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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】固体撮像素子および撮像システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/76 20230101AFI20240618BHJP
   H04N 25/771 20230101ALI20240618BHJP
   H04N 25/626 20230101ALI20240618BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
H04N25/76
H04N25/771
H04N25/626
H01L27/146
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020054149
(22)【出願日】2020-03-25
(65)【公開番号】P2021158418
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】後藤 浩成
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0040362(US,A1)
【文献】国際公開第2020/017345(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 25/76
H04N 25/771
H04N 25/626
H01L 27/146
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一半導体と、
前記第一半導体と異なる組成を有し、前記第一半導体と電気的に接続された第二半導体と、
を備え、
前記第一半導体は、
入射光により光電変換を行うフォトダイオードと、
前記光電変換により発生した電荷を蓄積する複数の第一電荷蓄積部と、
前記光電変換により発生した電荷を前記第一電荷蓄積部のいずれかに移動させる転送制御手段と、を有し、
前記第二半導体は
電荷を蓄積することのできる第二電荷蓄積部と、
前記第二電荷蓄積部の電位を検出する電位検出手段と、を有し、
前記第一電荷蓄積部の電位を所定の電位にリセットするリセット手段を備え、
前記リセット手段は、前記第一半導体に設けられて前記第二半導体と容量結合している、
固体撮像素子。
【請求項2】
前記フォトダイオードを構成する主要元素がゲルマニウムである、
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項3】
所定の波長プロファイルを有する出射光を出射する光源部と、
請求項1または2に記載の固体撮像素子と、
を備える、
撮像システム。
【請求項4】
前記光源部は、前記出射光として近赤外から短波長赤外の波長領域の光を出射する、
請求項3に記載の撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像素子、および撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
撮像素子は、様々な分野で利用されている。その一つに、測距可能な撮像システムがある。
このような撮像システムは、一般に被写体に照射する光を生成する光源と、撮像素子とを備える。撮像素子は、被写体からの反射光を撮像する撮像センサとして機能する。
【0003】
上記撮像素子に関する課題として、外光に起因するノイズがある。このノイズを低減する対策の一つとして、太陽光にほとんど含まれない近赤外から短波長赤外の波長帯域(好ましくは、太陽光にほとんど含まれない1350nm~1400nm程度)の光を使用することが検討されている。これにより、太陽光を含む多くの外光の影響をほぼゼロにできる。
【0004】
このような波長帯域の光を使用して測距可能な撮像システムを構築するためには、当該波長帯域の光を効率よく光電変換できる撮像素子が必要であり、高い吸収係数を有するゲルマニウム(Ge)などを用いて構成することが考えられている。
特許文献1には、Geおよびケイ素(Si)を含有する層にフォトダイオードを形成したデバイスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開第2017/0040362号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のデバイスは、フォトダイオードが形成された第一の半導体と、シリコン基板に形成された第二の半導体とを有する。第一の半導体で光電変換により発生した電荷は第二の半導体に移動されて電荷電圧変換が行われるが、電荷が具体的にどのように転送されるかについては説明がなく、導電体配線と拡散層とを用いた公知のインターコネクションが例示されているのみである。
【0007】
撮像素子において、フォトダイオードで発生した電荷が、複数の電荷蓄積領域に振り分け駆動されることがある。特許文献1にも、第二の半導体に転送された電荷が二つの電荷蓄積領域に振り分け駆動されるTOF(time of flight)方式の光センサが記載されている。
しかし、特許文献1に記載のデバイスにおいて第一の半導体と第二の半導体とが例示された上述の態様で接合されている場合、フォトダイオードと振り分けを行うゲートとの間に拡散層が存在するため、実際には振り分け駆動が好適に行われない可能性がある。
【0008】
上記事情を踏まえ、本発明は、近赤外から短波長赤外の波長帯域の光を効率よく利用でき、かつ振り分け駆動が良好に行える固体撮像素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第一の態様は、第一半導体と、第一半導体と異なる組成を有し、第一半導体と電気的に接続された第二半導体とを備える固体撮像素子である。
第一半導体は、入射光により光電変換を行うフォトダイオードと、光電変換により発生した電荷を蓄積する複数の第一電荷蓄積部と、光電変換により発生した電荷を第一電荷蓄積部のいずれかに移動させる転送制御手段とを有する。
第二半導体は、電荷を蓄積することのできる第二電荷蓄積部と、第二電荷蓄積部の電位を検出する電位検出手段とを有する。
固体撮像素子は、さらに、第一電荷蓄積部の電位を所定の電位にリセットするリセット手段を備えている。リセット手段は、第一半導体に設けられて第二半導体と容量結合している。
【0010】
本発明の第二の態様は、所定の波長プロファイルを有する出射光を出射する光源部と、第一の態様に係る固体撮像素子とを備える撮像システムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、近赤外から短波長赤外の波長帯域の光を効率よく利用でき、振り分け駆動が良好に行える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る固体撮像素子の模式図である。
図2】同固体撮像素子の変形例の模式図である。
図3】同固体撮像素子を複数用いた撮像素子の一例を示す図である。
図4】同固体撮像素子を用いた撮像システムの一例を示す図である。
図5】本発明の変形例に係る固体撮像素子の部分模式図である。
図6】本発明の変形例に係る固体撮像素子の部分模式図である。
図7】本発明の変形例に係る固体撮像素子の部分模式図である。
図8】本発明の変形例に係る固体撮像素子の部分模式図である。
図9】本発明の変形例に係る固体撮像素子の部分模式図である。
図10】本発明の変形例に係る固体撮像素子の模式図である。
図11】本発明の変形例に係る固体撮像素子の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態について、図1から図4を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る固体撮像素子1の構成を示す模式図である。固体撮像素子1は、第一半導体10と、第二半導体30とが電気的に接続されて構成されている。第一半導体10と第二半導体30とは、構成元素の組成が異なっており、互いに異なる格子定数を有する。
【0014】
第一半導体10は、公知のフォトダイオード(PD)11を有し、入射した光を光電変換し、信号電荷を蓄積可能に構成されている。フォトダイオード11は、第一半導体10の不純物濃度等により省略することも可能である。この場合は第一半導体10においてフォトダイオード11が占めている幾何学的な領域が光電変換の機能を持つ。
第一半導体10は、少なくともフォトダイオード11の部分において、近赤外から短波長赤外の波長帯域、特に1350nm~1400nm程度の波長帯域の光の吸収特性に優れた元素あるいは化合物を多く含んで構成されている。このような物質としては、Geが典型的であり、他にGeSi(ゲルマニウムシリコン)等のゲルマニウム化合物やGaSb(アンチモン化ガリウム)等を例示できる(以下、これらの物質を総称して、「Ge等」と称することがある。)。第一半導体10の物理的構造には特に制限はなく、全体がGe単独またはGe等の混晶で形成された一様の組成であってもよいし、Ge等がシリコン等の他の物質と交互に積層された構成を有してもよい。
【0015】
以下、第一半導体10がP型であることを前提として説明を行うが、第一半導体10がN型である場合も同様な説明が可能であることは当然である。
第一半導体10は、複数の第一電荷蓄積部12を有する。本実施形態の第一電荷蓄積部12は、例えばn+型半導体領域であり、第一電荷蓄積部12Aと第一電荷蓄積部12Bと2つ設けられている。フォトダイオード11と各々の第一電荷蓄積部12との間には、転送ゲート(転送制御手段)13が設けられている。転送ゲート13の構造は公知であり、例えばMOS(Metal Oxide Semiconductor)構造である。
【0016】
第二半導体30は、主に信号処理を行う半導体であり、例えばシリコンで形成されている。第二半導体30は、拡散層を介したインターコネクションにより、第一半導体10と電気的に接続されている。
【0017】
第二半導体30は、第二電荷蓄積部33と、リセットトランジスタ(リセット手段)35のドレイン32と、電位検出ノード31(電位検出手段)と、第二電荷蓄積部33とリセットトランジスタ(リセット手段)35のドレイン32間の電荷移動を制御するリセットトランジスタ(リセット手段)35のリセットゲート34とを有する。各第二電荷蓄積部33は、図示しない読み出し回路に接続されている。
第二電荷蓄積部33と、ドレイン32と、電位検出ノード31、およびリセットゲート34は、各第一電荷蓄積部12Aおよび12Bに対応して設けられており、電位検出ノード31は、対応する第二電荷蓄積部33の電位を検出可能に構成されている。
【0018】
上記のように構成された本実施形態の固体撮像素子1においては、各転送ゲート13に制御信号としての電圧が印加されることにより、フォトダイオード11に生じた電荷が、第一電荷蓄積部12A、12Bのいずれか一方に転送される。制御信号により、電荷の転送先が経時的に変更されることにより、電荷の振り分け駆動が行われる。
【0019】
固体撮像素子1においては、フォトダイオード11に生じた電荷は第一半導体10内で振り分け駆動された後、拡散層である第一電荷蓄積部12(12A、12B)および対応する第二電荷蓄積部33、ならびに第一電荷蓄積部12と第二電荷蓄積部33とを接続する接続線(不図示)と、第二半導体30内のゲート電極とからなる静電容量に転送される。したがって、静電容量に入った電荷はそれ以降振り分けされない。
一般に、電荷振り分け動作が比較的容量の大きな静電容量で行われるときは特性的な問題が起こりやすい。特に、高速の振り分けが起こる場合は、静電容量からの電荷移動時間が問題となるので、良好な振り分け特性の実現が困難である。
本実施形態の固体撮像素子1においては、振り分け駆動が第一半導体10内で行われる。そのため、大きな静電容量からの電荷移動という問題が生じない。その結果、振り分け駆動が好適に行われる。
【0020】
以上により、本実施形態の固体撮像素子1は、転送制御手段としての転送ゲート13と転送先としての第一電荷蓄積部12を第一半導体10に設けることにより、異質の半導体である第一半導体10および第二半導体30をヘテロ接合した構成でありながら、好適な振り分け駆動を実現できる。固体撮像素子1は、Ge等を主要物質として第一半導体10のフォトダイオード11を構成することにより、近赤外から短波長赤外の波長帯域、特に1350nm~1400nm程度の波長帯域の光を用いるマルチゲートタイプのTOFセンサとして好適に動作可能な構造であると言える。
【0021】
本実施形態において、第一電荷蓄積部の数は適宜設定できる。すなわち、上述の例では2つの第一電荷蓄積部を有する例を説明したが、3以上の電荷蓄積部が設けられてもよい。
【0022】
図2に、本実施形態の変形例に係る固体撮像素子1Aの模式図を示す。固体撮像素子1Aにおいては、転送ゲート13に代えてp+型半導体領域15がフォトダイオード11と第一電荷蓄積部12との間に設けられている。各p+型半導体領域15には、電圧信号発生部16が接続されており、電圧信号発生部16の信号に基づいて、フォトダイオード11に生じた電荷が、第一電荷蓄積部12A、12Bのいずれか一方に転送される。
すなわち、固体撮像素子1Aの転送制御手段17はp+型半導体領域15および電圧信号発生部16を有し、公知のcurrent assistedの手法により振り分け駆動を行う。
本実施形態の固体撮像素子において、転送制御手段はゲート電極には限られず、このような構成でも、上述した効果を同様に奏する。
図2では、p+型半導体領域15がフォトダイオード11と第一電荷蓄積部12との間に設けられているが、p+型半導体領域15は第一電荷蓄積部12の近傍に位置していればよく、配置に関して自由度があることは当然である。
【0023】
なお、図2では、第一半導体10において、フォトダイオード11が第二半導体と対向しない側に形成されており、表面照射型(FSI)の固体撮像素子を示している。本明細書に記載されたすべての固体撮像素子は、表面照射型および裏面照射型(BSI)のいずれの構成もとることができ、用途や他の構成との関係等に応じて適宜選択できる。
【0024】
本実施形態に係る固体撮像素子は、単独でも使用できるが、二次元マトリクス状に複数配置されて複数画素を有する撮像素子を構成してもよい。
このような撮像素子の一例を図3にブロック図として示す。撮像素子40は、複数の固体撮像素子1が二次元配列された受光領域41を有する。撮像素子40は、制御回路50、垂直駆動回路60、水平駆動回路70、およびAD変換回路80、および出力回路90を備えているが、これは一例であり、仕様等を考慮して公知の各種構成が適宜組み合わされてよい。
【0025】
撮像素子40においては、受光領域41に配置される固体撮像素子の数や配置態様についても、適宜設定できる。複数の固体撮像素子は、隙間なく二次元配列されてよい。その際、単一の半導体ウエハに二次元配列された複数の固体撮像素子を形成してもよい。
【0026】
図4に、本実施形態の固体撮像素子を適用した撮像システムの一例を模式的に示す。図4に示す撮像システム100は、光源101を有する光源部110と、撮像センサ121を有する受光部120とを備える。光源部110は、光源101と、必要に応じて光源101から出る光の波長を整えるフィルタ等を備え、所定の波長および波長帯域(波長プロファイル)を有する出射光L1を被写体Oに向けて出射する。出射光L1が被写体Oに反射されて生じた反射光L2は、受光部120の撮像センサ121に入射する。撮像センサ121としては、本実施形態の固体撮像素子を単独または複数使用できる。
撮像システム100においては、出射光L1の波長プロファイルを1350nm~1400程度の波長帯域とすることにより、屋外で使用しても外光の影響をほとんど受けずにTOF法による測距等を好適に行うことができる。
【0027】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせなども含まれる。
【0028】
例えば、図5に示す変形例の様に、リセットトランジスタ35のドレイン32およびリセットゲート34およびが第一半導体10に設けられてもよい。この場合、第二半導体30とは単に高抵抗のゲート電極を介して容量結合しているだけであるため、振り分けられた電荷は第一半導体10内のみを移動することになる。その結果、リセット電圧等の設定の自由度が大きく、また拡散層である第二電荷蓄積部33を介したノイズの混入もなく、特性の改善が可能である。
【0029】
リセットトランジスタの構成は、図5に示すものに限られない。
図6に示す変形例のリセットトランジスタ35Aは、リセットゲート34を有さず、電圧信号発生部36を有している。電圧信号発生部36の信号により、ドレイン32の印加電圧が上昇すると、ドレイン32周辺の空乏層が第一電荷蓄積部12Aの空乏層とつながって、第一電荷蓄積部12Aの電位を、結合空乏層の電位分布できまる特性的な電圧に設定できる。すなわち、第一電荷蓄積部12Aをリセットできる。これにより、リセットゲート34のようなFETゲートを用いることなく第一電荷蓄積部の電位をリセットできる。なお、リセット動作を制御性良く行うために、各第一電荷蓄積部とドレイン32の不純物濃度に差異をもたせることも可能である。また、同じ目的で各第一電荷蓄積部とドレイン32との間に適当な不純物領域を形成することも可能である。
【0030】
図7は、固体撮像素子1Aにリセットトランジスタ35Aを設けた図である。この場合も、上述と同様の効果を得ることができる。さらに、固体撮像素子1Aは外部印加電圧により振り分け駆動を行うため、リセットトランジスタ35Aを設けると、第一半導体10に全くFETゲートが存在しない構成となる。その結果、製造プロセスを大幅に簡素化でき、製造コストを著しく低減できる。
【0031】
図8は、第一半導体10に信号電荷(第一半導体10がP型の場合は電子)を排除するドレイン構造38を付け加えた例である。ドレイン構造38は、電圧信号発生部39を有する。電圧信号発生部39から第一半導体10と逆バイアス状態となる電圧がドレイン構造38に印加されると、第一電荷蓄積部12Aの不要な電荷がドレイン構造38に排出される。その結果、不要な電荷を予め排除できて振分信号のS/N比が改善される。
【0032】
図9は、固体撮像素子1Aにドレイン構造38を付け加えた図である。この場合も、第一半導体10にFETゲートを形成する必要がない。
図8および図9のいずれにおいても、ドレイン構造38は、リセットトランジスタ35Aと組み合わせられる。この場合、ドレイン構造38とリセットトランジスタ35Aとで、一部の構造を共用してもよい。
【0033】
また、図10に示す変形例の固体撮像素子1Bのように、ゲートを介してフォトダイオード11と接続された電荷排出部18が第一半導体10に設けられてもよい。この場合、 第一半導体10にて電荷の振り分け駆動をしていない期間において、フォトダイオード11に生じた入射した光によって発生する電荷や暗電流によって発生する電荷を好適に排出できる。なお、図10においては、同一面に示すことが難しいため、一方の第一電荷蓄積部12Bおよび対応付けられた第二半導体30の各部を省略している。
【0034】
図11は、固体撮像素子1Bの転送制御手段を、p+型半導体領域15および電圧信号発生部16を有する転送制御手段17に置き換え、電荷排出部18のゲートをp+型半導体領域18aおよび電圧信号発生部18bに置き換えた例である。この場合も、第一半導体10に全くFETゲートが存在しない構成となり、上述の利点が得られる。
電荷排出部18は、リセットトランジスタやドレイン構造と組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1、1A、1B 固体撮像素子
10 第一半導体
11 フォトダイオード
12、12A、12B 第一電荷蓄積部
13 転送ゲート(転送制御手段)
17 転送制御手段
30 第二半導体
31 電位検出ノード(電位検出手段)
33 第二電荷蓄積部
35、35A リセットトランジスタ(リセット手段)
40 撮像素子
100 撮像システム
110 光源部
L1 出射光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11