(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/18 20060101AFI20240618BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20240618BHJP
G03G 15/08 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
G03G21/18 121
G03G21/16 171
G03G21/16 176
G03G15/08 390Z
G03G15/08 229
(21)【出願番号】P 2020107822
(22)【出願日】2020-06-23
【審査請求日】2023-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】山岸 鈴
(72)【発明者】
【氏名】魚橋 悠紀
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-276961(JP,A)
【文献】特開2017-207708(JP,A)
【文献】特開2016-145905(JP,A)
【文献】特開2016-166981(JP,A)
【文献】特開2018-097293(JP,A)
【文献】特開平10-222041(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0205314(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/00
15/00
15/08
21/16-21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバー部によって塞がれる開口が形成された装置本体と、
回転可能に支持された感光ドラムを含み、前記装置本体に対し前記開口を通じて取り外し可能に装着されるドラムユニットと、
回転可能に支持された現像ローラーを含み、前記ドラムユニットに対し取り外し可能に装着される現像ユニットと、を備え、
前記ドラムユニットは、前記現像ユニットが配置される装着空間を形成し、前記装着空間を通じてアクセスされる手によって把持可能な取手部を有し、
前記現像ユニットは、前記ドラムユニットに装着されることにより、前記装着空間を通じた前記取手部への手のアクセス経路を塞
ぎ、
前記ドラムユニットは、
基準位置と前記基準位置よりも前記感光ドラムから離れた作用位置との間で変位可能に支持され、前記ドラムユニットに装着された前記現像ユニットに当接することにより前記基準位置から前記作用位置へ変位する当接部材と、
前記当接部材を前記感光ドラムへ向けて弾性付勢することにより、前記当接部材を通じて前記現像ユニットを前記感光ドラムへ向けて付勢する弾性部材と、を備え、
前記装置本体は、前記作用位置に存在する前記当接部材を係止することにより前記ドラムユニットの前記装置本体からの取り外し方向への移動を制限し、前記当接部材が前記弾性部材の付勢力により前記基準位置へ変位することにより前記当接部材の係止を解除する係止部を備える、画像形成装置。
【請求項2】
カバー部によって塞がれる開口が形成された装置本体と、
回転可能に支持された感光ドラムを含み、前記装置本体に対し前記開口を通じて取り外し可能に装着されるドラムユニットと、
回転可能に支持された現像ローラーを含み、前記ドラムユニットに対し取り外し可能に装着される現像ユニットと、を備え、
前記ドラムユニットは、前記現像ユニットが配置される装着空間を形成し、前記装着空間を通じてアクセスされる手によって把持可能な取手部を有し、
前記現像ユニットは、前記ドラムユニットに装着されることにより、前記装着空間を通じた前記取手部への手のアクセス経路を塞ぎ、
前記ドラムユニットおよび前記現像ユニットの一方が、凹状の嵌合凹部を有し、
前記ドラムユニットおよび前記現像ユニットの他方が、前記現像ユニットが予め定められた正規の向きで前記ドラムユニットに装着されたときにのみ前記嵌合凹部と嵌合し、前記現像ユニットが他の向きで前記ドラムユニットに装着されることを妨げる嵌合凸部を有する
、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれ着脱可能なドラムユニットおよび現像ユニットを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置が、それぞれ装置本体に着脱可能なドラムユニットおよび現像ユニットを備える場合がある。前記ドラムユニットは感光ドラムを含み、前記現像ユニットは前記感光ドラムの表面に現像剤を供給する現像ローラーを含む。
【0003】
例えば、前記装置本体が、前記ドラムユニットおよび前記現像ユニットをそれぞれ所定の装着位置まで案内するガイド部を有することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記感光ドラムおよび前記現像ローラーは、近接して配置される。そのため、前記ドラムユニットおよび前記現像ユニットの取り外し操作が誤った手順で行われると、前記感光ドラムまたは前記現像ローラーが、近接する部材と接触することによって損傷するおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、ドラムユニットおよび現像ユニットが個別に装置本体に装着される場合に、誤った取り外し操作に起因して感光ドラムまたは現像ローラーが損傷することを防止できる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、装置本体と、ドラムユニットと、現像ユニットと、を備える。前記装置本体は、カバー部によって塞がれる開口が形成されている。前記ドラムユニットは、回転可能に支持された感光ドラムを含み、前記装置本体に対し前記開口を通じて取り外し可能に装着される。前記現像ユニットは、回転可能に支持された現像ローラーを含み、前記ドラムユニットに対し取り外し可能に装着される。前記ドラムユニットは、前記現像ユニットが配置される装着空間を形成し、前記装着空間を通じてアクセスされる手によって把持可能な取手部を有する。前記現像ユニットは、前記ドラムユニットに装着されることにより、前記装着空間を通じた前記取手部への手のアクセス経路を塞ぐ。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ドラムユニットおよび現像ユニットが個別に装置本体に装着される場合に、誤った取り外し操作に起因して感光ドラムまたは現像ローラーが損傷することを防止できる画像形成装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る画像形成装置の断面図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る画像形成装置におけるドラムユニットの斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る画像形成装置における現像ユニットの斜視図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る画像形成装置におけるドラムユニットおよび現像ユニットの斜視図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る画像形成装置におけるドラムユニットの断面図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る画像形成装置におけるドラムユニットおよび現像ユニットの第1断面図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る画像形成装置におけるドラムユニットおよび現像ユニットの第2断面図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る画像形成装置におけるドラム突起案内部および現像突起案内部を含む部分の断面図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る画像形成装置におけるドラム突起案内部および現像突起案内部を含む部分の斜視図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る画像形成装置における第1現像突起案内部の終端部および第2現像突起案内部を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る画像形成装置における付勢機構およびその周辺部の断面図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る画像形成装置におけるドラムユニットおよび現像ユニットの側面図である。
【
図13】
図13は、実施形態に係る画像形成装置における応用例に係るドラムユニットおよび現像ユニットにおける嵌合部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0011】
[画像形成装置10の全体構成]
実施形態に係る画像形成装置10は、電子写真方式でプリント処理を実行する。前記プリント処理は、シートに画像を形成する処理である。
【0012】
図1に示されるように画像形成装置10は、上部に主開口102が形成された装置本体100と、主開口102を塞ぐカバー部101とを備える。カバー部101は、主開口102を開閉可能である。カバー部101は、装置本体100によって上下に回動可能に支持されている。
【0013】
装置本体100は、シートカセット1、シート供給装置2、シート搬送装置3、ドラムユニット4、現像ユニット5、定着装置6および露光装置7を内包する主筐体である。
【0014】
複数のシートがシートカセット1に積載される。シート供給装置2は、シートカセット1に積載された前記シートを1枚ずつ搬送路30へ送り出す。シート搬送装置3は、前記シートを搬送路30に沿って搬送する複数組の搬送ローラー対31を含む。シート搬送装置3は、画像が形成された前記シートを搬送路30から排出トレイ101aへ排出する。排出トレイ101aはカバー部101に形成されている(
図1参照)。
【0015】
図5~7に示されるように、ドラムユニット4は、第1ユニット筐体40、感光ドラム41、帯電装置42および転写ローラー44を含む。第1ユニット筐体40が、感光ドラム41、帯電装置42および転写ローラー44を支持している。
【0016】
図6は、
図4に示されるドラムユニット4および現像ユニット5におけるJ-J平面での断面図である。また、
図7は、
図4に示されるドラムユニット4および現像ユニット5におけるK-K平面での断面図である。
【0017】
感光ドラム41および転写ローラー44は、それぞれ第1ユニット筐体40によって回転可能に支持されている。感光ドラム41は回転軸41aによって回転可能に支持され、回転軸41aは第1ユニット筐体40によって支持されている。
【0018】
帯電装置42は、感光ドラム41の表面を帯電させる。露光装置7は、感光ドラム41の表面に静電潜像を書き込む。前記静電潜像は、現像ユニット5によってトナー像へ現像される。
【0019】
転写ローラー44は、感光ドラム41上の前記トナー像を前記シートに転写する。第1ユニット筐体40は、前記シートを感光ドラム41と転写ローラー44との間の転写位置へ案内するシート導入部403を含む(
図5,6参照)。
【0020】
図6,7に示されるように、現像ユニット5は、第2ユニット筐体50および現像ローラー51を備える。第2ユニット筐体50は、トナーを収容する現像容器50aを含む。
【0021】
第2ユニット筐体50は、現像ローラー51を回転可能に支持する。具体的には、現像ローラー51は回転軸51aと一体に構成され、回転軸51aが第2ユニット筐体50によって回転可能に支持されている。
【0022】
現像ローラー51は、現像容器50a内の前記トナーを感光ドラム41の表面へ供給することにより、感光ドラム41の表面に形成された前記静電潜像を前記トナー像へ現像する。現像ユニット5は、現像容器50a内の前記現像剤を撹拌する撹拌部材52も備える。
【0023】
ドラムユニット4および現像ユニット5は、個別に装置本体100に装着される。本実施形態において、ドラムユニット4は、主開口102を通じて装置本体100内に取り外し可能に装着される。また、現像ユニット5は、ドラムユニット4が装置本体100内に装着された状態において、主開口102を通じて装置本体100内に取り外し可能に装着される。
【0024】
ところで、感光ドラム41および現像ローラー51は、近接して配置される。そのため、ドラムユニット4および現像ユニット5の取り外し操作が誤った手順で行われると、感光ドラム41または現像ローラー51が、近接する部材と接触することによって損傷するおそれがある。
【0025】
画像形成装置10は、ドラムユニット4および現像ユニット5の取り外し操作が誤った手順で行われることを防ぐ構造を備える。
【0026】
また、感光ドラム41に対する現像ローラー51の位置の精度は、画質に大きく影響する。ドラムユニット4および現像ユニット5が個別に装置本体100に装着される場合、装置本体100におけるドラムユニット4および現像ユニット5それぞれの位置の誤差が合わさり、感光ドラム41に対する現像ローラー51の位置の誤差が大きくなるおそれがある。
【0027】
画像形成装置10は、感光ドラム41に対する現像ローラー51の装着位置の精度を高めるための構造も備える。
【0028】
また、画像形成装置10は、現像ローラー51が感光ドラム41に近接する位置で保持されるように、現像ユニット5を感光ドラム41へ向けて弾性付勢する付勢機構45を備える(
図7,11参照)。また、現像ユニット5は、装置本体100に設けられた駆動部から現像ローラー51へ回転力を伝達するギヤ53,54を備える(
図12参照)。そして、ギヤ53,54を通じて現像ユニット5に加わる力のモーメントM1が、付勢機構45の付勢力に抗して、現像ユニット5の位置ズレを生じさせる力として作用するおそれがある(
図12参照)。現像ユニット5の位置ズレは、画質への悪影響を及ぼす。
【0029】
画像形成装置10は、現像ユニット5に加わる力のモーメントM1が、付勢機構45の付勢力に抗して現像ユニット5の位置ズレを生じさせる力として作用することを回避するための構造も備える。以下、ドラムユニット4および現像ユニット5の構造について説明する。
【0030】
ドラムユニット4の第1ユニット筐体40は、現像ユニット5が配置される装着空間400を形成している(
図5参照)。現像ユニット5は、装置本体100に装着されたドラムユニット4の第1ユニット筐体40に対して取り外し可能に装着される。
【0031】
即ち、現像ユニット5は、装置本体100に装着されたドラムユニット4の第1ユニット筐体40に装着されることにより、装置本体100に装着される。また、現像ユニット5がドラムユニット4の第1ユニット筐体40から取り外された後に、ドラムユニット4を装置本体100から取り外すことが可能である。
【0032】
図2,4,12に示されるように、ドラムユニット4は、感光ドラム41の回転軸41aの延長線に沿って両側へ突出した第1ドラムユニット突起401を有する。さらに、ドラムユニット4は、第1ドラムユニット突起401に対して平行に両側へ突出した第2ドラムユニット突起402を有する。
【0033】
図1,8に示されるように、装置本体100は、対向する一対の側壁部の内側に設けられた第1ドラム突起案内部103および第2ドラム突起案内部104を有する。第1ドラム突起案内部103および第2ドラム突起案内部104は、ドラムユニット4の装着を容易にするための構造である。
【0034】
第1ドラム突起案内部103は、第1ドラムユニット突起401を装置本体100における第1ドラム導入位置P11から第1ドラム装着位置P12へ案内する案内レールである。
【0035】
第2ドラム突起案内部104は、第2ドラムユニット突起402を装置本体100における第2ドラム導入位置P21から第2ドラム装着位置P22へ案内する案内レールである。
【0036】
第1ドラム導入位置P11および第2ドラム導入位置P21は、それぞれ装置本体100における主開口102に沿う位置である。また、第1ドラム装着位置P12は、第1ドラム導入位置P11よりも主開口102から離れた位置である。同様に、第2ドラム装着位置P22は、第2ドラム導入位置P21よりも主開口102から離れた位置である。
【0037】
第1ドラムユニット突起401が第1ドラム装着位置P12に位置し、かつ、第2ドラムユニット突起402が第2ドラム装着位置P22に位置する状態が、ドラムユニット4が装置本体100に正しく装着された状態である。
【0038】
図3,4,12に示されるように、現像ユニット5の第2ユニット筐体50は、第1現像ユニット突起501および第2現像ユニット突起502を有する。第1現像ユニット突起501は、現像ローラー51の回転軸51aの延長線に沿って両側へ突出して形成されている。第2現像ユニット突起502は、第1現像ユニット突起501に平行に両側へ突出して形成されている。
【0039】
図1,8に示されるように、装置本体100は、対向する一対の側壁部の内側に設けられた第1現像突起案内部105を有する。さらに、ドラムユニット4の第1ユニット筐体40は、装着空間400の両側の側板に形成された第2現像突起案内部405を有する。第1現像突起案内部105および第2現像突起案内部405は、現像ユニット5の装着を容易にするための構造である。
【0040】
図8,10に示されるように、第1現像突起案内部105は、第1現像ユニット突起501を装置本体100内における現像ユニット導入位置P31から中継位置P32へ案内する案内レール105aを含む。現像ユニット導入位置P31は、装置本体100における主開口102に沿う位置である。中継位置P32は、現像ユニット導入位置P31よりも感光ドラム41に近い。
【0041】
さらに、第1現像突起案内部105は、第2現像ユニット突起502を案内する。第1現像突起案内部105は、第1現像ユニット突起501および第2現像ユニット突起502の2箇所を案内することにより、現像ユニット5の着脱時の姿勢を安定させる。
【0042】
図10に示されるように、第2現像突起案内部405は、案内レール105aの下流端部105bに対向して装着空間400の内側に配置され、第1現像ユニット突起501を第1現像突起案内部105から引き継いで中継位置P32から現像ユニット装着位置P33へ案内する。現像ユニット装着位置P33は、中継位置P32よりも感光ドラム41に近い。
【0043】
第2現像突起案内部405は、現像ユニット装着位置P33において第1現像ユニット突起501が嵌る凹状に形成されている。第1現像ユニット突起501は、第2現像突起案内部405によって位置決めされる。
【0044】
本実施形態において、第1現像ユニット突起501は、ドラムユニット4の第2現像突起案内部405によって現像ユニット装着位置P33へ案内される。これにより、現像ローラー51は、装置本体100における現像ユニット5の位置の誤差の影響を受けずに、感光ドラム41に対して高い精度で位置決めされる。
【0045】
第1ドラムユニット突起401は、第1現像ユニット突起501よりも両側へ張り出し、第1現像ユニット突起501よりも細く形成されている。換言すれば、第1ドラムユニット突起401は、第1現像ユニット突起501の先端が届かない位置まで両側へ張り出して形成されており、第1現像ユニット突起501は、第1ドラムユニット突起401よりも太い。
【0046】
また、第1ドラム突起案内部103の一部は、第1現像突起案内部105の一部と共通の経路に沿って案内路103aを形成する(
図8,9参照)。
【0047】
本実施形態では、第1ドラム突起案内部103における第1ドラム導入位置P11を含む一部が、第1現像突起案内部105における現像ユニット導入位置P31を含む一部と共通の経路に沿って形成されている。
【0048】
そして、第1ドラム突起案内部103は、第1現像突起案内部105よりも外側において第1現像突起案内部105よりも幅の狭い案内路を形成する(
図8,9参照)。なお、外側とは、感光ドラム41の回転軸41aおよび現像ローラー51の回転軸51aに沿う方向における、感光ドラム41および現像ローラー51が配置される領域に対し反対側である。
【0049】
本実施形態において、第1ドラム突起案内部103および第1現像突起案内部105はそれぞれ溝状に形成されている(
図9参照)。そして、第1ドラム突起案内部103は、第1現像突起案内部105と比べて幅が狭く深い溝状である。
【0050】
従って、第1ドラム突起案内部103における第1現像突起案内部105と経路を共通にする部分は、第1現像突起案内部105が形成する溝の内側に形成された、幅が狭く深い溝である(
図9参照)。
【0051】
さらに、ドラムユニット4の第1ユニット筐体40は、第2現像ユニット突起502を支える突起支持部406を有する(
図12参照)。
【0052】
現像ユニット5がドラムユニット4に装着される際に、第1現像ユニット突起501が第1ドラム突起案内部103および第1現像突起案内部105によって現像ユニット装着位置P33へ案内されるとともに、第2現像ユニット突起502が突起支持部406に載置される。これにより、現像ユニット5がドラムユニット4に装着される。
【0053】
感光ドラム41および現像ローラー51は、装置本体100内において近接して配置される。そのため、第1ドラム突起案内部103および第1現像突起案内部105の一部が共通の経路に沿って形成されることが必要な場合がある。本実施形態は、そのような場合にも適用可能である。
【0054】
図7,11に示されるように、ドラムユニット4は、付勢機構45をさらに備える。付勢機構45は、現像ユニット5を予め定められた付勢方向D1へ弾性付勢する。付勢方向D1は、第1現像ユニット突起501が中継位置P32から現像ユニット装着位置P33へ向かう方向である。即ち、付勢機構45は、感光ドラム41へ向けて現像ユニット5を弾性付勢する。
【0055】
なお、現像ユニット導入位置P31は第1起点位置の一例であり、現像ユニット装着位置P33は第1終点位置の一例である。また、第1ドラム導入位置P11は第2起点位置の一例であり、第1ドラム装着位置P12は第2終点位置の一例である。
【0056】
図12に示されるように、現像ユニット5は、一次ギヤ53および二次ギヤ54をさらに備える。一次ギヤ53の側面にはカップリング53aが形成され、装置本体100にはカップリング63aと係合する駆動部が設けられている。一次ギヤ53は、前記駆動部からカップリング63aを介して回転力が伝達されるピニオンギヤである。
【0057】
二次ギヤ54は、現像ローラー51の回転軸51aと一体に構成され、一次ギヤ53から回転力が伝達されるピニオンギヤである。二次ギヤ54は、第2ユニット筐体50によって回転可能に支持されている。
【0058】
図12に示されるように、現像ユニット5がドラムユニット4に装着された状態において、第2現像ユニット突起502は、二次ギヤ54に対し第1現像ユニット突起501が存在する側の反対側に設けられている。
【0059】
一次ギヤ53が回転駆動されることにより、力のモーメントM1が、一次ギヤ53から二次ギヤ54を通じて現像ユニット5に加わる(
図12参照)。
【0060】
第2現像突起案内部405は、力のモーメントM1に抗して第1現像ユニット突起501を支える第1支面405aを有する(
図5,10,12参照)。第1支面405aは、付勢機構45の付勢方向D1に平行な面である。
【0061】
また、突起支持部406は、力のモーメントM1に抗して第2現像ユニット突起502を支える第2支面406aを有する(
図12参照)。第2支面406aも、第1支面405aと同様に付勢方向D1に平行な面である。
【0062】
第1支面405aおよび第2支面406aが付勢方向D1に平行な面であるため、力のモーメントM1が第1支面405aおよび第2支面406aに対して付勢方向D1に直交する方向へ作用する。
【0063】
従って、力のモーメントM1が付勢機構45の付勢力に抗して現像ユニット5の位置ズレを生じさせる力として作用することが回避される。その結果、現像ローラー51が、感光ドラム41に対して高い位置精度で保持される。
【0064】
図2,5に示されるように、ドラムユニット4の第1ユニット筐体40は第1取手部404を有する。ドラムユニット4が装置本体100に装着されるとき、または、ドラムユニット4が装置本体100から取り外されるときに、第1取手部404が作業者の手で把持される。
【0065】
第1取手部404は、装着空間400を通じてアクセスされる手によって把持可能である。換言すれば、装着空間400が塞がれた場合、第1取手部404を把持することはできない。
【0066】
図3,4に示されるように、現像ユニット5の第2ユニット筐体50は、第2取手部503を有する。現像ユニット5がドラムユニット4に装着されるとき、または、現像ユニット5がドラムユニット4から取り外されるときに、第2取手部503が作業者の手で把持される。
【0067】
図4,6に示されるように、現像ユニット5は、ドラムユニット4に装着されることによって装着空間400を通じた第1取手部404への手のアクセス経路を塞ぐ。従って、現像ユニット5がドラムユニット4から取り外される前にドラムユニット4を持ち上げるという誤った操作が行われることが回避される。
【0068】
第1取手部404の構造は、現像ローラー51が感光ドラム41から離隔する前にドラムユニット4が持ち上げられることに起因して感光ドラム41または現像ローラー51が損傷することを防ぐ。
【0069】
図11に示されるように、付勢機構45は、当接部材451およびバネ452を備える。当接部材451は、予め定められた基準位置と前記基準位置よりも感光ドラム41から離れた作用位置との間で変位可能に支持されている。
【0070】
図11において、前記基準位置に位置する当接部材451が仮想線(二点鎖線)で示されており、前記作用位置に位置する当接部材451が実線で示されている。当接部材451が前記作用位置から前記基準位置へ向かう方向が付勢方向D1である。
【0071】
当接部材451は、ドラムユニット4に装着された現像ユニット5に当接することにより前記基準位置から前記作用位置へ変位する。
【0072】
バネ452は、当接部材451を感光ドラム41へ向けて弾性付勢する。これにより、バネ452は、当接部材451を通じて現像ユニット5を感光ドラム41へ向けて付勢する。バネ452は弾性部材の一例である。なお、バネ452の代わりにゴムが採用されることも考えられる。
【0073】
一方、装置本体100は、当接部材451の被係止部451aを係止可能な係止部106を備える。係止部106は、前記作用位置に存在する当接部材451を係止することにより、ドラムユニット4の装置本体100からの取り外し方向への移動を制限する。
【0074】
当接部材451がバネ452の付勢力により前記作用位置から前記基準位置へ変位することにより、係止部106による当接部材451の係止が解除される。
【0075】
係止部106が当接部材451を係止する構造は、現像ローラー51が感光ドラム41から離隔する前にドラムユニット4が持ち上げられることに起因して感光ドラム41または現像ローラー51が損傷することをより確実に防ぐ。
【0076】
[応用例]
次に、
図13を参照しつつ、画像形成装置10に適用可能な応用例に係るドラムユニット4および現像ユニット5について説明する。本応用例において、ドラムユニット4および現像ユニット5は、
図13に示される嵌合部407,504を備える。
【0077】
具体的には、ドラムユニット4の第1ユニット筐体40が凹状の1つ以上の嵌合凹部407を有し、現像ユニット5の第2ユニット筐体50が凸状の1つ以上の嵌合凸部504を有する。
【0078】
図13に示される例において、3つの嵌合凹部407が、第1取手部404に形成されている。また、3つの嵌合凹部407に対応する3つの嵌合凸部504が、第2ユニット筐体50に形成されている。
【0079】
嵌合凸部504は、現像ユニット5が予め定められた正規の向きでドラムユニット4に装着されたときにのみ嵌合凹部407と嵌合する。嵌合凸部504は、現像ユニット5が前記正規の向きとは異なる他の向きでドラムユニット4に装着されることを妨げる。
【0080】
即ち、現像ユニット5が前記他の向きでドラムユニット4に装着されたようとした場合、嵌合凸部504がドラムユニット4のいずれかの部分に引っ掛かることにより、現像ユニット5はドラムユニット4の装着空間400に完全に収まらない。
【0081】
嵌合凹部407および嵌合凸部504は、現像ユニット5がドラムユニット4に対して不完全な状態で装着されてしまうことを防ぐ。
【0082】
なお、現像ユニット5の第2ユニット筐体50が1つ以上の嵌合凹部407を有し、ドラムユニット4の第1ユニット筐体40が1つ以上の嵌合凸部504を有することも考えられる。
【符号の説明】
【0083】
4 :ドラムユニット
5 :現像ユニット
10 :画像形成装置
40 :第1ユニット筐体
41 :感光ドラム
41a :感光ドラムの回転軸
42 :帯電装置
44 :転写ローラー
45 :付勢機構
50 :第2ユニット筐体
50a :現像容器
51 :現像ローラー
51a :現像ローラーの回転軸
52 :撹拌部材
53 :一次ギヤ
54 :二次ギヤ
100 :装置本体
101 :カバー部
102 :主開口
103 :第1ドラム突起案内部
104 :第2ドラム突起案内部
105 :第1現像突起案内部
106 :係止部
400 :装着空間
401 :第1ドラムユニット突起
402 :第2ドラムユニット突起
403 :シート導入部
404 :第1取手部
405 :第2現像突起案内部
405a :第1支面
406 :突起支持部
406a :第2支面
407 :嵌合凹部
451 :当接部材
451a :被係止部
452 :バネ
501 :第1現像ユニット突起
502 :第2現像ユニット突起
503 :第2取手部
504 :嵌合凸部