1、S2及びS3を通して搬送ベース8を送り出すように設計された給送装置10を含む。
【0018】
充填ユニット11は、とりわけ充填(充填ステーションS1内)及びキャッピング(キャッピングステーションS3内)作業を行うステーションS1、S2及びS3に配置されている。
【0019】
充填ユニット11は、充填ステーションS1に配置される投与ヘッド12を含んでおり、投与ヘッド12は、充填ステーションS1に配置される各カートリッジ1内に所定量の液体製品5を供給するように設計されている。特に、投与ヘッド12は、カートリッジ1の開口した上端から各々のカートリッジ1に挿入され、各々の所定量の液体製品5を送達するカニューレ13の列(そのうちの1つのみを図3に図示する)を含む。各カニューレ13は、垂直に移動可能であり、カニューレ13の上に配置された校正された投与装置14から液体製品5を受け取る。
【0020】
充填ユニット11は、(充填ステーションS1とキャッピングステーションS3との間に位置する)脱ガスステーションS2内に配置されている吸引装置15を備え、吸引装置15は、脱ガスステーションS2内に位置する各カートリッジ1の開口した上端と密閉方式で係合するように設計されており、液体製品5に占有されない上側の部分(upper volume)で各カートリッジ1の内部に低圧(depression)を生成するように設計されている。特に、吸引装置15は、各カートリッジ1の内部の低圧が、液体製品5で占められていない、上側の部分に生じるように設計されている。これは、空気のみを吸引すること、すなわち、液体製品5のどの部分も吸引することなく、又は液体製品5の供給中に発生する任意の泡を吸引しないことによって行う。この結果は、吸引装置15に、空気の一部を吸引するのに十分な低圧であるが、液体製品5の任意の部分をも、或いは、液体製品5の供給中に発生する任意の泡をも、吸引するには完全には十分でない低圧を形成することによって得られる。
【0021】
可能な実施形態によれば、吸引装置15は、各カートリッジ1の内側に1000から10,000パスカルの範囲の低圧を発生させるように設計され、0.4から3秒の範囲の時間にわたって低圧を維持するように設計されている。
【0022】
図3に図示される可能な実施形態によれば、吸引装置15は、複数の弾性キャップ16(そのうちの1つのみが図3に図示される)を備え、その各々は、密封方式で対応するカートリッジ1の開口した上端に係合するように設計される。各弾性キャップ16は、全ての弾性キャップ16に共有することができる吸引源17(典型的には真空ポンプ)に可撓性ダクトによって接続されている。
【0023】
充填ユニット11は、キャッピングステーションS3内に配置されるキャッピング装置18を備えており、キャッピング装置18は、キャッピングステーションS3に位置する各カートリッジ1の内側に、各カートリッジ1の開口した上端から、ピストン4(すなわち、閉鎖要素)を挿入するように設計されたキャッピング装置18を備える。一般に、キャッピング装置18は、キャッピングステーションS3に位置する対応するカートリッジ1の内側に、カートリッジ1の開口した上端を通ってピストン4(すなわち、閉鎖要素)を押し込むように設計された、複数の押し込み器19(そのうちの1つのみを図3に図示する)を備える。一般に、圧縮要素は、漏斗形状を有し、対応するピストン4を弾性的に及び半径方向に圧縮してピストン4をより小さくし、このようにして、カートリッジ1の開口した上端からのピストン4の進入を容易にする各押し込み器19に連結される。
【0024】
充填ユニット11は、キャッピングステーションS3内に配置された吸引装置20を備え、吸引装置20は、キャッピングステーションS3内に配置された密閉方式で各カートリッジ1の開口した上端と係合するように設計されており、各カートリッジ1の内側に、液体製品5によって占有されない上側の部分内に、ピストン4(すなわち、閉鎖要素)の挿入時に低圧を生成するように設計されている。言い換えれば、カートリッジ1内のピストン4の挿入と同時に、吸引装置20は、液体製品5で占められていない、上側の部分内に低圧を発生させる。吸引装置15と同様に、吸引装置20は、各カートリッジ1内の液体製品5に占有されない上側の部分に、液体製品5の任意の部分、又は液体製品5の供給中に発生し得る泡を吸引することなく、排他的に空気のみを吸引することによって、低圧を生成するように設計されている。この結果は、吸引装置20に、空気の一部を吸引するのに十分な低圧を発生させるが、液体製品5の任意の部分、又は液体製品5の供給中に発生する任意の泡を吸引するには完全には十分ではない低圧を形成することによって得られる。
【0025】
吸引装置20は、キャッピングステーションS3内に配置された各カートリッジ1に対して、内部で低圧が発生するチャンバ21を備えており、ピストン4は、押し込み器19によって押し込まれ、チャンバ21に沿って通過させられる。
【0026】
図3に示す可能な実施形態によれば、吸引装置20は、複数の弾性キャップ22(そのうちの1つのみが図3に図示されている)を備え、その各々は、密封方法で対応するカートリッジ1の開口した上端と係合するように設計され、チャンバ21の末端部分を形成する。各チャンバ21(従って、各弾性キャップ22)は、可撓性ダクトによって、全てのチャンバ21(従って、全ての弾性キャップ22に対して共通であり得る吸引源23(典型的には真空ポンプ)に接続される。
【0027】
可能な実施形態によれば、吸引装置20は、1000から10,000Pascalの範囲で各カートリッジ1の内側に低圧を発生させるように設計され、0.2から2秒の範囲の時間にわたって低圧を維持するように設計されている。
【0028】
図3に例示される好ましい実施形態によれば、休止ステーションS4は、脱ガスステーションS2とキャッピングステーションS3の間に配置され、この場合、各カートリッジ1の先端は開放され、外部環境に通じている。
【0029】
図示されていない代替の実施形態によると、充填ユニット11は、充填ステーションS1に位置するさらなる吸引装置を含み、この低圧が(絶対値で)、脱ガスステーションS2及びキャッピングステーションS3で実施された低圧よりも低い(すなわち、より弱い)ものであっても、充填中に各カートリッジ1の内部に低圧を発生するように設計されている。
【0030】
本明細書に記載される実施形態は、本発明の技術的範囲から逸脱することなく、互いに組み合わせることができる。
【0031】
上記の充填ユニット11には、多数の利点がある。
【0032】
第一に、上記の充填ユニット11は、液体の内部に気泡が存在せず、液体で充填され、閉じられた容器を得ることを可能にする。
【0033】
第2に、上記の充填ユニット11は、カートリッジ1の内部の液体に捕捉された過剰な空気が、2つの吸引装置15及び20の作用によって効率的かつ効果的に排出されるため、カートリッジ1の最終品質を損なうことなく、充填ステーション1への液体製品5の供給を速めることができる(したがって、操業速度を速めることができる)。
【0034】
さらに、同様の既知の充填ユニットと比較して、市販のコンポーネントによって形成される少数の構成要素(2つの吸引装置15及び20)の追加で済むため、上述の充填ユニット11は、実施するのに簡便かつ安価である。
なお、本発明の実施態様として、以下に示すものがある。
[態様1]
容器(1)、特にカートリッジ(1)に製薬産業の液体製品(5)を充填するための充填ユニット(11)であって、前記充填ユニット(11)は、
充填ステーション(S1)内に配置され、前記容器(1)の開口した上端から前記容器(1)内に製品(5)の所定量を供給するように設計された投与ヘッド(12)と、
キャッピングステーション(S3)内に配置され、前記容器(1)の前記開口した上端から前記容器(1)内に閉鎖要素を挿入するように設計されたキャッピング装置(18)と、を備え;
前記充填ユニット(11)は、前記充填ステーション(S1)と前記キャッピングステーション(S3)との間に位置する脱ガスステーション(S2)に配置された第1吸引装置(15)を備え、前記容器(1)の開口した上端を密閉式で係合するように設計されており、前記製品(5)で占有されていない上側の部分において、前記容器(1)の内部に低圧を発生させるように設計されていることを特徴とする、充填ユニット(11)。
[態様2]
前記第1吸引装置(15)が、空気のみを吸引することにより、前記容器(1)の内側に、前記製品(5)で占められていない上側の部分において、低圧を発生させるように設計されている、態様1に記載の充填ユニット(11)。
[態様3]
前記第1吸引装置(15)が、前記容器(1)の内側に、前記製品(5)で占められていない上側の部分において、空気のみを吸引することにより、前記製品(5)のいずれの部分も、又は前記製品(5)の供給中に発生するいずれの泡も吸引することなく、低圧を生じさせるように設計されている、態様2に記載の充填ユニット(11)。
[態様4]
前記第1吸引装置(15)は、空気の一部を吸引するのに十分であるが、前記製品(5)の一部、又は前記製品(5)の供給中に発生する任意の泡を吸引するには完全には十分ではない低圧を発生するように設計されている。態様1、2又は3に記載の充填ユニット(11)。
[態様5]
前記第1吸引装置(15)は、前記容器(1)の内側に1000~10,000パスカルの範囲の低圧を発生させるように設計されており、0.4~3秒の範囲の時間の間、前記低圧を維持するように設計されている、態様1~4のうちいずれか一態様に記載の充填ユニット(11)。
[態様6]
前記第1吸引装置(15)は、前記容器(1)の開口した上端と係合するように設計された第1の弾性キャップ(16)を含む、態様1から5のうちいずれか一態様に記載の充填ユニット(11)。
[態様7]
前記キャッピングステーション(S3)に配置される第2吸引装置(20)を備え、前記容器(1)の開口した上端を密閉方式で係合するように設計され、閉鎖要素の挿入時に、前記製品(5)に占有されない上側の部分において、前記容器(1)内部に低圧を発生させるように設計されている、態様1乃至6のいずれか一態様に記載の充填ユニット(11)。
[態様8]
前記第2吸引装置(20)が、空気のみを吸引することにより、前記容器(1)の内側に、前記製品(5)によって占有されていない上側の部分において、低圧を発生させるように設計されている、態様7に記載の充填ユニット(11)。
[態様9]
前記第2吸引装置(20)が、空気のみを吸引することにより、前記製品(5)のいかなる部分も、又は前記製品(5)の供給中に発生するいかなる泡も吸わないように、前記容器(1)の内側に、前記製品(5)によって占有されていない上側の部分において、低圧を発生させるように設計されている、態様8に記載の充填ユニット(11)。
[態様10]
前記第2吸引装置(20)は、空気の一部を吸引するのに十分であるが、前記製品(5)の任意の部分又は前記製品(5)の供給中に発生する任意の泡を吸引するには、完全には十分ではない低圧を発生するように設計されている、態様7、8又は9に記載の充填ユニット(11)。
[態様11]
前記第2吸引装置(20)が、その内側に低圧が生じ、それに沿って閉鎖要素を通過させるチャンバ(21)を含む、態様7から10のうちいずれか一態様に記載の充填ユニット(11)。
[態様12]
前記第2吸引装置(20)が、1000から10,000パスカルの範囲で、前記容器(1)の内部に低圧を発生させるように設計され、0.2から2秒の時間の範囲で低圧を維持するように設計されている、態様7から11のうちいずれか一態様に記載の充填ユニット(11)。
[態様13]
前記第2吸引装置(20)が、前記容器(1)の開口した上端と係合するように設計された第2の弾性キャップ(22)を含む、態様7から12のうちいずれか一態様に記載の充填ユニット(11)。
[態様14]
前記脱ガスステーション(S2)と前記キャッピングステーション(S3)との間に、前記容器(1)の先端が開放され、外部環境に通じている休止ステーション(S4)が設けられている、態様7から13のうちいずれか一態様に記載の充填ユニット(11)。
図1
図2
図3