(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20240618BHJP
【FI】
G03G21/16 120
G03G21/16 171
G03G21/16 180
(21)【出願番号】P 2020040309
(22)【出願日】2020-03-09
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯倉 和昭
【審査官】内藤 万紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-356546(JP,A)
【文献】特開2016-006490(JP,A)
【文献】特開2010-176035(JP,A)
【文献】特開2009-139927(JP,A)
【文献】特開2006-184554(JP,A)
【文献】特開2002-304104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
G03G 21/18
G03G 15/01
G03G 15/00
G03G 15/16
B41J 29/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転しながら表面に画像が形成される複数の像保持体を支持し、装置本体に対して一の方向に着脱される像保持体機構と、
複数の前記像保持体の画像が回転しながら転写される転写ベルトを備え、前記装置本体に対して前記一の方向とは異なる他の方向に着脱される転写ベルト機構と、
前記像保持体機構が前記装置本体に装着された状態で、前記装置本体に装着された前記転写ベルト機構を前記装置本体から複数の前記像保持体の並び方向に離脱させるのを規制する規制手段と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
回転しながら表面に画像が形成される複数の像保持体を支持し、装置本体に対して一の方向に着脱される像保持体機構と、
複数の前記像保持体の画像が回転しながら転写される転写ベルトを備え、前記装置本体に対して前記一の方向とは異なる他の方向に着脱される転写ベルト機構と、
前記像保持体機構が前記装置本体に装着された状態で、前記装置本体に装着された前記転写ベルト機構を前記装置本体から離脱させるのを規制する規制手段と、を備え、
前記規制手段は、前記転写ベルト機構に設けられた突出部であって、前記装置本体に装着された前記転写ベルト機構を前記装置本体から離脱させようとすると、前記突出部が前記像保持体機構と当たる画像形成装置。
【請求項3】
前記突出部には、周回する前記転写ベルトの蛇行を抑制する抑制部材の少なくとも一部が配置されている
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記像保持体機構を前記装置本体から離脱させるために、前記転写ベルト機構から前記像保持体機構を離間させて前記像保持体機構を離間位置で支持する支持部材を備え、
前記規制手段は、前記像保持体機構が離間位置で支持されている状態でも、前記装置本体に装着された前記転写ベルト機構を前記装置本体から離脱させるのを規制する請
求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記像保持体機構を前記装置本体から離脱させるために、前記転写ベルト機構から前記像保持体機構を離間させて前記像保持体機構を離間位置で支持する支持部材を備え、
前記突出部の突出量は、前記像保持体機構が離間位置で支持されている状態でも、前記突出部が前記像保持体機構と当たるように決められている
請求項2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記支持部材は、前記像保持体機構を支持して、着脱を案内する案内面と、前記像保持体機構の下端を支持する支持面と、を有し、
前記案内面と前記支持面とは、脱着方向に向かうにつれて両者の距離が近づくように配置されている
請求項4又は5に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の画像形成関連ユニットは、清掃の対象となる部分である清掃対象部分を清掃する清掃具を挿入するための部位の一部又は全部を覆い隠す状態になる第1の操作位置を有する操作部材を備え、操作部材は、第1の操作位置にあるときに清掃具を挿入するための部位と向き合う部位に、清掃具を通過させるための切欠き部又は開口部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
転写ベルトを備えた転写ベルト機構と、転写ベルトに転写される画像を保持する複数の像保持体を備えた像保持体機構とが画像形成装置に設けられている。この画像形成装置では、転写ベルト機構及び像保持体機構は、装置本体に対して着脱される。そして、転写ベルト機構を装置本体に対して着脱させる方向と、像保持体機構を装置本体に対して着脱させる方向とが、同一とされている。このため、各機構を着脱させるために、装置本体のフレームに大きな開口が必要となる。
【0005】
しかし、骨格部材であるフレームに大きな開口が形成されることで、フレームの剛性が低下してしまう。そこで、フレームの剛性を保つため、フレームを大きくしたり、フレームの板厚を厚くするなどの必要が生じた。
【0006】
本発明の課題は、転写ベルト機構を装置本体に対した着脱させる方向と、像保持体機構を装置本体に対して着脱させる方向とが同一である場合と比して、フレームが大きくなったり、フレームの板厚が厚くなるのを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様に係る画像形成装置は、回転しながら表面に画像が形成される複数の像保持体を支持し、装置本体に対して一の方向に着脱される像保持体機構と、複数の前記像保持体の画像が回転しながら転写される転写ベルトを備え、前記装置本体に対して前記一の方向とは異なる他の方向に着脱される転写ベルト機構とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の第2態様に係る画像形成装置は、第1態様に記載の画像形成装置において、上方向から見て、前記一の方向は前記他の方向に対して交差しており、かつ、側方から見て、前記一の方向は前記他の方向に沿っていることを特徴とする。
【0009】
本発明の第3態様に係る画像形成装置は、第2態様に記載の画像形成装置において、前記像保持体機構は、前記装置本体から複数の前記像保持体の回転軸方向に着脱され、前記転写ベルト機構は、前記装置本体から前記転写ベルトの回転軸方向に対して直交する方向に着脱されることを特徴とする。
【0010】
本発明の第4態様に係る画像形成装置は、第1~3態様の何れか1態様に記載の画像形成装置において、前記像保持体機構が前記装置本体に装着された状態で、前記装置本体に装着された前記転写ベルト機構を前記装置本体から離脱させるのを規制する規制手段を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の第5態様に係る画像形成装置は、第4態様に記載の画像形成装置において、前記規制手段は、前記転写ベルト機構に設けられた突出部であって、前記装置本体に装着された前記転写ベルト機構を前記装置本体から離脱させようとすると、前記突出部が前記像保持体機構と当たることを特徴とする。
【0012】
本発明の第6態様に係る画像形成装置は、第5態様に記載の画像形成装置において、前記突出部には、周回する前記転写ベルトの蛇行を抑制する抑制部材の少なくとも一部が配置されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の第7態様に係る画像形成装置は、第4態様に記載の画像形成装置において、前記像保持体機構を前記装置本体から離脱させるために、前記転写ベルト機構から前記像保持体機構を離間させて前記像保持体機構を離間位置で支持する支持部材を備え、前記規制手段は、前記像保持体機構が離間位置で支持されている状態でも、前記装置本体に装着された前記転写ベルト機構を前記装置本体から離脱させるのを規制することを特徴とする。
【0014】
本発明の第8態様に係る画像形成装置は、第5又は6態様に記載の画像形成装置において、前記像保持体機構を前記装置本体から離脱させるために、前記転写ベルト機構から前記像保持体機構を離間させて前記像保持体機構を離間位置で支持する支持部材を備え、前記突出部の突出量は、前記像保持体機構が離間位置で支持されている状態でも、前記突出部が前記像保持体機構と当たるように決められていることを特徴とする。
【0015】
本発明の第9態様に係る画像形成装置は、第7又は8態様に記載の画像形成装置において、前記支持部材は、前記像保持体機構を支持して、着脱を案内する案内面と、前記像保持体機構の下端を支持する支持面と、を有し、前記案内面と前記支持面とは、脱着方向に向かうにつれて両者の距離が近づくように配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の第1態様の画像形成装置によれば、転写ベルト機構を装置本体に対した着脱させる方向と、像保持体機構を装置本体に対して着脱させる方向とが同一である場合と比して、フレームが大きくなったり、フレームの板厚が厚くなるのを抑制することができる。
【0017】
本発明の第2態様の画像形成装置によれば、側方から見て、一の方向が他の方向に対して交差している場合と比して、装置本体の高さが高くなるのを抑制することができる。
【0018】
本発明の第3態様の画像形成装置によれば、像保持体機構が像保持体の回転軸方向に対して傾斜する方向に着脱され、かつ、転写ベルト機構が、転写ベルトの回転軸方向に対して直交する方向に対して傾斜する方向に着脱される場合と比して、着脱させるために夫々の機構を移動させる距離が長くなるのを抑制することができる。
【0019】
本発明の第4態様の画像形成装置によれば、像保持体機構が装置本体に装着された状態で、装置本体に装着された転写ベルト機構を装置本体から離脱させることができる場合と比して、転写ベルト機構を着脱させることに起因して、転写ベルトが像保持体と擦れるのを抑制することができる。
【0020】
本発明の第5態様の画像形成装置によれば、機械的な動作を必要とする機構を用いて転写ベルト機構の装置本体からの離脱を規制する場合と比して、転写ベルト機構の装置本体からの離脱を簡易な構成で規制することができる。
【0021】
本発明の第6態様の画像形成装置によれば、抑制部材を専用の領域に配置する場合と比して、装置本体が大きくなるのを抑制することができる。
【0022】
本発明の第7態様の画像形成装置によれば、像保持体機構を装置本体から離脱させようとして像保持体機構を転写ベルト機構から離間させた状態でも、転写ベルト機構の装置本体からの離脱を規制することができる。
【0023】
本発明の第8態様の画像形成装置によれば、像保持体機構を装置本体から離脱させようとして像保持体機構を転写ベルト機構から離間させた状態でも、転写ベルト機構の装置本体からの離脱を規制することができる。
【0024】
本発明の第9態様の画像形成装置によれば、像保持体機構を、脱着方向に移動させることにつれて、像保持体を転写ベルトの表面から離間させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体を示し、一方の開閉扉及び他方の開閉扉が開放位置に配置された状態の斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体を示し、一方の開閉扉及び他方の開閉扉が閉塞位置に配置された状態の斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体を示し、一方の開閉扉及び他方の開閉扉が閉塞位置に配置された状態の斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体を示し、一方の開閉扉が開放位置に配置され、他方の開閉扉が閉塞位置に配置された状態の斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体を示し、一方の開閉扉が開放位置に配置され、像保持体機構が離脱された状態の斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体を示し、両方の開閉扉が開放位置に配置され、像保持体機構が離脱された状態の斜視図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体を示し、両方の開閉扉が開放位置に配置され、像保持体機構及び転写ベルト機構が離脱された状態の斜視図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る画像形成装置に備えられた像保持体機構を示した斜視図である。
【
図9】(A)(B)本発明の実施形態に係る画像形成装置に備えられた像保持体機構の離脱工程を示した工程図である。
【
図10】(A)(B)本発明の実施形態に係る画像形成装置に備えられた像保持体機構の離脱工程を示した工程図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る画像形成装置に備えられた転写ベルト機構を示した斜視図である。
【
図12】本発明の実施形態に係る画像形成装置に備えられた像保持体機構、及び転写ベルト機構を示した斜視図である。
【
図13】本発明の実施形態に係る画像形成装置に備えられた転写ベルト機構を示した断面図である。
【
図14】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示した全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例について
図1~
図14に従って説明する。なお、図中に示す矢印Hは装置上下方向(鉛直方向)を示し、矢印Wは装置幅方向(水平方向)を示し、矢印Dは装置奥行方向(水平方向)を示す。
【0027】
(画像形成装置10)
図14に示されるように、本実施形態に係る画像形成装置10には、上下方向(矢印H方向)の下方側から上方側へ向けて、記録媒体としてのシート部材Pが収容される収容部14と、収容部14に収容されたシート部材Pを搬送する搬送部16と、収容部14から搬送部16によって搬送されるシート部材Pに画像形成を行う画像形成部20と、原稿に記載された画像を読み取る画像読取部100とがこの順番で備えられている。
【0028】
〔収容部14〕
収容部14には、画像形成装置10の装置本体10aから装置奥行方向の手前側に引き出し可能な収容部材26が備えられており、この収容部材26にシート部材Pが積載されている。さらに、収容部14には、収容部材26に積載された最上位のシート部材Pを、搬送部16を構成する搬送経路28に送り出す送出ロール30が備えられている。
【0029】
〔搬送部16〕
搬送部16には、予め定められた搬送経路28に沿ってシート部材Pを搬送する複数の搬送ロール32が備えられている。
【0030】
〔画像形成部20〕
画像形成部20には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の画像形成ユニット18Y、18M、18C、18Kが設けられた像保持体機構34が備えられている。さらに、画像形成部20には、各色の画像形成ユニット18Y、18M、18C、18Kに備えられた像保持体36Y、36M、36C、36Kに向けて露光光を照射する各色の露光装置22Y、22M、22C、22Kが備えられている。なお、以後の説明では、Y,M,C,Kを区別して説明する必要が無い場合は、Y,M,C,Kを省略して記載することがある。
【0031】
さらに、画像形成部20には、図中矢印A方向に周回する無端状の転写ベルト66と、各色の画像形成ユニット18によって形成されたトナー画像を転写ベルト66に転写する一次転写ロール68とが設けられた転写ベルト機構64が備えられている。
【0032】
また、画像形成部20には、転写ベルト66のトナー画像をシート部材Pに転写する二次転写ロール60と、シート部材Pを加熱、加圧してトナー画像をシート部材Pに定着する定着装置62とが備えられている。
【0033】
-像保持体機構34-
像保持体機構34は、4色の画像形成ユニット18と、4色の画像形成ユニット18を一体として収容する筐体38とを備えている。
【0034】
各色の画像形成ユニット18には、回転軸方向を装置幅方向とする像保持体36と、像保持体36の表面を帯電させる帯電ロール24と、帯電した帯電ロール24の表面に露光光が照射されることで形成された静電潜像を現像してトナー画像として可視化する現像装置33とが夫々備えられている。そして、4色の画像形成ユニット18Y、18M、18C、18Kは、この順番で、装置奥行方向の手前側から奥側へ並んで配置されている。ここで、「装置奥行方向の手前側」とは、画像形成装置10を使用するユーザと対向する側である。なお、像保持体機構34については、詳細を後述する。
【0035】
-露光装置22-
露光装置22は、色毎に複数設けられ、各色の像保持体36と装置上下方向で対向するように、各色の像保持体36の下方側に配置されている。そして、各色の露光装置22は、画像形成装置10の装置本体10aに取り付けられている。
【0036】
この構成において、露光装置22は、帯電した像保持体36の表面に露光光を照射して、像保持体36の表面に静電潜像を形成する。
【0037】
-転写ベルト機構64-
転写ベルト機構64は、転写ベルト66と、一次転写ロール68と、転写ベルト66が巻き掛けられていると共に回転軸方向を装置幅方向とする一対のロール70と、各部を一体として支持するフレーム74、76(
図11参照)とを備えている。
【0038】
一対のロール70は、装置奥行方向に離間して配置されている。また、転写ベルト66は、一対のロール70に巻き掛けられており、各色の像保持体36が、転写ベルト66の下方側から転写ベルト66に接触している。さらに、一次転写ロール68は、色毎に複数設けられ、転写ベルト66を挟んで像保持体36の反対側に配置されている。
【0039】
この構成において、何れか一方のロール70に回転駆動力が伝達されて一方のロール70が回転することで、転写ベルト66が矢印A方向に周回する。さらに、一次転写ロール68は、像保持体36に形成されたトナー画像を、周回する転写ベルト66に転写する。なお、転写ベルト機構64については、詳細を後述する。
【0040】
-二次転写ロール60、定着装置62-
二次転写ロール60は、転写ベルト66を挟んで装置奥行方向の奥側のロール70に対して反対側に配置されている。そして、転写ベルト66と二次転写ロール60との間を、シート部材Pの搬送経路28が通っている。
【0041】
定着装置62は、シート部材Pの搬送方向において、二次転写ロール60の下流側に配置されている。
【0042】
この構成において、二次転写ロール60は、周回する転写ベルト66に転写されたトナー画像を、搬送ロール32によって搬送されるシート部材Pに転写する。さらに、定着装置62が、シート部材Pに転写されたトナー画像をシート部材Pに定着する。
【0043】
-画像読取部100-
画像読取部100は、
図3に示されるように、装置本体10aの上方側の部分に配置されており、原稿を搬送する原稿搬送部112と、原稿を読み取る原稿読取部114とを備えている。また、原稿搬送部112と原稿読取部114とはヒンジ116によって連結されており、ヒンジ116を中心にして原稿搬送部112が回転することで、原稿搬送部112が原稿読取部114の備えられた図示せぬプラテンガラスを開閉するようになっている。
【0044】
この構成において、画像読取部100は、原稿搬送部112によって搬送される原稿に記載された画像、又はプラテンガラスに載せられた原稿に記載された画像を読み取る。
【0045】
(画像形成装置の作用)
画像形成装置10では、次のようにして画像が形成される。
【0046】
図3に示す画像読取部100は、原稿搬送部112によって搬送される原稿に記載された画像、又はプラテンガラスに載せられた原稿に記載された画像を読み取る。
【0047】
さらに、電圧が印加された
図14に示す各色の帯電ロール24は、各色の像保持体36の表面を予定の電位で一様にマイナス帯電させる。続いて、画像読取部100によって読み取られた画像の画像データに基づいて露光装置22は、帯電した各色の像保持体36の表面に露光光を照射して静電潜像を形成する。
【0048】
これにより、画像データに対応した静電潜像が各色の像保持体36の表面に形成される。さらに、各色の現像装置33は、この静電潜像を現像し、トナー画像として可視化する。また、各色の像保持体36の表面に形成されたトナー画像は、一次転写ロール68によって周回する転写ベルト66に転写される。
【0049】
そこで、収容部材26から送出ロール30によって搬送経路28へ送り出されたシート部材Pは、転写ベルト66と二次転写ロール60とが接触する転写位置Tへ送り出される。転写位置Tでは、シート部材Pが転写ベルト66と二次転写ロール60とで挟まれて搬送されることで、転写ベルト66の表面のトナー画像は、シート部材Pに転写される。
【0050】
シート部材Pに転写されたトナー画像は、定着装置62によってシート部材Pに定着される。そして、トナー画像が定着されたシート部材Pは、搬送ロール32によって装置本体10aの外部へ排出される。
【0051】
(要部構成)
次に、像保持体機構34、転写ベルト機構64、並びに像保持体機構34及び転写ベルト機構64が装着される部分の装置本体10aの構成について説明する。
【0052】
〔装置本体10a〕
装置本体10aは、
図2に示されるように、各部材を内部に収容する筐体120を備えている。さらに、筐体120は、装置本体10aの内部を、装置幅方向の一方側(図中左側)に開放する開閉扉124と、装置本体10aの内部を、装置奥行方向の奥側に開放する開閉扉126とを備えている。
【0053】
また、装置本体10aは、
図5に示されるように、像保持体機構34を装置本体10aに対して着脱させるための開口136aが形成された骨格部材であるフレーム136を備えている。さらに、装置本体10aは、装置本体10aに対して着脱される像保持体機構34を案内する一対のガイドレール142と、装置本体10aに対して着脱される像保持体機構34を下方から支持する支持面146とを備えている。ガイドレール142は、
図9に示すように、装置幅方向の一方側に向けて下方に傾斜する案内面となっている。また、支持面146は、装置幅方向の一方側に向けて水平とされている。また、装置本体10aは、
図9(A)に示されるように、像保持体36に設けられた係合部36aと係合する被係合部130を備えている。
【0054】
-開閉扉124-
開閉扉124は、
図2に示されるように、扉本体124aと、扉本体124aの下端に取り付けられたヒンジ124bとを有し、装置本体10aの内部を閉塞する閉塞位置(
図2参照)と、装置本体10aの内部を開放する開放位置(
図4参照)とに移動するようになっている。
【0055】
この構成において、
図4に示されるように、開閉扉124を開放位置に移動させた状態で、像保持体機構34の装置幅方向の端部が外部に露出する。
【0056】
-開閉扉126-
開閉扉126は、
図2に示されるように、扉本体126aと、扉本体126aの下端に取り付けられたヒンジ126bとを有し、装置本体10aの内部を閉塞する閉塞位置(
図2参照)と、装置本体10aの内部を開放する開放位置(
図1参照)とに移動するようになっている。また、
図1に示されるように、開閉扉126には、二次転写ロール60が取り付けられている。
【0057】
この構成において、開閉扉124を開放位置に移動させた状態で、転写ベルト機構64の装置奥行方向の端部が外部に露出するようになっている。
【0058】
-フレーム136-
フレーム136は、板金部材を用いて形成され、板厚方向が装置幅方向とされている。フレーム136は、
図5に示されるように、開閉扉124を開放位置に移動させた状態で、外部に露出するようになっている。また、フレーム136には、開口136aが形成されており、詳細は後述するが、像保持体機構34が、この開口136aを通って、装置本体10aに対して着脱される。
【0059】
さらに、このフレーム136において開口136aの上方側で、かつ、装置奥行方向の両端側の部分には、装置幅方向の一方側に突出するピン138が取り付けられている。
【0060】
-ガイドレール142、支持面146-
ガイドレール142は、
図5に示されるように、装置本体10aの内部に一対設けられ、像保持体機構34を装置本体10aから離脱させた状態で、フレーム136の開口136aを通して装置幅方向から視認できる位置に配置されている。さらに、ガイドレール142の断面は、L字状とされており、一対のガイドレール142は、装置奥行方向に離間し、装置幅方向に延びている。
【0061】
支持面146は、上方を向いた面であって、装置本体10aの内部に設けられ、像保持体機構34を装置本体10aから離脱させた状態で、フレーム136の開口136aを通して装置幅方向から視認できる位置で、かつ、ガイドレール142に対して下方側に配置されている。また、この支持面146には、前述した各色の露光装置22が支持されている。
【0062】
-被係合部130-
像保持体36に設けられた係合部36aと係合する被係合部130は、装置本体10aの内部で、
図9(A)に示されるように、装置幅方向の他方側(図中左側)の部分に配置されている。そして、被係合部130には、像保持体36の係合部36aが挿入される凹部130aが形成されている。
【0063】
この構成において、被係合部130の凹部130aに像保持体36の係合部36aが挿入されることで、被係合部130と係合部36aとが係合する。この状態で、被係合部130から係合部36aに回転駆動力が伝達されることで、像保持体36が回転する。
【0064】
〔像保持体機構34〕
像保持体機構34は、装置本体10aに対して装置幅方向の一方側から着脱される。この像保持体機構34は、
図8に示されるように、上方から見て、一方の辺と他方の辺とが同様の長さとされた矩形状とされ、装置幅方向から見て、装置奥行方向に延びる矩形状とされている。また、像保持体機構34は、4色の画像形成ユニット18Y、18M、18C、18Kと、各色の画像形成ユニット18を内部に収容する筐体38とを備えている。そして、画像形成ユニット18に備えられた各色の像保持体36の上方側の部分が、筐体38に設けられた開口から上方へ露出している。
【0065】
また、画像形成ユニット18に備えられた各色の像保持体36の装置幅方向の他方側(=図中左側)の部分に、
図9(A)に示されるように、係合部36aが設けられており、この係合部36aが、筐体38から装置幅方向の他方へ露出している。前述したように、この係合部36aが装置本体10aに備えられた被係合部130の凹部130aに挿入されることで、係合部36aが被係合部130に係合する。また、係合部36aに被係合部130から回転駆動力が伝達されることで、像保持体36が回転する。このように、係合部36aは、回転力伝達手段であると共に、像保持体機構34の装置幅方向の他方側の上下方向の位置を決める位置決め手段として機能している。
【0066】
さらに、像保持体機構34は、
図8に示されるように、筐体38の装置幅方向の一方側の部分に配置され、板厚方向が装置幅方向とされた側板40を有している。この側板40は、装置幅方向から見て装置奥行方向に延びる矩形状とされている。また、側板40の上方側で、かつ、装置奥行方向の両端側の部分には、フレーム136に取り付けられたピン138(
図5参照)が挿入される貫通孔40aが形成されている。貫通孔40aにピン138が挿入されることで、像保持体機構34の装置幅方向の一方側の上下方向の位置が決まるようになっている。このように、貫通孔40a及びピン138は、像保持体機構34の装置幅方向の一方側の上下方向の位置を決める位置決め手段として機能している。
【0067】
さらに、筐体38において、装置幅方向の他方側の部分には、装置奥行方向の手前側及び奥側に突出する一対の突出部42が形成されている。
【0068】
この構成において、像保持体機構34が装置本体10aに装着されている状態では、
図9(A)に示されるように、像保持体36の係合部36aは、装置本体10aの被係合部130の凹部130aに挿入されて、被係合部130と係合している。さらに、フレーム136に取り付けられたピン138が、像保持体機構34の側板40に形成された貫通孔40aに挿入されている。そして、像保持体36は、転写ベルト66と接触している。
【0069】
さらに、開閉扉124を開放位置に配置した状態(
図4参照)で、作業者が、筐体38の側板40を把持し、
図9(B)、
図10(A)に示されるように、像保持体機構34を装置幅方向の一方側へ移動させて、ピン138を貫通孔40aから抜く。なお、この状態では、像保持体36の係合部36aの先端が、被係合部130の凹部130aに挿入されている。
【0070】
そして、作業者が把持した側板40を下方へ移動させて、
図10(A)に示されるように、側板40を支持面146に載せる。これにより、像保持体機構34が、装置幅方向に対して傾斜し、像保持体36が、転写ベルト66から離間する。そして、筐体38に形成された突出部42が、ガイドレール142に載る。このようにして、像保持体機構34を装置本体10aから離脱させるために、作業者は、転写ベルト機構64から像保持体機構34を離間させて像保持体機構34を離間位置に配置する。
【0071】
そして、ガイドレール142と支持面146とによって、像保持体機構34を離間位置で支持する支持部材140が構成されている。
【0072】
つまり、「像保持体機構34の離間位置」とは、像保持体機構34を装置本体10aから離脱させるために脱着方向(本実施形態では装置幅方向)へ移動させても、像保持体36が転写ベルト66と擦れない位置である。本実施形態では、像保持体機構34が、上下方向で転写ベルト機構64に対して離間する位置である。
【0073】
さらに、作業者は、
図10(B)に示されるように、像保持体機構34を傾斜した状態で移動させて像保持体機構34を装置本体10aから離脱させる(
図5参照)。ここで、ガイドレール142は、装置幅方向の一方側に向けて下方に傾斜している。また支持面146は、装置幅方向の一方側に向けて水平方向に延びている。すなわち、ガイドレール142と支持面146は、脱着方向(離脱方向)に向かうにつれて、両者の距離が近づくように配置されている。このため、像保持体機構34を、脱着方向に移動させるにつれて、像保持体機構34の脱着方向の前端を中心に回転することで、像保持体機構34の脱着方向の後端が下方に下がることになり、像保持体36が転写ベルト66と擦れないようになっている。
【0074】
装置本体10aから離脱した像保持体機構34を装置本体10aに装着させる場合は、前述とは逆の工程で、像保持体機構34が装置本体10aに装着される。このように、像保持体機構34は、装置本体10aに対して装置幅方向に着脱される。換言すれば、像保持体機構34を像保持体36の回転軸方向に方向へ移動させることで、像保持体機構34が装置本体10aから着脱される。装置幅方向は、一の方向の一例である。
【0075】
〔転写ベルト機構64〕
転写ベルト機構64は、装置本体10aに対して装置奥行方向の奥側から着脱される。この転写ベルト機構64は、
図11に示されるように、上方から見て、一方の辺と他方の辺とが同様の長さとされた矩形状とされ、装置幅方向から見て、装置奥行方向に延びる矩形状とされている。また、転写ベルト機構64は、転写ベルト66と、4個の一次転写ロール68(
図14参照)と、一対のロール70(
図14参照)と、各部材を支持するフレーム74、76と、転写ベルト66の蛇行を抑制する抑制部材80(
図13参照)とを備えている。
【0076】
図14に示す一対のロール70は、回転軸方向を装置幅方向として、装置奥行方向に離間して配置されている。転写ベルト66は、無端状とされており、一対のロール70に巻き掛けられることで、装置奥行方向に延びている。4個の一次転写ロール68は、転写ベルト66の内部に配置され、装置奥行方向に間隔を空けて配置されている。そして、何れか一方のロール70に回転駆動力が伝達されて一方のロール70が回転することで、転写ベルト66が周回するようになっている。
【0077】
フレーム74は、
図11に示されるように、転写ベルト66に対して装置幅方向の一方側に配置され、フレーム76は、転写ベルト66に対して装置幅方向の他方側に配置されている。そして、フレーム74とフレーム76とが、転写ベルト66、一次転写ロール68、及び一対のロール70を装置幅方向から挟み、これらの部品を支持している。
【0078】
さらに、フレーム74において装置奥行方向の奥側の部分には、下方に突出する突出部74aが形成されている。そして、転写ベルト機構64及び像保持体機構34が装置本体10aに装着された状態で、
図12に示されるように、突出部74aは、像保持体機構34の筐体38に対して装置奥行方向の手前側に配置されている。これにより、像保持体機構34が装置本体10aに装着されている状態で、装置本体10aに装着された転写ベルト機構64を離脱させようとして装置奥行方向の奥側へ移動させると、突出部74aが、像保持体機構34の筐体38と当たるようになっている。このように、突出部74aは、転写ベルト機構64の移動を規制する移動規制手段として機能している。
【0079】
また、この突出部74aの突出量は、像保持体機構34を装置本体10aから離脱させるために、像保持体機構34を離間位置に配置した状態(
図10(A)参照)でも突出部74aが像保持体機構34の筐体38と当たるように決められている。具体的には、
図10(A)に示されるように、突出部74aの下端d01は、離間位置に配置された像保持体機構34において突出部74aと装置幅方向で同様の位置に配置された部分の上端d02に対して、下方に位置している。突出部74aは、規制手段の一例である。
【0080】
また、この突出部74aには、
図13に示されるように、周回する転写ベルト66の蛇行を抑制する抑制部材80の少なくとも一部が配置されている。なお、「蛇行」とは、転写ベルト66が巻き掛けられているロール70の軸方向の一方側と他方側とに転写ベルト66が連続的に変化しながら周回する状態をいう。
【0081】
突出部74aは、装置奥行方向の手前側に配置されたロール70に対して装置幅方向の一方側に配置されている。突出部74aに設けられた抑制部材80は、ロール70の軸部70aに取り付けられた円盤部材82と、押付部材84と、圧縮コイルスプリング86とを備えている。
【0082】
円盤部材82は、軸部70aにおいて装置幅方向の一方側の部分に取り付けられており、円盤部材82には、周方向に延びる溝部82aが形成されている。また、押付部材84は、円盤部材82の下方側に配置されており、押付部材84の上端部分は、円盤部材82の溝部82aに挿入されている。圧縮コイルスプリング86は、装置幅方向に延びており、突出部74aを構成すると共に押付部材84に対して装置幅方向の他方向に配置された側板78と押付部材84の下端部分との間に圧縮状態で配置されている。
【0083】
また、ロール70の軸部70aにおいて装置幅方向の他方側の端部は、装置幅方向の移動が規制されている。さらに、ロール70の軸部70aにおいて装置幅方向の一方側の端部は、装置上下方向に移動可能に支持されている。このように、ロール70は揺動可能に支持されている。
【0084】
この構成において、円盤部材82には、押付部材84を介して圧縮コイルスプリング86の付勢力が付与される。具体的には、円盤部材82には、円盤部材82を装置幅方向の一方側へ付勢する付勢力が付与される。これにより、軸部70aが装置幅方向に対して傾斜するのが抑制されることで、ロール70に巻き掛けられている転写ベルト66の蛇行が抑制される。
【0085】
また、装置本体10aに対して装置奥行方向の奥側から転写ベルト機構64を着脱するために、装置本体10aには、転写ベルト機構64を装置奥行方向にガイドする図示せぬガイドレールが設けられている。そして、像保持体機構34が装置本体10aから離脱された状態で、転写ベルト機構64の装置本体10aからの離脱を阻害する部材は、装置本体10aには設けられていない。
【0086】
この構成において、
図6、
図7に示されるように、像保持体機構34が装置本体10aから離脱した状態で、装置本体10aに装着された転写ベルト機構64を装置奥行方向の奥側へ移動させる。これにより、転写ベルト機構64が装置本体10aから離脱する。
【0087】
装置本体10aから離脱した転写ベルト機構64を装置本体10aに装着させる場合は、前述とは逆の工程で、転写ベルト機構64が装置本体10aに装着される。このように、転写ベルト機構64は、装置本体10aに対して装置奥行方向に着脱される。換言すれば、転写ベルト機構64を転写ベルト66の回転軸方向に対して直交する方向へ移動させることで、転写ベルト機構64が装置本体10aから着脱される。装置奥行方向は、他の方向の一例である。
【0088】
(要部構成の作用)
次に、装置本体10aに装着された像保持体機構34及び転写ベルト機構64を、装置本体10aから離脱させる工程、並びに、装置本体10aから離脱された像保持体機構34及び転写ベルト機構64を、装置本体10aに装着させる工程について説明する。
【0089】
〔離脱させる工程〕
画像形成装置10を稼働させている状態では、
図2、
図3に示されるように、メンテナンス用の開閉扉124及び開閉扉126は、閉塞位置に配置されている。また、像保持体機構34が装置本体10aに装着されている状態で、装置本体10aに装着された転写ベルト機構64を離脱させることができない。
【0090】
そこで、先ず、作業者は、
図3、
図4に示されるように、閉塞位置の開閉扉124を開放位置へ移動させる。さらに、作業者は、像保持体機構34を装置幅方向の一方側へ移動させて、
図5に示されるように、像保持体機構34を装置本体10aから離脱させる。
【0091】
具体的には、作業者が、筐体38の側板40を把持し、
図9(A)、(B)に示されるように、像保持体機構34を装置幅方向の一方側へ移動させて、ピン138を貫通孔40aから抜く。なお、この状態では、像保持体36の係合部36aの先端が、被係合部130の凹部130aに挿入されている。
【0092】
そして、作業者が把持した側板40を下方へ移動させて、
図10(A)に示されるように、側板40を支持面146に載せる。これにより、像保持体機構34が、装置幅方向に対して傾斜し、像保持体36が、転写ベルト66から離間する。そして、筐体38に形成された突出部42が、ガイドレール142に載る。このようにして、像保持体機構34を装置本体10aから離脱させるために、転写ベルト機構64から像保持体機構34を離間させて像保持体機構34を離間位置に配置する。
【0093】
さらに、作業者は、
図10(B)に示されるように、像保持体機構34を傾斜した状態で移動させて像保持体機構34を支持面146に沿わせながら装置本体10aから離脱させる(
図5参照)。
【0094】
次に、作業者は、転写ベルト機構64を装置本体10aから離脱させるため、
図6に示されるように、閉塞位置の開閉扉126を開放位置へ移動させる。さらに、作業者は、転写ベルト機構64を装置奥行方向の奥側へ移動させて、
図7に示されるように、転写ベルト機構64を装置本体10aから離脱させる。
【0095】
〔装着させる工程〕
装置本体10aから離脱した像保持体機構34及び転写ベルト機構64を、装置本体10aに装着する場合には、前述した工程に対して逆の工程を行う。
【0096】
具体的には、先ず、作業者が、転写ベルト機構64を装置奥行方向の手前側へ移動させて、転写ベルト機構64を装置本体10aに装着する。さらに、作業者が、像保持体機構34を装置幅方向の他方側へ移動させて、像保持体機構34を装置本体10aに装着する。
【0097】
(まとめ)
以上説明したように、画像形成装置10では、複数の像保持体36を備えた像保持体機構34を装置本体10aに対して着脱させる方向と、転写ベルト機構64を装置本体10aに対して着脱させる方向とが異なる。例えば、転写ベルト機構を装置本体に対した着脱させる方向と、像保持体機構を装置本体に対して着脱させる方向とが同一である場合には、画像形成装置のフレームに大きな開口が必要となる。このようにフレームに大きな開口が形成されることで、フレーム剛性が低下してしまう。そこで、フレームの剛性を保つため、フレームを大きくしたり、フレームの板厚を厚くするなどの必要がある。
【0098】
しかし、前述したように、画像形成装置10では、像保持体機構34を装置本体10aに対して着脱させる方向と、転写ベルト機構64を装置本体10aに対して着脱させる方向とが異なる。このため、転写ベルト機構を装置本体に対した着脱させる方向と、像保持体機構を装置本体に対して着脱させる方向とが同一である場合と比して、フレームに大きな開口を形成する必要がないため、フレーム136が大きくなったり、フレーム136の板厚が厚くなるのが抑制される。
【0099】
また、画像形成装置10では、上方から見て、像保持体機構34の着脱方向は、転写ベルト機構64の着脱方向に対して交差しており、かつ、装置幅方向又は装置奥行方向である側方から見て、像保持体機構34の着脱方向は、転写ベルト機構64の着脱方向に沿っている。このため、側方から見て、像保持体機構34の着脱方向が転写ベルト機構64の着脱方向に対して交差している場合と比して、上下方向における転写ベルト機構64及び像保持体機構34の移動領域が狭くなることで、装置本体10aの高さが高くなるのが抑制される。
【0100】
また、画像形成装置10では、像保持体機構34は、装置本体10aに対して像保持体36の回転軸方向に着脱され、転写ベルト機構64は、装置本体10aに対して転写ベルト66の回転軸方向に対して直交する方向へ着脱される。このため、像保持体機構が像保持体の回転軸方向に対して傾斜する方向に着脱され、かつ、転写ベルト機構が、転写ベルトの回転軸方向に直交する方向に対して傾斜する方向に着脱される場合と比して、着脱させるために夫々の機構を移動させる距離が長くなるのが抑制される。
【0101】
また、画像形成装置10では、突出部74aは、装置本体10aに像保持体機構34が装着された状態で、装置本体10aに装着された転写ベルト機構64を装置本体10aから離脱させるのを規制する。このため、装置本体に像保持体機構が装着された状態で、装置本体に装着された転写ベルト機構を装置本体から離脱させることができる場合と比して、転写ベルト機構64を着脱させることに起因して、転写ベルト66が像保持体36と擦れるのが抑制される。
【0102】
また、画像形成装置10では、装置本体10aに装着された転写ベルト機構64を装置本体10aから離脱させようとすると、突出部74aが像保持体機構34の筐体38と当たることで、転写ベルト機構64の装置本体10aからの離脱が規制される。このように、機械的な動作を必要とする機構を用いて転写ベルト機構の装置本体からの離脱を規制する場合と比して、転写ベルト機構64の装置本体10aからの離脱が簡易な構成で規制される。
【0103】
また、画像形成装置10では、突出部74aには、周回する転写ベルト66の蛇行を抑制する抑制部材80の少なくとも一部が配置されている。このため、抑制部材80を専用の領域に配置する場合と比して、装置本体10aが大きくなるのが抑制される。
【0104】
また、画像形成装置10では、突出部74aの突出量は、像保持体機構34を装置本体10aから離脱させるために、像保持体機構34を離間位置に配置した状態(
図10(A)参照)でも突出部74aが像保持体機構34の筐体38と当たるように決められている。像保持体機構34を装置本体10aから離脱させようとして像保持体機構34を転写ベルト機構64から離間させた状態でも、転写ベルト機構64の装置本体10aからの離脱が規制される。従って、像保持体機構34と転写ベルト機構64とは、画像形成装置10に対する装着順や、離脱順が決められており、着脱順に自由度を持たせる場合に比べて、装置が小型化される。
【0105】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、装置本体10aに装着された転写ベルト機構64を装置本体10aから離脱させようとすると、突出部74aが像保持体機構34の筐体38と当たることで、転写ベルト機構64の離脱を規制したが、転写ベルト機構を把持又は把持解除等の機械的な動作を必要とする機構を用いて転写ベルト機構の離脱を規制してもよい。しかし、この場合には、突出部74aが像保持体機構34の筐体38と当たることで、転写ベルト機構64の離脱を規制することで奏する作用は奏しない。
【0106】
また、上記実施形態では、突出部74aの突出量を高くすることで、像保持体機構34が離間位置に配置された状態でも、転写ベルト機構64の装置本体10aからの離脱が規制されたが、例えば、像保持体機構34の位置を検出する位置センサを設け、像保持体機構34が離間位置に配置されているのを位置センサが検出し、この検出結果に基づいて、転写ベルト機構を把持又は把持解除等の機械的な動作を必要とする機構を用いて転写ベルト機構の離脱を規制してもよい。しかし、この場合には、突出部74aの突出量を高くすることで、像保持体機構34が離間位置に配置された状態でも、転写ベルト機構64の装置本体10aからの離脱を規制することで奏する作用は奏しない。
【0107】
また、上記実施形態では、側方から見て、像保持体機構34の着脱方向は、転写ベルト機構64の着脱方向に沿っていたが、側方から見て、像保持体機構34の着脱方向と転写ベルト機構64の着脱方向とが交差していてもよい。しかし、この場合には、側方から見て、像保持体機構34の着脱方向が、転写ベルト機構64の着脱方向に沿っていることで奏する作用は奏しない。
【0108】
また、上記実施形態では、像保持体機構34は、装置本体10aから像保持体36の回転軸方向に着脱され、転写ベルト機構64は、装置本体10aから転写ベルト66の回転軸方向に対して直交する方向に着脱された。しかし、像保持体機構が像保持体の回転軸方向に対して傾斜する方向に着脱され、転写ベルト機構が、転写ベルトの回転軸方向に直交する方向に対して傾斜する方向に着脱されてもよい。しかし、この場合には、像保持体機構34が、装置本体10aから像保持体36の回転軸方向に着脱され、転写ベルト機構64が、装置本体10aから転写ベルト66の回転軸方向に対して直交する方向に着脱されることで奏する作用は奏しない。
【0109】
また、上記実施形態では、突出部74aには、周回する転写ベルト66の蛇行を抑制する抑制部材80の少なくとも一部が配置されていたが、例えばクラッチ等の他の機能部材が突出部74aに配置されていてもよい。
【0110】
また、上記実施形態では、突出部74aには、周回する転写ベルト66の蛇行を抑制する抑制部材80の少なくとも一部が配置されていたが、抑制部材が配置されていなくてもよい。しかし、この場合には、抑制部材が配置されることで奏する作用は奏しない。
【0111】
また、上記実施形態では、特に説明しなかったが、脱着可能な廃トナーボックス等が、開閉扉124と像保持体機構34との間に配置されていてもよい。
【0112】
また、上記実施形態では、像保持体機構34は、装置本体10aに対して装置幅方向に着脱され、転写ベルト機構64は、装置本体10aに対して装置奥行方向に着脱されたが、像保持体機構34が、装置本体10aに対して装置奥行方向に着脱され、転写ベルト機構64が、装置本体10aに対して装置幅方向に着脱されてもよい。像保持体機構34の着脱方向と、転写ベルト機構64の着脱方向とが異なればよい。
【符号の説明】
【0113】
10 画像形成装置
10a 装置本体
34 像保持体機構
36 像保持体
64 転写ベルト機構
66 転写ベルト
74a 突出部(規制手段の一例)
80 抑制部材
140 支持部材
142 ガイドレール(案内面の一例)
146 支持面