IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社MSIの特許一覧

<>
  • 特許-注入装置の補助具及び使用方法 図1
  • 特許-注入装置の補助具及び使用方法 図2
  • 特許-注入装置の補助具及び使用方法 図3
  • 特許-注入装置の補助具及び使用方法 図4
  • 特許-注入装置の補助具及び使用方法 図5
  • 特許-注入装置の補助具及び使用方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】注入装置の補助具及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   F01M 11/04 20060101AFI20240618BHJP
   F02B 77/04 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
F01M11/04 Z
F02B77/04
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022036108
(22)【出願日】2022-03-09
(65)【公開番号】P2023131384
(43)【公開日】2023-09-22
【審査請求日】2023-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】516171539
【氏名又は名称】株式会社MSI
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】松澤 隼人
【審査官】津田 真吾
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-537681(JP,A)
【文献】特開2006-307776(JP,A)
【文献】中国実用新案第211485934(CN,U)
【文献】中国実用新案第213466290(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01M 11/04
F02B 77/04
A61M 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オイルレベルゲージの挿入口へ挿入し、液剤注入を行う注入管を備える注入具に取り付けられる補助具であって、
前記注入具を取り付ける内周部と、前記挿入口と当接する外周部とを備え、
前記外周部は、下端部から上端部に向けて径が増大するテーパ形状であり、前記外周部の下端の径は、前記挿入口の径よりも小さく、前記外周部の上端の径は、前記挿入口の径よりも大きく、
前記上端部が前記注入具の一部と当接し、
前記内周部は、断面円形の孔部分であって、内径が前記注入管の外径よりも大きく、パッキンを取り付ける段部を有し、
前記段部は、前記外周部の外径が前記挿入口の内径よりも大きい、軸に垂直な断面上に設けられている補助具。
【請求項2】
前記段部は、前記外周部の外径が前記挿入口の内径と一致する軸に垂直な断面よりも、前記上端部に近い位置に設けられている、請求項1に記載の補助具。
【請求項3】
前記外周部の高さは40mm~60mmであり、
前記段部は、前記外周部の上端から3~6mm離間した位置に設けられている請求項2に記載の補助具。
【請求項4】
弾性を有する、請求項1に記載の補助具。
【請求項5】
請求項1~4の何れかに記載の補助具が、前記注入具に設けられる位置決め部と当接するように取り付けられている注入具。
【請求項6】
オイルレベルゲージの挿入口への液剤注入を行う注入管を備える注入具に取り付けられる補助具であって、
前記注入具を取り付ける内周部と、前記挿入口と当接する外周部とを備え、
前記外周部は、下端部から上端部に向けて径が増大するテーパ形状であり、前記外周部の下端の径は、前記挿入口の径よりも小さく、前記外周部の上端の径は、前記挿入口の径よりも大きく、
前記上端部が前記注入具の一部と当接し、
前記内周部は、断面円形の孔部分であって、内径が前記注入管の外径よりも大きく、パッキンを取り付ける段部を有し、
前記段部は、前記外周部の外径が前記挿入口の内径よりも大きい、軸に垂直な断面上に設けられている補助具が取り付けられた注入具を、
オイルレベルゲージの挿入口に挿入する挿入工程を含む、液剤注入方法。
【請求項7】
前記注入具から洗浄剤を注入する注入工程を含む、請求項6に記載の液剤注入方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部に貫入して液剤等を注入する装置に取り付けられる補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の動的な洗浄方法を実施するにあたっては、エンジンオイルの循環経路に洗浄剤を注入し、さらにその状態においてオイルポンプを可動させなければならない。
循環経路に液剤を注入する代表的な開口としてはエンジンオイルの投入口があるが、エンジンオイルの投入口は車種によって口径が大きく異なり、内周面に雌ネジ部分を有する場合も多い。そのため注入作業に対応する注入具をそれぞれ用意しなければならない。また、投入口近傍にエンジンの可動部が位置する場合が多く、上記洗浄方法の注入口とするには向かない。
一方、循環経路に液剤を注入可能な他の開口としてオイルレベルゲージの挿入口がある。オイルレベルゲージの挿入口は車種による違いが比較的少ない。また、直結する部品がオイルを溜め込むオイルパンであるため、注入具を差し込んだまま動作させても事故が発生する可能性が低い。
以上の理由から、特許文献1に記載の発明の実施にあたっては、オイルレベルゲージの挿入口から洗浄剤を注入することが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-307776
【文献】再表2015/104792
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、オイルレベルゲージの挿入口は本来液剤を注入する目的で設計されていないため、ここから液剤を注入すると吹きこぼれ等が発生するおそれがある。
一般的な吹きこぼれや油漏れの防止策として、特許文献2に記載されているようなOリングをパッキンとして装着したねじがある。一方、Oリングによると、完全に締めきるまで密閉されないため、作業をスムーズに行うことができないことや、取り扱いが難しい側面がある。
また、オイルレベルゲージには、ねじを締め込めるような溝が設けられていないことが多く、そもそもOリングの使用ができない場合も多い。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑み、様々な車種に対応して、開口部への液剤等の注入作業を容易かつ安全にすることができる補助具の提供及び使用方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する本願発明は、開口部への液剤注入を行う注入具に取り付けられ、前記注入具に取り付ける内周部と、前記開口部と当接する外周部を備え、前記外周部は、下端部から上端部に向けて径が増大するテーパ形状である補助具である。
このような補助具を注入具に取り付けることで、車種に対応するための注入具を各々用意する必要なく、従来からの注入具を使用して液剤を注入することができる。また、前記開口部に液剤注入を行う際に前記注入具と前記開口部の隙間から液剤が吹き出すことを防止し、注入作業を容易かつ安全にすることができる。
【0007】
本発明の好ましい形態では、前記内周部はパッキンを取り付ける段部が設けられている。
段部にパッキンを取り付ける構成によって、前記注入具と前記内周部との間に生じる隙間を埋め、当該部分から液剤が噴き出すことを抑止できる。
【0008】
本発明の好ましい形態では、前記注入具は、管状の注入管を有し、前記内周部は、断面円形の孔部分であって、その内径は、前記注入管の外径よりも大きい。
このような構成によって、前記注入管を前記内周部に貫入して取り付けることができる。すなわち、注入具への取り付けが容易になり、取り扱い性能が向上する。
【0009】
本発明の好ましい形態では、前記外周部の下端の径は、車両のオイルレベルゲージ挿入口の径よりも小さく、前記外周部の上端の径は、前記オイルレベルゲージ挿入口の径よりも大きい。
このような構成によって、前記注入具をオイルレベルゲージに装着して注入を行うことを容易にすることができる。
【0010】
本発明は、前記補助具が取り付けられた注入具である。
このような構成によって、従来からの注入具を使用して液剤の注入をすることができる。また、開口部に液剤注入を行う際に、液剤が吹き出すことを防止し、注入作業を容易にすることができる。
【0011】
本発明は、開口部への液剤注入を行う注入具に取り付けられ、前記注入管を覆う内周部と、前記開口部と当接する外周部とを備え、前記外周部は、下端部から上端部に向けて径が増大するテーパ形状である補助具が取り付けられた注入具を、車両のオイルレベルゲージ挿入口に挿入する挿入工程を含む、液剤注入方法である。
このような構成によって、前記補助具を利用してオイルレベルゲージから液剤を注入する際に、前記注入具と前記開口部の隙間から液剤等が噴出することを防止することができる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記注入具から洗浄剤を注入する注入工程を含む。
このように、洗浄剤を注入することによって、エンジン内部の洗浄作業を行うことができる。特に、エンジンを暖気運転させたまま洗浄作業を行うにあたってはエンジンに振動が発生するが、挿入工程を含むことによりエンジンが振動させた状態においても注入具1を保持することができる。
【発明の効果】
【0013】
上記課題を解決する本発明は、様々な車種に対応して、開口部への液剤等の注入作業を容易かつ安全にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る補助具を、注入器具に取り付ける様子を表す説明図である。
図2】本発明の実施形態に係る補助具が、注入器具に取り付けられた状態を表す模式図である。
図3】本発明の実施形態に係る補助具を、様々な角度から見た図及び斜視図を表している。
図4】本発明の実施形態に係る注入器具に取り付けられた補助具の、A―A’断面を表す模式図である。
図5】本発明の実施形態に係る注入器具に取り付けられた補助具が、オイルレベルゲージ挿入口に入れられた状態を表すA―A’断面を表す模式図である。
図6】本発明の実施形態に係る、洗浄工程に係る説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を用いて、本発明の各実施形態に係る注入具1について説明する。説明は、実施形態の構成、実施の方法、他の実施例の順に詳述する。
なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではない。
【0016】
本発明は、図1及び図2に示すように、内燃機関の洗浄装置Zと接続し、エンジンオイルの循環経路Cに液剤等を注入する注入具1と、注入具1に図2のように取り付けられ、液剤の吹きこぼれを防止する補助具2とによって構成されている。
【0017】
注入具1は、内部に液剤が通過可能に設けられる管状の注入管11と、補助具2の位置を画定する位置決め部12と、注入具1に液剤を注入する際に洗浄装置Zと接続する接続部13と、によって構成される。
なお、注入具1が注入するものは液剤に限られず、後述するような圧縮空気でもよい。
【0018】
注入管11は、循環経路Cの開口部の一つである挿入口C1に挿入される部品であって、挿入口C1の内径よりも外径が小さい金属製の円管部品であり、注入具1において、下端から接続部13に至るまで全体を貫通するように設けられている。その長さは10~30cm、好ましくは15~25cmとするとよい。また、内径は2mm~8mm、好ましくは3~6mmとするとよい。さらに、厚みは0.3~2mmとし、下端は内側に向けて傾斜するように面取り処理が施されていることが好ましい。
【0019】
位置決め部12は、補助具2の最大径よりも径が大きい部分であって、注入管11の中途位置において固定可能に設けられる。本実施形態において位置決め部12は、ナットのような6角形の形状として構成されている。ここで、注入管11に対する相対位置をレンチ等によって変更可能に構成していてもよい。
【0020】
接続部13は、洗浄装置Zから所定の洗浄剤が送られるホース等と接続する部分であって、当該ホースと係止めするための凹部やねじ部分が内周面又は外周面に設けられている。
【0021】
補助具2は、図3に示すように、円柱形の空隙を内部に有し、外観をテーパ形状とする樹脂製の部材である。ここにおいて、補助具2は、PLA、ABS、ポリエチレン、ナイロン樹脂などのプラスチック材料で射出成型によって設けられており、好ましくはシリコンやTPU等の若干の弾性を持つものである。これによって、後述する挿入口C1に挿入した際に変形して穴と密着し、油密を保ちやすくなる。
以後、補助具2を、取り付けられた際に挿入口C1に当接する外周部21、取り付けられた際に挿入口C1の内側に位置する下端部22、取り付けられた際に位置決め部12に当接する上端部23、取り付けられた際に注入管11を包囲する内周部24、の各部分に分けて説明する。
なお、図3(a)は補助具2の平面図であり、図3(b)は補助具2の側面図であり、図3(c)は補助具2の底面図であり、図3(d)は補助具2の斜視図である。
【0022】
外周部21は、図3(b)に示すように、補助具2の側面を構成する部分であって、挿入口C1に密着することによって外周部21と挿入口C1との間で液剤が吹きこぼれることを防止する。
ここで、外周部21は、下端部22から上端部23に向けて径が増大するテーパ形状に構成されているため、様々な径を有する挿入口C1に対応して吹きこぼれを防止することができる。また、下端部22及び上端部23の面に平行な断面は、外周がすべて円形になるように構成されているため、円形の挿入口C1に入れ込んだ際に必ず密着する。
なお、外周部21の高さは40mm~60mm程度が想定され、テーパ角度は1/25~1/15が想定される。一方、外周部21の大きさはこれに限られず、単に大型にすることやテーパ角度を大きくすることによって、トラックなどの大型車両にも対応することができるようになる。
【0023】
下端部22は、図3(c)に示すように、補助具2の下面を構成する部分であって、挿入口C1よりも外径が小さくなるように設けられており、その中心部には内周部24へ続く孔が設けられている。
また、その周縁には丸め加工が施されており、挿入口C1への挿入を容易にしてある。なお、下端部22の外径は6~10mm程度である。
【0024】
上端部23は、図3(a)に示すように、補助具2の上面を構成する部分であって、挿入口C1よりも外径が大きくなるように設けられており、その中心部には内周部24へ続く孔が設けられている。なお、上端部23の外径は10~15mm程度である。
【0025】
内周部24は、図3(d)に示すように、下端部22から上端部23に向けて貫通する円柱状の孔部分であり、図4に示すように、注入管11が貫入される。また、上端部23の付近には段部241が設けられている。なお、内周部24として設けられる孔の内径は4~8mm程度であり、注入管11の外径よりも径が1~2mm程度大きくなるように構成されている。
【0026】
ここにおいて、外周部21から内周部24までは中実に設けられており、これにより補助具2の厚みは上端部23から下端部22に向けて薄肉になる。このように、下端部22に向けて変形しやすくすることによって、挿入口C1との密着性を向上させている。
また、内周部24として設けられる孔の内径が注入管11の外径よりも小さくなるように設けられる構成によって、図5に示すように、外周部21から内周部24に向かって補助具2が変形しやすくなり、挿入口C1との密着性をより向上させることができる。
【0027】
段部241は、後述するパッキン3を取り付けるための部分であり、内周部24から外周部21に向かって切り欠き加工を施すことによって形成されており、本実施形態では、パッキン3の一部が保持されるような溝部分となるように設けられている。
なお、段部241が設けられる位置は、上端部23から3~6mm程度離間した位置であることが好ましい。また、段部241は、パッキン3が取り付けられればどのような構成であってもよく、例えば単に段差を付けて移動を阻止する構成であってもよい。
また、パッキン3を、接着剤を介して取り付ける場合や、ある程度の厚みを付けることによって容易に移動しないものとした場合には、段部241は設けなくとも良い。
【0028】
パッキン3は、ゴムやシリコン製のリング部材であって、段部241によって補助具2の内部に保持されている。パッキン3は段部241に保持された状態において、内側に向かう方向に一部が突出しており、この状態におけるパッキン3の内周の径は注入管11の外径と略同一か少し小さい。
これにより、注入管11と内周部24との間の隙間から、液剤が噴出することを防ぐことができる。
なお、外周部21の所定位置にも挿入口Cと対応するパッキン3を取り付けられる溝を設け、ここにおいても封止するように取り付けを行うことで隙間からの液剤の噴出を防いでもよい。
【0029】
循環経路Cはエンジンオイルをエンジン内の所定部位に供給するエンジン内部の管路であって、オイルポンプの動作によって循環が起こるように設けられている。
循環経路Cには、所用のために開口部が複数設けられており、その代表として、オイルレベルゲージの挿入口C1と、エンジンオイルの排出のためのドレンC2がある。
【0030】
挿入口C1はオイルを保持するオイルパンC2と直結しており、ここにオイルレベルゲージを挿入することによってオイルパン内部のオイルの液面高さを計測する。
また、ドレンC2は、循環経路Cの下方に設けられており、ここを開放することで重力に従ってエンジンオイルの排出を行う。
【0031】
洗浄装置Zは、接続部13とホースを介して接続されており、適当に加熱された洗浄剤や、圧縮空気を注入具に供給する機能や、別のホースを介して供給される洗浄剤をフィルターでろ過する機能を有する。
【0032】
以下、本発明の実施の方法について詳述する。本発明は、洗浄装置Z及び注入具1を用いて、内燃機関内の洗浄を行う使用者によって実施される。また、以下に示す実施の方法は一例であり、実施の方法はこれに限られず、工程の順番は前後してもよい。
【0033】
<準備工程>
まず、使用者は、図1図2に示すように、補助具2を注入具1に取り付ける。この際、補助具2の内部にパッキン3が正しく取り付けられていることや、位置決め部12と上端部23とを当接させることに留意する。
【0034】
<取り付け工程>
次に、使用者は、洗浄装置Zを内燃機関に取り付ける。
使用者はドレンC2を開放して内燃機関内のエンジンオイルを抜き取り、その後洗浄装置Zから伸びるホースを内燃機関のドレンC2に油密に取り付ける。また、洗浄装置Zから伸びる別のホースを、接続部13に油密に取り付ける。
【0035】
<挿入工程>
次に、使用者は、挿入口C1からオイルレベルゲージを引き抜き、付着したオイルをふき取りウェス等に乗せ置く。その後、使用者は、補助具2を装着した注入具1を、注入管11が貫入するように挿入口C1に挿入し、補助具2が挿入口C1に当接するまで押し込む。
【0036】
<注入工程>
使用者は、洗浄装置Zのスイッチを入れ、注入具1を介して洗浄剤を循環経路Cに注入する。
ここにおいて洗浄剤は、一定の油分を含んでおり、通常のエンジンオイルと同様にシリンダー内の摩擦を軽減することができる。
【0037】
<洗浄工程>
注入工程が完了したら、使用者は、内燃機関を暖気運転させることでオイルポンプを駆動し、循環経路C内に洗浄剤を循環させる。この際、ドレンC2から洗浄装置Zへエンジンオイル(洗浄剤)の吸引を行い、洗浄装置Zでろ過したエンジンオイル(洗浄剤)を再び循環経路Cへ供給する。すなわち洗浄工程において、洗浄剤は図6のように循環することとなる。
また、この工程においては、ギアをニュートラルにした状態でアクセルを踏み込み、循環を加速させる操作を行うことが好ましい。
この際、挿入口C1に振動が生じるが、補助具2が密着して取り付けられているため、注入管11が外れにくくなっている。
【0038】
<エアブロー工程>
洗浄工程終了後、暖気運転を終了させ、内燃機関から洗浄剤を抜き取る。
この工程においては、ドレンC2を開放してある程度洗浄剤を回収した後、そのまま注入具1から圧縮エアを注入することで内燃機関の内圧を上昇させ、循環経路C内に残った洗浄剤をドレンC2から噴出させる。
この際、補助具2が挿入口C1に密着して取り付けられているため、挿入口C1の隙間からエア等が吹き出しにくくなる。
なお、エアブロー工程内に、少量のエンジンオイルを注入した後に排出する工程を含ませて、エンジンオイルの共洗いを行ってもよい。
【0039】
上記の工程が終了したあと、使用者はドレンC2にプラグを装着し、循環経路Cにエンジンオイルを所定量注入する。最後に、挿入口C1にオイルレベルゲージを装着して洗浄を終了する。
【0040】
なお、注入具1が挿入される開口部は、オイルレベルゲージの挿入口C1に限られず、下端部22の径よりも大きく、補助具2の上端部23の径よりも大きい径を有する開口ならばどこに取り付けてもよい。
また、注入するものは洗浄剤や空気に限られず、エンジンオイルの改質剤や、エンジンオイルそのものを注入するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 注入具
11 注入管
12 位置決め部
13 接続部
2 補助具
21 外周部
22 下端部
23 上端部
24 内周部
241 段部
3 パッキン
C 循環経路
C1 挿入口
C2 ドレン
Z 洗浄装置

図1
図2
図3
図4
図5
図6