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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】アシスト装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 11/00 20060101AFI20240618BHJP
   A61H 3/00 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
B25J11/00 Z
A61H3/00 B
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020090537
(22)【出願日】2020-05-25
(65)【公開番号】P2021186885
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】太田 浩充
(72)【発明者】
【氏名】大坪 和義
(72)【発明者】
【氏名】吉見 孔孝
(72)【発明者】
【氏名】新井 智樹
【審査官】尾形 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-67762(JP,A)
【文献】特開2015-50836(JP,A)
【文献】特開2010-148712(JP,A)
【文献】国際公開第2019/208846(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0130815(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0102723(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00-21/02
A61F 2/00
A61F 2/02- 2/80
A61F 3/00- 4/00
A61H 1/00- 5/00
A61H 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の肩部及び胸部の少なくとも一方に装着される第一装着具と、
前記利用者の左右の脚部それぞれ又は腰部に装着される第二装着具と、
前記第一装着具と前記第二装着具とにわたって前記利用者の背面側に沿って設けられるベルト体と、
前記第一装着具又は前記第二装着具に設けられ前記ベルト体の一部の巻き取り及び送り出しを可能とするアクチュエータと、
前記アクチュエータに電力を供給するバッテリと、
前記アクチュエータを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記バッテリの充電残量が所定の設定値まで低下すると、前記ベルト体の微少な巻き取りを間欠的に繰り返す振動動作を前記アクチュエータに行わせる振動動作処理を実行し、
前記振動動作は、前記ベルト体の巻き取り量、巻き取りの繰り返し周期、及び、巻き取りの繰り返し回数のうち少なくともいずれかが異なる複数の動作パターンを含み、
前記複数の動作パターンは、互いに異なる複数の前記所定の設定値に対応付けられ、
前記制御部は、前記振動動作処理において、複数の前記所定の設定値のうちのいずれか一の設定値まで前記バッテリの充電残量が低下すると、前記一の設定値に対応する動作パターンによる振動動作を前記アクチュエータに行わせる
アシスト装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記利用者の姿勢に応じて前記ベルト体の一部の巻き取り及び送り出しを前記アクチュエータに行わせる通常動作以外の時間帯で前記振動動作処理を実行する
請求項1に記載のアシスト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の発明は、アシスト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
利用者(人)の身体に装着され、その利用者の作業を補助するアシスト装置が様々提案されている。アシスト装置によれば、利用者は、例えば重量物を持ち上げる場合であっても、小さな力(小さな負担)で作業を行うことが可能となる。このようなアシスト装置は、例えば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-199205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているアシスト装置は、利用者に装着する金属製等のフレームを有する。そのフレームに搭載されているアクチュエータの出力が、リンク機構を通じて、利用者の上半身と下半身とに伝達される。これにより、例えば重量物を持ち上げる動作が補助される。
【0005】
利用者が補助を要する動作としては、重量物を持ち上げる等の負荷が大きい動作の他に、例えば、病人又は高齢者等の人に対して日常生活行動の援助(介助)を行う動作がある。利用者が負荷の大きい作業を行う場合、特許文献1に開示されているような高出力のアシスト装置が効果的である。
【0006】
しかし、利用者が、病人又は高齢者等の人に対する援助を行う場合、高出力のアシスト装置は過剰性能となる場合がある。また、高出力のアシスト装置では、リンク機構及び金属製等のフレームのような剛体部材が多く用いられていて、高出力を得るために、重厚な構成となっている。そのため、アシスト装置の重量が重くなり、剛体部材によって利用者の動きが制限される。
【0007】
そこで、本発明の発明者は、軽量であり装着感の良いアシスト装置を既に提案している(例えば、特願2019-043462)。そのアシスト装置は、利用者の肩部に装着される第一装着具と、利用者の左右の脚部に装着される第二装着具と、第一装着具と第二装着具とにわたって利用者の背面側に沿って設けられるベルト体と、アクチュエータとを備える。アクチュエータは、第一装着具に設けられていて、前記ベルト体の一部の巻き取り及び送り出しを可能とする。
【0008】
アクチュエータがベルト体の一部を巻き取ることで、ベルト体に張力が作用する。この張力がアシスト力となって利用者に作用する。これにより、利用者が例えば前記のとおり人に対する援助を行う際に、負担が軽減される。
【0009】
上記アシスト装置は、上述のアクチュエータの他、アクチュエータの制御装置や、アクチュエータを含む各部に電力を供給するためのバッテリを備える。
アクチュエータや、制御装置、バッテリは、利用者の上半身背面に設けられるコントロールボックス内に設けられる。
【0010】
ところで、アシスト装置の状態、特にバッテリの充電残量については、アシスト装置を装着する利用者へ報知する必要がある。
そこで、バッテリの充電残量を報知するためのインジケータを、バッテリを収容するコントロールボックスに設けることが考えられる。
しかし、コントロールボックスは利用者の背面に設けられているため、利用者がそのインジケータを確認することは困難である。
また、インジケータをコントロールボックスから独立させ、利用者が目視可能な位置にインジケータを設けることも考えられるが、コストの増加に繋がるため好ましくない。
このため、低コストでバッテリの充電残量を利用者へ適切に報知するための方策が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のアシスト装置は、利用者の肩部及び胸部の少なくとも一方に装着される第一装着具と、前記利用者の左右の脚部それぞれ又は腰部に装着される第二装着具と、前記第一装着具と前記第二装着具とにわたって前記利用者の背面側に沿って設けられるベルト体と、前記第一装着具又は前記第二装着具に設けられ前記ベルト体の一部の巻き取り及び送り出しを可能とするアクチュエータと、前記アクチュエータに電力を供給するバッテリと、前記アクチュエータを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記バッテリの充電残量が所定の設定値まで低下すると、前記ベルト体の微少な巻き取りを間欠的に繰り返す振動動作を前記アクチュエータに行わせる振動動作処理を実行する。
【0012】
前記構成を備えるアシスト装置によれば、バッテリの充電残量が所定の設定値まで低下すると、ベルト体の微少な巻き取りを間欠的に繰り返す振動動作をアクチュエータに行わせる振動動作処理を実行するので、この振動動作によって、バッテリの充電残量が所定の設定値まで低下したことを、利用者に報知することができる。
これにより、インジケータ等を設けることなく、低コストでバッテリの充電残量を利用者へ適切に報知することができる。
【0013】
上記アシスト装置において、前記振動動作は、前記ベルト体の巻き取り量、巻き取りの繰り返し周期、及び、巻き取りの繰り返し回数のうち少なくともいずれかが異なる複数の動作パターンを含み、前記複数の動作パターンは、互いに異なる複数の前記所定の設定値に対応付けられ、前記制御部は、前記振動動作処理において、複数の前記所定の設定値のうちのいずれか一の設定値まで前記バッテリの充電残量が低下すると、前記一の設定値に対応する動作パターンによる振動動作を前記アクチュエータに行わせるように構成してもよい。
この場合、バッテリの充電残量を段階的に報知することができる。
【0014】
また、上記アシスト装置において、前記制御部は、前記利用者の姿勢に応じて前記ベルト体の一部の巻き取り及び送り出しを前記アクチュエータに行わせる通常動作以外の時間帯で前記振動動作処理を実行することが好ましい。
この場合、利用者の姿勢が一定の状態である場合に、振動動作を行うことができ、利用者が姿勢を変化させつつある場合と比較して、利用者による振動動作の認識を容易とすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本開示のアシスト装置によれば、低コストでバッテリの充電残量を利用者へ適切に報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、アシスト装置の一例を示す背面図である。
図2図2は、利用者の身体に取り付けられたアシスト装置の背面図である。
図3図3は、利用者の身体に取り付けられたアシスト装置の側面図である。
図4図4は、アシスト装置が装着された利用者が前傾姿勢となった状態を示す説明図である。
図5図5は、コントロールボックス及びベルト体の説明図である。
図6図6は、アシスト装置が備える制御構成を示すブロック図である。
図7図7は、アシスト装置を装着した利用者が姿勢を変化させる場合の説明図である。
図8図8は、振動動作処理の一例を示すフローチャートである。
図9図9(a)は、第1動作バターンによる振動動作を説明するための図であり、図9(b)は、第2動作バターンによる振動動作を説明するための図である。
図10図10は、振動動作のバリエーションを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔アシスト装置10の全体構成〕
図1は、アシスト装置の一例を示す背面図である。図2は、利用者の身体に取り付けられたアシスト装置の背面図である。図3は、利用者の身体に取り付けられたアシスト装置の側面図である。図4は、アシスト装置が装着された利用者が前傾姿勢(前屈姿勢)となった状態を示す説明図である。図1に示すアシスト装置10は、利用者(人)の身体の一部である左右の肩部BSに装着される一つの第一装着具11と、その利用者の身体の他部である左右の脚部BLに装着される二つの第二装着具12とを備える。第一装着具11は、利用者の肩部BS及び胸部BBの少なくとも一方に装着されればよく、また、図示する形態以外であってもよい。本開示では、第二装着具12は、脚部BLの内の膝部BNに装着される。第二装着具12も、図示する形態以外であってもよい。
【0018】
本開示のアシスト装置10において、左右は、アシスト装置10を装着した直立姿勢にある利用者にとっての左右であり、前後は、その利用者にとっての前後であり、上下はその利用者にとっての上下である。上が利用者の頭側であり、下が利用者の足側である。
【0019】
アシスト装置10は、第一装着具11、及び左右の第二装着具12の他に、ベルト体13、アクチュエータ14、制御部15、バッテリ37、及びセンサ38を備える。
【0020】
第一装着具11は、利用者の肩部BSに装着される。一方の第二装着具12は、利用者の左の膝部BNに装着される。他方の第二装着具12は、利用者の右の膝部BNに装着される。左側の第二装着具12と右側の第二装着具12とは左右対称であるが、構成は同じである。第一装着具11と二つの第二装着具12とは、利用者の関節である腰部BWを挟んで離れる二箇所、つまり肩部BS及び脚部BLに装着される。
【0021】
第一装着具11は、柔軟性を有する布地等によって構成されている。第一装着具11は、利用者の背中に装着される背本体部21と、背本体部21と繋がる肩ベルト22及び腋ベルト23とを有する。肩ベルト22及び腋ベルト23により、背本体部21が利用者に背負われた状態となる。腋ベルト23は背本体部21と肩ベルト22とを繋いでいて、その長さが調整可能である。腋ベルト23の長さ調整により、背本体部21が利用者の背中に密着した状態となる。第一装着具11は肩部BSに対して前後、左右、及び上下方向に移動不能となって装着される。第一装着具11には、例えば、肩部BSに掛ける部分として、硬質の部材が含まれていてもよい。
【0022】
第二装着具12は、柔軟性を有する布地等によって構成されている。第二装着具12は、利用者の膝部BNの後面側に装着される膝本体部24と、膝本体部24から延びて設けられている膝ベルト25とを有する。膝ベルト25は、膝部BNの上下位置それぞれにおいて膝部BNを周回し、その先端側が膝本体部24に固定される。膝ベルト25は、ベルトとバックル、又は、面ファスナー等の係止部材により、膝部BNに対する巻き付き長さの調整が可能である。この調整により、膝本体部24が膝部BNの後面側に密着した状態となる。第二装着具12は膝部BNに対して前後、左右、及び上下方向に移動不能となって装着される。
【0023】
ベルト体13は、第一装着具11と第二装着具12とを結ぶようにして、利用者の背面側に沿って設けられている。ベルト体13は、上半身側に設けられている第一ベルト16と、下半身に設けられている第二ベルト17と、第一ベルト16と第二ベルト17とを連結している連結部材18とを有する。第一ベルト16及び第二ベルト17それぞれは、長尺であり、可撓性を有する。連結部材18は、金属製であり、「平カン」と称される矩形の環状体により構成されている。
なお、連結部材18は、平カン以外であってもよく、バックルのような留め具であってもよい。連結部材18がバックルである場合、そのバックルが有する上下のループ部(孔部)に第一ベルト16及び第二ベルト17がそれぞれ取り付けられる。連結部材18がバックルである場合、第二ベルト17を例えば洗濯する等の際に第一ベルト16から分離可能となり、利便性が高い。平カン又はバックル等からなる連結部材18は、金属製である以外に、樹脂製であってもよい。
【0024】
第一ベルト16及び第二ベルト17それぞれは、布製又は革製の帯状の部材であり、身体の形状に沿って湾曲可能である。なお、第一ベルト16及び第二ベルト17それぞれは、紐状のベルト(ワイヤーのような部材)であってもよい。本開示の第一ベルト16及び第二ベルト17それぞれは、非伸縮性の部材である、つまり、その長手方向に伸縮し難い特性又は伸縮しない特性を有する。
【0025】
本開示のアシスト装置10は、コントロールボックス30を備える。コントロールボックス30は、第一装着具11の背本体部21に設けられている。
図5は、コントロールボックス30及びベルト体13の説明図である。コントロールボックス30は、板状であるベース31と、ベース31を覆うカバー32とを有する。コントロールボックス30の内部構造を説明するために、図5ではカバー32が仮想線(二点鎖線)で示されている。ベース31が、第一装着具11の背本体部21であってもよい。
【0026】
ベース31とカバー32との間に形成される空間に、アクチュエータ14、制御部15、バッテリ37、及びセンサ38等が設けられている。カバー32には、開口(切り欠き)32aが形成されていて、この開口32aを第一ベルト16が通過している。
【0027】
アクチュエータ14は、コントロールボックス30内に設けられている。つまり、アクチュエータ14は第一装着具11に設けられている。アクチュエータ14はベルト体13の一部の巻き取り及び送り出しを可能とする。そのために、アクチュエータ14は、モータ33、減速機部34、及び駆動プーリ35を有する。
モータ33は、ブラシレスDCモータである。モータ33は、制御部15から出力される、電流指令値を含む制御命令に基づいて、所定のトルク、所定の回転数で回転することができる。モータ33は、制御部15から出力される制御命令に基づいて、正逆回転可能に制御される。つまり、モータ33は、制御部15によって電流制御される。
【0028】
モータ33の回転角度、回転速度、又は回転数等の回転に関するパラメータは、モータ33に取り付けられている回転検出器36によって検出される。本開示の回転検出器36は、ロータリエンコーダであるが、ホールセンサ又はレゾルバであってもよい。回転検出器36の検出結果は、制御部15に入力される。制御部15は、前記検出結果に基づいてモータ33の動作を制御することで、アシスト装置10は適切なアシスト力を生じさせることができる。
【0029】
減速機部34は、複数の歯車により構成されていて、モータ33の回転数を減速して、減速機部34の出力軸34aを回転させる。出力軸34aに駆動プーリ35が連結されていて、これらは一体回転する。駆動プーリ35には、第一ベルト16の一端部16a側が取り付けられている。モータ33の正回転により、駆動プーリ35が一方向に回転すると、第一ベルト16が駆動プーリ35に巻き取られる。モータ33の逆回転により、駆動プーリ35が他方向に回転すると、駆動プーリ35から第一ベルト16が送り出される。
【0030】
このように、アクチュエータ14は、ベルト体13を巻き取り可能である駆動プーリ35、及び、駆動プーリ35にベルト体13の巻き取り動作をさせるためのモータ33を有する。第一ベルト16が、アクチュエータ14により巻き取り及び送り出しされる。
【0031】
制御部15は、マイクロコンピュータを含む制御ユニットにより構成されている。制御部15は、アクチュエータ14(モータ33)の動作を制御する機能を有する。
前記センサ38には、3軸加速度センサが用いられる。センサ38の信号は制御部15へ与えられる。制御部15はセンサ38からの信号に基づいて利用者の姿勢を推定することが可能となる。
バッテリ37は、制御部15、モータ33、回転検出器36、及びセンサ38に電力を供給する。バッテリ37は、例えば、リチウムイオン電池等の二次電池である。
センサ38は、コントロールボックス30の外部に設けられていてもよい。
【0032】
ベルト体13は、前記のとおり、第一ベルト16と第二ベルト17と連結部材18とを有する。第一ベルト16の一端部16a側が、駆動プーリ35に巻かれて固定されている。第一ベルト16の他端部16b側が、連結部材18に固定されている。駆動プーリ35に第一ベルト16が巻き取られると、連結部材18は引き上げられる。連結部材18が強制的に引き下げられると、駆動プーリ35から第一ベルト16が巻き出される(引き出される)。駆動プーリ35における第一ベルト16の巻き取り量又は巻き出し量(引き出し量)と、モータ33の出力軸の回転量との間には相関がある。ベルト体13の巻き取り又は巻き出しに伴うモータ33の回転に関するパラメータが、回転検出器36によって検出される。
【0033】
〔センサ38及び制御部15について〕
図5において、センサ38は、上述のように、3軸加速度センサにより構成されている。制御部15は、各種の演算処理を実行可能である。センサ38からの信号を制御部15が演算処理することで、利用者の動作及び姿勢を検出することができる。センサ38は、利用者の姿勢に応じた信号を出力する構成を有し、利用者の姿勢を検出するための姿勢検出器として機能する。制御部15は、センサ38からの出力に基づいて、例えば、利用者の上半身の姿勢が前傾姿勢にあるのか直立姿勢にあるのかの状態を検出したり、しゃがんだ状態となったことを検出したりできる。
【0034】
また、モータ33による駆動プーリ35でのベルト体13の巻き取り量及び送り出し量と、利用者の姿勢とは相関がある。このため、回転検出器36が検出するモータ33の回転角に基づいて、制御部15は利用者の姿勢を推定することができる。
【0035】
制御部15は、センサ38及び回転検出器36の一方又は双方からの信号を処理する。制御部15は、その処理の結果、つまり、利用者の姿勢に応じて、アクチュエータ14(モータ33)へ電流指令値を含む制御命令を出力する。制御命令に基づいて、アクチュエータ14(モータ33)は動作し、ベルト体13の巻き取り及び送り出し、並びに、その一時停止等が行われる。
【0036】
ここで、制御部15が回転検出器36の信号を用いてアクチュエータ14(モータ33)の動作制御を行う場合の各部の動作態様について説明する。
アシスト装置10が利用者に装着された状態で、制御部15の制御により、常時、モータ33は、アシスト力を発生させる場合と比べて弱い力でベルト体13を巻き取る方向に動作していて(トルクを発生させていて)、ベルト体13に弱い張力を生じさせている。これにより、ベルト体13が緩まない。
【0037】
利用者が姿勢を変化させると、例えば、直立姿勢から前傾姿勢になると、ベルト体13にはその姿勢の変化に起因して張力が生じる。そこで、この場合、前傾姿勢となるように姿勢変化を開始すると、アクチュエータ14の動力によらず、ベルト体13の張力によりモータ33を強制的に回転させて(モータ33は空転して)、ベルト体13は巻き出される。又は、前傾姿勢となるように姿勢変化を開始すると、アクチュエータ14は動作して、つまり、モータ33を回転駆動して、ベルト体13を送り出す。
【0038】
反対に、利用者が前傾姿勢から直立姿勢になると、ベルト体13はその姿勢の変化に起因して緩もうとする。そこで、この場合、直立姿勢となるように姿勢変化を開始すると、ベルト体13に作用する張力を維持するために、アクチュエータ14は動作して、つまり、モータ33を回転駆動して、ベルト体13を巻き取る。
【0039】
このように、利用者の姿勢変更により、ベルト体13の巻き取り又は送り出しがされる。この巻き取り又は送り出しでは、能動的に又は受動的にモータ33が所定の回転角について回転する。この際の回転角が、回転検出器36によって検出される。このように、利用者の姿勢変更によるベルト体13の巻き取り又は送り出しの際のアクチュエータ14(モータ33)の動作量が、回転検出器36によって検出される。
そして、制御部15が、利用者の姿勢変更によるベルト体13の巻き取り又は送り出しの際のアクチュエータ14の動作量(モータ33の回転角)を取得し、その動作量に基づいて、その利用者の姿勢を示す姿勢パラメータを求め、その姿勢パラメータに基づいて、利用者にアシスト力を付与するためにアクチュエータ14の動作の制御を行うことができる。
以上のように、制御部15は、回転検出器36の信号を用いてアクチュエータ14(モータ33)の動作制御を行う。
【0040】
図6は、アシスト装置10が備える制御構成を示すブロック図である。
制御部15には、回転検出器36、及びセンサ38が接続されている。制御部15は、これら各部を制御するとともに、回転検出器36、及びセンサ38からの出力を取得する。
【0041】
制御部15は、マイクロコンピュータを含む制御ユニットにより構成されており、演算処理ユニット(CPU)15a及びメモリ等の記憶装置(記憶部)15bを備える。CPU15aは、記憶装置15bに記憶されている各種プログラム及び各種パラメータ等に基づいて、種々の演算処理を実行する。本開示の制御部15は、CPU15aによる演算処理によって実現される機能部として、算出部42aと、振動動作処理部42bとを備える。 制御部15は、更に、モータ33の動作制御を行う駆動回路(モータドライバ)15cを含む。駆動回路15cは、バッテリ37から与えられる電流をモータ33へ与えモータ33を駆動するインバータや、このインバータを制御するための回路等を含む。
前記の各機能部と駆動回路15cとが協働することでモータ33は所定の動作を実行する。
【0042】
また、バッテリ37から駆動回路15cへ電力を供給するための供給線路43には、バッテリ37を駆動回路15c及び充電端子44のいずれか一方に接続する切替スイッチ45と、バッテリ37に充放電される電流を測定するための電流センサ46と、バッテリ37の端子間電圧を測定する電圧センサ47とが設けられている。
充電端子44には、バッテリ37へ電力を充電する充電回路等を接続するための充電カプラ(図示省略)が接続される。
切替スイッチ45は、CPU15aによる命令に従ってバッテリ37の接続先を駆動回路15c及び充電端子44のいずれかに切り替える。
【0043】
アシスト装置10が利用者によって使用中の場合においては、CPU15aはバッテリ37の接続先を駆動回路15cに切り替える。また、バッテリ37の充電を行う場合においては、CPU15aはバッテリ37の接続先を充電端子44に切り替える。CPU15aは、利用者の操作入力によってバッテリ37の接続先を切り替える。また、CPU15aは、充電カプラが接続されている場合、充電が行われると判定し、バッテリ37の接続先を充電端子44に切り替える。
電流センサ46及び電圧センサ47は、制御部15に接続されている。電流センサ46及び電圧センサ47の出力は、制御部15へ与えられる。
制御部15が機能的に有する算出部42a及び振動動作処理部42bについては、後に説明する。
【0044】
〔アシスト装置10によるアシスト力について〕
図7は、前記アシスト装置10を装着した利用者が姿勢を変化させる場合の説明図である。この姿勢の変化に対して、アシスト装置10は、利用者にアシスト力を付与することができる。
【0045】
アクチュエータ14のモータ33によって第一ベルト16が駆動プーリ35に巻き取られると、連結部材18は第二ベルト17をアクチュエータ14側、つまり、上側に引き上げる。第二ベルト17は、その両端部17a,17dが左右の第二装着具12に取り付けられている。第二装着具12は膝部BNに固定されている。このため、第一ベルト16が駆動プーリ35に巻き取られると、第一ベルト16及び第二ベルト17に張力が作用する。この張力が、利用者に対するアシスト力(補助力)として作用する。
【0046】
利用者が直立姿勢から前傾姿勢となる場合について説明する。前傾姿勢となるように姿勢変化を開始すると、アクチュエータ14はベルト体13を送り出す。又は、アクチュエータ14の動力によらず、ベルト体13は巻き出される。これにより、利用者は無理なく、前傾姿勢となることができる。鉛直線に対する利用者の上半身の前傾角度がθLになり、利用者がその前傾角度θLで停止すると、ベルト体13の送り出し(巻き出し)が停止される。なお、姿勢変化の開始及び終了は、回転検出器36又はセンサ38によって検出可能である。
【0047】
利用者が前傾姿勢から直立姿勢になる方向に姿勢変化を開始すると、アクチュエータ14はベルト体13を巻き取る。これにより、ベルト体13には張力が生じる。この張力により、第一装着具11には、後方へ向かう作用力F1が生じる。つまり、前傾姿勢の利用者の上半身を起き上がらせる方向の作用力F1が生じる。また、これと同時に、第二ベルト17は、その張力により、利用者の左臀部及び右臀部を前方に押し出す作用力F2が生じる。これにより、利用者は前傾姿勢から直立姿勢に楽に復帰することが可能となる。
【0048】
利用者が前傾姿勢の状態を維持する場合にも、本開示のアシスト装置10によれば、その姿勢を容易に維持させることが可能となる。つまり、図7の右側の図に示すように、利用者が第一の前傾姿勢となった状態で、アクチュエータ14の動作は停止し、ベルト体13の送り出しを不能とする。利用者は更に前傾姿勢(第二の前傾姿勢)となろうとしても、第一装着具11と第二装着具12とを繋ぐベルト体13の張力によって、第二の前傾姿勢をとることができない。つまり、アシスト装置10は、利用者の第一の前傾姿勢を維持させようとする。利用者にとっては、第一の前傾姿勢を維持することが容易となる。この結果、例えば、長時間、利用者が作業のために第一の前傾姿勢を継続する場合に、身体の負担が小さくなる。
【0049】
〔振動動作処理について〕
上述のように、制御部15は、算出部42aと、振動動作処理部42bとを機能的に有する。
算出部42aは、電流センサ46及び電圧センサ47の出力に基づいてバッテリ37の充電残量としてSOC(State Of Charge)を算出する機能を有する。
算出部42aは、電流センサ46の出力から、バッテリ37から放電される放電電流と、バッテリ37へ充電される充電電流とを検出し、充電量と放電量とを積算することでSOCを求める。
【0050】
振動動作処理部42bは、算出部42aが算出するバッテリ37のSOCに応じて、振動動作処理を実行する機能を有する。
振動動作処理とは、バッテリ37のSOCが所定の設定値まで低下すると、ベルト体13の微少な巻き取りを間欠的に繰り返してベルト体13を振動させる振動動作をアクチュエータ14に行わせる処理である。
なお、ベルト体13の微少な巻き取りとは、通常動作における巻き取り量よりも少ない巻き取り量であり、例えば、数ミリ又は数センチ程度である。
【0051】
図8は、振動動作処理の一例を示すフローチャートである。
図8に示すように、制御部15の振動動作処理部42bは、アクチュエータ14が通常動作中であるか否かを判定する(ステップS1)。
通常動作とは、利用者の姿勢に応じてアクチュエータ14が駆動プーリ35を回転させ、ベルト体13の巻き取り及び送り出しを行う動作である。よって、通常動作中である場合、アクチュエータ14が駆動プーリ35を一定の方向へ回転させている最中をいう。
よって、通常動作中でない場合とは、利用者の姿勢が一定であることから、駆動プーリ35がほとんど回転していない場合をいう。
【0052】
アクチュエータ14が通常動作中であると判定する場合、振動動作処理部42bは、ステップS1を繰り返す。
一方、アクチュエータ14が通常動作中でないと判定する場合、振動動作処理部42bは、ステップS2へ進み、バッテリ37のSOCが第1設定値以下か否かを判定する(ステップS2)。第1設定値は、例えば、50%である。
ステップS2において、バッテリ37のSOCが第1設定値以下でない(第1設定値より大きい)と判定する場合、振動動作処理部42bは、ステップS1へ戻る。
バッテリ37のSOCが第1設定値以下であると判定する場合、振動動作処理部42bは、ステップS3へ進み、バッテリ37のSOCが第2設定値以下か否かを判定する(ステップS3)。第2設定値は、第1設定値よりも低い値であり、例えば、20%である。
ステップS3において、バッテリ37のSOCが第2設定値以下でない(第2設定値より大きい)と判定する場合、振動動作処理部42bは、ステップS4へ進み、第1動作パターンによる振動動作をアクチュエータ14に実行させる(ステップS4)。
【0053】
図9(a)は、第1動作バターンによる振動動作を説明するための図である。
図9(a)中、縦軸は、ベルト体13の巻き取り量である。振動動作を行う場合、通常動作中でないため、駆動プーリ35は通常動作において必要な回転量ほど回転しない。よって、図9(a)では、ほぼ停止状態にある現状の駆動プーリ35の位置に基づくベルト体13の位置を基準位置とし、基準位置に対する巻き取り量を示している。横軸は時間を示している。
【0054】
図9(a)に示すように、第1動作パターンにおいて、振動動作は、巻き取りを一定の繰り返し周期p1で間欠的に所定回数繰り返す動作である。第1動作パターンにおいては、振動動作は周期T1で繰り返される。
第1動作パターンでは、振動動作におけるベルト体13の巻き取り量はa1である。
振動動作処理部42bは、ベルト体13の巻き取り量がa1となるように巻き取り動作を間欠的に繰り返し行う。振動動作処理部42bは、巻き取り動作の後に、巻き取り量a1と同じ量だけベルト体13が送り出されるようにアクチュエータ14を制御する。よって、連続する巻き取り動作同士の間では、ベルト体13は、巻き取り量a1と同じ量だけ送り出される。よって、第1動作パターンにおける振動動作は、基準位置を維持した状態で行われる。
また、振動動作に含まれる巻き取りの繰り返し回数は5である。
これらパラメータは、振動動作で生じるベルト体13の振動が利用者によって認識することができるような値に設定される。
振動動作処理部42bは、ステップS4において、上記のような第1動作パターンによる振動動作をアクチュエータ14に実行させる。
【0055】
ステップS4に進む場合、バッテリ37のSOCは、第1設定値以下でありかつ第2設定値よりも大きい。
つまり、振動動作処理部42bは、バッテリ37のSOCが、第1設定値以下でありかつ第2設定値よりも大きい場合において、第1動作パターンによる振動動作をアクチュエータ14に実行させる(ステップS4)。
ステップS3において、バッテリ37のSOCが第2設定値以下であると判定する場合、振動動作処理部42bは、ステップS5へ進み、第2動作パターンによる振動動作をアクチュエータ14に実行させる(ステップS5)。
【0056】
図9(b)は、第2動作バターンによる振動動作を説明するための図である。
図9(b)中、縦軸及び横軸は、図9(a)と同様、ベルト体13の巻き取り量及び時間を示している。
【0057】
図9(b)に示すように、第2動作パターンにおいて、振動動作は、巻き取りを一定の繰り返し周期p2で間欠的に所定回数繰り返す動作である。第2動作パターンにおける振動動作は、周期T1よりも大きい周期T2で繰り返される。
第2動作パターンにおいても、振動動作処理部42bは、巻き取り動作の後に、巻き取り量a2と同じ量だけベルト体13が送り出されるようにアクチュエータ14を制御する。
【0058】
第2動作パターンにおける、ベルト体13の巻き取り量a2は、第1動作パターンにおける巻き取り量a1と同じである。
第2動作パターンの振動動作における巻き取りの繰り返し周期p2は、第1動作パターンにおける巻き取りの繰り返し周期p1と同じである。
第2動作パターンの振動動作に含まれる巻き取りの繰り返し回数は10であり、第1動作パターンの振動動作に含まれる巻き取りの繰り返し回数5よりも大きい値に設定される。よって、第2動作パターンにおいては、一回の振動動作の時間が第1動作パターンよりも長くなる。
振動動作処理部42bは、ステップS5において、上記のような第2動作パターンによる振動動作をアクチュエータ14に実行させる。
【0059】
ステップS5に進む場合、バッテリ37のSOCは、第2設定値以下である。
つまり、振動動作処理部42bは、バッテリ37のSOCが、第2設定値以下である場合において、第2動作パターンによる振動動作をアクチュエータ14に実行させる(ステップS5)。
【0060】
このように、本実施形態では、振動動作には、振動動作に含まれる巻き取りの繰り返し回数が異なる複数の動作パターン(第1動作パターン及び第2動作パターン)が含まれている。第1動作パターンによる振動動作は、第1設定値以下となったときに実行され、第2動作パターンによる振動動作は、第2設定値以下となったときに実行される。つまり、各動作パターンは、互いに異なる設定値に対応付けられている。
ステップS4及びステップS5において、予め設定された回数だけ振動動作を繰り返すと、振動動作処理部42bは、ステップS1へ戻り、再度、処理を繰り返す。
【0061】
上記構成のアシスト装置10によれば、バッテリの充電残量を示すSOCが所定の設定値である第1設定値まで低下すると、ベルト体13の微少な巻き取りを間欠的に繰り返す振動動作をアクチュエータ14に行わせる振動動作処理を実行するので、この振動動作によって、バッテリ37のSOCが第1設定値まで低下したことを、利用者に報知することができる。
これにより、インジケータ等を設けることなく、低コストでバッテリ37の充電残量を利用者へ適切に報知することができる。
【0062】
また、本実施形態では、第1動作パターンは第1設定値に対応付けられ、第2動作パターンは第2設定値に対応付けられ、振動動作処理部42bは、バッテリ37のSOCが第1設定値まで低下すると、第1設定値に対応する第1動作パターンによる振動動作をアクチュエータ14に行わせ、バッテリ37のSOCが第2設定値まで低下すると、第2設定値に対応する第2動作パターンによる振動動作をアクチュエータ14に行わせるので、バッテリ37のSOCを段階的に報知することができる。
よって、利用者は、バッテリ37のSOCをより詳細に認識することができる。
【0063】
また、本実施形態では、通常動作中でない場合に、振動動作をアクチュエータ14に行わせるので、利用者の姿勢が一定の状態である場合に、振動動作を行うことができ、利用者が姿勢を変化させつつある場合と比較して、利用者による振動動作の認識を容易とすることができる。
【0064】
〔その他〕
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。
例えば、上記実施形態では、バッテリ37の充電残量としてSOCを用いた場合を例示したが、電流センサ46によって検出される電流値を積算することで得られるバッテリ37の充電残量をそのまま用いてもよい。
また、上記実施形態では、SOCに対する設定値を2つ設定した場合を例示したが、第1設定値又は第2設定値のいずれかのみを設定するように構成してもよいし、SOCに対する設定値を3つ以上設定してもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、第1動作パターンと第2動作パターンとの間において、振動動作の巻き取り量と、巻き取りの繰り返し周期とが同じであり、振動動作に含まれる巻き取りの繰り返し回数が異なる場合を例示したが、第1動作パターンと第2動作パターンとの間において、これらパラメータのうち少なくともいずれかが異なっていればよい。また、振動動作の周期を異ならせるように設定してもよい。
また、SOCに対する設定値をより多く設定した場合、これらパラメータを異ならせることで、各設定値に対して固有の動作パターンを対応付けて設定することができる。
【0066】
また、上記実施形態では、振動動作において、巻き取り動作の後に、巻き取り量と同じ量だけベルト体13が送り出されるように構成した場合を例示したが、巻き取り動作の後に、ベルト体13を送り出さず、その位置を維持するようにしてもよい。
例えば、図10に示す振動動作では、巻き取りを繰り返し周期p3で間欠的に繰り返している。各巻き取り動作の後において、ベルト体13が送り出されないので、各巻き取り動作間においてベルト体13はその位置を維持し、周期p3で巻き取り動作を繰り返している。よって、この場合の振動動作では、ベルト体13の巻き取り量は徐々に増加する。
この場合においても、ベルト体13を振動させることができ、バッテリ37のSOCを振動動作によって利用者に報知することができる。
【0067】
本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0068】
10 :アシスト装置 11 :第一装着具 12 :第二装着具
13 :ベルト体 14 :アクチュエータ 15 :制御部
37 :バッテリ 42b :振動動作処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10