IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セイコーエプソン株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】電気光学装置、および電子機器
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240618BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20240618BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/30 348A
G09F9/30 349C
G02F1/1368
G02F1/1335 500
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019226267
(22)【出願日】2019-12-16
(65)【公開番号】P2021096315
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125689
【弁理士】
【氏名又は名称】大林 章
(74)【代理人】
【識別番号】100128598
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 聖一
(74)【代理人】
【識別番号】100121108
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 太朗
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 智
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-244154(JP,A)
【文献】特開2001-066638(JP,A)
【文献】特開2005-115104(JP,A)
【文献】特開2005-227355(JP,A)
【文献】特開2000-164875(JP,A)
【文献】特開2001-257355(JP,A)
【文献】特開2001-318625(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0294360(US,A1)
【文献】特開2008-282896(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/30
G02F 1/1368
G02F 1/1335
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランジスターと、
透光性、および絶縁性を有する第1層と、
透光性、および絶縁性を有し、前記第1層に接触し、前記第1層と前記トランジスターとの間に配置された第2層と、
表示領域において、前記第1層と前記第2層との間に配置され、タングステンを含む第1遮光膜と、
表示領域の外側において、前記第1層と前記第2層との間に配置され、タングステンを含む第2遮光膜と、を備え、
前記第1遮光膜は、前記第2層に接触する第1凹面を有し、
前記第2遮光膜は、前記第2層に接触する第2凹面を有し、
前記第1凹面の深さは、前記第2凹面の深さよりも浅いことを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記第1遮光膜の平面視での面積と、前記第2遮光膜の平面視での面積とは、互いに異なる請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
トランジスターと、
透光性、および絶縁性を有する第1層と、
透光性、および絶縁性を有し、前記第1層に接触し、前記第1層と前記トランジスターとの間に配置された第2層と、
表示領域において、前記第1層と前記第2層との間に配置され、タングステンを含む第1遮光膜と、
表示領域の外側において、前記第1層と前記第2層との間に配置され、タングステンを含む第2遮光膜と、を備え、
前記第1遮光膜の平面視での面積は、前記第2遮光膜の平面視での面積よりも小さく、
前記第1遮光膜の厚さは、前記第2遮光膜の厚さよりも厚いことを特徴とする電気光学装置。
【請求項4】
前記第1層は、前記第1遮光膜が配置される第1凹部と、前記第2遮光膜が配置される第2凹部と、を有する請求項1から3のいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記第1凹部および前記第2凹部のそれぞれは、段差を有する底面を備える請求項4に記載の電気光学装置。
【請求項6】
トランジスターと、
透光性、および絶縁性を有する第1層と、
透光性、および絶縁性を有し、前記第1層に接触し、前記第1層と前記トランジスターとの間に配置された第2層と、
表示領域の外側において、前記第1層と前記第2層との間に配置され、タングステンを含む第3遮光膜と、
表示領域の外側において、前記第1層と前記第2層との間に配置され、タングステンを含む第4遮光膜と、を備え、
前記第3遮光膜は、前記第2層に接触する第3凹面を有し、
前記第4遮光膜は、前記第2層に接触する第4凹面を有し、
前記第3遮光膜の平面視での面積と、前記第4遮光膜の平面視での面積とは、互いに異なり、
前記第3凹面の深さと、前記第4凹面の深さとは、互いに異なることを特徴とする電気光学装置。
【請求項7】
前記第1層は、前記第3遮光膜が配置される第3凹部と、前記第4遮光膜が配置される第4凹部と、を有する請求項6に記載の電気光学装置。
【請求項8】
前記第3凹部および前記第4凹部のそれぞれは、段差を有する底面を備える請求項7に記載の電気光学装置。
【請求項9】
トランジスターと、
透光性、および絶縁性を有する第1層と、
透光性、および絶縁性を有し、前記第1層に接触し、前記第1層と前記トランジスターとの間に配置された第2層と、
表示領域において、前記第1層と前記第2層との間に配置され、タングステンを含む第5遮光膜と、
表示領域において、前記第1層と前記第2層との間に配置され、タングステンを含む第6遮光膜と、を備え、
前記第5遮光膜は、前記第2層に接触する第5凹面を有し、
前記第6遮光膜は、前記第2層に接触する第6凹面を有し、
前記第5遮光膜の平面視での面積と、前記第6遮光膜の平面視での面積とは、互いに異なり、
前記第5凹面の深さと、前記第6凹面の深さとは、互いに異なることを特徴とする電気光学装置。
【請求項10】
前記第1層は、前記第5遮光膜が配置される第5凹部と、前記第6遮光膜が配置される第6凹部と、を有する請求項9に記載の電気光学装置。
【請求項11】
前記第5凹部および前記第6凹部のそれぞれは、段差を有する底面を備える請求項10に記載の電気光学装置。
【請求項12】
トランジスターと、
前記トランジスターのゲート電極に電気的に接続された走査線と、
透光性、および絶縁性を有するとともに、凹部を有する第1層と、
前記第1層の凹部内に配置され、タングステンを含む遮光膜と、
透光性、および絶縁性を有し、前記第1層および前記遮光膜に接触し、前記第1層と前記トランジスターとの間に配置された第2層と、
前記走査線と前記遮光膜とを電気的に接続するコンタクト部と、を備え、
前記遮光膜は、前記第1層の凹部内において、中央部の厚さが外縁部の厚さよりも薄くなるように湾曲した凹面を有し、
前記トランジスターの半導体層は、前記走査線と前記遮光膜との間に配置されていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の電気光学装置と、
前記電気光学装置の動作を制御する制御部と、を有することを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置、および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクター等の電子機器に、液晶装置等の電気光学装置が用いられている。特許文献1には、素子基板と、対向基板と、これらの間に配置される液晶とを有する電気光学装置が開示される。
【0003】
特許文献1に記載の素子基板は、石英基板と、マトリクス状に配置される複数の画素電極と、画素電極ごとに対応して設けられるTFT(Thin Film Transistor)とを備える。また、特許文献1に記載の素子基板は、TFTへの光の入射を抑制するため、金属等で構成される遮光膜を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-250234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の遮光膜について、遮光性を高めるには、遮光膜の厚さを厚くすることが考えられる。しかし、特許文献1に記載の素子基板において、遮光膜の厚さを単に均一に厚くすると、基材に生じる応力が過度に大きくなってしまう。この結果、基材の反りおよび遮光膜の剥がれ等の不具合が発生してしまう。このため、従来の素子基板では、このような不具合の発生を低減しつつ、遮光膜の遮光性を高めることが難しいという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電気光学装置の一態様は、表示領域と、平面視で前記表示領域の外側に位置する周辺領域とを有する電気光学装置であって、前記表示領域に存在する透光性の画素電極、前記表示領域に存在し、前記画素電極に電気的に接続されるトランジスター、および前記周辺領域に存在し、前記トランジスターを駆動する回路を有する第1基板と、共通電極を有する第2基板と、前記画素電極と前記共通電極との間に配置され、電界によって光学的特性が変化する電気光学層と、を備え、前記第1基板、または前記第2基板は、透光性、および絶縁性を有する第1層と、透光性、および絶縁性を有し、前記第1層に接触し、前記第1層よりも前記電気光学層の近くに存在する第2層と、前記第1層と前記第2層との間に配置され、タングステンを含む遮光膜と、を備え、前記遮光膜は、前記第2層に接触する凹面を有する。
【0007】
本発明の電子機器の一態様は、前述の電気光学装置と、当該電気光学装置の動作を制御する制御部と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る電気光学装置の平面図である。
図2図1に示すA-A線断面を示す図である。
図3】素子基板の電気的な構成を示す等価回路図である。
図4】素子基板の一部を示す平面図である。
図5図4中のB-B線断面を示す図である。
図6図4中のC-C線断面を示す図である。
図7】素子基板が有するトランジスターを示す平面図である。
図8】素子基板が有する走査線および第1導通部を示す平面図である。
図9】素子基板が有する遮光膜を示す図である。
図10】表示領域に存在する遮光膜を示す平面図である。
図11】ダミー画素領域に存在する遮光膜を示す平面図である。
図12】周辺領域に存在する遮光膜を示す平面図である。
図13】素子基板が有する遮光膜を拡大した断面図である。
図14】第2実施形態における遮光膜を拡大した断面図である。
図15】第3実施形態にかかる電気光学装置が有する画素を示す図である。
図16】第3実施形態における素子基板の表示領域を示す平面図である。
図17】第3実施形態における遮光膜を拡大した断面図である。
図18】第4実施形態における遮光膜を拡大した断面図である。
図19】第4実施形態における表示領域に存在する遮光膜を示す平面図である。
図20】第5実施形態における遮光膜を拡大した断面図である。
図21】電子機器の一例であるパーソナルコンピューターを示す斜視図である。
図22】電子機器の一例であるスマートフォンを示す平面図である。
図23】電子機器の一例であるプロジェクターを示す模式図である。
図24】電子機器の一例であるプロジェクターを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態を説明する。なお、図面において各部の寸法または縮尺は実際と適宜に異なり、理解を容易にするために模式的に示す部分もある。また、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られない。また、本明細書に記載の「要素Aと要素Bとが等しい」とは、要素Aと要素Bとが実質的に等しいことを意味し、製造誤差を含む。
【0010】
1.電気光学装置
1A.第1実施形態
1A-1.基本構成
図1は、第1実施形態に係る電気光学装置100の平面図である。図2は、図1に示すA-A線断面を示す図である。なお、図1では、対向基板300の図示を省略する。また、以下では、説明の便宜上、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を適宜用いて説明する。また、X軸に沿う一方向をX1方向といい、X1方向とは反対の方向をX2方向という。同様に、Y軸に沿う一方向をY1方向といい、Y1方向とは反対の方向をY2方向という。Z軸に沿う一方向をZ1方向といい、Z1方向とは反対の方向をZ2方向という。
【0011】
図1および図2に示す電気光学装置100は、アクティブマトリクス駆動方式の透過型の液晶装置である。図2に示すように、電気光学装置100は、透光性を有する素子基板200と、透光性を有する対向基板300と、枠状のシール部材400と、液晶層500とを有する。シール部材400は、素子基板200と対向基板300との間に配置される。液晶層500は、素子基板200、対向基板300およびシール部材400によって囲まれる領域内に配置される。素子基板200は「第1基板」の例示であり、対向基板300は「第2基板」の例示であり、液晶層500は「電気光学層」の例示である。
【0012】
図2に示すように、素子基板200、液晶層500および対向基板300は、Z軸に沿って並ぶ。素子基板200が有する後述の第1基体210の表面がX-Y平面に平行である。以下では、Z1方向またはZ2方向からみることを「平面視」と言う。また、素子基板200、液晶層500、および対向基板300が重なる方向は、Z1方向またはZ2方向に平行である。
【0013】
本実施形態の電気光学装置100では、例えば光源から発生される光は、素子基板200に入射し、液晶層500を透過して対向基板300から出射される。なお、光は、対向基板300に入射し、液晶層500を透過して素子基板200から出射されてもよい。また、光は可視光である。「透光性」とは、可視光に対する透過性を意味し、好ましくは可視光の透過率が50%以上であることをいう。遮光性とは、可視光に対する遮光性を意味し、好ましくは、可視光の透過率が50%未満であることをいい、より好ましくは、10%以下であることをいう。また、図1に示す電気光学装置100は、平面視で四角形状をなすが、電気光学装置100の平面視形状は、これに限定されず、例えば、円形等であってもよい。
【0014】
図2に示すように、素子基板200は、第1基体210と、複数の画素電極220と、複数のダミー画素電極220dと、第1配向膜230と、を有する。第1基体210は、透光性および絶縁性を有する平板で構成される。複数の画素電極220および複数のダミー画素電極220dのそれぞれは、透光性を有しており、例えばITO(Indium Tin Oxide)またはIZO(Indium Zinc Oxide)等の透明導電材料で構成される。第1配向膜230は、素子基板200において最も液晶層500側に位置しており、液晶層500の液晶分子を配向させる。第1配向膜230の構成材料としては、例えばポリイミドおよび酸化ケイ素等が挙げられる。なお、素子基板200の詳細な構成については、後で説明する。
【0015】
図2に示すように、対向基板300は、第2基体310と、絶縁層320と、共通電極330と、第2配向膜340と、見切部350と、を有する。第2基体310、絶縁層320、共通電極330および第2配向膜340は、この順に並ぶ。このうち第2配向膜340が最も液晶層500側に位置する。第2基体310は、透光性および絶縁性を有する平板で構成される。第2基体310は、例えば、ガラスまたは石英等で構成される。絶縁層320は、例えば、酸化ケイ素等の透光性および絶縁性を有するケイ素系の無機材料で構成される。絶縁層320内には、枠状の見切部350が配置される。見切部350は、遮光性を有する金属材料等で構成される。共通電極330は、例えばITOまたはIZO等の透明導電材料で構成される。また、第2配向膜340は、液晶層500の液晶分子を配向させる。第2配向膜340の構成材料としては、例えばポリイミドおよび酸化ケイ素等が挙げられる。
【0016】
シール部材400は、例えばエポキシ樹脂等の各種硬化性樹脂を含む接着剤等を用いて形成される枠状の部材である。シール部材400は、ギャップ材を含んでもよい。当該ギャップ材は、例えば、ガラス等の無機材料で構成されるファイバー、またはガラス等の無機材料で構成されるビーズである。シール部材400は、素子基板200および対向基板300のそれぞれに対して固着される。
【0017】
液晶層500は、複数の画素電極220と共通電極330との間に配置され、電界によって光学的特性が変化する。より具体的には、液晶層500は、正または負の誘電異方性を有する液晶分子を含む。液晶層500は、液晶分子が第1配向膜230および第2配向膜340の双方に接するように素子基板200および対向基板300によって挟持される。液晶層500が有する液晶分子の配向は、液晶層500に印加される電圧に応じて変化する。
【0018】
図1に示すように、素子基板200には、駆動回路150と複数の外部端子130とが配置される。駆動回路150は、「回路」の例示であり、複数の走査線駆動回路110と信号線駆動回路120とを有する。各外部端子130には、走査線駆動回路110または信号線駆動回路120から引き回される図示しない引回し配線が接続される。駆動回路150は、後述の図3に示す複数のトランジスター23に各種信号を供給することにより、各トランジスター23を駆動する。
【0019】
以上の構成の電気光学装置100は、画像を表示する表示領域A10と、周辺領域A20とを有する。周辺領域A20は、平面視で、表示領域A10の外側に位置し、表示領域A10を囲む。表示領域A10は、行列状に配列される複数の画素Pを有する。表示領域A10には、複数の画素電極220が配置される。複数の画素電極220は、複数の画素Pに1対1で配置される。前述の見切部350は、平面視で表示領域A10を囲む。見切部350によって、不要な迷光が表示領域A10に入射することを防ぐことができる。また、周辺領域A20は、ダミー画素領域A21を有する。ダミー画素領域A21は、2行2列の枠状に配列される複数のダミー画素Pdを有する。ダミー画素領域A21は、平面視で表示領域A10を囲む。なお、複数のダミー画素Pdの配列は、2行2列に限定されず、任意である。複数のダミー画素電極220dは、複数のダミー画素Pdに1対1で配置される。また、ダミー画素Pdの構成は、画素Pの構成と同様である。
【0020】
1A-2.素子基板200の電気的な構成
図3は、素子基板200の電気的な構成を示す等価回路図である。図3に示すように、素子基板200は、n本の走査線241とm本の信号線242とn本の第1定電位線243とを有する。nおよびmはそれぞれ2以上の整数である。n本の走査線241とm本の信号線242との各交差に対応してトランジスター23が配置される。各トランジスター23は、例えばスイッチング素子として機能するTFTである。各トランジスター23は、ゲート、ソースおよびドレインを含む。
【0021】
n本の走査線241のそれぞれはX軸に沿って延在し、n本の走査線241はY軸に沿って等間隔で並ぶ。n本の走査線241のそれぞれは、全てのトランジスター23のうちの幾つかのトランジスター23のそれぞれのゲートに電気的に接続される。n本の走査線241は、図1に示す走査線駆動回路110に電気的に接続される。1~n本の走査線241には、走査線駆動回路110から走査信号G1、G2、…、およびGnが線順次で供給される。
【0022】
図3に示すm本の信号線242のそれぞれはY軸に沿って延在し、m本の信号線242はX軸に沿って等間隔で並ぶ。m本の信号線242のそれぞれは、全てのトランジスター23のうちの幾つかのトランジスター23のそれぞれのソースに電気的に接続される。m本の信号線242は、図1に示す信号線駆動回路120に電気的に接続される。1~m本の信号線242には、信号線駆動回路120から画像信号S1、S2、…、およびSmが並行に供給される。
【0023】
図3に示すn本の走査線241とm本の信号線242とは、互いに電気的に絶縁されており、平面視で格子状に配置される。隣り合う2つの走査線241と隣り合う2つの信号線242とで囲まれる領域が画素Pに対応する。各画素電極220は、対応するトランジスター23のドレインに電気的に接続される。
【0024】
n本の第1定電位線243のそれぞれはX軸に沿って延在し、n本の第1定電位線243はY軸に沿って等間隔で並ぶ。また、n本の第1定電位線243は、m本の信号線242およびn本の走査線241に対して電気的に絶縁されており、これらに対して間隔を隔てて配置される。各第1定電位線243には、例えばグランド電位等の固定電位が印加される。n本の第1定電位線243のそれぞれは、全ての容量25のうちの幾つかの容量25に電気的に接続される。各第1定電位線243は、容量25に電気的に接続される容量線である。複数の容量25は、複数の画素電極220に1対1で電気的に接続される。また、複数の容量25は、複数のトランジスター23のドレインに1対1で電気的に接続される。各容量25は、画素電極220の電位を保持するための容量素子である。
【0025】
走査信号G1、G2、…、およびGnが順次アクティブとなり、n本の走査線241が順次選択されると、選択される走査線241に接続されるトランジスター23がオン状態となる。すると、m本の信号線242を介して表示すべき階調に応じた大きさの画像信号S1、S2、…、およびSmが、選択される走査線241に対応する画素Pに取り込まれ、画素電極220に印加される。これにより、画素電極220と図2に示す対向基板300が有する共通電極330との間に形成される液晶容量に、表示すべき階調に応じた電圧が印加され、印加される電圧に応じて液晶分子の配向が変化する。また、容量25によって、印加される電圧が保持される。このような液晶分子の配向の変化によって光が変調され階調表示が可能となる。
【0026】
また、前述の図2に示すダミー画素電極220dには、一定の電位が与えられる。当該一定の電位は、例えば、電気光学装置100がノーマリーブラックモードである場合、黒表示となる電位である。これによって、ダミー画素領域A21を電子見切部として機能させることができる。
【0027】
1A-3.素子基板200
図4は、素子基板200の一部を拡大した平面図である。図4は、図2中の領域Dを拡大した図に相当する。なお、図4では、第1配向膜230の図示が省略される。
【0028】
図4に示すように、複数の画素電極220のそれぞれの形状は、平面視でほぼ四角形状である。複数の画素電極220は、平面視で、前述の画素Pに対応して行列状に配置される。また、画素電極220に電気的に接続されるトランジスター23は、画素電極220と同様に表示領域A10に配置される。各トランジスター23は、走査線241と信号線242との交差位置に配置される。複数のトランジスター23は、複数の画素電極220に1対1で配置される。例えば、複数のトランジスター23のうちの任意の1個のトランジスター23aは、複数の画素電極220のうちの任意の1個の画素電極220aに対応して配置される。なお、以下では、複数のトランジスター23のうちの任意のトランジスター23aとこれに関連する要素を中心に説明する。
【0029】
図4に示すように、複数のダミー画素電極220dのそれぞれの形状は、平面視でほぼ四角形状である。図示はしないが、複数のダミー画素電極220dは、平面視で、前述のダミー画素Pdに対応して2行2列に配置される。また、ダミー画素電極220dに電気的に接続されるトランジスター23dは、ダミー画素電極220dと同様にダミー画素領域A21に配置される。
【0030】
図5は、図4中のB-B線断面を示す図である。図6は、図4中のC-C線断面を示す図である。以下の説明では、Z1方向を上方とし、Z2方向を下方として説明する。また、以下では、図5および図6に加え、後述の図7および図8を参照しつつ素子基板200を説明する。
【0031】
図5および図6に示すように、素子基板200は、前述の第1基体210、複数の画素電極220および第1配向膜230のほか、積層体20を有する。第1基体210、積層体20、複数の画素電極220および第1配向膜230は、この順に積層される。本実施形態では、第1基体210は「第1層」に相当する。
【0032】
第1基体210、凹部211を有する。凹部211は、第1基体210に形成された窪みである。なお、凹部211は、トランジスター23ごとに存在する。図5および図6に示すように、凹部211内には、遮光膜61が配置される。遮光膜61は、トランジスター23への光の入射を遮る。遮光膜61がトランジスター23に入射する光を遮ることにより、トランジスター23のスイッチング動作が不安定になることが抑制される。遮光膜61については後で詳述する。
【0033】
第1基体210上には、遮光膜61を覆って積層体20が配置される。積層体20は、透光性および絶縁性を有する。積層体20は、複数の絶縁層221、222、223、224、225、226、227、228および229を有する。本実施形態では、絶縁層221は「第2層」に相当する。複数の絶縁層221、222、223、224、225、226、227、228および229は、この順に、第1基体210から遠ざかる方向に向かって積層される。複数の絶縁層221~229のそれぞれは、透光性および絶縁性を有しており、例えば、酸化シリコン等のケイ素を含む無機材料で構成される。複数の絶縁層221~229のそれぞれは、例えば、熱酸化またはCVD(chemical vapor deposition)法等で形成される。また、絶縁層229は、画素電極220aと接触する。絶縁層229は、例えばBSG(borosilicate glass)等のガラス等で構成される層を含んでもよい。
【0034】
図5または図6に示すように、積層体20には、走査線241と、信号線242と、第1定電位線243と、容量25と、トランジスター23aと、中継電極245と、第2定電位線244とが配置される。また、積層体20には、第1導通部271と、第2導通部272と、第3導通部273と、第4導通部274と、第5導通部275と、第6導通部276と、第7導通部277と、第8導通部278と、シールド部270とが配置される。第1導通部271は、「コンタクト部」の例示である。
【0035】
図5および図6に示すように、絶縁層221は、第1基体210上に存在する。よって、絶縁層221は、第1基体210よりも前述の液晶層500の近くに存在する。また、絶縁層221は、第1基体210に接触する。絶縁層221上にはトランジスター23が配置される。トランジスター23は、半導体層231、ゲート電極232およびゲート絶縁層233を有する。半導体層231は、絶縁層221と絶縁層222との間に配置される。ゲート電極232は、絶縁層222と絶縁層223との間に配置される。ゲート絶縁層233は、ゲート電極232とチャネル領域231cとの間に介在する。
【0036】
図5に示すように、半導体層231は、ソース領域231a、ドレイン領域231b、チャネル領域231c、第1LDD(Lightly Doped Drain)領域231d、および第2LDD領域231eを有する。チャネル領域231cは、ソース領域231aとドレイン領域231bとの間に配置される。第1LDD領域231dは、チャネル領域231cとソース領域231aとの間に位置する。第2LDD領域231eは、チャネル領域231cとドレイン領域231bとの間に位置する。半導体層231は、例えば、ポリシリコンを成膜して形成され、チャネル領域231cを除く領域には、導電性を高める不純物がドープされる。第1LDD領域231dおよび第2LDD領域231eの不純物濃度は、ソース領域231aおよびドレイン領域231bの不純物濃度よりも低い。なお、第1LDD領域231dおよび第2LDD領域231eのうちの少なくとも一方、特に第1LDD領域231dは、省略されてもよい。
【0037】
図7は、素子基板200が有するトランジスター23aを示す平面図である。図7に示すように、ゲート電極232は、平面視で半導体層231のチャネル領域231cに重なる。また、ゲート電極232は、例えば、ポリシリコンに導電性を高める不純物がドープされることにより形成される。なお、ゲート電極232は、金属、金属シリサイドおよび金属化合物の導電性を有する材料を用いて形成されてもよい。また、図5に示すゲート絶縁層233は、例えば、熱酸化またはCVD法等で成膜される酸化ケイ素で構成される。
【0038】
図5に示すように、絶縁層223と絶縁層224との間には、走査線241が配置される。絶縁層223には、第1導通部271が配置される。走査線241と第1導通部271とは別体であってもよいし、一体であってもよい。第1導通部271は、走査線241からZ2方向に突出する壁状の部分である。第1導通部271は、走査線241とゲート電極232とを接続する。また、図6に示すように、第1導通部271は、絶縁層221、222および223を貫通し、遮光膜61に接触する。第1導通部271は、走査線241と遮光膜61とを接続する。
【0039】
図8は、素子基板200が有する走査線241および第1導通部271を示す平面図である。図8中では、便宜上、第1導通部271にドットパターンを付す。図8に示すように、走査線241は、X軸に沿って延び、平面視でゲート電極232に重なる。また、走査線241は、平面視で、半導体層231の第2LDD領域231eに重ならず、第2LDD領域231eの周囲に配置される。具体的には、第1導通部271は、平面視で、第2LDD領域231eに対してX1方向に位置する部分と、第2LDD領域231eに対してX2方向に位置する部分と、第2LDD領域231eに対してY2方向に位置する部分と、を有する。
【0040】
前述のように、第1導通部271は、「配線」としての走査線241と遮光膜61とを接続する。第1導通部271は、遮光性を有しており、半導体層231の遮光部として機能する。また、図6に示すように、第1導通部271は、Y軸の沿った方向からみて、半導体層231の両側に位置する。かかる第1導通部271が存在することで、第1導通部271が存在しない場合に比べ、半導体層231に対する遮光性を高めることができる。そのため、半導体層231への光の入射によりトランジスター23のスイッチング動作が不安定になることを効果的に抑制することができる。また、前述のように、第1導通部271は、走査線241に接続される。よって、第1導通部271は、バックゲートとして機能する。なお、走査線241は、駆動回路150が有する走査線駆動回路110に電気的に接続される。
【0041】
また、本実施形態では、ゲート電極232と第1導通部271とは電気的に接続されていなくてもよい。
【0042】
図5に示すように、絶縁層224と絶縁層225との間には、第1定電位線243が配置される。第1定電位線243にはシールド部270が接続される。シールド部270は、絶縁層224を貫通して絶縁層223の厚さ方向の途中まで配置される。また、図8に示すように、シールド部270は、平面視で第2LDD領域231eと重なる。シールド部270は、第1導通部271からの漏れ電界がトランジスター23に影響することを抑制するシールドとして機能する。かかるシールド部270が存在することで、漏れ電界の影響を抑制しつつ、半導体層231の遮光性を向上させることができる。よって、表示異常の発生が抑制される。また、シールド部270は、半導体層231の遮光部としても機能する。
【0043】
また、図8に示すように、前述の走査線241は、平面視で半導体層231の第2LDD領域231eおよびドレイン領域231bに重ならない。このため、走査線241の漏れ電界が第2LDD領域231eに作用することが抑制される。
【0044】
図5および図6に示すように、絶縁層225上には、容量25が配置される。容量25は、第1容量251および第2容量252を有する。第1容量251は、絶縁層225と絶縁層226との間に配置される。第1容量251は、下部容量電極2511、上部容量電極2512、およびこれらの間に配置される誘電体層2513を有する。下部容量電極2511は、絶縁層225を貫通する第2導通部272を介して第1定電位線243に接続される。また、第2容量252は、絶縁層226と絶縁層227との間に配置される。第2容量252は、下部容量電極2521、上部容量電極2522、およびこれらの間に配置される誘電体層2523を有する。下部容量電極2521は、絶縁層226を貫通する第3導通部273を介して第1容量251の上部容量電極2512に接続される。また、下部容量電極2521は、絶縁層222~226を貫通する第4導通部274を介してトランジスター23aのドレイン領域231bに電気的に接続される。なお、下部容量電極2511、上部容量電極2512、下部容量電極2521、および上部容量電極2522は、例えば窒化チタン膜で構成される。
【0045】
図6に示すように、絶縁層227と絶縁層228との間には、信号線242および中継電極245が配置される。図5に示すように、信号線242は、絶縁層222~227を貫通する第5導通部275を介してトランジスター23のソース領域231aに電気的に接続される。図6に示す中継電極245は、第1定電位線243と画素電極220aとを電気的に接続するための電極である。中継電極245は、絶縁層226および227を貫通する第7導通部277を介して第1容量251の上部容量電極2512に接続される。また、中継電極245は、絶縁層228および229を貫通する第8導通部278を介して画素電極220aに接続される。
【0046】
図5および図6に示すように、絶縁層228と絶縁層229との間には、第2定電位線244が配置される。第2定電位線244は、X軸に沿って延びる。第2定電位線244には、第1定電位線243と同様に、例えばグランド電位等の固定電位が印加される。第1定電位線243に供給される固定電位と第2定電位線244に供給される固定電位とは、同電位である。なお、第2定電位線244と第1定電位線243とは、例えば、図1に示す周辺領域A20で結線されてもよい。
【0047】
前述の走査線241、第1定電位線243、信号線242および第2定電位線244等の各種配線の材料は、導電性を有する材料であればよく、例えば、ポリシリコン、金属、金属窒化物、または金属シリサイドが挙げられる。当該金属としては、例えば、タングステン(W)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、鉄(Fe)およびアルミニウム(Al)が挙げられる。具体的には、各種配線は、例えば、アルミニウム膜と窒化チタン膜との積層体で構成される。アルミニウム膜を含むことで、窒化チタン膜のみで構成される場合に比べて低抵抗化を図ることができる。なお、各種配線は、単一材料で構成されてもよいし、複数の材料を含んでいてもよい。
【0048】
第1~第8導通部271~278およびシールド部270の各材料は、導電性を有する材料であればよく、例えば、金属、金属窒化物、または金属シリサイドが挙げられる。各材料は、特に、タングステンを含むことが好ましい。タングステンは遮光性および耐熱性に優れる。このため、タングステンを含むことで、第1~第8導通部271~278およびシールド部270のそれぞれ遮光性を向上させることができる。また、素子基板200の製造時のおける熱処理により、第1~第8導通部271~278およびシールド部270のそれぞれが変質することが抑制される。また、各導通部は、単一材料で構成されてもよいし、複数の材料を含んでいてもよい。例えば、第1~第8導通部271~278およびシールド部270のそれぞれは、タングステンを主とする層と、タングステンナイトライドを含む層との積層構造であってもよい。
【0049】
また、第2~第8導通部272~278およびシールド部270のそれぞれは、柱状のプラグであること好ましい。プラグであることで、トレンチである場合に比べ、各導通部の配置スペースを小さくすることができる。このため、各導通部の存在によって開口率が低下することを抑制することができる。
【0050】
以上説明した素子基板200は、図示しないが、光を収束または発散させるマイクロレンズアレイ等の光学部材を備えていてもよい。当該光学部材を備えることで、光の利用効率を充分に高めることができる。したがって、明るい電気光学装置100を実現することができる。
【0051】
1A-4.遮光膜61、62および63
図9は、素子基板200が有する遮光膜61、62および63を示す図である。図9は、図1中のE-E線断面に相当する。図9に示すように、素子基板200は、複数の遮光膜61と、複数の遮光膜62と、複数の遮光膜63とを有する。複数の遮光膜61、複数の遮光膜62および複数の遮光膜63のそれぞれは、遮光性を有する。図9に示すように、複数の遮光膜61は、表示領域A10に存在する。複数の遮光膜62および複数の遮光膜63のそれぞれは、周辺領域A20に存在する。また、複数の遮光膜62は、周辺領域A20のうちのダミー画素領域A21に存在する。
【0052】
なお、遮光膜61は、前述のようにバックゲートとして機能する。これに対し、遮光膜62および63のそれぞれは、各種配線に電気的に接続されていない。しかし、遮光膜62および63のそれぞれは、任意の各種配線に電気的に接続されていてもよい。
【0053】
図10は、表示領域A10に存在する遮光膜61を示す平面図である。図10に示すように、複数の遮光膜61は、複数のトランジスター23に1対1で対応して配置される。各遮光膜61は、平面視で、対応するトランジスター23と重なる。特に、各遮光膜61の平面視での面積は、対応する半導体層231の平面視での面積よりも大きい。また、トランジスター23が平面視でX軸およびY軸に沿って行列状に配置されているため、複数の遮光膜61は、平面視でX軸およびY軸に沿って行列状に配置される。また、図示の例では、遮光膜61は、平面視で、Y軸に沿って延びる長手形状をなす。遮光膜61は、その長手方向の途中に、その長手方向における両端よりも幅が広い部分を有する。当該部分は、平面視でゲート電極232と重なる。
【0054】
かかる各遮光膜61は、トランジスター23への光の入射を遮る。特に、図9に示すように、各遮光膜61は、対応するトランジスター23に対してZ2方向に位置する。このため、素子基板200側から入射される光が半導体層231に入射することを抑制することができる。このため、トランジスター23のスイッチング動作が不安定になることが抑制される。よって、表示領域A10での表示品質が低下することが抑制される。
【0055】
図11は、ダミー画素領域A21に存在する遮光膜62を示す平面図である。図11に示すように、複数の遮光膜62は、複数のダミー画素電極220dに1対1で対応して配置される。各遮光膜62は、平面視で、対応するダミー画素電極220dと重なる。ダミー画素電極220dが2行2列で配置されているため、図示はしないが、複数の遮光膜62は、2行2列で配置される。また、複数の遮光膜62は、図示はしないが、平面視で、表示領域A10を囲む枠状に配置される。
【0056】
各遮光膜62は、ダミー画素電極220dへの光の入射を遮る。各遮光膜62は、ダミー画素Pdでの光の反射を抑制する。特に、図9に示すように、各遮光膜62は、対応するダミー画素電極220dに対してZ2方向に位置する。このため、素子基板200側から入射される光の戻り光等により表示領域A10での表示品質が低下することが抑制される。
【0057】
図12は、周辺領域A20に存在する遮光膜63を示す平面図である。図12に示すように、複数の遮光膜63は、駆動回路150に対応して配置される。具体的には、2個の走査線駆動回路110のうちの一方に平面視で重なる1個の遮光膜63と、2個の走査線駆動回路110のうちの他方に平面視で重なる1個の遮光膜63と、信号線駆動回路120に平面視で重なる1個の遮光膜63とが存在する。
【0058】
複数の遮光膜63は、駆動回路150への光の入射を遮る。特に、図9に示すように、遮光膜63は、駆動回路150に対してZ2方向に位置する。このため、素子基板200から対向基板300に向かって入射する光が駆動回路150に入射することを抑制することができる。よって、駆動回路150に光が入射することによって誤動作が生じるおそれが抑制される。また、不必要な迷光が表示領域A10に入射することが回避される。よって、高いコントラストを確保することができるので、表示領域A10での表示品質が低下することが抑制される。
【0059】
図13は、素子基板200が有する遮光膜61、62および63のそれぞれを拡大した断面図である。図13に示すように、遮光膜61、62および63のそれぞれは、第1基体210に配置される。よって、遮光膜61、62および63は、同層に位置する。本実施形態では、前述のように、第1基体210が「第1層」に相当し、絶縁層221が「第2層」に相当する。
【0060】
図13に示すように、第1基体210は、複数の凹部211と、複数の凹部212と、複数の凹部213とを有する。なお、図13では、複数の凹部211のうちの1個、複数の凹部212のうちの1個、および複数の凹部213のうちの1個が代表して図示される。凹部211、凹部212、および凹部213のそれぞれは、第1基体210に形成される窪みである。凹部211は、表示領域A10に存在する。凹部212は、周辺領域A20のうちのダミー画素領域A21に存在する。凹部213は、周辺領域A20のうちのダミー画素領域A21を除く領域に存在する。凹部211内には、遮光膜61が配置される。凹部212内には、遮光膜62が配置される。凹部213内には、遮光膜63が配置される。なお、凹部211は、遮光膜61ごとに形成される。凹部212は、遮光膜62ごとに形成される。凹部213は、遮光膜63ごとに形成される。
【0061】
凹部211は、底面2111と、側面2112とを有する。本実施形態では、底面2111は、X-Y平面に沿った段差の無い連続的な平坦面である。側面2112は、底面2111と上面215とを繋ぐ。上面215は、第1基体210のうち絶縁層221に接触する平坦な部分である。また、本実施形態では、側面2112は、第1基体210の厚さ方向に平行なZ軸に沿った面である。また、底面2111と側面2112とのなす角度は、ほぼ90°である。なお、底面2111と側面2112とのなす角度は、90°に限定されない。側面2112は、底面2111に対して傾斜していてもよい。また、底面2111と側面2112と接続部分は丸みを帯びていていもよい。同様に、側面2112と上面215との接続部分は丸みを帯びていていもよい。
【0062】
同様に、凹部212は、底面2121と、側面2122とを有する。本実施形態では、底面2121は、X-Y平面に沿った段差の無い連続的な平坦面である。側面2122は、底面2121と上面215とを繋ぐ。また、本実施形態では、側面2122は、Z軸に沿った面である。また、底面2121と側面2122とのなす角度は、ほぼ90°である。なお、底面2121と側面2122とのなす角度は、90°に限定されない。側面2122は、底面2121に対して傾斜していてもよい。また、底面2121と側面2122と接続部分は丸みを帯びていていもよい。同様に、側面2122と上面215との接続部分は丸みを帯びていていもよい。
【0063】
また、凹部213は、底面2131と、側面2132とを有する。本実施形態では、底面2131は、X-Y平面に沿った段差の無い連続的な平坦面である。側面2132は、底面2131と上面215とを繋ぐ。また、本実施形態では、側面2132は、Z軸に沿った面である。また、底面2131と側面2132とのなす角度は、ほぼ90°である。なお、底面2131と側面2132とのなす角度は、90°に限定されない。側面2132は、底面2131に対して傾斜していてもよい。また、底面2131と側面2132と接続部分は丸みを帯びていていもよい。同様に、側面2132と上面215との接続部分は丸みを帯びていていもよい。
【0064】
凹部211の深さD10と、凹部212の深さD20と、凹部213の深さD30とは、互いに等しい。また、これら凹部211、212および213は、例えば、シリコン等で構成されるハードマスクを用いてエッチングにより一括で形成される。また、遮光膜61、62および63のそれぞれは、いわゆるダマシン法を用いて形成される。
【0065】
遮光膜61、62および63のそれぞれは、第1金属膜601と、第2金属膜602と、第3金属膜603とを有する。第3金属膜603は、第1基体210上に配置される。第2金属膜602は、第3金属膜603上に配置される。第1金属膜601は、第2金属膜602上に配置される。すなわち、第3金属膜603と、第2金属膜602と、第1金属膜601とは、第1基体210からこの順に積層される。以下の第1金属膜601、第2金属膜602および第3金属膜603については、遮光膜61を代表的に説明する。
【0066】
第3金属膜603は、例えばタングステンシリサイドで構成される。第2金属膜602は、例えばタングステンナイトライド(WN)またはチタンナイトライド(TiN)で構成される。第1金属膜601は、タングステンで構成される。タングステンは、各種金属の中でも、耐熱性に優れ、かつ、例えば製造時の熱処理によってもOD(Optical Density)値が低下し難い。よって、第1金属膜601がタングステンを含むことで、遮光膜61の遮光性を高めることができる。
【0067】
第2金属膜602および第3金属膜603が存在することで、これらが存在しない場合に比べ、第1基体210と遮光膜61との密着性を高めることができる。特に、第3金属膜603は、ケイ素原子を含むため、ケイ素系の無機化合物で構成される第1基体210との密着性に優れる。
【0068】
また、タングステンに比べてタングステンシリサイドは、熱処理によりOD値が低下し易い。このため、第3金属膜603と第1金属膜601とが直接的に接触していると、第3金属膜603に含まれるタングステンシリサイドの影響で第1金属膜601のOD値が低下するおそれがある。これに対し、第3金属膜603と第1金属膜601との間に第2金属膜602が存在すので、タングステンシリサイドの影響により第1金属膜601のOD値が低下することが抑制される。つまり、第2金属膜602は、第3金属膜603に含まれるタングステンシリサイドが第1金属膜601に拡散しないようにするバリア層として機能する。
【0069】
なお、第2金属膜602は、タングステンナイトライドとチタンナイトライドの両方を含む構成、および、タングステンナイトライドを含む金属窒化膜とチタンナイトライドを含む金属窒化膜の積層構造のいずれであってもよい。また、第1金属膜601、第2金属膜602および第3金属膜603は、それぞれ、前述の金属以外の材料で構成されてもよい。第1金属膜601、第2金属膜602および第3金属膜603は、それぞれ、少なくとも遮光性を有すればよく、例えば、前述の金属以外の金属または樹脂材料を含んで構成されてもよい。また、第2金属膜602および第3金属膜603の一方または両方は省略されてもよい。
【0070】
遮光膜61は、絶縁層221に接触する凹面610を有する。遮光膜62は、絶縁層221に接触する凹面620を有する。遮光膜63は、絶縁層221に接触する凹面630を有する。凹面610は、遮光膜61に形成された窪みであり、Z2方向に向かって凹む湾曲面である。凹面610の中央は、外縁よりも凹んでいる。同様に、凹面620は、遮光膜62に形成された窪みであり、Z2方向に向かって凹む湾曲面である。凹面620の中央は、外縁よりも凹んでいる。また、凹面630は、遮光膜63に形成された窪みであり、Z2方向に向かって凹む湾曲面である。凹面630の中央は、外縁よりも凹んでいる。
【0071】
凹面620の深さD2は、凹面610の深さD1よりも深く、凹面630の深さD3より浅い。よって、深さD1、D2およびD3の関係は、D1<D2<D3を満たす。なお、深さD1、D2およびD3のそれぞれは、最大の深さである。
【0072】
また、別の見方をすると、平面視で、素子基板200における外縁よりも中央の近くに存在する遮光膜61の深さD1は、素子基板200の中央よりも外縁の近くに存在する遮光膜63の深さD3よりも浅い。
【0073】
前述のように、深さD1、D2およびD3の関係はD1<D2<D3を満たし、かつ、深さD10、D20および30は互いに等しい。このため、遮光膜62の厚さT2は、遮光膜61の厚さT1よりも薄く、遮光膜63の厚さT3よりも厚い。よって、厚さT1、T2およびT3の関係は、T3<T2<T1を満たす。なお、厚さT1、T2およびT3のそれぞれは、最小の厚さである。また、前述の第1金属膜601の厚さは、遮光膜61、62および63で互いに異なる。
【0074】
また、遮光膜61、62および63のそれぞれでは、前述の第3金属膜603の厚さは、第2金属膜602の厚さよりも厚く、第1金属膜601の厚さよりも薄い。なお、第1金属膜601、第2金属膜602および第3金属膜603のそれぞれの厚さは、平均の厚さである。第1金属膜601の厚さが最も厚いことで、遮光膜61、62および63の各遮光性を高めることができる。また、第3金属膜603は、第1基体210に対する密着性に特に優れるので、第3金属膜603の厚さが第2金属膜602よりも厚いことで、薄い場合に比べ、遮光膜61、62および63のそれぞれの第1基体210に対する密着性を高めることができる。
【0075】
なお、第1金属膜601、第2金属膜602および第3金属膜603の各厚さの大小関係は、前述した関係に限定されない。また、当該各厚さの大小関係は、遮光膜61、62および63のそれぞれで互いに異なっていてもよい。
【0076】
第1金属膜601の厚さは、特に限定されないが、例えば、10nm以上500nm以下であることが好ましい。第2金属膜602の厚さは、特に限定されないが、例えば、0.1nm以上50nm以下であることが好ましい。第3金属膜603の厚さは、特に限定されないが、例えば、1nm以上100nm以下であることが好ましい。当該各厚さが前述の範囲を満足することで、遮光膜61の全体の厚さT1を抑えつつ、遮光膜61の密着性を高めるとともに遮光膜61の遮光性を高めるという効果を特に顕著に発揮できる。なお、遮光膜62および63についても同様の効果が発揮される。
【0077】
また、前述のように遮光膜61は平面視でトランジスター23と重なり、遮光膜62は平面視でダミー画素電極220dと重なり、遮光膜63は平面視で例えば走査線駆動回路110と重なる。遮光膜62の平面視での面積は、遮光膜61の平面視での面積よりも大きく、遮光膜63の平面視での面積よりも小さい。
【0078】
以上説明のように、遮光膜61、62および63のそれぞれは、「第1層」としての第1基体210と、「第2層」としての絶縁層221との間に配置される。また、遮光膜61、62および62のそれぞれは、タングステンを含む。タングステンを含むことで、前述のように、遮光膜61、62および62のそれぞれ遮光性を高めることができる。
【0079】
また、前述のように、遮光膜61は凹面610を有し、遮光膜62は凹面620を有し、遮光膜63は凹面630を有する。このため、厚さT1の一定でなく、厚さT2は一定でなく、厚さT3は一定ではない。ここで、厚さT1、T2よびT3のそれぞれが厚いほど、遮光性は高くなる。また、タングステンは遮光性に優れる。しかし、遮光膜61、62および63のそれぞれを過度に厚くしすぎると、膜ストレスによって、第1基体210の反りの増大、および遮光膜61、62および63の各クラックの発生等の不具合が生じるおそれがある。そこで、凹面610、620および630を設けることで、遮光膜61、62および63の平面視での各面積を確保しつつ、厚さT1、T2およびT3のそれぞれが過度に厚くなることが抑制される。それゆえ、当該不具合の発生を抑制しつつ、トランジスター23等への光の入射を抑制することができる。したがって、表示領域A10での表示品質が低下することが抑制される。
【0080】
また、例えば、遮光性が著しく低下しない程度に遮光膜61の厚さT1を均一に薄くすることで、第1基体210にかかる応力を低減し、よって、第1基体210の反りを抑制することが考えられる。これに対し、本実施形態では、遮光膜61に凹面610を設けることにより遮光膜61の厚さT1を薄くしている。これにより、遮光膜61の厚さT1を均一に薄くする場合に比べ、遮光膜61と第1基体210との接触面積を増やすことができる。このため、製造時等において、遮光膜61が第1基体210から剥がれることが抑制される。例えば、厚さT1を均一に薄くする場合、例えば凹部211の深さD10が浅くなるので、遮光膜61と第1基体210との接触面積が減ってしまう。これに対し、本実施形態では、凹部211の深さD10を確保することで遮光膜61と第1基体210との接触面積を増加させ、かつ、遮光膜61に凹面610を設けることで厚さT1を薄くしている。これにより、第1基体210の反り、および遮光膜61の剥がれの双方を効果的に抑制することができる。なお、遮光膜62および63についても同様のことがいえる。
【0081】
本実施形態では、遮光膜61が「第1遮光膜」に相当し、遮光膜62および63のそれぞれが「第2遮光膜」に相当する。遮光膜61は表示領域A10に存在し、遮光膜62および63のそれぞれは周辺領域A20に存在する。また、凹面610は「第1凹面」に相当し、凹面620および凹面630のそれぞれは「第2凹面」に相当する。そして、前述のように、凹面610の深さD1と、凹面620の深さD2とは、互いに異なる。同様に、凹面610の深さD1と、凹面630の深さD3とは、互いに異なる。本実施形態では、凹面610の深さD1は、凹面620の深さD2よりも浅い。同様に、凹面610の深さD1は、凹面630の深さD3よりも浅い。
【0082】
表示領域A10は画像を表示する領域である。このため、表示領域A10は、周辺領域A20に比べ、光の透過量が多い。また、表示領域A10に存在するトランジスター23の誤作動は、表示の品質の劣化に関わる。よって、表示領域A10に存在する遮光膜61は遮光膜62および63よりも遮光性に優れることが好ましい。また、素子基板200に存在する全ての遮光膜61、62および63を厚くすると、第1基体210に生じる応力が大きくなってしまう。そこで、本実施形態では、凹面610の深さD1を凹面620の深さD2および凹面630の深さD3のそれぞれよりも浅くすることにより、厚さT1よりも厚さT2およびT3のそれぞれを薄くしている。この結果、第1基体210に生じる応力が大きくなることを抑制することができる。よって、表示領域A10での遮光性を特に高めることができるとともに、第1基体210の反りの増大を抑制することができる。このように、遮光性を高めたい箇所に応じて、厚さを調整することで、当該箇所に対する遮光性を高めつつ、第1基体210の反りの増大を抑制することができる。
【0083】
また、前述のように、遮光膜61の平面視での面積と、遮光膜62の平面視での面積とは、互いに異なる。同様に、遮光膜61の平面視での面積と、遮光膜63の平面視での面積とは、互いに異なる。本実施形態では、遮光膜61の平面視での面積は、遮光膜62の平面視での面積よりも小さい。同様に、遮光膜61の平面視での面積は、遮光膜63の平面視での面積よりも小さい。また、遮光膜61の厚さT1は、遮光膜62の厚さT2よりも厚い。同様に、遮光膜61の厚さT1は、遮光膜63の厚さT3よりも厚い。つまり、平面視での面積が大きい方が、厚さが薄い。このため、平面視での面積が大きい方が、厚さが厚い場合に比べ、第1基体210に生じる応力が大きくなることが抑制される。よって、第1基体210の反りの増大を抑制することができる。
【0084】
また、本実施形態では、遮光膜62が「第3遮光膜」に相当し、遮光膜63が「第4遮光膜」に相当する。また、凹面620が「第3凹面」に相当し、凹面630が「第4凹面」に相当する。そして、凹面620の深さD2と、凹面630の深さD3とは、互いに異なる。本実施形態では、凹面620の深さD2は、凹面630の深さD3よりも浅い。遮光膜62は、前述のようにダミー画素電極220dに対応して配置される。一方、遮光膜63は、駆動回路150に対応して配置される。駆動回路150が有する走査線駆動回路110および信号線駆動回路120のそれぞれは、図示しない複数の半導体素子を有する。当該複数の半導体素子に跨って遮光膜63を配置すると、平面視での面積が増大し易い。この結果、第1基体210に生じる応力が大きくなり易い。したがって、凹面630の深さD3を凹面620の深さD2よりも深くすることにより、遮光膜63の厚さT3を遮光膜62の厚さよりも薄くすることで、厚さT3が過度に厚くなることが抑制される。よって、第1基体210の反りの増大をより効果的に抑制することができる。
【0085】
また、本実施形態では、第1基体210に設けられる凹部211は「第1凹部」に相当し、第1基体210に設けられる凹部212は「第2凹部」に相当する。また、凹部212は「第3凹部」に相当し、第1基体210に設けられる凹部213は「第4凹部」に相当する。前述のように、凹部211内には遮光膜61が配置され、凹部212内には遮光膜62が配置され、凹部213内には遮光膜63が配置される。
【0086】
凹部211内に遮光膜61が配置されることで、遮光膜61が第1基体210の上面215に配置される場合に比べ、遮光膜61の厚さを厚く形成し易く、かつ、遮光膜61と第1基体210との密着性を向上させることができる。つまり、ダマシン法により遮光膜61を形成することで、厚さT1を厚く形成し易く、かつ遮光膜61と第1基体210との密着性を高めることができる。そのため、遮光膜61の剥がれ等が抑制されるとともに、遮光性の向上を図ることができる。なお、凹部212および凹部213についても同様である。また、小型で品質の高い素子基板200を形成するためには、遮光膜61は、微細でかつ形状精度に優れることが望まれる。ダマシン法を用いて凹部211内に遮光膜61を形成することで、遮光膜61の微細化を図ることができる。なお、凹部212および凹部213についても同様である。
【0087】
また、図13に示すように、凹部211の底面2111は、段差の無い連続的な平坦面である。底面2111に段差がないことで、段差での光の乱反射を抑制することができる。このため、トランジスター23に光が入射するおそれをより低減することができる。
【0088】
また、例えば、遮光膜61、62および63は以下のようにして同一工程で形成される。まず、タングステンを含む金属膜が第1基体210上にCVD(chemical vapor deposition)法等により成膜される。その後、CMP(chemical mechanical polishing)等を施す。これにより、遮光膜61、62および63が形成される。遮光膜61、62および63の製造条件を調整することで、例えばディッシング等を利用して、深さD1、D2およびD3を調整することができる。また、例えば、凹部211、凹部212および凹部213の平面視での各面積を異ならせることで、深さD1、D2およびD3を調整することができる。つまり、遮光膜61、62および63の平面視での各面積を異ならせることで、深さD1、D2およびD3を調整することができる。したがって、遮光膜61、62および63の平面視での各面積を調整することで、厚さT1、T2およびT3を調整することができる。
【0089】
また、複数の遮光膜61は連結しておらず、遮光膜61はトランジスター23ごとに配置される。そのため、遮光膜61の膜ストレスにより第1基体210の反りの増大を抑制することができる。なお、複数の遮光膜61は連結されていてもよい。
【0090】
また、本実施形態では、遮光膜61、62および63は、素子基板200に存在する。素子基板200には、複数のトランジスター23、および図示しない複数の半導体素子が存在する。このため、これら複数のトランジスター23等に対する遮光性を確保するために、遮光膜61、62および63は、対向基板300に存在するよりも素子基板200に存在する方が好ましい。複数のトランジスター23等に対する遮光性を確保することで、表示品質をより高めることができる。
【0091】
また、例えば、素子基板200における表示領域A10および周辺領域A20の各割合、第1基体210の反り具合、および遮光性を確保したい箇所に応じて、各厚さT1、T2およびT3等が調整される。
【0092】
1B.第2実施形態
第2実施形態を説明する。なお、以下の各例示において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0093】
図14は、第2実施形態における遮光膜61、62および63を拡大した断面図である。本実施形態では、遮光膜61、62および63の平面視での各面積の大小関係等が、第1実施形態の当該大小関係等と異なる。当該大小関係が異なること以外、図14に示す遮光膜61、62および63は第1実施形態と同様である。
【0094】
図14に示すように、遮光膜61の凹面610の深さD1は、遮光膜62の凹面620の深さD2とよりも深い。同様に、遮光膜61の凹面610の深さD1は、遮光膜63の凹面630の深さD3とよりも深い。深さD1を、深さD2およびD3のそれぞれよりも深くすることで、厚さT2およびT3のそれぞれが、厚さT1よりも厚く形成され易い。この結果、第1実施形態に比べて周辺領域A20における遮光性を高めることができる。例えば、素子基板200における周辺領域A20の面積の割合によっては、厚さT2およびT3のそれぞれが厚さT1よりも厚くなっても、第1基体210の反りの増大が抑制される。また、例えば、遮光膜61の平面視での面積が充分に大きい場合、遮光膜61の厚さT1を、厚さT2またはT3よりも薄くしても、トランジスター23への光の入射を充分に遮ることができる。
【0095】
また、本実施形態では、遮光膜61の平面視での面積は、遮光膜62の平面視での面積よりも大きい。同様に、遮光膜61の平面視での面積は、遮光膜63の平面視での面積よりも大きい。また、遮光膜61の厚さT1は、遮光膜62の厚さT2よりも薄い。同様に、遮光膜61の厚さT1は、遮光膜63の厚さT3よりも薄い。つまり、平面視での面積が大きい方が、厚さが薄い。このため、平面視での面積が大きい方が、厚さが厚い場合に比べ、第1基体210に生じる応力が大きくなることが抑制される。よって、第1基体210の反りの増大を抑制することができる。
【0096】
なお、図示はしないが、例えば、本実施形態の各遮光膜62は、平面視で、ダミー画素電極220dとは重ならず、ダミー画素電極220dに電気的に接続されるトランジスター23dに重なる。この場合、遮光膜62の平面視での面積は、遮光膜61の平面視での面積よりも小さくてもよい。
【0097】
また、図示はしないが、例えば、本実施形態の複数の遮光膜63は、駆動回路150が有る複数の半導体素子のそれぞれに個別に対応して配置される。このため、半導体素子のサイズ等によっては、遮光膜61の平面視での面積よりも遮光膜63の平面視での面積が小さくてもよい。
【0098】
また、本実施形態では、凹面620の深さD2は、凹面630の深さD3よりも深い。よって、遮光膜62の厚さT2は、遮光膜63の厚さT3よりも薄い。例えば、ダミー画素領域A21の平面視での面積が、駆動回路150の平面視での面積よりも大きい場合、厚さT2が厚さT3よりも薄いことで、厚さT2が厚さT3よりも厚い場合に比べ、第1基体210の反りの増大を抑制することができる。
【0099】
以上の第2実施形態の遮光膜61、62および63によっても、第1実施形態と同様に、遮光性の向上を図ることができる。
【0100】
1C.第3実施形態
第3実施形態を説明する。なお、以下の各例示において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0101】
図15は、第3実施形態にかかる電気光学装置100Aが有する第1画素PB、第2画素PGおよび第3画素PRを示す図である。本実施形態における電気光学装置100Aは、第1画素PB、第2画素PGおよび第3画素PRを有すること以外、第1実施形態の電気光学装置100と同様である。また、電気光学装置100Aは、例えば、後述の図24に示す単板式のプロジェクターに適用される。この場合、例えば、第1画素PBは青色の波長域に対応し、第2画素PGは緑色の波長域に対応し、第3画素PRは赤色の波長域に対応する。
【0102】
図15に示すように、電気光学装置100Aが有する表示領域A10は、複数の第1画素PBと、複数の第2画素PGと、複数の第3画素PRと、を有する。複数の第1画素PB、複数の第2画素PGおよび複数の第3画素PRは、Y軸に沿ってスタライプ状に並ぶ。なお、第1画素PB、第2画素PGおよび第3画素PRの配列は、図示の例に限定されず、例えばスタガ状であってもよい。
【0103】
図15に示す例では、各第3画素PRの平面視での面積は、各第1画素PBの平面視での面積よりも大きく、各第2画素PGの平面視での面積よりも小さい。なお、第1画素PB、第2画素PGおよび第3画素PRの各平面視での面積の大小関係は、図示の例に限定されず、任意である。例えば、各第1画素PBの平面視での面積は、各第3画素PRの平面視での面積よりも大きく、各第2画素PGの平面視での面積よりも大きくてもよい。
【0104】
第1画素PB、第2画素PGおよび第3画素PRのそれぞれは、各配置および平面視での面積が異なること以外、第1実施形態における画素Pと同様の構成である。以下では、第1画素PBに関連する要素の符号に「b」の添え字を付し、第2画素PGに関連する要素の符号に「g」の添え字を付し、第3画素PRに関連する要素の符号に「r」の添え字を付す。また、第1画素PB、第2画素PGおよび第3画素PRを区別する必要が無い場合、画素Pと称する。また、第1画素PB、第2画素PGおよび第3画素PRを区別する必要が無い場合、第1画素PB、第2画素PGおよび第3画素PRのそれぞれに対応する要素には添え字を付さない。
【0105】
図16は、第3実施形態における素子基板200Aの表示領域A10を示す平面図である。図16に示すように、素子基板200Aでは、画素電極200r、画素電極200gおよび画素電極200rの平面視での各面積が互いに異なる。具体的には、図16に示すように、画素電極200rの平面視での面積は、画素電極200bの平面視での面積よりも大きく、画素電極200gの平面視での面積よりも小さい。
【0106】
同様に、素子基板200Aでは、トランジスター23r、トランジスター23gおよびトランジスター23rの平面視での各面積が互いに異なる。具体的には、図16に示すように、トランジスター23rが有する半導体層231のX軸に沿った長さは、トランジスター23bが有する半導体層231のX軸に沿った長さよりも大きく、トランジスター23gが有する半導体層231のX軸に沿った長さよりも小さい。よって、トランジスター23rの平面視での面積は、トランジスター23bの平面視での面積よりも大きく、トランジスター23gの平面視での面積よりも小さい。
【0107】
また、素子基板200Aでは、遮光膜61b、62gおよび61rの平面視での各面積が互いに異なる。具体的には、遮光膜61rの平面視での面積は、遮光膜61bの平面視での面積よりも大きく、遮光膜61gの平面視での面積よりも小さい。ここで、遮光膜61b、62gおよび61rのうちのいずれか1つが「第5遮光膜」に相当し、遮光膜61b、62gおよび61rのうちの他の1つが「第6遮光膜」に相当する。例えば、遮光膜61bが「第5遮光膜」に相当し、遮光膜61gが「第6遮光膜」に相当する。この場合、遮光膜61bの凹面610bが「第5凹面」に相当し、遮光膜61gの凹面610gが「第6凹面」に相当する。
【0108】
図17は、第3実施形態における遮光膜61b、62gおよび61rを拡大した断面図である。図17に示すように、素子基板200Aでは、遮光膜61bの凹面610bの深さD1b、遮光膜61gの凹面610gの深さD1g、および遮光膜61rの凹面610rの深さD1rは、互いに異なる。よって、素子基板200Aでは、遮光膜61bの厚さT1b、遮光膜61gの厚さT1g、および遮光膜61rの厚さT1rは、互いに異なる。具体的には、図17に示すように、凹面610rの深さD1rは、凹面610bの深さD1bとよりも深く、凹面610gの深さD1gとよりも浅い。遮光膜61rの厚さT1rは、遮光膜61bの厚さT1bとよりも薄く、遮光膜61gの厚さT1gとよりも厚い。
【0109】
このように、本実施形態では、遮光膜61の平面視での面積は、トランジスター23の半導体層231の平面視での面積に対応している。半導体層231の平面視での面積に応じて、遮光膜61の平面視での面積を調整することで、半導体層231への光の入射を効果的に抑制することができ、よって、トランジスター23のスイッチング動作が不安定になることが抑制される。また、遮光膜61の平面視での面積に応じて、遮光膜61の厚さを調整することで、第1基体210の反りを抑制することができる。
【0110】
また、本実施形態では、第1基体210が有する凹部211b、211gおよび211rのいずれか1つが「第5凹部」に相当し、遮光膜61b、62gおよび61rのうちの他の1つが「第6凹部」に相当する。例えば、遮光膜61bが「第5遮光膜」に相当し、遮光膜61gが「第6遮光膜」に相当する場合、凹部211bが「第5凹部」に相当し、凹部211gが「第6凹部」に相当する。
【0111】
本実施形態においても第1実施形態と同様に、凹部211内に遮光膜61が配置されることで、遮光膜61が第1基体210の上面215に配置される場合に比べ、遮光膜61の厚さを厚く形成し易く、かつ、遮光膜61と第1基体210との密着性を向上させることができる。よって、遮光膜61の遮光性を高めることができ、かつ、遮光膜61の剥がれを抑制することができる。
【0112】
以上の第3実施形態の遮光膜61b、61gおよび61rによっても、第1実施形態と同様に、遮光性の向上を図ることができる。
【0113】
1D.第4実施形態
第4実施形態を説明する。なお、以下の各例示において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0114】
図18は、第4実施形態における遮光膜61B、62Bおよび63Bを拡大した断面図である。図19は第4実施形態における表示領域A10に存在する遮光膜61Bを示す平面図である。本実施形態では、遮光膜61B、62Bおよび63Bの各形状が、第1実施形態における遮光膜61、62および63の各形状と異なる。当該形状が異なること以外、遮光膜61、62Bおよび63Bは遮光膜61、62および63と同様の構成である。また、本実施形態では、凹部211B、212Bおよび213Bの形状は、第1実施形態における凹部211、212および213の形状と異なる。当該形状が異なること以外、凹部211B、212Bおよび213Bは凹部211、212および213と同様の構成である。
【0115】
図18に示すように、第1基体210Bが有する凹部211Bの底面2111Bは、段差2115を有する。同様に、凹部212Bの底面2121Bは、段差2125を有する。また、凹部213Bの底面2131Bは、段差2135を有する。よって、「第1凹部」、および「第2凹部」の各底面は、段差を有する。また、「第3凹部」、および「第4凹部」の各底面は、段差を有する。
【0116】
図18および図19に示すように、段差2115の存在によって、平面視における凹部211Bの底面2111Bの中央は、その外縁よりも凹んでいる。同様に、図示はしないが、段差2125の存在によって、平面視における凹部212Bの底面2121Bの中央は、その外縁よりも凹んでいる。また、図示はしないが、段差2135の存在によって、平面視における凹部213Bの底面2131Bの中央は、その外縁よりも凹んでいる。なお、凹部213Bは、駆動回路150が有する半導体素子ごとに段差2135が形成されてもよい。すなわち、1個の凹部213Bには、複数の段差2135が存在していてもよい。
【0117】
図18に示すように、遮光膜61Bにおける第1基体210Bとの接触面の形状は、凹部211Bの形状に対応している。よって、遮光膜61Bにおける第1基体210Bとの接触面は、段差面を有する。同様に、遮光膜62Bにおける第1基体210Bとの接触面の形状は、凹部212Bの形状に対応している。よって、遮光膜62Bにおける第1基体210Bとの接触面は、段差面を有する。また、遮光膜63Bにおける第1基体210Bとの接触面の形状は、凹部213Bの形状に対応している。よって、遮光膜63Bにおける第1基体210Bとの接触面は、段差面を有する。
【0118】
遮光膜61B、62Bおよび63Bのそれぞれは、いわゆるデュアルダマシン法を用いて形成される。デュアルダマシン法を用いることで、ダマシン法を用いる場合に比べ、遮光膜61B、62B、および62Bの各クラック耐性をさらに高めることができる。また、遮光膜61Bの中央部分の厚さは、段差2115の存在によって、外周部分の厚さに比べて厚い。当該中央部分は、平面視で、図7に示すチャネル領域231c、第1LDD領域231d、および第2LDD領域231eと重なる。よって、遮光膜61Bによって、トランジスター23のスイッチング動作が不安定になることをより効果的に抑制することができる。
【0119】
図示はしないが、本実施形態で示すデュアルダマシン法は第3実施形態に適用可能である。つまり、図17に示す凹部211bの底面2111、凹部211gの底面2111、および凹部211rの底面2111のそれぞれは、段差2115を有してもよい。したがって、例えば、図17に示す凹部211bが「第5凹部」に相当し、凹部211gが「第6凹部」に相当する場合、凹部211bの底面2111、および凹部211gの底面2111のそれぞれが段差2115を有してもよい。段差2115を有することで、有さない場合に比べ、前述のように遮光膜61のクラック耐性を高めることができる。
【0120】
以上の第4実施形態の遮光膜61B、62Bおよび63Bによっても、第1実施形態と同様に、遮光性の向上を図ることができる。なお、前述の説明では、遮光膜61B、62Bおよび63Bの全てが、デュアルダマシン法で形成されたが、これらのうちのいずれかは、例えば、ダマシン法で形成されてもよい。
【0121】
1E.第5実施形態
第5実施形態を説明する。なお、以下の各例示において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0122】
図20は、第5実施形態における遮光膜61、62および63を拡大した断面図である。本実施形態では、遮光膜61の厚さT1、遮光膜62の厚さT2および遮光膜の厚さT3が互いに等しい。厚さT1、厚さT2および厚さT3が互いに等しいこと以外、図20に示す遮光膜61、62および63は第1実施形態と同様である。また、本実施形態では、凹部211の深さD10、凹部212の深さD20、凹部213の深さD30が、互いに異なる。深さD10、D20およびD30が互いに異なること以外、図20に示す凹部211、212および213は第1実施形態と同様である。
【0123】
図20に示すように、凹部212の深さD20は、凹部211の深さD10よりも深く、凹部213の深さD30よりも浅い。よって、深さD10、D20およびD30の関係は、D10<D20<D30を満たす。また、本実施形態では、第1実施形態と同様に、凹面620の深さD2は、凹面620の深さD1よりも深く、凹面630の深さD3より浅い。また、本実施形態では、第1実施形態と同様に、遮光膜62の平面視での面積は、遮光膜61の平面視での面積よりも大きく、遮光膜63の平面視での面積よりも小さい。そして、本実施形態では、厚さT1、T2およびT3は、互いに等しい。
【0124】
本実施形態のように、凹部211、212および213の平面積での各面積がこの順に広くなることに応じて、凹面610の深さD1、凹面620の深さD2および凹面630の深さD3がこの順に深くなる。深さD1、D2およびD3の各深さに応じて、あらかじめ深さD10、D20およびD30の各深さを調整することで、厚さT1、T2およびT3を等しくすることができる。よって、各遮光膜61、62および63の各遮光性のばらつきを抑制することができる。
【0125】
以上の第5実施形態の遮光膜61、62および63によっても、第1実施形態と同様に、遮光性の向上を図ることができる。
【0126】
1F.変形例
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。また、以下の第1実施形態の各変形の態様は、相互に矛盾しない範囲で第2~第5実施形態に適宜適用される。
【0127】
前述した第1実施形態では、遮光膜61の平面視での面積、遮光膜62の平面視での面積、および遮光膜63の平面視での面積はこの順に大きくなるが、平面視での各面積の大小関係は、当該順に限定されない。同様に、深さD1、D2およびD3はこの順に深くなるが、深さD1、D2およびD3の大小関係は、当該順に限定されない。また、厚さT3、T2およびT1はこの順に厚くなるが、厚さT1、T2およびT3の大小関係は、当該順に限定されない。
【0128】
前述した第1実施形態では、遮光膜の平面視での各面積は互いに異なるが、互いに等しくてもよい。同様に、深さD1、D2およびD3は互いに異なるが、互いに等しくてもよい。厚さT1、T2およびT3は互いに異なるが、互いに等しくてもよい。深さD10、D20およびD30は互いに等しいが、異なっていてもよい。
【0129】
前述した第1実施形態では、第1基体210が「第1層」に相当し、絶縁層221が「第2層」に相当する。しかし、「第1層」は第1基体210以外であってもよく、「第2層」は絶縁層221以外であってもよい。例えば、「第1層」は絶縁層221であり、「第2層」は絶縁層222でもよい。また、遮光膜61は、トランジスター23よりも上層に位置してもよい。
【0130】
前述した第1実施形態では、素子基板200が「遮光膜」を有するが、対向基板300が「遮光膜」と有してもよい。この場合、例えば、図示しないが、対向基板300が複数の画素Pをそれぞれ平面的に区分するブラックマトリクスを有する場合、当該ブラックマトリクスが「遮光膜」に相当してもよい。また、対向基板300が有る見切部350が「遮光膜」に相当してもよい。
【0131】
前述した第1実施形態では、遮光膜61、62および63が存在するが、遮光膜61、62および63のいずれかは省略されてもよい。例えば、遮光膜62および63は省略されてもよい。また、凹部211、212および213のそれぞれは、省略されてもよい。よって、例えば、遮光膜61、62および63のそれぞれは、第1基体210の上面215に存在していてもよい。
【0132】
前述した第1実施形態では、凹面610、620および630のそれぞれは、湾曲状であるが、段差を有する形状であってもよい。前述した第1実施形態では、凹部211の底面2111、凹部212の底面2121、および凹部213の底面2131のそれぞれは、平坦面であるが、湾曲面であってもよい。前述した第1実施形態では、凹部211の側面2112、凹部212の側面2122、および凹部213の側面2132のそれぞれは、平坦面であるが、湾曲面であってもよい。
【0133】
前述の第1実施形態では、トランジスター23としてTFTを用いる場合を例に説明したが、トランジスター23はTFTに限定されず、例えば、MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)等であってもよい。
【0134】
前述の第1実施形態では、アクティブマトリクス駆動方式の電気光学装置100が例示されるが、これに限定されず、電気光学装置の駆動方式は、例えば、パッシブマトリクス駆動方式等でもよい。
【0135】
2.電子機器
電気光学装置100は、各種電子機器に用いることができる。
【0136】
図21は、電子機器の一例であるパーソナルコンピューター2000を示す斜視図である。パーソナルコンピューター2000は、各種の画像を表示する電気光学装置100と、電源スイッチ2001およびキーボード2002が設置される本体部2010と、制御部2003と、を有する。制御部2003は、例えばプロセッサーおよびメモリーを含み、電気光学装置100の動作を制御する。パーソナルコンピューター2000では、電気光学装置100の代わりに電気光学装置100Aが用いられてもよい。
【0137】
図22は、電子機器の一例であるスマートフォン3000を示す平面図である。スマートフォン3000は、操作ボタン3001と、各種の画像を表示する電気光学装置100と、制御部3002と、を有する。操作ボタン3001の操作に応じて電気光学装置100に表示される画面内容が変更される。制御部3002は、例えばプロセッサーおよびメモリーを含み、電気光学装置100の動作を制御する。スマートフォン3000では、電気光学装置100の代わりに電気光学装置100Aた用いられてもよい。
【0138】
図23は、電子機器の一例であるプロジェクターを示す模式図である。投射型表示装置4000は、例えば、3板式のプロジェクターである。電気光学装置1rは、赤色の表示色に対応する電気光学装置100であり、電気光学装置1gは、緑の表示色に対応する電気光学装置100であり、電気光学装置1bは、青色の表示色に対応する電気光学装置100である。すなわち、投射型表示装置4000は、赤、緑および青の表示色に各々対応する3個の電気光学装置1r、1g、1bを有する。制御部4005は、例えばプロセッサーおよびメモリーを含み、電気光学装置100の動作を制御する。
【0139】
照明光学系4001は、光源である照明装置4002からの出射光のうち赤色成分rを電気光学装置1rに供給し、緑色成分gを電気光学装置1gに供給し、青色成分bを電気光学装置1bに供給する。各電気光学装置1r、1g、1bは、照明光学系4001から供給される各単色光を表示画像に応じて変調するライトバルブ等の光変調器として機能する。投射光学系4003は、各電気光学装置1r、1g、1bからの出射光を合成して投射面4004に投射する。
【0140】
なお、投射型表示装置4000では、電気光学装置100の代わりに電気光学装置100Aが用いられてもよい。
【0141】
図24は、電子機器の一例であるプロジェクターを示す模式図である。投射型表示装置5000は、例えば、単板式のプロジェクターである。
【0142】
投射型表示装置5000は、照明装置5002と、レンズ5003と、ダイクロイックミラー5001r、5001g、および5001bと、電気光学装置100Aと、投射光学系5004と、スクリーン5005と、制御部5001と、を有する。
【0143】
照明装置5002は、白色光を発する光源である。レンズ5003は例えばコンデンサレンズであり、当該白色光を平行光にする。ダイクロイックミラー5001r、5001gまたは5001bは、赤、緑または青の各波長域の光を選択的に反射し、各波長域の光を透過する。具体的には、赤色の波長域の光は、ダイクロイックミラー5001rに反射される。そして、当該赤色の波長域の光は、電気光学装置100Aに入射する。緑色の波長域の光は、ダイクロイックミラー5001rを透過した後、ダイクロイックミラー5001gによって反射され、その後、再びダイクロイックミラー5001rを透過する。そして、当該緑色の波長域の光は、前述の赤色の波長域の光とは異なる角度で、電気光学装置100Aに入射する。また、青色の波長域の光は、ダイクロイックミラー5001rおよび5001gを透過した後、ダイクロイックミラー5001bによって反射され、その後、再びダイクロイックミラー5001rおよび5001gを透過する。そして、当該青色の波長域の光は、前述の赤色の波長域の光および青色の波長域の光のそれぞれとは異なる角度で、電気光学装置100Aに入射する。
【0144】
電気光学装置100Aは、各単色光を表示画像に応じて変調するライトバルブ等の光変調器として機能する。電気光学装置100Aから出射される出射光は、投射光学系5004を通り、スクリーン5005が有する投射面に投射される。また、制御部5001は、例えばプロセッサーおよびメモリーを含み、電気光学装置100Aの動作を制御する。
【0145】
なお、投射型表示装置5000では、電気光学装置100Aの代わりに電気光学装置100が用いられてもよい。
【0146】
以上の電子機器は、前述の電気光学装置100または100Aと、制御部2003、3002または4005と、を備える。前述の電気光学装置100および100Aは、トランジスター23等に対する遮光性に優れる。このため、パーソナルコンピューター2000、スマートフォン3000、投射型表示装置4000、または投射型表示装置5000の表示品質を高めることができる。
【0147】
なお、本発明の電気光学装置が適用される電子機器としては、例示した機器に限定されず、例えば、PDA(Personal Digital Assistants)、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、車載用の表示器、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、およびPOS(Point of sale)端末等が挙げられる。さらに、本発明が適用される電子機器としては、プリンター、スキャナー、複写機、ビデオプレーヤー、またはタッチパネルを備えた機器等が挙げられる。
【0148】
以上、好適な各実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態に限定されない。また、本発明の各部の構成は、前述の各実施形態の同様の機能を発揮する任意の構成に置換でき、また、任意の構成を付加できる。また、前述の各実施形態は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。例えば、第1実施形態と第3実施形態とが併合されてもよいし、第2実施形態と第3実施形態とが併合されてもよい。
【0149】
また、前述した説明では、本発明の電気光学装置の一例として液晶装置について説明したが、本発明の電気光学装置はこれに限定されない。例えば、本発明の電気光学装置は、イメージセンサー等にも適用することができる。また、例えば、有機EL(electro luminescence)、無機ELまたは発光ポリマー等の発光素子を用いた表示パネルに対しても前述の実施形態と同様に本発明が適用され得る。また、着色された液体と当該液体に分散された白色の粒子とを含むマイクロカプセルを用いた電気泳動表示パネルに対しても前述の実施形態と同様に本発明が適用され得る。
【符号の説明】
【0150】
20…積層体、23…トランジスター、25…容量、61…遮光膜、62…遮光膜、63…遮光膜、100…電気光学装置、110…走査線駆動回路、120…信号線駆動回路、130…外部端子、150…駆動回路、200…素子基板、210…第1基体、210B…第1基体、211…凹部、212…凹部、213…凹部、215…上面、220…画素電極、220d…ダミー画素電極、221…絶縁層、230…第1配向膜、231…半導体層、231a…ソース領域、231b…ドレイン領域、231c…チャネル領域、231d…第1LDD領域、231e…第2LDD領域、232…ゲート電極、233…ゲート絶縁層、241…走査線、242…信号線、243…第1定電位線、244…第2定電位線、245…中継電極、251…第1容量、252…第2容量、270…シールド部、271…第1導通部、300…対向基板、310…第2基体、320…絶縁層、330…共通電極、340…第2配向膜、350…見切部、400…シール部材、500…液晶層、601…第1金属膜、602…第2金属膜、603…第3金属膜、610…凹面、620…凹面、630…凹面、2000…パーソナルコンピューター、2001…電源スイッチ、2002…キーボード、2003…制御部、2010…本体部、2111…底面、2115…段差、2121…底面、2125…段差、2131…底面、2135…段差、2511…下部容量電極、2512…上部容量電極、2513…誘電体層、2521…下部容量電極、2522…上部容量電極、2523…誘電体層、A10…表示領域、A20…周辺領域、A21…ダミー画素領域、D1…深さ、D10…深さ、D2…深さ、D20…深さ、D3…深さ、D30…深さ、P…画素、Pd…ダミー画素、T1…厚さ、T2…厚さ、T3…厚さ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24