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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】LEDアレイ
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/08 20100101AFI20240617BHJP
   H01L 33/22 20100101ALI20240617BHJP
【FI】
H01L33/08
H01L33/22
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022503481
(86)(22)【出願日】2020-07-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-26
(86)【国際出願番号】 EP2020069911
(87)【国際公開番号】W WO2021013641
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】1910348.0
(32)【優先日】2019-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】523259282
【氏名又は名称】スナップ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【弁理士】
【氏名又は名称】末松 亮太
(74)【代理人】
【識別番号】100195408
【弁理士】
【氏名又は名称】武藤 陽子
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,タオ
【審査官】佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-527706(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード(LED)アレイを製造する方法であって、III族窒化物材料の半導体層を形成するステップと、前記半導体層を覆う誘電マスク層を形成するステップであって、前記誘電マスク層は、前記半導体層の区域を各々が露出させる、前記誘電マスク層を貫通する孔のアレイを有する、形成するステップと、前記孔の各々の中でLED構造を成長させるステップと、を含み、孔の前記アレイは、第1の断面積を各々が有する第1のセットの孔と、前記第1の断面積とは異なる第2の断面積を各々が有する第2のセットの孔とを含み、
前記孔の各々の中で前記LED構造を前記成長させるステップは、前記半導体層が露出された前記区域の上方にn型層を成長させ、前記n型層の上方に少なくとも1つの活性層を成長させ、および前記少なくとも1つの活性層の上方にp型層を成長させ、
前記少なくとも1つの活性層の上側の上面は、前記誘電マスク層の上面より下である、方法。
【請求項2】
前記第1の断面積は、前記第2の断面積より少なくとも1%大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記LED構造の各々は、前記LED構造が、第1の断面積を各々が有する第1のセットのLED構造と、前記第1の断面積とは異なる第2の断面積を各々が有する第2のセットのLED構造とを含むように前記各々がその中で成長させられる前記孔を充塞する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のセットのLED構造は、第1のピーク波長を有する光を発光するように各々が配置構成され、前記第2のセットのLED構造は、前記第1のピーク波長とは異なる第2のピーク波長を有する光を発光するように各々が配置構成される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
孔の前記アレイは、前記第1および第2の断面積とは異なる第3の断面積を各々が有する第3のセットの孔をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
LED構造の前記アレイは、前記第1および第2の断面積とは異なる第3の断面積を各々が有する第3のセットの孔をさらに含み、
前記第3のセットの孔の中で成長させられる第3のセットのLED構造を含み、前記第3のセットのLED構造は、前記第1および第2のピーク波長とは異なる第3のピーク波長を有する光を発光するように各々が配置構成される、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記LED構造は、複数の群をなして配置構成され、前記方法は、複数のコンタクトを形成するステップであって、前記コンタクトの各々は、LED構造の前記群のうちのそれぞれの1つに接続され、以て、LED構造の前記群の各々は、LED構造の他の群から独立にアクティブ化され得る、形成するステップをさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記LED構造は、複数の群をなして配置構成され、前記方法は、複数のコンタクトを形成するステップであって、前記コンタクトの各々は、LED構造の前記群のうちのそれぞれの1つに接続され、以て、LED構造の前記群の各々は、LED構造の他の群から独立にアクティブ化され得る、形成するステップをさらに含み、
LED構造の前記群の各々は、LED構造の前記セットの各々からの少なくとも1つのLED構造を含む、請求項3または5に記載の方法。
【請求項9】
前記LED構造は、複数の群をなして配置構成され、前記方法は、複数のコンタクトを形成するステップであって、前記コンタクトの各々は、LED構造の前記群のうちのそれぞれの1つに接続され、以て、LED構造の前記群の各々は、LED構造の他の群から独立にアクティブ化され得る、形成するステップをさらに含み、
LED構造の前記群の各々は、LED構造の前記セットのうちの1つからのLED構造のみを含む、請求項3または5に記載の方法。
【請求項10】
孔の前記セットの各々は、規則的なアレイをなして配置構成される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
半導体層と、誘電層であって、前記半導体層の上方に広がり、前記誘電層を貫通して延びるLED構造のアレイを有する、誘電層と、を含むLEDアレイであって、前記LED構造は、第1の断面積を各々が有する第1のセットのLED構造と、前記第1の断面積とは異なる第2の断面積を各々が有する第2のセットのLED構造とを含み、
前記LED構造の各々は、前記誘電層を貫通するそれぞれの孔の中で形成され、
前記LED構造の各々は、前記それぞれの孔の中において、前記半導体層の上方に形成されたn型層、前記n型層の上方に形成された少なくとも1つの活性層、および前記少なくとも1つの活性層の上方に形成されたp型層を有し、
前記少なくとも1つの活性層の上側の上面は、前記誘電層の上面より下である、LEDアレイ。
【請求項12】
前記第2の断面積は、前記第1の断面積より少なくとも1%大きい、請求項11に記載のLEDアレイ。
【請求項13】
前記孔は、第1の断面積を各々が有する第1のセットの孔と、前記第1の断面積とは異なる第2の断面積を各々が有する第2のセットの孔とを含む、請求項11または12に記載のLEDアレイ。
【請求項14】
前記第1のセットのLED構造は、第1のピーク波長を有する光を発光するように各々が配置構成され、前記第2のセットのLED構造は、前記第1のピーク波長とは異なる第2のピーク波長を有する光を発光するように各々が配置構成される、請求項11から13のいずれか一項に記載のLEDアレイ。
【請求項15】
前記LED構造は、前記第1および第2の断面積とは異なる第3の断面積を各々が有する第3のセットのLED構造をさらに含む、請求項11から14のいずれか一項に記載のLEDアレイ。
【請求項16】
前記LED構造は、前記第1および第2の断面積とは異なる第3の断面積を各々が有する第3のセットのLED構造をさらに含み、
前記第3のセットのLED構造は、前記第1および第2のピーク波長とは異なる第3のピーク波長を有する光を発光するように各々が配置構成される、請求項14に記載のLEDアレイ。
【請求項17】
前記LED構造は、複数の群をなして配置構成され、前記アレイは、複数のコンタクトをさらに含み、前記コンタクトの各々は、LED構造の前記群のうちのそれぞれの1つに接続され、以て、LED構造の前記群の各々は、LED構造の他の群から独立にアクティブ化され得る、請求項11から16のいずれか一項に記載のLEDアレイ。
【請求項18】
LED構造の前記群の各々は、LED構造の前記セットの各々からの少なくとも1つのLED構造を含む、請求項17に記載のLEDアレイ。
【請求項19】
LED構造の前記群の各々は、LED構造の前記セットのうちの1つからのLED構造のみを含む、請求項17に記載のLEDアレイ。
【請求項20】
LED構造の各々のセットは、規則的なアレイをなして配置構成される、請求項11から19のいずれか一項に記載のLEDアレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(LED)アレイと、LEDアレイを製造する方法とに関係する。本発明は、特に、マイクロメートルスケールでのLEDのアレイに関係する。
【背景技術】
【0002】
スマートウォッチ、スマートフォン、テレビジョン、およびAR/VRデバイスに対する、より輝度が高く、解像度が高められ、より電力効率のよいディスプレイパネルに対する増大しつつある要望が、直径が<100μmのスケールであるマイクロLED(μLED)が主たる構成要素となるマイクロディスプレイ技術の開発を推進させている。III族窒化物μLEDは、例えば、Z.Y.Fan、J.Y.Lin、およびH.X.Jiang、J.Phys.D:Appl.Phys.41、094001(2008);H.X.JiangおよびJ.Y.Lin、Optical Express 21、A476(2013);ならびに、J.Day、J.Li、D.Y.C.Lie、C.Bradford、J.Y.Lin、およびH.X.Jiang、Appl.Phys.Lett.99、031116(2011)において説明されるように、有機発光ダイオード(OLED)および液晶ディスプレイ(LCD)と比較して、ディスプレイ用途に対するいくつかの特有の特徴を呈する。LCDとは違い、μLEDが主要な構成要素であるIII窒化物ベースのマイクロディスプレイは、自発光である。μLEDを使用するディスプレイは、高解像度、高効率、および高コントラスト比を呈する。OLEDは、典型的には、妥当な寿命を維持するために、半導体LEDより数桁低い電流密度において動作させられる。結果として、OLEDのルミナンスは、相当に低く、フルカラーディスプレイの場合に典型的には3000cd/mであり、一方で、III窒化物μLEDは、10cd/mより上の高いルミナンスを呈する。当然ながら、III窒化物ベースのμLEDは、本質的に、OLEDとの比較において、長い動作寿命、および化学的堅牢性を呈する。それゆえに、III窒化物μLEDは、潜在的可能性として、近い将来の広い範囲の用途における高解像度および高輝度ディスプレイに対して、LCDおよびOLEDに取って代わることができることが期待される。
【0003】
2つの主要な手法が、マイクロディスプレイの製作に優位を占める。いわゆるピックアンドプレース技術が、マイクロディスプレイを製造するために提案された(Vincent W.Lee、Nancy Twu、およびIoannis Kymissis、 Display 6/16(2016))。ピックアンドプレース技術の主な課題は、画素(すなわち、異なるウエハからの赤、青、緑マイクロLED)の移送歩留に起因する。そのことはまた、マイクロディスプレイを構築するための基礎材料コストまたは製造時間を著しく増大させ、かくして、再現性およびスケーラビリティの見地において大きい課題を提起する。スマートウォッチ、スマートフォン、テレビジョン、およびAR/VRデバイスに対して特に重要である高解像度マイクロディスプレイは、<10μmなどのより小さい直径とより小さいピッチの両方を伴うμLEDを求め、ピックアンドプレース技術が困難になる傾向がある。その場合には、アクティブマトリクススイッチングを提供するトランジスタのアレイとのマイクロLEDアレイの直接的集積化が用いられている(H.X.Zhang、D.Massoubre、J.McKendry、Z.Gong、B.Guilhabert、C.Griffin、E.Gu、P.E.Jessop、J.M.Girkin、およびM.D.Dawson、Optics Express 16、9918~9926(2008);Z.J.Liu、W.C.Chong、K.M.Wong、およびK.M.Lau、J.Display Tech.9、678~682(2013);ならびに、C.W.Sun、C.H.Chao、H.Y.Chen、Y.H.Chiu、W.Y.Yeh、M.H.Wu、H.H.Yen、およびC.C.Liang、SID Digest of Technical Papers、1042~1045(2011))。しかしながら、この方法は、GB1816455.8において説明されるような、いくつかの重大な欠点の難点を抱える。さらにまた、単一多重色ウエハの製造における根本的な課題に起因して、そのようなマイクロLEDベースのディスプレイは、単一色またはダウンコンバージョン材料の利用のいずれかに基づく。後者を使用すると、多重色発光は達成され得るが、そのことは、ダウンコンバージョンプロセスに起因するエネルギー損失、マイクロLEDの直径より小さくなければならない直径を伴うダウンコンバージョン材料を正確に位置決めするための余分なコストおよび課題、ならびに、ダウンコンバージョン材料の信頼性問題点の難点を抱える。それゆえに、画像品質も光学効率も満足のいくものではなく、そのことは、実用的用途のためには非常に難しいものになる。
【0004】
それゆえに、輝度の高い、および、高解像度のマイクロディスプレイを製造するための新しい手法に対する必要性が存する。他の電子構成要素をも伴う、アレイ内の個々の画素としての、赤、青、および緑マイクロLEDなどの、異なる発光波長マイクロLEDのモノリシック集積化を必然的に含む手法を有することが望ましい。ダウンコンバージョン材料を要することなくフルカラーマイクロディスプレイを達成するために、エピタキシャルウエハは、好ましくは、制御構成を伴うモノリシック多重色LED構造を有するべきである。明らかに、単一のウエハからの多重色発光を達成することは、大きな課題である。単一のウエハからの多重色発光を達成することに対する、別の大きな障壁が存する。現在は、III窒化物ベースのLED(すなわち、発光領域としてのInGaN/GaN量子井戸を含む)は、c面基板上で成長させられる。極性配向が、InGaNとGaNとの間の大きい格子不整合に起因して、結果的に歪み誘起圧電場を生じさせる。結果として、LEDは、低減された量子効率につながる、電子波動関数と正孔波動関数との間の低減された重なりの難点を抱える。このことは、緑LEDなどの増大する発光波長でより一層悪くなり、かくして、それがいわゆる「グリーン」ギャップを発生させ、そのことは、緑LEDの量子効率が青LEDの量子効率よりもはるかに低いことを意味する。III窒化物ベースの赤LEDの効率は、緑LEDの効率よりも一層低い。さらにまた、この歪みは、さらには、GaNへのインジウムの取り込みを制限し、そのことは、より長い波長発光を達成することにおける課題をさらに高める。それゆえに、現時点において、赤LEDは、基本的には専らAlGaInPに基づく。このことは、単一のウエハ上で(個々の画素として、赤、青、および緑マイクロLEDを伴う)異なる発光波長マイクロLEDアレイをモノリシックに集積化することをほとんど不可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それゆえに、すべての上記の問題点に対処するために、単一のウエハ内での、全面的にIII窒化物に基づく、モノリシック多重色μLEDアレイの成長および続く製作のための異なる手法を開発することが肝要である。産業界の要求を満たすためには、いかなる新しい手法も、スケーラブルな基礎を基に築かれなければならないことになる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、発光ダイオード(LED)アレイを製造する方法であって、III族窒化物材料の半導体層を形成するステップと、半導体層を覆う誘電マスク層を形成するステップであって、誘電マスク層は、半導体層の区域を各々が露出させる、その誘電マスク層を貫通する孔のアレイを有する、形成するステップと、孔の各々の中でLED構造を成長させるステップと、を含む、方法を提供する。アレイは、第1の断面積を有する第1のセットの孔と、第1の断面積とは異なる第2の断面積を有する第2のセットの孔とを含み得る。
【0007】
LED構造は、半導体層の露出された区域上で成長させられ得る。成長は全体的に上向き方向となり、なぜならば、孔の誘電側壁からの成長は起こらないからである。孔の中でのLED構造の上向き成長は、それゆえに、層状LED構造を結果的に生じさせ得るものであり、層の各々は、全体的に平坦または平面的であり、実質的に一定の厚さである。
【0008】
半導体層は、例えばGaNなどのIII族窒化物の、または、サファイア、ケイ素(Si)炭化ケイ素(SiC)の、または、ガラスの基板上に形成され得る。
【0009】
孔の各々の中でLED構造を成長させるステップは、n型層を成長させるステップを含み得る。孔の各々の中でLED構造を成長させるステップは、孔の各々の中で予備層(prelayer)を成長させるステップを含み得る。孔の各々の中でLED構造を成長させるステップは、孔の各々の中で少なくとも1つの活性層を成長させるステップを含み得る。孔の各々の中でLED構造を成長させるステップは、孔の各々の中でp型層を成長させるステップを含み得る。少なくとも1つの活性層は、n型層とp型層との間にあり得る。少なくとも1つの活性層は、少なくとも1つの量子井戸層を含み得、多重量子井戸層を含み得る。これらは、例えば、InGaN、または、別の適したIII族窒化物材料から形成され得る。予備層は、例えば、低いインジウム含有量、および、<100nmの典型的な厚さを伴うInGaN層、または、低いインジウム含有量を伴うInGaN/GaN超格子(超格子の総合的な厚さは、典型的には300nmより下である)のいずれかであり得る。n型層およびp型層は、さらには、GaN、InGaN、またはAlGaNなどのIII族窒化物材料からなり得る。
【0010】
各々のLED構造は、孔のうちのそれぞれの1つの中で成長させられるので、各々のLED構造は、そのLED構造がその中で成長させられる孔の断面積に等しい、同じ断面積をすべてが有する、複数の層から形成される。
【0011】
少なくとも1つの活性層は、誘電層の上面より下である上側表面を有し得る。1つの量子井戸層のみが存する場合、上側表面は、その量子井戸層の上側表面である。複数の量子井戸層が存する場合、上側表面は、最も上側の量子井戸層の上側表面である。上向き方向は、半導体層の、および/または、LED構造の成長の方向と定義され得る。
【0012】
誘電マスク層を形成するステップは、誘電材料の層を成長させるステップと、誘電材料の層内へと孔のアレイをエッチングするステップとを含み得る。代替的には、誘電層は、誘電層の成長の間に、例えばマスクを使用して、後で孔を形成する区域の周囲に成長させられ得る。
【0013】
方法は、孔の各々の中でLED構造を成長させるステップの前に、半導体層の露出された区域の各々をエッチングするステップをさらに含み得る。
半導体層は、LED構造のすべてに対する共通電気的コンタクトを与え得る。
【0014】
半導体層は、ドープされ得る。例えば、その半導体層は、n型またはp型III族窒化物材料の単一層を含み得る。代替的には、半導体層は、第1のサブレイヤ(sub-layer)と、第2のサブレイヤとを含み得、それらの第1のサブレイヤと第2のサブレイヤとの間のヘテロ界面が、ヘテロ界面において2次元電荷キャリアガスを形成するように配置構成される。サブレイヤは、バッファ層およびバリア層を形成し得る。2次元電荷キャリアガスは、例えば、2次元電子ガス(2DEG)であり得る。2次元正孔ガス(2DHG)が、さらには使用され得るが、典型的には、これらは、より低い電荷キャリア密度および/または移動度を有する。例えば、GaNの層、および、AlGaNもしくはInGaNの層、または、より一般的には、異なるAl含有量を伴うAlGaNの2つの層、もしくは、異なるIn含有量を伴うInGaNの2つの層を含むヘテロ構造が、2つの層の間の界面において2DEGを形成することができ、2DEG内の電子密度は、AlGaN層のAl含有量、または、InGaN層のIn含有量を含むいくつかの要因によって変動するということがよく知られている。他のIII族窒化物ヘテロ界面が、同じ効果を伴って使用され得る。
【0015】
本発明は、半導体層と、誘電層であって、半導体層を超えて広がり、その誘電層を貫通して延びるLED構造のアレイを有する、誘電層とを含むLEDアレイをさらに提供する。LED構造は、第1の断面積を各々が有する第1のセットのLED構造と、第1の断面積とは異なる第2の断面積を各々が有する第2のセットのLED構造とを含み得る。第1の断面積は、第2の断面積より、少なくとも1%大きい、または、少なくとも2%大きいものであり得る。
【0016】
LED構造の各々は、各々のLED構造が、そのLED構造がその中で成長させられる孔の断面積と同じである断面積を有するように、各々がその中で成長させられる孔を充塞し得る。それゆえに、LED構造は、第1の断面積を各々が有する第1のセットのLED構造と、第1の断面積とは異なる第2の断面積を各々が有する第2のセットのLED構造とを含み得る。
【0017】
第1のセットのLED構造は、第1のピーク波長を有する光を発光するように各々が配置構成され得、第2のセットのLED構造は、第1のピーク波長とは異なる第2のピーク波長を有する光を発光するように各々が配置構成され得る。
【0018】
孔のアレイは、第1および第2の断面積とは異なる第3の断面積を各々が有する第3のセットの孔をさらに含み得る。
【0019】
LED構造のアレイは、第3のセットの孔の中で成長させられる第3のセットのLED構造を含み得、第3のセットのLED構造は、第1および第2のピーク波長とは異なる第3のピーク波長を有する光を発光するように各々が配置構成され得る。
【0020】
例えば、3つのセットは、LED構造の赤セットと、緑セットと、青セットとを含み得る。
【0021】
LED構造は、複数の群をなして配置構成され得る。方法は、複数のコンタクトを形成するステップであって、コンタクトの各々は、LED構造の群のうちのそれぞれの1つに接続される、形成するステップをさらに含み得る。LED構造の群の各々は、LED構造の他の群から独立に、動作可能であり得、すなわち、オンおよびオフにスイッチングされ得る。このことは、LED構造の群のうちの1つから各々の画素が形成されて製造されることになる画素化ディスプレイ、または、可変色出力を伴う照明システムを可能にすることができる。
【0022】
LED構造の群の各々は、LED構造のセットの各々からの少なくとも1つのLED構造を含み得る。これは、例えば、モノクロームディスプレイまたは白色照明システムにおいて使用され得る。
【0023】
LED構造の群の各々は、LED構造のセットのうちの1つからのLED構造のみを含み得る。これは、例えば、カラーディスプレイデバイスにおいて使用され得る。
【0024】
本発明は、半導体層と、誘電層であって、半導体層を超えて広がり、その誘電層を貫通する孔のアレイを有する、誘電層と、孔の各々の中に形成されるLEDデバイスとを含むLEDアレイをさらに提供する。アレイは、第1の断面積を有する第1のセットの孔と、第1の断面積とは異なる第2の断面積を有する第2のセットの孔とを含み得る。
【0025】
方法またはLEDアレイは、任意の作動可能な組み合わせで、付随する図面を参照して今から説明される本発明の好ましい実施形態の任意の1つまたは複数の特徴をさらに含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1a図1aは、本発明の第1の実施形態によるプロセスにおいて形成された、成長させられた状態の(as-grown)テンプレートを示す図である。
図1b図1bは、図1aのテンプレートであって、マスキングパターンがそのテンプレートのマスク層内に形成された、図1aのテンプレートを示す図である。
図1c図1cは、マイクロLEDがマスク層内の孔内で成長させられた、図1aのテンプレートを示す図である。
図1d図1dは、図1cのテンプレートであって、電気的コンタクトがそのテンプレート上に形成された、図1cのテンプレートを示す図である。
図2図1dのテンプレートのLED構造を通る断面の図である。
図3】本発明のさらなる実施形態によるLEDアレイの概略平面図である。
図4】本発明のさらなる実施形態によるLEDアレイの概略平面図である。
図5a図5aは、図1cのアレイにおける個々のLEDのエレクトロフォトルミネセンスのプロットである。
図5b図5bは、図1cのアレイにおける個々のLEDのエレクトロフォトルミネセンスのプロットである。
図5c図5cは、図1cのアレイにおける個々のLEDのエレクトロフォトルミネセンスのプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1aを参照すると、III族窒化物、または、他の適した半導体層、例えば、標準的なn型GaN(n-GaN)層100が、初期に基板102上で成長させられる。基板102は、GaN基板であり得、または、サファイア、ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、もしくはガラスまでもなどの、任意の異種基板であり得る。GaN層100は、有機金属気相エピタキシャル(MOVPE)もしくは分子ビームエピタキシャル(MBE)のいずれか、または、任意の他の適した成長法を使用する、任意の標準的なGaN成長方法の手段により成長させられ得る。結果的に生じる「成長させられた状態のn-GaNテンプレート」は、10μmより上の厚さを有し得るが、典型的には、厚さは、500nmから10μmの範囲内である。引き続いて、二酸化ケイ素(SiO)もしくは窒化ケイ素(SiN)、または、任意の他の適した誘電材料などの誘電層104が、PECVD、または、任意の他の適した堆積法を使用することにより、n-GaN層100上に堆積させられる。誘電層の厚さは、20nmから500μmの範囲内であり得る。
【0028】
図1bを参照すると、孔106のアレイが、次いで、誘電層104内に形成される。孔106は、典型的には、マイクロメートルスケールであり、それゆえに、マイクロ孔と呼称される。このことは、手段、フォトリソグラフィ法、および次いで、エッチングプロセス(ドライエッチングまたはウェットエッチングであり得る)により行われ得る。マイクロ孔106を形成することにおいて、誘電層104は、n-GaN層100の上側表面に至るまで、その誘電層104の厚さ全体を貫通してエッチングされる。マイクロ孔断面積は異なる。ここでは、断面積は、孔のエッチングの全体的な方向と直角をなす、および、基板の上面表面の面に平行な面における断面を指す。孔は、少なくとも2つのセットの孔を含み、各々のセットの孔は、それぞれの異なる孔断面積を有する。孔106が丸みのあるものである場合、それらの孔は、1μmから500μmの直径を有し得、ピッチ距離、すなわち、近接するマイクロ孔の中心の間の距離は、例えば、1μmから500μmであり得る。マイクロ孔区域の中のみの、n-GaN層100のさらなるエッチングが、残った誘電層104をマスクとして使用して実行され得る。n-GaNエッチング深さは、n-GaN層厚さに依存して、ゼロ(GaNエッチングがないことを意味する)から10μmであり得る。典型的には、最適なエッチング方法または条件は、n-GaN層100に対しては、誘電層104に対してとは異なることになる。例えば、SFエッチングは、誘電層104をエッチングするために使用され得るが、n-GaN層100はエッチングしないことになる。それゆえに、誘電層104を貫通する進路のすべてをエッチングし、半導体層100の上面表面において停止することが、達成するのに簡単である。このことは、さらには、孔106内で成長させられるLED構造の品質に対する利点を有する。
【0029】
孔106は、第1のセットの孔106aと、第2のセットの孔106bとを含み、第3のセットの孔106cをさらに含み得る。孔106a、106b、106cの各々のセットは、長方形アレイ、六角形アレイ、または、任意の他の形状アレイなどの、規則的なアレイをなして配置構成され得る。第1のセットの孔106aの直径は、第2のセットの孔106bの直径より大きく、第2のセットの孔106bの直径は、ひいては第3のセットの孔106cの直径より大きい。孔106は、さらには、群107a、107bをなして配置構成される。各々の群は、1つまたは複数の孔106を含み得る。孔の各々の群107a、107bは、図1bにおいて破線により示されるような、誘電層104のそれぞれの区域内に配置され得る。例えば、図1bにおいて示されるように、群107a、107bの各々は、セット106a、106b、106cの各々からの1つの孔を含む。異なる断面積の孔は、下記でより詳細に説明されるように、異なる用途に対して異なる手立てで一体に群分けされ得る。孔の各々の群107a、107bは、同じ相対的な位置に配置構成される、同じ断面積を伴う同じ数の孔を含んで、同一であり得、または、他の用途において、群は異なり得る。
【0030】
孔106は、示される実施形態において、丸みのある断面であるが、他の断面、例えば卵形または正方形が使用され得る。
【0031】
次に、図1cを参照すると、標準的なIII窒化物LED構造が、GaN層100の露出された区域上で成長させられる。しかしながら、GaN層100の離散的な区域のみが、誘電層またはマスク内のマイクロ孔106により露出されるので、LED構造は、マイクロ孔106の間の誘電層104の残っている部分により分離される、離散的なLED108のアレイとして形成される。LED構造108は、MOVPEもしくはMBE法のいずれか、または、任意の他の適した成長法により成長させられる。成長は、GaN(または他の半導体)層の露出された区域から上向きに起こり、孔106の側壁からは起こらない。それゆえに、層状LED構造が、孔106の各々の内側で築き上げられ得、層の各々は、実質的に平坦または平面的である。LED構造は、n-GaN層110と、InGaN予備層と、活性領域112と、ブロッキング層としての薄いp型AlGaN層(示されない)と、次いで、最終的なpドープされたGaN層114とを含み得る。活性領域112は、InGaNベースの多重量子井戸(MQW)を含み得る。LED構造の例が、図2を参照して下記でより詳細に説明される。上記で述べられたように、誘電マスク104に起因して、LED構造は、μLEDアレイを形成して、図1cにおいて示されるように、マイクロ孔106の中でのみ成長させられ得る。各々のLED構造108は、その各々のLED構造がその中で成長させられる孔106を実質的に充塞することになる。それゆえに、LEDは、異なる断面積、およびゆえに、異なる発光特性の、いくつかの、示される例においては3つのセットのLEDを含む。ここでは、断面積は、LED構造の成長の全体的な方向と直角をなす面における面積を指す。この断面積は、典型的には、LED構造108の高さにわたって実質的に一定であることになる。例えば、最も大きい断面積を有する第1のセットのLED構造108aと、第1のセットより小さい断面積を有する第2のセットのLED構造108bと、なおもより小さい断面積を有する第3のセットのLED構造108cとが存し得る。LEDの各々のセットは、誘電層104内に規則的なアレイをなして配置構成される。例えば、LEDの各々のセットは、長方形アレイ、または、任意の他の形状アレイをなして配置構成され得る。長方形アレイ、または、任意の他の形状アレイは、1つのセットからの各々のLEDが、他のセットの各々からの1つのLEDと群を形成するように、図1cにおいて示されるように、同じ間隔を各々が有し得るが、互いからずらされ得る。LEDの異なる群分けが必要とされる、他の配置構成において、LEDの異なるセットは、異なるタイプのアレイをなして各々が配置構成され得る。LEDの各々の群は、同じ相対的な位置において配置構成される、同じ断面積を伴う同じ数のLEDを含んで、同一であり得、または、他の用途において、群は異なり得る。
【0032】
InGaN MQW112の最も上側の層は、誘電層104の上側表面より上で広がるべきでないことが重要である。さもなければ、この広がることは、テンプレートが最終的なμLEDアレイとして製作された後に短絡効果を生じさせることがある。また、マイクロ孔区域の各々の中の過成長させられた状態の(overgrown)n-GaN110は、すべての個々のμLEDが、誘電マスク104の下方のエッチングされない部分のn-GaN層100によって互いに電気的に接続されるように、誘電マスク104の下方のテンプレートのエッチングされない部分の中のn-GaN層100に直接的に接触することも、重要である。
【0033】
図1dを参照すると、LEDアレイ構造が完成させられると、アレイに対する電気的コンタクトの形成を含む、さらなるデバイス製作が遂行される。例えば、上側コンタクト層116が、誘電マスク層104の上方に、および、個々のマイクロLEDデバイス108の上側p-GaN層の上方に形成され得る。上側コンタクト層116は、それゆえに、LEDデバイス108のすべてに対する共通pコンタクトを形成する。上側コンタクト層116は、ITOまたはNi/Au合金から形成され得る。アノード118が、次いで、pコンタクト層116上に形成され得る。例えば、誘電層104の一部分が、エッチングで除かれ得、次いで、エッチングされた誘電層セクション上のLED構造の一部分が、さらには、n-GaNに至るまでエッチングされ得、そのことが、n-GaN100の区域120を露出させ、カソード122が、n-GaNのその露出された区域120上に形成され得る。
【0034】
この手立てで製造されるマイクロLED構造は、現在のマイクロLEDが有することができないいくつかの特有の特徴を呈する。同一の成長条件のもとで、異なる直径を伴うマイクロLEDは、異なる発光波長を呈することができる。このことは、いくつかの機構の組み合わせに起因する。第1に、マイクロ孔の中で成長させられるマイクロLEDにおける発光領域としてのInGaN/GaN多重量子井戸(MQW)の成長率が、マイクロ孔直径に依存する。InGaN MQWの異なる厚さは、異なる発光波長を示す。第2に、InGaN/GaN MQWのインジウム取り込み率が、さらにはマイクロ孔直径に依存する。異なるインジウム含有量は、InGaN/GaN MQWの発光波長における差につながる。第3に、横方向に沿ったInGaN/GaN MQWの歪み緩和が、マイクロ孔直径に依存し、さらには、InGaN/GaN MQWの発光波長における差を結果的に生じさせる。それゆえに、例えば、最適化された成長条件のもとで、各々の群内の3つの異なる直径を伴う3つのセットのマイクロLEDは、赤、青、および緑発光を発光することができる。各々の群内に異なる直径を伴う2つのマイクロLEDが存する場合、それらのマイクロLEDは、青および黄を発光することができる。各々の群内に異なる直径を伴う4つのマイクロLEDが存する場合、それらのマイクロLEDは、赤、青、緑、および黄を発光することができる。これら、事例の各々において、白色光が、LEDの各々の群から生み出され得る。演色評価数および色温度が、追加余分マイクロLEDにより調節され得る。例えば、色温度を増大するために、緑または黄または赤などの、長い発光のための、同一の直径を伴う2つのマイクロ孔が、各々の群内に、異なる直径を伴う2つの他のマイクロ孔とともに含まれ得る。色温度を減少するために、青などの短い発光波長のための、同一の直径を伴う2つのマイクロ孔が、各々の群内に、異なる直径を伴う2つの他のマイクロ孔とともに含まれ得る。
【0035】
例として、図5aから図5cを参照して下記で論考されるように、10μmの直径を各々が伴うμLEDのアレイにおいて青光が発光され、20μmの直径を各々が伴うμLEDのアレイにおいて緑光が発光され、30μmの直径を各々が伴うμLEDのアレイにおいて赤光が発光されることを実験が示している。これらのマイクロLEDは、同じ成長進行における、同一の条件のもとでの、対応する異なる直径を伴うマイクロ孔の中での成長により得られた。
【0036】
異なるセットのLEDの、光の波長、およびゆえに断面積は、任意の特定の用途の要求に依存して選択され得る。典型的には、異なるセットのLEDの、波長、およびゆえに断面積の間にかなり大きい差が存することになる一方で、孔106を形成するフォトリソグラフィプロセスは、非常に正確であり、そのため、ミクロンスケールでのLEDに対して、例えば2%に、または1%にまでも至る、断面積の差が、制御される様式で生み出され得る。
【0037】
上記で説明された実施形態に対する様々な変形が可能であるということが認識されよう。例えば、1つの変形例においては、構造が反対にされ、p-GaN層が基板上で成長させられ、誘電層により覆われ、次いで、LEDデバイス108のp-GaN層が最初に形成され、多重量子井戸層、および次いで、n-GaN層が後に続く。nコンタクト層が、次いで、pコンタクト層に代わって誘電層の上面の上方に形成され、アノードおよびカソードの位置が逆にされる。
【0038】
図1aから図1dの構成において、マイクロ孔106の中の過成長させられた状態のn-GaN110は、すべての個々のμLED108がn-GaN層100によって互いに電気的に接続されるように、誘電マスク104の下方のn-GaN層100のエッチングされない部分のn-GaNと一致しなければならない。誘電マスク104の下方のエッチングされないn-GaN部分のn-GaN100を、電気的に接続されるチャネルとして使用する代わりに、さらなる実施形態において、ヘテロ接合において2次元電子ガス(2DEG)を伴うIII族窒化物ヘテロ構造が、n-GaN層の代わりに、半導体層として使用される。この実施形態において、標準的なAlGaN/GaN HEMT構造が使用される。高電子移動度トランジスタ(HEMT)構造のAlGaNバリアとGaNバッファとの間の界面において形成される、高いシートキャリード密度(sheet carried density)、および、高い電子移動度を伴う電子ガス(2DEG)が、電気的に接続されるチャネルとして使用される。
【0039】
そのようなデバイスを製造するために、標準的なAlGaN/GaN HEMT構造が、最初に、MOVPEもしくはMBE法のいずれかまたは任意の他のエピタキシャル法を使用する、任意の標準的なGaN成長手法の手段により、GaN、基板、または、サファイア、Si、SiC、もしくはガラスまでもなどの、任意の異種基板上で成長させられる。例えば、バッファ層を形成するGaN層が、基板上で成長させられ得、次いで、バリア層を形成するAlGaN層が、GaN層上で成長させられる。この構造は、本明細書において「成長させられた状態のHEMTテンプレート」と呼称される。引き続いて、例えば2nmから500μmの範囲内の厚さを伴う、SiOもしくはSiN、または、任意の他の誘電材料などの誘電層が、PECVD、または、任意の他の適した堆積法を使用することにより、成長させられた状態のHEMTテンプレート上に堆積させられる。結果的に生じる構造は、図1aにおいて示される構造と同じであることになるが、n-GaN層100に代わってHEMT構造を伴う。そのことの後に、フォトリソグラフィ法、および次いで、エッチングプロセス(ドライエッチングまたはウェットエッチングであり得る)の手段により、誘電層は、誘電層内にマイクロ孔アレイを形成するために、HEMT構造の表面に至るまでエッチングされ、その場合、マイクロ孔直径は、1μmから500μmであり得、近接する孔中心の間のピッチ距離は、10μmから500μmの範囲内であり得る。マイクロ孔区域の中で、成長させられた状態のHEMTをさらにエッチングすることが、誘電層の残った領域をマスクとして使用して実行され得る。成長させられた状態のHEMTエッチング深さは、成長させられた状態のHEMTテンプレートのAlGaNバリア位置に依存して、ゼロ(エッチングが全くないことを意味する)から10μmであり得る。しかしながら、一般的には、エッチングは、LED構造の各々と2DEGとの間の良好な電気的接触を与えるように、少なくとも、成長させられた状態のHEMT構造の2つの層の間のヘテロ界面と同じほど遠方に、下向きに延びることになる。
【0040】
次に、標準的なIII窒化物LED構造が、例えば図1cを参照して上記で説明されたように、MOVPEもしくはMBE法のいずれか、または、任意の他のエピタキシャル技法により、マイクロ孔によって特徴付けられる、誘電マスクをパターニングされたHEMTテンプレート上で成長させられ、コンタクトが、例えば図1dを参照して上記で説明されたように与えられる。図1aから図1dの実施形態と同様に、重要な点は、InGaN MQW212の上側表面は、最終的なμLEDアレイとして製作された後に、短絡効果を回避するように、誘電層204の上側表面より下であるべきであるということである。
【0041】
図2を参照すると、図1aから図1dのLEDアレイ内のLED構造は、任意の適した構造を有し得、典型的には、複数の層を含むことになる。1つの例において、それらのLED構造は、n-GaN層210と、n-GaN層210の上方に形成されるInGaN予備層216と、予備層216の上方に形成されるいくつかのInGaN量子井戸層212と、例えばp-AlGaNの、pドープされたブロッキング層218と、次いで、p-GaN層214とを含み得る。この構造は、いくつかの手立てで変動させられ得るということが認識されよう。上記で指摘されたように、量子井戸層212のうちの最も上側のものの上面は、誘電層の上面より下であることが好ましい。ブロッキング層218の上面は、さらに誘電層の上面より下であることが、さらには好ましい。
【0042】
図1aから図1dに戻って参照すると、これらの図において示される実施形態において、LEDの小さい群107a、107bのうちの数個が、単一のコンタクト層116により覆われる、3つのセットの孔106a、106b、106cの各々からのLEDを含む、LEDの大きい群として扱われる。このことは、白色光源を生み出すために、コンタクト118を使用してターンオンおよびオフされ得る、単一の区域を結果的に生じさせる。しかしながら、異なるサイズのLED、および、それらのLEDのスイッチングコンタクトが、用途に依存する様々な異なる手立てで配置構成され得るということが認識されよう。
【0043】
図3を参照すると、LED構造が、図1aから図1dのLED構造と同様の様式で配置設計される、すなわち、LEDの群307a、307bを伴い、各々の群は、その群内に3つのLED306a、306b、306cを有し、3つのLEDの各々は、異なる断面積、ならびにゆえに、異なる発光スペクトルおよびピーク波長のものである、配置構成において、各々の群307a、307bは、別個のコンタクトがLEDの各々の群に対して与えられ得るように、その各々の群の上方に広がるそれぞれのコンタクト層区域316a、316bを有し得る。このことは、LEDの群の各々が、他のものから独立にオンおよびオフにスイッチングされることを可能とする。このことは、例えば、モノクロームディスプレイ、例えば白色ディスプレイにおいて有用であり得る。
【0044】
図4を参照すると、LEDの各々は、LEDの各々が、他のものから独立にアクティブ化され得るように、その各々の上方に広がる別個のコンタクト層416a、416b、416cを有し得る。この配置構成は、例えば、各々の画素が赤、緑、または青として照らされ得る、カラーディスプレイにおいて使用され得る。
【0045】
図5a、図5b、および図5cを参照すると、マイクロLEDのアレイが、図1aから図1dを参照して上記で説明されたように製造されたが、各々の事例において、各々のアレイ内のLEDのすべては、同じ直径を有し、1つのアレイは10μm直径LEDを伴い、1つは20μm直径LEDを伴い、1つは30μm直径LEDを伴った。LEDのアレイの各々のエレクトロフォトルミネセンスが測定され、結果は、示されるようなものであった。分かるように、10μm直径LEDは、約500nmにおいてピーク波長を有し、それらのLEDが発光する光は青に見受けられ、20μm直径LEDは、約520nmにおいてピーク波長を有し、それらのLEDが発光する光は緑に見受けられ、30μm直径LEDは、約610nmにおいてピーク波長を有し、それらのLEDが発光する光は赤に見受けられる。図1cのものなどの、多色アレイ内の異なるLEDの直径は、色の異なる組み合わせを達成するように調整され得るということが認識されよう。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c