特許 7505101 情報処理装置、情報処理方法、プログラム、およびシステム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B1)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-06-14

(45)【発行日】2024-06-24

(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム、およびシステム

(51)【国際特許分類】

   G06Q 30/0207 20230101AFI20240617BHJP

   G06Q 20/00 20120101ALI20240617BHJP

【ＦＩ】

G06Q30/0207 344

G06Q20/00

【請求項の数】 15

(21)【出願番号】P 2023193873

(22)【出願日】2023-11-14

【審査請求日】2023-11-14

【新規性喪失の例外の表示】特許法第３０条第２項適用 （１）行為１ ▲１▼ 公然実施日 ２０２３年７月１１日 ▲２▼ 実施内容・場所 ＰａｙＰａｙ株式会社が提供する電子決済サービス ▲３▼ 公開者 ＰａｙＰａｙ株式会社

【早期審査対象出願】

(73)【特許権者】

【識別番号】519110124

【氏名又は名称】ＰａｙＰａｙ株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100149548

【弁理士】

【氏名又は名称】松沼 泰史

(74)【代理人】

【識別番号】100154852

【弁理士】

【氏名又は名称】酒井 太一

(74)【代理人】

【識別番号】100181124

【弁理士】

【氏名又は名称】沖田 壮男

(74)【代理人】

【識別番号】100194087

【弁理士】

【氏名又は名称】渡辺 伸一

(72)【発明者】

【氏名】籔田 聡

(72)【発明者】

【氏名】大橋 正志

(72)【発明者】

【氏名】上西 智彦

(72)【発明者】

【氏名】馬場 直也

(72)【発明者】

【氏名】甫出 香菜子

(72)【発明者】

【氏名】宮内 勇貴

【審査官】上田 智志

(56)【参考文献】

【文献】特開２０２２－１００９９１（ＪＰ，Ａ）

【文献】特許第７３６１９６７（ＪＰ，Ｂ１）

【文献】特開２０２１－０７７４２３（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０２１－０５６６２４（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｇ０６Ｑ １０／００－９９／００

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

電子決済サービスの利用者によって実行された電子決済であって、前記電子決済サービスに加盟する加盟店が販売する商品を購入した電子決済に関する決済情報を、前記商品の識別子と合わせて前記利用者の利用者端末装置から取得する決済情報取得部と、
前記識別子および前記決済情報が、前記加盟店によって設定された特典の付与条件を満たすか否かを判定する特典判定部と、
前記識別子および前記決済情報が、前記特典の付与条件を満たすと判定された場合、前記利用者端末装置に、付与される前記特典に関する情報を表示させる表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、前記利用者端末装置に、前記利用者が過去に付与された前記特典に関する履歴情報を更に表示させ、
付与される前記特典に関する情報と、過去に付与された前記特典に関する前記履歴情報は、前記商品の識別子に紐づく商品識別情報を少なくとも含む、
情報処理装置。

【請求項2】

前記付与条件は、前記識別子が、前記加盟店によって設定された特定の商品の識別子に該当することであることを含む、
請求項１に記載の情報処理装置。

【請求項3】

前記付与条件は、前記識別子が、前記加盟店によって設定された特定の商品の識別子に該当しないことであることを含む、
請求項１に記載の情報処理装置。

【請求項4】

前記特典に関する情報は、前記電子決済サービスで利用可能なポイントと、前記ポイントが算出された根拠となる前記電子決済の決済金額と、前記特定の商品の識別子に紐づく商品名または製造業者名と、を含む。
請求項２又は３に記載の情報処理装置。

【請求項5】

前記付与条件は、前記識別子が、前記加盟店によって設定された特定のカテゴリに該当することであることを含む、
請求項１に記載の情報処理装置。

【請求項6】

前記付与条件は、前記識別子が、前記加盟店によって設定された特定のカテゴリに該当しないことであることを含む、
請求項１に記載の情報処理装置。

【請求項7】

前記特典に関する情報は、前記電子決済サービスで利用可能なポイントと、前記ポイントが算出された根拠となる前記電子決済の決済金額と、前記特定のカテゴリ名と、を含む。
請求項５又は６に記載の情報処理装置。

【請求項8】

前記付与条件は、前記決済情報に基づいて算出された、前記商品を購買した累積金額が所定金額以上であることを含む、
請求項１に記載の情報処理装置。

【請求項9】

前記表示制御部は、前記利用者端末装置に、前記履歴情報として、前記利用者が前記電子決済を行った前記加盟店によって設定された特典ごとに、前記電子決済サービスで利用可能なポイントと、前記ポイントを獲得した日時と、前記特典の名称とを表示させる、
請求項１に記載の情報処理装置。

【請求項10】

前記表示制御部は、前記利用者端末装置に、前記履歴情報として、前記加盟店によって設定された特定の商品の識別子に紐づく商品名と製造業者名とをさらに表示させる、
請求項９に記載の情報処理装置。

【請求項11】

前記特典は、前記利用者による事前の操作を必要とすることなく、前記電子決済サービスで利用可能なポイントが付与されるキャンペーンであり、
前記表示制御部は、前記利用者端末装置に、前記履歴情報として、前記キャンペーンによって指定された所定金額のうち、前記利用者が決済済みの実績金額又は前記所定金額から前記実績金額を減算した残り金額と、前記利用者による前記キャンペーンの進捗を示す進捗情報と、を表示させる、
請求項１に記載の情報処理装置。

【請求項12】

前記表示制御部は、自装置が外部サーバと前記利用者の識別情報を共有して共同で特典を付与している場合、前記利用者端末装置に、前記履歴情報として、前記外部サーバによって付与された特典に関する情報を表示させる、
請求項１に記載の情報処理装置。

【請求項13】

コンピュータが、
電子決済サービスの利用者によって実行された電子決済であって、前記電子決済サービスに加盟する加盟店が販売する商品を購入した電子決済に関する決済情報を、前記商品の識別子と合わせて前記利用者の利用者端末装置から取得し、
前記識別子および前記決済情報が、前記加盟店によって設定された特典の付与条件を満たすか否かを判定し、
前記識別子および前記決済情報が、前記特典の付与条件を満たすと判定された場合、前記利用者端末装置に、付与される前記特典に関する情報を表示させ、
前記利用者端末装置に、前記利用者が過去に付与された前記特典に関する履歴情報を更に表示させ、
付与される前記特典に関する情報と、過去に付与された前記特典に関する前記履歴情報は、前記商品の識別子に紐づく商品識別情報を少なくとも含む、
情報処理方法。

【請求項14】

コンピュータに、
電子決済サービスの利用者によって実行された電子決済であって、前記電子決済サービスに加盟する加盟店が販売する商品を購入した電子決済に関する決済情報を、前記商品の識別子と合わせて前記利用者の利用者端末装置から取得させ、
前記識別子および前記決済情報が、前記加盟店によって設定された特典の付与条件を満たすか否かを判定させ、
前記識別子および前記決済情報が、前記特典の付与条件を満たすと判定された場合、前記利用者端末装置に、付与される前記特典に関する情報を表示させ、
前記利用者端末装置に、前記利用者が過去に付与された前記特典に関する履歴情報を更に表示させ、
付与される前記特典に関する情報と、過去に付与された前記特典に関する前記履歴情報は、前記商品の識別子に紐づく商品識別情報を少なくとも含む、
プログラム。

【請求項15】

電子決済サービスの利用者の利用者端末装置と、情報処理装置とを含むシステムであって、
前記利用者端末装置は、前記電子決済サービスに加盟する加盟店が販売する商品を購入した電子決済に関する決済情報を、前記商品の識別子と合わせて前記情報処理装置に送信し、
前記情報処理装置は、受信した前記識別子および前記決済情報が、前記加盟店によって設定された特典の付与条件を満たすか否かを判定し、前記識別子および前記決済情報が、前記特典の付与条件を満たすと判定された場合、前記利用者端末装置に、付与される前記特典に関する情報を表示させ、
前記利用者端末装置に、前記利用者が過去に付与された前記特典に関する履歴情報を更に表示させ、
付与される前記特典に関する情報と、過去に付与された前記特典に関する前記履歴情報は、前記商品の識別子に紐づく商品識別情報を少なくとも含む、
システム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、情報処理装置、情報処理方法、プログラム、およびシステムに関する。

【背景技術】

【0002】

従来、電子決済サービスを利用した利用者のアカウントに特典を付与する技術が知られている。例えば、特許文献１には、利用者によるＳＮＳサービスの利用に応じた金額に相当するクーポンを、当該利用者の電子決済サービスアカウントに付与する技術が開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【文献】特開２００９－１６９９７７号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

しかしながら、従来の技術では、電子決済サービスの加盟店が販売する商品を電子決済によって購入した場合、当該商品の購入に応じて付与される特典に関する情報を利用者に利便性の高い形で提供することができない場合があった。

【0005】

本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、電子決済サービスの加盟店が販売する商品を電子決済によって購入した場合、当該商品の購入に応じて付与される特典に関する情報を利用者に利便性の高い形で提供することができる情報処理装置、情報処理方法、プログラム、およびシステムを提供することを目的の一つとする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本発明の一態様は、電子決済サービスの利用者によって実行された電子決済であって、前記電子決済サービスに加盟する加盟店が販売する商品を購入した電子決済に関する決済情報を、前記商品の識別子と合わせて前記利用者の利用者端末装置から取得する決済情報取得部と、前記識別子および前記決済情報が、前記加盟店によって設定された特典の付与条件を満たすか否かを判定する特典判定部と、前記識別子および前記決済情報が、前記特典の付与条件を満たすと判定された場合、前記利用者端末装置に、付与される前記特典に関する情報をリアルタイムに表示させる表示制御部と、を備える、情報処理装置である。

【発明の効果】

【0007】

本発明の一態様によれば、電子決済サービスの加盟店が販売する商品を電子決済によって購入した場合、当該商品の購入に応じて付与される特典に関する情報を利用者に利便性の高い形で提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【0008】

【図1】電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。

【図2】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図（その１）である。

【図3】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図（その２）である。

【図4】第１実施形態に係る決済サーバ１００の構成図である。

【図5】利用者情報１７２の内容の一例を示す図である。

【図6】加盟店／店舗情報１７６の内容の一例を示す図である。

【図7】クーポン情報１７８の内容の一例を示す図である。

【図8】決済アプリ２０のトップ画面ＩＭの一例を示す図である。

【図9】利用者端末装置１０によるクーポンの利用方法の一例を示す図である。

【図10】利用者端末装置１０によるクーポンの利用方法の別の例を示す図である。

【図11】利用者が特定商品に関するクーポンを利用する際に情報管理部１４０によって実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。

【図12】キャンペーン情報１８０の内容の一例を示す図である。

【図13】キャンペーン進捗情報１８２の内容の一例を示す図である。

【図14】利用者端末装置１０によるキャンペーンの利用方法の一例を示す図である。

【図15】利用者端末装置１０によるキャンペーンの利用方法の別の例を示す図である。

【図16】利用者が特定商品に関するキャンペーンを利用する際に情報管理部１４０によって実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。

【図17】表示制御部１４０Ｃによって表示されるポイント情報の一例を示す図である。

【図18】表示制御部１４０Ｃによって表示されるポイント情報の別の例を示す図である。

【図19】変形例に係るクーポン情報１７８Aの内容の一例を示す図である。

【図20】変形例に係るキャンペーン情報１８０Ｂの内容の一例を示す図である。

【発明を実施するための形態】

【0009】

以下、図面を参照し、本発明の情報処理装置、情報処理方法、プログラム、およびシステムの実施形態について説明する。以下に登場する「サーバ」、「管理装置」「情報提供装置」などの、利用者にサービスを提供したり内部解析を行ったりするための各種装置は、分散化された装置群によって実現されてよく、それぞれの装置を運用する事業者は異なってもよい。また装置のハードウェアの保有者（クラウドサーバの提供者）と実質的な運用を行う事業者も異なってよい。アプリケーションプログラムと決済サーバは、協働して電子決済サービスを提供する。以下の説明ではアプリケーションプログラムを決済アプリと称する。電子決済サービスは、店舗における商品やサービスの購買に係る決済をサポートするサービスである。店舗とは、例えば、現実空間に存在する物理的な店舗（実店舗）であるが、電子商取引の仮想店舗を含んでもよい。仮想店舗は、電子決済サービスの運営者とは異なる主体によって提供されるものを含んでもよい。その場合、仮想店舗における買い物の決済の際に、電子決済サービスのインターフェース画面に遷移するように制御される。電子決済サービスにおいて、店舗は、例えば加盟店（ブランド）に属するものとして扱われ、店舗において購買行動が行われた際の決済などの処理は、主として利用者と加盟店の間で行われる。これに代えて、決済などの処理が利用者と店舗との間で行われてもよい。

【0010】

［電子決済サービス］
図１は、電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。電子決済サービスは、決済サーバ１００を中心として実現される。決済サーバ１００は、例えば、一以上の利用者端末装置１０、一以上の第１店舗端末装置５０、及び一以上の第２店舗端末装置７０のそれぞれとネットワークＮＷを介して通信する。ネットワークＮＷは、例えば、インターネット、ＬＡＮ（Local Area Network）、無線基地局、プロバイダ装置などを含む。

【0011】

利用者端末装置１０は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の可搬型端末装置である。利用者端末装置１０は、少なくとも、光学読取機能、通信機能、表示機能、入力受付機能、プログラム実行機能を有するコンピュータ装置である。以下の説明では、これらの機能を実現するための構成をそれぞれカメラ、通信装置、タッチパネル、ＣＰＵ（Central Processing Unit）等と称する。利用者端末装置１０では、ＣＰＵ等のプロセッサにより決済アプリ２０が実行されることで、決済サーバ１００と連携して電子決済サービスを利用者に提供するように動作する。決済アプリ２０は、例えば、アプリケーションストアから利用者端末装置１０にインストールされ、カメラ、通信装置、タッチパネルなどを制御する。

【0012】

第１店舗端末装置５０は、例えば、店舗に設置される。第１店舗端末装置５０は、少なくとも、商品価格取得機能、光学読取機能、プログラム実行機能、通信機能を有するコンピュータ装置である。第１店舗端末装置５０は、いわゆるＰＯＳ（Point of Sale）装置を含み、ＰＯＳ装置によって商品価格取得機能や光学読取機能を実現してもよい。店舗コード画像６０は、店舗に置かれ、ＱＲコード（登録商標）等のコード画像が紙やプラスチックの媒体に印刷されたものである。なお、店舗コード画像６０は、店舗に置かれたディスプレイ（スマートフォンなどの端末装置のディスプレイでもよい）によって表示されてもよい。

【0013】

第２店舗端末装置７０は、加盟店の運営者によって使用される。第２店舗端末装置７０は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。第２店舗端末装置７０では、加盟店向けインターフェース７２が動作する。加盟店向けインターフェース７２は、加盟店向けアプリであってもよいし、ブラウザであってもよい。加盟店向けインターフェース７２は、加盟店の運営者によるクーポンの設定等を受け付け、決済サーバ１００に送信する。スマートフォンである第２店舗端末装置７０は、加盟店向けアプリを実行することで、店舗コード画像に相当するコード画像を表示したり、利用者端末装置１０が表示するコード画像を読み取ったりする機能を有する。

【0014】

決済サーバ１００は、利用者端末装置１０または第１店舗端末装置５０から受信した決済情報に基づいて電子決済を実現する。第１店舗端末装置５０は、ＰＯＳ装置と加盟店サーバを含む場合があり、その場合、ＰＯＳ装置から加盟店サーバを介して決済情報が決済サーバ１００に送信される。以下の説明では、これを特に区別せず、第１店舗端末装置５０から決済情報が送信されるものとする。

【0015】

図２および図３は、電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図である。電子決済には、パターン１とパターン２の二つが存在してよい。

【0016】

図２に示すパターン１（以下、ユーザスキャンと称する）の場合、決済アプリ２０が起動した状態の利用者端末装置１０が、光学読取機能によって店舗コード画像６０をデコードする（Ｓ１）。店舗コード画像６０には、店舗ＵＲＬ（Uniform Resource Locator）の情報が含まれている。この店舗ＵＲＬは、電子決済サービスのドメインに対して店舗を識別可能な情報が付加されたものであり、決済サーバ１００において加盟店ＩＤや店舗ＩＤ等との対応付けがなされている（後述）。決済アプリ２０は、店舗ＵＲＬとアカウントＩＤを含む第１決済情報を決済サーバ１００に送信する（Ｓ２）。決済サーバ１００は、店舗ＵＲＬに対応する加盟店ＩＤ、店舗ＩＤから、店舗情報（後述）を検索して加盟店名と店舗名の情報を取得し（Ｓ３）、決済アプリ２０に送信する（Ｓ４）。利用者は、加盟店名や店舗名が表示された画面において、決済金額を利用者端末装置１０に入力する（Ｓ５）。そして、利用者端末装置１０は、少なくとも決済金額を含む第２決済情報を生成し、決済サーバ１００に送信する（Ｓ６）。決済サーバ１００は、受信した第２決済情報に基づいて電子決済を行う（Ｓ７）。そして、決済サーバ１００は、決済完了通知（決済完了画面を表示するための情報）を決済アプリ２０に送信し（Ｓ８）、決済アプリ２０は決済完了画面を表示する（Ｓ９）。なお、店舗コード画像６０が店舗に置かれたディスプレイによって表示される場合、店舗コード画像６０には、店舗ＵＲＬだけでなく決済金額の情報が含まれる場合がある。この場合、利用者が決済金額を入力する手順が省略され、第１決済情報に決済金額の情報が含められて決済サーバ１００に送信される。加盟店名や店舗名の情報は、決済完了画面に含めて表示されてよい。

【0017】

図３に示すパターン２（以下、ストアスキャンと称する）の場合、決済アプリ２０の起動時、決済アプリ２０において支払う操作が行われたとき、自動更新のタイミング（例えば１分おき）になったとき、およびその他のタイミングで、決済アプリ２０はワンタイムコードの発行要求を決済サーバ１００に送信する（Ｓ１１）。決済サーバ１００はワンタイムコードを生成し（Ｓ１２）、決済アプリ２０に送信する（Ｓ１３）。決済アプリ２０は、ワンタイムコードに基づいて生成した、ＱＲコードやバーコード等のコード画像を表示する（Ｓ１４）。利用者は利用者端末装置１０の表示面を第１店舗端末装置５０に翳し（提示し）、第１店舗端末装置５０は、光学読取機能によってコード画像をデコードし、ワンタイムコード等を取得する（Ｓ１５）。そして、第１店舗端末装置５０は、ワンタイムコード、決済金額、加盟店ＩＤ、店舗ＩＤ、利用者が購入した商品を識別する商品ＩＤ等を含む決済情報を生成し、決済サーバ１００に送信する（Ｓ１６）。利用者が複数の商品を購入した場合、ＰＯＳ装置である第１店舗端末装置５０は、複数の商品に関する複数の決済情報をまとめて決済サーバ１００に送信する。決済金額の情報は、予めバーコード読み取りや手入力等によって取得されている。決済サーバ１００は、受信した情報に基づいて、ワンタイムコードに対応する利用者を特定し、電子決済を行う（Ｓ１７）。そして、決済サーバ１００は、決済完了通知を決済アプリ２０に送信し（Ｓ１８）、決済アプリ２０は決済完了画面を表示する（Ｓ１９）。

【0018】

なお、上記のいずれか一方のみのパターンで電子決済が行われてもよい。また、図２で説明した「アカウントＩＤ」は、利用者の識別情報として用いられ得る他の情報（例えば電話番号）であってもよい。また、ストアスキャンにおいてワンタイムコードの発行が省略され、決済アプリ２０は、利用者のアカウントＩＤに基づいて生成したコード画像を表示してもよい。その場合、決済サーバ１００は、ワンタイムコードに対応する利用者を特定するのに代えて、アカウントＩＤに対応する利用者を特定する。

【0019】

［決済サーバ］
図４は、第１実施形態に係る決済サーバ１００の構成図である。決済サーバ１００は、例えば、通信部１１０と、決済コンテンツ提供部１２０と、決済処理部１３０と、情報管理部１４０と、記憶部１７０とを備える。通信部１１０および記憶部１７０以外の構成要素は、例えば、ＣＰＵなどのハードウェアプロセッサがプログラム（ソフトウェア）を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、ＬＳＩ（Large Scale Integration）やＡＳＩＣ（Application Specific Integrated Circuit）、ＦＰＧＡ（Field-Programmable Gate Array）、ＧＰＵ（Graphics Processing Unit）などのハードウェア（回路部；circuitryを含む）によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めＨＤＤ（Hard Disk Drive）やフラッシュメモリなどの記憶装置（非一過性の記憶媒体を備える記憶装置）に格納されていてもよいし、ＤＶＤやＣＤ－ＲＯＭなどの着脱可能な記憶媒体（非一過性の記憶媒体）に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。情報管理部１４０は、さらに、決済情報取得部１４０Ａと、特典判定部１４０Ｂと、表示制御部１４０Ｃとを備えるが、これらの機能の詳細については後述する。決済サーバ１００のうち情報管理部１４０の機能が、「情報処理装置」の一例である。

【0020】

記憶部１７０は、ＨＤＤやフラッシュメモリ、ＲＡＭ（Random Access Memory）などである。記憶部１７０は、決済サーバ１００がネットワークを介してアクセス可能なＮＡＳ（Network Attached Storage）装置であってもよい。記憶部１７０には、利用者情報１７２、決済コンテンツ情報１７４、加盟店／店舗情報１７６、クーポン情報１７８、キャンペーン情報１８０、キャンペーン進捗情報１８２などの情報が格納される。

【0021】

通信部１１０は、ネットワークＮＷに接続するための通信インターフェースである。通信部１１０は、例えばネットワークインターフェースカードである。

【0022】

決済コンテンツ提供部１２０は、例えば、Ｗｅｂサーバの機能を有し、電子決済サービスの各種画面を表示するための情報（コンテンツ）を利用者端末装置１０に提供する。決済コンテンツ提供部１２０は、決済コンテンツ情報１７４から適宜、必要なコンテンツを読み出して利用者端末装置１０に提供する。利用者端末装置１０は、決済アプリ２０によってコンテンツが再生された状態で利用者による各種入力を受け付け、前述した決済情報などを決済サーバ１００に送信する。

【0023】

決済処理部１３０は、利用者端末装置１０または第１店舗端末装置５０により送信された決済情報に基づいて、決済処理を行う。決済処理部１３０は、利用者情報１７２を参照しながら決済処理を行う。

【0024】

図５は、利用者情報１７２の内容の一例を示す図である。利用者情報１７２は、利用者の登録情報の一例である。利用者情報１７２は、例えば、利用者ＵＲＬ、アカウントＩＤ、電話番号、パスワードの他、メールアドレス、利用者ＩＤ、氏名・住所・生年月日、登録日、チャージ残高、後払い設定、後払い枠、後払い利用額、後払い利用可能額、決済方法設定、銀行口座、クレジットカード番号、決済情報提供同意、チャージ履歴情報、決済履歴情報、フォロー加盟店、獲得クーポン、および保有ポイントなどの情報が対応付けられたものである。利用者ＵＲＬは、利用者間の送金処理に使用される。電子決済サービスへの新規登録時には、電話番号およびパスワードの登録が必須となる。アカウントＩＤは、決済サーバ１００によって利用者に発行されるものであり、利用者ＩＤは、利用者が任意に設定できる（設定しなくてもよい）ＩＤである。メールアドレス、および氏名・住所・生年月日も同様に、利用者が任意に設定できる（設定しなくてもよい）情報である。登録日とは利用者が電子決済サービスに登録した日（アカウントを作成した日）である。以下、これらの情報が対応付けられた利用者のインスタンス（電子決済口座）のことをアカウントと称する。

【0025】

チャージ残高は、利用者が予めアカウントに送金することで設定された電子マネーの残高を示す情報である。送金の手段としては、指定業者（銀行）のＡＴＭ（Automatic Teller Machine）からの送金、登録された銀行口座からの送金などがある。後払い設定は、後払いによる電子決済を可能とするための設定が済んでいるか否かを示す情報であり、「済」と「未」のいずれかに設定される。後払い枠は月ごとに利用可能な後払いの限度額であり、後払い利用額は、当月に既に利用された後払いの金額であり、後払い利用可能額は、後払い枠から後払い利用額を差し引いて求められる、当月に利用可能な後払いの金額である。図では後払い枠を一つだけ示しているが、実際には更に日ごとの上限額などが存在し、それらの低い方が後払い枠に設定されてよい。後払いの更なる詳細については後述する。決済方法設定は、その時点において利用者がチャージ残高による電子決済を行うのか、後払いによる決済を行うのかを示す設定情報である。銀行口座とクレジットカード番号のそれぞれは、電子決済サービスに入金可能な銀行口座またはクレジットカード番号の情報（口座番号、カード番号）である。決済情報提供同意は、利用者が後述するクーポン又はキャンペーンの利用に当たって、決済情報（電子決済を実行した加盟店ＩＤ、店舗ＩＤ、決済金額、商品ＩＤ、日時など）の提供に利用者が同意したか否かを示す情報である。チャージ履歴情報は、利用者が予め電子決済サービスに送金してチャージ残高を増加させた履歴である。決済履歴情報は、利用者が行った決済の内訳（日時、購買行動が行われた店舗の店舗ＩＤ、決済金額、決済方法など）を、決済ごとに示す情報である。

【0026】

図６は、加盟店／店舗情報１７６の内容の一例を示す図である。加盟店／店舗情報１７６は、例えば、店舗ＵＲＬに対して加盟店ＩＤと店舗ＩＤが対応付けられた第１テーブル１７６Ａと、加盟店ＩＤに対して加盟店名と売上金（前述）が対応付けられた第２テーブル１７６Ｂと、店舗ＩＤに対して店舗名が対応付けられた第３テーブル１７６Ｃとを含む。加盟店／店舗情報１７６には、これらの情報の他、加盟店または店舗のカテゴリ、店舗の所在地、決済パターン等の情報が含まれてもよい。

【0027】

［電子決済］
決済処理部１３０は、利用者端末装置１０または第１店舗端末装置５０から決済情報が取得されると、利用者情報１７２を参照して当該利用者の「決済方法設定」を取得する。決済処理部１３０は、「決済方法設定」が「チャージ残高」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。決済処理部１３０は、例えば、利用者ＩＤに対応付けて管理しているチャージ残高を減少させ、加盟店の売上金の項目値を増加させることで、電子決済を行う。加盟店の売上金の項目値は、例えば、それ自体が電子マネーとして使用されるものでは無く、加盟店と電子決済サービスとの取り決めに応じたサイクルで、売上金の項目値に対応する金額が銀行口座に送金される。

【0028】

決済処理部１３０は、「設定情報」が「後払い」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。後払いとは、電子決済サービスの運営者とは別主体であるクレジットカード会社との連携による「クレジット払い」とは別枠で設定されるものであり、電子決済サービスの運営者が与信者となって、後払い枠の範囲内でチャージ残高に依存しない電子決済を許容するものである。なお後払いサービスを受けるために、電子決済サービスの運営者が提供するクレジットカードの取得が要求されてよい。後払いで利用された金額は、一か月分まとめて翌月の支払日に、例えば銀行口座からの引き落としによって決済される。この場合、決済処理部１３０は、後払い利用額に決済金額を加算し、後払い利用可能額から同額を差し引くことで暫定決済を行い、締め日になると上記のように当月分の決済を翌月の支払い日に引き落とすための処理を行う、或いはクレジットカード会社の運営者に当該処理を依頼する。なお暫定決済の時点で決済金額が後払い利用可能額を超える場合は、エラー通知が決済アプリ２０に返信される。

【0029】

情報管理部１４０は、利用者端末装置１０や第２店舗端末装置７０から取得した情報に基づいて、利用者情報１７２および加盟店／店舗情報１７６を管理する。情報管理部１４０は、利用者情報１７２および加盟店／店舗情報１７６について新規レコードの追加、編集、削除などを行う。

【0030】

［トップ画面］
図８は、決済アプリ２０のトップ画面ＩＭの一例を示す図である。トップ画面ＩＭには、コード画像ＣＤが表示される。コード画像ＣＤは、例えばバーコードとＱＲコードを含む。また、コード画像ＣＤと共に、チャージ残高による電子決済を行うか、後払いによる電子決済を行うかを示すテキスト（図では「残高で支払う」）が表示される。このテキストは、切替スイッチＳＷが操作される度に決済アプリ２０が更新する情報に基づいて決済アプリ２０が描画する。また、トップ画面ＩＭは、切替スイッチＳＷを含む操作領域ＣＡと、遷移ボタンＴＢとを含む。これについては後述する。なお、「スイッチ」、「ボタン」とはタッチパネルと協働して実現されるＧＵＩ（Graphical User Interface）である。切替スイッチＳＷは、チャージ残高による電子決済を行うか、後払いによる電子決済を行うかを切り替える操作を受け付けるものである。切替スイッチＳＷは、デフォルトではチャージ残高による電子決済を行う設定になっており、利用者によって操作される度に、チャージ残高による電子決済を行う設定と、後払いによる電子決済を行う設定との間で設定が切り替わる。図では「後払い」と説明表示がされているが、これは後払いによる電子決済を行う設定になっていることを意味する。操作領域ＣＡには、スキャン（ユーザスキャンの開始）を指示するボタンやチャージを指示するボタンなど、電子決済における主要な操作を指示するボタンが設けられている。遷移ボタンＴＢが操作されると、電子決済に用いられるコード画像と利用可能額を表示する支払い画面に遷移する。

【0031】

操作領域ＣＡの下部には、さらに例えば、更に、ミニアプリを起動するためのボタン（スイッチ）群Ｍ１～Ｍ３が表示される。ミニアプリは、決済アプリ２０をプラットフォームとして動作し、何らかのサービスを提供するアプリである。サービス提供者は、決済アプリ２０の管理者により提供されたアプリ開発用のプログラムや技術文書などであるＳＤＫ（Software Development Kit）を参照してミニアプリを開発する。ミニアプリは、例えば、決済アプリ２０が起動している状態で動作するアプリである。例えば、決済アプリ２０がインストールされるとミニアプリの一部または全部がインストールされてもよいし、ミニアプリに対応するサービスサーバからミニアプリの一部または全部がインストールされてもよい。例えば、ミニアプリが起動すると、ミニアプリに対応するサービスを提供するサービスサーバ（不図示）にアクセスして、ミニアプリとサービスサーバとが協働してユーザにサービスを提供する。このとき、サービスサーバは、決済サーバ１００そのものであってもよいし、決済サーバ１００とは異なる外部のサーバであってもよい。図７では、一例として、以下で説明するクーポン機能を提供するミニアプリのボタンＭ１、キャンペーン機能を提供するミニアプリのボタンＭ２、および獲得済みのポイントを閲覧、管理する機能を提供するミニアプリのボタンＭ３が表示されているが、公共交通料金の支払いを行うための支払いアプリなど、様々な種類のミニアプリを起動するためのボタンが表示されてよい。

【0032】

［クーポンの利用］
図７は、クーポン情報１７８の内容の一例を示す図である。クーポン情報１７８は、例えば、クーポンＩＤ、クーポン名、加盟店ＩＤ、店舗ＩＤ、商品ＩＤ、商品名、商品金額、特典内容、除外クーポン、有効期限、決済情報提供同意などの情報が対応付けられたものである。クーポンは、後述する通り、加盟店から利用者に発行される電子決済に利用可能な特典であって、利用者が決済アプリ２０を介して事前に取得しておくことによって、利用可能となるものである。商品ＩＤは、クーポンの適用対象となる商品を特定する識別子である。本実施形態では、一例として、商品ＩＤは、８桁の数字から構成され、前半の４桁の数字は、商品を製造した製造業者を識別する識別子であり、後半の４桁の数字は、当該製造業者によって製造された商品を識別する識別子であるものとする。

【0033】

除外クーポンは、利用者が、商品ＩＤによって特定される商品を購入することによって特典が付与されるクーポンであるか、又は商品ＩＤによって特定される商品以外の商品を購入することによって特典が付与されるクーポンであるかを識別する識別子である。すなわち、除外クーポンがＮＯに設定された場合、利用者が、加盟店の店舗において、商品ＩＤによって特定される商品を有効期限内に購入した場合、特典内容に指定された特典が利用者のアカウントに付与される。例えば、クーポンＩＤ「Ｃ０００１」のクーポンの場合、利用者が当該クーポンを取得して、加盟店ＩＤ「１３５７９」の加盟店の店舗ＩＤ「６５１８７４」の店舗において、商品「ＸＸ洗剤」を有効期限内に購入した場合、商品金額「８００円」のうち「３％還元」の特典を受けることができる。一方、除外クーポンがＹＥＳに設定された場合、利用者が、加盟店の店舗において、商品ＩＤによって特定される商品以外の商品を有効期限内に購入した場合、特典内容に指定された特典が利用者のアカウントに付与される。例えば、クーポンＩＤ「Ｃ０００２」のクーポンの場合、利用者が当該クーポンを取得して、加盟店ＩＤ「１３５７９」の加盟店の店舗ＩＤ「６５１８７４」の店舗において、商品「ＸＸ薬」以外の商品を有効期限内に購入した場合、当該商品の購入金額のうち「５％還元」の特典を受けることができる。

【0034】

決済情報提供同意は、利用者がクーポンの利用に当たって、決済情報の提供に同意することを必要とするか否かを特定する情報である。決済情報提供同意が「要」に設定された場合、例えば、利用者がクーポンを獲得するタイミングで、決済アプリ２０は、利用者端末装置１０の画面上に、利用者が決済情報の提供に同意するか否かを問い合わせ、利用者が決済情報の提供に同意した場合、クーポンの利用を有効化する。利用者が決済情報の提供に同意した旨を示す情報は、利用者情報１７２の「決済情報提供同意」に「済」として記憶される。

【0035】

図９は、利用者端末装置１０によるクーポンの利用方法の一例を示す図である。図９の左部の画面は、例えば、利用者が、利用者端末装置１０の決済アプリ２０を介して、電子決済サービスの加盟店の専用ページにアクセスすることによって利用者端末装置１０に表示される画面を表す。当該画面は、例えば、利用者が図８のトップ画面ＩＭにおいて、クーポンボタンＭ１をクリックし、クーポンを提供する店舗を検索した場合に表示されるものである。

【0036】

加盟店専用ページは、例えば、加盟店の店舗の概要情報が表示される領域Ａ１、加盟店をフォローするためのボタンＢ１、加盟店の店舗の詳細情報がタブによって切り替え可能に表示される領域Ａ２等を含む。利用者がフォローボタンＢ１を押下すると、決済アプリ２０は、フォローボタンＢ１が押下されたことを示す情報を利用者の識別情報（例えば、アカウントＩＤ）と合わせて決済サーバ１００に送信し、情報管理部１４０は、利用者情報１７２の「フォロー加盟店」に当該加盟店の識別情報（例えば、加盟店ＩＤ）を格納する。これにより、例えば、加盟店が加盟店専用ページの内容をアップデートする度に、決済サーバ１００は、加盟店専用ページの内容をアップデートされたことを示す通知を、決済アプリ２０を介して利用者に通知する。

【0037】

図９において、例えば、ユーザが領域Ａ２に含まれる一つのタブである「クーポン」をタップした場合、現時点においてユーザが当該店舗での電子決済に使用可能なクーポンが表示される。ユーザが、例えば、加盟店をフォローし、かつクーポンを獲得するためのボタンＢ２を押下すると、決済アプリ２０は、獲得ボタンＢ２が押下されたことを示す情報を利用者の識別情報（例えば、アカウントＩＤ）と合わせて決済サーバ１００に送信し、情報管理部１４０は、利用者が獲得したクーポンの識別情報（例えば、クーポンＩＤ）を利用者情報１７２の「獲得クーポン」に記憶する。これにより、利用者と、当該利用者が獲得したクーポンとが 対応付けられる。

【0038】

利用者がクーポンを獲得した後、利用者端末装置１０が電子決済を実行すると、情報管理部１４０は、クーポン情報１７８を参照して、当該電子決済が、利用者が獲得しているクーポンの利用条件を満たしているか否かを判定する。情報管理部１４０は、当該電子決済が、利用者が獲得しているクーポンの利用条件を満たしていると判定された場合、利用者にクーポン情報１７８の「特典内容」に応じた特典を付与する。

【0039】

その後、決済アプリ２０は、決済完了画面として、決済店舗を表示する領域Ａ３と、決済金額を表示する領域Ａ４と、付与される特典に関する情報を表示する領域Ａ５とを合わせてリアルタイムに表示する。図９の右部は、一例として、利用者が、特定商品（すなわち、「ＸＸ洗剤」）の購入に有効な３％オフのクーポンを獲得したことに応じて、８００円の決済に対して２４円分のポイントが付与された場合を表している。この場合、情報管理部１４０は、２４円分のポイントを利用者情報１７２の「保有ポイント」に記憶し、決済処理部１３０は、利用者の次回の電子決済において、決済金額から保有ポイントを優先的に減算し、その残額をチャージ残高又は後払い利用可能額から減算する。なお、他の態様として、クーポンは、決済に利用可能なポイントして加算されることなく、当日の決済金額からそのまま金額が減算されるものであってもよい。

【0040】

図９の右部において、領域Ａ５は、付与される特典に関する情報として、利用者が獲得するポイントと、クーポン名と、商品名と、製造業者名とを表示している。情報管理部１４０は、決済情報に含まれる商品ＩＤに基づいて、当該商品ＩＤの商品に紐づく商品名および製造業者名を特定することができる。これら商品名および製造業者名は、事前にクーポン情報１７８に記憶されていてもよいし、情報管理部１４０が、外部の商品情報管理サーバにＡＰＩ（Application Programming Interface）を介して問い合わせてもよい。

【0041】

図１０は、利用者端末装置１０によるクーポンの利用方法の別の例を示す図である。図１０は、利用者がクーポンＩＤ「Ｃ０００２」の除外クーポンを利用する場面を表している。図１０の場合と同様に、利用者は、まず、利用者端末装置１０の決済アプリ２０を介して、電子決済サービスの加盟店の専用ページにアクセスし、クーポンの獲得ボタンＢ２を押下することによって、当該クーポンを獲得する。その後、利用者は、クーポンの適用対象となる加盟店の店舗で、除外クーポンに指定された商品以外の商品を購入することによって、購入金額に応じた特典を獲得することができる。図１０の場合、利用者は、加盟店の店舗で「ＸＸ薬」以外の商品を、例えば、８００円分購入すると、情報管理部１４０は、そのうちの５％に相当する４０円分のポイントを利用者のアカウントに付与する。

【0042】

図１１は、利用者が特定商品に関するクーポンを利用する際に情報管理部１４０によって実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。図１１に示すフローチャートの処理は、例えば、利用者が決済アプリ２０を用いて電子決済を行った際に実行されるものである。

【0043】

まず、決済情報取得部１４０Ａは、利用者によって実行された電子決済に関する決済情報を取得する（ステップＳ１００）。次に、特典判定部１４０Ｂは、決済情報に含まれるアカウントＩＤをキーにして、利用者情報１７２を参照する（ステップＳ１０２）。次に、特典判定部１４０Ｂは、利用者情報１７２に基づいて、利用者が特定商品に関するクーポンを取得済みであるか否かを判定する（ステップＳ１０４）。

【0044】

利用者が特定商品に関するクーポンを取得済みではないと判定された場合、決済処理部１３０は、クーポンを適用することなく、電子決済を実行する（ステップＳ１０６）。その後、表示制御部１４０Ｃは、例えば、決済金額、店舗情報などを含む決済完了画面を利用者端末装置１０に表示させる（ステップＳ１０８）。

【0045】

一方、利用者が特定商品に関するクーポンを取得済みであると判定された場合、特典判定部１４０Ｂは、次に、今回の電子決済が、取得済みである特定商品に関するクーポンの適用条件を満たすか否かを判定する（ステップＳ１１０）。より具体的には、特典判定部１４０Ｂは、クーポン情報１７８を参照して、決済情報に含まれる商品ＩＤが、取得済みのクーポンの商品ＩＤと一致し（除外クーポンである場合には、逆に一致せず）、かつその他の適用条件（例えば、有効期限など）が満たされるか否かを判定する。

【0046】

今回の電子決済が、取得済みである特定商品に関するクーポンの適用条件を満たさないと判定された場合、情報管理部１４０は、処理をステップＳ１０６に進める。一方、今回の電子決済が、取得済みである特定商品に関するクーポンの適用条件を満たすと判定された場合、決済処理部１３０は、クーポンを適用して、電子決済を実行する（ステップＳ１１２）。その後、表示制御部１４０Ｃは、例えば、決済金額、店舗情報、付与される特典に関する情報などを含む決済完了画面を利用者端末装置１０にリアルタイムに表示させる（ステップＳ１１４）。これにより、本フローチャートの処理が終了する。

【0047】

このように、本実施形態によると、利用者は、事前に電子決済サービスの加盟店によって発行された特定商品に関するクーポンを獲得し、当該特定商品を電子決済によって購入した場合（除外クーポンである場合には、当該特定商品以外の商品を電子決済によって購入した場合）、購入に応じて付与される特典に関する情報をリアルタイムに利用者端末装置に表示させる。特に、本実施形態において、決済サーバ１００は、電子決済が実行された際に、商品名および製造業者を特定可能な識別子を取得するため、クーポンの特典に関する情報として、当該商品に関する詳細情報をリアルタイムに利用者端末装置に表示させる。利用者が同時に複数の商品を購入した場合であっても、第１店舗端末装置５０は、複数の商品に関する複数の決済情報を決済サーバ１００に送信し、表示制御部１４０Ｃは、このうち、クーポンの特典が付与される原因となった特定の商品に関する情報を利用者端末装置に表示させる。このため、利用者に付与されるポイントのみが決済完了画面に表示される従来技術に比して、特典に関する情報を利用者に利便性の高い形で提供することができる。

【0048】

［キャンペーンの利用］
図１２は、キャンペーン情報１８０の内容の一例を示す図である。キャンペーン情報１８０は、例えば、キャンペーンＩＤ、キャンペーン名、加盟店ＩＤ、店舗ＩＤ、商品ＩＤ、商品名、商品金額、特典内容、除外クーポン、有効期限、決済情報提供同意などの情報が対応付けられたものである。キャンペーンは、後述する通り、加盟店から利用者に発行される電子決済に利用可能な特典であって、クーポンとは異なり、利用者が決済アプリ２０を介して事前に何らかの操作を実行する必要なく、適用条件を満たす電子決済を行うことによって特典が付与されるものである。本実施形態では、一例として、キャンペーンの適用条件は、有効期限内に特定の商品を一回以上購入することによって累積的に算出される累積金額が所定金額以上であることを満たすものとする。例えば、キャンペーンＩＤ「Ｄ０００１」のキャンペーンの場合、有効期限内に利用者が、商品金額２００円の商品「××茶」を５回以上購入することによって、適用条件が満たされ、特典内容に指定された特典１００Ｐが付与される。代替的に、キャンペーンの適用条件は、クーポンと同様に、一回の購入によって、適用条件が判定されるものであってもよい。

【0049】

除外キャンペーンは、利用者が、商品ＩＤによって特定される商品を購入することによって特典が付与されるキャンペーンであるか、又は商品ＩＤによって特定される商品以外の商品を購入することによって特典が付与されるキャンペーンであるかを識別する識別子である。すなわち、除外キャンペーンがＮＯに設定された場合、利用者が、加盟店の店舗において、商品ＩＤによって特定される商品を適用条件が満たされるように有効期限内に購入した場合、特典内容に指定された特典が利用者のアカウントに付与される。一方、除外クーポンがＹＥＳに設定された場合、利用者が、加盟店の店舗において、商品ＩＤによって特定される商品以外の商品を有効期限内に購入した場合、特典内容に指定された特典が利用者のアカウントに付与される。例えば、キャンペーンＩＤ「Ｄ０００２」のキャンペーンの場合、利用者が、加盟店ＩＤ「１３５７９」の加盟店の店舗ＩＤ「６５１８７４」の店舗において、商品「ＸＸ薬」以外の商品を適用条件が満たされるように有効期限内に購入した場合、特典内容に指定された特典５０Ｐが付与される。

【0050】

図１３は、キャンペーン進捗情報１８２の内容の一例を示す図である。キャンペーン進捗情報１８２は、例えば、キャンペーンＩＤ、ユーザＩＤ、決済済み金額、残り金額などの情報が対応付けられたものである。決済済み金額は、キャンペーンＩＤによって特定されるキャンペーンについて、アカウントＩＤによって特定される利用者が決済済みの金額を示す情報である。残り金額は、図１２のキャンペーン情報１８０の適用条件に指定された金額から、決済済み金額を減算した金額である。情報管理部１４０は、利用者が、キャンペーンに係る電子決済を実行する都度、決済金額を決済済みの金額に加算するとともに、残り金額から減算することによって、利用者のキャンペーン進捗ステータスを管理する。情報管理部１４０は、決済済み金額が適用条件に指定された金額と等しくなった場合に（残り金額がゼロになった場合に）、特典内容に指定された特典を利用者のアカウントに付与する。なお、図１３の場合、説明の明確性のため、キャンペーン進捗情報１８２は、決済済み金額と残り金額の両方の情報を記録しているが、本発明は、そのような構成に限定されず、決済済み金額と残り金額のいずれか一方の情報を記録するものであってもよい。

【0051】

図１４は、利用者端末装置１０によるキャンペーンの利用方法の一例を示す図である。図１４の左部の画面は、図８に示したトップ画面ＩＭと同一の画面を表す。図１４に示す通り、例えば、情報管理部１４０は、加盟店がキャンペーンを実施している旨を表すキャンペーン情報ＣＩを、トップ画面ＩＭや加盟店の専用ページ等に表示させる。利用者がキャンペーン情報ＣＩを確認した後、利用者端末装置１０が電子決済を実行すると、情報管理部１４０は、キャンペーン情報１８０を参照して、当該電子決済による累積金額が、キャンペーンの適用条件を満たしているか否かを判定する。情報管理部１４０は、当該電子決済による累積金額が、キャンペーンの適用条件を満たしていると判定された場合、利用者にキャンペーン情報１８０の「特典内容」に応じた特典を付与する。一方、当該電子決済による累積金額が、キャンペーンの適用条件を満たしていないと判定された場合、情報管理部１４０は、今回の電子決済による決済金額をキャンペーン進捗情報１８２の決済済み金額に加算するとともに、残り金額から減算することによって、キャンペーン進捗情報１８２を更新する。

【0052】

その後、決済アプリ２０は、決済完了画面として、決済店舗を表示する領域Ａ３と、決済金額を表示する領域Ａ４と、付与される特典に関する情報を表示する領域Ａ５とを合わせてリアルタイムに表示する。図１４の右部は、一例として、利用者が、特定商品（すなわち、「ＸＸ茶」）に関するキャンペーンの適用条件を満たしたことに応じて、１００円分のポイントが付与された場合を表している。この場合、情報管理部１４０は、１００円分のポイントを利用者情報１７２の「保有ポイント」に記憶する。

【0053】

図１４の右部において、領域Ａ５は、付与される特典に関する情報として、利用者が獲得するポイントと、キャンペーン名と、商品名と、製造業者名とを表示している。上述した通り、情報管理部１４０は、決済情報に含まれる商品ＩＤに基づいて、当該商品ＩＤの商品に紐づく商品名および製造業者名を特定することができる。

【0054】

図１５は、利用者端末装置１０によるキャンペーンの利用方法の別の例を示す図である。図１５は、利用者がキャンペーンＩＤ「Ｄ０００２」の除外キャンペーンを利用する場面を表している。図１４の場合と同様に、利用者がキャンペーン情報ＣＩを確認した後、利用者端末装置１０が電子決済を実行すると、情報管理部１４０は、キャンペーン情報１８０を参照して、当該電子決済が、キャンペーンの適用条件を満たしているか否かを判定する。情報管理部１４０は、当該電子決済が、キャンペーンの適用条件を満たしていると判定された場合、利用者にキャンペーン内容に応じた特典を付与する。図１５の場合、利用者は、加盟店の店舗で「ＸＸ薬」以外の商品を、２０００円分以上購入すると、情報管理部１４０は、５０円分のポイントを利用者のアカウントに付与する。

【0055】

図１６は、利用者が特定商品に関するキャンペーンを利用する際に情報管理部１４０によって実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。図１６に示すフローチャートの処理は、例えば、利用者が決済アプリ２０を用いて電子決済を行った際に実行されるものである。

【0056】

まず、決済情報取得部１４０Ａは、利用者によって実行された電子決済に関する決済情報を取得する（ステップＳ２００）。次に、特典判定部１４０Ｂは、決済情報に含まれるアカウントＩＤをキーにして、利用者情報１７２を参照する（ステップＳ２０２）。次に、特典判定部１４０Ｂは、利用者情報１７２に基づいて、当該利用者による電子決済がキャンペーンの適用条件を満たすか否かを判定する（ステップＳ２０４）。

【0057】

利用者による電子決済がキャンペーンの適用条件を満たさないと判定された場合、決済処理部１３０は、キャンペーンを適用することなく、電子決済を実行する（ステップＳ２０６）。その後、表示制御部１４０Ｃは、例えば、決済金額、店舗情報などを含む決済完了画面を利用者端末装置１０に表示させる（ステップＳ２０８）。

【0058】

一方、利用者による電子決済がキャンペーンの適用条件を満たすと判定された場合、決済処理部１３０は、キャンペーンを適用して、電子決済を実行する（ステップＳ２１０）。その後、表示制御部１４０Ｃは、例えば、決済金額、店舗情報、付与される特典に関する情報などを含む決済完了画面を利用者端末装置１０にリアルタイムに表示させる（ステップＳ２１２）。これにより、本フローチャートの処理が終了する。

【0059】

このように、本実施形態によると、利用者は、クーポンとは異なり、利用者が決済アプリ２０を介して事前に何らかの操作を実行する必要なく、キャンペーンの適用条件を満たす電子決済を行った場合（又は、除外キャンペーンである場合には、当該特定商品以外の商品を電子決済によって購入した場合）、購入に応じて付与される特典に関する情報をリアルタイムに利用者端末装置に表示させる。特に、本実施形態において、決済サーバ１００は、電子決済が実行された際に、商品名および製造業者を特定可能な識別子を取得するため、キャンペーンの特典に関する情報として、当該商品に関する詳細情報をリアルタイムに利用者端末装置に表示させる。利用者が同時に複数の商品を購入した場合であっても、第１店舗端末装置５０は、複数の商品に関する複数の決済情報を決済サーバ１００に送信し、表示制御部１４０Ｃは、このうち、キャンペーンの特典が付与される原因となった特定の商品に関する情報を利用者端末装置に表示させる。このため、利用者に付与されるポイントのみが決済完了画面に表示される従来技術に比して、特典に関する情報を利用者に利便性の高い形で提供することができる。

【0060】

［獲得ポイントの表示］
上述した通り、表示制御部１４０Ｃは、電子決済がクーポン又はキャンペーンの適用条件を満たすと、付与される特典（ポイント）に関する情報などを含む決済完了画面を利用者端末装置１０にリアルタイムに表示させる。この構成に加えて、本実施形態に係る決済アプリ２０は、獲得済みのポイントを閲覧、管理する機能を提供するミニアプリを搭載し、例えば、利用者が、図７に示すミニアプリボタンＭ３を押下することによって起動され、表示制御部１４０Ｃは、当該利用者が獲得済みのポイントに関する情報（以下、ポイント情報と称する）を利用者端末装置１０に表示させる。以下、表示制御部１４０Ｃによる表示機能について説明する。

【0061】

図１７は、表示制御部１４０Ｃによって表示されるポイント情報の一例を示す図である。図１７において、符号ＤＬは、ポイントの表示態様を選択するためのドロップダウンリストを表す。図１７に示す通り、表示制御部１４０Ｃは、例えば、所定期間（例えば、直近一ヵ月）について、クーポンによって獲得されたポイントに関する情報を表す領域Ａ６と、キャンペーンによって獲得されたポイントに関する情報を表す領域Ａ７とを表示させる。領域Ａ６は、ポイントを獲得したクーポンごとに、例えば、ポイントを獲得した日時と、獲得したポイントと、クーポン名と、商品名と、購入金額と、製造業者名とを含む。同様に、領域Ａ７は、ポイントを獲得したキャンペーンごとに、例えば、ポイントを獲得した日時と、獲得したポイントと、キャンペーン名と、商品名と、購入金額と、製造業者名とを含む。このように、本実施形態において、決済サーバ１００は、パターン２の電子決済によって、利用者が購入した商品の商品ＩＤを取得し、当該商品ＩＤは、利用者が購入した商品およびその製造業者を識別する識別子を含む。そのため、表示制御部１４０Ｃは、利用者がポイントを獲得した商品およびその製造業者を表示することによって、利用者は自身が獲得したポイントの内訳を正確に把握することができ、当該利用者の利便性を向上させることができる。

【0062】

また、本実施形態において、キャンペーンは、有効期限内に特定の商品（除外キャンペーンの場合、特定の商品以外の商品）を一回以上購入することによって累積的に算出される累積金額が所定金額以上であることを満たすことによって、ポイントが付与されるものである。そのため、利用者によっては、あるキャンペーンについて特定の商品を購入した金額がゼロより大きく、所定金額未満である場合がある。そのような場合、図１７に示す通り、表示制御部１４０Ｃは、キャンペーンについて指定された所定金額のうち、利用者が実際に支払った実績金額または残り金額、および進捗状況（例えば、所定金額のうち、利用者が実際に支払った実績金額の割合）を領域Ａ７に表示しても良い。このようにして、利用者の利便性をさらに向上させることができる。

【0063】

図１８は、表示制御部１４０Ｃによって表示されるポイント情報の別の例を示す図である。図１８に示す画面は、例えば、利用者がドロップダウンリストＤＬから「商品」を選択した場合に表示されるものである。図１８に示す通り、表示制御部１４０Ｃは、商品ごとに、利用者がクーポン又はキャンペーンによって獲得したポイントに関する情報を表示してもよい。その場合、表示制御部１４０Ｃは、クーポン又はキャンペーンの別を問わず、商品ごとに、利用者が獲得したポイントを集計し、合計ポイントとして表示してもよい。さらに、別の態様として、ドロップダウンリストＤＬは、「製造業者」を含み、利用者が「製造業者」を選択した場合、表示制御部１４０Ｃは、製造業者ごとに、利用者がクーポン又はキャンペーンによって獲得したポイントに関する情報を表示してもよい。その場合、表示制御部１４０Ｃは、クーポン又はキャンペーンの別を問わず、製造業者ごとに、利用者が獲得したポイントを集計し、合計ポイントとして表示してもよい。

【0064】

なお、上記の実施形態では、情報管理部１４０は、決済サーバ１００によって実行された電子決済のみについて、クーポン又はキャンペーンの適用を判定し、利用者が獲得する特典に関する情報をリアルタイムに表示させている。しかし、本実施形態は、そのような構成に限定されず、例えば、決済サーバ１００が、外部のサービスサーバ（例えば、ショッピング機能やオークション機能を提供するサーバ）と利用者のアカウントＩＤを共有して、共同でクーポン（以下、共同クーポン）の提供及び／又はキャンペーンの実施を行ってもよい。その場合、外部のサービスサーバにおいて、クーポン又はキャンペーンの適用が判定された場合、決済サーバ１００は、外部のサービスサーバから、利用者のアカウントＩＤおよび特典に関する情報を取得し、利用者端末装置にリアルタイムに表示しても良いし、図１７や図１８で示したミニアプリの管理機能によって、特典に関する情報を利用者端末装置に表示しても良い。追加

【0065】

決済サーバ１００と外部のサービスサーバとが共同クーポン又は共同キャンペーンを提供する場合、表示制御部１４０Ｃは、決済サーバ１００が提供する電子決済サービスの利用を通じて獲得したポイント情報と、外部のサービスサーバが提供する外部のサービスの利用を通じて獲得したポイント情報とを区別可能なように利用者端末装置１０に表示させてもよい。例えば、図１７に示した画面において、表示制御部１４０Ｃは、電子決済サービスでクーポンを利用することによって獲得されたポイントに関する情報を表す領域Ａ６と、電子決済サービスでキャンペーンを利用することによって獲得されたポイントに関する情報を表す領域Ａ７と、外部のサービスでクーポンを利用することによって獲得されたポイントに関する情報を表す領域Ａ６’、外部のサービスでキャンペーンを利用することによって獲得されたポイントに関する情報を表す領域Ａ７’と、を区別して利用者端末装置１０に表示させてもよい。

【0066】

さらに、決済サーバ１００と外部のサービスサーバとが共同クーポン又は共同キャンペーンを提供する場合、クーポンまたはキャンペーンのポイントが付与される条件は、共通化されていてもよい。一例として、上述した通り、キャンペーンの適用条件は、有効期限内に特定の商品を一回以上購入することによって累積的に算出される累積金額が所定金額以上であることを満たすことであるが、例えば、外部のサービスサーバが、オンラインショッピングサービスを提供する場合、この場合の累積金額は、電子決済サービスを通じた購入と、オンラインショッピングサービスを通じた購入とを合わせた累積金額であってもよい。別の例として、情報管理部１４０は、電子決済サービスの利用により獲得したポイントと、外部のサービスの利用により獲得したポイントとの合計が所定値以上である場合、追加的なポイントを当該利用者のアカウントに付与してもよい。

【0067】

以上説明した実施形態によれば、電子決済サービスの利用者によって実行された電子決済であって、電子決済サービスに加盟する加盟店が販売する商品を購買した電子決済に関する決済情報を、商品の識別子と合わせて利用者の利用者端末装置から取得し、識別子および決済情報が、加盟店によって設定された特典の付与条件を満たすか否かを判定し、当該識別子および決済情報が、特典の付与条件を満たすと判定された場合、利用者端末装置に、付与される特典に関する情報をリアルタイムに表示させる。これにより、商品の購買に応じて付与される特典に関する情報を利用者に利便性の高い形で提供することができる。

【0068】

［変形例］
上記の実施形態では、クーポンおよびキャンペーンは、利用者が、事前に指定された特定の商品を購入した場合（除外クーポンの場合、特定の商品以外の商品を購入した場合）、表示制御部１４０Ｃは、当該特定の商品に関する情報を利用者端末装置１０にリアルタイムに表示させている。しかし、本発明は、そのような構成に限定されず、クーポンおよびキャンペーンは、利用者が購入した商品が特定のカテゴリに該当する場合（除外クーポンの場合、特定のカテゴリ以外のカテゴリに該当する場合）に、特典が付与されるものであってもよい。ここで、カテゴリとは、法令によって定められた商品分類であってもよいし、電子決済サービス又は加盟店の運営者によって独自に定義された商品分類であってもよい。

【0069】

図１９は、変形例に係るクーポン情報１７８Aの内容の一例を示す図である。クーポン情報１７８Ａは、例えば、クーポンＩＤ、クーポン名、加盟店ＩＤ、店舗ＩＤ、カテゴリ、決済金額、特典内容、除外クーポン、有効期限、決済情報提供同意などの情報が対応付けられたものである。決済情報取得部１４０Ａが、パターン２の電子決済によって、利用者が購入した商品の商品ＩＤを取得すると、特典判定部１４０Ｂは、当該商品ＩＤによって識別された商品のカテゴリが、当該利用者が獲得したクーポンのカテゴリに一致するか否かを判定する（除外クーポンの場合、特定のカテゴリ以外のカテゴリに一致するか否かを判定する）。特典判定部１４０Ｂによって、商品ＩＤによって識別された商品のカテゴリが、利用者が獲得したクーポンのカテゴリに一致すると判定された場合、表示制御部１４０Ｃは、例えば、決済金額、店舗情報、クーポン名、カテゴリ名などを含む決済完了画面を利用者端末装置１０にリアルタイムに表示させる。このとき、表示制御部１４０Ｃは、商品名及び／又は製造業者も合わせて利用者端末装置１０にリアルタイムに表示させてもよい。

【0070】

図２０は、変形例に係るキャンペーン情報１８０Ａの内容の一例を示す図である。キャンペーン情報１８０Ａは、例えば、キャンペーンＩＤ、キャンペーン名、加盟店ＩＤ、店舗ＩＤ、カテゴリ、特典内容、適用条件、除外キャンペーン、有効期限、決済情報提供同意などの情報が対応付けられたものである。決済情報取得部１４０Ａが、パターン２の電子決済によって、利用者が購入した商品の商品ＩＤを取得すると、特典判定部１４０Ｂは、当該商品ＩＤによって識別された商品のカテゴリが、いずれかのキャンペーンのカテゴリに一致するか否かを判定する（除外クーポンの場合、特定のカテゴリ以外のカテゴリに一致するか否かを判定する）。特典判定部１４０Ｂによって、商品ＩＤによって識別された商品のカテゴリが、いずれかのキャンペーンのカテゴリに一致すると判定された場合、表示制御部１４０Ｃは、例えば、決済金額、店舗情報、クーポン名、カテゴリ名などを含む決済完了画面を利用者端末装置１０にリアルタイムに表示させる。このとき、表示制御部１４０Ｃは、商品名及び／又は製造業者も合わせて利用者端末装置１０にリアルタイムに表示させてもよい。

【0071】

以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。

【符号の説明】

【0072】

１０ 利用者端末装置
２０ 決済アプリ
１００ 決済サーバ
１１０ 通信部
１２０ 決済コンテンツ提供部
１３０ 決済処理部
１４０ 情報管理部
１４０Ａ 決済情報取得部
１４０Ｂ 特典判定部
１４０Ｃ 表示制御部

【要約】

【課題】電子決済サービスの加盟店が販売する商品を電子決済によって購入した場合、当該商品の購入に応じて付与される特典に関する情報を利用者に利便性の高い形で提供すること。
【解決手段】電子決済サービスの利用者によって実行された電子決済であって、前記電子決済サービスに加盟する加盟店が販売する商品を購入した電子決済に関する決済情報を、前記商品の識別子と合わせて前記利用者の利用者端末装置から取得する決済情報取得部と、前記識別子および前記決済情報が、前記加盟店によって設定された特典の付与条件を満たすか否かを判定する特典判定部と、前記識別子および前記決済情報が、前記特典の付与条件を満たすと判定された場合、前記利用者端末装置に、付与される前記特典に関する情報をリアルタイムに表示させる表示制御部と、を備える、情報処理装置。
【選択図】図１

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】