(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】連携表示システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20240617BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20240617BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240617BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240617BHJP
G09G 5/14 20060101ALI20240617BHJP
G09G 5/22 20060101ALI20240617BHJP
G09G 5/32 20060101ALI20240617BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20240617BHJP
G09G 5/373 20060101ALI20240617BHJP
G09G 5/377 20060101ALI20240617BHJP
G09G 5/38 20060101ALI20240617BHJP
G02B 27/02 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06F3/14 350A
G06F3/14 400
G09F9/00 366Z
G09G5/00 510A
G09G5/00 510V
G09G5/00 530D
G09G5/00 530M
G09G5/00 530T
G09G5/00 550B
G09G5/00 550C
G09G5/00 550H
G09G5/00 555D
G09G5/14 A
G09G5/22 630D
G09G5/22 630G
G09G5/32 610Z
G09G5/37 320
G09G5/373 100
G09G5/377
G09G5/38
G02B27/02 Z
(21)【出願番号】P 2023096977
(22)【出願日】2023-06-13
(62)【分割の表示】P 2021550776の分割
【原出願日】2019-09-30
【審査請求日】2023-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藏知 恵
(72)【発明者】
【氏名】奥 万寿男
(72)【発明者】
【氏名】石井 宏和
(72)【発明者】
【氏名】川前 治
(72)【発明者】
【氏名】橋本 康宣
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 和彦
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-243512(JP,A)
【文献】特開2006-262034(JP,A)
【文献】特開2014-186089(JP,A)
【文献】特開2013-250849(JP,A)
【文献】特開2019-082982(JP,A)
【文献】特開2002-079711(JP,A)
【文献】特開2018-166005(JP,A)
【文献】特開2011-118683(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048-3/04895
G06F 3/14-3/153
G09F 9/00
G09G 5/00-5/42
G06T 1/00
G06T 11/60-13/80
G06T 17/05
G06T 19/00-19/20
G02B 27/00-30/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1情報機器と第2情報機器とを無線通信接続した連携表示システムであって、
前記第1情報機器は、
テキストデータ及び画像データを含むコンテンツを表示する第1ディスプレイと、
前記第2情報機器に対して前記テキストデータを送信する第1通信器と、
前記第1ディスプレイ及び前記第1通信器のそれぞれに接続され、表示制御及び通信制御を行う第1プロセッサと、
コンテンツ解析部と、を備え、
前記第2情報機器は、
前記第1情報機器から前記テキストデータを受信する第2通信器と、
受信した前記テキストデータを表示する第2ディスプレイと、
前記第2ディスプレイ及び前記第2通信器のそれぞれに接続され、表示制御及び通信制御を行う第2プロセッサと、を備えたヘッドマウントディスプレイであって、
前記第1プロセッサは、前記第1ディスプレイに前記テキストデータ及び前記画像データの双方を表示している全コンテンツ表示状態において前記第2情報機器に前記テキストデータを送信すると、前記第1ディスプレイにおける前記テキストデータの表示を停止すると共に前記全コンテンツ表示状態における前記画像データの表示サイズよりも大きなサイズで前記画像データを表示し、
前記ヘッドマウントディスプレイの装着者が下向きに手元又は現実物体を見ながら作業する場合、前記第2プロセッサは、前記第2ディスプレイにおける表示領域のうち、前記装着者の視野中央の視認性が確保できる上部領域に受信した前記テキストデータを表示するモードを持
ち、
前記第2プロセッサは、前記第2ディスプレイに表示されているテキストデータが更新表示されると、その更新表示された新たなテキストデータに相当する画像データを前記第1ディスプレイに更新表示させるための信号を前記第1情報機器に送信制御し、
前記第1プロセッサは、前記信号に基づいて前記新たなテキストデータに関連付けられた画像データを前記第1ディスプレイに表示し、
前記コンテンツ解析部が、前記コンテンツに画像データを含まない場合は第1ディスプレイにもテキスト表示を継続する、
ことを特徴とする連携表示システム。
【請求項2】
第1情報機器と第2情報機器とを無線通信接続した連携表示システムであって、
前記第1情報機器は、
テキストデータ及び画像データを含むコンテンツを表示する第1ディスプレイと、
前記第2情報機器に対して前記テキストデータを送信する第1通信器と、
前記第1ディスプレイ及び前記第1通信器のそれぞれに接続され、表示制御及び通信制御を行う第1プロセッサと、
コンテンツ解析部と、を備え、
前記第2情報機器は、
前記第1情報機器から前記テキストデータを受信する第2通信器と、
受信した前記テキストデータを表示する第2ディスプレイと、
前記第2ディスプレイ及び前記第2通信器のそれぞれに接続され、表示制御及び通信制御を行う第2プロセッサと、を備えたヘッドマウントディスプレイであって、
前記第1プロセッサは、前記第1ディスプレイに前記テキストデータ及び前記画像データの双方を表示している全コンテンツ表示状態において前記第2情報機器に前記テキストデータを送信すると、前記第1ディスプレイにおける前記テキストデータの表示を停止すると共に前記全コンテンツ表示状態における前記画像データの表示サイズよりも大きなサイズで前記画像データを表示し、
前記ヘッドマウントディスプレイの装着者が下向きに手元又は現実物体を見ながら作業する場合、前記第2プロセッサは、前記第2ディスプレイにおける表示領域のうち、前記装着者の視野中央の視認性が確保できる上部領域に受信した前記テキストデータを表示するモードを持ち、
前記コンテンツ解析部が、前記コンテンツは、一連の作業における工程に関連付けられた前記テキストデータ及び前記画像データを含むと判断した場合は、
前記第1プロセッサは、前記第1ディスプレイに、工程に基づいた前記画像データを表示し、
前記第2プロセッサは、前記第2ディスプレイに、前記工程に基づいた前記画像データに対応した前記テキストデータを表示し、
前記コンテンツ解析部が、前記コンテンツは、一連の作業における工程に関連付けられた前記テキストデータ又は前記画像データを含まないと判断した場合は、前記画像データを工程に代わる切れ目として、
前記第1プロセッサは、前記第1ディスプレイに、前記画像データを表示し、
前記第2プロセッサは、前記第2ディスプレイに、第1ディスプレイ上に表示された前記画像データの示す切れ目までの前記テキストデータを表示する、
ことを特徴とする連携表示システム。
【請求項3】
請求項
2に記載の連携表示システムであって、
前記コンテンツ解析部が、前記コンテンツは、一連の作業における工程に関連付けられた前記テキストデータ及び画像データを含むと判断した場合に
、
前記第2プロセッサは、前記第2ディスプレイに、工程ごと
に前記テキストデータを表示す
る、
ことを特徴とする連携表示システム。
【請求項4】
請求項
3に記載の連携表示システムであって、
前記ヘ
ッドマウントディスプレイは、前方風景を撮像して前方画像を生成するカメラを備え、
前記第2プロセッサは、
前記カメラに接続され、
前記第2プロセッサは、
前記前方画像の被写体の状態が、前記コンテンツに含まれるいずれの工程に含まれるかを判定し、当該判定した工程に関連付けられたテキストデータのみを前記第2ディスプレイに表示する、
ことを特徴とする連携表示システム。
【請求項5】
請求項1
又は2に記載の連携表示システムであって、
前記ヘッドマウントディスプレイは、前方風景を撮像して前方画像を生成するカメラを更に備え、
前記カメラで前記装着者の手が動く範囲を検出し、
前記第2プロセッサは、前記第2ディスプレイにおける表示領域のうち、前記装着者の手が動く範囲と重複しない領域に前記テキストデータを表示するモードをさらに持つ、
ことを特徴とする連携表示システム。
【請求項6】
請求項
2に記載の連携表示システムであって、
前記
装着者の視線を検出する視線検出器を更に備え、
前記
コンテンツ解析部が、前記コンテンツは、一連の作業における工程に関連付けられた前記テキストデータ及び画像データを含むと判断した場合に、
前記第2プロセッサは、前記第2ディスプレイの表示領域に次の工程のコンテンツを表示させるための仮想現実オブジェクトを表示し、
前記視線検出器が検出した前記装着者の視線が前記次の工程のコンテンツを表示させるための仮想現実オブジェクトを含む予め定められた閉領域に所定の時間滞留したことを検出すると、表示中の工程を基準としてその次の工程のコンテンツに表示を更新する、
ことを特徴とする連携表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連携表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットには、多彩な情報のコンテンツを提供するWEBサーバが繋がれ、パソコン、スマートフォン等の情報機器から閲覧や観覧が可能である。閲覧や観覧にはWEBブラウザが用いられ、情報機器の基本動作プログラムの一部として搭載されている。情報機器は手入力によるユーザインターフェースが一般的で、このため情報機器を用いてWEBコンテンツの閲覧を行なっているときに、ユーザが別の作業を行なうことは難しい。
【0003】
一方、グラフィックスや文字などの仮想物体(Argument Reality Object)の映像を現実空間に重ね合わせて表示させ、ユーザに視聴させるHMD(HMD:Head Mounted Display)がある。ユーザはHMDを装着し、ゲームや設備機器の操作支援等のコンテンツを観覧しているときでも、自由に動かすことのできる手を用いて、ゲーム機器や設備機器を操作することができる。
【0004】
HMDの表示技術の一例として、特許文献1には、情報機器である携帯端末とHMDを連携させ、携帯端末の画面をHMDの画面に表示する方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
HMDの画面は一般に携帯端末よりも表示領域が小さいので、単に携帯端末の画面をHMDの画面に表示しただけでは、HMDを装着した装着者の視認性が十分に確保できない。一方、同一のコンテンツが携帯端末とHMDとのそれぞれに表示されていても、HMDの装着者は主にHMDの画面を見ているので、両方に同じコンテンツを表示させる必要はない。従って、表示領域が小さいHMDの画面にどのコンテンツを表示させるか、又、視認性をどのように確保するかについては更なる工夫の余地がある。
【0007】
本発明は上記の点を鑑みてなされたものであり、HMDにコンテンツを効率よく、視認性をより確保して表示する技術に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は特許請求の範囲に記載の構成を備える。その一例をあげるならば、第1情報機器と第2情報機器とを無線通信接続した連携表示システムであって、前記第1情報機器は、テキストデータ及び画像データを含むコンテンツを表示する第1ディスプレイと、前記第2情報機器に対して前記テキストデータを送信する第1通信器と、前記第1ディスプレイ及び前記第1通信器のそれぞれに接続され、表示制御及び通信制御を行う第1プロセッサと、コンテンツ解析部と、を備え、前記第2情報機器は、前記第1情報機器から前記テキストデータを受信する第2通信器と、受信した前記テキストデータを表示する第2ディスプレイと、前記第2ディスプレイ及び前記第2通信器のそれぞれに接続され、表示制御及び通信制御を行う第2プロセッサと、を備えたヘッドマウントディスプレイであって、前記第1プロセッサは、前記第1ディスプレイに前記テキストデータ及び前記画像データの双方を表示している全コンテンツ表示状態において前記第2情報機器に前記テキストデータを送信すると、前記第1ディスプレイにおける前記テキストデータの表示を停止すると共に前記全コンテンツ表示状態における前記画像データの表示サイズよりも大きなサイズで前記画像データを表示し、前記ヘッドマウントディスプレイの装着者が下向きに手元又は現実物体を見ながら作業する場合、前記第2プロセッサは、前記第2ディスプレイにおける表示領域のうち、前記装着者の視野中央の視認性が確保できる上部領域に受信した前記テキストデータを表示するモードを持ち、前記第2プロセッサは、前記第2ディスプレイに表示されているテキストデータが更新表示されると、その更新表示された新たなテキストデータに相当する画像データを前記第1ディスプレイに更新表示させるための信号を前記第1情報機器に送信制御し、前記第1プロセッサは、前記信号に基づいて前記新たなテキストデータに関連付けられた画像データを前記第1ディスプレイに表示し、前記コンテンツ解析部が、前記コンテンツに画像データを含まない場合は第1ディスプレイにもテキスト表示を継続する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、HMDにコンテンツを効率よく、視認性をより確保して表示することができる。上述した以外の目的、構成、効果については、以下の実施形態において明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係る情報機器及びHMDの連携表示システムの構成を示す図
【
図9】情報機器側でコンテンツを解析する処理を示すフローチャート
【
図10】HMD側でコンテンツを解析する処理を示すフローチャート
【
図11】第2実施形態で用いるコンテンツ例を示す図
【
図12】第2実施形態におけるHMDの表示例を示す図
【
図13】第1実施形態で用いるコンテンツ例を示す図
【
図14】第2実施形態におけるHMDの表示例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。全図を通じて同一の構成には同一の符号を付し、重複説明を省略する。
【0012】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る情報機器及びHMD(ヘッドマウントディスプレイ)の連携表示システムの構成を示す。
【0013】
図1にて、1はユーザ、2は情報機器、3はHMD、4はアクセスポイント、2a、3a、4aは通信信号、5はネットワーク、6はWEBサーバである。
【0014】
ユーザ1は、SCENE1とSCENE2の2つのシーンのいずれかでWEBコンテンツを閲覧(browsing)、観覧(viewing)する。2つのシーンは任意のタイミングで移行可能である。以下の説明では、情報機器2でWEBコンテンツを検索・受信して表示画面を見ることを閲覧すると記し、HMDでWEBコンテンツの仮想画面を見ることを観覧すると記す。
【0015】
SCENE1では、ユーザ1は情報機器2を用いてWEBコンテンツの閲覧を行なう。情報機器2は、通信信号2a、4a、アクセスポイント4を介してネットワーク5に接続され、ネットワーク5に繋がるWEBサーバ6のWEBコンテンツを検索し、所望のWEBコンテンツを受信して、情報機器2に表示して、WEBコンテンツをユーザ1が視聴する。
【0016】
通信信号2a、4aは、無線LANであることが望ましく、これによりインターネットで広く用いられるTCP/IPやHTTPのプロトコルを活用して、WEBコンテンツの閲覧が行なえる。
【0017】
またネットワーク5は、インターネットとイントラネットを統合して表したものであり、インターネットとイントラネットの間に設けられるプロキシーサーバ等は、図示を省略している。
【0018】
ユーザ1は、情報機器2にキーワードやURLを入力する等によりWEBコンテンツの検索や呼び出しを行なうが、これによりユーザの手は行動を制限される。そこで、ユーザ1が、WEBコンテンツの閲覧中に手の動きを必要とする作業を行なおうとしたとき、SCENE1からSCENE2に移行する。例えば、レシピなど料理の作り方を説明しているWEBコンテンツを検索し、該WEBコンテンツを見ながら実際に料理を行う場合や、家電製品の取り扱い説明書をインターネット上で検索し、該取り扱い説明書を見ながら家電製品を取り扱う場合等がある。
【0019】
ユーザ1は、情報機器2(「第1情報機器」に相当する)とHMD3(「第2情報機器」に相当する)を無線通信接続し、WEBコンテンツを一時停止して、HMD3を自身に装着する。HMD3を装着したシーンがSCENE2である。
【0020】
HMD3は、例えば光学シースルー方式のHMD、あるいはビデオシースルー方式のHMD3であって、以下の説明では、光学シースルー方式のHMD3の場合を説明する。
【0021】
HMD3は、光学スクリーン越しに実景を見ながら、表示光学系で映し出す仮想画面を同時に視認できる。仮想画面は、直前まで情報機器2で見ていたWEBコンテンツの一部、本実施形態ではテキストデータのみの映像である。
【0022】
HMD3は、通信信号3a、4a、アクセスポイント4を介してネットワーク5に接続され、WEBサーバ6からWEBコンテンツを受信することができる。情報機器2経由でWEBコンテンツを受信してもよい。
【0023】
また、通信信号2a、3aは、情報機器2とHMD3とを無線通信接続して送受信させる信号である。このときの通信信号2a、3aは、無線LAN信号であっても良く、もしくはBluetooth(登録商標)信号であっても良い。Bluetooth(登録商標)信号は、情報機器2とHMD3を1対1で通信し、情報機器2とHMD3とのペアリングを一連のプロトコルで実施できる。連携表示システム10は、情報機器2とHMD3を通信接続して表示制御するシステムである。
【0024】
情報機器2はHMD3に、直前まで見ていたWEBコンテンツのURLや視聴の経過時間などのデータを送信し、HMD3は受信したこれらのデータに対応するWEBコンテンツをネットワーク5から受信して、表示光学系に映し出し、継続したWEBコンテンツの観覧を可能とさせる。
【0025】
(情報機器)
図2及び
図3を参照して、情報機器2の例を説明する。
図2は情報機器2の外観の正面図であり、
図3は情報機器のハードウェア構成図である。
【0026】
図2にて、2bはホームボタン、2cは環境光及び近接センサ、2dは受話口、2eはインカメラ、2fは通知ランプ、2gはタッチパネル付ディスプレイ(「第1ディスプレイ」に相当する)の表示領域(仮想画面ともいう)である。この他、図示はされていないが、情報機器2の側面には音量ボタンや電源ボタン、底面にはスピーカ、マイク、電源及び/又は通信コネクタ、イヤホンジャック、裏面にはアウトカメラ、指紋センサ等がある。なお、配置場所は
図2の通りでなくてもよい。
【0027】
図3にて、201はカメラ(インとアウトの少なくとも2つのカメラがある)、202は環境光センサ、近接センサ、GPSセンサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、加速度センサ等のセンサ群、203はグラフィックス処理器、204(
図2の2g)はタッチパネル付ディスプレイ、205はマイクとスピーカ、206は無線通信器(「第1通信器」に相当する)、207はCPU(「第1プロセッサ」に相当する)、208はRAM、209はFlash ROM(FROM)、212は外部インタフェース(I/F)、213は内部バスである。
【0028】
FROM209は、情報機器2の基本動作プログラム210とHMD連携アプリ211(情報機器にインストールされている)のプログラムを含み、これらのプログラムはCPU207がRAM208に展開して実行する。更にFROM209は、処理プログラムを実行する過程及び結果で発生するデータを格納することができる。
【0029】
無線通信器206は、4Gなどのモバイル通信、無線LAN通信、Bluetooth(登録商標)通信などの複数の通信機能を含む。
【0030】
タッチパネル付ディスプレイ204は、グラフィックス処理器203で描画する画像をディスプレイ部へ映し出すと共に、タッチパネルではユーザの入力操作を受け付ける。ディスプレイに表示したキーボードの画面を使ってユーザはURL等を入力し、WEBコンテンツを閲覧する。
【0031】
(HMD)
図4及び
図5を参照して、HMD3の例について説明する。
図4はHMD3の外観図であり、
図5はHMDのハードウェア構成図である。
【0032】
図4にて、30はカメラ、31は測距デバイス、32a、32bは投影光学系、33はレンズやスクリーン等の表示光学系、34はノーズパッド、35はプロセッサ、36はスピーカ、37はマイク、38a、38b、38cはフレーム筐体である。
【0033】
ユーザ1は、フレーム筐体38a、38bとノーズパッド34で、HMD3を自身の顔部に装着する。
【0034】
カメラ30は、ユーザの視線前方を撮影するように取り付けられており、測距デバイス31は、カメラ30の撮影画像(「前方画像」に相当する)が捉える現実空間の現実物体との距離を測定する。
【0035】
測距デバイス31は、現実物体の輪郭等の特徴点に対してステレオカメラのような方式で距離を算出するものでもよいし、TOF(Time of Flight)方式のように2次元的に光線を照射して距離を計測するものでもよく、撮影画像に対応して、現実物体との距離を測定できるものであれば良い。測距デバイス31は、測距デバイス31及び距離算出器351(
図5参照)を含んで構成される。
【0036】
投影光学系32a、32bと表示光学系33で、HMD3の表示部(「第2ディスプレイ」に相当する)を構成する。投影光学系32a、32bは、仮想物体の映像を、左目で確認する画像と右目で確認する画像として、表示光学系33に投影して表示する。ユーザ1は、前方の風景や現実物体を、表示光学系33を透過して見ることができ、投影光学系32a、32bから投影する仮想物体の映像は、表示光学系33を介して、現実空間の現実物体と区別しやすい任意の位置に表示させることができる。なお、測距デバイス31はなくてもよい。この場合、仮想画面は、現実空間のプリセットした位置に表示する。
【0037】
プロセッサ35(「第2プロセッサ」に相当する)は、カメラ30で撮影した現実空間の画像、測距デバイス31で取得した現実物体などの現実空間の位置データを取り込み、内部のメモリやCPUに供給する。また、ジャイロ、方位、位置、接触センサ等、更には視線検出センサのセンサ群を内蔵する。
【0038】
更にプロセッサ35は、投影光学系32a、32bで投影する画像やスピーカ36に出力する音を作成する。プロセッサ35、カメラ30、測距デバイス31、スピーカ36、マイク37は、フレーム筐体38a、38b、38cに配置される。なお、配置場所は
図4の通りでなくてもよい。
【0039】
図5にて、
図4と同一のものには同一の番号を付している。350は内部バス、351は距離算出器、352はセンサ群、354は無線通信器、355はCPU、356はRAM、357は画像RAM、358はFROMである。
【0040】
投影光学系32は、
図4の投影光学系32a、32bに対応する。投影光学系32は、32a、32bのように左目の画像と右目の画像を独立に表示光学系33に投影させる。他に、ひとつのプロジェクタでインタリーブした左目の画像と右目の画像を投影し、シャッタ光学系で、左目の画像と右目の画像をそれぞれの目に透過させるものであっても良い。更には、ホログラフィックレンズを用いた光学系でも良い。
【0041】
無線通信器354(「第2通信器」に相当する)は、HMD3を無線LAN上のアクセスポイント4を介してネットワーク5に接続する。またBluetooth(登録商標)通信などで、情報機器2と1対1通信を行う。
【0042】
FROM358には、処理プログラムとして、基本動作プログラム580、HMD連携アプリのプログラム581が含まれる。これらの処理プログラムは、CPU355がRAM356に展開して実行する。更にFROM358は、処理プログラムを実行する過程及び結果で発生するデータを格納することができる。
【0043】
また投影光学系32に送出する画像データは、画像RAM357に格納し、画像RAM357から読み出す。
【0044】
図6は、連携表示システム10のプログラム機能ブロック図である。情報機器2のCPU207は、HMD連携アプリ211をRAM208にロードして実行することにより、表示制御部401、コンテンツ解析部402、及び通信制御部403を構成する。HMD3のCPU355は、HMD連携アプリ358をRAM356にロードして実行することにより、表示制御部501、コンテンツ解析部502、通信制御部503及び視線検出部504を構成する。各部の機能は、
図9、
図10のフローチャートを参照して後述する。
【0045】
図7、
図8は、連携表示システム10による表示切替例を示す図である。
【0046】
図7、
図8の表示状態A(全コンテンツ表示状態)において、情報機器2とHMD3とを通信接続してテキストデータを情報機器2からHMD3へ転送すると表示状態B1(
図7参照)又は表示状態B2(
図8参照)に遷移する。また連携終了の指示を情報機器2又はHMD3から入力すると、表示状態B1又は表示状態B2から表示状態Aへと遷移する。
【0047】
表示状態A、即ち情報機器のみでコンテンツを表示している場合の表示状態では、テキストデータ及び画像Aを含むコンテンツを表示している。タッチパネル付ディスプレイ204の画面2gの右端には、表示画面を前後方向に移動させるためのスクロールバー2g1が配置されている。
【0048】
表示状態B1では、情報機器2で画像Aのみが表示され、HMD3でテキストデータのみが表示される。表示状態B1における画像Aの表示サイズは、表示状態Aにおける画像Aの表示サイズよりも拡大されている。HMD3で表示するものは“AR”として称することがあるが、現実の物体や位置にHMD3で表示する仮想オブジェクト(
図7の例ではテキストデータに相当する)が紐付けされていなくてもよい。
【0049】
表示状態B1では、テキストデータがHMD3の表示領域(仮想画面)において左に寄せて表示される。これにより、HMD3の装着者(ユーザ1)の視野中央の視認性を確保する。
【0050】
また表示状態B2に示すように、テキストデータがHMD3の仮想画面の上部に寄せて表示されてもよい。これにより、HMD3の装着者の視野中央の視認性を確保する。特に、HMD3の装着者が下向きに手元又は現実物体を見ながら作業をする場合、例えば料理をする際には、HMD3の仮想画面上部にのみ仮想オブジェクトを表示することで、作業中の視認性が確保される。なお、作業状態によって、仮想オブジェクトを表示する位置を下部や左右いずれかに設定してもよい。表示位置は装着者が任意で決めてもよいし、HMD3が自動で設定してもよい。HMD3が自動で設定する場合、アウトカメラで装着者の手が動く範囲を検出し、HMD3の表示領域内で装着者の手が動く範囲と重複しない箇所へ表示させる。
【0051】
HMD3の表示制御部501は、表示状態B1、B2のそれぞれにおいて、テキストデータの文字数が多く、仮想画面に収まりきらない場合に、仮想画面をスクロールさせる矢印形状の仮想オブジェクトMをHMD3の仮想画面にテキストデータと共に表示する。矢印選択領域M1は、仮想オブジェクトMを内包する閉領域により構成される。矢印選択領域M1は、視線が矢印を選択したと判断する領域である。
【0052】
視線検出部504は、インカメラでHMD3の装着者の顔を撮像し、その顔画像から視線方向を検出する。そして、装着者の視線が矢印選択領域M1に来たことを検出すると、表示制御部501は、矢印の方向にHMD3の表示可能な領域を遷移させる。HMD3は、画面をスクロールさせたことを情報機器2に通知する。情報機器2は、スクロールされた新たに表示されたテキストデータに関連づいた画像が、画像Aとは異なる画像Bである場合は、画像Aから画像Bへと表示を切り替える。
【0053】
図9、
図10は、連携表示システムの処理の流れを説明する。S100でアプリを起動する。以下の処理は、情報機器2及びHMD3の主電源が投入され、情報機器2及びHMD3の各々の機器においてHMD連携アプリが起動し、ペアリングが完了している状態から開始する。
【0054】
図9は、情報機器2側でコンテンツを解析する処理を示すフローチャートである。
【0055】
情報機器2において、テキストデータ及び画像Aが表示されている状態(表示状態A)において、ユーザが、情報機器2上でHMD3での閲覧モードに切り替える操作を行なう(S101)。
【0056】
情報機器2の通信制御部403は、HMDが接続されているか確認する(S102)。
【0057】
情報機器2のコンテンツ解析部402は、表示コンテンツからテキストのみを抽出し、テキストデータを生成する(S103)。
【0058】
コンテンツ解析部402は、通信制御部403に生成したテキストデータを出力する。通信制御部403は無線通信器206からHMD3へテキストデータを送信する(S104)。
【0059】
HMD3の通信制御部503は無線通信器354を介してテキストデータを受信し、受信完了信号を情報機器2へ送信する(S105)。
【0060】
HMD3の表示制御部501は、受信したテキストデータをHMD表示用にフォント、サイズ、色などの調整を行い(S106)、投影光学系32及び表示光学系33を用いてHMD3でテキストを表示する(S107)。
【0061】
表示制御部501は、無線通信器354から表示部分のテキストを情報機器2へ送信する(S108)。
【0062】
コンテンツ解析部402は、HMD3で表示しているテキストと対応する画像を決定し、表示制御部401が情報機器2のタッチパネル付ディスプレイ204で拡大表示する(S109)。
【0063】
テキストをすべて表示していなければ(S110/NO)、表示制御部501は、HMD3でテキストの表示を継続する(S107)。
【0064】
テキストをすべて表示しているが(S110/YES)、HMD3でテキストの表示を継続する場合は(S111/NO)、表示制御部501は、HMD3でテキストの表示を継続する(S107)。
【0065】
HMD3でテキストの表示を終了する場合は(S111/YES)、HMD3における表示終了信号を情報機器2に送信する(S112)。
【0066】
情報機器2の表示制御部401は、表示終了信号を受信すると情報機器2の表示を元に戻す(S113)。
【0067】
図10は、HMD3側でコンテンツを解析する処理を示すフローチャートである。
図9と同一のステップには同一の符号を付し、重複説明を省略する。
【0068】
情報機器2とHMD3とが接続されているかを確認すると(S102)、情報機器2からHMD3へコンテンツデータ(テキストデータ及び画像データ)を送信する(S201)。
【0069】
HMD3がコンテンツデータを受信し、通信制御部503から受信完了信号を情報機器2へ送信する(S202)。
【0070】
HMD3のコンテンツ解析部502は、受信したコンテンツデータからテキスト部分を抽出し、テキストデータを生成し(S203)、HMD3でテキストデータを表示するための処理(S106)、及び表示を行う(S107)。その後は、
図9と同様、情報機器2で画像の拡大表示を行う。
【0071】
上記において、HMD3のコンテンツ解析部502及び情報機器2のコンテンツ解析部402が、テキストと画像とを選別する方法は、各種ありうる。例えば、WebサイトやePUB形式の電子書籍データの場合、HTML、XML、XHTMLのソースを解析し、表示するテキストと画像ファイルを切り分けしてもよい。そして表示しているテキスト(コメントなど、情報機器2上でも表示していないテキストは除外する)のみ抽出してテキストデータを生成してもよい。
【0072】
一方、画像は、画像のタグに画像を格納しているディレクトリ情報があるので、直接該当アドレスを呼び出して情報機器2上で画像を表示してもよい。
【0073】
また、PDFデータの場合は、OCRなどで書き出せる部分をテキストデータとして抽出してもよい。
【0074】
更に、情報機器2で画像だけを表示させる方法として、例えば、情報機器2でサイト閲覧をしている場合、その画像を表示させる際にURL(サーバ上の画像ファイルの格納場所)を読み込んでいるので、そのアドレスを表示させればよい。
【0075】
一方、画像がない場合は、表示させていたコンテンツをそのまま表示しておいてもよい。この場合は、上記のテキスト及び画像を含むコンテンツを用いた処理の例外ケースとして位置づけられる。
【0076】
上記実施形態によれば、テキスト及び画像を含むコンテンツを情報機器2とHMD3とを連携させて表示させる場合に、HMD3にはテキストデータだけを表示し、情報機器2には画像を拡大して表示できる。これにより、ユーザはHMD3を装着した状態でテキスト情報を視認しつつ、画像はHMD3に表示されないのでHMD3を装着中の視認性を向上させることができる。更に、情報機器2では画像が拡大表示されるので、画像を視認したい場合は情報機器2を見ることで実像として拡大画像を視認し、画像の視認性が向上する。
【0077】
[第2実施形態]
第2実施形態は、第1実施形態とコンテンツが異なる。第2実施形態では、作業の工程(手順)ごとにテキスト及び画像が関係付けられたコンテンツを連携表示させる点で、第1実施形態と異なる。
【0078】
図11は、第2実施形態で用いるコンテンツ例を示す図である。
図12は、第2実施形態におけるHMDの表示例を示す図である。
図13は、第1実施形態で用いるコンテンツ例を示す図である。
図14は、第2実施形態におけるHMD3の表示例を示す図である。
【0079】
図11のコンテンツ1は、図や写真などの画像と、テキストが1対1で対応しているコンテンツである。例えば、料理のレシピ、裁縫や園芸、ストレッチや筋トレなどのトレーニング、着物の着付けや帯の結び方などの作業が伴うコンテンツがある。テキストに関連付けられた画像は、静止画だけでなく動画が掲載されているコンテンツでもよい。これらのコンテンツは、Image 1とImage 1に対応した説明文、たとえば料理のレシピでは材料の下ごしらえの写真がImage 1にあり、テキストは下ごしらえの方法がImage 1の右横に並べて記載される。そして次工程のImage 2とImage 2に対応した説明文がImage 1及びそれに対応する説明文の下にそれぞれ表示されている。
【0080】
HMD3のコンテンツ解析部502及び情報機器2のコンテンツ解析部402が工程に沿って表示されたコンテンツである、と認識する基準として、例えば以下の基準の少なくとも一つ、又は任意の組み合わせが用いられてもよい。
(基準1)テキスト及び画像がフレーム又はテーブルへパラグラフごとに配置されている。
(基準2)テキストの頭に、順番を示す数字又はアルファベットなどが記載されている。
(基準3)画像のキャプション(サイトの場合、<ALT>タグでもよい)に、順番を示す数字又はアルファベットなどが記載されている。
(基準4)タイトルのテキストに、「手順」「レシピ」「やり方」「方法」など、作業手順を意味する言葉が入っている。
【0081】
HMD3のコンテンツ解析部502及び情報機器2のコンテンツ解析部402は、コンテンツが、フレーム、テーブル、又はパラグラフのいずれか一つ、又は任意の組みあわせを用いて工程ごとにわかれていると判断すると、表示状態Aから表示状態B1又は表示状態B2へ切り替える。その場合、
図12に示すように、HMD3には一つのステップに含まれるコンテンツのうちのテキストのみを抽出して表示する。テキストのARの近くに矢印選択領域M1を表示する。そして、視線検出部504が、ユーザの視線が矢印選択領域M1へ所定の時間滞留したことを検出すると、コンテンツ解析部502に検出結果を出力し、コンテンツ解析部502が表示制御部501へ次の手順(工程)のコンテンツを表示するように構成してもよい。
図11の例では「step2. Boil the potatoes.」が、
図12に示すHMD3の画面に更新表示される。
【0082】
一方、
図13のコンテンツ2は、HMD3のコンテンツ解析部502及び情報機器2のコンテンツ解析部402が、工程ごとにわかれていないと判断したコンテンツ例である。
【0083】
コンテンツ2は、図や写真などの画像と、テキストが1対1で対応しないもの、例えばニュース、コラム、ブログ等、”読む”だけのコンテンツである。
【0084】
コンテンツ2は、記事やコラムなどのタイトル文に続いて、図や写真などの画像(以下、<Fig.>とする)とテキストが1対1で配置されてはおらず、テキストの途中に<Fig.>が挿入される体裁のコンテンツは、ユーザが“読む”ことをメインとするコンテンツである。この場合、<Fig.>が挿入される場所に規則性はなく、コンテンツの内容にあわせて執筆者が適宜挿入している。<Fig.>は1つ挿入される場合もあれば、複数挿入される場合もある。
【0085】
HMD3のコンテンツ解析部502及び情報機器2のコンテンツ解析部402は、手順が示されている(工程ごとにわかれている)コンテンツと認識できなかった場合、ニュース記事やコラム、ブログ等の、読むためのコンテンツであると判断する。
【0086】
コンテンツ内に挿入されている図は、WEBサイト(ニュース、ブログ等)であれば、画像挿入タグの記述位置に従って表示する。又は、画像が格納されているURLなどのリンク先を読み込み、表示する。
【0087】
WordファイルやPDFファイルを表示する場合も上記と同様、工程が認識できれば工程ごとに、工程が認識できなければ第1実施形態のように、画像とテキストとを分離して表示し、テキストが表示された画面のスクロールに合わせて画像を更新表示してもよい。一方、第2実施形態では、画像を工程に代わるコンテンツの切れ目の判断指標として用い、例えば「The Maxell Group・・・ (hereafter referred to as "We").」までを一つのブロック(コンテンツの部分データからなる)と判断し、HMD3に表示する。その際、HMD3の表示領域内に一つのブロックが表示しきれない場合は、
図14に示すように、テキストのARの近くに矢印選択領域M1を表示する。そして、視線検出部504が、ユーザの視線が矢印選択領域M1へ所定の時間滞留したことを検出すると、コンテンツ解析部502に検出結果を出力し、コンテンツ解析部502が表示制御部501へ次のブロックのコンテンツを表示するように構成してもよい。
【0088】
図13のように、工程に関連付けられていないコンテンツを連携表示させることで、歯磨きや洗濯物をたたむなどの軽微な作業や、思考作業の伴わない作業のため、ニュースやコラムなど気楽に読めるコンテンツを見ながらやりたいが、手は動かさなくてはいけないので情報機器2が持てない場合や、近くに情報機器2などを置いて画面を見ながらやると、いちいち作業の手を止めなくてはならない場合に、HMD3でテキスト部分(コンテンツのメイン部分)を表示することにより、ユーザは作業の手を止めずにコンテンツを読むことができるといったメリットがある。
【0089】
これに対し、工程ごとにコンテンツを表示する第2実施形態を用いると、例えば料理をする場面では、レシピを見ながら調理したいという要望に対して、該当レシピのページを開いた状態の書籍を置くスペースがキッチンにない、書籍をいちいち見に行くのがわずらわしい、スマホやタブレットでレシピを見たいが、指でディスプレイをタップしてスクロールするので非衛生的、情報機器2でレシピを見たいが、一定時間が経過すると画面がロックされる(ディスプレイが非表示になる)ので、見たいときに見られない場合にも、HMD3を装着し、HMD3でレシピのテキスト部分を表示することにより、ユーザは場所を選ばず、また、手を汚さずにレシピを確認できる。
【0090】
また、情報機器2で画像を全画面(拡大)表示して、出来上がり状態を確認できる。
【0091】
更にテキストでの解説も読みたいが、画像を拡大表示させたいときに、情報機器2単体だとテキストと同時に確認ができない課題があるので、その対策としてもよい。
【0092】
また、次の手順(工程)やコンテンツや次のブロックのコンテンツを更新表示させる方法として、矢印選択領域M1を表示させてユーザの視線が矢印選択領域M1へ所定の時間滞留させることにより、例えば作業中のように、両手がふさがっている状況でも、コンテンツを更新表示することができる。
【0093】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態に置き換えることが可能である。また、ある実施形態の構成に、他の実施形態の構成を加えることも可能である。これらは全て本発明の範疇に属するものであり、更に文中や図中に現れる数値やメッセージ等もあくまで一例であり、異なるものを用いても本発明の効果を損なうものでない。
【0094】
また、発明の機能等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実装しても良い。また、マイクロプロセッサユニット、CPU等が動作プログラムを解釈して実行することによりソフトウェアで実装しても良い。また、ソフトウェアの実装範囲を限定するものでなく、ハードウェアとソフトウェアを併用しても良い。
【0095】
例えば画像(静止画、動画)を表示するのは、ユーザが最初に見ていた情報機器2でもよいが、テレビやモニタなど情報機器2とは別の表示機器へコンテンツを送信し、表示させてもよい。
【0096】
またHMD3のカメラで装着者の視野を含む前方風景を撮像して生成し、コンテンツ解析部502が前方画像の被写体の状態を解析し、被写体の状態が次の工程に含まれると判定すると表示制御部501に対して通知し、表示制御部501が仮想画面に表示されているテキストデータを、次の工程に関連付けられたテキストデータに更新表示してもよい。
【符号の説明】
【0097】
1 :ユーザ
2a :通信信号
2g :画面
2g1 :スクロールバー
3 :HMD
3a、4a :通信信号
4 :アクセスポイント
5 :ネットワーク
6 :WEBサーバ
10 :連携表示システム
30 :カメラ
31 :測距デバイス
32、32a、32b :投影光学系
33 :表示光学系
34 :ノーズパッド
35 :プロセッサ
36 :スピーカ
37 :マイク
38a、38b、38c :フレーム筐体
203 :グラフィックス処理器
204 :タッチパネル付ディスプレイ
206、354 :無線通信器
207、355 :CPU
208、356 :RAM
210、580 :基本動作プログラム
211、358 :HMD連携アプリ
351 :距離算出器
357 :画像RAM
401、501 :表示制御部
402、502 :コンテンツ解析部
403、503 :通信制御部
504 :視線検出部
581 :プログラム
M :仮想オブジェクト
M1 :矢印選択領域