(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】再構成可能な光干渉断層撮影(OCT)システム
(51)【国際特許分類】
G01N 21/17 20060101AFI20240617BHJP
A61B 3/10 20060101ALI20240617BHJP
A61B 3/13 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
G01N21/17 625
A61B3/10 100
A61B3/13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023050966
(22)【出願日】2023-03-28
(62)【分割の表示】P 2019555466の分割
【原出願日】2018-04-20
【審査請求日】2023-04-27
(32)【優先日】2017-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】クレイグ ベンダー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル パパック
(72)【発明者】
【氏名】リンフォン ユイ
【審査官】小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-075640(JP,A)
【文献】特開2011-242177(JP,A)
【文献】国際公開第2016/205760(WO,A1)
【文献】特開2011-024842(JP,A)
【文献】特表2013-545613(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0192835(US,A1)
【文献】特表2016-536091(JP,A)
【文献】特開2016-209577(JP,A)
【文献】特表2012-509729(JP,A)
【文献】特開2012-161425(JP,A)
【文献】特開2010-268990(JP,A)
【文献】特開2007-151631(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/17 - G01N 21/61
A61B 1/00 - A61B 1/32
A61B 3/10 - A61B 3/16
A61B 10/00 - A61B 10/06
G01B 9/02 - G01B 9/029
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上の選択可能な光源若しくは2つ以上の光源動作モードで選択的に動作するように構成された1つの光源、又はそれら両方の組合せを含む光源モジュールと、
前記光源モジュールに連結されたOCTエンジンであって、OCT干渉計を含むOCTエンジンと、
前記OCTエンジンに連結され、1つ以上のスワップ可能、選択可能、又は調整可能な光学部品を含むモード切り替え光学系モジュールと、を含み、前記モード切り替え光学系モジュールは、2つ以上の対応する動作モードに応じて、前記OCTエンジンと被写体との間の光路のための2つ以上の光学構成を選択的に提供
し、かつ、2つ以上の光学構成に応じて異なる横方向分解能及び焦点深度を提供するように構成さ
れ、
前記光源モジュールは、900nm~1,400nmの近赤外(IR)範囲で動作し、かつ、
前記光源モジュールは、眼の前房の範囲より長い4mm~10mmの範囲のコヒーレンス長を有し、かつ、眼の軸長全体用に30mm~50mmの範囲のコヒーレンス長を有する、
光干渉断層撮影(OCT)装置。
【請求項2】
(a)前記光源モジュールを制御して、光源及び/又は光源動作モードを選択し、(b)前記モード切り替え光学系モジュールを制御して、前記光路のための前記2つ以上の光学構成のうちの1つを選択された動作モードに基づいて選択するように構成されるモード切り替えコントローラをさらに含む、請求項1に記載のOCT装置。
【請求項3】
前記モード切り替えコントローラは、ユーザインタフェースから前記選択された動作モードの
指示を受け取るように構成される、請求項2に記載のOCT装置。
【請求項4】
前記光源モジュールは、前記2つ以上の選択可能な光源のうちの選択された1つの出力を、前記OCTエンジンに中継するために切り替えるように構成された光学スイッチを含む、請求項1に記載のOCT装置。
【請求項5】
前記光源モジュールは、前記2つ以上の選択可能な光源からの出力を結合するように構成された光学コンバイナを含み、前記2つ以上の選択可能な光源は前記選択可能な光源のうちの1つのパワー又はレーザを選択的にオンにすることによって選択されるように構成される、請求項1に記載のOCT装置。
【請求項6】
前記モード切り替え光学系モジュールはビームエキスパンダ素子又はビームレデューサ素子を含み、前記ビームエキスパンダ素子又はビームレデューサ素子は、前記光路の中又は外に選択的に移動して、少なくとも第一及び第二の動作モードのためのビームパラメータを変更するように構成される、請求項1に記載のOCT装置。
【請求項7】
前記モード切り替え光学系モジュールは、異なる焦点距離の第一及び第二のコリメータを含み、前記第一及び第二の選択可能なコリメータは、所望の動作モードに応じて選択可能であるように構成される、請求項1に記載のOCT装置。
【請求項8】
前記モード切り替え光学系モジュールは、選択された動作モードに応じて前記第一のコリメータ又は第二のコリメータを通過するように光ビームの方向を選択的に変化させるように制御可能な切り替え可能ミラーを含む、請求項7に記載の
OCT装置。
【請求項9】
前記モード切り替え光学系モジュールは、選択された動作モードに応じて前記第一のコリメータ又は第二のコリメータを通じて光ビームを選択的に方向付けるように制御可能な光ファイバスイッチを含む、請求項7に記載のOCT装置。
【請求項10】
前記モード切り替え光学系
モジュールに連結され、前記OCT装置によりスキャンされる被写体を見るように構成された顕微鏡をさらに含む、請求項1に記載のOCT装置。
【請求項11】
光干渉断層撮影(OCT)装置における方法において、
光源モジュールを制御するステップであって、2つ以上の選択可能な光源のうちの1つを選択するか、1つの光源のための2つ以上の光源動作モードのうちの1つを選択するか、又はそれらの組合せを行う、光源モジュールを制御するステップと、
干渉計を含むOCTエンジンを介して前記光源モジュールに連結された、モード切り替え光学系モジュールを制御するステップであって、1つ以上の選択可能又はスワップ可能な光学部品を選択し、及び/又は1つ以上の調整可能な光学部品を調整することによって、前記OCTエンジンと被写体との間の光路のための2つ以上の選択可能な光学構成の1つを選択
し、かつ、2つ以上の光学構成に応じて異なる横方向分解能及び焦点深度を提供する、モード切り替え光学系モジュールを制御するステップと、
を含
み、
前記光源モジュールは、900nm~1,400nmの近赤外(IR)範囲で動作し、かつ、
前記光源モジュールは、眼の前房の範囲より長い4mm~10mmの範囲のコヒーレンス長を有し、かつ、眼の軸長全体用に30mm~50mmの範囲のコヒーレンス長を有する、
方法。
【請求項12】
ユーザインタフェースから、前記選択された動作モードの
指示を受け取るステップをさらに含み、前記光源モジュール及び前記モード切り替え光学系モジュールを制御するステップは、前記受け取った
指示に応答して行われる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記光源モジュールを制御するステップは、前記2つ以上の選択可能な光源のうちの選択された1つの出力を、前記OCTエンジンに中継するために切り替えるように構成された光学スイッチを制御するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記光源モジュールを制御するステップは、前記2つ以上の選択可能な光源のうちの1つのパワー又はレーザを選択的にオンにするステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記モード切り替え光学系モジュールを制御するステップは、前記モード切り替え光学系
モジュールを制御して、ビームエキスパンダ又はビームレデューサを前記光路の中又は外へと移動させて、少なくとも第一及び第二の動作モードのためのビームパラメータを変化させるステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記モード切り替え光学系モジュールを制御するステップは、異なる焦点距離を有する少なくとも第一及び第二のコリメータ間で選択するステップを含み、前記第一及び第二の選択可能コリメータは、所望の動作モードに応じて選択可能であるように構成される、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記モード切り替え光学系モジュールを制御するステップは、切り替え可能ミラーを制御して、選択された動作モードに応じて前記第一のコリメータ又は第二のコリメータを通過するように光ビームの方向を選択的に変化させるステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記モード切り替え光学系モジュールを制御するステップは、光ファイバスイッチを制御して、選択された動作モードに応じて前記第一のコリメータ又は第二のコリメータを通過するように光ビームを選択的に方向付けるステップを含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される実施形態は、光干渉断層撮影(OCT(Optical Coherence Tomography))システム内の光学性能特性を調整するための装置、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の眼科屈折矯正の外科的方法、例えば白内障手術、角膜インレー挿入、レーシック(LASIK(laser-assisted in situ keratomileusis))、及びレーザ屈折矯正角膜切除術(PRK(photorefractive keratectomy))は、眼の生体データに依拠して最善の屈折矯正を処方する。歴史的に、眼科手術では超音波生体測定機器を使って眼の部分が画像化されていた。幾つかの場合に、これらの生体測定機器によれば、眼の、いわゆるA-スキャンが生成され、これはすなわち、典型的に眼の光軸と整列する、それと平行であるか、又は小さい角度のみをなす、イメージング軸に沿ったすべてのインタフェースからの音響エコー信号である。その他の機器では、いわゆるB-スキャンが生成され、これは基本的に、生体測定機器のヘッド又は先端を走査線に沿ってスキャンしながら連続的に得たA-スキャンの集合を組み立てたものである。この走査線は典型的に、眼の光軸に対して横方向であった。これらの超音波A-又はB-スキャンはその後、眼軸の長さ、眼の前房深度、又は角膜曲率半径等の生体データの測定と特定に使用された。
【0003】
幾つかの手術においては、第二の、別の角膜計を使って、屈折特性と角膜のデータが測定された。すると、超音波測定と屈折データが半経験式の中で組み合わされて、その後に処方され、超音波手術中に挿入されることになる最適な眼内レンズ(IOL(intra-ocular lens))の特徴が計算された。
【0004】
近年では、超音波生体測定装置は光干渉断層撮影(OCT)の原理に基づいて構築される光学イメージング及び生体測定機器に急速に取って代わられている。OCTは、ヒトの網膜、角膜、又は白内障のマイクロメートルサイズの高解像度断層撮影を可能にする技術である。OCT技術は現在、臨床現場で一般的に使用され、このようなOCT機器は今やIOL処方症例全体の80~90%で使用されている。理由は他にもあるが、その成功は非接触型のイメージングと超音波生体測定器のそれより高い精度による。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、最近のこのような進歩にかかわらず、生体測定及びイメージング機器の機能と性能に、実質的なさらなる成長と発展が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
幾つかの実施形態による光干渉断層撮影(OCT)装置は、2つ以上の選択可能な光源若しくは2つ以上の光源動作モードで選択的に動作するように構成された1つの光源、又はそれら両方の組合せを含む光源モジュールを含み、光源モジュールに連結されたOCTエンジンであって、OCT干渉計を含むOCTエンジンと、をさらに含む。OCT装置はさらに又、OCTエンジンに連結され、1つ以上のスワップ可能、選択可能、又は調整可能な光学部品を含むモード切り替え光学系モジュールを含み、モード切り替え光学系モジュールは、2つ以上の対応する動作モードにしたがって、OCTエンジンと被写体との間の光路のための2つ以上の光学構成を選択的に提供するように構成される。
【0007】
それに対応する方法は、幾つかの実施形態によれば、光干渉断層撮影(OCT)装置の中で実装され、光源モジュールを制御して、2つ以上の選択可能な光源のうちの1つを選択するか、1つの光源のための2つ以上の光源動作モードのうちの1つを選択するか、又はそれらの組合せを行うステップと、光源モジュールに、OCTエンジンであって干渉計を含むOCTエンジンを介して連結されたモード切り替え光学系モジュールを制御して、1つ以上のスワップ可能な光学部品を選択するか、又は1つ以上の調整可能な光学部品を調整することによって、OCTエンジンと被写体との間の光路のための2つ以上の選択可能な光学構成の1つを選択するステップと、を含む。
【0008】
本明細書に記載の実施形態は、幾つかの異なる使用モードの各々のために最適化されたOCT性能を実現するためのオールインワンの機器を提供し、及び/又は操作するために使用されてよい。上で要約した実施形態のその他の利点と変形型を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、幾つかの実施形態による光干渉断層撮影(OCT)システムを示す図である。
【
図2】
図2は、選択可能光源とモード切り替え光学系ユニットを含む例示的なOCT装置を示す。
【
図3】
図3は、選択可能光源とモード切り替え光学系ユニットを含む他の例示的なOCT装置を示す。
【
図4】
図4は、選択可能光源とモード切り替え光学系ユニットを含む他の例示的なOCT装置を示す。
【
図5】
図5は、本明細書で開示される技術による例示的な方法を示すプロセスフロー図である。
【
図6A-6D】
図6A-6Dは、例示的なモード切り替え光学系モジュールの中にありうる構成部品を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明の中には、特定の実施形態を説明する具体的な詳細事項が記されている。しかしながら、当業者にとって、開示されている実施形態がこれらの具体的な詳細事項の幾つか又は全部がなくても実施できることは明らかであろう。提示されている特定実施形態は例示のためであり、限定のためではない。当業者であれば、本明細書中に具体的に記載されていなくても、本開示の範囲と主旨に含まれるその他の事柄に気付くかもしれない。
【0011】
ここに開示される技術と装置の実施形態は、顕微鏡搭載型及び顕微鏡内蔵型のどちらの光干渉断層撮影(OCT)システムでも使用されてよい。
図1は、顕微鏡内蔵型OCTシステム100の例を示し、OCTの基本原理を説明するために提示されている。
【0012】
システム100は、眼10の画像化領域の視覚的画像を提供するように構成された眼可視化システム110と、画像化領域のOCT画像を生成するように構成された光干渉断層撮影(OCT)イメージングシステム120と、画像化領域の屈折力マッピングを生成するように構成された屈折計130と、OCT画像と屈折力マッピングに基づいて眼の屈折特性を特定するように構成されたアナライザ140と、を含む。OCTイメージングシステム120、屈折計130、及びアナライザ/コントローラ140は、眼可視化システム110に統合できることがわかるであろう。
【0013】
画像化領域は、眼10の一部分又は領域、例えば手術標的部位とすることができる。角膜手術では、画像化領域は角膜12の一部分とすることができる。白内障手術では、画像化領域は眼の水晶体嚢と水晶体14とすることができる。画像化領域は又、眼の前房領域も含んでいてよく、これは角膜12と水晶体14の両方を含む。代替的に、画像化領域は、角膜12、水晶体14、及び網膜16を含む眼全体をカバーしていてもよい。網膜手術において、画像化領域は、網膜16の一領域とすることができる。又、上記の画像化領域の何れの組合せも画像化領域となり得る。
【0014】
眼可視化システム110は、顕微鏡112を含むことができる。幾つかの実施形態において、これはスリットランプを含むことができる。顕微鏡112は、光学顕微鏡、手術用顕微鏡、ビデオ顕微鏡、又はそれらの組合せとすることかできる。
図1の実施形態において、眼可視化システム110(太い実線で示される)は、手術用顕微鏡112を含み、これ自体は対物レンズ113、光学系115、及び双眼鏡筒又は単眼鏡筒117を含む。眼可視化システム110は又、ビデオ顕微鏡のカメラ118も含むことができる。
【0015】
システム100は、光干渉断層撮影(OCT)システム120をさらに含む。OCTイメージングシステム120は、画像化領域のOCT画像を生成できる。OCTイメージングシステムは、画像化領域のA-スキャン又はB-スキャンを生成するように構成できる。OCT画像又は画像情報は、「OCT出力」信号として出力でき、これは例えばアナライザ140により、出力された「屈折力出力」信号と組み合わせて眼の生体測定又は屈折特性を特定するために使用されることが可能である。
【0016】
OCTイメージングシステム120は、500~2,000nmの波長範囲、幾つかの実施形態では900~1,400nmの範囲で動作するOCTレーザを含むことができる。OCTイメージングシステム120は、タイムドメイン、周波数ドメイン、スペクトルドメイン、掃引周波数、又はフーリエドメインOCTシステム120とすることができる。
【0017】
各種の実施形態において、OCTイメージングシステム120の一部は、顕微鏡に統合でき、又その一部は別のコンソールに据え付けることができる。幾つかの実施形態において、顕微鏡に統合されるOCT部分は、OCT光源、例えばOCTレーザのみを含むことができる。眼から戻ったOCTレーザ又はイメージング光は、ファイバへと供給され、OCTイメージングシステム120の第二の部分、すなわち顕微鏡の外のOCT干渉計へと導かれることができる。OCT干渉計は、幾つかの実施形態では別のコンソール内に配置でき、この場合、OCT干渉計信号を処理するために、適当な電子部品も配置される。
【0018】
OCTレーザの実施形態は、例えば角膜頂点から水晶体頂点までの距離等の眼の前房の範囲より長いコヒーレンス長を有することができる。この距離はほとんどの患者において約6mmであり、それゆえ、このような実施形態は4~10mmの範囲のコヒーレンス長を有することができる。その他の実施形態は、眼の軸長全体をカバーするコヒーレンス長、例えば30~50mmを有することができる。さらに別の実施形態は、例えば10~30mmの範囲の中間の長さを有することができ、最後に、幾つかの実施形態は50mmより長いコヒーレンス長を有することができる。幾つかの掃引周波数レーザは、これらのコヒーレンス長範囲に近付きつつある。幾つかのフーリエドメインモード同期(FDML(Fourier Domain Mode Locking))レーザ、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL(vertical-cavity surface-emiting laser))ベース、ポリゴンベース又はMEMSベース波長掃引レーザはすでに、これらの範囲のコヒーレンス長のレーザビームを送達できる。
【0019】
システム100として示されている例は、画像化領域の屈折マッピングを生成する屈折計130をさらに含む。屈折計130は、広く使用されているタイプの何れであってもよく、これにはレーザ光線トレーサ、シャック・ハルトマン、タルボ-モアレ、又はその他の屈折計が含まれる。屈折計130は、波面アナライザ、収差検出器、又は収差計を含むことができる。幾つかの参考文献では、これらの用語は基本的に互換的に、又は同義で使用されている。屈折計130のダイナミックレンジは、有水晶体眼及び無水晶体眼、すなわち本来の水晶体のある眼とない眼を包含できる。
【0020】
幾つかのシステムにおいて、OCTイメージングシステム120と屈折計130は、顕微鏡112又はスリットランプの主光路への光結合を提供するビームスプリッタ152cを含むことのできる顕微鏡インタフェース150を介して統合できる。ミラー154-1は、屈折計130の光を光路へと結合でき、ミラー154-2はOCT 120の光を光路へと結合できる。顕微鏡インタフェース150、そのビームスプリッタ152c、及びミラー154-1/2は、OCTイメージングシステム120と屈折計130を眼可視化システム110に統合できる。
【0021】
幾つかの実施形態において、OCTイメージングシステム120が900~1,400nmの近赤外(IR)範囲で動作し、屈折計が700~900nmの範囲で動作する場合、ビームスプリッタ152cは高効率且つ低ノイズ動作のために、400nm~700nmの可視範囲において100%に近い透過率を有することができ、700~1,400nmの近IR範囲において100%に近い反射率を有することができる。同様に、ミラー154-1が光を屈折計130へと方向転換させるシステムにおいて、ミラー154-1は700~900nmの近IR範囲において100%に近い反射率を有することができ、ミラー154-2は、900~1,400nmの近IR範囲において100%に近い屈折率を有し、OCTイメージングシステム120へと方向転換させることができる。ここで、「100%に近い」とは、幾つかの実施形態では50~100%の範囲内の値、又は他の実施形態では80~100%の範囲内の値を指すことができる。幾つかの実施形態において、ビームスプリッタ152cは、700~1,400nmの範囲内の波長について50~100%の範囲の反射率、及び400~700nmの範囲内の波長について0~50%の範囲の反射率を有することができる。
【0022】
図1が示すように、システム100はビームスプリッタ152cのほかに第二のビームスプリッタ152bを含むことができる。ビームスプリッタ152cは、光を対物レンズ113と、統合されたOCT 120/屈折計130の組合せとの間で光を方向付ける。ビームスプリッタ152bは、ディスプレイ160と双眼鏡筒117との間で光を方向付けることができる。第三のビームスプリッタ152aは、光をカメラ118に向けることができる。
【0023】
アナライザ、又はコントローラ、140は、受信したOCT及び屈折情報に基づいて総合生体測定解析を実行できる。この解析は、様々な周知の光学ソフトウェアシステム及び製品を利用でき、これにはレイトレーシングソフトウェア及びコンピュータ援用設計(CAD)ソフトウェアが含まれる。総合生体測定の結果は、(1)眼の各部分の光学パワーの値と、適当なIOLのための、それに対応する推奨又は処方されるディオプトリ、(2)角膜の乱視の値と向きと、この乱視を補償するためのトーリックIOLの推奨又は処方されるトーリックパラメータ、及び(3)この乱視を矯正するための1つ以上の減張切開の推奨又は処方される位置と長さ等とすることができる。
【0024】
アナライザ140は、この総合生体測定の結果をディスプレイ160に向けて出力でき、ディスプレイ160はこれらの結果を外科医のために表示できる。ディスプレイ160は、眼可視化システム110に関連付けられる電子ビデオディスプレイ又はコンピュータディスプレイとすることができる。他の実施形態において、ディスプレイ160は、例えば顕微鏡112の外に取り付けられる顕微鏡112に近接したディスプレイとすることができる。最後に、幾つかの実施形態において、ディスプレイ160はマイクロディスプレイ又はヘッドアップディスプレイとすることができ、これは表示光を顕微鏡112の光路内へと投射する。投射は、ミラー157を介して主光路に結合できる。他の実施形態において、ヘッドアップディスプレイ160の全体を顕微鏡112の中に配置し、又は顕微鏡112のポートと統合させることができる。
【0025】
これまでに入手可能なシステムでは、
図1に示されているような顕微鏡搭載型又は顕微鏡内蔵型OCTシステムのOCTエンジンと光学系は再構成不能であり、深さ分解能、方位分解能、焦点深度等のシステムパラメータが固定されている。しかしながら、OCTの最適なシステム要求事項は用途ごとに異なる。例えば、角膜及び網膜への応用には典型的に、白内障関連の処置より高い深さ解像度が必要となる。他方で、白内障への応用では、全眼球イメージング又は前眼部イメージングのためにより長い焦点深度か必要となるが、典型的に、このように長い焦点深度を得るには、それと引き換えに方位分解能と深さ分解能が損なわれる。
【0026】
本明細書に記載されている各種の実施形態は、角膜屈折矯正、白内障、及び網膜水晶体への応用に対する医学的ニーズに柔軟に対処するための顕微鏡ベースのOCT装置を提供する。以下にさらに詳しく述べるように、これらの様々な実施形態のOCTエンジンと光学系は再構成可能であり、すなわち切り替え可能であり、それによって1つの装置で複数の動作モード又は用途の各々に最適なOCT性能を提供できる。
【0027】
図2は、他の実施形態によるシステム200を示しており、この場合、実施形態のいくつかによるモード切り替え光学系及びレーザ切り替え機能を含む。システム200の基本的な機能は
図1に示されるシステム100のそれと同様であるが、システム200の構成部品は、
図2に示されているように、説明のために異なるグループ分けがなされている。物理的なグループ分けは実施形態によって異なることがわかるであろう。
【0028】
システム200は、顕微鏡ユニット210と、測定ヘッド220と、OCTコンソール230のほか、モード切り替えコントローラ240を含む。幾つかの実施形態において、測定ヘッド220は別の顕微鏡ユニット210に搭載されるが、他の実施形態では、測定ヘッド220の構成部品は顕微鏡ユニット210との単独ユニットに内蔵される。
【0029】
顕微鏡ユニット210は、
図1の眼可視化システム110に示される構成部品の幾つか又は全部を含んでいてもよく、それには顕微鏡112が含まれ、これ自体は対物レンズ113と、顕微鏡光学系115と、アップビーム及びダウンビームスプリッタ152u及び152dと、顕微鏡双眼鏡筒117と、を含む。顕微鏡ユニット210は、
図2に示されるように、幾つかの実施形態においてはディスプレイ160、及び/又は幾つかの実施形態ではカメラ118をさらに含んでいてもよい。これらの詳細は
図2に示されるシステム200のモード切り替え光学系とレーザ切り替えの動作を説明する上で重要ではないため、顕微鏡ユニット210のこれらの詳細は
図2には示されていない。
【0030】
図1に示されるシステム100では、OCTシステム120は1つのブロックとして示されている。
図2では、それと対照的に、構成可能なOCTイメージングシステムの構成部品がより詳しく示されている。
図2の例では、これらの構成部品は、顕微鏡ユニット210と一体化されるか、それに搭載される測定ヘッド220と、OCTコンソール230とに分けられる。幾つかの実施形態において、OCTコンソール230に示される構成部品の幾つか又は全部は、例えば測定ヘッド220の構成部品の幾つか又は全部との単独のユニットに含められてよい。
【0031】
OCTコンソール230は複数の光源を含み、これは図の例において、OCTレーザ源232a及び232bを含む。OCTコンソール230は、様々な実施形態において、レーザスイッチ/コンバイナ234をさらに含み、これによってレーザ源232a及び232bからの出力の選択及び/又は結合が可能となる。幾つかの実施形態において、レーザスイッチ/コンバイナ234は光学スイッチを含み、これによってレーザ源232a及び234bからの出力の一方又は他方をOCTエンジン236に中継できる。他の実施形態では、レーザスイッチ/コンバイナ234は光学コンバイナを含んでいてもよく、それによってレーザ源232a及び232bは、レーザ源232a及び/又は232bへのパワー又はレーザを選択的にオンにすることにより選択又は結合される。又別の実施形態では、レーザスイッチ/コンバイナ234は光学スイッチと光学コンバイナの両方を組み合わせてもよい。留意すべき点として、
図2の例示的なシステム200には2つのレーザ源だけが示されているが、他のシステムは、それぞれが異なるOCT用途に有益な異なる光学特性を有する3つ以上の個別のレーザ源を含んでいてもよい。代替的に、システムは1つのレーザ源を有していてもよいが、ただしこれはレーザ源のための切り替え可能な動作モードを有する。異なる光源及び/又は動作モードの切り替えによって、ロングレンジ、低分解能のイメージングに適した光源とショートレンジ、高分解能のイメージングに適した光源との切り替えが可能となり得る。
【0032】
OCTエンジン236は、干渉計、ビーム分割、参照ビーム長調整、及びOCT検出器とデジタイザを含む。OCTエンジン236は、幾つかの実施形態において、カメラ及びフレーム取込み装置をさらに含んでいてもよい。OCT用干渉計の詳細はよく知られており、ここでは提供しないが、OCTエンジン236は、参照アームをスキャンする機能を含むタイムドメインOCT用、スペクトルドメインOCT用、又は波長掃引光源OCT用に構成されてよい。本明細書において開示される実施形態において、干渉計は、それが例えば複数のレーザ源の何れの使用も支持するように構成されてよく、それによって干渉計の構成部品は、例えば複数の異なるレーザ波長の何れを扱うようにも構成される。
【0033】
測定ヘッド220は、リレイ光学系222と、スキャナ224と、モード切り替え光学系226と、を含む。スキャナ224は、被写体全体のx-yスキャニングを実行するための(z軸スキャニングはOCTエンジン236により行われる)回路構成とメカニクスを含み、その一方でリレイ光学系222は、スキャナから被写体(例えば、画像化される角膜)へのビーム送達のために、及びより一般的には、スキャナと被写体との間の順方向及び反射ビームを結合するために必要な何れかの光学的構成部品を含む。これらには、例えば追加のビームエキスパンダ/レデューサ、集光レンズ、及び/又はレンズの組合せが含まれていてよい。モード切り替え光学系226は、1つ以上の光学ステージを含み、これらの光学ステージの1つ以上の光学構成部品は、モード切り替えコントローラ240の制御により、2つ又は異なる動作モードに応じてスワップアスト又は調整できる。換言すれば、モード切り替え光学系は、複数の使用可能な動作モードのうちの1つの選択に基づいて、ビーム送達経路の光学性能を変更/調整できる。
【0034】
図6A~6Dは、モード切り替え光学系226に含められてよい切り替え可能又は構成可能な光学系の幾つかの例を示す。例えば、モード切り替え光学系226は、ビームエキスパンダ又はビームレデューサを選択して、例えば光路の中に、又はその外に移動させて、第一及び第二の動作モードのためにビームパラメータを変化させることができるように構成されてよい。モード切り替え光学系226は、例えばスキャナの入力に異なるビーム径を提供するように構成される、異なる焦点距離を有する2つの異なるコリメータ610を含んでいてもよく、モード切り替えコントローラ240は、所望の動作モードに応じてコリメータのうちの1つを選択する。2つの異なるコリメータ610間のこの切り替えは例えば
図6A及び6Bに示されており、この場合、切り替えはモータ620により行われる。幾つかの実施形態において、切り替え可能ミラー630(又はガルバノメータミラー、MEMSミラー)を使って、ビームの方向を異なる光学系を通るように変化させることができ、又別の実施形態では、光ファイバスイッチ640を使って異なる光路と光学系の切り替えを行うことができる。これらの代替案は
図6C及び6Dに示されている。より一般的には、モード切り替え光学系226の中の選択可能/調整可能光学系は、例えば2つ以上の異なる動作モードに応じて、異なる横方向分解能及び焦点深度を提供してよい。
【0035】
図2に戻ると、モード切り替えコントローラ240は、入力として、動作モードの選択結果を(例えば、図示されていないユーザインタフェースから)受け取り、モード切り替え光学系226の中の構成可能な光学系と選択可能な光学系及びOCTコンソール230内の選択可能なレーザ源及び/又は光源動作モードを選択するための制御信号を、例えばレーザスイッチャ/コンバイナ234を介して提供するための回路構成を含む。モード切り替えコントローラ240は、プログラムメモリと連結されたプロセッサ回路、若しくはデジタルロジック、又はそれらの両方の組合せを含んでいてもよく、例えば、選択された動作モードに基づいて、例えば動作モードと光学系の設定又は制御信号とのルックアップテーブル又はその他のマッピングを使って、モード切り替え光学系226及びOCTコンソール230に印加するための制御信号セットを特定するように構成されていてもよい。
【0036】
図2に記される例示的な実施形態において、測定ヘッド220は手術中に使用するために手術用顕微鏡ユニット210に取り付けられる。
図3は、ある実施形態のOCT装置300を示しており、測定ヘッド220は臨床用として測定テーブルに取り付けられている。
図3に示される各種の構成部品の機能は幾つかの実施形態において
図2に示される構成部品のそれと同じか同様であってよいが、光学構成部品は、その機器の所期の特定の用途又は用途範囲に応じて異なっていてもよい。
【0037】
同様に、
図4は、ある実施形態のOCT装置400を示しており、測定ヘッド320はOCT機能と収差計428を組み合わせる。収差計428は、例えばレイトレーシングに基づくものとすることができ、この場合、それはスキャニング機能をOCT機能と共有してもよい。代替的に、収差計428は例えばシャック・ハルトマン又はタルボ・モアレ技術に基づくものであってもよく、この場合、これはダイクロイックビームスプリッタを通じて光路に結合されてよい。
【0038】
上で詳しく述べた例を念頭に、本明細書に記載されている装置と技術の1つ又は複数を具現化した例示的な光干渉断層撮影(OCT)装置は、2つ以上の選択可能な光源若しくは2つ以上の光源動作モードで選択的に動作するように構成された1つの光源、又はそれら両方の組合せを含む光源モジュールを含み、光源モジュールに連結されたOCTエンジンであって、OCT干渉計を含むOCTエンジンをさらに含むことがわかるであろう。この例示的なOCT装置はモード切り替え光学系モジュールをさらに含み、これはOCTエンジンに連結され、1つ以上のスワップ可能、選択可能、又は調整可能な光学構成部品を含み、それによってモード切り替え光学系モジュールは、2つ以上の対応する動作モードに応じて、OCTエンジンと被写体との間の光路のための2つ以上の光学構成を選択的に提供するように構成される。理解すべき点として、「モジュール」という用語は本明細書において、光学デバイス、電子デバイス等のデバイスの集合を指すために使用されており、モジュールは又、回路基板、マウント装置、筐体、コネクタ、その他も含んでいてよい。
【0039】
幾つかの実施形態において、OCT装置はモード切り替えコントローラをさらに含み、これは、(a)光源モジュールを制御して、光源及び/又は光源動作モードを選択し、(b)モード切り替え光学系を制御して、光路のための2つ以上の光学構成のうちの1つを選択された動作モードに基づいて選択するように構成される。幾つかの実施形態において、モード切り替えコントローラは、ユーザインタフェースから選択された動作モードの表示を受け取るように構成される。幾つかの実施形態において、OCT装置は、モード切り替え光学系に連結され、OCT装置によりスキャンされた被写体を見るように構成された顕微鏡をさらに含む。
【0040】
幾つかの実施形態において、光源モジュールは、2つ以上の選択可能な光源のうちの選択された1つの出力を、OCTエンジンに中継するために切り替えるように構成された光学スイッチを含む。これらのうちの幾つか、又は他の幾つかの実施形態において、光源モジュールは、2つ以上の選択可能な光源からの出力を結合するように構成された光学コンバイナを含み、2つ以上の選択可能な光源は選択可能な光源のうちの1つのパワー又はレーザを選択的にオンにすることによって選択されるように構成される。
【0041】
幾つかの実施形態において、モード切り替え光学系モジュールは、ビームエキスパンダ素子又はビームレデューサ素子を含み、ビームエキスパンダ素子又はビームレデューサ素子は、光路の中又は外に選択的に移動して、少なくとも第一及び第二の動作モードのためのビームパラメータを変更するように構成される。これらのうちの幾つか又は他の幾つかの実施形態において、モード切り替え光学系モジュールは、異なる焦点距離の第一及び第二のコリメータを含み、第一及び第二の選択可能なコリメータは、所望の動作モードに応じて選択可能であるように構成される。これらの後者の実施形態の幾つかにおいて、モード切り替え光学系モジュールは、選択された動作モードに応じて第一のコリメータ又は第二のコリメータを通過するように光ビームの方向を選択的に変化させるように制御可能な切り替え可能ミラーを含み、他の実施形態においては、モード切り替え光学系モジュールは、選択された動作モードに応じて第一のコリメータ又は第二のコリメータを通じて光ビームを選択的に方向付けるように制御可能な光ファイバスイッチを含む。
【0042】
図5は、上記の例の何れかにより構成されたOCT装置等のOCT装置において実装するのに適した例示的な方法を示す。ブロック510に示されるように、方法は、光源モジュールを制御して、2つ以上の選択可能な光源のうちの1つを選択するか、光源のための2つ以上の光源動作モードのうちの1つを選択するか、又はそれらの両方の組合せを行うステップを含む。ブロック520に見られるように、方法は、OCTエンジンであって、干渉計を含むOCTエンジンを介して光源モジュールに連結されたモード切り替え光学系モジュールを制御して、1つ以上のスワップ可能な光学構成部品を選択するか、1つ以上の調整可能な光学構成部品を調整して、OCTエンジンと被写体との間の光路のための2つ以上の選択可能な光学構成のうちの1つを選択するステップをさらに含む。
【0043】
幾つかの実施形態において、方法は、ユーザインタフェースから、選択された動作モードの表示を受け取るステップをさらに含み、光源モジュールとモード切り替え光学系モジュールの前記制御は、受け取った表示に応答して行われる。これは、ブロック505に示されており、それが必ずしも図の方法のすべての実施形態又は例になくてもよいことを示すように、破線の囲みで示されている。
【0044】
幾つかの実施形態において、光源モジュールを制御するステップは、2つ以上の選択可能な光源のうちの選択された1つの出力を、OCTエンジンに中継するように切り替えるように構成された光学スイッチを制御するステップを含む。他の実施形態において、光源モジュールを制御するステップは、2つ以上の選択可能な光源のうちの1つのパワー又はレーザを選択的にオンにするステップを含む。
【0045】
幾つかの実施形態において、モード切り替え光学系モジュールを制御するステップは、モード切り替え光学系を制御して、ビームエキスパンダ又はビームレデューサを光路の中又は外に移動させ、少なくとも第一及び第二の動作モードのためのビームパラメータを変化させるステップを含む。これらのうちの幾つか、又は他の幾つかの実施形態において、モード切り替え光学系モジュールを制御するステップは、異なる焦点距離を有する少なくとも第一及び第二のコリメータ間で選択するステップを含み、第一及び第二の選択可能なコリメータは、所望の動作モードに応じて選択可能であるように構成される。これらの後者の実施形態の幾つかにおいて、モード切り替え光学系モジュールを制御するステップは、切り替え可能ミラーを制御して、選択された動作モードに応じて、第一のコリメータ又は第二のコリメータを通るように光ビームの方向を選択的に変化させるステップを含み、他の実施形態では、光ファイバスイッチが、選択された動作モードに応じて第一のコリメータ又は第二のコリメータを通るように光ビームを選択的に方向付けるように制御される。
【0046】
上述の具体的な実施形態は、本発明を説明するものであって、限定していない。又、上で説明され、後で特許請求される本発明の原理にしたがって数多くの改良や変更が可能であることも理解すべきである。