(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】摺動部材付き流体コネクタ
(51)【国際特許分類】
F16L 37/252 20060101AFI20240618BHJP
F16L 37/098 20060101ALI20240618BHJP
F16L 37/113 20060101ALI20240618BHJP
F16L 29/00 20060101ALI20240618BHJP
F16L 17/06 20060101ALI20240618BHJP
A61M 39/10 20060101ALI20240618BHJP
A61M 39/22 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
F16L37/252
F16L37/098
F16L37/113
F16L29/00
F16L17/06
A61M39/10
A61M39/22 100
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022181744
(22)【出願日】2022-11-14
【審査請求日】2022-11-14
(32)【優先日】2021-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】523138552
【氏名又は名称】サイティバ ユーエス エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Cytiva US LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ハートリッジ, トーマス ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ウリアナ, ダヴィ
(72)【発明者】
【氏名】ケセラール, ダニエル ジェー.
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04456026(US,A)
【文献】欧州特許出願公開第00639389(EP,A1)
【文献】特開2017-180829(JP,A)
【文献】特開昭62-243563(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 37/252
F16L 37/098
F16L 37/113
F16L 29/00
F16L 17/06
A61M 39/10
A61M 39/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)スロットを含む内面と外面とを有し、前記内面及び前記外面を貫通する開口部を有する第1の中空コネクタ本体と、
(b)スロットを含む内面と外面とを有し、前記内面及び前記外面を貫通する開口部を有する第2の中空コネクタ本体
であって、前記第1の中空コネクタ本体の前記開口部が軸方向に沿って該第2の中空コネクタ本体の該開口部と並んでいる、該第2の中空コネクタ本体と、
(c)前記第1の中空コネクタ本体と前記第2の中空コネクタ本体との間に介挿され、前記第1の中空コネクタ本体の前記内面の前記スロット内及び前記第2の中空コネクタ本体の前記内面の前記スロット内に摺動可能に配置されて、第1の流体移送位置と第2の流体移送位置との間の摺動可能な移動をもたらす、流体移送部材と
を備えるコネクタであって、
前記流体移送部材が、前記第1の中空コネクタ本体の前記内面の前記スロットに面する第1の表面と、前記第2の中空コネクタ本体の前記内面の前記スロットに面する第2の表面とを有するとともに、前記第1の表面を貫通する第1の流体移送開口部と、前記第1の表面及び前記第2の表面を貫通する第2の流体移送開口部とを有し、
前記流体移送部材が第1の開放端及び第2の閉鎖端を有し、前記第1の開放端が、前記第2の流体移送開口部と流体連通することなく、前記第1の流体移送開口部と流体連通し、それにより、前記流体移送部材が前記第1の流体移送位置にあるときに前記第1の開放端及び前記第1の流体移送開口部を通る第1の流体流路をもたらすとともに、前記流体移送部材が前記第2の流体移送位置にあるときに前記第1の中空コネクタ本体の前記開口部、前記流体移送部材の前記第2の流体移送開口部、及び、前記第2の中空コネクタ本体の前記開口部を通る第2の流体流路をもたらす、コネクタ。
【請求項2】
前記第1の中空コネクタ本体の前記外面が第1の環状溝を含み、この第1の環状溝が、前記開口部の周囲で前記第1の環状溝内に配置される第1の弾性変形可能環状シールを伴い、前記第2の中空コネクタ本体の前記外面が第2の環状溝を含み、この第2の環状溝が、前記開口部の周囲で前記第2の環状溝内に配置される第2の弾性変形可能環状シールを伴う、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第1の環状溝内の前記第1の弾性変形可能環状シール及び前記第2の環状溝内の前記第2の弾性変形可能環状シールがそれぞれ可撓性リップを有する、請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記第1の中空コネクタ本体の前記外面が一体的に形成されるロック機構を含み、前記一体的に形成されるロック機構が、スロットを含む少なくとも1つの突起と、少なくとも1つの斜面と
を備え、作動防止アッセンブリ係合部が、少なくとも1つの凹部及び/又は少なくとも1つの突起部を備
え、
前記第2の中空コネクタ本体の前記外面が一体的に形成されるロック機構を含み、前記一体的に形成されるロック機構が、スロットを含む少なくとも1つの突起と、少なくとも1つの斜面と
を備え、作動防止アッセンブリ係合部が、少なくとも1つの凹部及び/又は少なくとも1つの突起部を備
える、請求項1~3のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項5】
請求項4に記載のコネクタを備えるコネクタアセンブリであって、
前記第1の中空コネクタ本体と係合される第1の取り外し可能なキャップを備え、
作動防止アセンブリが、前記第1の取り外し可能なキャップと前記第1の中空コネクタ本体との間に介挿され、前記第1の取り外し可能なキャップが、前記第1の中空コネクタ本体の前記外面を覆い、
前記第2の中空コネクタ本体と係合される第2の取り外し可能なキャップを備え、
作動防止アセンブリが
、前記第2の取り外し可能なキャップと前記第2の中空コネクタ本体との間に介挿され、前記第2の取り外し可能なキャップが
、前記第2の中空コネクタ本体の前記外面を覆う、コネクタアセンブリ。
【請求項6】
(A)(a)スロットを含む内面と外面とを有し、前記内面及び前記外面を貫通する開口部を有する第1の中空コネクタ本体と、(b)スロットを含む内面と外面とを有し、前記内面及び前記外面を貫通する開口部を有する第2の中空コネクタ本体と、(c)前記第1の中空コネクタ本体と前記第2の中空コネクタ本体との間に介挿され、前記第1の中空コネクタ本体の前記内面の前記スロット内及び前記第2の中空コネクタ本体の前記内面の前記スロット内に摺動可能に配置されて、第1の流体移送位置と第2の流体移送位置との間の摺動可能な移動をもたらす、流体移送部材と、を備え、前記流体移送部材が、前記第1の中空コネクタ本体の前記内面の前記スロットに面する第1の表面と、前記第2の中空コネクタ本体の前記内面の前記スロットに面する第2の表面とを有するとともに、前記第1の表面を貫通する第1の流体移送開口部と、前記第1の表面及び前記第2の表面を貫通する第2の流体移送開口部とを有し、前記流体移送部材が第1の開放端及び第2の閉鎖端を有し、前記第1の開放端が、前記第2の流体移送開口部と流体連通することなく、前記第1の流体移送開口部と流体連通し、それにより、前記流体移送部材が前記第1の流体移送位置にあるときに前記第1の開放端及び前記第1の流体移送開口部を通る第1の流体流路をもたらすとともに、前記流体移送部材が前記第2の流体移送位置にあるときに前記第1の中空コネクタ本体の前記開口部、前記流体移送部材の前記第2の流体移送開口部、及び、前記第2の中空コネクタ本体の前記開口部を通る第2の流体流路をもたらす、第1のコネクタを、
(B)(a’)スロットを含む内面と外面とを有し、前記内面及び前記外面を貫通する開口部を有する第1の中空コネクタ本体と、(b’)スロットを含む内面と外面とを有し、前記内面及び前記外面を貫通する開口部を有する第2の中空コネクタ本体と、(c’)前記第1の中空コネクタ本体と前記第2の中空コネクタ本体との間に介挿され、前記第1の中空コネクタ本体の前記内面の前記スロット内及び前記第2の中空コネクタ本体の前記内面の前記スロット内に摺動可能に配置されて、第1の流体移送位置と第2の流体移送位置との間の摺動可能な移動をもたらす、流体移送部材と、を備え、前記流体移送部材が、前記第1の中空コネクタ本体の前記内面の前記スロットに面する第1の表面と、前記第2の中空コネクタ本体の前記内面の前記スロットに面する第2の表面とを有するとともに、前記第1の表面を貫通する第1の流体移送開口部と、前記第1の表面及び前記第2の表面を貫通する第2の流体移送開口部とを有し、前記流体移送部材が第1の開放端及び第2の閉鎖端を有し、前記第1の開放端が、前記第2の流体移送開口部と流体連通することなく、前記第1の流体移送開口部と流体連通し、それにより、前記流体移送部材が前記第1の流体移送位置にあるときに前記第1の開放端及び前記第1の流体移送開口部を通る第1の流体流路をもたらすとともに、前記流体移送部材が前記第2の流体移送位置にあるときに前記第1の中空コネクタ本体の前記開口部、前記流体移送部材の前記第2の流体移送開口部、及び、前記第2の中空コネクタ本体の前記開口部を通る第2の流体流路をもたらす、第2のコネクタと
接触させて配置するステップを含み、
前記第2のコネクタの前記第1の中空コネクタ本体の前記外面を前記第1のコネクタの前記第2の中空コネクタ本体の前記外面と接触させて第1の接触位置をもたらすステップと、前記第2のコネクタの前記第1の中空コネクタ本体及び/又は前記第1のコネクタの前記第2の中空コネクタ本体をねじって、第2の接触位置をもたらし、作動位置を与えるステップと、前記第2のコネクタ内の前記流体移送部材が前記第1の流体移送位置にある間に、前記第1のコネクタ内の前記流体移送部材を前記第2の流体移送位置に摺動させるステップとを更に含む、流体接続を行なうための方法。
【請求項7】
流体を前記第2の流体流路に沿って前記第1のコネクタを通じて前記第2のコネクタの前記第1の流体流路に通過させるステップを更に含む、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
[0001]流体処理システム及び流体処理(医薬産業及びバイオテクノロジー産業で使用される液体製品など)で使用するためのコネクタが知られている。しかしながら、さらに改良されたコネクタが必要とされている。本発明は、先行技術の欠点の少なくとも幾つかの改善をもたらす。本発明のこれら及び他の利点は、以下に記載される説明から明らかになる。
【発明の概要】
【0002】
[0002]本発明の一態様は、(a)スロットを含む内面と外面とを有し、内面及び外面を貫通する開口部を有する第1の中空コネクタ本体と、(b)スロットを含む内面と外面とを有し、内面及び外面を貫通する開口部を有する第2の中空コネクタ本体と、(c)第1の中空コネクタ本体と第2の中空コネクタ本体との間に介挿され、第1の中空コネクタ本体の内面のスロット内及び第2の中空コネクタ本体の内面のスロット内に摺動可能に配置されて、第1の流体移送位置と第2の流体移送位置との間の摺動可能な移動をもたらす、流体移送部材と、を備え、流体移送部材が、第1の中空コネクタ本体の内面のスロットに面する第1の表面と、第2の中空コネクタ本体の内面のスロットに面する第2の表面とを有するとともに、第1の表面を貫通する第1の流体移送開口部と、第1の表面及び第2の表面を貫通する第2の流体移送開口部とを有し、流体移送部材が第1の開放端及び第2の閉鎖端を有し、第1の開放端が、第2の流体移送開口部と流体連通することなく、第1の流体移送開口部と流体連通し、それにより、流体移送部材が第1の流体移送位置にあるときに第1の開放端及び第1の流体移送開口部を通る第1の流体流路をもたらすとともに、流体移送部材が第2の流体移送位置にあるときに第1の中空コネクタ本体の開口部、流体移送部材の第2の流体移送開口部、及び、第2の中空コネクタ本体の開口部を通る第2の流体流路をもたらす、コネクタを提供する。
【0003】
[0003]コネクタの好ましい態様において、第1の中空コネクタ本体の外面は、スロットを含む少なくとも1つの突起と、少なくとも1つの斜面と、少なくとも1つの凹部及び/又は少なくとも1つの突起部を備える作動防止アセンブリ係合部とを備える、一体的に形成されるロック機構を含み、第2の中空コネクタ本体の外面は、スロットを含む少なくとも1つの突起と、少なくとも1つの斜面と、少なくとも1つの凹部及び/又は少なくとも1つの突起部を備える作動防止アセンブリ係合部とを備える、一体的に形成されるロック機構を含む。
【0004】
[0004]他の態様では、コネクタの一態様を備えるコネクタアセンブリが提供され、このコネクタアセンブリは、第1の中空コネクタ本体と係合される第1の取り外し可能なキャップを備え、取り外し可能な作動防止アセンブリが、第1の取り外し可能なキャップと第1の中空コネクタ本体との間に介挿され、第1の取り外し可能なキャップが、第1の中空コネクタ本体の外面を覆い、また、コネクタアセンブリは、第2の中空コネクタ本体と係合される第2の取り外し可能なキャップを備え、取り外し可能な作動防止アセンブリが第2の取り外し可能なキャップと第2の中空コネクタ本体との間に介挿され、第2の取り外し可能なキャップが第2の中空コネクタ本体の外面を覆う。
【0005】
[0005]本発明の更に他の態様によれば、流体接続を行なうための方法及び流体を処理するための方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】本発明の一態様に係る第1の流体移送位置にある第1のコネクタの断面図を示す図であり(第1及び第2の中空コネクタ本体の外面に接続された作動防止サブアセンブリ及び剥離ストリップも示す)、流体移送部材は、第1の中空コネクタ本体と第2の中空コネクタ本体との間に摺動可能に配置される。
【
図1B】本発明の一態様に係る第2の流体移送位置にある
図1Aに示される第1のコネクタの断面図を示す図である(作動防止サブアセンブリ及び剥離ストリップが取り外された状態)。
【
図1C】接合された本発明の一態様に係る第1及び第2のコネクタの断面図を示す図であり、第1のコネクタが
図1Bに示されるように第2の流体移送位置にあり、第2のコネクタが第1の流体移送位置にある(第2のコネクタは作動防止サブアセンブリ及び剥離ストリップを有する)。
【
図2A】
図1Aに示される第1のコネクタの側面斜視図を示す図である。
【
図2B】
図1Bに示される第1のコネクタの側面図を示す図である。
【
図2C】
図1Cに示される接合された第1及び第2のコネクタの背面斜視図を示す図である。
【
図2D】
図2Cに示される接合された第1及び第2のコネクタの正面図を示す図である。
【
図3A】作動防止サブアセンブリ及び剥離ストリップが各外側本体面から取り外された中空コネクタ外側本体面を示す、
図2Aに示される第1のコネクタの背面斜視図を示す図である。
【
図3B】第1及び第2のコネクタが接続されるときに使用される作動防止アセンブリの別のサブアセンブリも示す、タブと、コネクタ間に配置可能なコネクタ内における剥離可能ストリップとを備える作動防止アセンブリの作動防止サブアセンブリの斜視図を示す図である。
【
図4A】
図1Aに示される流体移送部材の断面図を示す図である。
【
図4D】
図4Cに示される流体移送部材の底面斜視図を示す図である。
【
図4E】流体移送部材の第1の開放端を示す端面図を示す図である。
【
図4F】流体移送部材の第2の閉鎖端を示す端面図を示す図である。
【
図5A】中空コネクタ本体の外面に接続された作動防止サブアセンブリ及び剥離ストリップも示す、第1のコネクタの中空コネクタ本体の内面の斜視図を示す図である。
【
図5B】
図5Aに示される第1のコネクタの中空コネクタ本体の内面の上面図を示す図である。
【
図5C】
図5Aに示される第1のコネクタの中空コネクタ本体の外面の上面斜視図を示す図である。
【
図6A】
図2Aに示される第1のコネクタの上面図を示す図である。
【
図6B】
図2Aに示される第1のコネクタの下面図を示す図である。
【
図7A】本発明の一態様に係る
図1Aに示される第1のコネクタを備える第1のコネクタアセンブリの断面図を示す図である(一体的に形成されるロック機構及び取り外し可能なキャップも示す)。
【
図7B】
図7Aに示される第1のコネクタアセンブリの正面斜視図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0013]本発明の一態様によれば、(a)スロットを含む内面と外面とを有し、内面及び外面を貫通する開口部を有する第1の中空コネクタ本体と、(b)スロットを含む内面と外面とを有し、内面及び外面を貫通する開口部を有する第2の中空コネクタ本体と、(c)第1の中空コネクタ本体と第2の中空コネクタ本体との間に介挿され、第1の中空コネクタ本体の内面のスロット内及び第2の中空コネクタ本体の内面のスロット内に摺動可能に配置されて、第1の流体移送位置と第2の流体移送位置との間の摺動可能な移動をもたらす、流体移送部材と、を備え、流体移送部材が、第1の中空コネクタ本体の内面のスロットに面する第1の表面と、第2の中空コネクタ本体の内面のスロットに面する第2の表面とを有するとともに、第1の表面を貫通する第1の流体移送開口部と、第1の表面及び第2の表面を貫通する第2の流体移送開口部とを有し、流体移送部材が第1の開放端及び第2の閉鎖端を有し、第1の開放端が、第2の流体移送開口部と流体連通することなく、第1の流体移送開口部と流体連通し、それにより、流体移送部材が第1の流体移送位置にあるときに第1の開放端及び第1の流体移送開口部を通る第1の流体流路をもたらすとともに、流体移送部材が第2の流体移送位置にあるときに第1の中空コネクタ本体の開口部、流体移送部材の第2の流体移送開口部、及び、第2の中空コネクタ本体の開口部を通る第2の流体流路をもたらす、コネクタが提供される。
【0008】
[0014]コネクタの好ましい態様では、第1の中空コネクタ本体の外面が第1の環状溝を含み、この第1の環状溝が、開口部の周囲で第1の環状溝内に配置される第1の弾性変形可能環状シールを伴い、第2の中空コネクタ本体の外面が第2の環状溝を含み、この第2の環状溝が、開口部の周囲で第2の環状溝内に配置される第2の弾性変形可能環状シールを伴う。
【0009】
[0015]コネクタの幾つかの態様では、第1の環状溝内の第1の弾性環状シール及び第2の環状溝内の第2の弾性環状シールがそれぞれ、中央開口部を取り囲むリップを有する。
【0010】
[0016]コネクタの好ましい態様において、第1の中空コネクタ本体の外面は、スロットを含む少なくとも1つの突起と、少なくとも1つの斜面と、少なくとも1つの凹部及び/又は少なくとも1つの突起部を備える作動防止アセンブリ係合部とを備える、一体的に形成されるロック機構を含み、第2の中空コネクタ本体の外面は、スロットを含む少なくとも1つの突起と、少なくとも1つの斜面と、少なくとも1つの凹部及び/又は少なくとも1つの突起部を備える作動防止アセンブリ係合部とを備える、一体的に形成されるロック機構を含む。
【0011】
[0017]他の態様では、コネクタの一態様を備えるコネクタアセンブリが提供され、このコネクタアセンブリは、第1の中空コネクタ本体と係合される第1の取り外し可能なキャップを備え、取り外し可能な作動防止アセンブリが、第1の取り外し可能なキャップと第1の中空コネクタ本体との間に介挿され、第1の取り外し可能なキャップが、第1の中空コネクタ本体の外面を覆い、また、コネクタアセンブリは、第2の中空コネクタ本体と係合される第2の取り外し可能なキャップを備え、取り外し可能な作動防止アセンブリが第2の取り外し可能なキャップと第2の中空コネクタ本体との間に介挿され、第2の取り外し可能なキャップが第2の中空コネクタ本体の外面を覆う。
【0012】
[0018]本発明の更なる他の態様によれば、流体接続を行なうための方法が提供され、方法は、(A)(a)スロットを含む内面と外面とを有し、内面及び外面を貫通する開口部を有する第1の中空コネクタ本体と、(b)スロットを含む内面と外面とを有し、内面及び外面を貫通する開口部を有する第2の中空コネクタ本体と、(c)第1の中空コネクタ本体と第2の中空コネクタ本体との間に介挿され、第1の中空コネクタ本体の内面のスロット内及び第2の中空コネクタ本体の内面のスロット内に摺動可能に配置されて、第1の流体移送位置と第2の流体移送位置との間の摺動可能な移動をもたらす、流体移送部材と、を備え、流体移送部材が、第1の中空コネクタ本体の内面のスロットに面する第1の表面と、第2の中空コネクタ本体の内面のスロットに面する第2の表面とを有するとともに、第1の表面を貫通する第1の流体移送開口部と、第1の表面及び第2の表面を貫通する第2の流体移送開口部とを有し、流体移送部材が第1の開放端及び第2の閉鎖端を有し、第1の開放端が、第2の流体移送開口部と流体連通することなく、第1の流体移送開口部と流体連通し、それにより、流体移送部材が第1の流体移送位置にあるときに第1の開放端及び第1の流体移送開口部を通る第1の流体流路をもたらすとともに、流体移送部材が第2の流体移送位置にあるときに第1の中空コネクタ本体の開口部、流体移送部材の第2の流体移送開口部、及び、第2の中空コネクタ本体の開口部を通る第2の流体流路をもたらす、第1のコネクタを、(B)(a’)スロットを含む内面と外面とを有し、内面及び外面を貫通する開口部を有する第1の中空コネクタ本体と、(b’)スロットを含む内面と外面とを有し、内面及び外面を貫通する開口部を有する第2の中空コネクタ本体と、(c’)第1の中空コネクタ本体と第2の中空コネクタ本体との間に介挿され、第1の中空コネクタ本体の内面のスロット内及び第2の中空コネクタ本体の内面のスロット内に摺動可能に配置されて、第1の流体移送位置と第2の流体移送位置との間の摺動可能な移動をもたらす、流体移送部材と、を備え、流体移送部材が、第1の中空コネクタ本体の内面のスロットに面する第1の表面と、第2の中空コネクタ本体の内面のスロットに面する第2の表面とを有するとともに、第1の表面を貫通する第1の流体移送開口部と、第1の表面及び第2の表面を貫通する第2の流体移送開口部とを有し、流体移送部材が第1の開放端及び第2の閉鎖端を有し、第1の開放端が、第2の流体移送開口部と流体連通することなく、第1の流体移送開口部と流体連通し、それにより、流体移送部材が第1の流体移送位置にあるときに第1の開放端及び第1の流体移送開口部を通る第1の流体流路をもたらすとともに、流体移送部材が第2の流体移送位置にあるときに第1の中空コネクタ本体の開口部、流体移送部材の第2の流体移送開口部、及び、第2の中空コネクタ本体の開口部を通る第2の流体流路をもたらす、第2のコネクタと接触させて配置するステップを含み、第2のコネクタの第1の中空コネクタ本体の外面を第1のコネクタの第2の中空コネクタ本体の外面と接触させて第1の接触位置をもたらすステップと、第2のコネクタの第1の中空コネクタ本体及び/又は第1のコネクタの第2の中空コネクタ本体をねじって、第2の接触位置をもたらし、作動位置を与えるステップと、第2のコネクタ内の流体移送部材が第1の流体移送位置にある間に、第1のコネクタ内の流体移送部材を第2の流体移送位置に摺動させるステップとを更に含む。
【0013】
[0019]方法の好ましい態様において、方法は、流体を第2の流体流路に沿って第1のコネクタを通じて第2のコネクタの第1の流体流路に通過させるステップを更に含む。流体を処理する方法の態様は、任意の数の接続されたコネクタ及び/又はコネクタアセンブリに流体を通過させるステップとを含むことができる。
【0014】
[0020]好適には、本発明の態様に係る2つ以上のコネクタ及び/又はコネクタアセンブリを接続して、動作の数を増やすことができる(同じ初期接続を介した複数の無菌接続)。結果として、流路内の想定し得る漏れポイントの数が減少され(マニホールドを交換する必要がなく、同じ所定数の接続のための接合部が少ない)、マニホールド全体の複雑さのサイズも減少する。オペレータは、コネクタ、導管、T及びYコネクタ、並びに、バルブ及び/又はコントローラなどの外部ハードウェアの複雑な配置に頼ることなく、プロセスに必要な数のコネクタアセンブリを使用する選択肢を有する。
【0015】
[0021]好ましくは、コネクタ又はコネクタアセンブリは、雄雌の別がないコネクタアセンブリ、すなわち、雄接続及び雌接続を必要としないコネクタアセンブリである。好適には、コネクタ又はコネクタアセンブリは、他のコネクタ又はコネクタアセンブリ、例えば、本明細書に記載のコネクタアセンブリ又は米国特許第10,247,342号に記載のコネクタアセンブリに接続され得る。
【0016】
[0022]好ましい態様では、流体を処理する方法は、接続されたコネクタ及び/又はコネクタアセンブリに流体を通過させるステップを含む。
【0017】
[0023]また、本発明の態様は、使い捨て技術(SUT)用途にも適している。
【0018】
[0024]ここで、以下、本発明の構成要素のそれぞれについて更に詳しく説明する。この場合、同様の構成要素は同様の参照数字を有する。
【0019】
[0025]
図1A及び
図1Bは、(a)スロット155と、シール143(
図5A~
図5Bも参照)を受けるための環状溝142とを含む内面110と、弾性シール123(好ましくは、可撓性リップ123aを含む弾性変形可能なシール;
図1C(リップ123a用のチャンバ123bを含む)及び
図3も参照)を受ける環状溝122を含む外面120とを有し、内面及び外面を貫通する開口部190(環状溝143,122によって取り囲まれる)を有する第1の中空コネクタ本体100と、(b)スロット255と、シール243(
図5A~
図5Bも参照)を受けるための環状溝242とを含む内面210と、弾性シール223(好ましくは、可撓性リップ223aを含む弾性変形可能なシール;
図1C(リップ223b用のチャンバ223bを含む)及び
図3も参照)を受ける環状溝222を含む外面220とを有し、内面及び外面を貫通する開口部290(環状溝243,222によって取り囲まれる)を有する第2の中空コネクタ本体200であって、第1の中空コネクタ本体が第2のコネクタ本体の端部225と摺動接触する端部125を有する、第2の中空コネクタ本体200と、(c)第1の中空コネクタ本体と第2の中空コネクタ本体との間に介挿され、第1の中空コネクタ本体の内面のスロット内及び第2の中空コネクタ本体の内面のスロット内に摺動可能に配置されて、第1の流体移送位置1(
図1A)と第2の流体移送位置2(
図1B)との間の摺動可能な移動をもたらす、流体移送部材300と、を備え、流体移送部材が、第1の中空コネクタ本体の内面のスロットに面する第1の表面310Aと、第2の中空コネクタ本体の内面のスロットに面する第2の表面310Bとを有するとともに、第1の表面を貫通する第1の流体移送開口部311と、第1の表面及び第2の表面を貫通する第2の流体移送開口部322とを有し、流体移送部材が第1の開放端301及び第2の閉鎖端302を有し、第1の開放端が、第2の流体移送開口部と流体連通することなく(中実壁313及び中実セクション314によって遮断される)、第1の流体移送開口部と流体連通し、それにより、流体移送部材が第1の流体移送位置にあるときに第1の開放端及び第1の流体移送開口部を通る第1の流体流路1A(
図1A)をもたらすとともに、流体移送部材が第2の流体移送位置にあるときに第1の中空コネクタ本体の開口部、流体移送部材の第2の流体移送開口部、及び、第2の中空コネクタ本体の開口部を通る第2の流体流路2A(
図1B)をもたらす、コネクタ1000の一態様を示す。
【0020】
[0026]一般に、第1及び第2の中空コネクタ本体100,200は同一であり、したがって、コストが低減される。
【0021】
[0027]第2の流体移送位置2及び第2の流体流路2Aは、第1のコネクタ及び更なる(第2の)コネクタが接続されて引き抜きストリップ520A、520Bが除去された(
図1A及び
図1C参照、
図1Cでは、「’’’’’」でラベル付けされた第2のコネクタ2000における構造が第1のコネクタ1000における「’’’’’」を伴わない構造に対応し、第1のコネクタが入口ポート1010aを伴う入口ニップル1010を含む)後に第1のコネクタに対して利用され、それにより、次の第1の流体移送位置1’及び次の第1の流体流路1A’を第2のコネクタに対して利用することができる。
【0022】
[0028]以下でより詳細に説明されるように、第1のコネクタが第2のコネクタに接続されると、第1のコネクタの第2の中空コネクタ本体の外面上のロック機構は、ロック機構が第1の接触位置にあるように、第2のコネクタの第1の中空コネクタ本体の外面上のロック機構と接触して配置される。好ましくは、少なくとも1つの剥離ストリップを備える作動防止アセンブリ500がロック機構(より好ましくは、一方の中空コネクタ本体に関連するサブアセンブリ500Aと他方の接触する中空コネクタ本体に関連するサブアセンブリ500Bとを備える作動防止アセンブリ)間に介挿され、アセンブリが取り外される。続いて、第1のコネクタの第2の中空コネクタ本体及び/又は第2のコネクタの第1の中空コネクタ本体は、それぞれの弾性シールが作動位置を含む第2の接触位置で中空コネクタ本体に対してシールするようにねじられる。
【0023】
[0029]中空コネクタ本体は、米国特許第10,247,342号明細書に開示されているように、ロック機構の使用及び第1の接触位置から第2の接触(作動又は起動)位置への回転を含めて、互いに結合することができる。
【0024】
[0030]任意の数のコネクタ及び/又はコネクタアセンブリを接合することができ、付加的に接合された各コネクタ又はコネクタアセンブリは、最初に、第2の流体移送位置と、新しい(更なる)コネクタ又はコネクタアセンブリに接続されたコネクタ又はコネクタアセンブリを通る第2の流体流路とを介して、第1の流体移送位置及び第1の流体流路に関して利用される。したがって、例えば、参照のために
図1C及び
図2Cに示す態様を使用して、更なる(例えば、第3の)コネクタを第2のコネクタ200の外面2000’に接続することができ、また、中空コネクタ本体を作動位置に配置した後、続いて、流体移送部材300’が第2の流体移送位置に移動された後に流体を第2のコネクタから第2の流体流路に沿って受け、第3のコネクタにおける流体移送部材が第1の位置にある状態で、第1の流路に沿って流体を通過させる。
【0025】
[0031]参照のために
図4B~
図4D及び
図5Aに示される態様を使用すると、流体移送部材300は、第1の位置で及び第2の位置でウェル部170,270,180,280の端部181A、281A、181B、281Bに接触するときに壁セクション160,260の端部161A、261A、162B、262Bに接触するスロット155,255内の第1及び第2の位置での更なる摺動可能な移動を防止するピン315A、315Bを有する。
【0026】
[0032]コネクタ(
図2A、
図3(特に)、
図5A、及び
図5C参照)の好ましい態様において、第1及び第2の中空コネクタ本体の外面110,220はそれぞれ、それぞれのロック機構(第1のロック機構150;第2のロック機構250)を含み、それぞれのロック機構は、面の上方で延在する突起151,251であって、スロット152,252及びガイド153,253を含む突起151,251と、面の下方で延在する斜面155,255とを備える。幾つかの実施形態において、ロック機構はそれぞれ、突起上のガイド153,253と、ばねアーム159,259とを含む。
図3に示される態様において、第1のコネクタ本体は、突起151A、151B、スロット152A、152B、ガイド153A、153B、斜面155A、155B、及び、ばねアーム159A、159Bを含む第1のロック機構150A、150Bを含み、第2のコネクタ本体は、突起251A、251B、スロット252A、252B、ガイド253A、253B、斜面255A、255B、及び、ばねアーム259A、259Bを含む第2のロック機構250A、250Bを含む。ロック機構は、本体と一体的に形成され、したがって、本体が第1の位置から第2の位置に移動するときに本体の残りの部分とは別個に移動しない。参照を容易にするために、
図1A、
図2A及び
図3は、第1のコネクタ1000の第1及び第2の中空コネクタ本体の外面上のロック機構150,250及びサブアセンブリ500A、500Bを示すが、2つのコネクタを互いに接続するとき、一方のコネクタの中空コネクタ本体のロック機構は、作動防止アセンブリ500(それぞれの剥離ストリップ520A、520Bを含むサブアセンブリ500A、500B)がロック機構間に介挿された状態で、他方のコネクタの中空コネクタ本体のロック機構と接触することが理解されるべきである。
【0027】
[0033]作動防止アセンブリは、存在する場合、コネクタ又はコネクタアセンブリ間の作動位置を形成することを防止し、取り外される場合、コネクタ又はコネクタアセンブリの作動位置を形成できるようにする。必要に応じて、アセンブリ又は各サブアセンブリは、プルリングを含むことができる。
【0028】
[0034]作動防止アセンブリ500が取り外された後、中空コネクタ本体が第2の(作動)位置になるまで、一方の中空コネクタ本体のロック機構の斜面が他方の中空コネクタ本体のロック機構の突起におけるスロットと係合するように、中空コネクタ本体のいずれか又は両方を第1の位置から回転させることができる。中空コネクタ本体が作動位置になった時点で、コネクタ本体の内部は、それぞれの同軸に位置合わせされた開口部290,190’を介して、好ましくはいかなる外部汚染物もない無菌の態様で、互いに流体連通する。
【0029】
[0035]任意選択的に、(a)斜面の表面及び斜面の表面に接触するスロットの表面は、初期角度を有し、次いで、突起が平坦面上で停止し、コネクタ本体が作動位置にあるときにシールの本体に所望量の圧力を与えるように水平になり、及び/又は、(b)特に
図3及び
図5Bに示されるように、ロック機構は、好ましくは触覚及び/又は可聴「クリック」をもたらしながら、突起が通過した時点で、突起ガイド153(159A,159B)(153A,153B)、253(259A,259B)が突起を撓ませて戻ることができるようにするべく屈曲して、突起を作動位置に保持する、ばねアーム159、259(253A,253B)を有する。参照のために
図3Aを使用すると、「A」及び「B」は、触覚及び/又は可聴「クリック」をもたらしてばねアームが屈曲後に戻った場所を示す。
【0030】
[0036]幾つかの実施形態では、各コネクタ又はコネクタアセンブリは、作動防止アセンブリを第1の中空コネクタ本体及び第2の中空コネクタ本体と嵌合させるための位置合わせ構成を備え、位置合わせ構成は突起部及び凹部を備え、この場合、作動防止アセンブリの第1及び第2の表面、第1の中空コネクタの第1の本体端部、及び、第2の中空コネクタの第1の本体端部はそれぞれ、少なくとも1つの突起部及び/又は少なくとも1つの凹部を有し、それにより、作動防止アセンブリの第1の表面は第1の中空コネクタの本体面と嵌合し、作動防止アセンブリの第2の表面は第2の中空コネクタの本体面と嵌合する。
【0031】
[0037]例えば、
図3A及び
図3Bに示される態様において、コネクタは、第1の中空コネクタ本体の面110に2つのスロット(801a及び802b)で示される凹部801と、作動防止タブ501の第1の表面511上の突起部810(2つのスナップフック810’及びピン810’’を有するものとして示される)とを含む位置合わせ構成800を更に備え、突起部は凹部801と係合可能である(第2の中空コネクタ本体は同じ構造を有する)。以下に説明するように、ピンを含む態様において、ピンと凹部との係合は、サブアセンブリがそれぞれの中空コネクタ本体と係合されるときの屈曲/移動を更に低減する。
【0032】
[0038]必要に応じて、各サブアセンブリ500A、500Bは、中空コネクタ本体が第1の位置で互いに接触するときに第1の作動防止サブアセンブリ及び第2の作動防止サブアセンブリを互いに嵌合させることができるように、少なくとも1つの突起部及び少なくとも1つの凹部を備えるキー配列を備えることができる。例えば、
図5Cに示されるように、サブアセンブリ500A、500Bは、突起部551A、551Bと凹部552A、552Bとを備えるそれぞれのキー配列550A、550Bを含み、突起部551Aは、凹部552B及び突起部551Bと嵌合し、凹部551Aと嵌合することができる。好適には、これにより、オペレータは、サブアセンブリのいずれか又は両方、及び/又は、剥離可能ストリップ520A、520Bのいずれか又は両方を引っ張り、コネクタ又はコネクタアセンブリから作動防止アセンブリを取り外すことができ、それにより、中空コネクタ本体を作動位置に配置することができる。
【0033】
[0039]幾つかの態様において、一体的に形成されるロック機構及び作動防止アセンブリ並びにそれらの動作は、米国特許第10,247,342号に記載されているようにすることができる。
【0034】
[0040]コネクタ本体の内部の無菌性を高めるために、剥離ストリップ(シール層)は、中空コネクタ本体の外面で開口を覆うように配置されることが好ましい。剥離ストリップは、様々に構成することができる。一般に、剥離ストリップは、作動防止アセンブリタブ及び/又は中空コネクタ本体の面に接合(例えば、溶接、捕捉、又はクランプ)される。好ましくは、剥離ストリップは、それぞれのサブアセンブリタブ及び中空コネクタ本体面に接合される(シールを覆い、シールリップに接触する)。多くの実施形態において、剥離ストリップは、シールに接合されることなく、面シールの全て又は少なくとも一部を覆うこともできる。例えば、各剥離ストリップは、少なくとも開口に最も近いシールを完全に覆うことができる。剥離ストリップは、シール自体に接合されなくてもよく、各シールを取り囲む面の表面に接合されてもよい。
【0035】
[0041]剥離ストリップは、不透過性材料又は生物学的汚染を含む汚染物質の通過に抵抗する透過性材料から形成されてもよい。これらの材料としては、エラストマーシート、ポリマーフィルム、及び金属箔、例えばアルミニウム箔が挙げられるが、これらに限定されず、そのいずれも補強材料を更に含むことができる。更に、剥離ストリップは、殺生物剤でコーティング及び/又は含浸されてもよい。好ましくは、剥離ストリップは、滅菌多孔質又は微多孔質膜であり、オートクレーブ中に蒸気が通過することを可能にし、幾つかの態様では、約60Nの最小引張強度を有する。
【0036】
[0042]例えば、ガスケット、弾性シール部材、又はOリングを含む任意の数のシールを面上に設けることができる。好ましくは、シールは、軟質ゴム又は熱可塑性エラストマー(TPE)(例えば、約50~約65ショアA)を含む。可撓性シールリップ123A、223Aは、作動防止アセンブリが取り外されるときに環境汚染物がコネクタアセンブリに入るのを防止するのを助けることができる。リップは屈曲して跳ねることができるので、剥離ストリップは、低減された力で除去することができ、リップは間隙を迅速に閉じる。中空コネクタ本体が作動位置に移動される(例えば、ねじられる)と、可撓性リップ123a,223a(好ましくは狭い)は、各中空コネクタ本体面(123b,223b)の凹部内へ邪魔にならない所に急速に折り畳まれ、この場合、リップとシール体(シールロゼンジ)の両方が互いに接触して、より堅牢な面シールがもたらされ、ロゼンジ間の接触は対面シールをもたらし、圧力(例えば、約4bargまでの圧力)が上昇しても流体漏れを防止する。
【0037】
[0043]他の態様では、コネクタの一態様を備えるコネクタアセンブリが提供され、このコネクタアセンブリは、第1の中空コネクタ本体と係合される第1の取り外し可能なキャップを更に備え、取り外し可能な作動防止アセンブリが、第1の取り外し可能なキャップと第1の中空コネクタ本体との間に介挿され、第1の取り外し可能なキャップが、第1の中空コネクタ本体の外面を覆い、また、コネクタアセンブリは、第2の中空コネクタ本体と係合される第2の取り外し可能なキャップを備え、取り外し可能な作動防止アセンブリが第2の取り外し可能なキャップと第2の中空コネクタ本体との間に介挿され、第2の取り外し可能なキャップが第2の中空コネクタ本体の外面を覆う。
【0038】
[0044]剥離ストリップの不注意な取り外し又は損傷を防止するために、各コネクタ本体は、剥離ストリップの少なくともかなりの部分及びコネクタ本体の第1の端部を覆う取り外し可能なキャップを更に備えてもよい。キャップは、例えば摩擦嵌合又はスナップ嵌合によって、第1の端部でコネクタ本体に嵌合することができ、多種多様な形態のいずれかを有することができる。例えば、
図7A及び
図7Bに示されるように、各キャップ600(第2のコネクタアセンブリのキャップ700は同じ構造を有する)は、剥離ストリップの少なくとも一部を保護する硬質上端601と、コネクタ本体100,200のリムに沿って嵌合するスカート602とを有することができる。また、キャップ600は、スカートの一部としての又はスカート602の下方で軸方向に延びるハンドル610を含むこともできる。好ましくは、
図46Bに示されるように、キャップは、引き裂きストリップハンドル616を有する引き裂きストリップ615を含み、それにより、オペレータは、引き裂きストリップハンドルを把持して引き裂きストリップを引き裂くことができ、キャップをコネクタ本体からより容易に取り外すことができる。剥離ストリップ520(520A)は、ハンドル610の下方で軸方向に曲げられてもよく、ハンドルは、剥離ストリップ520(520A)の全部又は少なくとも一部に沿って延在してもよい。ハンドル、引き裂きストリップ、及び/又は、取り扱われる引き裂きストリップは、キャップ600をコネクタ本体100から持ち上げるために使用することができ、作動防止アセンブリタブ501及び/又は剥離ストリップの不注意な操作を防止することができる。
【0039】
[0045]コネクタ及びコネクタアセンブリの構成要素は、当技術分野で知られているように滅菌することができる(例えば、オートクレーブ処理、ガンマ線照射など)。
【0040】
[0046]コネクタ及びコネクタアセンブリの構成要素は、多種多様な材料から形成することができる。例えば、中空コネクタ本体、ロック機構、作動防止アセンブリ、及び、キャップのいずれか1つ以上は、コネクタアセンブリを通じて流れる流体と適合する任意の金属材料及び/又はポリマー材料から形成されてもよい。好ましくは、コネクタ本体、ロック機構、作動防止アセンブリ、及び、キャップは、ポリマー材料から形成され、ポリマー材料としては、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエーテルスルホン、ポリフッ化ビニリデン、又はポリスルホンのうちの1つ以上を挙げることができるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、透明又は半透明のポリマー材料が選択されてもよい。一般に、中空コネクタ本体、中空管、タブ、及び、コネクタ本体カバーは、剛性射出成形プラスチック、好ましくはポリエーテルスルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリスルホン(PSU)、及びポリブチレンテレフタレート(PBT)などのBPAを含まないプラスチックから形成され、キャップはTPE又はポリプロピレン(PP)などの低密度射出成形プラスチックから形成される。
【0041】
[0047]構成要素は、成形、機械加工、プレス、及びスタンピングを含む様々な方法で製造することができ、サブアセンブリに形成することができる。
【0042】
[0048]これに加えて又は代えて、本発明の態様に係る幾つかの構成要素は、モノリシックであり、例えば、積層造形(「積層造形」又は「3D印刷」と呼ばれることもある)によって製造することができる。それらの構成要素は、一般に、活性化可能な結合剤(例えば、「ドロップ・オン・パウダー」と呼ばれることもあるバインダ噴射)と一緒に結合した金属粉末を繰り返し堆積させた後、一般に、例えば焼結によって粉末を凝集させることによって形成される。幾つかの構成要素は、実質的に同時に連続動作で積層造形によって一緒に製造することができる。
【0043】
[0049]任意の適切な積層造形装置を使用することができ、様々な製造3Dプリンタが適切であり市販されている。
【0044】
[0050]本明細書中に挙げられる公開公報、特許出願、及び、特許を含む全ての引用文献は、あたかもそれぞれの引用文献が参照により組み入れられるように個別に且つ具体的に示唆されてその全体が本明細書中に記載されたかのような同じ程度まで参照により本願に組み入れられる。
【0045】
[0051]発明を説明する文脈の中(特に、以下の特許請求の範囲との関連)での用語「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、及び、「少なくとも1つ」、並びに、同様の指示対象の使用は、本明細書中で別段に示唆されなければ或いは文脈により明らかに矛盾しなければ、単数形及び複数形の両方を網羅するように解釈されるべきである。その後に1つ以上の項目のリストが続く用語「少なくとも1つ」の使用(例えば、「A及びBのうちの少なくとも1つ」)は、本明細書中で別段に示唆されなければ或いは文脈により明らかに矛盾しなければ、挙げられた項目から選択される1つの項目(A又はB)或いは挙げられた項目のうちの2つ以上の任意の組み合わせ(A及びB)を意味するように解釈されるべきである。用語「備える」、「有する」、「含む」、及び、「包含する」は、別段に言及されなければ、非制約的な用語(すなわち、「~を含むがそれに限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。本明細書中の値の範囲の列挙は、本明細書中で別段に示唆されなければ、単にその範囲内に入るそれぞれの別個の値に個別に言及する省略法としての機能を果たそうとしているにすぎず、また、それぞれの別個の値は、あたかもそれが本明細書中に個別に記載されたかのように明細書中に組み入れられる。本明細書中に記載される全ての方法は、本明細書中で別段に示唆されなければ或いは文脈により明らかに矛盾しなければ、任意の適した順序で行なうことができる。本明細書中で与えられる任意の及び全ての例又は典型的な言葉(例えば「など」)の使用は、単に本発明をより良く解明しようとしているにすぎず、別段に特許請求の範囲に記載されなければ、本発明の範囲に限定をもたらさない。明細書中の言葉は、特許請求の範囲に記載されない任意の要素が本発明の実施に不可欠であると見なすように解釈されるべきでない。
【0046】
[0052]本発明を実施するために発明者らに知られる最良の形態を含むこの発明の好ましい実施形態が本明細書中に記載される。これらの好ましい態様の変形は、前述の説明を読むと当業者に明らかになり得る。発明者等は、当業者がそのような変形を必要に応じて使用することを予期し、また、発明者等は、本明細書中に具体的に記載される方法以外の方法で本発明が実際されることを意図する。したがって、この発明は、適用可能な法律により許容されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に挙げられる主題の全ての改変形態及び均等物を含む。また、前述の要素のその全ての想定し得る変形における任意の組み合わせは、本明細書中で別段に示唆されなければ或いは文脈により明らかに矛盾しなければ、本発明によって包含される。