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特許7505124ドープ酸化セリウムを生成するための材料、方法および技術
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】ドープ酸化セリウムを生成するための材料、方法および技術
(51)【国際特許分類】
   C01F 17/235 20200101AFI20240617BHJP
   B01J 23/10 20060101ALI20240617BHJP
   B01J 37/08 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
C01F17/235
B01J23/10 M
B01J37/08
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2023530943
(86)(22)【出願日】2021-11-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-30
(86)【国際出願番号】 IB2021060893
(87)【国際公開番号】W WO2022112952
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2023-06-14
(31)【優先権主張番号】63/117,558
(32)【優先日】2020-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523189082
【氏名又は名称】ライナス レア アース リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100141195
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 恵美子
(74)【代理人】
【識別番号】100227008
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 沙央里
(72)【発明者】
【氏名】ディン,ジャウェン
(72)【発明者】
【氏名】ル-ルー,ポル
(72)【発明者】
【氏名】ズルキフリ,ノラジハン
(72)【発明者】
【氏名】スミス,チェルト
【審査官】吉森 晃
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-072711(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0318804(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0215378(US,A1)
【文献】特開2012-200719(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111434379(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102557105(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0152421(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01F 17/235
B01J 37/08
B01J 23/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドープ酸化セリウム粒子を生成する方法であって:
溶媒1リットル当たり10グラム~50グラムのCeO当量を有する非加熱のCe(NO溶液に、少なくとも1種のドーパントを添加することと;
前記少なくとも1種のドーパントを添加するステップの後に、ドーパントを含む前記非加熱のCe(NO溶液を加熱して加水分解を引き起こすことと;
得られた加水分解混合物を冷却することと;
前記得られた混合物をpH8~9に中和することと;
前記中和した混合物をろ過して、残渣および透過液を生成することと;
前記残渣を乾燥およびか焼することと;
を含む方法。
【請求項2】
前記残渣をか焼するステップが、300℃の環境で少なくとも10時間行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記残渣をか焼するステップが、500℃の環境で少なくとも5時間行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1種のドーパントを添加するステップの前に、溶媒1リットル当たり250グラム~300グラムのCeO当量を有するCe(NO溶液を希釈して、溶媒1リットル当たり10グラム~50グラムのCeO当量を有するCe(NO溶液を調製することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
希釈に脱イオン水が使用される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記Ce(NO溶液が120℃~150℃に加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記Ce(NO溶液が6時間~12時間加熱される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
冷却するステップが、前記得られた混合物の温度を50℃未満まで低下させる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
冷却するステップの後かつ中和するステップの前に、第2のドーパントを添加するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
中和するステップの後かつろ過するステップの前に、第3のドーパントを添加し撹拌することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記か焼した残渣の中へTEOSまたはSiOゲルを含侵させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記含侵した残渣を500℃で少なくとも5時間か焼することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
中和において水酸化アンモニウム(NHOH)が使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
中和が撹拌を含み;前記NHOH溶液の濃度が少なくとも25%である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1種のドーパントが、二酸化ケイ素(SiO)粉末、二酸化ケイ素(SiO)ゲル、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、ホワイトカーボンブラック、酸化アルミニウム(Al)粉末、ランタン(La)、ゼオライト、またはこれらの組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1種のドーパントが、二酸化ケイ素(SiO)粉末、二酸化ケイ素(SiO)ゲル、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、ホワイトカーボンブラック、またはこれらの組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が本明細書に組み込まれる、2020年11月24日に出願された米国仮特許出願第63/117,558号の優先権を主張する。
【0002】
本明細書に開示される材料、方法、および技術は、ドープ酸化セリウムに関する。より詳細には、本開示はドープ酸化セリウム粒子の生成および性質に関する。
【背景技術】
【0003】
セリウム(Ce)は、セリアまたはセリウムとしても知られる三価(セリウム)または四価(セリウム)状態のいずれかで存在することができる希土類元素である。酸化セリウム含有材料は、乗り物の排ガス浄化などの触媒作用を含む様々な用途で使用されてきた。酸化セリウム材料は、典型的には酸化雰囲気下で酸素を吸収し還元雰囲気下で酸素を脱着する性質を有する。この酸素吸収/脱着能力により、酸化セリウム材料は、プロセスガス中の有害成分の浄化などの様々な用途で使用することができるようになる。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、ドープ酸化セリウム粒子が開示される。例示的なドープ酸化セリウム粒子は、約90重量パーセント(wt%)~約99.9wt%の酸化セリウム(CeO)および約10wt%以下のドーパントを含み得る。例示的なドープ酸化セリウム粒子は、500℃で8時間のか焼の後、150m/g超のBET比表面積を有し得る。例示的なドープ酸化セリウム粒子は、500℃で8時間のか焼の後、900μmol・O/g超の酸素貯蔵能力(OSC)を有し得る。
【0005】
別の態様では、ドープ酸化セリウム粒子を生成する方法が開示される。例示的な方法は、溶媒1リットル当たり10グラム~50グラムのCeOである希土類酸化物濃度を有するCe(NO溶液に、少なくとも1種のドーパントを添加するステップと;少なくとも1種のドーパントを添加した後、ドーパントを有するCe(NO溶液を加熱して加水分解を引き起こすステップと;得られた混合物を冷却するステップと;得られた混合物をpH8~9まで中和するステップと;中和した混合物をろ過して残渣(filtrate)および透過液を生成するステップと;残渣をか焼するステップと;乾燥させるステップとを含むことができる。
【0006】
本開示によっていくらかの利益を得るために、ドープ酸化セリウムに関する材料、技術または方法が、本明細書で特徴づけられる細部の全てを含むという特定の要件はない。従って本明細書で特徴づけられる特定の例は、記述された技術の例示的な適用を意味し、代替物は可能である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書で開示され企図される材料、方法および技術は、ドープ酸化セリウムの生成に関する。例示的なドープ酸化セリウムは様々な用途で使用することができ、特にセリアと比較して、酸素移動度の改良された性質を示すことができる。例えば、本明細書で開示されるドープ酸化セリウムは、少し名前を挙げると、水素ガス(H)発生プロセス、二酸化炭素(CO)をメタン(CH)へ変換するプロセス、ならびに硝酸(HNO)および/またはアジピン酸(CH(COOH)から一酸化二窒素(NO)を除去するプロセス中などの触媒として使用することができる。本明細書で開示されるある特定の例示的なドープ酸化セリウム粒子は、約300℃~約800℃の温度範囲での高性能に特に適している可能性がある。例示的なドープ酸化セリウムは、他の用途が企図される。
【0008】
定義
特に定義しない限り、本明細書で使用する全ての技術的および科学用語は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合は、定義を含む本文書が優先する。例示的方法および材料を以下に記述するが、本明細書で記述されたものと類似または等価な方法および材料を、本開示の実施または試験に使用することができる。本明細書で開示される材料、方法、および実施例は、例示に過ぎず、限定する意図ではない。
【0009】
本明細書で使用する「含む(comprise)」、「含む(include)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「できる、し得る(can)」、「含有する(contain)」という用語およびそれらの変形は、追加の行為または構造の可能性を排除しない、非制限的で過渡的なフレーズ、用語、または単語であるという意図である。単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈が明確に他を指示しない限り、複数の参照を含む。本開示はまた、明示的に記載しているか否かにかかわらず、本明細書に提示する実施形態または要素を「含む」、「からなる」および「から本質的になる」他の実施形態をも、企図する。
【0010】
特定の官能基および化学用語の定義は、以下でより詳細に記述される。本開示の目的のために、化学元素は、元素周期表、CASバージョン、Handbook of Chemistry and Physics第75版内表紙に従って特定され、特定の官能基は、そこに記述されているように一般的に定義される。
【0011】
本明細書での数値範囲の記述については、同程度の精度でその間に入る各数値が明示的に企図される。例えば、6~9の範囲については、6および9に加えて7および8の数が想定され、範囲6.0~7.0については、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、および7.0の数が明示的に想定される。
【0012】
量に関して使用される修飾語「約」は、記述される値を含み、文脈によって規定される意味を有する(例えば、少なくとも特定の量の測定に関係する誤差の程度を含む)。修飾語「約」は、2つの端点の絶対値によって規定される範囲を開示するとも、考えるべきである。例えば、「約2~約4」という表現は、「2~4」の範囲も開示している。「約」という用語は、示された数のプラスマイナス10%を指す可能性がある。例えば、「約10%」は9%~11%の範囲、および「約1」は0.9~1.1を示す可能性がある。「約」の他の意味は、丸め数値など文脈から明白であり得、従って、例えば「約1」は、0.5~1.4もさらに意味し得る。
【0013】
I.例示的なドープ酸化セリウム粒子
例示的なドープ酸化セリウム粒子は、様々な化学的成分および物理的性質を有し得る。様々な態様が、以下で議論される。
【0014】
例示的なドープ酸化セリウム粒子は、大多数の酸化セリウム(CeO)を有する。典型的には、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、約90.0重量パーセント(wt%)~約99.9wt%の酸化セリウム(CeO)を含み得る。様々な実装形態では、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、約90.0wt%~約99.9wt%の酸化セリウム(CeO);約90wt%~約95wt%の酸化セリウム(CeO);約95wt%~約99.9wt%の酸化セリウム(CeO);約90wt%~約92wt%の酸化セリウム(CeO);92wt%~94wt%の酸化セリウム(CeO);94wt%~96wt%の酸化セリウム(CeO);96wt%~98wt%の酸化セリウム(CeO);97wt%~99wt%;95wt%~96wt%;96wt%~97wt%の酸化セリウム(CeO);97wt%~98wt%の酸化セリウム(CeO);または98~99.9wt%の酸化セリウム(CeO)を含み得る。様々な実装形態では、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、90wt%以上の酸化セリウム(CeO);91wt%以上の酸化セリウム(CeO);92wt%以上の酸化セリウム(CeO);93wt%以上の酸化セリウム(CeO);94wt%以上の酸化セリウム(CeO);95wt%以上の酸化セリウム(CeO);96wt%以上の酸化セリウム(CeO);97wt%以上の酸化セリウム(CeO);98wt%以上の酸化セリウム(CeO);または99wt%以上の酸化セリウム(CeO)を含み得る。様々な実装形態では、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、99.9wt%未満の酸化セリウム(CeO);98wt%未満の酸化セリウム(CeO);97wt%未満の酸化セリウム(CeO);96wt%未満の酸化セリウム(CeO);95wt%未満の酸化セリウム(CeO);94wt%未満の酸化セリウム(CeO);93wt%未満の酸化セリウム(CeO);92wt%未満の酸化セリウム(CeO);または91wt%未満の酸化セリウム(CeO)を含み得る。
【0015】
例示的なドープ酸化セリウム粒子は、約0.1wt%~約10wt%のドーパントを有し得る。様々な実装形態では、ドープ酸化セリウム粒子は、0.1wt%~10.0wt%のドーパント;0wt%~5wt%のドーパント;0.1wt%~5wt%のドーパント;5wt%~10wt%のドーパント;0.1wt%~3.0wt%のドーパント;3.0wt%~6.0wt%のドーパント;6.0wt%~9.0wt%のドーパント;7.0wt%~10.0wt%のドーパント;0.1wt%~1wt%のドーパント;1wt%~2wt%のドーパント;2wt%~3wt%のドーパント;3wt%~4wt%のドーパント;4wt%~5wt%のドーパント;5wt%~6wt%のドーパント;6wt%~7wt%のドーパント;7wt%~8wt%のドーパント;8wt%~9wt%のドーパント;または9wt%~10wt%のドーパントを有し得る。様々な実装形態では、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、10wt%以下のドーパント;9wt%以下のドーパント;8wt%以下のドーパント;7wt%以下のドーパント;6wt%以下のドーパント;5wt%以下のドーパント;4wt%以下のドーパント;3wt%以下のドーパント;2wt%以下のドーパント;1wt%以下のドーパント;0.5wt%以下のドーパント;または0.1wt%以下のドーパントを有する。様々な実装形態では、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、0.1wt%超のドーパント;0.5wt%超のドーパント;1wt%超のドーパント;2wt%超のドーパント;3wt%超のドーパント;4wt%超のドーパント;5wt%超のドーパント;6wt%超のドーパント;7wt%超のドーパント;8wt%超のドーパント;または9wt%超のドーパントを有する。
【0016】
例示的なドープ酸化セリウム粒子は、1種または複数のドーパントを含み得る。ドーパントは、ドープ酸化セリウム粒子の1つまたは複数の最終用途を考慮して選択することができる。例示的な酸化セリウム粒子へドープされ得る例示的な成分としては、二酸化ケイ素(SiO)粉末、二酸化ケイ素(SiO)ゲル、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、ホワイトカーボンブラック(沈降シリカ)、酸化アルミニウム(Al)粉末、酸化ランタン(La)および酸化ネオジム(III)(Nd)などの希土類酸化物、ゼオライト、またはこれらの組合せが挙げられる。例示的ゼオライトとしては、Zeolite Socony Mobil-5(H-ZSM-5)、H-Yゼオライト、およびH-βゼオライトを挙げることができる。
【0017】
例示的なドープ酸化セリウム粒子は、BET比表面積、酸素貯蔵能力、全細孔容積、結晶サイズ、およびTPRプロファイルなどの物理的性質の観点から記述することができる。BET比表面積測定は、Micromeritics Companyによって製造されたASAP2020自動物理吸着装置にて実行される、N物理吸着脱着測定を使用して行うことができる。試料の比表面積は、P/P0=0.05~0.35におけるBET(Brunauer-Emmett-Teller)の多点法により計算することができ;全細孔容積はP/P0=0.99における単一点吸着を使用することによって計算することができ、細孔容積分布は、脱着等温線のBJH法を使用して計算することができる。
【0018】
X線回折(XRD)は、株式会社リガクによって製造されたD/max2550VB/PC X線回折計にて、CuKα放射線源(40kV、40mA)、走査範囲2θ=10~80°、走査速度6°/分を用いて実行することができる。結晶サイズ(nm)は、シェラーの式d=kλ/βcosθ[式中、dは結晶サイズ(nm)であり、λはX線の波長(0.15418nm)であり、βは回折ピークの半価幅(度)であり、θは回折角(度)であり、Kはシェラー定数(0.89)である]によって計算することができる。
【0019】
水素昇温還元(Hydrogen temperature-programmed reduction)(H-TPR)測定は、Micromeritics Companyによって製造されたAUTOChem II 2920タイプの化学吸着機器にて、90%のアルゴンおよび10%の水素を含有するキャリアガスを用い、50ml/分のガス流量で、100℃から800℃まで10℃/分の昇温速度で、0.1gの試料を使用して実行することができる。
【0020】
試料の酸素貯蔵能力(OSC)は、熱伝導度検出器(TCD)によって決定することができ、試料の水素消費量は、ある量の酸化銅粉末の還元ピーク面積によって変換することができる。H-TPRカーブにおいて、200~600℃の温度範囲でのベースラインとTPR曲線との間の面積(S1)の、600~800℃の温度範囲でのベースラインとTPR曲線との間の面積(S2)に対する比として、S1/S2の比を定義した。
【0021】
ドープ酸化セリウム粒子は、BET比表面積の観点から特徴づけることができる。一部の場合では、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、300℃で10時間のか焼の後、200m/g超、210m/g超、220m/g超;230m/g超;または240m/g超のBET比表面積を有し得る。一部の場合では、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、300℃で10時間のか焼の後、250m/g以下;240m/g以下;230m/g以下;220m/g以下;または210m/g以下のBET比表面積を有し得る。様々な実装形態では、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、300℃で10時間のか焼の後、約200m/g~約250m/g;200m/g~225m/g;225m/g~250m/g;200m/g~210m/g;210m/g~220m/g;220m/g~230m/g;230m/g~240m/g;または240m/g~250m/gのBET比表面積を有し得る。
【0022】
一部の場合では、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、500℃で8時間のか焼の後、150m/g超;160m/g超;170m/g超;180m/g超;または190m/g超のBET比表面積を有し得る。一部の場合では、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、500℃で8時間のか焼の後、200m/g以下;190m/g以下;180m/g以下;170m/g以下;または160m/g以下のBET比表面積を有し得る。様々な実装形態では、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、500℃で8時間のか焼の後、約150m/g~約200m/g;150m/g~175m/g;175m/g~200m/g;150m/g~160m/g;160m/g~170m/g;170m/g~180m/g;180m/g~190m/g;または190m/g~200m/gのBET比表面積を有し得る。
【0023】
一部の場合では、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、700℃で5時間のか焼の後、100m/g超;110m/g超;120m/g超;130m/g超;または140m/g超のBET比表面積を有し得る。一部の場合では、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、700℃で5時間のか焼の後、150m/g以下;140m/g以下;130m/g以下;120m/g以下;または110m/g以下のBET比表面積を有し得る。様々な実装形態では、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、700℃で5時間のか焼の後、約100m/g~約150m/g;100m/g~125m/g;125m/g~150m/g;100m/g~110m/g;110m/g~120m/g;120m/g~130m/g;130m/g~140m/g;または140m/g~150m/gのBET比表面積を有し得る。
【0024】
一部の場合では、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、900℃で5時間のか焼の後、55m/g超;65m/g超;75m/g超;85m/g超;または90m/g超のBET比表面積を有し得る。一部の場合では、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、900℃で5時間のか焼の後、100m/g以下;90m/g以下;80m/g以下;70m/g以下;または60m/g以下のBET比表面積を有し得る。様々な実装形態では、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、900℃で5時間のか焼の後、約55m/g~約100m/g;55m/g~80m/g;75m/g~100m/g;55m/g~65m/g;65m/g~75m/g;75m/g~85m/g;85m/g~95m/g;または90m/g~100m/gのBET比表面積を有し得る。
【0025】
ドープ酸化セリウム粒子は、酸素貯蔵能力(OSC)の観点から特徴づけることができる。例示的なドープ酸化セリウム粒子は、500℃で8時間のか焼の後、900μmol・O/g超;1000μmol・O/g超;または1100μmol・O/g超のOSCを有し得る。例示的なドープ酸化セリウム粒子は、500℃で8時間のか焼の後、1200μmol・O/g以下;1100μmol・O/g以下;または1000μmol・O/g以下のOSCを有し得る。様々な実装形態では、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、500℃で8時間のか焼の後、900μmol・O/g~1200μmol・O/g;900μmol・O/g~1050μmol・O/g;1050μmol・O/g~1200μmol・O/g;900μmol・O/g~1000μmol・O/g;1000μmol・O/g~1100μmol・O/g;または1100μmol・O/g~1200μmol・O/gのOSCを有し得る。
【0026】
例示的なドープ酸化セリウム粒子は、700℃で5時間のか焼の後、800μmol・O/g超;900μmol・O/g超;または1000μmol・O/g超のOSCを有し得る。例示的なドープ酸化セリウム粒子は、700℃で5時間のか焼の後、1100μmol・O/g以下;1000μmol・O/g以下;または900μmol・O/g以下のOSCを有し得る。様々な実装形態では、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、700℃で5時間のか焼の後、800μmol・O/g~1100μmol・O/g;800μmol・O/g~950μmol・O/g;950μmol・O/g~1100μmol・O/g;800μmol・O/g~900μmol・O/g;900μmol・O/g~1000μmol・O/g;または1000μmol・O/g~1100μmol・O/gのOSCを有し得る。
【0027】
例示的なドープ酸化セリウム粒子は、900℃で5時間のか焼の後、700μmol・O/g超;800μmol・O/g超;または900μmol・O/g超のOSCを有し得る。例示的なドープ酸化セリウム粒子は、900℃で5時間のか焼の後、1000μmol・O/g以下;900μmol・O/g以下;または800μmol・O/g以下のOSCを有し得る。様々な実装形態では、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、900℃で5時間のか焼の後、700μmol・O/g~1000μmol・O/g;700μmol・O/g~850μmol・O/g;850μmol・O/g~1000μmol・O/g;700μmol・O/g~800μmol・O/g;800μmol・O/g~900μmol・O/g;または900μmol・O/g~1000μmol・O/gのOSCを有し得る。
【0028】
ドープ酸化セリウム粒子は、全細孔容積の観点から特徴づけることができる。例示的なドープ酸化セリウム粒子は、300℃で10時間のか焼の後、0.40mL/gより大きい;0.50mL/gより大きい;0.60mL/gより大きい;または0.70mL/gより大きい全細孔容積を有し得る。例示的なドープ酸化セリウム粒子は、300℃で10時間のか焼の後、0.80mL/g以下;0.70mL/g以下;0.60mL/gより大きい;または0.70mL/gより大きい全細孔容積を有し得る。様々な実装形態では、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、300℃で10時間のか焼の後、0.4mL/g~0.8mL/g;0.4mL/g~0.6mL/g;0.6mL/g~0.8mL/g;0.4mL/g~0.5mL/g;0.5mL/g~0.6mL/g;0.6mL/g~0.7mL/g;または0.7mL/g~0.8mL/gの全細孔容積を有し得る。
【0029】
ドープ酸化セリウム粒子は、全細孔容積の観点から特徴づけることができる。例示的なドープ酸化セリウム粒子は、500℃で8時間のか焼の後、0.40mL/gより大きい;0.50mL/gより大きい;0.60mL/gより大きい;または0.70mL/gより大きい全細孔容積を有し得る。例示的なドープ酸化セリウム粒子は、500℃で8時間のか焼の後、0.80mL/g以下;0.70mL/g以下;0.60mL/gより大きい;または0.70mL/gより大きい全細孔容積を有し得る。様々な実装形態では、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、500℃で8時間のか焼の後、0.4mL/g~0.8mL/g;0.4mL/g~0.6mL/g;0.6mL/g~0.8mL/g;0.4mL/g~0.5mL/g;0.5mL/g~0.6mL/g;0.6mL/g~0.7mL/g;または0.7mL/g~0.8mL/gの全細孔容積を有し得る。
【0030】
ドープ酸化セリウム粒子は、全細孔容積の観点から特徴づけることができる。例示的なドープ酸化セリウム粒子は、700℃で5時間のか焼の後、0.35mL/gより大きい;0.45mL/gより大きい;0.55mL/gより大きい;または0.65mL/gより大きい全細孔容積を有し得る。例示的なドープ酸化セリウム粒子は、700℃で5時間のか焼の後、0.70mL/g以下;0.60mL/g以下;0.50mL/gより大きい;または0.40mL/gより大きい全細孔容積を有し得る。様々な実装形態では、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、700℃で5時間のか焼の後、0.35mL/g~0.7mL/g;0.35mL/g~0.53mL/g;0.52mL/g~0.7mL/g;0.35mL/g~0.45mL/g;0.45mL/g~0.55mL/g;0.55mL/g~0.65mL/g;または0.6mL/g~0.7mL/gの全細孔容積を有し得る。
【0031】
ドープ酸化セリウム粒子は、全細孔容積の観点から特徴づけることができる。例示的なドープ酸化セリウム粒子は、900℃で5時間のか焼の後、0.35mL/gより大きい;0.45mL/gより大きい;0.55mL/gより大きい;または0.65mL/gより大きい全細孔容積を有し得る。例示的なドープ酸化セリウム粒子は、900℃で5時間のか焼の後、0.70mL/g以下;0.60mL/g以下;0.50mL/gより大きい;または0.40mL/gより大きい全細孔容積を有し得る。様々な実装形態では、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、900℃で5時間のか焼の後、0.35mL/g~0.7mL/g;0.35mL/g~0.53mL/g;0.52mL/g~0.7mL/g;0.35mL/g~0.45mL/g;0.45mL/g~0.55mL/g;0.55mL/g~0.65mL/g;または0.6mL/g~0.7mL/gの全細孔容積を有し得る。
【0032】
ドープ酸化セリウム粒子は、全細孔容積で割った細孔容積(d>3nm)の観点から特徴づけることができる。例示的なドープ酸化セリウム粒子は、300℃で10時間のか焼の後、少なくとも98%の細孔容積(d>3nm)/全細孔容積を有し得る。例示的なドープ酸化セリウム粒子は、500℃で8時間のか焼の後、少なくとも98%の細孔容積(d>3nm)/全細孔容積を有し得る。例示的なドープ酸化セリウム粒子は、700℃で5時間のか焼の後、少なくとも98%の細孔容積(d>3nm)/全細孔容積を有し得る。例示的なドープ酸化セリウム粒子は、900℃で8時間のか焼の後、少なくとも98%の細孔容積(d>3nm)/全細孔容積を有し得る。
【0033】
ドープ酸化セリウム粒子は、結晶サイズの観点から特徴づけることができる。例示的なドープ酸化セリウム粒子は、500℃で8時間のか焼の後、約10nm未満の結晶サイズを有し得る。様々な実装形態では、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、500℃で8時間のか焼の後、6nm~10nm;6nm~8nm;8nm~10nm;6nm~7nm;7nm~8nm;8nm~9nm;または9nm~10nmの結晶サイズを有し得る。様々な実装形態では、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、500℃で8時間のか焼の後、6nm以上;7nm以上;8nm以上;または9nm以上の結晶サイズを有し得る。様々な実装形態では、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、500℃で8時間のか焼の後、10nm以下;9nm以下;8nm以下;または7nm以下の結晶サイズを有し得る。
【0034】
ドープ酸化セリウム粒子は、水素(H)-昇温還元(TPR)プロファイルの観点から特徴づけることができる。一態様では、H-TPRプロファイルによって生成したグラフは、(A1)200℃~600℃の温度範囲のH2-TPR曲線およびベースラインによって定義される面積と、(A2)600℃~800℃の温度範囲のH2-TPR曲線およびベースラインによって定義される面積の比、A1/A2の観点から定義することができる。例示的なドープ酸化セリウム粒子は、500℃で8時間のか焼の後、1.0~1.5のA1/A2の比を有し得る。例示的なドープ酸化セリウム粒子は、700℃で5時間のか焼の後、0.7~1.0のA1/A2の比を有し得る。例示的なドープ酸化セリウム粒子は、900℃で5時間のか焼の後、0.35~0.7のA1/A2の比を有し得る。ドープ酸化セリウム粒子は、500℃で8時間のか焼の後、1.5以下、1.25以下、または1.0以下のA1/A2の比を有し得る。ドープ酸化セリウム粒子は、500℃で8時間のか焼の後、0.7超、1.0超、または1.3超のA1/A2の比を有し得る。
【0035】
II.水酸化セリウム(IV)を生成する例示的な方法
例示的な方法を使用して、水酸化セリウム(IV)(Ce(OH))沈澱物および硝酸セリウム(IV)溶液を生成することができる。今度は、ドープ酸化セリウムの合成中に、生成した水酸化セリウム(IV)沈澱物および硝酸セリウム(IV)溶液を使用してもよい。以下に議論する以外の実施形態は、より多いまたはより少ない操作を含んでもよい。
【0036】
例示的方法は、塩基性溶液を用いて始めることができる。例示的塩基性溶液は、1.0mol/L~4.0mol/Lの塩基濃度を有するように調製することができ、20℃~30℃などの30℃以下の温度であってもよい。例示的塩基性溶液は、NaOHである。塩基性溶液を調製している間に、約800rpm~約1200rpmで撹拌を行うことができる。
【0037】
次に、原料を塩基性溶液に添加する。一部の場合では、原料はバッチ操作として添加することができる。典型的には、塩基性溶液の温度は20~30℃である。例示的原料は、塩化セリウム(CeCl)であり得る。一部の場合では、塩基性溶液に添加される原料は、50~200gのCeO/Lを含み、遊離[H]は0.05~0.5mol/Lである。一部の場合では、NaOH溶液に添加する前に例示的原料を希釈することができる。例として、300~500gのCeO/L初期溶液の希釈によって、50~200gのCeO/L CeCl溶液を調製することができる。脱イオン水を希釈に使用することができる。
【0038】
得られた原料および塩基性溶液の混合物は、エアーバブリングおよび/または撹拌に供することができる。一部の場合では、塩基性溶液は、原料を添加する前にエアーバブリングに供することができる。例として、エアーバブリングは、150~300L-空気/時間またはそれ以上の速度で提供することができる。エアーバブリングおよび/または撹拌は、1時間~5時間など所定の時間行うことができる。その時間中に、逆沈澱(reverse precipitation)が起こる可能性がある。
【0039】
逆沈澱の後、2時間~6時間などの一定時間、典型的には20℃~30℃の温度で、得られた混合物を老化させることができる。通常、得られた混合物は、pH12.0~13.5など、少なくともpH12を有する。老化中に、得られた混合物は、紫の色相から黄色の色相へ色を変化させる可能性がある。
【0040】
様々なイオンを除去するために、ろ過を行うことができる。例えば、NaOHが塩基性溶液として使用される場合、ろ過中にNaおよびClイオンを除去することができる。ターゲットイオンのろ過を達成するために、当該技術分野で公知の様々なろ過法を選択することができる。ターゲットイオンの除去をさらに実施するために、1回または複数回の洗浄操作を行うことができる。
【0041】
ターゲットイオンの除去の後に、1リットル当たり0.01~0.1mol塩基の濃度を有する塩基性溶液の中へ、沈殿物を再パルプ化する(re-pulp)ことができる。一部の場合では、NaOHを塩基性溶液に使用することができる。再パルプ化は、例えば、800rpm~1200rpmでの撹拌を伴うことができ、20℃~30℃などの室温で行うことができる。
【0042】
溶液の老化は、多孔性空気分配器を通したエアーバブリングを伴うことができる。エアーバブリングは、毎時150~300Lの空気の流量で提供することができる。老化は、少なくとも30分または1~6時間などの所定の時間、20℃~30℃の温度で行うことができる。次いで、得られた混合物は第2のろ過プロセスに供される。
【0043】
ろ過の後、混合物を洗浄することができる。第1の洗浄は、高温の脱イオン水(40℃~80℃、または50℃~65℃であり得る)を使用して行うことができる。第1の洗浄は、2回、3回、4回、5回、または最高10回などの複数回行うことができる。
【0044】
第2の洗浄は、高温の脱イオン水(40℃~80℃または50℃~65℃であり得る)と硝酸(HNO)などの強酸との混合物を用いて行うことができる。第2の洗浄に使用される混合物は、pH約4~約5であり得る。得られた残渣は、pH8~10であり得る。得られた残渣は、20μS/cm未満の電気伝導度(EC)を有することができる。第2の洗浄は、2回、3回、4回、5回、または最高10回などの複数回行ってよい。
【0045】
洗浄の後、水酸化セリウム(IV)の湿潤ケーキが残る。一部の場合では、水酸化セリウム(IV)湿潤ケーキは、55%~65%の強熱減量(loss of ignition)(LOI)を有することができる。一部の場合では、水酸化セリウム(IV)湿潤ケーキ中の全セリウム化学種の少なくとも95%または少なくとも97%は、セリウム(IV)(Ce4+)であり得る。一部の場合では、水酸化セリウム(IV)湿潤ケーキ中で、CeO/全希土類酸化物(TREO)の比は、少なくとも99%または少なくとも99.5%であり得る。一部の場合では、水酸化セリウム(IV)湿潤ケーキ中の酸化セリウムの割合は、35%~60%であり得る。
【0046】
水酸化セリウム(IV)湿潤ケーキは、1種または複数の不純物を有することができる。例えば、例示的な水酸化セリウム(IV)湿潤ケーキは、酸化アルミニウム(Al)、Cl、Na、酸化鉄(Fe)、酸化亜鉛(ZnO)、および酸化ケイ素(SiO)のうちの1種または複数を、各不純物につき0.01wt%以下で含むことができる。
【0047】
水酸化セリウム(IV)湿潤ケーキは、HNOなどの強酸溶液に溶解させることができる。いくつかの実装形態では、強酸溶液中の強酸の重量パーセンテージは、約65%~約68%など約65%より大きくてもよい。強酸溶液は、約65℃~約100℃などの高温であり得る。強酸のCeOに対するモル比は、4.1~5.5であり得る。一部の場合では、湿潤ケーキの重量パーセンテージは約42%である。得られたスラリーは、65~100℃で5~30分間撹拌することができる。一部の場合では、スラリーが透明な赤い色相を有すると撹拌を終了することができる。
【0048】
得られたCe(NO溶液は、1リットル当たり250~300gのCeO濃度を有することができ、全セリウム化学種の97%超はセリウム(IV)(Ce4+)であり得る。得られたCe(NO溶液は、0.1~0.5の[H]/全セリウム化学種のモル比を有し得る。
【0049】
III.ドープ酸化セリウム粒子を合成する例示的な方法
例示的な方法を使用して、ドープ酸化セリウム粒子を合成することができる。以下で議論する以外の実施形態は、より多いまたはより少ない操作を含んでもよい。ドープ酸化セリウム粒子を生成するための例示的な方法は、典型的には加水分解の前だが、沈澱の後にドーパントを添加するステップを含む。一部の場合では、加水分解の前に添加されたドーパントに加えて、加水分解の後にドーパントを添加してもよい。
【0050】
例示的な方法は、溶媒1リットル当たり10グラム~50グラムのCeOである希土類酸化物濃度を有する、Ce(NO溶液を調製することによって開始することができる。いくつかの実装形態では、上に記述した方法を使用して生成した硝酸セリウム(IV)(Ce(NO)溶液を希釈して、例えば、溶媒1リットル当たり10グラム~50グラムのCeO;溶媒1リットル当たり10グラム~30グラムのCeO;溶媒1リットル当たり15グラム~25グラムのCeO;または溶媒1リットル当たり20グラム~40グラムのCeOである希土類酸化物濃度を達成することができる。例えば、調製したCe(NO溶液は、溶媒1リットル当たり少なくとも10グラムのCeO;溶媒1リットル当たり少なくとも20グラムのCeO;溶媒1リットル当たり少なくとも30グラムのCeO;または溶媒1リットル当たり少なくとも40グラムのCeOを含み得る。希釈剤として、脱イオン水を使用することができる。
【0051】
次に、1種または複数のドーパントを、Ce(NO溶液に添加することができる。この段階で様々なドーパントを添加することができる。例示的なドーパントは、上でより詳細に議論しており、二酸化ケイ素(SiO)粉末、二酸化ケイ素(SiO)ゲル、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、ホワイトカーボンブラック、酸化アルミニウム(Al)粉末、ランタン(La)、ゼオライトを挙げることができる。典型的には、添加するドーパントの量は、Ce(NO溶液の0.1wt%~10wt%である。例示的な二酸化ケイ素(SiO)粉末は、200~250m/gのBET表面積を有し得る。例示的な二酸化アルミニウム(Al)粉末は、200~250m/gのBET表面積を有し得る。
【0052】
ドーパントを添加した後、混合物を所定の温度に加熱する。典型的には、所定の温度は120℃~150℃であり得る。様々な実装形態では、所定の温度は、120℃~130℃;130℃~140℃;または140℃~150℃であり得る。所定の温度への加熱は、30分~2時間かかり得る。所定の温度に達した後、混合物の所定温度を、約6時間~約12時間維持することができる。この間に、加水分解が起こり得る。
【0053】
加水分解操作の後、得られた混合物を冷却することができる。一部の場合では、得られた混合物の温度を50℃未満に下げる。
【0054】
この時点で、任意選択で、1種または複数のドーパントを添加することができる。例示的なドーパントは、上でより詳細に議論しており、二酸化ケイ素(SiO)粉末、二酸化ケイ素(SiO)ゲル、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、ホワイトカーボンブラック、酸化アルミニウム(Al)粉末、ランタン(La)、ゼオライト、またはこれらの組合せを挙げることができる。典型的には、添加するドーパントの量は、Ce(NO溶液の0.1wt%~10wt%である。この段階でドーパントが添加される場合、所定の時間、通常30分、60分、または90分などの30~90分の間、得られた混合物を撹拌することができる。
【0055】
次に、得られた混合物、通常はスラリーを、pH8~9に中和する。典型的には、得られたスラリーは中和すると沈殿する。一部の場合では、pHを中和するために、水酸化アンモニウム(NHOH)などの弱塩基を使用することができる。水酸化アンモニウムを使用する場合、濃度は25%より大きくてもよい。得られた混合物の中和は、10分~30分間などの所定の時間の撹拌を伴うことができる。
【0056】
中和の後、任意選択で、1種または複数のドーパントを添加することができる。例示的なドーパントは、上でより詳細に議論しており、二酸化ケイ素(SiO)粉末、二酸化ケイ素(SiO)ゲル、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、ホワイトカーボンブラック、酸化アルミニウム(Al)粉末、ランタン(La)、ゼオライトを挙げることができる。典型的には、添加するドーパントの量は、Ce(NO溶液の0.1wt%~10wt%である。この段階でドーパントが添加される場合、所定の時間、通常30分、60分、または90分などの30~90分間、得られた混合物を撹拌することができる。
【0057】
次いで、得られた沈澱物をろ過に供する。例示的なろ過操作によって、残渣、典型的には湿潤ケーキ、および透過液を生成する。残渣として湿潤ケーキを生成するために、当該技術分野で公知のいかなるタイプのろ過も使用することができる。
【0058】
湿潤ケーキ残渣を乾燥し、所与の温度で所定の時間か焼することができる。得られた生成物は、典型的にはドープ酸化セリウム粉末である。例として、湿潤ケーキ残渣を、300℃で10時間か焼することができる。例として、湿潤ケーキ残渣を、500℃で8時間か焼することができる。例として、湿潤ケーキ残渣を、700℃で5時間か焼することができる。ある特定の実装形態では、湿潤ケーキ残渣を300℃で10時間か焼した後、CeO粉末を900℃で5時間か焼する。
【0059】
一部の場合では、か焼した残渣(典型的には粉末)の中へ1種または複数のドーパントを含侵させることができる。例えば、二酸化ケイ素(SiO)ゲルまたはオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)をか焼した残渣の中へドープすることができる。これらの実装形態では、ドーピングに続いて、乾燥、次いで所定温度で、所定時間か焼することができる。例えば、含侵した粉末を、500℃で5時間か焼することができる。
【0060】
IV.例示的用途
ドープ酸化セリウムの例示的な実施形態は、様々な用途で使用することができる。一部の場合では、ドープ酸化セリウムは、特に粒子を触媒として使用するのに役立つことができる、酸素移動の改良された性質を有する。例えば、例示的なドープ酸化セリウム粒子は、排ガスの浄化、一酸化炭素(CO)の酸化、二酸化炭素(CO)の水素添加、水性ガス(water-gas)シフト反応による水素ガス(H)の製造、およびメタン(CH)またはアルコールの改質に使用することができる。
【0061】
一部の場合では、水素ガス(H)を発生させる例示的方法は、本明細書に記載する例示的なドープ酸化セリウムを前駆体原料と接触させるステップを含む。一部の場合では、二酸化炭素(CO)をメタン(CH)に変換する例示的方法は、本明細書に記載する例示的なドープ酸化セリウムを二酸化炭素(CO)と接触させるステップを含む。一部の場合では、原料から一酸化二窒素(NO)を除去する例示的方法は、本明細書に記載する例示的なドープ酸化セリウムを硝酸(HNO)および/またはアジピン酸(CH(COOH)を含む原料と接触させるステップを含む。
【0062】
V.実験例
本開示の範囲を限定することなく、上で議論した実施形態の様々な実験例を調製し、結果を以下で議論する。
【0063】
A.Ce(OH)原料およびCe(NO溶液の調製
Ce(OH)原料の実験例を以下の操作によって調製した。最初、2.5mol/Lの濃度を有する0.5LのNaOH溶液を2Lのビーカーに添加した。得られた混合物を、25~30℃で800~1,000rpmの撹拌速度で撹拌した。
【0064】
次に、上記NaOH溶液の中へ、多孔性空気分配器を通して200~250Lの空気/時間の流量で空気を吹き込んだ。次いで100g-CeO/Lの濃度を有する0.5LのCeCl溶液を、上記空気を吹き込んだNaOH溶液の中へ25~30℃で2時間ゆっくり滴下した。上記100g-CeO/L CeCl溶液は、約300g-CeO/Lの初期CeCl溶液(遊離[H]=0.1mol/L)の濃度を脱イオン水で希釈することによって調製した。
【0065】
2時間の逆沈澱の後、スラリーを25~30℃で2時間連続的に老化させ、スラリーの色は紫色から黄色に変化し、最終的なpH=12.5~13.5であった。沈澱物を第1のろ過に供し、脱イオン水で第1の洗浄をして、NaおよびCl不純物を除去した。
【0066】
第1の洗浄をした沈澱物を、1Lの0.025mol/Lを有するNaOH溶液の中へ再パルプ化し、25~30℃で800~1,000rpmの撹拌速度で強く撹拌し、同時に、上記再パルプ化スラリーの中へ200~250L-空気/時間の流量で空気を吹き込んだ。25~30℃で1時間老化させた後、スラリーの色はより鮮明な黄色に変化した。
【0067】
沈澱物を第2のろ過に供し、1Lの脱イオン水(60~65℃)で5回、および1Lの脱イオン水で希釈したHNO溶液(pH=4.5~5、60~65℃)で1回洗浄して、最終残渣は、pH=8~9および20μS/cm未満の電気伝導度(EC)を有した。第2の洗浄およびろ過の後に、Ce(OH)湿潤ケーキを得た。得られたCe(OH)組成物は以下の性質:Ce4+/ΣCe=98.5%;CeO/TREO=99.8%;TREO=42.0%(TREOは全希土類酸化物)を有した。
【0068】
例示的なCe(NO溶液を、以下のように調製した。調製したCe(OH)湿潤ケーキ(TREO=42.0%)を、65~68%の濃度、HNO/CeOモル比=4.5を有するHNO溶液の中へ添加した。約300g-CeO/Lの濃度を有する透明な赤い溶液が形成されるまで、スラリーを撹拌し65~100℃で数分間溶解させた。
【0069】
B.実験粉末の調製
【0070】
[実施例1]
ある特定の量のCe(NO初期溶液(約300g-CeO/L)を脱イオン水で希釈し、20g-CeO/Lの濃度を有する0.5LのCe(NO溶液を調製した。5wt%のSiO粉末(BET表面積=200~250m/g)を上記希釈Ce(NO溶液の中へ添加した。
【0071】
混合溶液を1Lのオートクレーブの中へ添加し、次いで撹拌し、室温から125℃まで0.5時間で昇温した。加水分解反応を125℃で6時間行った。6時間の加水分解反応の後、スラリーを50℃未満まで冷却した。
【0072】
pH=8.5を達成するまでスラリーをNHOH溶液(>25%)で中和し、沈殿させ、次いで10分間撹拌した。次いで、沈澱物をろ過した。
【0073】
湿潤ケーキを乾燥させ、次いで300℃/10時間、500℃/8時間、および700℃/5時間それぞれか焼した。300℃/10時間か焼したCeO粉末を、900℃/5時間再度か焼した。
【0074】
[実施例2]
添加SiO粉末の量を10wt%に変更したことを除いて、実施例1の調製方法に従った。
【0075】
[実施例3]
6時間の加水分解反応の後に、10wt%のSiO粉末を冷却したスラリーの中へ添加したことを除いて、実施例1の調製方法に従った。
【0076】
[実施例4]
NHOH溶液による中和のステップの後に沈殿したスラリーの中へ10wt%のSiO粉末を添加し、次いで30分間撹拌したことを除いて、実施例1の調製方法に従った。
【0077】
[実施例5]
ドーパントを10wt%の従来のAl粉末(BET表面積=200~250m/g)に変更したことを除いて、実施例3の調製方法に従った。
【0078】
C.実験粉末の物理的特性
例示的な粉末の様々な物理的特性を測定し、結果を以下の表1に示す。BET表面積、X線回折(XRD)、および水素昇温還元(H-TPR)の試験手順は、上でより詳細に記述している。
【0079】
【表1】
【0080】
例示的実施形態
完全性の理由のために、以下に番号付けした実施形態で技術の様々な態様を記述する。
【0081】
実施形態1。約90重量パーセント(wt%)~約99.9wt%の酸化セリウム(CeO);および約10wt%以下のドーパントを含むドープ酸化セリウム粒子であって、
500℃で8時間のか焼の後、150m/g超のBET比表面積を有し;
500℃で8時間のか焼の後、900μmol・O/g超の酸素貯蔵能力(OSC)を有する、
ドープ酸化セリウム粒子。
【0082】
実施形態2。ドーパントが0.1wt%~5wt%で存在し;
ドーパントが二酸化ケイ素(SiO)粉末、二酸化ケイ素(SiO)ゲル、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、ホワイトカーボンブラック、酸化アルミニウム(Al)粉末、La、Nd、ゼオライト、またはこれらの組合せを含む、
実施形態1に記載のドープ酸化セリウム粒子。
【0083】
実施形態3。500℃で8時間のか焼の後、0.40mL/g~0.8mL/gの全細孔容積を有する、実施形態1または実施形態2に記載のドープ酸化セリウム粒子。
【0084】
実施形態4。500℃で8時間のか焼の後、少なくとも98%の細孔容積(d>3nm)/全細孔容積を有する、実施形態1から3のいずれか1つに記載のドープ酸化セリウム粒子。
【0085】
実施形態5。700℃で5時間のか焼の後、約800μmol・O/g~約1100μmol・O/gの酸素貯蔵能力(OSC)を有する、実施形態1から4のいずれか1つに記載のドープ酸化セリウム粒子。
【0086】
実施形態6。500℃で8時間のか焼の後、10nm未満の結晶サイズを有する、実施形態1から5のいずれか1つに記載のドープ酸化セリウム粒子。
【0087】
実施形態7。900℃で5時間のか焼の後、約55m/g~約100m/gのBET比表面積を有する、実施形態1から6のいずれか1つに記載のドープ酸化セリウム粒子。
【0088】
実施形態8。実施形態1から7のいずれか1つに記載のドープ酸化セリウムを前駆体原料と接触させるステップを含む、水素ガス(H)を発生させる方法。
【0089】
実施形態9。実施形態1から7のいずれか1つに記載のドープ酸化セリウムを二酸化炭素(CO)と接触させるステップを含む、二酸化炭素(CO)をメタン(CH)に変換する方法。
【0090】
実施形態10。原料から一酸化二窒素(NO)を除去する方法であって、実施形態1から7のいずれか1つに記載のドープ酸化セリウムを、硝酸(HNO)および/またはアジピン酸(CH(COOH)を含む原料と接触させるステップを含む、方法。
【0091】
実施形態11。ドープ酸化セリウム粒子を生成する方法であって、
溶媒1リットル当たり10グラム~50グラムのCeOである希土類酸化物濃度を有するCe(NO溶液に、少なくとも1種のドーパントを添加するステップと;
少なくとも1種のドーパントを添加するステップの後に、ドーパントを有するCe(NO溶液を加熱して加水分解を引き起こすステップと;
得られた混合物を冷却するステップと;
得られた混合物をpH8~9に中和するステップと;
中和した混合物をろ過して、残渣および透過液を生成するステップと;
残渣をか焼するステップと;
乾燥するステップと
を含む方法。
【0092】
実施形態12。残渣をか焼するステップが、300℃である環境で少なくとも10時間行われる、実施形態11に記載の方法。
【0093】
実施形態13。残渣をか焼するステップが、500℃である環境で少なくとも5時間行われる、実施形態11または実施形態12に記載の方法。
【0094】
実施形態14。溶媒1リットル当たり250グラム~300グラムのCeO当量を有するCe(NO溶液を希釈するステップをさらに含む、実施形態11から13のいずれか1つに記載の方法。
【0095】
実施形態15。脱イオン水が希釈に使用される、実施形態14に記載の方法。
【0096】
実施形態16。Ce(NO溶液が約120℃~約150℃に加熱される、実施形態11から15のいずれか1つに記載の方法。
【0097】
実施形態17。Ce(NO溶液が約6時間~約12時間加熱される、実施形態16に記載の方法。
【0098】
実施形態18。冷却するステップが、得られた混合物の温度を50℃未満まで低下させる、実施形態11から17のいずれか1つに記載の方法。
【0099】
実施形態19。冷却するステップの後かつ中和するステップの前に、第2のドーパントを添加するステップをさらに含む、実施形態11から18のいずれか1つに記載の方法。
【0100】
実施形態20。中和するステップの後かつろ過するステップの前に、第3のドーパントを添加し、撹拌するステップをさらに含む、実施形態11から19のいずれか1つに記載の方法。
【0101】
実施形態21。か焼した残渣の中へTEOSまたはSiOゲルを含侵させるステップをさらに含む、実施形態11から20のいずれか1つに記載の方法。
【0102】
実施形態22。含侵した残渣を500℃で少なくとも5時間か焼するステップをさらに含む、実施形態21による方法。
【0103】
実施形態23。中和中に水酸化アンモニウム(NHOH)が使用される、実施形態11から22のいずれか1つに記載の方法。
【0104】
実施形態24。中和が撹拌を含み;NHOH溶液の濃度が少なくとも25%である、実施形態23に記載の方法。
【0105】
実施形態25。ドーパントが二酸化ケイ素(SiO)粉末、二酸化ケイ素(SiO)ゲル、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、ホワイトカーボンブラック、酸化アルミニウム(Al)粉末、ランタン(La)、ゼオライト、またはこれらの組合せを含む、実施形態11から24のいずれか1つに記載の方法。
【0106】
前述の詳細な記述および付随する実施例は、単なる例示であり、本開示の範囲を制限するものと理解すべきではない。本開示の実施形態への様々な変更および修正は、当業者に明白には明白である。限定されるものではないが、化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成、組成物、配合物、または使用方法に関するものを含む、こうした変更および修正は、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく行うことができる。

以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 約90重量パーセント(wt%)~約99.9wt%の酸化セリウム(CeO );および約10wt%以下のドーパントを含むドープ酸化セリウム粒子であって、
前記ドープ酸化セリウム粒子は、500℃で8時間のか焼の後、150m /g超のBET比表面積を有し;
前記ドープ酸化セリウム粒子は、500℃で8時間のか焼の後、900μmol・O /g超の酸素貯蔵能力(OSC)を有する、
ドープ酸化セリウム粒子。
[2] 前記ドーパントが0.1wt%~5wt%で存在し;
前記ドーパントが二酸化ケイ素(SiO )粉末、二酸化ケイ素(SiO )ゲル、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、ホワイトカーボンブラック、酸化アルミニウム(Al )粉末、La 、Nd 、ゼオライト、またはこれらの組合せを含む、
[1]に記載のドープ酸化セリウム粒子。
[3] 前記ドープ酸化セリウム粒子は、500℃で8時間のか焼の後、0.40mL/g~0.8mL/gの全細孔容積を有する、[1]に記載のドープ酸化セリウム粒子。
[4] 前記ドープ酸化セリウム粒子は、500℃で8時間のか焼の後、少なくとも98%の細孔容積(d>3nm)/全細孔容積を有する、[1]に記載のドープ酸化セリウム粒子。
[5] 前記ドープ酸化セリウム粒子は、700℃で5時間のか焼の後、約800μmol・O /g~約1100μmol・O /gの酸素貯蔵能力(OSC)を有する、[1]に記載のドープ酸化セリウム粒子。
[6] 前記ドープ酸化セリウム粒子は、500℃で8時間のか焼の後、10nm未満の結晶サイズを有する、[1]に記載のドープ酸化セリウム粒子。
[7] 前記ドープ酸化セリウム粒子は、900℃で5時間のか焼の後、約55m /g~約100m /gのBET比表面積を有する、[1]に記載のドープ酸化セリウム粒子。
[8] [1]に記載の前記ドープ酸化セリウム粒子を前駆体原料と接触させることを含む、水素ガス(H )の生成方法。
[9] [1]に記載のドープ酸化セリウム粒子を二酸化炭素(CO )と接触させることを含む、二酸化炭素(CO )をメタン(CH )に変換する方法。
[10] 原料から一酸化二窒素(N O)を除去する方法であって、[1]に記載のドープ酸化セリウム粒子を、硝酸(HNO )および/またはアジピン酸(CH (COOH) を含む原料と接触させることを含む、方法。
[11] ドープ酸化セリウム粒子を生成する方法であって:
溶媒1リットル当たり10グラム~50グラムのCeO である希土類酸化物濃度を有するCe(NO 溶液に、少なくとも1種のドーパントを添加することと;
前記少なくとも1種のドーパントを添加するステップの後に、ドーパントを含む前記Ce(NO 溶液を加熱して加水分解を引き起こすことと;
得られた混合物を冷却することと;
前記得られた混合物をpH8~9に中和することと;
前記中和した混合物をろ過して、残渣および透過液を生成することと;
前記残渣をか焼することと;
乾燥することと
を含む方法。
[12] 前記残渣をか焼するステップが、300℃の環境で少なくとも10時間行われる、[11]に記載の方法。
[13] 前記残渣をか焼するステップが、500℃の環境で少なくとも5時間行われる、[11]に記載の方法。
[14] 溶媒1リットル当たり250グラム~300グラムのCeO 当量を有するCe(NO 溶液を希釈することをさらに含む、[11]に記載の方法。
[15] 希釈に脱イオン水が使用される、[14]に記載の方法。
[16] 前記Ce(NO 溶液が約120℃~約150℃に加熱される、[11]に記載の方法。
[17] 前記Ce(NO 溶液が約6時間~約12時間加熱される、[16]に記載の方法。
[18] 冷却するステップが、前記得られた混合物の温度を50℃未満まで低下させる、[11]に記載の方法。
[19] 冷却するステップの後かつ中和するステップの前に、第2のドーパントを添加するステップをさらに含む、[18]に記載の方法。
[20] 中和するステップの後かつろ過するステップの前に、第3のドーパントを添加し撹拌することをさらに含む、[19]に記載の方法。
[21] 前記か焼した残渣の中へTEOSまたはSiO ゲルを含侵させることをさらに含む、[11]に記載の方法。
[22] 前記含侵した残渣を500℃で少なくとも5時間か焼することをさらに含む、[21]に記載の方法。
[23] 中和において水酸化アンモニウム(NH OH)が使用される、[11]に記載の方法。
[24] 中和が撹拌を含み;前記NH OH溶液の濃度が少なくとも25%である、[23]に記載の方法。
[25] 前記ドーパントが、二酸化ケイ素(SiO )粉末、二酸化ケイ素(SiO )ゲル、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、ホワイトカーボンブラック、酸化アルミニウム(Al )粉末、ランタン(La)、ゼオライト、またはこれらの組合せを含む、[11]に記載の方法。