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特許7504973ヘルメット用シールド、ヘルメット、ヘッドアップディスプレイ装置及びヘッドアップディスプレイシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】ヘルメット用シールド、ヘルメット、ヘッドアップディスプレイ装置及びヘッドアップディスプレイシステム
(51)【国際特許分類】
   A42B 3/18 20060101AFI20240617BHJP
   A42B 3/30 20060101ALI20240617BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
A42B3/18
A42B3/30
G02B27/02 Z
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022199103
(22)【出願日】2022-12-14
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】593061064
【氏名又は名称】怡利電子工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】陳 錫勳
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-102688(JP,A)
【文献】特開2020-101792(JP,A)
【文献】米国特許第10573271(US,B1)
【文献】特開平07-143577(JP,A)
【文献】特開平05-273493(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A42B3/00-3/32
G02B27/00
B60R1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘルメット用シールドであって、該シールドは、
対物レンズ、接眼レンズ、及び両側部を含み、
前記対物レンズ及び前記接眼レンズは、前記シールドの前記両側部から前記シールドの中央まで延在するシールド体であり、
前記接眼レンズは、前記対物レンズの上方に配設され、
前記対物レンズは、移動車両のヘッドアップディスプレイ装置に表示された画像を反射するように構成され、
前記画像は、前記対物レンズによって反射され、次に、前記接眼レンズに投影され、その後、前記画像は、前記接眼レンズによって前記接眼レンズの後方に反射されることを特徴とする、シールド。
【請求項2】
前記画像は、前記対物レンズの表面によって反射され、次に前記接眼レンズの裏面に投影されることを特徴とする、請求項1に記載のシールド。
【請求項3】
前記対物レンズは、凸状球面又は双曲球面であることを特徴とする、請求項1に記載のシールド。
【請求項4】
前記対物レンズは、反射フィルムを備え、前記反射フィルムの反射率は、50%~80%の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載のシールド。
【請求項5】
前記接眼レンズは、凹状球面又は透明な双曲球面であり、前記接眼レンズと垂線間の角度は、前記対物レンズと垂線間の角度より大きいことを特徴とする、請求項1に記載のシールド。
【請求項6】
前記対物レンズと前記接眼レンズは、2つの別個のシールド体であることを特徴とする、請求項1に記載のシールド。
【請求項7】
前記シールドは、前記対物レンズと前記接眼レンズ間に配設される開口部を有することを特徴とする、請求項1に記載のシールド。
【請求項8】
前記シールドは、前記対物レンズと前記接眼レンズ間に配設される連結シールド体を有することを特徴とする、請求項1に記載のシールド。
【請求項9】
前記シールドは、前記画像の反射角を調整するために前記対物レンズの位置を調整するための第1軸支部を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のシールド。
【請求項10】
前記シールドは、前記画像の反射角を調整するために前記接眼レンズの位置を調整するための第2軸支部を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のシールド。
【請求項11】
請求項1から請求項10の何れか一項に記載のシールドを含むヘルメットであって、
該ヘルメットは、ヘルメット本体を有し、
該ヘルメット本体の前方に開口部を備え、
前記シールドは、前記開口部上に配設されることを特徴とする、
ヘルメット。
【請求項12】
前記ヘルメット本体は、ヘルメットの角度値を決定する角度位置センサ及び第1無線モジュールを含む、請求項11に記載のヘルメット。
【請求項13】
移動車両において構成されるのに適するヘッドアップディスプレイ装置であって、該ヘッドアップディスプレイ装置は、
ヘルメット本体からヘルメットの角度値を受信する無線モジュール、
前記無線モジュールに接続し、前記角度値に基づいて高輝度モード又は低輝度モードを選択する制御モジュール、
ールドに画像を投影する、ディスプレイモジュールを含み、
前記角度値が運転中の角度範囲内に維持されるときには、前記ディスプレイモジュールは、前記高輝度モードで前記画像を投影し、前記角度値が前記角度範囲内になく、見下ろす状況に対応するときには、前記ディスプレイモジュールは、前記低輝度モードで前記画像を投影することを特徴とする、
ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項14】
前記ディスプレイモジュールは、前記画像をヘルメットの前記シールドに投影することを特徴とする、請求項13に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項15】
前記移動車両は、前記シールドと前記移動車両の間の慣性に起因する前記角度値の変化を検出するための加速度センサを含む、請求項13に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項16】
前記シールドは、ヘルメットに設けられ、前記ヘルメットは無線モジュールを有し、記ヘッドアップディスプレイ装置の前記無線モジュールと前記ヘルメットの前記無線モジュールは、ペアリング情報を備え、前記ディスプレイモジュールは、前記ペアリング情報に基づいて、前記画像を前記シールドに投影することを特徴とする、請求項13に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項17】
前記ディスプレイモジュールは、3種類以上の輝度モードを備えることを特徴とする、請求項13に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項18】
移動車両において構成されるのに適するヘッドアップディスプレイシステムであって、該ヘッドアップディスプレイシステムは、
ヘルメット本体からヘルメットの角度値を受信する無線モジュール、
前記無線モジュールに接続し、前記角度値に基づいて高輝度モード又は低輝度モードを選択する制御モジュール、
シールドに画像を投影する、ディスプレイモジュールを含み、
前記角度値が運転中の角度範囲内に維持されるときには、前記ディスプレイモジュールは、前記高輝度モードで前記画像を投影し、前記角度値が前記角度範囲内になく、見下ろす状況に対応するときには、前記ディスプレイモジュールは、前記低輝度モードで前記画像を投影し、
前記シールドは、対物レンズ及び接眼レンズを含み、前記対物レンズは、前記ディスプレイモジュールが投影する前記画像を反射し、前記画像は、次に前記接眼レンズに投射されることを特徴とする、
ヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項19】
前記画像は、前記対物レンズの表面によって反射され、次に前記接眼レンズの裏面に投影されることを特徴とする、請求項18に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項20】
前記シールドは、ヘルメットに設けられ、前記ヘルメットは、前記角度値を決定するための角度位置センサを有することを特徴とする、請求項18に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者のためのヘッドアップディスプレイ装置に関し、特に本ヘッドアップディスプレイ装置により、ヘルメットに取着される電子部品を減少する、ヘルメット用シールド、ヘルメット、及びヘッドアップディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
台湾実用新案第563171号(特許文献1)では、ヘルメット、光学エンジンモジュール、及び反射鏡を含むヘッドアップディスプレイ付きヘルメットを開示している。
ヘルメットは本体及びレンズを含み、レンズは締結部品によって本体と係合される。
光学エンジンモジュールは、本体のキャップ上に、締結部品に隣接して構成され、画像を投影する。
反射鏡は、光学エンジンモジュールの下に構成され、光学エンジンモジュールが画像を投影する光路上に配設され、反射鏡が画像を受信し、次に画像を運転者の目に反射可能である。
画像は、運転者前方の交通状態に関するもので、運転者がリアルタイムの交通状態を観察するのに便利である。
【0003】
また、多くの参考文献が、自動二輪車用ヘルメットにおいて、運転者が観察するためにヘルメットのシールド上に画像を表示するように構成されるヘッドアップディスプレイのディスプレイモジュールを開示している。
しかしながら、ヘルメット内部に折畳み可能な光路を配置するために、例えば、光学モジュール(例えば、ディスプレイモジュール)を設置すること、又は数個のカメラモジュールを設置することで、ヘルメット自体が重くなり、それが原因で重心が移動し、ヘルメットの保護効果に悪影響を及ぼしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】台湾実用新案第563171号
【発明の概要】
【0005】
本発明は、移動車両上のヘッドアップディスプレイ装置のための投影画面として機能するヘルメット用シールドを対象とする。
【0006】
シールドは、対物レンズ及び接眼レンズを含む。接眼レンズは、対物レンズの上方に配設される。対物レンズは、移動車両のヘッドアップディスプレイ装置に表示された画像を反射する。画像は、対物レンズによって反射され、次に、接眼レンズに投影され、その後、画像は、接眼レンズによって、接眼レンズの後方に反射される。前述した構成により、ヘルメットに取着される電子部品を減少する。
【0007】
他の実施形態では、画像は、対物レンズの表面によって反射され、次に、接眼レンズの裏面に投影される。
【0008】
他の実施形態では、対物レンズは、凸状球面又は双曲球面(hyperbolic spherical surface)である。
【0009】
他の実施形態では、対物レンズは、反射フィルムを備える。反射フィルムの反射率は、50%~80%の範囲である。
【0010】
他の実施形態では、接眼レンズは、凹状球面又は透明な双曲球面である。接眼レンズと垂線間の角度は、対物レンズと垂線間の角度より大きい。
【0011】
他の実施形態では、対物レンズと接眼レンズは、2つの別個のシールド体である。
【0012】
他の実施形態では、シールドは、対物レンズと接眼レンズ間に配設される開口部を有する、又はシールドは、対物レンズと接眼レンズ間に配設される連結シールド体を有する。
【0013】
他の実施形態では、シールドは、対物レンズの位置を調整するための第1軸支部を更に含む。
【0014】
他の実施形態では、シールドは、接眼レンズの位置を調整するための第2軸支部を更に含む。
【0015】
本発明は、前述したシールドを含むヘルメットを更に提供する。ヘルメットは、ヘルメット本体を有し、該ヘルメット本体の前方に開口部を備える。シールドは、開口部上に配設される。
【0016】
他の実施形態では、ヘルメットは、角度位置センサを更に含む。
【0017】
他の実施形態では、ヘルメットは、第1無線モジュールを更に含む。
【0018】
本発明は、移動車両において構成されるヘッドアップディスプレイ装置を更に提供する。ヘッドアップディスプレイ装置は、第2無線モジュール及びディスプレイモジュールを含む。第2無線モジュールは、シールドに関連する角度値を受信する。ディスプレイモジュールは、角度値に基づいて高輝度モード又は低輝度モードを選択し、シールドに画像を投影する。角度値が運転中の角度範囲内に維持されるとき、ディスプレイモジュールは、高輝度モードで画像を投影する。角度値が運転中の角度範囲内にないとき、ディスプレイモジュールは、低輝度モードで画像を投影する。
【0019】
他の実施形態では、シールドは、対物レンズ及び接眼レンズを含む。対物レンズは、画像を反射し、画像は、対物レンズによって反射され、次に接眼レンズに投影される。
【0020】
他の実施形態では、画像は、対物レンズの表面によって反射され、次に接眼レンズの裏面に投影される。
【0021】
他の実施形態では、ディスプレイモジュールは、画像をヘルメットのシールドに投影する。
【0022】
他の実施形態では、ヘルメットは、角度値を決定するための角度位置センサを有する。
【0023】
他の実施形態では、ヘッドアップディスプレイ装置は、慣性に起因する角度値の変化を検出するための加速度センサを更に含む。
【0024】
他の実施形態では、第2無線モジュール及びヘルメットは、ペアリング情報を備える。ディスプレイモジュールは、ペアリング情報に基づいて、画像をシールドに投影する。
【0025】
他の実施形態では、ディスプレイモジュールは、3種類以上の輝度モードを備える。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態によるヘルメットの模式図である。
図2】ヘルメットとヘッドアップディスプレイモジュール間の光路の模式図である。
図3】本発明の他の実施形態によるヘルメットの模式図である。
図4】本発明の他の実施形態によるヘルメットの模式図である。
図5】ディスプレイシステムのブロック図である。
図6】使用中のディスプレイシステムの模式図である。
図7】使用中のディスプレイシステムの模式図である。
図8】本発明の他の実施形態によるヘルメットの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以降の説明にあたり、後述する方向は、移動車両を運転する運転者に基づいており、移動車両の前進方向を、当業者の共通認識と一致するように、前方と呼ぶ。
さらに移動車両は、ハンドルバーを使用して前輪を操舵する二輪車又は三輪車、例えば、自動二輪車、スクータを対象とするが、他の軽量の移動車両、例えば自転車又は電動自転車を含ませてもよい。
【0028】
図1及び図2を参照されたい。本発明では、ヘルメット本体1及びシールド2を含むヘルメットの一実施形態を提供する。
【0029】
ヘルメット本体1は、基部11を有し、基部11の前方に開口部12を備える。
【0030】
シールド2は、対物レンズ21、接眼レンズ22及び両側部13を含む。対物レンズ21と接眼レンズ22は、シールド2の両側部13からシールド2の中央まで延在するシールド体である。シールド2の両側部13は、基部11に接続され、シールド2を開口部12上に配設可能である。シールド2は、下部及び上部を更に含む。対物レンズ21は、シールド2の下部に配設される。接眼レンズ22は、シールド2の上部に配設される。
【0031】
対物レンズ21は、ヘッドアップディスプレイ装置3上に表示された画像Dを、ヘルメットの前底部で反射するように構成され、画像Dは、対物レンズ21によって反射され、次に接眼レンズ22に投影され、その後画像Dは、運転者の目に投影される。具体的には、対物レンズ21は、表面を備え、接眼レンズ22は、裏面を備え、画像Dは、対物レンズ21の表面に投影され、次に画像Dは、接眼レンズ22の裏面へと反射、投影され、その後、画像Dは、運転者の目に投影される。
【0032】
その結果、ヘルメット内部に反射光路を配置する必要は全くない。ヘルメット内に電子部品(特にディスプレイモジュール)を配置する必要が殆どない。運転者は、ヘッドアップディスプレイ装置上に表示される画像を、ヘルメット自体の保護効果に悪影響を与えることなく、観察できる。シールド2が破損した場合でも、単にシールド2を交換することによって引き続き使用できる。
【0033】
他の実施形態では、ヘッドアップディスプレイ装置3は、移動車両上に、又はステアリングハンドル上の位置に構成されてよい。それにより運転者とヘッドアップディスプレイ装置3の間の距離(物体距離)を、ヘルメット上でヘッドアップディスプレイ装置と結合された関連技術より長くして、より長い画像距離を実行するようにする。
【0034】
本発明では、対物レンズ21が凸状球面又は双曲球面である実施形態を提供する。対物レンズ21は、画像の反射率を上げるために、その表面上をフィルムでコーティングされる、又は反射フィルムを取着される。対物レンズ21の表面の反射率を、50%~80%の範囲とし、それにより対物レンズ21が運転者下の視界を完全に妨げないようにする。
【0035】
接眼レンズ22は、凹状球面又は透明な双曲球面である。接眼レンズと垂線間の角度は、対物レンズと垂線間の角度より大きく、運転者が前方の実景と画像を同時に観察可能である。接眼レンズ22は、画像Dを数倍に拡大し、画像Dは、物体距離より数倍遠い距離に表示され、運転者の目が4~6メートル(画像距離)内に形成された画像Dを観察可能であり、画像Dが更に拡大可能である。
【0036】
本発明では、シールド2が開口シールドである実施形態を提示している。対物レンズ21と接眼レンズ22は、2つの別個のシールド体であり、該2シールド体は、シールド2の両側部13からシールド2の中央まで延在する。シールド2には、対物レンズ21と接眼レンズ22間に配設される開口部23があり、風が開口部23を通り抜け可能であり、運転者が蒸し暑く感じるのを防げる。
【0037】
他の実施形態では、図8で示すように、シールド2は、密閉シールドである。即ち、シールド2は、風雨がヘルメット内に浸入して運転者を不快にすることを防ぐために、対物レンズ21と接眼レンズ22間に配設される連結シールド体28を有する。
【0038】
他の実施形態では、シールド2は、第1軸支部(第1軸セット)24を備える両側部13を有する。第1軸支部24は、対物レンズ21の角度を調整するために、又は対物レンズ21と接眼レンズ22の角度を同時に調整するために、基部11の両側面に接続され、図3で示すように、対物レンズ21と接眼レンズ22は、対物レンズ21と接眼レンズ22の角度を個別に調整できる別個のシールド体である。
【0039】
図4に示したヘルメットと図1に示した実施形態は、シールド2が第2軸支部(第2軸セット)25を更に含む点において異なる。第2軸支部25は、対物レンズ21と接眼レンズ22に枢着され、対物レンズ21が、画像Dの反射角を調整するために接眼レンズ22上で枢動可能である。
【0040】
また、前述したシールド2は、例えば、シールド2をアイマスクの形で作製して、ユーザが着用してもよいことも、言及しておくべきであろう。シールド2は、支持部を形成する両側部13を備え、それによりシールド2は、ユーザの頭上に着用できる。
【0041】
図2及び図5を参照されたい。ディスプレイシステム100は、ヘッドアップディスプレイ装置3及びヘルメットを含む。ヘッドアップディスプレイ装置3は、ステアリングハンドル上のダッシュボードのディスプレイと交換するように、移動車両上又はステアリングハンドルのダッシュボード上に構成される。ヘルメットは、運転者によって着用される。ヘルメットとシールドの構造の詳細については、上述しており、本明細書ではそれ以上繰り返さない。
【0042】
ヘルメットは、角度位置センサ27、第1無線モジュール26及びバッテリ(図示せず)を備えた基部11を有する。バッテリは、前述の電子部品に電気を供給する。角度位置センサ27は、画像識別によってヘルメットの角度を識別するための、及びヘルメットの角度値271を、運転者の見下ろす又は見上げる動きに対応するように決定するためのジャイロスコープ、加速度センサ又は画像センサである。第1無線モジュール26は、ヘルメットの角度値271に関する無線送信を実行する。
【0043】
ヘッドアップディスプレイ装置3は、制御モジュール、ディスプレイモジュール31、及び第2無線モジュール32を含む。ディスプレイモジュール31は、少なくとも2つのモード、例えば、高輝度モード及び低輝度モードを備える画像Dを投影する。第2無線モジュール32は、ヘルメットの角度値271を受信し、ヘッドアップディスプレイ装置3の制御モジュールは、ヘルメットの角度値271に基づいてディスプレイモジュール31上に表示された画像Dの輝度を決定する。
【0044】
運転中のヘルメットの角度と比べて、ヘルメットが前方に傾くと、画像Dは低輝度モードになり、図6に示したように、運転者が、頭を下げて透明なシールドから直接観察可能になる。ダッシュボードとして画像Dを設定して、強すぎて、運転者がダッシュボード上の内容を読むのに悪影響を及ぼすような日差しを避けることが可能である。画像Dを(移動車両の)フロントガラスに直接投射して、ヘッドアップディスプレイ画像を形成してユーザが読むのと比べて、本発明は、画像Dをシールド2に低輝度モードで投射して、ユーザが読むことができる。
【0045】
ヘルメットが運転中の角度範囲内(略垂直)に維持されるとき、ディスプレイモジュール31は、図7で示したように、画像Dを高輝度モードで投射し、運転者は、頭を上げた状態で前景を観察可能であり、ヘッドアップディスプレイ装置の画面として画像Dを設定できる。
他の実施形態では、ヘルメットの着用に関する個人的な傾向に起因する角度差によって悪影響を受けないように、運転者が移動車両300を運転しようとする時に、前述の運転角度を設定できる。他の実施形態では、ディスプレイモジュール31は、3つ以上(例えば、4つ以上)の輝度モードを備える。高輝度モードで表示される輝度は、低輝度モードで表示される輝度より明るい。ヘッドアップディスプレイ装置3は、周辺環境、例えば、昼間又は夜間の輝度を検出するための光センサモジュールを更に含み、画像Dの輝度を調整する。
【0046】
第1無線モジュール26と第2無線モジュール32は、ペアリング情報を備えたブルートゥース(登録商標)モジュールである。基部11とヘッドアップディスプレイ装置3はそれぞれ、確実に第1無線モジュール26と第2無線モジュールとが正しく対になるように、認定されたチップを有する。ヘッドアップディスプレイ装置3は、画像Dを、ペアリング情報に基づいてヘルメットの特定のシールドに投影し、それによりヘッドアップディスプレイ装置3は、誤った角度値を受信して、誤った輝度を表示しないようにする。他の実施形態では、ヘッドアップディスプレイ装置3は、スマートフォンに接続でき、押下によって、ナビゲーション情報をヘッドアップディスプレイ装置3に提供する。
【0047】
或いは、第1無線モジュール26及び第2無線モジュール32は、個別にRFIDリーダ及びRFIDチップである。RFIDチップは、ヘルメットの角度値271を記憶するために、角度位置センサ27に電気的に接続され、ヘッドアップディスプレイ装置3の制御モジュールは、RFIDチップの識別インベントリ番号(識別子)を記録し、RFIDチップからの識別インベントリ番号(識別子)に基づいてヘルメットの角度値271を読み出し、それにより、自動接続付き無線モジュールを配置する必要なく、ヘルメット内部にある電子部品の耐久性を伸ばせる。
【0048】
他の実施形態では、ヘッドアップディスプレイ装置3は、移動車両300の加速及び減速中のヘルメットと移動車両の間の慣性振動によって発生する誤った判定を補償するための加速度センサ、例えば重力センサ33を含む。

【0049】
他の実施形態では、ディスプレイモジュール31は、高効率で高輝度のディスプレイパネルであり、高バックライト且つ高コントラストの画像Dを、制御可能な加熱温度で約4万ニットの画面輝度で実行する。
【符号の説明】
【0050】
1:ヘルメット本体
11:基部
12:開口部
13:両側部
2:シールド
21:対物レンズ
22:接眼レンズ
23:開口部
24:第1軸支部
25:第2軸支部
26:第1無線モジュール
27:角度位置センサ
271:ヘルメットの角度値
28:連結シールド体
3:ヘッドアップディスプレイ装置
31:ディスプレイモジュール
32:第2無線モジュール
33:加速度センサ
D:画像
100:ディスプレイシステム
【要約】      (修正有)
【課題】移動車両上のヘッドアップディスプレイ装置のための投影画面として機能するヘルメット用シールドを提供する。
【解決手段】ヘルメット用シールドは、ヘッドアップディスプレイ装置3のための投影画面として機能するように対物レンズ21、及び接眼レンズ22を含み、接眼レンズは、対物レンズの上方に配設され、対物レンズは、ヘッドアップディスプレイ装置上に表示される画像を、ヘルメットの前底部で反射し、画像は、対物レンズによって反射され、次に接眼レンズに投影され、その後、画像は、接眼レンズによって、接眼レンズの後方に反射される。ヘルメットに取着される電子部品を減少でき、ヘルメットのためのヘッドアップディスプレイ装置及びヘッドアップディスプレイシステムに関する実施形態を更に提供する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8