IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱重工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-ノズル機構およびノズル機構の補修方法 図1
  • 特許-ノズル機構およびノズル機構の補修方法 図2
  • 特許-ノズル機構およびノズル機構の補修方法 図3
  • 特許-ノズル機構およびノズル機構の補修方法 図4
  • 特許-ノズル機構およびノズル機構の補修方法 図5
  • 特許-ノズル機構およびノズル機構の補修方法 図6
  • 特許-ノズル機構およびノズル機構の補修方法 図7
  • 特許-ノズル機構およびノズル機構の補修方法 図8
  • 特許-ノズル機構およびノズル機構の補修方法 図9
  • 特許-ノズル機構およびノズル機構の補修方法 図10
  • 特許-ノズル機構およびノズル機構の補修方法 図11
  • 特許-ノズル機構およびノズル機構の補修方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】ノズル機構およびノズル機構の補修方法
(51)【国際特許分類】
   F23D 14/48 20060101AFI20240617BHJP
【FI】
F23D14/48 C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023128117
(22)【出願日】2023-08-04
【審査請求日】2023-08-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】松尾 啓介
(72)【発明者】
【氏名】天野 五輪麿
(72)【発明者】
【氏名】下之門 智史
(72)【発明者】
【氏名】三村 匠
【審査官】豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-105931(JP,A)
【文献】実公昭44-014173(JP,Y1)
【文献】実公平01-037925(JP,Y2)
【文献】特開2013-185353(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23D 14/00 - 14/84
F16B 5/00 - 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
火炉に燃料と酸化性ガスを供給して燃焼させる燃焼設備のノズル機構であって、
前記燃料または前記酸化性ガスの流通方向に沿って筒状に形成されるとともに先端開口部が前記火炉に面して配置される第1ノズルと、
前記流通方向に沿って筒状に形成されるとともに前記第1ノズルに接続される第2ノズルと、
前記第1ノズルと前記第2ノズルとを連結する第1連結部と、を備え、
前記第1連結部は、
前記第1ノズルの鉛直方向の上方かつ前記第1ノズルの前記第2ノズル側の端部に接合されるとともに前記第1ノズルから前記第2ノズル側へ突出する突出部と、
前記第2ノズルに配置されるとともに前記第2ノズルの鉛直方向の上方かつ前記第2ノズルの前記第1ノズル側の端部に接合されて前記突出部を保持する保持部と、を有し、
前記保持部は、水平方向に第1所定幅を有する貫通穴を有し、
前記突出部は、前記水平方向に前記第1所定幅より短い第2所定幅を有するとともに前記貫通穴に挿入される挿入部と、前記挿入部に連結されて前記貫通穴の端部に係止される係止部と、を有するノズル機構。
【請求項2】
前記係止部は、前記水平方向に前記第1所定幅よりも長い第3所定幅を有する請求項1に記載のノズル機構。
【請求項3】
前記第1連結部は、前記水平方向に沿って間隔を開けた複数の連結位置に配置される請求項1に記載のノズル機構。
【請求項4】
前記第1ノズルと前記第2ノズルとを連結する第2連結部を備え、
前記第2連結部は、
一端に雄ねじ部が形成され他端に頭部が形成されるとともに前記第1ノズルの前記第2ノズル側の端部および前記第2ノズルの前記第1ノズル側の端部に形成された一対の締結穴に前記第2ノズル側から挿入される締結ボルトと、
前記一対の締結穴に挿入された前記締結ボルトの前記雄ねじ部に締結される締結ナットと、を有する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のノズル機構。
【請求項5】
火炉に燃料と酸化性ガスを供給して燃焼させる燃焼設備のノズル機構を補修する補修方法であって、
前記ノズル機構は、
前記燃料または前記酸化性ガスの流通方向に沿って筒状に形成されるとともに先端開口部が前記火炉に面して配置される第1ノズルと、
前記流通方向に沿って筒状に形成されるとともに前記第1ノズルに接続される第2ノズルと、を備え、
前記第1ノズルの鉛直方向の上方かつ前記第1ノズルの前記第2ノズル側の端部に前記第1ノズルから前記第2ノズル側へ突出する突出部を接合する第1接合工程と、
前記第2ノズルの鉛直方向の上方かつ前記第2ノズルの前記第1ノズル側の端部に前記突出部を保持する保持部を接合する第2接合工程と、を有し、
前記保持部は、水平方向に第1所定幅を有する貫通穴を有し、
前記突出部は、前記水平方向に前記第1所定幅より短い第2所定幅を有するとともに前記貫通穴に挿入される挿入部と、前記挿入部に連結されて前記貫通穴の端部に係止される係止部と、を有するノズル機構の補修方法。
【請求項6】
前記係止部は、前記水平方向に前記第1所定幅よりも長い第3所定幅を有する請求項5に記載のノズル機構の補修方法。
【請求項7】
前記ノズル機構は、
前記第1接合工程および前記第2接合工程により前記ノズル機構を補修する前に前記第1ノズルと前記第2ノズルとを連結する複数の第2連結部を備え、
前記第2連結部は、
一端に雄ねじ部が形成され他端に頭部が形成されるとともに前記第1ノズルの前記第2ノズル側の端部および前記第2ノズルの前記第1ノズル側の端部に形成された一対の締結穴に前記第2ノズル側から挿入される締結ボルトと、
前記一対の締結穴に挿入された前記締結ボルトの前記雄ねじ部に締結される締結ナットと、を有し、
前記第1ノズルと前記第2ノズルとの連結を解除する解除工程と、
前記解除工程により連結が解除された前記第1ノズルおよび前記第2ノズルの損傷個所を補修する補修工程と、を備え、
前記第1接合工程は、前記第2連結部が損傷した場合に、前記補修工程により補修された前記第1ノズルに前記突出部を接合し、
前記第2接合工程は、前記第2連結部が損傷した場合に、前記補修工程により補修された前記第2ノズルに前記保持部を接合する請求項5または請求項6に記載のノズル機構の補修方法。
【請求項8】
前記第1接合工程は、前記水平方向に沿って間隔を開けた複数の連結位置において前記第1ノズルに前記突出部を接合し、
前記第2接合工程は、複数の前記連結位置において前記第2ノズルに前記保持部を接合する請求項5に記載のノズル機構の補修方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ノズル機構およびノズル機構の補修方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、発電用ボイラの火炉には燃焼装置が設けられ、燃焼装置には火炉に石炭等の固体燃料を微粉状に粉砕した粉体燃料を搬送用空気とともに供給するバーナノズルが備えられている(例えば、特許文献1)。特許文献1には、火炉側に配置される二重管部材(前部ノズル)と炉外側に配置される本体部(後部ノズル)とに分割した構造のバーナノズルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3897534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のバーナノズルは、炉外側に配置される本体部にタップ穴を形成し、タップ穴にボルトのねじ部を締結させている。しかしながら、火炉側に配置される二重管部材を交換する場合に、例えばボルトが損傷により切断されてねじ部がタップ穴に保持されたままとなる可能性がある。この場合、タップ穴に保持されたねじ部を除去しないと新たな二重管部材を取り付けることができない。また、タップ穴に保持されたねじ部も損傷している場合、ねじ部の除去が難しい可能性があり、二重管部材の交換作業に手間を要する。
【0005】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、前部ノズルと後部ノズルとを連結する既存の連結機構が損傷した場合に、再び前部ノズルと後部ノズルとを連結する作業を簡素化することが可能なノズル機構およびノズル機構の補修方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のノズル機構およびノズル機構の補修方法は以下の手段を採用する。
本開示の一態様に係るノズル機構は、火炉に燃料と酸化性ガスを供給して燃焼させる燃焼設備のノズル機構であって、前記燃料または前記酸化性ガスの流通方向に沿って筒状に形成されるとともに前記第1ノズルは、先端開口部が前記火炉に面して配置される第1ノズルと、前記流通方向に沿って筒状に形成されるとともに前記第1ノズルに接続される第2ノズルと、前記第1ノズルと前記第2ノズルとを連結する第1連結部と、を備え、前記第1連結部は、前記第1ノズルの鉛直方向の上方かつ前記第1ノズルの前記第2ノズル側の端部に接合されるとともに前記第1ノズルから前記第2ノズル側へ突出する突出部と、前記第2ノズルに配置されるとともに前記第2ノズルの鉛直方向の上方かつ前記第2ノズルの前記第1ノズル側の端部に接合されて前記突出部を保持する保持部と、を有し、前記保持部は、水平方向に第1所定幅を有する貫通穴を有し、前記突出部は、前記水平方向に前記第1所定幅より短い第2所定幅を有するとともに前記貫通穴に挿入される挿入部と、前記挿入部に連結されて前記貫通穴の端部に係止される係止部と、を有する。
【0007】
本開示の一態様に係るノズル機構の補修方法は、火炉に燃料と酸化性ガスを供給して燃焼させる燃焼設備のノズル機構を補修する補修方法であって、前記ノズル機構は、前記燃料または前記酸化性ガスの流通方向に沿って筒状に形成されるとともに先端開口部が前記火炉に面して配置される第1ノズルと、前記流通方向に沿って筒状に形成されるとともに前記第1ノズルに接続される第2ノズルと、を備え、前記第1ノズルの鉛直方向の上方かつ前記第1ノズルの前記第2ノズル側の端部に前記第1ノズルから前記第2ノズル側へ突出する突出部を接合する第1接合工程と、前記第2ノズルの鉛直方向の上方かつ前記第2ノズルの前記第1ノズル側の端部に前記突出部を保持する保持部を接合する第2接合工程と、を有し、前記保持部は、水平方向に第1所定幅を有する貫通穴を有し、前記突出部は、前記水平方向に前記第1所定幅より短い第2所定幅を有するとともに前記貫通穴に挿入される挿入部と、前記挿入部に連結されて前記貫通穴の端部に係止される係止部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、第1ノズルと第2ノズルとを連結する既存の連結機構が損傷した場合に再び第1ノズルと第2ノズルとを連結する作業を簡素化することが可能なノズル機構およびノズル機構の補修方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実施形態に係るノズル機構の補修前の状態を示す分解斜視図である。
図2図1に示すノズル機構のA部分の縦断面図である。
図3】本開示の一実施形態に係るノズル機構の補修後の状態を示す平面図である。
図4図3に示すノズル機構のB部分の部分拡大図である。
図5図4に示す第1連結部のD-D矢視断面図である。
図6図4に示す第1連結部のE-E矢視断面図である。
図7図3に示すノズル機構のC-C矢視断面図である。
図8図7に示すノズル機構のF部分の部分拡大図である。
図9】連結部を示す平面図であり、突出部を前部ノズルに接合した状態を示す。
図10】連結部を示す平面図であり、保持部の一対の壁部を後部ノズルに接合した状態を示す。
図11】ノズル機構の他の実施形態を示す縦断面図である。
図12図11に示すノズル機構のG部分の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示の一実施形態に係るノズル機構100及びノズル機構100の補修方法について、図面を参照して説明する。図1は、本開示の一実施形態に係るノズル機構100の補修前(損傷前)の状態を示す分解斜視図である。
【0011】
本実施形態のノズル機構100は、火炉(図示略)に微粉燃料を供給して燃焼させるボイラが備えるバーナ(燃焼設備)を構成する機構である。本実施形態のボイラは、例えば石炭を粉砕した微粉炭を燃料として用いる。ボイラは、微粉炭を搬送用空気(一次空気、酸化性ガス)とともにノズル機構100の内周側から噴出させて、ノズル機構100の外周側から供給される燃焼用空気(二次空気、酸化性ガス)により燃焼させ、この燃焼により発生した熱を回収する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態のノズル機構100は、先端開口部10aが火炉に面して配置される前部ノズル(第1ノズル)10と、前部ノズル10の基端部に接続される後部ノズル(第2ノズル)20とを有する。前部ノズル10および後部ノズル20は、それぞれ微粉燃料の流通方向を軸方向とし、軸方向に沿って筒状に形成されている。本実施形態は、微粉燃料と一次空気、及び二次空気を炉内に供給するバーナノズルに適用する例を説明するが、二次空気のみを炉内に供給するノズルにも適用可能である。
【0013】
前部ノズル10および後部ノズル20は、それぞれ内周側に配置される内筒部(一次ノズル100A)と外周側に配置される外筒部(二次ノズル100B)とを有する二重管構造となっている。そのため、前部ノズル10と後部ノズル20を、後述するボルト連結部(第2連結部)30により連結することで、内周側の一次ノズル100Aと外周側の二次ノズル100Bが形成される。
【0014】
一次ノズル100Aには、炉外の燃料供給設備(図示略)から微粉燃料と一次空気が供給され、二次ノズル100Bには炉外の送風機(図示略)から二次空気が供給される。一次ノズル100Aに送られた一次空気と微粉燃料の混合気は、前部ノズル10の先端開口部10aから火炉内に噴出される。二次ノズル100Bに送られた二次空気は、前部ノズル10の先端開口部10aを取り囲むように配置される先端開口部10bから火炉内に噴出される。ノズル機構100は、混合気と二次空気を火炉内に噴出させることにより、所定状態の火炎を火炉内に発生させる。
【0015】
図1に示すように、ノズル機構100の後部ノズル20の周方向には、一次ノズル100Aと二次ノズル100Bの間に複数のボス部(リブ)21が配置されている。ボス部21は、後部ノズル20において外筒から内筒を保持するとともに、後述するボルト連結部30により前部ノズル10と後部ノズル20とを連結するために用いられる。
【0016】
次に、図2を参照して、前部ノズル10と後部ノズル20とを連結するボルト連結部30について説明する。図2は、図1に示すノズル機構100のA部分の縦断面図である。ボルト連結部30は、前部ノズル10のボス部(リブ)11と後部ノズル20のボス部21とを連結するものである。ボルト連結部30は、締結ボルト31と、締結ナット32と、を有する。
【0017】
ボス部11は、前部ノズル10の基端部に形成され、前部ノズル10の外筒と内筒とを連結するように突出する部分である。ボス部21は、後部ノズル20の前部ノズル10側の端部に形成され、後部ノズル20の外筒と内筒とを連結するように突出する部分である。ボルト連結部30は、図1においてボス部21が配置される位置(例えば周方向の8箇所)のそれぞれに設けられる。
【0018】
締結ボルト31は、後部ノズル20側の端部に締結ボルト31の頭部31aが形成され、前部ノズル10側の端部に雄ねじ部31bが形成される軸状部材である。締結ボルト31は、前部ノズル10のボス部11に形成された締結穴11aと、後部ノズル20のボス部21に形成された締結穴21aに挿入される。締結穴11aは前部ノズル10の後部ノズル20側の端部に形成され、締結穴21aは後部ノズル20の前部ノズル10側の端部に形成されている。
【0019】
締結ボルト31の頭部31aは、六角形の形状をしており、スパナなどにより回転力が与えられる。溝部21bは、後部ノズル20の締結穴21aに挿入された締結ボルト31の頭部31aの回転を規制するものである。
【0020】
締結ナット32は、一対の締結穴11a,21aに挿入された締結ボルト31の雄ねじ部31bに締結される部材である。締結ボルト31の雄ねじ部31bを締結ナット32に締結して締め付けることにより、前部ノズル10と後部ノズル20とが連結される。
【0021】
図1に示す補修前のノズル機構100において、前部ノズル10と後部ノズル20は、複数のボルト連結部30により連結される。しかしながら、燃焼バーナの運用中に複数のボルト連結部30の一部または全部が損傷した場合、前部ノズル10と後部ノズル20とが適切に連結された状態を維持することができなくなる。
【0022】
そこで、本実施形態では、燃焼バーナの運用中に複数のボルト連結部30の一部または全部が損傷した場合に、ノズル機構100を補修して連結部40を設置し、前部ノズル10と後部ノズル20とを連結部40により連結する。
【0023】
次に、図3から図8を参照して、連結部40について詳細に説明する。
図3は、本開示の一実施形態に係るノズル機構100の補修後の状態を示す平面図である。図4は、図3に示すノズル機構100のB部分の部分拡大図である。図5は、図4に示す連結部40のD-D矢視断面図である。図6は、図4に示す連結部40のE-E矢視断面図である。図7は、図3に示すノズル機構100のC-C矢視断面図である。図8は、図7に示すノズル機構100のF部分の部分拡大図である。
【0024】
図3に示すように、ノズル機構100は、前部ノズル10と後部ノズル20とを連結する連結部(第1連結部)40を備える。連結部40は、前部ノズル10と後部ノズル20の連結位置において、水平方向HDに沿って間隔を空けて配置される。図3には、ノズル機構100に2つの連結部40を設置する例を示すが、1以上の任意の個数の連結部40を設置してもよい。図4から図6に示すように、連結部40は、突出部41と、保持部42と、を有し、金属材料(例えば、SUS310Sなどの耐熱性を有するステンレス鋼)により形成される部材である。図7に示すように、連結部40は、ノズル機構100の鉛直方向VDの上方に配置される。
【0025】
突出部41は、前部ノズル10の鉛直方向VDの上方かつ前部ノズル10の後部ノズル20側の端部に溶接部41aにより接合される。突出部41は、一次ノズル100Aおよび二次ノズル100Bの中心を通過する軸線Xと平行な方向に沿って、前部ノズル10から後部ノズル20側へ突出するように形成される。
【0026】
保持部42は、突出部41を保持するための部材であり、後部ノズル20の鉛直方向VDの上方に配置されるとともに後部ノズル20の前部ノズル10側の端部に溶接部42aにより接合される。保持部42は、水平方向HDに沿って第1所定幅W1を空けて配置される一対の壁部42Aと、一対の壁部42Aに対して水平方向HDの両端部が溶接部42bにより接合される蓋部42Bと、を有する。
【0027】
図5に示すように、保持部42は、水平方向HDに第1所定幅W1を有する貫通穴42cを有する。突出部41は、水平方向HDに第1所定幅W1よりも短い第2所定幅W2を有する挿入部41Aと、挿入部41Aの後部ノズル20側の端部に連結される係止部41Bと、を有する。図5および図8に示すように、挿入部41Aは、保持部42の貫通穴42cに挿入される。
【0028】
水平方向HDにおいて、貫通穴42cの第1所定幅W1よりも挿入部41Aの第2所定幅W2が短い。そのため、ボイラの運転中に、前部ノズル10の水平方向HDの熱伸び量と、後部ノズル20の水平方向HDの熱伸び量に差が生じたとしても、挿入部41Aが壁部42Aに接触して連結部40が損傷することを防止することができる。
【0029】
前部ノズル10と後部ノズル20を直接溶接して連結した場合は、熱伸び差により前部ノズル10と後部ノズル20の連結箇所に損傷が発生する可能性があるが、連結部40であれば第1所定幅W1よりも第2所定幅W2が短いため、水平方向HDの熱伸び量の差を許容することが可能となり、直接溶接した場合と異なり前部ノズルと後部ノズルの連結に支障が生じない。
【0030】
係止部41Bは、挿入部41Aに連結されて貫通穴42cの端部に係止される部材である。係止部41Bは、水平方向HDにおいて、貫通穴42cの第1所定幅W1よりも長い第3所定幅W3を有する。水平方向HDにおいて、係止部41Bの第3所定幅W3が貫通穴42cの第1所定幅W1よりも長い。そのため、軸線Xに沿って前部ノズル10が後部ノズル20から離れる方向に移動しようとすると、係止部41Bの水平方向HDの両端部が保持部42の一対の壁部42Aに接触する。これにより、後部ノズル20から前部ノズル10が更に離れる方向に移動することが防止され、前部ノズル10が後部ノズル20に連結された状態が維持される。
【0031】
なお、係止部41Bが水平方向HDにおいて第1所定幅W1よりも長い第3所定幅W3を有するとしたが、後部ノズル20から前部ノズル10が更に離れる方向に移動することが防止されればよく、係止部41Bが鉛直方向VDにおいて貫通穴42cよりも高く形成し、蓋部42Bによって係止される形状でもよい。
【0032】
次に、本実施形態のノズル機構100を補修する補修方法について説明する。本実施形態のノズル機構100の補修方法は、燃焼バーナの運用中に複数のボルト連結部30の一部または全部が損傷した場合に、連結部40を設置し、前部ノズル10と後部ノズル20とを連結部40により連結する方法である。
【0033】
ノズル機構100を補修する作業者は、前部ノズル10および後部ノズル20の一部が欠損し、あるいは形状が変形している場合、前部ノズル10と後部ノズル20との連結を解除する(解除工程)。作業者は、例えば、損傷して連結が解除できない状態のボルト連結部30を切断することにより、前部ノズル10と後部ノズル20との連結を解除する。
【0034】
次に、作業者は、欠損箇所や変形箇所の補修を行う(補修工程)。作業者は、例えば、欠損箇所の形状に合わせて切断した板状の金属材料を欠損箇所に配置し、欠損箇所の周囲と金属材料とを溶接により接合する。
【0035】
次に、作業者は、前部ノズル10の鉛直方向VDの上方かつ前部ノズル10の後部ノズル20側の端部に、前部ノズル10から後部ノズル20側へ突出する突出部41を接合する(第1接合工程)。作業者は、挿入部41Aと前部ノズル10とを溶接により接合して溶接部41aを形成する。溶接部41aが形成されると図9に示す状態となる。図9は、連結部40を示す平面図であり、突出部41を前部ノズル10に接合した状態を示す。
【0036】
次に、作業者は、後部ノズル20の鉛直方向VDの上方かつ後部ノズル20の前部ノズル10側の端部に突出部41を保持する保持部42を接合する(第2接合工程)。作業者は、一対の壁部42Aと後部ノズル20とを溶接により接合して溶接部42aを形成する。溶接部42aが形成されると図10に示す状態となる。図10は、連結部40を示す平面図であり、保持部42の一対の壁部42Aを後部ノズル20に接合した状態を示す。また、作業者は、蓋部42Bと一対の壁部42Aとを溶接により接合して溶接部42aを形成する。溶接部42aが形成されると図4に示す状態となる。
【0037】
前部ノズル10側に保持部42を有し、後部ノズル20側に突出部41を有して連結部40を形成することも可能であるが、熱伸びの影響を考慮すると、上述した通り前部ノズル10側に突出部41を有し、後部ノズル20側に保持部42を有して連結部40を形成する方が好ましい。
【0038】
以上の説明においては、連結部40がノズル機構100の鉛直方向VDの上方にのみ配置される態様としたが、他の態様であってもよい。例えば、連結部40をノズル機構100の鉛直方向VDの下方のみに配置する態様としてもよい。また、連結部40をノズル機構100の鉛直方向VDの上方と鉛直方向VDの下方の両方に配置する態様としてもよい。
【0039】
以上で説明した本実施形態のノズル機構100が奏する作用および効果について説明する。
本実施形態のノズル機構100は、前部ノズル10と後部ノズル20とを連結する機構となっている。そのため、燃焼バーナの運転中において、ノズル機構100に作用する熱による熱伸びが、前部ノズル10と後部ノズル20のそれぞれに生じる。そのため、前部ノズル10と後部ノズル20とを組み合わせた単一の機構とする場合に比べ、熱伸びに発生する内部応力を低減することができる。
【0040】
また、本実施形態のノズル機構100によれば、前部ノズル10と後部ノズル20とが連結部40により連結されているため、前部ノズル10と後部ノズル20とが分離してしまうことがない。さらに、水平方向HDにおいて、保持部42が有する貫通穴42cの第1所定幅W1よりも、突出部41が有する挿入部41Aの第2所定幅W2が短い。そのため、ボイラの運転中に、前部ノズル10の水平方向HDの熱伸び量と、後部ノズル20の水平方向HDの熱伸び量に差が生じたとしても、挿入部41Aが保持部42に接触して連結部40が損傷することを防止することができる。
【0041】
また、本実施形態のノズル機構100によれば、前部ノズル10と後部ノズル20とを連結する既存のボルト連結部30が損傷した場合に、前部ノズル10に突出部41を接合し、後部ノズル20に保持部42を接合することにより、再び前部ノズル10と後部ノズル20とを連結する作業を簡素化することができる。
【0042】
本実施形態のノズル機構100によれば、水平方向HDにおいて係止部41Bの第3所定幅W3が貫通穴42cの第1所定幅W1よりも長い。そのため、前部ノズル10が後部ノズル20から離れる方向に移動しようとすると、係止部41Bの水平方向HDの両端部が保持部42に接触する。これにより、後部ノズル20から前部ノズル10が更に離れる方向に移動することが防止され、前部ノズル10が後部ノズル20に連結された状態を維持することができる。
【0043】
本実施形態のノズル機構100によれば、前部ノズル10の後部ノズル20側の端部および後部ノズル20の前部ノズル10側の端部に形成された一対の締結穴11a,21aに締結ボルト31を挿入し、締結ナット32に締結することにより、前部ノズル10と後部ノズル20とを連結することができる。前部ノズル10と後部ノズル20とを連結するボルト連結部30が損傷していない場合には、前部ノズル10と後部ノズル20とが連結された状態をボルト連結部30により維持することができる。そして、ボルト連結部30が損傷した箇所に対して連結部40を補修により設置することで、前部ノズル10と後部ノズル20とが連結された状態を維持することができる。
【0044】
〔他の実施形態〕
以上の説明において、前部ノズル10はボス部11により外筒(二次ノズル100Bを形成する筒体)と内筒(一次ノズル100Aを形成する筒体)とを連結するものであり、後部ノズル20はボス部21により外筒(二次ノズル100Bを形成する筒体)と内筒(一次ノズル100Aを形成する筒体)とを連結するものであったが、他の態様であってもよい。例えば、前部ノズル10および後部ノズル20の双方は、外筒(二次ノズル100Bを形成する筒体)と内筒(一次ノズル100Aを形成する筒体)とを連結しない構造としてもよい。
【0045】
この場合、外筒(二次ノズル100Bを形成する筒体)と内筒(一次ノズル100Aを形成する筒体)とが連結されていないため、前部ノズル10の外筒と後部ノズル20の外筒とを連結し、前部ノズル10の内筒と後部ノズル20の内筒とを連結する必要がある。そこで、本実施形態のノズル機構100は、前部ノズル10の外筒と後部ノズル20の外筒とを連結する連結部40と、前部ノズル10の内筒と後部ノズル20の内筒とを連結する連結部40とを備えるものとする。
【0046】
図11は、ノズル機構100の他の実施形態を示す縦断面図である。図12は、図11に示すノズル機構100のG部分の部分拡大図である。図11および図12に示すように、本実施形態のノズル機構100は、前部ノズル10の二次ノズル100Bと後部ノズル20の一次ノズル100Aとを連結する連結部40と、前部ノズル10の一次ノズル100Aと後部ノズル20の一次ノズル100Aとを連結する連結部40とを備える。
【0047】
以上説明した各実施形態に記載のノズル機構100およびノズル機構100の補修方法は、例えば以下のように把握される。
本開示の第1態様に係るノズル機構は、火炉に燃料と酸化性ガスを供給して燃焼させる燃焼設備のノズル機構(100)であって、前記燃料または前記酸化性ガスの流通方向に沿って筒状に形成される第1ノズル(10)と、前記流通方向に沿って筒状に形成されるとともに前記第1ノズルに接続される第2ノズル(20)と、前記第1ノズルと前記第2ノズルとを連結する第1連結部(40)と、を備え、前記第1連結部は、前記第1ノズルの前記第2ノズル側の端部に接合されるとともに前記第1ノズルから前記第2ノズル側へ突出する突出部(41)と、前記第2ノズルの前記第1ノズル側の端部に接合されて前記突出部を保持する保持部(42)と、を有し、前記保持部は、水平方向(HD)に第1所定幅(W1)を有する貫通穴(42c)を有し、前記突出部は、前記水平方向に前記第1所定幅より短い第2所定幅(W2)を有するとともに前記貫通穴に挿入される挿入部(41A)と、前記挿入部に連結されて前記貫通穴の端部に係止される係止部(41B)と、を有する。
【0048】
本開示の第1態様に係るノズル機構によれば、第1ノズルと第2ノズルとを連結する機構となっている。そのため、燃焼設備の運転中において、ノズル機構に作用する熱による熱伸びが、第1ノズルと第2ノズルのそれぞれに生じる。そのため、第1ノズルと第2ノズルとを組み合わせた単一の機構とする場合に比べ、熱伸びに発生する内部応力を低減することができる。
【0049】
また、本開示の第1態様に係るノズル機構によれば、第1ノズルと第2ノズルとが第1連結部により連結されているため、第1ノズルと第2ノズルとが分離してしまうことがない。さらに、水平方向において、保持部が有する貫通穴の第1所定幅よりも、突出部が有する挿入部の第2所定幅が短い。そのため、ボイラの運転中に、第1ノズルの水平方向の熱伸び量と、第2ノズルの水平方向の熱伸び量に差が生じたとしても、挿入部が保持部に接触して第1連結部が損傷することを防止することができる。
【0050】
また、本開示の第1態様に係るノズル機構によれば、第1ノズルと第2ノズルとを連結する既存の連結機構が損傷した場合に、第1ノズルに突出部を接合し、第2ノズルに保持部を接合することにより、再び第1ノズルと第2ノズルとを連結する作業を簡素化することができる。
【0051】
本開示の第2態様に係るノズル機構は、第1態様において、更に以下の構成を備える。すなわち、前記係止部は、前記水平方向に前記第1所定幅よりも長い第3所定幅(W3)を有する。
本開示の第2態様に係るノズル機構によれば、水平方向において係止部の第3所定幅が貫通穴の第1所定幅よりも長い。そのため、第1ノズルが第2ノズルから離れる方向に移動しようとすると、係止部の水平方向の両端部が保持部に接触する。これにより、第2ノズルから第1ノズルが更に離れる方向に移動することが防止され、第1ノズルが第2ノズルに連結された状態を維持することができる。
【0052】
本開示の第3態様に係るノズル機構は、第1態様または第2態様において、更に以下の構成を備える。すなわち、前記第1ノズルは、先端開口部が前記火炉に面して配置される。
【0053】
本開示の第4態様に係るノズル機構は、第1態様から第3態様のいずれかにおいて、更に以下の構成を備える。すなわち、前記第1ノズルと前記第2ノズルとを連結する第2連結部(30)を備え、前記第2連結部は、一端に雄ねじ部が形成され他端に頭部が形成されるとともに前記第1ノズルの前記第2ノズル側の端部および前記第2ノズルの前記第1ノズル側の端部に形成された一対の締結穴に前記第2ノズル側から挿入される締結ボルト(31)と、前記一対の締結穴に挿入された前記締結ボルトの前記雄ねじ部に締結される締結ナット(32)と、を有する。
【0054】
本開示の第4態様に係るノズル機構によれば、第1ノズルの第2ノズル側の端部および第2ノズルの第1ノズル側の端部に形成された一対の締結穴に締結ボルトを挿入し、締結ナットに締結することにより、第1ノズルと第2ノズルとを連結することができる。第1ノズルと第2ノズルとを連結する第2連結部が損傷していない場合には、第1ノズルと第2ノズルとが連結された状態を第2連結部により維持することができる。そして、第2連結部が損傷した箇所に対して第1連結部を補修により設置することで、第1ノズルと第2ノズルとが連結された状態を維持することができる。
【0055】
本開示の第5態様に係るノズル機構の補修方法は、火炉に燃料と酸化性ガスを供給して燃焼させる燃焼設備のノズル機構を補修する補修方法であって、前記ノズル機構は、前記燃料の流通方向に沿って筒状に形成される第1ノズルと、前記流通方向に沿って筒状に形成されるとともに前記第1ノズルの基端部に接続される第2ノズルと、を備え、前記第1ノズルの前記第2ノズル側の端部に前記第1ノズルから前記第2ノズル側へ突出する突出部を接合する第1接合工程と、前記第2ノズルの前記第1ノズル側の端部に前記突出部を保持する保持部を接合する第2接合工程と、を有し、前記保持部は、水平方向に第1所定幅を有する貫通穴を有し、前記突出部は、前記水平方向に前記第1所定幅より短い第2所定幅を有するとともに前記貫通穴に挿入される挿入部と、前記挿入部に連結されて前記貫通穴の端部に係止される係止部と、を有する。
【0056】
本開示の第5態様に係るノズル機構の補修方法によれば、ノズル機構が第1ノズルと第2ノズルとを連結する機構となっている。そのため、燃焼設備の運転中において、ノズル機構に作用する熱による熱伸びが、第1ノズルと第2ノズルのそれぞれに生じる。そのため、第1ノズルと第2ノズルとを組み合わせた単一の機構とする場合に比べ、熱伸びに発生する内部応力を低減することができる。
【0057】
また、本開示の第5態様に係るノズル機構の補修方法によれば、第1ノズルと第2ノズルとが第1連結部により連結されているため、第1ノズルと第2ノズルとが分離してしまうことがない。さらに、水平方向において、保持部が有する貫通穴の第1所定幅よりも、突出部が有する挿入部の第2所定幅が短い。そのため、ボイラの運転中に、第1ノズルの水平方向の熱伸び量と、第2ノズルの水平方向の熱伸び量に差が生じたとしても、挿入部が保持部に接触して第1連結部が損傷することを防止することができる。
【0058】
また、本開示の第5態様に係るノズル機構の補修方法によれば、第1ノズルと第2ノズルとを連結する既存の連結機構が損傷した場合に、第1ノズルに突出部を接合し、第2ノズルに保持部を接合することにより、再び第1ノズルと第2ノズルとを連結する作業を簡素化することができる。
【0059】
本開示の第6態様に係るノズル機構の補修方法は、第5態様において、更に以下の構成を備える。すなわち、前記係止部は、前記水平方向に前記第1所定幅よりも長い第3所定幅(W3)を有する。
本開示の第6態様に係るノズル機構の補修方法によれば、水平方向において係止部の第3所定幅が貫通穴の第1所定幅よりも長い。そのため、第1ノズルが第2ノズルから離れる方向に移動しようとすると、係止部の水平方向の両端部が保持部に接触する。これにより、第2ノズルから第1ノズルが更に離れる方向に移動することが防止され、第1ノズルが第2ノズルに連結された状態を維持することができる。
【0060】
本開示の第7態様に係るノズル機構の補修方法は、第5態様または第6態様において、更に以下の構成を備える。すなわち、前記ノズル機構は、前記第1ノズルと前記第2ノズルとを連結する第2連結部を備え、前記第2連結部は、一端に雄ねじ部が形成され他端に頭部が形成されるとともに前記第1ノズルの前記第2ノズル側の端部および前記第2ノズルの前記第1ノズル側の端部に形成された一対の締結穴に前記第2ノズル側から挿入される締結ボルトと、前記一対の貫通穴に挿入された前記締結ボルトの前記雄ねじ部に締結される締結ナットと、を有し、前記第1ノズルと前記第2ノズルとの連結を解除する解除工程と、前記解除工程により連結が解除された前記第1ノズルおよび前記第2ノズルの損傷個所を補修する補修工程と、を備え、前記第1接合工程は、前記補修工程により補修された前記第1ノズルに前記突出部を接合し、前記第2接合工程は、前記補修工程により補修された前記第2ノズルに前記保持部を接合する。
【0061】
本開示の第7態様に係るノズル機構の補修方法によれば、第1ノズルの第2ノズル側の端部および第2ノズルの第1ノズル側の端部に形成された一対の締結穴に締結ボルトを挿入し、締結ナットに締結することにより、第1ノズルと第2ノズルとを連結することができる。第1ノズルと第2ノズルとを連結する第2連結部が損傷していない場合には、第1ノズルと第2ノズルとが連結された状態を第2連結部により維持することができる。そして、第2連結部が損傷した箇所に対して第1連結部を補修により設置することで、第1ノズルと第2ノズルとが連結された状態を維持することができる。
【0062】
本開示の第8態様に係るノズル機構の補修方法は、第5態様において、更に以下の構成を備える。すなわち、前記第1ノズルは、先端開口部が前記火炉に面して配置される。
【符号の説明】
【0063】
10 前部ノズル(第1ノズル)
10a 先端開口部
11,21 ボス部
11a,21a 締結穴
20 後部ノズル(第2ノズル)
21b 溝部
30 ボルト連結部
31 締結ボルト
31a 頭部
31b 雄ねじ部
32 締結ナット
40 連結部
41 突出部
41A 挿入部
41B 係止部
41a 溶接部
42 保持部
42A 壁部
42B 蓋部
42a,42b 溶接部
42c 貫通穴
100 ノズル機構
100A 一次ノズル
100B 二次ノズル
HD 水平方向
VD 鉛直方向
W1 第1所定幅
W2 第2所定幅
W3 第3所定幅
X 軸線
【要約】
【課題】第1ノズルと第2ノズルとを連結する既存の連結機構が損傷した場合に再び第1ノズルと第2ノズルとを連結する作業を簡素化する。
【解決手段】前部ノズル10と、後部ノズル20と、前部ノズル10と後部ノズル20とを連結する連結部40と、を備え、連結部40は、前部ノズル10の後部ノズル20側の端部に接合されるとともに前部ノズル10から後部ノズル20側へ突出する突出部41と、後部ノズル20の前部ノズル10側の端部に接合されて突出部41を保持する保持部42と、を有し、保持部42は、水平方向HDに第1所定幅W1を有する貫通穴42cを有し、突出部41は、水平方向HDに第1所定幅W1より短い第2所定幅W2を有するとともに貫通穴42cに挿入される挿入部41Aと、挿入部41Aに連結されて貫通穴42cの端部に係止される係止部41Bと、を有するノズル機構を提供する。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12