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特許7505311画像形成装置、駆動制御方法および駆動制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】画像形成装置、駆動制御方法および駆動制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20240618BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20240618BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
G03G15/08 343
G03G21/14
G03G21/00 386
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020127770
(22)【出願日】2020-07-28
(65)【公開番号】P2022024921
(43)【公開日】2022-02-09
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 雅博
(72)【発明者】
【氏名】石原 康弘
(72)【発明者】
【氏名】山本 豊
(72)【発明者】
【氏名】江口 博
(72)【発明者】
【氏名】小林 雄治
(72)【発明者】
【氏名】井田 奈津世
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-074890(JP,A)
【文献】特開2017-062433(JP,A)
【文献】特開2017-173543(JP,A)
【文献】特開2006-251156(JP,A)
【文献】特開2007-121359(JP,A)
【文献】特開平07-084451(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/08
13/095
13/34
15/00
15/08
15/095
15/36
21/00-21/02
21/14
21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーが収容されているトナー収容容器と、
前記トナーを前記トナー収容容器の外部に排出させるために、前記トナー収容容器を所定方向に回転させる駆動部と、
前記駆動部を制御する駆動制御手段と、を備え、
前記駆動制御手段は、第1の期間において第1の駆動方法で前記駆動部を駆動させ、前記第1の期間より後の第2の期間において前記トナー収容容器に加わる外力が前記第1の駆動方法と異なる第2の駆動方法で前記駆動部を駆動させ
前記第2の駆動方法は、前記トナー収容容器の角加速度の絶対値が前記第1の駆動方法よりも大きい、画像形成装置。
【請求項2】
前記第2の駆動方法は、前記第2の期間において前記トナー収容容器が所定の回転量だけ回転する間に前記トナー収容容器に加わる外力が前記第1の駆動方法と異なる、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2の駆動方法は、前記トナー収容容器が加速および減速する加減速動作の回数が前記第1の駆動方法よりも多い、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
トナーが収容されているトナー収容容器と、
前記トナーを前記トナー収容容器の外部に排出させるために、前記トナー収容容器を所定方向に回転させる駆動部と、
前記駆動部を制御する駆動制御手段と、を備え、
前記駆動制御手段は、第1の期間において第1の駆動方法で前記駆動部を駆動させ、前記第1の期間より後の第2の期間において前記トナー収容容器に加わる外力が前記第1の駆動方法と異なる第2の駆動方法で前記駆動部を駆動させ、
前記駆動部は、駆動源としてステッピングモーターを含み、
前記第2の駆動方法は、前記ステッピングモーターを駆動させるための単位回転角当たりのステップ数が前記第1の駆動方法よりも少ない、画像形成装置。
【請求項5】
トナーが収容されているトナー収容容器と、
前記トナーを前記トナー収容容器の外部に排出させるために、前記トナー収容容器を所定方向に回転させる駆動部と、
前記駆動部を制御する駆動制御手段と、
前記トナー収容容器のトナー残量を予測する残量予測手段と、を備え、
前記トナー収容容器は複数であり、前記駆動部は複数の前記トナー収容容器を同時に駆動し、
前記駆動制御手段は、第1の期間において第1の駆動方法で前記駆動部を駆動させ、前記第1の期間より後の第2の期間において前記トナー収容容器に加わる外力が前記第1の駆動方法と異なる第2の駆動方法で前記駆動部を駆動させ、複数の前記トナー収容容器それぞれに対して前記残量予測手段により予測される前記トナー残量の最小値が残量閾値より大きい場合に前記第1の期間と判断し、前記最小値が前記残量閾値以下の場合に第2の期間と判断する、画像形成装置。
【請求項6】
トナーが収容されているトナー収容容器と、
前記トナーを前記トナー収容容器の外部に排出させるために、前記トナー収容容器を所定方向に回転させる駆動部と、
前記駆動部を制御する駆動制御手段と、を備え、
前記駆動制御手段は、第1の期間において第1の駆動方法で前記駆動部を駆動させ、前記第1の期間より後の第2の期間において前記トナー収容容器に加わる外力が前記第1の駆動方法と異なる第2の駆動方法で前記駆動部を駆動させ、
前記第2の駆動方法は、前記駆動部が前記トナー収容容器に加える力の最大値が前記第1の駆動方法において前記駆動部が前記トナー収容容器に加える力の最大値以下の第1力基準駆動方法と、前記駆動部が前記トナー収容容器に加える力の最大値が前記第1の駆動方法において前記駆動部が前記トナー収容容器に加える力の最大値より大きい第2力基準駆動方法とを含み、
前記駆動制御手段は、前記駆動部の負荷が負荷閾値より大きい場合、前記第2の期間において前記第2力基準駆動方法で前記駆動部を駆動することなく前記第1力基準駆動方法で前記駆動部を駆動する、画像形成装置。
【請求項7】
トナーが収容されているトナー収容容器と、
前記トナーを前記トナー収容容器の外部に排出させるために、前記トナー収容容器を所定方向に回転させる駆動部と、
前記駆動部を制御する駆動制御手段と、を備え、
前記駆動制御手段は、第1の期間において第1の駆動方法で前記駆動部を駆動させ、前記第1の期間より後の第2の期間において前記トナー収容容器に加わる外力が前記第1の駆動方法と異なる第2の駆動方法で前記駆動部を駆動させ、
前記第2の駆動方法は、前記駆動部が前記トナー収容容器を所定の回転量だけ回転させる時間が前記第1の駆動方法における時間以上の第1時間基準駆動方法と前記第1の駆動方法における時間より短い第2時間基準駆動方法と、を含み、
前記トナー収容容器から排出される前記トナーに基づき画像を形成する現像手段と、
前記現像手段により消費される前記トナーの量を示すトナー消費量を予測する消費量予測手段と、をさらに備え、
前記駆動制御手段は、前記消費量予測手段により予測される前記トナー消費量が消費閾値以上の場合、前記第2の期間において前記第1時間基準駆動方法で前記駆動部を駆動することなく前記第2時間基準駆動方法で前記駆動部を駆動する、画像形成装置。
【請求項8】
トナーが収容されているトナー収容容器と、
前記トナーを前記トナー収容容器の外部に排出させるために、前記トナー収容容器を所定方向に回転させる駆動部と、
前記駆動部を制御する駆動制御手段と、を備え、
前記駆動制御手段は、第1の期間において第1の駆動方法で前記駆動部を駆動させ、前記第1の期間より後の第2の期間において前記トナー収容容器に加わる外力が前記第1の駆動方法と異なる第2の駆動方法で前記駆動部を駆動させ、
前記第2の駆動方法は、前記駆動部により前記トナー収容容器が所定の回転量だけ回転させる間に発生する音の音量が前記第1の駆動方法より大きい第1音基準駆動方法と、前記第1の駆動方法以下の第2音基準駆動方法とを含み、
自装置から所定の範囲に存在するユーザーを検出するユーザー検出手段を、さらに備え、
前記駆動制御手段は、前記ユーザー検出手段によりユーザーが検出される場合、前記第2の期間において前記第1音基準駆動方法で前記駆動部を駆動することなく前記第2音基準駆動方法で前記駆動部を駆動する、画像形成装置。
【請求項9】
前記トナー収容容器から排出される前記トナーを受けるサブホッパーと、
前記サブホッパーに収容される前記トナーの残量を検出するホッパー残量検出手段と、をさらに備え、
前記駆動制御手段は、前記サブホッパーに収容される前記トナーの残量が下限閾値以下になることに応じて、前記駆動部を駆動させる、請求項1~のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第2の駆動方法で前記駆動部を駆動している間、ユーザーに通知する通知手段を、さらに備えた請求項1~のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
トナーが収容されているトナー収容容器と、
前記トナーを前記トナー収容容器の外部に排出させるために、前記トナー収容容器を所定方向に回転させる駆動部と、を備えた画像形成装置で実行される駆動制御方法であって、
第1の期間において第1の駆動方法で前記駆動部を駆動させるステップと、
前記第1の期間より後の第2の期間において前記トナー収容容器に加わる外力が前記第1の駆動方法と異なる第2の駆動方法で前記駆動部を駆動させるステップと、を含み、
前記第2の駆動方法は、前記トナー収容容器の角加速度の絶対値が前記第1の駆動方法よりも大きい、駆動制御方法。
【請求項12】
トナーが収容されているトナー収容容器と、
前記トナーを前記トナー収容容器の外部に排出させるために、前記トナー収容容器を所定方向に回転させる駆動部と、を備えた画像形成装置で実行される駆動制御方法であって、
第1の期間において第1の駆動方法で前記駆動部を駆動させるステップと、
前記第1の期間より後の第2の期間において前記トナー収容容器に加わる外力が前記第1の駆動方法と異なる第2の駆動方法で前記駆動部を駆動させるステップと、を含み、
前記駆動部は、駆動源としてステッピングモーターを含み、
前記第2の駆動方法は、前記ステッピングモーターを駆動させるための単位回転角当たりのステップ数が前記第1の駆動方法よりも少ない、駆動制御方法。
【請求項13】
トナーが収容されているトナー収容容器と、
前記トナーを前記トナー収容容器の外部に排出させるために、前記トナー収容容器を所定方向に回転させる駆動部と、を備えた画像形成装置で実行される駆動制御方法であって、
前記トナー収容容器は複数であり、前記駆動部は複数の前記トナー収容容器を同時に駆動し、
前記トナー収容容器のトナー残量を予測する残量予測ステップと、
第1の期間において第1の駆動方法で前記駆動部を駆動させるステップと、
前記第1の期間より後の第2の期間において前記トナー収容容器に加わる外力が前記第1の駆動方法と異なる第2の駆動方法で前記駆動部を駆動させるステップと、
複数の前記トナー収容容器それぞれに対して前記残量予測ステップにおいて予測される前記トナー残量の最小値が残量閾値より大きい場合に前記第1の期間と判断し、前記最小値が前記残量閾値以下の場合に第2の期間と判断するステップと、を含む、駆動制御方法。
【請求項14】
トナーが収容されているトナー収容容器と、
前記トナーを前記トナー収容容器の外部に排出させるために、前記トナー収容容器を所定方向に回転させる駆動部と、を備えた画像形成装置で実行される駆動制御方法であって、
第1の期間において第1の駆動方法で前記駆動部を駆動させるステップと、
前記第1の期間より後の第2の期間において前記トナー収容容器に加わる外力が前記第1の駆動方法と異なる第2の駆動方法で前記駆動部を駆動させるステップと、を含み、
前記第2の駆動方法は、前記駆動部が前記トナー収容容器に加える力の最大値が前記第1の駆動方法において前記駆動部が前記トナー収容容器に加える力の最大値以下の第1力基準駆動方法と、前記駆動部が前記トナー収容容器に加える力の最大値が前記第1の駆動方法において前記駆動部が前記トナー収容容器に加える力の最大値より大きい第2力基準駆動方法とを含み、
前記駆動部の負荷が負荷閾値より大きい場合、前記第2の期間において前記第2力基準駆動方法で前記駆動部を駆動することなく前記第1力基準駆動方法で前記駆動部を駆動するステップを含む、駆動制御方法。
【請求項15】
トナーが収容されているトナー収容容器と、
前記トナーを前記トナー収容容器の外部に排出させるために、前記トナー収容容器を所定方向に回転させる駆動部と、前記トナー収容容器から排出される前記トナーに基づき画像を形成する現像手段と、を備えた画像形成装置で実行される駆動制御方法であって、
第1の期間において第1の駆動方法で前記駆動部を駆動させるステップと、
前記第1の期間より後の第2の期間において前記トナー収容容器に加わる外力が前記第1の駆動方法と異なる第2の駆動方法で前記駆動部を駆動させるステップと、を含み、
前記第2の駆動方法は、前記駆動部が前記トナー収容容器を所定の回転量だけ回転させる時間が前記第1の駆動方法における時間以上の第1時間基準駆動方法と前記第1の駆動方法における時間より短い第2時間基準駆動方法と、を含み、
前記現像手段により消費される前記トナーの量を示すトナー消費量を予測する消費量予測ステップと、
前記消費量予測ステップにおいて予測される前記トナー消費量が消費閾値以上の場合、前記第2の期間において前記第1時間基準駆動方法で前記駆動部を駆動することなく前記第2時間基準駆動方法で前記駆動部を駆動するステップと、をさらに含む、駆動制御方法。
【請求項16】
トナーが収容されているトナー収容容器と、
前記トナーを前記トナー収容容器の外部に排出させるために、前記トナー収容容器を所定方向に回転させる駆動部と、を備えた画像形成装置で実行される駆動制御方法であって、
第1の期間において第1の駆動方法で前記駆動部を駆動させるステップと、
前記第1の期間より後の第2の期間において前記トナー収容容器に加わる外力が前記第1の駆動方法と異なる第2の駆動方法で前記駆動部を駆動させるステップと、を含み、
前記第2の駆動方法は、前記駆動部により前記トナー収容容器が所定の回転量だけ回転させる間に発生する音の音量が前記第1の駆動方法より大きい第1音基準駆動方法と、前記第1の駆動方法以下の第2音基準駆動方法とを含み、
自装置から所定の範囲に存在するユーザーを検出するユーザー検出ステップと、
前記ユーザー検出ステップにおいてユーザーが検出される場合、前記第2の期間において前記第1音基準駆動方法で前記駆動部を駆動することなく前記第2音基準駆動方法で前記駆動部を駆動するステップと、をさらに含む、駆動制御方法。
【請求項17】
請求項11~16のいずれかに記載の駆動制御方法をコンピューターに実行させる駆動制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置、駆動制御方法および駆動制御プログラムに関し、特に、トナーを用いて画像を形成する画像形成装置、その画像形成装置で実行される駆動制御方法、その駆動制御方法をコンピューターに実行させる駆動制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multi Function Peripheral)で代表される画像形成装置は、像担持体に形成された静電潜像をトナーで現像することによって像担持体にトナー像を形成し、トナー像を用紙などの記録媒体に転写することにより用紙に画像を形成する。このため、MFPにトナーを収容するトナー収容容器が装着される。このトナー収容容器は、中空の円筒形状であり、MFPに長手方向が水平となるようにMFPに装着される。トナー収容容器は、内壁に螺旋状の突起が設けられており、トナー収容容器の回転対象軸を中心にトナー収容容器を回転させることにより、トナーが回転対象軸に沿ってトナー収容容器内を移動することにより、トナー収容容器から外に排出される。
【0003】
例えば、特開2005-316034号公報には、トナーを収納したトナーボトルと、トナーボトルを回転駆動する駆動モーターと、トナーボトルの回転により吐出されるトナーを貯留する貯留部と、トナーボトルの重さを計る圧電センサーと、制御部とを備え、トナーボトルは貯留部にトナーを補給する補給口を備え、制御部は圧電センサーの検知結果に応じて駆動モーターを制御して、トナーボトルから貯留部にトナーを補給するときのトナーボトルの回転速度を変更するトナー補給装置が記載されている。
【0004】
特開2005-316034号公報に記載のトナー補給装置は、トナーの流動性が一定であることを前提にしている。例えば、トナー表面にワックス層が形成されているが、環境の変化によりワックス層の付着力が大きくなる場合がある。トナーボトルから排出されるトナーの量は、トナーの流動性により変化するが、トナーの流動性がトナーの排出量に与える影響は、トナーボトルに収容されるトナーの量が少ないほど大きい。トナーボトルに収容されるトナーの量が少なくなると、トナー同士やトナーがトナー収容容器の内壁に付着する場合がある。このため、特開2005-316034号公報に記載のトナー補給装置においては、トナーボトルに収容されるトナーの量が少なくなる場合に、トナー収容用容器から適正な量のトナーを排出できない場合があるといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-316034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、トナー収容容器に収容されるトナーの量に係わらずトナー収容用容器から適正な量のトナーを排出させることが可能な画像形成装置を提供することである。
【0007】
この発明の他の目的は、トナー収容容器に収容されるトナーの量に係わらずトナー収容用容器から適正な量のトナーを排出させることが可能な駆動制御方法を提供することである。
【0008】
この発明のさらに他の目的は、トナー収容容器に収容されるトナーの量に係わらずトナー収容用容器から適正な量のトナーを排出させることが可能な駆動制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、画像形成装置は、トナーが収容されているトナー収容容器と、トナーをトナー収容容器の外部に排出させるために、トナー収容容器を所定方向に回転させる駆動部と、駆動部を制御する駆動制御手段と、を備え、駆動制御手段は、第1の期間において第1の駆動方法で駆動部を駆動させ、第1の期間より後の第2の期間においてトナー収容容器に加わる外力が第1の駆動方法と異なる第2の駆動方法で駆動部を駆動させ、第2の駆動方法は、トナー収容容器の角加速度の絶対値が第1の駆動方法よりも大きい
【0010】
この局面に従えば、第1の期間において第1の駆動方法で駆動部が駆動し、第1の期間より後の第2の期間においてトナー収容容器に加わる外力が第1の駆動方法と異なる第2の駆動方法で駆動部が駆動する。このため、第1の期間と第2の期間とで、トナー収容容器に収容されているトナーに加わる力が異なるので、第2の期間にトナー収容容器に収容されたトナーを第1の期間よりもトナー収容容器から排出し易くできる。その結果、トナー収容容器に収容されるトナーの量に係わらずトナー収容用容器から適正な量のトナーを排出させることが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0011】
好ましくは、第2の駆動方法は、第2の期間においてトナー収容容器が所定の回転量だけ回転する間にトナー収容容器に加わる外力が第1の駆動方法と異なる。
【0012】
この局面に従えば、トナー収容容器が所定の回転量だけ回転する間にトナー収容容器に加わる外力が異なるので、第1の駆動方法と第2の駆動方法とでトナー収容容器に与える力の大きさを異ならせることができる。
【0015】
好ましくは、第2の駆動方法は、トナー収容容器が加速および減速する加減速動作の回数が第1の駆動方法よりも多い。
【0016】
この局面に従えば、第2の駆動方法は、トナー収容容器が加速および減速する加減速動作の回数が第1の駆動方法よりも多いので、トナー収容容器に収容されるトナーに加わる力が変動する回数が第1の駆動方法よりも第2の駆動方法の方が多い。このため、第2の期間においてトナーの流動性が低下する度合いを少なくできる。
【0017】
この発明の他の局面によれば、画像形成装置は、トナーが収容されているトナー収容容器と、トナーをトナー収容容器の外部に排出させるために、トナー収容容器を所定方向に回転させる駆動部と、駆動部を制御する駆動制御手段と、を備え、駆動制御手段は、第1の期間において第1の駆動方法で駆動部を駆動させ、第1の期間より後の第2の期間においてトナー収容容器に加わる外力が第1の駆動方法と異なる第2の駆動方法で駆動部を駆動させ、駆動部は、駆動源としてステッピングモーターを含み、第2の駆動方法は、ステッピングモーターを駆動させるための単位回転角当たりのステップ数が第1の駆動方法よりも少ない。
【0018】
この局面に従えば、第2の駆動方法は、ステッピングモーターを駆動させるための単位回転角当たりのステップ数が第1の駆動方法よりも少ないので、トナー収容容器に収容されるトナーに加わる力の変動量が第1の駆動方法よりも第2の駆動方法の方が大きい。このため、第2の期間においてトナーの流動性が低下する度合いを少なくできる。
【0021】
この発明の他の局面によれば、画像形成装置は、トナーが収容されているトナー収容容器と、トナーをトナー収容容器の外部に排出させるために、トナー収容容器を所定方向に回転させる駆動部と、駆動部を制御する駆動制御手段と、トナー収容容器のトナー残量を予測する残量予測手段と、を備え、
トナー収容容器は複数であり、駆動部は複数のトナー収容容器を同時に駆動し、駆動制御手段は、第1の期間において第1の駆動方法で駆動部を駆動させ、第1の期間より後の第2の期間においてトナー収容容器に加わる外力が第1の駆動方法と異なる第2の駆動方法で駆動部を駆動させ、複数のトナー収容容器それぞれに対して残量予測手段により予測されるトナー残量の最小値が残量閾値より大きい場合に第1の期間と判断し、最小値が残量閾値以下の場合に第2の期間と判断する。
【0022】
この局面に従えば、複数のトナー収容容器それぞれに対して予測されるトナー残量の最小値が残量閾値より大きい場合に第1の期間と判断され、最小値が残量閾値以下の場合に第2の期間と判断される。このため、複数のトナー収容容器に収容されるトナーの量が異なる場合であっても、第2の期間を適切に決定することができる。
【0023】
この発明の他の局面によれば、画像形成装置は、トナーが収容されているトナー収容容器と、トナーをトナー収容容器の外部に排出させるために、トナー収容容器を所定方向に回転させる駆動部と、駆動部を制御する駆動制御手段と、を備え、駆動制御手段は、第1の期間において第1の駆動方法で駆動部を駆動させ、第1の期間より後の第2の期間においてトナー収容容器に加わる外力が第1の駆動方法と異なる第2の駆動方法で駆動部を駆動させ、第2の駆動方法は、駆動部がトナー収容容器に加える力の最大値が第1の駆動方法において駆動部がトナー収容容器に加える力の最大値以下の第1力基準駆動方法と、駆動部がトナー収容容器に加える力の最大値が第1の駆動方法において駆動部がトナー収容容器に加える力の最大値より大きい第2力基準駆動方法とを含み、駆動制御手段は、駆動部の負荷が負荷閾値より大きい場合、第2の期間において第2力基準駆動方法で駆動部を駆動することなく第1力基準駆動方法で駆動部を駆動する。
【0024】
この局面に従えば、駆動部の負荷が負荷閾値より大きい場合に第2の期間において第1の駆動方法において駆動部がトナー収容容器に加える力の最大値以下の第1力基準駆動方法で駆動部が駆動される。このため、駆動部が過負荷とならないようにできる。
【0025】
この発明の他の局面によれば、画像形成装置は、トナーが収容されているトナー収容容器と、トナーをトナー収容容器の外部に排出させるために、トナー収容容器を所定方向に回転させる駆動部と、駆動部を制御する駆動制御手段と、を備え、駆動制御手段は、第1の期間において第1の駆動方法で駆動部を駆動させ、第1の期間より後の第2の期間においてトナー収容容器に加わる外力が第1の駆動方法と異なる第2の駆動方法で駆動部を駆動させ、第2の駆動方法は、駆動部がトナー収容容器を所定の回転量だけ回転させる時間が第1の駆動方法における時間以上の第1時間基準駆動方法と第1の駆動方法における時間より短い第2時間基準駆動方法と、を含み、トナー収容容器から排出されるトナーに基づき画像を形成する現像手段と、現像手段により消費されるトナーの量を示すトナー消費量を予測する消費量予測手段と、をさらに備え、駆動制御手段は、消費量予測手段により予測されるトナー消費量が消費閾値以上の場合、第2の期間において第1時間基準駆動方法で駆動部を駆動することなく第2時間基準駆動方法で駆動部を駆動する。
【0026】
この局面に従えば、トナー消費量が消費閾値以上の場合に、駆動部がトナー収容容器を所定の回転量だけ回転させる時間が第1の駆動方法における時間より短い第2時間基準駆動方法で駆動部が駆動される。このため、トナー消費量が多い場合であっても適切な量のトナーをトナー収容容器から排出させることができる。
【0027】
この発明の他の局面によれば、画像形成装置は、トナーが収容されているトナー収容容器と、トナーをトナー収容容器の外部に排出させるために、トナー収容容器を所定方向に回転させる駆動部と、駆動部を制御する駆動制御手段と、を備え、駆動制御手段は、第1の期間において第1の駆動方法で駆動部を駆動させ、第1の期間より後の第2の期間においてトナー収容容器に加わる外力が第1の駆動方法と異なる第2の駆動方法で駆動部を駆動させ、第2の駆動方法は、駆動部によりトナー収容容器が所定の回転量だけ回転させる間に発生する音の音量が第1の駆動方法以下の第1音基準駆動方法と、第1の駆動方法より大きい第2音基準駆動方法とを含み、自装置から所定の範囲に存在するユーザーを検出するユーザー検出手段を備え、駆動制御手段は、ユーザー検出手段によりユーザーが検出される場合、第2の期間において第2音基準駆動方法で駆動部を駆動することなく第1音基準駆動方法で駆動部を駆動する。
【0028】
この局面に従えば、自装置から所定の範囲にユーザーが存在する場合に、駆動部によりトナー収容容器が所定の回転量だけ回転させる間に発生する音の音量が第1の駆動方法以下の第1音基準駆動方法で駆動部が駆動される。このため、自装置から所定の範囲に存在するユーザーに、第1の駆動方法において駆動部によりトナー収容容器が所定の回転量だけ回転させる間に発生する音の音量より大きな音量の音を聞かせないようにできる。したがって、自装置から所定の範囲に存在するユーザーに異音を聞かせないようにできる。
【0029】
好ましくは、トナー収容容器から排出されるトナーを受けるサブホッパーと、サブホッパーに収容されるトナーの残量を検出するホッパー残量検出手段と、をさらに備え、駆動制御手段は、サブホッパーに収容されるトナーの残量が下限閾値以下になることに応じて、駆動部を駆動させる。
【0030】
この局面に従えば、サブホッパーに収容されるトナーの残量が下限閾値以下になることに応じて、駆動部が駆動するので、サブホッパーに下限閾値以上のトナーが収容された状態を維持することができる。
【0031】
好ましくは、第2の駆動方法で駆動部を駆動している間、ユーザーに通知する通知手段を、さらに備える。
【0032】
この局面に従えば、ユーザーに第2の駆動方法で駆動部が駆動されていることが通知されるので、駆動部から発生する音の変化を検知するユーザーによりエラーと誤認されるのを防止できる。
【0033】
この発明の他の局面によれば、駆動制御方法は、トナーが収容されているトナー収容容器と、トナーをトナー収容容器の外部に排出させるために、トナー収容容器を所定方向に回転させる駆動部と、を備えた画像形成装置で実行される駆動制御方法であって、第1の期間において第1の駆動方法で駆動部を駆動させるステップと、第1の期間より後の第2の期間においてトナー収容容器に加わる外力が第1の駆動方法と異なる第2の駆動方法で駆動部を駆動させるステップと、を含み、第2の駆動方法は、トナー収容容器の角加速度の絶対値が第1の駆動方法よりも大きい
【0034】
この局面に従えば、トナー収容容器に収容されるトナーの量に係わらずトナー収容用容器から適正な量のトナーを排出させることが可能な駆動制御方法を提供することができる。
この発明の他の局面によれば、駆動制御方法は、トナーが収容されているトナー収容容器と、トナーをトナー収容容器の外部に排出させるために、トナー収容容器を所定方向に回転させる駆動部と、を備えた画像形成装置で実行される駆動制御方法であって、第1の期間において第1の駆動方法で駆動部を駆動させるステップと、第1の期間より後の第2の期間においてトナー収容容器に加わる外力が第1の駆動方法と異なる第2の駆動方法で駆動部を駆動させるステップと、を含み、駆動部は、駆動源としてステッピングモーターを含み、第2の駆動方法は、ステッピングモーターを駆動させるための単位回転角当たりのステップ数が第1の駆動方法よりも少ない。
この発明の他の局面によれば、駆動制御方法は、トナーが収容されているトナー収容容器と、トナーをトナー収容容器の外部に排出させるために、トナー収容容器を所定方向に回転させる駆動部と、を備えた画像形成装置で実行される駆動制御方法であって、トナー収容容器は複数であり、駆動部は複数のトナー収容容器を同時に駆動し、トナー収容容器のトナー残量を予測する残量予測ステップと、第1の期間において第1の駆動方法で駆動部を駆動させるステップと、第1の期間より後の第2の期間においてトナー収容容器に加わる外力が第1の駆動方法と異なる第2の駆動方法で駆動部を駆動させるステップと、複数のトナー収容容器それぞれに対して残量予測ステップにおいて予測されるトナー残量の最小値が残量閾値より大きい場合に第1の期間と判断し、最小値が残量閾値以下の場合に第2の期間と判断するステップと、を含む。
この発明の他の局面によれば、駆動制御方法は、トナーが収容されているトナー収容容器と、トナーをトナー収容容器の外部に排出させるために、トナー収容容器を所定方向に回転させる駆動部と、を備えた画像形成装置で実行される駆動制御方法であって、第1の期間において第1の駆動方法で駆動部を駆動させるステップと、第1の期間より後の第2の期間においてトナー収容容器に加わる外力が第1の駆動方法と異なる第2の駆動方法で駆動部を駆動させるステップと、を含み、第2の駆動方法は、駆動部がトナー収容容器に加える力の最大値が第1の駆動方法において駆動部がトナー収容容器に加える力の最大値以下の第1力基準駆動方法と、駆動部がトナー収容容器に加える力の最大値が第1の駆動方法において駆動部がトナー収容容器に加える力の最大値より大きい第2力基準駆動方法とを含み、駆動部の負荷が負荷閾値より大きい場合、第2の期間において第2力基準駆動方法で駆動部を駆動することなく第1力基準駆動方法で駆動部を駆動するステップを含む。
この発明の他の局面によれば、駆動制御方法は、トナーが収容されているトナー収容容器と、トナーをトナー収容容器の外部に排出させるために、トナー収容容器を所定方向に回転させる駆動部と、トナー収容容器から排出されるトナーに基づき画像を形成する現像手段と、を備えた画像形成装置で実行される駆動制御方法であって、第1の期間において第1の駆動方法で駆動部を駆動させるステップと、第1の期間より後の第2の期間においてトナー収容容器に加わる外力が第1の駆動方法と異なる第2の駆動方法で駆動部を駆動させるステップと、を含み、第2の駆動方法は、駆動部がトナー収容容器を所定の回転量だけ回転させる時間が第1の駆動方法における時間以上の第1時間基準駆動方法と第1の駆動方法における時間より短い第2時間基準駆動方法と、を含み、現像手段により消費されるトナーの量を示すトナー消費量を予測する消費量予測ステップと、消費量予測ステップにおいて予測されるトナー消費量が消費閾値以上の場合、第2の期間において第1時間基準駆動方法で駆動部を駆動することなく第2時間基準駆動方法で駆動部を駆動するステップと、をさらに含む。
この発明の他の局面によれば、駆動制御方法は、トナーが収容されているトナー収容容器と、トナーをトナー収容容器の外部に排出させるために、トナー収容容器を所定方向に回転させる駆動部と、を備えた画像形成装置で実行される駆動制御方法であって、第1の期間において第1の駆動方法で駆動部を駆動させるステップと、第1の期間より後の第2の期間においてトナー収容容器に加わる外力が第1の駆動方法と異なる第2の駆動方法で駆動部を駆動させるステップと、を含み、第2の駆動方法は、駆動部によりトナー収容容器が所定の回転量だけ回転させる間に発生する音の音量が第1の駆動方法より大きい第1音基準駆動方法と、第1の駆動方法以下の第2音基準駆動方法とを含み、自装置から所定の範囲に存在するユーザーを検出するユーザー検出ステップと、ユーザー検出ステップにおいてユーザーが検出される場合、第2の期間において第1音基準駆動方法で駆動部を駆動することなく第2音基準駆動方法で駆動部を駆動するステップと、をさらに含む。
【0035】
この発明の他の局面によれば、駆動制御プログラムは、上記の駆動制御方法をコンピューターに実行させる。
【0036】
この局面に従えば、トナー収容容器に収容されるトナーの量に係わらずトナー収容用容器から適正な量のトナーを排出させることが可能な駆動制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の実施の形態の1つにおけるMFPの外観を示す斜視図である。
図2】MFPの内部構成を示す模式的断面図である。
図3】トナーボトルおよびサブホッパーの外観を示す斜視図である。
図4】トナーボトル、サブホッパーおよび現像器の内部構成を示す図である。
図5】MFPのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図6】MFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
図7】第1の駆動方法で回転するトナーボトルの角速度の一例を示す第1の図である。
図8】第2の駆動方法で回転するトナーボトルの角速度の一例を示す第1の図である。
図9】第2の駆動方法で回転するトナーボトルの角速度の一例を示す第2の図である。
図10】画像形成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11】駆動制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0039】
図1は、本発明の実施の形態の1つにおけるMFPの外観を示す斜視図である。図2は、MFPの内部構成を示す模式的断面図である。図1および図2を参照して、MFP100は、画像形成装置として機能し、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する静止画像を用紙等に形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル160と、を含む。
【0040】
自動原稿搬送装置120は、原稿台に載置された1以上の原稿をさばいて、1枚ずつ原稿読取部130に搬送する。原稿読取部130は、自動原稿搬送装置120により原稿ガラス11上にセットされた原稿の画像を、その下方を移動するスライダ12に取付けられた露光ランプ13で露光する。原稿からの反射光は、ミラー14と2枚の反射ミラー15,15Aによりレンズ16に導かれ、CCD(Charge Coupled Devices)センサー18に結像する。露光ランプ13とミラー14とは、スライダ12に取付けられており、スライダ12は、スキャナモーター17により、図中に示す矢印方向(副走査方向)へ複写倍率に応じた速度Vで移動する。これにより、原稿ガラス11上にセットされた原稿を全面にわたって走査することができる。また、露光ランプ13とミラー14の移動に伴い、2枚の反射ミラー15,15Aは、速度V/2で図中矢印方向へ移動する。これにより、露光ランプ13で原稿に照射された光が、原稿で反射してからCCDセンサー18に結像するまでの光路長が常に一定となる。
【0041】
CCDセンサー18に結像した反射光は、CCDセンサー18内で電気信号としての画像データに変換され、図示しないメイン回路に送られる。メイン回路は、受取ったアナログの画像データにA/D変換処理、デジタル画像処理等を行なった後、画像形成部140に出力する。メイン回路は、画像データを、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の印字用データに変換し、画像形成部140へ出力する。
【0042】
画像形成部140は、現像器24Y,24M,24C,24Kと、これらに対応する着脱自在なトナーボトル41Y,41M,41C,41Kとを有する。トナーボトル41Y,41M,41C,41Kは、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナーをそれぞれ収納する。ここで、“Y”、“M”、“C”および“K”は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックを表す。トナーボトル41Y,41M,41C,41K内のトナーは、後述のサブホッパーを介して、現像器24Y,24M,24C,24Kにそれぞれ供給される。
【0043】
画像形成部140は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックそれぞれの画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kを備える。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kの少なくとも1つが駆動されることにより、画像が形成される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのすべてが駆動されると、フルカラーの画像を形成する。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kには、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの印字用データがそれぞれ入力される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kは、取扱うトナーの色彩が異なるのみなので、ここでは、イエローの画像を形成するための画像形成ユニット20Yについて説明する。
【0044】
画像形成ユニット20Yは、イエローの印字用データが入力される露光ヘッド21Yと、感光体ドラム23Yと、帯電チャージャ22Yと、現像器24Yと、転写チャージャ25Yとを備える。露光ヘッド21Yは、受取った印字用データ(電気信号)に応じてレーザ光を発光する。発光されたレーザ光は露光ヘッド21Yが備えるポリゴンミラーにより1次元走査され、感光体ドラム23Yを露光する。感光体ドラムを1次元走査する方向は、主走査方向である。
【0045】
感光体ドラム23Yは、帯電チャージャ22Yによって帯電された後、露光ヘッド21Yが発光するレーザ光が照射される。これにより、感光体ドラム23Yに静電潜像が形成される。続いて、現像器24Yにより、静電潜像上にトナーが載せられてトナー像が形成される。感光体ドラム23Y上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト30上に、転写チャージャ25Yにより転写される。
【0046】
一方、中間転写ベルト30は、駆動ローラ33Cとローラ33Aとにより弛まないように懸架されている。駆動ローラ33Cが図中で反時計回りに回転すると、中間転写ベルト30が所定の速度で図中反時計回りに回転する。中間転写ベルト30の回転に伴って、ローラ33Aが、反時計回りに回転する。
【0047】
これにより、画像形成ユニット20Y、20M,20C,20Kが、順に中間転写ベルト30上にトナー像を転写する。画像形成ユニット20Y、20M,20C,20Kそれぞれが、中間転写ベルト30上にトナー像を転写するタイミングは、中間転写ベルト30に付された基準マークを検出することにより、調整される。これにより、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト30上に重畳される。
【0048】
給紙カセット35,35A,35Bには、それぞれサイズの異なる用紙がセットされている。所望のサイズの用紙が、給紙カセット35,35A,35Bに取付けられている給紙ローラ36,36A,36Bにより、搬送路へ供給される。搬送路へ供給された用紙は、搬送ローラ対37によりタイミングローラ31へ送られる。
【0049】
中間転写ベルト30の基準マークを検出するためのタイミングセンサーが設置されており、タイミングセンサーが中間転写ベルト30の基準マークを検出すると、それに同期してタイミングローラ31が用紙を中間転写ベルト30に供給する。用紙は、転写ローラ26により中間転写ベルト30に押し当てられ、中間転写ベルト30上に重畳して形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像が用紙に転写される。駆動ローラ33Cの外周側にクリーナ28が配置されている。クリーナ28は、中間転写ベルト30上に残ったトナーを除去する。
【0050】
トナー像が転写された用紙は、定着ローラ対32に搬送され、定着ローラ対32により加熱される。これにより、トナーが溶かされて用紙に定着する。その後、用紙は排紙トレイ39に排出される。なお、ここでは、用紙に4色のトナーそれぞれを形成する画像形成ユニット20Y、20M,20C,20Kを備えたタンデム方式のMFP100について説明されるが、MFP100は、1つの感光体ドラムで4色のトナーを順に用紙に転写する4サイクル方式を採用してもよい。
【0051】
MFP100は、フルカラーの画像を形成する場合、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのすべてを駆動するが、モノクロの画像を形成する場合、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kの1つを駆動する。また、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kの2以上を組み合わせて画像を形成することもできる。
【0052】
図3は、トナーボトルおよびサブホッパーの外観を示す斜視図である。図3を参照して、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれは、トナーを収容するボトル部411と、ボトル部411の一端に取り付けられるキャップ部412とを含む。キャップ部412にはツマミ413が設けられている。トナーボトル41Y,41M,41C,41KがMFP100に挿入された状態で、ツマミ413が一定角度回転されることにより、キャップ部412がMFP100に固定される。トナーボトル41Y,41M,41C,41Kにそれぞれ対応してサブホッパー42Y,42M,42C,42Kが一体的に設けられている。トナーボトル41Y,41M,41C,41KがMFP100に挿入された状態では、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれのキャップ部412が、サブホッパー42Y,42M,42C,42K上にそれぞれ位置する。
【0053】
サブホッパー42Y,42M,42C,42Kの構成はほぼ同じであり、現像器24Y,24M,24C,24Kの構成はほぼ同じである。ここでは、一例としてトナーボトル41Y、サブホッパー42Yおよび現像器24Yの内部構成を説明する。
【0054】
図4は、トナーボトル、サブホッパーおよび現像器の内部構成を示す図である。図4を参照して、ボトル部411の一端には開口411aが設けられ、ボトル部411の内周面には螺旋状の突起が形成されている。キャップ部412は、開口411aの周囲を取り囲むようにボトル部411に取り付けられる。キャップ部412には、下方に向けて開口する供給口412aが形成されており、その供給口412aを開閉可能にシャッター部415が設けられている。シャッター部415は、ツマミ413(図3)と連動しており、ツマミ413が回転されることによってシャッター部415が開放される。ボトル部411の他端部には、ボトル回転機構43が接続される。
【0055】
ボトル回転機構43はステッピングモーター43aを含み、ステッピングモーター43aの回転力がトナーボトル41Yに伝達されることにより、トナーボトル41Yが回転される。ボトル回転機構43において、ステッピングモーター43aは、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kで共有される。ステッピングモーター43aの回転力は、ギアを介してトナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれに伝達される。このため、ステッピングモーター43aの駆動に応じて、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kが同時に回転する。なお、本実施の形態においては、ステッピングモーター43aが、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kのすべてを同時に駆動する例を示すが、この構成に限定されるものではない。ステッピングモーター43aの回転方向によって、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kのうち駆動対象が選択されてもよい。例えば、ステッピングモーター43aが正回転する場合に、トナーボトル41Y,41Mが同時に回転するがトナーボトル41C,41Kが同時に回転せず、ステッピングモーター43aが逆回転する場合に、トナーボトル41C,41Kが同時に回転するがトナーボトル41Y,41Mが同時に回転しないように構成してもよい。また、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれに対して、ステッピングモーターが設けられてもよい。この場合には、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれが単独で回転可能になる。
【0056】
トナーボトル41Yの供給口412aと重なるように、サブホッパー42Yの上部に供給口422aが形成されている。サブホッパー42Yの内部は、隔壁421によって収容部422と搬送部423とに区画されている。隔壁421の一端部とサブホッパー42Yの内壁面との間には間隙421aが形成されている。間隙421aは搬送部423の一端部上に位置し、間隙421aを介して収容部422は搬送部423と連通する。
【0057】
ボトル回転機構43によってトナーボトル41Yが回転されると、ボトル部411内のトナーが、ボトル部411の内周面に形成された螺旋状の突起に沿って前方に移動し、開口411aから流出する。さらに、開口411aから流出したトナーが、キャップ部412の供給口412aおよびサブホッパー42Yの供給口422aを通って、サブホッパー42Yの収容部422に落下する。
【0058】
収容部422には、水平方向の軸を中心に揺動するフロート部材424が設けられる。収容部422内のトナーの量に応じて、フロート部材424の傾きが変化する。収容部422の外面には、エンプティセンサー427が設けられている。収容部422内のトナーの量が不足してフロート部材424の傾きが大きくなると、エンプティセンサー427が、フロート部材424に取り付けられた被検出体(例えば磁石)を検出する。
【0059】
搬送部423には、螺旋状の補給ローラ425が設けられている。補給ローラ425は、サブホッパー駆動機構426に接続されている。サブホッパー駆動機構426はステッピングモーター426aを含み、ステッピングモーター426aの回転力が補給ローラ425に伝達されることにより補給ローラ425が回転される。搬送部423の他端部(間隙421aと逆側の端部)は、連通部428を介して現像器24Yに接続されている。サブホッパー駆動機構426によって補給ローラ425が回転されると、搬送部423の一端部から他端部に向けてトナーが搬送され、連通部428を通して現像器24Yに供給される。このため、補給ローラ425の回転数によって、現像器24Yに供給するトナーの量を調整することができる。また、補給ローラ425の回転数と、現像器24Yに供給されるトナーの量との関係は、収容部422に収納されるトナーの状態が正常であれば比例する。収容部422に収納されるトナーの状態は、収容部422に収納されるトナーの量、収容部422に収納されるトナーの流動性を含む。このため、収容部422に収納されるトナーの状態を正常にして、補給ローラ425の回転数と、現像器24Yに供給されるトナーの量とを計測することにより、単位トナー量のトナーを現像器24Yに供給するための補給ローラ425の回転数を基準駆動量として定めることができる。
【0060】
現像器24Yは、貯蔵部241、搬送ローラ242,243および現像ローラ244を含む。サブホッパー42Yから供給されるトナーは、貯蔵部241内に貯蔵される。搬送ローラ242,243は貯蔵部241内に配置されており、現像ローラ244は貯蔵部241から部分的に露出するように配置されている。搬送ローラ242,243は、図示しないモーターによってそれぞれ回転されることにより、貯蔵部241内のトナーを現像ローラ244に向けて搬送する。現像ローラ244の外周面は感光体ドラム23Yの外周面と対向する。貯蔵部241には、キャリアーが収納されている。キャリアーは磁性を有するが、トナーは磁性を有しない。搬送ローラ242,243によって、トナーとキャリアーとが搬送される間に、静電気によりトナーがキャリアーに付着する。現像ローラ244は、回転可能なスリーブ内に固定的に配置された磁石を有する。現像ローラ244は、図示しないモーターによって回転されることにより、トナーが付着したキャリアーを磁力によって担持しつつ搬送し、感光体ドラム23Yに形成された静電潜像にトナーを付着させる。ここで、トナー濃度は、貯蔵部241に貯蔵されるトナーとキャリアーに対するトナーの比率である。
【0061】
現像ローラ244に印加されるバイアス電圧は、トナー濃度が所定の範囲内であることを前提として決定されている。このため、トナー濃度が所定の範囲から外れると、印字品質が安定しなくなる。例えば、感光体ドラム23Yに形成された静電潜像以外の部分にトナーが付着するかぶりと呼ばれる現象が発生する場合や、キャリアーが感光体ドラム23Yに付着するキャリアー付着と呼ばれる現象が発生する場合がある。キャリアー付着の現象が発生すると、感光体ドラム23Yなどに傷付いたりして、パーツの寿命を短くする原因になるほか、MFP本体の故障を招く可能性がある。したがって、貯蔵部241内のトナー濃度を所定の範囲内に保つ必要がある。
【0062】
感光体ドラム23Yの現像ローラ244の下流に、濃度検出センサー27Yが配置される。濃度検出センサー27Yは、発光ダイオードとフォトトランジスタとからなり、感光体ドラム23Yの表面と対向して配置される。濃度検出センサー27Yは、発光ダイオードから照射される光が感光体ドラム23Yで反射した光をフォトトランジスタで受光し、フォトトランジスタが光電変換して出力する電子信号を出力する。濃度検出センサー27Yが出力する電気信号は、感光体ドラム23Yに付着したトナーの量によって異なるので、この電気信号から感光体ドラム23Yに付着したトナー量を検出することができる。なお、本実施の形態においては、感光体ドラム23Y上に付着したトナー量が計測されるが、中間転写ベルト30に付着したトナー量が計測されてもよい。中間転写ベルト30に付着したトナー量を計測する場合には、濃度検出センサーは、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kに対して1つ設ければよい。
【0063】
図5は、MFPのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図5を参照して、MFP100が有するメイン回路110は、CPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM113と、RAM114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)116と、ファクシミリ部117と、人感センサー118と、CD-ROM(Compact Disk ROM)119Aが装着される外部記憶装置119とを含む。また、CPU111は、自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130と、画像形成部140と、給紙部150と、操作パネル160とそれぞれ接続され、MFP100の全体を制御する。
【0064】
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。
【0065】
操作パネル160は、MFP100の上面に設けられ(図1参照)、表示部161と操作部163とを含む。表示部161は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electroluminescence Display)等の表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部163は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受付ける。操作部163は、表示部161上に設けられたタッチパネルをさらに含む。
【0066】
通信I/F部112は、MFP100をネットワークに接続するためのインターフェースである。CPU111は、通信I/F部112を介してネットワークに接続されたコンピューターとの間で通信し、データを送受信する。また、通信I/F部112は、ネットワークを介してインターネットに接続されたコンピューターと通信が可能である。
【0067】
人感センサー118は、MFP100から所定の範囲内の人を検出し、人を検出したことをCPU111に出力する。本実施の形態においては、人感センサー118として赤外線センサーが用いられる。なお、人感センサー118は、MFP100から所定の範囲に人が存在することを検出できればよく、赤外線センサーに代えて、焦電センサー、温度センサー、超音波センサー、レーザードップラセンサー、集音マイク、圧力センサーを用いてもよい。人感センサー118として、圧力センサーが用いられる場合には、圧力センサーを内蔵したマットをMFP100から所定の範囲の床に設置し、そのマットの上を歩いたことによる加圧箇所を検出することにより、MFP100から所定の範囲における人の存在が検出される。また、人感センサー118として、集音マイクが用いられる場合には、集音マイクで集音された音から足音の大きさの変化を検出することにより、MFP100に人が近づいてくることが検出される。
【0068】
ファクシミリ部117は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部117は、受信したファクシミリデータを、HDD116に記憶する、または画像形成部140に出力する。画像形成部140は、ファクシミリ部117により受信されたファクシミリデータを用紙に印刷する。また、ファクシミリ部117は、HDD116に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0069】
外部記憶装置119は、CD-ROM119Aが装着される。CPU111は、外部記憶装置119を介してCD-ROM119Aにアクセス可能である。CPU111は、外部記憶装置119に装着されたCD-ROM119Aに記録されたプログラムをRAM114にロードして実行する。なお、CPU111が実行するプログラムは、CD-ROM119Aに記録されたプログラムに限られず、HDD116に記憶されたプログラムをRAM114にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ネットワークに接続された他のコンピューターが、MFP100のHDD116に記憶されたプログラムを書換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、MFP100が、ネットワークに接続された他のコンピューターからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD116に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0070】
なお、CPU111が実行するプログラムを記憶する媒体としては、CD-ROM119Aに限られず、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)などの半導体メモリーであってもよい。
【0071】
図6は、MFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図6に示す機能は、MFP100が備えるCPU111が、CD-ROM119Aに記憶されたトナー供給プログラムを実行することによりCPU111に形成される機能である。図6を参照して、MFP100が備えるCPU111は、駆動制御部51と、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれが収容するトナーの残量をトナー残量として予測する残量予測部53と、消費量予測部55と、ホッパー駆動部57と、エンプティ判断部59と、近接ユーザー判断部61と、通知部63と、を含む。
【0072】
残量予測部53は、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれにおいて、それに収容されるトナー残量を予測する。残量予測部53は、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれの残量を駆動制御部51に出力する。残量予測部53は、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれの回転数に基づいて、トナー残量を予測する。ここでは、トナーボトル41Yについて説明する。トナーボトル41YがMFP100に装着される前にトナーボトル41Yに収容されるトナーの量が予め定められている。また、トナーボトル41YがMFP100に装着された後に、トナーボトル41Yが1回転する間にトナーボトル41Yから排出されるトナーの量が予め定められている。残量予測部53は、トナーボトル41YがMFP100に装着されてからの回転数を記憶し、その回転数に基づいて、トナーボトル41Yの残量を算出する。また、残量予測部53は、トナーボトル41YがMFP100に装着されてからの回転数を、ステッピングモーター43aの回転数に基づいて算出する。なお、本実施の形態においては、残量予測部53がトナーボトル41Yの回転数に基づいて、トナー残量を予測する例を示すが、この構成に限定されない。例えば、残量予測部53は、トナーボトル41Yの重量を計測し、計測された重量から残量を算出してもよい。また、残量予測部53は、後述する消費量予測部55により予測されるイエローのトナーの消費量に基づいて、トナーボトル41Yの残量を算出してもよい。
【0073】
消費量予測部55は、画像形成の対象となった画像データに基づいて、トナー消費量を予測する。上述したように、シアンの印字用データは画像形成ユニット20Cに出力され、マゼンタの印字用データは画像形成ユニット20Mに出力され、イエローの印字用データは画像形成ユニット20Yに出力され、ブラックの印字用データは画像形成ユニット20Kに出力される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kそれぞれは、対応する印字用データに基づいて、用紙に画像を形成する。例えば、画像形成ユニット20Yは、イエローの印字用データに基づいて、貯蔵部241に貯蔵されたトナーで、給紙部150から供給される用紙に画像を形成する。
【0074】
このため、消費量予測部55は、RGBからなる画像データを、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)それぞれの印字用データに変換する。そして、消費量予測部55は、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックそれぞれの印字用データに基づいて、画像形成部140により消費されるシアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックごとのトナーの量(以下「トナー消費量」という)を予測する。消費量予測部55は、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックそれぞれのトナー消費量を駆動制御部51およびホッパー駆動部57に出力する。CPU111による画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kの制御は、印字用データが異なるのみで、その制御は同じなので、以下の説明では特に言及しない限り、CPU111による画像形成ユニット20Yの制御について説明する。
【0075】
消費量予測部55は、イエローの印字用データに基づいて、画像形成ユニット20Yによって消費されるイエローのトナー消費量を予測し、予測したトナー消費量を駆動制御部51およびホッパー駆動部57に出力する。消費量予測部55は、イエローの印字用データの画素値からトナー消費量を算出する。複数の画素値それぞれに対して、予め測定されたトナー量が対応付されたテーブルを用いて、印字用データの画素値からトナー量を算出するようにすればよい。また、画素値とトナー量との関係を定めた計算式が予め準備されてもよい。
【0076】
ホッパー駆動部57は、サブホッパー駆動機構426を制御し、サブホッパー42Yの収容部422に収納されたトナーを現像器24Yに供給させる。具体的には、ホッパー駆動部57は、ステッピングモーター426aを制御することにより、サブホッパー42Yの収容部422から現像器24Yに供給するトナーの量を調整する。
【0077】
ホッパー駆動部57は、消費量予測部55から入力されるトナー消費量に基づいて、サブホッパー駆動機構426の駆動量を決定する。具体的には、ホッパー駆動部57は、トナー消費量と同じ量のトナーがサブホッパー42Yから現像器24Yに供給されるように、トナー消費量と基準駆動量とからステッピングモーター426aの回転数を決定する。ホッパー駆動部57は、消費量予測部55から入力されるトナー消費量の合計が補給用上限値以上になるごとに、駆動量を決定する。補給用上限値は予め定められた値である。ホッパー駆動部57は、駆動量を決定した後に消費量予測部55から入力されるトナー消費量の合計が補給用上限値以上になると、駆動量を決定する。なお、ホッパー駆動部57は、消費量予測部55からトナー消費量が入力されるごとに、駆動量を決定するようにしてもよい。
【0078】
ホッパー駆動部57は、エンプティセンサー427がフロート部材424に取り付けられた被検出体を検出すると、駆動制御部51に駆動指示を出力する。
【0079】
近接ユーザー判断部61は、人感センサー118を制御してMFP100から所定の距離以内に存在するユーザーを検出する。近接ユーザー判断部61は、人感センサー118により人が検出されることに応じて、人を検出したことを示す検出信号を、駆動制御部51に出力する。近接ユーザー判断部61は、人感センサー118により人が検出されている間は検出信号を出力する。
【0080】
駆動制御部51は、ホッパー駆動部57から駆動指示が入力されることに応じて、ボトル回転機構43を制御し、トナーボトル41Yに収納されたトナーをサブホッパー42Yに供給させる。具体的には、駆動制御部51は、ステッピングモーター43aを制御することにより、トナーボトル41Yに収納されたトナーをサブホッパー42Yの収容部422に供給する。
【0081】
駆動制御部51は、期間判断部71と、第1駆動部73と、第2駆動部75と、残トナー量判断部77と、消費トナー量判断部70と、を含む。期間判断部71は、残量予測部53から入力される残トナー量に基づいて、現在の日時が、第1期間と、第1期間の後に続く第2期間とのいずれであるかを判断する。期間判断部71は、第1期間と判断する場合は第1駆動部73に第1期間信号を出力し、第2期間と判断する場合は第2駆動部75に第2期間信号を出力する。
【0082】
期間判断部71には、残量予測部53からトナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれの残トナー量が入力される。期間判断部71は、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれの残トナー量の最小値が残量閾値より大きい場合に第1期間と判断し、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれの残トナー量の最小値が残量閾値以下の場合に第2期間と判断する。換言すれば、期間判断部71は、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kすべての残トナー量が残量閾値より大きい場合に第1期間と判断し、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kの少なくとも1つの残トナー量が残量閾値以下の場合に第2期間と判断する。
【0083】
トナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれから排出されるトナー量は、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kごとに異なる。このため、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれの残トナー量は、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kごとに異なる。トナーボトル41Y,41M,41C,41KがMFP100に装着された段階では、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれの残トナー量は残量閾値より大きい。MFP100で画像が形成されてトナーが消費されている過程で、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kのうち排出されるトナー量が最も多いトナーボトルの残トナー量が残量閾値以下になるまでは第1期間と判断され、排出されるトナー量が最も多いトナーボトルの残トナー量が残量閾値以下になると第2期間と判断される。
【0084】
残トナー量判断部77は、ステッピングモーター43aの負荷が予め定められた負荷閾値以上か否かを判断する。残トナー量判断部77は、残量予測部53からトナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれの残トナー量が入力される。残トナー量判断部77は、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれの残トナー量の少なくとも1つが残量閾値以上の場合にステッピングモーター43aの負荷が負荷閾値以上と判断する。ステッピングモーター43aの負荷は、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれの残トナー量に比例する。なお、残トナー量判断部77は、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれの残トナー量の総和からステッピングモーター43aの負荷を求めて、ステッピングモーター43aの負荷が負荷閾値以上か否かを判断してもよい。
【0085】
消費トナー量判断部79は、消費量予測部55により予測されたシアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックごとのトナー消費量の少なくとも1つが消費閾値以上か否かを判断する。消費トナー量判断部79は、判断結果を第2駆動部75に出力する。
【0086】
第1駆動部73は、期間判断部71から第1期間信号が入力されている間に、ホッパー駆動部57から駆動指示が入力されることに応じて、第1の駆動方法でステッピングモーター43aを駆動する。第2駆動部75は、期間判断部71から第2期間信号が入力されている間に、ホッパー駆動部57から駆動指示が入力されることに応じて、第2の駆動方法でステッピングモーター43aを駆動する。第2の駆動方法は、第1の駆動方法とトナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれが所定の回転量だけ回転する間においてトナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれに加わる外力が異なる。トナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれに加わる外力は同じなので、以下、トナーボトル41Yを例に説明する。
【0087】
第1駆動部73および第2駆動部75それぞれは、ステッピングモーター43aを制御して、トナーボトル41Yを回転していない状態から所定の角速度V1になるまで加速させ、角速度V1になってからは角速度V1で回転させ、その後トナーボトル41Yが回転しなくなるまで減速させる。
【0088】
第2の駆動方法は、ステッピングモーター43aがトナーボトル41Yに加える力の最大値が第1の駆動方法においてステッピングモーター43aがトナーボトル41Yに加える力の最大値以下の第1力基準駆動方法と、ステッピングモーター43aがトナーボトル41Yに加える力の最大値が第1の駆動方法においてステッピングモーター43aがトナーボトル41Yに加える力の最大値より大きい第2力基準駆動方法とを含む。ステッピングモーター43aがトナーボトル41Yに加える力の最大値は、第1力基準駆動方法が第2力基準駆動方法よりも小さい。
【0089】
また、第2の駆動方法は、ステッピングモーター43aがトナーボトル41Yを所定の回転量R1だけ回転させる時間が第1の駆動方法における時間以上の第1時間基準駆動方法と、第1の駆動方法における時間より短い第2時間基準駆動方法と、を含む。ステッピングモーター43aがトナーボトル41Yを所定の回転量R1だけ回転させる時間は、第1時間基準駆動方法における時間が第2時間基準方法における時間より長い。
【0090】
また、第2の駆動方法は、ステッピングモーター43aがトナーボトル41Yを所定の回転量R1だけ回転させる間に発生する音の音量が第1の駆動方法における音量以下の第1音基準駆動方法と、第1の駆動方法における音量より大きい第2音基準駆動方法とを含む。ステッピングモーター43aがトナーボトル41Yを所定の回転量R1だけ回転させる間に発生する音の音量は、第1時間基準駆動方法における音量が第2時間基準方法における音量より小さい。
【0091】
図7は、第1の駆動方法で回転するトナーボトルの角速度の一例を示す第1の図である。図8は、第2の駆動方法で回転するトナーボトルの角速度の一例を示す第1の図である。図7および図8においては、トナーボトル41Yを回転量R1だけ回転される場合が例に示される。図7を参照して、第1駆動部73は、トナーボトル41Yを、トナーボトル41Yを回転していない状態から角速度V1になるまで第1角加速度A1で加速させ、角速度V1になってからは角速度V1で回転させ、その後トナーボトル41Yが回転しなくなるまで第2角加速度A2で減速させる。トナーボトル41Yの回転を開始してから終了するまでの時間T1は、トナーボトル41Yの回転量R1によって定まる。
【0092】
図8を参照して、第2駆動部75は、トナーボトル41Yを、トナーボトル41Yを回転していない状態から角速度V1になるまで第3角加速度A3で加速させ、角速度V1になってからは角速度V1で回転させ、その後トナーボトル41Yが回転しなくなるまで第4角加速度でA4減速させる。第3角加速度A3は第1角加速度A1より大きく、第4角加速度A4の絶対値は第2角加速度A2の絶対値より大きい。第1角加速度A1と第2角加速度A2とは、絶対値が同じであってもよいし、異なってもよい。また、第3角加速度A3と第4角加速度A4とは絶対値が同じであってもよいし、異なってもよい。
【0093】
したがって、第1の駆動方法よりも角加速度を大きくする第2の駆動方法において第2駆動部75がトナーボトル41Yに加える力の最大値は、第1駆動部73がトナーボトル41Yに加える力の最大値より大きい。したがって、第1の駆動方法よりも角加速度を大きくする第2の駆動方法は、第2力基準駆動方法である。
【0094】
また、トナーボトル41Yが受ける力の大きさが大きいほど、ボトル回転機構43から発生する音の音量が大きくなる。このため、第1の駆動方法よりも角加速度を大きくする第2の駆動方法は、第1音基準駆動方法である。
【0095】
トナーボトル41Yの回転を開始してから終了するまでの時間T2は、トナーボトル41Yの回転量R1によって定まる。時間T2は、時間T1より短い。このため、第1の駆動方法よりも角加速度を大きくする第2の駆動方法は、第2時間基準駆動方法である。
【0096】
また、第1駆動部73は、第1の励磁方式でステッピングモーター43aを駆動し、第2駆動部75は、第2の励磁方式でステッピングモーター43aを駆動する。第2の励磁方式は、第1の励磁方式よりも単位回転角当たりのステップ数が少ない。具体的には、第1の励磁方式はW1-2相であり、第2の励磁方式は1-2相である。単位回転角当たりのステップ数が、第1励磁方式が第2の励磁方式よりも大きいので、ステッピングモーター43aの回転が、第1の励磁方式が第2の励磁方式よりもスムーズである。第2の励磁方式でステッピングモーター43aを駆動する場合は第2の励磁方式でステッピングモーター43aを駆動する場合に比較して、トナーボトル41Yの回転がスムーズでないので、トナーボトル41Yがステッピングモーター43aから受ける力の変動が大きくなる。トナーボトル41Yが受ける力の変動量が大きいほど、ボトル回転機構43から発生する音の音量が大きくなる。このため、第1の駆動方法と励磁方式を異ならせる第2の駆動方法は、第1音基準駆動方法である。
【0097】
第1の励磁方式でステッピングモーター43aを駆動する場合の角加速度と同じ角加速度で、第2の励磁方式でステッピングモーター43aを駆動する場合、トナーボトル41Yの回転を開始してから回転量R1だけの回転が終了するまでの時間は、第1の駆動方法でトナーボトル41Yを回転量R1だけ回転させる場合と同じである。したがって、第1の駆動方法と励磁方式を異ならせる第2の駆動方法は、第1時間基準駆動方法である。
【0098】
第1の励磁方式でステッピングモーター43aを駆動する場合の角加速度と同じ角加速度で、第2の励磁方式でステッピングモーター43aを駆動する場合、第2駆動部75がトナーボトル41Yに加える力の最大値は、第1駆動部73がトナーボトル41Yに加える力の最大値と同じである。したがって、第1の駆動方法と励磁方式を異ならせる第2の駆動方法は、第1力基準駆動方法である。
【0099】
図9は、第2の駆動方法で回転するトナーボトルの角速度の一例を示す第2の図である。図9においては、トナーボトル41Yが回転量R1だけ回転される場合を例に示している。図9を参照して、図7と異なる点は、トナーボトル41Yを加減速する回数が多い。具体的には、第2駆動部75は、トナーボトル41Yを、トナーボトル41Yを回転していない状態から角速度V1になるまで第1角加速度A1で加速させ、その後トナーボトル41Yが回転しなくなるまで第2角加速度A2で減速させ、さらに、トナーボトル41Yを回転していない状態から角速度V1になるまで第1角加速度A1で加速させ、角速度V1になってからは角速度V1で回転させ、その後トナーボトル41Yが回転しなくなるまで第2角加速度A2で減速させる。このように、トナーボトル41Yを加減速する回数が2回なので、第2駆動部75がトナーボトル41Yに加える力が変動する回数が、第1駆動部73がトナーボトル41Yに加える力が変動する回数より多い。
【0100】
トナーボトル41Yの回転を開始してから終了するまでの時間T3は、トナーボトル41Yの回転量R1によって定まる。時間T3は、時間T1より大きい。したがって、第1の駆動方法と加減速の回数を異ならせる第2の駆動方法は、第1時間基準駆動方法である。
【0101】
第1の駆動方法と第2の駆動方法とで、加速時の第1角加速度および減速時の第2角加速度が同じなので、第2駆動部75がトナーボトル41Yに加える力の最大値は、第1駆動部73がトナーボトル41Yに加える力の最大値と同じである。したがって、第1の駆動方法よりも加減速の回数が多い第2の駆動方法は、第1力基準駆動方法であり、かつ、第2音基準駆動方法である。
【0102】
図6に戻って、第2駆動部75は、残トナー量判断部77によりステッピングモーター43aの負荷が負荷閾値以上と判断される場合、第2力基準駆動方法でなく第1力基準駆動方法でステッピングモーター43aを駆動する。第1力基準駆動方法は、ステッピングモーター43aがトナーボトル41Yに加える力の最大値が第2力基準駆動方法よりも小さいので、ステッピングモーター43aの負荷が負荷閾値以上の場合に、ステッピングモーター43aがトナーボトル41Yに加える力の最大値を小さくして、ステッピングモーター43aを含むボトル回転機構43が過負荷にならないようにし、破損等しないようにできる。
【0103】
また、第2駆動部75は、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックごとのトナー消費量の少なくとも1つが消費閾値以上と消費トナー量判断部79により判断される場合、第1時間基準駆動方法でなく第2時間基準駆動方法でステッピングモーター43aを駆動する。第2時間基準駆動方法は、トナーボトル41Yを所定の回転量R1だけ回転させる時間が第1時間基準駆動方法における時間よりも短いので、トナー消費量が多い場合であってもサブホッパー42Yに適切な量のトナーを供給させることができる。
【0104】
また、第2駆動部75は、近接ユーザー判断部61から検出信号が入力されている間は、第1音基準駆動方法でなく第2音基準駆動方法でステッピングモーター43aを駆動する。ボトル回転機構43から発生する音の音量は、第1音基準駆動方法における音量が第1の駆動方法における音量より大きく、第2音基準駆動方法における音量が第1の駆動方法における音量以下なので、MFP100から所定の距離の範囲内に存在するユーザーが聞く音の音量が第1の期間に聞く音よりも大きくならないようにできる。
【0105】
通知部63は、第2駆動部75がステッピングモーター43aを駆動している間、ユーザーに通知する。例えば、通知部63は、表示部161に、第2期間において第2の駆動方法でトナーボトル41Y,41M,41C,41Kを回転させていることを示すメッセージを表示する。また、第2期間において第2の駆動方法でトナーボトル41Y,41M,41C,41Kを回転させていることを示す画像が表示部161に表示されてもよい。
【0106】
エンプティ判断部59は、駆動制御部51に駆動指示を出力した後であって、駆動制御部51によるボトル回転機構43の制御が完了した後に、エンプティセンサー427がフロート部材424に取り付けられた被検出体を検出する場合、トナーボトル41Yがエンプティでることを検出する。駆動制御部51がボトル回転機構43を制御しても、サブホッパー42Yに収容されるトナーが増加しない場合は、トナーボトル41Yからサブホッパー42Yに供給されるトナー量が減少しているので、トナーボトル41Yからサブホッパー42Yに供給されるトナー量が所定量以下になる場合に、トナーボトル41Yがエンプティであると判断される。エンプティ判断部59は、トナーボトル41Yがエンプティであると判断する場合に通知する。例えば、エンプティ判断部59は、表示部161にトナーボトル41Yがエンプティであることを示す画像またはメッセージを表示する。
【0107】
図10は、画像形成処理の流れの一例を示すフローチャートである。画像形成処理は、MFP100が備えるCPU111が、CD-ROM119Aに記憶された画像形成プログラムを実行することによりCPU111により実行される処理である。図10を参照して、CPU111は、ジョブを受け付けたか否かを判断する(ステップS01)。ジョブが受け付けられるまで待機状態となり(ステップS01でNO)、ジョブが受け付けられたならば(ステップS01でYES)、処理はステップS02に進む。
【0108】
ステップS02においては、ジョブが実行され、画像形成処理が開始する。そして、サブホッパー42Y,42M,42C,42Kそれぞれのトナー残量のいずれかが、下限閾値以下か否かが判断される(ステップS03)。サブホッパー42Y,42M,42C,42Kのうちにトナーの残量が下限閾値以下となるものが存在すれば処理はステップS04に進むが、そうでなければ処理はステップS12に進む。ここでは、サブホッパー42Yのトナーの残量が下限閾値以下となる場合を例に説明する。ステップS12においては、画像形成が終了したか否かが判断される。画像形成が終了していなければ処理はステップS03に戻るが、画像形成が終了したならば処理は終了する。
【0109】
ステップS04においては、駆動制御処理が実行され、処理はステップS05に進む。駆動制御処理の詳細は後述するが、ボトル回転機構43を駆動してトナーボトル41Y,41M,41C,41Kを回転させる処理である。これにより、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kからトナーがサブホッパー42Y,42M,42C,42Kにそれぞれ供給される。
【0110】
ステップS05においては、サブホッパー42Y,42M,42C,42Kそれぞれの残量のすべてが下限閾値以上か否かが判断される。サブホッパー42Y,42M,42C,42Kそれぞれの残量のすべてが下限閾値以上ならば処理はステップS12に進むが、そうでなければ処理はステップS06に進む。ステップS06においては、変数iがインクリメントされて処理はステップS07に進む。変数iは、ステップS04における駆動制御処理を実行する回数を定める値であり、ステップS06が最初に実行される前に初期値に「1」が設定される。
【0111】
ステップS07においては、変数iが閾値TH1以上か否かが判断される。変数iが閾値TH1以上ならば処理はステップS08に進む、そうでなければ処理はステップS04に戻る。閾値TH1は、駆動制御処理が繰り返し実行される回数の上限値を定める。ステップS08においては、エンプティエラーが通知され、処理はステップS09に進む。エンプティエラーは、トナーボトル41Y,41M,41C,41KのうちステップS03において、トナー残量が下限閾値以下と判断されたサブホッパー42Yに対応するトナーボトル41Yがエンプティであることを示す。例えば、トナーボトル41Yがエンプティであること、および交換を促すメッセージが表示部161に表示される。これにより、ユーザーは、トナーボトル41Yを新たなトナーボトルに交換する作業を実行することができる。ユーザーは、トナーボトル41Yを交換した後に、再開指示を示す操作を操作部163に入力する。
【0112】
ステップS09においては、画像形成処理が一時的に停止され、処理はステップS10に進む。ステップS10においては、再開指示が受け付けられたか否かが判断される。操作部163が再開指示を示す操作を受け付けると、再開指示が受け付けられたことが検出される。再開指示が受け付けられるまで待機状態となり(ステップS10でNO)、再開指示が受け付けられたならば(ステップS10でYES)、処理はステップS11に進む。
【0113】
ステップS11においては、ステップS09において一時的に停止された画像形成処理が再開され、処理はステップS03に戻る。
【0114】
図11は、駆動制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。駆動制御処理は、画像形成処理のステップS04において実行される処理であり、MFP100が備えるCPU111が、CD-ROM119Aに記憶された駆動制御プログラムを実行することによりCPU111により実行される処理である。駆動制御プログラムは、画像形成プログラムの一部である。
【0115】
図11を参照して、CPU111は、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれのトナー残量を予測する(ステップS21)。トナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれにおいて、それに収容されるトナーの残量がトナー残量として予測される。具体的には、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれの回転数に基づいて、トナー残量が予測される。例えば、トナーボトル41Yが1回転する間にトナーボトル41Yから排出されるトナーの量が予め定められているので、トナーボトル41YがMFP100に装着されてからの回転数に基づいて、トナーボトル41Yの残量を算出する。また、トナーボトル41Yの重量を計測し、計測された重量から残量が算出されてもよい。イエローのトナーの消費量に基づいて、トナーボトル41Yの残量が算出されてもよい。
【0116】
ステップS22においては、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれのトナー残量の最小値が残量閾値より大きいか否かが判断される。トナー残量の最小値が残量閾値より大きければ処理はステップS23に進むが、そうでなければ処理はステップS36に進む。ステップS36においては、第1期間に決定され、処理はステップS37に進む。ステップS37においては、第1起動方法に決定され、処理はステップS32に進む。ステップS32においては、処理がステップS37から進む場合、第1駆動方法でステッピングモーター43aが駆動され、処理は画像形成処理に戻る。
【0117】
ステップS23においては、第2期間に決定され、処理はステップS24に進む。ステップS24においては、第2駆動方法に決定され、処理はステップS25に進む。ステップS25においては、ユーザーに第2期間であることが通知され、処理はステップS26に進む。例えば、第2期間において第2の駆動方法でトナーボトル41Y,41M,41C,41Kを回転させていることを示すメッセージまたは画像が表示部161に表示される。
【0118】
ステップS26においては、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれのトナー残量の少なくとも1つが残量閾値以上か否かが判断される。トナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれのトナー残量の少なくとも1つが残量閾値以上ならば処理はステップS33に進み、そうでなければ処理はステップS27に進む。
【0119】
ステップS33においては、第1力基準駆動方法に決定され、処理はステップS34に進む。本実施の形態においては、第2の励磁方式でステッピングモーター43aを駆動する第2の駆動方法が決定される。トナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれのトナー残量の少なくとも1つが残量閾値以上の場合、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれのトナー残量の合計が所定の値以上の場合である。この場合には、ステッピングモーター43aの負荷が大きくなるので、ステッピングモーター43aがトナーボトル41Y,41M,41C,41Kに加える力の最大値を小さくして、ステッピングモーター43aを含むボトル回転機構43が過負荷にならないようにでき、破損等しないようにできる。
【0120】
ステップS34においては、MFP100から所定の範囲内にユーザーが存在するか否かが判断される。MFP100から所定の範囲内にユーザーが存在するならば処理はステップS35に進むが、そうでなければステップS35がスキップされて処理はステップS32に進む。ステップS35においては、第2音基準駆動方法に決定され、処理はステップS32に進む。本実施の形態においては、第1の駆動方法よりも加減速回数が多い第2の駆動方法に決定される。これにより、第2の励磁方式でステッピングモーター43aを駆動する第2の駆動方法でステッピングモーター43aが駆動されて発生する音よりも音量が小さくなるので、ユーザーが異常音と誤認するのを防止できる。
【0121】
ステップS32においては、処理がステップS34から進む場合、第1力基準駆動方法、本実施の形態においては第2の励磁方式でステッピングモーター43aを駆動する第2の駆動方法でステッピングモーター43aが駆動され、処理は画像形成処理に戻る。ステップS32においては、処理がステップS35から進む場合、第2音基準駆動方法、本実施の形態においては加減速の回数が2回の第2の駆動方法でステッピングモーター43aが駆動され、処理は画像形成処理に戻る。
【0122】
ステップS27においては、トナー消費量が消費閾値以上か否かが判断される。画像形成の対象となるシアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックそれぞれの印字用データに基づいて、画像形成部140により消費されるシアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックごとのトナー消費量が予測され、トナー消費量が消費閾値以上か否かが判断される。トナー消費量が消費閾値以上ならば処理はステップS28に進むが、そうでなければ処理はステップS29に進む。ステップS28においては、第2時間基準駆動方法に決定され、処理はステップS30に進む。本実施の形態においては、第1の駆動方法よりも角加速度を大きくする第2の駆動方法が決定される。ステップS29においては、第1時間基準駆動方法に決定され、処理はステップS30に進む。本実施の形態においては、第2の励磁方式でステッピングモーター43aを駆動する第2の駆動方法が決定される。
【0123】
ステップS30においては、MFP100から所定の範囲内にユーザーが存在するか否かが判断される。MFP100から所定の範囲内にユーザーが存在するならば処理はステップS31に進むが、そうでなければステップS31がスキップされて処理はステップS32に進む。ステップS31においては、第2音基準駆動方法に決定され、処理はステップS32に進む。本実施の形態においては、第1の駆動方法よりも加減速回数が多い第2の駆動方法に決定される。これにより、第1の駆動方法よりも角加速度を大きくする第2の駆動方法または第2の励磁方式でステッピングモーター43aを駆動する第2の駆動方法でステッピングモーター43aが駆動されて発生する音よりも音量が小さくなるので、ユーザーが異常音と誤認するのを防止できる。
【0124】
ステップS32においては、処理がステップS30から進む場合であって、ステップS28が実行される場合には第2時間基準駆動方法、本実施の形態においては、第1の駆動方法よりも角加速度を大きくする第2の駆動方法でステッピングモーター43aを駆動する第2の駆動方法でステッピングモーター43aが駆動され、処理は画像形成処理に戻る。ステップS32においては、処理がステップS30から進む場合であって、ステップS29が実行される場合には第1時間基準駆動方法、本実施の形態においては、第2の励磁方式でステッピングモーター43aを駆動する第2の駆動方法でステッピングモーター43aが駆動され、処理は画像形成処理に戻る。ステップS32においては、処理がステップS31から進む場合、第2音基準駆動方法、本実施の形態においては加減速の回数が2回の第2の駆動方法でステッピングモーター43aが駆動され、処理は画像形成処理に戻る。
【0125】
<変形例>
本実施の形態においては、第1の駆動方法とトナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれが所定の回転量R1だけ回転する間においてトナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれに加わる外力が異なる第2の駆動方法の一例として、角加速度、励磁方式および加減速回数を異ならせる例を示した。第2の駆動方法は、第1の駆動方法と、角加速度、励磁方式、加減速回数の少なくとも1つを異ならせてもよい。
【0126】
例えば、第2の駆動方法における角加速度が、第1の駆動方法における角加速度よりも大きい場合、第1の期間では第1の駆動方法でステッピングモーター43aが駆動され、第2の期間では第2の駆動方法でステッピングモーター43aが駆動される。また、角速度V1が大きな値に設定されれば、ステッピングモーター43aを駆動する時間T2がより短くなる。
【0127】
また、第2の駆動方法を、第1の駆動方法の第1の励磁方式と異なる第2の励磁方式でステッピングモーター43aを駆動する駆動方法とする場合、第1の期間では第1の励磁方式でステッピングモーター43aが駆動され、第2の期間では第2の励磁方式でステッピングモーター43aが駆動される。
【0128】
また、第2の駆動方法における加減速回数を、第1の駆動方法における加減速回数よりも多くする場合、第1の期間では加減速回数が1回の第1の駆動方法でステッピングモーター43aが駆動され、第2の期間では加減速回数が2回の第2の駆動方法でステッピングモーター43aが駆動される。また、角速度V1が大きな値に設定されてもよい。この場合、ステッピングモーター43aを駆動する時間T3が第1の駆動方法における時間T1以下になる場合がある。
【0129】
また、第2の駆動方法は、第1の駆動方法の角加速度より大きい角加速度でステッピングモーター43aを駆動し、かつ、第1の駆動方法における第1の励磁方式における単位回転角当たりのステップ数よりも小さい第2の励磁方式でステッピングモーター43aを駆動する駆動方法としてもよい。さらに、第2の駆動方法は、第1の駆動方法の角加速度より大きい角加速度でステッピングモーター43aを駆動し、かつ、第1の駆動方法の加減速回数よりも多く加減速回数でステッピングモーター43aを駆動する駆動方法とされてもよい。
【0130】
また、第2の駆動方法は、第1の駆動方法における単位回転角当たりのステップ数よりも小さいステップ数の第2の励磁方法で、かつ、第1の駆動方法における加減速回数よりも多い加減速回数の駆動方法であってもよい。
【0131】
この場合において、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれに収容されているトナーの残量の総和が所定の値以上の場合は、第1の駆動方法よりも角加速度を大きくしないようにする。これにより、ボトル回転機構43の破損が防止される。
【0132】
また、トナーボトル41Y,41M,41C,41Kのいずれかのトナー消費量が消費閾値以上となる場合には、ステッピングモーター43aを駆動する時間が第1の駆動方法における時間T1より長くならないようにする。例えば、第1の駆動方法よりも角加速度を大きくする第2の駆動方法でステッピングモーター43aが駆動される。また、ステッピングモーター43aの角速度の最大値が大きくてもよい。
【0133】
また、MFP100から所定の距離の範囲にユーザーが検出される場合には、第1の駆動方法でステッピングモーター43aを駆動する場合に発生する音の音量以下の第2の駆動方法でステッピングモーター43aが駆動される。例えば、第2駆動方法は、ステッピングモーター43aの角加速度の最大値を第1の駆動方法における角加速度以下の角加速度でステッピングモーター43aを駆動する駆動方法である。また、第2の駆動方法は、ステッピングモーター43aの単位回転量当たりのステップ数を第1の駆動方法における単位回転量当たりのステップ数以下の第1励磁方式でステッピングモーター43aを駆動する駆動方法である。
【0134】
以上説明したように、本実施の形態におけるMFP100は、画像形成装置として機能し、トナーが収容されているトナーボトル41Yと、トナーをトナーボトル41Yの外部に排出させるために、トナーボトル41Yを所定方向に回転させるボトル回転機構43と、ボトル回転機構43を制御するCPU111と、を備え、CPU111は、第1の期間において第1の駆動方法でボトル回転機構43を駆動させ、第1の期間より後の第2の期間においてトナーボトル41Yが所定の回転量だけ回転する間においてトナーボトル41Yに加わる外力が第1の駆動方法と異なる第2の駆動方法でボトル回転機構43を駆動させる。このため、第1の期間と第2の期間とで、トナーボトル41Yに収容されているトナーに加わる力が異なるので、第2の期間にトナーボトル41Yに収容されたトナーを第1の期間よりもトナーボトル41Yから排出し易くできる。したがって、トナーボトル41Yに収容されるトナーの量に係わらずトナーボトル41Yから適正な量のトナーを排出させることができる。
【0135】
また、第2の駆動方法は、トナーボトル41Yの角加速度の絶対値が第1の駆動方法よりも大きい。このため、トナーボトル41Yに収容されるトナーに加わる力が第1の駆動方法よりも第2の駆動方法の方が大きいので、第2の期間においてトナーの流動性が低下する度合いを少なくできる。
【0136】
また、第2の駆動方法は、トナー収容容器が加速および減速する加減速動作の回数が第1の駆動方法よりも多い。トナーボトル41Yに収容されるトナーに加わる力が変動する回数が第1の駆動方法よりも第2の駆動方法の方が多いので、第2の期間においてトナーの流動性が低下する度合いを少なくできる。
【0137】
また、ボトル回転機構43は、駆動源としてステッピングモーター43aを含み、第2の駆動方法は、ステッピングモーター43aを駆動させるための単位回転角当たりのステップ数が第1の駆動方法よりも少ない。このため、トナーボトル41Yに収容されるトナーに加わる力の変動量が第1の駆動方法よりも第2の駆動方法の方が大きいので、第2の期間においてトナーの流動性が低下する度合いを少なくできる。
【0138】
また、CPU111は、トナーボトル41Yのトナー残量を予測し、予測されたトナー残量に基づいて第1の期間と第2の期間とのいずれかを判断する。トナーの流動性がトナーボトル41Yから単位回転量当たりに排出されるトナーの量に影響する場合は、トナーボトル41Yに収容されるトナーの量が少ない場合である。このため、例えば、トナーの流動性がトナーボトル41Yから単位回転量当たりに排出されるトナーの量に影響するトナー残量を定めることにより、第2の期間を適切に決定することができる。
【0139】
また、ボトル回転機構43は、複数のトナーボトル41Y,41M,41C,41Kを同時に駆動し、CPU111は、複数のトナーボトル41Y,41M,41C,41Kそれぞれに対して予測されるトナー残量の最小値が残量閾値より大きい場合に第1の期間と判断し、最小値が残量閾値以下の場合に第2の期間と判断する。このため、複数のトナーボトル41Y,41M,41C,41Kに収容されるトナーの量が異なる場合であっても、第2の期間を適切に決定することができる。
【0140】
また、第2の駆動方法は、ボトル回転機構43がトナーボトル41Y,41M,41C,41Kに加える力の最大値が第1の駆動方法においてボトル回転機構43がトナーボトル41Y,41M,41C,41Kに加える力の最大値以下の第1力基準駆動方法と、ボトル回転機構43がトナーボトル41Y,41M,41C,41Kに加える力の最大値が第1の駆動方法においてボトル回転機構43がトナーボトル41Y,41M,41C,41Kに加える力の最大値より大きい第2力基準駆動方法とを含み、CPU111は、ボトル回転機構43の負荷が負荷閾値より大きい場合、第2の期間において第2力基準駆動方法で駆動部を駆動することなく第1力基準駆動方法で駆動部を駆動する。このため、ボトル回転機構43が過負荷とならないようにできる。
【0141】
また、第2の駆動方法は、ボトル回転機構43がトナーボトル41Yを所定の回転量だけ回転させる時間が第1の駆動方法における時間以上の第1時間基準駆動方法と第1の駆動方法における時間より短い第2時間基準駆動方法と、を含み、CPU111は、トナーボトル41Yから排出されるトナーに基づき画像を形成する現像器24Yにより消費されるトナーの量を示すトナー消費量を予測し、予測されたトナー消費量が消費閾値以上の場合、第2の期間において第2時間基準駆動方法で駆動部を駆動することなく第1時間基準駆動方法で駆動部を駆動する。このため、トナー消費量が多い場合であっても適切な量のトナーをトナー収容容器から排出させることができる。
【0142】
また、第2の駆動方法は、ボトル回転機構43によりトナーボトル41Yが所定の回転量だけ回転させる間に発生する音の音量が第1の駆動方法以下の第1音基準駆動方法と、第1の駆動方法より大きい第2音基準駆動方法とを含み、CPU111は、MFP100から所定の範囲に存在するユーザーを検出する場合、第2の期間において第2音基準駆動方法で駆動部を駆動することなく第1音基準駆動方法で駆動部を駆動する。このため、MFP100から所定の範囲に存在するユーザーに、第1の駆動方法においてボトル回転機構43によりトナーボトル41Yが所定の回転量だけ回転させる間に発生する音の音量より大きな音量の音を聞かせないようにできる。したがって、MFP100から所定の範囲に存在するユーザーに異音として聞こえないようにボトル回転機構43が駆動される。
【0143】
また、CPU111は、サブホッパー42Yに収容されるトナーの残量を検出し、サブホッパー42Yに収容されるトナーの残量が下限閾値以下になることに応じて、ボトル回転機構43を駆動させる。このため、サブホッパー42Yに下限閾値以上のトナーが収容された状態を維持することができる。
【0144】
また、CPU111は、第2の駆動方法で駆動部を駆動している間、ユーザーに通知する。このため、ボトル回転機構43から発生する音の変化を検知するユーザーによりエラーとして誤認されるのが防止できる。
【0145】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0146】
<付記>
(1) 好ましくは、前記トナー収容容器のトナー残量を予測する残量予測手段を、さらに備え、
前記駆動制御手段は、前記残量予測手段により予測される複数の前記トナー収容容器それぞれの前記トナー残量の少なくとも1つが残量閾値以上の場合、前記駆動部の負荷が前記負荷閾値より大きいと判断する。
(2) 好ましくは、前記駆動制御手段が前記駆動部を前記所定時間駆動した後に前記サブホッパーに収容される前記トナーの残量が前記下限閾値以下の場合に前記トナー収容容器を交換するべきタイミングと判断するエンプティ判断手段を、さらに備える。
(3) 好ましくは、前記第2の駆動方法は、前記第2の期間において前記トナー収容容器が所定の回転量だけ回転する間に前記トナー収容容器に加わる外力が前記第1の駆動方法と異なる。
【符号の説明】
【0147】
100 MFP、110 メイン回路、111 CPU、112 通信I/F部、113 ROM、114 RAM、116 HDD、117 ファクシミリ部、118 人感センサー、119 外部記憶装置、119A CD-ROM、120 自動原稿搬送装置、130 原稿読取部、140 画像形成部、150 給紙部、160 操作パネル、161 表示部、163 操作部、20Y,20M,20C,20K 画像形成ユニット、21Y,21M,21C,21K 露光ヘッド、22Y,22M,22C,22K 帯電チャージャ、23Y、23M,23C,23K 感光体ドラム、24Y,24M,24C,24K 現像器、41Y,41M,41C,41K トナーボトル、42Y,42M,42C,42K サブホッパー、43 ボトル回転機構、43a ステッピングモーター、51 駆動制御部、53 残量予測部、55 消費量予測部、57 ホッパー駆動部、59 エンプティ判断部、61 近接ユーザー判断部、63 通知部、67 駆動量決定部、70 消費トナー量判断部、71 期間判断部、73 第1駆動部、75 第2駆動部、77 残トナー量判断部、79 消費トナー量判断部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11