(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】ダイヤグラムの生成方法、ダイヤグラムの生成装置、電子設備及びコンピュータ読取可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20240617BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08G1/00 C
(21)【出願番号】P 2022578676
(86)(22)【出願日】2020-08-11
(86)【国際出願番号】 CN2020108474
(87)【国際公開番号】W WO2022021474
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2022-12-16
(31)【優先権主張番号】202010764831.1
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519324983
【氏名又は名称】愛易成技術(天津)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002103
【氏名又は名称】弁理士法人にじいろ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 春明
【審査官】佐藤 吉信
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第2860675(EP,A1)
【文献】中国特許出願公開第103778800(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110085025(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
公共交通機関車両の、複数の駅を含む定められている走行経路を取得するステップと、
複数の前記駅のうちの始発駅から終着駅への方向にそって、走行経路における隣接する2つの前記駅の走行区間を順に抽出するステップと、
各走行区間に対して、
前記区間属性に基づいて前記走行区間を区画し、複数の道路区間を得るステップと、
道路区間開始位置、道路区間終了位置、道路区間初速度、道路区間最終速度、道路区間開始時刻、道路区間加速度および、初期値が車流平均速度である道路区間安定速度を取得し、前記道路区間の標準走行速度曲線を生成するステップと、
前記標準走行速度曲線に基づいて、各前記道路区間の道路区間終了時刻を算出するステップと、
現在走行区間における各道路区間の終了時刻に基づいて、現在走行区間に対応する終了駅に前記公共交通機関車両が到着することの時間情報を得るステップと、
前記現在走行区間に対応する出発駅の時間情報および現在走行区間に対応する終了駅の時間情報に基づいて、前記公共交通機関車両が前記現在走行区間を走行する走行時間を算出するステップと、
前記公共交通機関車両の所定の出発時刻、および前記出発時刻に対応する各前記走行区間を走行する走行時間に基づいて、前記出発時刻に対応する、前記走行経路における各前記駅に前記公共交通機関車両が到着することの時間情報を算出するステップと、
前記時間情報に基づいて現在走行経路での前記公共交通機関車両の前記出発時刻に対応するダイヤグラムを生成するステップと、を含
み、
前記現在走行区間に対応する出発駅の時間情報は、その前の走行区間に対応する終了駅に前記公共交通機関車両が到着することの時間情報である
ことを特徴とするダイヤグラムの生成方法。
【請求項2】
前記区間属性は、交差点情報および速度制限区間情報の少なくとも一方を含み、前記区間属性に基づいて前記走行区間を区画するステップは、
前記区間属性に基づいて前記走行区間の、交差点および速度制限区間の少なくとも一方を含む区画点を確定するステップと、
前記区画点によって前記走行区間を複数の道路区間に区画するステップと、を含む
ことを特徴とする請求項
1に記載のダイヤグラムの生成方法。
【請求項3】
前記区画点が交差点である場合、前記標準走行速度曲線に基づいて、各前記道路区間の道路区間終了時刻を算出するステップは、
前記道路区間の標準走行速度曲線に基づいて、前記道路区間の終点に前記公共交通機関車両が到着する到着時刻を算出するステップと、
前記到着時刻が対応の前記交差点の青信号時間帯内にあるか否かを判断するステップと、
Yesとなる場合、かつ、前記公共交通機関車両の到着する到着時刻と前後の車両の到着する時刻とが時刻閾値を満たす場合、前記到着時刻を、対応する前記道路区間における前記公共交通機関車両の前記道路区間終了時刻とするステップと、
Noとなる場合、前記到着時刻を調整し、調整した到着時刻を、対応する前記道路区間における前記公共交通機関車両の道路区間終了時刻とするステップと、を含み、
前記道路区間の終点が前記交差点に進入する位置である
ことを特徴とする請求項
2に記載のダイヤグラムの生成方法。
【請求項4】
前記区画点が速度制限区間である場合、前記標準走行速度曲線に基づいて、各前記道路区間の道路区間終了時刻を算出するステップは、
前記道路区間の標準走行速度曲線に基づいて、前記道路区間の終点に前記公共交通機関車両が到着する到着時刻を算出するステップと、
前記到着時刻と前後の車両の到着する時刻とが前記時刻閾値を満たすか否かを判断するステップと、
Yesとなる場合、前記到着時刻を、前記公共交通機関車両の前記道路区間における道路区間終了時刻とするステップと、
Noとなる場合、前記到着時刻を調整し、調整した到着時刻を、前記公共交通機関車両の前記道路区間における道路区間終了時刻とするステップと、を含み、
前記道路区間の終点が前記速度制限区間に進入する位置である
ことを特徴とする請求項
3に記載のダイヤグラムの生成方法。
【請求項5】
現在走行区間における各道路区間の終了時刻に基づいて、現在走行区間に対応する終了駅に前記公共交通機関車両が到着することの時間情報を得るステップは、
現在走行区間における各道路区間の終了時刻に基づいて、現在走行区間に対応する終了駅に前記公共交通機関車両が到着する到着時刻を得るステップと、
前記到着時刻と、前記現在走行区間に対応する終了駅での前後の車両の到着する時刻とが前記時刻閾値を満たすか否かを判断するステップと、
Yesとなる場合、前記到着時刻を、現在走行区間に対応する終了駅に前記公共交通機関車両が到着することの時間情報とするステップと、
Noとなる場合、前記到着時刻を調整し、調整した到着時刻を、現在走行区間に対応する終了駅に前記公共交通機関車両が到着することの時間情報とするステップと、を含む
ことを特徴とする請求項
3に記載のダイヤグラムの生成方法。
【請求項6】
前記ダイヤグラムに基づいて前記公共交通機関車両の車両走行パラメータを生成するとともに、前記車両走行パラメータを前記公共交通機関車両に送信し、これによって前記公共交通機関車両が前記車両走行パラメータに従って走行するようにする、ステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載のダイヤグラムの生成方法。
【請求項7】
前記ダイヤグラムを改善するように、所定モードで前記ダイヤグラムに対してシミュレーションを行うステップをさらに含み、前記所定モードが時間モードである
ことを特徴とする請求項1に記載のダイヤグラムの生成方法。
【請求項8】
公共交通機関車両の、複数の駅を含む定められている走行経路を取得するように構成される走行経路取得モジュールと、
複数の前記駅のうちの始発駅から終着駅への方向にそって、走行経路における隣接する2つの前記駅の走行区間を順に抽出するように構成される走行区間抽出モジュールと、
各走行区間に対して、
前記区間属性に基づいて前記走行区間を区画し、複数の道路区間を得、道路区間開始位置、道路区間終了位置、道路区間初速度、道路区間最終速度、道路区間開始時刻、道路区間加速度および、初期値が車流平均速度である道路区間安定速度を取得し、前記道路区間の標準走行速度曲線を生成し、前記標準走行速度曲線に基づいて、各前記道路区間の道路区間終了時刻を算出し、現在走行区間における各道路区間の終了時刻に基づいて、現在走行区間に対応する終了駅に前記公共交通機関車両が到着することの時間情報を得、前記現在走行区間に対応する出発駅の時間情報および現在走行区間に対応する終了駅の時間情報に基づいて、前記公共交通機関車両が前記現在走行区間を走行する走行時間を算出するように構成される走行時間確定モジュールと、
前記公共交通機関車両の所定の出発時刻、および前記出発時刻に対応する各前記走行区間を走行する走行時間に基づいて、前記出発時刻に対応する、前記走行経路における各前記駅に前記公共交通機関車両が到着することの時間情報を算出するように構成される時間情報計算モジュールと、
前記時間情報に基づいて現在走行経路での前記公共交通機関車両の前記出発時刻に対応するダイヤグラムを生成するように構成されるダイヤグラム生成モジュールと、を備え
、
前記現在走行区間に対応する出発駅の時間情報は、その前の走行区間に対応する終了駅に前記公共交通機関車両が到着することの時間情報である
ことを特徴とするダイヤグラムの生成装置。
【請求項9】
メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶されているとともに前記プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを備え、
前記プロセッサにより、前記コンピュータプログラムを実行するときに請求項1~
7のいずれか1項に記載のダイヤグラムの生成方法のステップが実現される
ことを特徴とする電子設備。
【請求項10】
コンピュータプログラムが記憶されており、
前記コンピュータプログラムが、プロセッサにより実行されるときに請求項1~
7のいずれか1項に記載のダイヤグラムの生成方法のステップが実行される
ことを特徴とするコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、高度道路交通技術の分野に属し、殊に、ダイヤグラムの生成方法、ダイヤグラムの生成装置、電子設備及びコンピュータ読取可能な記憶媒体に関する。
【0002】
関係出願の相互参照 本開示は、2020年07月31日に中国専利局に提出された、出願番号がCN202010764831.1であり、名称が「ダイヤグラムの生成方法、装置および電子設備」である中国出願に基づいて優先権を主張し、その内容のすべては本開示に参照として取り込まれる。
【背景技術】
【0003】
生活水準の向上に伴い、自家用車の数が急増し、交通渋滞および交通公害に係る汚染が深刻な社会問題となっている。この問題を解決するには、都市公共交通機関を積極的に発展することにより人々の日々の通勤問題を解決することが実行可能な解決策の1つである。日々の通勤過程において、公共交通機関車両の時刻表がないので、待ち時間が予測できないことが一番の問題である。通勤ラッシュの時間帯に、長時間待っても公共交通機関車両が来ないことや、複数の公共交通機関車両が同時に来ることがよくある。このため、日常生活において、公共交通機関車両が該時刻表に従って調整し配車し、そして人々が該時刻表を参考して外出を計画でき、生活を便利にするため、公共交通機関車両の明確な時刻表が求められている。
【0004】
従来は、公共交通機関の時刻表の作成が人によるものであり、この方法は、個人的な経験にたより、完備で科学的かつ実行可能な運行計画を形成することが困難である。また、従来のインテリジェント作成方法および最適化方法は、多くが公共交通機関車両の過去の運行データに基づいて統計分析を行っており、公共交通機関車両が走行する過程における外部環境による走行状況への影響を十分に考慮していない。したがって、従来の作成方法による時刻表が理想的ではなく、利用者の日常の外出のニーズを満たすことができない。
【発明の概要】
【0005】
これに鑑みて、本開示は、公共交通機関車両のすべての便および駅が完備した時刻表を提供でき、利用者の外出のニーズを満たし、利用者の使用体験を向上させることができる、ダイヤグラムの生成方法、装置および電子設備を提供することを目的とする。
【0006】
第1局面において、本開示の実施例は、ダイヤグラムの生成方法を提供する。該方法は、公共交通機関車両の、複数の駅を含む定められている走行経路を取得するステップと、複数の駅のうちの始発駅から終着駅への方向にそって、走行経路における隣接する2つの駅の走行区間を順に抽出するステップと、各走行区間に対して、走行区間のそれぞれの区間属性に基づいて、公共交通機関車両が該走行区間を走行する走行時間を確定するステップと、公共交通機関車両の所定の出発時刻、および出発時刻に対応する各走行区間を走行する走行時間に基づいて、出発時刻に対応する、走行経路における各駅に公共交通機関車両が到着することの時間情報を算出するステップと、時間情報に基づいて現在走行経路での公共交通機関車両の出発時刻に対応するダイヤグラムを生成するステップと、を含む。
【0007】
第1局面をもとに、本開示の実施例は、第1局面の第1種の実施可能な実施形態を提供する。走行区間のそれぞれの区間属性に基づいて、公共交通機関車両が走行区間を走行する走行時間を確定するステップは、区間属性に基づいて走行区間を区画し、複数の道路区間を得るステップと、道路区間の標準走行速度曲線に基づいて、公共交通機関車両が走行区間を走行する走行時間を算出するステップと、を含む。
【0008】
第1局面の第1種の実施可能な実施形態をもとに、本開示の実施例は、第1局面の第2種の実施可能な実施形態を提供する。上記の区間属性は、交差点情報および速度制限区間情報の少なくとも一方を含み、区間属性に基づいて走行区間を計画するステップは、区間属性に基づいて走行区間の、交差点および速度制限区間の少なくとも一方を含む区画点を確定するステップと、区画点によって走行区間を複数の道路区間に区画するステップと、を含む。
【0009】
第1局面の第2種の実施可能な実施形態をもとに、本開示の実施例は、第1局面の第3種の実施可能な実施形態を提供する。道路区間の標準走行速度曲線に基づいて、公共交通機関車両が走行区間を走行する走行時間を算出するステップは、道路区間開始位置、道路区間終了位置、道路区間初速度、道路区間最終速度、道路区間開始時刻、道路区間加速度および、初期値が車流平均速度である道路区間安定速度を取得し、道路区間の標準走行速度曲線を生成するステップと、標準走行速度曲線に基づいて、各道路区間の道路区間終了時刻を算出するステップと、現在走行区間における各道路区間の終了時刻に基づいて、現在走行区間に対応する終了駅に公共交通機関車両が到着することの時間情報を得るステップと、現在走行区間に対応する出発駅の時間情報および現在走行区間に対応する終了駅の時間情報に基づいて、公共交通機関車両が現在走行区間を走行する走行時間を算出するステップと、を含み、現在走行区間に対応する出発駅の時間情報は、その前の走行区間に対応する終了駅に公共交通機関車両が到着することの時間情報である。
【0010】
第1局面の第3種の実施可能な実施形態をもとに、本開示の実施例は、第1局面の第4種の実施可能な実施形態を提供する。区画点が交差点である場合、標準走行速度曲線に基づいて、各道路区間の道路区間終了時刻を算出するステップは、道路区間の標準走行速度曲線に基づいて、道路区間の終点に公共交通機関車両が到着する到着時刻を算出するステップと、到着時刻が対応の交差点の青信号時間帯内にあるか否かを判断するステップと、Yesとなる場合、かつ、公共交通機関車両の到着する到着時刻と前後の車両の到着する時刻とが時刻閾値を満たした場合、到着時刻を、対応する道路区間における公共交通機関車両の道路区間終了時刻とするステップと、Noとなる場合、到着時刻を調整し、調整した到着時刻を、対応する道路区間における公共交通機関車両の道路区間終了時刻とするステップとを含み、道路区間の終点が交差点に進入する位置である。
【0011】
第1局面の第4種の実施可能な実施形態をもとに、本開示の実施例は、第1局面の第5種の実施可能な実施形態を提供する。区画点が速度制限区間である場合、標準走行速度曲線に基づいて、各道路区間の道路区間終了時刻を算出するステップは、道路区間の標準走行速度曲線に基づいて、道路区間の終点に公共交通機関車両が到着する到着時刻を算出するステップと、この到着時刻と前後の車両の到着する時刻とが時刻閾値を満たすか否かを判断するステップと、Yesとなる場合、到着時刻を、道路区間における公共交通機関車両の道路区間終了時刻とするステップ、Noとなる場合、到着時刻を調整し、調整した到着時刻を、道路区間における公共交通機関車両の道路区間終了時刻とするステップとを含み、道路区間の終点が速度制限区間に進入する位置である。
【0012】
第1局面の第4種の実施可能な実施形態をもとに、本開示の実施例は、第1局面の第6種の実施可能な実施形態を提供する。現在走行区間における各道路区間の終了時刻に基づいて、現在走行区間に対応する終了駅に公共交通機関車両が到着することの時間情報を得るステップは、現在走行区間における各道路区間の終了時刻に基づいて、現在走行区間に対応する終了駅に公共交通機関車両が到着する到着時刻を得るステップと、到着時刻と、現在走行区間に対応する終了駅での前後の車両の到着する時刻とが時刻閾値を満たすか否かを判断するステップと、Yesとなる場合、該到着時刻を、現在走行区間に対応する終了駅に公共交通機関車両が到着することの時間情報とするステップと、Noとなる場合、到着時刻を調整し、調整した到着時刻を、現在走行区間に対応する終了駅に公共交通機関車両が到着することの時間情報とするステップとを含む。
【0013】
第1局面をもとに、本開示の実施例は、第1局面の第7種の実施可能な実施形態を提供する。該方法は、ダイヤグラムに基づいて公共交通機関車両の車両走行パラメータを生成するとともに、車両走行パラメータを公共交通機関車両に送信し、これによって公共交通機関車両が車両走行パラメータに従って走行するようにする、ステップをさらに含む。
【0014】
第1局面をもとに、本開示の実施例は、第1局面の第8種の実施可能な実施形態を提供する。該方法は、ダイヤグラムを改善するように、所定モードでダイヤグラムに対してシミュレーションを行うステップをさらに含み、所定モードが時間モードである。
【0015】
第2局面において、本開示の実施例は、ダイヤグラムの生成装置をさらに提供する。該装置は、公共交通機関車両の、複数の駅を含む定められている走行経路を取得するように構成される走行経路取得モジュールと、複数の駅のうちの始発駅から終着駅への方向にそって、走行経路における隣接する2つの駅の走行区間を順に抽出するように構成される走行区間抽出モジュールと、各走行区間に対して、走行区間のそれぞれの区間属性に基づいて、公共交通機関車両が該走行区間を走行する走行時間を確定するように構成される走行時間確定モジュールと、公共交通機関車両の所定の出発時刻、および出発時刻に対応する各走行区間を走行する走行時間に基づいて、出発時刻に対応する、走行経路における各駅に公共交通機関車両が到着することの時間情報を算出するように構成される時間情報計算モジュールと、時間情報に基づいて現在走行経路での公共交通機関車両の出発時刻に対応するダイヤグラムを生成するように構成されるダイヤグラム生成モジュールと、を備える。
【0016】
第3局面において、本開示の実施例は、電子設備をさらに提供する。該電子設備は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されているとともにプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを備え、プロセッサにより、コンピュータプログラムを実行するときに第1局面によるダイヤグラムの生成方法のステップが実現される。
【0017】
第4局面において、本開示の実施例は、コンピュータ読取可能な記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ読取可能な記憶媒体にコンピュータプログラムが記憶されており、コンピュータプログラムが、プロセッサにより実行されるときに第1局面によるダイヤグラムの生成方法のステップが実行される。
【0018】
本開示の実施例は、下記の有益な効果を有する。
【0019】
本開示の実施例は、ダイヤグラムの生成方法、装置および電子設備を提供する。該方法は、公共交通機関車両の、複数の駅を含む定められている走行経路を取得するステップと、複数の駅のうちの始発駅から終着駅への方向にそって、走行経路における隣接する2つの駅の走行区間を順に抽出するステップと、各走行区間に対して、走行区間のそれぞれの区間属性に基づいて、公共交通機関車両が該走行区間を走行する走行時間を確定するステップと、公共交通機関車両の所定の出発時刻、および出発時刻に対応する各走行区間を走行する走行時間に基づいて、出発時刻に対応する、走行経路における各駅に公共交通機関車両が到着することの時間情報を算出するステップと、時間情報に基づいて現在走行経路での公共交通機関車両の出発時刻に対応するダイヤグラムを生成するステップと、を含む。該方法によれば、公共交通機関車両のすべての便および駅を含む完全な時刻表を提供でき、利用者の外出のニーズを満たし、利用者の使用体験を向上させることができる。
【0020】
本開示の他の特徴及び利点について、このあとの部分で説明し、また、その一部が、明細書の説明または本開示を実施することにより明白になる。本開示の目的および他の利点は、明細書および図面に特に示した構造により実現、獲得できる。
【0021】
本開示の上記の目的、特徴および利点をより明瞭にするため、以下、好ましい実施例を挙げて、図面を参照しながら、詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本開示の具体的な実施形態または従来技術における技術案をより明瞭に説明するため、以下、具体的な実施形態または従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。説明する図面は、本開示のいくつかの実施形態にすぎず、当業者は、発明能力を用いなくても、これらの図面をもとに他の図面を得ることが可能である。
【
図1】本開示の実施例による1種のダイヤグラムの生成方法のフローチャートである。
【
図2】本開示の実施例による事前設定作業の模式図である。
【
図3】本開示の実施例によるもう1種のダイヤグラムの生成方法のフローチャートである。
【
図4】本開示の実施例による道路区間の区画を示す模式図である。
【
図5】本開示の実施例による1種の道路区間の標準走行速度曲線である。
【
図6】本開示の実施例によるもう1種の道路区間の標準走行速度曲線である。
【
図7】本開示の実施例によるもう1種の道路区間の標準走行速度曲線である。
【
図8】本開示の実施例によるもう1種の道路区間の標準走行速度曲線である。
【
図9】本開示の実施例によるもう1種のダイヤグラムの生成方法のフローチャートである。
【
図10】本開示の実施例によるダイヤグラムの生成装置の模式図である。
【
図11】本開示の実施例による1種のダイヤグラム計画を示す模式図である。
【
図12】本開示の実施例によるもう1種のダイヤグラムの生成装置の模式図である。
【
図13】本開示の実施例による電子設備の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の実施例の目的、技術案および利点をより明瞭にするため、以下、図面を参照しながら、本開示の技術案を明瞭かつ完全に説明し、説明される実施例が本開示の一部の実施例にすぎず、すべての実施例ではないことは無論である。本開示における実施例をもとに、当業者が発明能力を用いることなく得たすべての他の実施例も、本開示の保護範囲に属する。
【0024】
現在、公共交通機関車両のうちのバスおよび列車について、バスには、国内または国外で時刻表がほとんどなく、発車時刻計画だけあり、これに対して、列車には、運行計画および列車時刻表システムが完備している。
【0025】
従来の公共交通の時刻表の作成方法は、人によるものであり、該方法には主に下記の問題がある。第一に、従来、公共交通機関車両の運行計画の作成は、多くが配車係の個人的な経験および過去のデータに対する分析に基づいて行われ、すなわち、配車係の、路線の乗客流分布状況に対する理解度にたより、このため、具体的な作成について、精確な論理および言語で明確に説明したり表として作成したりすることが困難であり、そして、運行計画の作成結果が作成者によって異なることがよくある。第二に、従来に作成するダイヤグラムが容易に修正できなく、ある便の発車時刻や発車間隔を調整する必要がある場合、該便に近い便も調整するかもしれなく、したがって、すでに記入されたデータを消去しなければならず、調整が面倒で、配車係にとってかなり手間がかかる。また、従来に人で公共交通機関車両の運行計画を作成する場合、時間がかかり、更新が遅く、効率が低い。調査結果によれば、従来の人による作成方法を使用した場合、1つの運行計画の作成には少なくとも1週間かかり、そして、四半期に一回しか更新されないため、公共交通システムの運行の実際の変化を正確に反映することができない。最後に、従来に人により公共交通機関車両の運行計画を作成する方法は、科学性に欠けるとともに、路線に関する配車しか適用しなく、適応的調整の思想がないため、実際の応用において広く実施するのに不便である。
【0026】
コンピュータ技術の発展に伴い、公共交通機関車両の運行計画は、インテリジェントな作成および最適化の段階に入る。具体的に、システムから取得されたリアルタイムデータに基づいて、車両の運行計画の各段階を最適化し続けているとともに、コンピュータを通じてインテリジェントな配車システムによる自動配車を主として、人によるモニタリングを加えることにより、インテリジェントな配車のリアルタイム性およびインテリジェント化の要求を満たすことができるとともに、配車係の労働強度を軽減することができる。一般的な公共交通機関車両のインテリジェント配車システムは、公共交通機関車両に対する配車指示を、公共交通システムのリアルタイムの走行状況および公共交通運営方針に応じて常に調整する必要があり、インテリジェント公共交通システムのコアサブシステムである。したがって、車両運行計画のインテリジェントな作成および最適化は、車両運行計画の作成を動的にするとともに配車をインテリジェント化にし、従来の計画とインテリジェントな配車とを統合した。
【0027】
しかしながら、従来の人による作成方法も現在のインテリジェントな作成方法も、公共交通機関車両が走行する過程における外部環境による走行状況への影響を十分に考慮していなく、したがって、従来の作成方法による時刻表が理想的ではなく、利用者の日常の外出のニーズを満たすことができない。これに鑑みて、本開示の実施例は、利用者の外出のニーズを満たし、利用者の使用体験を向上させるように、公共交通機関車両のすべての便および駅を含む時刻表を提供できる、ダイヤグラムの生成方法、装置および電子設備を提供する。
【0028】
本実施例を容易に理解するため、以下、まず本開示の実施例によるダイヤグラムの生成方法を詳細に説明する。
【0029】
<実施例1>
本開示の実施例は、ダイヤグラムの生成方法を提供し、該方法がサーバーにより実行される。
図1に示すように、該方法は、下記のステップを含む。
【0030】
ステップS102は、公共交通機関車両の、複数の駅を含む定められている走行経路を取得する。
【0031】
具体的に、公共交通機関車両のダイヤグラムを作成する前、まず該公共交通機関車両の定められている走行経路を取得する必要があり、ここで、走行経路に複数の駅が含まれており、すなわち公共交通機関車両が定められている経路に複数の駅を経由して停車し、定められている経路が、上り方向の経路と下り方向の経路を含む。実際の応用において、駅は、始発駅と、終着駅と、始発駅と終着駅との間に設定された複数の駅を含む。始発駅から終着駅への方向に沿って、複数の駅がそれぞれ異なる番号が付けられている。各駅は、それぞれ到着位置と、プラットホームと、出発位置とを含み、実際の応用において、各駅に公共交通機関車両が停車する1つまたは複数のプラットホームがあり、同一路線の車両にとって、各駅に唯一の定められている停車位置がある。
【0032】
また、実際に、走行する公共交通機関車両が比較的に多く、そして、異なる路線の公共交通機関車両の走行経路が異なるため、ダイヤグラムを計画する前、計画対象の公共交通機関車両に対して設定する必要がある。
図2に示すように、ダイヤグラムを計画する前、完成すべき前段階の作業は、駅設定作業21と、経路設定作業22と、便設定作業23と、車種設定作業24、加速度設定作業25と、乗客流設定作業26と、区間車流平均速度設定作業27を含む。駅設定作業21は、サーバーにより表示する電子マップに公共交通機関車両の各駅の駅ID(Identity Document、アイデンティティドキュメント)、名称、プラットホームの数、到着位置および出発位置のそれぞれが対応する位置を設定する。ここで、駅IDが、電子マップにおける該駅の物理的な位置を表す唯一の識別コードである。
【0033】
経路設定作業22は、公共交通機関車両の上り方向および下り方向の始発駅、終着駅、各方向において経由する各駅、交差点(進入方向および離れる方向)、経路における速度制限場所および速度制限区間を設定する。交差点では、公共交通機関車両が所定の車線を走行するときに経路要求に従って所定の方向に沿って進入したり離れたりする。交差点を通過するとき、所定の導流車線および制限速度に従って出入りしなければならない。また、通行効率を上げ、交差点での停車を避けるため、公共交通機関車両は、車/道インタラクティブシステムの誘導速度に従って青信号時間帯に交差点に到着し、安全に通過するべきである。
【0034】
上記の車線とは、各方向の車流(車両の流れ)の通行を円滑に行えるために車道を区画して形成された自動車走行用道路のことで、異なる車線に異なる番号が付けられる。本開示の実施例において、公共交通機関車両の走行経路が所定の車線で設定され、一部の路線では、公共交通専用レーンが設けられている。また、安全を確保するため、交差点制限速度および速度制限区間がさらに設けられている。交差点制限速度とは、交差点に進入するから交差点を離れるまでの区間における定められている最高走行速度である。速度制限区間とは、安全を確保するために特定の制限速度範囲が定められている、都市における特別な場所または区間であり、また、安全走行のために公共交通機関車両に対する、都市交通ルール以外の特別な速度制限に関する規定も含み、本開示の実施例ではこれに対して限定しない。
【0035】
便設定作業23は、公共交通機関車両に関する路線進入時刻(運行路線に入るときの時刻であり、例えば、バスが始発駅に入るときの時刻)、発車時刻、区間便(始発駅および終着駅の少なくとも一方が変更される便)および急行便(中間駅の一部で停車しない便)を設定する。ここで、便とは、ある路線またはある方向において所定の時刻で出発する一車両のことである。
【0036】
車種設定作業24は、公共交通機関車両の車種、車体長、または、車両の加速性能および減速性能の少なくとも一方、を設定する。
【0037】
加速度設定作業25は、公共交通機関車両が加速過程および減速過程における快適な加速度範囲を設定するとともに、推奨値を提供する。加速度範囲の限界値とは、安全走行、および乗客の安全および乗車体験を確保するために定められた、起動時および停車時(走行過程における加速および減速を含む)車両の加速度の絶対値の最高限界値であり、起動および加速の過程において、加速度が正の値であり、停車および減速の過程において、加速度が負の値である。
【0038】
乗客流設定作業26は、便の、各駅での乗降者数、すなわち乗客流量を設定して、これに基づいて公共交通機関車両の該駅での停車時間を計画する。停車時間とは、公共交通機関車両がある駅に到着したから、該駅で上下乗客が乗降し、そして公共交通機関車両が該駅の出発位置から離れるまで要する時間である。異なる駅または同一の駅での異なる便の停車時間は、乗降者数に基づいて確定することができ、すなわち、ある駅の停車時間=駅出発時刻-駅到着時刻である。
【0039】
区間車流平均速度設定作業27は、各時間帯の区間車流平均速度を設定する。区間車流平均速度については、交差点または速度制限区間の標示点を区画点として、1つの道路を2つ以上の区間に区画して、各区間の相応の時間帯での車流の平均速度が区間車流平均速度である。
【0040】
したがって、本開示の実施例による走行経路は、複数の駅のほか、公共交通機関車両が通過する区間、交差点(進入方向および離れる方向)、速度制限区間および該公共交通機関車両が走行する車線を含み、作成されるダイヤグラムは、走行経路における各駅に到着する公共交通機関車両の駅到着時刻、駅出発時刻、停車するプラットホームおよび停車時間を含み、これによって、利用者が該ダイヤグラムを参考して外出を合理的に計画することができ、利用者の使用体験を向上させることができる。
【0041】
ステップS104は、複数の駅のうちの始発駅から終着駅への方向にそって、走行経路における隣接する2つの駅の走行区間を順に抽出する。
【0042】
具体的に、走行経路における複数の駅に対して、本開示の実施例において、始発駅から終着駅への方向にそって、走行経路における隣接する2つの駅の走行区間を順に抽出する。例えば、ある走行経路の始発駅をAとし、終着駅をBとする場合、AからBへの方向における複数の駅がA、A1、A2…B1、B2およびBであり、A~A1、A1~A2…B1~B2およびB2~Bなどの複数の隣接する駅の走行区間を順に抽出し、これに基づいて各走行区間のそれぞれでの走行時間を確定する。全走行経路に対して走行時間を算出する従来の方法に比べて、本開示の実施例は、走行経路の複数の走行区間のそれぞれに対して走行時間を算出し、各走行区間の走行状況が異なるため、本開示の実施例で算出する走行時間がより実際の状況に合い、したがって、利用者の外出ニーズをより良好に満たすことができる。
【0043】
ステップS106は、各走行区間に対して、走行区間のそれぞれの区間属性に基づいて、公共交通機関車両が該走行区間を走行する走行時間を確定する。
【0044】
具体的に、各走行区間に対して、区間属性が異なるため、同様の走行区間距離および車両の路線平均速度に基づいて各走行区間の走行時間を得る場合、ある走行区間の走行時間に比較的大きな誤差が生じるおそれがあり、このため、作成されるダイヤグラムをより合理的にし、より良好な外出サービスを提供できるように、各走行区間に対して、さらにそれぞれの区間属性に基づいて、公共交通機関車両が該走行区間を走行する走行時間を確定する必要がある。なお、各走行区間の区間属性が時間帯にも関係しており、同一走行区間であっても、朝、昼、夕によって車流平均速度が異なるため、同一走行区間を走行する走行時間も公共交通機関車両の出発時刻によって異なり、実際の応用において、さらに公共交通機関車両の出発時刻に基づいて該出発時刻に対応する各走行区間を走行する走行時間を算出する必要があり、これによって、ダイヤグラムの精度が向上する。
【0045】
ステップS108は、公共交通機関車両の所定の出発時刻、および出発時刻に対応する各走行区間を走行する走行時間に基づいて、出発時刻に対応する、走行経路における各駅に公共交通機関車両が到着することの時間情報を算出する。
【0046】
同一公共交通機関車両は同一走行経路で異なる出発時刻があるため、各走行区間を走行する走行時間を確定したあと、さらに計画対象の公共交通機関車両の所定の出発時刻、および該出発時刻に対応する各走行区間を走行する走行時間に基づいて、出発時刻に対応する、走行経路における各駅に該公共交通機関車両が到着することの時間情報を算出する必要があり、これによって、ダイヤグラムの精度が向上し、利用者が、出発時刻の異なるダイヤグラムを参考して外出を合理に計画することができる。
【0047】
ステップS110は、時間情報に基づいて現在走行経路での公共交通機関車両の出発時刻に対応するダイヤグラムを生成する。
【0048】
上記のダイヤグラムの生成方法は、まず公共交通機関車両の、複数の駅を含む定められている走行経路を取得し、複数の駅のうちの始発駅から終着駅への方向にそって、走行経路における隣接する2つの駅の走行区間を順に抽出し、そして、各走行区間に対して、走行区間のそれぞれの区間属性に基づいて、公共交通機関車両が該走行区間を走行する走行時間を確定し、公共交通機関車両の所定の出発時刻、および出発時刻に対応する各走行区間を走行する走行時間に基づいて、出発時刻に対応する、走行経路における各駅に公共交通機関車両が到着することの時間情報を算出し、最後、時間情報に基づいて現在走行経路での公共交通機関車両の出発時刻に対応するダイヤグラムを生成する。該方法によれば、公共交通機関車両のすべての便および駅を含む完全な時刻表を提供でき、利用者の外出のニーズを満たし、利用者の使用体験を向上させることができる。
【0049】
図1をもとに、本開示の実施例は、もう1種のダイヤグラムの生成方法を提供し、該方法がサーバーにより実行される。該方法は、主に走行区間を複数の道路区間に区画する過程を説明する。
図3に示すように、該方法は、下記のステップを含む。
【0050】
ステップS302は、公共交通機関車両の、複数の駅を含む定められている走行経路を取得する。
【0051】
ステップS304は、複数の駅のうちの始発駅から終着駅への方向にそって、走行経路における隣接する2つの駅の走行区間を順に抽出する。
【0052】
上記のステップS302~ステップS304について、上記のステップS102~ステップS104を参照できるため、ここで説明を省略する。
【0053】
ステップS306は、各走行区間に対して、区間属性に基づいて走行区間を区画し、複数の道路区間を得る。
【0054】
具体的に、上記の区間属性は、交差点情報および速度制限区間情報の少なくとも一方を含み、区間属性に基づいて走行区間の、交差点および速度制限区間の少なくとも一方を含む区画点を確定することができ、したがって、区画点によって走行区間を複数の道路区間に区画する。該方式によれば、走行経路を複数の道路区間に区画し、各道路区間のそれぞれに、対応する区間車流平均速度が設定される。公共交通機関車両の出発時刻が異なり、同一区間の区間車流平均速度も時刻によって異なるため、さらに公共交通機関車両の出発時刻に基づいて各出発時刻に対応する道路区間の区間車流平均速度を設定する必要があり、これによって、各道路区間での走行時間の誤差を減らすことができ、作成されるダイヤグラムがより合理的かつ全面的になる。
【0055】
容易に理解するため、ここで走行区間を例にして説明する。
図4に示すように、駅1から駅2までの走行区間において、交差点1、交差点2および速度制限区間の3つの区画点が設けられ、3つの区画点によって走行区間を道路区間1~道路区間7の7つの道路区間に区画し、道路区間1が出発点1(駅1)から交差点1までの区間であり、ここで、交差点1が速度制限場所であってもよく、道路区間2および道路区間4がそれぞれ交差点1内および交差点2内に位置し、道路区間3および道路区間5がそれぞれ交差点/速度制限場所(交差点または速度制限場所)から交差点/速度制限場所までの区間であり、道路区間6が速度制限区間であり、道路区間7が速度制限場所から駅2までの区間である。このようにして、区画点を設けることにより、隣接する2つの駅(駅1と駅2)の間の走行区間を7つの道路区間に区画し、各道路区間のそれぞれでの走行時間を計算することにより、駅1から駅2までの走行時間を得、このようにすれば、駅1から駅2までの走行時間を直接計算する方法に比べて、走行時間の計算誤差が下がり、ダイヤグラムの精度が向上する。なお、上記の区画点について、道路の実際の状況に応じて設けることができ、本開示の実施例ではこれに対して限定しない。
【0056】
ステップS308は、公共交通機関車両の所定の出発時刻、および対応する道路区間の標準走行速度曲線に基づいて、出発時刻に対応する、公共交通機関車両が走行区間を走行する走行時間を算出する。
【0057】
具体的に、まず、道路区間開始位置、道路区間終了位置、道路区間初速度、道路区間最終速度、道路区間開始時刻、道路区間加速度および道路区間安定速度を取得し、道路区間の標準走行速度曲線(経路の特徴、信号灯の特徴などのパラメータを考慮して到着時刻、最大速度、業界で規定の快適加速度などのパラメータを設定し、公知の速度、時間、距離、加速度などの物理的パラメータ間の関係により、車両の走行過程の各段階の走行速度を案内するための速度所望値を算出し、これらの速度所望値により標準速度制御曲線を形成する。つまり、標準速度制御曲線は、該標準速度制御曲線に示されている案内速度に従って走行すれば、青信号の時間帯内に各交差点を通過したり、設定の到着時刻に相応の位置に到着したりすることができるように想定して作成したものである)を生成する。ここで、道路区間安定速度の初期値は、出発時刻に対する車流平均速度である。そして、該標準走行速度曲線に基づいて、各道路区間の道路区間終了時刻を算出するとともに、現在走行区間における各道路区間の終了時刻に基づいて、現在走行区間に対応する終了駅に公共交通機関車両が到着することの時間情報を得る。最後、現在走行区間に対応する出発駅の時間情報および現在走行区間に対応する終了駅の時間情報に基づいて、公共交通機関車両が現在走行区間を走行する走行時間を算出する。現在走行区間に対応する出発駅の時間情報は、その前の走行区間に対応する終了駅に公共交通機関車両が到着することの時間情報である。この計算過程を繰り返すことにより、走行経路における各道路区間を走行する走行時間を得、さらに全走行経路を走行する走行時間を得ることができる。なお、始発駅(最初の駅)の時間情報について、公共交通機関車両の路線進入時刻および発車時刻に基づいて確定することができる。
【0058】
実施可能な一実施例において、走行区間における区画点が交差点である場合、上記の道路区間の標準走行速度曲線に基づいて、道路区間の終点に公共交通機関車両が到着する到着時刻を算出する。ここで、道路区間の終点が交差点に進入する位置である。そして、この到着時刻が対応の交差点の青信号時間帯内にあるか否かを判断する。Yesとなる場合、かつ公共交通機関車両の到着する到着時刻と前後の車両の到着する時刻とが時刻閾値を満たす場合、この公共交通機関車両の到着時刻を、対応する道路区間における公共交通機関車両の前記道路区間終了時刻とする。Noとなる場合、公共交通機関車両の到着時刻を調整し、調整した到着時刻を、対応する道路区間における公共交通機関車両の道路区間終了時刻とする。
【0059】
容易に理解するため、ここで例を挙げて説明する。
図5に示す該道路区間の標準走行速度曲線において、縦軸が速度であり、横軸が時間である。道路区間の始点が駅Aであり、道路区間の終点が交差点A1に進入する位置であり、該道路区間の距離がS12であり、道路区間初速度がv1であり、その値が0であり、道路区間最終速度がv2であり、ただし、v2が交差点制限速度以下の既知の値であり、交差点に進入するとき、直進状態および曲がり状態によってそれぞれ異なる速度が設定され、道路区間開始時刻がt1であり、道路区間加速度がa+とa-とを含み、ただし、a+およびa-は、公共交通機関車両が走行中の快適加速度の推奨値であり、加速過程においてa+にし、減速過程においてa-にし、道路区間安定速度がv12である。ここでの道路区間安定速度v12は、加速過程が完了して安定した速度になるときの安定速度であり、ここで該道路区間車流平均速度vF12に等しい速度とし、vF12が既知の値である。上記の標準走行速度曲線に基づいて、下記の式に従って該道路区間の道路区間終了時刻t2を算出することができる。
【0060】
【数1】
ただし、t2が道路区間終了時刻であり、v2が道路区間最終速度であり、vF12が道路区間車流平均速度であり、v12が安定速度であり、a+およびa-が道路区間加速度であり、S12が道路区間の距離であり、v1が道路区間初速度であり、t1が道路区間開始時刻である。
【0061】
上記の道路区間終了時刻t2を算出したあと、道路区間終了時刻t2が交差点の青信号時間帯内にあり、かつ、同一車線内の前車および後車の到着する時刻と時間上の衝突が生じない場合、具体的に、この公共交通機関車両と、同一車線内の前後の車両との、同一交差点に到着する到着時刻が異なり、かつ、両車の到着する時刻の差が、先に到着する車両に対する車頭時間以上である場合、この公共交通機関車両の到着する到着時刻と前後の車両の到着する時刻とが時刻閾値を満たすと判断し、道路区間終了時刻t2を公共交通機関車両の該道路区間における道路区間終了時刻とし、該道路区間終了時刻をt2として保存し、ダイヤグラムの作成に使用する。
【0062】
上記の車頭時間は、車両が交差点または速度制限場所を通過するために要する時間の長さに用いられ、具体的に公共交通機関車両の車種および車体長に関わり、実際の応用において、公共交通機関車両の車種、車体長および車速に基づいて該公共交通機関車両の車頭時間間隔、すなわち車頭時間を算出することができる。車頭時間の具体的な方法は、実際の状況に応じて選択することができ、本開示の実施例ではこれに対して限定しない。
【0063】
上記の道路区間終了時刻t2が交差点の青信号時間帯内にあるが、同一車線内の他の前後の車両の到着する時刻と時間上の衝突が生じる場合、道路区間終了時刻t2を調整する必要がある。具体的な調整過程は、下記の通りである。現在の青信号期間内において、両車の到着する時刻の差が先に到着する車両に対する車頭時間以上であることを満たす適切な青信号のアイドル時間帯を選択し、新しい道路区間終了時刻t21を選択し、新しい道路区間安定速度v121を算出する。下記の式に従ってv121を算出する。
【0064】
【数2】
ただし、v121が新しい道路区間安定速度であり、t21が新しい道路区間終了時刻であり、v2が道路区間最終速度であり、a+およびa-が道路区間加速度であり、v1が道路区間初速度であり、t1が道路区間開始時刻であり、△1が第1誤差を表す。
【0065】
下記の式に従って△1を算出する。
【0066】
【数3】
ただし、△1が第1誤差であり、t21が新しい道路区間終了時刻であり、v2が道路区間最終速度であり、a+およびa-が道路区間加速度であり、v1が道路区間初速度であり、t1が道路区間開始時刻であり、s12が道路区間の距離である。
【0067】
上記の式(2)に従って2つの新しい道路区間安定速度v121を算出することができ、実際の状況に応じて妥当な値を選択して決まったv121とし、決まったv121とvF12とを比較し、両者の差が比較的小さい場合、新しい道路区間終了時刻t21および決まったv121とを、該道路区間における該公共交通機関車両の調整した道路区間終了時刻t21および調整した道路区間安定速度v121とする。逆に、両者の差が比較的大きい場合、調整したv121がvF12に近いように道路区間の開始時刻t1を調整し、下記の式に従って新しいt11を算出する。
【0068】
【数4】
ただし、t11が、調整した道路区間の開始時刻であり、S12が道路区間の距離であり、v2が道路区間最終速度であり、a+およびa-が道路区間加速度であり、t2が道路区間終了時刻であり、v121が、調整したvF12に近い道路区間安定速度であり、△2が第2誤差を表す。
【0069】
上記の△2は、下記の式に従って算出することができる。
【0070】
【数5】
ただし、△2が第2誤差であり、v2が道路区間最終速度であり、a+およびa-が道路区間加速度であり、t2が道路区間終了時刻であり、v121が、調整したvF12に近い道路区間安定速度である。
【0071】
この場合、上記の式(4)に従って2つの新しい道路区間開始時刻t11を算出することができ、実際の走行状況に応じて妥当な値を、調整した道路区間開始時刻とする。したがって、上記の式(2)~(5)により調整を繰り返すことにより、妥当な調整した道路区間安定速度v121および調整した道路区間開始時刻t11を得ることができ、このようにして、公共交通機関車両の交差点に到着する到着時刻が該交差点の青信号時間帯内にあり、かつ、他の車両の到着する時刻と時間上の衝突が生じなく、公共交通機関車両が安全に該交差点を通過することができる。
【0072】
また、式(1)に従って算出した道路区間終了時刻t2が該交差点の赤信号時間帯内にある場合、その前後の2つの青信号時間帯のうち、それに最も近い青信号時間帯における、前後の車両と衝突のない新しい道路区間終了時刻t2を選択し、上記の式(2)~(5)により繰り返して調整を行うことにより、妥当な調整した道路区間安定速度v121および調整した道路区間開始時刻t11を得ることができ、妥当な調整した道路区間安定速度v121、調整した道路区間開始時刻t11および選択した道路区間終了時刻t2のそれぞれを駅の時刻表または交差点青信号時間帯内に到着する時刻表に組み入れ、これによって、各公共交通機関車両を誘導し、該交差点を通過するすべての公共交通機関車両が該交差点を通過する時間が、該交差点の青信号時間帯内にあり、かつ、すべての公共交通機関車両の到着する時刻が時間上の衝突が生じないことを確保し、このようにして、すべての公共交通機関車両が安全に該交差点を通過することができる。
【0073】
実施可能な他の一実施例において、走行区間における区画点が速度制限区間である場合、上記の道路区間の標準走行速度曲線に基づいて、道路区間の終点に公共交通機関車両が到着する到着時刻を算出する。ここで、道路区間の終点が速度制限区間に進入する位置である。この公共交通機関車両の到着時刻と前後の車両の到着する時刻とが時刻閾値を満たすか否かを判断する。Yesとなる場合、この公共交通機関車両の到着時刻を、公共交通機関車両の道路区間における道路区間終了時刻とする。Noとなる場合、公共交通機関車両の到着時刻を調整し、調整した到着時刻を、公共交通機関車両の道路区間における道路区間終了時刻とする。
【0074】
具体的に、区画点が速度制限区間である場合、該速度制限区間の速度制限場所に公共交通機関車両が到着するとき、上記の式(1)に従って道路区間終了時刻を算出し、到着時刻と前後の車両の到着する時刻とが時刻閾値を満たすか否かを判断する。満たす場合、道路区間終了時刻t2を、公共交通機関車両の該道路区間における道路区間終了時刻、すなわち速度制限場所に到着する到着時刻とし、それを速度制限場所に到着する時刻表に保存する。逆に、公共交通機関車両の到着時刻と前後の車両の到着する時刻とが時刻閾値を満たしなく、すなわち時間上の衝突が生じる場合、t2に近くかつ適切で時間上の衝突が生じない時刻を、新しい道路区間終了時刻とし、上記の式(2)に従って該道路区間の新しい道路区間安定速度を算出し、得られた調整した道路区間安定速度および選択した新しい道路区間終了時刻を、該公共交通機関車両の該道路区間における道路区間安定速度および道路区間終了時刻とし、それを保存し、これによって、該公共交通機関車両の該道路区間のダイヤグラムを作成する。
【0075】
実施可能な他の一実施例において、交差点/速度制限場所から交差点/速度制限場所までの道路区間の場合、該道路区間の標準走行速度曲線は、
図6に示すように、t1が交差点/速度制限場所Aに対応し、t2が交差点/速度制限場所A1に対応し、道路区間加速度がa+とa-とを含み、ここで、a+およびa-が公共交通機関車両が走行中の快適加速度の推奨値であり、加速過程においてa+にし、減速過程がa-にする。道路区間初速度は、v1であり、すなわち交差点/速度制限場所Aを離れるときの初速度であり、道路区間最終速度は、v2であり、すなわち交差点/速度制限場所A1に到着するときの速度であり、この値が交差点/速度制限区間の速度制限値以下の値であり、交差点に進入するとき、直進状態および曲がり状態によってそれぞれ異なる速度が設定され、道路区間の距離は、S12であり、すなわち交差点/速度制限場所Aから交差点/速度制限場所A1までの距離であり、道路区間開始時刻は、t1であり、すなわち交差点/速度制限場所Aから出発する時刻であり、道路区間安定速度は、v12であり、ここでの道路区間安定速度v12が、加速過程が完了して安定した速度になるときの安定速度であり、ここで該道路区間車流平均速度vF12に等しい速度とし、vF12が既知の値である。
【0076】
上記の式(1)に従って道路区間終了時刻t2、すなわち交差点/速度制限場所A1に到着する到着時刻を算出し、このとき、道路区間終了時刻t2が交差点A1に対応する交差点の青信号時間帯内にあるか否かを判断する。交差点A1に対応する交差点の青信号時間帯内にあり、かつ、同一車線内の前車および後車の到着する時刻と時間上の衝突が生じない(前後の両車の到着する時刻が異なり、かつ、両車の到着する時刻の差が先に到着する車両に対する車頭時間以上である)場合、道路区間終了時刻t2が最終結果であり、この場合、調整が不要で交差点A1に対応する青信号時間帯到着時刻表に保存する。また、青信号時間帯内に交差点A1に到着するが、他の車両の交差点に到着する時刻と衝突が生じる場合、道路区間終了時刻t2を調整する必要がある。具体的な調整方法は、下記の通りである。現在の青信号期間内において、両車の到着する時刻の差が先に到着する車両に対する車頭時間以上であることを満たす適切な青信号のアイドル時間帯を選択し、新しい道路区間終了時刻t2を選択し、上記の式(2)に従って新しい道路区間安定速度v121を算出する。新しい道路区間安定速度v121が速度制限値を超える場合、式(2)に従って算出する新しい道路区間安定速度v121が要求を満たすまで道路区間終了時刻t2を調整する必要がある。
【0077】
また、道路区間終了時刻t2が交差点A1の赤信号時間帯内にある場合、それの前後の2つの青信号時間帯のうち、それに最も近い青信号時間帯における、前後の車両と衝突のない新しい道路区間終了時刻t2を選択し、上記の調整方法で調整することにより、妥当な調整した道路区間安定速度v121および道路区間終了時刻t2を得、調整した道路区間終了時刻t2を交差点A1の青信号時間帯到着時刻表に保存し、調整した道路区間安定速度v121および道路区間終了時刻t2を該公共交通機関車両の車両走行パラメータに保存し、これによって、該公共交通機関車両が、調整した道路区間安定速度v121および道路区間終了時刻t2に従って安全に交差点A1を通過することができる。
【0078】
A1が速度制限場所である場合、上記の式(1)に従って速度制限場所A1に到着するときの道路区間終了時刻t2を算出し、道路区間終了時刻t2では他の車両と衝突するか否かを判断する。道路区間終了時刻t2では他の車両と衝突が生じない場合、道路区間終了時刻t2を、速度制限場所A1に該公共交通機関車両が到着する到着時刻とする。道路区間終了時刻t2では他の車両と衝突が生じる場合、t2に近くかつ他の車両と衝突のない時刻を、新しい道路区間終了時刻とし、上記の式(2)に従って新しい道路区間安定速度v121を算出することにより、妥当な調整した道路区間安定速度v121および道路区間終了時刻t2を得、調整した道路区間終了時刻t2を速度制限場所A1の到着時刻表に保存し、調整した道路区間安定速度v121および道路区間終了時刻t2を該公共交通機関車両の車両走行パラメータに保存し、これによって、該公共交通機関車両が調整した道路区間安定速度v121および道路区間終了時刻t2に従って安全に速度制限場所A1を通過することができる。
【0079】
実施可能な他の一実施例において、交差点/速度制限場所から駅までの道路区間の場合、該道路区間の標準走行速度曲線は、
図7に示すように、t1が交差点/速度制限場所Aに対応し、t2が駅A1に対応し、道路区間加速度がa+とa-とを含み、ここで、a+およびa-が公共交通機関車両が走行中の快適加速度の推奨値であり、加速過程においてa+にし、減速過程においてa-にする。道路区間初速度は、v1であり、すなわち交差点/速度制限場所Aを離れるときの初速度であり、道路区間最終速度は、v2であり、すなわち駅A1に到着するときの速度であり、その値が0であり、道路区間の距離は、S12であり、すなわち交差点/速度制限場所Aから駅A1までの距離であり、道路区間開始時刻は、t1であり、すなわち交差点/速度制限場所Aから出発する時刻であり、道路区間安定速度は、v12であり、ここでの道路区間安定速度v12が、加速過程が完了して安定した速度になるときの安定速度であり、ここで該道路区間車流平均速度vF12に等しい速度とし、vF12が既知の値である。
【0080】
上記の式(1)に従って道路区間終了時刻t2、すなわち駅A1に到着する到着時刻を算出し、このとき、道路区間終了時刻t2と、駅A1に対応するプラットホーム到着時刻表における、同一プラットホームでの前車および後車の到着する時刻と時間上の衝突が生じるか否かを判断する。衝突が生じない(前後の両車の到着する時刻が異なり、かつ、両車の到着する時刻の差が先に到着する車両に対する車頭時間以上である)場合、道路区間終了時刻t2が最終結果であり、この場合、調整が不要で駅A1に対応するプラットホーム到着時刻表に保存する。また、他の車両の到着する時刻と衝突が生じる場合、道路区間終了時刻t2を調整する必要がある。具体的な調整方法は、下記の通りである。前後の両車の駅A1に到着する到着時刻の近くに、前後の両車の到着する時刻の差が先に到着する車両の停車時間以上であることを満たす適切なアイドル時間帯を選択し、新しい道路区間終了時刻t2を選択して上記の式(2)に従って新しい道路区間安定速度v121を算出する。新しい道路区間安定速度v121が速度制限値を超える場合、式(2)に従って算出する新しい道路区間安定速度v121が要求を満たすまで道路区間終了時刻t2を調整する必要がある。
【0081】
最後、要求を満たす道路区間安定速度v121に対応する道路区間終了時刻t2を、駅A1のプラットホーム到着時刻表に組み入れ、要求を満たす道路区間安定速度v121および対応する道路区間終了時刻t2を該公共交通機関車両の車両走行パラメータに保存し、これによって、該公共交通機関車両が、要求を満たす道路区間安定速度v121および対応する道路区間終了時刻t2に従って安全に駅A1に到着することができる。
【0082】
実施可能な他の一実施例において、交差点/速度制限区間内の道路区間の場合、定速走行とみなすことができ、該道路区間の標準走行速度曲線は、
図8に示すように、t1は交差点/速度制限場所Aに対応し、t2は交差点/速度制限場所A1に対応し、道路区間初速度は、v1であり、すなわち交差点/速度制限場所Aに進入するときの初速度であり、道路区間最終速度は、v2であり、すなわち交差点/速度制限場所A1を離れるときの速度であり、道路区間の距離は、S12であり、すなわち交差点/速度制限場所Aから交差点/速度制限場所A1までの距離であり、道路区間安定速度は、v12であり、すなわち該交差点/速度制限区間内の速度制限範囲内の安定速度であり、かつ、v12=v1=v2を満たし、道路区間開始時刻は、t1であり、すなわち交差点/速度制限場所Aから出発する時刻であり、下記の式に従って道路区間終了時刻t2を算出することができる。
【0083】
【数6】
ただし、t1が交差点/速度制限区間内の道路区間終了時刻を表し、S12が交差点/速度制限区間内の道路区間の距離を表し、v12が交差点/速度制限区間内の道路区間安定速度を表す。なお、このとき、道路区間終了時刻t2を調整する必要がある場合、道路区間安定速度v12を調整することにより、妥当な道路区間終了時刻t2を得ることができる。
【0084】
実施可能な他の一実施例において、各駅に対して、該方法は、停車時間の計算および調整をさらに含む。具体的に、入力した乗客流量データ、過去の乗客流量と停車時間との関係および経験の式に基づいて、公共交通機関車両の停車時間を確定する。この過程において、乗客流の数だけでなく、乗客流の他の特徴も考慮する必要があり、例えば、学校、病院、列車駅および空港の近くで停車時間を適切に調整する必要がある。また、駅の使用状況も考慮すべきであり、例えば、単位時間当たりに、あるプラットホームに到着する車両の数が比較的多い場合、停車時間を適切に調整する必要がある。また、同一駅での乗換および隣接駅の間での乗換も考慮すべきであり、乗換駅で停車時間を適切に調整する必要がある。各駅での具体的な停車時間は、実際の状況に応じて計算および調整を行うことができ、本開示の実施例ではこれに対して限定しない。
【0085】
上記の駅の停車時間を取得したあと、駅発車時刻=駅到着時刻+停車時間に従って公共交通機関車両が該駅を離れる発車時刻を得ることができる。特に、始発駅の場合、発車時刻=路線進入時刻+停車時間である。
【0086】
したがって、区画点によって走行区間を複数の道路区間に区画することにより、各道路区間の走行時間をそれぞれ求め、さらに、区画した道路区間を順に統合し、統合過程において、各道路区間の始点位置および終点位置、時刻、速度をそれぞれ順に繋げる必要があり、これによって、対応の走行区間の青信号時間帯到着時刻表、速度制限場所到着時刻表、プラットホーム到着時刻表および車両走行パラメータ表などを生成する。
【0087】
また、各走行区間を、現在走行区間における各道路区間の終了時刻に基づいて、順に統合することにより、現在走行区間に対応する終了駅に公共交通機関車両が到着する到着時刻を得ることができ、そして、該到着時刻と現在走行区間に対応する終了駅に前後の車両が到着する時刻とが時刻閾値を満たすか否かを判断する。Yesとなる場合、すなわち該終了駅に前後の両車が到着する時刻が異なり、かつ、両車の到着する時刻の差が先に到着する車両に対する車頭時間以上である場合、該到着時刻を、現在走行区間に対応する終了駅に公共交通機関車両が到着することの時間情報とする。Noとなる場合、到着時刻を調整し、調整した到着時刻を、現在走行区間に対応する終了駅に公共交通機関車両が到着することの時間情報とする。到着時刻の調整方法は、上記の駅での調整方法を参照できるため、ここで説明を省略する。
【0088】
ステップS310は、出発時刻に対応する各走行区間を走行する走行時間に基づいて、出発時刻に対応する、走行経路における各駅に公共交通機関車両が到着することの時間情報を算出する。
【0089】
具体的に、上記にしたがって取得した、出発時刻に対応する各走行区間の終了駅の到着時刻に基づいて、該出発時刻に対応する、公共交通機関車両が各駅に到着することの時間情報を得、これによって出発時刻に対応する該公共交通機関車両のダイヤグラムを生成する。該公共交通機関車両のその他の出発時刻に対して、上記の過程を繰り返すことにより、異なる出発時刻に対応するダイヤグラムを得ることができ、さらに該公共交通機関車両の総合ダイヤグラムを得ることができ、これによって、利用者は、該ダイヤグラムを参考して走行経路における各駅に該公共交通機関車両が到着する時刻情報を把握し、外出を合理的に計画することができ、利用者の使用体験を向上させることができる。なお、ここでの総合ダイヤグラムにおける各駅の時刻表は、該公共交通機関車両が一日中(00:00~24:00)に各駅に到着する時刻を全部含む。
【0090】
ステップS312は、時間情報に基づいて公共交通機関車両の現在走行経路での出発時刻に対応するダイヤグラムを生成する。
【0091】
上記のダイヤグラムの生成方法は、区画点を設定することにより走行区間を複数の道路区間に区画し、実際の状況に応じて各道路区間に対して道路区間の終了時刻を算出し、順に統合することにより、各走行区間を走行する走行時間を得、さらに公共交通機関車両の出発時刻に合わせて、該公共交通機関車両のダイヤグラムを得ることができ、各走行区間を走行する走行時間の計算誤差が下がり、得たダイヤグラムがより合理的であり、そして、区画点を設定することにより走行経路を複数の道路区間に区画して計算する方式は、全走行経路に対して計算する従来の方式に比べて、本開示の実施例によるダイヤグラムがより全面的である。
【0092】
実施可能な他の一実施例において、該方法は、ダイヤグラムに基づいて公共交通機関車両の車両走行パラメータを生成するとともに、車両走行パラメータを公共交通機関車両に送信し、これによって公共交通機関車両が車両走行パラメータに従って走行するようにする、ステップをさらに含む。具体的に、ダイヤグラムが、路線時刻表、便時刻表、プラットホーム発着時刻表、交差点青信号時間帯到着時刻表および速度制限場所到着時刻表を含み、該ダイヤグラムに基づいて公共交通機関車両の車両走行パラメータを生成し、ここで、車両走行パラメータが、運行路線、路線進入時刻、発車時刻、車両加速度、道路区間車流平均速度、安定速度、車頭時間、交差点を通過するときの青信号時間帯到着時刻表、速度制限区間を通過するときの速度制限場所到着時刻表、駅到着時刻表または駅停車時間などのパラメータを含み、これによって、公共交通機関車両が、車両走行パラメータに従って走行し、各交差点の青信号時間帯内に走行経路における各交差点を安全に通過し、走行経路における各速度制限区間を安全に通過することができる。
【0093】
実施可能な他の一実施例において、該方法は、ダイヤグラムを改善するように、所定モードでダイヤグラムに対してシミュレーションを行うステップをさらに含み、所定モードが時間モードである。具体的に、コンピュータモデリングにより、可視化の方式で、公共交通機関車両の車両走行パラメータに従って運行をシミュレートし、そして、時間モードでシミュレーションを行い、すなわちシミュレーション過程において時間順に従ってシミュレーションを行う。すべての公共交通機関車両を車両アイコン(車両を表すアイコン)で表示し、運行シミュレーションの過程における各時刻で、車両アイコンがそれの位置する位置と対応し、その方向および速度も表示し、道路において、交差点および位置制限情報を表示する。交差点では信号灯の灯色およびカウントダウン情報をリアルタイムで表示する。駅で車両が停車するとき、停車カウントダウンを表示する。また、シミュレーション過程において、警告があった場合、車両アイコンの色を変えることにより報知し、これによって、係員が問題を適時に見つけることができる。
【0094】
任意で、上記のシミュレーション過程において、交差点、速度制限場所または駅で対応する到着時刻表を表示し、異なる図の形でシミュレーションを行う。例えば、走行経路の模式図の方式、GIS(Geographic Information System、地理情報システム)マップの方式などでシミュレーションを行う。あるいは、運行路線または便に基づいてシミュレーションを行い、例えば、同一運行路線での単一便または複数便の方式、異なる運行路線での複数便の方式などでシミュレーションを行う。あるいは、駅に基づいてシミュレーションを行い、例えば、異なる時間帯の、駅の各ポジションでの発着状況および停車状況などをシミュレートする。あるいは、領域および道路に基づいてシミュレーションを行い、例えば、異なる道路および異なる領域のすべての路線および便などに対してシミュレーションを行う。また、標準条件および妨害条件に基づいてシミュレーションを行い、標準条件に基づくシミュレーションは、入力条件および入力条件による計算結果に基づいてシミュレーションを行うものであり、妨害条件に基づくシミュレーションは、ダイヤグラムの安定性を確認するように、入力条件のデータに対して一定の割合で増加または減少することによりシミュレーションを行うものである。また、実際の状況に応じて適切なシミュレーション方式を選択してシミュレーションを行ってもよく、具体的なシミュレーション方式について、本開示の実施例ではこれに対して限定しない。
【0095】
また、上記のシミュレーション過程において、ある公共交通機関車両が、早着、延着が発生した場合、到着時刻および停車時間で他の車両と衝突が生じる場合、適時に警告するとともに関連情報を記録する必要があり、これによって、係員が関連情報に基づいて該公共交通機関車両のダイヤグラムを改善し最適化することができる。具体的に、シミュレーションの結果に基づいて、所定条件に従ってダイヤグラムおよび車両走行パラメータを評価し、所定条件の要求に満たすことができない場合、所定条件の要求を満たすまで、警告データおよび警告情報に基づいて最適化するとともに、運行のシミュレーションおよび評価を改めて行い、これによって、最適化したダイヤグラムをより完全および合理的にし、より良好な外出サービスを人々に提供できる。
【0096】
容易に理解するため、ここで例を挙げて説明する。
図9に示すように、下記のステップを含む。
【0097】
ステップS902は、公共交通機関車両に対して前段階パラメータを設定する。
【0098】
具体的に、ダイヤグラムは、主に走行経路における各駅に公共交通機関車両が到着する駅到着時刻、駅出発時刻、停車駅および停車時間を含む。実際に走行する公共交通機関車両が比較的多く、そして、各公共交通機関車両の走行経路が異なるため、ダイヤグラムを作成する前、計画対象の公共交通機関車両に対して設定する必要がある。前段階のパラメータの具体的な設定は、上記の実施例を参照できるため、ここで説明を省略する。
【0099】
ステップS904は、公共交通機関車両に対して計画を行い、公共交通機関車両のダイヤグラムを得る。
【0100】
上記のダイヤグラムの作成過程は、上記の実施例を参照できるため、ここで説明を省略する。
【0101】
ステップS906は、ダイヤグラムに対してシミュレーションおよび評価を行い、シミュレーション結果を得る。
【0102】
シミュレーションおよび評価の過程は、上記の実施例を参照できるため、ここで説明を省略する。
【0103】
ステップS908は、シミュレーション結果が所定計画基準に達したか否かを判断する。Noとなる場合、所定計画基準を満たすダイヤグラムを得るまで、ステップS904~S908を繰り返して実行する。Yesとなる場合、上記のダイヤグラムの作成過程を終了し、所定計画基準を満たすダイヤグラムを公共交通機関車両のダイヤグラムとし、これによって、より良好な外出サービスを人々に提供し、利用者の使用体験を向上させることができる。
【0104】
本開示の実施例によるダイヤグラムの生成方法は、公共交通機関車両だけでなく、他の輸送手段にも適用することができ、本開示の実施例ではこれに対して限定しない。また、ダイヤグラムの作成過程において、道路区間車流平均速度を安定速度として導入することにより、ダイヤグラムの実施可能性および走行安全性を向上させることができ、交差点青信号時間帯到着時刻表を導入することにより、車両が、走行する過程において、安定の速度で青信号時間帯に交差点に到着し、安全かつ整然と交差点を通過することができ、速度制限場所到着時刻表を導入することにより、車両が、走行する過程において、安定の速度で速度制限場所に到着し、安全かつ整然と速度制限場所を通過することができ、これによって、ダイヤグラムの適時性および正確性を確保でき、公共交通機関車両の、駅に到着する時刻とダイヤグラムにおける対応する時刻との不一致に起因して、利用者の外出に影響が与えられることを防止することができる。
【0105】
また、走行区間の計画のとき、速度制限区間をさらに考慮し、これによって、公共交通機関車両の安全を確保することができる。交差点を通過するときに車/道インタラクションを考慮し、これによって、交差点での停車を防止することができる。そして、複数の車両が同時に交差点に到着する状況を考慮し、これによって、交差点に到着する異なる車線の複数の公共交通機関車両が交差点時刻表に従って安全かつ整然と通過することができる。駅において、公共交通機関車両が指定の駅のポジションまたは指定のプラットホームに進入することを実現するとともに、他の車両との衝突を防止することができる。各道路区間において、各道路区間の車流平均速度が異なり、公共交通機関車両が公共交通専用レーンを走行しても、該公共交通機関車両の車速が車流の車速と一致すべきであるため、各道路区間について、走行経路車流平均速度および道路区間車流平均速度をさらに考慮した。最後、ダイヤグラムに対してシミュレーション、評価を行うことにより、ダイヤグラムを改善し最適化することができ、これに対して、従来の作成方法は、多くが実際の運行に問題が発生した場合に改善し最適化するものであり、このため、従来の作成方法に比べて、本出願では、駅設定、路線設定、便設定、区間設定およびそれらの統合からなる完全なプロセスにより公共交通時刻表の作成を遂げ、さらにシミュレーション、評価を行うことにより、さらに最適化し、公共交通機関車両のすべての便および駅を含む完全な時刻表を生成して、車両の配車および利用者の外出のために使用し、これによって、車両に関する資源の合理的な利用、精確な制御およびダイヤグラム通りの運行管理を実現することができ、利用者がダイヤグラムを参考して外出を計画することができ、利用者の使用体験を向上させることができる。
【0106】
上記の方法実施例に対応して、本開示の実施例は、ダイヤグラムの生成装置をさらに提供する。
図10に示すように、該装置は、順に接続される走行経路取得モジュール101と、走行区間抽出モジュール102と、走行時間確定モジュール103と、時間情報計算モジュール104と、ダイヤグラム生成モジュール105とを備える。各モジュールの機能は、下記の通りである。
【0107】
走行経路取得モジュール101は、公共交通機関車両の、複数の駅を含む定められている走行経路を取得するように構成される。
【0108】
走行区間抽出モジュール102は、複数の駅のうちの始発駅から終着駅への方向にそって、走行経路における隣接する2つの駅の走行区間を順に抽出するように構成される。
【0109】
走行時間確定モジュール103は、各走行区間に対して、走行区間のそれぞれの区間属性に基づいて、公共交通機関車両が該走行区間を走行する走行時間を確定するように構成される。
【0110】
時間情報計算モジュール104は、公共交通機関車両の所定の出発時刻、および出発時刻に対応する各走行区間を走行する走行時間に基づいて、出発時刻に対応する、走行経路における各駅に公共交通機関車両が到着することの時間情報を算出するように構成される。
【0111】
ダイヤグラム生成モジュール105は、時間情報に基づいて現在走行経路での公共交通機関車両の出発時刻に対応するダイヤグラムを生成するように構成される。
【0112】
本開示の実施例によるダイヤグラムの生成装置は、公共交通機関車両の、複数の駅を含む定められている走行経路を取得し、複数の駅のうちの始発駅から終着駅への方向にそって、走行経路における隣接する2つの駅の走行区間を順に抽出し、各走行区間に対して、走行区間のそれぞれの区間属性に基づいて、公共交通機関車両が該走行区間を走行する走行時間を確定し、公共交通機関車両の所定の出発時刻、および出発時刻に対応する各走行区間を走行する走行時間に基づいて、出発時刻に対応する、走行経路における各駅に公共交通機関車両が到着することの時間情報を算出し、時間情報に基づいて現在走行経路での公共交通機関車両の出発時刻に対応するダイヤグラムを生成する。該装置によれば、公共交通機関車両のすべての便および駅を含む完全な時刻表を提供でき、利用者の外出のニーズを満たし、利用者の使用体験を向上させることができる。
【0113】
さらに、上記の走行時間確定モジュール103は、さらに、区間属性に基づいて走行区間を区画し、複数の道路区間を得、道路区間の標準走行速度曲線に基づいて、公共交通機関車両が走行区間を走行する走行時間を算出するように構成される。
【0114】
さらに、上記の区間属性は、交差点情報および速度制限区間情報の少なくとも一方を含む。上記の走行時間確定モジュール103は、さらに、区間属性に基づいて走行区間の、交差点および速度制限区間の少なくとも一方を含む区画点を確定し、区画点によって走行区間を複数の道路区間に区画するように構成される。
【0115】
さらに、上記の走行時間確定モジュール103は、さらに、道路区間開始位置、道路区間終了位置、道路区間初速度、道路区間最終速度、道路区間開始時刻、道路区間加速度、および初期値が車流平均速度である道路区間安定速度を取得し、道路区間の標準走行速度曲線を生成し、標準走行速度曲線に基づいて、各道路区間の道路区間終了時刻を算出するとともに、現在走行区間における各道路区間の終了時刻に基づいて、現在走行区間に対応する終了駅に公共交通機関車両が到着することの時間情報を得、現在走行区間に対応する出発駅の時間情報および現在走行区間に対応する終了駅の時間情報に基づいて、公共交通機関車両が現在走行区間を走行する走行時間を算出するよう構成される。現在走行区間に対応する出発駅の時間情報は、その前の走行区間に対応する終了駅に公共交通機関車両が到着することの時間情報である。
【0116】
さらに、区画点が交差点である場合、上記の走行時間確定モジュール103は、さらに、道路区間の標準走行速度曲線に基づいて、道路区間の終点に公共交通機関車両が到着する到着時刻を算出し、ここで、道路区間の終点が交差点に進入する位置であり、この到着時刻が対応の交差点の青信号時間帯内にあるか否かを判断し、Yesとなる場合、かつ、公共交通機関車両の到着する到着時刻と前後の車両の到着する時刻とが時刻閾値を満たす場合、この公共交通機関車両の到着時刻を、対応する道路区間における公共交通機関車両の道路区間終了時刻とし、Noとなる場合、この公共交通機関車両の到着時刻を調整し、調整した到着時刻を、対応する道路区間における公共交通機関車両の道路区間終了時刻とするように構成される。
【0117】
さらに、区画点が速度制限区間である場合、上記の走行時間確定モジュール103は、さらに、道路区間の標準走行速度曲線に基づいて、道路区間の終点に公共交通機関車両が到着する到着時刻を算出し、ここで、道路区間の終点が速度制限区間に進入する位置であり、この到着時刻と前後の車両の到着する時刻とが時刻閾値を満たすか否かを判断し、Yesとなる場合、この到着時刻を、公共交通機関車両の道路区間における道路区間終了時刻とし、Noとなる場合、公共交通機関車両の到着時刻を調整し、調整した到着時刻を、公共交通機関車両の道路区間における道路区間終了時刻とするように構成される。
【0118】
さらに、上記の走行時間確定モジュール103は、さらに、現在走行区間における各道路区間の終了時刻に基づいて、現在走行区間に対応する終了駅に公共交通機関車両が到着する到着時刻を得、到着時刻と、現在走行区間に対応する終了駅での前後の車両の到着する時刻とが時刻閾値を満たすか否かを判断し、Yesとなる場合、該到着時刻を、現在走行区間に対応する終了駅に公共交通機関車両が到着することの時間情報とし、Noとなる場合、到着時刻を調整し、調整した到着時刻を、現在走行区間に対応する終了駅に公共交通機関車両が到着することの時間情報とするように構成される。
【0119】
さらに、上記の装置は、さらに、ダイヤグラムに基づいて公共交通機関車両の車両走行パラメータを生成するとともに、車両走行パラメータを公共交通機関車両に送信し、これによって公共交通機関車両が車両走行パラメータに従って走行するようにする。
【0120】
さらに、上記の装置は、さらに、ダイヤグラムを改善するように、所定モードでダイヤグラムに対してシミュレーションを行い、所定モードが時間モードである。
【0121】
また、実施可能な一実施例において、
図11に示すように、上記の走行時間確定モジュール103は、さらに、道路区間計画ユニット111と、停車時間計算調整ユニット112と、全経路統合ユニット113とを備える。道路区間計画ユニット111は、区画点によって走行区間を複数の道路区間に区画するように構成される。停車時間計算調整ユニット112は、公共交通機関車両の、走行経路における各駅での停車時間を算出し調整するように構成される。全経路統合ユニット113は、複数の道路区間を順につなげて統合して、全走行経路の走行時間を得るように構成される。道路区間計画ユニット111、停車時間計算調整ユニット112および全経路統合ユニット113の具体的な機能は、上記の方法実施例を参照できるため、ここで説明を省略する。
【0122】
容易に理解するため、ここで例を挙げて説明する。
図12に示すように、該装置は、道路区間区画モジュール121と、車頭時間計算モジュール122と、青信号時間帯到着時刻表初期化モジュール123と、駅~交差点/速度制限場所時刻計算調整モジュール124と、交差点/速度制限場所~交差点/速度制限場所時刻計算調整モジュール125と、交差点/速度制限場所~駅時刻計算調整モジュール126と、交差点内/速度制限区間時刻計算調整モジュール127と、区間計画統合モジュール128とを備える。青信号時間帯到着時刻表初期化モジュール123は、交差点を通過するときの点灯時間情報を取得し、便の走行方向に対応する現示に従って、対応の各周期の青信号開始時刻および青信号持続時間を取得するとともに、これに従って交差点青信号時間帯到着時刻表を初期化し、ここで、便、交差点に到着する時刻および交差点を離れる時刻の初期化を含む。また、上記の各モジュールの具体的な機能は、上記の方法実施例を参照できるため、ここで説明を省略する。
【0123】
本開示の実施例によるダイヤグラムの生成装置は、上記の実施例によるダイヤグラムの生成方法と同様な技術的特徴を有するため、同様な技術的課題を解決することができ、同様な技術効果を奏することができる。
【0124】
本実施例は、電子設備をさらに提供する。該電子設備は、プロセッサとメモリとを備え、メモリにプロセッサにより実行可能なマシン実行可能なコマンドが記憶され、プロセッサがマシン実行可能なコマンドを実行することにより上記のダイヤグラムの生成方法を実現する。
【0125】
図13に示すように、該電子設備は、プロセッサ130とメモリ131とを備え、該メモリ131にプロセッサ130により実行可能なマシン実行可能なコマンドが記憶され、該プロセッサ130がマシン実行可能なコマンドを実行することにより上記のダイヤグラムの生成方法を実現する。
【0126】
さらに、
図13に示す電子設備は、バス132と通信インタフェース133とをさらに備え、プロセッサ130、通信インタフェース133およびメモリ131がバス132により接続される。
【0127】
ここで、メモリ131は、高速ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)を含んでもよく、不揮発性メモリ(non-volatile memory)、例えば、少なくとも1つの磁気ディスクメモリをさらに含んでもよい。少なくとも1つの通信インタフェース133(有線であってもよく無線であってもよい)を介して該システムのネットワーク要素と少なくとも1つの他のネットワーク要素との通信接続を実現し、インターネット、広域ネットワーク、ローカルネットワークまたはメトロポリタンエリアネットワーク等を利用することができる。バス132は、ISA(Industrial Standard Architecture、インダストリ スタンダード アーキテクチャバス)バス、PCI(Peripheral Component Interconnect、ペリフェラル コンポーネント インターコネクト)バスまたはEISA(Enhanced Industry Standard Architecture、拡張インダストリ スタンダード アーキテクチャ)バスなどであることが可能である。前記バスは、アドレスバス、データバスまたはコントロールバスなどに分類することができる。示しを簡単にするため、
図13では1つの両矢印だけで示したが、1本のバスまたは1タイプのバスしか有しないを意味していない。
【0128】
プロセッサ130は、信号処理能力を有する集積回路チップであることができる。実現プロセスにおいて、上記方法の各ステップはプロセッサ130におけるハードウェアの集積論理回路またはソフトウェアタイプのコマンドにより完成することができる。上記の的プロセッサ130は、本開示の実施例に開示される各方法、ステップ及び論理ブロックを実現または実行可能な、中央処理装置(Central Processing Unit、CPUと略称する)、ネットワークプロセッサ(Network Processor、NPと略称する)などを含む汎用プロセッサであってもよく、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor、DSPと略称する)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASICと略称する)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array、FPGAと略称する)または他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタ論理デバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネントなどであってもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサまたは如何なる従来のプロセッサなどであることができる。本開示の実施例に開示される方法のステップは、直接ハードウェアデコードプロセッサで実行を完成するか、またはデコードプロセッサのハードウェアとソフトウェアモジュールとを組み合わせて実行を完成させることができる。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ、プログラマブル読み取り専用メモリまたは電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ、レジスタなどの当該技術分野で成熟した記憶媒体に位置することができる。当該記憶媒体はメモリ131、プロセッサ130は、メモリ131における情報を読み取り、そのハードウェアと組み合わせて上記の実施例による方法のステップを完成させる。
【0129】
本実施例は、マシン実行可能なコマンドが記憶されているマシン読取可能な記憶媒体をさらに提供し、該マシン実行可能なコマンドがプロセッサに読み取られて実行されるとき、マシン実行可能なコマンドにより、プロセッサが上記のダイヤグラムの生成方法を実現する。
【0130】
本開示の実施例によるダイヤグラムの生成方法、装置および電子設備のコンピュータプログラム製品は、プログラムコードが記憶されているコンピュータ読取可能な記憶媒体を有する。前記プログラムコードに含まれているコマンドが前記の方法の実施例に記載の方法を実行するために用いられることができ、具体的な実現が方法の実施例を参照できるため、ここで説明を省略する。
【0131】
当業者は、上記で説明したシステムと装置の具体的な作業プロセスについて、上記の方法の実施例における該当プロセスを参照できるため、説明を簡単及び簡潔にするため、ここで説明を省略する。
【0132】
また、本開示の実施例の説明において、明確な定義や限定がない限り、用語の「取付」、「連係」または「接続」を、広義に理解すべきである。例えば、固定接続でもよいし、取外し可能な接続でもよいし、一体的な接続でもよい。そして、機械的な接続でもよいし、電気的な接続でもよい。また、直接接続してもよいし、中間物を介して間接的に接続してもよいし、2つの素子の内部が連通してもよい。当業者は、本開示における上記用語の具体的な意味を、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0133】
前記機能は、ソフトウェア機能ユニットの形式で実現され、独立した製品として販売されたり使用されたりする場合、プロセッサ実行可能な不揮発性コンピュータ読取可能な記憶媒体に記憶されることが可能である。このような理解から、本開示の技術案のそのもの、あるいは従来技術に寄与できる部分、あるいは該技術案の一部は、ソフトウェア製品の形式で実現できる。該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、コンピュータ設備(パソコン、サーバあるいはネットワーク設備などであってもよい)により本開示の各実施例におけるに記載の方法の全部または一部のステップを実行するための複数のコマンドを含む。上記の記憶媒体は、USBディスク、携帯型ハードディスク、リードオンリーメモリ(ROM:Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random-Access Memory)、磁気ディスクまたは光ディスク等の各種の、プログラムコードを記憶できる媒体を含む。
【0134】
本開示の説明において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「内」または「外」等の用語で表された方向または位置関係は、図面に基づくものであり、本開示を簡単及び簡略に説明するためのものにすぎず、該当装置または要素が、必ずしも特定の方向を有したり、特定の方向に構成、操作されたり、することを明示または暗示するものではないため、本開示を限定するものではないと理解すべきである。また、用語である「第1」、「第2」または「第3」は、説明するためのものにすぎず、相対重要性を明示または暗示するものではないと理解すべきである。
【0135】
最後に注意すべきことは、上記の実施例が、本開示の技術案を説明するための具体的な実施形態にすぎず、本開示を限定するものではないので、本開示の保護範囲がこれに限定されない。上記の実施例を用いて本開示を詳しく説明したが、当業者は、本開示に開示された技術の範囲において、上記の実施例に記載された技術案に対して改良または変更をすることができ、あるいはその中の技術的特徴の一部に対して均等置換を行うこともできることが無論である。これらの改良、変更または置換の該当する技術案の本質は、本開示の実施例による技術案の主旨や範囲から逸脱せず、いずれも本開示の保護範囲に属するものである。このため、本開示の保護範囲は特許請求の範囲に準ずるべきである。