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特許7505194光源ユニット、その光源ユニットを備えるファイバ光源装置
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  • 特許-光源ユニット、その光源ユニットを備えるファイバ光源装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】光源ユニット、その光源ユニットを備えるファイバ光源装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240618BHJP
   F21V 7/00 20060101ALI20240618BHJP
   F21V 7/30 20180101ALI20240618BHJP
   F21V 9/35 20180101ALI20240618BHJP
   F21V 9/08 20180101ALI20240618BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20240618BHJP
【FI】
F21S2/00 311
F21V7/00 570
F21V7/30
F21V9/35
F21V9/08 400
F21Y115:30
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020017848
(22)【出願日】2020-02-05
(65)【公開番号】P2021125365
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2022-09-15
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000102212
【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小櫻 隆之
【審査官】五閑 統一郎
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第208297914(CN,U)
【文献】国際公開第2015/122075(WO,A1)
【文献】特開2008-175858(JP,A)
【文献】特開2016-151682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/00 - 45/00
F21S 2/00
F21V 7/28
F21V 9/08
G01N 21/01
G03B 21/00
G02B 21/00
G02B 26/00
G02B 27/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
該筐体内に配置される、励起光を放射する半導体レーザと、
該半導体レーザから放射された励起光を集光する第一集光光学系と、
該第一集光光学系で透過された励起光を選択的に反射するダイクロイックミラーと、
該ダイクロイックミラーで反射された励起光を集光する第二集光光学系と、
該第二集光光学系で透過された励起光を波長変換して波長変換光を出射する波長変換部材と、
該第二集光光学系と該ダイクロイックミラーを透過した、該波長変換部材からの該波長変換光を該筐体外へ出力する出射部と、を備える
光源ユニットであって、
該ダイクロイックミラーの反射面に向かう該励起光の進行方向にある該筐体の内側面と、該反射面の反対側である裏面との間、あるいは該ダイクロイックミラーの反射面に向かう該励起光の進行方向にある該筐体の内側面に設けられる、前記励起光が照射される入光面と、該入光面で直接反射される該励起光が前記出射部に入射されることを防止する前記筐体の内側面から突出される第一壁状部を有し、該第一壁状部が前記入光面と前記出射部との間に設けられている遮光手段を有する光遮蔽部と、を備え、
前記出射部は、前記波長変換部材から出射されて、前記ダイクロイックミラーに向かう前記波長変換光の進行方向にある該筐体の側面に設けられており、
前記入光面の幅(W)と、該ダイクロイックミラーの反射面に向かう該励起光の進行方向における該入光面からの前記第一壁状部の突出長さ(Z)と、該第一壁状部の突出先端から前記出射部の入口面までの長さ(X)と、該ダイクロイックミラーの反射面に向かう該励起光の進行方向に関し、該第一壁状部の突出先端から、該励起光が照射される前記入光面を基準とした遠近における該出射部の遠位端までの長さ(Y)と、の関係が、以下の式1を満足する、光源ユニット。
W/Z<X/Y (式1)
【請求項2】
前記入光面の法線が、前記励起光の進行方向軸に対して傾いている、請求項に記載の光源ユニット。
【請求項3】
前記光遮蔽部は、前記励起光の強度を減衰させる光減衰手段で構成されている、請求項1に記載の光源ユニット。
【請求項4】
請求項1からのいずれか1項に記載の光源ユニットと、
前記光源ユニットから出射される光が一端面に入射されて他端面から出射される導光体とを備える、ファイバ光源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源ユニット、その光源ユニットを備えるファイバ光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、蛍光顕微鏡に搭載される光源としては、従来、ショートアーク型の超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどの放電ランプが用いられる。そして、近年、省エネルギー化、装置の小型化、光源の長寿命化などの観点から、発光ダイオードなどの固体発光素子を光源として利用することが提案されている。
しかし、赤色、緑色および青色の光を発する3種類の固体発光素子のうち、波長500~550nmの光を放射する固体発光素子は、輝度の高いものがなく、蛍光顕微鏡の視野において十分な明るさを得ることが困難である。
上記の事情から、波長500~550nmの光を発する固体発光素子の代わりに、レーザ光を励起光として蛍光体に照射し、その蛍光体から蛍光を放射する構成の蛍光光源を用いることが提案されている。
【0003】
特許文献1は、半導体レーザなどの励起光源と、この励起光源からの励起光(例えば波長440~470nmの光)を受けて波長450~650nmの蛍光を発する蛍光体とを有する光源装置を開示している。
また、特許文献2は、ダイクロイックミラーを用いて励起光と波長変換された光とを分離して、蛍光を出力する蛍光光源装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018‐40914号公報
【文献】特開2016‐58213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2において、ダイクロイックミラーで反射せずに透過した励起光、あるいはダイクロイックミラーが破損した際の励起光が、光源ユニットの筐体内側面に照射され、その反射光が光源ユニットの出射部から出力されてしまう課題がある。ここで、光源ユニットの筐体内にレーザビームダンパーやレーザビームトラップを設けることで上記課題を解消することも可能である。しかし、この場合、レーザビームダンパーなどを筐体内に配置することとなるため、装置が大型化するとの新たな課題が生じる。
そこで、本発明は、光源ユニットの筐体内から励起光が出力されることを効果的に抑制でき、安全性が高く、かつレーザビームダンパー等を配置することで筐体サイズが大きくなることがない、コンパクトな光源ユニットを提供することを目的とする。
また、本発明は、上記の光源ユニットを備えるファイバ光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の光源ユニットは、
筐体と、
該筐体内に配置される、励起光を放射する半導体レーザと、
該半導体レーザから放射された励起光を集光する第一集光光学系と、
該第一集光光学系で透過された励起光を選択的に反射するダイクロイックミラーと、
該ダイクロイックミラーで反射された励起光を集光する第二集光光学系と、
該第二集光光学系で透過された励起光を波長変換して波長変換光を出射する波長変換部材と、
該第二集光光学系と該ダイクロイックミラーを透過した、該波長変換部材からの該波長変換光を該筐体外へ出力する出射部と、を備える光源ユニットであって、
該ダイクロイックミラーの反射面に向かう該励起光の進行方向にある該筐体の内側面と、該反射面の反対側である裏面との間、あるいは該筐体の内側面に設けられる光遮蔽部と、を備える。
【0007】
前記光遮蔽部は、前記励起光が照射される入光面と、該入光面で直接反射される該励起光が前記出射部に入射されることを防止する遮光手段を有していてもよい。
前記光遮蔽部が前記筐体の内側面に構成される場合、前記入光面は該筐体の内側面であってもよい。
前記光遮蔽部が前記筐体の内側面と前記ダイクロイックミラーとの間にある場合、該光遮蔽部は、該筐体の少なくとも底面または少なくとも天面から延設されていてもよい。
【0008】
前記遮光手段は、前記筐体の内側面から突出される第一壁状部を有し、該第一壁状部は前記入光面と前記出射部との間に設けられていてもよい。前記第一壁状部は、前記入光面で反射される前記励起光が前記出射部へ直接に届くことを防止する。
前記励起光が照射される前記入光面の幅(W)と、該入光面からの前記第一壁状部の突出長さ(Z)と、該第一壁状部の突出先端(b1)から前記出射部の入口面までの長さ(X)と、該第一壁状部の突出先端(b1)から前記出射部の遠位端(入光面を基準にした遠位)までの長さ(Y)との関係が以下の(式1)を満足する。

W/Z<X/Y (式1)

前記第一壁状部は、前記入光面に対して垂直(θ=90°)に、前記筐体の内側面から立設されていてもよい。
前記第一壁状部は、前記入光面に対して鋭角(θ<90°)に、前記筐体の内側面から立設されていてもよい。
【0009】
前記遮光手段は、前記筐体の内側面から突出される第二壁状部を有し、該第二壁状部は前記入光面と前記第二集光光学系または前記波長変換部材との間に設けられていてもよい。前記第二壁状部は、前記入光面で反射される前記励起光が前記出射部へ直接に届くことを防止する。
前記第二壁状部は、前記入光面に対して垂直(θ=90°)に、前記筐体の内側面から立設されていてもよい。
前記第二壁状部は、前記入光面に対して鋭角(θ<90°)に、前記筐体の内側面から立設されていてもよい。
前記第二壁状部は、前記ダイクロイックミラーの一方端が取り付けられる取付構造を有していてもよい。
【0010】
前記入光面の表面が拡散反射面であってもよい。前記拡散反射面の表面粗さがRa0.1以上Ra75以下であってもよい。拡散反射面は後述する光減衰手段として機能してもよい。
前記筐体が鋳物で構成され、前記入光面が鋳肌面で構成されていてもよい。鋳肌面は、Ra30以上Ra65以下であってもよい。ここで、Raは算術平均粗さである。
【0011】
前記入光面の法線が、前記励起光の進行方向軸(光軸)に対して筐体の天側、底側、前記第一壁状部または前記第二壁状部に向かって傾いていてもよい。入光面で反射された励起光が、筐体の天側、底側、前記第一壁状部または前記第二壁状部へ向かうことで、筐体内での反射回数が増加して光強度を減衰させることができる。
前記入光面の法線と前記励起光の光軸とで形成される角度(図4の傾斜角α)が0.1°以上3°以下であってもよい。前記傾斜角(α)は、筐体を鋳造方式で製造する場合にダイカストの抜き勾配に相当していてもよい。また、ダイカストの表面粗さを調整することで、筐体側面の入光部の表面粗さを調整できる。
【0012】
前記光遮蔽部は、前記励起光の強度を減衰させる光減衰手段を有していてもよい。
前記光遮蔽部は、前記励起光が照射される入光面を有し、該励起光の強度を減衰させる光減衰手段を該入光面に有していてもよい。
前記光減衰手段は、前記入光面に設けられる光吸収部または拡散体(散乱体ともいう。)であってもよい。
前記光吸収部は、例えば、前記入光面に設けられる光吸収性の被膜(層)、黒塗り吸光体、無反射コーティング膜、反射防止フィルムであってもよい。
【0013】
前記励起光の光軸と、前記波長変換光の光軸とは、直交していてもよい。
【0014】
前記光源ユニットの筐体は、例えばアルミやアルミ合金などの金属製であってもよい。
【0015】
また、他の本発明は、上記の光源ユニットから出射される光が一端面に入射されて他端面から出射される導光体を備える、ファイバ光源装置である。
前記ファイバ光源装置は、光源ユニットから出射される光を集光する集光光学系を有していてもよい。
前記光源ユニットが、前記導光体へ入射される光を、出射部の前または後で集光する集光光学系を有していてもよい。
【0016】
(作用効果)
光遮蔽部は、ダイクロイックミラーを透過した励起光の光強度や、破損などでダイクロイックミラーが機能しなくなった際の励起光の光強度を減衰させることができる。これにより、高強度の励起光が出射部に直接入射されることを防止できる。
また、光遮蔽部は、光源ユニットの筐体の内側面や限られたスペースに設けることができ、レーザビームダンパー等を配置することがないため、光源ユニットサイズを小型化できる。
また、入光面の表面を拡散反射面とすることで、励起光を拡散反射させることができ、入光面からの強力な直接反射光が出射部に入射されることを防止できる。
また、入光面を、入光面の法線が励起光の光軸に対して傾くように傾斜させることで、入光面からの強力な直接反射光が出射部に入射されることをより防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態1の光源ユニットの一例を示す模式図である。
図2図1の光源ユニットの遮光手段を説明するための模式図である。
図3】実施形態2の光源ユニットを示す模式図である。
図4】実施形態3の光源ユニットを示す模式図である。
図5】各実施形態の光源ユニットを備えるファイバ光源ユニットの一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明のいくつかの実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお、以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
【0019】
(実施形態1)
実施形態1の光源ユニット1について図1を用いて説明する。
光源ユニット1は、筐体10と、筐体内に配置される、励起光を放射する半導体レーザ20と、半導体レーザ20から放射された励起光を集光する第一コリメートレンズ21と、第一コリメートレンズ21で透過された励起光を選択的に反射するダイクロイックミラー22と、ダイクロイックミラー22で反射された励起光を集光する第二コリメートレンズ23と、第二コリメートレンズ23で透過された励起光を波長変換して波長変換光を出射する蛍光体24と、第二コリメートレンズ23とダイクロイックミラー22を透過した、蛍光体24からの波長変換光を筐体外へ出力する出射部17と、を備える。
図1の平面図において、筐体10は、第一側面11、第一側面11と対向する第二側面12、出射部17が設けられている第三側面13、第三側面13と対向する第四側面14、天面15(図4参照)、底面16(図4参照)を有する、直方体であるが、特にこの形状に制限されない。
また、本実施形態において、筐体はアルミ合金などの金属製である。また、励起光の光軸と、波長変換光の光軸とは、直交している。
【0020】
光源ユニット1は、ダイクロイックミラー22の反射面に向かう、半導体レーザ20から出射された励起光の進行方向(光軸)にある、第一側面11の内側面に、光遮蔽部111が設けられている。光遮蔽部111は、励起光が照射される入光面111aと、入光面111aで直接反射される励起光が出射部17に入射されることを防止する遮光手段を有する。本実施形態において、遮光手段は、第一側面11の内側面から突出される第一壁状部111bを有する。第一壁状部111bは、入光面111aと出射部17との間に設けられる。入光面111aが第一側面11の内側面であってもよく、別部材であってもよい。
【0021】
図2を参照しながら、第一壁状部111b、入光面111a、出射部17との配置関係について説明する。
励起光が照射される入光面111aの幅Wと、入光面111aからの第一壁状部111bの垂直方向の突出長さZと、第一壁状部111bの突出先端b1から出射部の入口面までの長さXと、第一壁状部111bの突出先端b1から出射部17の遠位端171(入光面111aを基準にした遠位)までの長さYとの関係が下記(式1)を満足する。

W/Z<X/Y (式1)

本実施形態では、第一壁状部111bは、入光面111aに対して略垂直(θ=90°)に、第一側面11の内側面から立設されている。図2では、第一壁状部111bによって、入光面111aで反射された励起光Rが出射部17へ直接に届くことを防止していることを示す。
【0022】
また、図2に示すように、遮光手段は、第一壁状部111bに対向配置され、第一側面11の内側面から突出される第二壁状部111cを有する。第二壁状部111cは入光面111aと第二コリメートレンズ23との間に設けられている。第二壁状部111cは、入光面111aに対して略垂直(θ=90°)に、内側面から立設されている。
【0023】
実施形態1によれば、少なくとも第一壁状部111bがあることで、入光面111aで反射された励起光Rが出射部17へ直接に届くことがなく、励起光Rが出射部17に至るとしても、筐体内で反射を繰り返して弱まった励起光Rが出射部17へ至ることになるため、コンパクト化の要請を維持しながら、安全性が高い光源ユニットにできる。
【0024】
(実施形態2)
実施形態2の光源ユニットは、実施形態1の遮光手段と構成が異なっている。実施形態1と同じ符号の構成要素は同じ機能を有するので、説明を省略または簡単にする。
図3において、遮光手段の第一壁状部111bと第二壁状部111cとが、入光面111aに対して鋭角(θ<90°に、内側面から立設している。
第一壁状部111b、入光面111a、出射部17との配置関係について説明する。励起光が照射される入光面111aの幅W1と、入光面111aからの第一壁状部111bの垂直方向の長さZ1と、第一壁状部111bの突出先端b1から出射部17の入口面までの長さX1と、第一壁状部111bの先端b1から出射部17の遠位端171(入光面111aを基準にした遠位)までの長さY1との関係が下記(式2)を満足する。

W1/Z1<X1/Y1 (式2)

なお、第一壁状部111bの内側面からの立設起点b2と、第二壁状部111cの内側面から立設起点b3との長さをW2とすれば、W1>W2の関係が成立する。
【0025】
実施形態2によれば、筐体内または第一、第二壁状部111b、111c、入光面111aで反射をより繰り返すことで、実施形態1よりも、より励起光を減衰させることができる。
【0026】
(実施形態3)
実施形態3の光源ユニットは、実施形態1の入光面と構成が異なっている。実施形態1と同じ符号の構成要素は同じ機能を有するので、説明を省略または簡単にする。
図4は、図2のA-A断面を示す。入光面111aの法線が、励起光の進行方向軸(光軸)に対して筐体の天面15(上向き)に傾いている。入光面111aの法線と励起光の光軸とで形成される傾斜角αが、例えば、0.1°以上3°以下である。この傾斜角αは、筐体10を鋳造方式で製造する場合に、ダイカストの抜き勾配に相当していてもよく、第一側面11または入光面111aを後加工で傾斜させてもよい。なお、抜き勾配は、入光面の接線方向と筐体の底面16に垂直な線とで形成される角度に相当する。
別実施形態として、入光面111aの法線が、励起光の進行方向軸(光軸)に対して、筐体の底面16、第一壁状部111bまたは第二壁状部111cに向かって傾いていてもよい。
【0027】
実施形態3によれば、入光面111aの法線が励起光の進行方向軸(光軸)に対して垂直である場合よりも、反射した励起光Rが天面15(上方向)に向かうことで、筐体の天面15方向と底面16方向への反射が加わり、筐体内での反射による減衰効果を向上させることができる。
また、実施形態1に限らず、実施形態2の第一、第二壁状部111b、111cと、実施形態3の傾いた入光面111aとの組み合わせ構成でもよい。
【0028】
(実施形態4)
実施形態1から3において、入光面111aの表面が拡散反射面であってもよい。拡散反射面の表面粗さがRa0.1以上Ra75以下であってもよい。筐体10が鋳物で構成され、入光面111aが鋳肌面で構成されていてもよく、鋳肌面は、Ra30以上Ra65以下であってもよい。
【0029】
(実施形態5)
実施形態1から3において、入光面111aに、励起光の強度を減衰させる光減衰手段が設けられていてもよい。
光減衰手段は、入光面111aに設けられる光吸収部または拡散体(散乱体ともいう。)であってもよい。
光吸収部は、例えば、入光面111aに設けられる光吸収性の被膜(層)、黒塗り吸光体、無反射コーティング膜、反射防止フィルムであってもよい。
【0030】
(実施形態6)
実施形態1から3において、光遮蔽部111が、第一側面11の内側面に設けられていなくてもよく、天面15または底面16から延設される構成であってもよく、ダイクロイックミラー22の反射面に向かう励起光の進行方向にある第一側面11の内側面と、反射面の反対側である裏面との間に設けられていてもよい。
【0031】
(実施形態7)
光遮蔽部は、励起光の強度を減衰させる光減衰手段で構成されており、光減衰手段が、ダイクロイックミラー22の反射面に向かう励起光の進行方向にある第一側面11の内側面と、反射面の反対側である裏面との間に設けられていてもよい。光減衰手段は、光吸収部または拡散体(散乱体ともいう。)であってもよい。光吸収部は、例えば、支持体に形成される光吸収性の被膜(層)、黒塗り吸光体、支持体に形成される無反射コーティング膜、支持体に形成される反射防止フィルムであってもよい。支持体は、第一側面11の内側面に設けられていなくてもよく、天面15または底面16から延設される構成であってもよい。
【0032】
(ファイバ光源装置)
図5はファイバ光源装置100の模式図である。図5中の符号と実施形態1から3の符号が同じ構成は同じ機能を有するので、説明は省略する。
ファイバ光源装置100は、光源ユニット1と、光源ユニット1から出射される光が一端面に入射されて他端面から出射される導光体35とを備える。光源ユニット1は、上記各実施形態のいずれでも採用できる。
光源ユニット1は、第二コリメートレンズ23とダイクロイックミラー22を透過した、蛍光体24からの波長変換光を集光する集光レンズ25と、集光レンズ25で集光された光を導光体35へ導くコネクタ31と、を有する。
本実施形態では、第二壁状部111cは、その先端部c1が入光面111a側に傾斜し、先端部c1に、ダイクロイックミラー22の一方端部22aを固定する取付構造を有している。ダイクロイックミラー22の他方端部22bは、底面から立設した柱部18の取付構造に固定される。各取付構造は、特に制限されず、例えばボルトナットなどの螺合手段、板バネなどの挟持手段などでもよい。
【0033】
(別実施形態)
上記実施形態1から7において、他の部材を有していてもよい。
筐体の各側面、天面、底面の内面に、上記光減衰手段が設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 光源ユニット
10 筐体
111 遮光手段
111a 入光面
111b 第一壁状部
111c 第二壁状部
17 出射部
20 半導体レーザ
21 第一コリメートレンズ
22 ダイクロイックミラー
23 第二コリメートレンズ
24 蛍光体
100 ファイバ光源装置
図1
図2
図3
図4
図5