(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】二重起動の防止
(51)【国際特許分類】
A61M 15/00 20060101AFI20240617BHJP
【FI】
A61M15/00 Z
(21)【出願番号】P 2022524616
(86)(22)【出願日】2020-11-02
(86)【国際出願番号】 IB2020060270
(87)【国際公開番号】W WO2021090143
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2023-10-23
(32)【優先日】2019-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100122563
【氏名又は名称】越柴 絵里
(72)【発明者】
【氏名】ブレットラー オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】ダイオグル オヌール
(72)【発明者】
【氏名】ストール ドミニク ポール ガブリエル
(72)【発明者】
【氏名】クルック ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ルーサー ピーター
(72)【発明者】
【氏名】メイラン グレゴワール
【審査官】佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-248168(JP,A)
【文献】特表2014-533513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入器物品用のホルダーであって、前記ホルダーが、
ハウジング空洞内に位置付けられたスリーブであって、前記スリーブが、前記吸入器物品を受容するように配設されたスリーブ空洞を含み、前記スリーブが、前記ハウジング空洞内で第一の位置と第二の位置との間で移動可能である、スリーブと、
前記スリーブが前記第一の位置から前記第二の位置に移動したときに、前記スリーブ内に受容された前記吸入器物品を貫通するように配設された貫通要素と、
ガイド、前記スリーブに連結された従動部材、および保持セクションを含む、ロックアウト機構と、を備え、
前記従動部材が、前記スリーブが前記第二の位置から前記第一の位置に戻るように移動するのにつれて、前記ガイドに沿って前記保持セクションの中に移動するように配設され、
前記保持セクションが、前記スリーブが前記第一の位置に戻ったときに前記従動部材を保持し、それ故に前記スリーブを前記第一の位置に保持するように配設され、前記従動部材が、前記吸入器物品が前記スリーブ空洞内にないときに前記従動部材が前記ガイドと相互作用しない中立位置に配設される、ホルダー。
【請求項2】
前記従動部材が、前記スリーブに対して移動可能であり、前記従動部材が、前記吸入器物品が、前記中立位置から外れて前記ガイドと接触するよう前記従動部材を移動させるように、前記吸入器物品が前記スリーブ空洞の中に挿入されたときに前記吸入器物品と相互作用するように配設される、請求項1に記載のホルダー。
【請求項3】
前記従動部材が、前記中立位置において前記スリーブ空洞内に延びる、請求項1または2のいずれか一項に記載のホルダー。
【請求項4】
前記従動部材が、前記吸入器物品が前記スリーブ空洞内に受容されたときに、前記従動部材が前記スリーブの長軸方向軸から離れるように外向きに偏向して前記ガイドと接触するように、可撓性である、請求項3に記載のホルダー。
【請求項5】
前記従動部材が、前記吸入器物品が前記スリーブから取り外されたときに、前記従動部材が前記ガイド、または前記保持セクションとの接触から外れるように移動するように、前記中立位置に向かって付勢される、請求項1~4のいずれか一項に記載のホルダー。
【請求項6】
前記ガイドが、前記スリーブが前記第一の位置から前記第二の位置に移動するのにつれて、前記従動部材を初期横方向配向から離れるように第一の横方向に移動させるように配設される、請求項1~5のいずれか一項に記載のホルダー。
【請求項7】
前記従動部材が前記初期横方向配向に向かって付勢され、
前記ガイドが、前記スリーブが前記第二の位置にあるときに、前記従動部材が前記初期横方向配向に戻るように形状設定される、請求項6に記載のホルダー。
【請求項8】
前記従動部材および前記ガイドが、前記従動部材が前記初期横方向配向に戻るときに可聴音を発するように配設される、請求項7に記載のホルダー。
【請求項9】
前記ガイドが、前記スリーブが前記第二の位置から前記第一の位置に戻るように移動するのにつれて、前記ガイドによって、前記従動部材を第二の横方向に移動させるように配設される、請求項6~8のいずれか一項に記載のホルダー。
【請求項10】
前記保持セクションが、前記従動部材が前記保持セクションに達したときに前記スリーブの移動に抵抗するように、前記保持セクション内に前記従動部材を保持するように形状設定される、請求項1~9のいずれか一項に記載のホルダー。
【請求項11】
前記従動部材が前記スリーブと連結された細長い部材である、請求項1~10のいずれか一項に記載のホルダー。
【請求項12】
前記細長い部材が前記スリーブと一体的に形成される、請求項11に記載のホルダー。
【請求項13】
前記ガイドが突出部を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のホルダー。
【請求項14】
前記ガイドがチャネルを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸入器物品の二回以上の起動を防止することを支援する、吸入器物品用のホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
特定の吸入器物品は、乾燥粉末を含有するカプセルを保持する。これらのカプセルは、カプセル壁を貫通することによって起動され得る。典型的には、ユーザーは、カプセルが貫通された(または「起動された」)という表示を受信しない。このことは、ユーザーがカプセルを複数回起動させることにつながり得る。カプセルを二回以上起動させることにより、貫通穴のサイズが増大すること、または穴の数が増大することによって粉末送達が変化し得、粉末送達の増大およびユーザー体験の短縮化がもたらされる場合がある。
【0003】
使用のために吸入器物品がスリーブの中へと挿入されたときに、ユーザーが偶発的に二回以上カプセルを貫通する、または吸入器物品を起動させることを防止し得る、吸入器物品を提供することが望ましい。
【0004】
ホルダー内に受容された吸入器物品粉末カプセルの複数回の起動を防止する、吸入器物品用のホルダーを提供することが望ましい。吸入器システムは、カプセルが起動されたという表示をユーザーに提供することが望ましい。また、消費者によって便利に使用される吸入器物品システムを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一態様によれば、ハウジング空洞内に位置付けられたスリーブ、貫通要素、およびロックアウト機構を含む、吸入器物品用のホルダーが提供されている。スリーブは、吸入器物品を受容するように配設されたスリーブ空洞を含む。スリーブは、ハウジング空洞内で第一の位置と第二の位置との間で移動可能である。貫通要素は、スリーブが第一の位置から第二の位置に移動したときに、スリーブ内に受容された吸入器物品を貫通するように配設される。ロックアウト機構は、ガイド、スリーブと連結された従動部材、および保持セクションを含む。従動部材は、スリーブが第二の位置から第一の位置に戻るように移動するのにつれて、ガイドに沿って保持セクションの中に移動するように配設される。保持セクションは、スリーブが第一の位置に戻ったときに従動部材を保持し、それ故にスリーブを第一の位置に保持するように配設される。
【0006】
本発明の一態様によれば、ハウジング空洞内に位置付けられたスリーブ、貫通要素、およびロックアウト機構を含む、吸入器物品用のホルダーが提供されている。スリーブは、吸入器物品を受容するように配設されたスリーブ空洞を含む。スリーブは、ハウジング空洞内で第一の位置と第二の位置との間で移動可能である。貫通要素は、スリーブが第一の位置から第二の位置に移動したときに、スリーブ内に受容された吸入器物品を貫通するように配設される。ロックアウト機構は、ガイド、スリーブと連結された従動部材、および保持セクションを含む。従動部材は、スリーブが第二の位置から第一の位置に戻るように移動するのにつれて、ガイドに沿って保持セクションの中に移動するように配設される。保持セクションは、スリーブが第一の位置に戻ったときに従動部材を保持し、それ故にスリーブを第一の位置に保持するように配設される。従動部材は、吸入器物品がスリーブ空洞内にないときには、従動部材がガイドと相互作用しない中立位置にあるように配設される。
【0007】
有利なことに、吸入器物品用のホルダーにロックアウト機構を組み込むことにより、使用のために吸入器物品がスリーブ内に挿入されたときに、二回以上の吸入器物品の起動を防止し得る。さらに、ガイド、スリーブに連結された従動部材、および保持セクションを含むロックアウト機構を組み込むことにより、設計が単純であり、可動部品が少なくて電子機器を含まない、ロックアウト機構が提供される。
【0008】
従動部材は、吸入器物品がスリーブ空洞内にないときには、従動部材がガイドと相互作用しない中立位置にあるように配設され得る。従動部材は、スリーブに対して移動可能であってもよい。従動部材は、吸入器物品が、中立位置から外れてガイドと接触するように従動部材を移動させるように、吸入器物品がスリーブ空洞の中に挿入されたときに吸入器物品と相互作用するように配設され得る。従動部材は、中立位置においてスリーブ空洞内に延び得る。従動部材は、吸入器物品がスリーブ空洞内に受容されたときに、従動部材がスリーブの長軸方向軸から離れるように外向きに偏向してガイドと接触するように、可撓性であってもよい。従動部材は、吸入器物品がスリーブから取り外されたときに、従動部材がガイド、または保持セクションとの接触から外れるように移動し、それ故にスリーブの移動を可能にするように、中立位置に向かって付勢され得る。
【0009】
有利なことに、スリーブ空洞内で中立位置にある従動部材は、ホルダーが吸入器物品で使用されていないときに、ロックアウト機構が係合することを防止する。これは、スリーブ内に吸入器物品がないときに、スリーブが係止することを防止し得る。
【0010】
従動部材およびガイドは、互いに接触するときに、可聴音を発するように配設され得る。ガイドは、スリーブが第一の位置から第二の位置に移動するのにつれて、従動部材を初期横方向配向から離れるように第一の横方向に移動させるように配設され得る。ガイドは、スリーブが第一の位置から第二の位置に移動するのにつれて、従動部材を第一の経路に沿って移動させるように配設され得る。従動部材は、初期横方向配向に向かって付勢され得る。ガイドは、スリーブが第二の位置にあるときに、従動部材が初期横方向配向に戻るように形状設定され得る。従動部材およびガイドは、従動部材が初期横方向配向に戻るときに可聴音を発するように配設され得る。
【0011】
有利なことに、係合したときに可聴音を発するように配設された従動部材およびガイドは、ロックアウト機構が係合したという可聴表示を提供し得る。さらに、初期横方向配向に戻るときに可聴音を発するように配設された従動部材およびガイドは、吸入器物品が貫通のための適切な位置に移動したという可聴表示を提供し得る。なおさらに、初期横方向位置に付勢された従動部材は、ガイドが、第二の位置に達した後に従動部材が第一の経路の下方に戻ることを防止することを可能にし得る。
【0012】
ガイドは、スリーブが第二の位置から第一の位置に戻るように移動するのにつれて、ガイドによって、従動部材を第二の横方向に移動させるように配設され得る。第二の横方向は、第一の横方向と反対向きであり得る。ガイドは、スリーブが第二の位置から第一の位置に戻るように移動するのにつれて、従動部材を第二の経路に沿って移動させるように配設され得る。保持セクションは、従動部材が保持セクションに達したときにスリーブの移動に抵抗するように、保持セクション内に従動部材を保持するように形状設定され得る。保持セクションは、従動部材の横方向移動に抵抗するように配設された少なくとも一つの当接面を含み得る。
【0013】
有利なことに、従動部材が保持セクションに達したときにスリーブの移動に抵抗するように従動部材を保持セクション内に保持するように形状設定された保持セクションは、スリーブ内に受容された吸入器物品のさらなる貫通を防止し得る。さらに、初期横方向位置に付勢された従動部材は、保持セクションへのガイドに沿った従動部材の移動を可能にし、これは、既存の設計の形態および機能を維持する一方で、使用のために吸入器物品がスリーブ内に挿入されたときに、偶発的に二回以上カプセルを貫通する、または吸入器物品を起動することを防止し得る。
【0014】
従動部材は、スリーブと連結された細長い部材であってもよい。細長い部材は、スリーブと一体的に形成されてもよい。細長い部材は、スリーブとは別個の構成要素であってもよく、スリーブに取り付けられてもよい。
【0015】
有利なことに、スリーブに連結された、またはスリーブに一体的に形成された従動部材は、カプセルまたは吸入器物品の偶発的な貫通を防止するための、少ない可動部品を有する単純な機構を提供し得る。さらに、細長い部材である従動部材は、複雑なスリーブの追加の機構を必要とすることなく、従動部材の横方向の付勢および移動を可能にし得る。
【0016】
ガイドは、突出部を含み得る。ガイドは、チャネルを含み得る。ガイドは、ハウジング空洞の内表面の一部分を形成してもよい。
【0017】
有利なことに、ハウジング空洞の内表面の一部分を形成するガイドは、ホルダーの外観を変化させることなく、かつその現在の形態および機能を変化させることなく、カプセルまたは吸入器物品の偶発的な貫通を防止するための機構を提供し得る。
【0018】
従動部材は、第一の端から第二の端に延びるレバーであってもよい。第一の端は、スリーブに連結されてもよく、第二の端は、レバーから延びる先端係合機構を含んでもよい。先端係合機構は、尖った楕円形を画定し得る。先端係合機構は、主要な長軸方向軸を有してもよい。主要な長軸方向軸は、スリーブの軸方向軸と約30度~約75度の範囲内の角度を形成し得る。先端係合機構は、ガイドと協働して、スリーブが第二の位置にあるという可聴表示を生成し得る。従動部材は、スリーブの長軸方向軸と平行な中立位置に長軸方向軸を有し得る。
【0019】
有利なことに、第一の端から第二の端に延びるレバーである従動部材は、スリーブが回転またはその現在の機能を変化させることを必要とすることなく、従動部材の横方向の付勢および移動を可能にし得る。さらに、レバーから延びる先端係合機構は、従動部材がガイドと係合する一方で、依然として、スリーブが回転することなく従動部材の横方向移動を可能にする。さらに、尖った楕円形を有する先端係合機構は、ガイドから係合解除することなく、従動部材がガイドに沿って滑らかに移動することを可能にし得る。なおさらに、スリーブが第二の位置にあるという可聴表示を生成する先端係合機構およびガイドは、カプセルが貫通した、または吸入器物品が起動したという可聴表示を提供し得る。
【0020】
本発明の別の態様によると、吸入器システムは、本明細書に記載吸入器物品用のホルダーと、吸入器物品とを備える。システムは、吸入器物品のカプセル空洞内に配置されるカプセルをさらに備える。カプセルは、ニコチンを含む医薬的に活性な粒子を含有する。
【0021】
有利なことに、吸入器物品は、現在の設計の形態および機能を変更することなく、偶発的または追加的な起動を防止しながら、受容および起動され得る。
【0022】
医薬的に活性な粒子は、約5マイクロメートル以下、または約0.5マイクロメートル~約4マイクロメートルの範囲内、または約1マイクロメートル~約3マイクロメートルの範囲内の空気動力学的中央粒子径を有してもよい。
【0023】
カプセルは、約20マイクロメートル以上、または約50マイクロメートル以上、または約50~約200マイクロメートル、または約50~150マイクロメートルの範囲内の空気動力学的中央粒子径を有する風味粒子の第二の集団をさらに含有してもよい。
【0024】
「ニコチン」という用語は、ニコチンおよびニコチン誘導体(例えば、遊離塩基ニコチン、ニコチン塩、ならびにこれに類するものなど)を意味する。
【0025】
「風味剤」または「風味」という用語は、その消費中または吸入中にニコチンの味覚特性または芳香特性を変化させる、また変化させるよう意図されている、感覚刺激性の化合物、組成物、または材料を指す。
【0026】
「上流」および「下流」という用語は、吸入気流がホルダー、吸入器物品、吸入器システムの本体を通して引き出される際に、吸入気流の方向との関係において説明されるホルダー、吸入器物品、吸入器システムの要素の相対的な位置を指す。
【0027】
「近位」および「遠位」という用語は、ホルダー、吸入器物品、またはシステムの構成要素または構成要素の部分の相対的位置を描写するために使用される。本発明によれば、ホルダーまたはホルダーを形成する要素(スリーブなど)は、使用時に吸入器物品を受容する近位端と、閉鎖端としうる、またはホルダーの近位端に近い端部を有する、対向する遠位端とを有する。本発明によると、吸入器物品は近位端を有する。使用中、ニコチン粒子は、ユーザーへの送達のために吸入器物品の近位端から出る。吸入器物品は、近位端に対向する遠位端を有する。吸入器物品の近位端はまた、口側の端と呼ばれることもある。
【0028】
本明細書に記載の吸入器物品用のホルダーは、カプセルを貫通することによって吸入器物品を起動するためのカプセルを包含する、かつ吸入器物品内のカプセルの確実な起動を(ホルダーの貫通要素でカプセルを穿孔することによって)提供する、かつカプセル内部に含有された粒子を放出し、物品が粒子を消費者に送達することを可能にする、吸入器物品と組み合わされてもよい。ホルダーは吸入器物品とは別個のものであるが、消費者は、吸入器物品内で放出される粒子を消費しながら、吸入器物品およびホルダーの両方を利用しうる。複数のこれらの吸入器物品は、ホルダーと組み合わせられて、システムまたはキットを形成しうる。単一のホルダーは、10個以上、または25個以上、または50個以上、または100個以上の吸入器物品で利用されて、各吸入器物品内に収容されるカプセルを起動(穿孔または貫通)し、確実な起動、または随意に、各吸入器物品に対する吸入器物品の起動の視覚的表示(マーキング)を提供しうる。
【0029】
吸入器システムは、本明細書に記載の吸入器物品と、吸入器物品用のホルダーとを備える。ホルダーのスリーブは、スリーブ空洞内に受容された吸入器物品を保持する。カプセルは、吸入器物品本体内に配置されてもよい。
【0030】
吸入器物品は、マウスピース端から遠位端に、吸入器の長軸方向軸に沿って延びる本体を含み得る。カプセル空洞は、フィルター要素によって下流で境界付けられた、かつ中央通路を画定する管状要素によって上流で境界付けられた本体内に画定され得る。中央通路は、本体の遠位端からカプセル空洞に向かって延びる空気入口開口を形成し得る。カプセルはカプセル空洞内に配置されてもよく、中央通路はカプセルよりも小さい直径を有してもよい。したがって、カプセルは、中央通路を通過しないかもしれず、カプセル空洞内に保持される。
【0031】
吸入器物品用のホルダーは、ハウジング空洞内に位置付けられたスリーブ、貫通要素、およびロックアウト機構を含む。スリーブは、吸入器物品を受容するように配設されたスリーブ空洞を含む。スリーブは、ハウジング空洞内で第一の位置と第二の位置との間で移動可能である。貫通要素は、スリーブが第一の位置から第二の位置に移動したときに、スリーブ内に受容された吸入器物品を貫通するように配設される。ロックアウト機構は、ガイド、スリーブに連結された従動部材、および保持セクションを含む。従動部材は、スリーブが第二の位置から第一の位置に戻るように移動するのにつれて、ガイドに沿って保持セクションの中に移動するように配設される。保持セクションは、スリーブが第一の位置に戻ったときに従動部材を保持し、それ故にスリーブを第一の位置に保持するように配設される。
【0032】
従動部材は、スリーブに取り付けられてもよく、スリーブと連結されてもよく、またはスリーブと一体的に形成されてもよい。従動部材は、吸入器物品がスリーブ空洞内にないときには、従動部材がガイドと相互作用しない中立位置にあるように配設され得る。従動部材は、吸入器物品がスリーブ空洞内にないときに、中立位置に配設され得る。中立位置では、従動部材は、長軸方向軸に向かってスリーブ空洞の中に延びてもよい。吸入器物品がスリーブ空洞内に受容された後、従動部材は、ガイドと相互作用するように移動してもよい。従動部材は、スリーブに対して移動可能であってもよく、従動部材は、吸入器物品が、中立位置から外れてガイドと接触するように従動部材を移動させるように、吸入器物品がスリーブ空洞の中に挿入されたときに吸入器物品と相互作用するように配設され得る。従動部材が中立位置にあるとき、従動部材は、ガイドまたはホルダーの内表面から離れるようにスリーブ空洞内に延び得る。吸入器物品がスリーブ空洞の中に挿入されると、吸入器物品は、中立位置およびスリーブ空洞から外れてガイドと接触するように、従動部材を押し得る。
【0033】
従動部材は、吸入器物品がスリーブ空洞内に受容されたときに、従動部材がスリーブの長軸方向軸から離れるように外向きに偏向してガイドと接触するように、可撓性であってもよい。従動部材は、吸入器物品がスリーブから取り外されたときに、従動部材がガイド、または保持セクションとの接触から外れるように移動し、それ故にスリーブの移動を可能にするように、中立位置に向かって付勢され得る。例えば、スリーブが第一の位置に保持されるように従動部材が保持セクションに移動した場合、吸入器物品を取り外し、従動部材を中立位置に移動させることにより、保持セクションによって制限されることなく、スリーブの移動が可能になり得る。
【0034】
従動部材およびガイドは、互いに接触するときに、可聴音を発するように配設され得る。従動部材およびガイドは、吸入器物品がスリーブの中に挿入され、従動部材がガイドと接触したときに、クリック、ポップ、スナップ、またはその他の短い鋭い音などの可聴音を発し得る。可聴音は、従動部材が適切に位置している、またはガイドと接触して置かれているという表示をユーザーに提供し得る。
【0035】
ガイドは、スリーブが第一の位置から第二の位置に移動するのにつれて、従動部材を初期横方向配向から離れるように第一の横方向に移動させるように配設され得る。ガイドは、スリーブが第一の位置から第二の位置に移動するのにつれて、従動部材を第一の横方向に約0.5ミリメートル~約2ミリメートルの範囲内の距離移動させるように配設され得る。ガイドは、スリーブが第一の位置から第二の位置に移動するのにつれて、従動部材を第一の横方向に約1.2ミリメートルの距離移動させるように配設され得ることが好ましい。
【0036】
ガイドは、スリーブが第一の位置から第二の位置に移動するのにつれて、従動部材を第一の経路に沿って移動させるように配設され得る。従動部材は、初期横方向配向に向かって付勢され得る。
【0037】
ガイドは、スリーブが第二の位置にあるときに、従動部材が初期横方向配向に戻るように形状設定され得る。ガイドは、スリーブが第二の位置にあるときに、従動部材が第一の経路の上方に戻ることができないように形状設定されてもよい。従動部材およびガイドは、従動部材が初期横方向配向に戻るときに可聴音を発するように配設され得る。従動部材およびガイドは、従動部材がガイドと接触する間にスリーブが第二の位置に移動したときに、クリック、ポップ、スナップ、またその他の短い鋭い音などの可聴音を発し得る。可聴音は、スリーブが第二の位置に達したという表示をユーザーに提供し得る。
【0038】
ガイドは、スリーブが第二の位置から第一の位置に戻るように移動するのにつれて、ガイドによって、従動部材を第二の横方向に移動させるように配設され得る。ガイドは、スリーブが第二の位置から第一の位置に移動するのにつれて、従動部材を第二の横方向に約1ミリメートル~約3ミリメートルの範囲内の距離移動させるように配設され得る。ガイドは、スリーブが第二の位置から第一の位置に移動するのにつれて、従動部材を第二の横方向に約1.8ミリメートルの距離移動させるように配設され得ることが好ましい。
【0039】
第二の横方向は、第一の横方向と反対向きである。ガイドは、スリーブが第二の位置から第一の位置に戻るように移動するのにつれて、従動部材を第二の経路に沿って移動させるように配設され得る。第二の位置において初期横方向配向に戻る従動部材は、従動部材を、ガイドによって第二の横方向または第二の経路に沿って移動される位置に置き得る。
【0040】
従動部材は、弾性変形可能な材料で形成されてもよい。適切な弾性変形可能な材料は、熱可塑性材料を含み得る。適切な弾性変形可能な材料には、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、アセタール(ポリアセタールまたはポリオキシメチレン)、ポリブチレンテレフタレート、スチレンアクリロニトリル、または付勢および弾性的に変形され得る他の材料が含まれ得る。従動部材は、アセタール(ポリアセタールまたはポリオキシメチレン)で形成され得ることが好ましい。従動部材は、ポリエーテルエーテルケトンで形成され得ることが好ましい。
【0041】
従動部材は、吸入器物品がスリーブ内に受容されたときに、従動部材が長軸方向軸から離れるように外向きに約1.0ミリメートル~約2.0ミリメートルの範囲内で屈曲されてガイドと接触するように、弾性的に変形可能であるか、または屈曲されてもよい。従動部材は、約1.5ミリメートル外向きに移動または屈曲されてもよい。さらに、従動部材は、ガイドに沿った従動部材の移動、特に約0.5ミリメートル~約2.0ミリメートルの範囲内の横方向移動に適合するように、弾性的に変形可能であるか、または屈曲されてもよい。
【0042】
従動部材は、保持セクションの中に移動するとき、第一の横方向に移動してもよい。保持セクションは、初期横方向配向から第二の横方向にオフセットされてもよい。保持セクションは、従動部材が保持セクションに達したときにスリーブの移動に抵抗するように、保持セクション内に従動部材を保持するように形状設定され得る。保持セクションは、従動部材の横方向移動に抵抗するように配設された少なくとも一つの当接面を含み得る。当接面は、従動部材が初期横方向配向に戻るように移動することを防止し得る。
【0043】
従動部材は、スリーブと連結された細長い部材であってもよい。細長い部材は、スリーブと一体的に形成されてもよい。細長い部材は、スリーブとは別個の構成要素であってもよく、スリーブに取り付けられてもよい。細長い部材は、ガイドによって移動されるのにつれて弾性的に変形するように構成され得る。
【0044】
ガイドは、突出部を含み得る。突出部は、ハウジング空洞内のハウジングの内表面から延び得る。突出部は、ハウジングの内表面に連結されてもよい。突出部は、スリーブが第一の位置から第二の位置に移動するのにつれて、従動部材を偏向し、従動部材を第一の経路に沿って誘導するように配設され得る。突出部は、スリーブが第二の位置から第一の位置に移動するのにつれて、従動部材を偏向させて第二の経路に沿って誘導するようにさらに配設され得る。
【0045】
保持セクションは、保持突出部を含み得る。保持突出部は、ハウジング空洞内のハウジングの内表面から延び得る。保持突出部は、従動部材の横方向移動を防止するための当接面を含み得る。
【0046】
ガイドは、チャネルを含み得る。チャネルは、ハウジング空洞内のハウジングの内表面の中に延びてもよい。チャネルは、ハウジングの内表面に連結されてもよい。チャネルは、チャネル内に従動部材の一部分を受容または接触するように構成され得る。チャネルは、第一の経路および第二の経路を含み得る。チャネルは、スリーブが第一の位置から第二の位置に移動するのにつれて、従動部材を偏向し、従動部材を第一の経路に沿って誘導するように配設され得る。チャネルは、スリーブが第二の位置から第一の位置に移動するのにつれて、従動部材を偏向させて第二の経路に沿って誘導するようにさらに配設され得る。
【0047】
保持セクションは、保持チャネルまたは陥凹部を含み得る。保持チャネルは、ハウジング空洞内のハウジングの内表面から延び得る。保持チャネルは、従動部材の横方向移動を防止するための当接面を含み得る。
【0048】
ガイドは、ハウジング空洞の内表面の一部分を形成してもよい。ガイドは、ハウジング空洞の内表面の突出部を画定し得る。ガイドは、ハウジング空洞の内表面のチャネルを画定し得る。
【0049】
従動部材は、第一の端から第二の端に延びるレバーであってもよく、第一の端は、スリーブに連結され、第二の端は、レバーから延びる先端係合機構を含む。レバーは、ガイドによって横方向に移動されるのにつれて、第一の端から第二の端に屈曲するか、または変形するように構成され得る。中立位置では、レバーは、第二の端がスリーブ空洞の中に延びるように、屈曲するか、または湾曲するように構成され得る。レバーは、吸入器物品がスリーブ空洞内にないときに、中立位置にあるように構成され得る。レバーは、カンチレバーであってもよい。
【0050】
従動部材は、第一の端から第二の端に延びるカンチレバーであってもよい。第一の端は、スリーブに連結されてもよい。第二の端は、第二の端が第一の端とは独立して移動し得るように自由端であってもよい。言い換えれば、第二の端は、第一の端の移動の方向とは異なる方向に屈曲するか、または移動し得る。第二の端は、吸入器物品がスリーブ空洞内にあるときに、ガイドと係合するように構成され得る。カンチレバーは、吸入器物品またはガイドによって移動されるのにつれて、第一の端から第二の端に屈曲するか、または変形するように構成され得る。
【0051】
先端係合機構は、尖った楕円形を画定し得る。先端係合機構は、主要な長軸方向軸を有してもよい。主要な長軸方向軸は、スリーブの軸方向軸と約30度~約75度の範囲内の角度を形成し得る。主要な長軸方向軸は、スリーブの軸方向軸と約55度の角度を形成し得ることが好ましい。先端係合機構は、スリーブの軸方向軸と先端係合機構の縁との間の距離を画定する係合機構距離を有してもよい。係合機構距離は、約0.5ミリメートル~約2ミリメートルの範囲内であってもよい。係合機構距離は、約1ミリメートルであることが好ましい。先端係合機構は、ガイドと協働して、スリーブが第二の位置にあるという可聴表示を生成し得る。
【0052】
従動部材は、スリーブの長軸方向軸と平行な中立位置に長軸方向軸を有し得る。スリーブは、吸入器物品を受容してその遠位端領域の周りに配置されるように構成されうる。スリーブは、吸入器物品の遠位端に接触するための基部表面を有してもよい。基部表面は、スリーブの遠位端および対向するスリーブの開放近位端を画定しうる。スリーブは、遠位端から開放近位端へと延びうる。スリーブは、締り嵌めを介して吸入器物品を保持してもよい。
【0053】
スリーブは、スリーブの遠位端に隙間を含んでもよく、貫通要素は、隙間を通って延びうる。吸入器物品の遠位端は、スリーブの基部表面に接触し、スリーブを貫通要素に向かって移動させるように付勢しうる。スリーブは、貫通要素と同軸であってもよい。スリーブは、貫通要素が吸入器物品内のカプセルを確実に起動するように、吸入器物品を整列させうる。スリーブはまた、貫通要素を機械的に保持し、貫通要素を支持して、貫通要素の偏位を防止または軽減しうる。
【0054】
スリーブは、スリーブを通る少なくとも一つの空気開口部を含む第一の空気吸込み口ゾーンを画定しうる。第一の空気吸込み口ゾーンは、二つ以上、三つ以上、四つ以上、または約1~約10個の空気開口部、または約3~約9個の空気開口部を含みうる。第一の空気吸込み口ゾーンは、スリーブの近位端に近接している。第一の空気吸込み口ゾーンは、空気がスリーブの内側から、スリーブとハウジング内表面との間に形成された気流チャネルへと流れることを可能にするように構成される。
【0055】
スリーブは、スリーブを通る少なくとも一つの空気開口部を含む第二の空気吸込み口ゾーンを含みうる。第二の空気吸込み口ゾーンは、二つ以上、三つ以上、四つ以上、または約1~約10個の空気開口部、または約3~約9個の空気開口部を含みうる。第二の空気吸込み口ゾーンは、スリーブの遠位端に近接している。第二の空気吸込み口ゾーンは、空気が気流チャネルからスリーブの内側へと流れることを可能にするように構成される。
【0056】
一部の実施形態では、第一の空気吸込み口ゾーンと第二の空気吸込み口ゾーンとの間の内側空洞の一部分は、低減された直径を有してもよい。これらの実施形態では、空気(吸入空気)は、スリーブの近位端からスリーブと吸入物品との間のスリーブの遠位端へと通過することができない。これらの実施形態では、第一および第二の空気吸込み口ゾーンを提供することにより、有利なことに、空気がホルダーの開放端に入り、吸入器物品の遠位端を通過することを可能にする一方で、物品をスリーブ内に確実に保持することを依然として可能にする。したがって、吸入器物品は、吸入器物品がホルダー内に収容される間、ユーザーによって消費されうる。
【0057】
ホルダーは、ハウジングの開放近位端に固定された保持リング要素を含みうる。保持リング要素は、スリーブを吸入器物品空洞内に保持する。保持リングは、ホルダーの吸入器物品空洞内のスリーブの移動を停止または保持するのに充分な厚さを有する。
【0058】
ホルダーは、ハウジングの開放近位端に向かって弛緩位置(第一の位置)と圧縮位置(第二の位置)との間でスリーブを付勢するように構成されたばね要素を含み得る。ばね要素は、ホルダーの吸入器物品空洞内に収容されてもよく、移動可能なスリーブおよび吸入器物品が貫通要素に向かって移動するにつれて圧縮されうる。ばね要素は、スリーブとハウジングの遠位端との間にあって、スリーブおよびハウジングの遠位端に接触してもよい。ばね要素は、貫通要素の周りに配置されてもよい。ばね要素は、貫通要素と同軸であってもよい。ばね要素は、円錐ばねであってもよい。
【0059】
ばね要素は、ホルダーの遠位端に固定されてもよい。ばね要素は、スリーブの遠位端に固定されてもよい。ばね要素は、ホルダーの遠位端およびスリーブの遠位端の両方に固定されてもよい。ばね要素は、円錐ばねであってもよい。有利なことに、円錐ばねは、より柔軟な設計およびより小さな全体的な圧縮厚さを提供しうるように、低プロファイル設計を提供しうる。また、有利なことに、円錐ばねの提供により、円筒ばねと比較して、圧縮された時にばねが曲がる可能性が減少しうる。
【0060】
貫通要素が吸入器物品を起動すると、ばね要素は、貫通要素との係合から外れて貫通要素から離れるように吸入器物品を付勢する。ばね要素は、貫通要素の周りに配置されてもよい。ばね要素は、貫通要素と同軸であってもよい。貫通要素は、ばね要素が弛緩位置にある時に、ばね要素を超えて延びてもよい。貫通要素は、ばね要素が圧縮位置にある時に、ばね要素を超えて延びてもよい。貫通要素は、ばね要素が弛緩位置および圧縮位置の両方にある時に、ばね要素を超えて延びてもよい。貫通要素は、スリーブがばね要素を圧縮する時に、ばね要素を超えて延びてもよい。
【0061】
貫通要素をハウジング内に後退させることは、貫通要素内に受けられることが意図されていない表面と接触することから貫通要素を保護する。貫通要素をハウジング内に後退させることはまた、貫通要素内に受けられることが意図されていない表面によって損傷または変形することから貫通要素を保護し得る。
【0062】
貫通要素長さは、ハウジング長さに対して任意の適切な長さとし得る。例えば、貫通要素長さは、ハウジング長さの約25%~約60%、または約30%~約50%であり得る。貫通要素の遠位端は、ハウジングの遠位端に隣接する遠位端またはその遠位端に固定され得る。貫通要素全長は、ハウジング長さ内で同一の広がりを有し得る。
【0063】
貫通要素は、剛直な材料で形成される。剛直な材料は、吸入器物品内に収容されたカプセルを貫通、穿孔、または起動するのに十分に剛直である。貫通要素は金属で形成され得る。貫通要素は、例えば、316ステンレス鋼などのステンレス鋼で形成され得る。貫通要素は高分子材料で形成され得る。貫通要素は、繊維強化高分子材料で形成され得る。
【0064】
ハウジングは、任意の剛直な材料で形成され得る。ハウジングは、高分子材料で形成され得る。ハウジングを形成するために有用な高分子材料には、例えば、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、スチレンアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリスチレン、PBTポリエステル、PETポリエステル、ポリオキシメチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンエーテルケトン(polyethereetherketone)、または液晶ポリマーが含まれる。ポリプロピレン、ポリエチレンまたはその共重合体は、ハウジングを形成するための好ましい材料である。
【0065】
吸入器物品は、吸入器物品外表面とホルダーハウジング外表面が同心であるように、ホルダー内に受容されうる。貫通要素長軸方向軸は、吸入器物品がホルダー内に受容された時に、ハウジング長軸方向軸および吸入器長軸方向軸と同軸であってもよい。ハウジングの長さの少なくとも約50%または少なくとも約75%は、吸入器物品がホルダー内に受容された時に、吸入器の長さと同一の広がりを有しうる。
【0066】
ホルダーは、挿入成形技術によって形成されうる。貫通要素は、例えば、成形によって最初に形成されてもよく、その後、ハウジングは、貫通要素に結合する貫通要素の周りに成形されてもよい。貫通要素は金属貫通要素であり得、ハウジングは、金属貫通要素をハウジングに固定して金属貫通要素の周りに成形され得る。金属貫通要素は、貫通要素の遠位端に突出部または陥凹部を含み、貫通要素の遠位端の表面積を増加させ、ハウジング成形材料内の固定を改善することができる。
【0067】
吸入器物品空気チャネルは、吸入器物品のエンドキャップまたはエンドピース要素を通って延び、吸入器物品を通した気流を提供しうる。カプセル空洞に気流を供給する空気チャネルは、吸入器本体のカプセル空洞内に渦巻状気流パターンを受容または誘発するように構成され得る。空気チャネル構成は、空気が空気チャネルを通って、そしてカプセル空洞を通って流れるのにつれて、回転気流または渦巻状気流を誘発し得る。吸入器物品を通した気流は、吸入器物品の遠位端で吸入器物品に入り、吸入器物品の長軸方向軸に沿ってマウスピース端へと移動し得る。吸入器物品を通した気流は、吸入器本体の上流に沿って、またはカプセル空洞に沿って吸入器物品に入り、吸入器物品の長軸方向軸に沿ってマウスピース端へと移動し得る。
【0068】
吸入器本体は、サイズおよび形状が喫煙物品または紙巻たばこに類似し得る。吸入器本体は、吸入器物品の長軸方向軸に沿って延在する細長い本体を有し得る。吸入器本体は、細長い本体の長さに沿って実質的に均一な外径を有し得る。吸入器本体は、細長い本体の長さに沿って均一であってもよい円形断面を有し得る。吸入器本体の外径は約6mm~約10mm、または約7mm~約10mm、または約7mm~約9mm、または約7mm~約8mmの範囲内、または約7.2mmであり得る。吸入器本体は、約40mm~約80mm、または約40mm~約70mm、または約40mm~約50mmの範囲内の長さ(長軸方向軸に沿った)、または約45mmを有し得る。
【0069】
吸入器物品は、中央通路を画定する管状要素によって画定される開放遠位端または最上流端を有してもよい。開放中央通路は、カプセル空洞から吸入器物品の開放遠位端または最上流端に延びる円筒状の開放開口を画定し得る。開放中央通路を画定する開放管状要素は約3mm~約12mm、または約3mm~約7mm、または約4mm~約6mmの範囲内の長さ、または約5mmの長さを有してもよい。
【0070】
開放中央通路を画定する開放管状要素は、セルロース材料で形成されてもよい。開放中央通路を画定する開放管状要素は、セルロースアセテート材料で形成されてもよい。開放管状要素は生分解性材料で形成されることが好ましい。開放中央通路を画定する開放管状要素は、約0.5mm~約1.5mm、または約0.5mm~約1mmの範囲内の厚さを有してもよい。
【0071】
カプセル空洞の下流に位置するフィルター要素は、カプセル空洞から吸入器物品のマウスピース端に延びてもよい。フィルター要素は約10mm~約30mm、好ましくは約15mm~約25mm、より好ましくは約20mm~約22mmの範囲内の長さを有してもよい。
【0072】
カプセル空洞は、カプセル(カプセルは例えば、長円形状または円形断面を有してもよい)を収容するように構成された円筒状の空間を画定し得る。カプセル空洞は、カプセル空洞長さに沿って実質的に均一な、または均一な直径を有し得る。カプセル空洞は、固定した空洞長さを有し得る。カプセル空洞は長軸方向軸と直交する空洞内径を有し、またカプセルはカプセル外径を有する。カプセル空洞は、長円形カプセルを収容するサイズとし得る。カプセル空洞は、カプセル空洞長さに沿って実質的に円筒状の、または円筒状の断面を有し得る。カプセル空洞は、均一な内径を有し得る。カプセルは、カプセル空洞の内径の約80%~約95%の外径を有し得る。カプセルに対するカプセル空洞の構成は、カプセルの起動または貫通の間にカプセルの限定的な移動を促進し得る。
【0073】
カプセル空洞は開放管状要素によって画定されてもよい。開放管状要素は、吸入器物品の遠位端を形成する開放管状要素とフィルター要素の間に結合されてもよく、かつこれらと当接して整列されてもよい。これらの要素はラッパーを用いて結合されてもよい。カプセル空洞を画定する開放管状要素は、段ボールまたは板紙などの生分解性材料で形成され得る。
【0074】
カプセルに対するカプセル空洞の構成は、カプセルがカプセル空洞の中で安定性を保って回転するのを促進し得る。カプセル長軸方向軸は、吸入中に吸入器本体の長軸方向軸と同軸に安定性を保って回転し得る。カプセルに対するカプセル空洞の構成は、カプセルがカプセル空洞の中でいくらか触れながら回転するのを促進し得る。
【0075】
安定な回転は、吸入器本体の長軸方向軸がカプセルの回転軸と実質的に平行または同軸であることを意味する。安定な回転は、回転するカプセルの前進の欠如を意味し得る。吸入器本体の長軸方向軸は実質的に、カプセルの回転の軸と同一の広がりを有することが好ましい。カプセルの安定な回転は、消費者による二回以上、または五回以上、または十回以上の「吸煙」または吸入にわたって、カプセルからのニコチン粒子の一部分の均一な混入を提供し得る。
【0076】
カプセルは消費の前に、吸入器物品内に封止され得る。吸入器物品は、封止されたまたは気密の容器または袋の中に収容され得る。吸入器物品は、吸入器物品の一つ以上の空気吸込み口チャネル、または空気出口、もしくはマウスピースを覆うための、一つ以上の剥離可能または取り外し可能な封止層を含み得る。
【0077】
カプセルは、空気が吸入器物品を通して流れる時、その長軸方向軸または中央軸を中心に回転し得る。カプセルは気密材料で形成されてもよく、この気密材料は、吸入器と別個であるか組み合わせられうる貫通要素によって貫通または穿孔されうる。カプセルは金属材料または高分子材料で形成されてもよく、この材料は汚染物質をカプセルに入れないように機能するが、カプセルの中のニコチン粒子の消費の前に貫通要素によって貫通または穿孔される場合がある。カプセルは高分子材料で形成されてもよい。高分子材料はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)であってもよい。カプセルはサイズ1~サイズ4のカプセル、またはサイズ3のカプセルであってもよい。
【0078】
本明細書に記載の通り、別個のホルダーは、カプセル空洞内に受容されたカプセルを通る単一の開口を形成する。
【0079】
カプセルは、ニコチンを含むニコチン粒子(「ニコチン粉末」または「ニコチン粒子」とも呼ばれる)、および随意に、風味を含む粒子(「風味粒子」とも呼ばれる)を含む。カプセルは所定の量のニコチン粒子および随意の風味粒子を包含し得る。カプセルは、少なくとも2回の吸入もしくは「吸煙」、または少なくとも約5回の吸入もしくは「吸煙」、または少なくとも約10回の吸入もしくは「吸煙」を提供するのに十分なニコチン粒子を含有し得る。カプセルは、約5~50回の吸入もしくは「吸煙」、または約10~30回の吸入もしくは「吸煙」を提供するのに十分なニコチン粒子を含み得る。各々の吸入または「吸煙」は、約0.1mg~約3mgのニコチン粒子をユーザーの肺に、または約0.2mg~約2mgのニコチン粒子をユーザーの肺に、または約1mgのニコチン粒子をユーザーの肺に送達し得る。
【0080】
ニコチン粒子は、採用される特定の製剤に基づいてニコチンの任意の有用な濃度を有し得る。ニコチン粒子は、少なくとも約1重量%~最高約30重量%のニコチン、または約2重量%~約25重量%のニコチン、または約3重量%~約20重量%のニコチン、または約4重量%~約15重量%のニコチン、または約5重量%~約13重量%のニコチンを有し得る。各々の吸入もしくは「吸煙」で、約50~約150マイクログラムのニコチンがユーザーの肺に送達され得ることが好ましい。
【0081】
カプセルは、少なくとも約5mgのニコチン粒子、または少なくとも約10mgのニコチン粒子を保持または含有し得る。カプセルは約900mg未満のニコチン粒子、または約300mg未満のニコチン粒子、または150mg未満のニコチン粒子を保持または含有し得る。カプセルは、約5mg~約300mgのニコチン粒子、または約10mg~約200mgのニコチン粒子を保持または含有し得る。
【0082】
カプセルの中で風味粒子がニコチン粒子とブレンドされたまたは組み合わせられた時に、ユーザーに送達される毎回の吸入もしくは「吸煙」に所望の風味を提供する量の風味粒子が存在し得る。
【0083】
ニコチン粒子は、ユーザーの肺の中に優先的に吸入送達するために有用な任意のサイズ分布を有し得る。カプセルはニコチン粒子以外の粒子を含み得る。ニコチン粒子およびその他の粒子は粉末システムを形成し得る。
【0084】
カプセルは、少なくとも約5mgの乾燥粉末(粉末システムとも呼ばれる)または少なくとも約10mgの乾燥粉末を保持または含有し得る。カプセルは、約900mg未満の乾燥粉末、または約300mg未満の乾燥粉末、または約150mg未満の乾燥粉末を保持または含有し得る。カプセルは、約5mg~約300mgの乾燥粉末、または約10mg~約200mgの乾燥粉末、または約25mg~約100mgの乾燥粉末を保持または含有し得る。
【0085】
乾燥粉末または粉末システムは、約5マイクロメートル以下、または約1マイクロメートル~約5マイクロメートルの範囲内の粒子サイズのニコチン粒子から成る粉末システムの少なくとも約40重量%、または少なくとも約60重量%、または少なくとも約80重量%を有し得る。
【0086】
ニコチンを含む粒子の空気動力学的中央粒子径は、約5マイクロメートル以下、または約0.5マイクロメートル~約4マイクロメートルの範囲内、または約1マイクロメートル~約3マイクロメートルの範囲内、または約1.5マイクロメートル~約2.5マイクロメートルの範囲内であり得る。空気動力学的中央粒子径は、カスケードインパクターで測定することが好ましい。
【0087】
風味を含む粒子は、約20マイクロメートル以上、または約50マイクロメートル以上、または約50~約200マイクロメートルの範囲内、または約50~約150マイクロメートルの範囲内の空気動力学的中央粒子径を有し得る。空気動力学的中央粒子径は、カスケードインパクターで測定することが好ましい。
【0088】
乾燥粉末は、約60マイクロメートル以下、または約1マイクロメートル~約40マイクロメートルの範囲内、または約1.5マイクロメートル~約25マイクロメートルの範囲内の中央粒子径を有し得る。中央粒子径は質量あたりの中央粒子径を意味し、またレーザー回折、レーザー拡散、または電子顕微鏡によって測定することが好ましい。
【0089】
粉末システム中またはニコチン粒子中のニコチンは、医薬品として許容可能な遊離塩基ニコチン、またはニコチン塩もしくはニコチン塩水和物であり得る。有用なニコチン塩またはニコチン塩水和物には例えば、ピルビン酸ニコチン、クエン酸ニコチン、アスパラギン酸ニコチン、乳酸ニコチン、重酒石酸ニコチン、サリチル酸ニコチン、フマル酸ニコチン、モノ-ピルビン酸ニコチン、グルタミン酸ニコチン、またはニコチン塩酸塩が挙げられる。ニコチンと結合して塩または塩水和物を形成する化合物は、その予想される薬理学的効果に基づいて選択され得る。
【0090】
ニコチン粒子はアミノ酸を含むことが好ましい。アミノ酸はL-ロイシンなどのロイシンであってもよいことが好ましい。ニコチンを含む粒子にL-ロイシンなどのアミノ酸を提供することは、ニコチンを含む粒子の接着力を低減する場合があり、またニコチン粒子間の引力を低減し、それ故にニコチン粒子の凝集を低減し得る。同様に、風味を含む粒子に対する接着力も低減し得、それ故にニコチン粒子の風味粒子との凝集も低減する。それ故に、本明細書に記載の粉末システムは自由流動材料であり得、またニコチン粒子と風味粒子が組み合わせられる時でも、各々の粉末構成成分の安定した相対的な粒子サイズを有する。
【0091】
ニコチンは表面修飾したニコチン塩であり得ることが好ましく、その場合、ニコチン塩粒子は被覆された粒子または複合粒子を含む。好ましい被覆材料または複合材料はL-ロイシンであり得る。一つの特に有用なニコチン粒子は、L-ロイシンを含む重酒石酸ニコチンであり得る。
【0092】
粉末システムは風味粒子の集団を含み得る。風味粒子は、選択的にユーザーの口または口腔に吸入送達するために有用な任意のサイズ分布を有し得る。
【0093】
粉末システムは、約20マイクロメートル以上の粒子サイズの粒子から成る粉末システムの風味粒子の集団の少なくとも約40重量%、または少なくとも約60重量%、または少なくとも約80重量%を有し得る。粉末システムは、約50マイクロメートル以上の粒子サイズの粒子から成る粉末システムの風味粒子の集団の少なくとも約40重量%、または少なくとも約60重量%、または少なくとも約80重量%を有し得る。粉末システムは、約50マイクロメートル~約150マイクロメートルの範囲内の粒子サイズの粒子から成る粉末システムの風味粒子の集団の少なくとも約40重量%、または少なくとも約60重量%、または少なくとも約80重量%を有し得る。
【0094】
風味を含む粒子は、接着力または表面エネルギーおよび結果としてもたらされる凝集を低減する化合物を含み得る。風味粒子は接着力低減化合物を用いて表面修飾されて、被覆された風味粒子を形成し得る。一つの好ましい接着力低減化合物は、ステアリン酸マグネシウムであり得る。ステアリン酸マグネシウムなどの接着力低減化合物を風味粒子に提供すること、特に風味粒子を被覆することは、風味を含む粒子の接着力を低減する場合があり、また風味粒子の間の引力を低減し、それ故に風味粒子の凝集を低減する場合がある。それ故に、ニコチン粒子を有する風味粒子の凝集も低減する場合がある。それ故に、本明細書に記載の粉末システムは、ニコチン粒子と風味粒子が組み合わせられる時でも、ニコチンを含む粒子と風味を含む粒子の安定した相対的な粒子サイズを有してもよい。粉末システムは自由流動であり得ることが好ましい。
【0095】
乾燥粉末吸入用の従来的な製剤は、活性粒子が吸入器を通る単純な気流による影響を受けるには小さすぎる場合があるため、活性粒子の流動化を増大するように機能する担体粒子を含有する。粉末システムは担体粒子を含み得る。これらの担体粒子は、約50マイクロメートル超の粒子サイズであり得るラクトースまたはマンニトールなどのサッカリドであり得る。担体粒子は製剤中で希釈剤または膨化剤として作用することによって、用量の均一性を改善するために利用され得る。
【0096】
本明細書に記載のニコチン粉末送達システムとともに利用される粉末システムは、担体を含まなくてもよく、またはラクトースもしくはマンニトールなどのサッカリドを実質的に含まなくてもよい。担体を含まない、またはラクトースもしくはマンニトールなどのサッカリドを実質的に含まないことは、典型的な喫煙方法での吸入量または気流量と類似の吸入量または気流量でニコチンが吸入され、かつユーザーの肺に送達されることを可能にし得る。
【0097】
ニコチン粒子と風味は、単一のカプセル内に組み合わせられ得る。上述の通り、ニコチン粒子および風味はそれぞれ、低減された接着力を有してもよく、それらが安定な粒子製剤をもたらし、この場合ではニコチンを含む粒子と風味含む粒子が組み合わせられた時に各構成要素の粒子サイズは実質的に変化しない。別の方法として、粉末システムは、単一のカプセルの中に含有されたニコチン粒子と、第二のカプセルの中に含有された風味粒子とを含む。
【0098】
ニコチン粒子および風味粒子は、ニコチン粒子とともに消費された時にユーザーが風味粒子を検知するように、任意の有用な相対的な量で組み合わせられ得る。ニコチン粒子および風味粒子は、粉末システムの全重量の少なくとも約90重量%、または少なくとも約95重量%、または少なくとも約99重量%、または100重量%を形成することが好ましい。
【0099】
吸入器および吸入器システムは、従来の乾燥粉末吸入器と比較して、より複雑ではなく、また単純化された気流経路を有する。有利なことに、吸入器本体の中のカプセルの回転は、ニコチン粒子または粉末システムをエアロゾル化し、また自由流動粉末の維持を支援する場合がある。それ故に、吸入器物品は、上述のニコチン粒子を肺に深く送達するために、従来の吸入器によって典型的に利用される高い吸入量を必要としない場合がある。
【0100】
吸入器物品は、約5L/分未満、または約3L/分未満、または約2L/分、または約1.6L/分未満の流量を使用し得る。好ましくは、流量は、約1L/分~約3L/分または約1.5L/分~約2.5L/分の範囲内であり得る。好ましくは、吸入量または流量は、カナダ保健省(Health Canada)の喫煙方法の流量と同様であり、すなわち約1.6L/分であり得る。
【0101】
吸入器システムは、従来の紙巻たばこの喫煙または電子たばこのベイピングのように、消費者によって使用され得る。こうした喫煙またはベイピングは二つの工程によって特徴付けられることができ、第一の工程では、消費者が所望するニコチンの全量を含有する少量が口腔の中に引き出され、それに続く第二の工程では、所望の量のニコチンを含むエアロゾルを含むこの少量が新鮮な空気によってさらに希釈され、肺の中により深く引き出される。どちらの工程も消費者によって制御される。第一の吸入工程中に、消費者は吸入されるニコチンの量を決定し得る。第二の工程中に、消費者は肺の中により深く引き出される第一の量を希釈するための量を決定し得、気道の上皮表面に送達される活性剤の濃度が最大化される。この喫煙のメカニズムは時に、「吸煙-吸入-吐出」と呼ばれる。
【0102】
本明細書で使用されるすべての科学的および技術的な用語は、別途指定のない限り、当業界で一般に使用される意味を有する。本明細書で提供されている定義は、本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするためのものである。
【0103】
本明細書で使用される単数形(「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」)は、複数形の対象を有する実施形態を包含するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0104】
本明細書で使用される「または」は概して、「および/または」を含む意味で使用されるが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。「および/または」という用語は、列挙された要素の一つもしくはすべて、または列挙された要素のうちの任意の二つ以上の組み合わせを意味する。
【0105】
本明細書で使用される「有する、持つ(have)」、「有している、持っている(having)」、「含む(include)」、「含む(including)」、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、またはこれに類するものは、制約のない意味で使用され、概して「含むが、これに限定されない」を意味する。当然のことながら、「から本質的に成る(consisting essentially of)」、「から成る(consisting of)」、およびこれに類するものは、「含む(comprising)」およびこれに類するものに包摂される。
【0106】
「好ましい」および「好ましくは」という語は特定の状況下で、特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。しかしながら、同一の状況下または他の状況下で、他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。その上、一つ以上の好ましい実施形態の列挙は、その他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲から他の実施形態を除外することを意図しない。
【0107】
本発明の一態様によれば、吸入器物品用のホルダーが提供されている。ホルダーは、ハウジング空洞内に位置付けられたスリーブを含み得る。ホルダーは、貫通要素を含み得る。ホルダーは、ロックアウト機構を含み得る。スリーブは、吸入器物品を受容するように配設されたスリーブ空洞を含み得る。スリーブは、ハウジング空洞内で第一の位置と第二の位置との間で移動可能であってもよい。貫通要素は、スリーブが第一の位置から第二の位置に移動したときに、スリーブ内に受容された吸入器物品を貫通するように配設されてもよい。ロックアウト機構は、ガイドを含み得る。ロックアウト機構は、スリーブに連結された従動部材を含み得る。ロックアウト機構は、保持セクションを含み得る。従動部材は、スリーブが第二の位置から第一の位置に戻るように移動するのにつれて、ガイドに沿って保持セクションの中に移動するように配設されてもよい。保持セクションは、スリーブが第一の位置に戻ったときに従動部材を保持し、それ故にスリーブを第一の位置に保持するように配設され得る。
【0108】
下記に非限定的な実施例を番号付きで非網羅的に提供している。これらの実施例の任意の一つ以上の特徴は、本明細書に記載される別の実施例、実施形態、または態様の任意の他の一つ以上の特徴と組み合わせられてもよい。
【実施例】
【0109】
実施例1:
吸入器物品用のホルダーであって、ホルダーは、ハウジング空洞内に位置付けられたスリーブであって、吸入器物品を受容するように配設されたスリーブ空洞を含み、ハウジング空洞内で第一の位置と第二の位置との間で移動可能である、スリーブと、スリーブが第一の位置から第二の位置に移動したときに、スリーブ内に受容された吸入器物品を貫通するように配設された貫通要素と、ガイド、スリーブに連結された従動部材、および保持セクションを含む、ロックアウト機構と、を備え、従動部材は、スリーブが第二の位置から第一の位置に戻るように移動するのにつれて、ガイドに沿って保持セクションの中に移動するように配設され、保持セクションは、スリーブが第一の位置に戻ったときに従動部材を保持し、それ故にスリーブを第一の位置に保持するように配設される、ホルダー。
【0110】
実施例2:
従動部材は、吸入器物品がスリーブ空洞内にないときには、従動部材がガイドと相互作用しない中立位置にあるように配設される、実施例1によるホルダー。
【0111】
実施例3:
従動部材は、スリーブに対して移動可能であり、従動部材は、吸入器物品が、中立位置から外れてガイドと接触するように従動部材を移動させるように、吸入器物品がスリーブ空洞の中に挿入されたときに吸入器物品と相互作用するように配設される、実施例2によるホルダー。
【0112】
実施例4:
従動部材は、中立位置においてスリーブ空洞内に延びる、実施例2または実施例3によるホルダー。
【0113】
実施例5:
従動部材は、吸入器物品がスリーブ空洞内に受容されたときに、従動部材がスリーブの長軸方向軸から離れるように外向きに偏向してガイドと接触するように、可撓性である、実施例4によるホルダー。
【0114】
実施例6:
従動部材は、吸入器物品がスリーブから取り外されたときに、従動部材がガイド、または保持セクションとの接触から外れるように移動するように、中立位置に向かって付勢される、実施例2~5のいずれか一つによるホルダー。
【0115】
実施例7:
従動部材およびガイドは、互いに接触するときに、可聴音を発するように配設される、先行する実施例のいずれか一つによるホルダー。
【0116】
実施例8:
ガイドは、スリーブが第一の位置から第二の位置に移動するのにつれて、従動部材を初期横方向配向から離れるように第一の横方向に移動させるように配設される、先行する実施例のいずれか一つによるホルダー。
【0117】
実施例9:
ガイドは、スリーブが第一の位置から第二の位置に移動するのにつれて、従動部材を第一の経路に沿って移動させるように配設される、実施例8によるホルダー。
【0118】
実施例10:
従動部材は、初期横方向配向に向かって付勢され、ガイドは、スリーブが第二の位置にあるときに従動部材が初期横方向配向に戻るように形状設定される、実施例8または実施例9によるホルダー。
【0119】
実施例11:
従動部材およびガイドは、従動部材が初期横方向配向に戻るときに可聴音を発するように配設される、実施例10によるホルダー。
【0120】
実施例12:
ガイドは、スリーブが第二の位置から第一の位置に戻るように移動するのにつれて、ガイドによって、従動部材を第二の横方向に移動させるように配設される、実施例8~11のいずれか一つによるホルダー。
【0121】
実施例13:
第二の横方向は、第一の横方向と反対向きである、実施例12によるホルダー。
【0122】
実施例14:
ガイドは、スリーブが第二の位置から第一の位置に戻るように移動するのにつれて、従動部材を第二の経路に沿って移動させるように配設される、実施例12または実施例13によるホルダー。
【0123】
実施例15:
保持セクションは、従動部材が保持セクションに達したときにスリーブの移動に抵抗するように、保持セクション内に従動部材を保持するように形状設定される、先行する実施例のいずれか一つによるホルダー。
【0124】
実施例16:
保持セクションは、従動部材の横方向移動に抵抗するように配設された少なくとも一つの当接面を含む、実施例15によるホルダー。
【0125】
実施例17:
従動部材はスリーブと連結された細長い部材である、先行する実施例のいずれか一つによるホルダー。
【0126】
実施例18:
細長い部材はスリーブと一体的に形成される、実施例17によるホルダー。
【0127】
実施例19:
細長い部材は、スリーブとは別個であって、スリーブに取り付けられる構成要素である、実施例17によるホルダー。
【0128】
実施例20:
ガイドは突出部を含む、先行する実施例のいずれか一つによるホルダー。
【0129】
実施例21:
ガイドはチャネルを含む、実施例1~19のいずれか一つによるホルダー。
【0130】
実施例22:
ガイドは、ハウジング空洞の内表面の一部分を形成する、先行する実施例のいずれか一つによるホルダー。
【0131】
実施例23:
従動部材は、第一の端から第二の端に延びるレバーであり、第一の端は、スリーブに連結され、第二の端は、レバーから延びる先端係合機構を含む、先行する実施例のいずれか一つによるホルダー。
【0132】
実施例24:
先端係合機構が尖った楕円形を画定する、実施例23によるホルダー。
【0133】
実施例25:
先端係合機構が主要な長軸方向軸を有し、主要な長軸方向軸は、スリーブの軸方向軸と約30度~約75度の範囲の角度を形成する、実施例23または実施例24によるホルダー。
【0134】
実施例26:
先端係合機構は、ガイドと協働して、スリーブが第二の位置にあるという可聴表示を生成する、実施例23~25のいずれか一つによるホルダー。
【0135】
実施例27:
従動部材は、スリーブの長軸方向軸と平行な中立位置に長軸方向軸を有する、先行する実施例のいずれか一つによるホルダー。
【0136】
実施例28:
先行する実施例のいずれか一つによるホルダーおよび吸入器物品を備える吸入器システムであって、システムは、吸入器物品のカプセル空洞内に配置されたカプセルをさらに備え、カプセルは、ニコチンを含む医薬的に活性な粒子を含有する、吸入器システム。
【0137】
実施例29:
医薬的に活性な粒子は、約5マイクロメートル以下、または約0.5マイクロメートル~約4マイクロメートルの範囲内、または約1マイクロメートル~約3マイクロメートルの範囲内の空気動力学的中央粒子径を有する、実施例28による吸入器システム。
【0138】
実施例30:
カプセルは、約20マイクロメートル以上、または約50マイクロメートル以上、または約50~約200マイクロメートルの範囲内、または約50~約150マイクロメートルの範囲内の空気動力学的中央粒子径を有する風味粒子の第二の集団をさらに含有する、実施例29による吸入器システム。
【図面の簡単な説明】
【0139】
ここで、図を参照しながら本発明をさらに説明する。
【0140】
【
図1】
図1は、例示的な吸入器システムの上面図である。
【
図2】
図2Aおよび2Bは、
図1の例示的な吸入器システムの断面概略図である。
【
図3】
図3は、例示的な吸入器物品の断面概略図である。
【
図4】
図4Aは、例示的なスリーブの部分等角図である。
図4Bは、吸入器物品の例示的なホルダーの部分等角図である。
図4Cは、
図4Bの例示的なホルダーの断面概略図である。
【
図5】
図5Aは、吸入器物品の例示的なホルダーの部分等角図である。
図5Bは、
図5Aの例示的なホルダーの断面概略図である。
図5Cは、
図5Aおよび5Bの例示的なホルダーの部分斜視図である。
【
図6】
図6A~6Fは、例示的なガイドの概略図である。
【
図7】
図7Aは、例示的なホルダーの断面概略図である。
図7Bは、
図7Aの例示的なホルダーの別の断面概略図である。
図7Cは、例示的な吸入器システムの断面概略図である。
【
図8】
図8A~8Fは、例示的なロックアウト機構の断面概略図である。
【
図9】
図9A~9Cは、例示的なガイドの概略図である。
【
図11】
図11A~11Fは、別の例示的なロックアウト機構の断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0141】
概略図は必ずしも実寸に比例するものではなく、図示の目的で提示されるものであり、限定するものではない。図面は本開示で説明される一つ以上の態様を描写する。しかしながら、当然のことながら、図面に描写されていないその他の態様も本開示の範囲および趣旨の中に収まる。
【0142】
図1は、例示的な吸入器システム100の斜視図である。
図2Aは、スリーブ120が第一の位置にある
図1の例示的な吸入器システム100の断面概略図である。
図2Aは、スリーブが第一の位置にある
図1の例示的なシステム100の断面概略図であり、
図2Bは、スリーブ120が第二の位置にある例示的な吸入器システム100の断面概略図である。
図3は、
図1、2Aおよび2Bの例示的な吸入器物品150の断面概略図である。
【0143】
吸入器システム100は、吸入器物品150および別個のホルダー110を含む。吸入器物品150は、ホルダー110内に受容されて、吸入器物品150内に配置されたカプセル160を起動する、または貫通する。吸入器物品150は、消費者による使用中ホルダー110内にとどまり得る。ホルダー110および吸入器物品150は、受容した吸入器物品150を通して渦巻吸入気流を提供するように構成され得る。
【0144】
吸入器システム100は、吸入器物品150およびホルダー110を含む。吸入器物品150は、マウスピース端154から遠位端156に、長軸方向軸LAに沿って延びる本体151を含む。カプセル160は、吸入器物品本体151内に配置される。ホルダー110は、スリーブ空洞122内に受容される吸入器物品150を保持する移動可能なスリーブ120を含む。
【0145】
吸入器物品150用のホルダー110は、吸入器物品150を受容するためのハウジング空洞112を含むハウジング111と、ハウジング空洞112内に吸入器物品150を保持するように構成されたスリーブ120とを含む。スリーブ120は、開放近位端126から反対側の遠位端124に延びる。スリーブ120は、スリーブ空洞122を画定し、ハウジング111の長軸方向軸LAに沿って第一の位置と第二の位置との間で、ハウジング空洞112内で移動可能である。
【0146】
これらの実施例では、ホルダー110は、ハウジング内表面109に固定され、かつハウジング内表面109から延びる貫通要素101を含む。貫通要素101は、スリーブ120の第二の反対側の端124を通って延び、かつハウジング111の長軸方向軸に沿ってスリーブ空洞122の中に延びるように構成されている。ホルダー110は、第一の位置において、スリーブ120が貫通要素101から離れるように、またはホルダー110の開放端に向かって付勢するよう構成された、ばね要素102を含む。
【0147】
吸入器物品150は、マウスピース端154から遠位端156に、吸入器長軸方向軸LAに沿って延びる本体151を含む。カプセル空洞155は、本体151内に配置され、フィルター要素157によって下流で境界付けられ、かつ中央通路152を画定する管状要素153によって上流で境界付けられる。中央通路152は、本体の遠位端156からカプセル空洞155に向かって延びる空気入口開口を形成する。カプセル160は、カプセル空洞155内に配置される。中央通路152は、カプセル160よりも小さい直径を有する。
【0148】
ハウジング110は、約40mm~約60mmの範囲内の全体的な長軸方向の長さを有してもよい。スリーブ120は、約15mm~約30mmの範囲内の全体的な長軸方向の長さを有してもよい。ばね要素102は、約15mm~約30mmの範囲内の全体的な長軸方向の長さを有してもよい。スリーブ120は、約15mm~約30mmの範囲内の全体的な長軸方向距離を、第一の位置と第二の位置との間で移動または移動可能であり得る。ばね102は、約15mm~約30mmの範囲内の全体的な長軸方向距離を圧縮し得る。
【0149】
第一の位置では、スリーブ120が第一の位置にある場合に吸入器物品150がスリーブ空洞122内に位置付けられるときにカプセル160が貫通されないように、貫通要素101はカプセル空洞155内に延びない。第二の位置では、スリーブ120が第二の位置にある場合に吸入器物品150がスリーブ空洞122内に位置付けられるときにカプセル160が貫通されるように、貫通要素101はカプセル空洞155内に延びる。第一の位置は「弛緩位置」、第二の位置は「圧縮位置」と呼ばれ得る。
【0150】
一実施形態では、吸入器物品150は約45mmの長軸方向の長さを有し、ホルダー110は約50mm~約55mmの長軸方向の長さを有する。ホルダー110(および第一の位置または弛緩位置にあるスリーブ120およびばね要素102)内に受容されると、吸入器物品150は、ホルダー110内に受容されるその長軸方向の長さの約50%、およびホルダー110から延びるその長軸方向の長さの約50%を有する。この実施形態では、消費者は、貫通要素上へと吸入器物品150を付勢し、ばね要素102を圧縮してスリーブを第二の位置へと移動させ、カプセル160を貫通してカプセル160を起動させてもよい。第二の位置または圧縮位置では、吸入器物品150の長軸方向の長さの約20%未満がホルダー110から延びる、または吸入器物品150の長軸方向の長さの約1mm~約5mmがホルダー110から延びる。弛緩位置と圧縮位置との間の直線距離または長軸方向距離は、約15mm~約25mm、または約20mmでありうる。
【0151】
図4Aは、例示的なスリーブ120および従動部材170の部分等角図である。
図4Bは、
図4Aのスリーブ120および従動部材170を含む例示的な吸入器システム100の部分等角図である。
図4Cは、
図4Bの例示的な吸入器システム100の断面概略図である。
図4A~4Cは、吸入器物品150の挿入前のスリーブ120を示している。
図5Aは、
図4Bおよび4Cの例示的な吸入器システム100の部分等角図である。
図5Bは、
図5Aの例示的な吸入器システム100の断面概略図である。
図5Cは、
図5Aおよび5Bの例示的な吸入器システム100の部分斜視図である。
図5A~5Cは、スリーブ120の中に完全に挿入され、従動部材170と接触し、それによって従動部材170をガイド180の中に移動させる、吸入器物品を示している。
図5A~5Cは、第一の位置にあるスリーブ120を示している。
【0152】
従動部材170は、第一の端172から第二の端174に延びる。従動部材170は、第一の端172でスリーブ120に連結される。第二の端174は、自由端と呼ばれ得る。この実施例では、従動部材170は、スリーブ120と一体的に形成される。しかしながら、従動部材170は、例えば、ヒンジの周りにスリーブ120に接続された別個の構成要素であってもよい。
【0153】
図4Aは、従動部材170がスリーブ空洞122の中に軸方向に延びる、中立位置にある従動部材170を示す。従動部材170は、吸入器物品150がスリーブ空洞122内に受容されていないときに従動部材170が中立位置にあり得るように、中立位置を仮定して付勢され得る。従動部材170は、中立位置にあるときにガイド180内に係合しない場合がある。この実施例では、ガイド180は、ハウジング111の内表面113のチャネルまたは溝である。
【0154】
従動部材170は、吸入器物品がスリーブ空洞122内に受容されたときに、吸入器物品150と相互作用するように配設される。吸入器物品150は、中立位置から外れてハウジング111の内表面113上のガイド180と接触するように、従動部材170を移動または付勢し得る。従動部材170は、従動部材170がスリーブの長軸方向軸から離れるように外向きに偏向してハウジング111の内表面113上のガイド180と接触するように、可撓性または弾性である。
【0155】
図6A~6Fは、
図1、2、4B~4C、および5A~5Cの例示的なホルダー110の例示的なロックアウト機構190の概略図である。
図6Aは、スリーブ120が吸入器物品150の起動前に第一の位置にあるときの、例示的なロックアウト機構190の概略図である。
図6Bは、スリーブ120が第一の位置から第二の位置に移動する際の例示的なロックアウト機構190の概略図である。
図6Cは、スリーブ120が第二の位置にあるときの例示的なロックアウト機構190の概略図である。
図6Dは、スリーブ120が第二の位置から第一の位置に戻るように移動する時の例示的なロックアウト機構190の概略図である。
図6Eは、スリーブ120が第一の位置に戻ったときの例示的なロックアウト機構190の概略図である。
図6Fは、吸入器物品150がスリーブ120から取り外されたときの例示的なロックアウト機構190の概略図である。
【0156】
図6Aでは、吸入器物品150はスリーブ120内に受容され、従動部材170は、ガイド180と接触するように移動して初期横方向配向182で存在する。ガイド180は、従動部材170がガイド180と接触するように移動したという可聴表示を発するように配設される。
図6Bでは、ガイド180は、スリーブ120が第一の位置から第二の位置に移動するのにつれて、第一の経路に沿って従動部材170(特に、第二の端174)を移動させる。スリーブ120が第一の位置から第二の位置に移動するのにつれて、ガイド180は、従動部材170を初期横方向配向182から離れるように第一の横方向に移動させる。
【0157】
図6Cでは、スリーブ120は第二の位置にあり、ガイド180は、従動部材170が初期横方向配向182に戻るように形状設定される。ガイド180は、従動部材170が初期横方向配向182に戻るときに可聴音を発するように配設される。可聴音は、カプセルが起動したことを消費者に示す。
【0158】
図6Dでは、ガイド180は、スリーブ120が第二の位置から第一の位置に戻るように移動するのにつれて、従動部材170を第二の横方向に移動させる。第二の横方向は、第一の横方向と反対向きである。ガイド180は、スリーブ120が第二の位置から第一の位置に戻るように移動するのにつれて、従動部材170を第二の経路に沿って移動させるように配設される。
【0159】
図6Eでは、従動部材は第一の位置に戻り、保持セクション192に保持されている。保持セクション192は、従動部材170が保持セクション192に達したときにスリーブ120の移動に抵抗するように、保持セクション192内に従動部材170を保持するように形状設定される。保持セクション192は、従動部材170の横方向移動に抵抗するように配設された当接面194を含む。したがって、当接面194は、従動部材170が初期横方向配向182に戻ることを防止し、これは、吸入器物品150の起動後のスリーブ120の移動を防止する。
【0160】
図6Fでは、吸入器物品150は、スリーブ120から取り外され、従動部材170は、ガイドとの接触から外れ、それ故にスリーブ120の移動が可能になる。さらに、従動部材170は、吸入器物品150などの吸入器物品を受容することにより、ロックアウト機構190が
図6Aに図示する配設に置かれるように、初期横方向配向182に戻っており、プロセスは、さらなる吸入器物品に対して繰り返され得る。
【0161】
この実施例では、ガイド180はチャネルである。示されるように、ガイド180は、ハウジング111の内表面113上に形成される。この実施例では、従動部材170の第二の端174は、先端係合機構を含む。従動部材170の第二の端174は、吸入器物品がスリーブ120内に受容されるときにガイド180と接触するように配設される。第二の端174は、第二の端174がガイド180と接触している間にスリーブ120が第一の位置と第二の位置との間で移動するのにつれて、ガイド180の経路に沿って移動するように配設される。
【0162】
図7Aは、吸入器物品150が挿入されていない、例示的なホルダー210の断面概略図である。
図7Bは、吸入器物品150が挿入されていない、
図7Aの例示的なホルダー210の断面概略図である。
図7Cは、吸入器物品150が挿入され、従動部材270をガイド280と接触するように押す、
図7Aおよび7Bの例示的なホルダー210を含む例示的な吸入器システム200の断面概略図である。
【0163】
従動部材270は、第一の端272から第二の端274に延びる。従動部材270は、第一の端272でスリーブ220に連結され、第二の端274または自由端274に延びる。この実施例では、従動部材270は、スリーブ220と一体的に形成される。従動部材270は、中立位置にあるときに、スリーブ空洞222の中に軸方向に延びる。従動部材270は、吸入器物品150がスリーブ空洞222内に受容されていないときに従動部材270が中立位置にあるように、中立位置に付勢される。従動部材270は、中立位置にあるときにガイド280と係合しない。示されるように、ガイド280は、ハウジング211の内表面213の突出部である。
【0164】
ホルダー210は、スリーブ220および従動部材270を含む。この実施例では、ホルダー210は、ホルダー210の長軸方向の長さに沿って延びる細長いスロット292をさらに含む。スリーブ220は、スリーブ220の外表面から延びる整列ピン291をさらに含む。整列ピン291は、細長いスロッ292と嵌合するように構成されている。この細長いスロットおよび対応する整列ピン291の提供により、有利なことに、ハウジング空洞212内のスリーブ220の長軸方向移動が誘導され得る。特に、一つ以上の整列ピン291は、ハウジング空洞212内のスリーブ220の回転を防止する。
【0165】
従動部材270は、吸入器物品がスリーブ空洞222内に受容されたときに、吸入器物品150と相互作用するように配設される。吸入器物品150は、中立位置から外れてガイド280と接触するように、従動部材270を移動させる。従動部材270は、従動部材270がスリーブの長軸方向軸から離れるように外向きに偏向してガイド280と接触するように、可撓性である。
【0166】
図8A~8Fは、
図7A~7Cの例示的なホルダー210の例示的なロックアウト機構290の概略図である。
図8Aは、スリーブ220が吸入器物品150の起動前に第一の位置にあるときの、例示的なロックアウト機構290の概略図である。
図8Bは、スリーブ220が第一の位置から第二の位置に移動する際の例示的なロックアウト機構290の概略図である。
図8Cは、スリーブ220が第二の位置の直前の位置に移動したときの例示的なロックアウト機構290の概略図である。
図8Dは、スリーブ220が第二の位置に移動したときの例示的なロックアウト機構290の概略図である。
図8Eは、スリーブ220が第二の位置から第一の位置に戻るように移動するときの例示的なロックアウト機構290の概略図である。
図8Fは、スリーブ220が第一の位置に戻ったときの例示的なロックアウト機構290の概略図である。
【0167】
図8Aでは、吸入器物品150は、スリーブ220内に受容され、従動部材270は、ガイド280と接触するように移動して初期横方向配向282で存在する。従動部材270は、第一の端272でスリーブ220に固定され、自由端または第二の端274に延びる。ガイド280は、従動部材270がガイド280と接触するように移動したという可聴表示を発するように配設され得る。
【0168】
図8Bでは、ガイド280は、スリーブ220が第一の位置から第二の位置に移動するのにつれて、従動部材の第二の端274を第一の経路、またはガイド280の縁に沿って移動させる。スリーブ220が第一の位置から第二の位置に移動するのにつれて、ガイド280は、従動部材の第二の端274を初期横方向配向282から離れるように第一の横方向に移動させる。
【0169】
図8Cでは、スリーブ220は、第二の位置の直前の位置に移動し、従動部材の第二の端274がガイド280によって初期横方向配向282に移動することが防止される。
図8Dでは、スリーブ220は、第二の位置にあり、ガイド280は、従動部材の第二の端274が初期横方向配向282に戻るように形状設定される。ガイド280は、従動部材の第二の端274が初期横方向配向282に戻るときに可聴音を発するように配設され得る。可聴音は、従動部材の第二の端274がガイド280を通過、または離れるようはじくことによって生成される。可聴音は、カプセルが起動したことを消費者に示す。
【0170】
図8Eでは、ガイド280は、スリーブ220が第二の位置から第一の位置に戻るように移動するのにつれて、従動部材の第二の端274を第二の横方向に移動させる。第二の横方向は、第一の横方向と反対向きである。ガイド280は、スリーブ220が第二の位置から第一の位置に戻るように移動するのにつれて、従動部材の第二の端274を第二の経路に沿って移動させるように配設される。
【0171】
図8Fでは、従動部材は、第一の位置に戻り、保持セクション292に保持されている。保持セクション292は、従動部材の第二の端274が保持セクション292に達したときにスリーブ220の移動に抵抗するように、保持セクション292内に従動部材の第二の端274を保持するように形状設定される。保持セクション292は、従動部材の第二の端274の横方向移動に抵抗するように配設される当接面294を含む。したがって、当接面294は、従動部材の第二の端274が初期横方向配向282に戻ることを防止し、これは、吸入器物品150の起動後のスリーブ220の移動を防止する。
【0172】
吸入器物品150がスリーブ220から取り外された後、従動部材の第二の端274は、ガイドとの接触から外れ、それ故にスリーブ220の移動が可能になる。さらに、従動部材270は、吸入器物品150などの吸入器物品を受容することにより、ロックアウト機構290が
図8Aに図示する配設に置かれるように、初期横方向配向282に戻っており、プロセスは、さらなる吸入器物品に対して繰り返され得る。
【0173】
この実施例では、ガイド280は突出部を含む。例えば、ガイド280は、ホルダー210の内表面上に形成される、または、ガイド280は、ホルダー210の内表面に取り付けられる別個の構成要素である。この実施例では、従動部材270の第二の端274は、先端係合機構を含む。示されるように、先端係合機構は、尖った楕円形を画定する。この形状は、保持セクション292内に保持される間に先端係合機構がガイド280を捕捉する機会を低減する。従動部材270の第二の端274は、吸入器物品がスリーブ220内に受容されたときにガイド280と接触するように配設される。第二の端274は、第二の端274がガイド280と接触している間にスリーブ220が第一の位置と第二の位置との間で移動するのにつれて、ガイド280の周囲に沿って移動するように配設される。
【0174】
図9Aは、「縁」と呼ばれ得る、例示的なガイド280の第一、第二、第三および第四の部分の概略図である。第一の部分は、従動部材270が最初にガイド280と接触するときに従動部材270が接触する、ガイド280の第一の部分である。第二の部分は、従動部材270がガイド280の第一の部分との接触から離れたときに従動部材270が接触する、ガイド280の一部分である。第三の部分は、従動部材270がガイド280の第二の部分との接触から離れたときに従動部材270が接触する、ガイド280の一部分である。第四の部分は、従動部材270がガイド280の第三の部分との接触から離れたときに、保持セクションと接触する前に従動部材270が接触する、ガイド280の一部分である。
【0175】
図9Aは、従動部材の張力率角度A1および従動部材の張力率距離D1を示す。張力率角度A1は、ガイド280の第一の部分と第二の部分との間の角度である。従動部材の張力率距離D1は、第一の部分に沿って従動部材270によって移動される横方向の距離である。
【0176】
図9Bは、従動部材の張力率角度A2および従動部材の張力率距離D2を含む、
図9Aの例示的なガイド280の概略図である。張力率角度A2は、ガイド280の第三の部分と第四の部分との間の角度である。従動部材の張力率距離D2は、第三の部分に沿って従動部材270によって移動される横方向距離である。
【0177】
図9Cは、従動部材の張力率角度A3および従動部材張力率距離D3を含む、
図9Aおよび9Bの例示的なガイド280の概略図である。従動部材の張力率角度A3は、第四の部分と保持セクション表面との間の角度である。従動部材の張力率距離D3は、保持セクション表面に沿って従動部材270によって移動される横方向距離である。
【0178】
起動角度A1は、約10度~約30度の範囲内である。起動角度A1は、約20度であることが好ましい。起動距離D1は、約0.5ミリメートル~約2ミリメートルの範囲内である。起動距離D1は、約1.2ミリメートルであることが好ましい。
【0179】
戻り角度A2は、約10度~約30度の範囲内である。戻り角度A2は、約18度であることが好ましい。戻り距離D2は、約1ミリメートル~約3ミリメートルの範囲内である。戻り距離D2は、約1.8ミリメートルであることが好ましい。
【0180】
リテーナ角度A3は、約0度~約90度の範囲内である。リテーナ角度A3は、約53度であることが好ましい。リテーナ距離D3は、約0.2ミリメートル~約1ミリメートルの範囲内である。リテーナ距離D3は、約0.45ミリメートルであることが好ましい。
【0181】
図10Aは、例示的なスリーブ220の断面概略図である。
図10Bは、
図10Aの従動部材270の第二の端274の斜視図である。
【0182】
従動部材270は、第一の端272と第二の端274との間に延びる。従動部材270は、スリーブ軸276に沿って延びる。第一の端272は、スリーブ220に連結される、またはスリーブ220と一体的に形成され得る。従動部材270の第二の端274は、先端係合機構277を含む。示されるように、先端係合機構277は、尖った楕円形を有する。尖った楕円形は、主要な長軸方向軸278を有する。先端係合機構277の縁からスリーブ軸276までの係合機構距離D4は、約0.5ミリメートル~約2ミリメートルの範囲内であってもよい。係合機構距離D4は、約1ミリメートルであり得ることが好ましい。係合機構角度A4は、係合機構277の長さが、従動部材270の長さに対して直角を成す軸からオフセットされる角度であり、約30度~約75度の範囲内であってもよい。係合機構角度A4は、約56度であり得ることが好ましい。
【0183】
図11A~11Fは、
図7A~7Cの例示的なホルダー210の例示的なロックアウト機構390の概略図である。
図11Aは、スリーブ220が吸入器物品150の起動前に第一の位置にあるとき(
図7C参照)の例示的なロックアウト機構390の概略図である。
図11Bは、スリーブ220が第一の位置から第二の位置に移動した際の例示的なロックアウト機構390の概略図である。
図11Cは、スリーブ220が第二の位置の直前の位置に移動したときの例示的なロックアウト機構390の概略図である。
図11Dは、スリーブ220が第二の位置に移動したときの例示的なロックアウト機構390の概略図である。
図11Eは、スリーブ220が第二の位置から第一の位置に戻るように移動するときの例示的なロックアウト機構390の概略図である。
図11Fは、スリーブ220が第一の位置に戻ったときの例示的なロックアウト機構390の概略図である。
【0184】
図11Aでは、吸入器物品150(
図7C参照)は、スリーブ220内に受容され、従動部材270は、ガイド380と接触するように移動して、初期横方向配向282で存在する。従動部材270は、第一の端272でスリーブ220に固定され、自由端または第二の端274に延びる。ガイド380は、従動部材270がガイド380と接触するように移動したという可聴表示を発するように配設され得る。
【0185】
図11Bでは、ガイド380は、スリーブ220が第一の位置から第二の位置に移動するのにつれて、第一の経路、またはガイド380の縁に沿って従動部材の第二の端274を移動または偏向させる。スリーブ220が第一の位置から第二の位置に移動するのにつれて、ガイド380は、従動部材の第二の端274を初期横方向配向282から離れるように第一の横方向に移動させる。
【0186】
図11Cでは、スリーブ220は、第二の位置の直前の位置に移動し、従動部材の第二の端274がガイド380によって初期横方向配向282に移動することが防止される。
図11Dでは、スリーブ220は第二の位置にあり、ガイド380は、従動部材の第二の端274が初期横方向配向282に戻るように形状設定される。ガイド380は、従動部材の第二の端274が初期横方向配向282に戻るときに可聴音を発するように配設され得る。可聴音は、従動部材の第二の端274がガイド380を通過、または離れるようはじくことによって生成される。可聴音は、カプセルが起動したことを消費者に示す。
【0187】
図11Eでは、ガイド380は、スリーブ220が第二の位置から第一の位置に戻るように移動するのにつれて、従動部材の第二の端274を第二の横方向に移動または偏向する。第二の横方向は、第一の横方向と反対向きである。ガイド380は、スリーブ220が第二の位置から第一の位置に戻るように移動するのにつれて、従動部材の第二の端274を第二の経路に沿って移動させるように配設される。
【0188】
図11Fでは、従動部材は、第一の位置に戻り、保持セクション292に保持されている。保持セクション292は、従動部材の第二の端274が保持セクション292に達したときにスリーブ220の移動に抵抗するように、保持セクション292内に従動部材の第二の端274を保持するように形状設定される。保持セクション292は、従動部材の第二の端274の横方向移動に抵抗するように配設される当接面294を含む。したがって、当接面294は、従動部材の第二の端274が初期横方向配向282に戻ることを防止し、これは、吸入器物品150の起動後のスリーブ220の移動を防止する。
【0189】
吸入器物品150がスリーブ220から取り外された後、従動部材の第二の端274は、ガイドとの接触から外れ、それ故にスリーブ220の移動が可能になる。さらに、従動部材270は、吸入器物品150などの吸入器物品を受容することにより、ロックアウト機構390が
図11Aに図示する配設に置かれるように、初期横方向配向282に戻っており、プロセスは、さらなる吸入器物品に対して繰り返され得る。
【0190】
この実施例では、ガイド380は突出部を含む。例えば、ガイド380は、ホルダー210の内表面上に形成される、または、ガイド380は、ホルダー210の内表面に取り付けられる別個の構成要素である。この実施例では、従動部材270の第二の端274は、先端係合機構377を含む。示されるように、先端係合機構377は四辺形の形状を画定する。この形状は、保持セクション292内に保持される間に先端係合機構がガイド280を捕捉する機会を低減する。従動部材270の第二の端274は、吸入器物品がスリーブ220内に受容されたときにガイド380と接触するように配設される。第二の端274は、第二の端274がガイド380と接触している間にスリーブ220が第一の位置と第二の位置との間で移動するのにつれて、ガイド380の周囲に沿って移動するように配設される。
【0191】
図12Aは、「縁」と呼ばれ得る、例示的なガイド380の第一、第二、第三および第四の部分の概略図である。第一の部分は、従動部材270がガイド380に接触するときに従動部材270が最初に接触する、ガイド380の第一の部分である。第二の部分は、従動部材270がガイド380の第一の部分との接触から離れたときに従動部材270が接触する、ガイド380の一部分である。第三の部分は、従動部材270がガイド380の第二の部分との接触から離れたときに従動部材270が接触する、ガイド380の一部分である。第四の部分は、従動部材270がガイド380の第三の部分との接触から離れたときに、保持セクションと接触する前に従動部材270が接触する、ガイド380の一部分である。
【0192】
図12Aは、従動部材の張力率角度A1および従動部材の張力率距離D1を示す。張力率角度A1は、ガイド380の第一の部分と第二の部分との間の角度である。従動部材の張力率距離D1は、第一の部分に沿って従動部材270によって移動される横方向の距離である。
【0193】
図12Bは、従動部材の張力率角度A2および従動部材の張力率距離D2を含む、
図12Aの例示的なガイド380の概略図である。張力率角度A2は、ガイド380の第三の部分と第四の部分との間の角度である。従動部材の張力率距離D2は、第三の部分に沿って従動部材270によって移動される横方向距離である。
【0194】
図12Cは、従動部材の張力率角度A3および従動部材張力率距離D3を含む、
図12Aおよび12Bの例示的なガイド380の概略図である。従動部材の張力率角度A3は、第四の部分と保持セクション表面との間の角度である。従動部材の張力率距離D3は、保持セクション表面に沿って従動部材270によって移動される横方向距離である。
【0195】
起動角度A1は、約10度~約30度の範囲内である。起動角度A1は、約15度であることが好ましい。起動距離D1は、約0.5ミリメートル~約2ミリメートルの範囲内である。起動距離D1は、約1.2ミリメートルであることが好ましい。
【0196】
戻り角度A2は、約10度~約30度の範囲内である。戻り角度A2は、約15度であることが好ましい。戻り距離D2は、約1ミリメートル~約3ミリメートルの範囲内である。戻り距離D2は、約1.7ミリメートルであることが好ましい。
【0197】
リテーナ角度A3は、約10度~約90度の範囲内である。リテーナ角度A3は、約65~70度であることが好ましい。リテーナ距離D3は、約0.2ミリメートル~約1ミリメートルの範囲内である。リテーナ距離D3は、約0.45ミリメートルであることが好ましい。
【0198】
図13Aは、例示的なスリーブ220の断面概略図である。
図13Bは、
図13Aの従動部材270の第二の端274の斜視図である。
【0199】
従動部材270は、第一の端272と第二の端274との間に延びる。従動部材270は、スリーブ軸に沿って延びる。第一の端272は、スリーブ220に連結される、またはスリーブ220と一体的に形成され得る。従動部材270の第二の端274は、先端係合機構377を含む。示されるように、先端係合機構377は四辺形の形状を有する。四辺形の形状は、主要な長軸方向軸278を有する。係合機構角度A4は、係合機構277の長さが、従動部材270の長さに対して直角を成す軸からオフセットされる角度であり、約0度~約45度の範囲内であってもよい。係合機構角度A4は、約10~15度であり得ることが好ましい。