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特許7505114保管システムのためのトラックアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】保管システムのためのトラックアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20240617BHJP
   B66C 11/00 20060101ALN20240617BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
B66C11/00
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2023510417
(86)(22)【出願日】2021-08-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-04
(86)【国際出願番号】 EP2021072538
(87)【国際公開番号】W WO2022034190
(87)【国際公開日】2022-02-17
【審査請求日】2023-03-20
(31)【優先権主張番号】2012740.3
(32)【優先日】2020-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2012751.0
(32)【優先日】2020-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2013968.9
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2016081.8
(32)【優先日】2020-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2016097.4
(32)【優先日】2020-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】マリノフスキ、ヤロスワフ
(72)【発明者】
【氏名】カロリンチャク、パウエル
(72)【発明者】
【氏名】ベイツ、マーティン
(72)【発明者】
【氏名】イングラム-テッド、アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ミルウォード、スティーブン
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-519551(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00 - 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のコンテナ10を移動させるように動作可能な積荷取扱デバイス30をガイドするように構成された格子フレームワーク構造14のためのトラックであって、
前記格子フレームワーク構造14は、複数の格子セルを備える格子構造40を形成するように格子パターンでノード50において収束又は交差する複数の格子部材18、20を備え、前記トラックは、前記積荷取扱デバイス30が格子構造14上で移動することができるトラック面を形成するように前記格子構造14に取り付け可能な複数のトラックセクション122を備え、
前記複数のトラックセクション122の各トラックセクション122は、横方向に伸長するトラック面を提供するように、単体として形成され
前記複数のトラックセクションの各トラックセクション122は、
a)第1の方向に伸長する第1のトラックセクション要素124と、
b)前記第1のトラックセクション要素124と交差し、第2の方向に伸長する第2のトラックセクション要素124とを備え、前記第2の方向は、前記第1の方向に対して横方向であり、
隣接するトラックセクション122がそれらのそれぞれのノード50の間又は中間で出会うように、前記複数のトラックセクション122は配置され、
前記複数のトラックセクション122の各トラックセクション122は、プラスチック材料から形成され、
前記複数のトラックセクション122の各トラックセクション122は、前記トラックセクション122を前記格子部材18、20にスナップ嵌めするための手段を備える、トラック。
【請求項2】
前記複数のトラックセクション122は、テーパ状縁部126を含むジョイント128によって互いに接続される、請求項に記載のトラック。
【請求項3】
前記ジョイント128は、少なくとも2つの留め継ぎされた端部を備える、請求項に記載のトラック。
【請求項4】
前記ジョイント128は、対応する形状の溝142内に受け入れ可能な少なくとも1つのさね140を備える、請求項2又は3に記載のトラック。
【請求項5】
前記ジョイント128は、オーバーラップジョイントを含む、請求項2から4のいずれか一項に記載のトラック。
【請求項6】
前記複数のトラックセクションの各トラックセクション122は、前記格子部材の交点又は収束部において前記トラックセクション122を前記格子構造14上にガイドするために、前記第1及び第2のトラックセクション要素124の前記交点において下方に伸長するガイドを備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のトラック。
【請求項7】
前記下方に伸長するガイドのそれぞれは、前記第1及び第2のトラックセクション要素124の間の接合において下方に伸長するスカートを備える、請求項に記載のトラック。
【請求項8】
前記プラスチック材料は、導電性材料を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載のトラック。
【請求項9】
前記複数のトラックセクション122の各トラックセクション122は、回転対称の次数が4である回転対称を水平面内に有する、請求項1からのいずれか一項に記載のトラック。
【請求項10】
請求項1からのいずれか一項に記載のトラックのためのトラックセクション122。
【請求項11】
1つ以上のコンテナ10を移動させるように動作可能な積荷取扱デバイス30を支持するための格子フレームワーク構造14であって、
i)第1の方向に伸長する格子部材18の第1のセット及び第2の方向に伸長する格子部材20の第2のセットと、前記格子部材の第1及び第2のセットは、複数の格子セルを備える格子構造40を形成するように格子パターンでノード50において収束又は交差し、
ii)前記格子構造40に取り付けられた、請求項1からのいずれか一項に記載のトラックとを備える、格子フレームワーク構造14。
【請求項12】
横方向に伸長するトラック面を提供するように、前記複数のトラックセクション122の各トラックセクション122と前記格子構造40内の各ノード50との間に1対1の関係がある、請求項11に記載の格子フレームワーク構造14。
【請求項13】
前記格子構造14は、複数の垂直直立部16によって支持され、前記複数の垂直直立部16は、前記垂直直立部16の間に積み重ねられ、前記垂直直立部16によって垂直方向にガイドされる1つ以上のコンテナ10のための複数の垂直保管ロケーションを形成するように配置される、請求項11又は12に記載の格子フレームワーク構造14。
【請求項14】
前記複数の垂直直立部16は、前記格子構造の前記ノード50において、前記格子部材18の第1のセット及び前記格子部材20の第2のセットによって、それらの上端部で相互接続される、請求項13に記載の格子フレームワーク構造14。
【請求項15】
前記複数の垂直直立部16は、前記格子部材18の第1のセット及び前記格子部材20の第2のセットに接続するための4つの接続部分60を有するキャッププレート58によって相互接続される、請求項14に記載の格子フレームワーク構造14。
【請求項16】
前記格子構造40は、中央部分と、周辺部分と、角部分とを備え、前記トラックは、前記格子構造40の前記中央部分に取り付けられる、請求項11から15のいずれか一項に記載の格子フレームワーク構造14。
【請求項17】
保管システムであって、
i)請求項11から16のうちのいずれか一項に記載の格子フレームワーク構造14と、
ii)前記格子構造40の下方に位置付けられた保管コラム内に配置されたコンテナ10の複数のスタックと、各保管コラムは、格子セルの垂直方向下方に位置付けられ、
iii)前記スタックに積み重ねられたコンテナ10を持ち上げて移動させるための複数の積荷取扱デバイス30とを備え、前記複数の積荷取扱デバイス30は、前記格子セルを通して前記コンテナ10にアクセスするために、前記保管コラムの上方の前記格子構造40上を横方向に移動するように遠隔操作され、前記複数の積荷取扱デバイス30のそれぞれは、
a)前記トラック上で前記積荷取扱デバイス30を移動させるための車輪アセンブリと、
b)前記トラックの上方に位置付けられたコンテナ受け入れ空間41と、
c)単一のコンテナ10をスタックから前記コンテナ受け入れ空間41へと持ち上げるように配置されている持ち上げデバイスとを備える、保管システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビン又はコンテナのスタックが格子フレームワーク構造内に配置される保管又はフルフィルメントシステムの分野に関し、より具体的には、保管又はフルフィルメントシステムに保管された1つ以上のコンテナを移動させるように動作する1つ以上の積荷取扱デバイスをガイドするように構成されたトラック又はトラックアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
内部に保管コンテナ/ビンが互いの上に積み重ねられる3次元保管格子構造を備える保管システムがよく知られている。PCT公開番号WO2015/185628A(Ocado)は、既知の保管及びフルフィルメントシステムを説明しており、ビン又はコンテナのスタックは、格子フレームワーク構造内に配置されている。ビン又はコンテナは、格子フレームワーク構造の最上部に位置付けられているトラック上で動作可能な積荷取扱デバイスによってアクセスされる。このタイプのシステムが、添付の図面の図1から図3に概略的に図示される。
【0003】
図1及び図2に示されるように、ビン10として知られる積み重ね可能なコンテナは、互いの上に積み重ねられてスタック12を形成する。スタック12は、倉庫又は製造環境における格子フレームワーク構造14内に配置される。格子フレームワーク構造は、複数の収納コラム又は格子コラムから構成される。格子フレームワーク構造内の各格子は、コンテナのスタックを保管するための少なくとも1つの格子コラムを有する。図1は、格子フレームワーク構造14の概略的な斜視図であり、図2は、フレームワーク構造14内に配置されているビン10のスタック12を示している上面から見下ろした図である。各ビン10は、典型的に、複数の製品アイテム(図示せず)を保持し、ビン10内の製品アイテムは、同一であってもよく、又は用途に応じて異なる製品タイプのものであってもよい。
【0004】
フレームワーク構造14は、水平の部材18、20を支持する複数の直立部材16を備えている。直立の部材16によって支持されている複数の水平の格子構造15を形成するために、平行な水平の部材18の第1のセットは、格子パターンで平行な水平の部材20の第2のセットに直角に配置されている。部材16、18、20は、典型的に、金属から製造される。格子フレームワーク構造14は、ビン10のスタック12の水平移動に対してガードし、ビン10の垂直の移動をガイドするように、ビン10は、格子フレームワーク構造14の部材16、18、20の間で積み重ねられている。
【0005】
格子フレームワーク構造14の最上レベルは、スタック12の最上部にわたって格子パターンに配置されたレール22を含む格子又は格子構造15を備えている。図3を更に参照すると、レール又はトラック22は、複数のロボット積荷取扱デバイス30をガイドする。平行なレール22の第1のセット22aは、格子フレームワーク構造14の一番上に渡って、第1の方向(例えばX方向)におけるロボット積荷取扱デバイス30の移動をガイドし、平行なレール22の第2のセット22bは、第1のセット22aに対して直角に配置され、第1の方向に対して直角な第2の方向(例えばY方向)において、積荷取扱デバイス30の移動をガイドする。この方法において、レール22は、水平X-Y平面における、2次元での横方向のロボット積荷取扱デバイス30の移動を可能にするので、積荷取扱デバイス30は、スタック12のうちのいずれか上のポジションに移動できる。
【0006】
格子フレームワーク構造の直立コラムは、格子内で交差するレール又はトラックによってそれらの上端で相互接続される。格子構造内のレール又はトラックの交点は、一般に、格子構造の「ノード」と呼ばれる。典型的には、レールの第1及び第2のセットは、個々の細長いレール又はトラックセクションを備え、これらは、トラック又はレールセクションが直立コラムの上端部で出会う相互接続で第1及び第2の方向に互いに相互接続される。レール又はトラックは、典型的には、格子構造上で積荷取扱デバイスをガイドするように輪郭形成された細長い要素を備え、典型的には、単一の積荷取扱デバイスがトラック上を移動できるように単一のトラック面を提供するか、又は2つの積荷取扱デバイスが同じトラック上で互いに通過できるようにダブルトラックを提供するように輪郭形成される。細長い要素が単一のトラックを提供するように輪郭形成される場合、トラックは、トラックの長さに沿って対向するリップ(1つのリップがトラックの一方の側にあり、別のリップがトラックの他方の側にある)を備え、各車輪をトラック上で横方向に移動しないようにガイド又は拘束する。細長い要素の輪郭がダブルトラックである場合、トラックは、トラックの長さに沿って2対のリップを備え、隣接する積荷取扱デバイスの車輪が同じトラック上で両方向に互いに通過することを可能にする。2対のリップを提供するために、トラックは、典型的には、中央リッジ又はリップと、中央リッジの両側のリップとを含む。全ての場合において、格子構造上を横断するとき、積荷取扱デバイスの車輪は、積荷取扱デバイスの車輪の両側又は両面で拘束される。単一のトラック上の複数のリップは、トラックの輪郭、特に格子構造内の隣接するトラック間の接続部の寸法公差に負担をかける。製造公差による隣接するトラックの輪郭間のいかなる不一致も、隣接するトラック間のガイド面の滑らかな移行に影響を与える。この問題は、デュアル又はダブルトラックに対して特に重要である。最悪の場合のシナリオでは、積荷取扱デバイスの車輪は、車輪のいずれかの側のガイドによって過度に拘束されることがあり、トラック上を横断する積荷取扱デバイスの不安定性につながり、場合によっては、積荷取扱デバイスの脱線につながる。
【0007】
WO2018/146304(Autostore Technology AS)は、保管システムにおける車輪付き車両のためのレール配置を教示しており、レール配置は、平行なレールの第1のセットと平行なレールの第2のセットとを備える。平行なレールの第1及び第2のセットは、格子を形成し、第2のセットは、第1のセットに対して垂直に配置され、それらの交差点で第1のセットと交差し、したがって、平行なレールの格子を形成する。交差するレールの交差点は、直立コラムの相互接続に対応する。両方のレールのセットのレールのそれぞれは、車両又は積荷取扱デバイスの車輪をガイドするように適合された2つの平行なトラックを備える。レール又はトラックは、長手方向セグメントの各長手方向縁部に沿って伸びる2つの縁部リッジと、縁部リッジと平行に伸びる中央リッジとを有する多数の長手方向セグメント又はセクションを備える。リッジ間のエリアは、車両の車輪を受け入れてガイドするためのトラックを形成する。中央リッジの幅は、2台の車両が同じセグメント上で異なる方向にトラック上を走行するときに互いにすれ違うことができることを確実にするように適合される。各交差レールの縁部リッジは互いに接触して、角部リッジを形成する。角部リッジは、車両がジョイントで引っ掛かるのを防止するために、緊密に接続されて配置される。車両が交点を円滑に通過できるようにするために、角部リッジは内側が丸められている。
【0008】
車体32を備える、図4及び図5に示される既知の積荷取扱デバイス30は、参照により本明細書に組み込まれるPCT特許公報番号WO2015/019055(Ocado)に記載されており、各積荷取扱デバイス30は、格子フレームワーク構造14の1つの格子空間のみをカバーする。ここで、積荷取扱デバイス30は、デバイスの移動を第1の方向にガイドするためにレール又はトラックの第1のセットと係合するための、車両本体32の前部の一対の車輪と車両32の後部の一対の車輪34とからなる車輪34の第1のセットと、デバイスの移動を第2の方向にガイドするためにレール又はトラックの第2のセットと係合するための、車両32の各側部の一対の車輪36からなる車輪36の第2のセットとを備える車輪アセンブリを備える。車輪のセットのそれぞれは、レールに沿って、車両102のX及びY方向への移動を可能にするように駆動される。車輪の一方又は両方のセットを垂直に移動させて、車輪の各セットをそれぞれのレールから離して持ち上げることができ、それによって車両を格子上で所望の方向に移動させることができる。
【0009】
積荷取扱デバイス30は、保管コンテナを上方から持ち上げるための持ち上げデバイス又はクレーン機構を装備している。クレーン機構は、スプール又はリール(図示せず)に巻かれたウインチテザー又はケーブル38と、グラバーデバイス39とを備える。持ち上げデバイスは、垂直方向に伸長し、持ち上げフレーム39の4つの角部の近傍に又は4つの角部に接続された持ち上げテザー38のセットを備え、持ち上げフレーム39は、保管コンテナ10に解放可能に接続するためのグラバーデバイス(グラバーデバイスの4つの角部のそれぞれの近傍に1つのテザー)としても知られている。グラバープレート39は、図1及び2中に示したタイプの保管システムにおいて、コンテナのスタックからそれを持ち上げるために、保管コンテナ10の頂部を解放可能に把持するように構成されている。
【0010】
車輪34、36は、下部において、コンテナ受け入れ凹部又はコンテナ受け入れ空間41として知られている空洞又は凹部の周辺に配置されている。図5(a及びb)中に示すように、クレーン機構104によってコンテナ10が持ち上げられるとき、凹部は、コンテナ10を収容するようなサイズである。凹部において、コンテナが下のレールから完全に持ち上げられるとき、車両、異なるロケーションへと横方向に移動できる。ターゲットロケーション、例えば、別のスタック、保管システム中のアクセスポイント、又は、コンベヤベルトに達すると、ビン又はコンテナは、コンテナ受け入れ部分から下げられ、グラバープレートから取り外されることができる。
【0011】
しかしながら、車両又は積荷取扱デバイスがレールセグメント又はセクションの交点を横切って円滑に駆動することを確実にするための試みがなされてきたが、トラックの各セグメント又はセクションは直角に切断され、互いに接合される。レール又はトラックは、金属、例えばアルミニウムから押出される。レールセグメント又はセクションの熱膨張のために、隣接するトラックの端部間に間隙が残されることがある。レールセクションの切断は、間隙がトラックと垂直に交差するように行われる。WO2018/146304(Autostore Technology AS)では、レール又はトラックの第1のセットとレール又はトラックの第2のセットとの間に交点を形成するとき、レール又はトラックの第2のセットはすべて、レール又はトラックの第1のセットが配置され得る凹部を備えてもよい。レールの第1のセットは、レールの第2のセットの凹部に受け入れられたときに、エリアがレールの第2のセットの凹部と一致し、したがって、格子の交点エリア/交差点を提供するように、リッジがないエリアを備える。レールの第2のセット凹部は、レールの第1のセットと接合されたときに交点におけるジョイントがレールの長手方向に対して直角になるように、すなわちレール又はトラックの幅を横切って伸長するように、直角の切れ目を有する。その結果、交点におけるジョイントは、レール又はトラック上を移動する対向車両に対して小さな段差を呈する傾向がある。車両が交点でトラックジョイントに近づくとき、車両がレールのセットを渡ると車両の車輪がレール又はトラックの縁部に引っ掛かるか又は衝突する傾向がある。車両が交点を横断する際の車輪の垂直変位は微小であるが、車輪へのこの上下のぶつかる衝撃は、走行車両又は積荷取扱デバイスの騒音及び振動の主な発生源の1つである。最悪の場合には、車輪がレール又はトラックにぶつかることにより、車両の車輪又はタイヤだけでなく、レール又はトラックにも、車輪及びレールの一方又は両方に損傷が生じる程度の摩耗及び亀裂が生じる。ぶつかりは、レール又はトラックの交差するセットの間に間隙があるときに悪化する。この場合、車両がトラックジョイントに接づくとき、車輪は、レールの第1のセットを通過すると、間隙に沈み込む。狭い間隙のために、車輪が沈むと、車輪はトラックの次のセクションの縁部に衝突する。車輪は、間隙を転がった後、トラックの次のセクションの表面まで上昇する。
【0012】
さらに、トラック又はレールを構築するために、複数のレール又はトラックセクションが必要である。トラックを構築するために必要なレール又はトラックセクションの数が多いほど、レール又はトラックのアセンブリがより複雑になる。大多数の場合、複数のレール又はトラックセクションが格子構造の各ノードで互いに接続されるという意味で、格子構造内のトラック又はレールセクションのノード又は交点のそれぞれにおけるレール又はトラックセクション又はセグメントの数の間に2対1の関係がある。例えば、WO2018/146304号(Autostore Technology AS)では、レール又はトラックの第1のセットとレール又はトラックの第2のセットとの間に交点を形成するとき、レール又はトラックの第2のセットは全て、レール又はトラックの第1のセットが配置されてもよい凹部を備える。さらに、複数の矩形又は正方形の格子セルを提供するために、複数の異なるサイズのトラック又はレールセクションが、格子構造内で互いに接続される。例えば、各格子セルに対して、1つの長さの1つの方向に伸長するレール又はトラックセクションと、異なる長さの第2の方向に伸長する別のトラック又はレールセクションとがある。レール又はトラックセクションの異なる長さは、それらが交差する格子構造内のノードで出会う。異なる長さのレール又はトラックセクションを有する必要性は、格子パターンでのトラック又はレールセクションのアセンブリを複雑にする。
【0013】
したがって、トラック又はレールは、2つの交差するレール又はトラックのセットの間の接合を横切って移動するとき積荷取扱デバイスの車輪のぶつかりを軽減するだけでなく、トラックを組み立てるときにより少ない数のレール又はトラックセクションの使用を必要とすることが必要とされる。
【0014】
本出願は、2020年8月14日に出願された英国特許出願GB2012740.3、2020年8月14日に出願されたGB2012751.0、2020年9月4日に出願されたGB2013968.9、2020年10月9日に出願されたGB2016081.8、及び2020年10月9日に出願されたGB2016097.4からの優先権を主張し、これらの内容は、参照によって本明細書中に組み込まれている。
【発明の概要】
【0015】
本出願人は、1つ以上のコンテナを移動させるように動作可能な積荷取扱デバイスをガイドするように構成された格子フレームワーク構造用のトラックを提供することによって上記の問題を軽減しており、前記格子フレームワーク構造は、複数の格子セルを備える格子構造を形成するように格子パターンのノードで収束又は交差する複数の格子部材を備え、前記トラックは、積荷取扱デバイスが格子構造上で移動することができる連続したトラック面を形成するように格子構造に取り付け可能な複数のトラックセクションを備え、複数のトラックセクションの各トラックセクションは、横方向に伸長するトラック面又は経路を提供するように単体として形成される。
【0016】
複数のトラックセクションの各トラックセクションが、横方向に伸長するトラック面又は経路を提供するように単体又は単一の本体として形成されるトラックを有することによって、トラックを構築するために必要なトラックセクションの数は、先行技術の格子構造と比較して低減され、それによって、格子構造上のトラックセクションのレイアウトを単純化する。例えば、格子構造のノードのそれぞれにおいて単一のトラックセクションのみが必要とされるという意味で、複数のトラックセクションのそれぞれと格子構造内の単一のノードとの間に1対1の関係が存在できる。従来技術のトラックシステムでは、従来技術のシステムが第1の方向に伸長する1つのトラックセクションと、各ノードにおいて第2の方向に伸長する別の別個のトラックセクションとを有するという意味で、トラックセクションの数と格子構造内の単一のノードとの間に2対1の関係がある。複数のトラックセクションのそれぞれと格子構造内の各ノードとの間の1対1の関係を達成する一例では、好ましくは、複数のトラックセクションの少なくとも一部の各トラックセクションは、
a)第1の方向に伸長する第1のトラックセクション要素と、
b)トラックセクションが格子部材のノードに取り付けられるように構成されるように、第1のトラックセクション要素と交差し、第2の方向に伸長する第2のトラックセクション要素とを備えている。より好ましくは、複数のトラックセクションのそれぞれは、単体又は単一成形の本体として形成される。言い換えれば、複数のトラックセクションのそれぞれは、第1の方向に伸長する第1のトラックセクション要素と、第1のトラックセクション要素と交差し、第2の方向に伸長する第2のトラックセクション要素とを有する十字形であることがある。第1及び第2のトラックセクション要素は、トラックセクションの横断部分又は分岐と呼ぶこともできる。単一の本体又は単体として形成されることにより、格子部材が交差する格子構造のノードのそれぞれにトラックセクションを取り付けることが可能になり、したがって、トラックセクションは、格子構造の第1の方向及び第2の方向の両方に伸長することができる。これにより、従来技術の解決策に見られるような、第1及び第2の方向に別個に伸長する別個のトラック又はレール要素を有する必要がなくなる。しかしながら、本発明は、トラックセクションの数と格子構造のノードの数との間に1対1の関係を有することに限定されない。例えば、単体として形成された単一のトラックセクションは、格子構造の複数のノードにわたって伸長し、さらに横方向に伸長するトラック面を提供するように構成することができる。
【0017】
本発明の目的のために、「トラック」という用語はまた、第1の方向に伸長する平行なトラックの第1のセットと、第2の方向に伸長する平行なトラックの第2のセットとのアセンブリを包含すると解釈することができる。
【0018】
理想的には、格子構造に取り付けられたトラックの表面は、トラック上を移動する積荷取扱デバイスの車輪への望ましくない上下のぶつかる衝撃を防止するために、連続的で実質的に滑らかである。積荷取扱デバイスの車輪のこの上下のぶつかりを引き起こすのに最も脆弱な格子構造のエリアは、トラックセクションが格子構造のノードで出会う場所であると考えられる。これらは、トラックセクションが交差又は収束し、それらの上端部で垂直直立部に相互接続される格子構造のエリアである。一般に、当技術分野では、格子構造が水平であることを保証し、平坦でない床を補償するために、垂直直立材に取り付けられた格子構造のレベルは、垂直直立材の基部又は下端部に調節可能なレベリング脚を有することによって調整され、調節可能なレベリング脚は、垂直直立材の基部に対して伸長又は後退させることができるねじ付きシャフトを備える。格子構造のレベルを調整することは、部分的には、相互接続された格子部材が垂直直立部の上端部で、すなわち格子構造のノードで交差する場所での、相互接続された格子部材の垂直変位に起因することがある。従来技術の格子構造では、格子部材上に取り付けられた1つ以上のトラックセクションが格子構造のノードで出会うと、ノードでの下にある格子部材のそのような垂直変位が、その上に取り付けられたトラックセクションに移される望ましくない縁部又は段差を作成し、それが次に、トラック上を移動するときに積荷取扱デバイスの車輪によってぶつかりやすい。本出願人は、格子部材の高さ変位のこのバリエーションに最も影響を受けやすい格子構造のエリアをカバーするトラックセクション要素を考案することによって、すなわち格子構造のノードにおいて、積荷取扱デバイスがトラック/格子構造上を移動するときの積荷取扱デバイスの車輪の上下のぶつかる衝撃が軽減されることを認識した。換言すれば、本発明のトラックセクションは、格子部材が互いに交差又は収束するノードで主に発生する、下にある格子部材の不完全性又は縁部をマスクする。隣接するトラックセクションが出会うジョイントは、そのような高さのバリエーションの影響を受けにくい格子構造のエリアに移される。隣接する格子部材の結果としてそのような高さのバリエーションの影響を受けにくい格子構造のエリアは、格子部材の長さに沿っており、より具体的には、格子構造の隣接する又は隣り合うノードの間又は中間にある。
【0019】
好ましくは、複数のトラックセクションは、隣接するトラックセクションがそれぞれの交点の間で出会うように配置される。本発明の目的のために、「出会う」という用語は、隣接するトラックセクション間の当接又は接続又は係合をカバーする。本発明では、隣接するトラックセクションの第1及び第2のトラックセクション要素の遠位端部は、それらのそれぞれの交点の間で出会う。任意選択的に、隣接するトラックセクションの第1及び/又は第2のトラックセクション要素は、それらのそれぞれの交点の間の中間点又は中点で出会う。これは、複数の別個の部品を有する代わりに、単一のサイズを有するトラックセクションのみが、格子部材の実質的な部分をカバーするために必要であり、それによって、トラックセクションの製造可能性を改善し、すなわち、単一のツール設計又は1つのサイズが全てに適合するという利点を有する。格子セルが正方形である場合、好ましくは、複数のトラックセクションの各トラックセクションは、回転対称の次数が4である水平面内の回転対称を有することができる。90°の回転対称の角度を有するので、本発明のトラックセクションは、4回回転させることができ、それでもなおそれ自体と一致することができる。これは、本発明のトラックセクションを複数の異なる向きで格子構造に取り付ける柔軟性を提供し、それによって、トラックを組み立てることの「ジグソー」効果、すなわち1つの向きに限定される効果を除去する。
【0020】
隣接するトラックセクションを格子構造のノード又は交点の間で出会わせる能力はまた、異なるタイプ又は形状のジョイント又は接続端部をトラックセクションに組み込むことを可能にする。積荷取扱デバイスの車輪の上下のぶつかりをさらに軽減するために、好ましくは、複数のトラックセクションは、テーパ状縁部を備えるジョイントによって接続される。
本発明の目的のために、「ジョイント」という用語は、隣接するトラックセクションの隣接端部を意味すると広く解釈される。隣接するトラックセクションの出会う端部は、それらが一緒に留め継ぎされるように切断又は形成される。好ましくは、複数のトラックセクションは、テーパ状縁部を含むジョイントによって接続される。積荷取扱デバイスの車輪がトラックセクション要素の縁部を完全に乗り越える前に、車輪の一部は、隣接するトラックセクションのトラックセクション要素の留め継ぎ縁部に既に接触している。これは、トラック上の積荷取扱デバイスの移動方向に対して直角に切断されたジョイントと比較して、トラックジョイントの緩やかな移行を提供し、車輪のより大きな部分がジョイントの縁部にぶつかるのを防止し、この上下の衝突衝撃をさらに軽減し、積荷取扱デバイスの車輪の騒音及び振動を低減する。
【0021】
隣接するトラックセクションを互いに接続するジョイントの構造的一体性をさらに高めるために、好ましくは、ジョイントは、対応する形状の溝に受け入れ可能な少なくとも1つのさねを備える。好ましくは、ジョイントは、オーバーラップジョイントを含む。格子部材がノードで交差する格子構造のエリア上にトラックセクションが正確に着座するようにトラックセクションのガイドを補助するために、好ましくは、複数のトラックセクションのそれぞれは、格子部材の交点又は収束部で格子構造と係合するようにトラックセクションをガイドするための第1及び第2のトラックセクション要素の交点で下方に伸長するガイドを含む。下方に伸長するガイドは、格子構造のノード上の正しいポジションにトラックセクションを位置付けるのに役立つ。好ましくは、下方に伸長するガイドは、第1及び第2のトラックセクション要素の接合において下方に伸長するスカートを備え、それにより、格子構造上での両方の横方向の移動からトラックセクションをロックする。下方に伸長するガイドのそれぞれは、直立コラムの方向に、すなわち垂直に下方に伸長する2つの垂直プレート(互いに垂直な2つのガイドプレート)を備える。下方に伸長するガイドの2つの垂直プレートのそれぞれは、垂直直立部の角部セクションと協働するように配置されている。下方に伸長するガイドはまた、格子部材の交点における把持デバイス又はコンテナの引っ掛かりを防止する。
【0022】
トラックを格子構造に締め付けるために、複数のトラックセクションのそれぞれは、トラックセクションを格子部材にスナップ嵌めするための手段を備える。例えば、複数のトラックセクションのそれぞれは、格子部材と係合してトラックセクションを格子部材に締め付ける1つ以上のラグを備える。
【0023】
厚さ又は幅などの1つ以上のトラックセクションの寸法公差のいかなるバリエーションも、隣接するトラックセクション間の接続に影響を及ぼし、それが次に、隣接するトラックセクション間のトラックのトラック面の寸法不均衡に影響を及ぼすか又はそれを生じさせるので、複数のトラックセクションのそれぞれは、非常に厳しい寸法公差で製造されることが不可欠である。これにより、隣接するトラックセクション間に1つ以上の段差及び/又は間隙が作成され、隣接するトラックセクション間の接合を通過する際に積荷取扱デバイスの車輪が衝突し、車輪の騒音及び振動につながる。厳密な寸法公差を満たすトラックセクションのそれぞれの重要性は、複数のトラックセクションのそれぞれがトラック上の積荷取扱デバイスの1つ以上の車輪をガイドするための1つ以上の輪郭を備えるので、悪化する。トラック上で動作可能な1つ以上の積荷取扱デバイスを支持するためのトラックの構造的完全性を保証するために、典型的には、トラックセクションのそれぞれは、金属材料、たとえばアルミニウムから構成される。複数のトラックセクションのそれぞれを金属で製造するために、典型的には、複数のトラックセクションのそれぞれが押出される。金属押出は、閉じた空洞内のビレットが所望の断面セクションのダイを通って流れるようにされる金属形成製造プロセスである。しかしながら、金属押出部品の欠点の1つは、隣接するトラックセクション間に連続した途切れのない走行面を提供するためにトラックに必要とされる厳しい寸法公差のレベルを提供しないことである。厳密な公差を達成するために、一般に、押出プロセスの後に機械加工プロセスが続き、機械加工プロセスは、時間がかかるだけでなく、再現可能な部品を常に作成するとは限らないので、誤差が生じやすい。
【0024】
本出願人は、トラックをトラック支持体又は格子部材に取り付け、それによってトラック支持体が格子構造上で動作可能な積荷取扱デバイスの少なくとも一部又は全重量を支えることによって、その上に取り付けられたトラックを、非常に厳密な寸法公差で成形することができる構造的支持の少ない材料から製造することができることを認識した。これは、トラックが十分な耐荷重能力を与える材料、例えば金属から構成される必要がないためである。
本発明の目的のために、格子部材は、トラックセクションがトラック支持体に取り付け可能であるように、トラック支持体として機能する。本発明の態様では、複数のトラックセクションのそれぞれは、プラスチック材料から形成される。トラックセクションを製造するためにプラスチック材料を使用することにより、トラックセクションを、押出のみによって達成することができるより厳しい公差で製造することが可能になる。本発明のトラックセクションを製造するためにプラスチック材料を使用することにより、トラックセクションを射出成形することができる。押出とは異なり、射出成形は、部品が非常に厳しい公差で形成されることを可能にし、完成部品に対して過剰な機械加工を実行する必要性を除去又は軽減する。さらに、射出成形は、1つ以上の輪郭を、正確な又は複雑な細部でトラックに組み込むことを可能にし、これは、脱線の可能性なしにトラック上で積荷取扱デバイスの車輪をガイドするために不可欠である。例えば、輪郭の数に応じて、トラックは、単一トラック又はダブルトラックであることがあり、単一トラックの輪郭は、トラック上の各車輪をガイド又は拘束するために、対向するリップ、すなわち、トラックの両側のリップを備える。ダブルトラックの輪郭の場合、トラックは、トラックに沿って2対の対向するリップを備え、積荷取扱デバイスが両方向に互いに通過することを可能にし、すなわち、中央リッジの両側の2つのトラックを分離する少なくとも中央リッジを有する。本発明のトラックは、単一トラック又はダブルトラックに限定されず、1つ以上のトラック面を提供するように、1つ以上の輪郭を備えることができる。
【0025】
プラスチックトラックを使用することの考えられる欠点の1つは、積荷取扱デバイスのタイヤがトラック上を連続的に走行する際の静電気の蓄積である。静電気は、静電気が電気的に放電する機会があるまで、トラック面上に蓄積するかもしれない。極端な場合、トラック上の静電気の蓄積は、トラックに触れた人を通して放電されたときに危害を引き起こすのに十分な大きさであることがある。トラック上の静電気の蓄積を軽減するために、トラックは、トラック上の電荷の蓄積を接地に安全に伝導するように導電性にされることが好ましい。プラスチックからトラックセクションを射出成形する利点を維持するために、好ましくは、トラックは、導電性材料をプラスチックに組み込むことによって導電性にされる。プラスチック材料を導電性にするために、様々な導電性材料がプラスチック材料に組み込まれることが知られている。これらには、様々な種類の炭素材料、例えばマイクロ又はナノ形態のグラファイトが含まれるが、これらに限定されない。
【0026】
本発明のさらなる態様では、1つ以上のコンテナを移動させるように動作可能な積荷取扱デバイスをガイドするための格子フレームワーク構造が提供され、
i)第1の方向に伸長する格子部材の第1のセット及び第2の方向に伸長する格子部材の第2のセットと、格子部材の第1及び第2のセットは、複数の格子セルを備える格子構造を形成するように、格子パターン内のノードにおいて収束又は交差し、
ii)格子構造に取り付けられた本発明のトラックとを備えている。
【0027】
好ましくは、複数のトラックセクションの各トラックセクションと格子構造の各ノードとの間に1対1の関係があり、それにより、横方向に伸長するトラック面を提供する。より好ましくは、格子構造は、複数の垂直直立材によって支持され、複数の垂直直立材は、垂直直立材の間に積み重ねられ、垂直方向に垂直直立材によってガイドされる1つ以上のコンテナのための複数の垂直保管ロケーションを形成するように配置される。好ましくは、複数の垂直直立部は、格子構造のノードにおいて、格子部材の第1のセット及び格子部材の第2のセットによって、それらの上端部で相互接続される。任意選択で、複数の垂直直立部は、格子部材の第1及び第2のセットに接続するための4つの接続部分を有するキャッププレートによって相互接続される。垂直直立部は、垂直直立部の上端部に締め付けられたキャッププレートを介して、格子部材の第1及び第2のセットによって互いに相互接続される。
【0028】
典型的には、格子構造は、中央セクション、周辺セクション、及び角部セクションを含む直線構造である。格子構造の異なるセクションは、異なる配置で異なる数のトラックセクション要素を有する異なる形状のトラックセクションを必要とする。例えば、格子構造の角部セクションは、直線構造の角部に対応する横方向に伸長する2つのトラックセクション要素を有するトラックセクションを必要とする。同様に、格子構造の周辺セクションに関して、トラックセクションは、細長いトラックセクション要素と、横方向に細長いトラックセクション要素から分岐する1つ以上のトラックセクション要素とを備える。格子構造のより大きな部分を表す中央セクションに関して、複数のトラックセクションの各トラックセクションは、横方向に伸長する第1及び第2のトラックセクション要素を有する略十字形である。格子構造の異なるセクションの全てにおいて、ノードにおけるトラックセクションと格子構造との間の関係は、依然として任意選択的に1対1の関係とすることができ、格子構造の第1及び第2の方向に別個に伸長する別個のトラック又はレール要素を有する必要性を排除する。同様に、格子構造の異なるエリア又はセクションにおけるトラックセクション要素又はトラックセクションの分岐は、横方向に伸長する。
【0029】
本発明は、保管システム又はフルフィルメントシステムをさらに提供し、
保管システム又はフルフィルメントシステムは、
i)本発明の格子フレームワーク構造と、
ii)格子構造の下方に位置付けられた保管コラム内に配置された複数のコンテナのスタックと、各保管コラムは格子セルの垂直方向下方に位置付けられ、
iii)スタックに積み重ねられたコンテナを持ち上げて移動させるための複数の積荷取扱デバイスとを備え、複数の積荷取扱デバイスは、格子セルを通してコンテナにアクセスするために、保管コラムの上方の格子構造上で横方向に移動するように遠隔操作され、複数の積荷取扱デバイスのそれぞれは、
a)トラック上で積荷取扱デバイスをガイドするための車輪アセンブリと、
b)トラックの上方に位置付けられたコンテナ受け入れ空間と、
c)単一のコンテナをスタックからコンテナ受け入れ空間へと持ち上げるように配置されている持ち上げデバイスを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明の更なる特徴及び態様は、図面を参照してなされる実例となる実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
図1図1は、既知のシステムによる、格子フレームワーク構造の概略図である。
図2図2は、図1のフレームワーク構造内に配置されたビンのスタックを示す上から見た概略図である。
図3図3は、格子フレームワーク構造上で動作する既知の積荷取扱デバイスの保管システムの概略図である。
図4図4は、上方からコンテナを把持している持ち上げデバイスを示す積荷取扱デバイスの概略斜視図である。
図5(a)】図5(a)は、(a)荷取扱デバイスのコンテナ受け入れ空間内に収容されたコンテナを示す、図4の積荷取扱デバイスの概略斜視断面図である。
図5(b)】図5(b)は、(b)積荷取扱デバイスのコンテナ受け入れ空間を示す、図4の積荷取扱デバイスの概略斜視断面図である。
図6図6は、キャッププレートによってそれらのノード又は交点で相互接続されたトラック及びトラック支持体(格子部材)の配置を示す斜視図である。
図7図7は、トラック支持体(格子部材)の斜視図である。
図8図8は、垂直直立部をノードにおけるトラック支持体(格子部材)に相互接続するためのキャッププレートの斜視図である。
図9図9は、ノードにおけるキャッププレートによるトラック支持体(格子部材)への垂直直立部の相互接続の斜視断面図である。
図10図10は、図7に示さトラック支持体に取り付けられるように構成されたトラック又はレールの斜視図である。
図11図11は、本発明の実施形態による格子構造のトラック支持体へのトラックセクションの取り付けを示す斜視図である。
図12図12は、本発明の実施形態による格子構造上のトラックを構成する組み立てられたトラックセクションを示す斜視図である。
図13図13は、本発明の実施形態による直線トラックを構成するトラックセクションの配置の図である。
図14図14は、本発明の別の実施形態による直線トラックを構成するトラックセクションのパターンの斜視図である。
図15図15(a及びb)は、本発明の実施形態による隣接トラックセクションを共にリンクするジョイントの拡大図である。
図16図16は、本発明の実施形態よる単一のトラックセクションの斜視図である。
図17図17は、本発明の実施形態による接続部分の縁部におけるさね継ぎの成形された溝を示す、トラックセクションの接続部分の下側の斜視図である。
図18図18は、本発明の実施形態によるトラックセクションの斜視図である。
図19図19は、本発明の実施形態によるトラック支持要素に取り付けられたトラックの断面図である。
図20図20は、本発明の実施形態によるトラックセクションの、ノードにおける格子構造への取り付けを示す斜視図である。
図21図21は、本発明の実施形態による格子構造のノードにおいて収束するトラック支持要素の接続を示す斜視図である。
図22図22は、本発明の別の実施形態によるトラックセクションの、ノードにおける格子構造への取り付けを示す斜視図である。
図23図23は、図22に示された格子構造のノードにおけるトラック支持要素を接合するためのキャッププレートの斜視図である。
図24図24は、公知の格子構造による格子構造のデュアル又はダブルトラックを共有する隣接する積荷取扱デバイスの図である。
図25図25は、本発明の実施形態による格子構造のデュアル又はダブルトラックを共有する隣接する積荷取扱デバイスの図である。
図26図26は、本発明による図25に示した隣接する積荷取扱デバイスの側断面図である。
図27図27は、本発明の別の実施形態による平行なトラック上の隣接する積荷取扱デバイスの側断面図を示す図である。
図28図28は、本発明の別の実施形態による平行なトラック上の隣接する積荷取扱デバイスの断面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明が考案したのは、図1から図5を参照して上述した格子フレームワーク構造及び積荷取扱デバイスなどの保管システムの既知の特徴に対してである。「直立部材」、「垂直直立材」、及び「直立コラム」という用語は、同じものを意味するために本明細書では交換可能に使用される。図6は、格子構造40と、1つ以上の積荷取扱デバイスの移動をガイドするために格子構造40に取り付けられたトラック又はトラックアセンブリ22とを示す。本発明の説明のために、格子構造40は、第1の方向(名目上X方向)に伸長する平行な格子部材18の第1のセットと、第2の方向(名目上Y方向)に伸長する平行な格子部材20の第2のセットとを備え、第1の方向は、格子セルを構成する複数の矩形又は正方形のフレームを形成するように、第2の方向に対して横方向、たとえば実質的に垂直である。より具体的には、格子部材の第1のセットは第1の方向に伸長し、格子部材の第2のセットは第2の方向に伸長し、格子部材の第2のセットは、実質的に水平な平面内で格子部材の第1のセットに対して横方向に延び、すなわち、格子構造は、X方向及びY方向のデカルト座標によって表される。本発明の特定の実施形態では、格子部材のそれぞれは、トラック支持体18、20を備えるか、又はトラック支持体18、20として機能することができ、それによってトラック又はレール22a、22bがトラック支持体18、20に取り付けられる。トラック支持体18、20は、ノードで交差するように、すなわち、トラック支持体18の第1のセットがトラック支持体20の第2のセットとノード50で交差するように、格子構造に配置されている。積荷取扱デバイスは、本発明のトラック又はレール22a、22bに沿って移動するように動作可能である。
【0032】
図6に示されるように、格子部材は、第1の方向又は第2の方向に伸長する格子部材を形成するようにともに接合又はリンクされる、別個の格子セクション又は要素56に細分又は区分される。個々の格子セクション又は要素56は、格子構造40のノード50で互いにリンクされている。格子部材がトラック支持体18、20を備えるか、又はトラック支持体として機能するので、トラック支持体はまた、トラック支持体を形成するためにノードで互いにリンクされる別個のトラック支持セクション又は要素56に細分されることができる。本発明の説明のために、トラック支持体は格子部材に対応する。個別のトラック支持セクション56は、第1の方向及び第2の方向に伸長するトラック支持体を構成する。トラック支持体18、20を構成するために使用される個々のトラック支持セクション又は要素56が、図7に示されている。トラック支持体18、20は、横断面で見て、C字形又はU字形又はI字形の横断面を有する立体の支持体であってよく、又はダブルC字形又はダブルU字形の支持体であってもよい。図7に示す特定の実施形態では、トラック支持セクションは、互いにボルト締めされた背中合わせのC字形セクションを有する。
【0033】
図8に示すような接続プレート又はキャッププレート58を使用して、個々のトラック支持セクション又は要素56を、複数のトラック支持セクションが格子構造40を渡る接合において、第1の方向及び第2の方向の両方で互いにリンク又は接合することができ、すなわち、キャッププレート58を使用して、トラック支持セクション56を垂直直立部16に共に接続する。その結果、垂直直立部16は、複数のトラック支持セクションがキャッププレート58によって格子構造40内で交差する又は渡る接合において、それらの上端部で相互接続され、すなわち、キャッププレートは、格子構造40のノード50に位置付けられる。本発明を説明するために、図6に示すように、格子部材又はトラック支持体が交差する又は渡る点又はエリアを、ノード又は交点50と定義することができる。図1に示される格子セルを構成する既知の格子構造40の少なくとも一部又はセクションのレイアウトから、格子構造40の各交点又はノード50が垂直直立部16によって支持されることが明らかである。
【0034】
また、図6及び図8に示すように、キャッププレート58は十字形であり、トラック支持セクション56の端部又はトラック支持セクション56の長さに沿った任意の場所にそれらの交点50で接続するための4つの接続部分60を有する。キャッププレート58によるノードでのトラック支持セクションの垂直直立部への相互接続は、図9に示されるノード50の断面輪郭で明らかにされる。キャッププレート58は、図9に示すように、複数の垂直直立部16をトラック支持セクション56a、56bに相互接続するために、垂直直立部16の中空中央セクション46(図2参照)内にぴったりと嵌合して着座するようにサイズ決めされたスピゴット又は突出部62を備える。図9には、第1の方向(x方向)及び第2の方向(y方向)に対応する両方の垂直方向に伸長するトラック支持セクション56a、56bも示されている。接続部分60は、互いに垂直であり、第1の方向及び第2の方向に伸長するトラック支持セクション56a、56bに接続する。キャッププレート58は、トラック支持セクション56a、56bの端部に、又はトラック支持セクションの長さに沿ってボルト締めされるように構成される。トラック支持セクション56a、56bは、本発明による格子構造40を形成するために、ノードにおいて互いに連結するように配置される。
これを達成するために、トラック支持セクション56a、56bのそれぞれの遠位端部又は対向する端部は、隣接するトラック支持セクションの対応する係止特徴66に相互接続するための係止特徴64を備える。本発明の特定の実施形態では、1つ以上のトラック支持セクションの対向する端部又は遠位端部は、少なくとも1つのフック又はさね64を備え、このフック又はさね64は、格子構造40内でトラック支持セクションが渡る接合において、隣接するトラック支持セクション56の中間の開口部又はスロット66内に受け入れ可能である。図9と組み合わせて図7を再び参照すると、第1のトラック支持セクション56bの端部のフック64は、トラック支持セクション56a、56bが垂直直立部16によって支持される交点で第1のトラック支持セクション56bに対して垂直に伸びる隣接する第2のトラック支持セクション56aの開口部66内に受け入れられて示されている。ここで、フック64は、トラック支持セクション56bの両側の開口部66まで提供される。本発明の特定の実施形態では、開口部66は、トラック支持セクション56の長さに沿って中間にあり、その結果、互いに組み立てられたとき、第1の方向及び第2の方向において隣り合う平行なトラック支持セクション56は、少なくとも1つの格子セル(図6参照)だけオフセットしている。
【0035】
トラック支持セクションは、格子パターンで互いに連結されて、第1の方向に伸長するトラック支持体18と第2の方向に伸長するトラック支持体20とを含む格子構造を形成する。トラック22a、22bが格子構造に取り付けられている。トラック22a、22bは、トラック支持体18、20上にスナップ嵌めされ、及び/又はスライド嵌め構成で嵌め込まれる(図6参照)。トラック支持体と同様に、トラックは、トラックが第1の方向に伸長するトラック22aの第1のセットと第2の方向に伸長するトラック22bの第2のセットとを備え、第1の方向が第2の方向に対して横方向、例えば垂直であるという意味で、格子構造と同様の格子状パターンに従う。トラック22aの第1のセットは、第1の方向に複数のトラックセクション又はトラック要素68に細分され、それにより、トラックセクション68が第1の方向及び第2の方向に一緒に組み立てられるとき、トラック上で積荷取扱デバイスをガイドするための連続的なトラック面が格子構造上に設けられる。これは、図6に示されている。個々のトラックセクション68の例が、図10に示される。トラック支持セクションと同様に、第1の方向及び第2の方向の複数のトラックセクションが一緒に置かれて、両方向に伸長するトラックを形成する。トラックセクション68のトラック支持体18、20への取付けは、トラック支持体18、20の上部を受け入れるか又はそれにオーバーラップするように成形された逆U字形の断面輪郭を備える。U字形輪郭の各脚部から伸長する1つ以上のラグが、トラック支持体18、20の縁部とスナップ嵌め配置で係合する。本発明において同様に妥当なことは、トラック22a、22bが、別個の構成要素ではなく、トラック支持体18、20に一体化されることができることである。
【0036】
個々のトラックセクション68を互いに接続するとき、隣接するトラックセクション68の遠位端部69は互いに当接する(図6及び図10を参照)。典型的には、トラックセクションの端部69は、トラックセクション(細長いトラックセクション)68の長手方向に対して垂直に切断され、その結果、図6に示すように、トラックセクションが隣接するトラックセクションに当接するとき、隣接する接続トラックセクション間に小さな段差が作成される。隣接するトラックセクションは格子構造のノード50で接続するので、格子構造の1つ以上のノードに、又は隣接するトラックセクションが交差する場所に、望ましくない段差が存在する。積荷取扱デバイスがトラックセクション68の交点のノード50に近づくとき、車輪がトラックセクションの縁部に衝突して積荷取扱デバイスの車輪を上下にぶつけさせる傾向がある。大部分が金属、例えばアルミニウムから構成されるトラックセクションの熱膨張に対応するために、隣接するトラックセクション間に間隙が存在することがある。積荷取扱デバイスの車輪は、第1のトラックセクションの端部を通過すると、間隙内に沈み込む傾向がある。狭い間隙のために、車輪が沈むと、車輪は次の隣接するトラックセクションの縁部に衝突する。車輪は、間隙を転がった後、トラックの次のセクションの表面まで上昇する。車輪の垂直変位は微小であるが、車輪へのこの上下のぶつかる衝撃は、格子構造上を移動する積荷取扱デバイスの騒音及び振動の主な原因である。下にある交差する格子部材又はトラック支持体が図9に示すように垂直方向に変位されるとき、ノードにおける接続トラックセクション間の段差が悪化する。トラックの下の交差するトラック支持体又は格子部材56a、56bの接続部は、垂直直立部16に接続され、いくつかの例では、上述したように、キャッププレート58を使用して接続される。格子レベルの不完全性又は下にあるトラック支持体の変位は、通常、その上に取り付けられたトラックセクションに反映される。格子構造のレベルを調整するために垂直直立部の高さが調整可能であるので、下にあるトラック支持体の垂直変位は悪化する。典型的には、垂直直立部は、格子構造のレベルを調節するために後退又は伸長させることができるねじ付きシャフトを備える調節可能な足部(図示せず)に取り付けられる。格子レベルのこの調整は、相互接続格子部材の垂直変位を増加させることができ、したがって、その上に取り付けられたトラックセクションに反映させることができる。
【0037】
格子構造上に途切れのないトラック面を提供するために、本発明の態様では、トラック122は、複数のトラックセクション122bを備え、複数のトラックセクション122bの各トラックセクション122bは、単一の単体として形成され、隣接するトラックセクションは、格子構造114のノード50間で出会うように、すなわちトラックの交差部間の点123で出会うように配置される(図11参照)。一体成形は、上述した図6に示す従来技術の格子構造に見られるような少なくとも2つのトラックセクションではなく、単一のトラックセクションのみが格子構造の単一のノードを占有するという意味で、各トラックセクション122bと格子構造のノード50のそれぞれとの間に1対1の関係が存在することを可能にする。図11及び図12に示される特定の実施形態では、各トラックセクション122bは、第1の方向及び第2の方向に伸長するトラック面を提供するように、下にあるトラック支持体118、120の方向に伸長する接続部分又は要素124を有し、すなわち、各トラックセクションは、横方向に伸長する接続部分又は要素124を有する十字形である。本発明の説明のために、接続部分又はトラックセクション要素124は、ノード50から横方向に伸長する「分岐」と呼ぶことができる。
【0038】
複数のトラックセクション122bが、下にあるトラック支持体118、120に取り付けられて、1つ以上の積荷取扱デバイスが格子構造114上を移動するために、隣接するトラックセクション間に連続した途切れのないトラック面を提供する。隣接するトラックセクションの接続部分又は要素(分岐)124の遠位端部126は、格子構造114の隣接するノード50間の実質的に中間又は中間点で出会い、すなわち、隣接するトラック交差点間の中間点で出会う又は接合する。これは、格子構造の実質的な部分のためのトラックを組み立てるために必要な異なる形状のトラックセクションの数を低減するという利点を有し、すなわち、トラックセクションがトラック内に特定の場所を有する「ジグソー」効果を除去し、それによって、格子構造上にトラックを組み立てるための時間を低減する。さらに、従来技術のトラックと比較して、本発明のトラックセクションを成形するのに必要なツール設計の数が少なくなるので、トラックセクションを製造するためのツールコストが大幅に削減される。
【0039】
図3を参照すると、格子フレームワーク構造は、交差する水平格子部材(トラック支持体)から形成された格子構造を支持する直立コラムの独立した直線的な集合体、すなわち4壁形状のフレームワークと考えることができる。その結果、トラックの角部及び周囲におけるトラックセクションの接続部分又は要素の数(すなわち、出会う点又は分岐の数)は、図12及び図13に示すように大部分が十字形であるトラックの残りの部分とは異なることになる。説明の目的のために、格子構造の異なるエリアは、角部セクション、周辺セクション及び中央セクションと呼ぶことができる。トラック122が直線形状を有するトラック122の異なるエリアが、図13のトラックセクションのパターンのスケッチ図に示されている。図13に示されるトラックセクションのパターンのスケッチは、縮尺通りではなく、単に例示目的のためである。トラック122の角部セクション122cのトラックセクションは、異なる陰影エリアで示され、角部におけるトラックセクション122cのそれぞれは、2つの接続部分又は要素124、すなわち2つの分岐を有する。トラック122の周辺セクション122dにおけるトラックセクションは、異なる陰影エリアで示されている。図13に示される本発明の特定の実施形態では、トラックの周辺のトラックセクション122dのそれぞれは、3つの接続部分又は要素124を備え、2つは第1の方向に沿って反対方向に伸長し、1つは第2の方向に伸長し、すなわち3つの分岐である。周辺セクションにおけるトラックセクション122dは、3つの接続部分又は分岐124を有することに限定されず、周辺セクションが2つ以上のノード50にわたって伸長するかどうかに応じて、3つより多くの接続部分を備えることができる。ノード50は、個々のトラックセクション要素又は分岐が交差するトラック122のエリアを表す。例えば、周辺セクションは、第1の方向に沿って反対方向に伸長する2つの分岐と、格子構造の中央セクション内の隣接するトラックセクションに接続するか又は出会うための第2の方向に伸長する複数の接続点、すなわち3つより多くの分岐とを含むことができる。
【0040】
図13に示す概略図から明らかなように、トラックの実質的な部分はトラックの中央セクション内にあり、トラックセクション122bのそれぞれは、横方向、すなわち第1の方向(X)及び第2の方向(Y)に分岐又は伸長する接続部分又は出会う点を有する十字形である。図13に示される特定の実施形態における異なる形状のトラックセクション122b、122c、122dの全てにおいて、複数のトラックセクションのそれぞれとトラック及び/又は格子構造のノード50のそれぞれとの間に1対1の関係がある。例えば、トラックセクション122cとトラック/格子構造の角部のノード50との間には1対1の関係がある。同様に、トラックセクション122dのそれぞれとトラック/格子構造の周囲の各ノード50との間には1対1の関係がある。同様の原理が、トラック/格子構造の中央セクション内のトラックセクション122bに適用される。しかしながら、本発明は、単一のトラックセクションがトラック/格子構造内の2つ以上のノードにわたって伸長することができるので、複数のトラックセクションのそれぞれとノードのそれぞれとの間に1対1の関係があることに限定されない。例えば、図14に示される格子フレームワーク構造では、トラックセクション222bのうちの1つ以上の分岐又は接続要素224bは、格子構造214の1つ以上のノードにわたって伸長するようにサイズ決定される。図14に示す特定の実施形態では、トラックセクションの1つ以上の分岐又は接続要素224は、2つのノード50にわたって伸長するようにサイズ決定される。図14に示されるより大きなサイズのトラックセクション222bは、トラック222を構成するために、すなわちトラックを一緒に組み立てるために、より少ない数のトラックセクション222bが必要とされることを意味する。1つ以上の分岐又は接続要素224の接続端部226は、格子構造214のノード間で出会うように伸長し、これは、下にあるトラック支持体又は格子部材18、20が、以下でさらに説明するようにノード50に存在するような垂直変位を受けにくい格子構造のエリアであるためである。図14に示される特定の実施形態では、隣接するトラックセクション222bの接続トラックセクション部分又は要素224の遠位端部226は、格子構造の隣接するノード50間の中間で出会う。横方向に伸長するトラック面又は経路を有する一体成形トラックセクションは、本発明の格子フレームワーク構造を組み立てるのに必要な複雑さ及び構成要素を大幅に低減する。全ての場合において、各トラックセクション122b、122c、122d、222bは、横方向に伸長する格子構造上を積荷取扱デバイスが移動するためのトラック面又は経路を提供するように、横方向に伸長する部分又は要素124、224を有する単一の単体である。
【0041】
隣接するトラックセクションが、トラック及び/又は格子構造の隣接するノード50間の中間又は中間点で出会う能力は、各隣接するトラックセクションが、格子構造上の1つの特定の向きに制限されないので、異なる向きで下にあるトラック支持体に取り付けられることを可能にする。換言換えれば、本発明のトラックセクションの対称性、例えば回転対称性により、トラックセクションは、格子構造上の隣接するトラックセクションに接続する能力に影響を与えることなく、複数の異なる向きで格子構造に取り付けることができる。本発明の文脈において、回転対称性は、回転されたトラックセクションが回転されていないトラックセクションと一致するように、トラックセクションを回転させる能力である。格子セルが正方形(X及びY方向に等しい長さのトラック)である場合、トラックセクションの回転対称性は、回転対称の角度が90°であるようなものであり、これは、トラックセクションを4回回転させることができ、それでもなおそれ自体と一致することを意味し、すなわち4の対称次数である。格子セルが矩形である場合、トラックセクションの回転対称性は2である。
【0042】
図11及び図12に示す本発明の特定の実施形態では、隣接するトラックセクション122bの接続トラックセクション部分又は要素124の遠位端部126は、格子構造の隣接するノード50の間の中間で出会う。これにより、トラック122を格子構造114に組み立てるときに単一のトラックセクションを格子構造114の各ノード50に取り付けることができるので、トラックセクションのそれぞれを格子構造上に組み立てることができる速度が向上する。ノード50間に伸長するエリアは、上述したようなノードにおけるものと比較して、連結するトラック支持体118、120の高さバリエーションのいかなる差にも大きく影響されず、したがって、格子構造上の隣接するトラックセクションを接続するトラック面は、ノード50間に伸長する下にあるトラック支持セクション56のいかなる不規則性によっても大きく影響されない。その結果、ノード間の表面はほぼ平坦であり、中断されていない。しかしながら、隣接するトラックセクション要素124の端部が隣接するトラックセクション122b間のジョイントに段差を生じさせて、接続する隣接するトラックセクション間の接合にわたって移動式積荷取扱デバイスの車輪の垂直変位を引き起こすのを軽減するために、トラックセクションの接続端部126は、図15に示されるように留め継ぎされるか、又はテーパ状にされる。隣接するトラックセクションを接続するジョイント128は、従来の90°の角度のカットを実質的に45°の角度のカット縁部に変更する少なくとも1つのテーパ状縁部126を備える。トラックセクションの2つのトラックセクション部分又は分岐124は、一緒に留め継ぎされるように切断される。したがって、積荷取扱デバイスの車輪が第1のトラックセクション部分124の縁部を完全に乗り越える前に、車輪の一部が第2のトラックセクション部分の留め継ぎされた端部に既に接触している。これは、隣接するトラックセクションの漸進的な移行を提供し、車輪が隣接するトラックセクション部分の接続端部間のいかなる間隙にも沈むことを防止する。
【0043】
図15に示す特定の実施形態では、隣接するトラックセクション部分124のジョイント又は接続端部128は、複数のテーパ状縁部126を備える。縁部126は、第1のトラックセクションのトラックセクション部分又は要素124が、第2の隣接するトラックセクションのトラックセクション部分又は要素124の対応する形状のテーパ状縁部130に対して着座又は当接するように、テーパ状である。図15に示す特定の実施形態では、トラックセクション部分124の縁部126は、対応して成形されたV字形の切り欠き内に受け入れ可能なV字形の縁部を作成するように成形される。隣接するトラックセクション間のジョイント128におけるテーパ状端部126の数は、積荷取扱デバイスの車輪をガイドするためのトラックの数に依存してもよい。図15は、(a)分離構成及び(b)接続構成における隣接するトラックセクションを示す。
【0044】
図15に示す特定の実施形態では、トラックは、積荷取扱デバイスの車輪を受け入れてガイドするためのトラックセクション要素124のそれぞれの長手方向長さに沿って並んで伸長する2つのリッジ又は凹部132と、2つのリッジ又は凹部132に平行に伸長する中央リッジ134とを備えるダブルトラックである。中央リッジ134の両側の凹部132は、積荷取扱デバイスの車輪が係合するための経路を提供する。積荷取扱デバイスの車輪をガイドするための各トラックセクション要素124は、車輪の両側に1つずつ、2つのリップ125を備える。ダブルトラックの場合、2対の車輪をガイドするために、トラックの長手方向の長さに沿って並んで伸長する2対のリップ125がある。これは、2つの積荷取扱デバイスが、同じトラックセクション上で異なる方向にダブルトラック上を走行するときに、X方向及びY方向に互いにすれ違うことができることを確実にするためである。1つ以上の積荷取扱デバイスが、格子構造のノードに対応する、トラックセクションの交差部又は交点で渡る、すなわち交差点で渡ることを可能にするために、トラックの交差部又は交点は、車輪が横方向にガイドされることを可能にするように、図16に示すような小さな島138を備える。これは特に、格子構造の中央セクション122bの周りに主に存在する、トラックが渡る又は交差するエリアの場合である。また、図15及び図16には、トラックの長さに沿って長手方向に伸長する任意選択の中央リッジ又はリブ134が示されており、積荷取扱デバイスの車輪をガイドするためのトラック又は経路132は、中央リッジ又はリブ134の両側に延びている。中央リッジ又はリブ134は、トラックセクション内に一体的に形成されるか、又はエンボス加工され、トラックセクションの下側は、下にあるトラック支持体内の対応する形状のリッジ又はリブ上に着座されるように成形される(図19のトラックの断面図を参照)。中央リッジ又はリブは、トラックセクションをトラック支持体にキー止めしてトラック支持体上でのトラックセクションのそれぞれの側方運動を阻止する支持構造の表面を提供する。
【0045】
本発明のトラックは、ダブルトラックに限定されず、トラックは、1つ以上の凹部又はリッジを含む1つ以上のトラックであることがある。例えば、トラックは、単一の車輪をトラックに沿ってガイドするためのトラックの両側の一対のリップから形成された単一のリッジ又は凹部を備える単一のトラックであることがある。その場合、隣接するトラックセクションを互いに接続するジョイントは、複数のテーパ状端部又は留め継ぎジョイントを有することに限定されず、積荷取扱デバイスの車輪が1つのトラックセクションから隣接するトラックセクションに移行することを可能にするように、各端部に単一のテーパ状縁部を備えることができる。
【0046】
また、図15に示すように、隣接するトラックセクションを互いに接続するジョイント128は、ジョイント128が隣接するトラックセクションの対応する形状の溝142内に受け入れ可能なさね140を備えるという意味で、オーバーラップジョイントを備えてもよい。格子構造上でトラックセクションを互いに組み立てるとき、第1のトラックセクションのさね140は、第2の隣接するトラックセクションの底壁144内の対応する形状の溝142内に受け入れ可能であるように摺動するように配置されて、オーバーラップジョイントを作成する(図15及び図17参照)。図17は、トラックセクションの接続部分又はトラックセクション要素124のうちの1つの下を示し、隣接するトラックセクションのさね140を受け入れるように形成された底壁144の溝142を示す。オーバーラップジョイントは、隣接するトラックセクション間の接合を横切って移動する積荷取扱デバイスの重量を支えるために、ジョイントに構造的安定性を提供する。さね140の厚さ及び/又は形成溝142の深さはまた、隣接するトラックセクション間のトラック面を制御する。隣接するトラックセクション間の熱膨張を可能にするために、隣接するトラックセクション間のジョイント128は、図15bに示すような間隙146を備える。隣接するトラックセクション間の縁部はテーパ状又は留め継ぎ状であるため、隣接するトラックセクション間の間隙146はトラック面に影響を与えない。これは、トラックジョイントが徐々に移行することにより、積荷取扱デバイスの車輪が間隙146内に沈むことが防止されるためである。さね140及び溝142は、トラックセクションを一体成形の型として成形するときにツールに組み込むことができ、すなわちトラックセクションと一体に形成することができる。
【0047】
所定のトラックセクションのトラックセクション要素又は分岐124の長さは、格子セルが正方形であるか長方形であるかに依存する。正方形格子セルの場合、トラックセクション要素の長さX及びY(図16参照)は等しい。しかしながら、矩形の格子セルの場合、一方のトラックセクション要素Xの長さは、他方のトラックセクション要素Yの長さとは異なる。
【0048】
トラックを格子構造に締め付けるために、トラックセクションのそれぞれをトラック支持体にスナップ嵌めすることができる。本発明の特定の実施形態では、図17及び図18に示すトラックセクションの下側は、トラック支持体118、120にスナップ嵌めされるように構成された1つ以上のラグ148を備える。図19に示すトラックセクションの断面図に明確に示されているように、1つ以上のラグは、トラック支持体の縁部を撓ませてスナップ嵌め配置で捕捉するように配置されたビード又は突出縁部150を備えることができる。図18及び図19に示す特定のスナップ嵌め特徴は、当該技術分野において一般に知られているような片持ちスナップ嵌めである。しかし、トラックセクションをトラック支持体に締め付けるための、当技術分野で一般に知られている他の形態のスナップ嵌め接続が、本発明に適用可能である。同様に、スナップ嵌めジョイントの他に、トラックセクションをトラック支持体に締め付ける他の形態、例えば締結具又は接着剤の使用が、本発明において適用可能である。図21のトラックセクションは、Iビームに取り付けられて、特にビームフランジにスナップ嵌めされて示されている。しかしながら、トラック支持体は、必ずしもIビームである必要はなく、本発明のトラックセクションは、図7を参照して上述した背中合わせのCセクションに同様に取り付けることができる。トラックセクションの各分岐又は横断部分又はトラックセクション要素124は、下にあるトラック支持体にスナップ嵌めされるように配置された複数のラグ148を備える。
【0049】
また、図18に示すように、トラックセクションのそれぞれは、下方に伸長するトラックセクションのそれぞれの横断セクション又はトラックセクション要素124の間の交点にガイド部材152を備える。ガイド部材は、図12に示されるように、交差するトラック支持体が格子構造のノードで接続されるエリアにおいて、格子セルを通してグラバーデバイス及び/又はコンテナをガイドするように成形される。ガイド部材がなければ、グラバーデバイス及び/又はコンテナは、図20に明確に示されているように、交差するトラック支持体が互いに接続されているエリアに引っ掛かることになり、図20では、トラックセクションが格子構造から取り外されて示されている。4つのガイド部材152が図18に示されており、これらのガイド部材は、交差するトラック支持体相互間の4つの角部セクションと協働してトラックセクションを格子構造のノードに正しく位置付け、所定の格子セルを通るグラバーデバイス及び/又はコンテナのためのガイド面を提供するよう構成されている。ガイド152のそれぞれは、下方に伸長するスカートの形態であり、直立コラムの方向に、すなわち垂直に下方に伸長し、交差するトラック支持体間の角部セクションと協働するように配置された2つの垂直プレート(互いに垂直な2つのガイドプレート)を備える。下方に伸長するガイドの2つの垂直プレートのそれぞれはまた、格子構造を支持する垂直直立部の角部セクションと協働するように伸長することができる(図20参照)。ガイド部材は、格子構造上に着座すると、トラック支持体上でのトラックセクションの側方運動を阻止すると共にグラバーデバイス及び/又はコンテナのためのガイド面を提供することにも役立つ。
【0050】
図8を参照して上述したように、キャッププレートを使用して、交差するトラック支持体又は格子部材を、本発明のトラックセクションが格子構造のノードに取り付けられるノードで接合することができる。図20及び図21に示す本発明の別の実施形態では、ノードにおけるキャッププレートと収束トラック支持体との間の接続部の異なる配置が示されている。図20及び図21では、キャッププレート158は、ノード50におけるトラック支持面の連続部を提供し、即ち、キャッププレートの表面は、トラック支持面と同一平面である。格子構造内のキャッププレート158のロケーションに応じて、キャッププレート158は、ノード50においてトラック支持体の端部162に着座して固定されるように構成された接続部分160を備える。図20に示される特定の実施形態では、キャッププレート158、より具体的にはキャッププレートの接続部分160は、1つ以上のボルトによって、ノードで収束する端部トラック支持体162に固定される。加えて、トラックセクションは、任意選択で、ボルトによってキャッププレート158に締め付けることができる。図20及び図21に示す特定の実施形態では、キャップヘッドねじ(図示せず)は、トラックセクション部分の交点又はトラックセクションの横断セクション(図15参照)で島138に挿入することができ、下のキャッププレート158とねじ係合することができる。
【0051】
図18から図21に示す実施形態は、トラックセクションに一体的に形成されたガイド部材を示しているが、本発明の別の実施形態では、ガイド部材は、代替的に、図22及び図23に示すようにキャッププレート258に移動させることができ、トラックセクション322bはキャッププレート258に締め付けられる。図22及び図23に示す特定の実施形態では、ガイド部材は、トラックセクションと一体的に形成されるのではなく、キャッププレートと一体的に形成される。
【0052】
本発明の実施形態の全てにおいて、トラックは、トラック支持体又は格子部材に取り付けられている。この構成の結果として、トラック支持体は、トラック上で動作する1つ以上の積荷取扱デバイスの重量のより大きな割合又は全重量を支えることができる。したがって、トラックは、従来の実践で使用される金属と比較して、より少ない耐荷重材料から作成されることができる。これは、現在の押出プロセスとは異なる形成方法を使用してトラックセクションを成形することができるという利点を有し、これは、トラックの大部分が金属、例えばアルミニウムから製造される好ましい形成プロセスである。押出は、金属ワークピースを成形ダイに押し通してその断面を減少させ、それを所望の形状に変換することからなる。しかしながら、押出の寸法公差は、射出成形及び3D印刷などの積層造形などの他の形成プロセスと比較して劣っている。トラックセクションは、個々のトラックセクションが格子構造上に一緒に組み立てられるときに連続した途切れのないトラック面を提供するように、厳しい寸法公差で製造されるので、押出されたトラックセクションに続いて機械加工プロセスが行われる。さらに、押出は、その後の機械加工プロセスなしでは、トラックの輪郭に様々な切り欠き及び島を作成することができない。
【0053】
本発明の特定の実施形態では、トラックは、完全に金属から形成されるのではなく、プラスチック材料を含む。本発明のトラックセクションを形成するために使用されることができるプラスチックの例としては、ポリプロピレン、ナイロンなどの種々の熱可塑性ポリマーを含むが、これらに限定されない。その結果、成形部品に良好な寸法公差を提供する良好な形成プロセスを使用することができる。本発明で使用される改善された寸法公差を有する部品を作成することができる形成プロセスの一例は、射出成形であるが、3D印刷などの積層造形及び鋳造を含むがこれらに限定されない他の形成プロセスが本発明に適用可能である。本発明の特定の実施形態では、トラックセクションは射出成形される。射出成形は、厳しい寸法公差で様々な複雑な輪郭を有する部品を作成することができ、完成部品に対して大規模な機械加工プロセスを実行する必要がなくなる。本発明のトラックセクションを成形するために、より少ない数のツールを使用する必要がある。これらは、格子構造の角部、周辺及び中央セクションのためのツールを含む。また、プラスチック材料を使用することにより、過度の力を使用する必要なく、トラックセクションをトラック支持体に容易にスナップ嵌めすることができ、場合によっては、トラックセクションを手でトラック支持体にスナップ嵌めすることができる。プラスチック材料は金属に比べて撓むことができるので、本発明のトラックセクションのトラック支持体への取付けを、ツールなしで、又はツールの使用を制限して、自動化することができる。したがって、格子構造へのトラックの取り付け全体を自動化することができる。
【0054】
プラスチック材料の使用は、厳しい寸法公差に対するその成形性に関する利点を提供するが、プラスチック材料の使用の欠点の1つは、積荷取扱デバイスの車輪、特に車輪のタイヤの係合の結果としてトラックの表面に蓄積された静電気を地面に伝導することができないことである。この欠点を克服するために、本発明の特定の実施形態では、プラスチック材料は、導電性材料の組み込み又は混合によって導電性にされる。例えば、導電性充填剤は、プラスチック材料を導電性にするために、成形の前に、プラスチック材料と混合することができる。公知の導電性充填剤の例としては、炭素(例えば、グラファイト)及び金属充填剤(例えば、銅、銀、鉄など)が挙げられるが、これらに限定されない。導電性充填剤は、粒子形態又は繊維であることがある。例えば、20重量%から50重量%の範囲の導電性充填剤をプラスチック材料に添加して、プラスチック材料を導電性にすることができる。あるいは、導体をプラスチック材料内に挿入成形して、トラック内に連続した導電性経路を設けることができる。しかしながら、トラックを構成するトラックセクションのそれぞれが金属からなる場合、必要な寸法公差を提供する当該技術分野において既知の他の形成プロセス、例えば鋳造、例えば第キャスト鋳造法が本発明において適用可能である。
【0055】
ダブル又はデュアルトラック
図24に示されるトラックアセンブリ422において、デュアル又はダブルトラックは、2つの隣接する積荷取扱デバイスが同じトラック上で互いに通過することを可能にする。本発明の目的のために、「トラック」又は「トラックアセンブリ」という用語は、第1の方向に伸長する平行なトラックの第1のセット423、及び第2の方向に伸長する平行なトラックの第2のセット424も包含すると解釈することができ、第2の方向は第1の方向に対して横方向である。上述したように、トラック又はトラックアセンブリは、複数の相互接続されたトラックセクションに分割される。ここで、トラックセクション422bは、平行なトラック423、424が共通トラック428を共有するように、格子パターンで配置される。したがって、隣接する積荷取扱デバイス30a、30bからの車輪のセット450は、共通トラック428を共有する。2つの積荷取扱デバイス30a、30bが同じトラック上で互いに通過することを可能にするために、典型的には、デュアルトラックは、図24に明確に示されるように、中央リッジ又はリブ434によって分離された2つの経路を備える。デュアル又はダブルトラックは、図16に示すトラックセクションにも見ることができる。中央リッジ434の両側のリップ125と共に、トラックのトラック面から伸長する2対のガイド面が作成される。その結果、隣接する積荷取扱デバイスの車輪の各セット450は、トラックの両側の一対のリップ125、434によってガイドされる。換言換えると、トラックの一対のリップの各リップは、車輪の両側又は両面(車輪の内面及び外面)をガイドするためにトラック面から伸長するガイド面、すなわち、各トラック上の2対のガイド面を規定し、各車輪に対して1対である。
【0056】
図24は、ダブル又はデュアルトラック上を走行する2つの積荷取扱デバイス(第1の積荷取扱デバイス30a及び第2の積荷取扱デバイス30b)を並べて示す。図24から分かるように、第1及び第2の積荷取扱デバイスのそれぞれは、車輪アセンブリを備える。図24に示し、本明細書の導入部分で説明した特定の実施形態では、第1及び第2の積荷取扱デバイスのそれぞれの車輪アセンブリは、車輪の第1及び第2のセットを備える。車輪の第1のセットは、車体の前部及び後部に1対の車輪を備え、車輪の第2のセットは、車体の各側部に1対の車輪を備える。第1及び第2の積荷取扱デバイスのそれぞれの車輪の第1のセットは、トラックの平行なセット423、424と係合可能であるように配置される。図24に示す特定の実施形態では、車体の各側の車輪の第2のセットは、トラック上の積荷取扱デバイスの移動方向に応じて、平行なトラックの前述のセット423、424を横断する平行なトラックと係合可能であるように配置される。例えば、トラック上を第1の方向に移動するために、車輪の第1のセットは、第1の方向に伸長するトラックの平行セットと係合し、第1の方向に対して横断する第2の方向に移動するために、車輪の第2のセットは、第2の方向に伸長する平行なトラックのセットと係合する。以下の本発明の説明を容易にするために、トラックアセンブリは、平行なトラックの第1のセット423及び平行なトラックの第2のセット424を備え、平行なトラックの第1及び第2のセットは、共通トラック428を共有する。同様に、平行なトラックの第1のセット423は、共通トラック428の一方の側に第1のトラック426を備え、平行なトラックの第2のセット424は、共通トラック428の他方の側に第2のトラック427を備える。トラックが格子パターンに配置されているので、第1の方向に伸長する平行なトラックの第1及び第2のセットは、第1のトラックアセンブリを規定する。一方、第2の方向に伸長する平行なトラックの第1及び第2のセットは、第2のトラックアセンブリを規定し、第2の方向は、第1の方向に対して横方向である。したがって、隣接する積荷取扱デバイスの車輪の第1のセットは、第1の方向に伸長する第1のトラックアセンブリを形成する平行なトラックの第1のセット423及び第2のセット424と係合可能である。同様に、隣接する積荷取扱デバイスの車輪の第2のセットは、第2の方向に伸長する第2のトラックアセンブリを形成する横方向の平行なトラックの第1及び第2のセットと係合可能である。第1及び第2のトラックアセンブリのそれぞれにおいて、平行なトラックの第1及び第2のセットは、共通トラックを共有する。図24は、隣接する積荷取扱デバイスの車輪の第1のセットが、第1のトラックアセンブリの平行なトラックの第1のセット423及び第2のセット424と係合する例を示す。
【0057】
デュアル又はダブルトラックの機能は、同じトラック上で互いに通過することができるように、共通トラック428を共有する隣接する積荷取扱デバイスからの車輪のセット450を示す図24において明確に明らかである。トラック面から伸長するガイド面は、(第1又は第2のトラックアセンブリのいずれかにおける)平行なトラックの第1のセット423及び第2のセット424が3つの平行なトラック426、427、428によって提供され、平行なトラックの第1のセット423及び第2のセット424が共通トラック428を共有するようなものである。
【0058】
例示の目的で、図24及び図25の左側の積荷取扱デバイス30aは、ボット1とラベル付けされ、右側の積荷取扱デバイス30bは、ボット2とラベル付けされる。デュアル又はダブルトラックは、各トラックがトラック面から伸長する2対のガイド面を備え、各車輪が車輪の両側又は両面でガイドされるようなものである。デュアル又はダブルトラックは、ボット1が第1の経路429に沿ってトラック上を移動することができ、ボット2が第2の経路430に沿ってトラックに沿って移動することができるように構成されている。ボット1とボット2との間で共有される共通トラックに関して、第1の経路は第2の経路に隣接している。ガイド面又はリップの対は、ボット1が第2の経路430内を決して横断せず、ボット2が第1の経路429内を決して横断しないようなものである。言い換えると、ボット1及びボット2は、共通トラック428に沿って横断するとき、決して経路を渡らない。第1及び第2の経路429、430は、中央リッジ又はリップ434によって分離される。図24には、トラックが、互いに組み立てられた別個のトラックセクションから構成されていることも示されている。別個のトラックセクションは、横断セクションを含む図16を参照して説明されたトラックセクション、又は代替的に、単一の細長い要素を示す図10を参照して説明されたトラックセクションに基づくことができる。
【0059】
図24では、積荷取扱デバイスは、積荷取扱デバイスの車輪の両側又は両面を拘束することによって、それぞれのトラック内に留まるように拘束されている。しかしながら、車輪の両側を拘束することに伴う問題は、車輪が一対のリップ又はガイド面125の間を自由に進行する必要があるため、一対のリップ間の幅が、車輪を過剰に拘束することを防止するために十分であるべきであることである。2対のリップによって提供される4つのガイド面を有することは、積荷取扱デバイスの車輪を過度に拘束する傾向がある。さらに、トラックの両側のリップ又はガイド面と、中央のリップ又はリッジとを備えるデュアルトラックの断面輪郭は、デュアルトラックの断面輪郭を収容するために、トラック、特にトラックセクションの製造可能性を複雑にする。例えば、複数のトラックセクションの一対のリップ間の幅の再現性を確保するために、追加の機械加工作業が必要とされるかもしれない。押出プロセスの場合、この機械加工プロセスがより必要になる。さらに、中央リッジ又はリップ434は、1つ以上の隣接する積荷取扱デバイスが脱線する脆弱性を高める。これは特に、隣接するトラックセクション間に不一致がある場合、又はトラックセクションの寸法公差が1つのトラックセクションと別のトラックセクションとの間で異なり、トラックセクションの設置の結果として隣接するトラックセクション間の幅のわずかな変化又は対のガイド面又はリップ間の幅のわずかなずれを引き起こす場合である。
【0060】
本発明では、トラック面から伸長する1つのガイド面のみが、トラック上の所定の経路に沿って積荷取扱デバイスをガイドするために必要であり、すなわち、ガイド面は、車輪の両側又は両面ではなく、車輪の一方の側又は面のみを拘束する必要がある。したがって、デュアルトラック又はダブルトラックについて、各トラック又はトラックセクションは、デュアルトラック又はトラックセクション上のそれぞれの経路に沿って隣接する積荷取扱デバイスをガイドするように、隣接する積荷取扱デバイスごとに1つずつ、トラック面から伸長する2つのガイド面のみを備えることができる。上記の用語を使用すると、2つのガイド面は、共通トラックの第1の経路及び第2の経路に沿って隣接する積荷取扱デバイスをガイドする。ガイド面は平行なトラック523、524のトラック面から伸長するので、トラックに沿ったそのそれぞれの経路に沿った所定の積荷取扱デバイスの横方向の移動を防止するために、単一のガイド面が各トラック上に必要とされるだけである。したがって、デュアル又はダブルトラックに対して、2つのガイド面のみが必要とされる。上記の用語を使用すると、共通トラック528の一方の側で第1のトラック526から伸長するガイド面は、第1の積荷取扱デバイス(ボット1)30aの横方向の移動を防止し、共通トラック528の他方の側で第2のトラック527から伸長するガイド面は、第2の積荷取扱デバイス(ボット2)30bの横方向の移動を防止する。換言換えれば、共通トラック528の両側に横方向に配置されたトラック526、527のガイド面225は、共通トラック528を共有する隣接する積荷取扱デバイス30a、30bが互いの経路に交差すること、すなわち、第1の積荷取扱デバイス30aが第2の積荷取扱デバイスによって占有される共通トラック528の第2の経路に入り、第2の積荷取扱デバイス30bが第1の積荷取扱デバイス30aによって占有される第1の経路に入ることを防止する。トラック面から伸長する2つのガイド面のみを備えるトラックを提供するための異なる方法が存在し、これらは、以下に詳細に説明されるであろう。
【0061】
図25に示す本発明の態様では、各トラック526、527、528が、図24に示す例のような4つのガイド面ではなく、トラック面529から伸長する2つのガイド面225のみを備えるように、中央リッジ又はリップが除去されている。図25に示される特定の実施形態では、トラック面529は、トラックに沿って連続的に伸長するだけでなく、トラック526、527、528の両側のリップによって提供されるガイド面225の間にも伸長する。したがって、各トラック又はトラックセクションは、2つのガイド面のみを備える。本発明のトラック上の隣接する積荷取扱デバイスの配置は、図25の線X-Xに沿った断面図に明確に示されている。上述の用語を使用すると、第1の積荷取扱デバイス30a(ボット1)は、各トラック上の単一のガイド面によって、平行なトラックの第1のセット523上でガイドされる。同様に、第1の積荷取扱デバイス30a(ボット1)に隣接する第2の積荷取扱デバイス30b(ボット2)は、各トラック上の単一のガイド面によって平行なトラックの第2のセット524上でガイドされる。平行なトラックの第1及び第2のセット523、524は、ボット1及びボット2の車輪450が共通トラック528上で共有されるように、共通トラック528を共有する。上記の用語を使用すると、ボット1及びボット2の車輪の第1のセット又は第2のセットのいずれかが、トラック上のボット1及びボット2の方向に応じて、トラックの平行なセットと係合する。例えば、図25及び図26では、ボット1及びボット2の両方からの車輪の第1のセットのそれぞれの一対の車輪450が共通トラック528を共有するように、すなわち、車輪の第1のセットが第1のトラックアセンブリと係合するように、ボット1及びボット2の車輪の第1のセットは、平行なトラックの第1のセット523及び平行なトラックの第2のセット524とそれぞれ係合する。横方向において、ボット1及びボット2の車輪の第2のセットは、第1のトラックアセンブリを横断する第2のトラックアセンブリの平行なトラックの第1及び第2のセットと係合する。
【0062】
2つの積荷取扱デバイスが同じトラックを共有するので、各トラック526、527、528は、トラック面529から伸長する一対のリップによって提供される2つのガイド面525のみを備える。ボット1及びボット2は、トラック上のそれぞれの経路に沿って移動するように動作可能である。図24に関して上記の用語を使用すると、ボット1は、共通トラック528に沿った第1の経路530に沿って移動し、ボット2は、共通トラック528に沿った第2の経路532に沿って移動する。図26に示す断面図から分かるように、隣接する積荷取扱デバイス(ボット1及びボット2)の車輪450は、車輪450の一方の側又は面でのみ拘束されている。第1のトラック526及び第2のトラック527と呼ばれる、共通トラックの両側の外側トラック526、527のガイド面は、ボット1及びボット2が衝突しないように、それらのそれぞれの経路を横切るボット1及びボット2の横方向の移動を防止する。別の言い方をすれば、外側トラックは、ボット1及びボット2の車輪が共通トラック528上の経路を渡ることを抑制する。
【0063】
図26に示すトラックの断面輪郭から分かるように、トラックの輪郭は、中央リッジ又はリップを除去することによって単純化されている。したがって、トラックの製造可能性は、積荷取扱デバイスがトラックに沿って移動するときに積荷取扱デバイスの横方向の移動を防止するトラックの機能に影響を及ぼすことなく単純化されている。第2に、より重要なことには、積荷取扱デバイスの車輪が従来技術のように車輪の両側又は両面で拘束されていないため、積荷取扱デバイスが脱線する可能性が大幅に低減されている。
【0064】
各トラック上に2つのガイド面のみを有することはまた、図27の本発明の別の実施形態に示されるトラックの断面に示されるように、トラック面から中心に伸長する2つのガイド面のみによって提供されることができる。ここでは、トラック面の中心から伸長する2つのリップ625が離間して示されており、2つのリップのそれぞれが単一のガイド面を提供する。全ての場合において、中央リップによって提供されるガイド面は、積荷取扱デバイスの車輪の一方の側又は面のみにガイド面を拘束又は提供する。したがって、積荷取扱デバイスは、それぞれの経路に沿って、すなわち共通トラック628の第1及び第2の経路に沿って移動するようにガイド又は拘束される。したがって、中央ガイド面625は、第1及び第2の積荷取扱デバイスがそれぞれの経路から離れて横方向に移動するのを防止する。共通トラック628に沿った隣接する積荷取扱デバイスのそれぞれの第1及び第2の経路が図27に示されている。リップ625をトラック面の中央からトラック面に沿って伸長させることによって、リップの外面は、トラックに沿って積荷取扱デバイスをガイドするためのガイド面を提供する。リップの外面は、定義によれば、露出した又はトラックの縁部又は外縁部に向いたリップの表面である。これは、積荷取扱デバイスの車輪450の一方の側又は面のみを拘束するリップの外面を示す図27から明らかである。この場合も、トラック上を移動する積荷取扱デバイスの車輪は、図24に示す例のように車輪の両側又は両面を拘束する必要なく、それぞれの経路内に拘束される。
【0065】
図27に示される2つの別個のリップ625ではなく、図28に示されるように、トラックのトラック面から中央に伸長する単一のリップ又はリッジによって、2つのガイド面のみが設けられてもよい。ここで、トラック面から中央に伸長する単一のリップ725の外側表面は、トラックに沿って隣接する積荷取扱デバイスをガイドするための2つのみのガイド面を提供し、それぞれの経路から離れる積荷取扱デバイスの横方向移動を防止する。
【0066】
図25から図28を参照して上述した本発明の異なる実施形態の全てにおいて、積荷取扱デバイスの車輪は、従来技術のように車輪の両側又は両面ではなく、車輪の片側又は片面のみ拘束される。したがって、本発明のデュアル又はダブルトラックは、従来技術のトラックのように対のリップ又はガイド面の幅に限定されず、したがって、ガイド面又は車輪の幅の寸法公差のわずかな変化に対してより寛容である。
【0067】
上述した他の実施形態と同様に、図24から図28を参照して説明したトラックは、トラックを構成するよう互いに組み立てられた複数の相互接続されたトラックセクションを備えることができる。さらに、個々のトラックセクションは、上述したように金属又はプラスチック材料を含むことができる。同様に、トラックセクションは、押出、射出成形、又は当技術分野で知られている任意の他の形成プロセス、たとえば鋳造することができる。
【0068】
本発明の目的のために、「車輪」という用語は、タイヤあり又はなしで車輪を広くカバーするように解釈される。ガイド面が車輪の一方の側又は面を拘束するものとして説明される場合、これはまた、車輪のタイヤの一方の側又は面を拘束又はガイドすることをカバーすることが意図される。
【0069】
上述した異なる実施形態の全てにおいて、多くの異なるバリエーション及び修正が可能であることが理解されるであろう。例えば、図25から図28を参照して説明した並置又は当接された隣接するトラックセクションの接続端部は、隣接するトラックセクション間のジョイントの緩やかな移行を可能にし、したがってトラック上を横断する積荷取扱デバイスの車輪のぶつかりを軽減するように、テーパ状又は留め継ぎ状にすることができる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 1つ以上のコンテナ10を移動させるように動作可能な積荷取扱デバイス30をガイドするように構成された格子フレームワーク構造14のためのトラックであって、
前記格子フレームワーク構造14は、複数の格子セルを備える格子構造40を形成するように格子パターンでノード50において収束又は交差する複数の格子部材18、20を備え、前記トラックは、前記積荷取扱デバイス30が格子構造14上で移動することができるトラック面を形成するように前記格子構造14に取り付け可能な複数のトラックセクション122を備え、
前記複数のトラックセクション122の各トラックセクション122は、横方向に伸長するトラック面を提供するように、単体として形成される、トラック。
[2] 前記複数のトラックセクションの各トラックセクション122は、
a)第1の方向に伸長する第1のトラックセクション要素124と、
b)前記第1のトラックセクション要素124と交差し、第2の方向に伸長する第2のトラックセクション要素124とを備え、前記第2の方向は、前記第1の方向に対して横方向である、[1]に記載のトラック。
[3] 隣接するトラックセクション122がそれらのそれぞれのノード50の間又は中間で出会うように、前記複数のトラックセクション122は配置される、[2]に記載のトラック。
[4] 前記複数のトラックセクション122は、テーパ状縁部126を含むジョイント128によって互いに接続される、[3]に記載のトラック。
[5] 前記ジョイント128は、少なくとも2つの留め継ぎされた端部を備える、[4]に記載のトラック。
[6] 前記ジョイント128は、対応する形状の溝142内に受け入れ可能な少なくとも1つのさね140を備える、[4]又は[5]に記載のトラック。
[7] 前記ジョイント128は、オーバーラップジョイントを含む、[4]から[6]のいずれか一項に記載のトラック。
[8] 前記複数のトラックセクションの各トラックセクション122は、前記格子部材の交点又は収束部において前記トラックセクション122を前記格子構造14上にガイドするために、前記第1及び第2のトラックセクション要素124の前記交点において下方に伸長するガイドを備える、[2]から[7]のいずれか一項に記載のトラック。
[9] 前記下方に伸長するガイドのそれぞれは、前記第1及び第2のトラックセクション要素124の間の接合において下方に伸長するスカートを備える、[8]に記載のトラック。
[10] 前記複数のトラックセクション122の各トラックセクション122は、プラスチック材料から形成される、[1]から[9]のいずれか一項に記載のトラック。
[11] 前記プラスチック材料は、導電性材料を備える、[10]に記載のトラック。
[12] 前記複数のトラックセクション122の各トラックセクション122は、前記トラックセクション122を前記格子部材18、20にスナップ嵌めするための手段を備える、[1]から[11]のいずれか一項に記載のトラック。
[13] 前記複数のトラックセクション122の各トラックセクション122は、回転対称の次数が4である回転対称を水平面内に有する、[1]から[12]のいずれか一項に記載のトラック。
[14] [1]から[13]のいずれか一項に記載のトラックのためのトラックセクション122。
[15] 1つ以上のコンテナ10を移動させるように動作可能な積荷取扱デバイス30を支持するための格子フレームワーク構造14であって、
i)第1の方向に伸長する格子部材18の第1のセット及び第2の方向に伸長する格子部材20の第2のセットと、前記格子部材の第1及び第2のセットは、複数の格子セルを備える格子構造40を形成するように格子パターンでノード50において収束又は交差し、
ii)前記格子構造40に取り付けられた、[1]から[13]のいずれか一項に記載のトラックとを備える、格子フレームワーク構造14。
[16] 横方向に伸長するトラック面を提供するように、前記複数のトラックセクション122の各トラックセクション122と前記格子構造40内の各ノード50との間に1対1の関係がある、[15]に記載の格子フレームワーク構造14。
[17] 前記格子構造14は、複数の垂直直立部16によって支持され、前記複数の垂直直立部16は、前記垂直直立部16の間に積み重ねられ、前記垂直直立部16によって垂直方向にガイドされる1つ以上のコンテナ10のための複数の垂直保管ロケーションを形成するように配置される、[15]又は[16]に記載の格子フレームワーク構造14。
[18] 前記複数の垂直直立部16は、前記格子構造の前記ノード50において、前記格子部材18の第1のセット及び前記格子部材20の第2のセットによって、それらの上端部で相互接続される、[17]に記載の格子フレームワーク構造14。
[19] 前記複数の垂直直立部16は、前記格子部材18の第1のセット及び前記格子部材20の第2のセットに接続するための4つの接続部分60を有するキャッププレート58によって相互接続される、[18]に記載の格子フレームワーク構造14。
[20] 前記格子構造40は、中央部分と、周辺部分と、角部分とを備え、前記トラックは、前記格子構造40の前記中央部分に取り付けられる、[15]から[19]のいずれか一項に記載の格子フレームワーク構造14。
[21] 保管システムであって、
i)[15]から[20]のうちのいずれか一項に記載の格子フレームワーク構造14と、
ii)前記格子構造40の下方に位置付けられた保管コラム内に配置されたコンテナ10の複数のスタックと、各保管コラムは、格子セルの垂直方向下方に位置付けられ、
iii)前記スタックに積み重ねられたコンテナ10を持ち上げて移動させるための複数の積荷取扱デバイス30とを備え、前記複数の積荷取扱デバイス30は、前記格子セルを通して前記コンテナ10にアクセスするために、前記保管コラムの上方の前記格子構造40上を横方向に移動するように遠隔操作され、前記複数の積荷取扱デバイス30のそれぞれは、
a)前記トラック上で前記積荷取扱デバイス30を移動させるための車輪アセンブリと、
b)前記トラックの上方に位置付けられたコンテナ受け入れ空間41と、
c)単一のコンテナ10をスタックから前記コンテナ受け入れ空間41へと持ち上げるように配置されている持ち上げデバイスとを備える、保管システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15(a)】
図15(b)】
図16
図17
図18
図19
図20
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図28