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特許7504930両面表示パネル、両面表示パネルの製造方法及び電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】両面表示パネル、両面表示パネルの製造方法及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/40 20060101AFI20240617BHJP
   G02F 1/163 20060101ALI20240617BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240617BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240617BHJP
   H10K 59/124 20230101ALI20240617BHJP
   H10K 59/126 20230101ALI20240617BHJP
   H10K 59/128 20230101ALI20240617BHJP
   H10K 59/50 20230101ALI20240617BHJP
   H10K 71/00 20230101ALI20240617BHJP
   H10K 77/10 20230101ALI20240617BHJP
【FI】
G09F9/40 303
G02F1/163
G09F9/00 338
G09F9/30 338
G09F9/30 380
H10K59/124
H10K59/126
H10K59/128
H10K59/50
H10K71/00 851
H10K77/10
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021577840
(86)(22)【出願日】2021-12-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(86)【国際出願番号】 CN2021139516
(87)【国際公開番号】W WO2023108668
(87)【国際公開日】2023-06-22
【審査請求日】2022-02-16
(31)【優先権主張番号】202111521919.1
(32)【優先日】2021-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519182202
【氏名又は名称】深▲セン▼市▲華▼星光▲電▼半▲導▼体▲顕▼示技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】曹 蔚然
(72)【発明者】
【氏名】周 黎斌
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106024846(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第113745289(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0060051(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0329381(US,A1)
【文献】特表2018-528455(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F9/00-9/46
G09G3/00-3/08
3/12
3/16
3/19-3/26
3/30
3/34
3/38
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれがOLEDである複数の発光素子を含む発光素子層と、
前記発光素子層の一側に設けられるTFT層であって、前記発光素子に電気的に接続される第1TFTと、第2TFTとを含むTFT層と、
前記TFT層の前記発光素子層から離れる側に設けられ、前記第2TFTに電気的に接続される第1遮光性導電層と、
前記第1遮光性導電層の前記TFT層から離れる側に設けられて、前記第1遮光性導電層に電気的に接続されるエレクトロクロミック層と、
前記エレクトロクロミック層の前記第1遮光性導電層から離れる側に設けられて、前記エレクトロクロミック層に電気的に接続される透光性導電層と、を含む両面表示パネル。
【請求項2】
前記TFT層と前記第1遮光性導電層との間に第1基板及び第1無機層が設けられ、前記第1基板が前記TFT層の近くに設けられ、前記第1無機層が前記第1遮光性導電層の近くに設けられ、
前記透光性導電層の前記エレクトロクロミック層から離れる側に第2基板及び第2無機層が設けられ、前記第2無機層が前記第1遮光性導電層と前記第2基板との間に設けられ、
前記第1基板及び前記第2基板がそれぞれフレキシブル基板である請求項1に記載の両面表示パネル。
【請求項3】
前記第1基板と前記TFT層との間に第2遮光性導電層が設けられ、前記第2TFTのソースドレイン層及び前記第1遮光性導電層が前記第2遮光性導電層にそれぞれ電気的に接続される請求項2に記載の両面表示パネル。
【請求項4】
前記両面表示パネルに表示領域及びボンディング領域が定義され、前記ボンディング領域において、前記エレクトロクロミック層、前記第1遮光性導電層、前記第1無機層及び前記第1基板に貫通孔が設けられ、前記第2遮光性導電層の部分領域が前記貫通孔の孔壁を被覆して前記貫通孔の底部に位置する前記透光性導電層に接触し、前記第2遮光性導電層の前記第1遮光性導電層と接触する領域が、前記第2遮光性導電層の前記透光性導電層と接触する領域と繋がっていない請求項3に記載の両面表示パネル。
【請求項5】
前記貫通孔は、前記エレクトロクロミック層に設けられる第1ビアホールと、前記第1遮光性導電層に設けられる第2ビアホールと、前記第1無機層に設けられる第3ビアホールと、前記第1基板に設けられる第4ビアホールとを含み、前記第1ビアホール、前記第2ビアホール、前記第3ビアホール及び前記第4ビアホールの断面積が順に大きくなる請求項4に記載の両面表示パネル。
【請求項6】
前記第1無機層の材料及び前記第2無機層の材料がそれぞれ酸化シリコン及び窒化シリコンの少なくとも1つを含む請求項2に記載の両面表示パネル。
【請求項7】
前記第1遮光性導電層の材料が金属を含み、及び/又は
前記透光性導電層の材料が透明導電性金属酸化物を含む請求項1に記載の両面表示パネル。
【請求項8】
前記第1遮光性導電層の材料が銀、モリブデン、チタン及び銅の少なくとも1つを含み、及び/又は
前記透光性導電層の材料が酸化インジウムスズを含む請求項7に記載の両面表示パネル。
【請求項9】
前記エレクトロクロミック層は、離間して設けられるエレクトロクロミックユニットを複数含み、前記第1遮光性導電層が複数の導電ユニットを含み、各前記エレクトロクロミックユニットが1つの前記導電ユニットに対応して設けられて電気的に接続され、各前記導電ユニットが1つの前記第2TFTのソースドレイン層に電気的に接続される請求項1に記載の両面表示パネル。
【請求項10】
前記TFT層は、ドレインが前記第2TFTのゲートに接続される第3TFTをさらに含み、前記第2TFTのソースが駆動電源に接続され、前記第2TFTのドレインが前記エレクトロクロミック層に接続される請求項1に記載の両面表示パネル。
【請求項11】
第2基板、第2無機層、透光性導電層、エレクトロクロミック層、第1遮光性導電層、第1無機層、第1基板、TFT層及び発光素子層を順次積層し設けて、両面表示パネルを得るステップを含み、
前記発光素子層は、それぞれがOLEDである複数の発光素子を含み、前記TFT層は、前記発光素子に電気的に接続され、前記発光素子を点灯させるための第1TFTと、前記エレクトロクロミック層に電気的に接続され、前記エレクトロクロミック層を変色させるための第2TFTとを含む両面表示パネルの製造方法。
【請求項12】
前記第1基板及び前記第2基板がそれぞれフレキシブル基板であり、
前記製造方法は、支持基板を提供し、前記支持基板に前記両面表示パネルを製造し、前記両面表示パネルの製造が終了した後、前記両面表示パネルを前記支持基板から剥離するステップをさらに含む請求項1に記載の製造方法。
【請求項13】
前記両面表示パネルに表示領域及びボンディング領域が定義され、前記エレクトロクロミック層、前記第1遮光性導電層、前記第1無機層及び前記第1基板を設ける際に、それぞれ前記エレクトロクロミック層、前記第1遮光性導電層、前記第1無機層及び前記第1基板に第1ビアホール、第2ビアホール、第3ビアホール及び第4ビアホールを形成し、前記第1ビアホール、前記第2ビアホール、前記第3ビアホール及び前記第4ビアホールが互いに対応して貫通している請求項1に記載の製造方法。
【請求項14】
前記両面表示パネルを製造する際に、前記第1基板と前記TFT層との間に第2遮光性導電層を設けるとともに、前記第2TFTのソースドレイン層及び前記第1遮光性導電層を前記第2遮光性導電層にそれぞれ電気的に接続し、
前記第1ビアホール、前記第2ビアホール、前記第3ビアホール及び前記第4ビアホールは共に貫通孔を構成し、前記第2遮光性導電層の部分領域が前記貫通孔の孔壁を被覆して前記貫通孔の底部に位置する前記透光性導電層に接触し、前記第2遮光性導電層の前記第1遮光性導電層と接触する領域が、前記第2遮光性導電層の前記透光性導電層と接触する領域と繋がっていない請求項1に記載の製造方法。
【請求項15】
前記第1無機層の材料及び前記第2無機層の材料がそれぞれ酸化シリコン及び窒化シリコンの少なくとも1つを含む請求項1に記載の製造方法。
【請求項16】
前記第1遮光性導電層の材料が金属を含み、及び/又は
前記透光性導電層の材料が透明導電性金属酸化物を含む請求項1に記載の製造方法。
【請求項17】
前記第1遮光性導電層の材料が銀、モリブデン、チタン及び銅の少なくとも1つを含み、及び/又は
前記透光性導電層の材料が酸化インジウムスズを含む請求項1に記載の製造方法。
【請求項18】
請求項1~10のいずれか一項に記載の両面表示パネルを含む電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示の技術分野に関し、具体的に両面表示パネル、両面表示パネルの製造方法及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、表示パネルは片面表示が主流であるが、多くの場合、例えばデジタルサイネージや展示館などの公共の場の広告放送施設では、二人で表示パネルの表裏両面から表示画面を同時に見る場合が多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
また、通信業界、官公庁窓口、金融業界、交通業界等の窓口業界においても、窓口の内外の人員が表示される情報を見ることができるように双方向に表示する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施例は、表面及び裏面のいずれにも画面を表示することができ、両面表示の効果を有する両面表示パネル、両面表示パネルの製造方法及び電子機器を提供する。
【0005】
第1態様において、本発明の実施例は、
複数の発光素子を含む発光素子層と、
前記発光素子層の一側に設けられるTFT層であって、前記発光素子に電気的に接続される第1TFTと、第2TFTとを含むTFT層と、
前記TFT層の前記発光素子層から離れる側に設けられ、前記第2TFTに電気的に接続される第1遮光性導電層と、
前記第1遮光性導電層の前記TFT層から離れる側に設けられて、前記第1遮光性導電層に電気的に接続されるエレクトロクロミック層と、
前記エレクトロクロミック層の前記第1遮光性導電層から離れる側に設けられて、前記エレクトロクロミック層に電気的に接続される透光性導電層と、を含む両面表示パネルを提供する。
【0006】
いくつかの実施例において、前記TFT層と前記第1遮光性導電層との間に第1基板及び第1無機層が設けられ、前記第1基板が前記TFT層の近くに設けられ、前記第1無機層が前記第1遮光性導電層の近くに設けられ、
前記透光性導電層の前記エレクトロクロミック層から離れる側に第2基板及び第2無機層が設けられ、前記第2無機層が前記第1遮光性導電層と前記第2基板との間に設けられ、
前記第1基板及び前記第2基板がそれぞれフレキシブル基板である。
【0007】
いくつかの実施例において、前記第1基板と前記TFT層との間に第2遮光性導電層が設けられ、前記第2TFTのソースドレイン層及び前記第1遮光性導電層が前記第2遮光性導電層にそれぞれ電気的に接続される。
【0008】
いくつかの実施例において、前記両面表示パネルに表示領域及びボンディング領域が定義され、前記ボンディング領域において、前記エレクトロクロミック層、前記第1遮光性導電層、前記第1無機層及び前記第1基板に貫通孔が設けられ、前記第2遮光性導電層の部分領域が前記貫通孔の孔壁を被覆して前記貫通孔の底部に位置する前記透光性導電層に接触し、前記第2遮光性導電層の前記第1遮光性導電層と接触する領域が、前記第2遮光性導電層の前記透光性導電層と接触する領域と繋がっていない。
【0009】
いくつかの実施例において、前記貫通孔は、前記エレクトロクロミック層に設けられる第1ビアホールと、前記第1遮光性導電層に設けられる第2ビアホールと、前記第1無機層に設けられる第3ビアホールと、前記第1基板に設けられる第4ビアホールとを含み、前記第1ビアホール、前記第2ビアホール、前記第3ビアホール及び前記第4ビアホールの断面積が順に大きくなる。
【0010】
いくつかの実施例において、前記第1無機層の材料及び前記第2無機層の材料がそれぞれ酸化シリコン及び窒化シリコンの少なくとも1つを含む。
【0011】
いくつかの実施例において、前記第1遮光性導電層の材料が金属を含み、及び/又は
前記透光性導電層の材料が透明導電性金属酸化物を含む。
【0012】
いくつかの実施例において、前記第1遮光性導電層の材料が銀、モリブデン、チタン及び銅の少なくとも1つを含み、及び/又は
前記透光性導電層の材料が酸化インジウムスズを含む。
【0013】
いくつかの実施例において、前記発光素子がOLEDである。
【0014】
いくつかの実施例において、前記エレクトロクロミック層は、離間して設けられるエレクトロクロミックユニットを複数含み、前記第1遮光性導電層が複数の導電ユニットを含み、各前記エレクトロクロミックユニットが1つの前記導電ユニットに対応して設けられて電気的に接続され、各前記導電ユニットが1つの前記第2TFTのソースドレイン層に電気的に接続される。
【0015】
いくつかの実施例において、前記TFT層は、ドレインが前記第2TFTのゲートに接続される第3TFTをさらに含み、前記第2TFTのソースが駆動電源に接続され、前記第2TFTのドレインが前記エレクトロクロミック層に接続される。
【0016】
第2態様において、本発明の実施例は、
第2基板、第2無機層、透光性導電層、エレクトロクロミック層、第1遮光性導電層、第1無機層、第1基板、TFT層及び発光素子層を順次積層し設けて、両面表示パネルを得るステップを含み、
前記発光素子層が複数の発光素子を含み、前記TFT層は、前記発光素子に電気的に接続され、前記発光素子を点灯させるための第1TFTと、前記エレクトロクロミック層に電気的に接続され、前記エレクトロクロミック層を変色させるための第2TFTとを含む両面表示パネルの製造方法をさらに提供する。
【0017】
いくつかの実施例において、前記第1基板及び前記第2基板はそれぞれフレキシブル基板である。
【0018】
前記製造方法は、支持基板を提供し、前記支持基板に前記両面表示パネルを製造し、前記両面表示パネルの製造が終了した後、前記両面表示パネルを前記支持基板から剥離するステップをさらに含む。
【0019】
いくつかの実施例において、前記両面表示パネルに表示領域及びボンディング領域が定義され、前記エレクトロクロミック層、前記第1遮光性導電層、前記第1無機層及び前記第1基板を設ける際に、それぞれ前記エレクトロクロミック層、前記第1遮光性導電層、前記第1無機層及び前記第1基板に第1ビアホール、第2ビアホール、第3ビアホール及び第4ビアホールを形成し、前記第1ビアホール、前記第2ビアホール、前記第3ビアホール及び前記第4ビアホールが互いに対応して貫通している。
【0020】
いくつかの実施例において、前記両面表示パネルを製造する際に、前記第1基板と前記TFT層との間に第2遮光性導電層を設けるとともに、前記第2TFTのソースドレイン層及び前記第1遮光性導電層を前記第2遮光性導電層にそれぞれ電気的に接続する。
【0021】
前記第1ビアホール、前記第2ビアホール、前記第3ビアホール及び前記第4ビアホールは共に貫通孔を構成し、前記第2遮光性導電層の部分領域が前記貫通孔の孔壁を被覆して前記貫通孔の底部に位置する前記透光性導電層に接触し、前記第2遮光性導電層の前記第1遮光性導電層と接触する領域が、前記第2遮光性導電層の前記透光性導電層と接触する領域と繋がっていない。
【0022】
第3態様において、本発明の実施例は、上述した両面表示パネル又は上述した製造方法により製造された両面表示パネルを含む電子機器をさらに提供する。
【発明の効果】
【0023】
本発明の実施例に係る両面表示パネルは、パネルの表面に発光素子層を設けてパネルの裏面にエレクトロクロミック層を設けるとともに、発光素子層とエレクトロクロミック層との間にTFT層を設けることにより、TFT層における第1TFT及び第2TFTを利用してそれぞれ発光素子層及びエレクトロクロミック層を制御して、パネルの表面及び裏面が表示効果を実現することができる。また、発光素子層とエレクトロクロミック層との間に第1遮光性導電層がさらに設けられ、第1遮光性導電層がエレクトロクロミック層のアノードとして役割を果たして、エレクトロクロミック層内に駆動電圧を入力するだけではなく、光を遮蔽し、両面表示パネルの表面及び裏面の表示画面が互いに干渉することを防止する役割を果たすことにより、それぞれ両面表示パネルの表面及び裏面の表示効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
以下、本発明の実施例における技術的手段をより明確に説明するために、実施例の説明に使用する必要がある図面を簡単に説明する。以下の説明における図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的努力なしにこれらの図面から他の図面を導き出すこともできることは明らかである。
本発明及びその有益な効果を完全に理解するために、以下、図面を参照しながら説明する。以下の説明において、同じ符号は同じ部分を示す。
図1図1は本発明の実施例に係る両面表示パネルの表示領域の第1断面構造模式図である。
図2図2は本発明の実施例に係る両面表示パネルの表示領域の第2断面構造模式図である。
図3図3は本発明の実施例に係る両面表示パネルの平面模式図である。
図4図4は本発明の実施例に係る両面表示パネルのボンディング領域の断面構造模式図である。
図5図5は本発明の実施例に係るエレクトロクロミック層の駆動回路の構造概略図である。
図6図6は本発明の実施例に係る電子機器の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的手段を、明確かつ完全に説明する。説明した実施例はすべての実施例ではなく、本発明の一部の実施例であることは明らかである。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的努力なしに取得したすべての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属している。
【0026】
図1及び図2を参照されたく、図1は本発明の実施例に係る両面表示パネルの表示領域の第1断面構造模式図であり、図2は本発明の実施例に係る両面表示パネルの表示領域の第2断面構造模式図である。本発明の実施例は、積層して設けられる発光素子層10、TFT層20、第1遮光性導電層30、エレクトロクロミック層40及び透光性導電層50を順次含み、発光素子層10が複数の発光素子11を含む。
【0027】
TFT層20が発光素子層10の一側に設けられ、TFT層20は、発光素子11に電気的に接続され、発光素子11を点灯させるための第1TFT201と、第2TFT202とを含み、第1遮光性導電層30がTFT層20の発光素子層10から離れる側に設けられ、第1遮光性導電層30が第2TFT202に電気的に接続され、エレクトロクロミック層40が第1遮光性導電層30のTFT層20から離れる側に設けられて第1遮光性導電層30に電気的に接続され、透光性導電層50がエレクトロクロミック層40の第1遮光性導電層30から離れる側に設けられてエレクトロクロミック層40に電気的に接続される。
【0028】
例えば、第1遮光性導電層30及び透光性導電層50はそれぞれエレクトロクロミック層40と直接接触する。
【0029】
例えば、透光性導電層50の光透過率が、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、100%などの40%以上であってもよい。
【0030】
例えば、第1遮光性導電層30の光透過率が、30%、25%、20%、15%、10%、5%、0などの30%以下であってもよい。
【0031】
なお、第1遮光性導電層30と透光性導電層50とをエレクトロクロミック層40の両側にそれぞれ設けることにより、第1遮光性導電層30と透光性導電層50とをそれぞれエレクトロクロミック層40のアノード及びカソードとし、第1遮光性導電層30が第2TFT202に電気的に接続されるため、つまり、第2TFT202を介してエレクトロクロミック層40に印加される駆動電圧を制御することができ、駆動電圧の大きさが変化する場合に、エレクトロクロミック層40の色も変化する。第1遮光性導電層30はアノードとして役割を果たす一方、遮光効果を有し、両面表示パネル100の表面及び裏面の表示画面が互いに干渉することを防止することにより、両面表示パネル100の表面及び裏面の表示効果をそれぞれ向上させることができ、透光性導電層50はカソードとして役割を果たす一方、光透過効果を有し、ユーザが透光性導電層50側からエレクトロクロミック層40の色効果を見ることができることを理解されたい。
【0032】
本発明の実施例に係る両面表示パネル100は、パネルの表面に発光素子層10を設けてパネルの裏面にエレクトロクロミック層40を設けるとともに、発光素子層10とエレクトロクロミック層40との間にTFT層20を設けることにより、TFT層20における第1TFT201及び第2TFT202を利用してそれぞれ発光素子層10及びエレクトロクロミック層40を制御して、パネルの表面及び裏面が表示効果を実現することができる。また、発光素子層10とエレクトロクロミック層40との間に第1遮光性導電層30がさらに設けられ、第1遮光性導電層30がエレクトロクロミック層40のアノードとして役割を果たして、エレクトロクロミック層内に駆動電圧を入力するだけではなく、光を遮蔽し、両面表示パネル100の表面及び裏面の表示画面が互いに干渉することを防止する役割を果たすことにより、それぞれ両面表示パネル100の表面及び裏面の表示効果を向上させることができる。
【0033】
図1を参照されたく、TFT層20と第1遮光性導電層30との間に第1基板61及び第1無機層62が設けられてもよく、第1基板61がTFT層20の近くに設けられ、第1無機層62が第1遮光性導電層30の近くに設けられ、透光性導電層50のエレクトロクロミック層40から離れる側に第2基板63及び第2無機層64が設けられてもよく、第2無機層64が第1遮光性導電層30と第2基板63との間に設けられ、第1基板61及び第2基板63がそれぞれフレキシブル基板である。
【0034】
なお、本発明の実施例は両面表示パネル100に第1基板61及び第2基板63を設けることにより、つまり、両面表示パネル100の基板をフレキシブル基板とすることにより、両面表示パネル100を湾曲可能なフレキシブル表示パネルに形成することができ、第1無機層62が第1基板61と第1遮光性導電層30との間の接着力を増加する役割を果たすことができ、第2無機層64が第2基板63と透光性導電層50との間の接着力を増加する役割を果たすことにより、積層構造の安定性を向上させることができる。
【0035】
例えば、第1基板61とTFT層20との間に第2遮光性導電層70が設けられ、第2TFT202のソースドレイン層26及び第1遮光性導電層30が第2遮光性導電層70にそれぞれ電気的に接続される。なお、第2遮光性導電層70が第2TFT202及びエレクトロクロミック層40のアノード(即ち第1遮光性導電層30)に電気的に接続される役割を果たすことにより、第2TFT202を介してエレクトロクロミック層40に駆動電圧を出力することができる。また、第1遮光性導電層30が遮光機能をさらに有し、両面表示パネル100の表面及び裏面の表示画面が互いに干渉することを防止することにより、両面表示パネル100の表面及び裏面の表示画面を向上させることができる。第2遮光性導電層70が活性層22を保護する役割を果たし、光が活性層22に照射することにより性能が低下することを防止することを理解されたい。
【0036】
例えば、第2遮光性導電層70の光透過率が、30%、25%、20%、15%、10%、5%、0などの30%以下であってもよい。
【0037】
例えば、第1基板61の材料が感光性ポリイミド又は通常ポリイミドであってもよく、第2基板63の材料が感光性ポリイミド又は通常ポリイミドであってもよい。
【0038】
図3及び図4を参照されたく、図3は本発明の実施例に係る両面表示パネルの平面模式図であり、図4は本発明の実施例の両面表示パネルのボンディング領域の断面構造模式図である。両面表示パネル100に表示領域101及びボンディング領域102が定義され、ボンディング領域102において、エレクトロクロミック層40、第1遮光性導電層30、第1無機層62及び第1基板61に貫通孔80が設けられ、第2遮光性導電層70の部分領域が貫通孔80の孔壁を被覆して貫通孔80の底部に位置する透光性導電層50と接触する。なお、第2遮光性導電層70の第1遮光性導電層30と接触する領域(表示領域101内に位置する)が、第2遮光性導電層70の透光性導電層50と接触する領域(ボンディング領域102内に位置する)と繋がっておらず、即ちこの2つの領域の間が電気的接続の関係を有していない。また、第2遮光性導電層70の部分領域を透光性導電層50(エレクトロクロミック層40のカソード)に電気的に接続することにより、カソードを引き出して、エレクトロクロミック層40のカソードとアノードとの間に完全な電流回路を形成する役割を果たすことができる。
【0039】
ボンディング領域102(bonding area)とは、両面表示パネル100の回路基板と接続するための領域を指すことを理解されたい。場合によっては、両面表示パネル100のボンディング領域102が回路基板(例えばCOF)と接続された後、ボンディング領域102の両面表示パネル100における占有面積を縮小して、表示領域101の両面表示パネル100における占有率を向上させるために、ボンディング領域102を折り曲げる必要があり、本発明の実施例に係る両面表示パネル100は、第1遮光性導電層30、第1無機層62及び第1基板61に設けられる貫通孔80と、貫通孔80の底部に位置する透光性導電層50とが凹溝を囲んで、該凹溝の位置に第2遮光性導電層70を設けて、第2遮光性導電層70が凹溝の溝壁及び溝底を被覆することにより、両面表示パネル100が該凹溝で折り曲げる場合に、溝底に位置する第2遮光性導電層70が小さい曲げ半径(両面表示パネル100の折り曲げ位置に凹溝が設けられていない場合に比較する)を有するため、ストレスを緩和し、第2遮光性導電層70の破断を防止する役割を果たすことができる。また、第2遮光性導電層70の材料が通常金属材料であり、透光性導電層50の材料が通常透明導電性金属酸化物であるが、金属材料及び透明導電性金属酸化物がいずれも優れた可撓性を有するため、両面表示パネル100の耐折り曲げ特性を増加する役割を果たすことができる。
【0040】
図3を参照されたく、ボンディング領域102内に折り曲げ領域103が設けられてもよく、両面表示パネル100のボンディング領域102が回路基板(例えばCOF)に接続された後、両面表示パネル100におけるボンディング領域102の占有面積を縮小するために、折り曲げ領域103の位置でボンディング領域102を折り曲げることができる。
【0041】
図4を参照されたく、貫通孔80は、エレクトロクロミック層40に設けられる第1ビアホールと、第1遮光性導電層30に設けられる第2ビアホールと、第1無機層62に設けられる第3ビアホールと、第1基板61に設けられる第4ビアホールとを含んでもよく、第1ビアホール、第2ビアホール、第3ビアホール及び第4ビアホールの断面積が順に大きくなる。つまり、第2ビアホールの断面積が第1ビアホールの断面積よりも大きく、第3ビアホールの断面積が第2ビアホールの断面積よりも大きく、第4ビアホールの断面積が第3ビアホールの断面積よりも大きいことで、貫通孔80を段差貫通孔に形成する。段差貫通孔80は、上下の孔径が一致する貫通孔に比べて、第2遮光性導電層70を孔壁に付着させるのに有利であることを理解されたい。
【0042】
例えば、第1遮光性導電層30の材料が銀(Ag)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)及び銅(Cu)などの金属を含む。
【0043】
例えば、透光性導電層50の材料が酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導電性金属酸化物を含む。
【0044】
例えば、第2遮光性導電層70の材料が銀(Ag)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)及び銅(Cu)などの金属を含むことができる。
【0045】
例えば、第1無機層62の材料及び第2無機層64の材料が酸化シリコン(SiOx)及び窒化シリコン(SiNx)の少なくとも1つであってもよい。
【0046】
例えば、発光素子11がOLEDである。つまり、両面表示パネル100の表面がOLED表示効果である。
【0047】
図2を参照されたく、エレクトロクロミック層40は、離間して設けられるエレクトロクロミックユニット41を複数含み、第1遮光性導電層30が複数の導電ユニット31を含み、各エレクトロクロミックユニット41が1つの導電ユニット31に対応して設けられて電気的に接続され、各導電ユニット31が1つの第2TFT202のソースドレイン層26に電気的に接続される。つまり、複数のエレクトロクロミックユニット41をそれぞれ複数の第2TFT202により制御することにより、複数のエレクトロクロミックユニット41が異なる輝度及び/又は色をそれぞれ呈示して、複数のエレクトロクロミックユニット41が異なるパターンを組み合わせることができ、即ち異なる制御条件下でエレクトロクロミック層40が異なる表示効果を呈示することができる。
【0048】
各エレクトロクロミックユニット41が1つの画素セルを対応して形成し、つまり、複数のエレクトロクロミックユニット41が両面表示パネル100の裏面の複数の画素セルをそれぞれ構成し、複数の画素セルをそれぞれ独立して制御することにより、複数の画素セルが異なるパターンや文字を組み合わせることにより、異なる表示効果を呈示することができる。
【0049】
例えば、エレクトロクロミック層40の材料がポリピロール系エレクトロクロミック材料、ポリチオフェン系エレクトロクロミック材料、ポリフラン系エレクトロクロミック材料及びポリベンザゾール系エレクトロクロミック材料の1つ以上を含むことができる。
【0050】
図1及び図2を参照されたく、TFT層20が第2遮光性導電層70及び第1基板61に順に積層して設けられるバッファ層21、活性層22、ゲート絶縁層23、ゲート24、層間絶縁層25、ソースドレイン層26、パッシベーション層27、平坦化層28、アノード29及び画素定義層291を含んでもよく、画素定義層291にアノード29に対応して設けられる開口が設けられ、開口内に発光素子11が設けられ、平坦化層28及びパッシベーション層27に第5ビアホールが設けられ、アノード29が第5ビアホールを介して第1TFT201のソースドレイン層26に接続され、層間絶縁層25に第6ビアホールが設けられ、ソースドレイン層26が第6ビアホールを介して活性層22に接続され、層間絶縁層25及びバッファ層21に第7ビアホール80が設けられ、ソースドレイン層26が第7ビアホールを介して第2遮光性導電層70に接続される。
【0051】
図5を参照されたく、図5は本発明の実施例に係るエレクトロクロミック層の駆動回路の構造概略図である。エレクトロクロミック層40の駆動回路が直列接続される第2TFT202及び第3TFT203を含み、第2TFT202及び第3TFT203がTFT層20にそれぞれ位置し、図5に示すように、g1、s1、d1はそれぞれ第3TFT203のゲート、ソース及びドレインを示し、g2、s2、d2はそれぞれ第2TFT202のゲート、ソース及びドレインを示し、第3TFT203のドレインが第2TFT202のゲートに接続され、第2TFT202のソースが駆動電源の正極(VDD)に接続され、第2TFT202のドレインがエレクトロクロミック層40に接続され、つまり、第3TFT203により第2TFT202のオン・オフを制御するとともに、第2TFT202のソースから入力される駆動電圧によりエレクトロクロミック層40の変色状況を制御する。TFT層20に第3TFT203を追設することにより第2TFT202のオン・オフを制御し、エレクトロクロミック層40の駆動回路の安定性を向上させることができる。
【0052】
図1図5を参照されたく、本発明の実施例は、両面表示パネルの製造方法をさらに提供し、該製造方法は上述したいずれかの実施例における両面表示パネル100を製造するためのものであり、製造方法は、第2基板63、第2無機層64、透光性導電層50、エレクトロクロミック層40、第1遮光性導電層30、第1無機層62、第1基板61、TFT層20及び発光素子層10を順次積層して設けて、両面表示パネル100を得るステップを含み、
発光素子層10は、複数の発光素子11を含み、TFT層20は、発光素子11に電気的に接続され、発光素子11を点灯させるための第1TFT201と、エレクトロクロミック層40に電気的に接続され、エレクトロクロミック層40を変色させるための第2TFT202とを含む。
【0053】
例えば、第1基板61及び第2基板63がそれぞれフレキシブル基板である。第1基板61及び第2基板63がそれぞれフレキシブル基板である場合に、両面表示パネルの製造方法は、支持基板(図示せず)を提供し、支持基板に両面表示パネル100を製造し、両面表示パネル100の製造が終了した後、両面表示パネル100を支持基板から剥離するステップをさらに含むことができる。
【0054】
いくつかの実施例において、支持基板がガラス板であってもよい。例えば、レーザリフトオフ方法を用いて両面表示パネル100を支持基板から剥離することができる。
【0055】
例えば、両面表示パネル100に表示領域101及びボンディング領域102が定義され、エレクトロクロミック層40、第1遮光性導電層30、第1無機層62及び第1基板61を設ける際に、それぞれエレクトロクロミック層40、第1遮光性導電層30、第1無機層62及び第1基板61に第1ビアホール、第2ビアホール、第3ビアホール及び第4ビアホールを形成し、第1ビアホール、第2ビアホール、第3ビアホール及び第4ビアホールが互いに対応して貫通している。
【0056】
例えば、エレクトロクロミック層40に第1ビアホールを形成し、第1遮光性導電層30に第1ビアホールを形成し、第1無機層62に第1ビアホールを形成し、第1基板61に第4ビアホールを形成する方法がエッチング又は露光などであってもよい。
【0057】
例えば、両面表示パネル100を製造する際に、第1基板61とTFT層20との間に第2遮光性導電層70が設けられ、第2TFT202のソースドレイン層26及び第1遮光性導電層30が第2遮光性導電層70にそれぞれ電気的に接続され、
第1ビアホール、第2ビアホール、第3ビアホール及び第4ビアホールは共に貫通孔80を構成し、第2遮光性導電層70の部分領域が貫通孔80の孔壁を被覆して貫通孔80の底部に位置する透光性導電層50に接触し、第2遮光性導電層70の第1遮光性導電層30と接触する領域が、第2遮光性導電層70の透光性導電層50と接触する領域と繋がっていない。
【0058】
図6を参照されたく、図6は本発明の実施例に係る電子機器の構造概略図である。本発明の実施例は、上述したいずれかの実施例における両面表示パネル100、又は上述したいずれかの実施例の製造方法により製造された両面表示パネル100を含む電子機器200をさらに提供する。
【0059】
例えば、電子機器200は携帯電話、タブレット型パソコン、ゲーム装置、ウェアラブル装置等の表示画面を有する装置であってもよく、ウェアラブル装置は、スマートブレスレット、スマートグラス、スマートウォッチ、スマート装飾等であってもよい。
【0060】
なお、該電子機器200の表面及び裏面がそれぞれ画面を表示することができ、両面表示効果を有する。
【0061】
以上、本発明の実施例に係る両面表示パネル、両面表示パネルの製造方法及び電子機器を詳細に説明した。本明細書では具体的な実施例を用いて本発明の原理及び実施形態について説明し、以上の実施例の説明は本発明を理解するためのものに過ぎない。一方、当業者であれば、本発明の構想に基づき、具体的な実施形態及び適用範囲に変更を加えることがあり、要約すると、本明細書の内容は本発明を限定するものとして理解されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6