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特許7505198情報処理装置、情報処理システムおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/60 20180101AFI20240618BHJP
   G06Q 10/109 20230101ALI20240618BHJP
【FI】
G06F8/60
G06Q10/109
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020021897
(22)【出願日】2020-02-12
(65)【公開番号】P2021128475
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【弁理士】
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 那由太
【審査官】山本 俊介
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-060396(JP,A)
【文献】特開2018-181194(JP,A)
【文献】特開2016-157270(JP,A)
【文献】特開2013-218473(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/00- 8/77
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
複数のデバイスの位置に関する情報である位置情報から、当該複数のデバイスが位置する在所毎にグループ分けをし、
前記複数のデバイスの使用状態に関する情報である状態情報を利用して、グループ分けされたグループのそれぞれに属するデバイスの少なくとも1つが別のグループに属するように、再度グループ分けをし、
前記再度グループ分けにおいて、前記状態情報としてデバイスの使用頻度を利用し、使用頻度がより高いデバイスを集めて少なくとも1つのグループとし、
再度グループ分けされたグループ毎に、デバイスで使用されているソフトウェアの変更を行うスケジュールを作成する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記使用頻度がより高いデバイス以外のデバイスについて再度グループ分けをすることを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
複数のデバイスの位置に関する情報である位置情報から、当該複数のデバイスが位置する在所毎にグループ分けをし、
前記複数のデバイスの使用状態に関する情報である状態情報を利用して、グループ分けされたグループのそれぞれに属するデバイスの少なくとも1つが別のグループに属するように、再度グループ分けをし、
前記状態情報を利用して、再度グループ分けされたグループ毎に、デバイスで使用されているソフトウェアの変更を行うスケジュールを作成し、
前記スケジュールの作成において、前記状態情報としてデバイスの使用頻度を利用し、デバイスの使用頻度に応じ、ソフトウェアの変更を行う時間帯を割り当てるスケジュールを作成する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
前記位置情報は、サブネットの情報および設置場所の情報の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
予め定められた機能を実現するソフトウェアが動作する複数のデバイスと、
前記複数のデバイスに対し、前記ソフトウェアの変更を行う情報処理装置と、
を備え、
前記情報処理装置は、プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
前記複数のデバイスの位置に関する情報である位置情報から、当該複数のデバイスが位置する在所毎にグループ分けをし、
前記複数のデバイスの使用状態に関する情報である状態情報を利用して、グループ分けされたグループのそれぞれに属するデバイスの少なくとも1つが別のグループに属するように、再度グループ分けをし、
前記再度グループ分けにおいて、前記状態情報としてデバイスの使用頻度を利用し、使用頻度がより高いデバイスを集めて少なくとも1つのグループとし、
再度グループ分けされたグループ毎に、前記ソフトウェアの変更を行うスケジュールを作成する
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
コンピュータに、
複数のデバイスの位置に関する情報である位置情報から、当該複数のデバイスが位置する在所毎にグループ分けをする第1の振分機能と、
前記複数のデバイスの使用状態に関する情報である状態情報を利用して、前記第1の振分機能によりグループ分けされたグループのそれぞれに属するデバイスの少なくとも1つが別のグループに属するように、再度グループ分けをし、当該再度グループ分けにおいて、当該状態情報としてデバイスの使用頻度を利用し、使用頻度がより高いデバイスを集めて少なくとも1つのグループとする第2の振分機能と、
前記第2の振分機能により再度グループ分けされたグループ毎に、デバイスで使用されているソフトウェアの変更を行うスケジュールを作成する作成機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項7】
予め定められた機能を実現するソフトウェアが動作する複数のデバイスと、
前記複数のデバイスに対し、前記ソフトウェアの変更を行う情報処理装置と、
を備え、
前記情報処理装置は、プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
前記複数のデバイスの位置に関する情報である位置情報から、当該複数のデバイスが位置する在所毎にグループ分けをし、
前記複数のデバイスの使用状態に関する情報である状態情報を利用して、グループ分けされたグループのそれぞれに属するデバイスの少なくとも1つが別のグループに属するように、再度グループ分けをし、
前記状態情報を利用して、再度グループ分けされたグループ毎に、デバイスで使用されているソフトウェアの変更を行うスケジュールを作成し、
前記スケジュールの作成において、前記状態情報としてデバイスの使用頻度を利用し、デバイスの使用頻度に応じ、ソフトウェアの変更を行う時間帯を割り当てるスケジュールを作成する
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項8】
コンピュータに、
複数のデバイスの位置に関する情報である位置情報から、当該複数のデバイスが位置する在所毎にグループ分けをする第1の振分機能と、
前記複数のデバイスの使用状態に関する情報である状態情報を利用して、前記第1の振分機能によりグループ分けされたグループのそれぞれに属するデバイスの少なくとも1つが別のグループに属するように、再度グループ分けをする第2の振分機能と、
前記状態情報を利用して、前記第2の振分機能により再度グループ分けされたグループ毎に、デバイスで使用されているソフトウェアの変更を行うスケジュールを作成し、当該スケジュールの作成において、当該状態情報としてデバイスの使用頻度を利用し、デバイスの使用頻度に応じ、ソフトウェアの変更を行う時間帯を割り当てるスケジュールを作成する作成機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
予め定められたスケジュールに従い、複数のデバイスで使用されるソフトウェアの変更を行う場合がある。この場合、ユーザは、ソフトウェアの変更を行っている間、デバイスを使用することができない。
【0003】
特許文献1には、ネットワークに接続された複数の画像処理装置に対して画像処理装置が一時的に利用不可となる処理を実行する手段と、画像処理装置が一時的に利用不可となる処理を同時に実行してはいけない画像処理装置の1組以上の組を入力する手段と、画像形成装置の組の中に画像処理装置が一時的に利用不可となる処理を実行していない画像処理装置が存在するように処理の実行を制御する手段を有することを特徴とする、ネットワークに接続された画像処理装置を管理するネットワークデバイス管理ソフトウェアが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-218473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来は、ユーザが少なくとも1つのデバイスを使用できるように、ソフトウェアの変更を行うデバイスの組み合わせを入力する必要がある。
しかしながら、例えば、管理者が、デバイスの組み合わせを決定し、さらに組み合わせを入力するのは、管理者に大きな負担を強いることになる。
本発明は、ソフトウェアの変更を行うデバイスの組み合わせを決定して入力する場合に比較して、より容易に組み合わせを定めることができる情報処理装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、複数のデバイスの位置に関する情報である位置情報から、当該複数のデバイスが位置する在所毎にグループ分けをし、前記複数のデバイスの使用状態に関する情報である状態情報を利用して、グループ分けされたグループのそれぞれに属するデバイスの少なくとも1つが別のグループに属するように、再度グループ分けをし、前記再度グループ分けにおいて、前記状態情報としてデバイスの使用頻度を利用し、使用頻度がより高いデバイスを集めて少なくとも1つのグループとし、再度グループ分けされたグループ毎に、デバイスで使用されているソフトウェアの変更を行うスケジュールを作成することを特徴とする情報処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記プロセッサは、前記使用頻度がより高いデバイス以外のデバイスについて再度グループ分けをすることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項3に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、複数のデバイスの位置に関する情報である位置情報から、当該複数のデバイスが位置する在所毎にグループ分けをし、前記複数のデバイスの使用状態に関する情報である状態情報を利用して、グループ分けされたグループのそれぞれに属するデバイスの少なくとも1つが別のグループに属するように、再度グループ分けをし、前記状態情報を利用して、再度グループ分けされたグループ毎に、デバイスで使用されているソフトウェアの変更を行うスケジュールを作成し、前記スケジュールの作成において、前記状態情報としてデバイスの使用頻度を利用し、デバイスの使用頻度に応じ、ソフトウェアの変更を行う時間帯を割り当てるスケジュールを作成することを特徴とする情報処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記位置情報は、サブネットの情報および設置場所の情報の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1または3に記載の情報処理装置である。
請求項5に記載の発明は、予め定められた機能を実現するソフトウェアが動作する複数のデバイスと、前記複数のデバイスに対し、前記ソフトウェアの変更を行う情報処理装置と、を備え、前記情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、前記複数のデバイスの位置に関する情報である位置情報から、当該複数のデバイスが位置する在所毎にグループ分けをし、前記複数のデバイスの使用状態に関する情報である状態情報を利用して、グループ分けされたグループのそれぞれに属するデバイスの少なくとも1つが別のグループに属するように、再度グループ分けをし、前記再度グループ分けにおいて、前記状態情報としてデバイスの使用頻度を利用し、使用頻度がより高いデバイスを集めて少なくとも1つのグループとし、再度グループ分けされたグループ毎に、前記ソフトウェアの変更を行うスケジュールを作成することを特徴とする情報処理システムである。
請求項6に記載の発明は、コンピュータに、複数のデバイスの位置に関する情報である位置情報から、当該複数のデバイスが位置する在所毎にグループ分けをする第1の振分機能と、前記複数のデバイスの使用状態に関する情報である状態情報を利用して、前記第1の振分機能によりグループ分けされたグループのそれぞれに属するデバイスの少なくとも1つが別のグループに属するように、再度グループ分けをし、当該再度グループ分けにおいて、当該状態情報としてデバイスの使用頻度を利用し、使用頻度がより高いデバイスを集めて少なくとも1つのグループとする第2の振分機能と、前記第2の振分機能により再度グループ分けされたグループ毎に、デバイスで使用されているソフトウェアの変更を行うスケジュールを作成する作成機能と、を実現させるためのプログラムである。
請求項7に記載の発明は、予め定められた機能を実現するソフトウェアが動作する複数のデバイスと、前記複数のデバイスに対し、前記ソフトウェアの変更を行う情報処理装置と、を備え、前記情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、前記複数のデバイスの位置に関する情報である位置情報から、当該複数のデバイスが位置する在所毎にグループ分けをし、前記複数のデバイスの使用状態に関する情報である状態情報を利用して、グループ分けされたグループのそれぞれに属するデバイスの少なくとも1つが別のグループに属するように、再度グループ分けをし、前記状態情報を利用して、再度グループ分けされたグループ毎に、デバイスで使用されているソフトウェアの変更を行うスケジュールを作成し、前記スケジュールの作成において、前記状態情報としてデバイスの使用頻度を利用し、デバイスの使用頻度に応じ、ソフトウェアの変更を行う時間帯を割り当てるスケジュールを作成することを特徴とする情報処理システムである。
請求項8に記載の発明は、コンピュータに、複数のデバイスの位置に関する情報である位置情報から、当該複数のデバイスが位置する在所毎にグループ分けをする第1の振分機能と、前記複数のデバイスの使用状態に関する情報である状態情報を利用して、前記第1の振分機能によりグループ分けされたグループのそれぞれに属するデバイスの少なくとも1つが別のグループに属するように、再度グループ分けをする第2の振分機能と、前記状態情報を利用して、前記第2の振分機能により再度グループ分けされたグループ毎に、デバイスで使用されているソフトウェアの変更を行うスケジュールを作成し、当該スケジュールの作成において、当該状態情報としてデバイスの使用頻度を利用し、デバイスの使用頻度に応じ、ソフトウェアの変更を行う時間帯を割り当てるスケジュールを作成する作成機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、ソフトウェアの変更を行うデバイスの組み合わせを決定して入力する場合に比較して、より容易に組み合わせを定めることができ、デバイスの状態に応じてデバイスの組み合わせを決定することができる情報処理装置を提供することができる。
請求項2の発明によれば、ユーザの利便性を確保した上で、デバイスの組み合わせを決定することができる。
請求項3の発明によれば、ソフトウェアの変更を行うデバイスの組み合わせを決定して入力する場合に比較して、より容易に組み合わせを定めることができ、デバイスの状態に応じてデバイスの組み合わせを決定することができ、ユーザの利便性を考慮して、スケジュールを作成することができる情報処理装置を提供することができる。
請求項4の発明によれば、位置情報をより容易に取得することができる。
請求項5の発明によれば、デバイスのソフトウェアの設定の変更が、より容易になり、デバイスの状態に応じてデバイスの組み合わせを決定することができる処理システムを提供することができる。
請求項6の発明によれば、ソフトウェアの変更を行うデバイスの組み合わせを決定して入力する場合に比較して、より容易に組み合わせを定めることができ、デバイスの状態に応じてデバイスの組み合わせを決定することができる機能をコンピュータにより実現できる。
請求項7の発明によれば、デバイスのソフトウェアの設定の変更が、より容易になり、デバイスの状態に応じてデバイスの組み合わせを決定することができ、ユーザの利便性を考慮して、スケジュールを作成することができる処理システムを提供することができる。
請求項8の発明によれば、ソフトウェアの変更を行うデバイスの組み合わせを決定して入力する場合に比較して、より容易に組み合わせを定めることができ、デバイスの状態に応じてデバイスの組み合わせを決定することができ、ユーザの利便性を考慮して、スケジュールを作成することができる機能をコンピュータにより実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。
図2】画像形成装置のハードウェア構成例を示した図である。
図3】(a)~(e)は、端末装置でソフトウェアの変更を行う際に、表示機構に表示される画面について示した図である。
図4】情報処理システムの機能構成例について説明したブロック図である。
図5】情報処理システムの動作について説明したシーケンス図である。
図6】(a)は、図5のステップ112とステップ113の処理を詳しく説明したフローチャートである。(b)は、図5のステップ112の処理について、より詳しく説明したフローチャートである。
図7】使用頻度の高い画像形成装置を、休み時間に割り当てる処理を行うときの設定画面を示した図である。
図8図5のステップ113の処理について、より詳しく説明したフローチャートである。
図9】(a)~(c)は、図6(a)~(b)および図8で行う処理の結果を示した第1の例である。
図10】(a)~(c)は、図6(a)~(b)および図8で行う処理の結果を示した第2の例である。
図11図5のステップ117で、スケジュールを通知するメールについて示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<情報処理システム全体の説明>
図1は、本実施の形態における情報処理システム1の構成例を示す図である。
図示するように本実施の形態の情報処理システム1は、画像形成装置10a、10b、10cと、画像形成装置10d、10e、10fと、端末装置20とが、ネットワーク30を介して接続されることにより構成されている。なお、画像形成装置10a、10b、10c、10d、10e、10fのそれぞれを区別しない場合は、以下、単に、画像形成装置10と言うことがある。
なお、図1では、画像形成装置10は6つ、端末装置20は1つしか示していないが、それぞれの数はいくつでもよい。
【0010】
画像形成装置10は、デバイスの一例である。画像形成装置10は、プリンタ機能を備える。即ち、画像形成装置10は、紙等の記録媒体に画像を形成し、印刷媒体として出力することができる。また、画像形成装置10は、プリンタ機能に加えて、例えば、スキャナ機能、ファクシミリ機能等の他の画像処理機能を備えている。そして、詳しくは後述するが、これらの機能を、予め定められた機能を実現するソフトウェアが動作することで実現する。
【0011】
図2は、画像形成装置10のハードウェア構成例を示した図である。
図示するように、画像形成装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、HDD(Hard Disk Drive)14と、操作パネル15と、画像読み取り部16と、画像形成部17と、通信I/F18とを備える。そしてこれらがバスBを介して必要なデータのやりとりを行なう。
【0012】
RAM12は、CPU11の作業用メモリ等として用いられるメモリである。
ROM13は、CPU11が実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。
HDD14は、画像読み取り部16が読み取った画像情報や画像形成部17における画像形成にて用いる画像情報等を記憶する例えば磁気ディスク装置である。
操作パネル15は、各種情報の表示やユーザからの操作入力の受付を行なう例えばタッチパネルである。そのため表示機構は、予め定められた領域でコンテンツ(情報内容)を画像として表示する液晶パネル等の表示部を備えるとともに、液晶パネルに人の指、スタイラスペンに代表される接触物が接触したときに、接触物が液晶パネルに接触した位置を検知する機能を備えている。本実施の形態においてタッチパネルは、特に限定されるものではなく、抵抗膜方式や静電容量方式など種々の方式のものを使用することができる。
【0013】
画像読み取り部16は、原稿に記録された画像を読み取る。ここで、画像読み取り部16は、例えばスキャナであり、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式や、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のものを用いるとよい。
【0014】
画像形成部17は、記録媒体に画像を形成する印刷機構の一例である。ここで、画像形成部17は、例えばプリンタであり、感光体に付着させたトナーを用紙等の記録媒体に転写して像を形成する電子写真方式や、インクを記録媒体上に吐出して像を形成するインクジェット方式のものを用いるとよい。
通信I/F18は、ネットワークを介して他の装置との間で各種情報の送受信を行なう。
【0015】
端末装置20は、情報処理装置の一例であり、画像形成装置10で動作するソフトウェアの管理を行う。そして、端末装置20は、このソフトウェアの変更として、新規の導入、更新、削除などを行う。なおこれは、それぞれソフトウェアのインストール、アップデート、アンインストールを行うと言い換えることもできる。
端末装置20は、例えば、汎用のパーソナルコンピュータ(PC)である。そして、端末装置20は、OS(Operating System)による管理下において、各種アプリケーションソフトウェアを動作させることで、画像形成装置10のソフトウェアの管理を行う。
【0016】
端末装置20は、演算手段であるCPUと、記憶手段であるメインメモリ、およびHDDやSSD(Solid State Drive)等のストレージを備える。ここで、CPUは、プロセッサの一例であり、OS(基本ソフトウェア)やアプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)等の各種ソフトウェアを実行する。また、メインメモリは、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、ストレージは、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
さらに、端末装置20は、外部との通信を行うための通信インタフェース(以下、「通信I/F」と表記する)と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構と、キーボード、マウス、タッチパネル、スタイラスペン等の入力デバイスとを備える。
【0017】
ネットワーク30は、画像形成装置10および端末装置20の間の情報通信に用いられる通信手段であり、例えば、LAN(Local Area Network)やインターネットである。
【0018】
<情報処理システム1の動作の概略説明>
次に、情報処理システム1の概略動作について説明する。
端末装置20は、ソフトウェアの変更を行うに際し、ソフトウェアの変更を行うスケジュールを作成する。詳しくは後述するが、端末装置20は、画像形成装置10の状態を表す状態情報を取得する。そして、この状態情報に基づき、ソフトウェアの変更を行うスケジュールを作成する。このスケジュールは、画像形成装置10が設定される予め定められた在所毎に、それぞれ少なくとも1つの画像形成装置10が動作するものとなる。そして、このスケジュールに基づき、端末装置20は、画像形成装置10に導入されているソフトウェアの変更を行う。
【0019】
図3(a)~(e)は、端末装置20でソフトウェアの変更を行う際に、表示機構に表示される画面について示した図である。
図3(a)は、スケジュールの設定を開始する画面である。この画面は、ウィンドウW1にて表示され、ソフトウェアの管理を行う管理者は、このウィンドウW1中のメニューM1から、スケジュールの設定を選択する。
図3(b)は、スケジュールの設定を行う画面として、ソフトウェア/操作の選択を行う画面を示している。この画面は、図3(a)のスケジュールの設定を選択したときに、ウィンドウW2として表示される。このウィンドウW2では、メニューM2およびメニューM3が表示される。メニューM2には、画像形成装置10で導入されているソフトウェアの一覧が表示される。そして、管理者は、メニューM2の中から、対象となるソフトウェアの選択を行う。また、メニューM3には、ソフトウェアに対し、行うことができる操作の一覧が表示される。管理者は、メニューM3の中から、ソフトウェアに対する操作の選択を行う。ここでは、「インストール」、「アップデート」、「アンインストール」の中から、操作が選択できる。
【0020】
図3(c)は、グループ分けの設定および対象となる画像形成装置10を選択する画面を示している。この画面は、図3(b)のボタンB1を押下したとき、ウィンドウW3として表示される。このウィンドウW3では、設定欄R1および設定欄R2が表示される。
設定欄R1は、グループ分けの設定を行うことができる。ここでは、例えば、グループ分けをするか否かの設定を行う。即ち、ONを選択した場合は、グループ分けを行い、OFFを選択した場合は、グループ分けを行わない。また、他には、グループ分けを行う数であるグループ数、1つのグループに対し、ソフトウェアの変更を行う時間を設定する処理間隔、グループ分けの方法を選択するグループ分け方法の設定を行うことができる。
そして、設定欄R2では、ソフトウェアの変更を行うときに、対象となる画像形成装置10を選択できる。
【0021】
図3(d)は、開始時間設定の画面を示している。この画面は、図3(c)のボタンB2を押下したとき、ウィンドウW4として表示される。このウィンドウW4では、設定欄R3と、メッセ-ジMe1が表示される。設定欄R3は、ソフトウェアの変更を行うときの開始時間を設定することができる。また、メッセージMe1は、ソフトウェアの変更を行うときの注意事項が表示される。
図3(e)は、内容確認の画面を示している。この画面は、図3(d)のボタンB3を押下したとき、ウィンドウW5として表示される。このウィンドウW5では、メッセージMe2と、対象一覧R4が表示される。メッセージMe2は、ソフトウェアの変更を行う際の開始予定日時を表示する。また、対象一覧R4では、ソフトウェアの変更の対象となる画像形成装置10の一覧を表示する。なお、ボタンB4を押下すると、スケジュールの設定変更を行うことができる。
【0022】
<情報処理システム1の機能構成の説明>
次に、情報処理システム1について詳述する。
図4は、情報処理システム1の機能構成例について説明したブロック図である。
なお、ここでは、情報処理システム1が有する種々の機能のうち本実施の形態に関係するものを選択して図示している。
【0023】
情報処理システム1の画像形成装置10は、外部機器と情報の送受信を行う送受信部110と、画像形成装置10の制御を行う制御部120と、ソフトウェアを保存する保存部130と、画像形成装置10の機能を実現する機構部140とを備える。
【0024】
送受信部110は、端末装置20からソフトウェアの設定変更の指示を受け付ける。送受信部110は、例えば、通信I/F18やCPU11に対応する。
制御部120は、画像形成装置10全体の制御を行う。ここでは、端末装置20からソフトウェアの設定変更を指示されたときに、ソフトウェアを変更し、保存部130に保存する。制御部120は、CPU11、RAM12、ROM13に対応する。
保存部130は、ソフトウェアを保存する。保存部130は、HDD14に対応する。
機構部140は、例えば、上述したタッチパネル、スキャナ、印刷機構などである。機構部140は、操作パネル15、画像読み取り部16、画像形成部17に対応する。
【0025】
端末装置20は、外部機器と情報の送受信を行う送受信部210と、1回目のグループ分けを行う第1の振分部220と、2回目のグループ分けを行う第2の振分部230と、ソフトウェアの変更を行うスケジュールを作成する作成部240とを備える。
【0026】
送受信部210は、ネットワーク30を介し、画像形成装置10との間で情報の送受信を行う。
第1の振分部220は、複数の画像形成装置10の位置に関する情報である位置情報から、これら複数の画像形成装置10が位置する在所毎にグループ分けをする。ここで、「位置情報」とは、画像形成装置10が配される場所の情報である。画像形成装置10が配される場所は、画像形成装置10が設置されている場所である設置場所の他、管理上の場所も含む。画像形成装置10が設置されている場所は、例えば、画像形成装置10が設置されている部屋、階数、組織などである。そして、「在所毎にグループ分けする」とは、例えば、部署等の組織毎にグループ分けする場合が挙げられる。また、管理上の場所は、例えば、画像形成装置10に付与されるIPアドレスである。そして、「在所毎にグループ分けする」とは、例えば、サブネット毎にグループ分けする場合が挙げられる。
【0027】
第2の振分部230は、第1の振分部220によりグループ分けされたグループのそれぞれに属する画像形成装置10の少なくとも1つが別のグループに属するように、再度グループ分けをする。例えば、第2の振分部230は、第1の振分部220によりグループ分けされたグループに属する画像形成装置10を、全て同じ1つのグループにならないように再度グループ分けする。
そして、このとき第2の振分部230は、複数の画像形成装置10の使用状態に関する情報である状態情報を利用して、再度グループ分けをする。「状態情報」は、画像形成装置10が使用される状態を示す情報である。状態情報は、例えば、画像形成装置10の電源のON/OFF、画像形成装置10の使用頻度、画像形成装置10を使用するユーザの人数、画像形成装置10が使用される時間帯などである。即ち、第2の振分部230は、画像形成装置10の使用状態を考慮して再度グループ分けをする。
【0028】
作成部240は、第2の振分部230により再度グループ分けされたグループ毎に、画像形成装置10で使用されているソフトウェアの変更を行うスケジュールを作成する。この場合、第1の振分部220によりグループ分けされたグループのそれぞれに属する画像形成装置10のうち、少なくとも1つは、同じ時間にソフトウェアの変更をすることがない。つまり、この少なくとも1つの画像形成装置10は、使用できる状態となる。
なお、このとき作成部240は、上述した状態情報を利用してスケジュールを作成する。
【0029】
次に、情報処理システム1の動作について説明する。
図5は、情報処理システム1の動作について説明したシーケンス図である。
図示するシーケンス図では、管理者、画像形成装置10および端末装置20のそれぞれの動作を示している。
ここでは、まず管理者が、ソフトウェアの変更を行うスケジュールの設定を開始する(ステップ101)。そして、端末装置20は、スケジュールの設定を開始する(ステップ102)。実際には、端末装置20は、スケジュールの設定を行うアプリケーションソフトウェアを動作させ、管理者は、端末装置20に対し、図3(a)で説明したような操作を行う。
【0030】
次に、管理者が、対象となるソフトウェアの選択を行うとともに、ソフトウェアに対する操作の選択を行う(ステップ103)。そして、端末装置20は、対象となるソフトウェアおよび操作を設定する(ステップ104)。実際には、管理者は、端末装置20に対し、図3(b)で説明したような操作を行う。
【0031】
そして、端末装置20は、画像形成装置10を問い合わせ、画像形成装置10は、起動していれば、自身の状態を応答する(ステップ105)。これにより、端末装置20は、画像形成装置10の状態を取得する(ステップ106)。画像形成装置10の状態は、起動中、ユーザが使用中、停止中の何れかである。なお、端末装置20は、起動中、ユーザが使用中の各状態を、画像形成装置10の応答により判断する。一方、端末装置20は、停止中については、応答がなかったことで、停止中であると判断する。
【0032】
次に、管理者は、ソフトウェアを変更する対象となる画像形成装置10を選択する(ステップ107)。そして、端末装置20は、対象となる画像形成装置を設定する(ステップ108)。さらに、管理者は、グループ分けの設定を行う(ステップ109)。そして、端末装置20は、グループ分けの設定をする(ステップ110)。実際には、管理者は、端末装置20に対し、図3(c)で説明したような操作を行う。また、管理者は、端末装置20に対し、図3(d)で説明したような操作を併せて行い、ソフトウェアの開始時間の設定を行う。
【0033】
そして、端末装置20は、グループ分けをする設定となっているか否かを判断する(ステップ111)。
その結果、グループ分けをする設定となっている場合(ステップ111でYes)、画像形成装置10の使用頻度を確認する処理を行う(ステップ112)。端末装置20が、使用頻度を確認する処理については、詳しくは後述する。
そして、端末装置20は、スケジュールの作成を行う(ステップ113)。端末装置20が、スケジュールを作成する処理についても、詳しくは後述する。
【0034】
ステップ113の後、およびグループ分けをしない設定となっている場合(ステップ111でNo)、端末装置20は、スケジュールの内容確認の画面を表示する(ステップ114)。これは、図3(e)で示したような画面となる。
そして、端末装置20は、スケジュールの設定変更があるか否かを判断する(ステップ115)。
その結果、スケジュールの設定変更があった場合(ステップ115でYes)、ステップ111に戻る。
【0035】
対して、スケジュールの設定変更がない場合(ステップ115でNo)、画像形成装置10を使用するユーザに対し、ソフトウェアの変更が行われるスケジュールを通知するメールを送付するか否かを判断する(ステップ116)。これは、管理者が予め設定しておくことができる。
そして、メールを送付する場合(ステップ116でYes)、スケジュールを通知するメールを作成し、送信する(ステップ117)。
その後、一連の処理を終了する(ステップ118)。また、メールを送付しない場合(ステップ116でNo)も同様に終了する。
【0036】
図6(a)~(b)は、図5のステップ112の処理について、より詳しく説明したフローチャートである。
ここでは、図6(a)に示すように、端末装置20は、ステップ112の画像形成装置10の使用頻度を確認する処理を行う際に、リストFを作成する。そして、端末装置20は、このリストFを使用して、ステップ113のスケジュールの作成を行う処理を行う。
図6(b)は、ステップ112の処理について、詳しく説明したフローチャートである。
使用頻度の高い画像形成装置10を、休み時間に割り当てる処理を行うか否かを判断する(ステップ201)。
【0037】
図7は、使用頻度の高い画像形成装置10を、休み時間に割り当てる処理を行うときの設定画面を示した図である。
図7の画面は、図3(c)の画面に対応し、設定欄R1で、詳細設定として、「使用頻度が高いデバイスは休み時間に回す」を選択できるようになっている。
【0038】
図6に戻り、ステップ201で端末装置20は、行うと判断した場合(ステップ201でYes)、対象となる各画像形成装置10から使用頻度を取得する(ステップ202)。使用頻度は、例えば、画像形成装置10を利用した回数、印刷枚数、使用された総時間、使用した人数などである。
次に、端末装置20は、空リストFhigh、Flowを作成する(ステップ203)。この場合、リストFhighおよびリストFlowの2つが、リストFとなる。
【0039】
そして、端末装置20は、画像形成装置10の使用頻度が、予め定められた閾値R以上であるか否かを判断する(ステップ204)。
そして、使用頻度が高く、使用頻度が、予め定められた閾値R以上である場合(ステップ204でYes)、リストFhighに追加する(ステップ205)。
対して、使用頻度が低く、使用頻度が、予め定められた閾値R未満である場合(ステップ204でNo)、リストFlowに追加する(ステップ206)。
これにより、リストFhighには、使用頻度が比較的高い画像形成装置10が集められ、リストFlowには、使用頻度が比較的低い画像形成装置10が集められる。
【0040】
また、ステップ201で、端末装置20は、行わないと判断した場合(ステップ201でNo)、対象となる画像形成装置10の全てを空リストFに追加する(ステップ207)。これにより、1つのリストFが作成される。
【0041】
図8は、図5のステップ113の処理について、より詳しく説明したフローチャートである。
まず、端末装置20は、リストFを基に、サブネット毎に画像形成装置10のリストA(i=1、2、…、nsubnet)を作成する(ステップ301)。ここで、nsubnetは、サブネット数であり、サブネット数nsubnetに応じて、リストA~Ansubnetが作成される。これは、第1の振分部220が、位置情報としてサブネットの情報を使用し、複数の画像形成装置10をサブネット毎にグループ分けをする処理に対応する。また、これは、1回目のグループ分けに対応する。
そして、端末装置20は、全てのリストAを結合したリストBを作成する(ステップ302)。
さらに、端末装置20は、再度グループ分けをするためのグループ数ngroupを決定する(ステップ303)。グループ数ngroupは、Aの最大長か、ソフトウェアの変更の処理を実施する実施時間を、1回の作業時間t作業で除した、実施時間÷t作業の何れかになる。
【0042】
そして、端末装置20は、空リストC(j=1、2、…、ngroup)を作成する(ステップ304)。ここでは、グループ数ngroupに応じて、空リストC~Cngroupが作成される。
次に、端末装置20は、リストBが空であるか否かを判断する(ステップ305)。リストBが、空であるとは、全ての画像形成装置10が、再度グループ分けされ、リストCの作成が完了したことを意味する。
その結果、リストBが空でなかった場合(ステップ305でNo)、端末装置20は、リストBの先頭から画像形成装置10を取り出し、リストCに加える(ステップ306)。このときのjは、j=(j+1)mod ngroupの算出式により決定される(ステップ307)。その後は、ステップ305に戻る。即ち、リストBが空になるまで、ステップ306~ステップ307の処理は、繰り返される。これは、第2の振分部230が、再度グループ分けをする処理に対応する。またこれは、2回目のグループ分けに対応する。
【0043】
一方、リストBが空であった場合(ステップ305でYes)、端末装置20は、リストCに基づき、スケジュールを作成する(ステップ308)。このスケジュールは、リストC内の画像形成装置10に対し、開始日時から、t作業間隔で、グループ数ngroup回分ソフトウェアの変更を行うスケジュールとなる。このスケジュールは、例えば、まず、リストC内の画像形成装置10に対し、1回目のソフトウェアの変更を行う。次に、リストC内の画像形成装置10に対し、2回目のソフトウェアの変更を行う。そして、これを開始日時からt作業間隔で、順次繰り返し、最後にリストCngroup内の画像形成装置10に対し、ngroup回目のソフトウェアの変更を行う。
これは、作成部240が、スケジュールを作成する処理に対応する。
【0044】
図9(a)~(c)は、図6(a)~(b)および図8で行う処理の結果を示した第1の例である。
ここでは、図6(b)のステップ201で、使用頻度の高い画像形成装置10を休み時間に割り当てる処理を行わない場合(ステップ201でNo)の結果を示している。
図9(a)では、図8のステップ301で示したリストAとして、リストAとリストAが作成されたことを示している。そして、リストAには、サブネットが172.27.xxx.1~172.27.xxx.3の3つの画像形成装置10a、10b、10cが属する。また、リストAには、サブネットが172.27.yyy.1~172.27.yyy.3の3つの画像形成装置10d、10e、10fが属する。このように、1回目のグループ分けでは、サブネットの情報を使用し、複数の画像形成装置10をサブネット毎にグループ分けする。
【0045】
また、図9(b)では、図8のステップ305~ステップ307で示したリストCとして、リストC、リストCおよびリストCが作成されたことを示している。そして、リストCには、サブネットが172.27.xxx.1、172.27.yyy.1の2つの画像形成装置10a、10dが属する。また、リストCには、サブネットが172.27.xxx.2、172.27.yyy.2の2つの画像形成装置10b、10eが属する。さらに、リストCには、サブネットが172.27.xxx.3、172.27.yyy.3の2つの画像形成装置10c、10fが属する。このように、2回目のグループ分けでは、1回目のグループ分けでグループ分けされたグループのそれぞれに属する画像形成装置10の少なくとも1つが別のグループに属するように、再度グループ分けされる。
【0046】
そして、図9(c)で示すように、グループC、グループC、グループCの順でソフトウェアの変更の処理をするスケジュールが作成される。この場合、t作業は、10分であり、開始時間は、13:00、終了時間は、14:00までとしたときのスケジュールを示している。これにより、1回目のグループでグループ分けされたグループの中の少なくとも1つの画像形成装置10は、スケジュールの実行中でも使用できる。例えば、13:00~13:10では、リストA中のサブネットが172.27.xxx.2~172.27.xxx.3の2つの画像形成装置10b、10cが使用可能である。また、リストA中のサブネットが172.27.yyy.2~172.27.yyy.3の2つの画像形成装置10e、10fが使用可能である。
【0047】
図10(a)~(c)は、図6(a)~(b)および図8で行う処理の結果を示した第2の例である。
この例では、第2の振分部230が、状態情報として画像形成装置10の使用頻度を利用し、使用頻度がより高い画像形成装置10を集めて少なくとも1つのグループとする。さらに、第2の振分部230は、使用頻度がより高いデバイス以外のデバイスについて再度グループ分けをする。そして、作成部240は、状態情報としてデバイスの使用頻度を利用し、デバイスの使用頻度に応じ、ソフトウェアの変更を行う時間帯を割り当てるスケジュールを作成する。
【0048】
ここでは、図6(b)のステップ201で、使用頻度の高い画像形成装置10を休み時間に割り当てる処理を行う場合(ステップ201でYes)の結果を示している。
図10(a)では、図8のステップ301で示したリストAとして、リストAとリストAが作成されたことを示している。これは、図9(a)の場合と同様である。ただし、この中で、サブネットが172.27.xxx.1の画像形成装置10aが、使用頻度が比較的高く、他は、使用頻度が比較的低いとする。
【0049】
また、図10(b)では、図8のステップ305~ステップ307で示したリストCとして、リストC、リストC2、リストCおよびリストCが作成されたことを示している。そして、リストCには、サブネットが172.27.xxx.1の1つの画像形成装置10aが属する。つまり、リストCには、リストFhighにあった、使用頻度が比較的高い画像形成装置10が属する。そして、リストCには、サブネットが172.27.xxx.2、172.27.yyy.2の2つの画像形成装置10b、10eが属する。さらに、リストCには、サブネットが172.27.xxx.3、172.27.yyy.3の2つの画像形成装置10c、10fが属する。またさらに、リストCには、サブネットが、172.27.yyy.1の1つの画像形成装置10dが属する。よって、リストC、C、Cには、リストFlowにあった、使用頻度が比較的低い画像形成装置10が属する。このように、2回目のグループ分けでは、使用頻度が比較的高い画像形成装置10と使用頻度が比較的低い画像形成装置10とは、別々になるように再度グループ分けされる。
【0050】
そして、図10(c)で示すように、グループC、グループC、グループC、グループCの順でソフトウェアの変更の処理をするスケジュールが作成される。この場合、t作業は、10分であり、開始時間は、13:00、終了時間は、14:00までとしたときのスケジュールを示している。これにより、図9の場合と同様に、1回目のグループでグループ分けされたグループの中の少なくとも1つの画像形成装置10は、スケジュールの実行中でも使用できる。さらにここでは、使用頻度が比較的高い画像形成装置10aが、昼休み時間の12:00~13:00の間に割り当てられる。これにより、画像形成装置10aは、昼休み以外の時間帯では、いつでも使用できる。
【0051】
図11は、図5のステップ117で、スケジュールを通知するメールについて示した図である。
ここでは、メッセージMe3として、「スケジュール処理が以下の内容で実施されます。」の文面とともに、図9(c)で説明したスケジュールの内容が、画像形成装置10が設置される場所とともに、通知された例を示している。
【0052】
以上説明した端末装置20によれば、ソフトウェアの変更を行うデバイスの組み合わせを決定して入力する場合に比較して、より容易に組み合わせを定めることができる。そして、それぞれの在所毎に、少なくとも1台の画像形成装置10を使用することができる。
そして、組み合わせは、画像形成装置の使用頻度等に合わせ、動的に定められる。また、ユーザは、通知を受け取ることで、ソフトウェアの変更のスケジュールを知ることができ、何れの画像形成装置10が、どの時間に使用できるか否かの判断をすることができる。
【0053】
なお、上述した例では、デバイスは、画像形成装置10であったが、これに限られるものではない。即ち、他の機器の操作により、ソフトウェアの変更が行われる装置であればよい。例えば、通常のPC、携帯電話、スマートフォン、タブレット、無線LANルータなどのネットワーク機器などが挙げられる。
【0054】
<プログラムの説明>
ここで、以上説明を行った本実施の形態の端末装置20で行う処理は、例えば、アプリケーションソフトウェア等のプログラムとして用意される。そして、アプリケーションソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。
【0055】
よって、本実施の形態の端末装置20で行う処理を実行するプログラムは、コンピュータに、複数の画像形成装置10の位置に関する情報である位置情報から、複数の画像形成装置10が位置する在所毎にグループ分けをする第1の振分機能と、第1の振分機能によりグループ分けされたグループのそれぞれに属する画像形成装置10の少なくとも1つが別のグループに属するように、再度グループ分けをする第2の振分機能と、第2の振分機能により再度グループ分けされたグループ毎に、画像形成装置10で使用されているソフトウェアの変更を行うスケジュールを作成する作成機能と、を実現させるためのプログラムとして捉えることもできる。
【0056】
なお、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD-ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【0057】
以上、本実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、種々の変更または改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0058】
1…情報処理システム、10…画像形成装置、20…端末装置、210…送受信部、220…第1の振分部、230…第2の振分部、240…作成部
図1
図2
図3
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