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特許7505008冷却装置、冷蔵庫及びその制御方法、食材処理方法、制御装置、コンピュータ記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】冷却装置、冷蔵庫及びその制御方法、食材処理方法、制御装置、コンピュータ記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/12 20060101AFI20240617BHJP
   F25D 11/02 20060101ALI20240617BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20240617BHJP
   F25D 17/08 20060101ALI20240617BHJP
   F25B 6/02 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
F25D23/12 U
F25D11/02 F
F25D11/00 101B
F25D17/08 308
F25B6/02 Z
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022544787
(86)(22)【出願日】2020-12-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-22
(86)【国際出願番号】 CN2020138704
(87)【国際公開番号】W WO2021179734
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-07-22
(31)【優先権主張番号】202010172075.3
(32)【優先日】2020-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517215032
【氏名又は名称】合肥美的電冰箱有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI MIDEA REFRIGERATOR CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.669,West Changjiang Road,Hefei,Anhui 230601,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】517215043
【氏名又は名称】合肥華凌股▲ふん▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】劉華
(72)【発明者】
【氏名】唐云
(72)【発明者】
【氏名】唐学強
(72)【発明者】
【氏名】曾清清
【審査官】関口 勇
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-036575(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105698463(CN,A)
【文献】特開2008-035814(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107024059(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/12
F25D 11/02
F25D 11/00
F25D 17/08
F25B 6/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機、凝縮器、絞り装置及びエバポレーターを含み、前記圧縮機、前記凝縮器、前記絞り装置及び前記エバポレーターは、順次に接続されて冷媒循環ループを形成し、前記冷媒循環ループのうち、前記圧縮機の排気口と前記絞り装置の冷媒入口との間の接続パイプラインが第1接続パイプラインであり、前記凝縮器が前記第1接続パイプラインに設けられる冷却装置であって、
前記冷却装置は、さらに、補助熱交換分岐路及びエアダクト制御装置を含み、前記補助熱交換分岐路は、加熱領域を加熱するための凝縮加熱器を含み、前記補助熱交換分岐路は、前記第1接続パイプラインに並列設置され、前記補助熱交換分岐路には、さらに、第1弁装置が設けられ、前記第1弁装置が前記加熱領域内の温度要求に応じて前記補助熱交換分岐路の冷媒流量を制御し、前記第1弁装置は、第1作動状態と第2作動状態が設けられ、前記第1作動状態は、前記加熱領域内の温度を所定の加熱温度区間まで上昇させる状態であり、前記第2作動状態は、前記加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度区間に保持する状態であり、
前記エアダクト制御装置は、前記加熱領域と冷蔵庫の冷却領域との間のエアダクトの流通を制御し、前記第1弁装置は、前記加熱領域内の温度要求に応じて閉となり、及び、前記エアダクト制御装置は、前記加熱領域内の温度要求に応じて起動し、前記加熱領域内の温度を下げる、
冷却装置。
【請求項2】
前記第1作動状態は、前記第1弁装置の開度が第1開度であり、前記加熱領域内の温度を上昇させる状態であり、
前記第2作動状態は、
前記第1弁装置が間欠的に開となり、前記加熱領域内の温度を所定の加熱温度区間内で変動させる状態と、
前記第1弁装置が閉となり、前記加熱領域内の温度を所定の加熱温度内でゆっくり低下させる状態と、
前記第1弁装置の開度が第2開度であり、前記加熱領域内の温度を所定の加熱温度区間に保持する状態とのうちの1つである、
請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記第1弁装置は、三方弁であり、前記補助熱交換分岐路の第1端は、前記三方弁を介して前記圧縮機の排気口に接続され、前記補助熱交換分岐路の第2端は、前記凝縮器の冷媒入口に接続される、
請求項1に記載の冷却装置。
【請求項4】
さらに、保温箱を含み、前記保温箱内に前記加熱領域が設けられ、前記凝縮加熱器が前記保温箱に設けられている、
請求項1又は2に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記凝縮加熱器は、前記保温箱に設けられる凝縮加熱管を含む、
請求項4に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記凝縮加熱管は、前記保温箱の底部に配設される、
請求項5に記載の冷却装置。
【請求項7】
前記エアダクト制御装置は、ファン及び/又は前記エアダクトを開けるように制御するダンパーを含む、
請求項に記載の冷却装置。
【請求項8】
記第1弁装置が前記第2作動状態にあり、かつ所定の時間に達した後に、前記第1弁装置は、前記加熱領域内の温度要求に応じて閉となり、及び、前記エアダクト制御装置は、前記加熱領域内の温度要求に応じて起動し、前記加熱領域内の温度を下げる、
請求項に記載の冷却装置。
【請求項9】
請求項1~のいずれか一項に記載の冷却装置を含む、冷蔵庫。
【請求項10】
冷却装置の制御方法であって、
前記冷却装置は、圧縮機、凝縮器、絞り装置及びエバポレーターを含み、前記圧縮機、前記凝縮器、前記絞り装置及び前記エバポレーターは、順次に接続されて冷媒循環ループを形成し、前記冷媒循環ループのうち、前記圧縮機の排気口と前記絞り装置の冷媒入口との間の接続パイプラインが第1接続パイプラインであり、前記凝縮器が前記第1接続パイプラインに設けられ、
前記冷却装置は、さらに、加熱領域と補助熱交換分岐路を含み、前記補助熱交換分岐路は、前記加熱領域を加熱するための凝縮加熱器を含み、前記補助熱交換分岐路は、前記第1接続パイプラインに並列設置され、前記補助熱交換分岐路には、さらに、前記補助熱交換分岐路の冷媒流量を制御するための第1弁装置が設けられ、前記加熱領域は、冷蔵庫の冷却領域に連通するためのエアダクトを含み、前記エアダクトには、前記エアダクトの流通を制御するためのエアダクト制御装置が設けられ、
前記制御方法は、
前記加熱領域の温度要求を取得するステップと、
前記加熱領域の温度要求に応じて前記第1弁装置の作動状態を制御するステップとを含み、
前記加熱領域の温度要求に応じて前記第1弁装置の作動状態を制御する前記ステップは
前記第1弁装置の作動状態が第1作動状態になるように制御し、前記加熱領域内の温度を所定の加熱温度区間まで上昇させるステップと、
前記第1弁装置の作動状態が第2作動状態になるように制御し、前記加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度区間に保持するステップと、
前記第1弁装置を前記第2作動状態に所定の時間保持した後に、前記第1弁装置が閉となるように制御し、前記エアダクト制御装置が起動するように制御し、前記加熱領域内の温度を所定の低温区間まで低下させるステップと、を含む、
冷却装置の制御方法。
【請求項11】
前記第1弁装置の作動状態が第2作動状態になるように制御し、前記加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度区間に保持する前記ステップは、
前記第1弁装置が間欠的に開となるように制御し、前記加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度区間内で変動させるステップと、
前記第1弁装置が閉となるようにし、前記加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度内でゆっくり低下させるステップと、
前記第1弁装置の開度を制御して、前記加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度区間に保持するステップとのうちの1つのステップを含む、
請求項10に記載の冷却装置の制御方法。
【請求項12】
冷却装置に応用される食材処理方法であって、
前記冷却装置は、圧縮機、凝縮器、絞り装置及びエバポレーターを含み、前記圧縮機、前記凝縮器、前記絞り装置及び前記エバポレーターは、順次に接続されて冷媒循環ループを形成し、前記冷媒循環ループのうち、前記圧縮機の排気口と前記絞り装置の冷媒入口との間の接続パイプラインが第1接続パイプラインであり、前記凝縮器が前記第1接続パイプラインに設けられ、
前記冷却装置は、さらに、加熱領域と補助熱交換分岐路を含み、前記補助熱交換分岐路は、前記加熱領域を加熱するための凝縮加熱器を含み、前記補助熱交換分岐路は、前記第1接続パイプラインに並列設置され、前記補助熱交換分岐路には、さらに、前記補助熱交換分岐路の冷媒流量を制御するための第1弁装置が設けられ、前記加熱領域は、冷蔵庫の冷却領域に連通するためのエアダクトを含み、前記エアダクトには、前記エアダクトの流通を制御するためのエアダクト制御装置が設けられ、
前記食材処理方法は、さらに、
前記第1弁装置が第1作動状態になるように制御し、前記加熱領域内の温度を第1所定の加熱温度区間まで上昇させるステップと、
前記第1弁装置が第2作動状態になるように制御し、前記加熱領域内の温度を前記第1所定の加熱温度区間に保持しかつ第1所定の時間持続するステップと、
前記第1弁装置が閉となるように制御し、前記エアダクト制御装置が起動するように制御するステップと、
前記加熱領域内の温度が所定の低温区間に下がった後に、前記エアダクト制御装置を停止するステップと、
前記第1弁装置が第1作動状態になるように制御し、前記加熱領域内の温度を第2所定の加熱温度区間まで上昇させるステップと、
前記第1弁装置が第2作動状態になるように制御し、前記加熱領域内の温度を前記第2所定の加熱温度区間に保持しかつ第2所定の時間持続するステップとを含む、
食材処理方法。
【請求項13】
前記第1弁装置が閉となるように制御し、前記エアダクト制御装置を起動して前記加熱領域内の温度を所定の鮮度保持温度区間まで低下させるステップを含む、
請求項12に記載の食材処理方法。
【請求項14】
記憶器、プロセッサ、及び記憶器に記憶され、かつプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを含む制御装置であって、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行する時に請求項10又は11に記載の冷却装置の制御方法、もしくは請求項12又は13に記載の食材処理方法を実現する、
制御装置。
【請求項15】
請求項14に記載の制御装置を含む、冷蔵庫。
【請求項16】
コンピュータ実行可能な命令が記憶され、前記コンピュータ実行可能な命令は、請求項10又は11に記載の冷却装置の制御方法、もしくは請求項12又は13に記載の食材処理方法を実行することに用いられる、
コンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2020年3月12日に中国特許庁に提出された、出願番号が202010172075.3、発明の名称が「冷却装置、冷蔵庫及びその制御方法、食材処理方法、制御装置」である中国特許出願の優先権を主張しており、その全内容は引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本発明は、家用電器の技術分野に属し、より具体的に、冷却装置、冷蔵庫及びその制御方法、食材処理方法、制御装置及びその記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、人々の生活品質に対する要求は、ますます高くなり、既存の冷蔵庫は、一般的に冷蔵機能のみを有し、例えば冷蔵室、冷凍室などの貯蔵室は、冷蔵庫内の温度を特定温度に保持して、食材を貯蔵して鮮度を保持するだけである。例えば、ある冷蔵庫には解凍室が設けられて食材の解凍を実現する。しかしながら、上記解凍室は、温度が冷蔵室又は冷凍室の温度よりも高い貯蔵室を提供するだけであり、人々は家庭生活において食材の加工処理に対するニーズを満足できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、食材に対して加工処理を行うことができる冷却装置、冷蔵庫及びその制御方法、食材処理方法、制御装置及びそのコンピュータ記憶媒体を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1形態によれば、冷却装置を提供し、前記冷却装置は、圧縮機、凝縮器、絞り装置及びエバポレーターを含み、前記圧縮機、前記凝縮器、前記絞り装置及び前記エバポレーターは、順次に接続されて冷媒循環ループを形成し、前記冷媒循環ループのうち、前記圧縮機の排気口と前記絞り装置の冷媒入口との間の接続パイプラインが第1接続パイプラインであり、前記凝縮器が前記第1接続パイプラインに設けられ、前記冷却装置は、さらに、補助熱交換分岐路を含み、前記補助熱交換分岐路は、加熱領域を加熱するための凝縮加熱器を含み、前記補助熱交換分岐路は、前記第1接続パイプラインに並列設置され、前記補助熱交換分岐路には、さらに、第1弁装置が設けられ、前記第1弁装置が前記加熱領域内の温度要求に応じて前記補助熱交換分岐路の冷媒流量を制御する。
【0006】
圧縮機の排気口から絞り装置の冷媒入口までの第1接続パイプラインには、高温冷媒が流通し、前記補助熱交換分岐路は、前記第1接続パイプラインに並列設置されるので、高温冷媒を補助熱交換分岐路の凝縮加熱器に案内して前記加熱領域を加熱することができる。第1弁装置が前記補助熱交換分岐路の冷媒流量を制御することにより、補助熱交換分岐路を独立に制御することができる。補助熱交換分岐路が前記第1パイプラインに並列設置されるので、第1弁装置の作動状態を調整しても冷媒循環ループの正常運転に影響しない。第1弁装置が前記補助熱交換分岐路の冷媒流量を制御することにより、加熱領域内の温度を調整して、加熱領域の異なる温度要求を満足して、人々の食材加工処理に対する異なるニーズを満足することができる。
【0007】
本発明の特定の一実施例において、前記第1弁装置は、第1作動状態と第2作動状態が設けられ、前記第1作動状態は、前記第1弁装置の開度が第1開度であり、加熱領域内の温度を上昇させる状態であり、前記第2作動状態は、前記第1弁装置が間欠的に開となり、前記加熱領域内の温度を所定の加熱温度区間内で変動させる状態と、前記第1弁装置が閉となり、前記加熱領域内の温度を所定の加熱温度内でゆっくり低下させる状態と、前記第1弁装置の開度が第2開度であり、前記加熱領域内の温度を所定の加熱温度区間に保持する状態とのうちの1つである。
【0008】
前記第1弁装置は、第1作動状態と第2作動状態が設けられ、かつ第1弁装置は、第1作動状態、第2作動状態又は他の作動状態に切り替えることができる。前記第1作動状態は、第1弁装置の開度が第1開度であることに対応し、第1弁装置の開度が第1開度である場合に、凝縮加熱器を流れた冷媒が加熱領域の温度を上昇させる。前記第1弁装置の第2作動状態は、加熱領域の温度を所定の加熱温度区間に保持させる。
【0009】
一実施形態によれば、前記第2作動状態は、第1弁装置が間欠的に開となり、前記加熱領域内の温度を所定の加熱温度区間内で変動させる状態である。第1弁装置が間欠的に開となり、熱を間欠的に補充することで加熱領域の温度を所定の加熱温度区間に維持する。第1弁装置が間欠的に開となる制御方式は、簡単であり、加熱領域の温度検出に連動して制御するだけで、複雑な制御アルゴリズムを要しなく、かつ第1弁装置に対して開度調整する必要もなく、コストが低い弁装置と弁駆動装置を選択してもよい。
【0010】
別の実施形態によれば、前記第2作動状態は、前記第1弁装置が閉となり、前記加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度区間内でゆっくり低下させる状態である。加熱領域の保温効果を保証することにより、例えば、加熱領域の外壁には保温層が設けられ、このように、前記第1弁装置が閉となるようにしても、加熱領域の温度がゆっくり下がるので、加熱領域は、所定の加熱温度区間に一定の時間内保持され、食材加工処理に対するニーズを満足する。
【0011】
別の実施形態によれば、前記第2作動状態は、前記第1弁装置の開度が第2開度であり、前記加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度区間に保持する状態である。第1弁装置の開度が第2開度となるように調整し、前記補助熱交換分岐路の冷媒流量を制御することにより、凝縮加熱器の加熱量と加熱領域の放熱量とは動的に釣り合いを取り、前記加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度区間に保持する。この方式は、制御の精確度が高く、加熱領域の温度を比較的小さい範囲内に維持することができる。一実施例において、前記第2開度は、第1開度の開度よりも小さい。
【0012】
本発明の特定の一実施例において、前記第1弁装置は、前記加熱領域内の温度要求に応じてその作動状態が第1作動状態になるように切り替え、第1開度まで開けて、前記加熱領域内の温度が所定の加熱温度区間まで上昇した後に、第1弁装置は、その作動状態が第2作動状態になるように切り替え、前記加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度区間に保持する。前記所定の加熱領域は、現在の加熱領域の温度要求に対応し、ユーザの食材加工処理に対するニーズに応じて設定される。第1弁装置を第1作動状態と第2作動状態との間で切り替えることにより、加熱領域の昇温及び温度制御の過程を実現し、ユーザの食材に対する加熱要求を満足する。
【0013】
本発明の特定の一実施例において、前記第1弁装置は、三方弁であり、前記補助熱交換分岐路の第1端は、前記三方弁を介して前記圧縮機の排気口に接続され、前記補助熱交換分岐路の第2端は、前記凝縮器の冷媒入口に接続される。三方弁を介して圧縮機の排気口に接続されることにより、圧縮機の排気口から排出された高温冷媒は、先行して前記補助熱交換分岐路に進入し、加熱領域が十分に高い温度に速く昇温して食材に対して加工処理を行う。また、補助熱交換分岐路を流れた冷媒が再び前記凝縮器を流れるので、凝縮器は、補助熱交換分岐路から流出した冷媒を十分に利用して、冷却装置自身の冷却効果に対する影響を低下させる。
【0014】
本発明の特定の一実施例において、さらに、保温箱を含み、前記保温箱内に前記加熱領域が設けられ、前記凝縮加熱器が前記保温箱に設けられている。前記加熱領域が保温箱内に設けられ、凝縮加熱器が保温箱における加熱領域を加熱し、保温箱内の温度が下がり難いように保証し、加熱効果を有効的に向上させる。
【0015】
本発明の特定の一実施例において、前記凝縮加熱器は、前記保温箱に設けられる凝縮加熱管を含む。凝縮加熱管が補助熱交換分岐路における高温冷媒の熱を快速に保温箱に伝達でき、それにより加熱効果が比較的良く、複雑な熱交換装置又は他の導熱媒体を要しなく、コストが低い。
【0016】
本発明の特定の一実施例において、前記凝縮加熱管は、前記保温箱の底部に配設される。熱い空気が上に行き、冷たい空気が下へ行く特性なので、前記凝縮加熱管が前記保温箱の底部に配設されることにより、凝縮加熱管の熱を保温箱内の加熱領域全体に伝達させやすく、それにより、加熱領域における温度がより均一になり、食材を均一に加熱処理しやすい。
【0017】
本発明の特定の一実施例において、前記加熱領域と冷蔵庫の冷却領域との間のエアダクトの流通を制御するためのエアダクト制御装置をさらに含む。前記加熱領域は、冷蔵庫の冷却領域に連通するエアダクトを含み、前記エアダクトには、前記エアダクトの流通を制御するためのエアダクト制御装置が設けられ、前記エアダクト制御装置が起動した後に、前記加熱領域と冷蔵庫の冷却領域との間のエアダクトにおける空気を流通させ、冷蔵庫の冷却領域における冷気を加熱領域に案内することができ、食材の降温処理を速くする。前記エアダクト制御装置により加熱領域と冷蔵庫の冷却領域との間のエアダクトの流通を実現し、それにより、昇温・降温処理を行う必要がある食材の複雑な加工のニーズを満足することができる。
【0018】
本発明の特定の一実施例において、前記エアダクト制御装置は、ファン及び/又は前記エアダクトを開けるように制御するダンパーを含む。ファンにより、加熱領域と冷蔵庫の冷却領域との間の空気の流れ速度を制御して、冷蔵庫の冷却領域の冷気を加熱領域に案内して、加熱領域の温度低下を速くすることができる。ダンパーを設置することにより、加熱領域を降温させる必要がある場合に、ダンパーを開けて、冷蔵庫の冷却領域の冷気をエアダクトを介して加熱領域に流入して循環させて、加熱領域を降温させる。また、加熱領域を加熱する時に、ダンパーを閉めて、冷気が加熱領域に進入しないように保証し、加熱領域の加熱効果を向上させる。必要に応じて、エアダクトにファン及びダンパー両方を設置してもよく、必要に応じてそのうちのいずれか一方を設置してもよい。
【0019】
本発明の特定の一実施例において、前記第1弁装置は、加熱領域内の温度要求に応じて閉となり、及び、前記エアダクト制御装置は、前記加熱領域内の温度要求に応じて起動し、前記加熱領域内の温度を下げる。加熱領域を速く降温し、加熱した後に食材を放熱し又は降温処理するニーズを満足するために、加熱領域を降温処理する必要がある場合に、第1弁装置が閉となるようにし、エアダクト制御装置が起動し、加熱領域と冷蔵庫の冷却領域との間のエアダクトにおける空気を流通させ、それにより、冷蔵庫の冷却領域における冷気を加熱領域に案内する。第1弁装置が閉となり、凝縮加熱器が加熱しないと共に、冷蔵庫の冷却領域の冷気を利用したので、加熱領域の温度は、快速に低下することができ、ユーザの食材加工の効率及び特別の降温速率に対する要求を有効的に満足することができ、ユーザの食材の複数温度領域処理に対するニーズを満足することができる。
【0020】
本発明の特定の一実施例において、前記加熱領域と冷蔵庫の冷却領域との間のエアダクトの流通を制御するためのエアダクト制御装置をさらに含む。前記第1弁装置が前記第2作動状態になり、かつ所定の時間に達した後に、第1弁装置は、前記加熱領域内の温度要求に応じて閉となり、及び、前記エアダクト制御装置は、前記加熱領域内の温度要求に応じて起動し、前記加熱領域内の温度を下げる。前記加熱領域内の温度が前記所定の加熱温度区間に保持し、かつ所定の時間に達した後に、第1弁装置が閉となり、及び、エアダクト制御装置が起動し、前記加熱領域と冷蔵庫の冷却領域との間のエアダクトにおける空気を流通させる。前記加熱領域を冷却し降温する必要がある場合に、前記第1弁装置が閉となるようにし、高温冷媒が継続的に補助熱交換分岐路に進入することを停止し、前記エアダクト制御装置は、起動し、前記加熱領域と冷蔵庫の冷却領域との間のエアダクトにおける空気を流通させ、冷蔵庫の冷却領域と加熱領域との間がエアダクトを介して熱交換して前記加熱領域の温度を低下させることできる。第1弁装置が前記第2作動状態にありかつ所定の時間に達すると、それと同時に、加熱領域の温度を所定の加熱温度区間に保持しかつ所定の時間に達し、ユーザの食材の加熱後降温に対するニーズを満足する。
【0021】
本発明の特定の一実施例において、前記所定の加熱温度区間は、加熱温度上限値と加熱温度下限値を含み、前記第1弁装置は、前記加熱領域内の温度要求に応じてその作動状態が第2作動状態になるように切り替え、前記加熱領域内の温度を前記加熱温度上限値と前記加熱温度下限値との間に保持し、第1弁装置が第1作動状態と第2作動状態との間に繰り返して切り替えることを回避し、第1弁装置の信頼性を向上させる。
【0022】
本発明の特定の一実施例において、2つの前記所定の加熱温度区間を含む。前記第1弁装置は、前記加熱領域内の温度要求に応じて前記補助熱交換分岐路の冷媒流量を制御して、前記加熱領域内の温度を2つ以上の前記所定の加熱温度区間の間で切り替える。ユーザは、処理対象である食材の必要に応じて、2つ以上の所定の加熱温度区間を設置してもよく、第1弁装置により前記補助熱交換分岐路の冷媒流量を制御し、前記加熱領域内の温度が前述の2つ以上の所定の加熱温度区間の間で切り替える(ユーザの手動制御による切替、所定のプログラム又は加熱曲線による切替、又は交互切替を含む)。ユーザの加熱食材に対する異なる処理要求を満足する。
【0023】
本発明の特定の一実施例において、さらに、所定の低温区間を含む。前記第1弁装置は、前記加熱領域内の温度要求に応じて前記補助熱交換分岐路の冷媒流量を制御し、前記加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度区間と前記所定の低温区間との間で切り替える。前記第1弁装置が閉となるようにし、凝縮加熱器が熱を放出することを停止し、この際に、前記加熱領域は降温する。前記加熱領域が降温して所定の低温区間に達した後に、第1弁装置により前記補助熱交換分岐路の冷媒流量を制御し、それを所定の低温区間に保持し、加熱領域を所定の加熱温度区間と前記所定の低温区間との間で切り替え、ユーザの食材の異なる温度処理に対するニーズを満足する。
【0024】
本発明の特定の一実施例において、2つの前記所定の加熱温度区間を含む。一方の所定の加熱温度区間が第1所定の温度区間であり、他方の所定の加熱温度区間が第2所定の温度区間である。前記加熱領域内の温度要求に応じて、前記第1弁装置は、第1作動状態であり、加熱領域内の温度を第1所定の温度区間に上昇させた後に、前記第1弁装置は、第2作動状態に切り替え、前記加熱領域内の温度を前記第1所定の温度区間に保持する。前記第1弁装置が第2作動状態でありかつ第1所定の時間持続した後に、前記第1弁装置が閉となり、前記加熱領域内の温度を所定の低温区間に低下させ、前記第1弁装置は、第1作動状態に切り替えて前記加熱領域内の温度を第2所定の温度区間に上昇させる。前記第1弁装置は、第2作動状態に切り替えてかつ第2所定の時間持続する。前記第1所定の温度区間の加熱温度下限値は、第2所定の温度区間の加熱温度上限値よりも大きい。
【0025】
2つの所定の加熱温度区間を設置することにより、食材をさらに処理することができ、澱粉類の食材を処理することに用いられる。米を処理することを例とし、米と水との混合物を加熱領域に置く。第1弁装置は、第1作動状態であり、前記加熱領域内の温度を第1所定の温度区間まで上昇させ、前記第1弁装置は、第2作動状態に切り替えて前記加熱領域内の温度を前記第1所定の温度区間に保持しかつ第1所定の時間持続し、米を糊化させる。前記第1弁装置が閉となり、加熱領域内の温度が所定の低温区間に低下した後に、米と水との混合物の凍結融解処理を実現し、第1弁装置は、第1作動状態に切り替えて加熱領域内の温度を第2所定の温度区間まで上昇させた後に、前記第1弁装置は、第2作動状態に切り替えて前記加熱領域内の温度を前記第2所定の温度区間に保持し、米と水との混合物の老化(Retrogradation)を実現する。上記処理により、水に溶解したアミロースを人体に消化され難い難消化性澱粉に変換し、米を物理変性させ、米における難消化性澱粉含有量を顕著に向上させ、米の糖質を減少する目的を実現し、それにより食物のうちの糖質の人体における変換を制御し、人々の食材加工処理に対するニーズを満足する。
【0026】
本発明の特定の一実施例において、さらに、前記加熱領域と冷蔵庫の冷却領域との間のエアダクトの流通を制御するためのエアダクト制御装置を含む。前記第1弁装置は、前記加熱領域内の温度要求に応じて第1作動状態に切り替えて加熱領域内の温度を第1所定の温度区間に上昇させた後に、前記エアダクト制御装置は、前記加熱領域内の温度要求に応じて起動し、前記加熱領域内の温度が所定の低温区間に低下した後に、前記エアダクト制御装置は停止する。エアダクト制御装置により加熱領域と冷蔵庫の冷却領域との間のエアダクトを流通させ、冷蔵庫の冷却領域の冷気をエアダクトを介して加熱領域に流れ込んで循環させ、加熱領域の降温を実現し、前記加熱領域の降温効率を増強してユーザの食材降温によるエージングのニーズを満足することができる。
【0027】
本発明の特定の一実施例において、さらに、所定の鮮度保持温度区間を含む。前記第1弁装置は、前記加熱領域内の温度要求に応じて第2作動状態を保持しかつ第2所定の時間持続した後に、前記第1弁装置が閉となり、及び、前記エアダクト制御装置は、前記加熱領域内の温度要求に応じて起動し、加熱領域内の温度を所定の鮮度保持温度区間に低下させる。食材処理が完了した後に、第1弁装置が閉となり、エアダクト制御装置が起動し、加熱領域の温度を所定の鮮度保持温度区間まで低下させ、食材をこの所定の鮮度保持温度区間で保存する。処理した食材がそのまま加熱領域で鮮度を保持され、ユーザがさらに取り出して保存する必要がない。
【0028】
本発明の第2形態によれば、冷蔵庫を提供し、前記冷蔵庫は本発明の第1形態のいずれかの実施形態の冷却装置を含む。
【0029】
本発明の第3形態によれば、冷却装置の制御方法を提供し、前記冷却装置は、圧縮機、凝縮器、絞り装置及びエバポレーターを含み、前記圧縮機、前記凝縮器、前記絞り装置及び前記エバポレーターは、順次に接続されて冷媒循環ループを形成し、前記冷媒循環ループのうち、前記圧縮機の排気口と前記絞り装置の冷媒入口との間の接続パイプラインが第1接続パイプラインであり、前記凝縮器が前記第1接続パイプラインに設けられ、前記冷却装置は、さらに、加熱領域と補助熱交換分岐路を含み、前記補助熱交換分岐路は、前記加熱領域を加熱するための凝縮加熱器を含み、前記補助熱交換分岐路は、前記第1接続パイプラインに並列設置され、前記補助熱交換分岐路には、さらに、前記補助熱交換分岐路の冷媒流量を制御するための第1弁装置が設けられ、前記制御方法は、前記加熱領域の温度要求を取得するステップと、前記加熱領域の温度要求に応じて前記第1弁装置の作動状態を制御するステップとを含む。
【0030】
圧縮機の排気口から絞り装置の冷媒入口までの第1接続パイプラインには、高温冷媒が流通し、前記補助熱交換分岐路は、前記第1接続パイプラインに並列設置されるので、高温冷媒を補助熱交換分岐路の凝縮加熱器に案内して加熱領域を加熱することができる。第1弁装置が前記補助熱交換分岐路の冷媒流量を制御することにより、補助熱交換分岐路を独立に制御することができ、補助熱交換分岐路が前記第1接続パイプラインに並列設置されるので、第1弁装置の作動状態を調整しても冷媒循環ループの正常運転に影響しない。第1弁装置の作動状態を制御することにより、加熱領域内の温度を調整することができ、加熱領域の異なる温度要求を満足し、人々の食材加工処理に対する異なるニーズを満足する。
【0031】
本発明の特定の一実施例において、前記加熱領域の温度要求に応じて前記第1弁装置の作動状態を制御する前記ステップは、前記第1弁装置の作動状態が第1作動状態になるように制御し、加熱領域内の温度を所定の加熱温度区間まで上昇させるステップと、前記第1弁装置の作動状態が第2作動状態になるように制御し、前記加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度区間に保持するステップとを含む。
【0032】
前記第1弁装置が第1作動状態になるように制御し、前記補助熱交換分岐路を流れた冷媒流量を調整し、所定の加熱温度区間に達するまで加熱領域内の温度を上昇させ、そして、前記第1弁装置の作動状態が第2作動状態になるように制御し、前記補助熱交換分岐路を流れた冷媒流量を調整し、加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度区間に保持し、前記所定の加熱領域が現在の加熱領域の温度要求に対応し、ユーザの食材加工処理に対するニーズに応じて設定され、第1弁装置を第1作動状態と第2作動状態との間で切り替えることにより、加熱領域の昇温及び温度制御の過程を実現し、ユーザの食材に対する加熱要求を満足する。
【0033】
前記第1弁装置の作動状態が第2作動状態となるように制御し、前記加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度区間に保持する前記ステップは、前記第1弁装置が間欠的に開となるように制御し、前記加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度区間内で変動させるステップと、前記第1弁装置が閉となるようにし、前記加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度内でゆっくり低下させるステップと、前記第1弁装置の開度を制御して、前記加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度区間に保持するステップとのうちの1つのステップを含む。
【0034】
本発明の特定の一実施例において、以上の3種の方法により前記加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度区間に保持することができる。
【0035】
第1種の方法は、前記第1弁装置が間欠的に開となるように制御し、熱を間欠的に補充することで加熱領域の温度を所定の加熱温度区間に維持する。前記第1弁装置が間欠的に開となる制御方式は、簡単であり、加熱領域の温度検出に連動して制御するだけで、複雑な制御アルゴリズムを要しなく、第1弁装置に対して開度調整する必要もなく、コストが低い弁装置と弁駆動装置を選択してもよい。
【0036】
第2種の方法は、前記第1弁装置が閉となるようにし、前記加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度内でゆっくり低下させる。加熱領域の保温効果を保証し、例えば、加熱領域の外壁には保温層が設けられることにより、このように、前記第1弁装置が閉となるようにしても、加熱領域の温度がゆっくり下がるので、加熱領域は、一定の時間内所定の加熱温度区間に保持され、食材加工処理に対するニーズを満足する。
【0037】
第3種の方法は、前記第1弁装置の開度が第2開度になるように制御し、前記加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度区間に保持する。第1弁装置の開度が第2開度となるように調整し、前記補助熱交換分岐路の冷媒流量を制御することにより、凝縮加熱器の加熱量と加熱領域の放熱量とは動的に釣り合いを取り、前記加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度区間に保持する。この方式は、制御の精確度が高く、加熱領域の温度を比較的小さい範囲内に維持することができる。
【0038】
本発明の特定の一実施例において、前記第1弁装置を前記第2作動状態に所定の時間保持した後に、前記第1弁装置が閉となるように制御し、前記加熱領域内の温度を所定の低温区間まで低下させるステップをさらに含む。
【0039】
前記第1弁装置が閉となるようにし、凝縮加熱器が熱を放出することを停止し、この際に、加熱領域は降温し、所定の低温区間に降温した後に、第1弁装置の作動状態を制御し、それを所定の低温区間に保持することにより、加熱領域を所定の加熱温度区間と前記所定の低温区間との間で切り替えすることを実現し、ユーザの食材の異なる温度処理に対するニーズを満足する。
【0040】
本発明の特定の一実施例において、前記加熱領域は、冷蔵庫の冷却領域に連通するエアダクトを含み、前記エアダクトには、前記エアダクトの流通を制御するためのエアダクト制御装置が設けられ、前記加熱領域内の温度を所定の低温区間まで低下させる前記ステップは、前記エアダクト制御装置が起動するように制御し、加熱領域と冷蔵庫の冷却領域内における空気を流通させ、加熱領域内の温度を所定の低温区間まで低下させるステップを含む。
【0041】
加熱領域を速く降温し、加熱した後に食材を放熱し又は降温処理するニーズを満足するために、加熱領域を降温処理する必要がある場合に、エアダクト制御装置が起動するように制御し、前記加熱領域と冷蔵庫の冷却領域における空気を流通させ、冷蔵庫の冷却領域における冷気を加熱領域に案内する。冷蔵庫の冷却領域の冷気を利用するので、加熱領域の温度が快速に下がることができ、ユーザの食材加工の効率及び特別の降温速率に対する要求を有効的に満足することができ、ユーザの食材の複数温度領域処理に対するニーズを満足することができる。
【0042】
本発明の第4形態によれば、冷却装置に応用される食材処理方法を提供し、前記冷却装置は、圧縮機、凝縮器、絞り装置及びエバポレーターを含み、前記圧縮機、前記凝縮器、前記絞り装置及び前記エバポレーターは、順次に接続されて冷媒循環ループを形成し、前記冷媒循環ループのうち、前記圧縮機の排気口と前記絞り装置の冷媒入口との間の接続パイプラインが第1接続パイプラインであり、前記凝縮器が前記第1接続パイプラインに設けられ、前記冷却装置は、さらに、加熱領域と補助熱交換分岐路を含み、前記補助熱交換分岐路は、前記加熱領域を加熱するための凝縮加熱器を含み、前記補助熱交換分岐路は、前記第1接続パイプラインに並列設置され、前記補助熱交換分岐路には、さらに、前記補助熱交換分岐路の冷媒流量を制御するための第1弁装置が設けられ、前記加熱領域は、冷蔵庫の冷却領域に連通するためのエアダクトを含み、前記エアダクトには、前記エアダクトの流通を制御するためのエアダクト制御装置が設けられ、前記食材処理方法は、さらに、
前記第1弁装置が第1作動状態になるように制御し、前記加熱領域内の温度を第1所定の温度区間まで上昇させるステップと、前記第1弁装置が第2作動状態になるように制御し、前記加熱領域内の温度を前記第1所定の加熱温度区間に保持しかつ第1所定の時間持続するステップと、前記第1弁装置が閉となるように制御し、前記エアダクト制御装置が起動するように制御するステップと、前記加熱領域内の温度が所定の低温区間に下がった後に、前記エアダクト制御装置を停止するステップと、前記第1弁が第1作動状態になるように制御し、加熱領域内の温度を第2所定の温度区間まで上昇させるステップと、前記第1弁装置が第1作動状態になるように制御し、前記加熱領域内の温度を前記第2所定の加熱温度区間に保持してかつ第2所定の時間持続するステップとを含む。
【0043】
2つの所定の加熱温度区間を設置することにより、食材をさらに処理することができ、澱粉類の食材を処理することに用いられる。米を処理することを例とし、米と水との混合物を加熱領域に置く。第1弁装置が第1作動状態になるように制御して加熱領域内の温度を第1所定の温度区間まで上昇させ、前記第1弁装置が第2作動状態になるように制御して前記加熱領域内の温度を前記第1所定の温度区間に保持しかつ第1所定の時間持続して、米を糊化させて、前記第1弁装置が閉となり、加熱領域内の温度が所定の低温区間に下がった後に、米と水との混合物の凍結融解処理を実現し、さらに、第1弁装置が第1作動状態になるように制御して加熱領域内の温度を第2所定の温度区間まで上昇させた後に、前記第1弁装置が第2作動状態になるように制御して前記加熱領域内の温度を前記第2所定の温度区間に保持し、米と水との混合物の老化を実現する。上記処理により、水に溶解したアミロースを人体に消化され難い難消化性澱粉に変換し、米を物理変性させ、米における難消化性澱粉含有量を顕著に向上させ、米の糖質を減少する目的を実現し、それにより食物のうちの糖質の人体における変換を制御し、人々の食材加工処理に対するニーズを満足する。
【0044】
本発明の特定の一実施例において、第1弁装置が閉となるように制御し、前記エアダクト制御装置を起動し、加熱領域と冷蔵庫の冷却領域における空気を流通させて、加熱領域内の温度を所定の鮮度保持温度区間まで低下させるステップをさらに含む。食材処理が完了した後に、第1弁装置が閉となるようにし、エアダクト制御装置は、起動し、加熱領域の温度を所定の鮮度保持温度区間まで低下させ、食材をこの所定の鮮度保持温度区間で保存する。処理した食材がそのまま加熱領域で鮮度を保持され、ユーザがさらに取り出して保存する必要がない。
【0045】
本発明の第5形態によれば、記憶器、プロセッサ、及び記憶器に記憶されかつプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを含む制御装置を提供し、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行する時に本発明の第3形態のいずれかの実施形態の冷却装置の制御方法又は本発明の第4形態のいずれかの実施形態の食材処理方法を実現する。
【0046】
本発明の第6形態によれば、冷蔵庫を提供し、前記冷蔵庫は本発明の第5形態のいずれかの実施形態の制御装置を含む。
【0047】
本発明の第7形態によれば、コンピュータ実行可能な命令が記憶されるコンピュータ記憶媒体を提供し、前記コンピュータ実行可能な命令は、本発明の第3形態のいずれかの実施形態の冷却装置の制御方法又は本発明の第4形態のいずれかの実施形態の食材処理方法を実行することに用いられる。
【発明の効果】
【0048】
本発明の上記技術案のうちの1つの技術案は、少なくとも以下のメリット又は有益な効果の1つを有する。
【0049】
前記第1接続パイプラインに並列設置される補助熱交換分岐路は、高温冷媒を補助熱交換分岐路の凝縮加熱器に案内して加熱領域を加熱することができる。第1弁装置により前記補助熱交換分岐路の冷媒流量を制御することにより、補助熱交換分岐路を独立に制御することができる。補助熱交換分岐路が前記第1接続パイプラインに並列設置されるので、第1弁装置の作動状態を調整しても冷媒循環ループが正常に運転することに影響しない。第1弁装置により前記補助熱交換分岐路の冷媒流量を制御することにより、加熱領域内の温度を調整し、加熱領域の異なる温度のニーズを満足することができ、人々の食材加工処理に対する異なるニーズを満足する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】本発明の第1実施例及び第2実施例に係る冷却装置のシステム原理図である。
図2】本発明の第3実施例に係る冷却装置のシステム原理図である。
図3】本発明の第4実施例に係る冷却装置のシステム原理図である。
図4】本発明の一実施例における保温箱の構成模式図である。
図5】本発明の第5実施例における冷却装置の温度制御曲線図である。
図6】本発明の実施例における冷却装置の回路原理ブロック図である。
図7】本発明の第6実施例における冷蔵庫のシステム原理図である。
図8】本発明の第7実施例に係る冷却システムの制御方法のフローチャートである。
図9図8におけるステップ20の一実施形態のフローチャートである。
図10】本発明の第8実施例に係る冷却システムの制御方法のフローチャートである。
図11】本発明の第9実施例に係る冷却システムの制御方法のフローチャートである。
図12】本発明の第10実施例に係る冷却システムの制御方法のフローチャートである。
図13】本発明の第11実施例に係る冷却システムの制御方法のフローチャートである。
図14】本発明の第12実施例に係る食材処理方法のフローチャートである。
図15】本発明の第13実施例に係る食材処理方法のフローチャートである。
図16】本発明の第5形態に係る制御装置の構成原理図である。
図17】本発明の第6形態に係る冷蔵庫のシステム原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、本発明の実施形態を詳しく説明する。実施形態の例示は、図面に示され、そのうちの同じ又は類似する符号は、始終に同じ又は類似する素子を示す。以下、図面を参照しながら説明する実施形態は、例示的なものであり、本発明を限制しなく、本発明を解釈するためのものである。
【0052】
また、「第1」、「第2」という用語は、説明するためのもののみであり、相対的な重要性を示し、或いは暗示しなく、或いはその技術的な特徴の数量を暗に示すことがしない。従って、「第1」及び「第2」により限定された特徴は、1つ又はより多くの特徴を含むことを明示又は暗に示すことができる。
【0053】
本発明の説明では、明確に規定して限定しない限り、「接続」という用語は、広義に解釈すべきである。例えば、固定接続又は可動接続してもよく、取り外し可能に接続し又は取り外し不可に接続し或いは一体に接続してもよく、機械接続してもよく電気接続又は相互通信可能に接続してもよく、直接的に接続してもよく中間媒体を介して接続してもよく、2つの素子内部の連通であってもよく間接的に連通し或いは2つの素子の相互作用する関係であってもよい。
【0054】
本発明の説明では、本発明の冷却装置又は冷蔵庫における各素子の「第1端」、「第2端」は、素子の入力端又は出力端を示すもののみであり、冷却装置の冷媒の入力端が「第1端」とされ、冷媒の出力端が「第2端」とされるように統一に規定し、その相対的な重要性を示し又は暗に示すことがしなく、或いは示される技術的特徴の機能を暗に示すことがしない。
【0055】
以下、幾つかの異なる実施形態又は例示を提供して本発明の異なる技術案を実現する。
【0056】
図1図5に示すように、本発明の第1形態に係る冷却装置を示す。前記冷却装置は、冷蔵庫設備のコア構成要素であり、冷蔵庫の冷却領域に冷却を実現させる。冷蔵庫の冷却領域は、冷蔵室と冷凍室を含み、前記冷蔵室の温度が2℃~8℃であり、冷凍室の温度が-18℃である。
【0057】
図1に示すように、本発明の第1実施例に係る冷却装置を示す。冷却装置は、圧縮機101、凝縮器102、絞り装置103及びエバポレーター104を含む。前記圧縮機101、凝縮器102、絞り装置103及びエバポレーター104は、順次に接続されて冷蔵庫の冷却領域に冷凍を実現させるための冷媒循環ループを形成する。図1における矢印が冷媒の流れ方向を示す。冷媒循環ループのうちの圧縮機101の排気口と絞り装置103の冷媒入口との間の接続パイプラインは、第1接続パイプライン109である。凝縮器102は、第1接続パイプライン109に設けられる。第1接続パイプライン109は、凝縮器102に対して圧縮機101から供給される高温冷媒を供給する。冷媒循環ループのうちの絞り装置103の冷媒出口と圧縮機101の還気口との間の接続パイプラインは、第2接続パイプライン110である。エバポレーター104は、第2接続パイプライン110に設けられる。第2接続パイプライン110は、エバポレーター104に対して低温冷媒を供給する。具体的には、圧縮機101の排気口は、高温のガス冷媒を出力し、凝縮器102の第1端を経って凝縮器102に進入する。凝縮器102において、高温のガス冷媒は、放熱して高温液体冷媒に凝縮する。前記冷媒は、凝縮器102の第2端から排出され、冷媒循環ループを経って絞り装置103の第1端に進入し、絞り装置103において降温して低温液体冷媒を形成する。前記冷媒は、絞り装置103の第2端から出力され、エバポレーター104の第1端から進入する。エバポレーター104における冷媒は、冷蔵庫の冷却領域の熱を吸収して低温ガス冷媒を形成し、再び圧縮機101の吸気口に進入する。上記の絞り装置103は、毛細管や、電子膨張弁、熱膨張弁、絞り用短管を採用してもよい。毛細管は、構成が簡単であり、製造しやすく、コストが低く、運動部材がなく、それ自体の故障や漏れを発生しにくく、かつ自動補償の特徴を有して冷凍負荷変化の流量に対する要求に応じる。電子膨張弁は、冷媒量の変化に対する適応性が強く、冷却装置の快適性を増強する。熱膨張弁は、適用温度範囲が広く、停止する時にシステムの高低圧を快速にバランスすることができる。
【0058】
図1に示すように、エバポレーター104の第2端と圧縮機101の吸気口との間に液貯蔵部105が設けられ、気化しない液体冷媒を貯蔵することに用いられる。また、液貯蔵部105と圧縮機101との間に還気熱交換管106を設置してもよく、絞り装置103から放出する熱を吸収し、圧縮機101の吸気口に進入した冷媒温度を上げる。
【0059】
図1に示すように、冷却装置は、さらに、加熱領域と補助熱交換分岐路を含む。加熱領域は、処理対象である食材を置くことに用いられる。加熱領域は、冷蔵室内に設けられた保温箱又は加熱ボックスであってよく、冷蔵庫の1つの独立する貯蔵室であってもよい。補助熱交換分岐路は、加熱領域を加熱するための凝縮加熱器107を含む。補助熱交換分岐路は、第1接続パイプライン109に並列設置される。補助熱交換分岐路には、さらに第1弁装置が設けられる。第1弁装置は、加熱領域内の温度要求に応じて前記補助熱交換分岐路の冷媒流量を制御する。
【0060】
前記第1弁装置は、冷蔵庫の制御器により制御される。制御器は、加熱領域内の温度要求に応じて第1弁装置へ制御命令を送信して、第1弁装置の作動状態を制御し、このようにして補助熱交換分岐路に流れ込んだ冷媒流量を制御することができる。補助熱交換分岐路に流入した冷媒流量が比較的高い場合に、凝縮加熱器107が放出した熱が比較的多く、加熱領域の温度が上昇する。第1弁装置が閉となるようにすると、凝縮加熱器107は、熱を放出することを停止する。加熱領域の保温効果が良いと(例えば加熱領域の外壁には保温層が設けられている)、加熱領域の温度がゆっくりと下がり、加熱領域の放熱が良好であると(保温手段を採用しなく、又は以下のエアダクト及びエアダクト制御装置を設置する)、加熱領域の温度が速く下がる。第1弁装置の作動状態は、第1弁装置の開度又は開度の変化である。第1弁装置の開度が最も大きい場合に、補助熱交換分岐路を流れた冷媒流量が最も高く、第1弁装置の開度がゼロである場合に、補助熱交換分岐路を流れた冷媒流量はゼロである。第1弁装置の開度は、ゼロと最大開度との間に調整してもよく、例えば、段階調整又は無段調整の弁装置を第1弁装置として採用する。
【0061】
圧縮機101の排気口から絞り装置103の冷媒入口までの第1接続パイプライン109には、高温冷媒が流通し、補助熱交換分岐路は、第1接続パイプライン109に並列設置されるので、高温冷媒を補助熱交換分岐路における凝縮加熱器107に案内して加熱領域を加熱することができる。第1弁装置により補助熱交換分岐路の冷媒流量を制御することにより、補助熱交換分岐路を独立に制御することができる。補助熱交換分岐路が第1接続パイプラインに並列設置されるので、第1弁装置の作動状態を調整しても冷媒循環ループが正常に運転することに影響しない。第1弁装置により前記補助熱交換分岐路の冷媒流量を制御することができ、加熱領域内の温度を調整して、加熱領域の異なる温度要求を満足することができ、人々の食材加工処理に対する異なるニーズを満足する。
【0062】
冷媒が補助熱交換分岐路を流れるために、第1弁装置を開けると共に、冷媒循環ループにおける冷媒を循環して流動させる必要があり、この際に圧縮機101が同期して動作する必要がある。即ち、第1弁装置が閉となる以外の他の作動状態では、圧縮機101が同時に運転する必要がある。
【0063】
前記圧縮機101の運転ロジックは、以下の通りである。加熱領域を加熱する必要がある場合に、現在の冷蔵庫の冷却領域には冷却要求があるか否かを判断する。現在の冷蔵庫の冷却領域に冷却要求がある場合に、冷媒循環ループが既に冷却状態にあり、圧縮機101の運転を保持する。現在の冷蔵庫の冷却領域に冷却要求がない場合、圧縮機101が運転停止状態にあることを示し、この場合に圧縮機101を起動して運転させる必要がある。
【0064】
圧縮機101が運転する場合に、冷媒は凝縮器102を流れるので、このようにして冷蔵庫の冷却領域の温度を下げる。冷蔵庫の冷却領域には冷却要求がない場合に、冷蔵庫の冷却領域の温度を冷蔵庫の冷却領域の設定温度よりも低くさせる。冷蔵庫の冷却領域の正常温度に影響することを回避するために、本発明の一実施形態によれば、凝縮器102と補助熱交換分岐路の第2端との間には、第2弁装置を設置する。冷蔵庫の冷却領域には冷却要求がないが、加熱領域には加熱要求がある場合に、第1弁装置が開となり、第2弁装置が閉となり、冷媒は、全部、補助熱交換分岐路を通過して冷媒循環ループに進入する。凝縮器102には、冷媒が流れないので、冷蔵庫の冷却領域の温度を下げることがなく、それと同時に、冷媒が全部、補助熱交換分岐路における凝縮加熱器107を流れるので、加熱領域に対する加熱効果がより良好になる。
【0065】
別の実施形態によれば、第2弁装置を設置する必要がない。冷蔵庫の冷却領域には冷却要求がない場合に、圧縮機101が起動して作動し、この際に冷蔵庫の冷却領域の温度を低下させるが、加熱領域が冷蔵庫の冷却領域に放熱するので、圧縮機101は、第1弁装置と伴って作動し、エバポレーターを介して冷蔵庫の冷却領域を降温させ、冷蔵庫システム全体は、動的に釣り合いを保持する。それには、加熱領域と冷蔵庫の冷却領域との熱伝達効率を設定する必要がある。
【0066】
本発明の一実施例において、前記第1弁装置は、第1作動状態と第2作動状態が設けられ、第1弁装置は、第1作動状態、第2作動状態又は他の作動状態に切り替えることができる。
【0067】
前記第1作動状態は、第1弁装置の開度が第1開度であることに対応する。第1弁装置の開度が第1開度である場合に、凝縮加熱器107を流れた冷媒が加熱領域の温度を上昇させる。第1弁装置の第1開度は、加熱領域の保温性能、凝縮加熱器107の熱変換効率及び凝縮加熱器107を流れた冷媒の温度に応じて設定してもよい。加熱領域の温度が所定の加熱温度区間にできるだけ速く達するために、一実施例において、第1開度が第1弁装置の最大開度である。
【0068】
前記第1弁装置の第2作動状態は、加熱領域の温度を所定の加熱温度区間に保持することに用いられる。一実施形態において、前記第2作動状態は、第1弁装置が間欠的に開となり、前記加熱領域内の温度が所定の加熱温度区間内で変動する状態である。第1弁装置が間欠的に開となり、熱を間欠的に補充することで加熱領域の温度を所定の加熱温度区間に維持する。第1弁装置が間欠的に開となる制御方式は、簡単であり、加熱領域の温度検出に連動して制御するだけで、複雑な制御アルゴリズムを要しなく、第1弁装置に対して開度調整する必要もなく、コストが低い弁装置と弁駆動装置を選択してもよい。
【0069】
別の実施形態によれば、前記第2作動状態は、前記第1弁装置が閉となるようにし、前記加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度区間内でゆっくり低下させる状態である。加熱領域の保温効果を保証することにより、例えば、加熱領域の外壁には保温層が設けられ、このように、前記第1弁装置が閉となるようにしても、加熱領域の温度がゆっくり下がるので、加熱領域は、一定の時間内に所定の加熱温度区間に保持し、食材加工処理に対するニーズを満足する。
【0070】
別の実施形態によれば、前記第2作動状態は、前記第1弁装置の開度が第2開度であり、前記加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度区間に保持する状態である。第1弁装置の開度が第2開度となるように調整し、前記補助熱交換分岐路の冷媒流量を制御することにより、凝縮加熱器107の加熱量と加熱領域の放熱量とは動的に釣り合いを取り、前記加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度区間に保持する。この方式は、制御の精確度が高く、加熱領域の温度を比較的小さい範囲内に維持することができる。前記第2開度は、第1開度の開度よりも小さい。例えば、第1開度は、第1弁装置の最大開度であると、第2開度は、第1開度の80%であってもよい。上記数値は一例にすぎず、具体的な数値は、加熱領域の放熱状況と凝縮加熱器107の加熱量に応じて設定される。第2開度の大小を設置することにより、前記加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度区間に保持する。
【0071】
本発明の特定の一実施例において、制御器は、加熱領域内の温度要求に応じて第1弁装置が第1作動状態になるように切り替え、第1開度まで開けて、加熱領域内の温度が所定の加熱温度区間まで上昇した後に、制御器は、第1弁装置の作動状態を第2作動状態に切り替えるように制御し、加熱領域内の温度を所定の加熱温度区間に保持する。所定の加熱領域は、現在の加熱領域の温度要求に対応し、ユーザの食材加工処理に対するニーズに応じて設定される。第1弁装置は、第1作動状態と第2作動状態との間で切り替えることにより、加熱領域の昇温及び温度制御の過程を実現し、ユーザの食材に対する加熱要求を満足する。
【0072】
本発明の一実施例において、2つ以上の所定の加熱温度区間を含む。制御器は、加熱領域内の温度要求に応じて第1弁装置の作動状態を制御し、加熱領域内の温度を2つ以上の所定の加熱温度区間の間で切り替える。例えば、第1所定の加熱温度区間から第2所定の加熱温度区間で切り替える。所定の加熱温度区間は、処理対象である食材の加熱曲線に応じて設置してもよい。例えば、食材加熱曲線は、3つの異なる温度範囲の加熱工程があると、3つの所定の加熱温度区間を設置する。また、所定の加熱温度区間の数量及び範囲は、ユーザにより入力して設定してもよく、食材の重量、処理方法に基づいて自動的にマッチングしてもよい。異なる所定の加熱温度区間の間で交互切替してもよい。異なる所定の加熱温度区間を設置することにより、ユーザの異なる食材の異なる処理に対する要求を満足することができる。
【0073】
本発明の特定の一実施例において、さらに、所定の低温区間を含む。制御器は、加熱領域内の温度要求に応じて第1弁装置の作動状態を制御し、加熱領域内の温度を所定の加熱温度区間と所定の低温区間との間で切り替える。第1弁装置が閉となるようにし、凝縮加熱器が熱を放出することを停止し、この際に、加熱領域は降温する。所定の低温区間に降温した後に、制御器により第1弁装置の作動状態を制御し、それを所定の低温区間に保持し、加熱領域が所定の加熱温度区間と所定の低温区間との間で切り替えることを実現し、ユーザの食材の異なる温度処理に対するニーズを満足する。
【0074】
第1弁装置の作動状態は、第1作動状態であり、一実施形態によれば、第1開度は、第1弁装置を最大開度まで開けて、このようにして補助熱交換分岐路の冷媒流量が最も大きくなり、凝縮加熱器107が放出する熱が最も高く、加熱領域をより速く所定の加熱温度区間まで上昇させることができ、食材を加熱する時間を節約する。別の実施形態によれば、第1開度は、加熱領域を昇温させることができ、言い換えれば、この際に凝縮加熱器107が放出する熱は、加熱領域の放熱量よりも大きく、このように加熱領域を次第に昇温させることができる。このようにして加熱領域の昇温効率が低下するものの、冷媒循環ループに対する影響は比較的小さい。また、冷蔵庫の冷却領域の状態に応じて第1弁装置の開度を調整してもよく、加熱領域の加熱のニーズを満足すると共に冷蔵庫の冷蔵室に対する影響を低下させることができる。
【0075】
第1弁装置の第2作動状態は、上記加熱領域内の温度を所定の加熱温度区間に保持し、以下の3種の方式のうちの1つを含むことができる。
【0076】
第1種の方式は、第1弁装置が間欠的に開となり、熱を間欠的に補充することで加熱領域の温度を所定の加熱温度区間に維持する。第1弁装置が間欠的に開となる制御方式は、簡単であり、加熱領域の温度検出に連動して制御するだけで、複雑な制御アルゴリズムを要しなく、かつ第1弁装置に対して開度調整する必要もなく、コストが低い弁装置と弁駆動装置を選択してもよい。
【0077】
第2種の方式は、第1弁装置が閉となるようにし、加熱領域内の温度を所定の加熱温度内でゆっくり低下させる。加熱領域の保温効果を保証することにより、第1弁装置が閉となるようにしても、加熱領域の温度がゆっくり下がるので、加熱領域は、一定の時間内、所定の加熱温度区間に保持され、食材加工処理に対するニーズを満足する。また、加熱領域の外壁に保温層を設置することにより加熱領域の保温効果を保証することができる。
【0078】
第3種の方式は、第1弁装置の開度を制御し、加熱領域内の温度を所定の加熱温度区間に保持する。第1弁装置の開度を調整して補助熱交換分岐路の冷媒流量を制御することにより、凝縮加熱器の加熱量と加熱領域の放熱量とは動的に釣り合いを取り、加熱領域内の温度を所定の加熱温度区間に保持する。この方式は、制御の精確度が高く、加熱領域の温度を比較的小さい範囲内に維持することができる。
【0079】
図1に示すように、本発明の第2実施例に係る冷却装置を示し、本発明の第1実施例をさらに改良したものである。第1弁装置は、三方弁108である。補助熱交換分岐路の第1端は、三方弁108を介して圧縮機101の排気口に接続される。補助熱交換分岐路の第2端は、凝縮器102の冷媒入口に接続される。三方弁108を介して圧縮機101の排気口に接続されることにより、圧縮機の排気口から排出された高温冷媒は、補助熱交換分岐路に進入し、加熱領域が十分に高い温度に速く昇温して食材に対して加工処理を行うことができる。また、補助熱交換分岐路を流れた冷媒が再び凝縮器を流れるので、凝縮器は、補助熱交換分岐路から流出した冷媒を十分に利用して、冷却装置自身の冷却効果に対する影響を低下させることができる。
【0080】
図2に示すように、本発明の第3実施例に係る冷却装置を示す。第1弁装置が三方弁108であり、補助熱交換分岐路の第1端が三方弁108を介して凝縮器102の冷媒出口に接続され、補助熱交換分岐路の第2端接続が三方弁108と絞り装置103との間の冷媒循環ループに接続される点は、上記第2実施例と異なる。三方弁108が開となる場合に、冷媒は、補助熱交換分岐路を通過した後に絞り装置103へ流れる。三方弁108を介して凝縮器102の冷媒出口に接続されることにより、凝縮器102の余熱を利用して凝縮加熱器107に対して熱を提供し、更なる加熱部件を使用する必要がなく、コストを節約しやすい。かつ冷媒が凝縮加熱器107により放熱し、絞り装置103に進入する冷媒の温度を低下することができ、エバポレーター104の負荷を低減させ、エバポレーター104がより良好に冷却することができる。冷媒は、全部、凝縮器102を通過した後に、さらに凝縮加熱器107を通過し、冷蔵庫の冷却領域の冷却効果に影響しなく、上記第2実施例の冷却装置に対して、冷蔵庫の全体運転に対する影響は、比較的小さい。
【0081】
図3に示すように、本発明の第4実施例に係る冷却装置を示す。補助熱交換分岐路は、凝縮器102の両端に並列接続され、即ち、補助熱交換分岐路の第1端が三方弁108を介して圧縮機の排気口と凝縮器の第1端との間に接続され、補助熱交換分岐路の第2端が絞り装置103の冷媒入力端に接続される点は、上記第3実施例と異なる。補助熱交換分岐路が凝縮器102の両端に並列接続されるので、圧縮機101の排気口から排出される高温冷媒の一部が補助熱交換分岐路に進入し、ほかの一部が凝縮器102を流れる。上記第2実施例及び第3実施例に比べて、凝縮器102及び凝縮加熱器107を流れた冷媒の温度が同じであるので、加熱効果を兼ねると共に冷蔵庫の運転全体に対する影響が比較的小さい。
【0082】
上記第2実施例~第4実施例では、第1弁装置は、三方弁108以外、ほかの切換弁も使用してもよい。例えば、補助熱交換分岐路に二方弁を設置して、補助熱交換分岐路における冷媒の流量を単独に制御してもよい。
【0083】
また、第2~第4実施例の技術案を組み合わせてもよい。例えば2つの補助熱交換分岐路を同時に設置してもよく、一方の補助熱交換分岐路は、第2実施例のように圧縮機101の排気口と凝縮加熱器107の冷媒入口との間に設けられて圧縮機の排気口の高温冷媒を吸い込み、比較的高い加熱温度を有し、他方の補助熱交換分岐路は、第3実施例のように凝縮加熱器107の冷媒出口と絞り装置103の冷媒入口との間に設けられて凝縮加熱器107から出力する冷媒を吸い込み、比較的低い加熱温度を有する。このようにして、必要に応じて適当な凝縮加熱器107を選択して作動させてもよい。例えば、2つの加熱領域がそれぞれ対応する凝縮加熱器107を設置し、ユーザは、適当な加熱領域を選択して使用してもよく、或いは、1つの加熱領域が対応する2つの凝縮加熱器107を設置し、ユーザは、適当な加熱モードを選択して使用してもよい。
【0084】
所定の加熱温度区間は、加熱温度上限値と加熱温度下限値を含む。制御器は、加熱領域内の温度要求に応じて第1弁装置の作動状態が第2作動状態になるように制御し、加熱領域内の温度を加熱温度上限値と加熱温度下限値との間に保持し、第1弁装置が第1作動状態と第2作動状態との間に繰り返して切り替えることを回避し、その信頼性を向上させる。
【0085】
また、第1弁装置の第2作動状態が間欠的に開となる方式である場合に、加熱温度上限値と加熱温度下限値を設置することにより、加熱温度区間の温度及び変動の幅を制御しやすい。
【0086】
図4に示すように、本発明の一実施例において、加熱領域は、保温箱201内に設けられる。保温箱201は、冷蔵庫のうちの独立する貯蔵室であってもよく、冷蔵庫の冷却領域に内蔵される1つの保温箱201であってもよい。凝縮加熱器は、保温箱201に設けられている。加熱領域が保温箱に設けられ、凝縮加熱器が保温箱内の加熱領域を加熱することにより、保温箱内の温度が下がりにくく、加熱効果を有効的に向上させることができる。
【0087】
図4に示すように、凝縮加熱器107は、凝縮加熱管202を含む。凝縮加熱管202は、保温箱201の底部に配設される。凝縮加熱管により、補助熱交換分岐路における高温冷媒の熱を保温箱に快速に伝達でき、加熱効果がよく、複雑な熱交換装置又は他の導熱媒体を要しなく、コストが低い。熱い空気が上に行き、冷たい空気が下へ行く特性なので、凝縮加熱管202が保温箱201の底部に配設されることにより、熱が保温箱の空間へ伝達しやすく、加熱領域内の温度をより均一にさせ、食材を均一に加熱処理しやすい。当然ながら、当業者は、必要に応じて凝縮加熱管202の配設位置を設定してもよく、例えば保温箱201の底部及び頂部には、共に凝縮加熱管202が設けられ、或いは保温箱201の側壁に凝縮加熱管202を設置する。
【0088】
図4に示すように、本発明の一実施例において、加熱領域は、冷蔵庫の冷却領域に連通するためのエアダクト203を含む。エアダクト203は、加熱領域と冷蔵庫の冷却領域を連通させる。このエアダクト203を介して冷蔵庫の冷却領域の冷気を加熱領域に案内し、食材の冷凍降温処理を実現し、それにより昇温・降温処理を行う必要がある食材の複雑な加工のニーズを満足することができる。
【0089】
エアダクト203の制御を実現するために、本発明の一実施例において、エアダクトにはエアダクト203の流通を制御するためのエアダクト制御装置が設けられている。エアダクト制御装置を起動することにより加熱領域と冷蔵庫の冷却領域との間のエアダクトにおける空気を流通させることができ、冷蔵庫の冷却領域の冷気を加熱領域に案内することができ、食材の降温処理を速くする。エアダクト制御装置を停止した後に、加熱領域と冷蔵庫の冷却領域との間のエアダクトにおける空気は、流通しなく、或いは流通しにくく、それにより冷蔵庫の冷却領域と加熱領域との間の熱交換程度を低下させる。エアダクト制御装置により冷蔵庫の冷却領域の冷気をエアダクトを介して加熱領域に流れ込んで循環させ、加熱領域を降温させることを実現し、それにより昇温・降温処理を行う必要がある食材の複雑な加工のニーズを満足する。
【0090】
エアダクト制御装置の一実施形態によれば、エアダクトに直面してファンが設けられ、ファンの吹付け方向がエアダクト203の入口に向ける。ファンを駆動して作動させることにより、冷蔵庫の冷却領域における冷風を加熱領域に案内して冷蔵庫の冷却領域の冷気をエアダクトを介して加熱領域に流れ込んで循環させることができ、加熱領域の降温操作を実現し、かつファンを使用して冷蔵庫の冷却領域の冷気を加熱領域に案内することにより、加熱領域の降温効率を向上させることができる。
【0091】
エアダクト制御装置の別の実施形態によれば、エアダクト203には、エアダクトを開けるように制御するためのダンパーが設けられる。加熱領域が降温する必要がある場合にダンパーを開けて加熱領域と冷蔵庫の冷却領域との間のエアダクトを連通させ、加熱領域と冷蔵庫の冷却領域との間のエアダクトにおける空気を流通させ、それにより冷蔵庫の冷却領域の冷気を加熱領域に進入させて加熱領域を降温させる。加熱領域が加熱する必要がある場合に制御器によりダンパーを閉めるように制御し、冷気が加熱領域に進入することを防止し、加熱領域の加熱効果を向上させる。
【0092】
当然ながら、幾つかの実施例において、エアダクトには、ダンパー及びファン両方を設置する。即ち、加熱領域を加熱する時に、制御器は、ダンパーが閉めるように制御して良好な加熱効果を達し、加熱領域を降温する必要がある場合に、ダンパーを開けると共にファンを起動し、冷蔵庫の冷蔵室における冷気を加熱領域に早く案内する。
【0093】
また、幾つかの実施例において、エアダクトを設置せず、保温箱201のケースを介して冷蔵庫の冷蔵室へ放熱してもよい。
【0094】
保温箱201は、凝縮加熱管202とエアダクト制御装置が設けられる。凝縮加熱管202を介して第1接続パイプライン109に案内した高温冷媒により、保温箱201における加熱領域の加熱及び保温を実現し、エアダクト制御装置により保温箱201における加熱領域と冷蔵庫の冷蔵室との間のエアダクトを流通させ、冷蔵庫の冷蔵室の冷風を保温箱201に進入させ、温箱201における加熱領域の降温を実現する。
【0095】
それに基づいて、加熱領域の温度要求が降温である場合に、前記第1弁装置は、加熱領域内の温度要求に応じて閉となり、及び、前記エアダクト制御装置は、前記加熱領域内の温度要求に応じて起動し、加熱領域と冷蔵庫の冷却領域との間のエアダクトにおける空気を流通させ、冷蔵庫の冷却領域における冷気を加熱領域に案内する。第1弁装置が閉となるので、凝縮加熱器は加熱しなくなり、加熱領域内の温度は、下がり、加熱領域は、快速に降温し、ユーザの加熱後の食材放熱又は食材の降温処理に対するニーズを満足する。それと同時に冷蔵庫の冷却領域の冷気を利用したので、更なる放熱装置を設置しなくても加熱領域の温度を快速に降温させることができ、ユーザの食材加工の効率及び特別の降温速率に対する要求も有効的に満足することができ、ユーザの食材の複数温度領域処理に対するニーズを満足することができる。
【0096】
本発明の一実施例において、食材に対して、まず加熱し、さらに冷凍する処理を行うことができる。即ち、常温又は冷凍の食材を加熱領域に置いて、制御器は、第1弁装置が第1作動状態になるように制御して高温冷媒を凝縮加熱器107に進入させる。加熱領域内の温度が所定の加熱温度区間に加熱された後に、制御器は、第1弁装置が第2作動状態になるように制御して加熱領域内の温度を所定の加熱温度区間に保持する。食材を一定の時間に加熱した後に、制御器は、第1弁装置が閉となるように制御し、高温冷媒が継続的に補助熱交換分岐路に進入することを停止させ、冷蔵庫の冷却領域と加熱領域との間は、エアダクト203を介して熱交換を行い、加熱領域の温度を低下させ、食材がまず加熱され、さらに降温される処理を実現する。
【0097】
食材に対して、まず加熱し、さらに降温する処理以外に、異なる複数の所定の加熱温度区間を設置して、食材に対して、段階的に、及び時間帯ごとに加熱及び降温処理してもよい。
【0098】
図1図5に示すように、本発明の第5実施例に係る冷却装置を示し、2つの所定の加熱温度区間を含む。一方の所定の加熱温度区間は、第1所定の温度区間△T1であり、他方の所定の加熱温度区間は、第2所定の温度区間△T2である。冷媒循環ループが冷却状態にある場合に、圧縮機101は、持続に運転し、制御器は、第1弁装置が第1作動状態になるように制御して加熱領域内の温度を第1所定の温度区間△T1まで上昇させ、制御器は、第1弁装置が第2作動状態になるように制御し、第1弁装置が間欠的に開となる。即ち、加熱領域の温度が第1加熱温度上限値T2まで上昇した場合に、第1弁装置が閉となり、加熱領域の温度は、下がり、第1加熱温度下限値T1まで下がった場合に、第1弁装置が開となる。以下同様に、加熱領域内の温度が第1所定の温度区間△T1で変動するように制御する。冷媒循環ループが保温状態にある場合に、圧縮機101は、第1弁装置を開けることに伴って起動する。冷媒循環ループが冷却状態にある場合に、圧縮機101が起動状態を維持する。加熱領域の温度が第1所定の温度区間△T1で変動する第1所定の時間△t1は、実際の状況に応じて設定されてもよい。第1所定の時間△t1変動した後に、第1弁装置が閉となり、圧縮機101は、冷蔵庫の冷却領域の状況に応じて停止するか否かを決める。第1弁装置が閉となった後に加熱領域内の温度が下がり、自然に降温してもよく、ファンを介して加熱領域に冷風を吹き付けて降温してもよい。加熱領域内の温度が所定の低温区間T3まで低下した後に、第1弁装置は、開となって加熱領域内の温度を第2所定の温度区間△T2まで上昇させ、第1弁装置が間欠的に開となり、加熱領域内の温度を第2所定の温度区間△T2(即ち、図4に示すT4~T5の間)内で変動させてかつ第2所定の時間△t2持続する。第1所定の温度区間△T1の加熱温度下限値T1は、第2所定の温度区間△T2の加熱温度上限値T5よりも大きい。
【0099】
2つの所定の加熱温度区間を設置することにより、食材をさらに処理することができ、例えば、上記実施例では、澱粉類の食材を処理することに用いられる。米を処理することを例とし、米と水との混合物を加熱領域に置く。第1弁装置が開となって加熱領域内の温度を第1所定の温度区間△T1まで上昇させ、第1弁装置が間欠的に開となり、加熱領域内の温度を第1所定の温度区間△T1で変動させかつ第1所定の時間△t1持続し、米を糊化させる。第1弁装置が閉となり、加熱領域内の温度が所定の低温区間T3に低下した後に、米と水との混合物の凍結融解処理を実現し、第1弁装置が開となって加熱領域内の温度を第2所定の温度区間△T2まで上昇させた後に、第1弁装置が間欠的に開となり、加熱領域内の温度を第2所定の温度△T2区間で変動させかつ第2所定の時間△t2持続し、米と水との混合物の老化を実現する。上記処理により、水に溶解したアミロースを人体に消化され難い難消化性澱粉に変換し、米を物理変性させ、米における難消化性澱粉含有量を顕著に向上させ、米の糖質を減少する目的を実現し、それにより食物のうちの糖質の人体における変換を制御し、処理した食材がより健康になり、人々の食材加工処理に対するニーズを満足する。
【0100】
本発明の一実施例において、加熱領域内の温度は、第2所定の温度区間△T2で変動しかつ第2所定の時間△t2持続した後に、第1弁装置が閉となり、エアダクト制御装置が起動し、加熱領域内の温度を所定の鮮度保持温度区間T6まで低下させる。食材は、この所定の鮮度保持温度区間内に保存し、処理した後の食材は、そのまま加熱領域で鮮度を保持され、ユーザが取り出して保存する必要がない。
【0101】
上記T1、T2、T3、T4、T5、T6の値は、必要に応じて設定されてもよい。本実施例では、T1は、60℃であり、T2は、75℃であり、T3は、0℃~8℃であり、T4は、30℃であり、T5は、30℃であり、T6は、2℃~8℃である。上記実施例では、米についての処理を例として説明したが、本発明の実施例に係る冷却装置は、他の食材、例えば、肉類の食物又は乳製品を処理することに用いられてもよい。
【0102】
上記実施例では、第1弁装置は、第1弁装置が間欠的に開となる方式を採用して、加熱領域内の温度を所定の加熱温度区間に保持しかつ所定の時間持続する。また、第1弁装置が閉となるようにし、或いは第1弁の開度を制御して加熱領域内の温度を所定の加熱温度区間に保持しかつ所定の時間持続してもよい。具体的な実現方法及び原理は、上記実施例に詳しく説明したが、ここで説明を省略する。
【0103】
図6に示すように、本発明の第1形態に係る冷却装置の回路原理ブロックであり、制御器、圧縮機、三方弁、ファン、第1温度センサ及び第2温度センサを含む。第1温度センサは、加熱領域、例えば保温箱に設置され、加熱領域の温度を検出し、それにより加熱領域の温度に基づいて三方弁又は圧縮機の運転を制御する。第2温度センサは、冷蔵庫の冷却領域に設けられ、冷蔵庫の冷却領域内の温度を検出し、それにより冷蔵庫の冷却領域の温度に基づいて圧縮機の運転を制御する。制御器は、それぞれ、制御器、圧縮機、三方弁、ファン、第1温度センサ及び第2温度センサに電気接続する。制御器は、圧縮機、三方弁、ファン、第1温度センサ及び第2温度センサを制御して、上記実施例の制御過程を実現する。
【0104】
図7に示すように、本発明の第2形態に係る冷蔵庫を示し、本発明の第6実施例として、本実施例では、上記実施例1~5のいずれかの実施例の冷却装置を含む。本発明の実施例に係る冷却装置は、上記実施例1~4のいずれかの実施例の技術的効果を有するので、本実施例に係る冷蔵庫も上記技術的効果を有する。圧縮機101の排気口と絞り装置103との間の冷媒循環ループには、高温冷媒が流通するので、補助熱交換分岐路は、圧縮機101の排気口と絞り装置103との間に並列設置され、高温冷媒を補助熱交換分岐路の凝縮加熱器に案内して加熱領域を加熱することができる。第1弁装置により補助熱交換分岐路の開閉を制御することにより、補助熱交換分岐路を独立に制御することができ、第1弁装置の開閉は、冷媒循環ループの正常運転に影響しない。第1弁装置により前記補助熱交換分岐路の冷媒流量を制御することにより、加熱領域内の温度を調整することができ、加熱領域の異なる温度要求を満足し、人々の食材加工処理に対する異なるニーズを満足する。
【0105】
以下、本発明の第3形態に係る冷却装置の制御方法であり、なお、以下の説明は、例示的な説明のみであり、発明を具体的に制限するものではない。
【0106】
本発明の第7実施例に係る冷却装置の制御方法は、図1図6に示される冷却装置を制御することに応用される。本実施例に係る冷却装置の制御方法は、本発明の実施例に係る冷却装置の制御装置により実行される。該冷却装置の制御装置は、冷却装置に配置されて冷却装置の制御を実現してもよい。
【0107】
上記の図1図4図6に示される構成は、第1実施例~第5実施例における説明を参照し、ここで説明を省略する。図8に示すように、本実施例に係る冷却システムの制御方法は、以下のステップを含む。
【0108】
ステップ10:前記加熱領域の温度要求を取得する。
【0109】
ステップ20:前記加熱領域の温度要求に応じて前記第1弁装置の作動状態を制御する。
【0110】
圧縮機の排気口から絞り装置の冷媒入口までの第1接続パイプラインには、高温冷媒が流通し、補助熱交換分岐路は、第1接続パイプラインに並列設置されるので、高温冷媒を補助熱交換分岐路の凝縮加熱器に案内して加熱領域を加熱することができる。第1弁装置が補助熱交換分岐路の冷媒流量を制御することにより、補助熱交換分岐路を独立に制御することができる。補助熱交換分岐路が第1接続パイプラインに並列設置されるので、第1弁装置の作動状態を調整しても冷媒循環ループの正常運転に影響しない。第1弁装置の作動状態を制御することにより、加熱領域内の温度を調整して、加熱領域の異なる温度要求を満足して、人々の食材加工処理に対する異なるニーズを満足する。
【0111】
図9に示すように、前記ステップ20は、以下のステップを含む。
【0112】
ステップ201:前記第1弁装置の作動状態が第1作動状態になるように制御し、加熱領域内の温度を所定の加熱温度区間まで上昇させる。
【0113】
第1弁装置が第1作動状態になるように制御して、補助熱交換分岐路を流れた冷媒流量を調整することにより、加熱領域内の温度を所定の加熱温度区間に達するまで上昇させる。
【0114】
ステップ202:前記第1弁装置の作動状態が第2作動状態になるように制御し、前記加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度区間に保持する。
【0115】
所定の加熱領域は、現在の加熱領域の温度要求に対応し、ユーザの食材加工処理に対するニーズに応じて設定される。第1弁装置が第1作動状態と第2作動状態との間で切り替えることにより、加熱領域の昇温及び温度制御の過程を実現し、ユーザの食材に対する加熱要求を満足する。
【0116】
圧縮機101が運転する場合に、冷媒は、凝縮器102を流れ、このようにして冷蔵庫の冷却領域の温度を低下させる。冷蔵庫の冷却領域には冷却要求がない場合に、冷蔵庫の冷却領域の温度を冷蔵庫の冷却領域の設置温度よりも低くする。冷蔵庫の冷却領域の正常温度に影響することを回避するために、本発明の一実施形態によれば、凝縮器102と補助熱交換分岐路の第2端との間には第2弁装置を設置する。冷蔵庫の冷却領域には冷却要求がないが、加熱領域には加熱要求がある場合に、第1弁装置が開となって、第2弁装置が閉となり、冷媒は、全部、補助熱交換分岐路を通過して冷媒循環ループに進入する。冷媒が凝縮器102を流れないので、冷蔵庫の冷却領域の温度を低下させない。また、冷媒が全部、補助熱交換分岐路の凝縮加熱器107を流れるので、加熱領域に対する加熱効果は、より良好になる。
【0117】
別の実施形態によれば、第2弁装置を設置する必要がない。冷蔵庫の冷却領域には冷却要求がない場合に、圧縮機101を起動して作動させ、この場合に、冷蔵庫の冷却領域の温度を低下させ、加熱領域が冷蔵庫の冷却領域へ熱を放出するので、圧縮機101は、第1弁装置と共に作動し、エバポレーターを介して冷蔵庫の冷却領域を降温させ、冷蔵庫システム全体は、動的に釣り合いを保持する。それには、加熱領域と冷蔵庫の冷却領域との熱伝達効率を設定する必要がある。
【0118】
第1弁装置の第1作動状態は、第1弁装置を第1開度に開けて、加熱領域内の温度を上昇させる。一実施形態によれば、第1開度は、第1弁装置の最大開度であり、このようにして補助熱交換分岐路の冷媒流量が最も大きくなり、凝縮加熱器107が放出する熱が最も高く、加熱領域を快速に所定の加熱温度区間に上昇させて食材を加熱する時間を節約することができる。別の実施形態によれば、第1開度は、加熱領域を昇温可能である開度である。言い換えれば、この際に凝縮加熱器107が放出する熱は、加熱領域の放熱量より多く、このようにして加熱領域を次第に昇温することができる。このようにして、加熱領域の昇温効率が低いものの、冷媒循環ループに対する影響は比較的に小さい。また、冷蔵庫の冷却領域の状態に応じて第1弁装置を開ける開度を調整して、加熱領域の加熱のニーズを満足すると共に、冷蔵庫の冷蔵室に対する影響を低下させることができる。
【0119】
図10に示すように、本発明の第8実施例に係る冷却装置の制御方法を示し、前記所定の加熱温度区間は、加熱温度上限値と加熱温度下限値を含み、前記ステップ202は、以下のステップを含む。
【0120】
ステップ2021:前記加熱領域内の温度が加熱温度上限値に加熱されるまで待つ。
【0121】
ステップ2022:前記第1弁装置が間欠的に開となるように制御し、前記加熱領域内の温度を前記加熱温度上限値と加熱温度下限値との間で変動させる。
【0122】
加熱温度上限値と加熱温度下限値を設置することにより、加熱温度区間の温度及び変動の幅を制御することができる。加熱領域内の温度は、加熱温度上限値と加熱温度下限値との間に保持され、第1弁装置が第1作動状態と第2作動状態との間で繰り返して切り替えることを回避し、その信頼性を向上させる。また、第1弁装置が間欠的に開となる制御方式は、簡単であり、加熱領域の温度検出に連動して制御するだけで、複雑な制御アルゴリズムを要しなく、第1弁装置に対して開度調整する必要もなく、コストが低い弁装置と弁駆動装置を選択してもよい。
【0123】
図11に示すように、本発明の第9実施例に係る冷却装置の制御方法を示し、所定の加熱温度区間は、加熱温度上限値と加熱温度下限値を含み、上記ステップ202は、以下のステップを含む。
【0124】
ステップ2023:領域内の温度が所定の加熱温度区間まで加熱された後に、前記第1弁装置が閉となるようにし、前記加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度内でゆっくり低下させる。
【0125】
加熱領域の保温効果を保証することにより、例えば、加熱領域の外壁には保温層が設けられ、このように、第1弁装置が閉となっても、加熱領域の温度がゆっくり下がるので、加熱領域は、一定の時間内、所定の加熱温度区間に保持され、食材加工処理に対するニーズを満足する。
【0126】
図12に示すように、本発明の第10実施例に係る冷却装置の制御方法を示し、所定の加熱温度区間は、加熱温度上限値と加熱温度下限値を含み、上記ステップ202は、以下のステップを含む。
【0127】
ステップ2024:加熱領域内の温度が所定の加熱温度区間まで加熱された後に、前記第1弁装置の開度を制御し、前記加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度区間に保持する。
【0128】
ステップ2024では、前記第1弁装置の開度を制御することは、具体的に、前記第1弁装置の開度が第2開度になるように制御し、第1弁装置の開度が第2開度になるように制御することにより、補助熱交換分岐路の冷媒流量を制御して、凝縮加熱器の加熱量と加熱領域の放熱量とは動的に釣り合いを取り、加熱領域内の温度を所定の加熱温度区間に保持することを含む。この方式は、制御の精確度が高く、加熱領域の温度を比較的小さい範囲内に維持することができる。前記第2開度は、第1開度の開度よりも小さい。例えば、第1開度は、第1弁装置の最大開度であると、第2開度は、第1開度の80%であってもよい。上記数値は、1つの例示のみであり、具体的な数値は、加熱領域の放熱状況と凝縮加熱器の加熱量に応じて設置される必要がある。第2開度の大小を設置することにより、前記加熱領域内の温度を前記所定の加熱温度区間に保持する。
【0129】
図13に示すように、本発明の第11実施例に係る冷却装置の制御方法は、ステップ20がさらに以下のステップを含む。
【0130】
ステップ203:前記第1弁装置が閉となるように制御し、前記加熱領域内の温度を所定の低温区間まで低下させる。
【0131】
具体的には、上記ステップ203は、エアダクト制御装置が起動するように制御し、加熱領域と冷蔵庫の冷却領域内の空気を流通させ、加熱領域内の温度を所定の低温区間まで低下させることを含む。
【0132】
エアダクト制御装置により加熱領域と冷蔵庫の冷却領域との間のエアダクトにおける空気を流通させることができる。加熱領域に対して降温処理を行う必要がある場合に、第1弁装置が閉となるように制御し、エアダクト制御装置は、起動し、冷蔵庫の冷却領域の冷気をエアダクトを介して加熱領域に流れ込んで循環させ、加熱領域の降温を実現する。第1弁装置が閉となるので、凝縮加熱器は加熱しなくなる。それと同時に、冷蔵庫の冷却領域の冷気を利用したので、加熱領域の温度は快速に降温し、ユーザの食材加工の効率及び特別の降温速率に対する要求を有効的に満足することができ、ユーザの食材の複数温度領域処理に対するニーズを満足することができ、それにより昇温・降温処理を行う必要がある食材に対する複雑な加工のニーズを満足することができる。
【0133】
本発明の第4形態によれば、食材処理方法を提供し、図1図4図6に示される冷却装置に応用される。本実施例に係る冷却装置の制御方法は、本発明の実施例に係る冷却装置の制御装置により実行され、該冷却装置の制御装置は、冷却装置に配置され、冷却装置の制御を実現してもよい。上記の図1図7に示される構成は、第1実施例~第5実施例における説明を参照し、ここで説明を省略する。図5及び図14に示すように、本発明の第12実施例として、本実施例に係る食材処理方法は、以下のステップを含む。
【0134】
ステップ301:前記第1弁装置が第1作動状態になるように制御し、加熱領域内の温度を第1所定の温度区間△T1まで上昇させる。
【0135】
ステップ302:前記第1弁装置が第2作動状態になるように制御し、前記加熱領域内の温度を前記第1所定の温度区間△T1に保持しかつ第1所定の時間△t1持続する。
【0136】
ステップ303:前記第1弁装置が閉となるように制御し、前記エアダクト制御装置が起動するように制御する。
【0137】
ステップ304:前記加熱領域内の温度を所定の低温区間T3まで低下させた後に、前記エアダクト制御装置を停止する。
【0138】
ステップ305:前記第1弁が第1作動状態になるように制御し、加熱領域内の温度を第2所定の温度区間△T2まで上昇させる。
【0139】
ステップ306:前記第1弁装置が第2作動状態になるように制御し、前記加熱領域内の温度を前記第2所定の温度区間△T2に保持しかつ第2所定の時間△t2持続する。
【0140】
2つの所定の加熱温度区間を設置することにより、食材をさらに処理することができ、例えば、上記実施例において、澱粉類の食材を処理することに用いられる。米を処理することを例とし、米と水との混合物を加熱領域に置く。第1弁装置が第1作動状態になるように制御して加熱領域内の温度を第1所定の温度区間△T1まで上昇させ、第1弁装置が第2作動状態になるように制御して、加熱領域内の温度を第1所定の温度区間△T1に保持しかつ第1所定の時間△t1持続し、米を糊化させる。第1弁装置が閉となり、加熱領域内の温度が所定の低温区間T3に低下した後に、米と水との混合物の凍結融解処理を実現し、第1弁装置が第1作動状態になるように制御して加熱領域内の温度を第2所定の温度区間△T2に上昇させた後に、第1弁装置が第2作動状態になるように制御し、加熱領域内の温度を第2所定の温度△T2区間に保持しかつ第2所定の時間△t2持続し、米と水との混合物の老化を実現する。上記処理により、水に溶解したアミロースを人体に消化され難い難消化性澱粉に変換し、米を物理変性させることができ、米における難消化性澱粉含有量を顕著に向上させ、米の糖質を減少する目的を実現し、それにより食物のうちの糖質の人体における変換を制御し、処理後の食材がより健康になり、人々の食材加工処理に対するニーズを満足する。
【0141】
図15に示すように、本発明の第13実施例に係る食材処理方法は、さらに、以下のステップを含む。
【0142】
ステップ307:第1弁装置が閉となるように制御し、前記エアダクト制御装置が起動し、加熱領域と冷蔵庫の冷却領域内の空気を流通させ、加熱領域内の温度を所定の鮮度保持温度区間T6まで低下させる。食材がこの所定の鮮度保持温度区間内に保存され、処理した後の食材はそのまま加熱領域で鮮度を保持され、ユーザがさらに取り出して保存する必要がない。
【0143】
以上の本発明の第12実施例及び第13実施例では、第1弁装置の作動状態が第1作動状態になるように制御することは、上記実施例のように、第1弁装置を最大開度に開けることでもよいし、或いは第1弁装置を開ける開度は、加熱領域を昇温可能な開度でもよい。第1弁装置の作動状態が第2作動状態になるように制御することは、上記実施例のように、第1弁装置が間欠的に開となる方式を採用して、加熱領域内の温度を所定の加熱温度区間に保持してかつ所定の時間持続してもよいし、第1弁装置が閉となるようにするか或いは第1弁の開度を制御して、加熱領域内の温度を所定の加熱温度区間に保持しかつ所定の時間に持続してもよい。具体的な実現方法及び原理は、上記実施例において詳しく説明し、ここで説明を省略する。
【0144】
図16に示すように、本発明の第5形態に係る制御装置を示し、該制御装置は、任意の類型の制御モジュール、例えば制御ボード、制御ボックス、制御チップなどであってもよい。
【0145】
具体的には、該制御装置は、1つ又は複数のプロセッサ及び記憶器を含み、図16には、1つのプロセッサ及び記憶器を例とする。プロセッサ及び記憶器は、バス又は他の方式により接続してもよく、図16には、バスを介して接続することを例とする。
【0146】
記憶器は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として、非一時的なソフトウェアプログラム及び非一時的なコンピュータ実行可能なプログラム、例えば、本発明の第3形態の実施例に係る冷却装置の制御方法又は本発明の第4形態に係る食材処理方法を記憶してもよい。プロセッサは、記憶器に記憶される非一時的なソフトウェアプログラム及び命令を実行することにより、上記の本発明の第3形態の実施例に係る冷却装置の制御方法又は本発明の第4形態に係る食材処理方法を実現する。
【0147】
記憶器は、プログラム記憶領域とデータ記憶領域を含んでもよい。プログラム記憶領域は、操作システム、少なくとも1つの機能に必要であるアプリケーションプログラムを記憶してもよい。データ記憶領域は、上記の第3形態の実施例における冷却装置の制御方法を実行するのに必要であるデータなどを記憶してもよい。また、記憶器は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、非一時的なメモリ、例えば、少なくとも1つの磁気ディスク記憶デバイスや、フラッシュデバイス、他の非一時的なソリッドステート装置も含んでもよい。幾つかの実施形態では、記憶器は、プロセッサに対して遠隔設置される記憶器を含んでもよく、こられの遠隔記憶器は、ネットワークを介して該端末に接続されてもよい。上記ネットワークの実例は、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動通信ネットワーク及びその組合せを含むが、それに限定されていない。
【0148】
上記の本発明の第3形態の実施例における冷却装置の制御方法又は本発明の第4形態に係る食材処理方法を実現するのに必要である非一時的なソフトウェアプログラム及び命令は、記憶器に記憶され、1つ又は複数のプロセッサにより実行される場合に、上記の本発明の第3形態の実施例における冷却装置の制御方法又は本発明の第4形態に係る食材処理方法を実行し、例えば、以上に説明した図8の方法のステップ10~ステップ20、図9の方法のステップ201~ステップ202、図10の方法のステップ2021~ステップ2022、図11の方法のステップ2023、図12の方法のステップ2024、図13の方法のステップ201~ステップ203、図14の方法のステップ301~ステップ306、図15の方法のステップ301~ステップ307を実行する。
【0149】
図16に示すように、本発明の第6形態に係る冷蔵庫を示し、前記冷蔵庫は本発明の第5形態に係る制御装置を含む。
【0150】
本発明の第7形態によれば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、該コンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、コンピュータ実行可能な命令が記憶されており、該コンピュータ実行可能な命令は、1つ又は複数の制御プロセッサにより実行され、例えば、図16における1つのプロセッサにより実行され、上記の1つ又は複数のプロセッサに上記の本発明の第3形態の実施例における冷却装置の制御方法又は本発明の第4形態に係る食材処理方法を実行させることができ、例えば、以上に説明する図8の方法のステップ10~ステップ20、図9の方法のステップ201~ステップ202、図10の方法のステップ2021~ステップ2022、図11の方法のステップ2023、図12の方法のステップ2024、図13の方法のステップ201~ステップ203、図14の方法のステップ301~ステップ306、図15の方法のステップ301~ステップ307を実行する。
【0151】
以上に説明した装置の実施例は、例示的なものであり、独立部材として説明したユニットは、物理的に分離してもよく、分離しなくてもよい。即ち、1つの箇所に位置してよく、複数のネットワークユニットに分散してもよい。実際の必要に応じてそのうちの一部又は全部のモジュールを選択して本実施例の技術案の目的を実現してもよい。
【0152】
当業者は、以上に開示された方法のうちの全部又は一部のステップ、システムがソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア及びその適当な組合せとして実施されることができると理解すべきである。一部又は全部の物理コンポーネントは、プロセッサ、例えば中央プロセッサや、デジタル信号プロセッサ、マイクロプロセッサにより実行されるソフトウェアとして実施されてもよく、或いはハードウェアとして実施され、或いは集積回路、例えば専用集積回路として実施されてもよい。このようなソフトウェアは、コンピュータ読み取り可能な媒体に分布してもよく、コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータ記憶媒体(或いは非一時的な媒体)と通信媒体(或いは一時的な媒体)を含んでもよい。当業者が周知するように、コンピュータ記憶媒体という用語は、情報(例えば、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構成、プログラムモジュール又は他のデータ)を記憶するためのいずれかの方法又は技術において実施される揮発性媒体又は不揮発性媒体、取り外し可能な媒体又は取り外し不可な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュや他のメモリ、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)やほかの光ディスク、磁気ボックス、磁気テープ、磁気ディスクや他の磁気記憶装置、所望する情報を記憶しかつコンピュータにアクセスできるいずれかのほかの媒体を含むが、それに限定されていない。また、当業者が周知するように、通信媒体は、通常、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュールや、搬送波、ほかのトランスミッション・メカニズムなどの変調データ信号のうちの他のデータ、いずれかの情報伝送媒体を含む。
【0153】
本発明の実施形態を示して説明したが、当業者は、本発明の原理及び要旨を逸脱しない場合にこれらの実施形態に対して複数種の変更、修正、置換及び変形を行うことができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその同等物により限定される。
【符号の説明】
【0154】
101…圧縮機、102…凝縮器、103…絞り装置、104…エバポレーター、105…液貯蔵部、106…還気熱交換管、107…凝縮加熱器、108…三方弁、109…第1接続パイプライン、110…第2接続パイプライン、201…保温箱、202…凝縮加熱管、203…エアダクト。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17