(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13357 20060101AFI20240617BHJP
G02F 1/1334 20060101ALI20240617BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20240617BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240617BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240617BHJP
【FI】
G02F1/13357
G02F1/1334
G02F1/1368
F21S2/00 433
F21S2/00 443
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2022576713
(86)(22)【出願日】2022-01-19
(86)【国際出願番号】 JP2022001739
(87)【国際公開番号】W WO2022158478
(87)【国際公開日】2022-07-28
【審査請求日】2023-04-18
(31)【優先権主張番号】P 2021008035
(32)【優先日】2021-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 天風
(72)【発明者】
【氏名】奥山 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】池田 幸次朗
【審査官】岩村 貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-016724(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0079240(US,A1)
【文献】特開2019-032411(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13357
G02F 1/1334
G02F 1/1368
F21S 2/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1透明基板と、第1方向に並び前記第1方向と交差する第2方向に延出した複数の第1配線と、前記第1配線と電気的に接続されたスイッチング素子と、前記スイッチング素子と電気的に接続された画素電極と、を備えた第1基板と、
第2透明基板と、前記画素電極と対向する共通電極と、を備えた第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に保持され、筋状のポリマー及び液晶分子を含む液晶層と、
前記第1方向に並んだ複数の発光素子と、
主面と、前記複数の発光素子と対向する側面と、を備えた第3透明基板と、前記主面に配置され前記第3透明基板より低い屈折率を有する透明層と、を備える導光素子と、を備え、
前記第3透明基板は、前記透明層を挟んで、前記第1透明基板又は前記第2透明基板に接着され、
前記透明層は、前記第1方向に並び前記第2方向に延出した複数の帯部を備え、
前記帯部は、前記発光素子と対向する側の第1端部と、前記第1端部の反対側の第2端部と、前記第1端部と前記第2端部との間の中間部と、を備え、
前記第1端部の第1幅は、前記中間部の幅より大きく、
前記第2端部の第2幅は、前記中間部の幅より大きく、
前記複数の第1配線は
、同一方向に延出
し、
前記複数の帯部の各々は、前記複数の第1配線の1本と重なる、表示装置。
【請求項2】
前記帯部の幅の中心は、前記第1配線の幅の中心と重なる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1配線は信号線である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1配線は走査線である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1配線の本数は、前記帯部の本数と等しく、
前記第1配線のピッチは、前記帯部のピッチと等しい、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1配線の本数は、前記帯部の本数に対して2倍以上の整数倍であり、
前記帯部のピッチは、前記第1配線のピッチに対して2倍以上の整数倍である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記複数の第1配線のうち、一部は前記複数の帯部と重なり同一方向に延出し、
他の一部は、隣接する
前記帯部の間隙に位置する、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記帯部は、さらに、第1エッジ及び第2エッジを備え、
前記第1エッジ及び前記第2エッジの各々は、前記第1端部と前記第2端部との間において、前記第1方向及び前記第2方向とは異なる方向に延出している、請求項
1に記載の表示装置。
【請求項9】
隣接する前記第1端部の間隙の第3幅は、前記第1幅より小さく、
隣接する前記第2端部の間隙の第4幅は、前記第2幅より小さ
い、請求項
1に記載の表示装置。
【請求項10】
平面視で、前記画素電極は、隣接する前記帯部に重畳している、請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
さらに、画像を表示する表示部と、前記表示部を囲む非表示部と、を備え、
前記透明層は、さらに、前記複数の帯部を囲む枠部を備え、
平面視で、前記複数の帯部は前記表示部に重畳し、前記枠部は前記非表示部に重畳している、請求項
1に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1配線と交差する複数の第2配線をさらに有し、
前記枠部は、前記第1方向に沿って延出した第1部分及び第2部分と、前記第2方向に沿って延出した第3部分及び第4部分と、を備え、
前記第1部分は前記第1端部と繋がり、前記第2部分は前記第2端部と繋がり、
前記第3部分及び前記第4部分は、平面視で、前記非表示部に位置する前記第2配線に重畳している、請求項
11に記載の表示装置。
【請求項13】
さらに、前記第1基板と前記第2基板とを接着し前記液晶層を封止するシールを備え、
前記シールは、前記非表示部に位置し、
前記枠部は、平面視で、前記シールに重畳している、請求項
11に記載の表示装置。
【請求項14】
前記複数の発光素子の1つは、前記複数の帯部の幾つかと、前記複数の第1配線の幾つかと、に対向して配置されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第1基板は、金属材料を用いて形成された第1アライメントマークを有し、
前記導光素子は、前記透明層の前記枠部に形成された第2アライメントマークを有する、請求項
11に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高分子分散液晶(PDLC;Polymer Dispersed Liquid Crystal)を用いて入射光を散乱する散乱状態と入射光を透過する透過状態とを切り替え可能な表示装置が提案されている。これは、映り込み防止などを目的としたものであり、PDLCに対して部分的に電圧を印加して透過と散乱を切り替える技術である。PDLCを使用した透明な表示装置には、導光板の端部に光源を配置するエッジライト方式が採用されている。しかし、エッジライト方式をPDLC表示装置に用いると、光源から離れるにつれて輝度が低下するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-107229号公報
【文献】特開2019-174531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、表示品位の低下を抑制することが可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態によれば、第1透明基板と、第1方向に並び前記第1方向と交差する第2方向に延出した複数の第1配線と、前記第1配線と電気的に接続されたスイッチング素子と、前記スイッチング素子と電気的に接続された画素電極と、を備えた第1基板と、第2透明基板と、前記画素電極と対向する共通電極と、を備えた第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に保持され、筋状のポリマー及び液晶分子を含む液晶層と、前記第1方向に並んだ複数の発光素子と、主面と、前記複数の発光素子と対向する側面と、を備えた第3透明基板と、前記主面に配置され前記第3透明基板より低い屈折率を有する透明層と、を備える導光素子と、を備え、前記第3透明基板は、前記透明層を挟んで、前記第1透明基板又は前記第2透明基板に接着され、前記透明層は、前記第1方向に並び前記第2方向に延出した複数の帯部を備え、前記複数の第1配線は、それぞれ前記複数の帯部と重なり同一方向に延出する、表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本実施形態の表示装置の一構成例を示す平面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した表示パネルの一構成例を示す断面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示した表示装置の主要部を示す分解斜視図である。
【
図4】
図4は、
図3に示した導光素子の一構成例を示す平面図である。
【
図5】
図5は、
図4においてA-Bで示す表示装置の一部の概略的な断面図である。
【
図6】
図6は、
図4においてC-Dで示す表示装置の一部の概略的な断面図である。
【
図7】
図7は、
図4に示した導光素子の他の構成例を示す平面図である。
【
図8】
図8は、
図4に示した導光素子の他の構成例を示す平面図である。
【
図9】
図9は、アライメントマークを示す平面図である。
【
図10】
図10は、
図9(a)の導光素子と
図9(b)の表示パネルを貼り合わせた状態を示す平面図である。
【
図15】
図15は、透明層と第1基板とが重畳した状態の一構成例を示す平面図である。
【
図16】
図16は、透明層とシールとが重畳した状態の一構成例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
図1は、本実施形態の表示装置DSPの一構成例を示す平面図である。
一例では、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第1方向X及び第2方向Yは、表示装置DSPを構成する基板の主面と平行な方向に相当し、第3方向Zは、表示装置DSPの厚さ方向に相当する。本明細書において、第1基板SUB1から第2基板SUB2に向かう方向を「上側」(あるいは、単に上)と称し、第2基板SUB2から第1基板SUB1に向かう方向を「下側」(あるいは、単に下)と称する。「第1部材の上の第2部材」及び「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよいし、第1部材から離間していてもよい。また、第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置DSPを観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面に向かって見ることを平面視という。
【0009】
本実施形態においては、表示装置DSPの一例として、高分子分散型液晶を適用した液晶表示装置について説明する。表示装置DSPは、表示パネルPNLと、ICチップ1と、配線基板2と、を備えている。
【0010】
表示パネルPNLは、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、液晶層LCと、シールSEと、を備えている。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、X-Y平面と平行な平板状に形成されている。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、平面視で、重畳している。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、シールSEによって接着されている。液晶層LCは、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に保持され、シールSEによって封止されている。
図1において、液晶層LC及びシールSEは、異なる斜線で示している。
【0011】
図1において拡大して模式的に示すように、液晶層LCは、ポリマー31と、液晶分子32と、を含む高分子分散型液晶を備えている。一例では、ポリマー31は、液晶性ポリマーである。ポリマー31は、第1方向Xに沿って延出した筋状に形成されている。液晶分子32は、ポリマー31の隙間に分散され、その長軸が第1方向Xに沿うように配向される。ポリマー31及び液晶分子32の各々は、光学異方性あるいは屈折率異方性を有している。ポリマー31の電界に対する応答性は、液晶分子32の電界に対する応答性より低い。
【0012】
一例では、ポリマー31の配向方向は、電界の有無にかかわらずほとんど変化しない。一方、液晶分子32の配向方向は、液晶層LCにしきい値以上の高い電圧が印加された状態では、電界に応じて変化する。液晶層LCに電圧が印加されていない状態では、ポリマー31及び液晶分子32のそれぞれの光軸は互いに平行であり、液晶層LCに入射した光は、液晶層LC内でほとんど散乱されることなく透過する(透明状態)。液晶層LCに電圧が印加された状態では、ポリマー31及び液晶分子32のそれぞれの光軸は互いに交差し、液晶層LCに入射した光は、液晶層LC内で散乱される(散乱状態)。
【0013】
表示パネルPNLは、画像を表示する表示部DAと、表示部DAを囲む額縁状の非表示部NDAと、を備えている。シールSEは、非表示部NDAに位置している。表示部DAは、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配列された画素PXを備えている。
【0014】
図1において拡大して示すように、各画素PXは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC等を備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線G及び信号線Sと電気的に接続されている。走査線Gは、第1方向Xに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。信号線Sは、第2方向Yに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEの各々は、共通電極CEと対向し、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって液晶層LC(特に、液晶分子32)を駆動している。容量CSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極、及び、画素電極PEと同電位の電極の間に形成される。
【0015】
第1基板SUB1は、第1方向Xに沿って延出した縁部E11及びE12と、第2方向Yに沿って延出した縁部E13及びE14とを有している。第2基板SUB2は、第1方向Xに沿って延出した縁部E21及びE22と、第2方向Yに沿って延出した縁部E23及びE24とを有している。
図1に示した例では、平面視で、縁部E12及びE22、縁部E13及びE23、及び、縁部E14及びE24は、それぞれ重畳しているが、重畳していなくてもよい。縁部E21は、平面視で、縁部E11と表示部DAとの間に位置している。第1基板SUB1は、縁部E11と縁部E21との間に延出部Exを有している。
【0016】
ICチップ1及び配線基板2は、それぞれ延出部Exに接続されている。ICチップ1は、例えば、画像表示に必要な信号を出力するディスプレイドライバなどを内蔵している。配線基板2は、折り曲げ可能なフレキシブルプリント回路基板である。なお、ICチップ1は、配線基板2に接続されていてもよい。ICチップ1及び配線基板2は、表示パネルPNLからの信号を読み出す場合もあるが、主として表示パネルPNLに信号を供給する信号源として機能する。
【0017】
図2は、
図1に示した表示パネルPNLの一構成例を示す断面図である。
第1基板SUB1は、透明基板(第1透明基板)10と、絶縁膜11及び12と、容量電極13と、スイッチング素子SWと、画素電極PEと、配向膜AL1と、を備えている。第1基板SUB1は、さらに、
図1に示した走査線G及び信号線Sを備えている。透明基板10は、主面(下面)10Aと、主面10Aの反対側の主面(上面)10Bと、を備えている。スイッチング素子SWは、主面10Bに配置されている。絶縁膜11は、スイッチング素子SWを覆っている。容量電極13は、絶縁膜11及び12の間に位置している。画素電極PEは、絶縁膜12の上において、画素PX毎に配置されている。画素電極PEは、容量電極13の開口部OPを介してスイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEは、絶縁膜12を挟んで、容量電極13と重畳し、画素PXの容量CSを形成している。配向膜AL1は、画素電極PEを覆っている。
【0018】
第2基板SUB2は、透明基板(第2透明基板)20と、遮光層BMと、共通電極CEと、配向膜AL2と、を備えている。透明基板20は、主面(下面)20Aと、主面20Aの反対側の主面(上面)20Bと、を備えている。透明基板20の主面20Aは、透明基板10の主面10Bと向かい合っている。遮光層BM及び共通電極CEは、主面20Aに配置されている。遮光層BMは、例えば、スイッチング素子SWの直上、及び、図示しない走査線G及び信号線Sの直上にそれぞれ位置している。共通電極CEは、複数の画素PXに亘って配置され、遮光層BMを直接覆っている。共通電極CEは、容量電極13と電気的に接続されており、容量電極13とは同電位である。配向膜AL2は、共通電極CEを覆っている。液晶層LCは、主面10Bと主面20Aとの間に位置し、配向膜AL1及びAL2に接している。第1基板SUB1において、絶縁膜11及び12、容量電極13、スイッチング素子SW、画素電極PE、及び、配向膜AL1は、主面10Bと液晶層LCとの間に位置している。第2基板SUB2において、遮光層BM、共通電極CE、及び、配向膜AL2は、主面20Aと液晶層LCとの間に位置している。
【0019】
透明基板10及び20は、ガラス基板やプラスチック基板などの絶縁基板である。主面10A及び10B、主面20A及び20Bは、X-Y平面とほぼ平行な面である。絶縁膜11は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、アクリル樹脂などの透明な絶縁材料によって形成されている。一例では、絶縁膜11は、無機絶縁膜及び有機絶縁膜を含んでいる。絶縁膜12は、シリコン窒化物などの無機絶縁膜である。容量電極13、画素電極PE、及び、共通電極CEは、インジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料によって形成された透明電極である。遮光層BMは、例えば、共通電極CEよりも低抵抗な導電層である。一例では、遮光層BMは、モリブデン、アルミニウム、タングステン、チタン、銀などの不透明な金属材料によって形成されている。配向膜AL1及びAL2は、X-Y平面に略平行な配向規制力を有する水平配向膜である。一例では、配向膜AL1及びAL2は、第1方向Xに沿って配向処理されている。なお、配向処理とは、ラビング処理であってもよいし、光配向処理であってもよい。
【0020】
図3は、
図1に示した表示装置DSPの主要部を示す分解斜視図である。
表示装置DSPは、表示パネルPNLの他に、導光素子LGと、複数の発光素子LDと、を備えている。第1基板SUB1、第2基板SUB2、及び、導光素子LGは、この順に第3方向Zに沿って並んでいる。複数の発光素子LDは、第1方向Xに間隔をおいて並んでいる。複数の発光素子LDは、配線基板Fに接続されている。発光素子LDは、例えば、発光ダイオードである。発光素子LDは、詳述しないが、赤発光部、緑発光部、及び、青発光部を備えている。発光素子LDから出射される光は、第2方向Yを示す矢印の向きに沿って進行する。
【0021】
導光素子LGは、透明基板(第3透明基板)30と、透明層40と、を備えている。
透明基板30は、ガラス基板やプラスチック基板などの絶縁基板であり、屈折率n1を有している。一例では、透明基板30は、複数の基板を貼り合わせたものではなく、単一基板である。透明基板30は、主面(下面)30Aと、主面30Aの反対側の主面(上面)30Bと、側面30Cと、を備えている。主面30A及び30Bは、X-Y平面とほぼ平行な面である。主面30Aは、透明基板20の主面20Bと対向している。側面30Cは、第1方向X及び第3方向Zによって規定されるX-Z平面とほぼ平行な面である。側面30Cは、複数の発光素子LDと対向している。透明基板30は、後述するように、透明層40を挟んで透明基板20に接着される。なお、
図3に示した例では、側面30Cは、第2基板SUB2の縁部E21の直上に位置しているが、延出部Exの直上に位置していてもよいし、縁部E11よりもさらに外側に位置していてもよい。
【0022】
透明層40は、主面30Aに配置されている。透明層40は、透明基板30の屈折率n1より低い屈折率n2を有している。透明層40は、第1方向Xに間隔をおいて並んだ複数の帯部41を備えている。帯部41の各々は、第2方向Yに沿って延出している。隣接する帯部41の間では、主面30Aが露出している。また、透明層40は、複数の帯部41を囲む枠部42を備えている。なお、透明層40の詳細な形状については後述する。
【0023】
透明基板30は、例えば、ガラスや、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)やポリカーボネート(PC)などの有機材料によって形成されている。透明層40は、例えば、シロキサン系樹脂や、フッ素系樹脂などの有機材料によって形成されている。また、透明基板30の屈折率n1は約1.5程度であり、透明層40の屈折率n2は1.0~1.4程度である。
【0024】
図4は、
図3に示した導光素子LGの一構成例を示す平面図である。
透明層40は、上述したように、複数の帯部41と、複数の帯部41を囲む枠部42と、を備えている。帯部41及び枠部42は、一体的に形成されている。
【0025】
帯部41は、発光素子LDと対向する側の第1端部411と、第1端部411の反対側の第2端部412と、第1エッジ413と、第2エッジ414と、を備えている。第1端部411及び第2端部412は、それぞれ第1幅W1及び第2幅W2を有している。なお、本明細書での幅とは、第1方向Xに沿った長さに相当する。第1幅W1は、第2幅W2より大きい。一例では、第1幅W1が1つの発光素子LDの幅WLより小さく、1つの発光素子LDは、第1方向Xに並んだ複数の帯部41及び複数の信号線Sに跨って配置されている。また、
図4に示す第1幅W1は、1つの画素電極PEの幅WP(あるいは、第1方向Xに並んだ画素電極PEのピッチ)と同等以下である。なお、帯部41において、第1幅W1は第2幅W2と同等であってもよく、帯部41が均一な幅を有するように形成されていてもよい。
【0026】
第1エッジ413及び第2エッジ414は、第1端部411と第2端部412との間において、第1方向X及び第2方向Yとは異なる方向に延出している。例えば、第2方向Yに対して時計回りに鋭角に交差する方向を方向D1と定義し、第2方向Yに対して反時計回りに鋭角に交差する方向を方向D2と定義する。なお、第2方向Yと方向D1とのなす角度θ1、及び、第2方向Yと方向D2とのなす角度θ1は、同一であるが、これに限らず、第2方向Yと方向D1とのなす角度と第2方向Yと方向D2とのなす角度が異なっていても良い。第1エッジ413は方向D1に沿って延出し、第2エッジ414は方向D2に沿って延出している。ここでは、第1エッジ413及び第2エッジ414は、いずれも直線状に延出しているが、曲線状に形成されていてもよい。第1幅W1及び第2幅W2は、第1エッジ413と第2エッジ414との間隔に相当する。このような形状の帯部41は、第1端部411から第2端部412に向かうにしたがって、一定の割合で、あるいは、任意の割合で徐々に減少する幅を有する。
【0027】
隣接する2つの帯部41に着目すると、第1端部411の間隙及び第2端部412の間隙は、それぞれ第3幅W3及び第4幅W4を有している。第3幅W3は第1幅W1より小さく、第4幅W4は第2幅W2より小さく、第3幅W3は第4幅W4より小さい。一例では、第2幅W2は第1幅W1の約2/3であり、第1幅W1は第3幅W3の約9倍であり、第2幅W2は第4幅W4の約1.5倍であり、第4幅W4は第3幅W3の約4倍である。隣接する帯部41のピッチPT1は、画素電極PEの幅WP(あるいは、第1方向Xに並んだ画素電極PEのピッチ)の2倍以下であることが望ましい。
【0028】
画素電極PEは、平面視で、隣接する2つの帯部41に重畳している。画素電極PEは、隣り合う帯部41の間隙GPにも重畳している。表示部DAにおいて、発光素子LDに最も近接した画素電極PE1と、発光素子LDから最も離間した画素電極PE2とに着目する。画素電極PE1が帯部41に重畳する面積は、画素電極PE2が帯部41に重畳する面積より大きい。また、画素電極PE1が間隙GPに重畳する面積は、画素電極PE2が間隙GPに重畳する面積より小さい。後述するが、帯部41に重畳する領域は発光素子LDからの光がほとんど入射しない領域に相当し、間隙GPに重畳する領域は発光素子LDからの光が入射可能な領域に相当する。
【0029】
図3に示した表示パネルPNL及び導光素子LGが重畳した際には、平面視で、複数の帯部41は表示部DAに重畳し、枠部42は非表示部NDAに重畳している。枠部42の外形は、透明基板30の外形より内側に位置している。また、枠部42より内側が表示部DAに相当する。枠部42は、第1方向Xに沿って延出した第1部分421及び第2部分422と、第2方向Yに沿って延出した第3部分423及び第4部分424と、を備えている。第1部分421は、発光素子LDと表示部DAとの間に位置している。第1部分421は、帯部41の各々の第1端部411と繋がっている。
図4に示した例では、第2部分422は、帯部41の各々の第2端部412と繋がっているが、第2端部412から離間していてもよい。帯部41は、表示部DAにおいては、第1方向Xに平行なエッジは含まず、第1方向X及び第2方向Yに対して傾斜した第1エッジ413及び第2エッジ414のみが表示部DAに重畳している。
【0030】
複数の信号線(第1配線)Sは、第1方向Xに並び第2方向Yに延出している。複数の走査線(第2配線)Gは、第2方向Yに並び第1方向Xに延出している。複数の走査線Gは、複数の信号線Sと交差している。複数の信号線Sは、それぞれ複数の帯部41と重なり同一方向に延出している。本実施形態において、帯部41と同一方向に延出する配線を第1配線とすると、
図4に示す例では、第1配線は信号線Sである。信号線Sの本数は、帯部41の本数と等しい。信号線Sは、第1端部411と重なる位置において帯部41の第1幅W1の中心に位置し、第2端部412と重なる位置において帯部41の第2幅W2の中心に位置している。また、信号線Sは、ピッチPT2で第1方向Xに並んでいる。信号線SのピッチPT2は、帯部41のピッチPT1と等しい。
【0031】
なお、
図4に示した例では帯部41は、信号線Sと同一方向に延出しているが、後述するように、帯部41は、走査線Gと同一方向に延出していても良い。また、図示した例では、信号線Sと帯部41の本数が等しいが、後述するように、信号線Sの本数は、帯部41の本数に対して2倍以上の整数倍であっても良い。
【0032】
図5は、
図4においてA-Bで示す表示装置DSPの一部の概略的な断面図である。なお、表示パネルPNLについては、主要部のみを図示している。また、上述したスイッチング素子SW、絶縁膜11及び12、容量電極13などの層を総称して構成層50とする。
図5に示す構成例は、導光素子LGの透明基板30が透明接着層ADによって第2基板SUB2の透明基板20に接着された例に相当する。帯部41を含む透明層40は、主面30Aに接している。透明接着層ADは、主面20Bのほぼ全面に接し、また、透明層40を覆うとともに、透明層40が欠落した領域では主面30Aに接している。
【0033】
透明基板10及び20と、透明接着層ADとの各々の屈折率は、透明基板30の屈折率n1と同等であり、透明層40の屈折率n2より高い。なお、ここでの「同等」とは、屈折率差がゼロの場合に限らず、屈折率差が0.03以下の場合を含む。
【0034】
透明基板10は厚さT1を有し、透明基板20は厚さT2を有し、透明基板30は厚さT3を有している。なお、本明細書での厚さとは、第3方向Zに沿った長さに相当する。図示した例では、厚さT1は厚さT2と同等であり、厚さT3は厚さT1及びT2より厚い。なお、厚さT3は、厚さT1及びT2と同等であってもよい。一例では、厚さT3は、200μm~2000μmである。透明層40の厚さT4は、250nm以上、800nm以下であることが望ましく、400nm以上、550nm以下であることがより望ましい。透明接着層ADの厚さT5は、4μm~4000μmである。
【0035】
帯部41の各所における第1方向Xの幅を幅W41とし、幅W41の中心位置を中心O1とする。同様に、信号線Sの各所における第1方向Xの幅を幅WSとし、幅WSの中心位置を中心O2とする。帯部41の幅W41の中心O1は、信号線Sの幅WSの中心O2と重なっている。また、帯部41のピッチPT1は、隣り合う帯部41の中心O1の間の距離で定義される。信号線SのピッチPT2は、隣り合う信号線Sの中心O2の間の距離で定義される。
【0036】
次に、
図6を参照しながら、発光素子LDからの出射光について説明する。
図6は、
図4においてC-Dで示す表示装置DSPの一部の概略的な断面図である。
発光素子LDは、側面30Cに向けて光L1を出射する。発光素子LDと側面30Cとの間に空気層が存在するため、発光素子LDから出射された光L1は、側面30Cで屈折し、透明基板30に入射する。透明基板30に入射した光L1のうち、透明基板30から透明層40に向かって進行する光は、透明基板30と透明層40との界面で反射される。また、透明基板30に入射した光L1のうち、主面30Bに向かって進行する光は、透明基板30と空気層との界面で反射される。このように、光L1は、側面30Cの近傍(あるいは、透明層40が存在する領域)では、繰り返し反射されながら透明基板30の内部を進行する。進行する光L1のうち、透明層40が存在しない領域、つまり、透明基板30と透明接着層ADとが接する領域に向かって進行する光は、透明基板30を透過し、透明接着層ADを介して透明基板20を透過する。つまり、発光素子LDに近接した領域においては、発光素子LDからの光L1の表示パネルPNLへの入射が抑制される一方で、発光素子LDから離間した領域においては、光L1の表示パネルPNLへの入射が促進される。なお、発光素子LDに近接した領域においては、光L1が表示パネルPNLに全く入射しないわけではなく、
図4に示したように、隣接する帯部41の隙間から光L1が表示パネルPNLに入射する。表示パネルPNLに入射した光L1は、透明状態の画素を透過し、散乱状態の画素で散乱される。表示装置DSPは、主面30B側から観察可能であるとともに、主面30A側からも観察可能である。また、表示装置DSPは、いわゆる透明ディスプレイであり、主面30B側から観察した場合であっても、主面30A側から観察した場合であっても、表示装置DSPを介して、表示装置DSPの背景を観察可能である。
【0037】
ところで、一般的に、間隔をおいて並んだ複数の発光素子LDからの出射光は、それぞれ拡散しながら進行するが、発光素子LDの近傍では、隣接する発光素子LDからのそれぞれの出射光が十分に混ざらないことがある。このため、このような光を照明光として利用した表示装置DSPでは、表示部DAを平面視した際に、発光素子DLに近接した領域において、輝度差に起因したスジ状のムラが視認されるおそれがある。照明光の輝度差は、発光素子LDから離れた位置ほど低減される。しかしながら、表示部DAと発光素子LDとの距離を拡大することは、表示装置DSPの額縁幅の拡大を招く。
【0038】
本実施形態によれば、透明層40が存在する領域においては、側面30Cから入射した光L1が透明基板30の内部で全反射されながら導光されるため、表示パネルPNLへの入射が抑制される。一方で、透明層40が存在しない領域においては、表示パネルPNLへの光L1の入射が促進される。
表示部DAにおいて、発光素子LDに近接した画素電極PE1と、発光素子LDから離間した画素電極PE2とにそれぞれ入射する光L1の照明光量を比較する。発光素子LDからの光L1は、発光素子LDから離間するにしたがって減衰する。発光素子LDに近接した領域における光L1の輝度を第1輝度と称し、発光素子LDから離間した領域における光L1の輝度を第2輝度と称する。第2輝度は、第1輝度より低い。画素電極PE1と透明層40との重畳面積は、画素電極PE2と透明層40との重畳面積より大きい。このため、光L1が画素電極PE1に入射可能な領域の面積は、光L1が画素電極PE2に入射可能な領域の面積より小さい。一方で、画素電極PE1に入射する光L1の第1輝度は、画素電極PE2に入射する光L1の第2輝度より高い。このため、画素電極PE1及び画素電極PE2における照明光量を同等化することができる。
【0039】
また、表示部DAにおいて、第2方向Yに並んだ画素電極PEの各々と透明層40との重畳面積は、光L1の輝度が第2方向Yに沿って低下するのに合わせて最適化されている。したがって、表示部DAのほぼ全域に亘って、一画素電極PEあたりの照明光量を均一化することができる。これにより、照明光のムラに起因した表示品位の低下を抑制することができる。
【0040】
また、本実施形態によれば、帯部41は、第1配線(信号線S)と重なって配置されている。つまり、帯部41によって光L1が第1配線に到達するのを抑制することができる。よって、第1配線による光L1の吸収などを抑制し、表示パネルPNLの輝度を向上することができる。なお、図示した例では、帯部41は、信号線Sと同一方向に延出しているため、信号線Sを覆っていたが、帯部41が走査線Gと同一方向に延出する場合には、走査線Gを覆っている。その場合、帯部41は、走査線Gへの光L1の到達を抑制する。
なお、
図6に示した例では、透明基板30の主面30Bは空気に接しているが、透明層40と同等の屈折率を有する他の透明層が主面30Bの全面に配置されてもよい。透明基板10の主面10Aは空気に接しているが、透明基板30と同様の他の透明基板が主面10Aに接着されていてもよい。
【0041】
図7は、
図4に示した導光素子LGの他の構成例を示す平面図である。
図7に示す構成例は、
図4に示した構成例と比較して、帯部41が三角形状に形成されている点で相違している。
帯部41は、第1端部411、第1エッジ413、第2エッジ414を3辺とした三角形状を有している。そのため、
図7に示す第2幅W2は、
図4に示した第2幅W2より小さく形成されている。よって、間隙GPの面積を広げることができる。なお、第2幅W2は、信号線Sの幅よりも大きい。
このような構成例においても、
図4に示した構成例と同様の効果が得られる。
【0042】
図8は、
図4に示した導光素子LGの他の構成例を示す平面図である。
図8に示す構成例は、
図4に示した構成例と比較して、帯部41の幅W41が、第1端部411と第2端部412との間の中間部415で低減されている点で相違している。
第1端部411の第1幅W1は、中間部415の幅W415より大きく、第2端部412の第2幅W2は、中間部415の幅W415より大きい。帯部41の幅W41は、第1端部411から中間部415にかけて減少する。また、帯部41の幅W41は、第2端部412から中間部415にかけて減少する。透明基板30は、側面30Cの反対側の側面30Dを備え、発光素子LDは、側面30Dと対向する位置にも配置されている。このように帯部41の幅W41を中間部415で低減させることで、導光素子LGの両側面から入光される場合に、より多くの光を表示パネルの中央まで到達させることができる。よって、表示パネルの中央の輝度低下を抑制することができる。なお、幅W415は、信号線Sの幅よりも大きい。
このような構成例においても、
図4に示した構成例と同様の効果が得られる。
【0043】
図9は、アライメントマークを示す平面図である。
図9(a)は、導光素子LGの対角を示している。導光素子LGは、対角線上に位置するアライメントマークAM11及びAM12を有している。アライメントマークAM11及びAM12は、透明層40の枠部42に形成されている。一例では、アライメントマークAM11及びAM12は、透明層40を抜いて形成されている。また、アライメントマークAM11及びAM12は、円状に形成されている。
【0044】
図9(b)は、表示パネルPNLの対角を示している。第1基板SUB1は、対角線上に位置するアライメントマークAM21及びAM22を有している。アライメントマークAM21及びAM22は、金属材料を用いて形成されている。アライメントマークAM21及びAM22は、例えば、信号線Sと同層に形成され同一材料によって形成されている。アライメントマークAM21は、縁部E21と縁部E13との交差部付近に位置している。また、アライメントマークAM21及びAM22は、円環状に形成されている。
【0045】
図10は、
図9(a)の導光素子LGと
図9(b)の表示パネルPNLを貼り合わせた状態を示す平面図である。
表示装置の製造装置は、導光素子LGのアライメントマークAM11及びAM12と、表示パネルPNLのアライメントマークAM21及びAM22の位置を認識して、導光素子LGと表示パネルPNLとを位置合わせする。導光素子LGが表示パネルPNLに貼り合わせられた状態で、アライメントマークAM11は、アライメントマークAM21の内周側に位置し、アライメントマークAM12は、アライメントマークAM22の内周側に位置している。アライメントマークを用いて導光素子LGと表示パネルPNLの位置合わせを行うことによって、信号線を帯部の幅の中心に合わせて配置することができる。
なお、アライメントマークAM11、AM12、AM21、AM22の位置や形状は図示した例に限らない。
【0046】
図11は、
図3に示した表示装置DSPの他の構成例を示す分解斜視図である。
図11に示す構成例は、
図3に示した構成例と比較して、導光素子LGが表示パネルPNLの下方に位置している点で相違している。
導光素子LG、第1基板SUB1、及び、第2基板SUB2は、この順に第3方向Zに沿って並んでいる。
【0047】
透明基板30の主面30Bは、透明基板10の主面10Aと対向している。透明基板30は、後述するように、透明層40を挟んで透明基板10に接着される。
図11に示した例では、側面30Cは、第1基板SUB1の縁部E11の直下に位置しているが、延出部Exの直下に位置していてもよいし、縁部E11よりもさらに外側に位置していてもよい。
【0048】
透明層40は、主面30Bに配置されている。
図3と同様に、透明層40は、第1方向Xに間隔をおいて並んだ複数の帯部41を備えている。帯部41の各々は、第2方向Yに沿って延出している。隣接する帯部41の間では、主面30Bが露出している。また、透明層40は、複数の帯部41を囲む枠部42を備えている。
【0049】
なお、
図11に示した例では、透明基板30の主面30Aは空気に接しているが、透明層40と同等の屈折率を有する他の透明層が主面30Aの全面に配置されてもよい。また、透明基板20の主面20Bは空気に接しているが、透明基板30と同様の他の透明基板が主面20Bに接着されていてもよい。
【0050】
図12は、
図11においてE-Fで示す表示装置DSPの一部の概略的な断面図である。なお、表示パネルPNLについては、主要部のみを図示している。
図12に示す構成例は、導光素子LGの透明基板30が透明接着層ADによって第1基板SUB1の透明基板10に接着された例に相当する。帯部41を含む透明層40は、主面30Bに接している。透明接着層ADは、主面10Aのほぼ全面に接し、また、透明層40を覆うとともに、透明層40が欠落した領域では主面30Bに接している。表示パネルPNLの構成については、先に説明した通りである。
このような構成例においても、
図5に示した構成例と同様の効果が得られる。
【0051】
図13は、
図4に示した導光素子LGの他の構成例を示す平面図である。
図13に示す構成例は、
図4に示した構成例と比較して、帯部41が走査線Gと同一方向に延出している点で相違している。
複数の走査線(第1配線)Gは、第1方向Xに並び第2方向Yに延出している。複数の信号線(第2配線)Sは、第2方向Yに並び第1方向Xに延出している。複数の信号線Sは、複数の走査線Gと交差している。複数の走査線Gは、それぞれ複数の帯部41と重なり同一方向に延出している。本実施形態において、帯部41と同一方向に延出する配線を第1配線とすると、
図13に示す例では、第1配線は走査線Gである。走査線Gの本数は、帯部41の本数と等しい。走査線Gは、第1端部411と重なる位置において帯部41の第1幅W1の中心に位置し、第2端部412と重なる位置において帯部41の第2幅W2の中心に位置している。帯部41は、ピッチPT1で第1方向Xに並んでいる。走査線Gは、ピッチPT3で第1方向Xに並んでいる。走査線GのピッチPT3は、帯部41のピッチPT1と等しい。1つの発光素子LDは、第1方向Xに並んだ複数の帯部41及び複数の走査線Gに跨って配置されている。
なお、図示した例では、走査線Gと帯部41の本数が等しいが、走査線Gの本数は、帯部41の本数に対して2倍以上の整数倍であっても良い。
このような構成例においても、
図4に示した構成例と同様の効果が得られる。
【0052】
図14は、
図4に示した導光素子LGの他の構成例を示す平面図である。
図14に示す構成例は、
図4に示した構成例と比較して、信号線Sの本数が相違している。
図示した例では、信号線Sの本数は、帯部41の本数に対して2倍である。このように、信号線Sの本数は、帯部41の本数に対して2倍以上の整数倍であっても良い。また、帯部41のピッチPT1は、信号線SのピッチPT2に対して2倍である。このように、帯部41のピッチPT1は、信号線SのピッチPT2に対して2倍以上の整数倍であっても良い。複数の信号線Sのうち、一部は複数の帯部41と重なり同一方向に延出し、他の一部は、隣接する帯部41の間隙GPに位置している。
このような構成例においても、
図4に示した構成例と同様の効果が得られる。
【0053】
図15は、透明層40と第1基板SUB1とが重畳した状態の一構成例を示す平面図である。なお、ここでは、透明層40のうちの枠部42を図示し、帯部41の図示を省略している。
複数の走査線G、及び、複数の信号線Sは、表示部DAから非表示部NDAに引き出されている。例えば、奇数番目の走査線Gは縁部E13と表示部DAとの間に引き出され、偶数番目の走査線Gは縁部E14と表示部DAとの間に引き出されている。
第1基板SUB1は、電源線Pを備えている。電源線Pは、例えば、コモン電圧(Vcom)を供給するための配線であり、
図2に示した容量電極13と電気的に接続されている。また、電源線Pは、第1基板SUB1の角部において、給電端子PTに接続されている。給電端子PTは、図示しない導電材料を介して第2基板SUB2の共通電極CEと電気的に接続されている。電源線P及び給電端子PTは非表示部NDAに位置し、詳述しないが、給電端子PTは
図1に示したシールSEの外側に位置している。電源線Pは、シールSEの内側に位置している場合もあるし、シールSEと重畳している場合もある。
複数の走査線G、複数の信号線S、及び、電源線Pは、縁部E11と表示部DAとの間において、
図1に示したICチップ1または配線基板2と電気的に接続されている。
【0054】
平面視で、透明層40の枠部42のうち、第3部分423及び第4部分424は、非表示部NDAに位置する走査線(第2配線)Gに重畳している。また、第1部分421は、非表示部NDAの走査線G及び信号線Sに重畳している。また、枠部42は、電源線P及び給電端子PTに重畳している。
このような構成例によれば、発光素子LDからの光が非表示部NDAに位置する各種配線に向かって入射するのを抑制することができ、各種配線での吸収あるいは各種配線での不所望な散乱による表示品位の低下を抑制することができる。
【0055】
図16は、透明層40とシールSEとが重畳した状態の一構成例を示す平面図である。なお、透明層40のうちの枠部42を図示し、帯部41の図示を省略している。平面視で、透明層40の枠部42は、シールSEに重畳している。
このような構成例によれば、発光素子LDからの光が非表示部NDAに位置するシールSEに向かって入射するのを抑制することができ、シールSEでの不所望な散乱による表示品位の低下を抑制することができる。
【0056】
以上説明したように、本実施形態によれば、表示品位の低下を抑制することが可能な表示装置を得ることができる。
【0057】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。