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特許7505202積層フィルム、包装袋、および、包装袋入り組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】積層フィルム、包装袋、および、包装袋入り組成物
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/32 20060101AFI20240618BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
B32B27/32 E
B65D65/40 D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020029403
(22)【出願日】2020-02-25
(65)【公開番号】P2021133537
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2023-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中田 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】吉永 雅信
【審査官】中西 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-012238(JP,A)
【文献】特開2018-069597(JP,A)
【文献】特開2018-069598(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B、B65D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酢酸を含む組成物の包装材に用いられる積層フィルムであって、
基材フィルムとシーラントフィルムとを積層してなり、
前記シーラントフィルムは、ポリシクロオレフィンを主成分として含むポリシクロオレフィン層と、ポリオレフィンを主成分として含むポリオレフィン層と、を備え、
前記基材フィルムと、前記ポリシクロオレフィン層と、前記ポリオレフィン層と、をこの順に積層してなり、
前記ポリシクロオレフィンは、ジシクロペンタジエン系化合物由来の構造単位(A)、テトラシクロドデセン系化合物由来の構造単位(B)、および、ノルボルネン系化合物由来の構造単位(C)含む、開環メタセシス重合体ある、積層フィルム。
【請求項2】
前記ジシクロペンタジエン系化合物はトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3,8-ジエンまたはその誘導体であり、前記テトラシクロドデセン系化合物はテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-4-エンまたはその誘導体であり、前記ノルボルネン系化合物はビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エンまたはその誘導体である、請求項1に記載の積層フィルム。
【請求項3】
前記開環メタセシス重合体おいて、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合が水素化されている、請求項1または2に記載の積層フィルム。
【請求項4】
前記ポリオレフィンと前記ポリシクロオレフィンとのブレンド樹脂からなるブレンド層を、前記ポリオレフィン層と前記ポリシクロオレフィン層との間に備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の積層フィルム。
【請求項5】
前記ポリオレフィンは、ポリエチレンである、請求項1~4のいずれか1項に記載の積層フィルム。
【請求項6】
前記基材フィルムと前記シーラントフィルムとの間に接着層を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の積層フィルム。
【請求項7】
さらに、ガスバリアフィルムを前記基材フィルムと前記シーラントフィルムとの間に積層してなる、請求項1~6のいずれか1項に記載の積層フィルム。
【請求項8】
前記基材フィルムはガスバリア性を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の積層フィルム。
【請求項9】
2枚の請求項1~8のいずれか1項に記載の積層フィルムを、前記シーラントフィルムの周縁部が互いに融着されるようにシールしてなる、包装袋。
【請求項10】
請求項9に記載の包装袋と、前記包装袋に収納された酢酸を含む組成物と、を備える、包装袋入り組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層フィルム、包装袋、および、包装袋入り組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品、飲料、医薬品などの内容物を収納する包装容器としては、例えば、樹脂フィルムや紙からなる基材フィルムとシーラントフィルムとが積層されてなる積層フィルムから構成される包装袋が広く使用されている。また、内容物の酸素による劣化、内容物の外部放散による減少などを抑制するために、ガスバリアフィルムをさらに積層したり、基材フィルムにガスバリア性を付与したりして、積層フィルムの透過性を低下している。
【0003】
なお、例えば、特開2010-6985号公報(特許文献1)および特許第6202156号公報(特許文献2)には、ジシクロペンタジエン系化合物由来の構造単位、テトラシクロドデセン系化合物由来の構造単位およびノルボルネン系化合物由来の構造単位を含むポリシクロオレフィンを包装材料のシーラントフィルム等に用いることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-6985号公報
【文献】特許第6202156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
包装容器に酢酸を含む組成物(透析用剤など)を収納する場合、基材フィルムまたはガスバリアフィルムとシーラントフィルムとの接着部のシール強度が経時的に低下することが判明した。これは、酢酸がシーラントフィルムを透過して、基材フィルムまたはガスバリアフィルムとシーラントフィルムとの間の接着部(接着層)に浸透することにより、接着剤の劣化が生じるためであると考えられる。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、酢酸を含む組成物の包装材に用いられる積層フィルムにおいて、基材フィルムまたはガスバリアフィルムとシーラントフィルムとの接着部における経時的なシール強度の低下または剥がれを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]
酢酸を含む組成物の包装材に用いられる積層フィルムであって、
基材フィルムとシーラントフィルムとを積層してなり、
前記シーラントフィルムは、ポリシクロオレフィンを主成分として含むポリシクロオレフィン層を備え、
前記ポリシクロオレフィンは、ジシクロペンタジエン系化合物由来の構造単位(A)、テトラシクロドデセン系化合物由来の構造単位(B)、および、ノルボルネン系化合物由来の構造単位(C)からなる群より選択される少なくとも1種の構造単位を含む、開環メタセシス重合体またはエチレン共重合体である、積層フィルム。
【0008】
[2]
前記ジシクロペンタジエン系化合物はトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3,8-ジエンまたはその誘導体であり、前記テトラシクロドデセン系化合物はテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-4-エンまたはその誘導体であり、前記ノルボルネン系化合物はビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エンまたはその誘導体である、[1]に記載の積層フィルム。
【0009】
[3]
前記開環メタセシス重合体またはエチレン共重合体において、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合が水素化されている、[1]または[2]に記載の積層フィルム。
【0010】
[4]
前記シーラントフィルムは、ポリオレフィンを主成分として含むポリオレフィン層をさらに備える、[1]~[3]のいずれかに記載の積層フィルム。
【0011】
[5]
前記ポリオレフィンは、ポリエチレンである、[4]に記載の積層フィルム。
【0012】
[6]
前記基材フィルムと前記シーラントフィルムとの間に接着層を有する、[1]~[5]のいずれかに記載の積層フィルム。
【0013】
[7]
さらに、ガスバリアフィルムを前記基材フィルムと前記シーラントフィルムとの間に積層してなる、[1]~[6]のいずれかに記載の積層フィルム。
【0014】
[8]
前記基材フィルムはガスバリア性を有する、[1]~[7]のいずれかに記載の積層フィルム。
【0015】
[9]
2枚の[1]~[8]のいずれかに記載の積層フィルムを、前記シーラントフィルムの周縁部が互いに融着されるようにシールしてなる、包装袋。
【0016】
[10]
[9]に記載の包装袋と、前記包装袋に収納された酢酸を含む組成物と、を備える、包装袋入り組成物。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、酢酸を含む組成物の包装材に用いられる積層フィルムにおいて、基材フィルムまたはガスバリアフィルムとシーラントフィルムとの接着部における経時的なシール強度の低下または剥がれを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態で用いられるシーラントフィルムの一例を示す概略断面図である。
図2】実施形態で用いられるシーラントフィルムの別の一例を示す概略断面図である。
図3】実施形態1の積層フィルムを示す概略断面図である。
図4】実施形態2の積層フィルムを示す概略断面図である。
図5】実施形態3の積層フィルムを示す概略断面図である。
図6】実施形態4の積層フィルムを示す概略断面図である。
図7】実施形態5の積層フィルムを示す概略断面図である。
図8】実施形態6の積層フィルムを示す概略断面図である。
図9】実施形態7の積層フィルムを示す概略断面図である。
図10】実施形態8の積層フィルムを示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表す。
【0020】
[実施形態1]
<積層フィルム>
本実施形態の積層フィルムは、酢酸を含む組成物の包装材に用いられる積層フィルムである。
【0021】
なお、「酢酸を含む組成物」には、初期に遊離酢酸を含む組成物だけでなく、経時的に酢酸が遊離される組成物も含まれる。
【0022】
酢酸を含む組成物としては、例えば、医薬品、医薬部外品、食品、飲料などが挙げられる。酢酸を含む組成物の具体例としては、透析用剤などが挙げられる。
【0023】
透析用剤としては、例えば、人工腎臓用粉末型透析用剤が挙げられる。人工腎臓用粉末型透析用剤は、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシム、塩化マグネシウムなどに加えて、無水酢酸ナトリウム、ブドウ糖、pH調整剤(例えば氷酢酸)などを含む粉末からなるA剤と、炭酸水素ナトリウムなどを含む粉末からなるB剤と、から構成される。なお、このA剤では、粉末の状態でも酢酸が遊離し、接着層まで浸透して剥離を生じ、包装袋の必要な機能を損ねる虞がある。
【0024】
図3を参照して、本実施形態の積層フィルム2(包装材料)は、実施形態1のシーラントフィルム1と、接着層41と、基材フィルム31と、がこの順に積層されてなる積層フィルムである。
【0025】
基材フィルム31としては、機械的強度や寸法安定性を有するものであれば特に限定されないが、プラスチックフィルム、紙、不織布などが使用できる。プラスチックフィルムの構成材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、6-ナイロンなどのポリアミド、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリイミドなどが挙げられる。プラスチックフィルムは、好ましくは二軸延伸されたフィルムである。なお、本実施形態において、基材フィルム31は、例えば、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、PETフィルムなどである。
【0026】
接着層41を構成する接着剤としては、酢酸によりフィルム同士の接着強度が低下し、シール強度が劣化し得るものであれば特に限定されないが、ドライラミネート用接着剤を好適に用いることができる。ドライラミネート用接着剤としては、二液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエーテルウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、エポキシ系接着剤などが挙げられる。尚、このような接着剤を用いてシーラントフィルム1と後述するガスバリアフィルム6とを貼り合わせる方法としては、ドライラミネート法が挙げられる。
【0027】
上記接着剤の中では、優れた接着力と内容物(酢酸を含む組成物)の化学成分で接着力が低下し難い二液硬化型接着剤を好適に用いることができる。二液硬化型接着剤は、主剤と硬化剤からなるものであり、例えば、ポリエステル、ポリオールと多官能ポリイソシアネートからなる二液硬化型接着剤が挙げられる。
【0028】
本実施形態の積層フィルムは、下記のシーラントフィルムを備えることにより、酢酸を含む組成物の包装材に用いられる場合でも、基材フィルムまたはガスバリアフィルムとシーラントフィルムとの接着部における経時的なシール強度の低下または剥がれを抑制することができる。なお、以下の実施形態においても、実施形態1と同様のシーラントフィルムを備えることにより、同様の効果が奏される。
【0029】
〔シーラントフィルム〕
シーラントフィルムは、ポリシクロオレフィンを主成分として含むポリシクロオレフィン層を備え、
ポリシクロオレフィンは、ジシクロペンタジエン系化合物由来の構造単位(A)、テトラシクロドデセン系化合物由来の構造単位(B)、および、ノルボルネン系化合物由来の構造単位(C)からなる群より選択される少なくとも1種の構造単位を含む、開環メタセシス重合体またはエチレン共重合体である。
【0030】
なお、エチレン共重合体とは、上記の構造単位とエチレン由来の構造単位とを含む共重合体である。エチレン重合体は、ランダム重合体であることが好ましい。ポリシクロオレフィン(エチレン共重合体)を構成する全構造単位のうち、エチレン由来の構造単位の比率は、好ましくは10~90モル%である。
【0031】
(1) シーラントフィルムの一例
図1を参照して、本実施形態に用いられるシーラントフィルム1の一例は、ポリシクロオレフィン層12とポリオレフィン層11との2層からなるシーラントフィルムである。
【0032】
(ポリシクロオレフィン層)
ポリシクロオレフィン層12は、ポリシクロオレフィン(PCO)を主成分として含む。ここで、「主成分として含む」とは、例えば、ポリシクロオレフィン層12の全量に対してポリシクロオレフィンの含有量が50質量%より多いことである。ポリシクロオレフィン層中のポリシクロオレフィンの含有率は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上であり、さらに好ましくは98質量%である。なお、ポリシクロオレフィン層12は、他の高分子材料、各種添加剤などを配合してもよい。
【0033】
ポリシクロオレフィンは、ジシクロペンタジエン系化合物、テトラシクロドデセン系化合物、および、ノルボルネン系化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(シクロオレフィンモノマー)に由来する単位構造を含む。すなわち、ポリシクロオレフィンは、ジシクロペンタジエン系化合物由来の構造単位(A)、テトラシクロドデセン系化合物由来の構造単位(B)、および、ノルボルネン系化合物由来の構造単位(C)からなる群より選択される少なくとも1種の構造単位を含む。
【0034】
開環メタセシス重合体は、少なくともジシクロペンタジエン系化合物由来の構造単位(A)を含むことが好ましい。この場合、より確実に、基材フィルムとシーラントフィルムとの接着部における経時的なシール強度の低下または剥がれを抑制する効果を得ることができる。
【0035】
エチレン共重合体は、少なくともテトラシクロドデセン系化合物由来の構造単位(B)またはノルボルネン系化合物由来の構造単位(C)を含むことが好ましい。この場合、より確実に、基材フィルムとシーラントフィルムとの接着部における経時的なシール強度の低下または剥がれを抑制する効果を得ることができる。
【0036】
好ましくは、ポリシクロオレフィンは、ジシクロペンタジエン系化合物由来の構造単位(A)、テトラシクロドデセン系化合物由来の構造単位(B)、および、ノルボルネン系化合物由来の構造単位(C)を含むことが好ましいが。この場合、より長期的に、基材フィルムとシーラントフィルムとの接着部における経時的なシール強度の低下または剥がれを抑制する効果を得ることができる。
【0037】
なお、ポリシクロオレフィンが構造単位(A)、(B)および(C)を含む場合、ポリシクロオレフィン中に含まれる全構造単位のうち、ジシクロペンタジエン系化合物由来の構造単位(A)の比率は好ましくは20~85モル%であり、テトラシクロドデセン系化合物由来の構造単位(B)の比率は好ましくは5~50モル%であり、ノルボルネン系化合物由来の構造単位(C)の比率は好ましくは10~60モル%である。
【0038】
ジシクロペンタジエン系化合物としては、例えば、ジシクロペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3,8-ジエン)およびその誘導体などが挙げられる。ジシクロペンタジエンの誘導体としては、例えば、2-メチルジシクロペンタジエン、2,3-ジメチルジシクロペンタジエン、2,3-ジヒドロキシジシクロペンタジエンなどが挙げられる。
【0039】
また、ジシクロペンタジエン系化合物由来の構造単位(A)としては、例えば、ジシクロペンタジエンに由来する構造単位が挙げられる。
【0040】
テトラシクロドデセン系化合物としては、例えば、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-4-エン(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-9-エンまたは「テトラシクロドデセン」とも呼ばれる)およびその誘導体が挙げられる。テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-4-エンの誘導体としては、例えば、8-メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-4-エン、8-エチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-4-エン、8-エチリデンテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-4-エン、8,9-ジメチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-4-エン、8-エチル-9-メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-4-エン、8-エチリデン-9-メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-4-エン、8-メチル-8-カルボキシメチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-4-エンなどが挙げられる。
【0041】
また、テトラシクロドデセン系化合物由来の構造としては、例えば、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-4-エンに由来する構造単位が挙げられる。
【0042】
ノルボルネン系化合物としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン(慣用名:ノルボルネン)およびその誘導体が挙げられる。ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エンの誘導体としては、例えば、5-メチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5,5-ジメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-エチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-エチリデン-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-ビニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-プロペニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-メトキシカルボニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-シアノビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-メチル-5メトキシカルボニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エンなどが挙げられる。
【0043】
また、ノルボルネン系化合物由来の構造単位としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エンに由来する構造単位が挙げられる。
【0044】
上記開環メタセシス重合体またはエチレン共重合体は、重合前の各構造単位(シクロオレフィンモノマー)に含まれる少なくとも1つの炭素-炭素(C-C)二重結合が水素化されていることが好ましい。上記開環メタセシス重合体およびエチレン共重合体における水素化率は、好ましくは50~100モル%であり、より好ましくは80~100モル%であり、さらに好ましくは90~100%である。このような重合体は、上記のシクロオレフィンモノマーを重合(開環メタセシス重合またはエチレン共重合)し、その後C-C二重結合を水素化することにより得ることができる。このようなポリシクロオレフィンの製造は、例えば特開2010-6985号公報(特許文献1)に基づいて実施することができる。
【0045】
また、ポリシクロオレフィンのガラス転移温度(Tg)は、好ましくは80℃以下であり、より好ましくは75℃以下である。この場合、適正なシール強度を有するシーラントフィルムを得ることができる。なお、ポリシクロオレフィンのTgが室温と同じになるとシーラントフィルムが溶融してしまう虞があるため、ポリシクロオレフィンのTgは、好ましくは40℃以上であり、より好ましくは50℃以上である。Tgは、JIS K7121に基づいて測定することができる。
【0046】
(ポリオレフィン層)
ポリオレフィン層11は、ポリオレフィンを主成分として含む。なお、「主成分として含む」とは、例えば、ポリオレフィン層11の全量に対してポリオレフィンの含有量が50質量%より多いことであり、ポリオレフィンの含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上である(以下、同様)。
【0047】
ポリオレフィンとしては、ポリエチレンを好適に用いることができる。ポリエチレンとしては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などを好適に用いることができる。
【0048】
シーラントフィルム1は、例えば、上記のポリシクロオレフィン層(フィルム状半成形体)とポリオレフィン層(フィルム状半成形体)とを2層共押出しすることにより2層構造のフィルムとして作製することができる。シーラントフィルム1の厚みは、好ましくは100μm以下である。また、シーラントフィルム1の厚みは、好ましくは10μm以上である。
【0049】
シーラントフィルム1は、上記特定の構造単位を含むポリシクロオレフィンから構成される層を備えることにより、組成物(包装袋の内容物)に由来する遊離酢酸の接着層への浸透を抑制することができる。また、シーラントフィルム1は、十分なシール強度も有している。
【0050】
なお、シーラントフィルム1を構成するポリオレフィン層は、フィルムを柔軟にする役割を有している。ジシクロペンタジエン系化合物、テトラシクロドデセン系化合物およびノルボルネン系化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物の開環メタセシス重合体からなるポリシクロオレフィン層は単層だと、フィルムがかたく、コロナ処理や製膜が困難であり、包装袋として製造することが非常に難しい。そこで、ポリオレフィン層をポリシクロオレフィン層に隣接して用いることで、処理性、製膜適性を向上させることで包装袋として製造することが可能になった。
【0051】
シール強度に関して、具体的には、シーラントフィルムのシール強度は、180℃、0.1MPa、1.0秒のシール条件で、50(N/15mm幅)以上であることが好ましい。なお、シール強度は、JIS Z0238により測定される。
【0052】
また、本実施形態のシーラントフィルムは、防湿性にも優れている。防湿性に関して、具体的には、シーラントフィルムとノンバリア性の基材フィルムとを貼り合わせてなる厚さ50μm以下の積層フィルムの水蒸気透過度は、5.0g/(m・24h)以下であることが好ましい。なお、透湿度(水蒸気透過度)は、JIS K7129Aに基づいて、40℃、90%RHの条件で測定される。
【0053】
なお、酢酸がシーラントフィルムを透過して接着剤に浸透することを抑制するために、シーラントフィルムの材料として、ポリエステル系樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合体などの透過性の低い材料を使用することも考えられる。しかし、これらの材料では、2枚のシーラントフィルムの外縁部同士を融着してなる包装袋において、例えば、ポリエチレンと比して強度が低いという問題がある。
【0054】
図3(a)および(b)を参照して、積層フィルムにおいて、図1に示されるシーラントフィルム1は、ポリオレフィン層11とポリシクロオレフィン層12のどちらが基材フィルム31に接着されてもよい。接着層41への酢酸の浸透をポリシクロオレフィン層12で防止することができればよいからである。
【0055】
なお、シール強度をより高くするためには、図3(a)に示されるように、ポリシクロオレフィン層12が基材フィルム31に接着層41を介して接着されることが好ましい。これにより、包装材に収納される組成物が透析剤のような重量の重いものである場合でも、包装材の破損等を抑制することができる。
【0056】
(2) シーラントフィルムの別の一例
図2を参照して、本実施形態に用いられるシーラントフィルム1の別の一例は、ポリオレフィンとポリシクロオレフィンとのブレンド樹脂からなるブレンド層13を、ポリオレフィン層11とポリシクロオレフィン層12との間に備える点以外は、上記のシーラントフィルムの一例と同様である。
【0057】
ブレンド層13は、長尺状のポリシクロオレフィン層12を作製する際に、トリミングによってカットされる両端部のポリシクロオレフィン材料などを再利用したものであることが好ましい。すなわち、ブレンド層13は、再生ポリシクロオレフィンとポリオレフィンとのブレンド樹脂から構成されることが好ましい。
【0058】
このようなブレンド層13を設けることにより、ブレンド層13が無い場合に比べてポリシクロオレフィン層12の厚みを薄くしても、同等の効果を得ることができる。したがって、比較的高価な材料であるポリシクロオレフィンの原料コストを低減することができる。
【0059】
図3(c)および(d)を参照して、積層フィルムにおいて、図2に示されるシーラントフィルム1は、ポリオレフィン層11とポリシクロオレフィン層12のどちらが基材フィルム31に接着されてもよい。接着層41への酢酸の浸透をポリシクロオレフィン層12で防止することができればよいからである。
【0060】
なお、シール強度をより高くするためには、図3(c)に示されるように、ポリシクロオレフィン層12が基材フィルム31に接着層41を介して接着されることが好ましい。これにより、包装材に収納される組成物が透析剤のような重量の重いものである場合でも、包装材の破損等を抑制することができる。
【0061】
[実施形態2]
図4を参照して、本実施形態の積層フィルム2は、実施形態1のシーラントフィルム1と、押出しPE層51と、アンカーコート層(接着層)43と、基材フィルム31(PETフィルム)と、がこの順に積層されてなる積層フィルムである。
【0062】
基材フィルム31の一方の面に、アンカーコート剤(二液硬化型ウレタン系アンカーコート剤等)を塗布することでアンカーコート層43を形成し、この基材フィルム31と、PEを溶融させた押出しPE層51と、シーラントフィルム1と、を貼り合わせるか、または、PE層51上にシーラント1を共押出しで貼り合せることにより、積層フィルム2を作製することができる。
【0063】
なお、接着層であるアンカーコート層43に対しても遊離酢酸が悪影響を及ぼすため、本実施形態の積層フィルムにおいても、基材フィルムとシーラントフィルムとの接着部における経時的なシール強度の低下または剥がれを抑制する効果が得られる。
【0064】
[実施形態3]
図5を参照して、本実施形態の積層フィルムは、内容物の酸素ガスによる劣化、内容物の外部放散による減少などを抑制するために、ガスバリアフィルム6が中間に積層されている点以外は、実施形態1と同様である。ただし、アルミニウム箔などのガスバリアフィルム6をシーラントフィルム1に接着するための接着層42を有している。
【0065】
本実施形態のように、シーラントフィルムがガスバリアフィルムを備える場合、経時的にガスバリアフィルムとシーラントフィルムの間に、シーラントフィルムを透過した酢酸が蓄積されるため、ガスバリアフィルムとシーラントフィルムとの間の接着層が劣化しやすい。このため、ガスバリアフィルムとシーラントフィルムとの接着に酢酸耐性を有する接着剤を用いた場合でも、接着層の劣化が生じ、剥離等が生じる可能性がある。したがって、本実施形態においては、特に、ガスバリアフィルムとシーラントフィルムとの接着部における経時的なシール強度の低下または剥がれを抑制する効果が得られる。
【0066】
ガスバリアフィルム6としては、例えば、アルミニウム箔が挙げられる。他にも、アルミニウム蒸着膜を有するフィルム、無機酸化物蒸着膜を有するフィルムなどが使用できる。具体的には、例えば、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ナイロンフィルムなどの延伸フィルムにアルミニウム蒸着膜または無機酸化物蒸着膜を形成したものが使用できる。また、ガスバリアフィルム6として、エチレン・ビニルアルコール共重合体のフィルムも使用できる。
【0067】
接着層42を構成する接着剤としては、上記接着層41と同様の材料を用いることができる。なお、接着層41を構成する接着剤と接着層42を構成する接着剤とは、同じ成分であってもよく、異なる成分であってもよい。
【0068】
[実施形態4]
図6を参照して、本実施形態の積層フィルムは、接着層42に代えて、押出しPE層51およびアンカーコート層43が積層される点以外は、実施形態3と同様の積層フィルムである。
【0069】
[実施形態5]
図7を参照して、本実施形態の積層フィルムは、接着層41に代えて、押出しPE層51が積層される点以外は、実施形態3と同様の積層フィルムである。
【0070】
[実施形態6]
図8を参照して、本実施形態の積層フィルムは、接着層41に代えて、押出しPE層51が積層され、また、接着層42に代えて、押出しPE層52およびアンカーコート層43が積層される点以外は、実施形態3と同様の積層フィルムである。
【0071】
[実施形態7]
図9を参照して、本実施形態の積層フィルムは、基材フィルム33がガスバリア性を有する点以外は、実施形態1と同様の積層フィルムである。なお、本実施形態において、基材フィルム33は、ガスバリア性を有するPE系樹脂フィルムである。
【0072】
本実施形態においては、実施形態3と同様の理由から、特に、ガスバリア性を有する基剤フィルムとシーラントフィルムとの接着部における経時的なシール強度の低下または剥がれを抑制する効果が得られる。
【0073】
[実施形態8]
図10を参照して、本実施形態の積層フィルムは、接着層41に代えて、押出しPE層51およびアンカーコート層43が積層される点以外は、実施形態7と同様の積層フィルムである。
【0074】
<包装袋>
上記のようにして形成された積層フィルムを用い、所望の形状に製袋し包装袋を形成する。包装袋は、例えば、積層フィルムを、2枚のシーラントフィルムの周縁部が互いに融着されるようにシールすることにより、作製することができる。包装袋としては、例えば、ピロータイプの包装袋、ガゼットタイプの包装袋、自立タイプの包装袋などを、目的(包装袋のデザイン、内容量や使い易さなど)に応じて作製すればよい。
【0075】
<包装袋入り組成物>
本発明は、上記の包装袋と、包装袋に収納された酢酸を含む組成物と、を備える、包装袋入り組成物にも関する。
【実施例
【0076】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0077】
(実施例1~13)
実施形態3と同様に、基材フィルムとガスバリアフィルムとシーラントフィルムとをこの順で積層してなる積層フィルムを作製した。
【0078】
なお、基材フィルムとガスバリアフィルムとの間は接着剤(2液硬化型ポリエステルウレタン系接着剤)を用いて接着された。また、ガスバリアフィルムとシーラントフィルムとの間は接着剤(2液硬化型ポリエステルウレタン系接着剤)を用いて接着された。
【0079】
基材フィルムは、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムであり、厚みは20μmである。
【0080】
ガスバリアフィルムは、シリカ蒸着PETフィルムであり、厚みは12μmである。
シーラントフィルムの構成(各層の組成および厚み)は表1に示すとおりである。
【0081】
なお、表1の「シーラントフィルム構成」の欄は、例えば、実施例1について、シーラントフィルムは、ポリシクロオレフィン(PCO)層およびポリオレフィン(LLDPE)層からなり、PCO層の厚みは30μmであり、ポリオレフィン層の厚みは50μmであることを意味する。
【0082】
また、表1の「ポリシクロオレフィン(PCO)仕様」の欄は、例えば、実施例1について、ポリシクロオレフィンは、50モル%のジシクロペンタジエン系化合物由来の構造単位(A)と、50モル%のテトラシクロドデセン系化合物由来の構造単位(B)と、からなる2種のシクロオレフィンモノマーの開環メタセシス重合体であることを意味する。
【0083】
なお、実施例1~13の全てにおいて、
ジシクロペンタジエン系化合物由来の構造単位(A)は、ジシクロペンタジエントリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3,8-ジエンであり、
テトラシクロドデセン系化合物由来の構造単位(B)は、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-4-エンであり、
ノルボルネン系化合物由来の構造単位(C)は、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エンである。
【0084】
表1において「PCO+LLDPE」と略記されるポリシクロオレフィンとLLDPEとのブレンド樹脂は、50質量%のPCOと50質量%のLLDPEとの混合樹脂である。
【0085】
実施例1~6および11~13において、ポリシクロオレフィンは開環メタセシス重合体である。実施例7~10において、ポリシクロオレフィンはエチレン共重合体(ランダム重合体)である。なお、実施例7~10において、ポリシクロオレフィンに含まれる構造単位のうちエチレン由来の構造単位の比率は、表1に記載されたとおりである。
【0086】
(比較例1)
シーラントフィルムがエチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)と、接着樹脂(「アドマー」:三井化学株式会社製)層と、LLDPEとの積層フィルムである点以外は、実施例1と同様にして、積層フィルムを作製した。
【0087】
(比較例2)
シーラントフィルムがLLDPE(タマポリ株式会社製)からなる単層フィルムである点以外は、実施例1と同様にして、積層フィルムを作製した。
【0088】
<評価試験1>
評価試験1として、シール強度の評価を行った。
【0089】
具体的には、上記の実施例および比較例の各々の積層フィルムを所定の形状(縦:320mm、横:220mm)にカットし、2枚の積層フィルムをシーラントフィルム同士が接触するように重ねた状態で製袋機に載置し、所定の領域(シーラントフィルムの周縁部:周縁端部から10mmの範囲)をシールすることで、3方製袋タイプの包装袋を作成した。尚、この時点では、包装袋の上端(天シール部)は、内容物を充填するために未だシールされていない。シール条件は、シール温度を180℃、シール圧を0.1MPa、シール時間を1.0秒とした。
【0090】
次に上記包装袋の上端より、人工腎臓用粉末型透析用剤のA剤を窒素雰囲気下で充填し、包装袋の上端(天シール部)をシールすることで、内容物を密封した。なお、ここで用いた人工腎臓用粉末型透析用剤は、A剤とB剤の2剤からなり、A剤は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシム、塩化マグネシウム、無水酢酸ナトリウム、ブドウ糖、pH調整剤(氷酢酸)を含む粉末からなり、B剤は、炭酸水素ナトリウムなどを含む粉末からなる。
【0091】
上記のようにして酢酸を含む組成物が収容された包装袋を、40℃に維持された恒温槽内で1、3または6ヶ月間保存した。保存後に包装袋のシーラントフィルムがシールされた部分を短冊状に切り出してサンプルとした。該サンプル(シールされた2枚の積層フィルム)の剥離強度(N/15mm幅)を、180℃、0.1MPa、1.0秒のシール条件でJIS Z0238に基づいて測定した。
【0092】
剥離強度(シール強度)の測定値(N/15mm幅)を以下の基準に基づいて評価した。評価結果および測定値を表1に示す。
【0093】
[評価基準]
A:70以上
B:50以上70未満
C:20以上50未満
D:20未満
<評価試験2>
評価試験2として、積層フィルムの接着部の剥がれによる気泡の発生の有無を目視により観察した。評価結果を表1に示す。
【0094】
【表1】
【0095】
表1に示される結果から、特定のポリシクロオレフィンを主成分として含むポリシクロオレフィン層を備える前記シーラントフィルムを用いた実施例1~13の積層フィルムは、酢酸を含む組成物の包装材に用いられた場合でも、基材フィルムまたはガスバリアフィルムとシーラントフィルムとの接着部における経時的なシール強度の低下または剥がれが抑制されることが分かる。
【0096】
これに対して、ポリシクロオレフィン層を有さないシーラントフィルムを用いた比較例1および2では、酢酸を含む組成物の包装材に用いられた場合、基材フィルムまたはガスバリアフィルムとシーラントフィルムとの接着部における経時的なシール強度の低下または剥がれが生じることが分かる。
【0097】
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明のシーラントフィルムは、包装袋を構成する積層フィルムの最内層として用いることができる。
【符号の説明】
【0099】
1 シーラントフィルム、11 ポリオレフィン層、12 ポリシクロオレフィン層、13 ブレンド層、2 積層フィルム、31,32,33 基材フィルム、41,42 接着層、43 アンカーコート層、51,52 押出しPE層、6 ガスバリアフィルム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10