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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04886 20220101AFI20240618BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20240618BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
G06F3/04886
G06F3/0481
G06F3/14 350B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020122326
(22)【出願日】2020-07-16
(65)【公開番号】P2022018896
(43)【公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000039
【氏名又は名称】特許業務法人アイ・ピー・ウィン
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 哲夫
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-234426(JP,A)
【文献】特開2020-013219(JP,A)
【文献】特開平03-259326(JP,A)
【文献】特開平09-062476(JP,A)
【文献】特開平11-095969(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0039387(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048 - 3/04895
G06F 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリとプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
表示装置に少なくとも2つの表示領域を表示する際に、2つの表示領域が重なることにより下層の表示領域内の操作釦が操作できなくなった場合、下層の表示領域の表示サイズおよび表示位置を変更することなく、上層の表示領域により隠された下層の表示領域内の操作釦の配置位置を、上層の表示領域により隠されない位置に変更することにより、当該操作釦を操作可能とし、
上層の表示領域により隠された下層の表示領域内の操作釦の配置位置を変更したことにより、当該操作釦と他の表示要素とが重なってしまう場合、前記他の表示要素の配置位置を下層の表示領域内において変更することにより、当該操作釦と前記他の表示要素とが重ならないような配置とし、
下層の表示領域内において前記操作釦と前記他の表示要素とが重ならないような配置を実現することができない場合、前記操作釦を上層の表示領域内において表示することにより操作可能とする
情報処理装置。
【請求項2】
前記上層の表示領域が、前記下層の表示領域における入力操作を補助するための操作釦を表示するための表示領域である請求項記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記上層の表示領域が、前記下層の表示領域における数字の入力のために使用されるテンキー釦を少なくとも一部に含む表示領域である請求項記載の情報処理装置。
【請求項4】
表示装置に少なくとも2つの表示領域を表示する際に、2つの表示領域が重なることにより下層の表示領域内の操作釦が操作できなくなった場合、下層の表示領域の表示サイズおよび表示位置を変更することなく、上層の表示領域により隠された下層の表示領域内の操作釦の配置位置を、上層の表示領域により隠されない位置に変更することにより、当該操作釦を操作可能とするステップと、
上層の表示領域により隠された下層の表示領域内の操作釦の配置位置を変更したことにより、当該操作釦と他の表示要素とが重なってしまう場合、前記他の表示要素の配置位置を下層の表示領域内において変更することにより、当該操作釦と前記他の表示要素とが重ならないような配置とするステップと、
下層の表示領域内において前記操作釦と前記他の表示要素とが重ならないような配置を実現することができない場合、前記操作釦を上層の表示領域内において表示することにより操作可能とするステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、2枚のウィンドウが重なって表示される場合に、下側のウィンドウを縮小して上側のウィンドウと重ならない位置まで移動させるようにしたマルチウィンドウシステムが開示されている。
【0003】
特許文献2には、あるウィンドウを移動して他のウィンドウと重なった場合に、他のウィンドウにおける操作ボタンが表示されるような位置まで他のウィンドウを移動させるようにしたウィンドウ表示装置が開示されている。
【0004】
特許文献3には、現在表示しているウィンドウ上のボタンを操作して新たなウィンドウを表示する場合に、下層のウィンドウ中に表示している不可視禁止の部品と重ならない位置に新たなウィンドウを表示するようにした情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平10-11263号公報
【文献】特開2004-234426号公報
【文献】特開2009-169548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、2つの表示領域が重なることにより下層の表示領域内の操作釦が操作できなくなった場合に、下層の表示領域の表示サイズおよび表示位置を変更することなく、下層の表示領域内の操作釦を操作可能とする情報処理装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る本発明は、
メモリとプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
表示装置に少なくとも2つの表示領域を表示する際に、2つの表示領域が重なることにより下層の表示領域内の操作釦が操作できなくなった場合、下層の表示領域の表示サイズおよび表示位置を変更することなく、上層の表示領域により隠された下層の表示領域内の操作釦の配置位置を、上層の表示領域により隠されない位置に変更することにより、当該操作釦を操作可能とし、
上層の表示領域により隠された下層の表示領域内の操作釦の配置位置を変更したことにより、当該操作釦と他の表示要素とが重なってしまう場合、前記他の表示要素の配置位置を下層の表示領域内において変更することにより、当該操作釦と前記他の表示要素とが重ならないような配置とし、
下層の表示領域内において前記操作釦と前記他の表示要素とが重ならないような配置を実現することができない場合、前記操作釦を上層の表示領域内において表示することにより操作可能とする
情報処理装置である。
【0011】
請求項に係る本発明は、前記上層の表示領域が、前記下層の表示領域における入力操作を補助するための操作釦を表示するための表示領域である請求項記載の情報処理装置である。
【0012】
請求項に係る本発明は、前記上層の表示領域が、前記下層の表示領域における数字の入力のために使用されるテンキー釦を少なくとも一部に含む表示領域である請求項記載の情報処理装置である。
【0013】
請求項に係る本発明は、
表示装置に少なくとも2つの表示領域を表示する際に、2つの表示領域が重なることにより下層の表示領域内の操作釦が操作できなくなった場合、下層の表示領域の表示サイズおよび表示位置を変更することなく、上層の表示領域により隠された下層の表示領域内の操作釦の配置位置を、上層の表示領域により隠されない位置に変更することにより、当該操作釦を操作可能とするステップと、
上層の表示領域により隠された下層の表示領域内の操作釦の配置位置を変更したことにより、当該操作釦と他の表示要素とが重なってしまう場合、前記他の表示要素の配置位置を下層の表示領域内において変更することにより、当該操作釦と前記他の表示要素とが重ならないような配置とするステップと、
下層の表示領域内において前記操作釦と前記他の表示要素とが重ならないような配置を実現することができない場合、前記操作釦を上層の表示領域内において表示することにより操作可能とするステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る本発明によれば、2つの表示領域が重なることにより下層の表示領域内の操作釦が操作できなくなった場合に、下層の表示領域の表示サイズおよび表示位置を変更することなく、下層の表示領域内の操作釦を操作可能とする情報処理装置を提供することができる。
また、請求項1に係る本発明によれば、下層の表示領域内の操作釦を、上層の表示領域により隠されない位置に表示して操作可能とする情報処理装置を提供することができる。
また、請求項1に係る本発明によれば、下層の表示領域内の操作釦と他の表示要素とが重ならないように上層の表示領域により隠されない位置に表示して、下層の表示領域内の操作釦を操作可能とする情報処理装置を提供することができる。
また、請求項1に係る本発明によれば、下層の表示領域内の操作釦を、上層の表示領域内において操作可能とする情報処理装置を提供することができる。
【0018】
請求項に係る本発明によれば、2つの表示領域が重なることにより下層の表示領域内の操作釦が操作できなくなった場合に、下層の表示領域の表示サイズおよび表示位置を変更することなく、下層の表示領域内の操作釦による入力操作を可能とする情報処理装置を提供することができる。
【0019】
請求項に係る本発明によれば、上層にテンキー釦を表示させることにより下層の表示領域内の操作釦が操作できなくなった場合に、下層の表示領域の表示サイズおよび表示位置を変更することなく、下層の表示領域内における入力操作を可能とする情報処理装置を提供することができる。
【0020】
請求項に係る本発明によれば、2つの表示領域が重なることにより下層の表示領域内の操作釦が操作できなくなった場合に、下層の表示領域の表示サイズおよび表示位置を変更することなく、下層の表示領域内の操作釦を操作可能とするプログラムを提供することができる。
また、請求項4に係る本発明によれば、下層の表示領域内の操作釦を、上層の表示領域により隠されない位置に表示して操作可能とするプログラムを提供することができる。
また、請求項4に係る本発明によれば、下層の表示領域内の操作釦と他の表示要素とが重ならないように上層の表示領域により隠されない位置に表示して、下層の表示領域内の操作釦を操作可能とするプログラムを提供することができる。
また、請求項4に係る本発明によれば、下層の表示領域内の操作釦を、上層の表示領域内において操作可能とするプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態における画像形成システムの構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態における画像形成装置の操作画面の一例を示す図である。
図3】(A)~(F)は、比較例に係る画像形成装置の操作画面における操作の一例を示す図である。
図4】(A)及び(B)は、比較例に係る画像形成装置の操作画面の一例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態における画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図6】本発明の一実施形態における画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。
図7】(A)及び(B)は、本発明の一実施形態における画像形成装置の操作画面における操作の一例を示す図である。
図8】本発明の一実施形態における画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
図9】(A)は、本発明の一実施形態における画像形成装置の操作画面の一例を示す図であって、(B)は、図9(A)の後の画像形成装置の操作画面の内部処理を説明するための図である。
図10】(A)は、図9(B)の後の画像形成装置の操作画面の内部処理を説明するための図であって、(B)は、図10(A)の後の画像形成装置の操作画面の一例を示す図である。
図11】(A)は、本発明の一実施形態における画像形成装置の操作画面の一例を示す図であって、(B)は、図11(A)の後の画像形成装置の操作画面の内部処理を説明するための図である。
図12】(A)は、図11(B)の後の画像形成装置の操作画面の内部処理を説明するための図であって、(B)は、図12(A)の後の画像形成装置の操作画面の内部処理を説明するための図である。
図13】(A)は、図12(B)の後の画像形成装置の操作画面の内部処理を説明するための図であって、(B)は、図13(A)の後の画像形成装置の操作画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
図1は本発明の一実施形態の画像形成システムの構成を示す図である。
【0024】
本発明の一実施形態の画像形成システムは、図1に示されるように、画像形成装置10と端末装置20とがネットワーク30により相互に接続された構成となっている。
【0025】
端末装置20は、印刷データを生成して、ネットワーク30経由にて生成した印刷データを画像形成装置10に対して送信する。なお、端末装置20は、パーソナルコンピュータに画像形成装置10を制御するためのプログラムをインストールすることにより構成された情報処理装置である。
【0026】
画像形成装置10は、端末装置20から送信された印刷データを受け付けて、印刷データに応じた画像を用紙上に出力する。なお、画像形成装置10は、印刷機能、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を有するいわゆる複合機と呼ばれる装置である。また、画像形成装置10は、上述した複数の機能を実行するための操作を行う操作画面を制御するためのプログラムをインストールすることにより構成された情報処理装置である。
【0027】
画像形成装置の操作パネル上に、上述した複数の機能を実行するための操作を行う操作画面とは別にハードテンキーを設け、操作画面における入力操作が行われることがある。このようなハードテンキーが設けられた画像形成装置のアプリケーションは、ハードテンキーが存在することを前提に作成されている。
【0028】
また、図2に示すように、画像形成装置10の操作パネル12上に操作画面11とは別にハードテンキーを設けないで、操作画面11上に仮想テンキーであるテンキー画面を表示して操作画面における入力操作が行われることがある。この場合に、テンキー画面は現在の操作画面11上に重ねて表示される。
【0029】
画像形成装置10の操作画面11上にテンキー画面を重ねて表示した場合の操作の一例を比較例として図3(A)~図3(F)に示す。以下において、ユーザが、画像形成装置のシステム管理設定を行う操作画面において、画像形成装置の製品番号であるシリアル番号を入力する際の動作を用いて説明する。
【0030】
操作画面11には、図3(A)に示すような入力画面22が表示されている。そして、ユーザは、入力画面22のシリアル番号入力欄にシリアル番号を入力する際に、入力画面22のつまみ釦21をクリックする。
【0031】
つまみ釦21がクリックされると、図3(B)に示すように、入力画面22の上層にテンキー画面31が重ねて表示される。このとき、テンキー画面31は、入力画面22の表示領域の一部に重ねて表示され、操作釦であるオブジェクト23、24がテンキー画面31の下層に隠れてしまう。
【0032】
テンキー画面31のテンキー釦による入力によりシリアル番号の入力が終わると、ユーザは、つまみ釦21をクリックしてテンキー画面31を閉じる。そして、図3(C)に示すように、ユーザは、オブジェクト24をクリックして、シリアル番号の入力操作を確定させる。
【0033】
そして、図3(D)に示すように、ユーザは、入力画面22のシリアル番号再入力欄にシリアル番号を再入力する際に、入力画面22のつまみ釦21をクリックする。
【0034】
つまみ釦21がクリックされると、図3(E)に示すように、入力画面22の上層にテンキー画面31が重ねて表示される。
【0035】
テンキー画面31のテンキー釦による入力によりシリアル番号の再入力が終わると、ユーザは、つまみ釦21をクリックしてテンキー画面31を閉じる。そして、図3(F)に示すように、ユーザは、オブジェクト24をクリックして、シリアル番号の再入力操作を確定させる。
【0036】
すなわち、比較例では、テンキー画面31が表示された状態では、入力画面22におけるオブジェクト23、24が隠れてしまい、オブジェクト23、24による操作を行うことができない。このため、オブジェクト23、24を操作する際には、テンキー画面31を閉じてから、オブジェクト23、24を操作する必要がある。すなわち、テンキー画面31を開いたまま、オブジェクト23、24を用いた操作を行うことができず、操作ステップが多くなってしまう。
【0037】
次に、画像形成装置10の操作画面11上にテンキー画面が重ならないように現在の操作画面を左方向へスライドして表示した場合の操作画面の一例を比較例として図4(A)に示す。
【0038】
図4(A)に示す例では、上述した図3(A)~図3(F)の処理に比べて操作ステップは少ないが、つまみ釦21をクリックしてテンキー画面31を表示する操作を行うと、現在の操作画面である入力画面22が、操作画面11の表示領域からテンキー画面31の表示領域分、-X方向へスライドされて表示される。つまり、テンキー画面31は入力画面22に重ならずにオブジェクト23、24は操作可能に表示されるが、入力画面22が操作画面11の表示領域に収まりきらずに操作画面11の表示領域から外れ、表示されない領域が出来てしまう。また、入力画面22を操作画面11の全領域に表示させる場合に、テンキー画面31を閉じてテンキー画面31の下層の入力画面22を表示させる手段をバナー等のメッセージによりユーザに示す必要がある。また、テンキー画面31を閉じてテンキー画面31の下層の入力画面22を表示させる操作が必要となり、操作ステップが増加してしまう。また、バナー等のメッセージの表示は操作の邪魔となり、操作性が悪くなる。
【0039】
次に、画像形成装置10の操作画面11上にテンキー画面が重ならないように現在の操作画面を縮小して表示した場合の操作画面の一例を比較例として図4(B)に示す。
【0040】
図4(B)に示す例では、上述した図3(A)~図3(F)の処理に比べて操作ステップは少ないが、つまみ釦21をクリックしてテンキー画面31を表示する操作を行うと、現在の操作画面である入力画面22が、テンキー画面31の表示領域分縮小され、操作画面11の表示領域内に収まるように表示される。つまり、テンキー画面31は入力画面22に重ならずにオブジェクト23、24は操作可能に表示されるが、入力画面22におけるオブジェクトが縮小して小さく表示されるため、操作性が悪くなる。また、入力画面22に表示されている文字も縮小されるため、入力した内容を確認することが難しくなり、操作性が悪くなる。
【0041】
本実施形態では、上述した図3(B)に示すように、入力画面22とテンキー画面31が重なることにより下層の入力画面22内のオブジェクト23、24が操作できなくなった場合であっても、図4(A)や図4(B)に示すように、下層の入力画面22の表示サイズや表示位置を変更せずに、下層の入力画面22内のオブジェクト23、24を操作可能とすることができる。
【0042】
図5は、本実施形態における画像形成装置10のハードウェア構成を示す図である。
【0043】
画像形成装置10は、図5に示されるように、CPU41、メモリ42、ハードディスクドライブ等の記憶装置43、ネットワーク30を介して外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IFと略す。)44、タッチパネル又は液晶ディスプレイ並びにキーボードを含むユーザインタフェース(UIと略す。)装置45、スキャナ46、プリントエンジン47を有する。これらの構成要素は、制御バス48を介して互いに接続されている。
【0044】
プリントエンジン47は、帯電、露光、現像、転写、定着などの工程を経て印刷用紙等の記録媒体上に画像を印刷する。
【0045】
CPU41は、メモリ42または記憶装置43に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、画像形成装置10の動作を制御するプロセッサである。なお、本実施形態では、CPU41は、メモリ42または記憶装置43内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明するが、当該プログラムをCD-ROM等の記憶媒体に格納してCPU41に提供することも可能である。
【0046】
図6は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現される画像形成装置10の機能構成を示すブロック図である。
【0047】
本実施形態の画像形成装置10は、図6に示されるように、認証部51と、操作入力部52と、表示部53と、データ送受信部54と、制御部55と、画像読取部56と、データ格納部57と、画像出力部58とを備えている。
【0048】
データ送受信部54は、端末装置20等の外部の装置との間でデータの送受信を行う。
【0049】
制御部55は、データ送受信部54を介して端末装置20から受信した印刷ジョブに基づいて印刷データを生成して、生成した印刷データを画像出力部58から出力する制御を行う。
【0050】
データ格納部57は、制御部55により生成された印刷データ等の各種データを格納する。また、データ格納部57は、後述するオブジェクト管理リストと移動対象リストを格納する。
【0051】
表示部53は、制御部55により制御され、ユーザに各種情報を表示する。操作入力部52は、ユーザにより行われた各種操作情報を入力する。
【0052】
画像出力部58は、制御部55による制御に基づいて、印刷用紙等の記録媒体上に画像を出力する。画像読取部56は、制御部55による制御に基づいて、セットされた原稿から原稿画像を読み取る。
【0053】
制御部55は、表示部53に少なくとも2つの表示領域を表示する際に、2つの表示領域が重なることにより下層の表示領域内の操作釦が操作できるか否かを判定する。言い換えれば、制御部55は、表示部53に少なくとも2つの表示領域を表示する際に、2つの表示領域が重なる場合に、上層の表示領域を検出し、上層の表示領域に下層の表示領域内の操作釦が含まれるか否かを判定する。
【0054】
そして、制御部55は、上層の表示領域に下層の表示領域内の操作釦が含まれると判定した場合、下層の表示領域の表示サイズおよび表示位置を変更することなく、上層の表示領域により隠された下層の表示領域内の操作釦の配置位置を変更することにより、当該操作釦を操作可能とする。具体的には、制御部55は、上層の表示領域により隠された下層の表示領域内の操作釦の配置位置を、上層の表示領域により隠されない位置に変更することにより、当該操作釦を操作可能とする。
【0055】
そして、制御部55は、上層の表示領域に下層の表示領域内の操作釦が含まれないと判定した場合、下層の表示領域内の配置位置の変更なく、そのまま表示部53に少なくとも2つの表示領域を表示する。
【0056】
また、制御部55は、上層の表示領域により隠された下層の表示領域内の操作釦の配置位置を変更したことにより、当該操作釦と他の表示要素である他のオブジェクトとが重なってしまう場合、他のオブジェクトの配置位置を下層の表示領域内において変更することにより、当該操作釦と他のオブジェクトとが重ならないような配置とする。
【0057】
また、制御部55は、下層の表示領域内において操作釦と他のオブジェクトとが重ならないような配置を実現することができない場合、当該操作釦を上層の表示領域内において表示することにより操作可能とする。
【0058】
図7は、本実施形態における画像形成装置10の操作画面の一例を示す図である。
【0059】
図7(A)に示すように、ユーザによる入力操作が必要な入力画面22を表示する際に、操作画面11上にテンキー画面31を表示させるためのつまみ釦21が表示される。
【0060】
そして、つまみ釦21がクリックされると、図7(B)に示すように、現在の表示画面である入力画面22の上層にテンキー画面31が重ねて表示される。テンキー画面31は、下層の入力画面22における入力操作を補助するための操作釦を表示するための表示領域であって、下層の入力画面22における数字の入力のために使用されるテンキー釦を少なくとも一部に含む表示領域である。このとき、下層の入力画面22の表示サイズおよび表示位置は変更されずに、上層のテンキー画面31より隠された下層の入力画面22内の操作釦であるオブジェクト23、24の配置位置がテンキー画面31により隠されない位置に変更され、オブジェクト23、24による操作が可能とされる。
【0061】
次に、操作画面11が、上述した図7(A)から図7(B)に移行するまでの画像形成装置10の動作について、図8図10を用いて説明する。
【0062】
以下において、操作画面11の左上を原点(0,0)として説明する。また、各オブジェクトには、それぞれのオブジェクトを識別するためのIDが付与されている。また、移動対象となるオブジェクトには、移動対象として識別するためのIDが付与される。データ格納部57には、オブジェクト管理リストとして、オブジェクトのID毎に、オブジェクトの表示位置を示す左上の座標(x,y)とオブジェクトの表示サイズ(幅、高さ)に関する情報が格納されている。また、データ格納部57には、移動対象リストとして、移動対象となる移動対象オブジェクトが格納される。
【0063】
先ず、図9(A)に示すように、入力画面22においてつまみ釦21がクリックされると、テンキー画面31の表示動作が開始される。
【0064】
ステップS11において、制御部55は、画像形成装置10の操作画面11に表示されるテンキー画面31の表示領域Aを検出する。
【0065】
次に、ステップS12において、制御部55は、操作対象である操作釦のオブジェクトが表示領域Aに含まれるか否かを判定する。
【0066】
ステップS12において、制御部55が、操作釦のオブジェクトが表示領域Aに含まれると判定した場合には、ステップS13において、表示領域Aに含まれると判定したオブジェクトに対して移動対象オブジェクトとしてのIDを付与して移動対象リストに追加する。具体的には、図9(B)に示すように、制御部55は、テンキー画面31の表示領域Aに含まれると判定したオブジェクト23に対して移動対象オブジェクトとしてのIDを付与し、移動対象リストに追加する。
【0067】
また、ステップS12において、制御部55が、操作釦のオブジェクトが表示領域Aに含まれないと判定した場合には、ステップS14の処理へ進む。
【0068】
次に、ステップS14において、制御部55は、チェックしていないオブジェクトがあるか否かを判定する。
【0069】
ステップS14において、制御部55が、チェックしていないオブジェクトがあると判定した場合には、ステップS12の処理へ戻る。具体的には、図9(A)及び図9(B)に示すように、制御部55は、表示領域Aに含まれると判定したオブジェクト24に対して移動対象オブジェクトとしてのIDを付与し、移動対象リストに追加する。
【0070】
そして、ステップS14において、制御部55が、チェックしていないオブジェクトはないと判定した場合には、ステップS15において、移動対象リストに移動対象オブジェクトがあるか否かを判定する。
【0071】
ステップS15において、制御部55が、移動対象リストに移動対象オブジェクトがないと判定した場合には、レイアウト変更処理を終了し、下層の表示領域の表示サイズと表示位置を変更しないで、上層の表示領域にテンキー画面31を表示する。
【0072】
また、ステップS15において、制御部55が、移動対象リストに移動対象オブジェクトがあると判定した場合には、ステップS16において、移動対象リストにある移動対象オブジェクトを操作画面11内の表示領域A外の位置であって-X方向へ移動する。具体的には、制御部55が、移動対象リストにオブジェクト23、24があると判定し、オブジェクト23、24を、図9(B)及び図10(A)に示すように操作画面11内の表示領域A外の位置であって-X方向、言い換えれば左方向へ移動する。
【0073】
そして、ステップS17において、制御部55は、-X方向へ移動された移動対象オブジェクトが他のオブジェクトと重なるか否かを判定する。具体的には、オブジェクト23、24が他のオブジェクトと重なるか否かを判定する。
【0074】
ステップS17において、制御部55が、ステップS16において-X方向へ移動された移動対象オブジェクトが他のオブジェクトと重ならないと判定した場合には、ステップS18において、移動された移動対象オブジェクトを移動対象リストから削除し、ステップS15の処理へ戻る。
【0075】
また、ステップS17において、制御部55が、ステップS16において-X方向へ移動された移動対象オブジェクトが他のオブジェクトと重なると判定した場合には、ステップS19において、重なったオブジェクトを-Y方向へ移動する。具体的には、制御部55は、オブジェクト23、24がオブジェクト25と重なると判定し、オブジェクト25を、図10(A)及び図10(B)に示すように-Y方向、言い換えれば上方向へ移動する。
【0076】
そして、ステップS20において、制御部55は、-Y方向へ移動されたオブジェクトが操作画面11の表示領域内に収まるか否かを判定する。
【0077】
ステップS20において、制御部55が、移動されたオブジェクトが操作画面11の表示領域内に収まると判定した場合には、ステップS17の処理へ戻る。
【0078】
具体的には、図10(B)に示すように、制御部55は、移動されたオブジェクト25は操作画面11の表示領域内に収まると判定する。そして、ステップS17において、制御部55は、移動されたオブジェクト25が他の表示要素であるオブジェクト26と重ならないと判定し、ステップS18において、オブジェクト23、24を移動対象リストから削除し、ステップS15において、制御部55は、移動対象リストに移動対象オブジェクトがないと判定し、テンキー画面31の下層の表示領域に表示されるオブジェクトの配置位置の変更処理であるレイアウト変更処理を終了する。
【0079】
すなわち、下層の入力画面22のオブジェクト23、24、25、26の表示サイズおよびオブジェクト25、26の表示位置は変更されずに、上層のテンキー画面31により隠された下層の入力画面22内の操作釦であるオブジェクト23、24の配置位置がテンキー画面31により隠されない位置に変更され、テンキー画面31を表示させた状態で、オブジェクト23、24による操作が可能となる。
【0080】
また、ステップS20において、制御部55が、移動されたオブジェクトが操作画面11の表示領域内に収まらないと判定した場合には、下層の入力画面22内において操作釦と他のオブジェクトとが重ならないような配置を実現することができないとして、テンキー画面31の下層の入力画面22内に表示されるオブジェクトのレイアウト変更処理を中止する。
【0081】
次に、テンキー画面31の下層の入力画面22内に表示されるオブジェクトのレイアウト変更処理を中止した場合であって、下層の入力画面22内において操作釦と他のオブジェクトとが重ならないような配置を実現することができない場合の画像形成装置10の動作について、図7図11図13を用いて説明する。
【0082】
先ず、図11(A)に示すように、入力画面22においてつまみ釦21がクリックされると、テンキー画面31の表示動作が開始される。
【0083】
ステップS11において、図11(B)に示すように、制御部55は、画像形成装置10の操作画面11に表示されるテンキー画面31の表示領域Aを検出する。
【0084】
そして、ステップS12において、制御部55は、操作対象である操作釦のオブジェクト23が表示領域Aに含まれると判定し、ステップS13において、オブジェクト23に対して移動対象オブジェクトとしてのIDを付与し、移動対象リストに追加する。
【0085】
そして、ステップS14において、制御部55は、チェックしていないオブジェクトがあると判定し、ステップS12において、制御部55は、オブジェクト24が表示領域Aに含まれると判定し、ステップS13において、オブジェクト24に対して移動対象オブジェクトとしてのIDを付与し、移動対象リストに追加する。
【0086】
そして、ステップS14において、制御部55は、チェックしていないオブジェクトはないと判定し、ステップS15において、制御部55は、移動対象リストにオブジェクト23、24があると判定し、ステップS16において、オブジェクト23、24を、図11(B)及び図12(A)に示すように操作画面11内の表示領域A外の位置であって-X方向、言い換えれば左方向へ移動する。
【0087】
そして、ステップS17において、制御部55は、-X方向へ移動されたオブジェクト23、24がオブジェクト27と重なると判定し、ステップS19において、制御部55は、重なったオブジェクト27を、図12(A)及び図12(B)に示すように-Y方向、言い換えれば上方向へ移動する。
【0088】
そして、ステップS19において、制御部55は、移動されたオブジェクト27が操作画面11の表示領域内に収まると判定する。
【0089】
そして、ステップS17において、図12(B)に示すように、制御部55は、移動されたオブジェクト27がオブジェクト28と重なると判定して、ステップS19において、制御部55は、重なったオブジェクト28を、図12(B)及び図13(A)に示すように-Y方向、言い換えれば上方向へ移動する。
【0090】
そして、ステップS20において、制御部55は、移動されたオブジェクト28が操作画面11の表示領域内に収まらないと判定し、テンキー画面31の下層の入力画面22に表示されるオブジェクトのレイアウト変更処理を中止する。
【0091】
そして、テンキー画面31に重なる入力画面22における操作釦のオブジェクトの数に応じて、テンキー画面31内にオブジェクトを生成し、割り当てる。すなわち、図13(B)に示すように、オブジェクト23、24の機能を備えた操作釦としてオブジェクト32A、32Bをそれぞれ上層のテンキー画面31内に割り当てる。
【0092】
具体的には、図13(A)及び図13(B)に示すように、例えばテンキー画面31内のオブジェクト32を2つのオブジェクトに分割して、それぞれのオブジェクトに対して、オブジェクト23、24の機能を備えたオブジェクト32A、32Bを割り当てて表示することによりオブジェクト23、24による操作を可能とする。このとき、テンキー画面31の下層の入力画面22内のオブジェクト23、24、27、28の表示サイズおよび表示位置は変更されない。また、オブジェクト32は、テンキー画面31を左右に移動させる操作釦であって、つまみ釦21で代用可能である。
【0093】
なお、オブジェクト32に、オブジェクト23、24の機能を備えたオブジェクト32A、32Bを割り当てるのではなく、上層の表示領域内であるテンキー画面31内のテンキー釦等の操作釦を縮小して、オブジェクト32の下方に、オブジェクト23、24に対応付けした操作釦を生成し表示するようにして当該操作釦により操作可能にするようにしてもよい。また、上層の表示領域であるテンキー画面31内の一部の操作釦を縮小して、空いたスペースにオブジェクト23、24に対応付けした操作釦を生成し表示するようにして当該操作釦により操作可能にするようにしてもよい。
【0094】
これにより、上層の表示領域であるテンキー画面31を表示させた状態で、テンキー画面31の下層の表示領域内の操作釦であるオブジェクト23、24による操作が可能とされる。
【0095】
すなわち、下層の入力画面22のオブジェクト23、24、27、28の表示サイズおよび表示位置は変更されずに、上層のテンキー画面31により隠された下層の入力画面22内の操作釦であるオブジェクト23、24が上層のテンキー画面31内に配置され、テンキー画面31を表示させた状態で、オブジェクト23、24による操作が可能とされる。
【0096】
つまり、下層の入力画面22内において操作釦のオブジェクトと他のオブジェクトとが重ならないような配置を実現することができない場合、操作釦のオブジェクトを上層の表示領域内において表示することにより操作可能とすることができる。なお、下層の表示領域である入力画面22内において操作釦のオブジェクトと他のオブジェクトとが重ならないような配置を実現することができない場合に限らず、上層の表示領域であるテンキー画面31により隠された下層の表示領域である入力画面22内の操作釦を上層の表示領域内において表示することにより操作可能とするようにしてもよい。
【0097】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0098】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0099】
[変形例]
上記実施形態では、画像形成装置10の制御部55が操作画面を制御する場合を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像形成装置10にネットワークを介して接続された端末装置20やサーバ等の情報処理装置のプロセッサが画像形成装置10の操作画面を制御する場合においても同様に本発明を適用することができるものである。
【0100】
すなわち、上記実施形態では、表示装置として情報処理装置に実装された操作パネルに表示される場合を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、画像形成装置10の操作パネル上に表示される画面を他の外部の表示装置(例えば、スマートフォンやタブレッド端末など)に表示される場合も含む。このような場合には、例えば、スマートフォンで操作画面を表示し、スマートフォンで操作した内容がネットワークを介して画像形成装置10に送信され、操作した内容が画像形成装置10で実行される。
【0101】
すなわち、上記実施形態では、情報処理装置の一例として画像形成装置10の操作画面を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の情報処理装置における操作画面においても同様に本発明を適用することができるものである。
【符号の説明】
【0102】
10 画像形成装置
11 操作画面
41 CPU
42 メモリ
43 記憶装置
44 通信インタフェース
45 ユーザインタフェース装置
53 表示部
55 制御部
図1
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