(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】有機性廃棄物管理システム
(51)【国際特許分類】
B09B 3/35 20220101AFI20240617BHJP
B02C 17/16 20060101ALI20240617BHJP
B02C 23/10 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
B09B3/35
B02C17/16 A
B02C23/10
(21)【出願番号】P 2023573412
(86)(22)【出願日】2022-02-08
(86)【国際出願番号】 US2022015646
(87)【国際公開番号】W WO2022250749
(87)【国際公開日】2022-12-01
【審査請求日】2024-01-26
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523447465
【氏名又は名称】バイオグリーン 360 インク.
【氏名又は名称原語表記】BioGreen 360, Inc.
【住所又は居所原語表記】124 Heritage Avenue, Unit 15, Portsmouth, NH 03801, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】イアン ジェイ. ブラック
(72)【発明者】
【氏名】トーマス エイ. ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン シー. ジェイ. ロスバーグ シニア
(72)【発明者】
【氏名】ポール アール. サライブ ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ザカリー シー. ドヨン
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ イー. ファイア ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ イー. ファイア ザ・サード
(72)【発明者】
【氏名】マーク ファイア
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-136853(JP,A)
【文献】特開平10-237460(JP,A)
【文献】米国特許第3556286(US,A)
【文献】中国特許出願公開第110239132(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 3/35
B02C 17/16
B02C 23/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機性廃棄物管理システム用の液状化システムであって、当該液状化システムは、
ホッパであって、該ホッパの上端部の入口を通じて有機性廃棄物を受け入れるようになっており、前記ホッパは、該ホッパに加えられた有機性廃棄物が重力により前記ホッパの下端部に向かって付勢されるように、鉛直方向に向けられている、ホッパと、
前記ホッパの前記下端部に配置されていて、有機性廃棄物を粉砕しかつ液状化するための粉砕部材を含む、固定された粉砕プレートと、
前記ホッパ内に配置された撹拌機であって、前記粉砕プレートに対して、有機性廃棄物を前記粉砕プレートに向かって下方に移動させる第1の回転方向と、有機性廃棄物を前記ホッパの前記上端部に向かって上方に移動させる第2の回転方向とに可動の撹拌機と、
前記撹拌機を、前記第1の回転方向と前記第2の回転方向とに選択的に動かすように構成されたモータと、
液状化された有機性廃棄物を前記ホッパから排出する、前記ホッパの前記下端部に設けられた出口と
を含む、液状化システム。
【請求項2】
前記ホッパは、鉛直方向に向けられているが、鉛直方向軸線からはオフセットされており、これにより、前記粉砕プレートは、水平方向軸線からオフセットされており、前記粉砕プレートは、前記液状化された有機性廃棄物の排出を支援するために前記粉砕プレートの下面に設けられた排出孔を含む、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記排出孔は、液状化されていない有機性廃棄物の排出を防ぐように寸法設定されている、請求項2記載のシステム。
【請求項4】
前記撹拌機は、該撹拌機が前記第1の回転方向に動かされると、有機性廃棄物を粉砕するために前記有機性廃棄物を前記粉砕プレートに対して押し進めるように構成された下羽根を有するシャフトを含む、請求項1から3までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項5】
前記撹拌機はさらに、前記ホッパ内の前記有機性廃棄物の移動を支援するスクリュオーガを含む、請求項4記載のシステム。
【請求項6】
前記ホッパ内の有機性廃棄物からの、前記モータと、関連する軸受と、シールとの汚染を回避するために、前記モータは、前記ホッパの外側にある、請求項1から5までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項7】
前記ホッパの前記下端部は、前記粉砕プレートに向かって狭まる先細部を含む、請求項1から6までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項8】
前記先細部に配置された少なくとも1つの粉砕部材をさらに含み、前記撹拌機の動きが、このような少なくとも1つの粉砕部材に対して有機性廃棄物を送り出す、請求項7記載のシステム。
【請求項9】
前記ホッパの内容物の重量を検知するための重量センサをさらに含む、請求項1から8までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項10】
前記ホッパの前記上端部に設けられた前記入口を選択的に遮断するための、電子ロック可能なホッパドアをさらに含む、請求項1から9までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項11】
有機性廃棄物管理システムであって、
制御装置と、
液状化システムと
を含み、
該液状化システムは、
ホッパであって、該ホッパの上端部に設けられた入口を通じて有機性廃棄物を受け入れるようになっており、前記ホッパは、該ホッパに加えられた有機性廃棄物が重力により前記ホッパの下端部に向かって付勢されるように、鉛直方向に向けられている、ホッパと、
前記ホッパの前記下端部に配置されていて、有機性廃棄物を粉砕しかつ液状化するための粉砕部材を含む、固定された粉砕プレートと、
前記ホッパ内に配置されていて、前記粉砕プレートに対して、有機性廃棄物を前記粉砕プレートに向かって下方に移動させる第1の回転方向と、有機性廃棄物を前記ホッパの前記上端部に向かって上方に移動させる第2の回転方向とに可動の撹拌機と、
前記制御装置の制御下で、前記撹拌機を、前記第1の回転方向と前記第2の回転方向とに選択的に動かすように構成されたモータと、
液状化された有機性廃棄物を前記ホッパから排出する、前記ホッパの前記下端部に設けられた出口と
を含む、有機性廃棄物管理システム。
【請求項12】
前記ホッパは、鉛直方向に向けられているが、ただし鉛直方向軸線からはオフセットされており、これにより、前記粉砕プレートは、水平方向軸線からオフセットされており、前記粉砕プレートは、前記液状化された有機性廃棄物の排出を支援するために前記粉砕プレートの下面に設けられた排出孔を含む、請求項11記載のシステム。
【請求項13】
前記排出孔は、液状化されていない有機性廃棄物の排出を防ぐように寸法設定されている、請求項12記載のシステム。
【請求項14】
前記撹拌機はさらに、該撹拌機が前記第1の回転方向に動かされると、有機性廃棄物を粉砕するために前記有機性廃棄物を前記粉砕プレートに対して押し進めるように構成された下羽根を有するシャフトを含む、請求項11から13までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項15】
前記撹拌機はさらに、前記ホッパ内の前記有機性廃棄物の移動を支援するスクリュオーガを含む、請求項14記載のシステム。
【請求項16】
前記ホッパ内の有機性廃棄物からの、前記モータと、関連する軸受と、シールとの汚染を回避するために、前記モータは、前記ホッパの外側にある、請求項11から15までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項17】
前記ホッパの前記下端部は、前記粉砕プレートに向かって狭まる先細部を含む、請求項11から16までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項18】
さらに、前記先細部に配置された少なくとも1つの粉砕部材を含み、前記撹拌機の動きが、このような少なくとも1つの粉砕部材に対して有機性廃棄物を送り出す、請求項17記載のシステム。
【請求項19】
さらに、前記ホッパの内容物の重量を検知するために前記制御装置と通信する重量センサを含む、請求項11から18までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項20】
さらに、前記ホッパの前記上端部に設けられた前記入口を選択的に遮断するために、前記制御装置の制御下で電子ロック可能なホッパドアを含む、請求項11から19までのいずれか1項記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2021年8月13日に出願されたORGANIC WASTE MANAGEMENT SYSTEMと題する米国仮特許出願第63/232884号および2021年5月27日に出願されたORGANIC WASTE MANAGEMENT SYSTEMと題する米国仮特許出願第63/194007号の利益を主張し、これらはそれぞれ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本特許出願の主題は、2014年8月5日に出願された米国仮特許出願第62/033437号からの優先権を主張する2015年5月29日に出願されたPCT出願第PCT/US15/33212号の、371条に基づき2017年2月3日に出願されたOrganic Waste Digester Systemと題する米国特許出願第15/501595号(現在の米国特許第10563165号)の主題に関していてもよく、これらはそれぞれ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
発明の技術分野
本発明は概ね、有機性廃棄物管理システムに関する。
【0004】
発明の背景技術
我々の現代社会では、フードロスや食品廃棄物の問題が増えている。アメリカ人が毎年捨てる食品の量は驚くほどである。2014年だけで3800万トンを超える食品廃棄物が発生し、ごみ埋立地や焼却炉から転用されたのは5%だけであった。EPAは、ごみ埋立地や焼却炉に届く食品が、我々の日常のゴミのなかで、他のどの単独の素材よりも多く、捨てられた都市固形廃棄物の推定21.6%を占めることから、重量で最大の単独ごみ埋立地廃棄物源となっており、ごみ埋立地体積の推定21%であると推定している。
【0005】
フードロスおよび食品廃棄物は、環境に甚大な影響を及ぼす。例えば腐敗した食品は、二酸化炭素よりも25倍強力なメタンガスを温室効果ガス(GHG)として発生させる。さらに、3億バレルの油が捨てられる食品において浪費され、新鮮な水の21%が後で捨てられる食品の製造に使用され、米国で生産された食品全体の40%が廃棄され、5240万トンがごみ埋立地に送られ、メタン排出量の16%がごみ埋立地からのものであると推定されている。
【0006】
ごみ埋立地において商業源からの食品廃棄物を禁止する国および地方レベルでの政府の構想は、米国全体にわたり高まっている。EPAの10管区全てで、まず第1に廃棄食品の発生を防止すると共に、廃棄食品をごみ埋立地や焼却炉から転用する活動が増えている。
【0007】
様々な実施形態の概要
1つの実施形態では、有機性廃棄物管理システム用の液状化システムは、ホッパであって、ホッパの上端部に設けられた入口を通じて有機性廃棄物を受け入れるようになっており、ホッパは、ホッパに加えられた有機性廃棄物が重力によりホッパの下端部に向かって付勢されるように、鉛直方向に向けられている、ホッパと、ホッパの下端部に配置されていて、有機性廃棄物を粉砕しかつ液状化するための粉砕部材を含む、固定された粉砕プレートと、ホッパ内に配置されていて、粉砕プレートに対して、有機性廃棄物を粉砕プレートに向かって下方に移動させる第1の回転方向と、有機性廃棄物をホッパの上端部に向かって上方に移動させる第2の回転方向とに可動の撹拌機と、撹拌機を、第1の回転方向と第2の回転方向とに選択的に動かすように構成されたモータと、液状化された有機性廃棄物をホッパから排出する、ホッパの下端部に設けられた出口とを含む。
【0008】
別の実施形態では、有機性廃棄物管理システムは、制御装置と、液状化システムとを含み、液状化システムは、ホッパであって、ホッパの上端部に設けられた入口を通じて有機性廃棄物を受け入れるようになっており、ホッパは、ホッパに加えられた有機性廃棄物が重力によりホッパの下端部に向かって付勢されるように、鉛直方向に向けられている、ホッパと、ホッパの下端部に配置されていて、有機性廃棄物を粉砕しかつ液状化するための粉砕部材を含む、固定された粉砕プレートと、ホッパ内に配置されていて、粉砕プレートに対して、有機性廃棄物を粉砕プレートに向かって下方に移動させる第1の回転方向と、有機性廃棄物をホッパの上端部に向かって上方に移動させる第2の回転方向とに可動の撹拌機と、制御装置の制御下で、撹拌機を、第1の回転方向と第2の回転方向とに選択的に動かすように構成されたモータと、液状化された有機性廃棄物をホッパから排出する、ホッパの下端部に設けられた出口とを含む。
【0009】
様々な択一的な実施形態では、ホッパは、鉛直方向に向けられていてもよいが、ただし鉛直方向軸線からはオフセットされていてもよく、これにより、粉砕プレートは、水平方向軸線からオフセットされており、粉砕プレートは、液状化された有機性廃棄物の排出を支援するために粉砕プレートの下面に設けられた排出孔を含む。排出孔は、液状化されていない有機性廃棄物の排出を防ぐように寸法設定されていてもよい。撹拌機は、撹拌機が第1の回転方向に動かされると、有機性廃棄物を粉砕するために有機性廃棄物を粉砕プレートに対して押し進めるように構成された下羽根を有するシャフトを含んでいてもよい。撹拌機は追加的に、ホッパ内の有機性廃棄物の移動を支援するスクリュオーガを含んでいてもよい。ホッパ内の有機性廃棄物からの、モータと、関連する軸受と、シールとの汚染を回避するために、モータは、ホッパの外側にあってもよい。ホッパの下端部は、粉砕プレートに向かって狭まる先細部を含んでいてもよく、先細部には、少なくとも1つの粉砕部材が配置され得、これにより、撹拌機の動きが、少なくとも1つの粉砕部材に対して有機性廃棄物を送り出すようになっている。本システムは、ホッパの内容物の重量を検知するための重量センサを含んでいてもよい。本システムは、ホッパの上端部に設けられた入口を選択的に遮断するための、電子ロック可能なホッパドアを含んでいてもよい。
【0010】
追加的な実施形態が開示されかつ請求される場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
当業者であれば、以下にまとめた図面を参照して説明する以下の「例示的な実施形態の説明」から、本発明の様々な実施形態の利点をより完全に理解できるはずである。
【
図1】いくつかの例示的な実施形態による有機性廃棄物管理システムの重要な構成要素を示す概略図である。
【
図2】いくつかの例示的な実施形態による、自己完結型の有機性廃棄物管理システムの正面図である。
【
図3】
図2に示した自己完結型の有機性廃棄物管理システムを左側から見た斜視図である。
【
図4】
図2に示した自己完結型の有機性廃棄物管理システムを右側から見た斜視図である。
【
図5】いくつかの例示的な実施形態による液状化システムの正面を示す概略図である。
【
図6】
図5に示した液状化システムをシステムの左側から見た側面図である。
【
図7】
図5に示した液状化システムの上部の詳細を示す、左側から見た斜視図である。
【
図8】
図5に示した液状化システムの上部の詳細を示す右側面図である。
【
図9】いくつかの例示的な実施形態による液状化システムの重要な内部構成要素の側面を示す概略図である。
【
図10】いくつかの例示的な実施形態による、固定された粉砕プレートの上側および近くの構成要素を詳細に示す概略斜視図である。
【
図11】いくつかの例示的な実施形態による、固定された粉砕プレートの下側および近くの構成要素を詳細に示す概略斜視図である。
【
図12】いくつかの例示的な実施形態による、液状化システムの出口に直接取り付けられたポンプ(例えばホースポンプまたは別の適切なポンプ形式)を示す概略図である。
【
図13】
図12に示したポンプを詳細に示す概略斜視図である。
【
図14】いくつかの例示的な実施形態による、ボイラシステムの正面を示す概略図である。
【
図15】
図14に示したボイラシステムの側面を示す概略図である。
【
図16】ボイラコンテナ、モータおよび排気口を含む、
図15に示したボイラシステムの上部の詳細を示す図である。
【
図17】いくつかの例示的な実施形態による、ボイラシステムの重要な内部構成要素を示す概略図である。
【
図18】いくつかの例示的な実施形態による乾燥機システムを示す概略斜視図である。
【
図19】
図18に示した乾燥機システムの重要な構成要素の上側を示す概略図である。
【
図20】
図19に示した乾燥機システムを、乾燥機ユニットハウジングおよびファンを取り外して示す概略図である。
【
図21】
図19に示した乾燥機システムを、内部ピストンが依然として後退位置にある開放構成において示す概略図である。
【
図22A】
図19および
図20に示した乾燥機システムを、乾燥機ユニットハウジングおよび周囲の構成要素を取り外して示す概略図である。
【
図23】乾燥システムを完全閉鎖構成において示す概略図である。
【
図24】
図23に示した位置から完全に開放された位置へ移動させられた内部ピストンスリーブ(ひいては乾燥ユニット)を示す概略図である。
【
図25】
図24に示した位置から、実質的に内部ピストンスリーブ全体を貫通して伸びるように完全に移動させられた内部ピストンを示す概略図である。
【
図26】
図25に示した位置から完全閉鎖位置へ移動させられた内部ピストンスリーブを示す概略図である。
【
図27】内部ピストンスリーブが
図24および
図25に示した位置にあるときの、内部ピストンスリーブ、外部ピストンおよびワイパの詳細を示す概略図である。
【
図28】例えば、内部ピストンスリーブの端部から延びる如何なる乾燥した素材も破断し、かつ2つのピストンの表面から如何なる残留素材も掻き取るための作動位置にあるワイパを示す概略図である。
【
図29】1つの択一的な有機性廃棄物管理システムのハウジングの正面図である。
【
図30】
図29に示したハウジングの正面、左側および上側を示す左斜視図である。
【
図32】液状化システムの容器部分を露出させるようにホッパドアが開けられた、
図29に示したハウジングの正面図である。
【
図33】
図29に示したホッパおよびユーザインタフェース/制御装置の拡大図である。
【
図34】ホッパドアが開いた状態の、1つの択一的な液状化システムの正面図である。
【
図35】
図34に示した択一的な液状化システムの右斜視図である。
【
図36】
図34に示した択一的な液状化システムの平面図である。
【
図37】
図34に示した択一的な液状化システムの右側面図である。
【
図38A】液状化システムの下部と2つのポンプとを示すためにドアおよびパネルが取り外された択一的な液状化システムの正面図である。
【
図40】
図34に示した択一的な液状化システムの上部破断図である。
【
図41A】
図34に示した択一的な液状化システムの底部を示す第1の詳細図である。
【
図41B】
図34に示した択一的な液状化システムの底部を示す第2の詳細図である。
【
図42】
図34に示した択一的な液状化システムの外側の底部の斜視図である。
【
図43】
図34に示した択一的な液状化システムの外側の底部の一部を示す詳細図である。
【
図44】最終生成物が導管を介して圧送される外部容器に接続された択一的な液状化システムを概略的に示す図である。
【
図45】
図44に示したクイック接続機構を示す概略図である。
【0012】
なお、ここで述べておくと、上述の図面および図示の要素は、必ずしも一貫した縮尺または任意の縮尺で描かれているわけではない。また、文脈から他のことが示唆されない限り、同じ要素は同じ数字で表される。図面は、主に例示目的のためのものであり、本明細書に記載した本発明の主題の範囲を限定することを意図したものではない。
【発明を実施するための形態】
【0013】
例示的な実施形態の説明
序論
例示的な実施形態は、例えば食品廃棄物(例えば生や調理済の魚、肉および鶏肉、小骨、卵および卵殻、果物、野菜、乳製品および穀物製品)、農業廃棄物等の有機性廃棄物およびその他の有機性廃棄物をリサイクルし得る様々な有機性廃棄物管理システムおよびプロセスを含む。第1の段階において、有機性廃棄物は分解されかつ液状化される。この液状化プロセスは、例えば微生物および/または他の添加物および/または熱の添加により、増強または加速され得る。第2の段階において、液状化された廃棄物は脱水される。本システムは、任意には、脱水された廃棄物が乾燥される第3の段階を含む。とりわけ、限定はしないが、このような有機性廃棄物管理システムは、堆肥または堆肥化可能な材料の製造、肥料材料の製造、動物飼料材料の製造、(例えば燃焼可能な)燃料材料の製造、ごみ埋立地材料の質量または体積の低減、(例えば微生物を殺すことによる)使い捨て材料の安全性の向上、および/または水もしくは他の材料(例えば油/グリース)の回収またはリサイクルに使用され得る。
【0014】
ハイレベルブロック図および説明
図1は、いくつかの例示的な実施形態による有機性廃棄物管理システム100の重要な構成要素を示す概略図である。とりわけ有機性廃棄物管理システム100は、有機性廃棄物101を液状化して液状化された有機性廃棄物の生成物103を生成する液状化システム102を含む。液状化システム102に添加された有機性廃棄物の内容物は、例えば限定はしないが、ユーザによる内容物情報の手動入力を介して、内容物情報を識別してシステムに送ることができる「スマート」回収コンテナを用いて、特定のシステムの位置(例えば農産物部門、食肉部門、海産物部門)に関する既知の情報を用いて、内容物を装入している個人の識別を用いて(例えば人員Xは農産物部門で働いていることが既知であるため、システムは内容物が農産物であるということを推測することができる)、カメラ認識手段またはその他の機構を用いて追跡され得る。とりわけ液状化された有機性廃棄物103は、システムの内部および/または外部の1つ以上の回収容器116内に集められるか、(脱水システム108と呼ばれることもある)ボイラシステム108に供給される、または(例えば結果的に生じた、液状化された有機性廃棄物の生成物107の煮沸/濃縮の前に、液状化された有機性廃棄物103から水および/または油を除去するために)1つまたは複数の任意のボイラ前処理装置106に供給されてもよい。ボイラシステム108は、熱を使用して、液状化された有機性廃棄物の生成物103/107の湿分含有量を減らし、これにより、濃縮された有機性廃棄物の生成物109を生成する。ボイラシステム108の熱は、好適には、液状化された有機性廃棄物の生成物103/107中の一部または全ての病原体を死滅させるのに十分である。
【0015】
とりわけ濃縮された有機性廃棄物の生成物109は、システムの内部および/または外部の1つ以上の容器116内に集められるか、任意の乾燥機システム112に供給される、または(例えば結果的に生じた、濃縮された有機性廃棄物の生成物111の回収または乾燥の前に、濃縮された有機性廃棄物の生成物109から水および/または油を除去するために)1つ以上の任意のボイラ後処理装置110に供給されてもよい。ボイラシステム108からの余剰熱は、例えばシステムの別の部分で使用するために(例えば熱を液状化システム102または任意の乾燥機システム114に供給するために)、またはその他の用途のために回収され得る。水は、例えばシステムの別の部分で使用するために(例えば任意には液状化システム102に水を加えるために)、またはその他の用途のために、煮沸プロセス中に生成される蒸気から回収され得る。
【0016】
任意の乾燥機システム112は、濃縮された有機性廃棄物の生成物109/111を乾燥させる様々な乾燥技術のうちのいずれかを使用して、乾燥された有機性廃棄物の生成物114を生成することができ、この生成物114は、システムの内部および/または外部の1つ以上の容器116内に集められてもよい。以下に、濃縮された有機性廃棄物の生成物109/111を乾燥させるためにマイクロ波を使用する乾燥機システム112に関して、例示的な実施形態を説明する。例えば乾燥機の排気から水をろ過しかつ/または回収するために、1つ以上の乾燥機後処理装置115が含まれていてもよい。様々な構成要素と通信する(本明細書では総称的に「制御装置」と呼ばれることがある)制御システム117が、廃棄物管理プロセスおよびシステムの構成要素の操作を制御し、システムに対して(例えばインタネットまたは他の通信システムを介した)ユーザインタフェースおよび任意の通信能力を提供する。以下に、これらの構成要素をそれぞれ詳細に説明する。
【0017】
システムのいずれの段階においても、素材を1つの段階から次の段階へ移動させるポンプが設けられていてもよいということに留意されたい。例えばポンプは、液状化された有機性廃棄物の生成物103を、ボイラシステム108または1つ以上の任意のボイラ前処理装置106に移動させるために使用され得、かつポンプは、濃縮された有機性廃棄物の生成物109を、任意の乾燥機システム112、1つ以上の任意のボイラ後処理装置110、または1つ以上の回収容器116に移動させるために使用され得る。
【0018】
単なる参照の枠として、
図2、
図3および
図4は、いくつかの例示的な実施形態による自己完結型の有機性廃棄物管理システム100の「形成要素」を示す概略図である。特に
図2は、有機性廃棄物管理システム100のハウジング200の正面図であり、有機性廃棄物がシステムに供給されるホッパドア208、システムを操作するユーザインタフェースおよび制御装置204、ならびに内部構成要素にアクセスすることができるフロントアクセスドア206および様々なアクセスパネル202,210を含む重要な構成要素を示している。
図3は、
図1に示したハウジングの正面と左側と上側とを示す左斜視図である。
図4は、サイドアクセスパネル212を含む、
図1に示したハウジングの正面と右側と上側とを示す右斜視図である。
【0019】
図29~
図33は、1つの択一的な自己完結型の有機性廃棄物管理システム100の「形成要素」を示す概略図である。特に
図29は、択一的な有機性廃棄物管理システム100のハウジング200の正面図であり、ホッパドア208、ユーザインタフェースおよび制御装置204、フロントアクセスドア206およびアクセスパネル210を含む重要な構成要素を示している。
図30は、
図29に示したハウジング200の正面、左側および上側を示す左斜視図である。
図31は、
図29に示したハウジング200の左側面図である。
図32は、液状化システム102の容器部分を露出させるようにホッパドア208が開けられた、
図29に示したハウジング200の正面図である。
図33は、ホッパ208およびユーザインタフェース/制御装置204の拡大図である。本発明の実施形態は、図示のハウジングまたはハウジングの任意の特定のサイズ、形状または構成に、またはこれらにより限定はされないこと(および択一的な実施形態は、一体のハウジングを省くことができ、代わりに本明細書に記載の形式の相互接続された複数の別個の構成要素を有していてもよいこと)に留意することが重要である。
【0020】
本発明の実施形態は、図示のハウジングまたはハウジングの任意の特定のサイズ、形状または構成に、またはこれらにより限定はされないこと、および択一的な実施形態は、一体のハウジングを省くことができ、代わりに本明細書に記載の形式の相互接続された複数の別個の構成要素を有していてもよいことに留意することが重要である。したがって、システム100の様々な構成要素は、(例えば共通のハウジング内の)統合型の実施形態と、(例えば異なる構成要素が異なる場所に配置されており、素材がポンプまたは他の適切な機構を用いて1つの構成要素から次の構成要素に移動させられ、このことは、ある場所から別の場所への素材の搬送を含み得る)分散型の実施形態の両方において様々な組合せで使用され得るモジュール式の構成要素であると見なされてもよい。例えば限定なしに、ある実施形態は、回収または他の処理用に液状化された有機性廃棄物の生成物103を生成するような液状化システム102だけを含んでいてもよく、別の実施態様は、回収または他の処理用に濃縮された有機性廃棄物の生成物109を生成するような液状化システム102およびボイラシステム108を含んでいてもよいが、乾燥機システム112は含まなくてもよく、さらに別の実施形態は、液状化システム102、ボイラシステム108および乾燥機システム112の3つ全てを含んでいてもよく、さらに別の実施形態は、液状化システム102および乾燥機システム112を含んでいてもよいが、ボイラシステム108は含まなくてもよく(例えば液状化システム102からの流出物が、濃縮する必要なしに乾燥に適している場合)、さらに別の実施形態は、ボイラシステム108を1つ以上の他の形式のシステムと組み合わせて使用してもよく、さらに別の実施形態は、乾燥機システム112を1つ以上の他の形式のシステムと組み合わせて使用してもよい。したがって発明者らは、液状化システム102、ボイラシステム108および乾燥機システム112のそれぞれを別個の実施形態であると考え、これらの実施形態は、様々な組合せでかつ/または本明細書で説明する他の構成要素(例えば水分離器、油分離器、水リサイクル手段等)を備えて実施されてもよい。
【0021】
液状化システム
次に、
図5~
図12および
図34~
図43を参照して、いくつかの例示的な液状化システムの実施形態を説明する。
【0022】
図5は、いくつかの例示的な実施形態による液状化システム102の正面を示す概略図である。とりわけ液状化システム102は、ホッパドア208と連通しておりかつホッパ基部506により支持されたホッパ504と、(後述する)様々な内部構成要素を操作するためのモータ502と、液状化された有機性廃棄物がホッパから流出する出口508とを含む。以下でより詳細に説明するように、ホッパ504は、ホッパ504の上端部に設けられた入口を通じて有機性廃棄物を受け入れると共に、ホッパは、ホッパ504に加えられた有機性廃棄物が重力によりホッパ504の下端部に固定された粉砕プレート518に向かって付勢されるように、鉛直方向に向けられている。
図6は、
図5に示した液状化システムをシステムの左側から見た側面図であり、ホッパドア208と連通しておりかつホッパ基部506により支持されたホッパ504と、モータ502と、出口508とを含む。
図7は、
図5に示した液状化システムの上部の詳細を示す左斜視図であり、ホッパドア208と、ホッパ504と、モータ502と、ホッパドア208のロックおよびロック解除ならびにホッパドア208の開放または閉鎖の検出に使用され得るホッパドアラッチ510とを含む。
図8は、
図5に示した液状化システムの上部の詳細を示す右側面図であり、ホッパドア208と、ホッパ504と、モータ502とを含む。
【0023】
図9は、いくつかの例示的な実施形態による液状化システム102の重要な内部構成要素の側面を示す概略図である。とりわけ液状化システム102は、固定された粉砕プレート518に対してモータ502により回転させられるシャフト512を含む。シャフト512は、ホッパ504内の内容物の移動および混合を支援する(このことは、モータが一方の方向に回転して内容物を下方に押し下げ、そこで内容物が粉砕されて次の処理ステップへ圧送されることおよび/またはモータが他方の方向に回転して内容物を上方に持ち上げ、これにより、上部における食品廃棄物がタンクの厳選された生態に富む素材により覆われるかまたはこの素材と混合されることを含んでいてもよい)スクリュオーガ514と、やはりホッパ504の内容物の移動および混合を支援しかつ内容物を粉砕して液状化する固定された粉砕プレート518に対して内容物を押し進める下羽根516とを含む。便宜上、スクリュオーガ514および下羽根516を備えたシャフト512は、本明細書では「撹拌機」と呼ばれる。撹拌機は、スクリュオーガ514および/または下羽根516を有していることに限定されるのではなく、代わりに、本明細書で説明する撹拌機により行われる動作と同じまたは類似の動作を実施する追加的および/または択一的な構成要素を含み得る、ということに留意されたい。下羽根516と固定された粉砕プレート518との間の相互作用は、タンク出口孔522を横切り払拭する力を使用して目詰まりを効果的に除去し、後続のプロセスで使用される素材を、出口508を介して押し出す。シャフト512は、固定された粉砕プレート518にシャフト軸受524により回転可能に結合されている。
図39~
図42に示すように、ホッパ504の下部は、好適にはホッパ504の底部において、固定された粉砕プレート518に向かって狭まる(例えば円錐形の)先細部分532を含み、先細部分532はとりわけ、内容物を混合するために必要とされる力を低減させると共に、構成部材の目詰まりを減らすことができる。粉砕部材は、円錐形部分(例えば交換可能な粉砕部材526)に含まれていてもよく、これにより、粉砕性能を高め、例えば、骨、繊維材料、果物の皮および殻、堆肥化可能なカトラリー、堆肥化可能なパッケージ、種子等の物体、および従来は破壊することが困難なその他の物品の粉砕を可能にし、これにより、生物学的相互作用のためのより大きな表面積を生ぜしめることができると共に、粒子をより小さなサイズに、例えば肥料用に許容可能なサイズに破壊することができる。
【0024】
図10は、いくつかの例示的な実施形態による、固定された粉砕プレート518の上側および近くの構成要素を詳細に示す概略斜視図である。とりわけ、固定された粉砕プレート518の上側は、列状の粉砕部材および隆起したブレードを含む様々な粉砕部材520を有している。固定された粉砕プレート518は、プレート518の下側の出口508(この図には図示せず)に通じる一組の排出孔522も有している。とりわけ排出孔522は、液状化された(すなわち十分に小さい)内容物のみが出口508に向かって通過することを可能にするためろ過器として働く。固定された粉砕プレート518に設けられた孔および隆起部の形状は、所望の粒径の押出し量を増大させる一方で、目詰まりを回避する。上述のように、下羽根516と固定された粉砕プレート518との間の相互作用は、タンク出口孔522を横切り払拭する力を使用して目詰まりを効果的に除去し、後続のプロセスで使用される素材を、出口508を介して押し出す。
【0025】
図11は、いくつかの例示的な実施形態による、固定された粉砕プレート518の下側および近くの構成要素を詳細に示す概略斜視図である。
【0026】
図34~
図43は、
図29~
図33に示す択一的な自己完結型の有機性廃棄物管理システム100用の1つの択一的な液状化システム102の詳細を示す概略図である。具体的には、
図34は、ホッパ504への入口とホッパドアラッチ528とを露出させるようにホッパドア208が開けられた、択一的な液状化システム102の正面図である。
図35は、
図34に示した択一的な液状化システム102の右斜視図であり、ホッパ取付けブラケット534を示す。
図36は、
図34に示した択一的な液状化システム102の平面図である。
図37は、
図34に示した択一的な液状化システム102の右側面図であり、鉛直方向軸線からのオフセットを示すと共に、制御装置117によりホッパ504の内容物の重量を監視するためのホッパ計量装置536も示している。
図38Aは、液状化システム102の下部と、液状化システム102からの流出物をボイラシステム108に圧送するために使用されるポンプ1200と、
図44に示すような外部容器に最終生成物を圧送するポンプ1202とを示すためにドア206およびパネル210が取り外された択一的な液状化システム102を示す正面図である。
図38Bは、
図38Aに示したポンプ1200の詳細図である。
図39は、
図34に示した択一的な液状化システム102の右側破断図であり、ホッパの底部における(例えば円錐形の)先細部分を示し、先細部分はとりわけ、内容物を混合するために必要とされる力を低減させると共に、構成部材の目詰まりを減らすことができる。また、骨、繊維材料、果物の皮および殻、堆肥化可能なカトラリー、堆肥化可能なパッケージ、種子等の物体、および従来は破壊することが困難なその他の物品の粉砕を可能にする、ホッパ504の円錐形部分に設けられた交換可能な粉砕部材526も示されており、これにより、粉砕性能を高め、例えば、これにより、生物学的相互作用のためのより大きな表面積を生ぜしめることができると共に、粒子をより小さなサイズに、例えば肥料用に許容可能なサイズに破壊することができる。
図40は、
図34に示した択一的な液状化システム102の平面破断図である。
図41Aおよび
図41Bは、
図34に示した択一的な液状化システム102の底部を示す詳細図である。
図42は、
図34に示した択一的な液状化システム102の外側の底部の斜視図である。
図43は、
図34に示した択一的な液状化システム102の外側の底部の一部を示す詳細図である。
【0027】
これらの例示的な実施形態では、液状化システム102の構成要素は、概ね鉛直方向に配置されているが、(
図6および
図9および
図37に示すように)鉛直方向軸線からオフセットされて配置されているため、固定された粉砕ホイール518は、固定された粉砕プレート518の下面に設けられた出口508を含む水平方向軸線に対して所定の角度で方向付けられており、これにより、液状化された有機性廃棄物の排出を支援する、ということに留意されたい。とりわけ鉛直方向の向きは、例えば重力支援された内容物の沈降および排出により、混合および排出を補助し、底部粉砕は、より広範な有機性廃棄物(例えばより大きな骨や核果類)を可能にすると共に、追加の有機性廃棄物を実質的に基本的に継続して液状化システム102に添加することができる連続供給能力を提供することを補助する。
【0028】
また、これらの例示的な実施形態では、モータ502は、液状化システムアセンブリ102の上部かつホッパ504の外側に配置されており、これにより、モータ502および関連する軸受およびシール等の構成要素が、ホッパ504の内容物による汚染を回避するようになっており、かつ必要に応じて構成要素の保守も支援するようになっていることにも留意されたい。
【0029】
また、これらの例示的な実施形態では、水は概ね、液状化システム102に添加されていない、ということに留意されたい。それというのも、スクリュオーガ514、羽根516および固定された粉砕プレート518は、水を添加することなしに食品廃棄物等の有機性廃棄物を十分に液状化または粉末化すると想定されているからである。とりわけ、水を添加しない運転は、より少ない水の使用量と、水の分離、脱水、および/または乾燥用等のより少ない所要エネルギ消費量との両方において、より環境に優しいと見なすことができる。ただし択一的な実施形態では、システムは任意には、例えば顧客の水源に接続するため、またはシステムの他の部分からリサイクルまたは回収された(例えばボイラシステム108の排気、ボイラ前水分離またはボイラ後水分離等から凝縮された)水を受け入れるための、液状化システム102用の水入口を含み得る。とりわけ添加された水は、液状化システム102を運転する前に追加的な有機性廃棄物が追加されるのを待つために、素材が液状化システム102内でより長く保持されることを可能にすることができた。
【0030】
また、これらの例示的な実施形態では、液状化システム102は、例えば制御装置117の制御下で、ホッパ504の内容物を加熱するために使用され得るヒータ530(例えば電気毛布および断熱材)を含みうる、ということにも留意されたい。追加的または択一的に、システムは、液状化システム102用の他の熱源(例えばシステムの他の部分からリサイクルされた熱、例えばボイラシステム108または任意の乾燥機システム112からの排気、HVACシステム等の顧客システムにより供給される廃熱等)を利用することができる。とりわけ、添加された熱は、例えば有機性廃棄物の熱分解および/または微生物活動の増加に基づき、有機性廃棄物を、より速くまたは効率的に液状化させることを可能にすることができた。ただし択一的な実施形態では、システム100は、液状化システム102用のヒータを除外することができる、またはいくつかの条件下では、例えばスクリュオーガ514、羽根516および固定された粉砕プレート518が熱の添加なしで食品廃棄物等の有機性廃棄物を十分に液状化または粉末化することが想定されている場合、または液状化システム102の内容物が例えば微生物活動から熱を発生する場合には、熱の添加なしで液状化システム102を運転することができる。とりわけヒータの除外により、システムを簡素化することができると共に、(特に電気ヒータからの)熱を加えない運転は、より少ない所要エネルギ消費量により、より環境に優しいと見なすことができる。
【0031】
また、様々な添加剤または処理剤(例えば生物または微生物添加剤または他の処理剤)のうちのいずれかをホッパ504に添加し、これにより、液状化された有機性廃棄物の生成物103の処理速度を向上させるかまたは品質を改良することができる、ということに留意されたい。このような素材は、例えばホッパドア208を通じて手動で、または1つ以上の入口を介して自動でホッパ504に加えられてもよく、例えば制御装置117の制御下でホッパ504内に圧送され得る。
【0032】
液状化システム102は一般に、例えばホッパ504の内容物の重量を検知するため、ホッパ504の内容物の温度を検知するため、かつ(例えばシャフト512が特定の方向に回転することを妨害する)詰まり状態を検知するための様々なセンサを含む。例えば、ホッパ504の内容物の重量が所定の最大(または基準)容量を超過すると、ホッパドア208はロックされ得、温度は、例えば混合速度および/または混合方向を制御することにより、または1つ以上の熱源(例えば加熱部材または毛布)を制御することにより制御され得(例えば上昇または低下させることができ)、モータ502は、シャフト512の詰まり解消を試みるために逆回転または回転させられてもよい。もちろん、センサは他の方法で使用され得ると共に、例えばプロセスパラメータを制御する他の形式のセンサが含まれてもよく、これにより、液状化された有機性廃棄物103を改良する、または(一般に内容物の重量および組成に少なくとも部分的に基づく)内容物の分解に必要とされる合計時間を短縮する。複数の実施形態が、他のプロセス向上手段、例えば、臭気低減または圧力軽減用の排気手段(例えば生物学的プロセスがホッパ504内で圧力の上昇を発生させる場合)、湿分または油低減用の分離器、(例えば内容物の粘稠度を制御するために水を含み得る)生物添加剤または他の添加剤の自動調量手段等を含み得る。
【0033】
適切な時期に、液状化された有機性廃棄物の生成物103は、液状化システム102から次の段階のプロセス(例えばボイラシステム108、または択一的には1つ以上のボイラ前処理装置106または1つ以上の回収容器116)に供給される。いくつかの例示的な実施形態では、液状化された有機性廃棄物の生成物103は、液状化システム102の出口508から、次の段階における入口に直接にまたは間接的に圧送される(例えば、ポンプが出口に直接連結されていてもよく、または液状化された有機性廃棄物の生成物103が一時保管装置内に保持され、そこから圧送されてもよい)が、ただし液状化された有機性廃棄物の生成物103は、他の方法で、例えばポンプではなく重力により送られてもよい。
図12は、いくつかの例示的な実施形態による、液状化システム102の出口に直接取り付けられたポンプ1200(例えばホースポンプまたは別の適切なポンプ形式)を示す概略図である。
図13は、
図12に示したポンプ1200を詳細に示す概略斜視図である。ハウジングまたは他の導管が取り付けられる適切な取付け具は、液状化システム102の出口508および/または次の段階の入口に設けられていてもよい。液状化システム102は、適切な量の液状化された有機性廃棄物の生成物103が利用可能なときを決定し、制御システム117に信号を送信し、次いで制御システム117がポンプ1200を作動させることができるようにするためのセンサまたは他の機構を含み得る。任意には、ポンプ1200が、適切な量の液状化された有機性廃棄物の生成物103が利用可能なときを決定して、液状化された有機性廃棄物の生成物103の圧送を作動させる、または制御システム117に信号を送信し、次いで制御システム117がポンプ1200を作動させることができるようにしてもよい。
【0034】
任意のボイラ前処理装置
システムは、液状化された有機性廃棄物の生成物103をボイラシステム108へ導入する前に処理するための任意の様々な形式のボイラ前処理装置106、例えば限定なしに、液状化された有機性廃棄物の生成物103から水を除去する水分離処理装置および/または液状化された有機性廃棄物の生成物103から油(例えばグリースまたは他の油)を除去する油分離処理装置等を含み得る。とりわけこのようなボイラ前処理装置106は、ボイラシステム108により処理されるべき素材の重量または体積を減じることができ、このこともまた、ボイラシステム108により必要とされるエネルギの量および/またはボイラシステム108用に必要とされる処理時間の量を減じることができる。回収された水は、例えば液状化システム102内で使用され得る水源としてシステム100内で使用するためにリサイクルされ得る、または例えば別個の肥料として使用するため、またはリサイクルするために回収され得る、または廃棄され得る、または他の方法で使用され得る。回収された油は、ボイラシステム108内へ導入される脱水された生成物の品質を向上させることができ、例えば燃料源として使用するための油源を提供することもできてもよく、単にリサイクルまたは廃棄されてもよい。
【0035】
任意のボイラシステム
液状化およびいずれかの任意のボイラ前処理の後に結果として生じた素材は、任意のボイラシステム108に提供され得、そこで、内容物が所定の含水レベルに達するまで脱水される。概して、ボイラシステム108の目的は、材料を燃焼させることなく材料から水を除去することにある。ボイラシステム108は、例えばガス、電気、太陽光等の様々な熱源のいずれかを使用することができる。
【0036】
図14および
図15は、いくつかの例示的な実施形態による、ボイラシステム108の正面図および側面図をそれぞれ示す概略図である。とりわけボイラシステム108は、脱水されるべき素材を保持するためにボイラ基部1412により支持されたボイラコンテナ1408と、ボイラコンテナ1408の一部を取り囲んで熱を供給する複数のバンドヒータ1410と、脱水されるべき素材を受け入れるための側方入口1416と、濃縮された有機性廃棄物の生成物109がボイラシステム108から流出する底部出口1414と、(以下で説明する)様々な内部構成要素を運転するためのモータ1404と、例えば脱水プロセス中に生成された蒸気を通すための様々な排気口1402,1406を含む。
図16は、ボイラコンテナ1408、モータ1404および排気口1402,1406を含む、
図5に示したボイラシステムの上部の詳細を示す。
【0037】
図17は、いくつかの例示的な実施形態による、ボイラシステム108の重要な内部構成要素を示す概略図である。とりわけボイラシステム108は、固定されたベースプレート1424に対してモータ1404により回転させられるシャフト1418を含む。シャフト1418は、脱水プロセス中にボイラコンテナ1408内の内容物の移動および混合を支援する複数の(本例では3つの)混合へらまたは混合部材1420を含む。本例では、各混合部材1420は、ボイラコンテナ1408の内面に対する素材の付着防止を補助するサイドスクレーパ1422を含み、下部混合部材1420は追加的に、固定されたベースプレート1424の上面に対する素材の付着防止を補助すると共に、濃縮された有機性廃棄物の生成物109を出口1414に向かって方向付けることも補助するボトムスクレーパ1426も含む。したがって、加熱されたコンテナ1408の壁は、内部ワイパシステムを介してセルフクリーニングされるようになっており、これにより、生成物は均一に加熱され得、例えば病原体を死滅させ、かつ湿分含有量を減じることができ、これにより、素材をボイラシステム108またはその他の場所に安全に保管することができる。ボイラシステム108は、蒸気の通気を可能にする1つ以上の排気口1402,1406を含むと共に、システムは、排気ファン、排気ダクトおよび他の排気構成要素を含んでいてもよい。ボイラシステム108は一般に、(例えば蒸発による)重量減少および処理量を監視するために容器1408の内容物の重量および温度を検知するといった、様々なセンサを含む。
【0038】
任意のボイラ後処理装置
システムは、濃縮された有機性廃棄物の生成物109を任意の乾燥機システム112へ導入する前または1つ以上の回収容器内に回収する前に処理するための任意の様々な形式のボイラ後処理装置110、例えば、濃縮された有機性廃棄物の生成物109から水を除去する水分離処理装置および/または濃縮された有機性廃棄物の生成物109から油(例えばグリースまたは他の油)を除去する油分離処理装置等を含み得る。とりわけこのようなボイラ後処理装置は、乾燥または回収されるべき素材の重量または体積を減じることができ、このこともまた、任意の乾燥機システム112により必要とされるエネルギの量および/または任意の乾燥機システム112用に必要とされる処理時間の量を減じることができる。回収された水は、例えば液状化システム102内で使用され得る水源としてシステム100内で使用するためにリサイクルされ得る、または例えば別個の肥料として使用するため、またはリサイクルするために回収され得る、または廃棄され得る、または他の方法で使用され得る。回収された油は、任意の乾燥機システム112内へ回収または導入される前に脱水された生成物の品質を向上させることができ、例えば燃料源として使用するための油源を提供することもできる、またはリサイクルされる、または廃棄される。ボイラシステム108からの排気は、水を回収するためにろ過されかつ/または濃縮されてもよく、水は、例えば液状化システム102内で使用され得る水源として、システム100内で使用するためにリサイクルされ得る。ボイラシステム108またはボイラシステムの排気からの余剰熱は、例えば液状化システム102または任意の乾燥機システム112用の熱源として使用され得る。
【0039】
任意の乾燥機サブシステム
図18は、いくつかの例示的な実施形態による乾燥機システム112を示す概略斜視図である。とりわけ乾燥機システム112は、様々な外部構成要素、例えば乾燥機ユニットハウジング1802と、便宜上、左ファン1804および右ファン1806と称される一対の換気ファンとを有する乾燥機ユニット1801を含む。乾燥機システム112は、便宜上、外部ピストン1812および内部ピストン1816と称される2つのピストンも含む。内部ピストン1816は、内部ピストンスリーブ1814内で可動であり、内部ピストンスリーブ1814は、乾燥機ユニット1801の一部であり、乾燥室として働く。内部ピストン1816の動きは、内部ピストンアクチュエータ1818(この図では隠れている)により制御される。この例示的な実施形態では、内部ピストンスリーブ1814を含む乾燥機ユニット1801は、内部ピストン1816および外部ピストン1812の両方に対して相対的に可動であり、外部ピストン1812は、(様々な択一的な実施形態において可動であってもよいが、)この例示的な実施形態では定置であり、閉鎖構成の場合に内部ピストンスリーブ1814の開放端部と嵌合するように構成されている。乾燥機ユニット1801の動きは、この図では隠れているが以下に説明する他の図に示す乾燥機ユニットアクチュエータ1822により制御される。限定はしないが、アクチュエータ1818,1822は、電子的に、液圧式に、空圧式に、またはその他の機構により操作され得る。内部ピストン1816と乾燥機ユニット1801とは、(乾燥室として働く)内部ピストンスリーブ1814内に素材を注入し、外部ピストン1812により乾燥室を閉鎖し、乾燥室内の素材を乾燥し(これは、この例示的な実施形態ではマイクロ波加熱を使用するが、様々な択一的な実施形態において他の乾燥形式が使用されてもよい)、乾燥した材料を乾燥室から排出することを含む乾燥プロセス中に、互いに相対的にかつ外部ピストン1812に対して相対的に動かされる。この例示的な実施形態では、乾燥されるべき素材は、内部ピストン1816を介して乾燥室内に導入される。乾燥プロセス中、空気も内部ピストン1816を介して乾燥室内に導入され得る一方で、蒸気は外部ピストン1812の排気出口を介して排出される。乾燥機システム112は、乾燥室から排出された乾燥した素材を破断して2つのピストン1812,1816の表面をクリーニングするワイパ1808も含む。
【0040】
図18は、例えば素材が乾燥室内に導入された後または素材の乾燥中に内部ピストン1816が後退させられた閉鎖構成の乾燥機システム112を示す。
図19は、
図18に示した乾燥機システム112の重要な構成要素の上側を示す概略図である。
図20は、左右のファン1804,1806により換気される乾燥機ユニットハウジング1802の上部に収容された2つのマイクロ波ユニット1824(ただし、複数の実施形態が任意の数のマイクロ波ユニットを含み得る)を示すために乾燥機ユニットハウジング1802とファン1804,1806とが取り外された、
図19に示した乾燥機システム112を示す概略図であり、各マイクロ波ユニット1824は一般に、高圧変換器と、付随するマグネトロン管と、内部ピストンスリーブ1814を介してマイクロ波エネルギを乾燥室内へ案内する導波管とを含む。
【0041】
内部ピストンスリーブ1814は、マイクロ波エネルギが乾燥室内の素材まで通過することを可能にし、かつ好適にはマイクロ波エネルギと反応しない、例えば特定のプラスチック、例えばTEFLON(商標)、特定のセラミック、特定の種類のガラス等の、任意の様々な素材から形成され得る。追加的または択一的に、乾燥機ユニット1801は、マイクロ波エネルギが他の方法で、例えば内部ピストンスリーブ1814に設けられた窓または開口を介して乾燥室内の素材に到達することを可能にするように構成され得る。
【0042】
図21は、
図19に示した乾燥機システム112を開放構成で示す概略図であり、内部ピストン1816は、例えば乾燥した素材を乾燥室から排出する(これは、ここでは内部ピストン1816が内部ピストンスリーブ1814内で、内部ピストンスリーブ1814を通り完全に展開されるまで、内部ピストン1816を作動させて
図21の左から右へ内部ピストンスリーブ1814を通して移動させることにより達成されることになる)準備中は依然として後退位置にある。
【0043】
図22Aは、内部ピストン1816と、内部ピストンスリーブ1814と、外部ピストン1812と、(乾燥機ユニットアクチュエータ1822を乾燥機ユニット1801に接続するための乾燥機ユニットアクチュエータ用コネクタ1820を含む)アクチュエータとの間の関係を示すために、乾燥機ユニットハウジング1802および周囲の構成要素が取り外された、
図19および
図20に示した乾燥システム112を示す概略図であり、この例ではこれらの構成要素を、素材が乾燥室内に充填された後や、乾燥室内での素材の乾燥中に見られるような閉鎖位置で示す。
図22Bは、乾燥機ユニット1801および
図19および
図20に示した関連する構成要素と、さらに、入口管1826とを示す概略図であり、入口管1826は、内部ピストン1816に結合しており、素材および空気(または所望された場合は他の添加剤)が内部ピストン1816を通じて乾燥室に導入されることを可能にする(例えば入口管1826は、素材と空気とを別個に運ぶための2つの通路を有する、例えば1つの同軸管であってもよく、または2つの別個の管を含んでいてもよい)。入口管1826は、内部ピストンスリーブ1814の一部を通過し、内部ピストン1816の移動と共に移動する。1つ以上の入口管1826は追加的に、ガスおよび湿分が外部ピストン1812を介して流出することに加えて、またはこれに代えて、内部ピストン1816を介して流出することを可能にするように構成され得る。
【0044】
複数の実施形態が概して、例えば生成物が、燃焼が発生しようとしている危機的な温度に近づいている場合に検出し、この時点でマイクロ波の出力を自動的に弱めて生成物の燃焼または構成要素の損傷を回避することができるようにするために、乾燥機ユニット1801内に排気温度センサとアンテナとを含む。
【0045】
次に、
図22Aと同様に、内部ピストン1816と、内部ピストンスリーブ1814と、外部ピストン1812と、アクチュエータ1818,1822との関係を示すために乾燥機ユニットハウジング1802および周囲の構成要素が取り外された
図23~
図26を参照して、1つの例示的な乾燥順序を説明する。
図23は、例えば素材が乾燥室内に充填された後や乾燥室内の素材の乾燥中に見られることがある、完全閉鎖構成における乾燥システム112を示す概略図である。ここでは、内部ピストンスリーブ1814を備えた乾燥機ユニットが閉鎖位置に配置されており(すなわち、乾燥室を閉鎖するように内部ピストンスリーブ1814の端部に外部ピストン1812が嵌合した状態)、内部ピストン1816は完全に後退させられた位置に示されており、これにより例えば、一般に内部ピストン1816が、
図26に示す位置から後退させられているときに行われる充填動作中に乾燥室内に導入された乾燥されるべき素材を含む内部ピストンスリーブ1814内で、内部ピストン1816と外部ピストン1812との間にスペースが延在することになる。乾燥室内に素材が含まれているこの位置において、マイクロ波ユニット1824は、乾燥室内の素材を乾燥させるように制御され得る。乾燥中、空気またはその他の添加剤は、内部ピストン1816を通じて乾燥室内に導入されてもよく、蒸気またはその他の生成物は、外部ピストン1812の排気出口を通じて排出されてもよい。
【0046】
図24は、
図23に示した位置から、例えば乾燥した素材を乾燥室から排出するための準備中に見られることがある完全に開放された位置へ移動させられた内部ピストンスリーブ1814(ひいては乾燥ユニット1801)を示す概略図である。
図24に示す位置から、内部ピストン1816は、内部ピストンアクチュエータ1818を介して内部ピストンスリーブ1814を通って伸長させられ、これにより、乾燥室から素材を排出することができる。
【0047】
図25は、
図24に示した位置から、例えば乾燥した素材が乾燥室から完全に排出されるときに見られることがある、実質的に内部ピストンスリーブ全体を貫通して伸長するように完全に移動させられた内部ピストン1816を示す概略図である。ここでは、一般にワイパ1808(これらの図には図示せず)が作動させられ、これにより、内部ピストンスリーブ1814の端部から延びる如何なる乾燥した素材も破断して、2つのピストン1812,1816の表面をクリーニングし、これにより、これらのピストン1812,1816は次の充填および乾燥サイクルに備える。
図25に示した位置から、内部ピストンスリーブ1814(ひいては乾燥ユニット1801)は、次の充填および乾燥サイクルの準備のために閉鎖位置へと戻されることになる。
【0048】
図26は、
図25に示した位置から、例えば乾燥システム112が乾燥用の追加的な素材の受入れを準備しているときに見られることがある、完全に閉鎖された位置へ移動させられた内部ピストンスリーブ1814を示す概略図である。
図26に示した位置から、内部ピストン1816は後退させられることになる一方で、同時に素材は、内部ピストン1816を通じて乾燥室内に注入される。それというのも、内部ピストン1816が、
図23に示した完全に後退させられた位置に達するまで、乾燥室の寸法は大きくなるからであり、この時点で乾燥を開始することができる。上述のように、空気または他の添加剤が、乾燥プロセス中に、例えば内部ピストン1816を通じて添加されてもよい。
【0049】
図27は、例えば内部ピストンスリーブ1814が
図24および
図25に示した位置にあるときの、内部ピストンスリーブ1814、外部ピストン1812およびワイパ1808の詳細を示す概略図である。
図28は、例えば内部ピストンスリーブ1814の端部から延びる如何なる乾燥した素材も破断し、かつ2つのピストン1812,1816の表面から如何なる残留素材も掻き取るための作動位置にあるワイパ1808を示す概略図である。
【0050】
乾燥機システム112は一般に、例えば排気温度センサ(赤外線センサまたは他の温度センサ)、マイクロ波出力センサ、およびアークセンサ(例えば乾燥室内のアーク放電を検出することができる、光に基づくセンサ)等の様々なプロセス制御センサを含むことに留意されたい。マイクロ波出力や乾燥時間等のパラメータは、温度センサからの信号に少なくとも部分的に基づいて制御され得る。概して素材は、素材の最終的な湿分含有量を示すことができる所定の温度に排気が達するまで乾燥させられる。異なる種類の有機性廃棄物素材と処理温度との間には、試験により容易に確定され得る相関関係が存在し得る。例えば一例では、少なくとも華氏340度の温度は、10%以下の湿分含有量を示す。有機性廃棄物の種類は、特定の場所ではある程度一貫している場合があり(例えば特定の種類および混合物の食品)、したがって、その場所について温度と湿分含有量との間の相関関係が確定されると、温度は、湿分含有量の適切な確定手段として役立つことができる。ほとんどの用途に関して、乾燥室から排出されたときの乾燥された素材の湿分含有量は、10~13%の範囲内である。湿分含有量は、例えば1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%または10%の低いものから、13%、14%、15%、20%または25%の高いものまで変化し得る、ということが理解されるであろう。温度センサは、制御システム117と通信しており、制御システム117は、所望の加熱量が供給されるように、各マイクロ波ユニット1824を個別に制御することができる。素材を乾燥した後は、一般に内部ピストン1816により排出する前に、素材を冷却することができるようになっている。内部ピストン1816は一般に、乾燥サイクルの間に乾燥室(すなわち、内部ピストンスリーブ1814の内面)をクリーニングするワイパまたはスクレーパ(例えばOリングタイプのスクレーパ)を含む。乾燥プロセスは、例えば過剰な温度が検出された場合、過剰なマイクロ波出力が検出された場合、または(乾燥中の素材に含まれる金属を示す可能性がある)アークが検出された場合には停止され得る。
【0051】
したがって内部ピストン1816は、各サイクル後の乾燥室内のあらゆる面の完全な払拭を可能にし、このことは、内部ピストン1816および外部ピストン1812の表面をクリーニングする外部ワイパ1808との組合せにおいて、各サイクル後に乾燥室内に生成物が残留しないことを保証する。残留生成物は、例えば生成物の燃焼または過熱によるシステムへの損傷を引き起こすことがある。
【0052】
内部ピストン1816、内部ピストンスリーブ1814、外部ピストン1812および他の構成要素の構成は一般に、マイクロ波エネルギの漏出を防止する一体型シール機構(例えばマイクロ波チョーク)を備えて構成されている。
【0053】
乾燥システム112の説明した実施形態が可動の乾燥ユニット1801を含む一方で、択一的な実施形態は固定された乾燥ユニット1801を含んでいてもよく、固定された乾燥ユニット1801では、素材は他の方法で、例えばコンベヤシステムを使用して乾燥ユニット1801に出入りさせられることに留意されたい。このような択一的な実施形態は、2つのピストンを使用してもよく、乾燥ユニットを移動させる代わりに2つのピストンが可動である。
【0054】
マイクロ波ユニット1824の作動により加熱された空気は、例えば液状化システム102、ボイラシステム108に熱を供給するためにシステム内で、または乾燥システム112自体内で使用するためにリサイクルされ得ることに留意されたい。
【0055】
外部容器
図44は、例えば
図38に示したポンプ1202を使用して最終生成物が導管4402を介して圧送される外部容器4404に接続された択一的な液状化システム102を概略的に示す。この例では、導管4402を容器4404に迅速に取り付け、かつ導管4402を容器4404から迅速に分離することを可能にするために、クイック接続機構4406が使用される。
図45は、
図44に示したクイック接続機構を示す概略図である。
図46は、
図45に示したクイック接続機構の詳細図である。
【0056】
とりわけ、残留素材を遠隔容器へ圧送するかまたは他の方法で搬送する能力は、容器がシステム100に対して遠隔地(例えば装填ドックまたは屋外)に配置され、システム100が残留物を回収容器に圧送/搬送することを可能にする。クイック接続機構は、タンクが搬送システム(例えばポンプ)に接続されることを可能にし、これにより、ユーザはシステム100との単一の接続を迅速かつ安全に変更することができる。複数の実施形態が、接続が正しく行われたことを確認するための検出手段を含む集積センサパッケージを含んでいてもよい。複数の実施形態が、残留物コンテナの固有の識別手段を含んでいてもよく、これにより、特定の回収容器の内容物が起点まで遡って追跡され得ると共に、この残留物コンテナが設置されていた間に機械に装填された内容物も追跡され得る。固有の識別手段は、スキャン可能なコード(例えばバーコード、QRコード等)、RFIDチップ、または他の固有の識別子から成っていてもよい。この情報は、例えば素材を肥料にする準備をするために素材を処理する方法を命令するため、ならびに汚染またはプロセスの問題に関するトレーサビリティを提供するために使用され得る。複数の実施形態が、電気的な熱、太陽熱またはシステム100および/または他の現場プロセスからの廃熱等による、回収容器の任意の一体型加熱手段を含んでいてもよい。容器には、生成物の処理を補助する処理が予め施されていてもよく、これにより、生成物は、例えば肥料として使用するためにより望ましい化学組成を有している。
【0057】
制御システムおよびユーザインタフェース
制御システムは一般に、例えば、(例えばユーザがPINを入力することによる、または例えばRFIDリーダ、指紋リーダ、顔認識等の別の機構を介した、)有機性素材をシステムに装填するユーザの身元、(例えばユーザにより入力されるかまたはカメラを使用して識別される、)システムに導入される素材の種類および量を含む様々なパラメータを追跡する。システムは、例えば、不正ユーザが素材をシステムに導入することを防止するため、不正ユーザがシステムを操作することを防止するため、不適切な素材がシステムに装填されることを防止する(例えば画像またはビデオ処理を使用して素材を識別し、不適切または有害な素材を検出した場合にはシステムを停止させる)等のために、様々な形式のセキュリティを提供することができる。システムは、制御システムにより制御可能なホッパドアロックを含んでいてもよく、これにより例えば、ドアは、許可されたユーザおよび/または適切な廃棄物素材が検出されたときにのみロック解除され得る、またはシステムの過剰装填を防止するためにロックされ得る。
【0058】
制御システムは、例えばシステムに導入される廃棄物素材の種類および量、所定の出力生成物に関して所望される湿分の量等の様々な要素に基づきプロセスパラメータを選択し得る。
【0059】
制御システムには遠隔アクセス手段が提供され得、これにより、例えば遠隔オペレータまたは管理者が、配合を変更すること、(例えば省電力モードに入る場合に)操作パラメータを調整すること、新たなユーザを追加すること、電力使用量および装置状態を監視すること、ソフトウェアアップグレードを実施すること等が可能になる。
【0060】
制御システムおよび/または(例えば複数のサーバおよび/またはクラウドに基づくサービスのうちの1つを使用して実現された)外部システムは、広範な操作および分析ツール、例えばユーザの追跡、有機性廃棄内容物の追跡、(例えば何かがシステムを詰まらせていれば検出することができるセンサに基づく)機械動作の追跡、廃棄物源の識別、特定用途または肥料用等に処理される素材の混合の識別(特定の肥料配合を生ぜしめるように混合され得る、単一の機械からの乾燥させられた廃棄生成物、または複数の顧客にわたることを含む、複数の機械にわたり乾燥させられた廃棄生成物の識別)、環境影響データの作成(例えば廃棄物処理量、二酸化炭素削減量、廃棄物の体積/重量削減量等を装置ごとにかつ複数の装置にわたり示す分析)、様々な生物学的混合または配合の推奨(例えば最終生成物を改良するためにより多くの特定の種類の廃棄物および/または添加剤を追加するように顧客に指示すること)等を実行しかつ提供することができる。
【0061】
したがって例えば、(例えば1つ以上のサーバおよび/またはクラウドに基づくサービスを使用して実現された)中央制御システムは、同じ場所または異なる場所にあってもよくかつ同じまたは異なるオペレータにより操作され得ると共に広範な制御および分析情報を発することができる個々のシステムならびにシステム群を監視しかつ制御することができる。
【0062】
その他
発明者らは、説明した各コンポーネントが、説明した別のコンポーネントと共に、または別のコンポーネントなしで使用され得ることを想定している。したがって例えば、説明した液状化システム102は、単独で、または説明したボイラシステム108および/または説明した乾燥機システム112と共に、または別の形式のボイラ、乾燥機、または(例えば別の形式の処理システムにおいて使用するために素材を液状化させる)別のシステムと共に使用され得る。同様に、説明したボイラシステム108は、単独で、または説明した液状化システム102および/または説明した乾燥機システム112と共に、または別の形式の液状化システム、乾燥機、または(例えば別の形式の処理システムにおいて生ぜしめられた素材を脱水または濃縮する)別のシステムと共に使用され得る。同様に、説明した乾燥機システム112は、単独で、または説明した液状化システム102および/またはボイラシステム108と共に、または別の形式の液状化システム、ボイラ、または(例えば別の形式の処理システムにおいて生ぜしめられた素材を乾燥する)別のシステムと共に使用され得る。
【0063】
発明者らは、顧客用地でしばしば利用可能な特定の種類の資源、例えば、(例えば顧客のHVACシステムからリサイクルされる)暖房または冷房資源または水資源(例えば清浄水、再生水または生活排水、回収された雨水等)等が、様々な実施形態において活用され得ることを想定している。例えば、顧客のHVACシステムからの廃熱は、システムに圧送され、これにより、液状化システム102、ボイラシステム108、または乾燥システム112用の熱を供給することができる、または他の方法で、例えば廃棄物素材をこのような廃熱にさらすこと等により廃棄物素材を外部で乾燥させるために使用され得る。
【0064】
上述の例示的な実施形態が、液状化システム102内へ有機性廃棄物を手動で装填するために使用されるホッパドアを含む一方で、択一的な実施形態(特により大きなシステム)は、追加的または択一的に、液状化システム102内へ有機性廃棄物を装填するための別の機構、例えば、(例えば電気、液圧、空圧等により動かされる)パワーリフタまたは液状化システム102内への有機性廃棄物の装填を補助するコンベヤシステム等を含み得る。
【0065】
上述のマイクロ波乾燥システム等の乾燥システムに加えて、またはその代わりに、様々な択一的な実施形態が、システムとは別個に乾燥を実施することができる。例えば、濃縮された食品廃棄物の生成物109は一般に、ボイラシステム108から除去されると高温になり、したがって、濃縮された食品廃棄物の生成物109は回収され、例えば天日干しにより乾燥され得、任意には、蒸気は逃がすが水は入れない一方向通気系を備えたコンテナ内に放置することにより乾燥され得ることに留意されたい。
【0066】
システム内で熱が使用される箇所(例えばボイラシステム108および任意には液状化システム102および乾燥システム112)では、任意の様々な種類の熱源、例えば電気、天然ガス、プロパン、太陽熱等が使用され得る。いくつかの実施形態には、システムの様々な構成要素を動かすための電力を供給するために、ソーラーパネルが含まれていてもよい。
【0067】
システムから回収されたあらゆる生成物は、試験され、処理され、かつ/または富栄養化されてもよく、このような生成物に関するデータは、システム内でプロセス変更を行うために使用され得る、ということに留意されたい。例えば、添加剤または処理剤は、残留物コンテナに添加され得、これにより、回収された生成物を安定化させる、または肥料として使用するため等の特定の目的のための効率を高める。廃棄物の生成物の成分を、例えば価値により分けることも可能である。
【0068】
上で使用された見出しは便宜的なものであり、なんらかの方法で本発明を限定するものとして解釈されるべきではない、ということに留意されたい。
【0069】
制御システム(制御装置)およびユーザインタフェースの様々な実施形態は、少なくとも部分的に、任意の通常のコンピュータプログラミング言語で実現され得る。例えばいくつかの実施形態は、手続き型プログラミング言語(例えば「C」)またはオブジェクト指向プログラミング言語(例えば「C++」)で実現され得る。他の実施形態は、予め構成されたスタンドアローン型のハードウェア素子および/または予めプログラミングされたハードウェア素子(例えば特定用途向け集積回路、FPGAおよびデジタル信号プロセッサ)、またはその他の関連する構成要素として実現され得る。
【0070】
択一的な実施形態では、開示された装置および(例えば上述の任意のフローチャートまたは論理フローにおけるような)方法は、コンピュータシステムと共に使用するためのコンピュータプログラム製品として実現され得る。このような実現は、有形の非一時的な媒体、例えばコンピュータ可読媒体(例えばフロッピーディスク、CD-ROM、ROM、または固定ディスク)に固定された一連のコンピュータ命令を含み得る。一連のコンピュータ命令は、システムに関して本明細書で上述した機能の全部または一部を実施することができる。
【0071】
当業者であれば、このようなコンピュータ命令は、多くのコンピュータアーキテクチャまたはオペレーティングシステムと共に使用するために複数のプログラミング言語で記述され得る、ということを理解するはずである。さらに、このような命令は、任意のメモリ装置、例えば有形の非一時的な半導体、磁気式、光学式または他のメモリ装置に記憶され得、かつ光、赤外線、RF/マイクロ波等の任意の通信技術、または任意の適切な媒体、例えば有線(例えばワイヤ、同軸ケーブル、光ファイバケーブル等)または(例えば空気または空間を通る)無線を介した別の伝送技術を使用して伝送され得る。
【0072】
とりわけ、このようなコンピュータプログラム製品は、付随する印刷文書または電子文書(例えばシュリンクラップソフトウェア)と共にリムーバブル媒体として配布され得るか、コンピュータシステムが(例えばシステムROMまたは固定ディスク上に)予めロードされ得る、またはネットワーク(例えばインタネットまたはワールドワイドウェブ)を介してサーバまたは電子掲示板から配布され得る。実際にいくつかの実施形態は、サービスモデルとしてのソフトウェア(「SAAS」)またはクラウドコンピューティングモデルで実行され得る。もちろん、本発明のいくつかの実施形態は、ソフトウェア(例えばコンピュータプログラム製品)およびハードウェア両方の組合せとして実行され得る。本発明のさらに他の実施形態は、全体的にハードウェアとして、または全体的にソフトウェアとして実行される。
【0073】
本明細書において上述した機能の全部または一部を実行するコンピュータプログラムロジックは、単一のプロセッサにおいて異なる時点で(例えば並行して)実行され得る、または複数のプロセッサにおいて同じまたは異なる時点で実行され得、かつ単一のオペレーティングシステムプロセス/スレッドまたは異なるオペレーティングシステムプロセス/スレッドに基づき動作し得る。したがって、「コンピュータプロセス」という用語は概して、異なるコンピュータプロセスが同じプロセッサ上で実行されるのかまたは異なるプロセッサ上で実行されるのかにかかわらず、かつ異なるコンピュータプロセスが同じオペレーティングシステムプロセス/スレッドまたは異なるオペレーティングシステムプロセス/スレッドに基づき実行されるのかまたは異なるオペレーティングシステムプロセス/スレッドに基づき実行されるのかにかかわらず、コンピュータプログラムの命令セットの実行を指す。ソフトウェアシステムは、モノリシックアーキテクチャまたはマイクロサービスアーキテクチャ等の様々なアーキテクチャを使用して実行され得る。
【0074】
重要なのは、本発明の実施形態は、従来の構成要素、例えば従来のコンピュータ(例えば既製のPC、メインフレーム、マイクロプロセッサ)、従来のプログラマブルロジック装置(例えば既製のFPGAまたはPLD)、または従来のハードウェアコンポーネント(例えば既製のASICまたは別個のハードウェアコンポーネント)が使用され得、これらが本明細書において説明した非従来式の方法を実行するようにプログラムまたは構成されると、非従来式の装置またはシステムを生ぜしめる点であることに留意されたい。したがって、本明細書において説明した発明に関して従来式のものは何もない。なぜならば、実施形態が従来の構成要素を使用して実行された場合でも、その結果として得られる装置およびシステム(例えば制御システム)は必然的に非従来式であるからである。それというのも、特別なプログラミングまたは構成がなければ、従来の構成要素は本来、説明した非従来式の機能を実行しないためである。
【0075】
本明細書において説明すると共に請求する活用は、まさに本技術分野に生じている問題に対して技術的な解決手段を提供する。全体としてわかりにくく、ルーチンまたは従来式ではないこれらの解決手段は、如何なる場合にも、コンピュータおよびコンピュータルーティングシステムを変換しかつ改良する実用的なアプリケーションを提供する。
【0076】
本発明の様々な実施形態を本明細書において説明しかつ例示してきたが、当業者は、本明細書において説明した機能を実行しかつ/または結果および/または1つ以上の利点を得るための様々な他の手段および/または構成に容易に想到するであろうし、このような変化および/または変更はそれぞれ、本明細書において説明した発明の実施形態の範囲内であると考えられる。より広義には、当業者は、本明細書において説明した全てのパラメータ、寸法、素材、および構成は、例示的なものであることを意味し、実際のパラメータ、寸法、素材、および/または構成は、本発明の教示が使用される特定の用途に左右されることになる、ということを容易に理解するであろう。当業者は、日常的な実験以上のことは使用せずに、本明細書において説明した発明の特定の実施形態に対する多くの均等物を理解する、または確認することができるであろう。したがって、上述の実施形態は単に例示されたものであるに過ぎず、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内であり、本発明の実施形態は、具体的に説明しかつ請求したものとは別の形式で実施され得る、ということが理解されるべきである。本開示の発明の実施形態は、本明細書において説明した個々の特徴、システム、物品、素材、キットおよび/または方法のそれぞれに関する。さらに、このような特徴、システム、物品、素材、キット、および/または方法が相互に矛盾しない場合には、2つ以上のこのような特徴、システム、物品、素材、キット、および/または方法の任意の組合せが、本開示の本発明の範囲内に含まれる。
【0077】
本発明の様々な構想は、1つ以上の方法として実施され得、これらの方法の例が提供されている。方法の一部として行われる動作は、任意の適切な方法で順序付けられてもよい。したがって、例示した順序とは異なる順序で動作が実行されるように実施形態を構成することもでき、この実施形態は、例示的な実施形態では連続する動作として示されているにもかかわらず、いくつかの動作を同時に実行することを含み得る。
【0078】
本明細書において定義されて使用される全ての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれた文書における定義、および/または定義された用語の普通の意味を統轄するものと理解されるべきである。
【0079】
本明細書および特許請求の範囲において使用される不定冠詞「a」および「an」は、明示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0080】
本明細書および特許請求の範囲において使用される「および/または」という語句は、このように結合された複数の要素のうちの「いずれか一方または両方」を意味する、すなわち、要素はいくつかのケースでは連言的に存在し、他のケースでは択一的に存在することを意味すると理解されるべきである。「および/または」と共に挙げられた複数の要素も同様に、すなわち、このように結合された要素の「1つ以上」と解釈されるべきである。任意には、「および/または」節により具体的に特定された要素以外の別の要素が、それらの具体的に特定された要素に関連するか関連しないかにかかわらず存在していてもよい。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」への言及は、「含む(comprising)」等のオープンエンド言語と共に使用される場合、1つの実施形態では、Aのみ(任意にはB以外の要素を含む)を指し、別の実施形態では、Bのみ(任意にはA以外の要素を含む)を指し、さらに別の実施形態では、AおよびBの両方(任意には他の要素を含む)等を指していてもよい。
【0081】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「または」は、上で定義した「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を分ける場合、「または」または「および/または」は包括的なもの、すなわち、複数のまたはリストの要素のうちの少なくとも1つを含むが、2つ以上も含み、かつ任意には、列挙されていない追加の項目も含むものと解釈されるべきである。反対に、「~のうちの1つのみ」または「~のうちのちょうど1つ」、または特許請求の範囲において使用される場合には「~から成る」等の明示された用語のみが、複数のまたはリストの要素のうちのちょうど1つの要素を含むことを指す。一般に、本明細書で使用される「または」という用語は、「いずれか」、「~のうちの1つ」、「~のうちの1つのみ」、または「~のうちのちょうど1つ」等の排他性の用語が先行する場合にのみ、排他的な選択肢(すなわち、「一方または他方であるが、両方ではない」)を示すものとして解釈されるべきである。「実質的に~から成る」は、特許請求の範囲で使用される場合、特許法の分野で使用される通常の意味を有するものとする。
【0082】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、1つ以上の要素のリストに関する「少なくとも1つ」という語句は、要素のリスト内の任意の1つ以上の要素から選択された少なくとも1つの要素を意味するが、必ずしも、要素のリスト内に具体的に列挙された各要素および全ての要素のうちの少なくとも1つを含む必要はなく、要素のリスト内の要素の如何なる組合せも排除しないと理解されるべきである。この定義は、「少なくとも1つ」という語句が指す、要素のリスト内で具体的に特定された要素以外の要素が、それらの具体的に特定された要素に関連するか関連しないかにかかわらず、任意に存在し得ることも可能にする。したがって、非限定的な例として、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(または等価的に「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、または等価的に「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」は、1つの実施形態では、少なくとも1つの、任意には2つ以上を含む、Aであり、Bは存在しない(かつ任意にはB以外の要素を含む)ことを指していてもよく、別の実施形態では、少なくとも1つの、任意には2つ以上を含む、Bであり、Aは存在しない(かつ任意にはA以外の要素を含む)ことを指していてもよく、さらに別の実施形態では、少なくとも1つの、任意には2つ以上を含む、Aと、少なくとも1つの、任意には2つ以上を含む、Bと、(任意には別の要素とを含む)等を指していてもよい。
【0083】
特許請求の範囲ならびに上の明細書において、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「持つ(carrying)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、「含む(involving)」、「保持する(holding)」、「~から構成される(composed of)」等といった全ての移行句は、オープンエンドであると理解されるべきであり、すなわち、含んではいるが、限定されないことを意味する。「~から成る(consisting of)」および「実質的に~から成る(consisting essentially of)」という移行句のみが、米国特許庁の特許審査手続マニュアル第2111.03項に規定されているように、それぞれクローズドまたはセミクローズドの移行句であるべきである。
【0084】
本発明の様々な実施形態は、この段落に続く(かつ本願の最後に提供される実際の請求項の前の)段落に列挙された潜在的な請求項により特徴付けられてもよい。これらの潜在的な請求項は、既述された本願の説明の一部を形成する。したがって、以下の潜在的な請求項の主題は、本願または本願に基づく優先権を主張する任意の出願を含む後の手続きにおいて、実際の請求項として提示され得る。このような潜在的な請求項の包含は、実際の請求項が潜在的な請求項の主題をカバーしないことを意味すると解釈されるべきではない。よって、後の手続きにおいてこれらの潜在的な請求項を提示しないという決定は、公衆に対する主題の寄贈と解釈されるべきではない。また、これらの潜在的な請求項は、請求する様々な請求項を限定することを意図したものでもない。
【0085】
限定はしないが、請求され得る潜在的な主題(以下に提示する実際の請求項との混同を避けるため、冒頭に「P」の文字が付されている)は、以下を含む。すなわち:
P1. 有機性廃棄物管理システム用の液状化システムであって、下部粉砕機でもって鉛直方向に向けられた液状化システム。
【0086】
P2. 液状化部は鉛直方向に向けられているが、鉛直方向軸線からオフセットされている、請求項P1記載のシステム。
【0087】
P3. 下羽根を有するシャフトと、モータと、固定された粉砕プレートとを含み、前記下羽根は、有機性廃棄物を粉砕する前記固定された粉砕プレートに対して前記有機性廃棄物を押し進める、請求項P1記載のシステム。
【0088】
P4. 前記固定された底部プレートは、前記鉛直方向軸線に対して所定の角度に向けられており、前記粉砕プレートの底面における出口に通じたストレーナを含む、請求項P3記載のシステム。
【0089】
P5. 前記シャフトはさらに、ホッパ内の前記有機性廃棄物の移動を支援するスクリュオーガを含む、請求項P3記載のシステム。
【0090】
P6. 前記モータと、関連する軸受と、シールとの汚染を回避するために、前記モータは、前記下羽根を備えた前記シャフトを含むホッパの外側にある、請求項P3記載のシステム。
【0091】
P7. 2つのピストンに対して可動の乾燥ユニットを含む、有機性廃棄物管理システム用の乾燥システム。
【0092】
P8. 前記乾燥ユニットは、マイクロ波乾燥ユニットである、請求項P7記載のシステム。
【0093】
P9. 前記乾燥ユニットは、乾燥室の一部を形成する内部ピストンスリーブを含み、当該システムはさらに、前記内部ピストンスリーブ内で可動の内部ピストンと、定置の外部ピストンとを含み、前記乾燥ユニットは、前記内部ピストンスリーブが前記外部ピストンと嵌合する閉鎖位置と、前記乾燥ユニットが前記外部ピストンから離れる方向に移動させられ、これにより、前記内部ピストンが伸長させられて前記乾燥室から乾燥された素材を排出することを可能にする開放位置との間で可動である、請求項P7記載のシステム。
【0094】
P10. 前記外部ピストンは、蒸気または他の排気生成物が前記乾燥室から除去されることを可能にするための排気出口を含む、請求項P9記載のシステム。
【0095】
P11. 前記内部ピストンは、該内部ピストンを通じて前記乾燥室内に素材を注入することを可能にし、かつ任意には、乾燥プロセス中に空気またはその他の添加剤を前記乾燥室内に注入することを可能にするための少なくとも1つの開口を含む、請求項P10記載のシステム。
【0096】
P12. 請求項P1からP6までのいずれか1項記載の液状化システムと、該液状化システムにより生成された液状化された素材を脱水または濃縮するためのボイラシステムとを含む、システム。
【0097】
P13. さらに、請求項P7からP11までのいずれか1項記載の乾燥システムを含む、請求項P12記載のシステム。
【0098】
P14. さらに、少なくとも1つのボイラ前処理装置および/または少なくとも1つのボイラ後処理装置を含む、請求項P12からP13までのいずれか1項記載のシステム。
【0099】
P15. さらに、当該システムにより処理される有機性廃棄物の種類に基づき、液状化、脱水、または乾燥のうちの少なくとも1つを制御するプロセス制御装置を含む、請求項P1からP14までのいずれか1項記載のシステム。
【0100】
P16. さらに、ユーザが当該システムに添加される有機性廃棄物の種類を識別することができるユーザインタフェースを含む、請求項P15記載のシステム。
【0101】
P17. さらに、当該システムに添加される有機性廃棄物の種類の送信を可能にする少なくとも1つのセンサを含む、請求項P15からP16までのいずれか1項記載のシステム。
【0102】
P18. 前記少なくとも1つのセンサは、カメラを含み、前記有機性廃棄物の種類は、画像処理を用いて識別される、請求項P17記載のシステム。
【0103】
P19. 遠隔地にある複数のユニットに接続され得、処理構成要素間で素材を移動させるためにポンプを使用する、モジュール方式のシステム。
【0104】
P20. 機械に手動入力、スマート回収コンテナ、部門、または機械への個別の装填、カメラ認識を介して装填された内容物の追跡。
【0105】
P21. タンク内にわたり素材を回転させるための中心オーガでもって鉛直方向に向けられたタンク。一方の方向において、オーガは素材をタンクの下部へ推進し、そこで素材は粉砕され、次のプロセスステップへ圧送され得、他方の方向において、オーガは素材をタンクの中間まで持ち上げ、これにより、上部における食品廃棄物がタンク内の厳選された生態に富む素材で覆われることになる。
【0106】
P22. 内容物を混合するために必要とされる力を制限し、かつ目詰まり傾向を減じる、タンク下部におけるタンクの円錐形の幾何学形状。
【0107】
P23. 混合ワイパとタンク下部との相互作用により、タンク出口孔を横切り払拭する力を使用して目詰まりを効果的に除去し、タンク下部を介して素材を押し出し、そこで素材は圧送されてもよい。タンクにおいて使用される孔およびレリーフの形状は、目詰まりを回避する一方で、所望の粒径の最大処理量のための条件を提供する。
【0108】
P24. タンク上のセンサは、具体的には、重量、目詰まり検出、温度を含む処理効率を支援するように設計されている。センサパッケージを介して、タンクは、ヒートブランケットを使用してその温度、混合速度を変化させることができ、スマートモータコントローラを使用して混合方向を変化させることができ、これにより、時間にわたるタンクの重量により決定される最速破断速度を達成する。
【0109】
P25. タンクは、より多くのプロセス向上手段、例えば臭気低減用の排気手段、湿分または油低減用の分離器、生物学的要素の自動調量手段に接続されるように、可撓性を有している。
【0110】
P26. タンクは、円錐形部分ならびにタンク下部に交換可能な粉砕部材を有しており、これにより、粉砕部材は、骨、繊維材料、果物の皮および殻、堆肥化可能なカトラリー、堆肥化可能なパッケージ、種子、および従来は工業界で破壊することが困難なその他の物品の粉砕を可能にする。このことは、粒子上に、生物学的に有効なより大きな表面積を生ぜしめ、かつ粒子を肥料用に許容可能な成分サイズに破壊するという効果を有している。
【0111】
P27. 加熱されたタンクの壁は、内部ワイパを介してセルフクリーニングされ、これにより、生成物は均一に加熱され得、例えば病原体を死滅させ、かつ湿分含有量を減じることができ、これにより、素材を安全に保管することができる。
【0112】
P28. 重量および温度から成るセンサパッケージが、処理を制御し、これにより、処理により達成された重量減少と、残留物に関する処理量とを監視することができる。
【0113】
P29. マイクロ波を発生可能なコンテナの内部ピストンは、各サイクル後にマイクロ波コンテナ内のあらゆる面の完全な払拭を可能にするという点で新規である。コンテナ(管)のいずれかの端部においてピストンの表面をクリーニングする外部ワイパとの組合せにおいて、サイクル後にコンテナ内に生成物が残ることはなく、このことは、過熱した生成物により生ぜしめられるシステムの損傷を防止する。
【0114】
P30. 乾燥すべき製品を運ぶことができる管に取り付けられたピストン、湿分を奪うための処理空気、湿分およびその他の空気中の副生成物を奪うための排気ポート、およびマイクロ波エネルギの漏洩から保護するための一体型シール。
【0115】
P31. 生成物が、燃焼が発生しようとしている危機的な温度に近づいている場合には、マイクロ波の範囲内の排気温度センサとアンテナとを含むセンサパッケージが検出し得る。 この条件が検出されると、マイクロ波の出力を弱めることにより、システムは生成物の燃焼または構成要素の損傷を回避することができる。
【0116】
P32. 装填ドックまたは屋外等の遠隔地に配置される能力および残留物を回収容器へ圧送/搬送する機械。
【0117】
P33. タンクを搬送システム(例えばポンプ)に接続することができ、これにより、ユーザは機械との単一の接続を安全に変更することができる、クイック接続方法。接続が正しく行われたことを確認するための検出手段を含む、集積センサパッケージ。
【0118】
P34. 特定の回収容器の内容物が起点まで遡って追跡され得ると共に、残留物コンテナが設置されていた間に機械に装填された内容物も追跡され得るようにする、残留物コンテナの固有の識別手段。固有の識別手段は、バーコード、RFIDチップまたは他の固有の識別子から成っていてもよい。この情報は、素材を肥料にする準備をするために素材を処理する方法を命令するため、ならびに汚染またはプロセスの問題に関するトレーサビリティを提供するために使用され得る。
【0119】
P35. 電気的な熱、太陽熱、またはこれからのもしくは他の現場プロセスからの廃熱による、回収容器の任意の一体型加熱手段。
【0120】
P36. 生成物の処理を補助し、これにより、生成物が肥料として使用するためにより望ましい化学組成を有することになる処理が予め施されたコンテナ。
【0121】
上の説明は本発明の様々な例示的な実施形態を開示しているが、当業者は、本発明の真の範囲から逸脱することなく本発明の利点のうちのいくつかを達成する様々な変更を行うことができる、ということは明らかである。本「発明」への如何なる言及も、発明の例示的な実施形態を指すことを意図したものであり、特記されていない限り、本発明の全ての実施形態を指すと解釈されるべきではない。説明した実施形態は、全ての点において、単に例示的なものであるだけに過ぎず、限定的なものではないと見なされるべきである。