特許 7505138 情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B1)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-06-14

(45)【発行日】2024-06-24

(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム

(51)【国際特許分類】

   G06Q 30/0207 20230101AFI20240617BHJP

【ＦＩ】

G06Q30/0207

【請求項の数】 6

(21)【出願番号】P 2024068560

(22)【出願日】2024-04-19

【審査請求日】2024-04-19

【早期審査対象出願】

(73)【特許権者】

【識別番号】519110124

【氏名又は名称】ＰａｙＰａｙ株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110002147

【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】木村 泰斗

(72)【発明者】

【氏名】瀬古 晋一

(72)【発明者】

【氏名】倉田 ありさ

【審査官】永野 一郎

(56)【参考文献】

【文献】特開２０２４－０２１７４６（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０２３－４３６５２（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０２１－１４９６１１（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０２０－０９１７６４（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０２４－２４６５５（ＪＰ，Ａ）

【文献】特許第７３５９９８７（ＪＰ，Ｂ１）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｇ０６Ｑ １０／００－９９／００

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

識別コードを用いた電子決済を利用するために前記電子決済の利用者が使用する端末装置に予めインストールされる決済アプリを介して、前記電子決済に関する処理を実行する情報処理装置であって、
ワンタイムコードの発行要求が前記端末装置から受信されることを契機として、前記利用者に所定の特典を付与するか否かを決定するための第１の抽せんを実行する抽せん処理部と、
前記ワンタイムコードの発行要求元である前記利用者が前記第１の抽せんに当せんした場合、前記利用者に対して当せん通知を行うための通知用コンテンツを生成する生成部と、
前記ワンタイムコードとともに、前記生成部により生成された前記通知用コンテンツを前記利用者に提供する提供部と
を有することを特徴とする情報処理装置。

【請求項2】

前記抽せん処理部は、
前記電子決済の決済要求に対応する決済処理の完了に応じて、前記決済要求の要求元である前記利用者が前記所定の特典を獲得する権利を有していることを条件に、前記所定の特典の内容を決定するための第２の抽せんを実行し、
前記提供部は、
前記決済処理が完了した旨、及び前記所定の特典の内容を前記利用者に通知するための通知情報を前記利用者に提供する
ことを特徴とする請求項１に記載の情報処理装置。

【請求項3】

前記所定の特典として、予め設定される上限額の範囲内で、前記電子決済の決済金額に応じたポイントを前記利用者に付与する付与部
をさらに有し、
前記抽せん処理部は、
前記第２の抽せんとして、前記ポイントの還元率を決定するための抽せんを実行する
ことを特徴とする請求項２に記載の情報処理装置。

【請求項4】

前記生成部は、
前記所定の特典を獲得する権利を行使することができる期限として予め規定される有効期限内に前記電子決済が行われない場合、前記所定の特典を獲得する権利が失効する旨を含む前記当せん通知を行うための前記通知用コンテンツを生成する
ことを特徴とする請求項１～３のいずれか１つに記載の情報処理装置。

【請求項5】

識別コードを用いた電子決済を利用するために前記電子決済の利用者が使用する端末装置に予めインストールされる決済アプリを介して、前記電子決済に関する処理を実行するコンピュータが行う情報処理方法であって、
ワンタイムコードの発行要求が前記端末装置から受信されることを契機として、前記利用者に所定の特典を付与するか否かを決定するための第１の抽せんを実行する抽せん処理工程と、
前記ワンタイムコードの発行要求元である前記利用者が前記第１の抽せんに当せんした場合、前記利用者に対して当せん通知を行うための通知用コンテンツを生成する生成工程と、
前記ワンタイムコードとともに、前記生成工程により生成された前記通知用コンテンツを前記利用者に提供する提供工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。

【請求項6】

識別コードを用いた電子決済を利用するために前記電子決済の利用者が使用する端末装置に予めインストールされる決済アプリを介して、前記電子決済に関する処理を実行するコンピュータに、
ワンタイムコードの発行要求が前記端末装置から受信されることを契機として、前記利用者に所定の特典を付与するか否かを決定するための第１の抽せんを実行する抽せん処理手順と、
前記ワンタイムコードの発行要求元である前記利用者が前記第１の抽せんに当せんした場合、前記利用者に対して当せん通知を行うための通知用コンテンツを生成する生成手順と、
前記ワンタイムコードとともに、前記生成手順により生成された前記通知用コンテンツを前記利用者に提供する提供手順と
を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。

【背景技術】

【0002】

従来、２次元コードなどの識別コードを用いて、取引対象となる商品やサービスの代金の支払いを行う電子決済（「コード決済」とも称される。）の利用環境を提供する電子決済サービスが知られている。このような電子決済サービスに関連する技術として、電子決済サービスのサービス利用者がコード決済により取引対象の代金の支払いを行った場合、代金の支払いを行ったサービス利用者が使用している端末装置に、その代金の支払いに対応する決済処理に関連付けられた特典の付与に関する付加情報を表示する技術が提案されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【文献】特開２０２０－０９１７６４号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

しかしながら、上記の従来技術には、代金の支払方法として決済アプリを用いた電子決済が選択されるようにサービス利用者の興趣喚起を図る上で改善の余地が残されている。

【0005】

本願は、上記に鑑みてなされたものであって、代金の支払方法として決済アプリを用いた電子決済が選択されるようにサービス利用者の興趣喚起を図ることができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本願に係る情報処理装置は、識別コードを用いた電子決済を利用するために電子決済の利用者が使用する端末装置に予めインストールされる決済アプリを介して、電子決済に関する処理を実行する情報処理装置であって、抽せん処理部と、生成部と、提供部とを有する。抽せん処理部は、ワンタイムコードの発行要求が端末装置から受信されることを契機として、利用者に所定の特典を付与するか否かを決定するための第１の抽せんを実行する。生成部は、ワンタイムコードの発行要求元である利用者が第１の抽せんに当せんした場合、利用者に対して当せん通知を行うための通知用コンテンツを生成する。提供部は、ワンタイムコードとともに、生成部により生成された通知用コンテンツを利用者に提供する。

【発明の効果】

【0007】

実施形態の一態様によれば、代金の支払方法として決済アプリを用いた電子決済が選択されるようにサービス利用者の興趣喚起を図ることができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【0008】

【図1】図１は、実施形態に係る情報処理の概要を説明するための図である。

【図2】図２は、実施形態に係る画面表示の概要を説明するための図である。

【図3】図３は、実施形態に係る画面表示の概要を説明するための図である。

【図4】図４は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。

【図5】図５は、実施形態に係る決済サービス提供装置の構成例を示す図である。

【図6】図６は、実施形態に係る利用者情報ＤＢに記憶される利用者情報の概要を示す図である。

【図7】図７は、実施形態に係る店舗情報ＤＢに記憶される店舗情報の概要を示す図である。

【図8】図８は、実施形態に係る決済サービス提供装置により実行される第１の抽せん処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。

【図9】図９は、実施形態に係る決済サービス提供装置により実行される第２の抽せん処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。

【図10】図１０は、実施形態または変形例に係る決済サービス提供装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。

【発明を実施するための形態】

【0009】

以下に本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを実施するための形態（以下、「実施形態」と呼ぶ）について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。

【0010】

〔実施形態〕
［１．実施形態に係る情報処理の概要］
以下、図１を用いて、実施形態に係る情報処理の概要について説明する。図１は、実施形態に係る情報処理の概要を説明するための図である。以下に説明する情報処理は、本願に係る情報処理装置の一例である決済サービス提供装置１００により実行される。なお、以下では、識別コードを用いた電子決済として、利用者Ｕにより提示される識別コードを、店舗側で読み取ることにより行われる電子決済（以下、「ストア決済」と称する。）を例示する。

【0011】

図１に示すように、識別コードを用いた電子決済の利用者Ｕが使用する端末装置１０は、利用者Ｕの起動操作に従って、端末装置１０に予めインストールされる決済用のアプリケーションプログラムである決済アプリを起動する（ステップＳ０１）。

【0012】

また、端末装置１０は、決済アプリの起動に連動して、ワンタイムコードの発行要求を決済サービス提供装置１００に送信する（ステップＳ０２）。たとえば、ワンタイムコードの発行要求には、利用者Ｕを識別するための識別情報であって、電子決済サービスにおいて利用者Ｕの固有の識別情報であるユーザＩＤが含まれる。

【0013】

決済サービス提供装置１００は、端末装置１０から送信されるワンタイムコードの発行要求を受信した場合、ワンタイムコードを生成する（ステップＳ０３）。決済サービス提供装置１００は、生成したワンタイムコードを、ワンタイムコードの発行要求に含まれるユーザＩＤに対応付けて管理する。

【0014】

ワンタイムコードの生成後、決済サービス提供装置１００は、端末装置１０の利用者Ｕに所定の特典を付与するか否かを決定するための抽せんである第１の抽せんを実行する（ステップＳ０４）。決済サービス提供装置１００は、たとえば、端末装置１０から送信されるワンタイムコードの発行要求の受信を、決済アプリの起動と見做すことができる。

【0015】

決済サービス提供装置１００は、利用者Ｕが第１の抽せんに当せんした場合、利用者Ｕに対して当せん通知を行うための通知用コンテンツを生成する（ステップＳ０５）。決済サービス提供装置１００は、端末装置１０に対して通知用コンテンツを提供することにより、後述するように、端末装置１０において画像演出を伴う当せん通知を実行させる。

【0016】

決済サービス提供装置１００は、生成したワンタイムコードを端末装置１０の利用者Ｕに提供する（ステップＳ０６）。なお、決済サービス提供装置１００は、端末装置１０の利用者Ｕが第１の抽せんに当せんした場合、ワンタイムコードとともに当せん通知を行うための通知用コンテンツを端末装置１０に送信することにより、端末装置１０の利用者Ｕに提供する。

【0017】

端末装置１０は、決済サービス提供装置１００からワンタイムコードとともに通知用コンテンツを受信した場合、受信した通知用コンテンツを用いて、第１の抽せんの当せん通知を決済アプリの画面上に表示する（ステップＳ０７）。

【0018】

また、端末装置１０は、決済サービス提供装置１００から受信したワンタイムコードに基づく識別コードを生成する（ステップＳ０８）。端末装置１０の利用者Ｕは、生成した識別コードを端末装置１０に表示させ、代金の支払先となる店舗側に提示する（ステップＳ０９）。

【0019】

店舗装置２０は、端末装置１０に表示されている識別コードを読み取って、読み取った識別コードをデコードし、デコードした識別コードから取得されるワンタイムコード、決済金額、加盟店ＩＤ、及び店舗ＩＤを含む決済要求を決済サービス提供装置１００に送信する（ステップＳ１０）。

【0020】

決済サービス提供装置１００は、店舗装置２０から決済要求を受信すると、決済処理に含まれるワンタイムコード、決済金額、加盟店ＩＤ、及び店舗ＩＤに基づいて決済処理を実行する（ステップＳ１１）。

【0021】

決済サービス提供装置１００は、決済処理が正常に完了すると、代金の支払いを行った利用者Ｕに付与する所定の特典の内容を決定するための抽せんである第２の抽せんを実行する（ステップＳ１２）。

【0022】

また、決済サービス提供装置１００は、決済要求元である利用者Ｕが所定の特典を獲得する権利を有していることを条件に、第２の抽せんを実行してもよい。決済サービス提供装置１００は、たとえば、所定の特典を獲得する権利を行使することができる期限として予め規定される有効期限内に電子決済が行われることを条件に、第２の抽せんを実行できる。

【0023】

また、決済サービス提供装置１００は、所定の特典として、予め設定される上限額の範囲内で、電子決済の決済金額に応じたポイントを、利用者Ｕに付与できる。また、決済サービス提供装置１００は、所定の特典として決済金額に応じたポイントを付与する例には限られず、決済アプリを通じて利用可能なクーポンを付与してもよい。クーポンとして、決済金額に応じた所定のポイントを付与するクーポンや、取引対象の価格を割引するクーポンや、取引対象を無償提供するクーポンなどが例示される。

【0024】

第２の抽せんを実行後、決済サービス提供装置１００は、決済処理が完了した旨、及び所定の特典の内容を利用者に通知するための通知情報を端末装置１０に送信することにより、利用者Ｕに提供する（ステップＳ１３）。

【0025】

端末装置１０は、決済サービス提供装置１００から受信した通知情報を表示する（ステップＳ１４）。

【0026】

以下、端末装置１０における画面表示の概要について説明する。図２および図３は、実施形態に係る画面表示の概要を説明するための図である。

【0027】

図２に示すように、端末装置１０に表示されるホーム画面Ｗ－１には、たとえば、決済アプリのアイコンＯＢ－１が配置されている（ステップＳ２１）。そして、利用者Ｕ（たとえば、図１参照）によるアイコンＯＢ－１に対する操作の検出に応じて、端末装置１０により決済アプリが起動される。

【0028】

また、決済アプリの起動に伴って、端末装置１０が決済サービス提供装置１００（たとえば、図１参照）から、当せん通知を行うための通知用コンテンツを受信している場合、決済アプリのトップ画面Ｗ－２を表示する際、通知用コンテンツに基づいて当せん通知を表示するための画像表示処理が実行される（ステップＳ２２、ステップＳ２３）。

【0029】

たとえば、決済アプリのトップ画面Ｗ－２を一定時間明滅させた後（ステップＳ２２）、決済アプリのトップ画面Ｗ－２に、当せん通知を行うための通知画像ＯＢ－２をオーバーレイ表示できる（ステップＳ２３）。この場合、通知用コンテンツには、通知画像ＯＢ－２の画像情報の他、端末装置１０において画像表示処理を実行するための制御情報として、明滅させる際の輝度の設定値や、明滅時間の設定値などが含まれる。

【0030】

このように、決済サービス提供装置１００は、決済アプリのトップ画面Ｗ－２を表示する際、所定の特典を付与するか否かを決定するための第１の抽せんに当せんした利用者Ｕに対して、図２に示すような画像演出を伴う当せん通知を行うことができる。これにより、決済サービス提供装置１００は、代金の支払方法として決済アプリを用いた電子決済が選択されるようにサービス利用者である利用者Ｕの興趣喚起を図ることができる。

【0031】

利用者Ｕによる通知画像ＯＢ－２に対する操作の検出に応じて、端末装置１０により、所定の特典の概要を通知するための通知画像ＯＢ－３を表示できる。この場合、通知用コンテンツには、通知画像ＯＢ－３の画像情報が含まれる。

【0032】

また、図３に示すように、端末装置１０に表示される決済完了画面Ｗ－３には、決済した金額を示す情報とともに、所定の特典として利用者Ｕに付与されるポイントの付与額を示す情報が表示される。

【0033】

このように、決済サービス提供装置１００は、決済処理の完了を通知する際、所定の特典を利用者に提供するか否かを決定するための第１の抽せんに当せんした利用者Ｕに対して当せん内容を通知することができる。このようにして、決済サービス提供装置１００は、当せんした特典の具体的な内容を当せん通知よりも後に通知することにより、当せん内容に対する利用者Ｕの期待感を高めることができる。また、決済サービス提供装置１００は、電子決済の利用を促進させる効果も期待できる。

【0034】

また、決済サービス提供装置１００は、上述の例には限られず、利用者Ｕが所定の特典を付与するか否かを決定するための第１の抽せんに当せんした場合、所定の特典の内容を決定するための第２の抽せんを第１の抽せんに続けて実行してもよい。この場合、決済サービス提供装置１００は、通知用コンテンツとして、所定の特典の具体的な内容を含む当せん通知を行うための通知用コンテンツを生成し、生成した通知用コンテンツを端末装置１０に送信する。また、端末装置１０は、利用者Ｕによる通知画像ＯＢ－２に対する操作の検出に応じて、所定の特典の具体的な内容を通知するための通知画像ＯＢ－３を表示する。

【0035】

また、決済サービス提供装置１００は、上述の例には限られず、第１の抽せんの当せん通知を行う場合、所定の特典を獲得する権利を行使することができる期限として予め規定される有効期限内に電子決済が行われない場合、所定の特典を獲得する権利が失効する旨を含む当せん通知を行ってもよい。この場合、決済サービス提供装置１００は、有効期限内に電子決済が行われない場合、所定の特典を獲得する権利が失効する旨を含む当せん通知を行うための通知用コンテンツを生成し、生成した通知用コンテンツを端末装置１０に送信する。また、端末装置１０は、利用者Ｕによる通知画像ＯＢ－２に対する操作の検出に応じて、有効期限内に電子決済が行われない場合、所定の特典を獲得する権利が失効する旨を通知するための通知画像ＯＢ－３を表示する。

【0036】

また、決済サービス提供装置１００は、当せん通知を行う際に画面表示に用いる演出を、予め設定される演出候補の中から、無作為の抽せんにより決定してもよい。この場合、決済サービス提供装置１００は、抽せんにより決定した演出に対応する通知用コンテンツを生成してもよいし、抽せんにより演出用コンテンツを決定してもよい。

【0037】

また、決済サービス提供装置１００は、スクラッチシール（スクラッチインキ）をコインなどで削り取るとスクラッチシールに覆われていた印刷面が見えるスクラッチカードのように、利用者Ｕの操作に応じた所定の画像演出処理を実現可能なスクラッチカード型のコンテンツを通知用コンテンツとして生成してもよい。

【0038】

［２．端末装置１０を用いた決済について］
以下、端末装置１０を用いて実行される電子決済の決済処理の一例について説明する。以下の説明では、たとえば、所定の店舗に配置された２次元コード（ＱＲコード（登録商標））であって、所定の店舗を識別するための店舗識別情報を示す２次元コードや、サービス利用者（たとえば、図１に示す利用者Ｕ）を識別するための利用者識別情報を示す２次元コードなどを用いたコード決済について説明する。端末装置１０を用いて実行されるコード決済は、端末装置１０がスマートフォンである場合、「スマホ決済」とも称される。

【0039】

なお、以下に説明するコード決済は、任意の利用者Ｕが任意の端末装置１０を用いて、任意の店舗にて決済を行う場合においても適用可能である。また、店舗識別情報を示す２次元コードは、ＱＲコードのみならず、バーコードや所定のマーク、番号などであってもよい。また、２次元コードは、紙などの媒体に印字された印刷物により物理的に構成される例に限られず、任意の端末に表示される画像情報により構成されていてもよい。

【0040】

以下、コード決済のうち、利用者Ｕ側が主体となって行うユーザスキャン決済について説明する。ユーザスキャン決済は、利用者Ｕが所定の店舗に設置された２次元コードを読み取ることにより利用者Ｕが主体となって行うコード決済である。

【0041】

たとえば、利用者Ｕが所定の店舗にて各種の商品やサービスといった取引対象の購入や利用に伴う決済を行う場合、利用者Ｕは、コード決済を利用するために端末装置１０に予めインストールされた決済アプリを起動する。利用者Ｕは、決済アプリを通じて、コード決済に関する各種機能を利用できる。

【0042】

そして、利用者Ｕは、決済アプリを介して、所定の店舗に設置された２次元コードを撮影する。このような場合、端末装置１０は、取引対象の価格を入力するための画面を表示し、利用者Ｕあるいは所定の店舗の店員から決済金額の入力を受け付ける。また、端末装置１０は、利用者Ｕの操作に従って、利用者Ｕを識別する利用者識別情報と、店舗識別情報（もしくは、店舗識別情報が示す情報、すなわち、所定の店舗を示す情報（たとえば、店舗ＩＤ））と、決済金額とを含む取引情報を決済サービス提供装置１００（たとえば、図１参照）へと送信する。

【0043】

決済サービス提供装置１００は、端末装置１０から取引情報を受け付けると、利用者識別情報が示す利用者Ｕの口座から、店舗識別情報が示す所定の店舗の口座へと、決済金額に相当する分の電子マネーを移行させる。このとき、決済サービス提供装置１００は、決済金額に相当する分の電子マネーから所定の店舗に課金する所定の手数料を差し引いてから、所定の店舗の口座へ移行させてもよい。

【0044】

そして、決済サービス提供装置１００は、取引が完了した旨の通知を端末装置１０へと送信する。このような場合、端末装置１０は、取引が完了した旨の画面や所定の音声を出力することで、電子マネーによる取引が完了した旨を利用者Ｕに通知する。あるいは、決済サービス提供装置１００は、利用者識別情報が示す利用者Ｕの口座から決済金額に相当する分の電子マネーを引き出して所定の店舗の売り上げ情報として管理し、所定のタイミングで売上に相当する額の現金を所定の店舗が保有する銀行口座に振り込んでもよい。この場合、決済サービス提供装置１００は、利用者Ｕの口座から決済金額に相当する分の電子マネーを引き出したタイミングで、電子マネーによる取引が完了した旨を利用者Ｕに通知してもよい。

【0045】

続いて、コード決済のうち、所定の店舗側が主体となって行うストアスキャン決済について説明する。ストアスキャン決済は、利用者Ｕが決済アプリの画面に利用者識別情報を示す２次元コードを表示させて店舗側に提示し、店舗側が利用者Ｕにより提示された２次元コードを店舗装置２０で読み取ることにより、店舗側が主体となって行う決済である。

【0046】

具体的には、まず、端末装置１０は、利用者Ｕを識別するための利用者識別情報を示すコード情報を画面上に表示させる。このような場合、店舗装置２０は、端末装置１０に表示されたコード情報から利用者識別情報を読み取り、読み取った利用者識別情報（もしくは、利用者識別情報が示す情報、すなわち、利用者Ｕを示す情報（たとえば、利用者ＩＤ））と、決済金額と、所定の店舗を識別する情報とを含む取引情報を決済サービス提供装置１００へと送信する。

【0047】

決済サービス提供装置１００は、店舗装置２０から取引情報を受け付けると、利用者識別情報が示す利用者Ｕの口座から、所定の店舗の口座へと、決済金額に相当する分の電子マネーを移行させる。そして、決済サービス提供装置１００は、店舗装置２０あるいは端末装置１０に対し、取引が完了した旨の通知を送信する。店舗装置２０あるいは端末装置１０は、取引が完了した旨の画面や所定の音声を出力することで、電子マネーによる取引が完了した旨を利用者Ｕに通知する。

【0048】

また、決済サービス提供装置１００は、利用者識別情報が示す利用者Ｕの口座から決済金額に相当する分の電子マネーを引き出して所定の店舗の売り上げ情報として管理し、所定のタイミングで売上に相当する額の現金を所定の店舗が保有する銀行口座に振り込んでもよい。この場合、決済サービス提供装置１００は、利用者Ｕの口座から決済金額に相当する分の電子マネーを引き出したタイミングで、電子マネーによる取引が完了した旨を店員あるいは利用者Ｕに通知してもよい。

【0049】

また、端末装置１０を用いた決済は、利用者Ｕが予め電子マネーをチャージした口座から所定の店舗の口座へと電子マネーを移行させる処理のみならず、たとえば、利用者Ｕが予め登録したクレジットカードを用いた決済であってもよい。このような場合、たとえば、端末装置１０は、所定の店舗の口座に対して決済金額が示す額の電子マネーを移行させるとともに、利用者Ｕのクレジットカードの運用会社に対し、決済金額が示す額を請求してもよい。

【0050】

また、端末装置１０を用いた決済は、利用者Ｕの口座から所定の店舗の口座へと電子マネーを移行させる処理のみならず、たとえば、利用者Ｕの口座から他のユーザの口座へと電子マネーを移行させる決済（すなわち、ユーザ間での送金）であってもよい。たとえば、送金元の利用者Ｕが利用する端末装置１０は、送金先のユーザを識別する利用者識別情報（たとえば、送金先の利用者が利用する端末装置１０に表示される利用者識別情報）を読み取り、利用者Ｕから送金金額の入力を受け付け、読み取った識別情報と、送金金額と、利用者Ｕを識別する利用者識別情報とを示す情報を決済サービス提供装置１００へと送信する。このような場合、決済サービス提供装置１００は、利用者Ｕの口座から、送金先のユーザの口座へと、送金金額が示す額の電子マネーを移行させ、端末装置１０または送金先のユーザが利用する端末装置に対し、送金が完了した旨の画面や所定の音声を出力させることで、送金が行われた旨を通知してもよい。

【0051】

なお、端末装置１０を用いた送金は、上述した処理に限定されるものではない。たとえば、端末装置１０を用いた送金は、送金先のユーザの電話番号や、送金先のユーザを示す情報（たとえば、利用者ＩＤ）を端末装置１０に入力することにより行われてもよい。具体的な例を挙げると、端末装置１０は、送金先のユーザの電話番号または利用者ＩＤと、送金金額との入力を利用者Ｕから受け付け、入力された電話番号または利用者ＩＤと、送金金額と、利用者Ｕを識別する利用者識別情報とを決済サービス提供装置１００へと送信する。そして、決済サービス提供装置１００は、利用者Ｕの口座から、送信された電話番号または利用者ＩＤに紐づけられたユーザの口座へと、送金金額が示す額の電子マネーを移行させる。

【0052】

ここで、送金先のユーザの電話番号や利用者ＩＤは、当該ユーザに関する情報と紐付けて決済アプリに予め登録されていてもよい。この場合、端末装置１０は、決済アプリに登録されたユーザ（送金先）の指定と、当該ユーザへの送金金額の入力とを利用者Ｕから受け付け、指定されたユーザに紐付けられた電話番号または利用者ＩＤと、送金金額と、利用者Ｕを識別する利用者識別情報とを決済サービス提供装置１００へと送信する。

【0053】

また、たとえば、端末装置１０を用いた送金は、送金金額を受け取るためのリンク情報を送金先のユーザに提供することにより行われてもよい。具体的な例を挙げると、端末装置１０は、利用者Ｕから送金金額の入力を受け付けて送金金額を受け取るためのリンク情報を生成し、リンク情報を含む電子メールを送信したり、リンク情報を含む投稿情報をＳＮＳ（Social Networking Service）に投稿したりすることで、送金先のユーザが利用する端末装置にリンク情報を提供する。そして、送金先のユーザがリンク情報を選択して受け取り操作を行った場合、決済サービス提供装置１００は、利用者Ｕの口座から、送金先のユーザの口座へと、送金金額が示す額の電子マネーを移行させる。

【0054】

なお、上述した決済手段や決済サービスは、商品の購入や役務の提供に対する対価の提供（債務の精算）のためのものに限定されるものではない。例えば、上述したように、決済手段や決済サービスは、複数のユーザが有する口座間の送金に関する機能を有していてもよい。すなわち、上述した決済手段や決済サービスは、ユーザや店舗等、電子マネーの所有者と紐づく任意の所有者の口座間における電子マネーの送受信を制御するサービスであればよい。すなわち、実施形態に係る決済手段や決済サービスは、電子マネーのやり取りを実現するための各種制御（電子マネーを介した各種の口座間送金制御のみならず、電子マネー口座と銀行口座間のやり取りに関する制御や、分割、ボーナス払いに伴う処理といった各種債権処理、その他電子マネーを含む財産のやり取りに関する各種制御）を実行する取引手段や取引サービスであれば、任意の態様で提供されるものであってもよい。また、このような取引手段や取引サービスが実現する各種の制御には、決済に関する制御と送金に関する制御の両方が含まれていてもよく、いずれか一方のみが含まれていてもよい。すなわち、「取引」とは、電子マネーに関する「決済」のみならず、電子マネーの「送金」やその他各種の処理をも含む概念である。すなわち、決済サービス提供装置１００は、任意の所有者間における電子マネーのやり取りを制御する取引手段を実現する情報処理装置であってもよい。

【0055】

［３．システム構成］
以下、本願に係る情報処理装置の一例である決済サービス提供装置１００を含む情報処理システムＳＹＳの構成について説明する。図４は、実施形態に係る情報処理システムＳＹＳの構成例を示す図である。

【0056】

図４に示すように、実施形態に係る情報処理システムＳＹＳは、複数の端末装置１０と、複数の店舗装置２０と、決済サービス提供装置１００とを含んで構成される。なお、図４に示す情報処理システムＳＹＳの構成は一例であり、図４に例示される以外の他の装置が含まれていてもよい。

【0057】

端末装置１０、店舗装置２０、及び決済サービス提供装置１００は、有線または無線によりネットワークＮに接続される。端末装置１０、店舗装置２０、及び決済サービス提供装置１００は、ネットワークＮを介して、他の装置との間で相互に通信できる。

【0058】

ネットワークＮは、たとえば、インターネットなどのＷＡＮ（Wide Area Network）や、ＬＴＥ（Long Term Evolution）、４Ｇ（4th Generation）、及び５Ｇ（5th Generation：第５世代移動通信システム）などの移動体通信網などを含む。

【0059】

端末装置１０は、移動体通信網や、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）や、無線ＬＡＮ（Local Area Network）などの近距離無線通信によりネットワークＮに接続し、ネットワークＮを通じて、店舗装置２０や決済サービス提供装置１００などの他の装置と通信できる。

【0060】

また、端末装置１０は、コード決済の利用者Ｕ（たとえば、図１参照）により使用される。複数の端末装置１０の各々は、互いに異なる利用者Ｕによって使用される。

【0061】

また、端末装置１０は、たとえば、典型的にはスマートフォンであるが、かかる例には限られず、ノートＰＣ（Personal Computer）、デスクトップＰＣ、タブレットＰＣ、又はウェアラブルデバイスなどであってもよい。ウェアラブルデバイスとして、スマートグラスやスマートウォッチなどが例示されるが、かかる例には限られない。

【0062】

端末装置１０を使用する利用者Ｕは、端末装置１０に予めインストールされている決済アプリを利用できる。利用者Ｕは、端末装置１０を操作することにより決済アプリを起動し、決済アプリに搭載されている各種機能を利用することにより、決済サービス提供装置１００と連携して、コード決済に関する決済処理を含む電子決済サービスに関する各種処理を実行できる。端末装置１０は、たとえば、決済アプリに搭載されている機能により、決済サービス提供装置１００から配信される種々のウェブコンテンツを表示できる。なお、端末装置１０は、情報の表示処理を実現する制御情報を決済サービス提供装置１００から受け取った場合には、制御情報に従って表示処理を実現する。

【0063】

また、端末装置１０は、所定の情報処理を実現する制御情報を決済サービス提供装置１００から受け取った場合には、制御情報に従って情報処理を実現する。ここで、制御情報は、たとえば、ＪａｖａＳｃｒｉｐｔ（登録商標）などのスクリプト言語や、ＣＳＳ（Cascading Style Sheets）などのスタイルシート言語や、Ｊａｖａ（登録商標）などのプログラミング言語や、ＨＴＭＬ（HyperText Markup Language）などのマークアップ言語などにより記述される。なお、決済サービス提供装置１００などから配信される所定のアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。

【0064】

店舗装置２０は、利用者Ｕに商品やサービスなどの取引対象の提供を行う店舗に設置される。店舗装置２０は、典型的にはＰＯＳ（Point of Sales）端末であるが、かかる例には限られず、スマートフォン、ノートＰＣ、デスクトップＰＣ、タブレットＰＣなどにより実現されてもよい。

【0065】

また、店舗装置２０は、利用者Ｕに提供する取引対象に関する取引対象情報を管理できる。店舗装置２０は、取引対象を識別するために取引対象に付与される取引対象に固有の識別情報と取引対象の価格とを対応付けて管理する。

【0066】

また、店舗装置２０は、店舗装置２０に予めインストールされる店舗用のアプリケーションプログラム（以下、「店舗アプリ」と称する。）に搭載されている各種機能により、コード決済に関する処理を実行できる。店舗装置２０は、店舗アプリに搭載されている機能により、たとえば、端末装置１０に表示される識別コードを読み取り、識別コードの内容をデコードできる。また、店舗装置２０は、店舗アプリに搭載されている機能により、たとえば、デコードした識別コードの内容を含む決済要求を決済サービス提供装置１００に送信できる。

【0067】

決済サービス提供装置１００は、コード決済に関する各種処理を実行する。決済サービス提供装置１００は、コード決済を実現するための環境を各サービス利用者に提供する電子決済サービスを運営する決済サービス事業者により管理される。決済サービス提供装置１００がサーバ装置で構成される場合、単独のサーバ装置により実現されてもよいし、複数のサーバ装置および複数のストレージ装置が協働して動作するクラウドシステムなどにより実現されてもよい。

【0068】

決済サービス提供装置１００は、たとえば、利用者Ｕに提供される取引対象の提供者（たとえば、店舗）の電子マネー口座や、取引対象の提供を受ける利用者Ｕの電子マネー口座（「電子ウォレット」とも称される。）を管理する。決済サービス提供装置１００は、決済アプリを通じて受け付けられる利用者Ｕからの決済要求に従って、口座間において電子マネーの移行などを行うことで、コード決済を実現できる。なお、電子マネーとは、たとえば、各種企業が独自に用いるポイントや通貨等であってもよく、日本円やドルなどの国家により提供される貨幣を電子的に取引可能としたものであってもよい。

【0069】

［４．決済サービス提供装置１００の構成］
以下、図５を用いて、実施形態に係る決済サービス提供装置１００の機能構成の一例を説明する。図５は、実施形態に係る決済サービス提供装置１００の構成例を示す図である。図５に示すように、実施形態に係る決済サービス提供装置１００は、通信部１１０と、記憶部１２０と、制御部１３０とを有する。

【0070】

（通信部１１０）
通信部１１０は、たとえば、通信モジュールやＮＩＣ（Network Interface Card）などによって実現される。そして、通信部１１０は、ネットワークＮと有線または無線で接続され、端末装置１０や店舗装置２０などの他の装置との間で情報の送受信を行う。

【0071】

（記憶部１２０）
記憶部１２０は、たとえば、制御部１３０による制御および演算に用いられるプログラムおよびデータを記憶する。記憶部１２０は、たとえば、ＲＡＭ（Random Access Memory）やフラッシュメモリ（Flash Memory）などの半導体メモリ素子、または、ハードディスクや光ディスクなどの記憶装置によって実現される。図５に示すように、記憶部１２０は、利用者情報ＤＢ（Data Base）１２１と、店舗情報ＤＢ１２２とを有する。

【0072】

（利用者情報ＤＢ１２１）
利用者情報ＤＢ１２１は、電子決済サービスのサービス利用者（たとえば、図１に示す利用者Ｕ）に関する利用者情報を記憶する。図６は、実施形態に係る利用者情報ＤＢ１２１に記憶される利用者情報の概要を示す図である。

【0073】

図６に示すように、利用者情報ＤＢ１２１に記憶される利用者情報は、「ユーザＩＤ」の項目や、「名前」の項目や、「残高」の項目や、「ワンタイムコード」の項目や、「抽せん結果」の項目や、「権利有効期限」の項目や、「当せん演出」の項目といった複数の項目を有している。利用者情報が有するこれらの項目は相互に対応付けられている。

【0074】

「ユーザＩＤ」の項目には、電子決済サービスのサービス利用者に固有の識別情報であるユーザＩＤが記憶される。「名前」の項目には、サービス利用者の名前を示す情報が記憶される。

【0075】

「残高」の項目には、サービス利用者がコード決済で利用可能な電子マネーの残高を示す情報が記憶される。また、「残高」の項目には、サービス利用者が所定の特典として獲得したポイントを示す情報が記憶されていてもよい。「ワンタイムコード」の項目には、ワンタイムコードの発行要求の受信に応じて、発行要求ごとに生成されるワンタイムコードを示す情報が記憶される。

【0076】

「抽せん結果」の項目には、サービス利用者に所定の特典を付与するか否かを決定するための抽せんである第１の抽せんの抽せん結果を示す情報が記憶される。

【0077】

「権利有効期限」の項目には、第１の抽せんに当せんしたサービス利用者が、所定の特典を獲得することができる権利の有効期限を示す情報が記憶される。

【0078】

「当せん演出」の項目には、サービス利用者に対して当せん通知を行う際の決済アプリの画面上の演出を示す演出情報が記憶される。「当せん演出」の項目に記憶される演出情報は、サービス利用者に対して当せん通知を行う際の決済アプリの画面上の演出ごとに予め生成される通知用コンテンツを選択するための情報であってもよい。

【0079】

（店舗情報ＤＢ１２２）
店舗情報ＤＢ１２２は、決済サービス事業者が運営する電子決済サービスを顧客が選択可能な決済方法の１つとして導入する店舗に関する店舗情報を記憶する。図７は、実施形態に係る店舗情報ＤＢ１２２に記憶される店舗情報の概要を示す図である。

【0080】

図７に示すように、店舗情報ＤＢ１２２に記憶される店舗情報は、「事業者ＩＤ」の項目や、「店舗ＩＤ」の項目や、「ブランド名」の項目や、「店舗名」の項目や、「店舗ＵＲＬ」の項目や、「売上金」の項目などといった複数の項目を有している。店舗情報が有するこれらの項目は相互に対応付けられている。

【0081】

「事業者ＩＤ」の項目には、自らの商品やサービスなどを顧客に提供する事業を運営する事業者を識別するための識別情報である事業者ＩＤを示す情報が記憶される。「店舗ＩＤ」の項目には、事業者が運営する店舗を識別するための識別情報である店舗ＩＤを示す情報が記憶される。

【0082】

「ブランド名」の項目には、事業者のブランド名を示す情報が記憶される。「店舗名」の項目には、事業者が運営する店舗名を示す情報が記憶される。

【0083】

「店舗ＵＲＬ」の項目には、ユーザスキャン決済に用いる店舗識別情報として、店舗ごとに設定されるＵＲＬ（Uniform Resource Locator）を示す情報が記憶される。「店舗ＵＲＬ」の項目に記憶されるＵＲＬを示す情報は、店舗に設置される２次元コードの元となる情報である。たとえば、端末装置１０は、店舗に設置される２次元コードを読み取ってデコードすることにより、２次元コードの元となるＵＲＬにアクセスし、利用者識別情報を送信する。決済サービス提供装置１００は、端末装置１０がアクセスしたＵＲＬに対応付けられている電子マネー口座を特定し、特定した電子マネー口座に対して売上金に相当する額の電子マネーを移動させる。

【0084】

「売上金」の項目には、電子決済サービスを通じて店舗が獲得した売上金を示す情報が記憶される。

【0085】

（制御部１３０）
制御部１３０は、コントローラ（controller）であり、たとえば、ＣＰＵ（Central Processing Unit）やＭＰＵ（Micro Processing Unit）などによって、決済サービス提供装置１００内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム（実施形態に係る「情報処理プログラム」の一例）がＲＡＭを作業領域として実行されることにより実現される。

【0086】

また、制御部１３０は、たとえば、ＡＳＩＣ（Application Specific Integrated Circuit）やＦＰＧＡ（Field Programmable Gate Array）、ＧＰＧＰＵ（General Purpose Graphic Processing Unit）などの集積回路により実現され得る。

【0087】

図５に示すように、制御部１３０は、決済処理部１３１と、抽せん処理部１３２と、生成部１３３と、提供部１３４と、付与部１３５とを有し、これらの各部により、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部１３０には、決済サービス提供装置１００が実行する各種処理の拡張などに応じて、図５に示す各部とは異なる新たな機能部が導入されてもよい。

【0088】

（決済処理部１３１）
決済処理部１３１は、通信部１１０を通じて、ワンタイムコードの発行要求を受け付けると、ワンタイムコードを生成できる。また、決済処理部１３１は、生成したワンタイムコードを、ワンタイムコードの発行要求に含まれているユーザＩＤに対応付けて、利用者情報ＤＢ１２１に登録する。

【0089】

また、決済処理部１３１は、通信部１１０を通じて、決済要求を受け付けると、決済要求に対応する決済処理を実行する。

【0090】

（抽せん処理部１３２）
抽せん処理部１３２は、端末装置１０において決済アプリが起動された場合、すなわち、決済アプリの起動に伴って端末装置１０から送信されるワンタイムコードの発行要求の受信を契機として、端末装置１０の利用者（たとえば、図１に示す利用者Ｕ）に所定の特典を付与するか否かを決定するための抽せんである第１の抽せんを実行できる。

【0091】

また、抽せん処理部１３２は、決済処理部１３１において決済要求に対応する決済処理が正常に完了すると、決済処理の完了に応じて、決済要求の要求元である端末装置１０の利用者が所定の特典を獲得する権利を有していることを条件に、所定の特典の内容を決定するための抽せんである第２の抽せんを実行できる。

【0092】

また、抽せん処理部１３２は、たとえば、第２の抽せんとして、ポイントの還元率を決定するための抽せんを実行できる。抽せん処理部１３２は、ポイントの還元率として予め設定される複数の還元率の候補の中から、還元率を１つ選択するための無作為抽せんを実行できる。

【0093】

また、抽せん処理部１３２は、利用者が第１の抽せんに当せんした場合、当せんした利用者が所定の特典を獲得することができる権利の有効期限を設定できる。抽せん処理部１３２は、設定した有効期限を、当せんした利用者のユーザＩＤに対応付けて、利用者情報ＤＢ１２１に登録する。

【0094】

また、抽せん処理部１３２は、第１の抽せんとともに、当せん通知を行う際に画面表示に用いる演出を、予め設定される演出候補の中から、無作為の抽せんにより決定してもよい。

【0095】

（生成部１３３）
生成部１３３は、ワンタイムコードの発行要求元である利用者（たとえば、図１に示す利用者Ｕ）が第１の抽せんに当せんした場合、サービス利用者に対して当せん通知を行うための通知用コンテンツを生成できる。生成部１３３は、たとえば、当せん通知を行う際の演出として、予め設定される複数の演出候補の中から、無作為に選択した演出候補に対応する演出を行うための通知用コンテンツを生成する。

【0096】

また、生成部１３３は、所定の特典を獲得する権利を行使することができる期限として予め規定される有効期限内に電子決済が行われない場合、所定の特典を獲得する権利が失効する旨を含む当せん通知を行うための通知用コンテンツを生成できる。生成部１３３は、利用者情報ＤＢ１２１に記憶されている利用者情報を参照して、第１の抽せんに当せんした利用者のユーザＩＤに対応付けられている有効期限を特定し、特定した有効期限に基づいて通知用コンテンツを生成する。

【0097】

また、生成部１３３は、抽せん処理部１３２により当せん通知を行う際に画面表示に用いる演出が抽せんにより決定された場合、抽せん処理部１３２により抽せんより決定された演出に対応する通知用コンテンツを生成できる。

【0098】

（提供部１３４）
提供部１３４は、通信部１１０を通じて、決済処理部１３１により生成されたワンタイムコードを端末装置１０に送信することにより、端末装置１０の利用者に提供できる。また、提供部１３４は、決済処理部１３１により生成されたワンタイムコードとともに、生成部１３３により生成された通知用コンテンツを端末装置１０に送信することにより、端末装置１０の利用者に提供できる。

【0099】

また、提供部１３４は、決済処理が完了した旨、及び所定の特典の内容を通知するための通知情報を端末装置１０に送信することにより、端末装置１０を使用するサービス利用者に提供できる。

【0100】

（付与部１３５）
付与部１３５は、所定の特典として、予め設定される上限額の範囲内で、電子決済の決済金額に応じたポイントを付与できる。付与部１３５は、たとえば、抽せん処理部１３２による第２の抽せんにより決定された還元率を用いてポイントの付与額を算出できる。

【0101】

［５．処理手順例］
（５－１．第１の抽せん処理）
以下、図８を用いて、実施形態に係る決済サービス提供装置１００により実行される第１の抽せん処理の流れについて説明する。図８は、実施形態に係る決済サービス提供装置１００により実行される第１の抽せん処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図８に示す処理手順は、決済サービス提供装置１００が有する制御部１３０により実行される。制御部１３０は、決済サービス提供装置１００の稼働中、図８に示す処理手順を繰り返し実行する。

【0102】

図８に示すように、抽せん処理部１３２は、ワンタイムコードの発行要求が端末装置１０から受信されることを契機として、端末装置１０の利用者（たとえば、図１に示す利用者Ｕ）に所定の特典を付与するか否かを決定するための第１の抽せんを実行する（ステップＳ１０１）。

【0103】

生成部１３３は、ワンタイムコードの発行要求元である利用者が第１の抽せんに当せんした場合、第１の抽せんに当せんした利用者に対して、当せん通知を行うための通知用コンテンツを生成する（ステップＳ１０２）。

【0104】

また、提供部１３４は、ワンタイムコードとともに、通知用コンテンツを端末装置１０に送信することにより、端末装置１０の利用者に提供して（ステップＳ１０３）、図８に示す処理手順を終了する。

【0105】

（５－２．第２の抽せん処理）
以下、図９を用いて、実施形態に係る決済サービス提供装置１００により実行される第２の抽せん処理の流れについて説明する。図９は、実施形態に係る決済サービス提供装置１００により実行される第２の抽せん処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図９に示す処理手順は、決済サービス提供装置１００が有する制御部１３０により実行される。制御部１３０は、決済サービス提供装置１００の稼働中、図９に示す処理手順を繰り返し実行する。

【0106】

図９に示すように、決済処理部１３１は、通信部１１０を通じて、決済要求を受け付けると、受け付けた決済要求に対応する決済処理を実行する（ステップＳ２０１）。

【0107】

抽せん処理部１３２は、決済要求元が第１の抽せんの当せん者であるか否かを判定する（ステップＳ２０２）。

【0108】

抽せん処理部１３２は、決済要求元が第１の抽せんの当せん者であると判定した場合（ステップＳ２０２；Ｙｅｓ）、所定の特典を獲得するための権利が有効期限内であるか否かを判定する（ステップＳ２０３）。

【0109】

抽せん処理部１３２は、所定の特典を獲得するための権利が有効期限内であると判定した場合（ステップＳ２０３；Ｙｅｓ）、所定の特典の内容を決定するための第２の抽せんを実行する（ステップＳ２０４）。

【0110】

提供部１３４は、決済処理が完了した旨、及び所定の特典の内容を通知するための通知情報を端末装置１０に送信することにより、端末装置１０の利用者に提供して（ステップＳ２０５）、図９に示す処理手順を終了する。

【0111】

上述のステップＳ２０３において、抽せん処理部１３２は、所定の特典を獲得するための権利が有効期限内ではないと判定した場合（ステップＳ２０３；Ｎｏ）、決済処理が完了した旨を通知するための通知情報を端末装置１０に送信することにより、端末装置１０の利用者に提供して（ステップＳ２０６）、図９に示す処理手順を終了する。

【0112】

上述のステップＳ２０２において、抽せん処理部１３２は、決済要求元が第１の抽せんの当せん者ではないと判定した場合（ステップＳ２０２；Ｎｏ）、上述のステップＳ２０６の処理手順に移行する。

【0113】

［６．変形例］
（６－１．ポイント還元率について）
上述の実施形態において、抽せん処理部１３２が、ポイントの還元率として予め設定される複数の還元率の中から、還元率を１つ選択するための無作為抽せんを実行する例を説明したが、抽せん対象となる複数の還元率は決済金額により決定されてもよい。たとえば、決済金額に応じて、決済金額が高いほどを抽せん対象となる還元率が相対的に高くなるように、抽せん対象となる複数の還元率を設定してもよい。具体的には、抽せん処理部１３２は、決済金額が１０００円未満である場合、還元率を、１％、２％、及び３％の中から無作為に抽せんし、決済金額が１０００円以上３０００円未満である場合、還元率を、４％、５％、及び６％の中から無作為に抽せんし、決済金額が３０００円以上である場合、還元率を、７％、８％、及び９％の中から無作為に抽せんしてもよい。

【0114】

（６－２．システム構成等）
また、上述の実施形態では、決済サービス提供装置１００が実施形態に係る情報処理を実行する例を説明したが、この例には限られない。たとえば、決済サービス提供装置１００に代わる他の情報処理装置が、上述した実施形態に係る情報処理を実行してもよい。この場合、決済サービス提供装置１００に代わる他の情報処理装置が、実施形態に係る情報処理を実行するために決済サービス提供装置１００が有する機能を備えていればよい。

【0115】

また、上述の実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。

【0116】

また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。

【0117】

また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。

【0118】

［７．ハードウェア構成］
また、上述してきた実施形態または変形例に係る決済サービス提供装置１００は、たとえば、図１０に示すような構成のコンピュータ１０００によって実現される。図１０は、実施形態または変形例に係る決済サービス提供装置１００の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。

【0119】

コンピュータ１０００は、出力装置１０１０、入力装置１０２０と接続され、演算装置１０３０、一次記憶装置１０４０、二次記憶装置１０５０、出力ＩＦ（Interface）１０６０、入力ＩＦ１０７０、ネットワークＩＦ１０８０がバス１０９０により接続された形態を有する。

【0120】

演算装置１０３０は、一次記憶装置１０４０や二次記憶装置１０５０に格納されたプログラムや入力装置１０２０から読み出したプログラムなどに基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置１０４０は、ＲＡＭなど、演算装置１０３０が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置１０５０は、演算装置１０３０が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ＲＯＭ（Read Only Memory)、ＨＤＤ、フラッシュメモリ等により実現される。

【0121】

出力ＩＦ１０６０は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置１０１０に対し、出力対象となる情報を送信するためのインターフェイスであり、たとえば、ＵＳＢ（Universal Serial Bus）やＤＶＩ（Digital Visual Interface）、ＨＤＭＩ（登録商標）（High Definition Multimedia Interface）といった規格のコネクタにより実現される。また、入力ＩＦ１０７０は、マウス、キーボード、およびスキャナなどといった各種の入力装置１０２０から情報を受信するためのインターフェイスであり、たとえば、ＵＳＢなどにより実現される。

【0122】

なお、入力装置１０２０は、たとえば、ＣＤ（Compact Disc）、ＤＶＤ（Digital Versatile Disc）、ＰＤ（Phase change rewritable Disk）等の光学記録媒体、ＭＯ（Magneto-Optical disk）などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどから情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置１０２０は、ＵＳＢメモリなどの外付け記憶媒体であってもよい。

【0123】

ネットワークＩＦ１０８０は、ネットワークＮを介して他の機器からデータを受信して演算装置１０３０へ送り、また、ネットワークＮを介して演算装置１０３０が生成したデータを他の機器へ送信する。

【0124】

演算装置１０３０は、出力ＩＦ１０６０や入力ＩＦ１０７０を介して、出力装置１０１０や入力装置１０２０の制御を行う。たとえば、演算装置１０３０は、入力装置１０２０や二次記憶装置１０５０からプログラムを一次記憶装置１０４０上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。

【0125】

たとえば、コンピュータ１０００が実施形態または変形例に係る決済サービス提供装置１００として機能する場合、コンピュータ１０００の演算装置１０３０は、一次記憶装置１０４０上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部１３０と同様の機能を実現する。すなわち、演算装置１０３０は、一次記憶装置１０４０上にロードされたプログラム（たとえば、情報処理プログラムの一例）との協働により、実施形態または変形例に係る決済サービス提供装置１００による処理を実現する。

【0126】

［８．効果］
上述してきたように、実施形態に係る決済サービス提供装置１００は、識別コードを用いた電子決済を利用するために電子決済の利用者Ｕが使用する端末装置１０に予めインストールされる決済アプリを介して、電子決済に関する処理を実行する情報処理装置であって、抽せん処理部１３２と、生成部１３３と、提供部１３４とを有する。抽せん処理部１３２は、ワンタイムコードの発行要求が端末装置１０から受信されることを契機として、利用者Ｕに所定の特典を付与するか否かを決定するための第１の抽せんを実行する。生成部１３３は、利用者Ｕが第１の抽せんに当せんした場合、利用者Ｕに対して当せん通知を行うための通知用コンテンツを生成する。提供部１３４は、生成部１３３により生成された通知用コンテンツを利用者Ｕに提供する。

【0127】

また、実施形態に係る決済サービス提供装置１００において、抽せん処理部１３２は、電子決済の決済要求に対応する決済処理の完了に応じて、決済要求元である利用者Ｕが所定の特典を獲得する権利を有していることを条件に、所定の特典の内容を決定するための第２の抽せんを実行する。提供部１３４は、決済処理が完了した旨、及び所定の特典の内容を利用者に通知するための通知情報を利用者Ｕに提供する。

【0128】

また、実施形態に係る決済サービス提供装置１００は、付与部１３５をさらに有する。付与部１３５は、所定の特典として、予め設定される上限額の範囲内で、電子決済の決済金額に応じたポイントを利用者Ｕに付与する。抽せん処理部１３２は、第２の抽せんとして、ポイントの還元率を決定するための抽せんを実行する。

【0129】

また、実施形態に係る決済サービス提供装置１００において、生成部１３３は、所定の特典を獲得する権利を行使することができる期限として予め規定される有効期限内に電子決済が行われない場合、所定の特典を獲得する権利が失効する旨を含む当せん通知を行うための通知用コンテンツを生成する。

【0130】

このようにして、実施形態に係る決済サービス提供装置１００は、決済アプリのトップ画面Ｗ－２（たとえば、図２参照）を表示する際、所定の特典を付与するか否かを決定するための第１の抽せんに当せんした利用者Ｕに対して、図２に示すような画像演出を伴う当せん通知を行うことができる。これにより、決済サービス提供装置１００は、電子決済サービスを用いた電子決済が選択されるように、電子決済サービスを利用するサービス利用者の興趣喚起を図ることができる。

【0131】

また、実施形態に係る決済サービス提供装置１００は、決済処理の完了を通知する際、第１の抽せんに当せんした利用者Ｕに対して当せんの内容を通知することができる。これにより、決済サービス提供装置１００は、当せんした特典の具体的な内容を当せん通知よりも後に通知することにより、当せん内容に対する利用者Ｕの期待感を高めることができる。また、決済サービス提供装置１００は、電子決済の利用を促進させる効果も期待できる。

【0132】

上述の効果は、上述した各部により実行される処理、又は各部により実行される処理のいずれかの組合せにより実現され得る。

【0133】

［９．その他］
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。

【0134】

また、上述した決済サービス提供装置１００は、機能によっては外部のプラットフォームなどをＡＰＩ（Application Programming Interface）やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。

【0135】

また、特許請求の範囲に記載した「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。

【符号の説明】

【0136】

ＳＹＳ 情報処理システム
１０ 端末装置
２０ 店舗装置
１００ 決済サービス提供装置
１１０ 通信部
１２０ 記憶部
１２１ 利用者情報ＤＢ
１２２ 店舗情報ＤＢ
１３０ 制御部
１３１ 決済処理部
１３２ 抽せん処理部
１３３ 生成部
１３４ 提供部
１３５ 付与部

【要約】

【課題】代金の支払方法としてコード決済が選択されるようにサービス利用者の興趣喚起を図ること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、識別コードを用いた電子決済を利用するために電子決済の利用者が使用する端末装置に予めインストールされる決済アプリを介して、電子決済に関する処理を実行する情報処理装置であって、抽せん処理部と、生成部と、提供部とを有する。抽せん処理部は、ワンタイムコードの発行要求が端末装置から受信されることを契機として、利用者に所定の特典を付与するか否かを決定するための第１の抽せんを実行する。生成部は、ワンタイムコードの発行要求元である利用者が第１の抽せんに当せんした場合、利用者に対して当せん通知を行うための通知用コンテンツを生成する。提供部は、ワンタイムコードとともに、生成部により生成された通知用コンテンツを利用者に提供する。
【選択図】図５

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】