(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20240618BHJP
G03G 21/20 20060101ALI20240618BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
G03G21/16 109
G03G21/20
G03G21/00 530
(21)【出願番号】P 2020096129
(22)【出願日】2020-06-02
【審査請求日】2023-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100127797
【氏名又は名称】平田 晴洋
(72)【発明者】
【氏名】ブイ ダン ロン
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-185896(JP,A)
【文献】特開2013-137421(JP,A)
【文献】特開2001-022151(JP,A)
【文献】特開2004-272089(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0304855(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/00
13/34-15/00
15/36
21/00-21/02
21/14-21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向及び第1水平方向に延び、第1開口部が形成された側壁部と、前記側壁部の上端縁に接続される天面部と当該天面部より凹没し前記第1水平方向と直交する第2水平方向に延びる排紙部とを有する上壁部と、前記排紙部における前記第2水平方向の前記側壁部寄りの一方側とは反対の他方側の端縁から上方側に延びて前記天面部に接続され、第2開口部が形成された段壁部と、を有する筐体と、
前記筐体内において前記第1開口部に面して配置され、前記第1水平方向及び前記第2水平方向に延び、シートが載置されるシート載置部と、
前記筐体内において前記シート載置部の上方且つ前記第2水平方向の前記他方側に配置され、前記シートに画像を形成するための感光体ドラムを含む画像形成ユニットと、
前記筐体内において前記シート載置部の上方側であって前記第1開口部よりも上方の位置であり、且つ前記画像形成ユニットの前記第2水平方向の前記一方側に、当該画像形成ユニットとの間に所定の第1隙間を有して配置され、前記感光体ドラムに光を照射する露光ユニットと、
前記筐体内において前記画像形成ユニットの上方側であり、且つ前記段壁部の前記第2水平方向の前記他方側に、当該画像形成ユニットとの間に所定の第2隙間を有して配置され、前記シートの画像を加熱して定着させる定着ユニットと、を備え、
前記第1隙間及び前記第2隙間は、前記第1開口部を通じて前記筐体内に流入する外気の通過を許容する隙間幅に設定され、前記外気を前記第2開口部へ流通させる通気路を構成
し、
前記筐体内において前記シート載置部の前記第2水平方向の前記他方側に配置され、前記シート載置部に載置された前記シートの搬送経路を形成する搬送ガイド壁と、
前記筐体内において前記シート載置部の上方且つ前記搬送ガイド壁の前記第2水平方向の前記一方側に、前記画像形成ユニットの下方側に隣接して配置され、前記シート載置部に載置された前記シートを前記搬送経路へ送り出す搬送ユニットと、
前記筐体内において前記定着ユニットと前記段壁部との間に配置され、前記定着ユニットによる画像定着後の前記シートを前記第2開口部から前記排紙部へ排出する排出ユニットと、を更に備え、
前記第1隙間の隙間幅は、前記搬送ユニットと前記搬送ガイド壁との間の隙間幅よりも広くなるように設定され、
前記第2隙間の隙間幅は、前記排出ユニットと前記段壁部との間の隙間幅よりも広くなるように設定されている、画像形成装置。
【請求項2】
前記定着ユニットは、定着部材と、当該定着部材を収容する定着収容空間を有する定着ハウジングとを含み、
前記排出ユニットは、前記第2開口部に面して配置される排出部材と、前記定着ハウジングに隣接して配置されて前記排出部材を下方側から支持する、排出支持内部空間を有する排出ハウジングとを含み、
前記定着ハウジングは、前記定着収容空間と前記排出ハウジングの前記排出支持内部空間とを連通する定着側連通開口を有し、
前記排出ハウジングは、前記排出支持内部空間と前記第2開口部とを連通する排出側連通開口を有し、
前記定着側連通開口と前記排出側連通開口とは、前記第2隙間を通過した前記外気を前記第2開口部へ流通させる開口として前記通気路を構成する、請求項
1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のユニットが筐体内に配置されてなる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シートに画像を形成する画像形成装置として、画像形成ユニットや露光ユニット、定着ユニットなどの複数のユニットが筐体内に配置された構成のものが知られている。この種の画像形成装置は、各ユニットの駆動に伴って生じる熱によって、筐体内の温度が上昇する。
【0003】
特許文献1には、筐体内の過度の温度上昇を防止するための機構として、冷却ファン及びダクトを備える画像形成装置が開示されている。当該技術では、冷却ファンの駆動によって筐体内の空気を吸引し、冷却ファンから吹き出される空気をダクトによって筐体外へ排気させることにより、筐体内を冷却する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術の画像形成装置の構成では、冷却ファン及びダクトを設置するスペースが必要であるから、装置の小型化を図ることが困難である。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数のユニットが筐体内に配置されてなる画像形成装置において、筐体内の効果的な冷却が可能であると共に、装置の小型化を図ることが可能な画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、上下方向及び第1水平方向に延び、第1開口部が形成された側壁部と、前記側壁部の上端縁に接続される天面部と当該天面部より凹没し前記第1水平方向と直交する第2水平方向に延びる排紙部とを有する上壁部と、前記排紙部における前記第2水平方向の前記側壁部寄りの一方側とは反対の他方側の端縁から上方側に延びて前記天面部に接続され、第2開口部が形成された段壁部と、を有する筐体と、前記筐体内において前記第1開口部に面して配置され、前記第1水平方向及び前記第2水平方向に延び、シートが載置されるシート載置部と、前記筐体内において前記シート載置部の上方且つ前記第2水平方向の前記他方側に配置され、前記シートに画像を形成するための感光体ドラムを含む画像形成ユニットと、前記筐体内において前記シート載置部の上方側であって前記第1開口部よりも上方の位置であり、且つ前記画像形成ユニットの前記第2水平方向の前記一方側に、当該画像形成ユニットとの間に所定の第1隙間を有して配置され、前記感光体ドラムに光を照射する露光ユニットと、前記筐体内において前記画像形成ユニットの上方側であり、且つ前記段壁部の前記第2水平方向の前記他方側に、当該画像形成ユニットとの間に所定の第2隙間を有して配置され、前記シートの画像を加熱して定着させる定着ユニットと、を備える。そして、前記第1隙間及び前記第2隙間は、前記第1開口部を通じて前記筐体内に流入する外気の通過を許容する隙間幅に設定され、前記外気を前記第2開口部へ流通させる通気路を構成する。
【0008】
この画像形成装置によれば、第1開口部が形成された前壁部と第2開口部が形成された段壁部とを含む筐体内に複数のユニットが配置されてなる。筐体内においては、第1開口部に面してシート載置部が配置され、シート載置部の上方且つ第2水平方向他方側に画像形成ユニットが配置される。そして、画像形成ユニットの第2水平方向一方側であって第1開口部よりも上方且つシート載置部の上方側に露光ユニットが配置され、画像形成ユニットの上方側であって段壁部の第2水平方向他方側に定着ユニットが配置される。この際、露光ユニットは、画像形成ユニットとの間に第1隙間を有して配置され、定着ユニットは、画像形成ユニットとの間に第2隙間を有して配置される。第1隙間及び第2隙間は、第1開口部を通じて筐体内に流入する外気の通過を許容する隙間幅に設定され、前記外気を第2開口部へ流通させる通気路を構成する。
【0009】
これにより、第1開口部を通じて筐体内に流入した外気は、露光ユニットとシート載置部に載置されたシートとの間を流れて第1隙間を通過し、第1隙間の通過後に画像形成ユニットに沿うように流れる。画像形成ユニットに沿うように流れる外気は、第2隙間を通過し、第2隙間の通過後に定着ユニットを経由して第2開口部へ向かって流れる。このような、第1開口部を通じて筐体内に流入した外気の流れによって、筐体内に配置された露光ユニット、画像形成ユニット及び定着ユニットなどの各ユニットの効果的な冷却が可能である。このため、筐体内を冷却するための冷却ファン及びダクトを設置する必要がないから、画像形成装置の小型化を図ることが可能となる。
【0010】
上記の画像形成装置は、前記筐体内において前記シート載置部の前記第2水平方向の前記他方側に配置され、前記シート載置部に載置された前記シートの搬送経路を形成する搬送ガイド壁と、前記筐体内において前記シート載置部の上方且つ前記搬送ガイド壁の前記第2水平方向の前記一方側に、前記画像形成ユニットの下方側に隣接して配置され、前記シート載置部に載置された前記シートを前記搬送経路へ送り出す搬送ユニットと、前記筐体内において前記定着ユニットと前記段壁部との間に配置され、前記定着ユニットによる画像定着後の前記シートを前記第2開口部から前記排紙部へ排出する排出ユニットと、を更に備える構成であってもよい。そして、前記第1隙間の隙間幅は、前記搬送ユニットと前記搬送ガイド壁との間の隙間幅よりも広くなるように設定され、前記第2隙間の隙間幅は、前記排出ユニットと前記段壁部との間の隙間幅よりも広くなるように設定されている。
【0011】
この態様では、第1隙間の隙間幅が、搬送ユニットと搬送ガイド壁との間の隙間幅よりも広くなるように設定される。これにより、第1開口部を通じて筐体内に流入し、露光ユニットとシート載置部に載置されたシートとの間を流れる外気は、搬送ユニットと搬送ガイド壁との間への通過が規制され、主として第1隙間を通過する。また、第2隙間の隙間幅が、排出ユニットと段壁部との間の隙間幅よりも広くなるように設定される。これにより、第1隙間の通過後に画像形成ユニットに沿うように流れる外気は、排出ユニットと段壁部との間への通過が規制され、主として第2隙間を通過する。
【0012】
上記の画像形成装置において、前記定着ユニットは、定着部材と、当該定着部材を収容する定着収容空間を有する定着ハウジングとを含み、前記排出ユニットは、前記第2開口部に面して配置される排出部材と、前記定着ハウジングに隣接して配置されて前記排出部材を下方側から支持する、排出支持内部空間を有する排出ハウジングとを含み、前記定着ハウジングは、前記定着収容空間と前記排出ハウジングの前記排出支持内部空間とを連通する定着側連通開口を有し、前記排出ハウジングは、前記排出支持内部空間と前記第2開口部とを連通する排出側連通開口を有し、前記定着側連通開口と前記排出側連通開口とは、前記第2隙間を通過した前記外気を前記第2開口部へ流通させる開口として前記通気路を構成する構成であってもよい。
【0013】
この態様では、第1開口部を通じて筐体内に流入して第1隙間及び第2隙間を通過した外気は、定着ハウジングの定着収容空間を経由して定着側連通開口から排出ハウジングの排出支持内部空間に流入する。排出支持内部空間に流入した外気は、当該排出支持内部空間から排出側連通開口を通じて流出して、第2開口部から筐体外へ排気される。このような、第1開口部を通じて筐体内に流入した外気の流れによって、筐体内の効果的な冷却が可能である。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、複数のユニットが筐体内に配置されてなる画像形成装置において、筐体内の効果的な冷却が可能であると共に、装置の小型化を図ることが可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す斜視図である。
【
図2】画像形成装置の内部構造を模式的に示す断面図である。
【
図3】画像形成装置において筐体内に配置される搬送ユニット、画像形成ユニット及び露光ユニットの近傍を拡大して示す断面図である。
【
図4】画像形成装置において筐体内に配置される画像形成ユニット、定着ユニット及び排出ユニットの近傍を拡大して示す断面図である。
【
図5】画像形成装置において筐体内に配置される排出ユニットの近傍を拡大して示す斜視図である。
【
図6】画像形成装置において筐体内に配置される排出ユニットの近傍を拡大して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態に係る画像形成装置について、図面に基づいて説明する。以下の説明では、方向関係については、上下方向、左右方向及び前後方向を用いる。上下方向は鉛直方向を示し、左右方向は上下方向に垂直な水平面上の第1水平方向を示し、前後方向は水平面上で左右方向と直交する第2水平方向を示す。また、前後方向の前方側は、第2水平方向の一方側に相当し、前後方向の後方側は、第2水平方向の一方側とは反対の他方側に相当する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1を示す斜視図である。
図2は、画像形成装置1の内部構造を模式的に示す断面図である。
図1及び
図2に示される画像形成装置1は、いわゆるモノクロプリンターであるが、他の実施形態において、画像形成装置1は、カラープリンター、ファクシミリ装置、これらの機能を備える複合機やトナー画像をシートに形成するための他の装置であってもよい。
【0018】
画像形成装置1は、筐体2内に複数のユニットが配置されてなる装置である。筐体2は、前後方向に互いに対向する前壁部21及び後壁部24と、上下方向に互いに対向する上壁部22及び下壁部25と、左右方向に互いに対向する左壁部26及び右壁部27と、段壁部23と、を有し、全体として矩形箱形に形成される。上壁部22は、左右方向及び前後方向に延びる矩形板状に形成され、筐体2の上面を規定する壁部である。下壁部25は、左右方向及び前後方向に延びる矩形板状に形成され、筐体2の下面を規定する壁部である。前壁部21は、上下方向及び左右方向に延びる矩形板状に形成され、上壁部22及び下壁部25の前方側の端縁同士を接続し、筐体2の前面を規定する側壁部である。後壁部24は、上下方向及び左右方向に延びる矩形板状に形成され、上壁部22及び下壁部25の後方側の端縁同士を接続し、筐体2の後面を規定する側壁部である。左壁部26は、上下方向及び左右方向に延びる矩形板状に形成され、上壁部22及び下壁部25の左方側の端縁同士を接続し、筐体2の左面を規定する側壁部である。右壁部27は、上下方向及び左右方向に延びる矩形板状に形成され、上壁部22及び下壁部25の右方側の端縁同士を接続し、筐体2の右面を規定する側壁部である。
【0019】
前壁部21は、上下方向の中央よりも下方側に、左右方向の両端部間にわたって開口する第1開口部211を有する。この第1開口部211を通じて、筐体2内に対するシートSの出し入れが可能である。なお、前壁部21には、第1開口部211を開閉可能な開閉トレイ212が支持されている。筐体2内に配置される後記の複数のユニットによってシートSに画像が形成されるときには、開閉トレイ212が第1開口部211を開放した状態とされる。
【0020】
上壁部22は、前壁部21、後壁部24、左壁部26及び右壁部27の各上端縁に接続される天面部220と、当該天面部220より凹没し前後方向に延びる排紙部221と、を有する。排紙部221は、前壁部21の上端縁の左右方向の中央部位から前後方向の後方側に向かうに従い下方側に傾斜した傾斜面からなる。段壁部23は、排紙部221における前壁部21寄りの前方側とは反対の後方側の端縁から上方側に延びて天面部220に接続される壁部である。段壁部23は、左右方向の両端部間にわたって開口する第2開口部231を有する。筐体2内に配置される複数のユニットによって画像が形成されたシートSは、第2開口部231から排紙部221へ排出される。
【0021】
画像形成装置1は、筐体2内に配置される構造体として、シート載置部3、搬送ガイド部4、搬送ユニット5、画像形成ユニット6、露光ユニット7、定着ユニット8及び排出ユニット9を備える。
【0022】
シート載置部3は、筐体2内において第1開口部211に面するように、下壁部25上に配置される。シート載置部3は、左右方向及び前後方向に延びる矩形板状の載置板を有し、当該載置板上に、第1開口部211を通じて筐体2内に導入されたシートSが載置される。
【0023】
搬送ガイド部4は、筐体2内においてシートSの搬送経路を形成する。搬送ガイド部4は、第1搬送ガイド壁41と、第2搬送ガイド壁42と、第3搬送ガイド壁43とを含む。
【0024】
第1搬送ガイド壁41は、筐体2内においてシート載置部3の後方側に配置されるように、下壁部25の前後方向の後方側の部位から後壁部24の上下方向の中央部位まで湾曲して延びる壁部によって構成される搬送ガイド壁である。第1搬送ガイド壁41は、シート載置部3に載置されたシートSの、後記の画像形成ユニット6の感光体ドラム622に至るまでの搬送をガイドする第1搬送経路411を形成する。第2搬送ガイド壁42は、筐体2内において画像形成ユニット6と定着ユニット8との間に配置されるように、後壁部24に設けられる搬送ガイド壁である。第2搬送ガイド壁42は、感光体ドラム622を通過したシートSの定着ユニット8への搬送をガイドする第2搬送経路421を形成する。第3搬送ガイド壁43は、筐体2内において定着ユニット8の上方側に配置されるように、上壁部22の前後方向の後方側の部位に設けられる搬送ガイド壁である。第3搬送ガイド壁43は、定着ユニット8を通過したシートSの第2開口部231への搬送をガイドする第3搬送経路431を形成する。
【0025】
搬送ユニット5は、筐体2内においてシート載置部3の上方且つ第1搬送ガイド壁41の前方側に、当該第1搬送ガイド壁41と対向するように配置されるユニットである。この際、搬送ユニット5は、画像形成ユニット6の下方側に隣接して配置される。搬送ユニット5は、シート載置部3に載置されたシートSを第1搬送経路411へ送り出す。搬送ユニット5は、搬送ハウジング51と、当該搬送ハウジング51に回転可能に支持されたピックアップローラー52、給紙ローラー53及びレジストローラー54と、を含む。
【0026】
ピックアップローラー52は、シート載置部3に載置されたシートSの先頭縁(後方側の端縁)上に配置されるように、搬送ハウジング51に支持される。ピックアップローラー52は、回転駆動によってシートSをシート載置部3から引き出す。給紙ローラー53は、第1搬送ガイド壁41におけるシートSの搬送方向の最上流端の領域に対向して配置されるように、搬送ハウジング51に支持される。給紙ローラー53は、ピックアップローラー52によってシート載置部3から引き出されたシートSを第1搬送経路411へ送り出す。レジストローラー54は、第1搬送ガイド壁41におけるシートSの搬送方向の中央領域に対向して配置されるように、搬送ハウジング51に支持される。レジストローラー54は、シートSの斜め搬送を矯正する機能を有する。これにより、シートS上に形成される画像の位置が調整される。レジストローラー54は、画像形成ユニット6による画像形成のタイミングに合わせて、画像形成ユニット6に向けてシートSを搬送する。
【0027】
画像形成ユニット6は、筐体2内においてシート載置部3の上方且つ後方側に、搬送ユニット5の上方側に隣接して配置されるユニットである。画像形成ユニット6は、搬送ユニット5によって第1搬送経路411上を搬送されるシートSに画像を形成する。画像形成ユニット6は、現像部61とドラム部62とを含む。画像形成ユニット6においては、現像部61が搬送ユニット5の上方側に隣接して配置され、ドラム部62は現像部61の後方且つ上方側に配置される。
【0028】
ドラム部62は、ドラムハウジング621と、当該ドラムハウジング621に回転可能に支持された感光体ドラム622と、感光体ドラム622の上方側に対向配置される帯電器623と、感光体ドラム622の下方側に対向配置される転写ローラー624と、を有する。感光体ドラム622は、円筒形状を有する。感光体ドラム622は、静電潜像が形成される表面を有するとともに、前記表面に該静電潜像に応じたトナー画像(現像剤像)を担持する。帯電器623は、所定の電圧が印加され、感光体ドラム622の表面を略一様に帯電させる。転写ローラー624は、感光体ドラム622との間で転写ニップ部を形成し、感光体ドラム622に担持されたトナー画像をシートSに転写させる。
【0029】
現像部61は、静電潜像が形成された感光体ドラム622の表面にトナー(現像剤)を供給する。現像部61がトナーを感光体ドラム622に供給すると、感光体ドラム622の表面に形成された静電潜像が現像(可視化)される。この結果、感光体ドラム622の表面にトナー画像が形成される。現像部61は、トナーが充填される箱形形状の現像ハウジング611と、当該現像ハウジング611内に配設される現像ローラー612及び撹拌スクリュー613と、を有する。撹拌スクリュー613は、現像ハウジング611内のトナーを撹拌搬送する。現像ローラー612は、感光体ドラム622に対向配置され、当該感光体ドラム622にトナーを供給する。
【0030】
露光ユニット7は、筐体2内においてシート載置部3の上方側であって第1開口部211よりも上方の位置であり、且つ画像形成ユニット6の前方側に配置されるユニットである。露光ユニット7は、帯電器623によって帯電された感光体ドラム622の表面に、レーザー光を照射する。この結果、感光体ドラム622の表面には、画像データに対応する静電潜像が形成される。
【0031】
定着ユニット8は、筐体2内において画像形成ユニット6のドラム部62(感光体ドラム622)の上方側であり、且つ段壁部23の後方側に配置されるユニットである。定着ユニット8は、シートS上のトナー画像を加熱して定着させる。定着ユニット8は、箱形形状の定着ハウジング81と、当該定着ハウジング81に収容される定着部材82とを含む。定着部材82は、加熱ローラー821と圧力ローラー822とを有する。加熱ローラー821は、シートS上のトナーを加熱によって溶融させるローラーである。圧力ローラー822は、シートSを加熱ローラー821に密着させるローラーである。
【0032】
排出ユニット9は、筐体2内において定着ユニット8の前方側に、当該定着ユニット8と段壁部23との間に配置されるユニットである。排出ユニット9は、定着ユニット8による画像定着後のシートSを、段壁部23に形成された第2開口部231から排紙部221へ排出する。排出ユニット9は、箱形形状の排出ハウジング91と、当該排出ハウジング91に支持される排出部材92とを含む。排出ハウジング91は、定着ハウジング81の前方側に隣接して配置され、排出部材92を下方側から支持する。排出部材92は、第2開口部231に面して配置されるように排出ハウジング91に支持され、第1排出ローラー921と第2排出ローラー922とを有する。第1排出ローラー921と第2排出ローラー922とは、上下方向に並んで対を成し、回転駆動によって画像定着後のシートSを第2開口部231から排紙部221へ排出する。
【0033】
筐体2内における各ユニットの配置について、
図2に加えて
図3~
図6を参照して更に詳細に説明する。
図3は、筐体2内に配置される搬送ユニット5、画像形成ユニット6及び露光ユニット7の近傍を拡大して示す断面図である。
図4は、筐体2内に配置される画像形成ユニット6、定着ユニット8及び排出ユニット9の近傍を拡大して示す断面図である。
図5及び
図6は、筐体2内に配置される排出ユニット9の近傍を拡大して示す斜視図である。
【0034】
図3に示すように、露光ユニット7は、画像形成ユニット6との間に所定の第1隙間G1を有して配置される。具体的に、露光ユニット7において最も後方且つ下方に位置する部位であって画像形成ユニット6に最近接の部位と、画像形成ユニット6において最も前方に位置する部位であって露光ユニット7に最近接の部位との間に、第1隙間G1が形成される。第1隙間G1の隙間幅G11は、第1開口部211を通じて筐体2内に流入する外気の通過を許容する幅に設定される。
【0035】
また、
図4に示すように、定着ユニット8は、画像形成ユニット6との間に所定の第2隙間G2を有して配置される。具体的に、定着ユニット8において最も前方且つ下方に位置する部位であって画像形成ユニット6に最近接の部位と、画像形成ユニット6において最も上方に位置する部位であって定着ユニット8に最近接の部位との間に、第2隙間G2が形成される。第2隙間G2の隙間幅G21は、第1開口部211を通じて筐体2内に流入し、第1隙間G1を通過した外気の通過を許容する幅に設定される。
【0036】
搬送ユニット5、画像形成ユニット6、露光ユニット7、定着ユニット8及び排出ユニット9を含む複数のユニットが配置された筐体2内において、第1隙間G1及び第2隙間G2は、第1開口部211を通じて流入する外気を、第2開口部231へ流通させる通気路APを構成する(
図2参照)。通気路APは、第1通気路AP1と第2通気路AP2とからなる。
【0037】
第1通気路AP1は、第1開口部211から第1隙間G1を経由して、第2隙間G2に至るまでの外気の流通経路である。第1通気路AP1は、第1開口部211から第1隙間G1に至るまでの間については、露光ユニット7の下面、シート載置部3に載置されたシートSの上面、左壁部26及び右壁部27で囲まれた空間によって画定される。更に、第1通気路AP1は、第1隙間G1から第2隙間G2に至るまでの間については、画像形成ユニット6、露光ユニット7、排紙部221(上壁部22)、排出ユニット9、左壁部26及び右壁部27で囲まれた空間によって画定される。第2通気路AP2は、第2隙間G2から定着ユニット8及び排出ユニット9を経由して、第2開口部231に至るまでの外気の流通経路である。
【0038】
第1開口部211を通じて筐体2内に流入した外気は、第1通気路AP1に沿って流れた後、第2通気路AP2に沿って流れて、最終的に第2開口部231から筐体2外へ排気される。具体的に、第1開口部211を通じて筐体2内に流入した外気は、露光ユニット7とシート載置部3に載置されたシートSとの間を流れて第1隙間G1を通過し、第1隙間G1の通過後に画像形成ユニット6に沿うように流れる。画像形成ユニット6に沿うように流れる外気は、第2隙間G2を通過し、第2隙間G2の通過後に定着ユニット8及び排出ユニット9を経由して第2開口部231へ向かって流れる。このような、第1開口部211を通じて筐体2内に流入した外気の流れによって、筐体2内に配置された露光ユニット7、画像形成ユニット6及び定着ユニット8などの各ユニットの効果的な冷却が可能である。このため、筐体2内を冷却するための冷却ファン及びダクトを設置する必要がないから、画像形成装置1の小型化を図ることが可能となる。
【0039】
更に、冷却ファンの設置が不要であることによって、冷却ファンの駆動に伴う騒音の発生がなく、筐体2内に存在するオゾンやVOC(揮発性有機化合物)、UFP(超微粒子)などが冷却ファンの駆動によって強制的に筐体2外へ排出されることを防止することができる。なお、オゾンは、帯電器623の高圧放電によって発生する。VOCは、定着ユニット8で生じる熱によって発生する。UFPは、感光体ドラム622の周囲に浮遊するトナーや紙粉などの一部がオゾンによってイオン化されることによって発生し、又は、トナーなどに含まれる高沸点の物質が冷却凝集して微粒子化することによって発生する。
【0040】
また、
図3に示すように、第1隙間G1の隙間幅G11は、搬送ユニット5と第1搬送ガイド壁41との間の隙間幅G31よりも広くなるように設定されることが望ましい。前記隙間幅G31は、搬送ユニット5において第1搬送ガイド壁41におけるシートSの搬送方向の最上流端の領域に対向して配置される給紙ローラー53と、第1搬送ガイド壁41との間に形成される隙間の幅である。このような第1隙間G1の隙間幅G11の設定によって、第1開口部211を通じて筐体2内に流入し、露光ユニット7とシート載置部3に載置されたシートSとの間を流れる外気は、搬送ユニット5と第1搬送ガイド壁41との間への通過が規制され、主として第1隙間G1を通過する。
【0041】
また、
図4に示すように、第2隙間G2の隙間幅G21は、排出ユニット9と段壁部23との間の隙間幅G41よりも広くなるように設定されることが望ましい。前記隙間幅G41は、排出ユニット9の排出ハウジング91において最も前方に位置する部位であって段壁部23に最近接の部位と、段壁部23との間に形成される隙間の幅である。このような第2隙間G2の隙間幅G21の設定によって、第1隙間G1の通過後に画像形成ユニット6に沿うように流れる外気は、排出ユニット9と段壁部23との間への通過が規制され、主として第2隙間G2を通過する。
【0042】
また、
図4に示すように、定着ユニット8の定着ハウジング81は、その内部空間となる定着収容空間81Sを有し、排出ユニット9の排出ハウジング91は、その内部空間となる排出支持内部空間91Sを有する。定着ハウジング81は、定着収容空間81Sと排出支持内部空間91Sとを連通する定着側連通開口811を有する。定着側連通開口811は、
図5に示すように、定着ハウジング81における排出ハウジング91と対向する面に、左右方向に所定の間隔を隔てて複数設けられている。排出ハウジング91は、排出支持内部空間91Sと第2開口部231とを連通する排出側連通開口911を有する。排出側連通開口911は、
図6に示すように、排出ハウジング91の上面に、左右方向に所定の間隔を隔てて複数設けられている。
【0043】
定着側連通開口811と排出側連通開口911とは、第2隙間G2を通過した外気を第2開口部231へ流通させる開口として、第2通気路AP2を構成する。第1開口部211を通じて筐体2内に流入して第1隙間G1及び第2隙間G2を通過した外気は、定着ハウジング81の定着収容空間81Sを経由して定着側連通開口811から排出ハウジング91の排出支持内部空間91Sに流入する。排出支持内部空間91Sに流入した外気は、当該排出支持内部空間91Sから排出側連通開口911を通じて流出して、第2開口部231から筐体2外へ排気される。このような、第1開口部211を通じて筐体2内に流入した外気の流れによって、筐体2内の効果的な冷却が可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 画像形成装置
2 筐体
21 前壁部(側壁部)
211 第1開口部
22 上壁部
221 排紙部
23 段壁部
231 第2開口部
3 シート載置部
4 搬送ガイド部
41 第1搬送ガイド壁
411 第1搬送経路
42 第2搬送ガイド壁
421 第2搬送経路
43 第3搬送ガイド壁
431 第3搬送経路
5 搬送ユニット
6 画像形成ユニット
61 現像部
62 ドラム部
622 感光体ドラム
7 露光ユニット
8 定着ユニット
81 定着ハウジング
811 定着側連通開口
81S 定着収容空間
82 定着部材
9 排出ユニット
91 排出ハウジング
911 排出側連通開口
91S 排出支持内部空間
92 排出部材
AP 通気路
AP1 第1通気路
AP2 第2通気路
G1 第1隙間
G2 第2隙間