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特許7505109デジタル化された口腔内データの取得方法および装置、歯科用スキャナー制御システム
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  • 特許-デジタル化された口腔内データの取得方法および装置、歯科用スキャナー制御システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】デジタル化された口腔内データの取得方法および装置、歯科用スキャナー制御システム
(51)【国際特許分類】
   A61C 19/04 20060101AFI20240617BHJP
   A61B 1/24 20060101ALI20240617BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
A61C19/04 Z
A61B1/24
A61B1/00 640
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023506538
(86)(22)【出願日】2021-07-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-23
(86)【国際出願番号】 CN2021104840
(87)【国際公開番号】W WO2022022242
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2023-01-31
(31)【優先権主張番号】202010763543.4
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518283252
【氏名又は名称】先臨三維科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHINING 3D TECH CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1398 Xiangbin Road,Wenyan Street,Xiaoshan District,Hangzhou,Zhejiang 311258 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】馬 超
【審査官】岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-101124(JP,A)
【文献】特開2020-058677(JP,A)
【文献】特開2019-162426(JP,A)
【文献】特開2013-202256(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0005371(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0120493(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0163115(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0008877(US,A1)
【文献】特表2016-533824(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 19/04
A61B 1/24
A61B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル化された口腔内データの取得方法であって、
口腔走査要求を受信するステップと、
前記口腔走査要求に基づいて対象物の走査データを取得するステップであって、前記走査データは、前記対象物に取り付けられた対象走査棒の走査データを含むステップと、
走査プロセス中に前記対象走査棒の走査データを前記対象走査棒の標準データと定期的にマッチングするステップであって、リアルタイム走査プロセス中に所定数の走査データを取得するたびに、または所定間隔をおいて現在の走査データを標準データと特徴スティッチングし、前記対象走査棒の標準データのビット位置を調整することを含むステップと、
前記対象物の前記走査データ中の前記対象走査棒の走査データを、マッチングされた前記対象走査棒の標準データを用いて置換し、前記対象物のデジタル化された口腔内データを取得するステップと、を含む
デジタル化された口腔内データの取得方法。
【請求項2】
前記口腔走査要求に基づいて前記対象物の走査データを取得するステップは、
前記口腔走査要求に基づいて前記対象物に対する多角度走査を実行するようにスキャナーを制御し、対象物の複数のシングルスライス走査データを取得し、ここで、シングルスライス走査データの少なくとも一部が対象走査棒の走査データを含み、前記複数のシングルスライス走査データをスティッチングして対象物の全体走査データを形成するステップを含み、前記対象物の走査データは前記対象走査棒の走査データを含む
請求項1に記載の取得方法。
【請求項3】
前記走査プロセス中に前記対象走査棒の走査データを前記対象走査棒の標準データと定期的にマッチングするステップは、
前記対象走査棒の識別情報を取得するステップと、
前記対象走査棒の識別情報に基づいて前記対象走査棒の標準データを取得するステップと、
前記対象走査棒の走査データを前記対象走査棒の標準データとマッチングするステップと、を含む
請求項1に記載の取得方法。
【請求項4】
前記走査プロセス中に前記対象走査棒の走査データを前記対象走査棒の標準データと定期的にマッチングするステップは、
走査棒データベースを取得するステップであって、前記走査棒データベースは複数のタイプの走査棒の標準データを含み、各タイプの走査棒の標準データに識別情報が対応され、前記複数のタイプの走査棒の標準データは前記対象走査棒の標準データを含み、前記対象走査棒の標準データは対象走査棒の識別情報が対応されるステップと、
クラウドサーバに前記走査棒データベースをロードするステップと、
前記クラウドサーバから前記対象走査棒の標準データをダウンロードするステップと、を含む
請求項1または3のいずれか1項に記載の取得方法。
【請求項5】
デジタル化されたデータの取得方法であって、
走査要求を受信するステップと、
前記走査要求に基づいて対象物の走査データを取得するステップであって、前記走査データは前記対象物に取り付けられた補助部材の走査データを含むステップと、
走査プロセス中に前記補助部材の走査データを前記補助部材の標準データと定期的にマッチングするステップであって、リアルタイム走査プロセス中に所定数の走査データを取得するたびに、または所定間隔をおいて現在の走査データを標準データと特徴スティッチングし、前記補助部材の標準データのビット位置を調整することを含むステップと、
マッチングされた前記補助部材の標準データを用いて前記対象物の前記走査データ中の前記補助部材の走査データを置換し、前記対象物のデジタル化されたデータを取得するステップと、を含む
デジタル化されたデータの取得方法。
【請求項6】
歯科用スキャナー制御システムであって、
対象物を走査し、対象物の走査データを取得するように設定された歯科用スキャナーと、
前記歯科用スキャナーに接続され、プログラムを実行するように設定されたコンピュータと、を備え、ここで、前記プログラムが実行されると、請求項1~4のいずれか1項に記載のデジタル化された口腔内データの取得方法を実行する
歯科用スキャナー制御システム。
【請求項7】
前記制御システムは、
前記コンピュータに接続され、走査棒の標準データを記憶し、マッチング要求を受信したときに前記コンピュータに対象走査棒の標準データを送信するように設定されたサーバをさらに備える
請求項6に記載の制御システム。
【請求項8】
デジタル化された口腔内データの取得装置であって、
口腔走査要求を受信する受信ユニットと、
前記口腔走査要求に基づいて対象物の走査データを取得する取得ユニットであって、前記走査データは、前記対象物に取り付けられた対象走査棒の走査データを含む取得ユニットと、
走査プロセス中に前記対象走査棒の走査データを前記対象走査棒の標準データと定期的にマッチングするマッチングユニットであって、リアルタイム走査プロセス中に所定数の走査データを取得するたびに、または所定間隔をおいて現在の走査データを標準データと特徴スティッチングし、前記対象走査棒の標準データのビット位置を調整するマッチングユニットと、
マッチングされた前記対象走査棒の標準データを用いて前記対象物の走査データ中の前記対象走査棒の走査データを置換し、前記対象物のデジタル化された口腔内データを取得する置換ユニットと、を備える
デジタル化された口腔内データの取得装置。
【請求項9】
電子デバイスであって、
プロセッサと、
前記プロセッサの実行可能命令を記憶するように設定されたメモリと、を備え、
前記プロセッサは、前記実行可能命令を実行することによって請求項1~4のいずれか1項に記載のデジタル化された口腔内データの取得方法を実行するように設定される
電子デバイス。
【請求項10】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体は、記憶されたコンピュータプログラムを含み、ここで、前記コンピュータプログラムが実行されているとき、前記コンピュータ可読記憶媒体が配置されたデバイスを制御して、請求項1~4のいずれか1項に記載のデジタル化された口腔内データの取得方法を実行する
コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は、2020年7月31日に中国特許庁に出願された、出願番号が202010763543.4であり、出願の名称が「デジタル化された口腔内データの取得方法および装置、歯科用スキャナー制御システム」の優先権を主張し、その内容全体は参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、デバイス処理の技術分野に関し、具体的には、デジタル化された口腔内データの取得方法および装置、歯科用スキャナー制御システムに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術において、歯科治療の分野で歯型データの取得は徐々に印象3D走査から口腔内3D走査技術に移行し、該技術の出現は歯のデジタル化処理の新たな革命となり、該技術は印象、オーバーモールドおよび3D走査による歯型データの取得方法を捨て、直接口腔内で走査して歯の3Dデータを取得することができる。プロセスの面では、印象とオーバーモールドという2つのステップが省略され、コストの面では、上記プロセスに必要な材料費、人件費、模型の配送費が低減され、カスタマーエクスペリエンスの面では、型取りの不快感が回避される。
【0004】
口腔内デジタル印象装置は、口腔内3Dスキャナーとも呼ばれ、プロービング光学走査ヘッドで患者の口腔内に直接走査し、口腔内の歯、歯肉、粘膜などの軟組織および硬組織表面の3次元形態と色調の質感情報を得るデバイスである。該デバイスの1つのアプローチとして、アクティブ構造光三角測量イメージング原理を用い、デジタル投影システムを用いてアクティブ光パターンを投影し、カメラ取得システムがパターンを取得すると、3D再構成とスティッチングのためのアルゴリズムで処理する。
【0005】
口腔内の環境が制約されているため、プロービング光学走査ヘッドのサイズは必然的に制限され、これにより、口腔内の走査ヘッドのサイズは30mmに制限され、すなわち、一度に取得できる歯の画像は2枚程度になることに対して、歯科業界では、歯の設計と製造の過程で口腔内の歯と歯肉の全データを取得する必要があるため、一度に取得した歯の画像データをスティッチングして口腔内と一致する三次元空間データ全体を形成する必要がある。走査とスティッチングの効率を向上させるために、一方ではデータの一回の走査効率、すなわち一回の走査時間と一回の走査完全性を向上させることである。もう一方では、スティッチングのスムーズさ、すなわちスティッチングの成功率とスティッチングにかかる時間を改善させることである。
【0006】
口腔内スキャナーは通常、修復、歯列矯正、インプラントなどに用いされる。インプラントケースの分野では、口腔内スキャナーは、患者の口腔内の歯のデータを取得すると同時に、欠損位置にある走査棒とアバットメントなどを直接走査でき、その材料は、反射率の高い金属、真っ白な素材、チタンなどを含む。走査棒もアバットメントも反射率の高い物体であり、光学的な画像処理原理を利用した口腔内スキャナーにとって大きな問題となる。光がそのような物体には投射され、異なる角度で鏡面反射または光吸収が起こるため、画像取得システムは露出オーバーの画像または暗すぎる画像しか取得できず、3D再構成のための画質の悪さをもたらし、金属の走査棒全体を走査することが難しくなる。
【0007】
金属特有の鏡面反射のため、通常、口腔内スキャナーはこの種の素材を多角度から複数回走査してデータを取得するが、これはデータ取得の効率を低減させ、オペレーターと患者の双方に不快感を与えることになる。特に光学的なデッドスペースがある場合、口腔内スキャナーはより完全なデータを得ることができず、その後の設計と歯の装着の両方で修復の負担が発生することになる。
【0008】
通常の設計プロセスでは、まず口腔内の3次元形状データを取得し、それを歯科加工工場または歯科技工所に送信して設計および製造し、オペレーターは経験上、走査が完了しているかどうかを判断する(推定された走査データは、歯科設計と製造、特に金属材料の走査データに対する評価に設定することができる)。経験不足または経験則による判断ミスの場合、歯科設計と製造の基準を満たさない走査データが作成されると、より複雑な再加工プロセスと走査プロセスを繰り返すことになる。
【0009】
上記のような問題に対して、有効な解決策はまだ提案されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本出願は、関連技術における経験に基づいて手動で走査完了を決定することにより、設計および製造段階で走査データが一致することができないことが発生しやすく、より複雑な再加工プロセスの増加と走査プロセスの繰り返しという技術的問題を少なくとも解決するために、デジタル化された口腔内データの取得方法および装置、歯科用スキャナー制御システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本出願の一態様によれば、デジタル化された口腔内データの取得方法が提供され、それは、口腔走査要求を受信するステップと、前記口腔走査要求に基づいて対象物の走査データを取得し、ここで、前記走査データは、前記対象物に取り付けられた対象走査棒の走査データを含むステップと、前記対象走査棒の走査データを前記対象走査棒の標準データとマッチングするステップと、前記走査データ中の前記対象走査棒の走査データを、マッチングされた前記対象走査棒の標準データを用いて置換し、前記対象物のデジタル化された口腔内データを取得するステップと、を含む。
【0012】
好ましくは、前記口腔走査要求に基づいて前記対象物の走査データを取得するステップは、前記口腔走査要求に基づいて前記対象物に対する多角度走査を実行するようにスキャナーを制御し、対象物の複数のシングルスライス走査データを取得し、ここで、シングルスライス走査データの少なくとも一部が対象走査棒の走査データを含み、前記複数のシングルスライス走査データをスティッチングして対象物の全体走査データを形成するステップ、を含み、前記対象物の走査データは対象走査棒の走査データを含む。
【0013】
好ましくは、前記対象走査棒の走査データを前記対象走査棒の標準データとマッチングするステップは、前記対象走査棒の識別情報を取得するステップと、前記対象走査棒の識別情報に基づいて前記対象走査棒の標準データを取得するステップと、前記対象走査棒の走査データを前記対象走査棒の標準データとマッチングするステップと、を含む。
【0014】
好ましくは、前記対象走査棒の走査データを前記対象走査棒の標準データとマッチングするステップは、走査棒データベースを取得するステップであって、ここで、前記走査棒データベースは複数のタイプの走査棒の標準データを含み、各タイプの走査棒の標準データに識別情報が対応され、前記複数のタイプの走査棒の標準データは前記対象走査棒の標準データを含み、前記対象走査棒の標準データは対象走査棒の識別情報が対応されるステップと、クラウドサーバに前記走査棒データベースをロードするステップと、前記クラウドサーバから前記対象走査棒の標準データをダウンロードするステップと、を含む。
【0015】
好ましくは、走査棒データベースを取得した後、前記取得方法はさらに、前記走査棒データベースを現用端末の分散型記憶ディスクにロードするステップと、前記対象走査棒の識別情報に基づいて前記分散型記憶ディスクから前記対象走査棒の標準データを読み出すステップと、を含む。
【0016】
好ましくは、取得方法はさらに、前記デジタル化された口腔内データに基づいて、歯型加工データを決定することを含み、ここで、前記歯型加工データは、歯型のアバットメント形状、クラウン形状、穿孔を有する模型の対象物のうちの1つを含む。
【0017】
本出願の別の態様によれば、データ取得方法も提供され、それは、走査要求を受信するステップと、前記走査要求に基づいて対象物の走査データを取得するステップであって、前記走査データは前記対象物に取り付けられた補助部材の走査データを含むステップと、前記補助部材の走査データを前記補助部材の標準データとマッチングするステップと、マッチングされた前記補助部材の標準データを用いて前記走査データ中の前記補助部材の走査データを置換し、前記対象物のデジタル化されたデータを取得するステップと、を含む。
【0018】
本出願の別の態様によれば、歯科用スキャナー制御システムがさらに提供され、それは、対象物を走査し、対象物の走査データを取得するように設定された歯科用スキャナーと、前記歯科用スキャナーに接続され、プログラムを実行するように設定されたコンピュータと、を備え、ここで、前記プログラムが実行されると、上記のいずれか1項に記載のデジタル化された口腔内データの取得方法を実行する。
【0019】
好ましくは、前記制御システムは、前記コンピュータに接続され、走査棒の標準データを記憶し、マッチング要求を受信したときに前記コンピュータに対象走査棒の標準データを送信するように設定されたサーバをさらに備える。
【0020】
本出願の別の態様によれば、デジタル化された口腔内データの取得装置も提供され、それは、口腔走査要求を受信するように設定された受信ユニットと、前記口腔走査要求に基づいて対象物の走査データを取得するように設定された取得ユニットであって、前記走査データは、前記対象物に取り付けられた対象走査棒の走査データを含む取得ユニットと、前記対象走査棒の走査データを前記対象走査棒の標準データとマッチングするように設定されたマッチングユニットと、マッチングされた前記対象走査棒の標準データを用いて前記対象物の走査データ中の前記対象走査棒の走査データを置換し、前記対象物のデジタル化された口腔内データを取得するように設定された置換ユニットと、を備える。
【0021】
好ましくは、前記取得ユニットは、前記口腔走査要求に基づくように設定されたインストールモジュールと、スキャナーを制御して前記対象物に対する多角度走査を行って対象物の複数のシングルスライス走査データを取得するように設定された第一制御モジュールと、を備え、ここで、シングルスライス走査データの少なくとも一部は対象走査棒の走査データを含み、複数のシングルスライス走査データをスティッチングして対象物の全体走査データを形成し、対象物の走査データは対象走査棒の走査データを含む。
【0022】
好ましくは、前記マッチングユニットは、前記対象走査棒の識別情報を取得するように設定された第一取得モジュールと、前記対象走査棒の識別情報に基づいて前記対象走査棒の標準データを取得するように設定された第二取得モジュールと、前記対象走査棒の走査データを前記対象走査棒の標準データとマッチングするように設定されたマッチングモジュールと、を備える。
【0023】
好ましくは、前記第二取得モジュールは、走査棒データベースを取得するように設定された取得サブモジュールを備え、ここで、前記走査棒データベースは、複数のタイプの走査棒の標準データを含み、各タイプの走査棒の標準データは、識別情報が対応され、前記複数のタイプの走査棒の標準データは、対象走査棒の標準データを含み、前記対象走査棒の標準データは、対象走査棒の識別情報が対応され、前記第二取得モジュールはさらに、クラウドサーバに前記走査棒データベースをロードするように設定された第一ロードサブモジュールと、前記クラウドサーバから前記対象走査棒の標準データをダウンロードするように設定されたダウンロードサブモジュールと、を備える。
【0024】
好ましくは、前記取得装置は、走査棒データベースを取得した後、前記走査棒データベースを現用端末の分散型記憶ディスクにロードするように設定された第二ロードサブモジュールと、前記対象走査棒の識別情報に基づいて前記分散型記憶ディスクから前記対象走査棒の標準データを読み出すように設定された読み取りサブモジュールと、を備える。
【0025】
好ましくは、前記取得装置はさらに、前記デジタル化された口腔内データに基づいて、歯型加工データを決定するように設定された決定モジュールを備え、ここで、前記歯型加工データは、少なくとも、歯型のアバットメント形状、クラウン形状、穿孔を有する模型の対象物を含む。
【0026】
本発明の実施例の別の態様によれば、電子デバイスも提供され、それは、プロセッサと、前記プロセッサの実行可能命令を記憶するように設定されたメモリと、を備え、ここで、前記プロセッサは、前記実行可能命令を実行することによって上記のいずれかに記載のデジタル化された口腔内データの取得方法を実行するように設定される。
【0027】
本発明の実施例の別の態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体も提供され、前記コンピュータ可読記憶媒体は、記憶されたコンピュータプログラムを含み、ここで、前記コンピュータプログラムが実行されているとき、前記コンピュータ可読記憶媒体が配置されたデバイスを制御して、上記のいずれかに記載のデジタル化された口腔内データの取得方法を実行する。
【0028】
本発明の実施例において、まず口腔走査要求を受信し、そして口腔走査要求に基づいて対象物の走査データを取得し、ここで、走査データは、対象物に取り付けられた対象走査棒の走査データを含み、その後、対象走査棒の走査データを対象走査棒の標準データとマッチングし、走査データ中の対象走査棒の走査データを、対象走査棒のマッチングされた標準データを用いて置換し、対象物のデジタル化された口腔内データを取得する。該実施例において、デジタル化された口腔内データを取得する過程において、走査棒の走査データを走査棒の標準データに自動的に置換し、走査棒の走査データが完全であるか部分的であるかに関係なく、走査棒の完全な標準データに置換して、直接設計して使用できるデジタル化された口腔内データを生成でき、このようにして、3次元データが歯科加工工場または歯科技工所に送信された後、設計者にとって、標準データとして、デジタル化された口腔内データを直接使用して使用者の口腔内歯型を加工することができ、再加工と繰り返し走査のプロセスを低減させ、それによって関連技術における経験に基づいて手動で走査完了を決定するため、走査データが設計および製造段階でマッチングできないことが発生しやすく、より複雑な再加工プロセスの増加と走査プロセスの繰り返しという技術的問題を少なくとも解決する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
ここで説明される図面は、本発明のさらなる理解を提供するために用いられ、本出願の一部を構成し、本発明の例示的な実施例およびその説明は、本発明を説明するために用いられ、本発明に対する不当な制限を構成するものではない。
図1】本発明の実施例による好ましいデジタル化された口腔内データの取得方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施例による他の好ましい歯科用スキャナー制御システムの概略図である。
図3】本発明の実施例による好ましいデジタル化された口腔内データの取得装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下は、当業者が本発明の解決手段をよりよく理解できるようにするために、本発明の実施例における図面と併せて、本発明の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明するが、説明される実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、その全てではないことは明らかである。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な努力なしに得られた他のすべての実施例は、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0031】
本発明の明細書および特許請求の範囲ならびに上記図面における「第一」、「第二」等の用語は、類似の対象を区別するために用いられ、特定の順序または順番を説明するために用いる必要はないことに留意されたい。このように使用されるデータは、本明細書に記載された本発明の実施例が本明細書に図示または記載されたもの以外の順序で実施できるように、適切な場合には交換可能であることを理解されたい。さらに、「含む」および「備える」という用語、ならびにその任意の変形は、非排他的な包含を意図し、例えば、一連のステップまたはユニットからなるプロセス、方法、システム、製品またはデバイスは、明確に記載されたそれらのステップまたはユニットに限定する必要はなく、明確に記載されていないまたはそれらのプロセス、方法、製品または装置に固有の他のステップまたはユニットを含む場合がある。
【0032】
当業者が本発明を理解するのを容易にするために、本発明の様々な実施例に関わる用語または名詞のいくつかを以下に説明する。
【0033】
口腔内デジタル印象装置は、口腔内3次元スキャナーとも呼ばれ、プロービング光学走査ヘッドで患者の口腔内に直接走査し、口腔内の歯、歯肉、粘膜などの軟組織および硬組織表面の3次元形態と色調の質感情報を得る装置である。本発明の実施例において、口腔内デジタル印象装置は、イメージング処理にアクティブ構造光三角測量イメージング原理、共焦点法イメージング原理などを採用し、使用原理は限定されず、デジタル投影システムでアクティブ光パターンを投影し、カメラ撮影システムでパターンを取得した後、アルゴリズム処理により3D再構成とスティッチングを実行する。
【0034】
光学機械は、DLP(デジタルライト処理、Digital Light Processionの略)投影技術を使用し、そしてデジタルマイクロミラーデバイス(DMD、Digital Micromirror Deviceの略)を重要な処理要素としてデジタル光学プロセスを実現する。当然で、光学機械はレーザープロジェクターなどを使うことも可能である。
【0035】
関連技術において、口腔内デジタル印象装置で患者の口腔を走査する際に、口腔内の環境が制約されているため、プロービング光学走査ヘッドのサイズは必然的に制限され、これにより、一度に取得できる歯の画像は2枚程度になることに対して、歯科業界では、歯の設計と製造の過程で口腔内の歯と歯肉の全データを取得する必要があるため、複数のシングルスライス点群データをスティッチングして口腔内と一致する三次元空間データ全体を形成する必要がある。走査とスティッチングの効率を向上させるために、一方ではデータの一回の走査効率、すなわち一回の走査時間と一回の走査完全性を向上させ、他方では、スティッチングのスムーズさ、すなわちスティッチングの成功率とスティッチングにかかる時間を改善させることが重要である。本発明の技術的解決手段において、走査プロセス中または走査完了後、走査した走査棒データの置換を自動的に実行し、標準データが走査プロセス中で向上し、走査棒データの完全性と正確性が確保され、従来技術における再加工を低減させる。
【0036】
本発明の実施例によれば、デジタル化された口腔内データを取得する方法の実施例が提供され、図面のフローチャートに示されるステップは、コンピュータ実行可能命令のセットなどのコンピュータシステムで実行されてもよく、フローチャートには論理シーケンスが示されているが、場合によっては、示されるまたは説明されるステップは、ここに示されるものとは異なる順序で実行されてもよいことが留意される。
【0037】
図1は、本発明の実施例によるデジタル化された口腔内データの取得方法のフローチャートであり、図1に示すとおり、該方法は、
口腔走査要求を受信するステップS102と、
口腔走査要求に基づいて対象物の走査データを取得するステップS104、ここで、走査データは、対象物に取り付けられた対象走査棒の走査データを含む、
対象走査棒の走査データを対象走査棒の標準データとマッチングするステップS106と、
走査データ中の対象走査棒の走査データを、マッチングされた対象走査棒の標準データを用いて置換し、対象物のデジタル化された口腔内データを取得するステップS108と、を含む。
【0038】
デジタル化された口腔内データに基づいて、対象物の最終口腔修復物を加工して、使用者が最終口腔修復物を装着できるようにし、対象物が最終口腔修復物を装着できるようする。
【0039】
上記ステップにより、口腔走査要求を受信し、そして口腔走査要求に基づいて対象物の走査データを取得し、ここで、走査データが、対象物に取り付けられた対象走査棒の走査データを含み、その後、対象走査棒の走査データを対象走査棒の標準データとマッチングし、走査データ中の対象走査棒の走査データを、マッチングされた対象走査棒の標準データを用いて置換し、対象物のデジタル化された口腔内データを取得する。該実施例において、デジタル化された口腔内データを取得することの過程において、走査棒の走査データを走査棒の標準データに自動的に置換し、走査棒の走査データが完全であるか部分的であるかに関係なく、走査棒の完全な標準データに置換して、直接設計して使用できるデジタル化された口腔内データを生成でき、このようにして、3次元データが歯科加工工場または歯科技工所に送信された後、設計者にとって、標準データとして、デジタル化された口腔内データを直接使用して使用者の口腔内歯型を加工することができ、再加工と繰り返し走査のプロセスを低減させ、それによって関連技術における経験に基づいて手動で走査完了を決定するため、走査データが設計および製造段階でマッチングできないことが発生しやすく、より複雑な再加工プロセスの増加と走査プロセスの繰り返しという技術的問題を少なくとも解決する。
【0040】
本発明の実施例において、口腔内スキャナーは通常、修復、歯列矯正、インプラントなどに用いされ、本発明の実施例は、インプラントケースを例にとって説明する。インプラントケースの分野では、スキャナーは、患者の口腔内の歯のデータを取得すると同時に、走査棒とアバットメントなどを直接走査することができる。本発明の実施例が関連する走査棒は、口腔インプラントの位置および向きを決定するための精密部品を意味し、走査棒は、口腔インプラント(略してインプラント)に取り外し可能に取り付けられ、口腔内スキャナーによって走査棒の三次元データを取得し、これにより、口腔インプラントの位置および向きを決定し、パーソナライズされたアバットメントを設計するために使用される。口腔インプラント(略してインプラント)は、歯科インプラント、また人工歯根とも呼ばれ、歯を失った部分の上顎と下顎に外科的に埋入し、手術の傷が治ったら、その上に人工の入れ歯を装着する装置である。インプラントアバットメント(略してアバットメント)は、歯科修復治療におけるインプラントの補助器具で、インプラントを外科的に埋入した後、アバットメントも手術で長期間に装着される。アバットメントは歯肉の外まで伸び、義歯などの矯正物(修復物)を固定するための歯肉貫通部を形成する。インプラント自体が完全な歯肉貫通部を含む場合、アバットメントを必要としない。義歯走査の場合、口腔インプラントは、歯型に装着する交換体で置き換える。
【0041】
本発明の実施例において、口腔内走査と義歯走査という2種類の走査方法について説明し、ここで、口腔内走査とは、患者の口腔の中にスキャナーを挿入し、装着した走査棒を走査して走査データを得ることであり、義歯走査とは、患者の歯の上に柔らかい素材を載せて義歯を得て、義歯を外部から走査して走査データを得ることである。本発明の以下の実施例は、口腔内走査で概略的に説明されるが、義歯走査にも適用可能である。
【0042】
以下、上記各ステップと合わせて本発明を詳細に説明する。
【0043】
ステップS102で、口腔走査要求を受信する。
【0044】
口腔走査要求は、走査コマンドを受信することを意味してもよく、走査コマンドは、注文要求を受信した後に直接生成されることを意味してもよく、注文要求を受信しながら走査棒の番号を直接選択できるため、口腔走査要求に基づいて走査棒の番号を直接取得することができる。口腔走査要求を受信した後、バックグラウンド通信で該走査棒の標準データをダウンロードする。
【0045】
ステップS104で、口腔走査要求に基づいて対象物の走査データを取得し、ここで、走査データは、前記対象物に取り付けられた対象走査棒の走査データを含む。
【0046】
口腔内走査の場合、走査データには、歯、歯肉、および走査棒の走査データを含む。義歯走査の場合、走査データには、歯モデル、歯肉モデル、および走査棒の走査データを含む。当然で、3D走査のグローバル走査データは、複数のシングルスライス走査データをスティッチングして形成されるため、口腔内走査の場合、シングルスライス走査データには、歯、歯肉、走査棒のいずれか、または両方、または3つすべての走査データを含むことができ、走査データは部分走査データでも完全走査データでもよい。義歯走査のシングルスライス走査データについて、歯モデル、歯肉モデル、走査棒のいずれか、または両方、または3つすべての走査データを含むことができ、走査データは部分走査データでも完全走査データでもよい。
【0047】
好ましくは、口腔走査要求に基づいて対象物の走査データを取得するステップは、対象物に対する多角度走査を行うようにスキャナーを制御して対象物の複数のシングルスライス走査データを取得することを含み、ここで、シングルスライス走査データの少なくとも一部は対象走査棒の走査データの一部を含み、複数のシングルスライス走査データをスティッチングして対象物の全体走査データを形成し、対象物の全体走査データは、対象走査棒の走査データを含む。対象物の走査データを取得することは、対象物のシングルスライス走査データを取得すること、または対象物の複数のシングルスライス走査データを取得し、複数のシングルスライス走査データをスティッチングして対象物の全体走査データを取得することと理解できることに留意されたい。前記シングルスライス走査データの少なくとも一部は、前記対象走査棒の走査データを含み、シングルスライス走査データの少なくとも一部は、前記対象走査棒の部分走査データまたは完全走査データを含むことと理解できる。対象物の全体走査データは、対象走査棒の走査データを含み、対象物の全体走査データは、対象走査棒の部分走査データまたは完全走査データを含むことと理解できる。
【0048】
口腔内走査の場合、対象物の走査データはリアルタイム走査とスティッチングによって取得され、すなわち、シングルスライス走査データが取得されるたびに、以前の走査データとスティッチングし、対象物の現在の走査データは、現在の瞬間およびそれ以前に取得されたすべての走査データをスティッチングしたものであり、本実施例における走査データは点群データを指し、スキャナーのカメラは2D画像を取得し、2D画像を3次元で再構成して点群データ(すなわち3次元画像)を取得する。具体的には、現在の瞬間およびそれ以前に対象物の第一シングルスライス走査データを取得し、対象物の現在の走査データは対象物の第一シングルスライス走査データを含む。現在の瞬間で対象物の第二シングルスライス走査データを取得し、現在の瞬間より前に対象物の第一シングルスライス走査データを取得し、対象物の現在の走査データは対象物の第一シングルスライス走査データと第二シングルスライス走査データをスティッチングしたものである。現在の瞬間で対象物の第Z(Zは1以上の整数)シングルスライス走査データを取得し、現在の瞬間より前に対象物のZ-1シングルスライス走査データを取得し、対象物の現在の走査データは対象物の第Zシングルスライス走査データと以前のZ-1シングルスライス走査データをスティッチングしたものであり、当然で、一部の対象物のシングルスライス走査データのスティッチングが最後までうまくいかない可能性も否定できない。
【0049】
走査を開始する前に、走査棒を対象物に取り付け、該走査棒の番号は注文要求を受けた際に選択した走査棒の番号と同じであり、すなわち走査棒は同じ仕様である。
【0050】
ステップS106で、対象走査棒の走査データを対象走査棒の標準データとマッチングする。
【0051】
特徴スティッチングのために現在の走査データ中の対象走査棒の走査データを標準データとマッチングし、特徴スティッチング処理中に標準データが座標変換される。
【0052】
本実施例に関わるマッチングは、定期的マッチング、特にリアルタイム走査プロセス中の定期的マッチングであり、リアルタイム走査プロセス中に一定数の走査データを取得するたびに、または間隔をおいて現在の走査データを標準データと特徴スティッチングし、一方では特徴スティッチングされた走査棒の標準データのビット位置を更新および調整し、他方では他の走査棒の標準データを更新する。例えば、対象物の第一瞬間での走査データは、M(Mは0以上の整数)スライスのシングルスライス走査データを含み、対象物の第一瞬間での走査データは対象走査棒の走査データを含まず、対象走査棒の標準データを対象物の第一瞬間での走査データとマッチングして特徴スティッチングし、このときスティッチングは失敗し、第一瞬間での走査画像には対象物の第一瞬間での走査データのみが表示される。対象物の第二瞬間での走査データは、N(Nは0以上の整数)スライスのシングルスライス走査データを含み、対象物の第二瞬間での走査データは第一対象走査棒の走査データAを含み(特徴が明らかでないおよび/またはデータ量が少ない)、第一対象走査棒の標準データと対象物の第二瞬間での走査データを特徴スティッチングおよびマッチングし、このとき、第一対象走査棒の標準データと第一対象走査棒の走査データAが特徴スティッチングおよびマッチングを完了できず、第二瞬間での走査画像には対象物の第二瞬間での走査データのみが表示される。対象物の第三瞬間での走査データは、P(Pは0以上の整数)スライスのシングルスライス走査データを含み、対象物の第三瞬間での走査データは第一対象走査棒の走査データBを含み(特徴が明らかであるおよび/またはデータ量が十分である)、第一対象走査棒の標準データと対象物の第三瞬間での走査データを特徴スティッチングおよびマッチングし、第一対象走査棒の標準データと第一対象走査棒の走査データBが正常にスティッチングしてプロンプトを出し、第三瞬間での走査画像には対象物の第三瞬間での走査データおよび第一対象走査棒の標準データBが表示される。対象物の第四瞬間での走査データは、Q(Qは0以上の整数)スライスのシングルスライス走査データを含み、対象物の第四瞬間での走査データは第一対象走査棒の走査データ(特徴が明らかであるおよび/またはデータ量が十分である)および第二走査棒の走査データ(特徴が明らかであるおよび/またはデータ量が十分である)を含み、対象走査棒の標準データと対象物の第四瞬間での走査データを特徴スティッチングおよびマッチングし、第一対象走査棒の標準データと第一対象走査棒の走査データが正常にスティッチングしてプロンプトを出し、第二対象走査棒の標準データと第二対象走査棒の走査データが正常にスティッチングしてプロンプトを出し、第四瞬間での走査画像には対象物の第四瞬間での走査データ、第一対象走査棒の標準データおよび第二対象走査棒の標準データが表示される。当然で、実際の走査プロセスでは、上記プロセスに一部のプロセスしか表示されない場合がある。しかしながら、走査データの増加に伴い、特に対象走査棒の走査データに対して、対象走査棒の標準データのビット位置を連続的に調整することにより、対象走査棒の標準データと対象走査棒の走査データとのスティッチング精度およびスティッチング成功率を向上させ、かつ、対象走査棒の数によって制限されず、1つの対象走査棒または複数の対象走査棒のいずれかを特徴スティッチングおよびマッチングすることができることが分かる。
【0053】
本発明の実施例において、対象走査棒の走査データを対象走査棒の標準データとマッチングするステップは、対象走査棒の標準データを取得するステップと、対象走査棒の走査データを対象走査棒の標準データとマッチングするステップと、を含む。
【0054】
本発明の実施例において、対象走査棒の走査データを対象走査棒の標準データとマッチングするステップは、対象走査棒の識別情報を取得するステップと、対象走査棒の識別情報に基づいて対象走査棒の標準データを取得するステップと、対象走査棒の走査データを対象走査棒の標準データとマッチングするステップと、を含む。
【0055】
好ましくは、口腔走査要求を受信すると、走査棒の識別情報に基づいて、該走査棒の識別情報に対応するCADデータをダウンロードする。走査プロセスが走査棒に入ると(すなわち、走査が開始されると)、同時にソフトウェアのバックグラウンドでスレッドが有効になり、リアルタイムスティッチングアルゴリズムを適用して走査棒の走査データとCADデータをスティッチングしてマッチングする。本実施例において、識別情報は走査棒の番号であり、走査棒の標準データはCADデータである。
【0056】
また、本発明の実施例において、走査プロセス中の対象走査棒の走査データの複数の走査棒特徴により、クラウドサーバに記憶された口腔走査棒データとスティッチングしてマッチングすることができる(ここでもスティッチングアルゴリズムを用いて、走査棒特徴に基づいて、走査棒のリアルタイム走査データとCADデータとのスティッチングとマッチングを試みる)。
【0057】
本発明の好ましい実施例として、前記対象走査棒の走査データを前記対象走査棒の標準データとマッチングするステップは、走査棒データベースを取得するステップと、ここで、走査棒データベースが複数のタイプの走査棒の標準データを含み、複数のタイプの走査棒の標準データが対象走査棒の標準データを含み、クラウドサーバに走査棒データベースをロードするステップと、クラウドサーバから対象走査棒の標準データをダウンロードするステップと、を含む。
【0058】
本発明の好ましい実施例として、前記対象走査棒の走査データを前記対象走査棒の標準データとマッチングするステップは、走査棒データベースを取得するステップと、走査棒データベースが複数のタイプの走査棒の標準データを含み、各タイプの走査棒の標準データに識別情報が対応され、複数のタイプの走査棒の標準データが対象走査棒の標準データを含み、対象走査棒の標準データに対象走査棒の識別情報が対応され、クラウドサーバに走査棒データベースをロードするステップと、対象走査棒の識別情報に基づいて、クラウドサーバから前記対象走査棒の標準データをダウンロードするステップと、を含む。
【0059】
本発明の実施例において、すべてのタイプの口腔内走査棒データを事前に取得して走査棒データベースに記憶し、走査棒データベースをクラウドサーバにロードすることができる(データベースが大きいため、ローカルスペースの占有を回避する)。
【0060】
当然で、また、走査棒データベースを現用端末の分散型記憶ディスクにロードし、前記分散型記憶ディスクから前記走査棒データベースの標準データを読み出すことも可能である。さらに、走査棒データベースを現用端末の分散型記憶ディスクにロードし、対象走査棒の識別情報に基づいて前記分散型記憶ディスクから前記対象走査棒の標準データを読み出す。
【0061】
好ましくは、走査棒データが正常にスティッチングおよびマッチングされた後、音声またはテキストでユーザーにプロンプトを表示することができる。
【0062】
本発明の実施例において、マッチングを行う場合、走査が断片的で時間がかかるため、走査中のマッチングと走査終了後のマッチングという2つのマッチング方法を含む。
【0063】
1つは、走査中のマッチングであり、走査棒の特性に基づいて、スティッチングおよびマッチングを行い、走査しながらマッチングすることができ、具体的には、一定数の走査データを取得するたびに、または間隔をおいて現在の走査データ(現在取得しているすべての走査データをスティッチングしたもの)を対象走査棒の標準データとスティッチングおよびマッチングし、このようなマッチング方法は、走査中に、対象走査棒の走査データと対象走査棒の標準データが正しくスティッチングされたかどうかを決定することができ、スティッチングが失敗し、またはスティッチングの精度が十分でない場合は、スティッチングが成功するまで対象走査棒をさらに走査して対象走査棒の走査データを増加させることができ、通常は対象走査棒を完全に走査しなくてもスティッチングとマッチングは成功し、これにより、対象走査棒の反射率が高くて走査しにくいという問題も解決し、全体の走査速度も速くなり、そして、走査データの取得が完了し、かつ、対象走査棒の標準データと特徴スティッチングおよびマッチングされた後、データ置換を完了し、対象物のデジタル化された口腔内データを取得する。
【0064】
もう一つは、走査終了後のマッチングであり、すなわち、使用者の走査データを全て走査した後、走査中の対象走査棒の走査データを基に一律にマッチングすることであり、このようなマッチング方法は、全ての走査棒データの特徴を一度に得ることができ、マッチング結果がより正確になるというメリットがあるが、走査棒を出来るだけ完全に走査する必要があり、時間がかかり、走査棒が完全に走査されていないと、スティッチングおよびマッチングが実行されず、再走査が必要になる場合がある。
【0065】
ステップS108で、走査データ中の対象走査棒の走査データを、対象走査棒のマッチングされた標準データを用いて置換し、対象物のデジタル化された口腔内データを取得する。
【0066】
好ましくは、走査完了後、対象走査棒の走査データが削除され、対象走査棒の標準データが記憶され、すなわち、対象物のデジタル化された口腔内データは、歯走査データ、歯肉走査データ、および走査棒の標準データを含む。
【0067】
本発明の実施例について、取得方法は、デジタル化された口腔内データに基づいて、歯型加工データを決定するステップをさらに含み、歯型加工データは、歯型のアバットメント形状、クラウン形状、穿孔を有するモデルの対象物のうちの少なくとも1つを含む。歯型加工データを取得した後、歯型加工データを加工装置に送信し、加工装置を用いて患者の口腔内歯型を作成することができる。
【0068】
デジタル化された口腔内データを取得した後、口腔インプラントの位置と向きを決定することができ、それに従ってアバットメント形状、クラウン形状、穿孔を有するモデルの対象物を設計して加工装置に送信し、再来院の必要がなくその場で加工を実現し、走査後、患者は加工された口腔モデルを一定時間待ってから試着することができる。
【0069】
上記実施例により、クラウドプラットフォームを使用して走査棒データベースをロードし、患者の口腔に対する走査が完了した後、ダウンロードした対象走査棒の標準データを使用して対象走査棒の走査データを置換することができ、使用できない走査棒データという問題がなく、最終的に直接設計可能なデジタル化された口腔内データを生成することで、より多くの不確実性と手戻りの可能性を排除することができる。
【0070】
本発明の実施例の別の態様によれば、もう一つのデータ取得方法が提供され、それは、
走査要求を受信するステップと、
走査要求に基づいて対象物の走査データを取得するステップであって、走査データは、対象物に取り付けられた補助部材の走査データを含むステップと、
補助部材の走査データを補助部材の標準データとマッチングするステップと、
マッチングされた補助部材の標準データを用いて走査データ中の補助部材の走査データと置換し、対象物のデジタル化されたデータを取得するステップと、を含む。
【0071】
上記データ取得方法は、工場の様々な製品加工(工作機械、歯型、修復物など)などの環境に適用することができ、対象物の加工では、走査データに従って得られた標準CADデータを直接置換することができ、製品をより標準的に処理し、製品パラメータと製品モデルより製品の加工仕様と一致し、例えば、歯型の修復処理では、インプラントのデジタル印象3Dデータを置換されたCADデータから直接取得することができ、設計者は3Dデータをスティッチングおよびマッチングする必要がなく、デジタル印象3Dデータを直接使って対象物の歯型を加工するため、手直し作業と走査プロセスの繰り返しを低減させる。
【0072】
本実施例における具体的な実施手段について、デジタル化された口腔内データを取得する方法の実施例を参照することができる。
【0073】
図2は、本発明の実施例による他の好ましい歯科用スキャナー制御システムの概略図であり、図2に示すとおり、該歯科用スキャナー制御システムは、歯科用スキャナー21およびコンピュータ23を含み、ここで、
歯科用スキャナー21は、対象物に探査して走査し、対象物の走査データを取得するように設定される。
【0074】
ここで、歯科用スキャナーは、対象物の口腔内を走査して走査データを取得する口腔内デジタルスキャナーであってもよい。
【0075】
コンピュータ23は、歯科用スキャナーに接続され、プログラムを実行するように設定され、ここで、プログラムが実行されると、上記のいずれかに記載のデジタル化された口腔内データの取得方法を実行する。
【0076】
本発明の実施例において、コンピュータ23で実行するプログラムを実行できる方法は、口腔走査要求を受信するステップと、口腔走査要求に基づいて対象物の走査データを取得し、ここで、走査データが、対象物に取り付けられた対象走査棒の走査データを含むステップと、対象走査棒の走査データを対象走査棒の標準データとマッチングするステップと、走査データ中の対象走査棒の走査データを、マッチングされた対象走査棒の標準データを用いて置換し、対象物のデジタル化された口腔内データを取得するステップと、を含む。
【0077】
好ましくは、制御システムは、コンピュータに接続され、走査棒の標準データを記憶し、マッチング要求を受信したときにコンピュータに対象走査棒の標準データを送信するように設定されたサーバをさらに備える。
【0078】
本発明の実施例において、コンピュータ23で実行するプログラムを実行できる方法はさらに、口腔走査要求に基づいて対象物に対する多角度走査を実行するようにスキャナーを制御し、対象物の複数のシングルスライス走査データを取得するステップを含み、ここで、シングルスライス走査データの少なくとも一部が対象走査棒の走査データを含み、複数のシングルスライス走査データをスティッチングして対象物の全体走査データを形成することを含み、対象物の走査データは対象走査棒の走査データを含む。
【0079】
本発明の実施例において、コンピュータ23で実行するプログラムを実行できる方法はさらに、対象走査棒の識別情報を取得するステップと、対象走査棒の識別情報に基づいて対象走査棒の標準データを取得するステップと、対象走査棒の走査データを対象走査棒の標準データとマッチングするステップと、を含む。
【0080】
本発明の実施例において、コンピュータ23で実行するプログラムを実行できる方法は、走査棒データベースを取得するステップと、ここで、走査棒データベースが複数のタイプの走査棒の標準データを含み、各タイプの走査棒の標準データに識別情報が対応され、複数のタイプの走査棒の標準データが対象走査棒の標準データを含み、対象走査棒の標準データに対象走査棒の識別情報が対応され、クラウドサーバに走査棒データベースをロードするステップと、クラウドサーバから対象走査棒の標準データをダウンロードするステップと、を含む。
【0081】
また、取得方法はさらに、走査棒データベースを取得した後、走査棒データベースを現用端末の分散型記憶ディスクにロードするステップと、対象走査棒の識別情報に基づいて分散型記憶ディスクから対象走査棒の標準データを読み出すステップと、を含む。
【0082】
本発明の実施例において、コンピュータ23で実行するプログラムを実行できる方法はさらに、デジタル化された口腔内データに基づいて、歯型加工データを決定するステップを含み、ここで、歯型加工データは、歯型のアバットメント形状、クラウン形状、穿孔を有する模型の対象物のうちの1つを含む。
【0083】
上記歯科用スキャナー制御システムは、歯科用スキャナー21で対象物に探査して走査して対象物の走査データを取得し、コンピュータ23を介して歯型を作成するとき、まず口腔走査要求を受信し、そして口腔走査要求に基づいて対象物の走査データを取得し、ここで、走査データが、対象物に取り付けられた対象走査棒の走査データを含み、その後、対象走査棒の走査データを対象走査棒の標準データとマッチングし、走査データ中の対象走査棒の走査データを、マッチングされた対象走査棒の標準データを用いて置換し、対象物のデジタル化された口腔内データを取得する。該実施例において、デジタル化された口腔内データを取得することの過程において、走査棒の走査データを走査棒の標準データに自動的に置換し、直接設計して使用できるデジタル化された口腔ないデータ(標準的な歯科インプラントCADデータとして理解できる)を生成でき、このようにして、3次元データが歯科加工工場または歯科技工所に送信された後、設計者の標準データはデジタル化された口腔内データを直接使用して使用者の口腔内歯型を加工することができ、再加工と繰り返し走査のプロセスを低減させ、それによって関連技術における経験に基づいて手動で走査完了を決定するため、走査データが設計および製造段階でマッチングできないことが発生しやすく、より複雑な再加工プロセスの増加と走査プロセスの繰り返しという技術的問題を少なくとも解決する。
【0084】
本実施例における具体的な実施手段について、デジタル化された口腔内データを取得する方法の実施例を参照することができる。
【0085】
図3は、本発明の実施例によるデジタル化された口腔内データの取得装置の概略図であり、図3に示すとおり、該取得装置は、受信ユニット31と、取得ユニット33と、マッチングユニット35と、置換ユニット37と、を備え、ここで、
受信ユニット31は、口腔走査要求を受信するように設定される、
取得ユニット33は、口腔走査要求に基づいて対象物の走査データを取得するように設定され、ここで、走査データは、対象物に取り付けられた対象走査棒の走査データを含む、
マッチングユニット35は、対象走査棒の走査データを対象走査棒の標準データとマッチングするように設定される、
置換ユニット37は、マッチングされた対象走査棒の標準データを用いて走査データ中の対象走査棒の走査データを置換し、対象物のデジタル化された口腔内データを取得するように設定される。
【0086】
上記デジタル化された口腔内データの取得装置は、デジタル化された口腔内データを取得するプロセスにおいて、まず受信ユニット31によって口腔走査要求を受信し、そして取得ユニット33によって口腔走査要求に基づいて対象物の走査データを取得し、ここで、走査データは、対象物に取り付けられた対象走査棒の走査データを含み、その後、マッチングユニット35によって対象走査棒の走査データを対象走査棒の標準データとマッチングし、置換ユニット37によってマッチングされた対象走査棒の標準データを用いて走査データ中の対象走査棒の走査データを置換し、対象物のデジタル化された口腔内データを取得する。該実施例において、デジタル化された口腔内データを取得することの過程において、走査棒の走査データを走査棒の標準データに自動的に置換し、直接設計して使用できるデジタル化された口腔内データ(標準的な歯科インプラントCADデータとして理解できる)を生成でき、このようにして、3次元データが歯科加工工場または歯科技工所に送信された後、設計者の標準データはデジタル化された口腔内データを直接使用して使用者の口腔内歯型を加工することができ、再加工と繰り返し走査のプロセスを低減させ、それによって関連技術における経験に基づいて手動で走査完了を決定するため、走査データが設計および製造段階でマッチングできないことが発生しやすく、より複雑な再加工プロセスの増加と走査プロセスの繰り返しという技術的問題を少なくとも解決する。
【0087】
好ましくは、取得ユニットは、口腔走査要求に基づくように設定されたインストールモジュールと、スキャナーを制御して対象物に対する多角度走査を行い、対象物の複数のシングルスライス走査データを取得するように設定された第一制御モジュールと、を備え、ここで、シングルスライス走査データの少なくとも一部は対象走査棒の走査データを含み、複数のシングルスライス走査データをスティッチングして対象物の全体走査データを形成し、対象物の走査データは対象走査棒の走査データを含む。
【0088】
本発明の実施例において、マッチングユニットは、対象走査棒の識別情報を取得するように設定された第一取得モジュールと、対象走査棒の識別情報に基づいて対象走査棒の標準データを取得するように設定された第二取得モジュールと、対象走査棒の走査データを対象走査棒の標準データとマッチングするように設定されたマッチングモジュールと、を備える。
【0089】
好ましくは、第二取得モジュールは、走査棒データベースを取得するように設定された取得サブモジュールを備え、ここで、走査棒データベースは、複数のタイプの走査棒の標準データを含み、各タイプの走査棒の標準データは、識別情報が対応され、複数のタイプの走査棒の標準データは、対象走査棒の標準データを含み、対象走査棒の標準データは、対象走査棒の識別情報が対応され、前記第二取得モジュールはさらに、クラウドサーバに走査棒データベースをロードするように設定された第一ロードサブモジュールと、クラウドサーバから対象走査棒の標準データをダウンロードするように設定されたダウンロードサブモジュールと、を備える。
【0090】
好ましくは、取得装置は、走査棒データベースを取得した後、走査棒データベースを現用端末の分散型記憶ディスクにロードするように設定された第二ロードサブモジュールと、対象走査棒の識別情報に基づいて分散型記憶ディスクから対象走査棒の標準データを読み出すように設定された読み取りサブモジュールと、を備える。
【0091】
本発明の実施例において、前記取得装置はさらに、デジタル化された口腔内データに基づいて、歯型加工データを決定するように設定された決定モジュールを備え、ここで、歯型加工データは、少なくとも、歯型のアバットメント形状、クラウン形状、穿孔を有する模型の対象物を含む。
【0092】
上記デジタル化された口腔内データ取得装置は、プロセッサおよびメモリをさらに備え、上記受信ユニット31、取得ユニット33、マッチングユニット35、置換ユニット37などは、プログラムユニットとしてメモリに記憶され、プロセッサは、メモリに記憶された上記プログラムユニットを実行することにより対応機能を実行する。
【0093】
上記プロセッサにはカーネルが搭載され、カーネルによってメモリにアクセスして対応するプログラムユニットを検索する。1つ以上のカーネルを設定することができ、対象物に口腔内歯型を装着させるために、カーネルパラメータを調整することによって、デジタル化された口腔内データに基づいて対象物の口腔歯列モデルを処理する。
【0094】
上記メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)および/またはリードオンリーメモリ(ROM)またはフラッシュメモリ(フラッシュRAM)などの不揮発性メモリの形態で、コンピュータ可読媒体中の非永久メモリを含むことができ、メモリは少なくとも1つのメモリチップを含む。
【0095】
本発明の実施例の別の態様によれば、電子デバイスも提供され、それは、プロセッサと、プロセッサの実行可能命令を記憶するように設定されたメモリと、を備え、ここで、プロセッサは、実行可能命令を実行することによって上記のいずれかに記載のデジタル化された口腔内データを取得する方法を実行するように設定される。
【0096】
本発明の実施例の別の態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体も提供され、コンピュータ可読記憶媒体は、記憶されたコンピュータプログラムを含み、ここで、コンピュータプログラムが実行されているとき、コンピュータ可読記憶媒体が配置されたデバイスを制御して、上記のいずれかに記載のデジタル化された口腔内データの取得方法を実行する。
【0097】
本出願はまた、データ処理装置で実行されると、以下の方法ステップで初期化されたプログラムを実行するように適合されたコンピュータプログラム製品を提供し、それは、口腔走査要求を受信し、口腔走査要求に基づいて対象物の走査データを取得し、ここで、走査データが、対象物に取り付けられた対象走査棒の走査データを含み、対象走査棒の走査データを対象走査棒の標準データとマッチングし、走査データ中の対象走査棒の走査データを、マッチングされた対象走査棒の標準データを用いて置換し、対象物のデジタル化された口腔内データを取得する。
【0098】
上記本発明の実施例における番号は、説明のためのものであり、実施例の長所または短所を表すものではない。
【0099】
本発明の上記実施例において、各実施例はそれぞれ着目して説明され、ある実施例について詳細に説明しない部分は、他の実施例の関連する説明を参照することができる。
【0100】
本出願で提供されるいくつかの実施例において、開示される技術内容は、他の方法で実施できることを理解されたい。ここで、上述した装置の実施例は例示に過ぎず、例えば、ユニットの分割は、論理的な機能分割とすることができ、実際には別の方法で実施することができ、例えば、複数のユニットまたはコンポーネントを組み合わせることができ、または別のシステムに組み込むことができ、または一部の機能を無視するか、または実行しないことができる。別の点では、図示または議論された相互結合または直接結合または通信接続は、いくつかのインタフェース、ユニットまたはモジュールの間接結合または通信接続を介することができ、電気的またはその他の方法で行うこともできる。
【0101】
別個の構成要素として説明された前記ユニットは、物理的に分離されていてもいなくてもよく、ユニットとして表示された構成要素は、物理的なユニットであってもなくてもよく、すなわち、一箇所に配置されてもよく、複数のユニットに配置されてもよい。これらのユニットの一部または全部は、本実施例の解決手段の目的を達成するために実用上の必要性に応じて選択することができる。
【0102】
また、本発明の各実施例における各機能ユニットは、単一の処理ユニットに集積されてもよいし、各ユニットが物理的に別々に存在してもよいし、2つ以上のユニットが単一のユニットに集積されてもよい。上記集積ユニットは、ハードウェアの形態で、またはソフトウェア機能ユニットの形態で実装することができる。
【0103】
前記集積ユニットは、ソフトウェア機能ユニットとして実装され、独立した製品として販売または使用される場合、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づいて、本発明の技術的解決手段の本質または従来技術に寄与する部分、または該技術的解決手段の全体または一部は、ソフトウェア製品の形態で具現化されてもよく、該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバまたはネットワークデバイスなどであってもよい)が、本発明の各実施例で説明した方法のステップのすべてまたは一部を実行できるようにするための複数のコマンドを含む。前記記憶媒体は、USBメモリ、読み取り専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、モバイルハードディスク、磁気ディスク、光ディスクなど、プログラムコードを記憶可能な各種媒体を含む。
【0104】
上記は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、当業者にとっては、本発明の原理から逸脱することなく、多くの改良および装飾が可能であり、これらの改良および装飾も本発明の保護範囲内とみなされることに留意されたい。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本出願の実施例によって提供される解決手段は、デジタル化された口腔内データを取得するために使用することができ、走査プロセス中または走査完了後、走査した走査棒データの置換を自動的に実行し、標準データが走査プロセス中で向上し、走査棒データの完全性と正確性が確保され、本出願の実施例によって提供される技術的解決手段において、該実施例において、デジタル化された口腔内データを取得することの過程において、走査棒の走査データを走査棒の標準データに自動的に置換し、走査棒の走査データが完全であるか部分的であるかに関係なく、走査棒の完全な標準データに置換して、直接設計して使用できるデジタル化された口腔内データを生成でき、このようにして、3次元データが歯科加工工場または歯科技工所に送信された後、設計者の標準データはデジタル化された口腔内データを直接使用して使用者の口腔内歯型を加工することができ、再加工と繰り返し走査のプロセスを低減させ、それによって関連技術における経験に基づいて手動で走査完了を決定するため、走査データが設計および製造段階でマッチングできないことが発生しやすく、より複雑な再加工プロセスの増加と走査プロセスの繰り返しという技術的問題を少なくとも解決する。
図1
図2
図3