(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】カスタマ構内設備
(51)【国際特許分類】
H04B 1/38 20150101AFI20240617BHJP
H04W 88/04 20090101ALI20240617BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240617BHJP
【FI】
H04B1/38
H04W88/04
H04W84/12
(21)【出願番号】P 2022576113
(86)(22)【出願日】2021-05-26
(86)【国際出願番号】 CN2021096057
(87)【国際公開番号】W WO2021258969
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2022-12-09
(31)【優先権主張番号】202010582232.8
(32)【優先日】2020-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】張永亮
【審査官】鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-236407(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111278173(CN,A)
【文献】中国実用新案第204425381(CN,U)
【文献】特開平06-169483(JP,A)
【文献】特開2005-080112(JP,A)
【文献】特開2012-114844(JP,A)
【文献】特開平03-109891(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/38
H04W 88/04
H04W 84/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コネクタ、第1内部接続ポート、及び第1外部接続ポートを含むデジタル移動通信モジュールと、
第2コネクタ、第2内部接続ポート、及び第2外部接続ポートを含む無線ローカルエリアネットワーク通信モジュールと、を含み、
前記デジタル移動通信モジュール及び前記無線ローカルエリアネットワーク通信モジュールは、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタを介して着脱可能に接続され、
前記第1内部接続ポート及び前記第2内部接続ポートは、前記デジタル移動通信モジュールと前記無線ローカルエリアネットワーク通信モジュールとが接続された場合に信号伝送を行うように構成されており、
前記第1外部接続ポート及び前記第2外部接続ポートは、前記デジタル移動通信モジュールと前記無線ローカルエリアネットワーク通信モジュールとが分離された場合に信号伝送を行うように構成されているカスタマ構内設備。
【請求項2】
前記デジタル移動通信モジュール及び前記無線ローカルエリアネットワーク通信モジュールの少なくとも一方に設けられる制御処理ユニットをさらに含む請求項1に記載のカスタマ構内設備。
【請求項3】
前記デジタル移動通信モジュール及び前記無線ローカルエリアネットワーク通信モジュールの少なくとも一方に設けられる電源ユニットをさらに含む請求項1に記載のカスタマ構内設備。
【請求項4】
前記第1内部接続ポート、前記第2内部接続ポート、前記第1外部接続ポート及び前記第2外部接続ポートはさらに、電力伝送を行うように構成されている請求項3に記載のカスタマ構内設備。
【請求項5】
前記第1内部接続ポート及び前記第2内部接続ポートは、対になっている基板対基板コネクタである請求項1に記載のカスタマ構内設備。
【請求項6】
前記第1外部接続ポート及び前記第2外部接続ポートは、通信ケーブルを接続するように構成されている請求項1に記載のカスタマ構内設備。
【請求項7】
前記第1内部接続ポート、前記第2内部接続ポート、前記第1外部接続ポート及び前記第2外部接続ポートは、いずれもWANポートである請求項1に記載のカスタマ構内設備。
【請求項8】
前記制御処理ユニットは、前記デジタル移動通信モジュールに設けられている場合、第1プロセッサと第1回線切り替えモジュールを含み、前記第1プロセッサと前記第1回線切り替えモジュールは電気的に接続され、前記第1回線切り替えモジュールは、前記第1プロセッサと前記第1内部接続ポート、又は前記第1プロセッサと第1外部接続ポートをゲートするように構成されている請求項2に記載のカスタマ構内設備。
【請求項9】
前記制御処理ユニットは、前記無線ローカルエリアネットワーク通信モジュールに設けられている場合、第2プロセッサと第2回線切り替えモジュールを含み、前記第2プロセッサと前記第2回線切り替えモジュールは電気的に接続され、前記第2回線切り替えモジュールは前記第2プロセッサと前記第2内部接続ポート、又は前記第2プロセッサと前記第2外部接続ポートをゲートするように構成されている請求項2に記載のカスタマ構内設備。
【請求項10】
前記デジタル移動通信モジュール及び前記無線ローカルエリアネットワーク通信モジュールの少なくとも一方に設けられた近接センサをさらに含み、前記近接センサは、前記デジタル移動通信モジュール及び前記無線ローカルエリアネットワーク通信モジュール
が一体化して動作するのか、分割して作動するのかを検出
し、一体化して動作する場合に接近信号を供給するように構成されている請求項1に記載のカスタマ構内設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願番号202010582232.8、出願日2020年06月23日の中国特許出願に基づいて提出され、当該中国特許出願の優先権を主張しており、当該中国特許出願の全内容はここで参考として本願に組み込まれている。
【0002】
本願の実施例は、情報処理の技術分野に関するが、これに限定されるものではなく、特にカスタマ構内設備に関する。
【背景技術】
【0003】
カスタマ構内設備(CPE:Customer Premises Equipment)は、デジタル移動通信信号を受信し、無線Wi-Fi(電子機器が無線ローカルエリアネットワークに接続することを可能にする技術)信号で転送する移動アクセス機器である。従来のCPEは高速4G、5Gデジタル移動信号をWi-Fi信号に変換することで、Wi-Fi信号範囲内の複数の移動端末が同時に移動通信ネットワークにアクセスできるようにしている。
【0004】
従来の5Gデジタル移動信号(ミリ波信号とSub-6GHz信号を含む)にアクセスするカスタマ構内設備CPEには主に2種類がある。1つは5G通信モジュールとWi-Fiモジュールを統合したもの、もう1つは5G通信モジュールのみを備えており、追加で購入したWi-Fi機器と併用する必要があるものである。
【0005】
5G通信モジュールとWi-Fiモジュールを統合したCPE、特にミリ波通信モジュールを持つものについては、発熱が激しいだけでなく、信号が不良になりやすい。例えば、そのようなCPEが屋外に配置された場合、例えば、窓の外側に配置された場合、ガラス、他の偶発的な移動物や人によってブロックされたために、屋内の受信信号は不安定であり、屋内に配置された場合、中高周波数の信号の減衰とスクランブルが深刻化する。
【0006】
5G通信モジュールのみを備えているCPEについては、自身はWi-Fiモジュールを持っていないため、市場のWi-Fi機器と組み合わせて使用する必要があるが、これは互換性や機器の処理能力のミスマッチなどの問題があり、ユーザーの使用エクスペリエンスに影響を与えることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以下、本明細書で詳細に説明されている主題の概要を示す。本概要は、特許請求の範囲の特許範囲を限定するものではない。
【0008】
本願の実施例は、カスタマ構内設備を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の実施例に係るカスタマ構内設備は、第1コネクタ、第1内部接続ポート、及び第1外部接続ポートを含むデジタル移動通信モジュールと、第2コネクタ、第2内部接続ポート、及び第2外部接続ポートを含む無線ローカルエリアネットワーク通信モジュールと、を含み、前記デジタル移動通信モジュール及び前記無線ローカルエリアネットワーク通信モジュールは、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタを介して着脱可能に接続され、前記第1内部接続ポート及び前記第2内部接続ポートは、前記デジタル移動通信モジュールと前記無線ローカルエリアネットワーク通信モジュールとが接続された場合に信号伝送を行うように構成されており、前記第1外部接続ポート及び前記第2外部接続ポートは、前記デジタル移動通信モジュールと前記無線ローカルエリアネットワーク通信モジュールとが分離された場合に信号伝送を行うように構成されている。
【0010】
本明細書の他の特徴及び利点は、後の明細書で説明され、本明細書から部分的に明らかになるか、又は本明細書を実施することによって理解される。本願の目的及び他の利点は、明細書、特許請求の範囲、及び図面において特に指摘された構造によって達成され得る。
【0011】
図面は本願の技術案の更なる理解を提供するために使用され、明細書の一部を構成し、本願の実施例と共に本願の技術案を説明するために使用され、本願の技術案を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】いくつかの場合におけるカスタマ構内設備の概略図である。
【
図2】本願の一実施例に係るカスタマ構内設備の概略図である。
【
図3】本願の他の実施例に係るカスタマ構内設備の概略図である。
【
図4】本願の他の実施例に係るカスタマ構内設備の概略図である。
【
図5】本願の他の実施例に係るカスタマ構内設備の概略図である。
【
図6】本願の他の実施例に係るカスタマ構内設備の概略図である。
【
図7】本願の他の実施例に係るカスタマ構内設備の概略図である。
【
図8】本願の他の実施例に係るカスタマ構内設備の概略図である。
【
図9】本願の一実施例における内部接続チャネルと外部接続チャネルの切り替えのフローチャートである。
【
図10】本願の他の実施例に係るカスタマ構内設備の概略図である。
【
図11】本願の他の実施例に係るカスタマ構内設備の構造概略図である。
【
図12】本願の他の実施例に係るカスタマ構内設備の適用シナリオの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本願の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、図面及び実施例を参照して、本願をさらに詳細に説明する。なお、ここに記載される具体的な実施例は、本願を説明するためにのみ使用され、本願を限定するものではない。
【0014】
なお、機能モジュールの分割は装置の概略図に示され、論理的順序はフローチャートに示されているが、示された又は説明されたステップは、場合によっては、装置のモジュール分割又はフローチャートに示された順序とは異なるもので実行されてもよい。明細書、特許請求の範囲、又は上記の図面における「第1」、「第2」などの用語は、特定の順序又は優先順位を説明するために使用されるのではなく、類似の対象を区別するためのものである。さらに、「第1」、「第2」という用語は説明の目的にのみ使用され、相対的重要性を指示又は示唆したり、示された技術的特徴の数を暗示したりするとは解されない。このように、「第1」及び「第2」に限定される特徴は、1つ又は複数の特徴を明示的又は暗黙的に含んでもよい。
【0015】
なお、本願の実施例には、上、下、左、右、前、後などの方向を示す表現が記載されている場合、この方向を示す表現は、ある特定の姿勢(例えば、図面に示す)における各構成要素間の相対的な位置関係や動きなどを説明するためにのみ使用され、特定の姿勢が変化すると、この方向を示す表現もそれに応じて変化するものとする。
【0016】
さらに、別段の明示的な規定及び限定がない限り、「接続/連結」という用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続又は可動接続、取り外し可能接続又は取り外し不可能接続、又は一体的接続であってもよいし、機械的接続、電気的接続、又は相互通信であってもよいし、直接接続、中間媒体を介した間接的接続、2つの要素の内部連通又は2つの要素の相互作用関係であってもよい。
【0017】
最後に、本願の説明において、「一実施例/実施形態」、「他の実施例/実施形態」、又は「いくつかの実施例/実施形態」などの用語を参照する説明は、実施形態又は例を参照して説明された具体的な特徴、構造、材料、又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は実施形態に含まれることを意味する。本願において、上述の用語の概略的な表現は、必ずしも同じ例示的な実施例又は実施形態を指すものではない。さらに、説明される具体的な構成要素、構造、材料、又は特徴は、任意の1つ又は複数の実施例又は実施形態において適切な方法で組み合わされてもよい。
【0018】
本願の実施例のCPEは、デジタル移動通信モジュール及び無線ローカルエリアネットワーク通信モジュールを含み、デジタル移動通信モジュールは、第1コネクタ、第1内部接続ポート、及び第1外部接続ポートを含み、無線ローカルエリアネットワーク通信モジュールは、第2コネクタ、第2内部接続ポート、及び第2外部接続ポートを含み、デジタル移動通信モジュール及び無線ローカルエリアネットワーク通信モジュールは、第1コネクタ及び第2コネクタを介して着脱可能に接続され、第1内部接続ポート及び第2内部接続ポートは、デジタル移動通信モジュールと無線ローカルエリアネットワーク通信モジュールとが接続された場合に信号伝送を行うように構成されており、第1外部接続ポート及び第2外部接続ポートは、デジタル移動通信モジュールと無線ローカルエリアネットワーク通信モジュールとが分離された場合に信号伝送を行うように構成されている。本願の実施例のCPEは、デジタル移動通信モジュールと無線ローカルエリアネットワーク通信モジュールの両方を備えており、両者の間に優れた互換性があり、機器の処理能力のミスマッチなどの問題を解決し、顧客による配置を容易にする。さらに、本願の実施例によれば、デジタル移動通信モジュール及び無線ローカルエリアネットワーク通信モジュールは、それぞれのキャビティを有し、機器全体の消費電力が1つのキャビティに集中しなくなり、システム全体の放熱の最適化に有利である。また、デジタル移動通信モジュールと無線ローカルエリアネットワーク通信モジュールを分割可能に設計することにより、CPEの使用シナリオを多様化することができ、屋内の無線ネットワークの信号が良い場合に一体化して屋内で使用してもよいし、屋内の無線ネットワーク信号が悪い場合にデジタル移動通信モジュールを含む部分を屋外に配置し、無線ローカルエリアネットワーク通信モジュールの部分を屋内に配置してもよく、このように、一部のシナリオにおいて信号が良くないという問題を解決し、ユーザーにより良い使用エクスペリエンスを与えることができる。
【0019】
以下、図面を参照して本願の実施例についてさらに説明する。
【0020】
図1に示すように、従来の一般的なカスタマ構内設備10は、デジタル移動通信モジュール110及びWi-Fi通信モジュール120を含み、デジタル移動通信モジュール110は、一般的に、移動通信事業者によって提供される通信信号にアンテナを介してアクセスする無線アクセス2G~5Gデジタル移動通信モジュールであり、移動アクセス端末とも呼ばれる。Wi-Fi通信モジュール120は、ローカル無線データアクセスサービスを提供し、無線アクセス端末と呼ばれる。いくつかの例では、カスタマ構内設備10は、近距離通信能力を提供するブルートゥース/ZigBee通信モジュール130をさらに含んでもよい。デジタル移動通信モジュール110及びWi-Fi通信モジュール120は、共通のプロセッサ140及びメモリ150に接続されて情報処理を行い、その後、回線切り替え回路160を介して、有線ワイドエリアネットワーク(WAN:Wide Area Network)ポート170及びローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)ポート180に切り替えられて、ワイドエリアネットワークWAN及び/又はローカルエリアネットワークLANにアクセスして、有線通信信号にアクセスし、有線アクセス端子と呼ばれる。電源モジュール190は、システム全体に電力を供給する役割を担う。カスタマ構内設備10は、屋外の5G信号を屋内のWi-Fi信号に変換して非5G携帯電話の接続に使用することにより、現在多数存在する4G携帯電話でも5G通信網が提供する高速データサービスを利用できるようにする。
【0021】
しかし、5G移動通信の場合、4G移動通信と比べて10~100倍のユーザー速度の需要がある。拡張移動ブロードバンド(eMBB:enhanced Mobile BroadBand)業務について、国際電気通信連合(ITU:International Telecommunication Union)のピーク速度指標は下り20Gbit/s、上り10Gbit/s(ユーザーエクスペリエンス速度指標は下り100Mbit/s、上り50Mbit/s)で、遅延指標は4ms以下となっている。
【0022】
また、Wi-Fi技術も802.11ax(つまりWi-Fi6)へと同時に発展し、2.4GHz帯と5GHz帯をサポートし、下位ではA/b/g/n/acと互換性があり、最高帯域幅が2.4Gbps、最高速度が9.6Gbpsに達する。前世代のWi-Fi技術標準と比べると、Wi-Fi6のデータ伝送速度は4割向上し、ネットワーク容量を拡大した。
【0023】
5G通信モジュールとWi-Fi通信モジュールの伝送速度が同期して向上した場合、それらと組み合わせて使用するプロセッサ及び無線通信回路の無線周波数パワーアンプの消費電力は顕著に増加し、これはカスタマ構内設備の放熱に対する要件が厳しくなる。一方、家庭や普通のビジネスシナリオではカスタマ構内設備が小型化しているので、消費電力放熱と機器の体積との間の矛盾はますます深刻化する。
【0024】
このため、本願の実施例は、構造上、移動通信と無線通信の2つの部分に分けられるカスタマ構内設備を提案しており、移動通信部分は2G~5Gなどの広域移動ネットワーク通信技術を採用し、無線通信部分はWi-Fi、ブルートゥース(登録商標)やZigBee(登録商標)などの短距離無線ネットワーク技術を採用し、この2つの部分は一体として使用されてもよく、別々に使用されてもよく、設備全体の放熱に役立つ。具体的には、
図2に示すように、本願の一実施例では、カスタマ構内設備20の移動通信部分及び無線通信部分は、それぞれ独立した筐体を有しており、2つの独立した構造のキャビティ、すなわち移動通信構造キャビティ21と無線通信構造キャビティ22が構成され、これら2つの構造キャビティの内部にはそれぞれの回路とデバイスが収容されており、すなわち、移動通信構造キャビティ21には移動通信回路23が収容され、無線通信構造キャビティ22には無線通信回路24が収容されている。移動通信構造キャビティ21と無線通信構造キャビティ22の2つの構造キャビティは、例えば筐体に設けられたコネクタ(
図1には示されていない)を介して一体化されていてもよいし、分割されて異なる位置に配置されていてもよい。分割された場合、2つの構造キャビティ内にそれぞれ位置する移動通信回路23と無線通信回路24とは、通信ケーブル25を介して接続される。接続のための通信ケーブル25は、1本又は複数本であってもよく、いくつかの実施例では、いくつかの通信ケーブル25は電源コードを含む。
【0025】
図2に示すような実施形態は、CPEの消費電力放熱が1つのキャビティに集中しないようにすることができ、システム全体の放熱の最適化に有利であり、また、より重要なことに、CPEの使用シナリオを多様化することができ、屋内の無線ネットワーク信号が良い場合に一体化して屋内で使用してもよいし、屋内の無線ネットワーク信号が悪い場合に移動(例えば、5G)通信部分の構造キャビティを屋外に、無線(例えば、Wi-Fi)通信部分の構造キャビティを屋内に配置してもよい。5G通信にSub-6GHz信号が使用されている場合、一般的な家庭やビジネス環境下では、3GHz以下の低周波数帯では、信号の透過力が強いため分割応用の優位性が明らかではなく、3GHz以上の場合、分割応用が通信性能を大幅に向上させることができ、5G通信に数十GHzのミリ波が使用されている場合、ミリ波はスクランブルされやすく透過力が劣るため、分割応用により安定した通信が保障される。また、窓側にない厚いコンクリート製の部屋や地下室など、移動通信信号が極めて劣悪な環境下でも、4G通信を用いたCPEを分割して適用する必要性がある。
【0026】
具体的には、
図2の移動通信部分及び無線通信部分の回路システムは、様々な実施形態が可能である。
【0027】
図3及び
図4に示すように、本願のいくつかの実施例では、カスタマ構内設備20は、デジタル移動通信モジュール210と、無線ローカルエリアネットワーク通信モジュール220と、制御処理ユニット230とを含む。本実施例では、デジタル移動通信モジュール210及び無線ローカルエリアネットワーク通信モジュール220は制御処理ユニット230を共用する。カスタマ構内設備20は、無線信号を変調して送受信するための、非共用のアンテナフィーダ及び無線周波数送受信モジュール、すなわち、デジタル移動通信モジュール210専用の第1アンテナフィーダ及び無線周波数送受信モジュール
212と、無線ローカルエリアネットワーク通信モジュール220専用の第2アンテナフィーダ及び無線周波数送受信モジュール
222とをさらに含む。さらに、デジタル移動通信モジュール210は第1コネクタ211を含み、無線ローカルエリアネットワーク通信モジュール220はさらに第2コネクタ221を含み、第1コネクタ211と第2コネクタ221とが協働して接続を行って、デジタル移動通信モジュール210と無線ローカルエリアネットワーク通信モジュール220とを一体化する場合を、第1コネクタ211と第2コネクタ221とが接続されていない分割動作状態(
図4参照)に対応する、全体動作状態(
図3参照)と呼ぶ。デジタル移動通信モジュール210及び無線ローカルエリアネットワーク通信モジュール220は制御処理ユニット230を共用するので、両者の間に互換性及び処理能力の不一致の問題は存在しない。
【0028】
デジタル移動通信モジュール210と無線ローカルエリアネットワーク通信モジュール220との間の接続は、異なる動作状態で異なるポートペアを介して行われ、例えば、
図3に示す実施例では、デジタル移動通信モジュール210と無線ローカルエリアネットワーク通信モジュール220とが結合されて全体として動作する場合、第1内部接続ポート241と第2内部接続ポート242は信号伝送のために直接接続される。
図4に示す実施例では、デジタル移動通信モジュール210と無線ローカルエリアネットワーク通信モジュール220とが分割されて動作する場合、第1外部接続ポート251と第2外部接続ポート252は信号伝送を行うように構成されている。分割動作状態では、異なるモジュールにある第1外部接続ポート
251と第2外部接続ポート252は通信ケーブル260を介して相互接続することを必要とする。
【0029】
本願のいくつかの実施例では、デジタル移動通信モジュール210は、第2世代(2G)、第3世代(3G)、第4世代(4G)、及び第5世代(5G)のデジタル移動通信モジュールのうちの1つ又は複数であり、無線ローカルエリアネットワーク通信モジュール220は、Wi-Fi通信モジュール、ブルートゥース通信モジュール、及びZigBee通信モジュールのうちの1つ又は複数である。
【0030】
デジタル移動通信モジュール210と無線ローカルエリアネットワーク通信モジュール220とに共用の制御処理ユニット230は、デジタル移動通信モジュール210及び無線ローカルエリアネットワーク通信モジュール220の何れにも設けられていてもよい。
図3及び
図4に示す実施例では、デジタル移動通信モジュール210は、無線周波数送受信計算タスクが非常に複雑であり、記憶演算システムに近いほど信号処理の完全性がより高く要求されるため、共用される制御処理ユニット230は、デジタル移動通信モジュール210に配置され、カスタマ構内設備20の異なる動作状態において、それぞれ、第1内部接続ポート241/第2内部接続ポート242、第1外部接続ポート251/第2外部接続ポート252及び通信ケーブル260を介して無線ローカルエリアネットワーク通信モジュール220に接続される。もちろん、別の実施例では、制御処理ユニット230は、無線ローカルエリアネットワーク通信モジュール220に設けられてもよく、同様に、第1内部接続ポート241/第2内部接続ポート242、第1外部接続ポート251/第2外部接続ポート252及び通信ケーブル260を介してデジタル移動通信モジュール210に接続され、データ通信を可能にしてもよい。
【0031】
図3に示す実施例では、デジタル移動通信モジュール210及び無線ローカルエリアネットワーク通信モジュール220は、一体化されて使用される場合、第1内部接続ポート241/第2内部接続ポート242を介して通信し、第1内部接続ポート241/第2内部接続ポート242は基板対基板コネクタ方式を採用しており、一体化して使用する場合には、直接に係合され、デジタル移動通信モジュール210と無線ローカルエリアネットワーク通信モジュール220との間の通信接続を実現する。
図4に示す実施例では、デジタル移動通信モジュール210及び無線ローカルエリアネットワーク通信モジュール220は、分割されて使用される場合、電磁シールド特性を有するコネクタを用いた第1外部接続ポート251/第2外部接続ポート252、及び通信ケーブル260を介して通信し、両外部接続ポート間を接続する通信ケーブル260も電磁シールド特性を有する。
【0032】
本明細書のいくつかの実施例では、説明を容易にするために、デジタル移動通信モジュール及び無線ローカルエリアネットワーク通信モジュールの代わりに5G通信モジュール及びWi-Fi通信モジュールが使用される場合がある。これは説明の目的のみのためであり、制限することを意図していないことが理解されたい。さらに、本明細書のいくつかの図面では、説明を容易にするために、第1内部接続ポート241/第2内部接続ポート242間の接続、及び第1外部接続ポート251と第2外部接続ポート252(及び通信ケーブル260)間の接続を表すアイコンが同時に表示されることがあるが、これは両方の接続が同時に存在する必要があることを意味するものではなく、どちらか一方が存在することもあることが理解されたい。
【0033】
図5に示すように、カスタマ構内設備20は共用される電源モジュール270をさらに含む。制御処理ユニット230と同様に、電源モジュール270は5G通信モジュール2100に設けられていてもよいし、Wi-Fi通信モジュール2200に設けられていてもよい。
図5に示す実施例では、電源モジュール270は、5G通信モジュール2100に配置され、第1外部接続ポート251/第2外部接続ポート252又は第1外部接続ポート251/第2外部接続ポート252及び通信ケーブル260を介してWi-Fi通信モジュール2200に動作に必要な電力を供給する。この実施例では、通信ケーブル260は、データ、電源、及び制御信号を含む。
【0034】
図6に示すように、カスタマ構内設備20は、有線のワイドエリアネットワーク及びローカルエリアネットワーク接続を可能にするLANポート222及び/又はWANポート223をさらに含む。この実施例では、Wi-Fi通信部分が一般的に屋内に配置されていることを考慮して、WANポート2223及びLANポート222は、Wi-Fi通信モジュール2200に設けられ、内部接続ポート
241/242又は外部接続ポート
251/252を介して制御処理ユニット230に接続される。もちろん、WANポート2223及びLANポート222は、5G通信モジュール2100に設けられていてもよい。
【0035】
本願の別の実施例では、
図7に示すように、カスタマ構内設備20は、5G通信モジュール2100及びWi-Fi通信モジュール2200を含み、5G通信モジュール2100は、第1内部接続ポート241と、第1外部接続ポート251と、制御処理ユニット230と、電源ユニット270と、5Gアンテナフィーダ及び無線周波数送受信システム211とを含む。一方、Wi-Fi通信モジュール2200は、第2内部接続ポート242と、第2外部接続ポート252と、Wi-Fiアンテナフィーダ及び無線周波数送受信システム221と、LANポート222と、WANポート223とを含む。5G通信モジュール2100及びWi-Fi通信モジュール2200のプロセッサは、制御処理ユニット230及び電源ユニット270を共用する。
図7に示す実施例では、制御処理ユニット230は5G通信モジュール2100に配置され、制御処理ユニット230は第1プロセッサ231と第1回線切り替えモジュール232とを含み、第1プロセッサ231と第1回線切り替えモジュール232は電気的に接続され、第1回線切り替えモジュール232は第1プロセッサ231と第1内部接続ポート241、又は第1プロセッサ231と前記第1外部接続ポート251とをゲートするように構成されている。このような場合、Wi-Fi通信モジュール2200は、第2内部接続ポート242又は第2外部接続ポート252のいずれかを対応してゲートする内部接続/外部接続切り替えモジュール224をさらに含む。
【0036】
同様に、制御処理ユニット230がWi-Fi通信モジュールに設けられている実施例では、制御処理ユニット230は第2プロセッサと第2回線切り替えモジュール(図示せず)とを含み、第2プロセッサと第2回線切り替えモジュールは電気的に接続され、第2回線切り替えモジュールは第2プロセッサと第2内部接続ポート242、又は第2プロセッサと第2外部接続ポート252をゲートするように構成されている。
【0037】
なお、内部接続ポート241/242及び外部接続ポート251/252は、同時に使用されてもよいし、一方のみが使用されてもよい。一体化及び分割使用に対応する必要があるので、様々な長さの専用通信ケーブル270(ケーブル内には通信信号の他に、電源及び制御信号も含まれる)が必要であるが、ケーブルの長さが異なるとインピーダンスが異なり、複雑なインピーダンス整合を回避し、回路設計を簡略化するために、本願のいくつかの実施例では、内部接続ポート241/242及び外部接続ポート251/252は択一的に使用される。
【0038】
具体的には、5G通信モジュール2100及びWi-Fi通信モジュール2200は、一体化及び分割使用シナリオにおいて、それぞれ第1内部接続ポート241/第2内部接続ポート242及び第1外部接続ポート251/第2外部接続ポート252を介して相互接続される。内部接続チャネルと外部接続チャネルの経路が異なるため、高速通信信号には異なるインピーダンス整合が存在し、内部接続チャネルと外部接続チャネルはプロセッサの異なる通信インターフェースに関連付けられる。また、プロセッサによって回線切り替えを制御して、内部接続チャネルと外部接続チャネルの通信信号を切り替えることも必要である。例えば、
図7に示す実施例では、5G通信モジュール2100の第1回線切り替えモジュール232と、Wi-Fi通信モジュール2200の内部接続/外部接続切り替えモジュール224はこのような信号回線切り替えを担当する。第1プロセッサ231は、第1回線切り替えモジュール232を制御して信号を内部接続ポーロ又は外部接続ポートに通し、Wi-Fi通信モジュール2200の内部接続/外部接続切り替えモジュール224は、対応する調整を行って、対応するポートを開き、5G通信モジュール2100とWi-Fi通信モジュール2200とを接続する内部接続チャネル又は外部接続チャネルを構成する。
【0039】
内部接続チャネルと外部接続チャネルの通信信号の切り替えは、システムプログラムソフトウェアにおいて異なる通信インターフェースと内部接続/外部接続切り替えモジュールについて切り替えシナリオに応じて制御することに関連している。例えば、第1内部接続ポート241の近傍に近接センサ280を配置することによって、制御のソース端子をトリガすることができる。本願の一実施例では、
図8に示すように、5G通信モジュール2100は、第1内部接続ポート241の近傍に配置され、制御処理ユニット230の第1プロセッサ231に接続された近接センサ280を含み、Wi-Fi通信モジュール2200が接近する(例えば、両者の第1内部接続ポート241と第2内部接続ポート242とが係合される)ときに接近信号を供給する。
【0040】
本願の他の実施例では、制御処理ユニット230がWi-Fi通信モジュール2200に含まれている場合、近接センサ280はWi-Fi通信モジュール2200に設けてもよい。
【0041】
図9のフローチャートに示すように、第1プロセッサ231は、近接センサ280の状態を読み取り、Wi-Fi通信モジュール2200が近接しているか否かを判定し、その判定結果に基づいて、機器を内部接続チャネルと外部接続チャネルに切り替えるように制御する。一体化して動作する場合、近接センサは有効になり、第1プロセッサ231は近接センサ280の状態を読み取り、第1回線切り替えモジュール232を制御して第1プロセッサ231と第1内部接続ポート241をゲートするとともに、内部接続/外部接続切り替えモジュール224を制御して第2内部接続ポート242に切り替え、すなわち内部接続チャネル有効状態に切り替わるように機器を制御する。分割して作動する場合、近接センサは無効になり、第1プロセッサ231は近接センサ280の状態を読み取り、第1回線切り替えモジュール232を介して第1プロセッサ231と第1外部接続ポート251とをゲートするとともに、内部接続/外部接続切り替えモジュール224を第2外部接続ポート252に切り替え、すなわち、外部接続チャネルの有効状態に切り替わるように機器を制御する。本願の一実施例では、近接センサ280は、周囲光センサ又はホールデバイスセンサである。
【0042】
図10は本願の他の実施例を示しており、本実施例では、デジタル移動通信モジュール及び無線ローカルエリアネットワーク通信モジュールが、それぞれ独立した制御処理ユニット及び電源ユニットを有し、これらの間が標準RJ-45ネットワークケーブルインターフェースを介して相互接続されている点で、上記の実施例と区別される。
【0043】
図10に示す実施例では、カスタマ構内設備30は、5G通信モジュール310とWi-Fi通信モジュール320と、を含む。5G通信モジュール310は、5Gアンテナフィーダ及び無線周波数送受信モジュール311と、第1プロセッサ312と、第2メモリ313と、電源モジュール314と、第1WAN外部ポート315と、第1WAN内部ポート316とを含み、プロセッサ312は、5G通信モジュール310からの移動通信信号を、第1WAN外部ポート315又は第1WAN内部ポート316に外部接続可能な有線信号に処理する。第1WAN外部ポート315は、標準RJ-45形式インターフェースであり、標準RJ-45インターフェースネットワークケーブルに外付けすることによって信号伝送を実現し、第1WAN内部ポート316は、基板対基板コネクタを使用することができる。Wi-Fi通信モジュール320は、Wi-Fiアンテナフィーダ及び無線周波数送受信モジュール321と、第2プロセッサ322と、第2メモリ323と、回線切り替え回路324と、電源モジュール325と、第2WAN外部ポート326と、第2WAN内部ポート327と、を含む。いくつかの実施例では、Wi-Fi通信モジュール320は、LANポート328、ブルートゥース/ZigBeeモジュール329などをさらに含んでもよい。回線切り替え回路324は、第2プロセッサ322によって処理されたWi-Fi無線信号を、第2WAN外部ポート326又は第2WAN内部ポート327の有線信号に切り替え、ここで、第2WAN内部ポート327は、5G通信モジュール310及びWi-Fi通信モジュール320の内部接続に用いられ、言い換えれば、ここでの第1WAN内部ポート316及び第2WAN内部ポート327は、それぞれ前述の第1内部接続ポート及び第2内部接続ポートである。本実施例では、5G通信モジュール310において基板対基板コネクタの形態を採用した第1WAN内部ポート316に対しては、第2WAN内部ポート327は、それと対になる基板対基板コネクタを採用し、例えば、第1WAN内部ポート316は雄ポートを採用する場合、第2WAN内部ポート327は雌ポートを採用し、両者は対になって使用される。同様に、第2WAN外部ポート326は、標準RJ-45形式インターフェースを採用し、標準RJ-45インターフェースネットワークケーブル340を外付けすることで5G通信モジュール310の第1WAN外部ポート315に接続され、また、他のWAN機器も外付けされてもよい。言い換えれば、ここでは、第1WAN外部ポート315及び第2WAN外部ポート326は、それぞれ前述の第1外部接続ポート及び第2外部接続ポートである。
【0044】
カスタマ構内設備30の5G通信モジュール310及びWi-Fi通信モジュール320は、それぞれ独立した筐体からなるキャビティ内に配置され、それぞれ個別の電源ユニットによって直流電圧が供給される。両者を一体化して使用する場合、2つの独立した筐体は、ファスナー(第1コネクタ331と第2コネクタ332)を介して互いに密に嵌合される外側構造面をそれぞれ有し、また、両者を接続する専用の基板対基板コネクタ(第1WAN内部ポート316と第2WAN内部ポート327)は係合後に密着した状態を維持し、これによって、5G通信部分とWi-Fi通信部分の両者間の信頼性の高い通信を実現する。両者を分割して使用する場合、5G通信モジュール310とWi-Fi通信モジュール320は第1WAN外部ポート315と第2WAN外部ポート326との間のネットワークケーブル340を介して通信接続され、屋内の5Gネットワーク信号が良くない場合、5G通信モジュール310を含む部分を屋外に、Wi-Fi通信モジュール320を含む部分を屋内に配置することで、より良いユーザーエクスペリエンスを提供することができる。
【0045】
一般的に、本願の実施例のCPEは、屋外5G信号を屋内Wi-Fi信号に変換する必要がある家庭やビジネスでの使用シナリオに特に適している。
【0046】
共有制御計算ユニットが採用されているか、独立制御計算ユニットが採用されているかにかかわらず、取り外し可能なファスナー構造は必要とされる。
図11は本願の一実施例のカスタマ構内設備40の構造断面図を示しており、その左側には5G通信部分41があり、右側にはWi-Fi通信部分42があり、両者は独立した構造体であり、ファスナー43(前述の第1コネクタと第2コネクタ)を介して係合されて一体となっており、現在一般的な汎用単体CPE(障害物による信号の減衰が制限されている)と同様に、壁や壁の隅に掛けたり、直接屋内のシナリオに使用したりすることができる。ここで、ファスナー43は、バックルやネジ等の着脱可能なファスナーであってもよい。
【0047】
図11に示すように、5G通信部分41は、プラスチック製の筐体411を有し、筐体411には、関連回路を収容するキャビティが形成されている。前記キャビティ内には、5G通信部分マザーボード412と、ミリ波アンテナモジュール413と、Sub 6GHzアンテナ414と、電源ポート415とが設けられている。制御処理ユニットを共用する実施例では、5G通信部分41は、第1外部接続ポート416及び第1内部接続ポート417をさらに含み、独立した制御処理ユニットの実施例では、5G通信部分41は第1WAN外部接続ポート418及び第1WAN内部ポート419をさらに含む。同様に、Wi-Fi通信部分42もプラスチック製の筐体421を有し、筐体421には、関連回路を収容するキャビティが形成されている。筐体421のキャビティ内には、Wi-Fi通信部分マザーボード422とWi-Fiアンテナ423とが設けられている。また、制御処理ユニットを共用する実施例では、Wi-Fi通信部分
42は、第2外部接続ポート424及び第2内部接続ポート425をさらに含み、独立した制御処理ユニットの実施例では、Wi-Fi通信部分
42は第2WAN外部接続ポート426、第2WAN内部接続ポート427及び第2電源ポート428をさらに含む。さらに、カスタマ構内設備40は、2つのキャビティ内にそれぞれ配置された金属製の放熱体44とシールド45とを含む。いくつかの例では、カスタマ構内設備40は、Wi-Fi通信部分
42内に配置されたLANポート429をさらに含む。以上の各構成要素の動作原理及び接続関係は、先に説明されたか、又は公知であるので、ここでは詳しく説明しない。
【0048】
図11に示す実施例では、CPEの5G通信部分41のSub 6GHzアンテナ414については、Sub 6GHz帯は、一般的に2T4R(2送信4受信)方式で実現されており、無線周波数回路の消費電力は、4G LTEのプライマリーアンテナとダイバーシティアンテナによる送受信方式よりも大きい。ミリ波通信を含む場合、電力消費はより顕著に増加し、ミリ波は一般にアクティブアンテナモジュールで表され、ミリ波アンテナモジュール414は、アンテナアレイパネル、無線周波数回路、及び電源部分(図示せず)を含み、無線周波数回路は高周波-中間周波数変換を担当し、信号は低損失シールド線を介して5G通信部分マザーボード412に伝送される。
【0049】
CPEのWi-Fi通信部分は、現在、802.11b/g/n/ac/axをサポートし、4×4 MU-MIMO(外部アンテナアレイ方式で提示可能)を特徴とし、カバレッジ指標が通常200mで、送信電力が23dBmの場合(一部のシナリオでは26dBmのようなより大きな電力が許容される)、電力もかなり大きい。
【0050】
一般にCPEには屋外型と屋内型の電力差があり、総合的に見ると、本願の実施例に係るCPE全体の電力は屋内型の範囲内に制御可能である。
【0051】
現在のCPEの一般的な小型化の傾向の下で、5G通信モジュールとWi-Fi通信モジュールが同じ構造キャビティで動作する場合、両者が同時に動作することによる消費電力と発熱の効果が倍増する。したがって、本願に係る実施例では、5G通信モジュールとWi-Fi通信モジュールを収容する2つの構造キャビティは独立して設置されており、また、各キャビティは、回路基板熱源デバイスの熱を金属放熱体44に直接伝導することができ(ミリ波アンテナモジュール414の無線周波数回路の熱も金属放熱体44に直接伝導することによって放散される)、内部の金属放熱体44は、空気面に露出している金属放熱体44に直接接続されており、また外面に金属フィンを追加することで放熱面積を効果的に増大することができ、このように、個々のキャビティの熱を近い場所で直接放散できるため、5G通信モジュールとWi-Fi通信モジュールが一つの構造キャビティを共用する際に発生する熱が集中して重なり、それに伴う放熱処理が難しくなるという問題を効果的に防ぐことができる。実際には、5G通信モジュールとWi-Fi通信モジュールの共用キャビティは放熱の問題の処理が難しいため、キャビティの体積と放熱体の体積を増やす必要があり、これは2つの独立した構造キャビティよりも全体の空間を節約するとは限らないことを意味している。
【0052】
一方、本願の実施例に係るCPEは、5G通信部分とWi-Fi通信部分という2つの、独立して使用されるユニットに分割することができるので、無線伝送路で障害物が発生して大きな減衰が発生した場合、典型的には、
図12に示すように、屋内外で無線信号が壁501によって遮断されて大幅に減衰した場合、5G通信部分502を壁501の外側に直接配置し、Wi-Fi通信部分503を壁501の内側に配置し、ケーブル(専用の通信ケーブル又はネットワークケーブル)504を壁501に通して(外部接続ポート又はWAN外部接続ポートを介して)両方を接続することにより、CPE屋外の5G通信部分502が受信した5Gソース信号をほぼ非破壊の有線方式で屋内のWi-Fi通信部分503に伝送し、Wi-Fi外部アンテナアレイ505を介して屋内の無線ソースに変換することを実現し、これによって、現在一般的なCPE5G通信部分とWi-Fi通信を一体化したカスタマ構内設備の性能がこのような適用シナリオにおいて制限されてしまうことを効果的に回避する。また、本願の実施例では、CPEの5G通信部分502とWi-Fi通信部分503には性能同時確保が可能であるため、同じような適用シナリオでは、現在5G通信部分しか持たない一部のカスタマ構内設備を屋外に掛けた場合、ネットワークケーブルと屋内の異なるモデルのWi-Fiルーターとの間で適合性不良がよく発生し、特に屋内の多くのユーザーのWi-FiルーターはWi-Fi6を設定していないため、5G通信アクセスを効果的に発揮して大容量・高速のWi-Fi信号に変換することができないことを回避することができる。
【0053】
本願の実施例のCPEは、デジタル移動通信モジュールと無線ローカルエリアネットワーク通信モジュールの両方を備えており、両者の間に優れた互換性があり、機器の処理能力のミスマッチ等の問題を解決し、顧客による配置を容易にする。さらに、デジタル移動通信モジュール及び無線ローカルエリアネットワーク通信モジュールは、第1コネクタ及び第2コネクタを介して着脱可能に接続されるので、分離されたデジタル移動通信モジュールと無線ローカルエリアネットワーク通信モジュールはシステム全体の熱放散の最適化に有利である。また、デジタル移動通信モジュールと無線ローカルエリアネットワーク通信モジュールを分割可能に設計することにより、CPEの使用シナリオをより多様化することができ、屋内の無線ネットワークの信号が良い場合に一体化して屋内で使用してもよいし、屋内の無線ネットワーク信号が良くない場合、デジタル移動通信モジュールを含む部分を屋外に配置し、無線ローカルエリアネットワーク通信モジュールの部分を屋内に配置してもよく、このように、一部のシナリオにおいて信号が良くないという問題を解決し、通信性能を著しく向上させ、ユーザーにより良い使用エクスペリエンスを与えることができる。
【0054】
本願の実施例のカスタマ構内設備は、互換性や装置の処理能力のミスマッチなどの問題を解決し、分割可能な設計はシステム全体の放熱最適化に有利であり、カスタマ構内設備の使用シナリオをより多様化し、通信性能を著しく向上させる。
【0055】
以上は本願のいくつかの実施例を具体的に説明したが、本願は上記の実施形態に限定されるものではなく、当業者は本願の範囲を逸脱することなく、様々な均等な変形又は置換を行うことができ、これら均等な変形又は置換はいずれも本願の請求項によって限定される範囲内に含まれるものとする。